説明

携帯電子機器

【課題】本発明は、外部から目立たない操作手段を有する携帯電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】携帯電話機1は、ボディ部2と、ボディ部2を構成し、表示面11aが外部から視認可能に配置される変形可能なフレキシブルディスプレイ11と、ボディ部2を構成し、フレキシブルディスプレイ11における表示面11aと反対側の背面側を覆うように配置され、変形可能な筐体3と、ボディ部2における変形を検出する変形検出部150と、変形検出部150からの検出結果に基づいてボディ部2における変形を検知可能に構成されると共に、ボディ部2における変形を検知した場合、所定の表示制御をフレキシブルディスプレイ11に対して行うCPU200と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等の携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電子機器において、操作部を極力目立たなくしたいという要望がかねてから存在する。
これに対し、タッチパネルを備える携帯電子機器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この携帯電子機器によれば、物理キー(例えば、押圧式のボタンやスライド式のスイッチ)は、最低限にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−038796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の携帯電子機器において、タッチパネルによる操作は利便性が高いが、省電力状態ではタッチパネルもオフされるため、省電力状態からの非省電力状態(通常状態)への復帰はタッチパネルだけでは困難であるという不都合があった。
そのため、タッチパネルを備える携帯電子機器であっても、通常はタッチパネルの他に物理キーを備える場合が多い。
あるいは、一般ユーザにとっては物理キーの操作性が良いとの理由で、携帯電子機器において、タッチパネルの他に物理キーが搭載されている場合がある。
このように、携帯電子機器においてタッチパネルが採用されたとしても、結局は物理キーもあわせて搭載される場合が多い。
ここで、物理キーは、操作性には優れるが、外部から目立つので、美観を損ねる場合があった。
【0005】
本発明は、外部から目立たない操作手段を有する携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ボディ部と、前記ボディ部を構成し、表示面が外部から視認可能に配置される変形可能なフレキシブルディスプレイと、前記ボディ部を構成し、前記フレキシブルディスプレイにおける表示面と反対側の背面側を覆うように配置され、変形可能な筐体と、前記ボディ部における変形を検出する変形検出部と、前記変形検出部からの検出結果に基づいて前記ボディ部における変形を検知可能に構成されると共に、前記ボディ部における変形を検知した場合、所定の表示制御を前記フレキシブルディスプレイに対して行う制御部と、を備える携帯電子機器に関する。
【0007】
また、携帯電子機器において、前記制御部は、前記検知したボディ部の変形に応じて、前記所定の表示制御として、表示態様の変更、アプリケーションの起動又は動作による表示内容の変更、モード変更による表示態様の変更の少なくともいずれかの表示制御を前記フレキシブルディスプレイに対して行うことが好ましい。
【0008】
また、携帯電子機器は、複数のアプリケーションを動作させるアプリケーション動作部と、を備え、前記制御部は、前記検知したボディ部の変形に応じて、所定のアプリケーションを起動又は所定の動作をさせるよう前記アプリケーション動作部を制御することが好ましい。
【0009】
また、携帯電子機器は、前記ボディ部に搭載される加速度センサと、を備え、前記制御部は、前記加速度センサからの測定結果に基づいて前記ボディ部における姿勢を検知すると共に、当該姿勢及び前記検知したボディ部の変形態様に応じて、前記所定のアプリケーションを起動又は所定の動作をさせるよう前記アプリケーション動作部を制御することが好ましい。
【0010】
また、携帯電子機器において、前記制御部は、通常モードと省電モードとにモード切り替え可能であって、前記検知したボディ部の変形に応じて、モード切り替えを行うことが好ましい。
【0011】
また、携帯電子機器において、前記筐体は、複数の筐体片と、前記複数の筐体片を相互位置関係が変形可能となるよう接合する可動接合部と、を備えることが好ましい。
【0012】
また、携帯電子機器において、前記可動接合部は、前記フレキシブルディスプレイの背面側に配置される柔軟部材であり、前記複数の筐体片は、前記柔軟部材における前記フレキシブルディスプレイと反対側に、それぞれ隙間を有して取り付けられることが好ましい。
【0013】
また、携帯電子機器は、前記フレキシブルディスプレイに搭載され、前記フレキシブルディスプレイと一体的に変形可能であると共に、外部からの入力を受け付けるフレキシブルタッチパネルと、をさらに備えることが好ましい。
【0014】
また、携帯電子機器において、前記制御部は、前記ボディ部が変形していることを検知した場合、前記フレキシブルタッチパネルからの入力を無効とすることが好ましい。
【0015】
また、携帯電子機器は、前記ボディ部の内部に収容配置され、発光した光が前記隙間を介して外部から視認可能なように配置される発光部と、を備えることが好ましい。
【0016】
また、携帯電子機器は、電子部品が実装されるフレキシブル基板であって、前記フレキシブルディスプレイにおける背面側に配置され、前記隙間に重畳しない領域には前記制御部を含む電子部品が実装されるフレキシブル基板と、を備えることが好ましい。
【0017】
また、携帯電子機器は、前記隙間に重畳しない領域であって、前記複数の筐体片における1の筐体片内部に収容配置されるバッテリと、を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、外部から目立たない操作手段を有する携帯電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】携帯電話機1における正面図である。
【図2】携帯電話機1における背面図である。
【図3】携帯電話機1における側面図である。
【図4】携帯電話機1における変形状態の一態様を示す図である。
【図5】図2におけるA−A断面図である。
【図6】図2におけるB−B断面図である。
【図7】フレキシブルプリント基板16の正面図である。
【図8】携帯電話機1における機能ブロック図である。
【図9】メモリ300に記憶される検知内容−制御内容テーブル525を説明する図である。
【図10】携帯電話機1における動作の概要を説明するフローチャートである。
【図11A】携帯電話機1を第1変形態様に変形させるユーザの動作を説明する図である。
【図11B】携帯電話機1における第1変形態様を説明する模式図である。
【図11C】携帯電話機1を第1変形態様に変形させることでメールアプリケーションが起動された状態を説明する図である。
【図12A】携帯電話機1を第2変形態様に変形させるユーザの動作を説明する図である。
【図12B】携帯電話機1における第2変形態様を説明する模式図である。
【図12C】携帯電話機1を第2変形態様に変形させることでカメラアプリケーションが起動された状態を説明する図である。
【図13A】携帯電話機1を第3変形態様に変形させるユーザの動作を説明する図である。
【図13B】携帯電話機1における第3変形態様を説明する模式図である。
【図13C】携帯電話機1を第3変形態様に変形させることで受話処理された状態を説明する図である。
【図14A】携帯電話機1を第4変形態様に変形させるユーザの動作を説明する図である。
【図14B】携帯電話機1における第4変形態様を説明する模式図である。
【図14C】携帯電話機1を第4変形態様に変形させることで表示態様が拡大表示態様になった状態を説明する図である。
【図15A】携帯電話機1を第5変形態様に変形させるユーザの動作を説明する図である。
【図15B】携帯電話機1における第5変形態様を説明する模式図である。
【図15C】携帯電話機1を第5変形態様に変形させることで省電モードから通常モード(待受画面表示)になった状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の携帯電子機器としての携帯電話機1について説明する。
まず、図1から図7により、携帯電話機1における構造について説明する。
図1は、携帯電話機1における正面図である。図2は、携帯電話機1における背面図である。図3は、携帯電話機1における側面図である。図4は、携帯電話機1における変形状態の一態様を示す図である。図5は、図2におけるA−A断面図である。図6は、図2におけるB−B断面図である。図7は、フレキシブルプリント基板16の正面図である。
【0021】
図1から図3に示すように、携帯電話機1は、ボディ部2を備える。
携帯電話機1は、ボディ部2における表面2A側に配置されるフレキシブルディスプレイ11と、フレキシブルタッチパネル12と、マイク13と、スピーカ14とを備える。
また、携帯電話機1は、ボディ部2における裏面3B側に配置される筐体3と、カメラ部20とを備える。
【0022】
ボディ部2は、変形可能に構成される。具体的には、ボディ部2は、湾曲させたり、一部を折り曲げたりすることが可能に構成される(図4、図11Aから図15C参照)。
ボディ部2は、外郭が、表面2A側に配置された保護パネル15(図5及び図6参照)と、裏面2B側に配置された筐体3とにより構成される。
ボディ部2における表面2Aには、フレキシブルディスプレイ11及びフレキシブルタッチパネル12が配置される。
ボディ部2は、後述するフレキシブルプリント基板16(フレキシブル基板)、フレキシブルプリント基板16に実装された電子部品(CPU200(制御部)、カメラ部20や発光部25等)、ラバーシート部17(シート状の柔軟部材、筐体3の一部を構成)及びバッテリ80等を内部に収容する。
【0023】
フレキシブルディスプレイ11は、ボディ部2を構成する。フレキシブルディスプレイ11は、表示面11aが外部から視認可能にボディ部2に収容配置される。フレキシブルディスプレイ11は、柔軟に変形可能な表示デバイスである。
フレキシブルディスプレイ11は、例えば、液晶、有機EL(エレクトロルミネッセンス)や電子インクを用いた表示デバイスである。
本実施形態において、フレキシブルディスプレイ11には、フレキシブルタッチパネル12が搭載される。
また、フレキシブルディスプレイ11における外表面側には、フレキシブルディスプレイ11を保護する保護パネル15が配置される。
【0024】
フレキシブルタッチパネル12は、フレキシブルディスプレイ11に搭載され、フレキシブルディスプレイ11と一体的に変形可能に構成される。
フレキシブルタッチパネル12は、フレキシブルディスプレイ11における表示面11aに対応して配置される。
【0025】
フレキシブルタッチパネル12は、外部からの入力を受け付ける。フレキシブルタッチパネル12は、ユーザからの操作を受け付ける操作部受付部として機能する。
具体的には、フレキシブルタッチパネル12は、保護パネル15に対するユーザの指やタッチペン等の接触を検出する。フレキシブルタッチパネル12は、静電容量方式、抵抗膜方式や電磁誘導方式等を採用できる。
【0026】
保護パネル15は、フレキシブルディスプレイ11及びフレキシブルタッチパネル12の外表面側(表面2A側)に配置される。
本実施形態において、保護パネル15は、フレキシブルディスプレイ11と共に変形可能に構成される。
また、保護パネル15は、ユーザの指等が接触される部分である。
【0027】
マイク13は、携帯電話機1のユーザが通話時に発した音声の入力を受け付ける。
スピーカ14は、携帯電話機1のユーザにおける通話相手が発した音声を出力する。
【0028】
筐体3は、ボディ部2を構成する。筐体3は、ボディ部2における裏面2B側に配置される。筐体3は、フレキシブルディスプレイ11における表示面11aと反対側の背面側を覆うように配置される。筐体3は、複数の電子部品等をボディ部2の内部に収容するためのケース部材である。
筐体3は、変形可能に構成される。具体的には、ボディ部2は、湾曲させたり、一部を折り曲げたりすることが可能に構成される。
【0029】
図2、図5及び図6に示すように、筐体3は、可撓性を有さない複数の筐体片30a、30b、30c、30dと、ラバーシート部17(柔軟性シート状部材)と、複数の筐体片30a、30b、30c、30dを接合する可動接合部40と、隙間部35と、を備える。
【0030】
図2に示すように、筐体3は、中央部に配置される筐体片30aと、筐体片30aを囲むように配置される4つの筐体片30bと、4つの筐体片30bを囲むように配置される4つの筐体片30cと、4つの筐体片30cの幅方向外側に配置される4つの筐体片30dと、を備える。
筐体片30a、30b、30c、30dそれぞれは、互いに所定間隔をあけて(隙間部35を有して)配置される。
ここで、筐体片30a、30b、30c、30dは、ボディ部2において所望される変形態様に応じて、形状、個数、配置パターン(隙間部35の間隔も含め)が設定される。
【0031】
図5及び図6に示すように、筐体片30a、30b、30c、30dそれぞれは、後述するフレキシブルプリント基板16側が開口した箱状に形成される。
筐体片30a、30b、30c、30dそれぞれは、ボディ部2における裏面2Bの外表面を構成する外壁部と、厚さ方向に延びラバーシート部17に載置される側壁部とを有する。
具体的には、筐体片30aは、外壁部31aと、側壁部32aとを有する。筐体片30bは、外壁部31bと、側壁部32bとを有する。筐体片30cは、外壁部31cと、側壁部32cとを有する。筐体片30dは、外壁部31dと、側壁部32dとを有する。
筐体片30a、30b、30c、30dそれぞれは、図2に示すような配置で、可動接合部40において、筐体3として変形可能に互いに接合される。
【0032】
また、後述の通り、筐体片30a、30b、30c、30dそれぞれは、CPU(制御部)200、カメラ部20や発光部25等の電子部品やバッテリ80を収容するように配置される(図5及び図6参照)。
また、所定の筐体片(図5においては筐体片30c、30d)は、側壁部に形成される光透過部を有する(図5において光透過部33c、33d)。光透過部は、発光部25からの光を透過させる。光透過部は、透明、乳白色、所定の色が付された透明度の高い樹脂等により構成される。
【0033】
可動接合部40は、上述の通り、筐体片30a、30b、30c、30dそれぞれが筐体3として変形可能に互いに接合される接合部である。
図5に示すように、可動接合部40は、後述するラバーシート部17に、筐体片の側壁部における端面が接合することで構成される。
可動接合部40において、互いに隣接する筐体片同士は、所定間隔だけ離間して配置される。複数の筐体片30a、30b、30c、30dは、ラバーシート部17におけるフレキシブルディスプレイ11と反対側に、隙間部35を有して取り付けられる。
【0034】
ラバーシート部17は、フレキシブルディスプレイ11の背面側(裏面2B側)に配置される。具体的には、ラバーシート部17は、フレキシブルディスプレイ11の背面側(裏面2B側)に配置されるフレキシブルプリント基板16の背面側に積層配置される。
【0035】
ラバーシート部17は、上述の通り、複数の筐体片における側壁部の端面が載置され接合される(取り付けられる)柔軟性を有するシート部材である。
つまり、ラバーシート部17は、可動接合部40に対応して形成される。ラバーシート部17は、互いに隣接する筐体片における側壁部同士が所定距離だけ離間して配置される領域を有して構成される。
本実施形態においては、ラバーシート部17は、図7に示すフレキシブルプリント基板16のスリット16bに沿って所定幅で形成される領域と、外縁に沿って所定幅で形成される領域とを有する形状である。
【0036】
図5及び図6に示すように、隙間部35は、互いに隣接する筐体片同士の間に形成される。
隙間部35は、可動接合部40において筐体片が接合して形成された筐体3が変形した場合、幅(互いに隣接する筐体片同士の間の距離)が変更するよう構成される。
隙間部35は、筐体3における変形度合いを規定する。隙間部35の幅(距離)が広い場合には筐体3(ボディ部2)における変形度合いが大きく、隙間部35の幅(距離)が狭い場合には筐体3(ボディ部2)における変形度合いが小さくなる。
【0037】
また、隙間部35は、後述する筐体3(ボディ部2)に収容された発光部25から発光された光を外部から視認可能なように導光可能に構成される。
具体的には、図5に示すように、隙間部35は、発光部25から発光した光であって光透過部33cを透過した光をボディ部2の裏面2B側に導光する。これにより、隙間部35は、ボディ部2の内部に配置される発光部25から発光した光を外部に視認可能に導光する。
【0038】
図5及び図6に示すように、フレキシブルプリント基板16は、ボディ部2の内部に配置される。フレキシブルプリント基板16は、柔軟性を有するプリント基板である。
フレキシブルプリント基板16には、CPU200(制御部)を含む電子部品が実装される。フレキシブルプリント基板16には、CPU200、カメラ部20や発光部25等が実装される。
フレキシブルプリント基板16は、フレキシブルディスプレイ11における背面側(裏面2B側)に配置される。
【0039】
図7に示すように、フレキシブルプリント基板16は、実装領域16aと、スリット16bとを有する。
実装領域16aは、電子部品が実装される領域である。
スリット16bは、フレキシブルプリント基板16が折り曲げ等の変形がしやすいように形成された切れ目である。スリット16bは、電子部品が実装されない領域である。
また、スリット16bは、可動接合部40に対応して形成される。スリット16bは、可動接合部40に重畳する領域に形成される。
詳細には、スリット16bは、可動接合部40に重畳する領域であって、可動接合部40における隣接する筐体片の側壁部同士の間に対応(重畳)する領域に形成される。
また、スリット16bにおける背面側(裏面2B側)には、上述のラバーシート部17が配置される。
【0040】
図5に示すように、発光部25は、ボディ部2に収容配置される。本実施形態において、発光部25は、フレキシブルプリント基板16に実装される。
図5において、発光部25、25は、筐体片30c、30dに収容されるように配置される。
発光部25、25は、上述した光透過部33c、33dそれぞれに近接して配置される。発光部25、25は、発光した光が光透過部33c、33dを介して外部(隙間部35)に透過可能な位置に配置される。発光部25は、隙間部35を介して外部に発光した光が視認可能なように配置される。
【0041】
図6に示すように、バッテリ80は、ボディ部2において可動接合部40に重畳しない領域に配置される。
本実施形態において、バッテリ80は、筐体3における中央(図2参照)に配置される筐体片30aに収容配置される。体積が大きく重量も大きなバッテリは、ボディ部2における中央部に配置される。これにより、携帯電話機1は、好適な重量バランスで構成される。
【0042】
続いて、図8及び図9により、携帯電話機1の機能構成について説明する。
図8は、携帯電話機1における機能ブロック図である。図9は、メモリ300に記憶される検知内容−制御内容テーブル525を説明する図である。
【0043】
まず、図8に示すように、携帯電話機1は、上述したフレキシブルディスプレイ11と、フレキシブルタッチパネル12と、マイク13と、スピーカ14と、カメラ部20とを備える。
また、携帯電話機1は、通信部100と、変形検出部150と、加速度センサ160と、CPU200(制御部)と、メモリ300と、アプリケーション動作部400と、を備える。
【0044】
通信部100は、所定の使用周波数帯により外部装置と通信を行うメインアンテナ部90と、変調処理又は復調処理等の信号処理を行う通信処理部101と、を備える。
メインアンテナ部90は、所定の使用周波数帯(例えば、800MHz)で不図示の基地局と通信を行う。メインアンテナ部90は、所定の使用周波数帯で基地局を介して外部の通信機器と通信を行う。
通信処理部101は、所定の機能部から供給された信号を変調処理しメインアンテナ部90等を介して基地局に送信すると共に、メインアンテナ部90により受信された信号を復調処理し所定の機能部に供給する。
【0045】
変形検出部150は、ボディ部2における変形を検出する検出部である。
変形検出部150は、フレキシブルディスプレイ11における変形を検出してもよく、フレキシブルプリント基板16の変形を検知してもよく、また、筐体3における変形を検知してもよい。
変形検出部150として、例えば、歪ゲージ等のセンサを用いることができる。このセンサは、フレキシブルディスプレイ11の変形検出を行う場合にはフレキシブルディスプレイ11に、フレキシブルプリント基板16の変形を検出する場合にはフレキシブルプリント基板16に配される。
変形検出部150は、検出結果情報をCPU200に出力する。
【0046】
加速度センサ160は、ボディ部2に搭載される。加速度センサ160は、本実施形態において、ボディ部2の姿勢を検出するための3軸加速度センサである。
加速度センサ160は、検出結果情報をCPU200に出力する。
【0047】
CPU200(制御部)は、携帯電話機1の全体を制御しており、また、上述したフレキシブルディスプレイ11に対して表示制御を行う。
CPU200は、表示制御部210と、入力受付部220と、変形検知部230と、姿勢検知部240と、アプリケーション制御部250と、モード変更部260と、を含む。なお、CPU200(制御部)は、上述の通り、フレキシブルプリント基板16に実装される。
【0048】
表示制御部210は、所定の表示制御をフレキシブルディスプレイ11に対して行う。
表示制御部210は、表示面11aに表示される表示内容(表示態様を含む)を変更させるようフレキシブルディスプレイ11を表示制御する。また、表示制御部210は、表示面11aにおける表示方向を制御する(上下逆転、縦横回転)。例えば、表示制御部210は、後述する姿勢検知部240が加速度センサ160からの検出結果情報により上下逆転した姿勢を検知した場合、表示面11aにおける表示方向を上下逆転させるようフレキシブルディスプレイ11を表示制御する。
【0049】
表示制御部210は、後述する変形検知部230によりボディ部2の変形が検知された場合、所定の表示制御をフレキシブルディスプレイ11に対して行う。表示制御部210は、変形検知部230により検知されたボディ部2の変形態様に応じて、所定の制御をフレキシブルディスプレイ11に対して行う。また、表示制御部210は、変形検知部230により検知されたボディ部2の変形態様及び、後述する姿勢検知部240により検知されたボディ部2の姿勢に応じて、所定の制御をフレキシブルディスプレイ11に対して行う。
本実施形態において、表示制御部210は、図9に示される検知内容−制御内容テーブル525を参照して、所定の表示制御をフレキシブルディスプレイ11に対して行う。
【0050】
表示制御部210は、検知されたボディ部2の変形(態様)に応じて、所定の表示制御として、表示態様の変更、アプリケーションの起動又は動作による表示内容の変更、モード変更による表示態様の変更のいずれかの表示制御をフレキシブルディスプレイ11に対して行う。
【0051】
表示制御部210は、表示面11aにおける表示態様を変更させる表示制御をフレキシブルディスプレイ11に対して行う。
具体的には、表示制御部210に含まれる表示変更部215は、例えば、所定のアプリケーションが動作中において、拡大/縮小表示、表示されるページの変更(送り/戻し)、表示内容のスクロール等の表示制御をフレキシブルディスプレイ11に対して行う。
【0052】
また、表示制御部210は、アプリケーションの起動又は動作に基づく表示制御(表示内容変更、画面変更)をフレキシブルディスプレイ11に対して行う。
具体的には、表示制御部210は、画面を、後述するアプリケーション動作部400により起動されたアプリケーションの画面(例えば、初期画面)に切り替えるようフレキシブルディスプレイ11を表示制御する。
表示制御部210は、例えば、待受画面(壁紙とも言われる)から、メールアプリケーションの初期画面、カメラアプリケーションの初期画面、テレビアプリケーションの初期画面、アドレス帳アプリケーションの初期画面等に変更するようフレキシブルディスプレイ11を表示制御する。
【0053】
また、表示制御部210は、アプリケーション動作部400により(動作中の)アプリケーションにおける動作に対応して表示内容(画面)を変更するようフレキシブルディスプレイ11を表示制御する。
表示制御部210は、例えば、ロック機能の起動/解除画面を表示させる表示制御や、着信画面を受話画面(通話画面)に切り替える表示制御をフレキシブルディスプレイ11に対して行う。
【0054】
また、表示制御部210は、後述するモード変更部260によるモード切替に基づいて表示態様を変更するようフレキシブルディスプレイ11を表示制御する。
表示制御部210は、例えば、省電モードにおける非表示状態(表示オフ)から通常状態の表示状態(例えば、待受画面を表示した状態)となるようフレキシブルディスプレイ11を表示制御する。
【0055】
入力受付部220は、フレキシブルタッチパネル12からの入力を受け付ける。入力受付部220は、フレキシブルタッチパネル12を介して、ユーザからの入力を受け付ける。
また、入力受付部220は、変形検知部230によりボディ部2が変形していることが検知された場合、フレキシブルタッチパネル12からの入力を無効とする。
ボディ部2が変形している場合(例えば、タッチパネル面が湾曲している場合)、フレキシブルタッチパネル12が正確な座標を検知できず、正確な入力を検知できない可能性がある。このため、入力受付部220は、本実施形態において、ボディ部2が変形している場合には、入力を無効とするよう構成される。
【0056】
変形検知部230は、変形検出部150からの検出結果に基づいて、ボディ部2における変形を検知可能に構成される。
また、変形検知部230は、変形検出部150からの検出結果(検出情報)に含まれる変形位置の情報や変形度の情報により、ボディ部2における変形態様を検知する。
【0057】
変形検知部230は、本実施形態において、後述する変形情報記憶部310に記憶される検出情報−変形態様テーブル(不図示)を参照して、変形検出部150からの検出情報に基づいて、ボディ部2における変形態様を検知する。
変形検知部230は、本実施形態において、例えば、ボディ部2の長手方向における湾曲(縦曲げ)、短手方向における湾曲(横曲げ)、角部の折り曲げ(いずれか1つ、隣り合う2つ、対向する2つ)等を検知可能である。
変形検知部230は、検知したボディ部2における変形態様の情報を上述した表示制御部210、後述するアプリケーション制御部250やモード変更部260に出力する。
【0058】
姿勢検知部240は、加速度センサ160からの測定結果に基づいて、ボディ部2における姿勢を検知する。
姿勢検知部240は、例えば、ボディ部2の長手方向が垂直方向に沿って配置される縦姿勢か、ボディ部2の長手方向が水平方向に沿って配置される横姿勢かを検知する。
姿勢検知部240は、検知した姿勢の情報を上述した表示制御部210、後述するアプリケーション制御部250やモード変更部260に出力する。
【0059】
アプリケーション制御部250は、後述するアプリケーション動作部400を制御する。
アプリケーション制御部250は、変形検知部230により検知されたボディ部2の変形(態様)に応じて、所定のアプリケーションを起動又は所定の動作をさせるようアプリケーション動作部400を制御する。
また、更には、アプリケーション制御部250は、上記検知したボディ部2の変形態様、及び姿勢検知部240により検知されたボディ部2の姿勢に応じて、所定のアプリケーションを起動又は所定の動作をさせるよう前記アプリケーション動作部を制御する。
アプリケーション制御部250は、変形検知部230からの情報、及び変形検知部230からの情報に基づいて、所定のアプリケーションを起動又は所定の動作をさせるようアプリケーション動作部400を制御する。
【0060】
また、アプリケーション制御部250は、上記に加え、携帯電話機1における状態(表示状態、アプリケーション動作状態)を検知して、所定のアプリケーションを起動又は所定の動作をさせるようアプリケーション動作部400を制御する。
【0061】
アプリケーション制御部250は、本実施形態において、図9に示す検知内容−制御内容テーブル525を参照して、アプリケーション動作部400を制御する。
アプリケーション制御部250は、例えば、ボディ部2における姿勢及び変形態様に応じて、メールアプリケーションを起動、カメラアプリケーションを起動、テレビアプリケーションを起動、アドレス帳アプリケーションを起動、ロック機能アプリケーションを起動(ロック設定、解除)、受話処理等を行うよう、アプリケーション動作部400を制御する。
ここで、検知内容と制御内容との関係は、後述する(検知内容−制御内容テーブル325の説明参照)。
また、アプリケーション制御部250は、アプリケーション動作部400からの表示画面情報を受信すると共に、上述の表示制御部210に出力する。
【0062】
モード変更部260は、通常モードと省電モードとにモード切り替え可能に構成される。モード変更部260は、変形検知部230により検知されたボディ部2の変形に応じて、通常モードから省電モード、又は、省電モードをから通常モードに切り替える。
また、更には、モード変更部260は、上記検知したボディ部2の変形態様及び姿勢検知部240により検知されたボディ部2の姿勢に応じて、モード切替を行う。
モード変更部260は、変形検知部230からの情報及び姿勢検知部240からの情報に基づいて、モード切替を行う。
モード変更部260は、本実施形態において、図9に示す検知内容−制御内容テーブル525を参照して、モード切替を行う。
また、モード変更部260は、モード切替を行った旨の情報、及び表示制御の情報を上述の表示制御部210に出力する。
【0063】
メモリ300は、複数のアプリケーションプログラムを記憶する。メモリ300は、着脱可能な外部メモリを兼ねていてもよい。
また、メモリ300は、変形情報記憶部310と、検知内容―制御内容テーブル記憶部320とを含む。
【0064】
変形情報記憶部310は、変形検出部150からの検出結果情報(変形位置、変形度の情報)と、変形態様とが関連付けて記憶される検出情報−変形態様テーブル(不図示)を記憶する。変形情報記憶部310に記憶される検出情報−変形態様テーブルは、変形検知部230に参照される。
【0065】
検知内容―制御内容テーブル記憶部320は、検知内容―制御内容テーブル325を記憶する。
図9に示すように、検知内容―制御内容テーブル325は、検知内容と制御内容とが関連付けて格納されたテーブルである。
検知内容―制御内容テーブル325は、変形検知部230や姿勢検知部240により検知された検知内容と、検知内容に対応してアプリケーション制御部250、モード制御部26や表示制御部210により行われる制御内容とを関連付けて格納する。
【0066】
検知内容には、「状態」、「姿勢」、及び「変形態様」が設定される。
「状態」には、携帯電話機1における状態の情報であって、待ち受け状態、着信状態、アプリケーション動作中、通常モード/省電モード等の状態に関する情報が設定される。
「姿勢」には、ボディ部2における姿勢の情報であって、縦、横の情報が設定される。
「変形態様」には、ボディ部2における変形態様の情報であって、湾曲や折り曲げ等の情報が設定される。
【0067】
また、制御内容には、「動作」や「表示制御」が設定される。
「動作」には、アプリケーションの起動(アプリケーションの特定も含む)、ロック機能の設定/解除、受話、表示態様変更のための処理内容(拡大表示/縮小表示、ページ送り/戻し(スクロール含む))、モード切替等の動作内容に関する情報が設定される。
「表示制御」には、フレキシブルディスプレイ11に対して行われる表示制御の情報であって、変更表示される画面(起動されるアプリケーションの画面)、表示態様、表示状態の情報が設定される。
【0068】
ここで、検知内容―制御内容テーブル325について携帯電話機1における動作も含めて簡易に説明する。以下、検知内容―制御内容テーブル325におる上段から順に簡易に説明する。
【0069】
待ち受け状態であって、ボディ部2が縦姿勢の状態で水平方向に湾曲された場合、携帯電話機1は、メールアプリケーションを起動させ、表示面11aにおける表示画面を待受画面からメールアプリケーションの画面に変更させる。
【0070】
また、待ち受け状態であって、ボディ部2が縦姿勢の状態で下方角部両方が折り曲げられた場合、携帯電話機1は、上記と同様にメールアプリケーションを起動させ、表示面11aにおける表示画面を待受画面からメールアプリケーションの画面に変更させる。
【0071】
続けて、待ち受け状態であって、ボディ部2が横姿勢の状態で上方角部(一方で可)が折り曲げられた場合、携帯電話機1は、カメラアプリケーションを起動させ、表示面11aにおける表示画面を待受画面からカメラアプリケーションの画面に変更させる。
【0072】
また、待ち受け状態であって、ボディ部2が横姿勢の状態で水平方向に湾曲された場合、携帯電話機1は、テレビアプリケーションを起動させ、表示面11aにおける表示画面を待受画面からテレビアプリケーションの画面に変更させる。
【0073】
また、待ち受け状態であって、ボディ部2が縦姿勢の状態で垂直方向に湾曲された場合、携帯電話機1は、アドレス帳アプリケーションを起動させ、表示面11aにおける表示画面を待受画面からアドレス帳アプリケーションの画面に変更させる。
【0074】
また、待ち受け状態であって、ボディ部2が縦姿勢の状態で垂直方向に2回連続して湾曲された場合、携帯電話機1は、ロック機能アプリケーションを起動させ、表示面11aにおける表示画面を待受画面からロック機能設定/解除の画面に変更させる。
【0075】
また、着信状態(通話アプリケーションが動作中)であって、ボディ部2が縦姿勢の状態で垂直方向に湾曲された場合、携帯電話機1は、受話処理を行ない、表示面11aに表示される表示画面を着信画面から受話画面(通話画面)に変更させる。
【0076】
また、所定のアプリケーションが動作中であって、ボディ部2が縦又は横姿勢の状態で上方角部が折り曲げられた場合、携帯電話機1は、表示面11aに表示される画面を拡大表示/縮小表示させる。
【0077】
また、特定のアプリケーションが動作中であって、ボディ部2が縦又は横姿勢の状態で上方角部が折り曲げられた場合、携帯電話機1は、表示面11aに表示される画面をページ送り/戻し(スクロール含む)させる。
【0078】
また、通常モード又は省電モードであって、ボディ部2が縦又は横姿勢の状態で対角にある角部の双方が折り曲げられた場合、携帯電話機1は、表示面11aを表示状態/非表示状態に切り替える。
【0079】
ここで、上述の通り、異なる変形態様により、1つのアプリケーションを起動させるよう設定されていてもよい。
また、検知内容―制御内容テーブル325において、設定される検知内容や制御内容は、適宜変更されてもよい。例えば、ユーザが変形態様とアプリケーションとを組み合わせて独自に設定してもよい。
【0080】
アプリケーション動作部400は、アプリケーションを動作させる。アプリケーション動作部400は、アプリケーション制御部250からの制御に基づいて、所定のアプリケーションを動作させる。アプリケーション動作部400は、所定のアプリケーションを動作させると共に、表示制御に関する情報(画面情報等)を表示制御部210に出力する。
【0081】
続けて、図10から図15Cにより、携帯電話機1における動作について説明する。
図10は、携帯電話機1における動作の概要を説明するフローチャートである。図11Aは、携帯電話機1を第1変形態様に変形させるユーザの動作を説明する図である。図11Bは、携帯電話機1における第1変形態様を説明する模式図である。図11Cは、携帯電話機1を第1変形態様に変形させることでメールアプリケーションが起動された状態を説明する図である。図12Aは、携帯電話機1を第2変形態様に変形させるユーザの動作を説明する図である。図12Bは、携帯電話機1における第2変形態様を説明する模式図である。図12Cは、携帯電話機1を第2変形態様に変形させることでカメラアプリケーションが起動された状態を説明する図である。図13Aは、携帯電話機1を第3変形態様に変形させるユーザの動作を説明する図である。図13Bは、携帯電話機1における第3変形態様を説明する模式図である。図13Cは、携帯電話機1を第3変形態様に変形させることで受話処理された状態を説明する図である。図14Aは、携帯電話機1を第4変形態様に変形させるユーザの動作を説明する図である。図14Bは、携帯電話機1における第4変形態様を説明する模式図である。図14Cは、携帯電話機1を第4変形態様に変形させることで表示態様が拡大表示態様になった状態を説明する図である。図15Aは、携帯電話機1を第5変形態様に変形させるユーザの動作を説明する図である。図15Bは、携帯電話機1における第5変形態様を説明する模式図である。図15Cは、携帯電話機1を第5変形態様に変形させることで省電モードから通常モード(待受画面表示)になった状態を説明する図である。
【0082】
図10により、携帯電話機1における動作の概要について説明する。
図10に示すように、まず、ステップST1において、CPU200(変形検知部230)は、変形検出部150からの検出結果情報に基づいて、ボディ部2が変形したことを検知する。
ボディ部2における変形が検知された場合(ST1,YES)、CPU200は、処理をステップST2に進める。
ボディ部2における変形が検知されない場合(ST1,NO)、CPU200は、処理をステップST1の前に戻す。
【0083】
次いで、ステップST2において、CPU200(変形検知部230)は、変形情報記憶部310に記憶される検出情報−変形態様テーブル(不図示)を参照して、変形検出部150からの検出結果情報に基づいて、ボディ部2における変形態様を検知する。
【0084】
続けて、ステップST3において、CPU200(姿勢検知部240)は、加速度センサ160からの検出結果情報に基づいて、ボディ部2における姿勢を検知する。
【0085】
続けて、ステップST4において、CPU200は、検知内容−制御内容テーブル325を参照して、検知したボディ部2の変形態様及び姿勢に基づいて、検知内容に対応する制御が設定されているか判定する。
【0086】
対応する制御が設定されている場合(ST4,YES)、CPU200は、処理をステップST5に進める。
対応する制御が設定されていない場合(ST4,NO)、CPU200は、処理をステップST1の前に戻す。
【0087】
続けて、ステップST5において、CPU200は、設定された制御(表示制御)を行う。
以下、図11Aから図15Cに基づいて、携帯電話機1における動作の具体例について説明する。
【0088】
まず、図11Aから図11Cにより、携帯電話機1を第1変形態様に変形させることでメールアプリケーションが起動された状態を説明する。
図11Aに示すように、ユーザは、待ち受け状態の携帯電話機1(ボディ部2)を、筐体長手方向を基準として縦姿勢となるように持つと共に、人差し指と薬指とで水平方向外側(左右)を裏面2Bから保持し、親指で表面2A側から押すようにして携帯電話機1(ボディ部2)を変形させる。
これにより、図11Bに示すように、携帯電話機1は、ボディ部2(フレキシブルディスプレイ11)が水平方向において湾曲するように変形される(第1変形態様)。
この場合、携帯電話機1において、CPU200(アプリケーション制御部250)は、アプリケーション動作部400にメールアプリケーションを起動させる。
そして、図11Cに示すように、携帯電話機1において、CPU200(表示制御部210)は、表示画面を、待受画面からメールアプリケーションの画面に変更するようフレキシブルディスプレイ11に対して表示制御する。
これにより、携帯電話機1は、表示面11aに表示される画面を待受画面からメールアプリケーションの画面に変更する。
【0089】
次いで、図12Aから図12Cにより、携帯電話機1を第2変形態様に変形させることでカメラアプリケーションが起動された状態を説明する。
図12Aに示すように、ユーザは、待ち受け状態の携帯電話機1(ボディ部2)を、筐体長手方向を基準として横姿勢となるように持つと共に、人差し指で裏面2B側から押すようにして携帯電話機1(ボディ部2)を変形させる。
これにより、図12Bに示すように、携帯電話機1は、ボディ部2(フレキシブルディスプレイ11)が上方角部(右上の角部)が折れ曲がるようにして変形される(第2変形態様)。
この場合、携帯電話機1において、CPU200(アプリケーション制御部250)は、アプリケーション動作部400にカメラアプリケーションを起動させる。
そして、図12Cに示すように、携帯電話機1において、CPU200(表示制御部210)は、表示画面を、待受画面からカメラアプリケーションの画面に変更するようフレキシブルディスプレイ11に対して表示制御する。
これにより、携帯電話機1は、表示面11aに表示される画面を待受画面からカメラアプリケーションの画面に変更する。
【0090】
続けて、図13Aから図13Cにより、携帯電話機1を第3変形態様に変形させることで受話処理された状態を説明する。
図13Aに示すように、ユーザは、着信状態の携帯電話機1(ボディ部2)を、筐体長手方向を基準として縦姿勢となるように持つと共に、人差し指と薬指とで垂直平方向外側(上下)を裏面2Bから保持し、親指で表面2A側から押すようにして携帯電話機1(ボディ部2)を変形させる。
これにより、図13Bに示すように、携帯電話機1は、ボディ部2(フレキシブルディスプレイ11)が垂直方向において湾曲するように変形される(第3変形態様)。
この場合、携帯電話機1において、CPU200(アプリケーション制御部250)は、アプリケーション動作部400に受話処理させる。
そして、図13Cに示すように、携帯電話機1において、CPU200(表示制御部210)は、表示画面を、着信画面から通話画面に変更するようフレキシブルディスプレイ11に対して表示制御する。
これにより、携帯電話機1は、表示面11aに表示される画面を着信画面から通話画面に変更する。
【0091】
続けて、図14Aから図14Cにより、携帯電話機1を第4変形態様に変形させることで表示態様が拡大表示態様になった状態を説明する。
図14Aに示すように、ユーザは、メールアプリケーションが動作中の携帯電話機1(ボディ部2)を、筐体長手方向を基準として縦姿勢となるように持つと共に、人差し指で裏面2B側から押すようにして携帯電話機1(ボディ部2)を変形させる。
これにより、図14Bに示すように、携帯電話機1は、ボディ部2(フレキシブルディスプレイ11)が上方角部(右上の角部)が折れ曲がるようにして変形される(第4変形態様)。
そして、図14Cに示すように、携帯電話機1において、CPU200(表示制御部210)は、表示画面を拡大表示/縮小表示するようフレキシブルディスプレイ11に対して表示制御する。
これにより、携帯電話機1は、表示面11aに表示される画面を拡大表示態様/縮小表示態様に変更する。
【0092】
続けて、図15Aから図15Cにより、携帯電話機1を第5変形態様に変形させることで省電モードから通常モード(待受画面表示)になった状態を説明する。
図15Aに示すように、ユーザは、省電モードの携帯電話機1(ボディ部2)を、筐体長手方向を基準として縦姿勢となるように持つと共に、手のひらで裏面2Bから保持し、親指と小指とで握るようにして携帯電話機1(ボディ部2)を変形させる。
これにより、図15Bに示すように、携帯電話機1は、ボディ部2(フレキシブルディスプレイ11)が対角にある角部の双方が折り曲がるように変形される(第5変形態様)。
この場合、携帯電話機1において、CPU200(モード変更部260)は、各電子部品の設定を省電力設定とした省電モードから省電力設定を解除した通常モードにモードを切り替える。
そして、図15Cに示すように、携帯電話機1において、CPU200(表示制御部210)は、フレキシブルディスプレイ11を非表示状態から表示状態に切り替えるよう表示制御する。
これにより、携帯電話機1は、表示面11aを非表示状態から待受画面が表示された表示状態に変更する。
【0093】
本実施形態によれば、携帯電話機1は、外部から目立たない操作手段を有することができる。
また、本実施形態によれば、携帯電話機1は、外観に電源やモードの切替のための物理キーが配置されない構成をとることができる。
これにより、携帯電話機1は、美観に優れた構成となる。
また、物理キーに必要な部品等が必要ないため、携帯電話機1は、コンパクト化することができる。
【0094】
また、本実施形態によれば、携帯電話機1は、変形可能なボディ部を有する。ボディ部2は、フレキシブルディスプレイ11や変形可能な筐体3とを有して構成され、湾曲や折り曲げ等の変形可能に構成される。
そして、携帯電話機1は、ボディ部が変形されることで、変形態様に対応したアプリケーションを起動させる。
また、携帯電話機1は、ボディ部が変形されることで、省電力モードと通常モードとにモード切替ができる。
また、携帯電話機1は、ボディ部が変形されることで、表示態様を拡大/縮小表示等に変更することができる。
これにより、携帯電話機1は、簡易で直感的な操作が可能に構成される。本実施形態における携帯電話機1は、上述の動作において、フレキシブルタッチパネルからの入力も不要である。
【0095】
また、本実施形態によれば、携帯電話機1は、ボディ部の変形態様だけでなく、ボディ部における姿勢も検知可能に構成される。
これにより、携帯電話機1は、ボディ部の姿勢と変形態様とを組み見合わせることで、直感的な操作のバリエーションを増やすことができるように構成される。
【0096】
また、本実施形態によれば、携帯電話機1は、ボディ部の変形により所望のアプリケーションを起動等させることができるので、例えば、表示画面を待受画面から起動したアプリケーションの画面に変更するよう、フレキシブルディスプレイ11を表示制御することができる。
これにより、携帯電話機1は、ボディ部の変形に応じて、所定の表示制御をフレキシブルディスプレイ11に対して行うことができる。
これにより、携帯電話機1は、ボディ部を変形させることで、所望のアプリケーションの画面を表示させることができる。
また、携帯電話機1は、ボディ部を変形させることで、省電モードから通常モードに復帰させることができる。
また、携帯電話機1は、ボディ部を変形させることで、拡大/縮小表示等の表示態様の変更をさせることができる。
【0097】
また、本実施形態によれば、携帯電話機1は、フレキシブルタッチパネルを有すると共に、フレキシブルタッチパネルからの入力を受け付けたときにボディ部が変形されている場合には、フレキシブルタッチパネルからの入力を無効とする。
これにより、携帯電話機1は、不正確な入力受付を無効にすることができ、フレキシブルタッチパネルからの入力における正確性を維持できる。
【0098】
また、本実施形態によれば、筐体は、可撓性を有さない複数の筐体片と、複数の筐体片を該筐体が変形可能に接合する可動接合部とを有して構成される。
これにより、携帯電話機1は、所定の変形態様に変形可能に構成される。
【0099】
また、本実施形態によれば、筐体は、複数の筐体片同士が隙間部を有して配置されることで構成される。
これにより、携帯電話機1は、可撓性を有しない筐体片により構成されながら全体として変形可能な筐体を有する。
【0100】
また、本実施形態によれば、携帯電話機1は、ボディ部の内部に収容配置され、筐体片同士の隙間を介して外部に発光した光が視認可能なように配置された発光部を備える。
これにより、携帯電話機1は、隙間部を介して発光された光により、ユーザに着信等を報知できる。また、携帯電話機1は、筐体片と隙間に導光された光にとにより、美観に優れた外観を実現できる。
【0101】
また、本実施形態によれば、電子部品は、筐体片に収容されるように配置される。
これにより、携帯電話機1は、ボディ部における変形と、電子部品の破損抑制とを両立できる。
【0102】
また、本実施形態によれば、体積が大きく重量も大きなバッテリは、ボディ部における中央部に配置される。
これにより、携帯電話機1は、好適な重量バランスで構成される。
【0103】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
また、本実施形態において、携帯電話機1について説明したが、電子機器は、これに限定されず、例えば、デジタルカメラ、PHS(登録商標;Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、パソコン、ノートパソコン、携帯ゲーム装置等であってもよい。
【0104】
また、本実施形態において、筐体3は、図2示す構成(筐体片の数、形状、隙間等)であるが、これに限定されず、所望の変形形態に応じて、筐体片の数、形状、隙間の幅等を設定できる。
【0105】
また、本実施形態において、待受画面は、発着信を待ち受ける画面であるだけではなく、アプリケーションの起動を待ち受ける画面でもある。
【0106】
また、本実施形態において、携帯電話機1は、長手方向における一方にマイクが配置され、他方にスピーカが配置された構成であるが、この構成に限定されない。
例えば、携帯電話機1は、長手方向における両方にスピーカが配置され、マイクが裏面に配置される(長手方向のどちら側に向けて声を出しても声をひろうよう)構成であってもよい。つまり、携帯電話機1は、長手方向において、向き(配置)が限定されない構成とすることができる。
この場合、携帯電話機1は、加速度センサからの情報により垂直方向における上下を検知して、垂直方向上側のスピーカを機能させると共に、画面の向きを調整する表示制御をフレキシブルディスプレイ11に対して行う構成としてもよい。
【符号の説明】
【0107】
1 携帯電話機(携帯電子機器)
2 ボディ部
2A 表面
2A 裏面
3 筐体
11 フレキシブルディスプレイ
11a 表示面
12 フレキシブルタッチパネル
15 保護パネル
16 フレキシブルプリント基板
17 ラバーシート部(柔軟性シート状部材)
25 発光部
30a 筐体片
30b 筐体片
30c 筐体片
30d 筐体片
35 隙間部
40 可動接合部
150 変形検出部
160 加速度センサ
200 CPU(制御部)
210 表示制御部
220 入力受付部
230 変形検知部
240 姿勢検知部
250 アプリケーション制御部
260 モード変更部
300 メモリ
325 検知内容−変形内容テーブル
400 アプリケーション動作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボディ部と、
前記ボディ部を構成し、表示面が外部から視認可能に配置される変形可能なフレキシブルディスプレイと、
前記ボディ部を構成し、前記フレキシブルディスプレイにおける表示面と反対側の背面側を覆うように配置され、変形可能な筐体と、
前記ボディ部における変形を検出する変形検出部と、
前記変形検出部からの検出結果に基づいて前記ボディ部における変形を検知可能に構成されると共に、前記ボディ部における変形を検知した場合、所定の表示制御を前記フレキシブルディスプレイに対して行う制御部と、を備える
携帯電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、
前記検知したボディ部の変形に応じて、前記所定の表示制御として、
表示態様の変更、
アプリケーションの起動又は動作による表示内容の変更、
モード変更による表示態様の変更
の少なくともいずれかの表示制御を前記フレキシブルディスプレイに対して行う
請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
複数のアプリケーションを動作させるアプリケーション動作部と、を備え、
前記制御部は、前記検知したボディ部の変形に応じて、所定のアプリケーションを起動又は所定の動作をさせるよう前記アプリケーション動作部を制御する
請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記ボディ部に搭載される加速度センサと、を備え、
前記制御部は、前記加速度センサからの測定結果に基づいて前記ボディ部における姿勢を検知すると共に、当該姿勢及び前記検知したボディ部の変形態様に応じて、前記所定のアプリケーションを起動又は所定の動作をさせるよう前記アプリケーション動作部を制御する
請求項3に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、通常モードと省電モードとにモード切り替え可能であって、前記検知したボディ部の変形に応じて、モード切り替えを行う
請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記筐体は、
複数の筐体片と、
前記複数の筐体片を相互位置関係が変形可能となるよう接合する可動接合部と、を備える
請求項1から5のいずれかに記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記可動接合部は、前記フレキシブルディスプレイの背面側に配置される柔軟部材であり、
前記複数の筐体片は、前記柔軟部材における前記フレキシブルディスプレイと反対側に、それぞれ隙間を有して取り付けられる
請求項6に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記フレキシブルディスプレイに搭載され、前記フレキシブルディスプレイと一体的に変形可能であると共に、外部からの入力を受け付けるフレキシブルタッチパネルと、をさらに備える
請求項1から7のいずれかに記載の携帯電子機器。
【請求項9】
前記制御部は、前記ボディ部が変形していることを検知した場合、前記フレキシブルタッチパネルからの入力を無効とする
請求項8に記載の携帯電子機器。
【請求項10】
前記ボディ部の内部に収容配置され、発光した光が前記隙間を介して外部から視認可能なように配置される発光部と、を備える
請求項7に記載の携帯電子機器。
【請求項11】
電子部品が実装されるフレキシブル基板であって、前記フレキシブルディスプレイにおける背面側に配置され、前記隙間に重畳しない領域には前記制御部を含む電子部品が実装されるフレキシブル基板と、を備える
請求項7に記載の携帯電子機器。
【請求項12】
前記隙間に重畳しない領域であって、前記複数の筐体片における1の筐体片内部に収容配置されるバッテリと、を備える
請求項11に記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【公開番号】特開2012−199697(P2012−199697A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61711(P2011−61711)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】