説明

携帯装置、通信システムおよび転送方法

【課題】自装置が有する記憶装置の容量を補完することが可能な携帯装置、通信システムおよび転送方法を提供する。
【解決手段】コンテンツデータを提供するコンテンツサーバと記憶サーバとのそれぞれと、通信を行う携帯装置は、記憶部と、コンテンツサーバからコンテンツデータを受信する無線部と、無線部がコンテンツデータを受信したときの記憶部の空き容量が、コンテンツデータを記憶部に記憶するのに必要な容量よりも小さい場合には、コンテンツデータを記憶サーバ宛てに転送する処理部と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯装置、通信システムおよび転送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、記憶装置の空き記憶領域を確保することが可能な装置が記載されている。特許文献1に記載の装置は、記憶装置と、外部装置と通信を行う通信装置と、を備えている。
【0003】
特許文献1に記載の装置は、アンテナからデータを受信すると、そのデータを記憶装置に格納する。また、特許文献1に記載の装置は、一定の時間間隔で記憶装置の空き記憶領域のサイズを検出し、記憶装置の空き記憶領域のサイズが、所定の基準値よりも少ない場合には、記憶装置の空き記憶領域のサイズが所定の基準値以上になるまで、記憶装置に格納されたデータを、通信装置を用いて外部装置に移動する。なお、所定の基準値としては、例えば、記憶装置の空き記憶領域のサイズを検出してから一定の時間が経過するまでの間に、録画予約されているデータを記録するのに必要な記憶領域のサイズを示す値が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−328603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の装置は、一定の時間間隔で記憶装置の空き記憶領域のサイズを検出し、記憶装置の空き記憶領域のサイズが、所定の基準値、例えば、録画予約されているデータを記録するのに必要な記憶領域のサイズ以上になるまで、記憶装置に格納されたデータを外部装置に移動する。よって、記憶装置には、録画予約されているデータを記録するのに必要な記憶領域が確保されることになる。
【0006】
しかしながら、録画予約されているデータを記録するのに必要な記憶領域が記憶装置に確保されても、記憶装置の空き記憶領域のサイズを検出してから一定の時間が経過するまでの間に、録画予約されているデータとは別のデータがアンテナから受信される場合がある。例えば、記憶装置の空き記憶領域のサイズを検出してから一定の時間が経過するまでの間に放送される番組のうち、録画予約されていない番組の録画の指示がユーザ操作により入力されると、録画予約されていない番組のデータが、別データとしてアンテナから受信される。
【0007】
よって、記憶装置の空き記憶領域のサイズを検出してから一定の時間が経過するまでの間に、録画予約されていない別のデータがアンテナから受信される場合には、別のデータを記憶装置に記憶するのに必要な容量だけ、記憶装置の容量が不足してしまうという課題があった。
【0008】
本発明の目的は、自装置が有する記憶装置の容量を補完することが可能な携帯装置、通信システムおよび転送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の携帯装置は、コンテンツデータを提供するコンテンツサーバと記憶サーバとのそれぞれと、通信を行う携帯装置であって、記憶手段と、前記コンテンツサーバから前記コンテンツデータを受信する受信手段と、前記受信手段が前記コンテンツデータを受信したときの前記記憶手段の空き容量が、該コンテンツデータを前記記憶手段に記憶するのに必要な容量よりも小さい場合には、該コンテンツデータを前記記憶サーバ宛てに転送する転送手段と、を含む。
【0010】
本発明の通信システムは、コンテンツサーバと、記憶サーバと、携帯装置と、を有する通信システムであって、前記コンテンツサーバは、コンテンツデータを前記携帯装置に送信し、前記携帯装置は、記憶手段と、前記コンテンツサーバから前記コンテンツデータを受信する受信手段と、前記受信手段が前記コンテンツデータを受信したときの前記記憶手段の空き容量が、該コンテンツデータを前記記憶手段に記憶するのに必要な容量よりも小さい場合には、該コンテンツデータを前記記憶サーバ宛てに転送する転送手段と、を含み、前記記憶サーバは、前記転送手段から転送されたコンテンツデータを記憶する。
【0011】
本発明の転送方法は、コンテンツデータを提供するコンテンツサーバと記憶サーバとのそれぞれと通信を行い、記憶手段と前記コンテンツデータを受信する受信手段とを有する携帯装置の転送方法であって、前記受信手段が前記コンテンツデータを受信したときの前記記憶手段の空き容量が、該コンテンツデータを前記記憶手段に記憶するのに必要な容量よりも小さい場合には、該コンテンツデータを前記記憶サーバ宛てに転送する転送ステップを含む。
【0012】
本発明の転送方法は、コンテンツデータを提供するコンテンツサーバと、記憶サーバと、記憶手段と前記コンテンツデータを受信する受信手段とを含む携帯装置と、を有する通信システムの転送方法であって、前記コンテンツサーバが、前記コンテンツデータを前記携帯装置に送信する送信ステップと、前記携帯装置が、前記受信手段が前記コンテンツデータを受信したときの前記記憶手段の空き容量が、該コンテンツデータを前記記憶手段に記憶するのに必要な容量よりも小さい場合には、該コンテンツデータを前記記憶サーバ宛てに転送する転送ステップと、前記記憶サーバが、転送ステップにて転送されたコンテンツデータを記憶する記憶ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、自装置が有する記憶装置の容量を補完することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態における通信システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】通信システム1の転送方法を示すフローチャートである。
【図3】記憶部110の空き容量が無い場合のシーケンスチャートである。
【図4】記憶部110の空き容量が有る場合のシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態における通信システムの構成例を示す図である。
【0017】
通信システム1は、携帯装置100と、基地局10と、コンテンツサーバ200と、記憶サーバ300と、を備えている。
【0018】
基地局10は、携帯装置100と通信を行い、携帯電話網を構成する。基地局10と、コンテンツサーバ200および記憶サーバ300と、の間は、インターネット網により接続されている。
【0019】
コンテンツサーバ200は、携帯装置100と通信可能なサーバである。コンテンツサーバ200は、通信相手の要求に応じて、コンテンツサーバ200が提供するコンテンツデータ(以下「提供データ」と称する。)を通信相手に送信する。
【0020】
携帯装置100は、コンテンツサーバ200と記憶サーバ300とのそれぞれと通信を行う携帯電話装置である。携帯装置100は、記憶部110と、無線部120と、処理部140と、を備える。また、処理部140は、表示部141と、操作部142と、CPU(Central Processing Unit)部143と、RAM(Random Access Memory)144と、を備える。
【0021】
記憶部110は、一般的には記憶手段と呼ぶことができる。
【0022】
記憶部110は、動画、静止画などのコンテンツデータを記憶する。また、記憶部110は、記憶サーバ300の宛先を示す接続情報を記憶する。
【0023】
表示部141は、画像データを表示する。表示部141は、例えば、コンテンツサーバ200が提供する提供データについてのコンテンツ情報を表示する。提供データのコンテンツ情報には、提供データの提供元であるコンテンツサーバ200の宛先と、提供データのデータ量と、が含まれている。なお、提供データのコンテンツ情報は、例えば、無線部120を介して、インターネット上のサーバから受信される。
【0024】
操作部142は、一般的に受付手段と呼ぶことができる。
【0025】
操作部142は、ユーザ操作による入力を受け付ける。本実施形態では、操作部142は、ユーザ操作により、提供データを受信する旨の提供データのダウンロード指示を、受け付ける。操作部142は、提供データのダウンロード指示を、CPU部143に出力する。
【0026】
無線部120は、一般的に受信手段と呼ぶことができる。
【0027】
無線部120は、基地局10を介して、コンテンツサーバ200と記憶サーバ300とのそれぞれと通信を行う。
【0028】
無線部120は、操作部142が、提供データのダウンロード指示を受け付けると、提供データを要求する旨の要求パケットを、コンテンツ情報が示す宛先にて特定されるコンテンツサーバ200に送信する。コンテンツサーバ200は、無線部120から要求パケットを受信すると、提供データを無線部120に送信する。
【0029】
よって、無線部120は、コンテンツサーバ200に要求パケットを送信した後、コンテンツサーバ200から提供データを受信する。無線部120は、コンテンツサーバ200から提供データを受信すると、その提供データを、処理部140内のCPU部143に出力する。
【0030】
処理部140は、一般的に転送手段と呼ぶことができる。
【0031】
処理部140は、無線部120が提供データを受信したときの記憶部110の空き容量が、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量よりも小さい場合には、無線部120が受信した提供データを、記憶サーバ300宛てに転送する。
【0032】
また、処理部140は、無線部120が提供データを受信したときの記憶部110の空き容量が、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量以上である場合には、無線部120が受信した提供データを、記憶部110に出力する。
【0033】
RAM144は、無線部120が受信した提供データを保持するために用いられる。
【0034】
CPU部143は、一般的に出力手段と呼ぶことができる。
【0035】
CPU部143は、記憶部110と無線部120と表示部141とを制御する。
【0036】
CPU部143は、操作部142から、提供データのダウンロード指示を受け付けると、記憶部110の空き容量を検出し、かつ、提供データのコンテンツ情報が示すデータ量に基づいて、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量を算出する。
【0037】
なお、本実施形態では、CPU部143は、提供データのダウンロード指示を受け付けたときに検出された記憶部110の空き容量を、無線部120が提供データを受信したときの記憶部110の空き容量として使用する。ただし、CPU部143は、無線部120が提供データを受信したときに、記憶部110の空き容量を検出してもよい。また、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量は、提供データのデータ量が大きいほど、大きくなる。
【0038】
CPU部143は、記憶部110の空き容量を検出し、かつ、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量を算出すると、記憶部110の空き容量が、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量よりも小さいか否かを確認する。
【0039】
また、CPU部143は、操作部142から、提供データのダウンロード指示を受け付けると、提供データを要求する旨の要求パケットを生成し、要求パケットと、提供データのコンテンツ情報に示されるコンテンツサーバ200の宛先と、を無線部120に出力する。
【0040】
なお、無線部120は、CPU部143から、要求パケットとコンテンツサーバ200の宛先とを受け付けると、要求パケットをコンテンツサーバ200に送信し、その後、無線部120は、コンテンツサーバ200から提供データを受信する。よって、CPU部143が、コンテンツサーバ200宛ての要求パケットを無線部120に出力した後、無線部120は、コンテンツサーバ200から提供データを受信して、その提供データを、CPU部143に出力する。
【0041】
このため、CPU部143は、提供データのダウンロード指示を受け付けると、ダウンロード指示を受け付けたときの記憶部110の空き容量を、無線部120から提供データを受け付けたときの記憶部110の空き容量として検出し、検出された空き容量が、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量よりも小さいか否かを確認し、要求パケットをコンテンツサーバ200宛てに出力する。なお、要求パケットは、一般的に要求情報と呼ぶことができる。
【0042】
CPU部143は、無線部120から提供データを受け付けたときの記憶部110の空き容量が、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量以上である場合には、記憶部110に空き容量が有ると判定し、無線部120から受け付けた提供データを、記憶部110に出力する。記憶部110は、CPU部143から提供データを受け付けると、その提供データを記憶する。
【0043】
一方、CPU部143は、無線部120から提供データを受け付けたときの記憶部110の空き容量が、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量よりも小さい場合には、記憶部110に空き容量が無いと判定し、その提供データをRAM144に格納する。
【0044】
CPU部143は、RAM144に提供データを格納すると、RAM144に保持された提供データと、記憶部110に記憶された接続情報の示す記憶サーバ300の宛先と、を無線部120に出力して、記憶サーバ300宛てに提供データを転送する。具体的には、無線部120は、CPU部143から、記憶サーバ300の宛先と、RAM144に保持された提供データと、を受け付けると、その提供データを記憶サーバ300に送信する。
【0045】
記憶サーバ300は、処理部140から転送された提供データを記憶する。
【0046】
本実施形態では、記憶サーバ300は、基地局10を介して、携帯装置100内の無線部120から送信された提供データを受信する。記憶サーバ300は、不図示のデータ記憶部を有し、無線部120から送信された提供データを受信すると、その提供データを、データ記憶部に格納する。なお、記憶サーバ300としては、例えば、個人が所有するプライベートサーバ、または、通信事業者がサービスとして提供するサーバが用いられる。
【0047】
図2は、通信システム1での転送方法の処理手順例を示すフローチャートである。
【0048】
図2では、RAM144に、コンテンツサーバ200の宛先と、コンテンツサーバ200が提供する提供データのデータ量と、を含むコンテンツ情報が保持されているとする。
【0049】
まず、操作部142は、提供データのダウンロード指示を、ユーザ操作により受け付ける(ステップS1)。CPU部143は、操作部142から、提供データのダウンロード指示を受け付けると、提供データのコンテンツ情報に示されるデータ量に基づいて、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量を算出する。これとともに、CPU部143は、操作部142から、提供データのダウンロード指示を受け付けると、ダウンロード指示を受け付けたときの記憶部110の空き容量を、受信部120が提供データを受信したときの記憶部110の空き容量として検出する。
【0050】
CPU部143は、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量を算出し、かつ、記憶部110の空き容量を検出すると、無線部120が提供データを受信したときの記憶部110の空き容量が、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量よりも小さいか否かを確認する(ステップS2)。
【0051】
CPU部143は、記憶部110の空き容量が、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量以上である場合には、無線部120を介して、提供データを要求する旨の要求パケットを、提供データのコンテンツ情報に示される宛先にて特定されるコンテンツサーバ200に送信して(ステップS10)、提供データのダウンロードを行う。
【0052】
コンテンツサーバ200は、無線部120から要求パケットを受信すると、提供データを携帯装置100内の無線部120に送信する(ステップS11)。無線部120は、コンテンツサーバ200から提供データを受信すると、CPU部143に提供データを出力する。
【0053】
CPU部143は、無線部120から提供データを受け付けると、ステップS2において、記憶部110の空き容量が、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量以上であることを確認しているので、CPU部143は、無線部120から受け付けた提供データを、記憶部110に出力する(ステップS12)。
【0054】
ステップ2において、CPU部143は、無線部120が提供データを受信したときの記憶部110の空き容量が、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量よりも小さい場合には、無線部120を介して、要求パケットを、提供データのコンテンツ情報が示す宛先にて特定されるコンテンツサーバ200に送信して(ステップS3)、提供データのダウンロードを行う。
【0055】
コンテンツサーバ200は、無線部120から要求パケットを受信すると、提供データを携帯装置100内の無線部120に送信する(ステップS4)。無線部120は、コンテンツサーバ200から提供データを受信すると、CPU部143に提供データを出力する。
【0056】
CPU部143は、無線部120から提供データを受け付けると、ステップS2において、記憶部110の空き容量が、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量よりも小さいことを確認しているので、CPU部143は、無線部120から受け付けた提供データを、RAM144に格納する(ステップS5)。
【0057】
CPU部143は、RAM144に提供データを格納すると、無線部120を介して、RAM144に保持された提供データを、記憶部110内の接続情報が示す宛先の記憶サーバ300に送信する(ステップS6)。
【0058】
記憶サーバ300は、無線部120から提供データを受信すると、記憶サーバ300が有するデータ記憶部に、その提供データを記憶する(ステップS7)。
【0059】
ステップS7またはステップS12の処理が終了すると、通信システム1の転送方法の一連の処理手順が終了する。
【0060】
図3は、記憶部110の空き容量が無い場合のシーケンスチャートである。
【0061】
図3には、記憶部110と、RAM144と、CPU部143と、コンテンツサーバ200と、記憶サーバ300と、が示されている。
【0062】
CPU部143は、操作部142から、提供データのダウンロード指示を受け付ける(111)と、提供データのコンテンツ情報に示されたデータ量から、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量を算出し、かつ、ダウンロード指示を受け付けたときの記憶部110の空き容量を、無線部120が提供情報を受信したときの記憶部110の空き容量として検出する。
【0063】
CPU部143は、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量を算出し、かつ、記憶部110の空き容量を検出すると、記憶部110の空き容量が、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量よりも小さいか否かを確認する。図3では、CPU部143は、記憶部110の空き容量が、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量よりも小さいことを確認する(112)。このため、CPU部143は、無線部120が提供データを受信したときに、記憶部110の空き容量が無いと判定する。
【0064】
その後、CPU部143は、無線部120を介して、提供データを要求する旨の要求パケットを、提供データのコンテンツ情報が示す宛先にて特定されるコンテンツサーバ200に送信する(113)。
【0065】
コンテンツサーバ200は、無線部120から要求パケットを受信すると、一定のデータ量で提供データを分割し、その分割した提供データ(以下「分割データ」と称する。)を順次、無線部120に送信する(114)。
【0066】
CPU部143は、コンテンツサーバ200から、無線部120を介して、分割データを順次受信する。分割データが受信されるたびに、CPU部143は、記憶部110の空き容量が無いと判定しているので、無線部120が受信した分割データを、RAM144に順次格納する(115)。
【0067】
CPU部143は、全ての分割データをRAM144に格納すると、無線部120を介して、RAM144に保持された分割データを、記憶部110内の接続情報が示す宛先の記憶サーバ300に順次送信する(116)。
【0068】
記憶サーバ300は、無線部120から、全ての分割データを受信すると、全ての分割データを合成して提供データを生成し、その提供データを、記憶サーバ300が有するデータ記憶部に格納する(117)。
【0069】
図4は、記憶部110の空き容量が有る場合のシーケンスチャートである。
【0070】
図4には、記憶部110と、RAM144と、CPU部143と、コンテンツサーバ200と、記憶サーバ300と、が示されている。
【0071】
CPU部143は、操作部142から、提供データのダウンロード指示を受け付ける(111)と、提供データのコンテンツ情報に示されたデータ量に基づいて、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量を算出し、かつ、記憶部110の空き容量を検出する。
【0072】
CPU部143は、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量を算出し、かつ、記憶部110の空き容量を検出すると、記憶部110の空き容量が、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量よりも小さいか否かを確認する。図4では、CPU部143は、記憶部110の空き容量が、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量よりも小さいことを確認する(212)。このため、CPU部143は、無線部120が提供データを受信したときに、記憶部110の空き容量が有ると判定する。
【0073】
その後、CPU部143は、無線部120を介して、要求パケットを、提供データのコンテンツ情報に示された宛先にて特定されるコンテンツサーバ200に送信する(113)。
【0074】
コンテンツサーバ200は、無線部120から、要求パケットを受信すると、提供データの分割データを、無線部120に順次送信する(114)。
【0075】
CPU部143は、コンテンツサーバ200から、無線部120を介して、分割データを順次受信する。分割データが受信されるたびに、CPU部143は、記憶部110の空き容量が有ると判定しているので、無線部120が受信した分割データを、記憶部110に順次出力する(215)。
【0076】
記憶部110は、CPU部143から、全ての分割データを受け付けると、全ての分割データを合成して提供データを生成し、その提供データを、記憶部110が有するメモリに格納する(216)。
【0077】
本実施形態によれば、コンテンツサーバ200と記憶サーバ300との各々と通信を行う携帯装置100は、記憶部110と、コンテンツサーバ200が提供する提供データを受信する無線部120と、を有する。処理部140は、無線部120が提供データを受信したときの記憶部110の空き容量が、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量よりも小さい場合には、無線部120が受信した提供データを、記憶サーバ300宛てに転送する。
【0078】
よって、携帯装置100は、コンテンツサーバ200から提供データを受信する状況で、記憶部110の空き容量が、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量よりも小さい場合には、記憶部110の空き容量が足りないと判定し、提供データを記憶サーバ300に転送する。
【0079】
このため、携帯装置100は、記憶部110の空き容量が足りない場合でも、無線部120が受信したデータを記憶サーバ300に記憶することができる。よって、携帯装置100は、記憶部110の容量不足を記憶サーバ300により補うことができ、記憶部110の容量不足により、受信したデータが記憶できないことを回避することができる。さらに、携帯装置100は、記憶部110の容量不足を記憶サーバ300により補完することで、記憶部110の容量の増大に伴う携帯装置100の製造コストの増加を軽減することが可能となる。
【0080】
また、本実施形態では、処理部140は、無線部120が提供データを受信したときの記憶部110の空き容量が、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量以上である場合には、無線部120が受信した提供データを記憶部110に出力する。
【0081】
よって、携帯装置100は、コンテンツサーバ200から提供データを受信する状況で、記憶部110の空き容量が、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量以上である場合には、記憶部110の空き容量が十分に有ると判定し、提供データを記憶部110に出力する。
【0082】
このため、携帯装置100は、記憶部110の空き容量が十分に有る場合には、受信した提供データを記憶部110に記憶し、記憶部110の空き容量が不足する場合に限り、受信した提供データを記憶サーバ300に転送する。よって、携帯装置100は、記憶部110の空き容量に応じて、無線部120が受信したデータを、記憶部110または記憶サーバ300のいずれかに記憶することができる。
【0083】
また、本実施形態では、操作部142が、ユーザ操作により、提供データのダウンロード指示を受け付けると、CPU部143は、ダウンロード指示を受け付けたときの記憶部110の空き容量を、無線部120が提供データを受信したときの記憶部110の空き容量として検出し、その検出された空き容量が、提供データを記憶部110に記憶するのに必要な容量よりも小さいか否かを確認し、かつ、提供データを要求する旨の要求パケット(要求情報)をコンテンツサーバ200宛てに出力する。CPU部143が要求パケットをコンテンツサーバ200宛てに出力した後、無線部120は、コンテンツサーバ200から、提供データを受信する。
【0084】
よって、携帯装置100は、提供データのダウンロード指示を受け付けると、要求パケットをコンテンツサーバ200に送信して提供データのダウンロードを行い、記憶部110の空き容量に応じて、無線部120が受信した提供データを、記憶部110または記憶サーバ300に記憶する。このため、携帯装置100のユーザは、記憶部110の空き容量を意識することなく、大容量のコンテンツデータを携帯装置100にダウンロードできる。
【0085】
なお、本実施形態では、無線部120が、基地局10により構成される携帯電話網を介して、コンテンツサーバ200と、記憶サーバ300と、の各々と通信を行う例について説明したが、無線部120は、無線LAN(Local Area Network)を用いて、コンテンツサーバ200と、記憶サーバ300と、の各々と通信を行ってもよい。これにより、携帯装置100は、携帯電話網のトラフィックの増大を抑制することが可能となる。
【0086】
以上説明した実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0087】
1 通信システム
10 基地局
100 携帯装置
110 記憶部
120 無線部
140 処理部
141 表示部
142 操作部
143 CPU部
144 RAM
200 コンテンツサーバ
300 記憶サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツデータを提供するコンテンツサーバと記憶サーバとのそれぞれと、通信を行う携帯装置であって、
記憶手段と、
前記コンテンツサーバから前記コンテンツデータを受信する受信手段と、
前記受信手段が前記コンテンツデータを受信したときの前記記憶手段の空き容量が、該コンテンツデータを前記記憶手段に記憶するのに必要な容量よりも小さい場合には、該コンテンツデータを前記記憶サーバ宛てに転送する転送手段と、を含む携帯装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯装置において、
前記転送手段は、前記受信手段が前記コンテンツデータを受信したときの前記記憶手段の空き容量が、該コンテンツデータを前記記憶手段に記憶するのに必要な容量以上である場合には、該コンテンツデータを前記記憶手段に出力する、携帯装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の携帯装置において、
前記転送手段は、
前記コンテンツデータのダウンロード指示を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が前記コンテンツデータのダウンロード指示を受け付けると、該ダウンロード指示を受け付けたときの前記記憶手段の空き容量を、前記受信手段が前記コンテンツデータを受信したときの前記記憶手段の空き容量として検出し、前記検出された空き容量が、該コンテンツデータを前記記憶手段に記憶するのに必要な容量よりも小さいか否かを確認し、かつ、該コンテンツデータを要求する旨の要求情報を前記コンテンツサーバ宛てに出力する出力手段と、を含み、
前記受信手段は、前記出力手段が前記コンテンツサーバ宛てに前記要求情報を出力した後、前記コンテンツサーバから前記コンテンツデータを受信する、携帯装置。
【請求項4】
コンテンツサーバと、記憶サーバと、携帯装置と、を有する通信システムであって、
前記コンテンツサーバは、コンテンツデータを前記携帯装置に送信し、
前記携帯装置は、
記憶手段と、
前記コンテンツサーバから前記コンテンツデータを受信する受信手段と、
前記受信手段が前記コンテンツデータを受信したときの前記記憶手段の空き容量が、該コンテンツデータを前記記憶手段に記憶するのに必要な容量よりも小さい場合には、該コンテンツデータを前記記憶サーバ宛てに転送する転送手段と、を含み、
前記記憶サーバは、前記転送手段から転送されたコンテンツデータを記憶する、通信システム。
【請求項5】
請求項4に記載の通信システムにおいて、
前記転送手段は、前記受信手段が前記コンテンツデータを受信したときの前記記憶手段の空き容量が、該コンテンツデータを前記記憶手段に記憶するのに必要な容量以上である場合には、該コンテンツデータを前記記憶手段に出力する、通信システム。
【請求項6】
コンテンツデータを提供するコンテンツサーバと記憶サーバとのそれぞれと通信を行い、記憶手段と前記コンテンツデータを受信する受信手段とを有する携帯装置の転送方法であって、
前記受信手段が前記コンテンツデータを受信したときの前記記憶手段の空き容量が、該コンテンツデータを前記記憶手段に記憶するのに必要な容量よりも小さい場合には、該コンテンツデータを前記記憶サーバ宛てに転送する転送ステップを含む転送方法。
【請求項7】
請求項6に記載の転送方法において、
前記転送ステップでは、前記受信手段が前記コンテンツデータを受信したときの前記記憶手段の空き容量が、該コンテンツデータを前記記憶手段に記憶するのに必要な容量以上である場合には、該コンテンツデータを前記記憶手段に出力する、転送方法。
【請求項8】
コンテンツデータを提供するコンテンツサーバと、記憶サーバと、記憶手段と前記コンテンツデータを受信する受信手段とを含む携帯装置と、を有する通信システムの転送方法であって、
前記コンテンツサーバが、前記コンテンツデータを前記携帯装置に送信する送信ステップと、
前記携帯装置が、前記受信手段が前記コンテンツデータを受信したときの前記記憶手段の空き容量が、該コンテンツデータを前記記憶手段に記憶するのに必要な容量よりも小さい場合には、該コンテンツデータを前記記憶サーバ宛てに転送する転送ステップと、
前記記憶サーバが、転送ステップにて転送されたコンテンツデータを記憶する記憶ステップと、を含む転送方法。
【請求項9】
請求項8に記載の転送方法において、
前記転送ステップでは、前記受信手段が前記コンテンツデータを受信したときの前記記憶手段の空き容量が、該コンテンツデータを前記記憶手段に記憶するのに必要な容量以上である場合には、該コンテンツデータを前記記憶手段に出力する、転送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−89925(P2012−89925A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−232728(P2010−232728)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】