説明

携帯端末

【課題】本発明は、表示継続時間が予め短い値に設定されていても、ユーザによる簡単な操作でこの表示継続時間を通常より長く設定しつつ表示を延長させて継続させることにより、ユーザは少ない操作で表示を長時間継続させることができ、ユーザビリティを損なわずに省電力及び表示装置の長寿命を実現する携帯端末を提供する。
【解決手段】第1の設定時間がタイマ時間として設定されたタイマと、ユーザ操作がされた際、表示をONにするとともにタイマを起動させる表示制御手段と、入力割り込みが受け付けられた際、この入力が所定時間帯に発生した場合、タイマに設定されるタイマ時間を、前記第1の設定時間より長い第2の設定時間に切り替える切替手段と、入力割り込みが受け付けられた際、タイマを再起動する再起動手段と、タイマが満了した際、表示をOFFにする停止手段とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無操作状態が一定時間経過した場合に表示を停止する機能を有する表示装置を備えた携帯端末に係り、具体的には、無操作状態が一定時間経過する直前または直後に操作がされた場合に、その一定時間を長く設定して表示を延長させる携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機やデータ端末等において表示装置として主に液晶ディスプレイが使用されているが、最近では有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイが備えられた端末も増えてきている。液晶ディスプレイで表示を行う際にはバックライトを点灯させる必要があるため消費電流が大きくなるという問題があった。また、有機ELディスプレイで表示を行う際には特に白色を表示したときに消費電流が大きくなりまた寿命も短くなるという問題があった。
【0003】
そこで、これらの端末は省電力を実現するために、ユーザの無操作状態が一定時間経過した場合に輝度を1段階下げたり表示を停止したりする機能が備えられている。そしてこの機能が使用される際、無操作状態で表示が継続される時間(表示継続時間)をできるだけ短くすることが省電力や長寿命の観点で望ましいが、ユーザが端末を用いてコンテンツを視聴している場合などのユーザの表示を長時間継続させたい旨の意図を考慮すると、単に表示継続時間を短くするだけではユーザビリティが悪化してしまう恐れがある。
【0004】
例えば特許文献1では、携帯端末のロック解除時における表示部、バックライトの電力消費を低減することができる携帯端末が提案されている。この携帯端末は、ロック設定時にロック継続時間のカウントを開始し、ロック解除時にカウントを終了してロック継続時間を取得し、ロック継続時間と予め設定されたロック継続時間閾値とを照合するとともに、ロック解除時にキー操作の有無の検出やキー操作までの時間のカウントを行い、ロック解除時における表示部の表示継続時間およびバックライトの点灯時間を、ロック継続時間がロック継続時間閾値以上の場合、または、ロック継続時間閾値未満で所定時間内にキー操作が行われた場合は第1の設定時間に、行われなかった場合は第2の設定時間にそれぞれ制御するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−329523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
無操作状態が一定時間経過したときに表示を停止させる機能を備えた携帯端末において、その表示継続時間は予め決められている場合が多く、表示停止前にユーザが操作キーを押すなどの操作を行うと表示が継続され、また表示停止後に操作を行うと表示再開するような実装が一般的に行われている。1回の操作による表示継続時間が短い場合には、表示画面の輝度が頻繁に変更されたり表示が停止されたりするため、ユーザが携帯端末での視聴を長時間継続したい場合に、その度にユーザが何らかの操作を行わなければならなくなる。一方、表示継続時間が長い場合には、ユーザが表示を再開するための操作を少なくできるが、携帯端末の省電力や表示装置の長寿命の観点からは好ましくない。
【0007】
静的に表示継続時間が固定されていると状況に応じて臨機応変に表示継続時間を変更することが困難であるになってしまう。また、ユーザが自ら表示継続時間を設定できる場合でも、状況毎に設定を切り替えるのは非常に面倒である。よって、携帯端末において、ユーザによる簡単な操作で表示継続時間が適切に切り替えられることが望ましい。
【0008】
本発明は、上記課題を鑑みてなされてものであり、表示継続時間(無操作状態で表示が継続される時間)が予め短い値に設定されていても、ユーザによる簡単な操作でこの表示継続時間を通常より長く設定しつつ表示を延長させて継続させることにより、ユーザは少ない操作で表示を長時間継続させることができ、ユーザビリティを損なわずに省電力及び表示装置の長寿命を実現することができる携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る携帯端末は第1のタイマ時間が設定されたタイマと、ユーザ操作がされた際、表示をONにするとともに前記タイマを起動させる表示制御手段と、入力割り込みが受け付けられた際、この入力が所定時間帯に発生した場合、前記タイマに設定されるタイマ時間を、前記第1のタイマ時間より長い第2のタイマ時間に切り替える切替手段と、入力割り込みが受け付けられた際、前記タイマを再起動する再起動手段と、前記タイマが満了した際、前記表示をOFFにする停止手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る携帯端末によると、表示継続時間(無操作状態で表示が継続される時間)が予め短い値に設定されていても、ユーザによる簡単な操作でこの表示継続時間を通常より長く設定しつつ表示を延長させて継続させることにより、ユーザは少ない操作で表示を長時間継続させることができ、ユーザビリティを損なわずに省電力及び表示装置の長寿命を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る携帯端末(携帯電話機)の開いた状態を示す斜視図。
【図2】本発明に係る携帯端末(携帯電話機)の機能を示すブロック図。
【図3】(A)及び(B)は、本発明に係る携帯端末(携帯電話機)における表示延長処理を説明するための図。
【図4】延長入力時間帯を説明するための図。
【図5】本発明に係る携帯端末(携帯電話機)が表示延長処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図6】本発明に係る携帯端末(携帯電話機)がタイマ監視処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る携帯端末の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態として、複数の筐体が開閉自在に結合されてなるスライド型の携帯電話機1を例にあげて説明する。図1は、携帯電話機1の開いた状態を示す斜視図である。
【0013】
携帯電話機1は、図1に示すように、主に、矩形の板状の上筐体10と、この上筐体10とほぼ同形状をした下筐体11とにより構成されていて、これらの上筐体10及び下筐体11は、閉じた状態において相互に一面を覆うように積層されている。上筐体10と下筐体11は、図1のX方向に所定長さだけ相互にスライド自在なように結合されている。携帯電話機1は、上筐体10と下筐体11とを相互にスライドさせて位置関係を変更することにより、閉じた状態から開いた状態に、あるいは開いた状態から閉じた状態に変形する。
【0014】
上筐体10の外面(下筐体11に対面しない側の面)には、データを表示するためのディスプレイ12、音声を出力するためのレシーバ13、音声を入力するためのマイクロフォン14が設けられている。また、下筐体11の内面(上筐体10に対面する側の面)には、データを入力するための複数の操作キー15が設けられている。
【0015】
図2は、携帯電話機1の機能を示すブロック図である。図2に示すように、携帯電話機1は、主制御部20、電源回路部21、操作入力制御部22、表示制御部23、音声制御部24、通信制御部25、及び記憶部26がバスによって相互に通信可能に接続されて構成されている。
【0016】
主制御部20は、CPU(Central Processing Unit)を具備し、携帯電話機1の総括的な制御を行うとともに、後述する表示延長処理やタイマ監視処理、その他の様々な演算処理や制御処理等を行う。電源回路部21は、電源供給源(バッテリ等)を備え、所定の操作キー15(例えば電源キー)を介した入力に基づいて携帯電話機1の電源のON/OFF状態を切り替え、電源がON状態の場合に電力供給源から各部に対して電力を供給して、携帯電話機1を動作可能にする。
【0017】
操作入力制御部22は操作キー15に対する入力インタフェースを備え、操作キー15のいずれかが押下されたことを検知すると、その押下された操作キー15を示す信号を生成して主制御部20に伝送する。信号を受信した主制御部20は、この信号に基づいて処理を行う。表示制御部23はディスプレイ12に対する表示インタフェースを備え、主制御部20の制御に基づいて、データをディスプレイ12に表示する。
【0018】
音声制御部24は、主制御部20の制御に基づいて、マイクロフォン14で集音された音声からアナログ音声信号を生成し、このアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換する。また音声制御部24は、デジタル音声信号を取得すると、主制御部20の制御に基づいて、このデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、スピーカ13から音声として出力する。
【0019】
通信制御部25は、主制御部20の制御に基づいて、基地局からアンテナ25aを介して受信した受信信号をスペクトラム逆拡散処理してデータを復元する。このデータは、主制御部20の指示により、音声制御部24に伝送されてスピーカ13から出力されたり、表示制御部23に伝送されてディスプレイ12に表示されたり、または記憶部26に記録されたりする。また通信制御部25は、主制御部20の制御に基づいて、マイクロフォン15で集音された音声データや操作キー14を介して入力されたデータや記憶部26に記憶されたデータを取得すると、これらのデータに対してスペクトラム拡散処理を行い、基地局に対してアンテナ25aを介して送信する。
【0020】
記憶部26は、主制御部20が行う処理について、処理プログラムや処理に必要なデータ等を格納するROM(Read Only Memory)やハードディスク、不揮発性メモリ、データベース、主制御部20が処理を行う際に使用されるデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等から構成される。また、主制御部20が後述する表示延長処理やタイマ監視処理を行う際の処理プログラムは、例えばROMに記憶されているものとする。
【0021】
従来、無操作時のディスプレイの表示継続時間は予め決められており、ユーザが操作を行わない状態でその表示継続時間分の表示が行われたタイミングで表示がOFFとなり、ユーザが再度表示をONしたい場合には何らかの入力操作を行うのが一般的であった。そのような携帯端末では、ユーザがコンテンツを視聴している最中などにその決められた表示継続時間が経過して表示がOFFとなったときにユーザが継続してコンテンツを見たい場合には、操作キーを押下するなどして再び表示装置をONに戻す操作を行う必要があった。しかし、その操作を行った後に同様に決められた表示継続時間が経過すると再び表示がOFFになってしまう。
【0022】
携帯電話機1も従来のように、ユーザ操作がされると表示タイマを開始させてディスプレイにおいて表示処理を開始するとともに、タイマ満了時にディスプレイにおける表示処理を停止させる。一般的に携帯端末において最も多く電力を消費する処理は表示処理であるため、ユーザによりディスプレイが視認されていない間はディスプレイの表示処理を停止しておくことが望ましいからである。
【0023】
一方で、ディスプレイにおける表示処理が行われている間、所定時間操作が行われないと表示が停止されてしまうため、表示処理を継続させるためにユーザが意図的に入力割り込みを行って、表示タイマを延長させる場合もある。この場合には、ユーザが携帯端末を用いた何らかの作業を行っていることが考えられ、比較的長時間、ディスプレイを視認している可能性が高い。
【0024】
そこで携帯電話機1は、ユーザ操作による入力割り込みによりディスプレイ12の表示タイマの延長の指示があった場合、タイマ時間(すなわち表示継続時間)を前回より長く設定する機能を備えている。図3(A)及び図3(B)は、携帯電話機1における表示延長処理について説明するための図である。
【0025】
図3(A)に示すように、携帯電話機1は、ディスプレイ12の表示OFF状態においてユーザ操作を検出すると、ディスプレイ12の表示をONにする。そして、携帯電話機1の無操作状態が第1の設定時間(第1のタイマ時間)経過すると表示OFF状態に移行する。また携帯電話機1は、ディスプレイ12の表示がOFFに移行する直前または直後(延長入力時間帯)において、ユーザ操作を検出した場合には、表示継続時間を延長して、第1の設定時間より長い第2の設定時間(第2のタイマ時間)だけ表示をONにする。
【0026】
例えば、ユーザ操作があって表示がONにされるとそのまま表示が継続され、そのユーザ操作の時間Ti−1から第1の設定時間経過後の時間Toutに表示が停止される。しかしながら、第1の設定時間経過後の時間Toutを含んだ延長入力時間帯にユーザ操作がされて入力割り込みが発生すると、第1の設定時間経過後の時間Toutから第2の設定時間経過後の時間Toutまで表示が継続される。
【0027】
同様に、図3(B)に示すように、また携帯電話機1は、1回目の入力割り込みがあって第2の設定時間だけ表示継続時間が延長した場合に、再びディスプレイ12の表示がOFFに移行する直前または直後(延長入力時間帯)において、ユーザ操作を検出した場合には、表示継続時間を更に延長して、第2の設定時間より長い第3の設定時間だけ表示をONにする。
【0028】
例えば、1回目の入力割り込みの時間Ti−1から第2の設定時間経過後の時間Toutに表示が停止される。しかしながら、第2の設定時間経過後の時間Toutを含んだ延長入力時間帯に再びユーザ操作がされて入力割り込みが発生すると、第2の設定時間経過後の時間Toutから更に第3の設定時間経過後の時間Toutまで表示が継続される。
【0029】
図4は、延長入力時間帯を説明するための図である。図4に示すように、延長入力時間帯は、表示タイマが満了する予定の時間であるタイマ満了時間(すなわち表示継続時間の経過後の時間)Toutから時間a(第1の入力時間)だけ遡った時間Tout−a(aは例えば1秒)から、タイマ満了時間Toutから時間b(第2の入力時間)だけ進んだ時間Tout+b(bは例えば3秒)までの間である。通常、ユーザ操作が検出された場合には、表示継続時間に第1の設定時間が設定されるが、延長入力時間帯においてユーザ操作が検出された場合には、第1の設定時間より長い設定時間である第2の設定時間や第3の設定時間などが表示継続時間として設定される。
【0030】
このように携帯電話機1は、最後の入力から表示継続時間が経過する直前または直後に入力が発生した場合は、ユーザが更に継続してコンテンツを視聴したいことを意図していると判断し、延長された表示継続時間(第2の設定時間)は予め決められた表示継続時間(第1の設定時間)よりも長く設定されるようにするものである。
【0031】
具体例を言うと、ディスプレイ12の表示継続時間が10秒に設定されていた場合、最後のユーザ操作から10秒経過する直前または直後でユーザが何らかの操作を行った場合は次の表示継続時間は10秒ではなく例えば20秒とし、その20秒が経過する前後でもう一度ユーザ操作がされた場合は、次の表示継続時間は40秒になるようにする。こうすることで、例えばユーザが60秒のコンテンツを視聴しようとしているときに、従来の携帯端末では5回のユーザ操作が必要であったのに対して、表示継続時間を長く設定させることにより2回のユーザ操作しか必要としない。
【0032】
また、例えば、最後のユーザ操作が発生してから表示OFFまたは輝度を暗くするまでの表示継続時間を10秒とし、この10秒の前後1秒(つまり9〜11秒の間)に行われたユーザ操作をより長い表示を求めるためのユーザ操作として扱うとしたときに、ここで例に挙げた1秒はシステム固有値として決められていても良いし、ユーザが設定できるようにしても良い。また、タイマ時間が満了する直前の時間と直後の時間がそれぞれ異なっても良い。例えば直前の時間は0秒、直後の時間は2秒として10秒〜12秒の間に発生したユーザ操作をユーザが更に延長してコンテンツを視聴するために行われたユーザ操作として扱っても良い。
【0033】
ここで、携帯電話機1においてユーザ操作による入力割り込みがあった場合に、携帯電話機1がこのユーザ操作のタイミングに基づいて表示継続時間を延長させる表示延長処理を行う際の手順について、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0034】
まず主制御部20は、ユーザ操作による入力割り込みがあったか否かを判断する(S101)。この際、例えばユーザにより操作キー15が押下された場合、ディスプレイ12がタッチパネルであるときにはディスプレイ12における接触を検知した場合、携帯電話機1がモーションセンサを備えているときには振動を検出した場合などに、入力割り込みがあったものと判断される。入力割り込みがない場合(S101のNo)は、主制御部20はそのまま待機する。
【0035】
入力割り込みがあった場合(S101のYes)は、主制御部20は、表示タイマが起動しているかを判断する(S103)。携帯電話機1が表示ON状態である間は表示タイマが動作している。表示タイマが動作している場合(S103のYes)は、主制御部20はその表示タイマを停止させる(S105)。
【0036】
主制御部20は現在時刻を取得して(S107)、この現在時刻を時間Tiとする。そして主制御部20は、下記の(1)式に示すように、前回ユーザ操作された時間Ti−1から今回ユーザ操作された時間Tiまでのディスプレイ12の無操作時間Ti−Ti−1が、第1の閾値以上かつ第2の閾値以下であるか否かを判断する(S109)。ここで、第1の閾値は、ユーザ操作されてから表示継続時間の経過後の時間Toutから時間a(例えば3秒)の分だけ遡った時間Tout−aである。第2の閾値は、ユーザ操作されてから表示継続時間の経過後の時間Toutから時間b(例えば5秒)の分だけ進んだ時間Tout+bである。
【0037】
〔数1〕
Tout−a<Ti−T(i−1)<Tout+b ……(1)
ディスプレイ12の無操作時間Ti−Ti−1が第1の閾値以上かつ第2の閾値以下であった場合(S109のYes)は、主制御部20は、ステップS101における操作が、ユーザにより表示継続時間を延長するために意図的された操作であるものと判断し、表示タイマの満了値、すなわち表示継続時間を変更する。例えば、表示継続時間に第1の設定時間が設定されていた場合には、この表示継続時間を、第1の設定時間より長い第2の設定時間に変更する。
【0038】
主制御部20は、表示タイマを起動させる(S111)。また主制御部20は、現在表示ON状態か否かを判断する(S113)。表示OFF状態であった場合(S113のYes)は、主制御部20はディスプレイ12の表示をONにする(S115)。
【0039】
このようにして携帯電話機1は、ユーザ操作による入力割り込みがあったときに、その操作が延長入力時間帯に発生した場合に、表示継続時間を長く設定しつつ表示を延長させる。これにより、ユーザが携帯電話機1において長時間表示を継続させたい場合に、そのための操作を軽減させることができる。
【0040】
例えばユーザが携帯電話機1で動画などのコンテンツを閲覧している場合などに、表示継続時間が終了する前後の時間帯に、ユーザからの簡単な操作(例えば操作キー15の押下)によってディスプレイ12の表示継続時間を動的に変更できるようにすることで、ユーザの状況に応じた表示継続時間の制御が行われる。また、動的に設定時間を長く設定できるようにすることで、携帯電話機1のデフォルトの表示継続時間(第1の設定時間)をできるだけ短く設定することが可能となるため、省電力やディスプレイ12の寿命の観点でもメリットが生じる。
【0041】
次に、携帯電話機1が表示タイマの満了時に行う処理について、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0042】
携帯電話機1は、表示を行っている間、無操作状態が一定時間(表示継続時間)継続したら表示を停止させるために表示タイマを動作させている。この表示タイマは、ユーザにより携帯電話機1が操作されるたびに起動されるので、表示が行われている間は常時動作している。主制御部20は、表示タイマが満了したか否かを判断する(S201)。表示タイマが満了していない場合(S201のNo)は、主制御部20は、表示タイマが満了するまで待機する。
【0043】
表示タイマが満了した場合(S201のYes)は、主制御部20は、無操作状態が一定時間を超えて継続したので、表示タイマを停止させる(S203)。また、主制御部20は、携帯電話機1を表示OFF状態に移行させる(S205)。
【0044】
このようにして、携帯電話機1は逐次表示タイマの状態を監視し、表示タイマが満了したところで、表示OFF状態に移行する。これにより、省電力・ディスプレイ12の長寿命が実現されている。
【0045】
なお、ディスプレイ12の切替が表示ON/OFFの2段階だけでなく、輝度が複数段階ある場合、表示継続時間が輝度によらず一律の値で決められていても良く、輝度ごとに異なる値で決められていても良い。このときに、ディスプレイ12が所定の輝度で表示を行っているときに無操作状態がその輝度に対応する表示継続時間だけ経過した場合、通常ならディスプレイ12はその輝度より一段階暗い輝度で表示を行うことになるが、所定の輝度の表示継続時間が経過する直前または直後で入力が行われた場合には、その輝度での表示を継続してその表示継続時間を長く設定して表示を行うようにすると良い。
【0046】
また、表示継続時間(すなわち、上述した第1の設定時間、第2の設定時間、第3の設定時間、設定時間a、時間bなど)は、システム固定の値であっても良いし、ユーザによって設定可能なものであっても構わない。
【0047】
また、新たに設定された表示継続時間(第2の設定時間や第3の設定時間など)が無操作状態で経過し、表示延長のための入力期間(延長入力時間帯)を超えても入力が無かった場合には、ディスプレイ12の表示継続時間はデフォルトの表示継続時間(第1の設定時間)に設定されるものとする。
【0048】
また、ユーザが意図的に表示をOFFする場合(例えば、クラムシェル型の端末を閉じた場合や、電源キーを押してサスペンドに入るような場合)においても、ディスプレイ12の表示継続時間はデフォルトの表示継続時間(第1の設定時間)に設定されるものとする。あるいは、表示継続時間を元に戻すための入力方法を定義しておき、その入力方法によってディスプレイ12の表示継続時間をデフォルトの表示継続時間(第1の設定時間)に戻すようにしても良い。
【0049】
また、ユーザが携帯電話機1における表示を継続させたいときに、表示が停止した直後に操作を行う場合にはユーザが即座に操作を行うことができるが、表示が停止する直前に操作を行う場合においては、ユーザがタイマ時間の満了時間を正確に推測できないため満了時間よりだいぶ早めに操作を行ってしまう恐れがある。これを考慮して、表示継続時間の直前の延長入力時間帯となる時間aが、表示継続時間の直後の延長入力時間帯となる時間bより長くなるように設定されると良い。
【0050】
本発明に係る携帯端末(携帯電話機1)によると、表示継続時間(無操作状態で表示が継続される時間)が予め短い値に設定されていても、ユーザによる簡単な操作でこの表示継続時間を通常より長く設定しつつ表示を延長させて継続させることにより、ユーザは少ない操作で表示を長時間継続させることができ、ユーザビリティを損なわずに省電力及び表示装置の長寿命を実現することが可能となる。
【0051】
本発明の説明として、携帯電話機1について説明したが、これに限らず、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistants)、MID(Mobile Internet Device)、携帯音楽プレイヤー、携帯ビデオカメラ、携帯ゲーム機等、節電機能を有する表示装置を備えている通信端末であれば、任意の通信端末であっても良い。
【符号の説明】
【0052】
1…携帯電話機,10…上筐体,11…下筐体,12…ディスプレイ,12a…画面,13…スピーカ,14…マイクロフォン,15…操作キー,20…主制御部,21…電源回路部,22…操作入力制御部,23…表示制御部,24…音声制御部,25…通信制御部,25a…アンテナ,26…記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のタイマ時間が設定されたタイマと、
ユーザ操作がされた際、表示をONにするとともに前記タイマを起動させる表示制御手段と、
入力割り込みが受け付けられた際、この入力が所定時間帯に発生した場合、前記タイマに設定されるタイマ時間を、前記第1のタイマ時間より長い第2のタイマ時間に切り替える切替手段と、
入力割り込みが受け付けられた際、前記タイマを再起動する再起動手段と、
前記タイマが満了した際、前記表示をOFFにする停止手段とを備えたことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記切替手段は、前記タイマの満了時間の第1の入力時間前からこの満了時間までの間に前記入力が発生した場合、タイマ時間を切り替えることを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記切替手段は、前記タイマの満了時間から第2の入力時間経過後までの間に前記入力が発生した場合、タイマ時間を切り替えることを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項4】
前記切替手段は、前記タイマの満了時間の第1の入力時間前からこの満了時間までの間に前記入力が発生した場合、あるいは前記タイマの満了時間から第2の入力時間経過後までの間に前記入力が発生した場合、タイマ時間を切り替えることを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項5】
前記第1の入力時間は前記第2の入力時間より長いことを特徴とする請求項4記載の携帯端末。
【請求項6】
前記切替手段は、前記携帯端末の電源がOFFにされた場合、前記タイマに前記第1のタイマ時間を設定することを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項7】
前記切替手段は、前記タイマの満了時間から第2の入力時間経過後に、入力割り込みが受け付けらなかった場合、前記タイマに前記第1のタイマ時間を設定することを特徴とする請求項3または4記載の携帯端末。
【請求項8】
タイマ時間延長の終了の指示の入力を受け付ける受付手段を備え、
前記切替手段は、前記受付手段により指示が受け付けられた場合、前記タイマに前記第1のタイマ時間を設定することを特徴とする請求項1記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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