説明

携帯電話機

【課題】本発明は、少数のLEDでユーザに対して効率的に情報通知を行うことできる携帯電話機を提供する。
【解決手段】ユーザへの通知情報に対して点灯方法と優先度とをそれぞれ関連付けて記憶する記憶手段と、通知情報を記憶手段により記憶された点灯方法に基づいて点灯又は点滅する点灯手段と、ユーザに対して通知すべき情報が発生したとき、そのとき既に点灯手段が別の情報に関して点灯している場合、記憶手段により記憶された情報に基づいて、そのとき既に通知している情報と新たに発生した通知情報との優先度が同レベルであるか否かを判断する判断手段(S403)と、優先度が同レベルであると判断された場合、その優先度に基づいて点灯手段に点灯させる通知情報を決定する点灯制御手段(S405乃至S411)と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通知を行うLEDを備え、ユーザに通知すべき情報が複数あった場合に、優先度に基づいて発光色や点灯方法を設定してLEDを点灯させることにより、ユーザに対してその情報を通知することができる携帯電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機の筐体外面に、ユーザに着呼を報知するためのLEDが備えられている場合が多い。そして、そのLEDの点灯方法あるいは点滅方法を変えることにより、着呼の報知のみでなく、保留の報知など、様々な報知を行うことができるようになっている。しかしながら、複数の報知が重なった場合には、先に報知していた内容が解決してから次の報知を行っていたため、優先すべき情報が優先的に報知されなかったり、先の報知が解決するまで後の報知を行うことができなかったりしていた。
【0003】
そこで、一つのLEDで複数種類の報知を行う場合に、優先順位に基づいて報知させることにより、優先する報知が他の報知により妨げられないように構成された電話装置が提案されている(特許文献1参照)。この電話装置は、点灯あるいは点滅を行うLEDと、着呼などの複数種類の報知を点灯方法あるいは点滅方法を変えて区別し、かつ、複数種類の報知時間が重なった場合には所定の優先順位に基づいて、LEDを点灯あるいは点滅させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−253105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、携帯電話機におけるユーザへの情報通知手段の一つとしてLEDが用いられる場合が多々あるが、携帯電話機の多機能化に伴ってユーザに通知すべき情報の種類も増えてきている。そこで、LEDを複数備え、各々のLEDを点灯または点滅させることにより、複数の情報を通知する携帯電話機が開発されてきた。しかしながら、携帯電話機の小型化、軽量化、低価格化に伴い、それぞれの情報通知に必要なLEDを携帯電話機に実装することが困難な場合も考えられる。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされてものであり、少数のLEDでユーザに対して効率的に情報通知を行うことができる携帯電話機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る携帯電話機は、ユーザへの通知情報に対して点灯方法と優先度とをそれぞれ関連付けて記憶する記憶手段と、前記通知情報を前記記憶手段により記憶された点灯方法に基づいて点灯又は点滅する点灯手段と、ユーザに対して通知すべき情報が発生したとき、そのとき既に前記点灯手段が別の情報に関して点灯している場合、前記記憶手段により記憶された情報に基づいて、そのとき既に通知している情報と新たに発生した通知情報との優先度が同レベルであるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により優先度が同レベルであると判断された場合、その優先度に基づいて前記点灯手段に点灯させる通知情報を決定する点灯制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る携帯電話機によると、少数のLEDでユーザに対して効率的に情報通知を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る携帯電話機を示す斜視図。
【図2】本発明に係る携帯電話機の機能を示すブロック図。
【図3】優先度情報を示すデータ構成図。
【図4】イルミネーション情報を示すデータ構成図。
【図5】本発明に係る携帯電話機がLED情報通知開始処理を行う際の手順を示すフローチャート
【図6】本発明に係る携帯電話機がLED情報通知処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図7】本発明に係る携帯電話機が優先度“1”LED通知処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図8】本発明に係る携帯電話機が優先度“2”LED通知処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図9】(A)及び(B)は、本発明に係る携帯電話機が優先度“2”LED通知処理を行う際にタッチスクリーンに表示される画面を示す画面遷移図。
【図10】(A)は、通知情報が例えば音楽再生中(優先度“2”)のみであった場合のLEDの点灯状態を示す図、(B)は、音楽再生中(優先度“2”)に電話着信(優先度“2”)が割り込んできた場合のLEDの点灯状態を示す図。
【図11】本発明に係る携帯電話機が優先度“3”LED通知処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図12】(A)は、通知情報が例えば充電中(優先度“3”)のみであった場合のLEDの点灯状態を示す図、(B)は、充電中(優先度“3”)に不在着信のお知らせ(優先度“3”)、未読メールのお知らせ(優先度“3”)が割り込んできた場合のLEDの点灯状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る携帯電話機の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。本発明に係る携帯電話機として、小型化、軽量化のために、入力手段及び出力手段の双方の役割を果たすタッチスクリーン11、ユーザに対して端末の状態を通知するためにLED15を筐体外面に備えた携帯電話機1を例に挙げて説明する。
【0011】
図1は、携帯電話機1を示す斜視図である。携帯電話機1は、図1に示すように、矩形の板状の筐体10を備えている。筐体10の表面には、データを表示するとともに接触によりデータを入力するタッチスクリーン11、音声を出力するためのスピーカ12、音声を入力するためのマイクロフォン13、押下されることにより指示を入力する複数の操作キー14、ユーザに対して携帯電話機1の状態を通知するためのLED15が設けられている。
【0012】
操作キー14は、例えば、タッチスクリーン11に表示されたカーソルを上下左右に移動させたり画面をスクロールさせたりするための方向キーや、電話発呼するための発呼キー、通話を終了するための終話キー、メール機能やWeb機能を起動するためのショートカットキーなどである。
【0013】
タッチスクリーン11は、文字や画像等からなる表示データを表示する表示機能、及び、ユーザが指や専用のペンで画面に触れた際にこの接触の位置を検知することにより指示を入力する入力機能の双方の機能を備えたディスプレイである。タッチスクリーン11は、例えばディスプレイの上に、表面に接触を検知するための素子が複数配置され、さらにその上に透明なスクリーンが積層されることにより形成されている。また、タッチスクリーン11上での接触を感知する方法は、圧力の変化を感知する感圧式であっても、静電気による電気信号を感知する静電式であっても、その他の方法であっても良い。
【0014】
次に、携帯電話機1の機能について、図2に示すブロック図を用いて説明する。携帯電話機1は、図2に示すように、主制御部20、電源回路部21、操作入力制御部22、表示制御部23、音声制御部24、通信制御部25、記憶部26、及びLED制御部27がバスによって相互に通信可能に接続されて構成されている。
【0015】
主制御部20は、CPU(Central Processing Unit)を具備し、携帯電話機1の総括的な制御を行うとともに、後述するLED情報通知開始処理、LED情報通知処理など、その他の様々な演算処理や制御処理などを行う。電源回路部21は、電源供給源(バッテリ等)を備え、所定の操作キー14を介した入力に基づいて携帯電話機1の電源のON/OFF状態を切り替え、電源がON状態の場合に電力供給源から各部に対して電力を供給して、携帯電話機1を動作可能にする。
【0016】
操作入力制御部22はタッチスクリーン11に対する入力インタフェースを備えていて、タッチスクリーン11に接触があったことを検知すると、その接触があった位置を示す信号を生成して主制御部20に伝送する。また、操作入力制御部22は操作キー14に対する入力インタフェースを備えていて、操作キー14が押下されたことを検知すると、その押下されたキーを示す信号を生成して主制御部20に伝送する。信号を受信した主制御部20は、この信号に基づいて様々な処理を行う。表示制御部23はタッチスクリーン11に対する表示インタフェースを備え、主制御部20の制御に基づいて、文書データや画像データ等をディスプレイ12に表示する。
【0017】
音声制御部24は、主制御部20の制御に基づいて、マイクロフォン13で集音された音声からアナログ音声信号を生成し、このアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換する。また音声制御部24は、デジタル音声信号を取得すると、主制御部20の制御に基づいて、このデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、スピーカ12から音声として出力する。
【0018】
通信制御部25は、主制御部20の制御に基づいて、基地局からアンテナ25aを介して受信した受信信号をスペクトラム逆拡散処理してデータを復元する。このデータは、主制御部20の指示により、音声制御部24に伝送されてスピーカ12から出力されたり、表示制御部23に伝送されてタッチスクリーン11に表示されたり、または記憶部26に記録されたりする。また通信制御部25は、主制御部20の制御に基づいて、マイクロフォン13で集音された音声データや、タッチスクリーン11または操作キー14を介して入力されたデータや記憶部26に記憶されたデータを取得すると、これらのデータに対してスペクトラム拡散処理を行い、基地局に対してアンテナ25aを介して送信する。
【0019】
記憶部26は、主制御部20が行う処理について、処理プログラムや処理に必要なデータ等を格納するROM(Read Only Memory)やハードディスク、不揮発性メモリ、データベース、主制御部20が処理を行う際に使用されるデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等から構成される。また、主制御部20が後述するLED情報通知開始処理、LED情報通知処理などを行う際の処理プログラムは、例えばROMに記憶されているものとする。
【0020】
LED制御部27は、LED15のON/OFF状態を切り替えるためのインタフェースを備えていて、主制御部20の制御に基づいて、LED15の点灯状態を切り替える。このときLED制御部27は、LED15の発光色をレッド、グリーン、ブルー、パープルなどのいずれかに設定したり、LEDの点灯方法を点灯、点滅などに設定したりすることにより、ユーザに対して携帯電話機1の様々な状態を通知することができる。
【0021】
携帯電話機1は、故障が発生したり、電話着信やメール着信があったり不在着信やメール未読のお知らせがあったりして、ユーザに対して通知すべき情報があった際に、予め設定されている優先度(ユーザが設定した優先度でも良い)に基づいて、通知すべき情報に応じて発光色や点灯方法を設定してLED15を点灯させる機能を備えている。
【0022】
そのため、記憶部26は、LED15を用いて通知を行う際の通知項目毎の優先度が示された優先度別通知項目情報30を記憶している。優先度別通知項目情報30は、図3に示すように、例えば重要度(1乃至3)に応じた優先度を示す優先度情報31と、その優先度に設定されている通知項目を示す通知項目情報32とが対応付けられた情報である。
【0023】
例えば図3によると、優先度が最も高い「優先度“1”(重要度:大)」を示す優先度情報31に対して、故障等の症状が発生した場合の通知、そのまま放置しておくとユーザに多大なる損害・被害をもたらす可能性がある場合の通知、ユーザに一刻も早く状況を通知する必要がある場合の通知などの通知項目情報32がそれぞれ対応付けられている。
【0024】
また、優先度が中程度の「優先度“2”(重要度:中)」を示す優先度情報31に対して、アラーム系のタイムアップ、メール着信時、着信時、音楽再生、等の場合の通知、ユーザに多大なる損害・被害をもたらす訳ではないが、ユーザにとっては重要な情報である場合の通知などの通知項目情報32がそれぞれ対応付けられている。
【0025】
また、優先度が最も低い「優先度“3”(重要度:小)」を示す優先度情報31に対して、充電中、メール着信お知らせ、不在着信お知らせなどがある場合の通知、最も優先度(重要度)が低く、たとえユーザがこの情報を見過ごしたとしてもユーザに与える損害・被害は極めて軽微である場合の通知などの通知項目情報32がそれぞれ対応付けられている。
【0026】
また、記憶部26は、イルミネーション情報40を記憶している。イルミネーション情報40は、図4に示すように、ユーザに対するお知らせや、その他のイベントが発生した場合の通知項目を示す通知項目情報41と、その通知項目を通知する際のLED15の発光色を示す発光色情報42とが関連付けられた情報である。
【0027】
例えば図4によると、「電話着信」の通知項目情報41に対して「レッド」の発光色情報42が、「メール着信」の通知項目情報41に対して「グリーン」の発光色情報42が、「配信確認」の通知項目情報41に対して「ブルー」の発光色情報42が、「充電中」の通知項目情報41に対して「パープル」の発光色情報42がそれぞれ対応付けられている。また、「アラーム」の通知項目情報41に対して「レッド」の発光色情報42が、「故障発生中」の通知項目情報41に対して「ブルー」の発光色情報42が、「音楽再生中」の通知項目情報41に対して「グリーン」の発光色情報42が、「ウェイクアップ時」の通知項目情報41に対して「レッド」の発光色情報42が、「ソフトウェア更新中」の通知項目情報41に対して「レッド」の発光色情報42がそれぞれ対応付けられている。
【0028】
携帯電話機1は、ユーザに対して通知すべき情報があった場合に、その情報に基づいて発光色や点灯方法を設定してLED15を点灯または点滅させて通知する。また、通知すべき情報が複数あった場合には、それらの通知情報に優先順位をつけ、この優先順位に従って、最も優先順位の高い通知情報を通知する。通知すべき情報が複数あり、同一の優先順位のものが複数存在したときには、緊急性が高くかつ短時間で通知が終了する可能性の高い情報であった場合(例えば優先度“2”の場合)、通知に伴いアクティブな動作(タッチスクリーン11での表示、音声発生、振動など)を行うものであれば、そのアクティブな動作に従うようにLED15での通知を行う。
【0029】
また、携帯電話機1で優先順位の低い通知情報を通知している最中に、同じ優先順位のLED情報通知要求が発生したときに、緊急性が低くかつ長時間通知が継続する可能性の高い情報であった場合(例えば優先度“3”の場合)、既存のLED15の制御に新たに要求のあったLED15の制御を割り込み制御し、ユーザに対して双方の通知情報を通知する。
【0030】
携帯電話機1が、ユーザに対して通知すべき情報があった場合に、LED15を点灯または点滅させてその情報を通知するLED情報通知処理を行う際の手順について、図5乃至8、図11に示すフローチャートに基づいて説明する。以下、例えば「ステップS101」を「S101」のように、「ステップ」の語句を省略して説明する。
【0031】
始めに、LED情報通知開始処理について、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。携帯電話機1において、優先度“1”の通知情報が発生した場合(携帯電話機1に故障が発生した場合など)、優先度“2”の通知情報が発生した場合(携帯電話機1に電話着信があった場合やメール着信があった場合や音楽再生中であった場合など)、優先度“3”の通知情報が発生した場合(充電中であった場合や不在着信や未読メールのお知らせがあった場合など)に、それらの通知情報をLED15にて通知するための要求(LED情報通知要求)が発生する。
【0032】
まず主制御部20は、LED情報通知要求が発生したか否かを判断する(S101)。LED情報通知要求が発生しなかった場合(S101のNo)は、主制御部20はそのまま終了する。LED情報通知要求が発生した場合(S101のYes)は、主制御部20は、通知要求のあった通知情報を、LED15を発光させることによりユーザに通知するLED情報通知処理を行う(S103)。
【0033】
このLED情報通知処理について、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。主制御部20は、ステップS101にて通知が要求された情報が、最も優先度の高い優先度“1”の通知情報であるか否かを判断する(S201)。優先度別通知項目情報30に基づいて、例えば携帯電話機1に故障が発生した場合に、優先度“1”の情報通知が要求される。ステップS101にて通知が要求された情報の優先度が“1”であった場合(S201のYes)は、主制御部20は、優先度“1”LED通知処理を行う(S203)。
【0034】
この優先度“1”LED通知処理について、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。優先度“1”の情報通知が要求された場合、主制御部20は、このときに既にいずれかのLED通知処理を実行しているか否かを判断する(S301)。LED通知処理を実行していた場合(S301のYes)は、優先度“1”の情報通知を最優先する必要があるため、主制御部20は、その実行中のLED通知処理を中断する(S303)。
【0035】
実行中のLED通知処理を中断した後、あるいはLED通知処理を実行していなかった場合(S301のNo)は、主制御部20は、ステップS101にて要求された優先度“1”のLED通知処理を開始する(S305)。例えば、ステップS101にて携帯電話機1に故障が発生した場合には、主制御部20は、イルミネーション情報40に基づいてLED15をブルーの発光色で点灯させる。この優先度“1”の情報通知は、他の全ての情報通知よりも優先される。
【0036】
次に、ステップS101にて通知が要求された情報の優先度が“1”でなかった場合(S201のNo)は、主制御部20は、この情報が、次に優先度の高い優先度“2”の通知情報であるか否かを判断する(S205)。そして、この情報の優先度が“2”であった場合(S205のYes)は、主制御部20は、優先度“2”LED通知処理を行う(S207)。
【0037】
この優先度“2”LED通知処理について、図8に示すフローチャートに基づいて説明する。優先度“2”の情報通知が要求された場合、主制御部20は、このときに既に優先度“1”のLED通知処理を実行しているか否かを判断する(S401)。優先度“1”のLED通知情報を実行している場合(S401のYes)は、この優先度“1”のLED通知処理が、新たに要求された優先度“2”のLED通知処理よりも優先されるので、この新たに要求された優先度“2”のLED通知を行わずに、優先度“2”LED通知処理を終了する。例えば、携帯電話機1が故障中(優先度“1”)であるときに、電話着信(優先度“2”)があった場合には、携帯電話機1は、電話着信のLED通知を行わずに故障中のLED通知のみを行う。
【0038】
優先度“2”の情報通知が要求されたときに、優先度“1”のLED通知情報を実行していなかった場合(S401のNo)は、主制御部20は、このときに既に優先度“2”のLED通知処理を実行しているか否かを判断する(S403)。
【0039】
優先度“2”のLED通知処理を実行していた場合(S403のYes)は、主制御部20は、その通知要求が、アクティブ画面表示の要求を含んでいるか否かを判断する(S405)。アクティブ画面表示の要求は、例えばその通知情報をタッチスクリーン11に表示する必要がある場合に発生する。
【0040】
アクティブ画面表示の要求があった場合(S405のYes)は、アクティブ画面での表示に伴ってLED15を点灯させるため、主制御部20は、タッチスクリーン11にアクティブ画面で通知情報を表示する(S407)。例えば、携帯電話機1で音楽再生中であって、図9(A)に示すように、タッチスクリーン11に音楽再生画面50が表示されているときに、携帯電話機1に電話着信があった場合には、主制御部20は、タッチスクリーン11に電話着信の通知情報を含んだ通知画面51を表示する。通知画面51には、例えば図9に示すように、「電話着信中 090−xxxx−xxxx」などの通知情報が表示されていて、ユーザは、この通知画面51を視認することにより通知内容を確認することができる。
【0041】
主制御部20は、LED15の点灯状態を、タッチスクリーン11における表示と連動させるために、ステップS403にて既に実行されていた優先度“2”のLED通知処理を中断する(S409)。そして、主制御部20は、ステップS101にて要求された優先度“2”のLED通知処理を開始する(S411)。例えば、主制御部20は、携帯電話機1で音楽再生中であって、図10(A)に示すように、LED15を音楽再生中である旨を示すグリーンの発光色で点灯させていたときに、携帯電話機1に電話着信があった場合には、図10(B)に示すように、LED15を電話着信中である旨を示すレッドの発光色に切り替えて点灯させる。
【0042】
新たに要求された優先度“2”のLED通知処理からアクティブ画面表示の要求がなかった場合(S405のNo)は、主制御部20は、この新たな通知要求に応じずに、優先度“2”LED通知処理を終了する。LED15の点灯をタッチスクリーン11の表示と連動させるために、ステップS101にて通知要求のあった情報がアクティブ画面表示を伴わない場合には、この新たに要求された優先度“2”のLED通知を行わずに、既に実行している優先度“2”のLED通知を継続する。携帯電話機1が例えばバックグラウンドでソフトウェア更新を行う場合など、ユーザに対して通知する必要のない処理を行っている場合には、主制御部20は、ステップS407乃至S411の処理を行わない。
【0043】
優先度“2”の情報通知が要求されたときに、優先度“1”または優先度“2”のLED通知情報を実行していなかった場合(S403のNo)は、主制御部20は、このときに既に優先度“3”のLED通知処理を実行しているか否かを判断する(S413)。
【0044】
優先度“3”のLED通知処理を実行していた場合(S413のYes)は、主制御部20は、ステップS413にて既に実行されていた優先度“3”のLED通知処理よりも、ステップS101にて要求されたLED通知処理の方を優先させるため、ステップS413にて既に実行されていた優先度“3”のLED通知処理を中断する(S415)。
【0045】
ステップS415にて優先度“3”のLED通知処理を中断した後、あるいは優先度“1”乃至“3”のいずれのLED通知処理も実行していなかった場合(S413のNo)、主制御部20は、ステップS101にて要求された優先度“2”のLED通知処理を開始する(S417)。例えば、ステップS101にて携帯電話機1に電話着信があった場合には、主制御部20は、イルミネーション情報40に基づいてLED15をレッドの発光色で点灯させる。
【0046】
次に、ステップS101にて通知が要求された情報の優先度が“1”でも“2”でもなかった場合(S205のNo)は、主制御部20は、この情報が、最も優先度の低い優先度“3”の通知情報であるか否かを判断する(S209)。そして、この情報の優先度が“3”であった場合(S209のYes)は、主制御部20は、優先度“3”LED通知処理を行う(S211)。
【0047】
この優先度“3”LED通知処理について、図11に示すフローチャートに基づいて説明する。優先度“3”の情報通知が要求された場合、主制御部20は、このときに既に優先度“1”のLED通知処理を実行しているか否かを判断する(S501)。優先度“1”のLED通知情報を実行している場合(S501のYes)は、この優先度“1”のLED通知処理が、新たに要求された優先度“3”のLED通知処理よりも優先されるので、この新たに要求された優先度“3”のLED通知を行わずに、優先度“3”LED通知処理を終了する。例えば、携帯電話機1が故障中(優先度“1”)であるときに、不在着信のお知らせ(優先度“3”)があった場合には、携帯電話機1は、不在着信のお知らせのLED通知を行わずに故障中のLED通知のみを行う。
【0048】
優先度“1”のLED通知処理を実行していない場合(S501のNo)は、主制御部20は、このときに既に優先度“2”のLED通知処理を実行しているか否かを判断する(S503)。優先度“2”のLED通知情報を実行している場合(S503のYes)は、この優先度“2”のLED通知処理が、新たに要求された優先度“3”のLED通知処理よりも優先されるので、この新たに要求された優先度“3”のLED通知を行わずに、優先度“3”LED通知処理を終了する。例えば、携帯電話機1が音楽再生中(優先度“2”)であるときに、不在着信のお知らせ(優先度“3”)があった場合には、携帯電話機1は、不在着信のお知らせのLED通知を行わずに音楽再生中のLED通知のみを行う。
【0049】
優先度“1”または優先度“2”のLED通知処理を実行していない場合(S503のNo)は、主制御部20は、このときに既に優先度“3”のLED通知処理を実行しているか否かを判断する(S505)。優先度“3”のLED通知情報を実行している場合(S505のYes)は、この優先度“3”のLED通知処理に、新たに要求された優先度“3”のLED通知処理を割り込ませて、双方のLED通知処理を交互に行う(S507)。例えば、主制御部20は、携帯電話機1で充電中であって、図12(A)に示すように、LED15を充電中である旨を示すパープルの発光色で点灯させていたときに、携帯電話機1に不在着信のお知らせ及び未読メールのお知らせがあった場合には、図12(B)に示すように、LED15を、充電中である旨を示すパープル、不在着信のお知らせがある旨を示すレッド、未読メールのお知らせがある旨を示すグリーンの発光色に交互に切り替えながら点灯させる。
【0050】
このように携帯電話機1は、通知情報毎に優先度を設定していて、ユーザに対して通知すべき情報が複数あったときに、優先度に基づいて通知すべき情報を選別して、LED15を点灯させることによりそれらの通知情報を通知する。具体的には、携帯電話機1は、ユーザに対して所定の情報を通知しているときに、最も優先度の高い優先度“1”の通知情報が発生したら、この新たな通知情報を何よりも優先して通知する。
【0051】
また携帯電話機1は、ユーザに対して所定の情報を通知しているときに、優先度“2”の通知情報が発生したら、そのとき既に優先度“1”の情報を通知していた場合には、優先度“1”の情報が優先されるため、新たに発生した優先度“2”の情報を通知しないが、そのとき既に優先度“3”の情報と通知していた場合には、優先度“2”の情報が優先されるため、新たに発生した優先度“2”の通知情報を優先して通知する。
【0052】
また、そのとき既に優先度“2”の情報と通知していた場合には、携帯電話機1は、タッチスクリーン11の動作に連携させるように、新たに発生した優先度“2”の情報をタッチスクリーン11にアクティブ画面として表示させるときには、新たに発生した優先度“2”の通知情報を優先して通知し、新たに発生した優先度“2”の情報をタッチスクリーン11にアクティブ画面として表示させないときには、新たに発生した優先度“2”の通知情報を通知しない。優先度“2”の通知情報は、「電話着信中」や「メール受信中」など、緊急性が高くかつ短時間で通知が終了する情報である可能性が高いため、新たに発生した通知情報を優先して通知する。また、LED15による通知をタッチスクリーン11の画面と連動させることで、ユーザに違和感を与えずに、新たな通知情報を通知することができる。
【0053】
さらに携帯電話機1は、ユーザに対して所定の情報を通知しているときに、最も優先度の低い優先度“3”の通知情報が発生したら、そのとき既に優先度“1”または“2”の情報を通知していた場合には、これらの優先度“1”または“2”の情報が優先されるため、新たに発生した優先度“3”の情報を通知しない。
【0054】
また、そのとき既に優先度“3”の情報と通知していた場合には、携帯電話機1は、そのとき既に通知をしていた優先度“3”の情報に割り込ませるようにして、新たに発生した優先度“3”の通知情報を通知する。優先度“3”の通知情報は、「充電中」や「不在着信のお知らせ」や「未読メールのお知らせ」など、緊急性が低くかつ長時間通知する必要がある情報である可能性が高いため、既に通知していた情報に新たに発生した情報を割り込ませて、複数の通知情報を交互に通知する。
【0055】
なお、実施形態として、携帯電話機1が表示手段としてタッチスクリーン11を備えている場合について説明したが、これに限定されず、液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイであっても良い。
【0056】
また、実施形態として、携帯電話機1がLED15を点灯させてユーザに状態を通知する際に上述したLED制御処理を行う場合について説明したが、これに限定されず、携帯電話機1がLED15を点滅させてユーザに状態を通知する場合にも、同様の処理を行うことができる。
【0057】
本発明に係る携帯電話機1によると、少数のLED15でユーザに対して効率的に情報通知を行うことが可能となる。また、ユーザに対して情報通知するために必要なLED15の数を削減することにより、携帯電話機1の小型化、軽量化、及び価格の低減に寄与することが可能となる。
【0058】
本発明の説明として、携帯電話機1について説明したが、これに限らず、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯音楽プレイヤー、携帯ビデオカメラ、携帯ゲーム機等、LEDなどの情報通知手段を備えている通信端末であれば、任意の通信端末であっても良い。
【符号の説明】
【0059】
1…携帯電話機,10…筐体,11…タッチスクリーン,12…スピーカ,13…マイクロフォン,14…操作キー,15…LED,20…主制御部,21…電源回路部,22…操作入力制御部,23…表示制御部,24…音声制御部,25…通信制御部,25a…アンテナ,26…記憶部,27…LED制御部,30…優先度別通知項目情報,31…優先度情報,32…通知項目情報,40…イルミネーション情報,41…通知項目情報,42…発光色情報,50…音楽再生中画面,51…通知画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザへの通知情報に対して点灯方法と優先度とをそれぞれ関連付けて記憶する記憶手段と、
前記通知情報を前記記憶手段により記憶された点灯方法に基づいて点灯又は点滅する点灯手段と、
ユーザに対して通知すべき情報が発生したとき、そのとき既に前記点灯手段が別の情報に関して点灯している場合、前記記憶手段により記憶された情報に基づいて、そのとき既に通知している情報と新たに発生した通知情報との優先度が同レベルであるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により優先度が同レベルであると判断された場合、その優先度に基づいて前記点灯手段に点灯させる通知情報を決定する点灯制御手段と、
を備えたことを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
前記点灯制御手段は、前記判断手段により既に通知している情報と新たに発生した情報との優先度が同レベルでないと判断された場合、最も優先度の高い情報に関して前記点灯手段を点灯させることを特徴とする請求項1記載の携帯電話機。
【請求項3】
データを表示する表示手段を備え、
前記点灯制御手段は、前記判断手段により既に通知している情報と新たに発生した情報との優先度が同レベルであると判断されたとき、その優先度が第1のレベルであったとき、新たに発生した情報が、前記表示手段によりアクティブ画面で表示される場合、この新たに発生した情報に関して前記点灯手段を点灯させることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の携帯電話機。
【請求項4】
前記点灯制御手段は、前記判断手段により既に通知している情報と新たに発生した情報との優先度が同レベルであると判断されたとき、その優先度が第2のレベルであった場合、既に通知している情報と新たに発生した情報とに関して前記点灯手段を交互に点灯させることを特徴とする請求項3記載の携帯電話機。
【請求項5】
前記第1のレベルは前記第2のレベルよりも優先レベルが高いことを特徴とする請求項4記載の携帯電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−226489(P2010−226489A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−72287(P2009−72287)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】