説明

携帯通信端末の放送視聴システムおよび携帯通信端末

【課題】テレビ番組の視聴ができなくなった場合に、ユーザがサーバと異なる放送エリアにいる場合にも、ユーザが視聴していたテレビ番組を容易に特定することが可能であるとともに、テレビ番組のユーザが視聴することができない部分を短縮することが可能で、かつ、簡素な構成を有する携帯通信端末の放送視聴システムを提供する。
【解決手段】この放送視聴システム100(携帯通信端末の放送視聴システム)は、TV受信回路12と、通信回路13と、放送局情報を有する番組情報を含む録画コマンド110をテレビ放送電波の受信強度が低下した場合に送信するCPU11とを含む携帯端末10と、TV受信回路22と、通信回路23と、録画コマンド110に基づき、放送局情報により特定されるTV局103を検索するとともに、番組情報に対応するテレビ番組を検索するCPU21とを含むサーバ20とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯通信端末の放送視聴システムおよび携帯通信端末に関し、特に、テレビ放送電波を受信してテレビ番組を視聴することが可能な携帯通信端末の放送視聴システムおよび携帯通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビ放送電波を受信してテレビ番組を視聴することが可能な携帯通信端末の放送視聴システムが知られている(たとえば、特許文献1〜5参照)。
【0003】
上記特許文献1には、テレビ番組を出力するモバイルAV装置とテレビ番組を録画するホームサーバ装置とを備える遠隔録画システムが開示されている。モバイルAV装置は、受信中のテレビ番組の放送電波の強度が所定の値を下回った時に、ホームサーバ装置に対して、番組特定情報を含む録画指示を送信するように構成されている。ホームサーバ装置は、録画指示に含まれる番組特定情報により特定される番組を録画部に録画するように構成されている。ここで、番組特定情報とは、番組のタイトル、チャンネルおよび放送開始時刻などである。また、モバイルAV装置を携行しているユーザがホームサーバ装置と異なる放送エリアにいる場合には、ユーザが現在視聴中の番組とホームサーバ装置により録画される番組とで放送時間帯やチャンネルが異なる場合がある。この場合には、ホームサーバ装置は、録画指示に含まれる番組特定情報としての番組のタイトルと一致するタイトルを、番組関連情報(放送データに含まれているテレビ番組に関する情報であり、たとえばEPG(Electric Program Guide))から特定することにより録画を行うように構成されている。これにより、上記特許文献1による遠隔録画システムでは、モバイルAV装置による視聴中のテレビ番組の視聴継続が困難になった場合にも、ホームサーバ装置にそのテレビ番組を録画させることが可能である。
【0004】
また、上記特許文献2には、テレビ放送を受信可能な移動通信装置と、テレビ放送番組を記録するための記録サーバとを備えたテレビ放送番組記録システムが開示されている。移動通信装置は、記録サーバに対して、インターネットを介して記録命令および再生命令を送信する。記録サーバは、記録命令に基づいてテレビ放送番組を受信および記録するとともに、再生命令に基づいて、記録したテレビ放送番組を移動通信装置にインターネットを介して送信するように構成されている。なお、上記特許文献2では、記録命令の具体的な内容や、記録するテレビ放送番組の特定方法については開示されていない。
【0005】
また、上記特許文献3には、テレビ放送を受信可能な携帯電話装置と、携帯電話装置と通信回線を介して接続される番組録画サービスセンターとを備えたTV番組録画サービスシステムが開示されている。番組録画サービスセンターは、番組録画サービスセンターが設けられている地域(放送エリア)で放送されている全てのテレビ放送の全てのテレビ番組を録画するように構成されている。携帯電話装置は、視聴中のTV番組のチャンネル、番組データや時刻情報を含む送信依頼を番組録画サービスセンターに対して電話回線を通じて発信する。番組録画サービスセンターは、送信依頼を受け付けると、依頼されたTV番組の録画データを携帯電話装置に対してインターネットを介して送信するように構成されている。なお、上記特許文献3では、送信依頼に含まれる番組データの具体的な内容については開示されていない。
【0006】
また、上記特許文献4には、携帯端末装置と、テレビ放送の受信および録画が可能な複数の録画装置と、携帯端末装置からの録画要求を受け付けるとともに、録画装置の動作を管理する管理サーバとを備えた放送番組記録システムが開示されている。携帯端末装置と、各録画装置と、管理サーバとは、それぞれネットワークに接続可能であり、互いに情報の送受信を行うことが可能に構成されている。携帯端末装置は、ネットワークを介して管理サーバから番組の一覧表を取得して、ユーザによる録画予約の入力を受け付ける。携帯端末装置は、ユーザによる録画予約が入力されると、管理サーバに対して、放送番組を放送する放送局を特定する放送局情報と、その放送番組を特定する番組情報と、録画の開始および終了時間に関する情報と録画予約の指令情報とを含む要求情報を送信する。管理サーバは、複数の録画装置がそれぞれ受信可能な放送局のテーブルを記憶している。管理サーバは、要求情報を受信すると、番組情報により特定される放送番組を録画可能な録画装置を選択し、ネットワークを介して選択された録画装置に記録指令を送信する。記録指令を受信した録画装置は、記録指令に基づいて、番組情報により特定される放送番組を受信して録画する。録画が終了すると、録画された番組が録画装置から管理サーバに送信され、さらに録画された番組が管理サーバから携帯端末装置に転送される。これにより、要求情報に基づいて録画予約された放送番組が携帯端末装置によって視聴可能となるように構成されている。なお、上記特許文献4による放送番組記録システムの携帯端末装置にはテレビ放送電波の受信機能がない。
【0007】
また、上記特許文献5には、携帯通信端末と、録画再生装置とを備えた、番組録画サービスシステムが開示されている。携帯通信端末と録画再生装置とは、無線通信(赤外線やBluetooth(登録商標)など)により相互に通信することが可能なように構成されている。携帯通信端末は、EPGに基づいて入力される録画予約スケジュールデータベースを記憶している。携帯通信端末は、録画予約スケジュールに基づき、予約時間が到来すると、無線通信の可能な範囲内の録画再生装置を探索する。そして、録画再生装置からの応答が得られた場合には、携帯通信端末は、応答のあった録画再生装置に対してEPGに基づく録画予約を送信するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−74385号公報
【特許文献2】特開2004−112076号公報
【特許文献3】特開2005−57475号公報
【特許文献4】特開2005−209313号公報
【特許文献5】特開2007−81609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1に開示された遠隔録画システムでは、モバイルAV装置を携行しているユーザがホームサーバ装置と異なる放送エリアにいる場合には、ユーザが視聴中の番組とホームサーバ装置により受信される番組とで放送時間帯やチャンネルが異なることを考慮して、ユーザが視聴していた番組のタイトルのみに基づいて、ホームサーバ装置の設置された放送エリアにおいて放送される番組(ユーザが視聴していた番組)をEPGから特定している。このため、ユーザが視聴していた番組を特定するためには、ホームサーバ装置が受信可能な全ての放送局で放送される全ての番組についてEPGを参照しながら順次タイトルの照合を行わなければならないので、ユーザが視聴していた番組を特定するのに時間がかかると考えられる。これにより、ユーザが視聴不能になってから録画が開始されるまでの間の録画できない期間が長くなってしまうので、テレビ番組の視聴ができなくなった時に、ユーザがホームサーバ装置と異なる放送エリアにいる場合に、ユーザが視聴していたテレビ番組のうちのユーザが視聴することができない部分が長くなってしまうという問題点がある。
【0010】
また、上記特許文献2に開示されたテレビ放送番組記録システムでは、テレビ番組の視聴ができなくなった時に、ユーザが記録サーバと異なる放送エリアにいる場合には、ユーザが視聴中の番組と記録サーバにより受信される番組とで放送時間帯やチャンネルが異なるので、記録命令だけではユーザが視聴していた番組を記録サーバが特定するのが困難であるという問題点がある。
【0011】
また、上記特許文献3に開示されたTV番組録画サービスシステムでは、番組録画サービスセンターが設けられている地域で放送されている全てのテレビ放送の全てのテレビ番組を録画する必要があるので、テレビ番組を記録するための記録装置に大容量のものを用いるとともに、録画を行う各チャンネル毎に受信用のチューナを設ける必要がある。その結果、システムが大掛かりになってしまうという問題点がある。
【0012】
また、上記特許文献4に開示された放送番組記録システムでは、携帯端末装置にテレビ受信機能がないので、携帯端末装置によりテレビ放送を受信してテレビ番組を視聴すること自体が開示も示唆もされていない。したがって、携帯端末装置によりテレビ放送を受信してテレビ番組を視聴することを前提とする本発明とは、前提とする技術が異なる。
【0013】
また、上記特許文献5に開示された番組録画サービスシステムでは、EPGに基づいて入力される録画予約スケジュールに基づいて、無線通信の可能な範囲内の録画再生装置に録画予約を送信することが可能な一方、テレビ番組の視聴ができなくなった場合にユーザによる視聴を可能とする構成については、開示も示唆もされていない。
【0014】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、テレビ番組の視聴ができなくなった場合に、ユーザがサーバと異なる放送エリアにいる場合にも、ユーザが視聴していたテレビ番組を容易に特定することが可能であるとともに、テレビ番組のユーザが視聴することができない部分を短縮することが可能で、かつ、簡素な構成を有する携帯通信端末の放送視聴システムおよび携帯通信端末を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0015】
この発明の第1の局面による携帯通信端末の放送視聴システムは、テレビ放送電波を受信する第1受信部と、インターネットに接続可能な第1通信部と、第1受信部により受信したテレビ放送電波に含まれるテレビ番組を特定する放送局情報を有する番組情報を含む録画コマンドを、第1受信部により受信するテレビ放送電波の受信強度が低下した場合に生成して、録画コマンドを第1通信部を用いてインターネットを介して送信する第1制御部とを含む携帯通信端末と、テレビ放送電波を受信する第2受信部と、インターネットに接続可能な第2通信部と、録画コマンドに含まれる放送局情報を有する番組情報に基づいて、放送局情報により特定される放送局と同一の放送ネットワークに属し、かつ、放送エリア内に第2受信部が存在する所定の放送局を検索するとともに、所定の放送局で放送される番組情報に対応するテレビ番組を検索する第2制御部とを含む第1サーバとを備える。ここで、本発明における「録画」とは、記憶媒体へテレビ番組のデータを記録することをいい、テレビ番組のデータを一時的にのみ記憶媒体へ記録する場合も含む広い概念である。
【0016】
この発明の第1の局面による携帯通信端末の放送視聴システムでは、上記のように、携帯通信端末が、テレビ放送電波の受信強度が低下した場合に、テレビ番組を特定する放送局情報を有する番組情報を含む録画コマンドを送信し、第1サーバが、録画コマンドに含まれる放送局情報を有する番組情報に基づいて、放送局情報により特定される放送局と同一の放送ネットワークに属し、かつ、放送エリア内に第2受信部が存在する所定の放送局を検索するとともに、所定の放送局で放送される番組情報に対応するテレビ番組を検索する。このように構成することによって、ユーザが第1サーバと異なる放送エリアにいる場合にも、放送局情報を有する番組情報を用いて、ユーザが視聴していたテレビ番組の放送局と同一の放送ネットワークに属し、かつ、第1サーバによって受信可能な放送局を容易かつ迅速に特定し、特定された放送局によって放送される番組の中から番組情報に対応するテレビ番組を番組情報により容易かつ迅速に特定することができる。これにより、ユーザが第1サーバと異なる放送エリアにいる場合にも、容易かつ迅速に、ユーザが視聴していた番組(番組情報に対応するテレビ番組)を第1サーバが特定して、ユーザの視聴ができなくなった直後からそのテレビ番組のデータを第1サーバが取得して録画等を行うことができる。これにより、ユーザが第1サーバと異なる放送エリアにいる場合にも、テレビ番組の視聴ができなくなった時に、テレビ番組のユーザが視聴することができない部分を短縮することができる。また、ユーザが視聴していたテレビ番組のデータだけを第1サーバが記憶すればよいので、第1サーバの記憶容量を小さくすることができる。その結果、第2受信部を複数設ける必要もないので、システムを簡素化することができる。
【0017】
上記第1の局面による携帯通信端末の放送視聴システムにおいて、好ましくは、第1サーバは、テレビ放送電波に含まれるテレビ番組を録画する録画部をさらに含み、第1サーバの第2制御部は、検索した所定の放送局から、番組情報に対応するテレビ番組を第2受信部を用いて受信するとともに、番組情報に対応するテレビ番組を録画部に録画するように構成されている。このように構成すれば、テレビ放送電波の受信強度が低下してテレビ番組を視聴できなくなった場合に、視聴していたテレビ番組の続きが第1サーバに録画される。これにより、ユーザは、テレビ番組を視聴できなくなった場合にも、録画部に録画されたテレビ番組のデータにより、視聴していたテレビ番組の見逃した部分を録画終了後に継続して視聴することができる。
【0018】
上記第1の局面による携帯通信端末の放送視聴システムにおいて、好ましくは、第1サーバは、テレビ放送電波に含まれるテレビ番組を少なくとも一時的に録画可能な一時記憶部をさらに含み、第1サーバの第2制御部は、検索した所定の放送局から、番組情報に対応するテレビ番組を第2受信部を用いて受信するとともに、番組情報に対応するテレビ番組を一時記憶部に一時的に録画しながら、並行して、録画済みの番組情報に対応するテレビ番組を第2通信部を用いて携帯通信端末に送信するように構成されている。このように構成すれば、テレビ放送電波の受信強度が低下してテレビ番組を視聴できなくなった場合に、第1サーバが録画コマンドを受信すれば、ユーザが視聴していたテレビ番組の続きを一時的に録画しながら、並行して、携帯通信端末に送信することができる。これにより、携帯通信端末において、いわゆるストリーミング再生を行うことができるので、ユーザは、テレビ番組を視聴できなくなった場合にも、ストリーミング再生によってそのまま番組の視聴を継続することができる。
【0019】
上記第1サーバが録画部または一時記憶部を含む構成において、好ましくは、携帯通信端末の第1受信部は、受信中のテレビ放送電波の受信強度を検出可能に構成され、携帯通信端末の第1制御部は、テレビ番組の受信中にテレビ放送電波の受信強度が所定の閾値以下にまで低下した場合に、放送局情報を有する番組情報を含む録画コマンドを、第1通信部を用いて第1サーバに対して送信するように構成されている。このように構成すれば、テレビ番組の受信中にテレビ放送電波の受信強度が所定の閾値以下になった場合に、自動的に録画コマンドを第1サーバに送信することができる。これにより、テレビ放送電波の受信強度が低下してテレビ番組の視聴ができなくなった場合には、第1サーバの録画部または一時記憶部によりデータを録画することができる。そして、第1サーバから番組の録画データまたはストリーミングデータを受信することにより、ユーザが特別な操作を行うことなくテレビ番組の視聴を継続することができる。
【0020】
この場合において、好ましくは、携帯通信端末の第1制御部は、第1サーバに対して録画コマンドを送信した後、番組情報に対応するテレビ番組を含むテレビ放送電波の受信強度が所定の閾値を超えた場合には、録画停止命令を含む録画停止コマンドを第1通信部を用いて第1サーバに送信し、第1サーバの第2制御部は、録画停止コマンドに基づき、録画中の番組情報に対応するテレビ番組の録画を停止するように構成されている。このように構成すれば、テレビ番組の視聴ができなくなってから、テレビ放送電波の受信強度が閾値を超えて視聴可能な状態に復帰した場合には、録画(またはストリーミング)中の第1サーバに録画停止コマンドを送信することによって、テレビ番組の視聴できなかった部分のみを録画(またはストリーミング)させることができる。
【0021】
上記第1の局面による携帯通信端末の放送視聴システムにおいて、携帯通信端末は、ユーザからの録画コマンドの送信指示を受け付ける入力キーをさらに含み、携帯通信端末の第1制御部は、入力キーを介して録画コマンドの送信指示を受け付けると、携帯通信端末によるテレビ番組の受信強度に関わらず、第1通信部を用いて放送局情報を有する番組情報を含む録画コマンドを第1サーバに送信するように構成されている。このように構成すれば、テレビ番組の視聴ができなくなった場合だけでなく、テレビ番組の視聴はできるがユーザが後で再度テレビ番組を視聴したい場合などにも、入力キーを用いて録画コマンドを第1サーバに送信させることによって、ユーザが視聴していたテレビ番組を第1サーバに録画させることができる。
【0022】
上記第1の局面による携帯通信端末の放送視聴システムにおいて、好ましくは、第1サーバの第2制御部は、放送局およびテレビ番組を検索した結果、放送局情報により特定される放送局と同一の放送ネットワークに属し、かつ、放送エリア内に第2受信部が存在する放送局が存在しない場合、または、放送エリア内に第2受信部が存在する放送局で放送される番組情報に対応するテレビ番組が存在しない場合には、番組情報に対応するテレビ番組の送信を行うことができない旨の通知を第2通信部を用いて携帯通信端末に送信するように構成されている。このように構成すれば、テレビ番組の視聴ができなくなった場合に、ユーザは、テレビ番組の送信を行うことができない旨の通知により、第1サーバから視聴していたテレビ番組を受信することができるか否かを把握することができる。この場合には、テレビ番組の送信を行うことができない旨の通知を受けたユーザは、放送電波の受信可能な場所に移動するなどにより、テレビ番組の視聴の継続を試みることもできる。
【0023】
上記第1の局面による携帯通信端末の放送視聴システムにおいて、好ましくは、第1サーバは、テレビ放送電波に含まれるテレビ番組を録画する録画部をさらに含み、第1サーバの第2制御部は、放送局情報により特定される放送局と同一の放送ネットワークに属し、かつ、放送エリア内に第2受信部が存在する放送局による番組情報に対応するテレビ番組の放送時刻が、放送局情報により特定される放送局によって放送される番組情報により特定されるテレビ番組の放送時刻よりも遅い場合に、放送時刻が遅いテレビ番組の録画部による録画を予約するように構成されている。このように構成すれば、第1サーバの存在する放送エリアでの番組情報に対応するテレビ番組の放送時刻が遅い場合には、録画部への録画を予約することによってユーザは、テレビ番組の視聴ができなくなった場合にも見逃したテレビ番組を後から見直すことができる。
【0024】
上記第1の局面による携帯通信端末の放送視聴システムにおいて、好ましくは、テレビ放送電波を受信する第3受信部と、インターネットに接続可能な第3通信部と、録画コマンドに含まれる放送局情報を有する番組情報に基づいて、放送局情報により特定される放送局と同一の放送ネットワークに属し、かつ、放送エリア内に第3受信部が存在する所定の放送局を検索するとともに、所定の放送局で放送される番組情報に対応するテレビ番組を検索する第3制御部とを含む第2サーバをさらに備え、第1サーバの第2制御部は、放送局情報により特定される放送局と同一の放送ネットワークに属し、かつ、放送エリア内に第2受信部が存在する放送局が存在しない場合、または、放送エリア内に第2受信部が存在する放送局で放送される番組情報に対応するテレビ番組が存在しない場合に、第2サーバと放送エリア内に第2サーバが存在する放送局とを対応付けたリストに基づき、放送局情報により特定される放送局の放送エリア内に存在する第2サーバを検索し、第2通信部を用いて、検索された放送局情報により特定される放送局の放送エリア内に存在する第2サーバに対して録画コマンドを送信するように構成されている。このように構成すれば、ユーザが視聴していた番組が、第1サーバの存在する放送エリアでは放送されない番組(いわゆるローカル番組)であった場合にも、放送局情報により特定される放送局(携帯通信端末が受信していた番組を放送する放送局)の放送エリア内に存在する第2サーバに対して録画コマンドを送信することができる。これにより、第1サーバの放送エリアでは放送されない番組の視聴中に、テレビ番組の視聴ができなくなった場合にも、第2サーバにテレビ番組の録画等をさせることができる。
【0025】
この発明の第2の局面による携帯通信端末は、テレビ放送電波を受信する受信部と、インターネットに接続可能な通信部と、受信部により受信したテレビ放送電波に含まれるテレビ番組を特定する放送局情報を有する番組情報を含む録画コマンドを、受信部により受信するテレビ放送電波の受信強度が低下した場合に生成して、録画コマンドを通信部を用いてインターネットを介してサーバに送信する制御部とを備える。
【0026】
この発明の第2の局面による携帯通信端末では、上記のように、制御部が、テレビ放送電波に含まれるテレビ番組を特定する放送局情報を有する番組情報を含む録画コマンドを、受信部により受信するテレビ放送電波の受信強度が低下した場合に生成して、録画コマンドを通信部を用いてインターネットを介してサーバに送信することによって、サーバは、ユーザがサーバと異なる放送エリアにいる場合にも、放送局情報を有する番組情報を用いて、ユーザが視聴していたテレビ番組の放送局と同一の放送ネットワークに属し、かつ、サーバによって受信可能な放送局を放送局情報により容易かつ迅速に特定し、特定された放送局によって放送される番組の中から番組情報に対応するテレビ番組を番組情報により容易かつ迅速に特定することができる。これにより、ユーザがサーバと異なる放送エリアにいる場合にも、容易かつ迅速に、ユーザが視聴していた番組(番組情報に対応するテレビ番組)をサーバが特定して、視聴ができなくなった直後からそのテレビ番組のデータをサーバが取得して録画等を行うことができる。これにより、ユーザがサーバと異なる放送エリアにいる場合に、テレビ番組のユーザが視聴することができない部分を短縮することができる。また、ユーザが視聴していたテレビ番組のデータだけをサーバに記憶させればよいので、サーバの記憶容量を小さくすることができる。その結果、複数の番組を同時に受信可能に構成する必要もないので、システムを簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態による放送視聴システムの全体構成を示した図である。
【図2】図1に示した携帯端末を説明するためのブロック図である。
【図3】図1に示したサーバを説明するためのブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態による放送視聴システムの動作を説明するためのフロー図である。
【図5】本発明の第2実施形態による放送視聴システムの全体構成を示した図である。
【図6】図5に示したメインサーバを説明するためのブロック図である。
【図7】図5に示したサーバを説明するためのブロック図である。
【図8】本発明の第2実施形態による放送視聴システムの携帯端末の動作を説明するためのフロー図である。
【図9】本発明の第2実施形態による放送視聴システムのメインサーバの動作を説明するためのフロー図である。
【図10】本発明の第2実施形態による放送視聴システムのサーバの動作を説明するためのフロー図である。
【図11】本発明の第3実施形態による放送視聴システムの動作を説明するためのフロー図である。
【図12】本発明の第4実施形態による放送視聴システムの動作を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
(第1実施形態)
まず、図1〜図3を参照して、本発明の第1実施形態による放送視聴システム100の構成について説明する。なお、第1実施形態では、本発明の「携帯通信端末の放送視聴システム」の一例である放送視聴システム100に本発明を適用した場合について説明する。
【0030】
本発明の第1実施形態による放送視聴システム100は、図1に示すように、携帯端末10と、サーバ20とを備える。携帯端末10とサーバ20とは、携帯基地局101とインターネット102とを介することにより、互いに通信することが可能なように構成されている。なお、携帯端末10およびサーバ20は、それぞれ、本発明の「携帯通信端末」および「第1サーバ」の一例である。
【0031】
第1実施形態では、携帯端末10は、携帯端末向けデジタル放送(いわゆるワンセグ)などのテレビ放送を視聴可能な携帯電話端末からなる。また、サーバ20は、たとえば、携帯端末10のユーザの自宅に設置されたPC(Personal Computer)などからなる。図1に示すように、携帯端末10(携帯端末10を携行するユーザ)は、TV局103aの放送エリア内にあり、TV局103aのテレビ放送電波を受信することが可能である。一方、サーバ20は、TV局103aとは異なるTV局103cの放送エリア内に設置され、TV局103cの放送電波を受信することが可能である。TV局103aおよび103cは、いずれもキー局104の放送ネットワークに所属する放送局である。キー局104の放送ネットワークは、各TV局103(TV局103a、103bおよび103c)を含んでいる。なお、TV局103(TV局103a、103bおよび103c)と、キー局104とは、それぞれ、本発明の「放送局」の一例である。
【0032】
図2に示すように、携帯端末10は、CPU(Central Processing Unit)11と、TV受信回路12およびアンテナ(テレビ放送用)12aと、通信回路13およびアンテナ(無線通信・通話用)13aと、表示器駆動回路14および液晶パネルなどの表示器14aとを備える。また、携帯端末10は、RAM15と、ROM16と、フラッシュメモリ17と、音声処理回路18と、スピーカ18aおよびマイク18bと、入力キー19とを備える。なお、CPU11は、本発明の「第1制御部」および「制御部」の一例である。また、TV受信回路12は、本発明の「第1受信部」および「受信部」の一例である。また、通信回路13は、本発明の「第1通信部」および「通信部」の一例である。
【0033】
CPU11は、ROM16に記憶されたプログラムに基づき、RAM15を作業領域として用いて各種演算処理を行うことにより、携帯端末10全体の制御を行うように構成されている。また、CPU11は、TV受信回路12、表示器駆動回路14および音声処理回路18を用いて、ユーザによるテレビ番組の視聴に関わる制御を行うように構成されている。また、CPU11は、通信回路13、表示器駆動回路14および音声処理回路18を用いて、音声通話やインターネット102への接続に伴う制御を行うように構成されている。
【0034】
また、第1実施形態では、CPU11は、ユーザがテレビ番組の視聴を行うと、受信したテレビ番組を特定する番組情報を取得するように構成されている。ここで、番組情報は、たとえば番組名(タイトル)や番組コードなどの番組固有情報を有する。また、番組情報は、番組固有情報に加えて、受信したテレビ番組を放送するTV局103またはキー局104を特定する放送局情報を有する。また、放送局情報は、TV局名(「XX放送」など)、TV局の略号(「ABX」など)または呼出符号(「JOZZ−DTV」など)などである。また、放送局情報として、各TV局を個別に識別可能な専用のコードを割り当ててもよい。このような放送局情報を有する番組情報は、映像データおよび音声データからなるテレビ番組自体のデータに付随して、受信中の放送電波(デジタル放送信号)から取得することが可能なように構成されている。
【0035】
また、図1に示すように、CPU11は、受信中の放送電波の電波強度(受信強度)が所定の閾値以下となる状態が所定時間継続すると、この番組固有情報と放送局情報とを有する番組情報を含む録画コマンド110を、通信回路13を用いてインターネット102を介してサーバ20に送信するように構成されている。なお、所定の閾値とは、テレビ番組を良好に視聴することが可能な電波強度である。後述するように、携帯端末10は、この録画コマンド110をサーバ20に送信することにより、サーバ20から、番組情報により特定されるテレビ番組の録画データ120を取得することができるように構成されている。これにより、たとえば携帯端末10を携行するユーザの移動に起因して電波強度が低下し、受信中のテレビ番組の視聴が中断された場合にも、そのテレビ番組の録画データ120をサーバ20から取得して、見逃したテレビ番組を視聴することが可能となる。
【0036】
図2に示すように、TV受信回路12は、選局、復調およびデコードなどを行うことにより、アンテナ12aにより受信した放送電波からテレビ番組の映像データ、音声データ、および、番組固有情報および放送局情報を有する番組情報などの各種データを取り出す機能を有する。また、TV受信回路12は、受信中の放送電波の電波強度(受信強度)を検出する機能を有する。TV受信回路12により検出された電波強度に基づき、CPU11による録画コマンド110の送信が行われるように構成されている。
【0037】
通信回路13は、アンテナ13aを介して通信用電波の送受信を行う機能を有する。通信回路13は、携帯基地局101を介して携帯電話網およびインターネット102への無線通信接続を行うことができるように構成されている。これにより、携帯端末10は、他の通信端末との電話回線を用いた通話を行うとともに、インターネット102を介してデータの送受信を行うことが可能である。この通信回路13を用いて、CPU11は、サーバ20に録画コマンド110を送信するとともに、サーバ20からテレビ番組の録画データ120を受信することが可能なように構成されている。
【0038】
表示器駆動回路14は、CPU11からの制御信号に基づき、CPU11およびTV受信回路12より出力される画像および映像情報を表示器14aに表示させる機能を有する。
【0039】
RAM15は、CPU11による制御に伴い生成される一時データや、受信中のテレビ番組の番組固有情報および放送局情報を有する番組情報などを書き換え可能に記憶する機能を有する。また、ROM16には、録画コマンド110の生成など、CPU11による各種の機能を実現させるためのプログラムなどが記憶されている。
【0040】
フラッシュメモリ17は、不揮発性メモリからなり、サーバ20から送信されたテレビ番組の録画データ120などのデータがフラッシュメモリ17に格納されるように構成されている。録画データ120の再生時には、CPU11により録画データ120がフラッシュメモリ17から読み出されて、表示器駆動回路14および音声処理回路18に出力される。また、フラッシュメモリ17には、録画コマンド110の宛先情報(たとえば、サーバ20のIPアドレスなど)が予めユーザにより記憶されており、録画コマンド110は、この宛先情報に基づいて送信される。
【0041】
音声処理回路18は、テレビ番組の音声データや、通話時の音声データなどをスピーカ18aから出力するとともに、マイク18bから入力される音声信号をCPU11に出力する機能を有する。
【0042】
入力キー19は、0〜9までのテンキー、メニューキーやその他の機能キーなどを含む。入力キー19は、ユーザが携帯端末10の操作を行うための入力情報をCPU11へ出力する機能を有する。第1実施形態では、この入力キー19を介して、CPU11がユーザからの録画コマンド110の送信指示を受け付けることが可能なように構成されている。ユーザからの録画コマンド110の送信指示を受け付けた場合には、CPU11は、テレビ番組の放送電波の電波強度に関わらず、録画コマンド110をサーバ20に送信するように構成されている。
【0043】
サーバ20は、図3に示すように、表示装置29と、キーボード28などの入力装置を備えたPCである。サーバ20は、CPU21と、TV受信回路22およびアンテナ22aと、通信回路23と、表示器駆動回路24と、RAM25と、ROM26と、HDD(ハードディスクドライブ)27とを備えている。なお、CPU21は、本発明の「第2制御部」の一例である。また、TV受信回路22および通信回路23は、それぞれ、本発明の「第2受信部」および「第2通信部」の一例である。また、HDD27は、本発明の「録画部」の一例である。
【0044】
CPU21は、ROM26に記憶されたプログラムに基づき、RAM25を作業領域として用いて各種演算処理を行うことにより、サーバ20全体の制御を行うように構成されている。また、CPU21は、通信回路23を用いて、インターネット102を介して携帯端末10から送信される録画コマンド110を取得する。そして、CPU21は、携帯端末10から送信された録画コマンド110に基づいて、TV受信回路22を用いてテレビ番組を受信するとともに、受信したテレビ番組(録画データ120)をHDD27に録画するように構成されている。
【0045】
具体的には、CPU21は、録画コマンド110に含まれる放送局情報に基づき、携帯端末10が受信していたテレビ番組を放送するTV局103aと同一の放送ネットワーク(キー局104の放送ネットワーク)に属し、かつ、放送エリア内にサーバ20(TV受信回路22)が存在するTV局103cを検索するように構成されている。詳細には、CPU21は、放送局情報に基づいて、携帯端末10が受信していたTV局103aを特定し、ROM16から後述する放送ネットワーク情報26aを取得して、TV局103aが所属する放送ネットワークのキー局104を検索する。そして、放送ネットワーク情報26aから、キー局104の放送ネットワークにおいて、サーバ20(TV受信回路22)の設置場所(たとえば、ユーザの自宅)を放送エリア内に含むTV局103c(キー局104の系列局)を検索するように構成されている。これにより、ユーザが携帯端末10により視聴していたテレビ番組を放送する可能性のあるTV局103cが特定される。この際、放送ネットワーク情報26aに基づき、TV局103cのチャンネルも取得される。
【0046】
そして、CPU21は、録画コマンド110に含まれる番組固有情報に基づいて、放送局情報により特定されたTV局103cで放送される番組の中から、番組固有情報に対応するテレビ番組を検索するように構成されている。この際、TV局103cが放送する放送電波から取得されるEPGなどの番組表と、番組情報が有する番組固有情報とに基づいて、番組固有情報に対応するテレビ番組が特定される。これにより、CPU21は、携帯端末10がTV局103aから受信して視聴していたテレビ番組(番組情報により特定されるテレビ番組)を特定して、放送エリア内にサーバ20(TV受信回路22)が存在するTV局103cからその番組をTV受信回路22を用いて受信することが可能なように構成されている。
【0047】
また、第1実施形態では、CPU21は、番組固有情報により特定されるテレビ番組をTV局103cから受信すると、HDD27にその番組を録画するように構成されている。そして、CPU21は、番組終了までHDD27に録画を継続した後、HDD27の録画データ120を携帯端末10に対して、通信回路23を用いて送信するように構成されている。これにより、携帯端末10ではTV局103aからの放送電波が受信できない場合にも、携帯基地局101との無線通信が可能であれば、インターネット102を介して録画データ120を受信することが可能となる。
【0048】
TV受信回路22は、選局、復調およびデコードなどを行うことにより、アンテナ22aにより受信した放送電波からテレビ番組の映像データ、音声データおよび番組情報(番組固有情報および放送局情報)などの各種データを取り出す機能を有する。受信したテレビ番組のデータは、CPU21に出力され、HDD27に録画される。
【0049】
通信回路23は、ADSL(非対称デジタル加入者線)方式や、光ファイバを用いるFTTH(Fiber To The Home)方式などを用いて、有線または無線によりインターネット102に接続されている。通信回路23は、インターネット102および携帯基地局101を介して携帯端末10とのデータの送受信を行うことが可能である。この通信回路23を用いて、CPU21は、携帯端末10からの録画コマンド110を取得するとともに、携帯端末10へのテレビ番組の録画データ120を送信するように構成されている。
【0050】
表示器駆動回路24は、CPU21からの制御信号に基づき、画像および映像情報を表示装置29に表示させる機能を有する。
【0051】
RAM25は、CPU21による制御に伴い生成される一時データや、携帯端末10から受信した録画コマンド110の番組情報(番組固有情報および放送局情報)などを書き換え可能に記憶する機能を有する。また、ROM26には、CPU21による各種の機能を実現させるためのプログラムなどが記憶されている。また、ROM26には、放送ネットワーク情報26aが格納されている。放送ネットワーク情報26aは、全国のTV局の放送局名(呼出符号または略称)、チャンネル、所属する放送ネットワークおよびキー局の情報を含んでいる。
【0052】
HDD27は、TV受信回路22により受信されたテレビ番組のデータを録画することが可能である。録画データ120の送信時には、CPU21により録画データ120がHDD27から読み出され、通信回路23により携帯端末10に送信される。
【0053】
次に、図1〜図4を参照して、第1実施形態による放送視聴システム100を用いたテレビ番組の視聴動作について説明する。なお、以下では、携帯端末10がTV局103aからの放送電波を受信して、ユーザがテレビ番組を視聴している状態を前提として説明する。したがって、受信したテレビ番組を特定する番組固有情報と、受信したテレビ番組を放送するTV局103aを特定する放送局情報とを有する番組情報は、携帯端末10のCPU11により取得されている。
【0054】
まず、図4に示すように、ステップS1において、テレビ番組の視聴中にCPU11により、受信中の放送電波の電波強度(受信強度)が所定の閾値以下であるか否かが判断される。CPU11は、TV受信回路12により検出される電波強度と、予め設定された所定の強度(閾値)とを比較する。電波強度が閾値よりも大きい場合には、CPU11により、このステップS1の判断が繰り返される。一方、電波強度が所定の閾値以下である場合には、ステップS2に進む。
【0055】
ステップS2において、CPU11により、TV受信回路12により検出される電波強度と予め設定された所定の強度(閾値)との比較を継続して、電波強度が所定の閾値以下の状態が所定の時間継続したか否かが判断される。所定時間の間に電波強度が閾値を超える場合には、ステップS1に戻り、テレビ番組の視聴を継続しつつ電波強度の比較が行われる。一方、電波強度が所定の閾値以下の状態が所定の時間継続した場合には、ステップS3に進む。
【0056】
ステップS3では、図2に示すように、CPU11により、受信したテレビ番組を特定する番組固有情報(番組タイトル)と受信したテレビ番組を放送するTV局103aを特定する放送局情報(放送局名)とを有する番組情報を含む録画コマンド110が生成される。そして、生成された録画コマンド110が、CPU11により、通信回路13を用いてインターネット102を介してサーバ20に送信される。この後、携帯端末10側では、サーバ20からの録画データ120または後述する異常メッセージの送信を待ち受ける。
【0057】
一方、サーバ20は、携帯端末10から録画コマンド110が送信されると、録画コマンド110に基づき、テレビ番組の録画処理および携帯端末10への送信処理を開始する。まず、ステップS11において、CPU21により、取得した録画コマンド110に基づいてTV局103cおよびテレビ番組の検索が行われる。
【0058】
具体的には、CPU21により、ROM26から放送ネットワーク情報26aが読み出される。そして、録画コマンド110に含まれる放送局情報から、TV局103aが特定されると、放送ネットワーク情報26aに基づいて、TV局103aのキー局104が検索される。そして、CPU21により、特定されたキー局104の放送ネットワークに属し、かつ、放送エリア内にサーバ20(TV受信回路22)が存在するTV局103c(TV局103cのチャンネル)が特定される。次に、CPU21により、TV局103cからの放送電波を受信して番組表が取得される。そして、録画コマンド110に含まれる番組固有情報に基づいて、CPU21により、TV局103cで放送される番組の中から、番組固有情報に対応するテレビ番組が検索される。なお、図1に示した例では、携帯端末10が受信していたTV局103aと同一の放送ネットワークに属するTV局103cが特定されるが、携帯端末10とサーバ20とが同一の放送エリア(たとえば、TV局103cの放送エリア)内に存在する場合には、当然同一のTV局103cが特定される。また、キー局104の放送エリア内にサーバ20が設置されていれば、系列局が検索されることなくキー局104が特定される。
【0059】
ステップS12では、CPU21により、放送局(TV局103c)およびテレビ番組の検索の結果、録画コマンド110に含まれる番組固有情報に該当するテレビ番組の有無が判断される。TV局103cにより放送される番組の中から該当する番組が特定できた場合には、ステップS13に進む。一方、携帯端末10が受信していたTV局103aと同一の放送ネットワーク(キー局104の放送ネットワーク)に属するTV局が存在しない場合、または、TV局103cで放送される番組の中に、番組固有情報に対応するテレビ番組が存在しない場合には、ステップS16に進む。
【0060】
次に、ステップS13において、TV局103cにより放送される放送電波がTV受信回路22により受信され、テレビ番組(番組固有情報に対応するテレビ番組)がCPU21に出力される。そして、CPU21によって、テレビ番組のデータ(録画データ120)がHDD27に記憶されることにより、テレビ番組の録画が開始される。
【0061】
ステップS14では、CPU21により、録画中のテレビ番組の放送が終了したか否かが判断される。放送が終了していなければ、ステップS13に戻り、録画が継続される。放送が終了した場合には、ステップS15に進む。
【0062】
ステップS15では、CPU21によって、HDD27に録画されたテレビ番組の録画データ120が通信回路23を用いて携帯端末10に送信される。具体的には、まず、テレビ番組の放送終了に基づき、CPU21により録画が停止される。そして、CPU21により、HDD27から録画データ120が読み出され、通信回路23を用いて録画データ120が送信される。送信された録画データ120は、インターネット102および携帯基地局101を経て、携帯端末10の通信回路13により受信される。これにより、録画コマンド110に基づく視聴中のテレビ番組の録画および送信処理が完了する。
【0063】
また、ステップS12において、該当するテレビ番組(該当するTV局)が存在しないと判断された場合には、ステップS16において、CPU21により、番組固有情報に対応するテレビ番組の送信を行うことができない旨の通知(異常メッセージ)が、携帯端末10に対して送信される。この場合、テレビ番組の録画および送信を行うことなく、サーバ20の録画コマンド110に対する処理が終了する。
【0064】
サーバ20から録画データ120または異常メッセージが送信されると、携帯端末10の通信回路13により、送信された録画データ120または異常メッセージが受信される。受信した録画データ120または異常メッセージは、CPU11により、フラッシュメモリ17に記憶される。そして、ステップS4において、携帯端末10のCPU11により、録画データ120または異常メッセージを受信したか否かが判断される。録画データ120を受信した場合には、ステップS5に進み、CPU11により表示器駆動回路14が制御されることにより、録画データ120の受信を完了した旨が表示器14aに表示される。これにより、携帯端末10のユーザは、視聴中のテレビ番組を視聴できなくなった部分から継続して視聴することができるようになる。
【0065】
一方、サーバ20から異常メッセージを受信した場合には、ステップS6に進む。ステップS6では、異常メッセージを受信した旨が表示器14aに表示される。これにより、携帯端末10のユーザは、視聴中のテレビ番組を録画することができないことを把握することができるので、ユーザ自身がTV局103aからの放送電波を良好に受信できる場所を探すなどの行動をとることができる。なお、上記のように、異常メッセージを受信する場合は、録画コマンドをサーバ20が受信してからすぐにサーバ20により該当番組なし(ステップS12)という判断が行われて異常メッセージが携帯端末10に送信されるので、録画コマンド110が送信された直後に携帯端末10が異常メッセージを受信する。これに対して、録画データ120を受信する場合には、テレビ番組の放送終了後に録画データ120がサーバ20から送信されるので、テレビ番組の放送が終了してから携帯端末10側で録画データ120が受信される。
【0066】
以上により、第1実施形態による放送視聴システム100を用いたテレビ番組の視聴動作が終了する。
【0067】
第1実施形態では、上記のように、携帯端末10が、番組固有情報および放送局情報を有する番組情報を含む録画コマンド110をサーバ20に送信し、サーバ20が、録画コマンド110に含まれる放送局情報に基づいて、放送局情報により特定されるTV局103aと同一の放送ネットワークに属し、かつ、放送エリア内にTV受信回路22(サーバ20)が存在するTV局103cを検索するとともに、録画コマンド110に含まれる番組固有情報に基づいて、放送エリア内にTV受信回路22(サーバ20)が存在するTV局103cで放送される番組固有情報に対応するテレビ番組を検索する。このように構成することによって、ユーザがサーバ20と異なる放送エリア(TV局103aの放送エリア)にいる場合にも、放送局情報を有する番組情報を用いて、ユーザが視聴していたテレビ番組のTV局103aと同一の放送ネットワークに属し、かつ、サーバ20によって受信可能なTV局103cを容易かつ迅速に特定し、特定されたTV局103cによって放送される番組の中から番組固有情報に対応するテレビ番組を番組固有情報により容易かつ迅速に特定することができる。これにより、ユーザがサーバ20と異なる放送エリアにいる場合にも、容易かつ迅速に、ユーザが視聴していた番組(番組固有情報に対応するテレビ番組)をサーバ20が特定して、視聴ができなくなった直後からそのテレビ番組の録画データ120をサーバ20が取得して記憶することができる。これにより、ユーザがサーバ20と異なる放送エリアにいる場合にも、テレビ番組の視聴ができなくなった時に、テレビ番組のユーザが視聴することができない部分を短縮することができる。また、ユーザが視聴していたテレビ番組のデータだけをサーバ20が記憶すればよいので、サーバ20のHDD27の記憶容量を小さくすることができる。その結果、TV受信回路22を複数設ける必要もないので、放送視聴システム100の構成を簡素化することができる。
【0068】
また、第1実施形態では、上記のように、CPU21を、携帯端末10からの録画コマンド110に基づき、放送局情報により特定されるTV局103aと同一の放送ネットワークに属し、かつ、放送エリア内にTV受信回路22(サーバ20)が存在するTV局103cから、番組固有情報に対応するテレビ番組をTV受信回路22を用いて受信するとともに、番組固有情報に対応するテレビ番組をHDD27に録画するように構成することによって、テレビ放送電波の受信強度が低下してユーザがテレビ番組を視聴できなくなった場合に、視聴していたテレビ番組の続きがサーバ20に自動的に録画される。これにより、ユーザは、テレビ番組を視聴できなくなった場合にも、HDD27に録画された録画データ120により、視聴していたテレビ番組の見逃した部分を録画終了後に継続して視聴することができる。
【0069】
また、第1実施形態では、上記のように、CPU11を、テレビ番組の受信中に放送電波の受信強度が所定の閾値以下になった場合に、録画コマンド110を、通信回路13を用いてサーバ20に対して送信するように構成することによって、テレビ番組の受信中に放送電波の受信強度が所定の閾値以下になった場合に、自動的に録画コマンド110をサーバ20に送信することができる。これにより、テレビ放送電波の受信強度が低下してテレビ番組の視聴ができなくなった場合には、サーバ20のHDD27によりデータを録画することができる。そして、サーバ20から番組の録画データ120を受信することにより、ユーザが特別な操作を行うことなくテレビ番組の視聴を継続することができる。
【0070】
また、第1実施形態では、上記のように、CPU11を、入力キー19を介して録画コマンド110の送信指示を受け付けると、携帯端末10によるテレビ番組の視聴状況に関わらず、通信回路13を用いて録画コマンド110をサーバ20に対して送信するように構成することによって、テレビ番組の視聴ができなくなった場合だけでなく、テレビ番組の視聴はできるがユーザが後で再度テレビ番組を視聴したい場合などにも、入力キー19を用いて録画コマンド110をサーバ20に送信させることによって、ユーザが視聴していたテレビ番組をサーバ20に録画させることができる。
【0071】
また、第1実施形態では、上記のように、CPU21を、放送局情報により特定されるTV局103aと同一の放送ネットワークに属し、かつ、放送エリア内にTV受信回路22(サーバ20)が存在するTV局103cが存在しない場合、または、放送エリア内にTV受信回路22(サーバ20)が存在するTV局103cで放送される番組固有情報に対応するテレビ番組が存在しない場合には、通信回路23を用いて携帯端末10に異常メッセージを送信するように構成することによって、テレビ番組の視聴ができなくなった場合に、ユーザは、異常メッセージにより、サーバ20から視聴していたテレビ番組を受信することができるか否かを把握することができる。これにより、異常メッセージを受けたユーザは、サーバ20からテレビ番組を受信することができないことを把握することができるので、放送電波の受信可能な場所に移動するなどによりテレビ番組の視聴の継続を試みることもできる。
【0072】
(第2実施形態)
次に、図5〜図10を参照して、本発明の第2実施形態による放送視聴システム200について説明する。この第2実施形態では、1つのサーバ20のみを用いた上記第1実施形態と異なり、1つのメインサーバ220と、複数のサーバ230を備えた例について説明する。なお、メインサーバ220およびサーバ230は、それぞれ、本発明の「第1サーバ」および「第2サーバ」の一例である。
【0073】
第2実施形態による放送視聴システム200は、図5に示すように、携帯端末10と、1つのメインサーバ220と、複数のサーバ230とを備えている。なお、図5では、複数のサーバ230として、サーバ230a(サーバ2)およびサーバ230b(サーバX)のみを示し、他のサーバ230は省略している。メインサーバ220は、たとえば、携帯端末10のユーザが自宅に所有するPCなどにより構成されている。サーバ230については、放送視聴システム200を運営する事業者のPCまたは専用のサーバ装置や、携帯端末10のユーザ以外の他のユーザのPCなどにより構成されていてよい。
【0074】
第2実施形態では、メインサーバ220および複数のサーバ230が、異なるTV局103の放送エリアにそれぞれ配置されている。すなわち、メインサーバ220は、TV局103cの放送エリア内に配置され、TV局103cの放送電波を受信することが可能である。サーバ230bは、TV局103aおよびTV局105の放送エリア内に配置され、TV局103aおよびTV局105の放送電波をそれぞれ受信することが可能である。また、サーバ230aは、図示しない他のTV局の放送電波を受信することが可能である。なお、TV局105は、キー局104の放送ネットワークには属さないTV局である。
【0075】
メインサーバ220は、図6に示すように、CPU21と、TV受信回路22およびTVアンテナ22aと、通信回路23と、表示器駆動回路24と、RAM25と、ROM26と、HDD227と、キーボード28および表示装置29とから構成されている。なお、上記第1実施形態のサーバ20の各部と同一の構成を有する部分には、同一の符号を付した。
【0076】
また、図7に示すように、サーバ230は、CPU231と、TV受信回路232およびTVアンテナ232aと、通信回路233と、表示器駆動回路234と、RAM235と、ROM236と、HDD237と、キーボード238および表示装置239とから構成されている。各サーバ230(230a、230b)の構成は、いずれも同一である。また、CPU231は、本発明の「第3制御部」の一例である。また、TV受信回路232および通信回路233は、それぞれ、本発明の「第3受信部」および「第3通信部」の一例である。なお、サーバ230(230a、230b)の各部の機能は、上記第1実施形態のサーバ20の各部と同一であるので、説明を省略する。
【0077】
第2実施形態では、図6に示すように、メインサーバ220のHDD227には、各サーバ230と放送エリア内に各サーバ230が存在する全てのTV局とを対応付けたサーバリスト227aが記憶されている。具体的には、サーバリスト227aは、サーバ230b(サーバX)と、放送エリア内にサーバ230b(サーバX)が存在するTV局103aおよび105とを対応付けた情報を含んでいる。同様に、サーバ230a(サーバ2)と図示しないTV局(放送エリア内にサーバ230aが存在するTV局)とを対応付けた情報を含んでいる。すなわち、サーバリスト227aは、それぞれのサーバ230によって受信可能なTV局の一覧情報を含んでいる。
【0078】
第2実施形態では、メインサーバ220のCPU21は、放送局情報により特定されるTV局と同一の放送ネットワークに属し、かつ、放送エリア内にTV受信回路22(メインサーバ220)が存在するTV局が存在しないか、または、放送エリア内にTV受信回路22(メインサーバ220)が存在するTV局103cで放送される番組固有情報に対応するテレビ番組が存在しない場合に、HDD227に記憶されたサーバリスト227aに基づき、放送局情報により特定されるTV局の放送エリア内に存在するサーバ230を検索するように構成されている。そして、CPU21は、通信回路23を用いて、検索されたサーバ230bに対して録画コマンド110を転送するように構成されている。
【0079】
具体的には、図5に示すように、たとえば放送局情報により特定されるTV局がTV局105であった場合、TV局105と同一の放送ネットワークに属し、かつ、放送エリア内にTV受信回路22(メインサーバ220)が存在するTV局は存在しない。このため、CPU21は、サーバリスト227aに基づいて、放送局情報により特定されるTV局105の放送エリア内に存在するサーバ230b(サーバX)を検索し、検索されたサーバ230bに対して録画コマンド110を転送する。また、たとえば放送局情報により特定されるTV局がTV局103aであった場合でも、番組固有情報に対応する番組がTV局103aでのみ放送される番組(いわゆるローカル番組)であった場合には、同一の放送ネットワークに属するTV局103cが存在しても、番組を受信することができない。このため、CPU21は、サーバリスト227aに基づいて、放送局情報により特定されるTV局103aの放送エリア内に存在するサーバ230b(サーバX)を検索し、検索されたサーバ230bに対して録画コマンド110を転送する。これにより、第2実施形態では、キー局を持たないTV局105の番組や、特定のTV局(たとえば、TV局103a)によってのみ放送される番組などのメインサーバ220では受信できない番組に対しても、録画コマンド110に基づいて携帯端末10に録画データ120を送信することが可能である。なお、録画コマンド110が転送された後は、番組を受信可能なサーバ230(たとえば、サーバ230b)によって番組が録画され、録画データ120が携帯端末10に送信されるように構成されている。
【0080】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0081】
次に、図5および図8〜図10を参照して、第2実施形態による放送視聴システム200を用いたテレビ番組の視聴動作について説明する。
【0082】
携帯端末10側の処理動作は、第1実施形態と同様である。まず、図8に示すように、ステップS21において、テレビ番組の視聴中にCPU11により、受信中の放送電波の電波強度(受信強度)が所定の閾値以下であるか否かが判断される。電波強度が閾値よりも大きい場合には、このステップS21が繰り返される。一方、電波強度が所定の閾値以下である場合には、ステップS22に進む。
【0083】
ステップS22において、CPU11により、電波強度が所定の閾値以下の状態が所定の時間継続したか否かが判断される。所定時間の間に電波強度が閾値を超える場合には、ステップS21に戻る。一方、電波強度が所定の閾値以下の状態が所定の時間継続した場合には、ステップS23に進む。
【0084】
ステップS23では、図5に示すように、CPU11により、受信したテレビ番組を特定する番組固有情報(番組タイトル)と受信したテレビ番組を放送するTV局(たとえば、TV局105)を特定する放送局情報(放送局名)とを有する番組情報を含む録画コマンド110が生成される。そして、生成された録画コマンド110が、CPU11により、メインサーバ220に送信される。この後、携帯端末10側では、メインサーバ220またはサーバ230(230a、230b)からの録画データ120または異常メッセージの送信を待ち受ける。
【0085】
一方、図9に示すように、メインサーバ220は、携帯端末10から録画コマンド110が送信されると、録画コマンド110に基づき、テレビ番組の録画処理および携帯端末10への送信処理を開始する。まず、ステップS31において、CPU21により、取得した録画コマンド110に基づいてTV局およびテレビ番組の検索が行われる。
【0086】
放送局情報によって特定されるTV局がTV局103aである場合には、放送エリア内にメインサーバ220が存在するTV局103cが存在する。ここで、番組固有情報によって特定されるテレビ番組が、TV局103cでも放送される場合には、ステップS32で該当番組ありと判断される。この場合には、上記第1実施形態のステップS13〜S15と同様の処理が行われる。すなわち、ステップS33で該当番組の録画が行われ、ステップS34で該当番組の放送が終了したか否かが判断される。放送終了まで録画されると、ステップS35でメインサーバ220から携帯端末10に録画データ120が送信される。
【0087】
一方、図5に示すように、放送局情報によって特定されるTV局がTV局105である場合、TV局105と同一の放送ネットワークに属し、かつ、放送エリア内にメインサーバ220(TV受信回路22)が存在するTV局が存在しない。このため、ステップS32で該当番組なしと判断され、ステップS36に進む。なお、放送局情報によって特定されるTV局がTV局103aであっても、番組固有情報によって特定されるテレビ番組がTV局103aでのみ放送されるローカル番組(TV局103cでは放送されない番組)であった場合にも、ステップS32で該当番組なしと判断され、ステップS36に進む。
【0088】
ステップS36では、CPU21により、放送局情報により特定されたTV局105の放送電波を受信可能なサーバ230が検索される。まず、HDD227に記憶されたサーバリスト227aがCPU21によって読み出される。そして、サーバリスト227aに基づいて、放送局情報により特定されるTV局105の放送エリア内に存在するサーバ230bが検索される。
【0089】
ステップS37では、CPU21により、放送局情報により特定されるTV局105の放送エリア内に存在するサーバ(サーバ230b)の有無が判断される。サーバリスト227aに基づく検索の結果、該当するサーバが存在しなかった場合には、ステップS39に進み、CPU21により異常メッセージが携帯端末10に対して送信される。一方、該当するサーバ230bが特定された場合には、ステップS38に進み、メインサーバ220からサーバ230b(サーバX)に対して、録画コマンド110が転送(図5参照)される。これにより、メインサーバ220の処理動作は終了する。
【0090】
図10に示すように、メインサーバ220からサーバ230b(サーバX)に録画コマンド110は転送された場合には、番組情報によって特定されるテレビ番組の録画および送信が、サーバ230b(サーバX)によって行われる。
【0091】
まず、ステップS41において、録画コマンド110に含まれる番組情報に基づいて、サーバ230bにより、TV局105で放送される番組の中から番組固有情報に対応するテレビ番組が特定される。なお、実際には、ユーザが携帯端末10を用いてTV局105のテレビ番組を視聴中(正確には、電波強度が閾値以下になり、視聴が中断された状態)の状態で録画コマンド110が送信される。このため、通常は、TV局105で現在放送中のテレビ番組が、番組固有情報に対応するテレビ番組である。
【0092】
ステップS42では、サーバ230bにより、録画コマンド110に含まれる番組情報(放送局情報および番組固有情報)に該当するテレビ番組の有無が判断される。TV局105により放送中のテレビ番組が特定できた場合には、ステップS43に進む。一方、番組固有情報に対応するテレビ番組が存在しない場合には、ステップS46に進む。ステップS43以降の処理は、上記第1実施形態のステップS13〜S15と同様である。すなわち、ステップS43で該当番組の録画が行われ、ステップS44で該当番組の放送が終了したか否かが判断される。放送終了まで録画されると、ステップS45でサーバ230bから携帯端末10に録画データ120が送信される。これにより、サーバ230b(サーバX)の処理は終了する。
【0093】
その後、図8に示すように、メインサーバ220またはサーバ230(230a、230b)から録画データ120または異常メッセージが送信されると、携帯端末10の通信回路13により、送信された録画データ120または異常メッセージが受信される。以降の携帯端末10の処理も、上記第1実施形態のステップS4〜S6と同様である。すなわち、ステップS24において、携帯端末10のCPU11により、録画データ120または異常メッセージを受信したか否かが判断される。録画データ120を受信した場合には、ステップS25に進み、録画データ120の受信を完了した旨が表示器14aに表示される。一方、メインサーバ220またはサーバ230(230a、230b)から異常メッセージを受信した場合には、ステップS26に進み、異常メッセージを受信した旨が表示器14aに表示される。
【0094】
以上により、第2実施形態による放送視聴システム200を用いたテレビ番組の視聴動作が終了する。
【0095】
第2実施形態では、上記のように、メインサーバ220のCPU21を、放送局情報により特定されるTV局と同一の放送ネットワークに属し、かつ、放送エリア内にTV受信回路22(メインサーバ220)が存在するTV局が存在しない(放送局情報により特定されるTV局がTV局105の場合)場合、または、放送エリア内にTV受信回路22(メインサーバ220)が存在するTV局で放送される番組固有情報に対応するテレビ番組が存在しない場合(番組固有情報に対応するテレビ番組がローカル番組の場合)に、サーバリスト227aに基づき、放送局情報により特定されるTV局(たとえば、TV局105)の放送エリア内に存在するサーバ230bを検索し、放送局情報により特定されるTV局(TV局105)の放送エリア内に存在するサーバ230bに対して録画コマンド110を転送するように構成する。これにより、ユーザが視聴していたテレビ番組が、メインサーバ220の設置された放送エリアでは放送されない番組(いわゆる、ローカル番組)であった場合にも、放送局情報により特定されるTV局(携帯端末10が受信していた番組を放送するTV局)の放送エリア内に存在するサーバ230bに対して録画コマンド110を転送することができる。これにより、メインサーバ220の設置されている放送エリアでは放送されない番組の視聴中に、テレビ番組の視聴ができなくなった場合にも、サーバ230からテレビ番組を受信して視聴することができる。
【0096】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0097】
(第3実施形態)
次に、図1および図11を参照して、本発明の第3実施形態による放送視聴システムについて説明する。この第3実施形態では、サーバ20によるテレビ番組の録画が完了してから録画データ120の送信を行った上記第1実施形態と異なり、サーバ20がテレビ番組を一時的に録画しながらデータの送信を並行して行うストリーミング方式により、テレビ番組のデータを送信するように構成した例について説明する。なお、第3実施形態による放送視聴システムの具体的な装置構成は、サーバ20のCPU21の構成(ROM26に記憶されたプログラム)を除いて上記第1実施形態と同様であるので、同一の符号を用いて説明する。
【0098】
第3実施形態では、サーバ20のCPU21は、携帯端末10からの録画コマンド110に基づき、放送局情報により特定されるTV局と同一の放送ネットワークに属し、かつ、放送エリア内にTV受信回路22(サーバ20)が存在するTV局から番組固有情報に対応するテレビ番組をTV受信回路22を用いて受信する。そして、CPU21は、RAM25に番組固有情報に対応するテレビ番組を一時的に録画しながら、並行して、録画済みの番組固有情報に対応するテレビ番組を通信回路23を用いて携帯端末10に送信するように構成されている。なお、この第3実施形態において、RAM25は、本発明の「一時記憶部」の一例である。
【0099】
また、第3実施形態では、携帯端末10のCPU11は、サーバ20に対して録画コマンド110を送信した後、番組固有情報に対応するテレビ番組を含むテレビ放送電波の受信強度が所定の閾値を超えた場合には、通信回路13を用いてサーバ20に対して録画停止命令を含む録画停止コマンドを送信するように構成されている。そして、サーバ20のCPU21は、録画停止コマンドに基づき、録画中の番組固有情報に対応するテレビ番組の録画を停止するように構成されている。
【0100】
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0101】
次に、図11を参照して、第3実施形態による放送視聴システムを用いたテレビ番組の視聴動作について説明する。なお、以下では、携帯端末10がTV局103aからの放送電波を受信して、ユーザがテレビ番組を視聴している状態を前提として説明する。したがって、受信したテレビ番組を特定する番組固有情報と、受信したテレビ番組を放送するTV局103aを特定する放送局情報とを有する番組情報は、携帯端末10のCPU11により取得されている。
【0102】
まず、図11に示すように、ステップS51において、テレビ番組の視聴中にCPU11により、受信中の放送電波の電波強度(受信強度)が所定の閾値以下であるか否かが判断される。電波強度が閾値よりも大きい場合には、CPU11により、このステップS51の判断が繰り返される。一方、電波強度が所定の閾値以下である場合には、ステップS52に進む。
【0103】
ステップS52において、CPU11により、電波強度が所定の閾値以下の状態が所定の時間継続したか否かが判断される。所定時間の間に電波強度が閾値を超える場合には、ステップS51に戻る。一方、電波強度が所定の閾値以下の状態が所定の時間継続した場合には、ステップS53に進む。
【0104】
ステップS53では、図1に示すように、CPU11により、録画コマンド110が生成される。そして、生成された録画コマンド110が、CPU11により、通信回路13を用いてサーバ20に送信される。この後、携帯端末10側では、サーバ20からのストリーミングデータまたは異常メッセージの送信を待ち受ける。
【0105】
サーバ20は、携帯端末10から録画コマンド110が送信されると、録画コマンド110に基づき、テレビ番組の録画処理および携帯端末10への送信処理を開始する。まず、ステップS71において、CPU21により、取得した録画コマンド110に基づいてTV局103cおよびテレビ番組の検索が行われる。
【0106】
ステップS72では、CPU21により、放送局(TV局103c)およびテレビ番組の検索の結果、録画コマンド110に含まれる番組情報(放送局情報および番組固有情報)に該当するテレビ番組の有無が判断される。TV局103cにより放送される番組の中から該当する番組が特定できた場合には、ステップS73に進む。一方、携帯端末10が受信していたTV局103aと同一の放送ネットワーク(キー局104の放送ネットワーク)に属するTV局が存在しない場合、または、TV局103cで放送される番組の中に、番組固有情報に対応するテレビ番組が存在しない場合には、ステップS77に進む。そして、ステップS77で異常メッセージがサーバ20から携帯端末10に送信される。
【0107】
ステップS73では、TV局103cにより放送される放送電波がTV受信回路22により受信され、テレビ番組(番組固有情報に対応するテレビ番組)がCPU21に出力される。そして、CPU21によって、テレビ番組がRAM25に一時的に録画されるとともにストリーミングデータが作成され、通信回路23を用いて作成されたストリーミングデータが携帯端末10に送信される。なお、送信済みのストリーミングデータは、RAM25から消去される。
【0108】
一方、携帯端末10は、ステップS54において、携帯端末10のCPU11により、通信回路13により異常メッセージを受信していないかどうか判断される。異常メッセージを受信した場合には、ステップS60で表示器14aに異常メッセージが表示される。異常メッセージを受信していなければ、サーバ20からストリーミングデータが携帯端末10に対して送信される。この場合には、ステップS55に進み、CPU11により、サーバ20からのストリーミングデータの受信と、ユーザによる番組の視聴とが同時に行われる。すなわち、通信回路13を用いてストリーミングデータが受信されるとともに、表示器駆動回路14および音声処理回路18が制御されることにより、表示器14aへの映像出力とスピーカ18aへの音声出力が継続される。これにより、携帯端末10のユーザは、視聴中のテレビ番組を視聴できなくなってから、ストリーミングを行うことによりリアルタイムでテレビ番組を視聴することができるようになる。
【0109】
その後、ステップS56において、携帯端末10のCPU11により、再度、放送電波の電波強度(受信強度)が所定の閾値以下であるか否かが判断される。ストリーミングによる視聴中も電波強度が所定の閾値以下のままである場合には、ステップS57に進み、そのままストリーミングが継続される。一方、録画コマンド110を送信してストリーミングを開始してから、電波強度が閾値よりも大きい状態(放送を受信可能な状態)に戻った場合には、ステップS58に進む。
【0110】
ステップS58では、CPU11により、録画停止命令を含む録画停止コマンドが作成され、通信回路13を用いてサーバ20に録画停止コマンドが送信される。そして、CPU11により、通信回路13を用いたストリーミングによるテレビ番組の視聴から、TV受信回路12を用いた放送電波の受信によるテレビ番組の視聴に変更される。これにより、ストリーミング中に電波強度が閾値よりも大きい状態に戻った場合には、通常の放送電波の受信によるテレビ番組の視聴を再開することが可能である。
【0111】
一方、サーバ20側では、ステップS74において、CPU21により、録画停止コマンドの有無が判断される。録画停止コマンドが携帯端末10から送信されない場合には、ステップS75に進み、ストリーミング中の番組の放送が終了したか否かが判断される。放送が終了していない場合には、ステップS73に戻り、ストリーミングデータの送信が継続される。その後、番組が終了するか、録画停止コマンドが送信されるまで、ストリーミングデータの送信を継続する。また、ステップS75において、番組が終了した場合には、ストリーミングデータの送信を完了して、終了する。
【0112】
また、ステップS74で録画停止コマンドありと判断された場合には、ステップS76に進む。そして、ステップS76において、録画停止コマンドに基づき、CPU21により、受信したテレビ番組のRAM25への一時的な録画と、携帯端末10へのストリーミングデータの送信とが停止される。これにより、サーバ20によるストリーミングデータの送信処理が終了する。なお、この場合には、上記の通り、携帯端末10のTV受信回路12によりテレビ放送電波が受信されることにより、ユーザによる番組の視聴が継続される。
【0113】
以上により、第3実施形態による放送視聴システムを用いたテレビ番組の視聴動作が終了する。
【0114】
第3実施形態では、上記のように、サーバ20のCPU21を、携帯端末10からの録画コマンド110に基づき、放送局情報により特定されるTV局103aと同一の放送ネットワークに属し、かつ、放送エリア内にTV受信回路22(サーバ20)が存在するTV局103cから番組固有情報に対応するテレビ番組をTV受信回路22を用いて受信して、RAM25に番組固有情報に対応するテレビ番組を一時的に録画しながら、並行して、ストリーミングデータを通信回路23を用いて携帯端末10に送信するように構成することによって、サーバ20が録画コマンド110を受信すれば、ユーザが視聴していた番組を一時的に録画しながら、並行して、携帯端末10に送信するストリーミング再生を行うことができる。これにより、ユーザは、テレビ番組を視聴できなくなった場合に、番組の放送終了まで待つことなくストリーミング再生によってそのまま番組の視聴を継続することができる。
【0115】
第3実施形態では、上記のように、CPU11を、サーバ20に対して録画コマンド110を送信した後、テレビ放送電波の受信強度が所定の閾値を超えた場合には、通信回路13を用いてサーバ20に対して録画停止命令を含む録画停止コマンドを送信するように構成する。また、CPU21を、録画停止コマンドに基づき、ストリーミング中の番組固有情報に対応するテレビ番組の一時的な録画および送信を停止するように構成する。これにより、テレビ番組の視聴ができなくなってから、視聴可能な状態に復帰した場合に、ストリーミング中のサーバ20に録画停止コマンドを送信することによって、テレビ番組の視聴できなかった部分のみをストリーミングさせることができる。
【0116】
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0117】
(第4実施形態)
次に、図1および図12を参照して、本発明の第4実施形態による放送視聴システムについて説明する。この第4実施形態では、上記第1実施形態に加えて、携帯端末10により視聴していたテレビ番組の放送時刻よりも、サーバ20により録画する番組固有情報に対応するテレビ番組の放送時刻が遅い場合に、サーバ20が録画を予約するように構成した例について説明する。なお、第4実施形態による放送視聴システムの具体的な装置構成は、サーバ20のCPU21の構成(ROM26に記憶されたプログラム)を除いて上記第1実施形態と同様であるので、同一の符号を用いて説明する。
【0118】
第4実施形態では、サーバ20のCPU21は、放送局情報により特定されるTV局103aと同一の放送ネットワークに属し、かつ、放送エリア内にTV受信回路22(サーバ20)が存在するTV局103cによる番組固有情報に対応するテレビ番組の放送時刻が、放送局情報により特定されるTV局103aによって放送されるテレビ番組の放送時刻よりも遅い場合に、TV局103cにより放送される番組固有情報に対応するテレビ番組の録画を予約するように構成されている。ここで、図1に示すように、放送ネットワークを構成するキー局104および系列の全てのTV局103a〜103cに共通で放送されるテレビ番組(いわゆる全国放送の番組)であっても、実際には各TV局毎に放送時刻が異なる場合がある。このような番組の場合には、携帯端末10によって視聴中のテレビ番組(TV局103aにより放送される番組)がサーバ20によりTV局103cから受信される場合には、より遅れた時刻で放送される場合がありうる。この場合にも、サーバ20が録画予約を行うことにより、携帯端末10に録画データ120を送信することが可能となる。
【0119】
また、CPU21は、設定した録画予約時間になると、ユーザの携帯端末10に対して録画開始メッセージを送信することにより、ユーザが視聴していた番組の録画を開始する旨を通知するように構成されている。
【0120】
なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0121】
次に、図12を参照して、第4実施形態による放送視聴システムを用いたテレビ番組の視聴動作について説明する。なお、以下では、携帯端末10がTV局103aからの放送電波を受信して、ユーザがテレビ番組を視聴している状態を前提として説明する。したがって、受信したテレビ番組を特定する番組固有情報と、受信したテレビ番組を放送するTV局103aを特定する放送局情報とを有する番組情報は、携帯端末10のCPU11により取得されている。
【0122】
第4実施形態では、携帯端末10側の処理については上記第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0123】
サーバ20は、携帯端末10から録画コマンド110が送信されると、録画コマンド110に基づき、テレビ番組の録画処理および携帯端末10への送信処理を開始する。まず、ステップS81において、CPU21により、取得した録画コマンド110に基づいてTV局103cおよびテレビ番組の検索が行われる。
【0124】
ステップS82では、CPU21により、放送局(TV局103c)およびテレビ番組の検索の結果、録画コマンド110に含まれる番組情報(放送局情報および番組固有情報)に該当するテレビ番組の有無が判断される。TV局103cにより放送される番組の中から該当する番組が特定できた場合には、ステップS83に進む。一方、携帯端末10が受信していたTV局103aと同一の放送ネットワーク(キー局104の放送ネットワーク)に属するTV局が存在しない場合、または、TV局103cで放送される番組の中に、番組固有情報に対応するテレビ番組が存在しない場合には、ステップS90に進む。そして、ステップS90で異常メッセージが携帯端末10に送信される。
【0125】
ステップS83では、番組固有情報に対応するテレビ番組について、TV局103cで放送される放送時刻が、TV局103aにより現在放送中の番組固有情報により特定されるテレビ番組の放送時刻よりも遅いか否かがCPU21により判断される。TV局103cで放送される放送時刻と、TV局103aによる放送時刻とが一致する場合には、ステップS87に進む。一方、TV局103cで放送される放送時刻が、TV局103aによる放送時刻よりも遅い場合には、ステップS84に進む。
【0126】
ステップS84では、CPU21により、番組固有情報に対応するテレビ番組について録画予約が設定される。すなわち、CPU21により、録画を開始する時刻がRAM25に記憶される。その後、ステップS85において、CPU21により、設定した録画予約時間が到来したか否かが判断される。CPU21により、予約時間が来るまでこのステップS85の判断が繰り返される。予約時間になると、ステップS86に進む。
【0127】
ステップS86では、CPU21により、録画コマンド110に基づき、テレビ番組の録画を開始する旨のメッセージが携帯端末10に対して送信される。
【0128】
ステップS87では、TV局103cにより放送される放送電波がTV受信回路22により受信され、テレビ番組(番組固有情報に対応するテレビ番組)のデータがHDD27に記憶されることにより、テレビ番組の録画が開始される。そして、ステップS88において、CPU21により、録画中のテレビ番組の放送が終了したか否かが判断される。放送が終了していなければ、ステップS87に戻り、録画が継続される。放送が終了した場合には、ステップS89に進む。
【0129】
ステップS89では、CPU21によって、HDD27に録画されたテレビ番組の録画データ120が通信回路23を用いて携帯端末10に送信される。これにより、録画コマンド110に基づく視聴中のテレビ番組の録画(予約録画)および送信処理が完了する。
【0130】
以上により、第4実施形態による放送視聴システムを用いたテレビ番組の視聴動作が終了する。
【0131】
第4実施形態では、上記のように、サーバ20のCPU21を、放送局情報により特定されるTV局103aと同一の放送ネットワークに属し、かつ、放送エリア内にTV受信部22(サーバ20)が存在するTV局103cによる番組固有情報に対応するテレビ番組の放送時刻が、放送局情報により特定されるTV局103aによって放送される(携帯端末10により視聴していた)テレビ番組の放送時刻よりも遅い場合に、放送局情報により特定されるTV局103aと同一の放送ネットワークに属し、かつ、放送エリア内にTV受信部22(サーバ20)が存在するTV局103cによる番組固有情報に対応するテレビ番組の録画を予約するように構成する。これにより、サーバ20の存在する放送エリアでの番組の放送時刻が遅い場合にはHDD27への録画を予約することによって、ユーザは、テレビ番組の視聴ができなくなった場合にも、見逃したテレビ番組を後から見直すことができる。
【0132】
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0133】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0134】
たとえば、上記第1〜第4実施形態では、サーバ20、メインサーバ220およびサーバ230(230a、230b)を、PCにより構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、第1サーバおよび第2サーバを、PC以外のHDDレコーダなどの録画装置や、録画機能を有するテレビ装置などにより構成してもよい。また、汎用のPC以外の、専用のサーバ装置により構成してもよい。第1サーバおよび第2サーバとしては、TV放送電波の受信部と、インターネットとの通信部と、放送局および番組を検索する制御部とを有していればよい。
【0135】
また、上記第1〜第4実施形態では、携帯端末10を、携帯電話端末により構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、携帯通信端末を、携帯電話端末以外のPDA(携帯情報端末)や、携帯型TV受信機などにより構成してもよい。携帯通信端末は、TV放送電波の受信部およびインターネットとの通信部と、放送局情報、放送局情報を有する番組情報を含む録画コマンド110を作成可能な制御部とを有していればよい。
【0136】
また、上記第1〜第4実施形態では、携帯端末10が、番組固有情報と放送局情報とを有する番組情報を含む録画コマンド110をサーバ20に対して送信するように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、録画コマンドには、番組固有情報と放送局情報とを有する番組情報以外の情報を含めるように構成してもよい。たとえば、録画コマンドにテレビ番組の送信命令を含めるように構成してもよい。そして、録画コマンドに送信命令が含まれる場合には、サーバから携帯端末に録画データが送信されるように構成するとともに、録画コマンドに送信命令が含まれない場合には、携帯端末に録画データを送信することなくサーバがテレビ番組の録画のみを行うようにしてもよい。この場合には、ユーザは、録画終了後にすぐにテレビ番組を視聴したい場合には録画コマンドに送信命令を含め、後で視聴する場合には、送信命令を含めずに録画コマンドを送信することができる。
【0137】
また、上記第1および第2実施形態では、サーバ20のTV受信回路22およびメインサーバ220のTV受信回路22を、サーバ20(メインサーバ220)に内蔵のTV受信回路として説明したが、本発明はこれに限らず、サーバのTV受信回路は、サーバに内蔵されている必要はない。TV受信回路には、たとえばPCに接続可能な外部チューナー装置などを用いてもよい。
【0138】
また、上記第1および第2実施形態では、本発明の録画部をサーバ20のHDD27およびメインサーバ220のHDD227により構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、第1サーバの録画部は、HDD以外にも、フラッシュメモリにより構成してもよい。また、録画部を、HDDおよびフラッシュメモリ以外の他の不揮発性メモリにより構成してもよい。第2サーバも同様である。
【0139】
また、上記第3実施形態では、本発明の一時記憶部をサーバ20のRAM25により構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、サーバ20の一時記憶部を、RAM25ではなく、HDD27により構成してもよい。また、一時記憶部を、RAMおよびHDD以外のフラッシュメモリにより構成してもよい。また、一時記憶部は揮発性メモリおよび不揮発性メモリのいずれにより構成してもよい。
【0140】
また、上記第2実施形態では、本発明の第2サーバを複数のサーバ230(230a、230b)によって構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、第2サーバは、1つでもよい。ただし、第2サーバが多いほうが、より多くの放送エリアで放送電波を受信することができるので、より多くのローカル放送や放送ネットワークに属しないTV局の放送を受信して携帯通信端末に送信することができる。
【0141】
また、上記第1実施形態では、サーバ20のROM26に放送ネットワーク情報26aを記憶させた例を示し、上記第2実施形態では、メインサーバ220のHDD227にサーバリスト227aを記憶させた例を示したが、本発明はこれに限らず、放送ネットワーク情報26aは、ROMに記憶されていなくてもよい。同様に、サーバリストも、HDDに記憶されている必要はない。放送ネットワーク情報26aおよびサーバリスト227aは、いずれも、インターネットを介して外部の管理サーバから取得できるようにしてもよいし、HDDやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリに記憶されていてもよい。
【0142】
また、上記第1実施形態では、0〜9までのテンキー、メニューキーやその他の機能キーなどを含む入力キー19により、CPU11がユーザからの録画コマンド110の送信指示を受け付けることが可能なように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、入力キー19により、録画コマンド110以外の録画停止コマンドもユーザが入力することができるように構成してもよい。また、入力キーは、ユーザが録画コマンド110の送信指示をサーバ20に対して行うための専用のキーまたはボタンであってもよい。
【0143】
また、上記第1〜第4実施形態では、受信中の放送電波の電波強度が所定の閾値以下の状態が所定の時間継続した場合に、CPU11により録画コマンド110を送信するように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、受信中の放送電波の電波強度が所定の閾値以下の状態が所定の時間継続したか否かを判断することなく、電波強度が所定の閾値を下回ったらすぐに録画コマンド110を送信してもよい。この場合、サーバ側では、録画停止コマンドを受信しない限り、同じテレビ番組について2回以上録画コマンド110を受け付けないようにすればよい。
【0144】
また、上記第3実施形態では、サーバ20からストリーミングデータが携帯端末10に送信されると、送信されたストリーミングデータがRAM25から消去されるように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、ストリーミングデータを携帯端末に送信した後、たとえばHDD27に保存するように構成してもよい。また、一時記憶部を不揮発性メモリにより構成する場合には、そのままストリーミングデータを消去しないで記憶させておいてもよい。そして、記憶されたストリーミングデータは、ユーザによって手動で消去されるように構成してもよい。
【0145】
また、上記第3実施形態では、サーバ20がテレビ番組を一時的に録画しながらデータの送信を並行して行うストリーミング方式によりテレビ番組のデータを送信するように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、携帯端末に対してストリーミング方式で送信するか、録画終了後に送信するかを携帯端末側またはサーバ側で切り替え可能に構成してもよい。たとえば、テレビ番組のデータをストリーミング方式で送信するか、または、録画終了後に送信するかを指定する情報を録画コマンドに含めるように構成してもよい。
【0146】
また、上記第4実施形態では、テレビ番組の録画予約が入力された場合に、予約時間になると録画を開始するように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、たとえば、携帯端末10から送信される録画コマンド110に、放送が開始されてから放送電波を受信できなくなるまでの経過時間の情報を含めるとともに、この経過時間情報に基づいて、携帯端末10により放送電波を受信できなくなったタイミングから録画がスタートするように構成してもよい。すなわち、放送局(TV局103c)およびテレビ番組の検索の結果得られた番組の開始時刻に、放送が開始されてから携帯端末10により放送電波を受信できなくなるまでの経過時間を加えた時間から、録画を行うように予約するように構成してもよい。この場合には、ユーザがすでに見た部分を録画しないで済むため、録画データ120のデータ量が増大するのを抑制することができるとともに、ユーザは、自分が番組のどの部分まで見ていたのかを探さなくてすむので、利便性が向上する。
【0147】
また、上記第4実施形態では、録画予約時間になると、CPU21により、テレビ番組の録画を開始する旨のメッセージが携帯端末10に対して送信されるように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、たとえば、録画予約が終了した時点で、テレビ番組の録画が終了した旨のメッセージを送信するように構成してもよい。なお、番組を録画した後、録画データ120を送信する場合には、録画予約が終了した時点でメッセージを送信すれば、メッセージを受け取ったユーザがすぐ番組の録画データ120を受信できるので好ましい。一方、ストリーミングデータを送信する場合には、送信時(録画を開始するとき)にメッセージを送る必要がある。また、録画予約を行った時点で、録画予約を行った旨のメッセージを送信するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0148】
10 携帯端末(携帯通信端末)
11 CPU(第1制御部、制御部)
12 TV受信回路(第1受信部、受信部)
13 通信回路(第1通信部、通信部)
19 入力キー
20 サーバ(第1サーバ)
21 CPU(第2制御部)
22 TV受信回路(第2受信部)
23 通信回路(第2通信部)
25 RAM(一時記憶部)
27 HDD(録画部)
100、200 放送視聴システム(携帯通信端末の放送視聴システム)
103、103a、103b、103c、105 TV局(放送局)
104 キー局(放送局)
110 録画コマンド
220 メインサーバ(第1サーバ)
230、230a、230b サーバ(第2サーバ)
231 CPU(第3制御部)
232 TV受信回路(第3受信部)
233 通信回路(第3通信部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ放送電波を受信する第1受信部と、インターネットに接続可能な第1通信部と、前記第1受信部により受信した前記テレビ放送電波に含まれるテレビ番組を特定する放送局情報を有する番組情報を含む録画コマンドを、前記第1受信部により受信する前記テレビ放送電波の受信強度が低下した場合に生成して、前記録画コマンドを前記第1通信部を用いて前記インターネットを介して送信する第1制御部とを含む携帯通信端末と、
前記テレビ放送電波を受信する第2受信部と、前記インターネットに接続可能な第2通信部と、前記録画コマンドに含まれる前記放送局情報を有する番組情報に基づいて、前記放送局情報により特定される放送局と同一の放送ネットワークに属し、かつ、放送エリア内に前記第2受信部が存在する所定の放送局を検索するとともに、前記所定の放送局で放送される前記番組情報に対応するテレビ番組を検索する第2制御部とを含む第1サーバとを備える、携帯通信端末の放送視聴システム。
【請求項2】
前記第1サーバは、前記テレビ放送電波に含まれるテレビ番組を録画する録画部をさらに含み、
前記第1サーバの第2制御部は、検索した前記所定の放送局から、前記番組情報に対応するテレビ番組を前記第2受信部を用いて受信するとともに、前記番組情報に対応するテレビ番組を前記録画部に録画するように構成されている、請求項1に記載の携帯通信端末の放送視聴システム。
【請求項3】
前記第1サーバは、前記テレビ放送電波に含まれるテレビ番組を少なくとも一時的に録画可能な一時記憶部をさらに含み、
前記前記第1サーバの第2制御部は、検索した前記所定の放送局から、前記番組情報に対応するテレビ番組を前記第2受信部を用いて受信するとともに、前記番組情報に対応するテレビ番組を前記一時記憶部に一時的に録画しながら、並行して、録画済みの前記番組情報に対応するテレビ番組を前記第2通信部を用いて前記携帯通信端末に送信するように構成されている、請求項1または2に記載の携帯通信端末の放送視聴システム。
【請求項4】
前記携帯通信端末の前記第1受信部は、受信中の前記テレビ放送電波の受信強度を検出可能に構成され、
前記携帯通信端末の第1制御部は、前記テレビ番組の受信中に前記テレビ放送電波の受信強度が所定の閾値以下にまで低下した場合に、前記放送局情報を有する前記番組情報を含む前記録画コマンドを、前記第1通信部を用いて前記第1サーバに対して送信するように構成されている、請求項2または3に記載の携帯通信端末の放送視聴システム。
【請求項5】
前記携帯通信端末の第1制御部は、前記第1サーバに対して前記録画コマンドを送信した後、前記番組情報に対応するテレビ番組を含む前記テレビ放送電波の受信強度が前記所定の閾値を超えた場合には、録画停止命令を含む録画停止コマンドを前記第1通信部を用いて前記第1サーバに送信し、
前記第1サーバの第2制御部は、前記録画停止コマンドに基づき、録画中の前記番組情報に対応するテレビ番組の録画を停止するように構成されている、請求項4に記載の携帯通信端末の放送視聴システム。
【請求項6】
前記携帯通信端末は、ユーザからの前記録画コマンドの送信指示を受け付ける入力キーをさらに含み、
前記携帯通信端末の第1制御部は、前記入力キーを介して前記録画コマンドの送信指示を受け付けると、前記携帯通信端末によるテレビ番組の受信強度に関わらず、前記第1通信部を用いて前記放送局情報を有する前記番組情報を含む前記録画コマンドを前記第1サーバに送信するように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の携帯通信端末の放送視聴システム。
【請求項7】
前記第1サーバの第2制御部は、放送局およびテレビ番組を検索した結果、前記放送局情報により特定される放送局と同一の放送ネットワークに属し、かつ、放送エリア内に前記第2受信部が存在する放送局が存在しない場合、または、前記放送エリア内に前記第2受信部が存在する放送局で放送される前記番組情報に対応するテレビ番組が存在しない場合には、前記番組情報に対応するテレビ番組の送信を行うことができない旨の通知を前記第2通信部を用いて前記携帯通信端末に送信するように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の携帯通信端末の放送視聴システム。
【請求項8】
前記第1サーバは、前記テレビ放送電波に含まれるテレビ番組を録画する録画部をさらに含み、
前記第1サーバの第2制御部は、前記放送局情報により特定される放送局と同一の放送ネットワークに属し、かつ、放送エリア内に前記第2受信部が存在する放送局による前記番組情報に対応するテレビ番組の放送時刻が、前記放送局情報により特定される放送局によって放送される前記番組情報により特定されるテレビ番組の放送時刻よりも遅い場合に、放送時刻が遅い前記テレビ番組の前記録画部による録画を予約するように構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の携帯通信端末の放送視聴システム。
【請求項9】
前記テレビ放送電波を受信する第3受信部と、前記インターネットに接続可能な第3通信部と、前記録画コマンドに含まれる前記放送局情報を有する番組情報に基づいて、前記放送局情報により特定される放送局と同一の放送ネットワークに属し、かつ、放送エリア内に前記第3受信部が存在する所定の放送局を検索するとともに、前記所定の放送局で放送される前記番組情報に対応するテレビ番組を検索する第3制御部とを含む第2サーバをさらに備え、
前記第1サーバの第2制御部は、前記放送局情報により特定される放送局と同一の放送ネットワークに属し、かつ、放送エリア内に前記第2受信部が存在する放送局が存在しない場合、または、前記放送エリア内に前記第2受信部が存在する放送局で放送される前記番組情報に対応するテレビ番組が存在しない場合に、前記第2サーバと前記放送エリア内に前記第2サーバが存在する放送局とを対応付けたリストに基づき、前記放送局情報により特定される放送局の放送エリア内に存在する前記第2サーバを検索し、前記第2通信部を用いて、検索された前記放送局情報により特定される放送局の放送エリア内に存在する前記第2サーバに対して前記録画コマンドを送信するように構成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の携帯通信端末の放送視聴システム。
【請求項10】
テレビ放送電波を受信する受信部と、
インターネットに接続可能な通信部と、
前記受信部により受信した前記テレビ放送電波に含まれるテレビ番組を特定する放送局情報を有する番組情報を含む録画コマンドを、前記受信部により受信する前記テレビ放送電波の受信強度が低下した場合に生成して、前記録画コマンドを前記通信部を用いて前記インターネットを介してサーバに送信する制御部とを備える、携帯通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−9821(P2011−9821A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−148412(P2009−148412)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】