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携帯電話用筐体
説明

携帯電話用筐体

【課題】透明性、表面硬度、機械的強度に優れる上に、長期間屋外で使用されても透明性及び色相の変化が少なく、機械的強度の低下の問題もなく、色相及び機械的強度の長期耐久性と安定性に優れた携帯電話用筐体を提供する。
【解決手段】構造の一部に下記一般式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含むポリカーボネート樹脂を含むポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる携帯電話用筐体。このポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形体(厚さ3mm)をJIS B7753に準拠した条件で、サンシャインカーボンアークを用い、1000時間照射処理した際、照射処理前後のΔEが10以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物由来モノマーとして知られるイソソルビドなどの、特定の結合構造を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含むポリカーボネート共重合体を使用したポリカーボネート樹脂組成物よりなる携帯電話用筐体であって、透明性、表面硬度、機械的強度に優れる上に、長期間屋外で使用されても透明性及び色相の変化が少なく、機械的強度の低下の問題もなく、色相及び機械的強度の長期耐久性と安定性に優れた携帯電話用筐体に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート樹脂は、一般的にビスフェノール類をモノマー成分とし、透明性、耐熱性、機械的強度等の優位性を生かし、電気・電子部品、自動車用部品、医療用部品、建材、フィルム、シート、ボトル、光学記録媒体、レンズ等の分野でいわゆるエンジニアリングプラスチックスとして広く利用されている。
【0003】
従来のポリカーボネート樹脂は、長時間紫外線や可視光に曝露される場所で使用すると、色相や透明性、機械的強度が悪化するため、屋外や照明装置の近傍での使用に制限があった。また、種々成形品として使用する場合、溶融成形時に離型性が悪く、例えば、携帯電話用筐体等の微細な形状部位を有する成形品の成形に用いることが困難であるという問題があった。
【0004】
また、ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる携帯電話用筐体も知られている(例えば特許文献1)。携帯電話用筐体は、一般に、意匠性や耐傷付性を付与するため、成形品に塗装が施されるが、コスト増が問題となる。塗装を施さなければ、容易に傷が付き易く、色相が変化し易いという問題が発生する。
【0005】
このような問題を解決するために、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤やベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジン系紫外線吸収剤をポリカーボネート樹脂に添加する方法が広く知られている(例えば非特許文献1)。
ところが、このような紫外線吸収剤を添加した場合、紫外線照射後の色相などの改良は認められるものの、そもそもの樹脂の色相や耐熱性、透明性の悪化を招いたり、また成形時に揮発して金型を汚染する等の問題があった。
【0006】
また、ヒンダードアミン系(HALS)の光安定剤を、ポリカーボネート樹脂に添加することは、ポリカーボネート樹脂はアルカリなど塩基成分に常温においても不安定であり、HALSに対しても加水分解を受けるため、実用性がないことが広く知られている。
【0007】
従来のポリカーボネート樹脂に使用されるビスフェノール化合物は、ベンゼン環構造を有するために紫外線吸収が大きく、このことがポリカーボネート樹脂の耐光性悪化を招く。これに対して、分子骨格中にベンゼン環構造を持たない脂肪族ジヒドロキシ化合物や脂環式ジヒドロキシ化合物、イソソルビドのように分子内にエーテル結合を持つ環状ジヒドロキシ化合物モノマーユニットを使用すれば、原理的には耐光性が改良されることが期待される。中でも、バイオマス資源から得られるイソソルビドをモノマーとしたポリカーボネート樹脂は、耐熱性や機械的強度が優れていることから、近年数多くの検討がなされるようになってきた(例えば、特許文献2〜8)。
【0008】
しかしながら、上記脂肪族ジヒドロキシ化合物や脂環式ジヒドロキシ化合物、イソソルビドのように分子内にエーテル結合を持つ環状ジヒドロキシ化合物はフェノール性水酸基を有しないため、ビスフェノールAを原料とするポリカーボネート樹脂の製法として広く知られている界面法で重合させることは困難であり、通常、エステル交換法又は溶融法と呼ばれる方法で製造される。この方法では、上記ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネート等の炭酸ジエステルとを塩基性触媒の存在下、200℃以上の高温でエステル交換させ、副生するフェノール等を系外に取り除くことにより重合を進行させ、ポリカーボネート樹脂を得る。ところが、上記のようなフェノール性水酸基を有しないモノマーを用いて得られるポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールA等のフェノール性水酸基を有するモノマーを用いて得られたポリカーボネート樹脂に比べ熱安定性に劣っているために、高温にさらされる重合中や成形中に着色が起こり、結果的には紫外線や可視光を吸収して耐光性の悪化を招くという問題があった。中でも、イソソルビドのように分子内にエーテル結合を有するモノマーを用いた場合は色相悪化が著しく、大幅な改良が求められていた。更に、種々成形品として使用する場合には高温で溶融成形されるが、その際にも熱安定性がよく、成形性、離型性に優れた材料が求められていた。
【0009】
また、分子骨格中にベンゼン環構造を持たない、イソソルビド、イソマンニド、イソイティッドなどのように分子内にエーテル結合を持つジヒドロキシ化合物を使用したポリカーボネート樹脂組成物に、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、シアノアクリレート系を添加することが広く知られている(特許文献9)。
しかしながら、このような紫外線吸収剤を添加した場合、そもそもの樹脂の色相や耐熱性、耐候試験による透明性の悪化を招くという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−176612号公報
【特許文献2】国際公開第04/111106号パンフレット
【特許文献3】特開2006−232897号公報
【特許文献4】特開2006−28441号公報
【特許文献5】特開2008−24919号公報
【特許文献6】特開2009−91404号公報
【特許文献7】特開2009−91417号公報
【特許文献8】特開2008−274007号公報
【特許文献9】特開2007−70391号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】ポリカーボネート樹脂ハンドブック(1992年8月28日 日刊工業新聞社発行 本間精一編)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
このように、従来、イソソルビドなどの、特定の結合構造を有するジヒドロキシ化合物を用いたポリカーボネート樹脂の提案はなされているが、これらの文献で検討されているのは、ガラス転移温度、さらには基本的な機械的特性のみで、透明性や色相など光学的特性及び耐候性の改良については検討がなされていない。
一方で、植物由来モノマーとして知られるイソソルビドなどの、特定の結合構造を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含むポリカーボネート共重合体について、特に携帯電話用筐体としての用途において、耐候試験時の透明性や色相などの光学特性の悪化を改良することが望まれていた。
【0013】
本発明は、植物由来モノマーとして知られるイソソルビドなどの、特定の結合構造を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含むポリカーボネート共重合体を使用したポリカーボネート樹脂組成物よりなる携帯電話用筐体であって、透明性、表面硬度、機械的強度に優れる上に、長期間屋外で使用されても透明性及び色相の変化が少なく、機械的強度の低下の問題もなく、色相及び機械的強度の長期耐久性と安定性に優れた携帯電話用筐体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のポリカーボネート樹脂組成物が上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
【0015】
[1] 構造の一部に下記一般式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物(以下「ジヒドロキシ化合物(1)」と称す。)に由来する構造単位を少なくとも含むポリカーボネート樹脂を含むポリカーボネート樹脂組成物であって、前記ポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形体(厚さ3mm)をJIS B7753に準拠したブラックパネル温度63℃、相対湿度50%、1時間当たりの降雨スプレー時間12分の環境下にて、サンシャインカーボンアークを用い、放電電圧50V、放電電流60Aで、ガラスフィルターはAタイプを介して1000時間照射処理した後に、JIS K7105に準拠してC光源にて測定した該照射処理前後のΔEが10以下であるポリカーボネート樹脂組成物を成形してなることを特徴とする携帯電話用筐体。
【0016】
【化1】

【0017】
(但し、上記一般式(1)で表される部位が−CH−O−Hの一部である場合を除く。)
【0018】
[2] ジヒドロキシ化合物(1)が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする[1]に記載の携帯電話用筐体。
【0019】
【化2】

【0020】
[3] 前記ポリカーボネート樹脂が脂肪族ジヒドロキシ化合物及び脂環式ジヒドロキシ化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物に由来する構造単位をさらに含むことを特徴とする[1]又は[2]に記載の携帯電話用筐体。
【0021】
[4] 前記ポリカーボネート樹脂が、該ポリカーボネート樹脂を構成する全ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位に対して、ジヒドロキシ化合物(1)に由来する構造単位を、90mol%以下含有することを特徴とする[1]乃至[3]のいずれかに記載の携帯電話用筐体。
【0022】
[5] 前記ポリカーボネート樹脂組成物が、耐光安定剤を含有することを特徴とする[1]乃至[4]のいずれかに記載の携帯電話用筐体。
【0023】
[6] 前記ポリカーボネート樹脂組成物中の耐光安定剤の含有量が、前記ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、0.0001重量部〜1重量部であることを特徴とする[5]に記載の携帯電話用筐体。
【0024】
[7] 前記耐光安定剤がアミン化合物であることを特徴とする[5]又は[6]に記載の携帯電話用筐体。
【0025】
[8] 前記ポリカーボネート樹脂組成物が、離型剤を含有することを特徴とする[1]乃至[7]のいずれかに記載の携帯電話用筐体。
【0026】
[9] 前記ポリカーボネート樹脂組成物中の離型剤の含有量が、前記ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、0.0001重量部〜1重量部であることを特徴とする[7]に記載の携帯電話用筐体。
【0027】
[10] 前記ポリカーボネート樹脂組成物が、酸化防止剤を含有することを特徴とする[1]乃至[9]のいずれかに記載の携帯電話用筐体。
【0028】
[11] 前記ポリカーボネート樹脂組成物中の酸化防止剤の含有量が、前記ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、0.0001重量部〜1重量部であることを特徴とする[10]に記載の携帯電話用筐体。
【0029】
[12] 前記ポリカーボネート樹脂組成物が、着色剤を含有することを特徴とする[1]乃至[11]のいずれか1項に記載の携帯電話用筐体。
【0030】
[13] 射出成形法により成形されたものであることを特徴とする[1]乃至[12]のいずれかに記載の携帯電話用筐体。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、植物由来モノマーとして知られるイソソルビドなどの、特定の結合構造を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含むポリカーボネート共重合体を使用したポリカーボネート樹脂組成物よりなる携帯電話用筐体であって、透明性、表面硬度、機械的強度に優れる上に、長期間屋外で使用されても透明性及び色相の変化が少なく、機械的強度の低下の問題もなく、色相及び機械的強度の長期耐久性と安定性に優れた携帯電話用筐体が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の内容に限定されない。
【0033】
[ポリカーボネート樹脂組成物]
まず、本発明の携帯電話用筐体の構成材料であるポリカーボネート樹脂組成物(以下「本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物」と称す場合がある。)について説明する。
【0034】
本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物は、構造の一部に下記一般式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物(ジヒドロキシ化合物(1))に由来する構造単位を少なくとも含むポリカーボネート樹脂(以下「本発明に用いるポリカーボネート樹脂」と称す場合がある。)を含むポリカーボネート樹脂組成物であって、このポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形体(厚さ3mm)をJIS B7753に準拠したブラックパネル温度63℃、相対湿度50%、1時間当たりの降雨スプレー時間12分の環境下にて、サンシャインカーボンアークを用い、放電電圧50V、放電電流60Aで、ガラスフィルターはAタイプを介して1000時間照射処理した後に、JIS K7105に準拠してC光源にて測定した該照射処理前後のΔEが10以下であることにより、優れた耐光性を有するだけでなく、優れた成形性、透明性、色相、耐熱性、熱安定性、表面硬度及び機械的強度を兼備するものである。
【0035】
【化3】

【0036】
(但し、上記一般式(1)で表される部位が−CH−O−Hの一部である場合を除く。)
【0037】
尚、本発明におけるサンシャインカーボンアークを用いた照射処理の詳細については後述するが、特定の装置で、特定のフィルターなどを用い、主として300nm以上、1100nm以下の波長の光を、ブラックパネル温度63℃、相対湿度50%、1時間当たりの降雨スプレー時間12分の環境下にて、サンシャインカーボンアークを用い、放電電圧50V、放電電流60Aで、試料に1000時間照射することをいう。以下、この照射処理を「特定照射処理I」と称す場合がある。
【0038】
また、本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物は、このポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形体(厚さ3mm)について、成形後、特定照射処理Iを行う前に、C光源にて測定した初期のL,a,b値(以下、それぞれ「L」,「a」,「b」と称する場合がある。)と、この成形体に対して特定照射処理を行った後に、同様にC光源にて測定したL,a,b値(以下、それぞれ「L」,「a」,「b」と称する場合がある。)より求めたΔEが10以下であり、好ましくは8以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは4以下である。尚、ΔEは次式より求められる。
ΔE=√((L−L+(a−a+(b−b
このΔEが大きい場合は、携帯電話用筐体を長期間屋外等で使用したとき、光学特性の長期耐久性と安定性に劣る場合がある。
【0039】
本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物はまた、このポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形体(JIS K7113準拠、厚さ4mm1号形試験片)をJIS B7753に準拠したブラックパネル温度63℃、相対湿度50%、1時間当たりの降雨スプレー時間12分の環境下にて、サンシャインカーボンアークを用い、放電電圧50V、放電電流60Aで、ガラスフィルターはAタイプを介して1000時間照射処理(このサンシャインカーボンアークを用いた照射処理の詳細については後述するが、以下、この照射処理を「特定照射処理II」と称す場合がある。)した後に、JIS K7113に準拠して測定した引張強度の、該特定照射処理II前に同様に測定した引張強度(以下「初期引張強度」と称す場合がある。)の割合の百分率(即ち、(特定照射処理II後の引張強度/初期引張強度)×100。以下、この割合を「引張強度保持率」と称す場合がある。)が好ましくは80%以上であり、より好ましくは90%以上であり、特に好ましくは100%であって、長期間屋外等で使用した場合の引張強度等の機械的強度の低下の殆どないものである。
なお、上記初期引張強度は、携帯電話用筐体としての十分な機械的強度を確保する上で、40MPa以上であることが好ましく、特に50MPa以上であることが好ましい。
【0040】
また、本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物は、このポリカーボネート樹脂組成物から成形した成形体のJIS K5600−5−4に準拠して測定した鉛筆硬度がHB以上であることが好ましく、F以上であることがより好ましく、H以上であることが更に好ましい。鉛筆硬度が過度に低いと、このポリカーボネート樹脂組成物よりなる本発明の携帯電話用筐体の表面が傷つきやすく、例えば、飛砂等により外観不良を起こす可能性がある。
【0041】
上記のようなポリカーボネート樹脂組成物であれば、本発明の効果を奏するが、そのようなポリカーボネート樹脂組成物は、例えば、ポリカーボネート樹脂製造時の触媒の種類と量を適宜選択する;重合時の温度及び時間を適宜選択する;ポリカーボネート樹脂組成物中の紫外線吸収能を有する化合物、例えば、残存フェノール、残存ジフェニルカーボネートを減らす;原料モノマーとして紫外領域に吸収能を持つ物質の使用量を減らす;原料中の不純物として含まれる紫外領域に吸収能を持つ物質の使用量を減らす;ポリカーボネート樹脂組成物に耐光安定剤を含有させる;ポリカーボネート樹脂を構成する構造単位のうち、構造の一部に下記一般式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位の含有量を少なくする;等して製造することができる。
【0042】
【化4】

【0043】
(但し、上記一般式(1)で表される部位が−CH−O−Hの一部である場合を除く。)
【0044】
以下、本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物を製造するための方法について詳述する。
【0045】
{ポリカーボネート樹脂}
<原料>
(ジヒドロキシ化合物)
本発明に用いるポリカーボネート樹脂は、構造の一部に下記一般式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物(1)に由来する構造単位を少なくとも含む。
【0046】
即ち、ジヒドロキシ化合物(1)は、2つのヒドロキシル基と、更に下記一般式(1)で表される部位を少なくとも含むものをいう。
【0047】
【化5】

【0048】
(但し、上記一般式(1)で表される部位が−CH−O−Hの一部である場合を除く。)
【0049】
本発明に用いるポリカーボネート樹脂を構成する全てのジヒドロキシ化合物に由来する構造単位に対する、ジヒドロキシ化合物(1)に由来する構造単位の割合は、好ましくは90mol%以下、更に好ましくは85mol%以下、特に好ましくは80mol%以下である。一方、好ましくは20mol%以上、更に好ましくは30mol%以上、特に好ましくは40mol%以上である。
【0050】
ジヒドロキシ化合物(1)に由来する構造単位の割合が多過ぎると、本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物を成形し得られる成形品にサンシャインカーボンアークを用いた照射処理を施した際、割れが生じる場合があり、また透明性が悪化しヘイズが大きくなる場合がある。ただし、後述する耐光安定剤、中でも所定量のヒンダードアミン系耐光安定剤をポリカーボネート樹脂組成物に含有させることにより、この割れを防止することも可能である。このように割れが生じる原因の詳細は明らかではないが、ジヒドロキシ化合物(1)に由来する構造単位の割合が多過ぎると、得られる成形品の表面が紫外線照射劣化、加水分解し、ポリカーボネート樹脂の分子量が低下するためと考えられる。ただし、上述の通り、耐光安定剤をポリカーボネート樹脂組成物に含有させることにより、成形品の割れを防止することが可能である。この原因の詳細は明らかではないが、耐光安定剤により、成形品の表面の紫外線照射劣化、加水分解が抑制され、ポリカーボネート樹脂の分子量が低下し難いためと考えられる。
【0051】
一方、ポリカーボネート樹脂中のジヒドロキシ化合物(1)に由来する構造単位の割合が少な過ぎると、得られる成形品の耐熱性が低下する場合がある。
【0052】
ジヒドロキシ化合物(1)としては、構造の一部に上記一般式(1)で表される部位を有するものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどのオキシアルキレングリコール、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチル−6−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)フルオレン等のフェニル置換フルオレン等、側鎖に芳香族基を有し、主鎖に芳香族基に結合したエーテル基を有する化合物、下記一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物に代表される無水糖アルコール、下記一般式(3)で表されるスピログリコール等の環状エーテル構造を有する化合物(環状エーテル)が挙げられるが、中でも、入手のし易さ、ハンドリング、重合時の反応性、得られるポリカーボネート樹脂の色相の観点から、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールが好ましく、耐熱性の観点からは、下記一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物に代表される無水糖アルコール、下記一般式(3)で表される環状エーテル構造を有する化合物が好ましい。
【0053】
これらは得られるポリカーボネート樹脂の要求性能に応じて、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0054】
【化6】

【0055】
【化7】

【0056】
上記一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物としては、立体異性体の関係にある、イソソルビド、イソマンニド、イソイデットが挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0057】
これらのジヒドロキシ化合物のうち、芳香環構造を有しないジヒドロキシ化合物を用いることがポリカーボネート樹脂の耐光性の観点から好ましく、中でも植物由来の資源として豊富に存在し、容易に入手可能な種々のデンプンから製造されるソルビトールを脱水縮合して得られるイソソルビドが、入手及び製造のし易さ、耐光性、光学特性、成形性、耐熱性、カーボンニュートラルの面から最も好ましい。
【0058】
本発明に用いるポリカーボネート樹脂は、上記ジヒドロキシ化合物(1)以外のジヒドロキシ化合物(以下「その他のジヒドロキシ化合物」と称す場合がある。)に由来する構造単位を含んでいてもよく、その他のジヒドロキシ化合物としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,5−ヘプタンジオール、1,6−ヘキサンジオールの等の脂肪族ジヒドロキシ化合物、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、2,6−デカリンジメタノール、1,5−デカリンジメタノール、2,3−デカリンジメタノール、2,3−ノルボルナンジメタノール、2,5−ノルボルナンジメタノール、1,3−アダマンタンジメタノール等の脂環式ジヒドロキシ化合物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[=ビスフェノールA]、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−(3,5−ジフェニル)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロロジフェニルエーテル、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ−2−メチル)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)フルオレン等の芳香族ビスフェノール類が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0059】
中でも、ポリカーボネート樹脂の耐光性の観点からは、分子構造内に芳香環構造を有しないジヒドロキシ化合物、即ち脂肪族ジヒドロキシ化合物及び/又は脂環式ジヒドロキシ化合物が好ましく、脂肪族ジヒドロキシ化合物としては、特に1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールが好ましく、脂環式ジヒドロキシ化合物としては、特に1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノールが好ましい。
【0060】
これらのその他のジヒドロキシ化合物を用いることにより、ポリカーボネート樹脂の柔軟性の改善、成形性の改善などの効果を得ることも可能であるが、その他のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位の含有割合が多過ぎると、機械的物性の低下や、耐熱性の低下を招くことがあるため、ポリカーボネート樹脂中の全ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位に対するジヒドロキシ化合物(1)に由来する構造単位の割合が、前述の下限値以上となるように用いることが好ましい。
【0061】
なお、ポリカーボネート樹脂の合成に供されるジヒドロキシ化合物(1)は、還元剤、抗酸化剤、脱酸素剤、光安定剤、制酸剤、pH安定剤、熱安定剤等の安定剤を含んでいても良く、特に酸性下で本発明のジヒドロキシ化合物は変質しやすいことから、塩基性安定剤を含むことが好ましい。
【0062】
塩基性安定剤としては、長周期型周期表(Nomenclature of Inorganic Chemistry IUPAC Recommendations2005)における1族又は2族の金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、硼酸塩、脂肪酸塩や、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド等の塩基性アンモニウム化合物、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリン等のアミン系化合物が挙げられる。その中でも、その効果と後述する蒸留除去のしやすさから、ナトリウム又はカリウムのリン酸塩、亜リン酸塩が好ましく、中でもリン酸水素2ナトリウム、亜リン酸水素2ナトリウムが好ましい。
【0063】
これら塩基性安定剤のジヒドロキシ化合物(1)中の含有量に特に制限はないが、少なすぎるとジヒドロキシ化合物(1)の変質を防止する効果が得られない可能性があり、多すぎるとジヒドロキシ化合物(1)の変性を招く場合があるので、通常、ジヒドロキシ化合物(1)に対して、0.0001重量%〜1重量%、好ましくは0.001重量%〜0.1重量%である。
【0064】
なお、これら塩基性安定剤を含有したジヒドロキシ化合物(1)をポリカーボネート樹脂の製造原料として用いると、塩基性安定剤自体が重合触媒となり、重合速度や品質の制御が困難になるだけでなく、初期色相の悪化を招き、結果的に成形品の耐光性を悪化させるため、ポリカーボネート樹脂の製造原料として使用する前に塩基性安定剤をイオン交換樹脂や蒸留等で除去することが好ましい。
【0065】
ジヒドロキシ化合物(1)がイソソルビド等、環状エーテル構造を有する場合には、酸素によって徐々に酸化されやすいので、保管や、製造時には、酸素による分解を防ぐため、水分が混入しないようにし、また、脱酸素剤等を用いたり、窒素雰囲気下で取り扱うことが肝要である。イソソルビドが酸化されると、蟻酸等の分解物が発生する場合がある。例えば、これら分解物を含むイソソルビドをポリカーボネート樹脂の製造原料として使用すると、得られるポリカーボネート樹脂更にはポリカーボネート樹脂組成物の着色を招く可能性があり、また、物性を著しく劣化させる可能性があるだけではなく、重合反応に影響を与え、高分子量の重合体が得られない場合もある。
【0066】
上記酸化分解物を含まないジヒドロキシ化合物(1)を得るために、また、前述の塩基性安定剤を除去するためには、蒸留精製を行うことが好ましい。この場合の蒸留とは単蒸留であっても、連続蒸留であってもよく、特に限定されない。蒸留の条件としてはアルゴンや窒素などの不活性ガス雰囲気において、減圧下で蒸留を実施することが好ましく、熱による変性を抑制するためには、250℃以下、好ましくは200℃以下、特には180℃以下の条件で行うことが好ましい。
【0067】
このような蒸留精製で、ジヒドロキシ化合物(1)中の蟻酸等の分解物の含有量を20重量ppm以下、好ましくは10重量ppm以下、特に好ましくは5重量ppm以下にすることにより、ジヒドロキシ化合物(1)を含むジヒドロキシ化合物をポリカーボネート樹脂の製造原料として使用した際に、重合反応性を損なうことなく色相や熱安定性に優れたポリカーボネート樹脂の製造が可能となる。蟻酸等の分解物の含有量の測定はイオンクロマトグラフィーで行う。
【0068】
(炭酸ジエステル)
本発明に用いるポリカーボネート樹脂は、上述したジヒドロキシ化合物(1)を含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを原料として、エステル交換反応により重縮合させて得ることができる。
【0069】
反応に用いられる炭酸ジエステルとしては、通常、下記一般式(4)で表されるものが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0070】
【化8】

【0071】
(一般式(4)において、A及びAは、それぞれ置換もしくは無置換の炭素数1〜炭素数18の脂肪族基又は置換もしくは無置換の芳香族基であり、AとAとは同一であっても異なっていてもよい。)
【0072】
上記一般式(4)で表される炭酸ジエステル(以下「炭酸ジエステル(4)」と称す場合がある。)としては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート及びジ−t−ブチルカーボネート等が例示されるが、好ましくはジフェニルカーボネート、置換ジフェニルカーボネートであり、特に好ましくはジフェニルカーボネートである。
【0073】
なお、炭酸ジエステルは、塩化物イオンなどの不純物を含む場合があり、これらの不純物が重合反応を阻害したり、得られるポリカーボネート樹脂の色相を悪化させたりする場合があるため、必要に応じて、蒸留などにより精製したものを使用することが好ましい。
【0074】
<エステル交換反応触媒>
本発明に用いるポリカーボネート樹脂は、上述のようにジヒドロキシ化合物(1)を含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル(4)とをエステル交換反応させて製造される。より詳細には、エステル交換させ、副生するモノヒドロキシ化合物等を系外に除去することによって得られる。この場合、通常、エステル交換反応触媒存在下でエステル交換反応により重縮合を行う。
【0075】
本発明に用いるポリカーボネート樹脂の製造時に使用し得るエステル交換反応触媒(以下、単に「触媒」、「重合触媒」と言うことがある)は、特に得られるポリカーボネート樹脂組成物の波長350nmにおける光線透過率や、イエローインデックス(YI)値に影響を与え得る。
【0076】
用いられる触媒としては、製造されたポリカーボネート樹脂組成物の耐光性、透明性、色相、耐熱性、熱安定性、成形性及び機械的強度のうち、とりわけて耐光性を満足させ得るものであれば、限定されないが、長周期型周期表における1族又は2族(以下、単に「1族」、「2族」と表記する。)の金属化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物の1種又は2種以上が挙げられる。好ましくは1族金属化合物及び/又は2族金属化合物が使用される。
【0077】
1族金属化合物及び/又は2族金属化合物と共に、補助的に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物を併用することも可能であるが、1族金属化合物及び/又は2族金属化合物のみを使用することが特に好ましい。
【0078】
また、1族金属化合物及び/又は2族金属化合物の形態としては通常、水酸化物、又は炭酸塩、カルボン酸塩、フェノール塩といった塩の形態で用いられるが、入手のし易さ、取扱いの容易さから、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩が好ましく、色相と重合活性の観点からは酢酸塩が好ましい。
【0079】
1族金属化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸セシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸セシウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素セシウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、フェニル化ホウ素カリウム、フェニル化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素セシウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸セシウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、リン酸水素2セシウム、フェニルリン酸2ナトリウム、フェニルリン酸2カリウム、フェニルリン酸2リチウム、フェニルリン酸2セシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウムのアルコレート、フェノレート、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2リチウム塩、2セシウム塩等が挙げられ、中でもリチウム化合物が好ましい。
【0080】
2族金属化合物としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等が挙げられ、中でもマグネシウム化合物、カルシウム化合物、バリウム化合物が好ましく、重合活性と得られるポリカーボネート樹脂組成物の色相の観点から、マグネシウム化合物及び/又はカルシウム化合物が更に好ましく、最も好ましくはカルシウム化合物である。
【0081】
塩基性ホウ素化合物としては、例えば、テトラメチルホウ素、テトラエチルホウ素、テトラプロピルホウ素、テトラブチルホウ素、トリメチルエチルホウ素、トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホウ素、トリエチルメチルホウ素、トリエチルベンジルホウ素、トリエチルフェニルホウ素、トリブチルベンジルホウ素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホウ素、ベンジルトリフェニルホウ素、メチルトリフェニルホウ素、ブチルトリフェニルホウ素等のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、マグネシウム塩、あるいはストロンチウム塩等が挙げられる。
【0082】
塩基性リン化合物としては、例えば、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、あるいは四級ホスホニウム塩等が挙げられる。
【0083】
塩基性アンモニウム化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
【0084】
アミン系化合物としては、例えば、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリン等が挙げられる。
【0085】
上記重合触媒の使用量は、通常、重合に使用した全ジヒドロキシ化合物1mol当たり0.1μmol〜300μmol、好ましくは0.5μmol〜100μmolであり、中でもリチウム及び2族からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を含む化合物を用いる場合、特にはマグネシウム化合物及び/又はカルシウム化合物を用いる場合は、金属量として、前記全ジヒドロキシ化合物1mol当たり、通常、0.1μmol以上、好ましくは0.5μmol以上、特に好ましくは0.7μmol以上とする。また上限としては、通常20μmol、好ましくは10μmol、さらに好ましくは3μmol、特に好ましくは1.5μmol、中でも1.0μmolが好適である。
【0086】
触媒量が少なすぎると、重合速度が遅くなるため結果的に所望の分子量のポリカーボネート樹脂を得ようとすると、重合温度を高くせざるを得なくなり、得られたポリカーボネート樹脂の色相や耐光性が悪化したり、未反応の原料が重合途中で揮発して本発明のジヒドロキシ化合物(1)を含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル(4)のモル比率が崩れ、所望の分子量に到達しない可能性がある。一方、重合触媒の使用量が多すぎると、得られるポリカーボネート樹脂の色相の悪化を招き、ポリカーボネート樹脂の耐光性が悪化する可能性がある。
【0087】
更に、炭酸ジエステル(4)として、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネートを用いて、本発明に用いるポリカーボネート樹脂を製造する場合は、フェノール、置換フェノールが副生して、ポリカーボネート樹脂中に残存し、ポリカーボネート樹脂組成物中にも含有することは避けられないが、残存したフェノール、置換フェノールも芳香環を有することから紫外線を吸収し、耐光性の悪化要因になる場合があるだけでなく、成形時の臭気の原因となる場合がある。
【0088】
ポリカーボネート樹脂中には、通常のバッチ反応後は1000重量ppm以上の副生フェノール等の芳香環を有する芳香族モノヒドロキシ化合物が含まれているが、耐光性や臭気低減の観点からは、脱揮性能に優れた横型反応器や真空ベント付の押出機を用いて、これらを脱揮除去し、ポリカーボネート樹脂中の前記芳香族モノヒドロキシ化合物の含有量が700重量ppm以下、好ましくは500重量ppm以下、特には300重量ppm以下とすることが好ましい。ただし、ポリカーボネート樹脂中の芳香族モノヒドロキシ化合物を工業的に完全に除去することは困難であり、ポリカーボネート樹脂中の芳香族モノヒドロキシ化合物の含有量の下限は通常1重量ppmである。
【0089】
尚、これら芳香族モノヒドロキシ化合物は、用いる原料により、当然置換基を有していてもよく、例えば、炭素数が5以下であるアルキル基などを有していてもよい。
【0090】
また、1族金属、中でもリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、特にはナトリウム、カリウム、セシウムは、ポリカーボネート樹脂中に多く含まれると色相に悪影響を及ぼす可能性がある一方で、該金属は使用する触媒からのみではなく、原料や反応装置から混入する場合があるため、ポリカーボネート樹脂中のこれらの金属の合計量は、金属量として、通常1重量ppm以下、好ましくは0.8重量ppm以下、より好ましくは0.7重量ppm以下となるようにする。
【0091】
ポリカーボネート樹脂中の金属量は、湿式灰化などの方法でポリカーボネート樹脂中の金属を回収した後、原子発光、原子吸光、Inductively Coupled Plasma(ICP)等の方法を使用して測定することが出来る。
【0092】
<製造方法>
本発明に用いるポリカーボネート樹脂は、ジヒドロキシ化合物(1)を含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル(4)とをエステル交換反応により重縮合させることによって得られるが、原料であるジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルは、エステル交換反応前に均一に混合することが好ましい。
【0093】
混合の温度は通常80℃以上、好ましくは90℃以上であり、その上限は通常250℃以下、好ましくは200℃以下、更に好ましくは150℃以下である。中でも100℃以上120℃以下が好適である。混合の温度が低すぎると溶解速度が遅かったり、溶解度が不足する可能性があり、しばしば固化等の不具合を招く。混合の温度が高すぎるとジヒドロキシ化合物の熱劣化を招く場合があり、結果的に得られるポリカーボネート樹脂の色相が悪化し、耐光性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0094】
本発明に用いるポリカーボネート樹脂の原料であるジヒドロキシ化合物(1)を含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル(4)とを混合する操作は、酸素濃度10vol%以下、更には0.0001vol%〜10vol%、中でも0.0001vol%〜5vol%、特には0.0001vol%〜1vol%の雰囲気下で行うことが、色相悪化防止の観点から好ましい。
【0095】
本発明に用いるポリカーボネート樹脂を得るためには、炭酸ジエステル(4)は、反応に用いるジヒドロキシ化合物(1)を含むジヒドロキシ化合物に対して、0.90〜1.20のモル比率で用いることが好ましく、さらに好ましくは、0.95〜1.10のモル比率である。
【0096】
このモル比率が小さくなると、製造されたポリカーボネート樹脂の末端水酸基が増加して、得られるポリカーボネート樹脂の熱安定性が悪化し、成形時に着色を招いたり、エステル交換反応の速度が低下したり、所望する高分子量体が得られない可能性がある。また、このモル比率が大きくなると、エステル交換反応の速度が低下したり、所望とする分子量のポリカーボネート樹脂の製造が困難となる場合がある。エステル交換反応速度の低下は、重合反応時の熱履歴を増大させ、結果的に得られたポリカーボネート樹脂の色相や耐光性を悪化させる可能性がある。
【0097】
更には、ジヒドロキシ化合物(1)を含むジヒドロキシ化合物に対して、炭酸ジエステル(4)のモル比率が増大すると、得られるポリカーボネート樹脂中の残存炭酸ジエステル量が増加し、結果として本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物中の炭酸ジエステル含有量も増大する。ポリカーボネート樹脂組成物中の残存炭酸ジエステルは、紫外線を吸収してポリカーボネート樹脂組成物の耐光性を悪化させる場合がある。本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物中の炭酸ジエステルの濃度は、好ましくは60重量ppm以下、更に好ましくは40重量ppm以下、特に好ましくは30重量ppm以下である。現実的にポリカーボネート樹脂組成物中には未反応の炭酸ジエステルを含むことがあり、濃度の下限値は通常1重量ppmである。
【0098】
ジヒドロキシ化合物(1)を含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル(4)とを重縮合させる方法は、上述の触媒の存在下、通常、複数の反応器を用いて多段階で実施される。反応の形式は、バッチ式、連続式、あるいはバッチ式と連続式の組み合わせのいずれの方法でもよい。
【0099】
重合初期においては、相対的に低温、低真空でプレポリマーを得、重合後期においては相対的に高温、高真空で所定の値まで分子量を上昇させることが好ましいが、各分子量段階でのジャケット温度と内温、反応系内の圧力を適切に選択することが色相や耐光性の観点から重要である。例えば、重合反応が所定の値に到達する前に温度、圧力のどちらか一方でも早く変化させすぎると、未反応のモノマーが留出し、ジヒドロキシ化合物(1)を含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル(4)のモル比を狂わせ、重合速度の低下を招いたり、所定の分子量や末端基を持つポリカーボネート樹脂が得られなかったりして、結果的に本発明の目的を達成することができない可能性がある。
【0100】
更には、留出するモノマーの量を抑制するために、重合反応器に還流冷却器を用いることは有効であり、特に未反応モノマー成分が多い重合初期の反応器でその効果は大きい。還流冷却器に導入される冷媒の温度は使用するモノマーに応じて適宜選択することができるが、通常、還流冷却器に導入される冷媒の温度は該還流冷却器の入口において45℃〜180℃であり、好ましくは、80℃〜150℃、特に好ましくは100℃〜130℃である。還流冷却器に導入される冷媒の温度が高すぎると還流量が減り、その効果が低下し、低すぎると、本来留去すべきモノヒドロキシ化合物の留去効率が低下する傾向にある。冷媒としては、温水、蒸気、熱媒オイル等が用いられ、蒸気、熱媒オイルが好ましい。
【0101】
重合速度を適切に維持し、モノマーの留出を抑制しながら、最終的なポリカーボネート樹脂組成物の色相や熱安定性、耐光性等を損なわないようにするためには、前述の触媒の種類と量の選定が重要である。
【0102】
本発明に用いるポリカーボネート樹脂は、触媒を用いて、複数の反応器を用いて多段階で重合させて製造することが好ましいが、重合を複数の反応器で実施する理由は、重合反応初期においては、反応液中に含まれるモノマーが多いために、必要な重合速度を維持しつつ、モノマーの揮散を抑制することが重要であり、重合反応後期においては、平衡を重合側にシフトさせるために、副生するモノヒドロキシ化合物を十分留去させることが重要になるためである。このように、異なった重合反応条件を設定するには、直列に配置された複数の重合反応器を用いることが、生産効率の観点から好ましい。
【0103】
本発明に用いるポリカーボネート樹脂の製造に使用される反応器は、上述の通り、少なくとも2基以上であればよいが、生産効率などの観点からは、3基以上、好ましくは3〜5基、特に好ましくは、4基である。
反応器が2基以上であれば、その反応器内で、更に条件の異なる反応段階を複数持たせる、連続的に温度・圧力を変えていく、などしてもよい。
【0104】
重合触媒は原料調製槽や原料貯槽に添加することもできるし、重合槽に直接添加することもできるが、供給の安定性、重合の制御の観点からは、重合槽に供給される前の原料ラインの途中に触媒供給ラインを設置し、好ましくは水溶液として供給する。
【0105】
重合反応の温度は、低すぎると反応速度の低下や反応時間の延長などにより生産性が低下し、高すぎるとモノマーの揮散を招くだけでなく、ポリカーボネート樹脂の分解や着色を助長する可能性がある。
【0106】
具体的には、第1段目の反応は、重合反応器の内温の最高温度として、140℃〜270℃、好ましくは180℃〜240℃、更に好ましくは200℃〜230℃で、110kPa〜1kPa、好ましくは70kPa〜5kPa、更に好ましくは30kPa〜10kPa(絶対圧力)の圧力下、0.1時間〜10時間、好ましくは0.5時間〜3時間、発生するモノヒドロキシ化合物を反応系外へ留去しながら実施される。
【0107】
第2段目以降は、反応系の圧力を第1段目の圧力から徐々に下げ、引き続き発生するモノヒドロキシ化合物を反応系外へ除きながら、最終的には反応系の圧力(絶対圧力)を200Pa以下にして、内温の最高温度210℃〜270℃、好ましくは220℃〜250℃で、通常0.1時間〜10時間、好ましくは、1時間〜6時間、特に好ましくは0.5時間〜3時間行う。
【0108】
特にポリカーボネート樹脂の着色や熱劣化を抑制し、色相や耐光性の良好なポリカーボネート樹脂を得るには、全反応段階における内温の最高温度が250℃未満、特に225℃〜245℃であることが好ましい。また、重合反応後半の重合速度の低下を抑止し、熱履歴による劣化を最小限に抑えるためには、重合の最終段階でプラグフロー性と界面更新性に優れた横型反応器を使用することが好ましい。
【0109】
所定の分子量のポリカーボネート樹脂を得るために、重合温度を高く、重合時間を長くし過ぎると、紫外線透過率が下がり、得られるポリカーボネート樹脂のイエローインデックス(YI)値が大きくなる傾向にある。
【0110】
副生したモノヒドロキシ化合物は、資源有効活用の観点から、必要に応じ精製を行った後、炭酸ジフェニルやビスフェノールA等の原料として再利用することが好ましい。
【0111】
上記のようにして得られたポリカーボネート樹脂は、重縮合後、通常、冷却固化させ、回転式カッター等でペレット化される。
【0112】
ペレット化の方法は限定されるものではないが、最終重合反応器から溶融状態で抜き出し、ストランドの形態で冷却固化させてペレット化させる方法、最終重合反応器から溶融状態で一軸又は二軸の押出機に樹脂を供給し、溶融押出しした後、冷却固化させてペレット化させる方法、又は、最終重合反応器から溶融状態で抜き出し、ストランドの形態で冷却固化させて一旦ペレット化させた後に、再度一軸又は二軸の押出機に樹脂を供給し、溶融押出しした後、冷却固化させてペレット化させる方法等が挙げられる。
【0113】
その際、押出機中で、残存モノマーの減圧脱揮や、通常知られている、熱安定剤、中和剤、耐光安定剤、離型剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、潤滑剤、可塑剤、相溶化剤、難燃剤等を添加、混練することも出来る。
【0114】
押出機中の、溶融混練温度は、ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度や分子量に依存するが、通常150℃〜300℃、好ましくは200℃〜270℃、更に好ましくは230℃〜260℃である。溶融混練温度が150℃より低いと、ポリカーボネート樹脂の溶融粘度が高く、押出機への負荷が大きくなり、生産性が低下する。300℃より高いと、ポリカーボネート樹脂の熱劣化が激しくなり、分子量の低下による機械的強度の低下や着色、ガスの発生を招く。
【0115】
本発明に用いるポリカーボネート樹脂を製造する際には、異物の混入を防止するため、押出機にフィルターを設置することが望ましい。フィルターの設置位置は押出機の下流側が好ましく、フィルターの異物除去の大きさ(目開き)は、99%除去の濾過精度として100μm以下が好ましい。特に、微少な異物の混入を嫌う場合は、40μm以下、さらには10μm以下が好ましい。
【0116】
本発明に用いるポリカーボネート樹脂の押出は、押出後の異物混入を防止するために、好ましくはJISB 9920(2002年)に定義されるクラス7、更に好ましくはクラス6より清浄度の高いクリーンルーム中で実施することが望ましい。
【0117】
また、押出されたポリカーボネート樹脂を冷却しチップ化する際は、空冷、水冷等の冷却方法を使用するのが好ましい。空冷の際に使用する空気は、ヘパフィルター等で空気中の異物を事前に取り除いた空気を使用し、空気中の異物の再付着を防ぐのが望ましい。水冷を使用する際は、イオン交換樹脂等で水中の金属分を取り除き、さらにフィルターにて、水中の異物を取り除いた水を使用することが望ましい。用いるフィルターの目開きは、99%除去の濾過精度として10μm〜0.45μmであることが好ましい。
【0118】
このようにして得られた本発明に用いるポリカーボネート樹脂の分子量は、還元粘度で表すことができ、還元粘度は、通常0.30dL/g以上であり、0.35dL/g以上が好ましく、還元粘度の上限は、通常1.20dL/g以下であり、1.00dL/g以下がより好ましく、0.80dL/g以下が更に好ましい。
ポリカーボネート樹脂の還元粘度が低すぎると成形品の機械的強度が小さい可能性があり、大きすぎると、成形する際の流動性が低下し、生産性や成形性を低下させる傾向がある。
【0119】
尚、ポリカーボネート樹脂の還元粘度は、溶媒として塩化メチレンを用い、ポリカーボネート溶液の濃度を0.6g/dLに精密に調製し、温度20.0℃±0.1℃でウベローデ粘度管を用いて測定する。
【0120】
更に本発明に用いるポリカーボネート樹脂中の下記一般式(5)で表される末端基の濃度(末端フェニル基濃度)の下限量は、好ましくは20μeq/g、更に好ましくは40μeq/g、特に好ましくは50μeq/gであり、上限量は好ましくは160μeq/g、更に好ましくは140μeq/g、特に好ましくは100μeq/gである。
【0121】
【化9】

【0122】
ポリカーボネート樹脂の上記一般式(5)で表される末端基の濃度が、高すぎると重合直後や成形時の色相が良くても、紫外線曝露後の色相の悪化を招く可能性があり、逆に低すぎると熱安定性が低下するおそれがある。
【0123】
上記一般式(5)で表される末端基の濃度を制御するには、原料であるジヒドロキシ化合物(1)を含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル(4)のモル比率を制御する他、エステル交換反応時の触媒の種類や量、重合圧力や重合温度を制御する方法等が挙げられる。
【0124】
また、本発明に用いるポリカーボネート樹脂中の芳香環に結合した水素原子の当量数を「A」、芳香環以外に結合した水素原子の当量数を「B」とした場合、芳香環に結合した水素原子の当量数の全水素原子の当量数に対する比率は、A/(A+B)で表されるが、耐光性には上述のように、紫外線吸収能を有する芳香族環が影響を及ぼす可能性があるため、A/(A+B)は0.05以下であることが好ましく、更に好ましくは0.04以下、特に好ましくは0.02以下、好適には0.01以下である。A/(A+B)は、H−NMRで定量することができる。
【0125】
{耐光安定剤}
本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物は、耐光安定剤を含有することが好ましい。
耐光安定剤とは、主に紫外線等の光による樹脂の劣化を防止し、光に対する安定性を向上させる作用を有するものであり、耐光安定剤としては、紫外線などの光を吸収し、そのエネルギーを熱エネルギーなどのポリマーの分解に寄与しないエネルギーとして変換して放出するものが挙げられる。より具体的には、紫外線そのものを吸収する紫外線吸収剤や、ラジカル捕捉作用のある耐光安定剤等を挙げることができる。
【0126】
なかでも本発明で用いる耐光安定剤としては、塩基性化合物が好ましく、更にはアミン化合物が好ましい。通常、ポリカーボネート樹脂は、アルカリなどの塩基成分に対して常温でも不安定であることが知られており、アミン化合物によっても加水分解を受けることが知られているが、本発明で使用するポリカーボネート樹脂においては逆に、塩基性化合物を混合することにより、更にはアミン化合物を混合することにより、紫外線などの光に対する安定性が飛躍的に向上し、しかも加水分解などの劣化が非常に小さくなる。なかでも、窒素が環式構造の一部となっている構造を有するものが好ましく、ピペリジン構造を有するヒンダードアミン系耐光安定剤であることがより好ましい。ここで規定するピペリジン構造には、飽和6員環状のアミン構造となっていれば如何なる構造であっても構わず、ピペリジン構造の一部が置換基により置換されているものも含む。該ピペリジン構造が有していてもよい置換基としては、炭素数4以下のアルキル基が挙げられ、特にはメチル基が好ましい。アミン化合物としては、更には、ピペリジン構造を複数有する化合物が好ましく、複数のピペリジン構造を有する場合、それらのピペリジン構造がエステル構造により連結されている化合物が好ましい。特には下記式(6)で表される化合物が好ましい。
【0127】
【化10】

【0128】
上記式(6)で表される化合物よりなる耐光安定剤の市販品としては、ADEKA社製「アデカスタブLA−77」がある。
その他、市販の耐光安定剤としては、下記式(7)で表されるヒンダードアミン系耐光安定剤であるBASFジャパン社製「チヌビン765」、下記式(8)で表されるヒンダードアミン系耐光安定剤であるBASFジャパン社製「キマソーブ944FDL」、下記式(9)で表されるヒンダードアミン系耐光安定剤であるBASFジャパン社製「キマソーブ2020FDL」などを用いることもできる。
【0129】
【化11】

【0130】
これらの耐光安定剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0131】
このような耐光安定剤をポリカーボネート樹脂組成物に含有させることにより、前記特定照射処理I前後のΔEを小さくすることができ、白濁が防止され、透明性及び機械的強度に優れたポリカーボネート樹脂成形品としての携帯電話用筐体を得ることができる。
【0132】
本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物中のかかる耐光安定剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して好ましくは0.0001重量部〜1重量部、更に好ましくは0.001重量部〜0.8重量部、特に好ましくは0.01重量部〜0.5重量部、最も好ましくは0.05重量部〜0.15重量部である。耐光安定剤の含有量が多過ぎると、着色する傾向があり、一方、少な過ぎると耐候試験に対する十分な改良効果が得られない傾向がある。
【0133】
{離型剤}
本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物は溶融成形時の金型からの離型性をより向上させるために、更に離型剤を含有していることが好ましい。
【0134】
離型剤としては、高級脂肪酸、一価又は多価アルコールの高級脂肪酸エステル、蜜蝋等の天然動物系ワックス、カルナバワックス等の天然植物系ワックス、パラフィンワックス等の天然石油系ワックス、モンタンワックス等の天然石炭系ワックス、オレフィン系ワックス、シリコーンオイル、オルガノポリシロキサン等が挙げられ、高級脂肪酸、一価又は多価アルコールの高級脂肪酸エステルが特に好ましい。
【0135】
高級脂肪酸エステルとしては、置換又は無置換の炭素数1〜炭素数20の一価又は多価アルコールと置換又は無置換の炭素数10〜炭素数30の飽和脂肪酸との部分エステル又は全エステルが好ましい。かかる一価又は多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステル又は全エステルとしては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸モノグリセリド、ベヘニン酸ベヘニル、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、ビフェニルビフェネ−ト、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレート等が挙げられる。なかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ベヘニン酸ベヘニルが好ましく用いられる。
【0136】
高級脂肪酸としては、置換又は無置換の炭素数10〜炭素数30の飽和脂肪酸が好ましい。このような飽和脂肪酸としては、ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等が挙げられる。
【0137】
これらの離型剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
【0138】
かかる離型剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、好ましくは0.0001重量部以上、更に好ましくは0.01重量部以上、特に好ましくは0.1重量部以上、一方、好ましくは1重量部以下、更に好ましくは0.7重量部以下、特に好ましくは0.5重量部以下である。
【0139】
ポリカーボネート樹脂に配合する前記離型剤の添加時期、添加方法は特に限定されない。添加時期としては、例えば、エステル交換法でポリカーボネート樹脂を製造した場合は重合反応終了時;さらに、重合法に関わらず、ポリカーボネート樹脂と他の配合剤との混練途中等のポリカーボネート樹脂が溶融した状態のとき;押出機等を用い、ペレット又は粉末等の固体状態のポリカーボネート樹脂とブレンド・混練する際;等が挙げられる。添加方法としては、ポリカーボネート樹脂に前記離型剤を直接混合又は混練する方法;少量のポリカーボネート樹脂又は他の樹脂等と前記離型剤を用いて作成した高濃度のマスターバッチとして添加する方法;などを採用することができる。
【0140】
{酸化防止剤}
本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物は、酸化防止剤を含んでいても良い。
【0141】
酸化防止剤としてはホスファイト系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができるが、好ましくは、ホスファイト系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤の併用である。
【0142】
(ホスファイト系酸化防止剤)
ホスファイト系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
【0143】
これらの中でも、トリスノニルフェニルホスファイト、トリメチルホスフェート、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましく使用される。これらの化合物は、1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
【0144】
ホスファイト系酸化防止剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、好ましくは0.0001重量部以上、更に好ましくは0.0002重量部以上、特に好ましくは0.0003重量部以上、一方、好ましくは1重量部以下、更に好ましくは0.1重量部以下、特に好ましくは0.01重量部以下である。
ホスファイト系酸化防止剤の含有量が過度に少ないと、成形時の着色抑制効果が不十分になることがある。また、ホスファイト系酸化防止剤の含有量が過度に多いと、射出成形時における金型への付着物が多くなったりすることにより、製品の表面外観が損なわれるおそれがある。
【0145】
(フェノール系酸化防止剤)
フェノール系酸化防止剤としては、例えばペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、グリセロール−3−ステアリルチオプロピオネート、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等の化合物が挙げられる。
【0146】
これらの化合物の中でも、炭素数5以上のアルキル基によって1つ以上置換された芳香族モノヒドロキシ化合物が好ましく、具体的には、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が好ましく、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が更に好ましい。
【0147】
ここで、フェノール系酸化防止剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、好ましくは、0.0001重量部以上、さらに好ましくは0.0002重量部以上、特に好ましくは0.0003重量部以上、一方、好ましくは1重量部以下、更に好ましくは0.1重量部以下、特に好ましくは0.01重量部以下である。
フェノール系酸化防止剤の含有量が過度に少ないと、成形時の着色抑制効果が不十分になることがある。また、フェノール系酸化防止剤の含有量が過度に多いと、射出成形時における金型への付着物が多くなったりすることにより、製品の表面外観が損なわれるおそれがある。
【0148】
(イオウ系酸化防止剤)
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ラウリルステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ビス[2−メチル−4−(3−ラウリルチオプロピオニルオキシ)−5−tert−ブチルフェニル]スルフィド、オクタデシルジスルフィド、メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト−6−メチルベンズイミダゾール、1,1’−チオビス(2−ナフトール)などを挙げることができる。上記のうち、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)が好ましい。
【0149】
ここで、イオウ系酸化防止剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、好ましくは、0.0001重量部以上、さらに好ましくは0.0002重量部以上、特に好ましくは0.0003重量部以上、一方、好ましくは1重量部以下、更に好ましくは0.1重量部以下、特に好ましくは0.01重量部以下である。
イオウ系酸化防止剤の含有量が過度に少ないと、成形時の着色抑制効果が不十分になることがある。また、イオウ系酸化防止剤の含有量が過度に多いと、射出成形時における金型への付着物が多くなったりすることにより、製品の表面外観が損なわれるおそれがある。
【0150】
本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物はホスファイト系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤をそれぞれ単独で含有しても着色抑制の効果の発現は乏しく、双方含有することで、成形時の着色抑制に多大な効果を発揮する可能性がある。
ホスファイト系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤を併用する場合、これらの合計でポリカーボネート樹脂100重量部に対し、好ましくは0.0001重量部以上、更に好ましくは0.0002重量部以上、特に好ましくは0.0003重量部以上、一方、好ましくは1重量部以下、更に好ましくは0.5重量部以下、特に好ましくは0.3重量部以下となるように用いることが好ましい。
【0151】
ポリカーボネート樹脂に配合する前記酸化防止剤の添加時期、添加方法は特に限定されない。添加時期としては、例えば、エステル交換法でポリカーボネート樹脂を製造した場合は重合反応終了時;さらに、重合法に関わらず、ポリカーボネート樹脂と他の配合剤との混練途中等のポリカーボネート樹脂が溶融した状態のとき;押出機等を用い、ペレット又は粉末等の固体状態のポリカーボネート樹脂とブレンド・混練する際;等が挙げられる。添加方法としては、ポリカーボネート樹脂に前記酸化防止剤を直接混合又は混練する方法;少量のポリカーボネート樹脂又は他の樹脂等と前記酸化防止剤を用いて作成した高濃度のマスターバッチとして添加する方法などを採用することができる。
【0152】
{その他の添加剤}
本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物は、射出成形機内の滞留時間が長くなった場合における着色を抑制するために、更に酸性化合物又はその誘導体を含有していてもよい。
【0153】
酸性化合物又はその誘導体としては、例えば、塩酸、硝酸、ホウ酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、アゼライン酸、アデノシンリン酸、安息香酸、ギ酸、吉草酸、クエン酸、グリコール酸、グルタミン酸、グルタル酸、ケイ皮酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、シュウ酸、p−トルエンスルフィン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、ピクリン酸、ピコリン酸、フタル酸、テレフタル酸、プロピオン酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルホン酸、マロン酸、マレイン酸等のブレンステッド酸及びそのエステル類が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0154】
これらの酸性化合物又はその誘導体の中でも、スルホン酸類又はそのエステル類が好ましく、中でも、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸ブチルが特に好ましい。
【0155】
酸性化合物又はその誘導体の配合量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、好ましくは0.00001重量部以上、更に好ましくは0.0001重量部以上、特に好ましくは0.0002重量部以上、一方、好ましくは0.1重量部以下、更に好ましくは0.01重量部以下、特に好ましくは0.001重量部以下である。
酸性化合物又はその誘導体の配合量が過度に少ないと、射出成形する際に、ポリカーボネート樹脂組成物の射出成形機内の滞留時間が長くなった場合における着色を抑制することが充分に出来ない場合がある。また、酸性化合物又はその誘導体の配合量が過度に多いと、ポリカーボネート樹脂組成物の耐加水分解性が著しく低下する場合がある。
【0156】
これらの酸性化合物又はその誘導体は、上述したポリカーボネート樹脂の重縮合反応において使用される塩基性エステル交換触媒を中和する化合物として、ポリカーボネート樹脂組成物の製造工程において添加することができる。
【0157】
本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、着色剤を含有することができる。
【0158】
本発明に用いる着色剤としては特に制限が無いが、無機顔料、有機顔料、有機染料等が挙げられ、着色できるものであれば特に制限は無い。
【0159】
無機顔料としては具体的には例えば、カーボンブラック;酸化チタン、亜鉛華、弁柄、酸化クロム、鉄黒、チタンイエロー、亜鉛−鉄系ブラウン、銅−クロム系ブラック、銅−鉄系ブラック等の酸化物系顔料等;が挙げられる。
【0160】
有機顔料及び有機染料としては具体的には例えばフタロシアニン系染顔料;アゾ系、チオインジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系等の縮合多環染顔料;アンスラキノン系、ペリノン系、ペリレン系、メチン系、キノリン系、複素環系、メチル系の染顔料等;が挙げられる。
【0161】
これら着色剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0162】
本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物に配合する前記着色剤の添加時期、添加方法は特に限定されない。添加時期としては、例えば、エステル交換法でポリカーボネート樹脂を製造した場合は重合反応終了時;さらに、重合法に関わらず、ポリカーボネート樹脂と他の配合剤との混練途中等のポリカーボネート樹脂が溶融した状態のとき;押出機等を用い、ペレットまたは粉末等の固体状態のポリカーボネート樹脂とブレンド・混練する際等が挙げられる。添加方法としては、ポリカーボネート樹脂に前記着色剤を直接混合または混練する方法;少量のポリカーボネート樹脂または他の樹脂等と前記着色剤を用いて作成した高濃度のマスターバッチとして添加する方法等が挙げられる。
【0163】
本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物に着色剤を配合する場合、着色剤の配合量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、好ましくは10重量部以下、更に好ましくは5重量部以下、特に好ましくは1重量部以下、一方、好ましくは0.00001重量部以上、更に好ましくは0.00005重量部以上、特に好ましくは0.0001重量部以上である。
着色剤の配合量が過度に少ないと、目的とする着色を得ることができず、着色剤の配合量が過度に多いと、ポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性が低下する場合がある。
【0164】
本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、帯電防止剤を含有することができる。
【0165】
また、本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物は、例えば、芳香族ポリカーボネート、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリオレフィン、アクリル、アモルファスポリオレフィン、ABS、ASなどの合成樹脂、ポリ乳酸、ポリブチレンスクシネートなどの生分解性樹脂、ゴムなどの1種又は2種以上を含んでいてもよいが、本発明に用いるポリカーボネート樹脂を用いることによる効果を得る上で、本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物中の全樹脂成分(高分子成分)中の本発明に用いるポリカーボネート樹脂の割合は50重量%以上、特に60重量%〜100重量%であることが好ましい。
【0166】
更に、本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、樹脂組成物に通常用いられる核剤、難燃剤、難燃助剤、無機充填剤、衝撃改良剤、加水分解抑制剤、発泡剤等が含まれていても差し支えない。
【0167】
{製造方法}
本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物は、上記成分を同時に、又は任意の順序でタンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機等の混合機により混合して製造することができる。
【0168】
このようにして得られる本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物は、耐光性、透明性、色相、耐熱性、熱安定性、成形性、表面硬度及び機械的強度に優れたものである。
【0169】
[携帯電話用筐体]
本発明の携帯電話用筐体は、上述した本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる。
本発明の携帯電話用筐体の成形方法は特に限定されないが、前述の本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物を、直接に或いは溶融押出機で一旦ペレット状にしてから、押出成形法、射出成形法、圧縮成形法等の通常知られている成形方法で、所望形状の携帯電話用筐体に成形することができる。射出成形による成形する場合には、シリンダー温度は220℃〜290℃とし、金型温度は30℃〜120℃として成形するのが好ましい。
【0170】
本発明の携帯電話用筐体は、特に、その耐候性、透明性による着色鮮鋭性及びこれらの特性の長期耐久性を利用して、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、メディアプレーヤー、電子書籍、電子辞書等の携帯デバイス用筐体やそのケースまたはカバー類、或いは表示窓部材に好適に用いられる。
【実施例】
【0171】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限
り、以下の実施例により限定されるものではない。
なお、以下の実施例は、携帯電話用筐体の形状に成形したものはないが、本発明の携帯電話用筐体とするには、所定の形状の成形型を用いて以下の成形方法と同様にして携帯電話用筐体の形に成形するだけでよく、以下の実施例により、携帯電話用筐体としての本発明の効果は、当業者には自明である。
【0172】
以下において、ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート樹脂組成物の成形品の物性ないし特性の評価は次の方法により行った。
【0173】
(1)還元粘度の測定
ポリカーボネート樹脂のサンプルを、溶媒として塩化メチレンを用いて溶解し、0.6g/dLの濃度のポリカーボネート溶液を調製した。森友理化工業社製ウベローデ型粘度管を用いて、温度20.0℃±0.1℃で測定を行い、溶媒の通過時間tと溶液の通過時間tから次式(i)より相対粘度ηrelを求め、相対粘度から次式(ii)より比粘度ηspを求めた。
ηrel=t/t ・・・(i)
ηsp=(η−η)/η=ηrel−1 ・・・(ii)
比粘度を濃度c(g/dL)で割って、還元粘度ηsp/cを求めた。この値が高いほど分子量が大きい。
【0174】
(2)色相の測定
ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを、窒素雰囲気下、90℃で10時間乾燥した。次に、乾燥したポリカーボネート樹脂組成物のペレットを射出成形機(日本製鋼所社製J75EII型)に供給し、樹脂温度220℃、成形サイクル23秒間の条件で、射出成形片(幅60mm×長さ60mm×厚さ3mm)を成形した。得られた射出成形片についてJIS K7105に準拠し、分光色差計(日本電色工業社製SE2000)を使用し、C/2光源にて酸化チタン顔料を含有しない透明成形片は透過測定により、酸化チタン顔料を含有する不透明成形片は反射測定により、L,a,b値(初期値)を測定した。
【0175】
(3)鉛筆硬度の測定
上記(2)と同様にして成形した平板試験片を使用し、コーテック社製引っかき硬度(鉛筆法)試験器を用いて、JIS K5600−5−4に準拠して、鉛筆硬度を6B〜6Hの範囲で測定した。6Bは表面硬度が低く、6Hは表面硬度が高いことを示す。
【0176】
(4)引張強度の測定
ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを90℃で6時間乾燥した後、射出成形機(日本製鋼所製「J75EII型射出成形機」)で、シリンダー温度230℃、成形サイクル45秒、金型温度60℃で、JIS K7113に準拠し、厚さ4mmの1号形試験片を成形した。得られた射出成形片についてJIS K7113に準拠し、引張試験装置(東洋精機製作所製ストログラフAPII)を使用し、試験速度50mm/minにて引張強度を測定した。
【0177】
(5)サンシャインウェザーメーター照射試験(特定照射処理I)
JIS B7753に準拠してスガ試験機社製サンシャインウェザーメーターS80を用いて、サンシャインカーボンアーク(ウルトラロングライフカーボン4対)光源で放電電圧50V、放電電流60Aに設定し、照射及び表面スプレー(降雨)にてブラックパネル温度63℃、相対湿度50%の条件下、上記(2)で得られた射出成形片の平板(幅60mm×長さ60mm×厚さ3mm)の正方形の面に対して、1000時間照射処理を行った。表面スプレー(降雨)時間は、12分/1時間とした。ガラスフィルターはAタイプを用いた。照射処理後、表面の割れの有無を目視により調べると共に、前記(2)と同様にして、L,a,b値を測定し、次式によりΔEを求めた。
ΔE=√((L−L+(a−a+(b−b
照射処理を実施してもΔEが小さければ、携帯電話用筐体としての用途において、経年変色が小さく意匠性に優れる。
【0178】
(6)サンシャインウェザーメーター照射試験(特定照射処理II)
JIS B7753に準拠してスガ試験機社製サンシャインウェザーメーターS80を用いて、サンシャインカーボンアーク(ウルトラロングライフカーボン4対)光源で放電電圧50V、放電電流60Aに設定し、照射及び表面スプレー(降雨)にてブラックパネル温度63℃、相対湿度50%の条件下、上記(4)で得られた試験片に対して、1000時間照射処理を行った。表面スプレー(降雨)時間は、12分/1時間とした。ガラスフィルターはAタイプを用いた。照射処理後、前記(4)と同様にして、引張強度を測定し、引張強度保持率を算出した。
照射処理後の引張強度保持率が大きいものであれば、携帯電話用筐体としての用途において、機械的強度の経年劣化が小さく、長期耐久性に優れる。
【0179】
以下の実施例及び比較例で用いた化合物の略号は次の通りである。
【0180】
<ジヒドロキシ化合物>
ISB:イソソルビド(ロケットフルーレ社製、商品名POLYSORB)
CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール(イーストマン社製)
【0181】
<炭酸ジエステル>
DPC:ジフェニルカーボネート(三菱化学社製)
<耐光安定剤>
アデカスタブLA−77:ヒンダードアミン系光安定剤(ADEKA社製)
<酸化防止剤>
アデカスタブAO−60:フェノール系酸化防止剤(ADEKA社製)
アデカスタブ2112:ホスファイト系酸化防止剤(ADEKA社製)
<離型剤>
S−100A:ステアリン酸モノグリセリド(理研ビタミン社製)
<着色剤>
タイペークPC−3:酸化チタン(石原産業社製)
【0182】
[実施例1]
撹拌翼及び100℃に制御された還流冷却器を具備した重合反応装置に、ISBとCHDM、蒸留精製して塩化物イオン濃度を10ppb以下にしたDPC及び酢酸カルシウム1水和物を、モル比率でISB/CHDM/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.70/0.30/1.00/1.3×10−6になるように仕込み、十分に窒素置換した(酸素濃度0.0005vol%〜0.001vol%)。続いて熱媒で加温を行い、内温が100℃になった時点で撹拌を開始し、内温が100℃になるように制御しながら内容物を融解させ均一にした。その後、昇温を開始し、40分で内温を210℃にし、内温が210℃に到達した時点でこの温度を保持するように制御すると同時に、減圧を開始し、210℃に到達してから90分で13.3kPa(絶対圧力、以下同様)にして、この圧力を保持するようにしながら、さらに60分間保持した。重合反応とともに副生するフェノール蒸気は、還流冷却器への入口温度として100℃に制御された蒸気を冷媒として用いた還流冷却器に導き、フェノール蒸気中に若干量含まれるモノマー成分を重合反応器に戻し、凝縮しないフェノール蒸気は続いて45℃の温水を冷媒として用いた凝縮器に導いて回収した。
【0183】
このようにしてオリゴマー化させた内容物を、一旦大気圧にまで復圧させた後、撹拌翼及び上記と同様に制御された還流冷却器を具備した別の重合反応装置に移し、昇温及び減圧を開始して、60分で内温220℃、圧力200Paにした。その後、20分かけて内温230℃、圧力133Pa以下にして、所定撹拌動力になった時点で復圧し、内容物をストランドの形態で抜出し、回転式カッターでペレットにした。
このポリカーボネート樹脂のペレットについて還元粘度を測定し、結果を表1に示した。
【0184】
得られたペレットと、更に表1に示した組成となるように耐光安定剤としてヒンダードアミン系のアデカスタブLA−77、離型剤としてS−100A、更に酸化防止剤としてアデカスタブAO−60及びアデカスタブ2112を2つのベント口を有する日本製鋼所社製2軸押出機(LABOTEX30HSS−32)を用いて、出口の樹脂温が250℃になるようにストランド状に押し出し、水で冷却固化させた後、回転式カッターでペレット化した。この際、ベント口は真空ポンプに連結し、ベント口での圧力が500Paになるように制御した。
得られたポリカーボネート樹脂組成物を用いて上記方法により評価した結果を表1に示す。
【0185】
[実施例2]
実施例1において、ポリカーボネート樹脂の製造に供するISBとCHDMのモル比率を変え、表1に示すモル比率とした以外は、実施例1と同様に行って、評価結果を表1に示した。
【0186】
[実施例3]
実施例1において、着色剤を添加した以外は、実施例1と同様に行って、評価結果を表1に示した。
【0187】
[比較例1]
実施例1において、耐光安定剤を添加しない以外は、実施例1と同様に行って、評価結果を表1に示した。
【0188】
[比較例2]
実施例2において、耐光安定剤を添加しない以外は、実施例2と同様に行って、評価結果を表1に示した。
【0189】
[比較例3]
ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製 ユーピロンS3000R)をそのまま使用し、上記方法により評価した結果を表1に示す。
【0190】
[比較例4]
ビスフェノールA型耐候性改良ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製 ユーピロンS3000UR)をそのまま使用し、上記方法により評価した結果を表1に示す。
【0191】
【表1】

【0192】
表1より、本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物よりなる本発明の携帯電話用筐体は、透明性、表面硬度、機械的強度に優れる上に、長期間屋外で使用されても透明性及び色相の変化が少なく、また、引張強度の低下の問題もなく、光学特性及び機械的強度の長期耐久性と安定性に優れることが分かる。
これに対して、ポリカーボネート樹脂組成物中に耐光安定剤を含まない比較例1,2は、特定照射処理II後の引張強度の低下が大きく、特に比較例1では、特定照射処理I後の透明性の低下が著しく、成形品外観も劣る。
市販のポリカーボネート樹脂である比較例3,4は表面硬度が低く、特定照射処理I後の透明性及び色相の低下の問題がある。
【産業上の利用可能性】
【0193】
本発明の携帯電話用筐体が適用される携帯電話用筐体の種類としては特に制限はないが、具体的には携帯電話用筐体又スマートフォン用筐体などが挙げられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造の一部に下記一般式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物(以下「ジヒドロキシ化合物(1)」と称す。)に由来する構造単位を少なくとも含むポリカーボネート樹脂を含むポリカーボネート樹脂組成物であって、前記ポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形体(厚さ3mm)をJIS B7753に準拠したブラックパネル温度63℃、相対湿度50%、1時間当たりの降雨スプレー時間12分の環境下にて、サンシャインカーボンアークを用い、放電電圧50V、放電電流60Aで、ガラスフィルターはAタイプを介して1000時間照射処理した後に、JIS K7105に準拠してC光源にて測定した該照射処理前後のΔEが10以下であるポリカーボネート樹脂組成物を成形してなることを特徴とする携帯電話用筐体。
【化1】

(但し、上記一般式(1)で表される部位が−CH−O−Hの一部である場合を除く。)
【請求項2】
ジヒドロキシ化合物(1)が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の携帯電話用筐体。
【化2】

【請求項3】
前記ポリカーボネート樹脂が脂肪族ジヒドロキシ化合物及び脂環式ジヒドロキシ化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物に由来する構造単位をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯電話用筐体。
【請求項4】
前記ポリカーボネート樹脂が、該ポリカーボネート樹脂を構成する全ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位に対して、ジヒドロキシ化合物(1)に由来する構造単位を、90mol%以下含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯電話用筐体。
【請求項5】
前記ポリカーボネート樹脂組成物が、耐光安定剤を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯電話用筐体。
【請求項6】
前記ポリカーボネート樹脂組成物中の耐光安定剤の含有量が、前記ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、0.0001重量部〜1重量部であることを特徴とする請求項5に記載の携帯電話用筐体。
【請求項7】
前記耐光安定剤がアミン化合物であることを特徴とする請求項5又は6に記載の携帯電話用筐体。
【請求項8】
前記ポリカーボネート樹脂組成物が、離型剤を含有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の携帯電話用筐体。
【請求項9】
前記ポリカーボネート樹脂組成物中の離型剤の含有量が、前記ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、0.0001重量部〜1重量部であることを特徴とする請求項7に記載の携帯電話用筐体。
【請求項10】
前記ポリカーボネート樹脂組成物が、酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の携帯電話用筐体。
【請求項11】
前記ポリカーボネート樹脂組成物中の酸化防止剤の含有量が、前記ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、0.0001重量部〜1重量部であることを特徴とする請求項10に記載の携帯電話用筐体。
【請求項12】
前記ポリカーボネート樹脂組成物が、着色剤を含有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の携帯電話用筐体。
【請求項13】
射出成形法により成形されたものであることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の携帯電話用筐体。

【公開番号】特開2013−82896(P2013−82896A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−199638(P2012−199638)
【出願日】平成24年9月11日(2012.9.11)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】