説明

携帯電子機器

【課題】電池パックが抜かれた場合でも防犯機能を作動させることができる携帯電子機器を提供すること。
【解決手段】筐体から着脱可能な状態で保持された第1電池と、筐体に固定された第2電池と、第1電池及び第2電池から制御部に供給する電力を制御する電源制御部と、第1電池から供給される電圧と、第2電池から供給される電圧とを検出する電圧検出部と、非常事態であることを通知する防犯モードを起動させる防犯部と、第1電池または第2電池により充電され、電源制御部の制御状態によらず、制御部に電力を供給可能な状態で接続されたキャパシタと、を有し、電源制御部は、第1電池から供給される電圧が第1設定値以上の場合は、前記第1電池から供給される電力を制御部に供給することで、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信機能を有する携帯電子機器に関するものであり、より詳しくは、通信機能及び防犯機能を有する携帯電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に携帯電話機等の携帯電子機器は、電池が消耗し出力電圧が低下したら、電源をOFFする処理を行い、携帯機器としての機能を停止させる。そのため、ユーザの使用時に携帯電子機器の機能が突然停止することを防止するために、多くの携帯機器には、電池の出力電圧を検出し、出力電圧が低下したら、電池の残量が少ないことを表示や音声等でユーザに知らせる機能が設けられている。
【0003】
また、携帯電子機器の機能を維持するため、また、記憶されている情報を保存するために、主として使用する電池の他にバックアップ用の電源を設ける方法も提案されている。例えば、固定電話に関する記載であるが、特許文献1には、商用電源の失効中にRAM内のデータを保存するためのバックアップ用電源を設けることが記載されている。また、特許文献1には、データの一部が破損していた場合は、全てのデータを消去することが記載されている。また、特許文献2には、主電池と補助電池を設け、主電池の電圧が低下した場合には、補助電池に切り換える携帯用通信機器が記載されている。また、特許文献3には、2つの電池を設け、各電池をそれぞれ独立して使用でき、独立して交換できる構成とした携帯電話機が記載されている。
【0004】
また、特許文献4には、バッテリ(電池)を交換した場合でも通話動作を維持できるように、電源電圧の供給断時間が予め設定された所定時間以内である場合は、直前の状態に復帰させる携帯型電子機器が記載されている。
【0005】
ここで、近年、携帯電話機等の携帯電子機器、特に子供向けの携帯電話機には、誘拐等の犯罪に巻き込まれることを防ぐ目的で各種の防犯機能(セキュリティ機能)が搭載されている。ここで、防犯機能としては、GPS(Global Positioning System)信号による位置追跡機能や、防犯ブザー機能や、発光機能等がある。このような防犯機能を有する携帯電話では、電池を取り外されてしまうと、機能停止してしまい防犯機能を十分に果たすことができない。これに対して、特許文献5には、電池収納部に被せるカバーの取付穴をカバーキャップによって覆った状態で固定し、カバーが簡単に取り外されないようにした構成の携帯電話機が記載されている。
【0006】
また、特許文献6には、防犯機能を有する携帯電話機として、防犯ブザーの鳴動中或いはブザー鳴動停止後に電源キーの操作により電源がオフされた場合は、一定時間ごとに位置情報を取得し、取得した位置情報を特定の宛て先に送信する擬似電源オフ状態とする携帯電話機が記載されている。
【0007】
【特許文献1】特公平04−66419号公報
【特許文献2】特開平05−38057号公報
【特許文献3】特開平07−283775号公報
【特許文献4】特開平06−43979号公報
【特許文献5】特開2008−28715号公報
【特許文献6】特開2008−61153号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、特許文献5に示す携帯電子機器のように、電池が電池収納部から容易に外れない構成とすることで、犯人により電池が取り外されることを防止できる。しかしながら、電池が消耗したら予備の電池と交換することで、携帯電子機器をより長時間可能にすることが困難になる。
【0009】
また、特許文献1〜4に記載の携帯通信装置は、電池の交換を対象としており、最低限の機能のみのバックアップや、短時間のデータの保存をしているに過ぎない。そのため、主電池を取り外されると、防犯機能や通信機能を長時間維持することはできない。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電池パックが抜かれた場合でも防犯機能を作動させることができる携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、無線により基地局と通信する通信部と、前記通信部を制御する制御部と、筐体と、前記筐体から着脱可能な状態で保持され前記制御部に電力を供給する第1電池と、前記筐体に固定され、前記制御部に電力を供給する第2電池と、前記第1電池及び前記第2電池から前記制御部に供給する電力を制御する電源制御部と、前記第1電池から供給される電圧と、前記第2電池から供給される電圧とを検出する電圧検出部と、非常事態であることを通知する防犯モードを起動させる防犯部と、前記第1電池または前記第2電池により充電され、前記電源制御部の制御状態によらず、前記制御部に電力を供給可能な状態で接続されたキャパシタと、を有し、前記電源制御部は、前記第1電池から供給される電圧が第1設定値以上の場合は、前記第1電池から供給される電力を前記制御部に供給することを特徴とする。
【0012】
ここで前記防犯部は、前記筐体に前記第1電池が装着されているかを検出し、装着されていないことを検出したら防犯モードを起動させることが好ましい。
【0013】
また、前記防犯部は、前記第1電池から供給される電圧が前記第1設定値より低くなり、かつ、前記第1電池から供給される電圧が前記第1設定値よりも低い電圧値である第2設定値以下となった場合は、防犯モードを起動させることも好ましい。
【0014】
また、前記電源制御部は、設定により、前記第1電池から供給される電圧が前記第1設定値より低くなった場合に、前記制御部に電力を供給する電池を前記第1電池から前記第2電池に切り換えることと、前記第2電池には切り換えないこととのいずれかを選択できることも好ましい。
【0015】
また、前記電源制御部は、前記防犯部及び前記制御部が起動していない状態でも、前記筐体に前記第1電池が装着されているかを検出する検出部を有し、前記検出部により、前記第1電池が前記筐体から取り外されたことを検出されたら、前記第2電池から前記制御部への電力の供給を開始させることが好ましい。
【0016】
また、さらに、GPS衛星からの信号を受信するGPS信号を受信するGPS受信部と、前記防犯部は、前記GPS受信部が受信したGPS信号から検出した位置情報を前記通信部から予め設定された端末に送信する防犯モードを備えることが好ましい。
【0017】
また、前記防犯部は、ブザーを鳴動させる防犯モードを有することが好ましい。
【0018】
また、前記防犯部は、複数の防犯モードを有し、複数の防犯モードの中から予め選択された防犯モードを起動させることが好ましい。
【0019】
また、前記防犯部は、複数の防犯モードから第1の防犯モードと第2の防犯モードが予め設定されており、前記第1電池から供給される電圧が前記第1設定値以下になり、かつ、前記第1電池から供給される電圧が前記第1設定値よりも低い電圧値である第2設定値以下となった場合は、第1の防犯モードを起動させ、さらに、前記第1の防犯モードの起動中に、予め設定された操作信号の入力を検出した場合は、第2の防犯モードを起動させることが好ましい。
【0020】
また、前記防犯部は、何も起動させない防犯モードを含む複数の防犯モードから少なくとも1つの防犯モードを設定することができることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明にかかる携帯電子機器は、着脱可能な第1電池がはずされた場合も防犯手段を作動させることができるという効果を奏する。さらに、第1電池がはずされたことを起因として防犯モードを作動させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、本発明にかかる携帯電子機器の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。例えば、以下に示す実施形態では、携帯電子機器が、いわゆる携帯電話機の場合として説明するが、本発明はこれに限定されない。本発明の携帯電子機器は、ネットワークまたは外部の端末とデータの送受信を行う機能を有する種々の携帯電子機器、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、携帯ゲーム機や携帯テレビ等にも用いることができる。
【0023】
図1は、本発明にかかる携帯電子機器の一実施形態の概略構成を示すブロック図であり、図2は、図1に示す携帯電子機器の外観、電池パック及び内臓電池の概略構成を示す斜視図である。図1に示すように携帯電子機器10は、基本的に、筐体12と、電池パック14と、カバー16と、内臓電池18と、電源制御部20と、CPU(Central Processing Unit)22と、メモリ24と、通信部26と、操作部28と、音声処理部30と、表示部32と、GPS(Global Positioning System)受信部34とを有する。なお、携帯電子機器10は、上記構成の他にも画像表示部や、各種端子等、携帯電子機器として有する各種構成を有している。
【0024】
筐体12は、携帯電子機器10の各部を内部に収納する外装である。ここで、筐体12としては、ヒンジで連結された2つの部材で構成され、折りたたみ可能な筐体や、2つの部材をスライドさせる筐体や、1つの箱型の筐体等が例示される。
【0025】
電池パック14は、二次電池であり、蓄電された電力を電源制御部20に供給し、CPU22や、各部を作動させる。電池パック14は、図2に示すように、筐体12に対して着脱可能な状態で保持されている。また、電池パック14は、端子14aを有し、筐体12に設けられた端子12aと接続される。
【0026】
カバー16は、電池パック14の保持位置を覆うように形成されており、一部を筐体12にはめ込むことで、筐体12に固定される。カバー16を筐体12にはめ込むことで、電池パック14は、目視されない状態となる。なお、カバー16は、スライドさせることで、容易に着脱できる状態ではめ込まれている。
【0027】
内蔵電池18は、電池パック14と同様に二次電池であり、蓄電された電力を電源制御部20に供給し、CPU22や、各部を作動させる。内蔵電池18は、筐体12の内部に収納されており、筐体12に固定されている。この内蔵電池18は、筐体12の内部に収納されているため、筐体12のねじ等を取り外し、分解しないと取り外すことはできない。
【0028】
電池選択回路42は、電池パック14から供給される電力と内蔵電池18から供給される電力のうち、どちらの電池から電源制御部20に電力を供給するかを選択する回路である。電池選択回路42は、電池パック14から供給される電力が一定電圧以上の場合は、電池パック14から供給される電力を電源制御部20に供給する。電源制御回路42については、後ほど詳細に説明する。
【0029】
電源制御部20は、電池パック14または内蔵電池18から電池選択回路42を介して供給される電力を、CPU22や、ディスプレイ等の表示部32に電力を供給する。また、電源制御部20は、充電制御部40を有する。充電制御部40は、充電端子54を介して外部から充電用の電流が供給された際に、外部から供給される電流により電池パック14を充電させるか、内蔵電池18を充電させるか、また、片方の電池のみを充填させるか、両方の電池を同時に充電させるかを切り換える。ここで、充電端子54は、ケーブルを介して家庭用のコンセント、電池等と接続される端子であり、コンセント等から供給される電力(電圧、電流)を受け取る部分である。充電端子54から電力が供給されたら、電池パック14または内蔵電池18は、充電制御部40の制御に基づいて充電される。
【0030】
CPU22は、携帯電子機器10の全体的な動作を統括的に制御する処理部である。すなわち、携帯電子機器10の各種の処理が、操作部28の操作や携帯電子機器10のメモリ24に保存されるソフトウェアに応じて適切な手順で実行されるように、電源制御部20や、通信部26や、表示部32等の動作を制御する。携帯電子機器10の各種の処理としては、例えば、回線交換網を介して行われる音声通話、電子メールの作成及び送受信、インターネットのWeb(World Wide Web)サイトの閲覧等がある。また、通信部26や音声処理部30等の動作としては、例えば、通信部26における信号の送受信、音声処理部30における音声の入出力、表示部32における画像の表示等がある。
【0031】
CPU22は、メモリ24に保存されているプログラム(例えば、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。CPU22は、例えば、マイクロプロセッサユニット(MPU:Micro Processor Unit)で構成され、前記ソフトウェアで指示された手順にしたがって上述した携帯電子機器1の各種の処理を実行する。すなわち、CPU22は、メモリ24に保存されるオペレーティングシステムプログラムやアプリケーションプログラム等から命令コードを順次読み込んで処理を実行する。
【0032】
CPU22は、複数のアプリケーションプログラムを実行する機能を有する。CPU22が実行するアプリケーションプログラムとしては、例えば、電池が抜かれた場合等に設定された動作を行う防犯アプリケーションプログラム、設定及び電池の残量に応じて使用する電池を切り換えたり維持したりする電池選択アプリケーションプログラム等の複数のアプリケーションプログラムがある。
【0033】
メモリ24には、CPU22での処理に利用されるソフトウェアやデータが保存されており、上述した、防犯アプリケーションプログラムを作動させる防犯処理タスク46、電池選択アプリケーションプログラムを作動させる電池選択タスク48が保存されている。防犯処理タスク46及び電池選択タスク48について、後ほど詳述する。また、メモリ24には、これらのタスク以外に、例えば、通信、ダウンロードされた画像データや音声データ等、あるいはメモリ24に対する制御にCPU22が用いるソフトウェア、通信相手の電話番号やメールアドレス等を保存し、管理するアドレス帳、発信音や着信音等の音声ファイル、ソフトウェアの処理過程で用いられる一時的なデータ等が保存されている。なお、ソフトウェアの処理過程で用いられるコンピュータプログラムや一時的なデータは、CPU22によってメモリ24に割り当てられた作業領域へ一時的に保存される。メモリ24は、例えば、不揮発性の記憶デバイス(ROM:Read Only Memory等の不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置等)や、読み書き可能な記憶デバイス(例えば、SRAM:Static Random Access Memory、DRAM:Dynamic Random Access Memory)等で構成される。
【0034】
通信部26は、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。
【0035】
操作部28は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キーなど、各種の機能が割り当てられたキーで構成され、これらのキーがユーザの操作により入力されると、その操作内容に対応する信号を発生させる。そして、発生した信号は、ユーザの指示としてCPU22へ入力される。
【0036】
音声処理部30は、マイク50に入力される音声信号やスピーカ52から出力される音声信号の処理を実行する。すなわち、音声処理部30は、マイク50から入力される音声を増幅し、AD変換(Analog Digital変換)を実行した後さらに符号化等の信号処理を施して、ディジタルの音声データに変換してCPU22へ出力する。また、CPU22から送られる音声データに対して復号化、DA変換(Digital Analog変換)、増幅等の処理を施してアナログの音声信号に変換してから、スピーカ52へ出力する。
【0037】
表示部32は、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Monitor)や、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネルなどの表示パネルを備え、CPU22から供給される映像データに応じた映像を表示パネルに表示させる。
【0038】
GPS受信部34は、GPS衛星から発信されるGPS信号を受信する受信部である。また、GPS受信部34は、受信したGSP信号から携帯電子機器10の緯度経度を算出し、算出した緯度経度の情報をCPU22に入力する。
【0039】
次に、図3を用いて、電池選択回路42についてより詳細に説明する。ここで、図3は、図1に示す携帯電子機器の概略構成を示す回路ブロック図である。なお、図3において、複数のVMAINは、それぞれ分断されているが、実際は配線により接続されている。また、VSUBも同様である。
【0040】
電池選択回路42は、P−FET(P型Field Effect Transistor)102と、抵抗104と、ダイオード106と、P−FET108と、抵抗110と、ダイオード112と、コンデンサ114と、DET116と、NPN型トランジスタ118と、抵抗120、122とを有する。
【0041】
P―FET102は、P型電界効果トランジスタであり、ドレイン側が電池パック14と接続され、ソース側がダイオード106を介して電源制御部20と接続され、ゲート側が、NPN型トランジスタ118が連結されている配線124と接続されている。抵抗104は、P−FET102のドレイン側とゲート側とを繋げる配線に設けられている。ダイオード106は、アノード側がP−FET102と接続され、カソード側が電源制御部20に接続されている。
【0042】
P―FET108も、P型電界効果トランジスタであり、ドレイン側が内蔵電池18と接続され、ソース側がダイオード112を介して電源制御部20と接続され、ゲート側が、DET116と抵抗120とが連結されている配線126と接続されている。抵抗110は、P−FET108のドレイン側とゲート側とを繋げる配線に設けられている。ダイオード112は、アノード側が配線124を介してP−FET102と接続され、カソード側が電源制御部20に接続されている。
【0043】
コンデンサ114は、一方が接地されており、つまり、GNDに接続されており、他方が電源制御部20と、ダイオード106及びダイオード112とを繋げる配線に接続されている。また、本実施形態では、コンデンサ114を配置したが、電池の切換時等、電源制御部20に供給される電圧が低下したときに、一定の電圧を供給することができるキャパシタであれば、コンデンサ以外の電気を溜める種々の機構を用いることができる。
【0044】
DET116は、ボルテージディテクタであり、リファレンス電圧発生ブロック、コンパレータ、出力FET(Field Effect Transistor)とで構成されている。DET116は、オープンドレイン出力であり、入力側が電池パック14と接続され、出力側が配線126と接続されている。DET116は、電池パック14から入力された入力電圧が基準電圧以上の場合はOpenとなり、入力電圧を配線126に出力する。また、DET116は、電池パック14から入力された入力電圧が基準電圧未満の場合はLowとなり、配線126をGNDに接続させる。なお、ここで、基準電圧は、電源制御部20に供給される電圧の最低電圧によって決定する電圧であり、DET116に入力される電圧が基準電圧であれば、携帯電子機器10を通常に動作させることができる電圧である。
【0045】
NPN型トランジスタ118は、ベースが抵抗120を介して配線126と接続され、コレクタが配線124と接続され、エミッタが接地されている。抵抗120は、一方が配線126と接続され、他方がNPN型トランジスタ118のベースと接続されている。抵抗122は、NPN型トランジスタ118のベース側とエミッタ側とを接続する配線に設けられている。
【0046】
また、電池パック14は、抵抗130、132を介して、接地されており、抵抗130と抵抗132とを接続する配線は、CPU22と接続されている。さらに、内蔵電池18は、抵抗134、136を介して、接地されており、抵抗134と抵抗136とを接続する配線は、CPU22と接続されている。CPU22には、電池パック14から出力され、抵抗130を通過した電圧がA/D1として入力され、内蔵電池18から出力され、抵抗134を通過した電圧がA/D2として入力される。
【0047】
次に、電池選択回路42の作用について説明する。まず、電池パック14の電池の残量が十分にあり、電池パック14からは高い電圧が出力される場合は、電池パック14からDET116に入力される電圧は、基準電圧以上となり、DET116がOpenとなる。DET116がOpenとなると、電池パック14からの出力がNPN型トランジスタ118のベースに入力され、抵抗110により内蔵電池18の電圧にプルアップされるため、NPN型トランジスタ118のエミッタ・コレクタ間が接続される。これにより、P−FET102のゲートがLowとなるため、P−FET102がOn状態となり電池パック14から供給される電圧(VMAIN)が、P−FET102及びダイオード106を通過して電源制御部20に供給される。
【0048】
また、電池パック14から供給され、DET116から出力された電圧(VMAIN)は、P―FET108のゲートにも入力される。しかしながら、抵抗110により、P―FET108は、High状態となるため、P−FET108はOpenとなり、内蔵電池18から供給される電圧(VSUB)は、電源制御部20には、供給されない。これにより、電池選択回路42は、電池パック14に規定電圧以上の電荷がある場合には、電源制御部20には電池パック14のみから電圧が供給される。
【0049】
次に、電池パック14の電池の残量が減少していき、電池パック14から出力される電圧が、規定電圧以下となった場合について説明する。電池パック14から出力される電圧が規定電圧以下となると、DET116に入力される電圧が、規定電圧以下となり、DET116の出力がLowとなる。DET116の出力がLowとなると、P−FET108のゲート入力はLowとなり、内蔵電池18から供給される電圧(VSUB)は、P−FET108及びダイオード112を通過し、電源制御部20に供給される。
【0050】
また、電池パック14から出力される電圧が規定電圧以下となり、DET116の出力がLowとなると、NPN型トランジスタ118のベースに入力される電圧がLowとなるため、P−FET102のゲートがOpenとなり、抵抗104により、電池パック14の電圧にプルアップされ、P−FET102のゲートとソースが同電位となるため、P−FET102がOffとなる。
【0051】
また、電源制御部20に電力を供給する電池が切り替わる際に、電源制御部20とダイオード106、112との間の電圧が低下したら、コンデンサ114から電源制御部20に電荷が供給され、電源制御部20には一定の電圧が供給される。
【0052】
このように、電池選択回路42により、電池パック14から出力される電圧によって電源制御部20に電力を供給する電池を切り換えることで、電源制御部20に電力を供給する電池を電池パック14から内蔵電池18への切り替えをスムーズに行うことができ、操作者の動作を中断させることなく、携帯電子機器10の使用を続けることが可能となる。また、内蔵電池18の使用時は、P−FET102がOffとなるため、電池パック14への負荷が無くなり、電池パック14での過放電の発生も抑制することができる。
【0053】
次に、図4を用いて携帯電子機器10の動作について説明する。ここで、図4は、携帯電子機器の処理動作の一例を示すフロー図である。まず、携帯電子機器10は、ステップS12として、電池パック14から電源制御部20に電力を供給する。また、電源制御部20は、電池パック14から供給された電力を、CPU22や、表示部32等に供給し、携帯電子機器10を駆動させる。
【0054】
電池パック14からの電力が供給されている場合は、CPU22は、ステップS14として、A/D1が第1電圧規定値以上であるかを判定する。ここで、A/D1は、電池パック14から出力された後、抵抗134を通過し、CPU22に入力される電圧であり、第1電圧規定値は、電池パック14から電源制御部20に入力される電圧が基準電圧となったときにA/D1としてCPU22に入力される電圧である。したがって、CPU22は、ステップS14で、電池パック14から出力される電圧が、電源制御部20に電力を供給する電源が電池パック14から内蔵電池18に切り換えられる電圧まで下がっているかを検出している。なお、第1電圧規定値は、DET116で発生する誤差や、A/D1の検出時の誤差を加味しても、電池パック14から出力される電圧が基準電圧まで低下していると判定することができるA/D1の値である。CPU22は、A/D1が第1電圧規定値以上の場合は、再び、ステップS14に進み、A/D1が第1電圧規定値以上であるかを判定する。このように、CPU22は、第1電圧規定値より小さくなるまで、ステップS14を繰り返す。また、CPU22は、ステップS14で、A/D1が第1電圧規定値より小さいと判定したら、ステップS16に進む。
【0055】
CPU22は、ステップS14でA/D1が第1電圧規定値より小さいと判定したら、ステップS16として、A/D1が第2電圧規定値以上であるかを判定する。ここで、第2電圧規定値は、電池パック14が接続されていれば、検出される電圧値、例えば最低の電圧値である。なお、第2電圧規定値は、A/D1の検出の際に生じる誤差を加味した電圧値である。CPU22は、ステップS16で、A/D1が第2電圧規定値以上であると判定したら、ステップS18に進み、A/D1が第2電圧規定値未満であると判定したらステップS26に進む。
【0056】
CPU22は、ステップS16で、A/D1が第2電圧規定値以上であると判定したら、ステップS18で、電池パック14は抜かれていないと判定し、ステップS20に進む。CPU22は、ステップS20として、電池パック14から内蔵電池18への切換の設定があるかを判定する。具体的には、CPU22は、メモリ24から電池選択タスク48を読み出し、電池選択アプリケーションソフトを立ち上げる。CPU22は、電池選択アプリケーションソフトで操作者により設定された設定を読み出し、内蔵電池18を使用して携帯電子機器10の通常動作を駆動させる設定になっているか否かを判定する。
【0057】
CPU22は、ステップS20で、電池パック14から内蔵電池18への切換の設定があると判定したら、ステップS22に進み、内蔵電池18から電源制御部20に供給される電圧で、携帯電子機器10を作動させる。その後、CPU22は、ステップS24として、A/D1が第1電圧規定値以上であるかの判定をする。つまり、CPU22は、電池パック14の電力が電源制御部20に電力を供給することができる電圧まで回復しているかを判定する。CPU22は、ステップS24で、A/D1が第1電圧規定値未満であると判定したら、ステップS22に進み、A/D1が第1電圧規定値上であると判定したら、処理を終了する。つまり、CPU22は、電池パック14の電力が回復するまで、ステップS22で、内蔵電池18から電源制御部20に供給された電力により携帯電子機器10を駆動しつつ、ステップS24で、A/D1が第1電圧規定値以上であるかの判定を繰り返す。また、電池パック14から供給される電圧が第1基準値以上まで回復したら処理を終了する。なお、携帯電子機器10は、電池パック14から供給される電圧が第1基準値以上まで回復したら、上記フローチャートをまたステップS12からの処理を行うようにすればよい。
【0058】
一方、ステップS20で電池パック14から内蔵電池18への切換が設定されていないと判定したら、内蔵電池18からの供給されるによりCPU22を駆動させることなく、処理を終了する。なお、この後、CPU22は、設定に基づいて処理を行う。設定としては、例えば、電池切れであることを操作者に通知した後、携帯電子機器10の電源をオフとする設定や、電源を切り換えることなく、電池パック14の電力供給ができなくなるまで、携帯電子機器10を駆動させる設定がある。
【0059】
一方、CPU22は、ステップS16で、A/D1が第2電圧規定値未満であると判定したら、ステップS26で電池パック14が抜かれたと判定する。その後、CPU22は、メモリ24から防犯処理タスク46を読み出し、防犯アプリケーションソフトを立ち上げる。CPU22は、防犯アプリケーションソフトで、操作者により設定された設定を読み出し、設定に基づいて、各部を作動させる。また、防犯アプリケーションソフトは、操作者の電池選択アプリケーションソフトでの設定によらず、内蔵電池18から供給される電力を使用して携帯電子機器10の各部を駆動させる。
【0060】
本実施形態では、CPU22は、ステップS28として、GPS位置情報を定期送信する。具体的には、GPS受信部34によりGPS衛星から携帯電子機器10の緯度経度情報(つまり、位置情報)を取得し、通信部26を用いて取得した位置情報を設定された端末に送信する。この位置情報の取得と、予め設定された端末への送信を一定時間間隔で繰り返す。なお、この時間間隔、及び送信する端末は、操作者により予め設定されている。
【0061】
CPU22は、ステップS28で、GPS位置情報の定期送信を行いつつ、ステップS30として、電池パック14が挿入されているかを判定する。CPU22は、ステップS30で、電池パック14が挿入されていないと判定したら、ステップS28に進む。つまり、CPU22は、電池パック14が所定の位置に戻されたことを検出するまで、防犯アプリケーションソフトを駆動させ、防犯処理を続ける。また、CPU22は、ステップS30で、電池パック14が挿入されていると判定したら、防犯アプリケーションソフトを終了させ、処理を終了する。
【0062】
このように、CPU22を駆動するための電力を供給する電力源として、取り外し可能な電池パック14と、筐体12の内部に保持された内蔵電池とを設けることで、電池パックが抜かれた場合もCPU22及び、その他携帯電子機器10の各部を駆動させることができ、電池パック14が抜かれた場合も防犯アプリケーションソフトを起動させ、携帯電子機器10の位置を検出し、その位置を特定の端末に送信する等の防犯機能を使用することができる。電池パック14が抜かれても防犯機能が使用できることで、犯人等の加害者により携帯電子機器10の電池パックが取り外されても防犯機能を維持することができ、携帯電子機器としての防犯能力を高くすることができる。
【0063】
具体的な一例としては、加害者は、携帯電子機器10の電池パック14を抜き取ることで、携帯電子機器10で使用できない状態になったと油断するが、実際には、防犯機能を使用できる、つまり、現在位置を通知することができる。これにより、加害者を油断させつつ、防犯機能を使用することができるため、防犯能力を高くすることができる。より具体的には、携帯電子機器10が子供用の携帯電話機であり、携帯電子機器10がランドセルにくくりつけられていると、加害者は、容易に携帯電子機器10を取り外すことができない。このような場合、加害者は、ランドセルに取り付けたままの状態で携帯電子機器10から電池パック14を取り外し、そのまま放置する。この場合も、位置情報を通知することができ、防犯能力を高くすることができる。
【0064】
また、携帯電子機器10は、電池パック14から出力される電圧が基準値以下となっても、内蔵電池18により、携帯電子機器10による通話機能や、インターネット機能を使用することができる。このように、内蔵電池18に蓄電された電力の使用し、内蔵電池に蓄電された電力が少なくなった場合でも、電池パック14のみの電力で携帯電子機器10を駆動させる場合より、防犯能力を高くすることができる。
【0065】
また、通常は取り外されない電池パックが取りはずれされたことを検出したら、防犯アプリケーションソフトを立ち上げるようにすることで、突然事件に巻き込まれ、携帯電子機器10を操作する間もなく加害者に携帯電子機器10を取り上げられ、電池パック10を抜かれた場合でも防犯機能を起動させることができる。また、操作者により、予め設定できるようにすることで、単に電池交換する場合は防犯機能が起動しないようにすることもできる。
【0066】
ここで、上記実施形態では、ステップS20の電池選択アプリケーションソフトによる処理において、内蔵電池18を使用するか否かのみを操作者が設定した場合について説明したが、操作者による設定は、これに限定されない。例えば、電池パックに充電が必要なことを通知するため、また、置き忘れられた場合の対策として、電池の切換の必要が生じた場合にブザーが鳴動するような設定や、GPS受信部に位置情報を取得し、特定の端末(つまり、特定の相手)に位置情報を送信するような設定にすることもできる。
【0067】
また、上記実施形態では、電池パックが抜かれた場合に防犯機能を起動するようにしたが、上記設定に加えて/または替えて、ユーザの操作、例えば特定のキーを押す、ストラップを引き抜く等を行うことで、防犯機能が起動するようにしてもよい。なお、この場合は、CPU22が、所定の操作信号を入力されたことを検出したら防犯機能が起動するようにする。
【0068】
また、上記実施形態では、防犯アプリケーションソフトで、GPS受信部で受信した位置情報を特定の端末に送信するようにしたが、防犯アプリケーションソフトによる防犯動作は、これに限定されず、ブザーを鳴動させるようにしてもよく、発光するようにしてもよい。このように、ブザーを鳴動させたり発光させたりすることにより、周囲の第3者に緊急事態であることを知らせ、助けを求めることができる。また、犯人をひるませたり、退散させたりすることができる。また、電池パックが外れたら、ブザーがなったり、発光したりするようにすることで、防犯機能に加え、携帯電子機器10を落とし、かつ、電池パックが外れた場合に、操作者が落としたことに迅速に気づくことができる。これにより、携帯電子機器10を無くすことを抑制することができる。
【0069】
また、防犯モードとしては、何もしない防犯モードを設定できるように、つまり、防犯機能をOFFできるようにすることも好ましい。このように、何もしない防犯モードが設定可能となることで、防犯機能を必要としない操作者も携帯電子機器を好適に使用することができる。また、電池パックの交換時に誤って防犯モードが起動され、ブザーが鳴動したり、位置情報が通知されたりすることを防止できる。
【0070】
また、電池パック14がはずされたら、外見上は、電源がOFF状態となるように、例えば、表示部には画像を表示させない、着信があっても着信音を鳴動させないように、設定できるようにすることが好ましい。これにより、犯人に気づかれずに防犯機能を起動させることができる。
【0071】
また、防犯アプリケーションソフトは、電池パックが抜かれたら、外見上は電源がOFF状態となっているような状態とし、かつ、CPU22を駆動させた状態とし、さらに、所定の操作、例えば特定のキーを押す、ストラップを引き抜く等がされたら、ブザーを鳴動させるようにしてもよく、発光するような設定ができるようにしてもよい。つまり、電池パックが抜かれたら、操作を待つ待機状態の防犯モードとし、その状態で特定の操作が入力されたら、第2の防犯モードとして、操作者に危険が迫っていることを第3者に知らせる動作を行うようにしてもよい。
【0072】
ここで、携帯電子機器は、CPU22が駆動されていない状態でも、電池パックが抜き取られたら、防犯機能を起動できるようにすることが好ましい。以下、図5を用いて説明する。図5は、携帯電子機器の回路ブロックの他の一例を示す回路ブロック図である。なお、図5に示す携帯電子機器70は、電池検知部74を有することを除いて他の構成は、図3に示す携帯電子機器10の各部と同様である。したがって、以下は、携帯電子機器70の特有の点について詳細に説明する。
【0073】
図5に示す携帯電子機器70は、全体構成の図示は省略したが、図1に示す携帯電子機器10と同様に、筐体12と、電池パック14と、カバー16と、内臓電池18と、電源制御部72と、CPU22と、メモリ24と、通信部26と、操作部28と、音声処理部30と、表示部32と、GPS受信部34とを有する。なお、携帯電子機器70は、上記構成の他にも画像表示部や、各種端子等、携帯電子機器として有する各種構成を有している。
【0074】
電源制御部72は、電池検知部74を有する。電池検知部74は、電池パック14と接続されており、電池パック14から出力される電圧(VMAIN)を検知している。また、電池検知部74は、CPU22を起動させる起動スイッチと連結されており、電池パック14から出力される電圧(VMAIN)が実質的に0、つまり、電池パック14がはずされたら、起動スイッチを作動させ、CPU22を起動させる。なお、このとき、携帯電子機器70は、電池パック14が外された状態であるため、電源制御部72は、内蔵電池18から出力される電力、また、コンデンサ114に蓄電された電荷によりCPU22を起動させ、駆動させる。このように、電源制御部72は、CPU22の停止時に、電池パック14が取り除かれたら、CPU22を起動させる。
【0075】
CPU22は、駆動されたら、上述と同様の方法で電池パック14が取り外されていることを検出し、防犯アプリケーションソフトを起動させる。このように、携帯電子機器70は、CPU22が停止している場合に電池パック14が取り外されたときも、防犯機能を起動することができる。したがって、加害者により携帯電子機器14の電源が切られた後、電池パック14がはずされた場合でも防犯機能を起動させることができるため、より防犯性を高くすることができる。
【0076】
なお、上記実施形態では、CPU22を起動させた後、CPU22により図4に示すフローチャートを実行させることで、防犯アプリケーションソフトを起動させるようにしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、電池検知部74で電池パック14が取り外されたことを検出したら、CPU22を起動後、電池検知部74により起動されたことをトリガーとして、防犯アプリケーションソフトを起動させるようにしてもよい。
【0077】
また、説明の簡略化のために、各例を個別に説明したが、それぞれの実施形態を共に備えていてもよいことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0078】
以上のように、本発明にかかる携帯電子機器は、携帯電話機等の携帯電子機器に有用であり、特に、高い防犯能力が求められる携帯電話機として用いることに適している。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の携帯電子機器の一実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す携帯電子機器の外観、電池パック及び内臓電池の概略構成を示す斜視図である。
【図3】図1に示す携帯電子機器の概略構成を示す回路ブロック図である。
【図4】携帯電子機器の処理動作の一例を示すフロー図である。
【図5】携帯電子機器の回路ブロックの他の一例を示す回路ブロック図である。
【符号の説明】
【0080】
10、70 携帯電子機器
12 筐体
14 電池パック
16 カバー
18 内蔵電池
20、72 電源制御部
22 CPU
24 メモリ
26 通信部
28 操作部
30 音声処理部
32 表示部
34 GPS受信部
40 充電制御部
42 電池選択回路
46 防犯処理タスク
48 電池選択タスク
50 マイク
52 スピーカ
54 充電端子
74 電池検知部
102、108 P−FET
104、110、120、122 抵抗
106、112 ダイオード
114 コンデンサ
116 DET
118 NPN型トランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線により基地局と通信する通信部と、
前記通信部を制御する制御部と、
筐体と、
前記筐体から着脱可能な状態で保持され前記制御部に電力を供給する第1電池と、
前記筐体に固定され、前記制御部に電力を供給する第2電池と、
前記第1電池及び前記第2電池から前記制御部に供給する電力を制御する電源制御部と、
前記第1電池から供給される電圧と、前記第2電池から供給される電圧とを検出する電圧検出部と、
非常事態であることを通知する防犯モードを起動させる防犯部と、
前記第1電池または前記第2電池により充電され、前記電源制御部の制御状態によらず、前記制御部に電力を供給可能な状態で接続されたキャパシタと、を有し、
前記電源制御部は、前記第1電池から供給される電圧が第1設定値以上の場合は、前記第1電池から供給される電力を前記制御部に供給することを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記防犯部は、前記筐体に前記第1電池が装着されているかを検出し、装着されていないことを検出したら防犯モードを起動させることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記防犯部は、前記第1電池から供給される電圧が前記第1設定値より低くなり、かつ、前記第1電池から供給される電圧が前記第1設定値よりも低い電圧値である第2設定値以下となった場合は、防犯モードを起動させることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記電源制御部は、設定により、前記第1電池から供給される電圧が前記第1設定値より低くなった場合に、前記制御部に電力を供給する電池を前記第1電池から前記第2電池に切り換えることと、前記第2電池には切り換えないこととのいずれかを選択できることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記電源制御部は、前記防犯部及び前記制御部が起動していない状態でも、前記筐体に前記第1電池が装着されているかを検出する検出部を有し、
前記検出部により、前記第1電池が前記筐体から取り外されたことを検出されたら、前記第2電池から前記制御部への電力の供給を開始させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
さらに、GPS衛星からの信号を受信するGPS信号を受信するGPS受信部と、
前記防犯部は、前記GPS受信部が受信したGPS信号から検出した位置情報を前記通信部から予め設定された端末に送信する防犯モードを備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記防犯部は、ブザーを鳴動させる防犯モードを有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記防犯部は、複数の防犯モードを有し、複数の防犯モードの中から予め選択された防犯モードを起動させることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
前記防犯部は、複数の防犯モードから第1の防犯モードと第2の防犯モードが予め設定されており、
前記第1電池から供給される電圧が前記第1設定値以下になり、かつ、前記第1電池から供給される電圧が前記第1設定値よりも低い電圧値である第2設定値以下となった場合は、第1の防犯モードを起動させ、さらに、前記第1の防犯モードの起動中に、予め設定された操作信号の入力を検出した場合は、第2の防犯モードを起動させることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項10】
前記防犯部は、何も起動させない防犯モードを含む複数の防犯モードから少なくとも1つの防犯モードを設定することができることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−154348(P2010−154348A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−331444(P2008−331444)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】