携帯電話装置、その制御方法及びプログラム
【課題】通信手段としての機能を維持しながら、ワンコール発信を用いて通話料金を抑制できる携帯電話装置、その制御方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】携帯電話装置100は、発呼のために入力された電話番号と記憶装置90に記憶された電話番号とを比較して一致を検出する番号比較部12と、番号比較部12で一致が検出されると入力された電話番号に従ってワンコール発呼を選択し、一致が検出されないと入力された電話番号に従って通常の発呼を選択する呼選択部13と、呼選択部13による選択結果に従って発呼を行う通話制御部14とを備える。
【解決手段】携帯電話装置100は、発呼のために入力された電話番号と記憶装置90に記憶された電話番号とを比較して一致を検出する番号比較部12と、番号比較部12で一致が検出されると入力された電話番号に従ってワンコール発呼を選択し、一致が検出されないと入力された電話番号に従って通常の発呼を選択する呼選択部13と、呼選択部13による選択結果に従って発呼を行う通話制御部14とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話装置、その制御方法及びプログラムに関し、更に詳しくは、ワンコール発信機能を有する携帯電話装置、その制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話装置には、通話対象(発呼先)にコール通知(発呼)した後に、通話に移行せずに自動的に回線を切断する、いわゆるワンコール発信機能を有するものが知られている。なお、本明細書中、発呼先に発呼した後で、通話に移行する前に回線を切断する発信であれば、発呼の回数が1回、又はそれ以上の回数のものも、便宜上、ワンコール発信と称する。
【0003】
特許文献1には、契約ユーザに対してメールサービスを提供するサーバを備えたメール着信通知システムが記載されている。このサーバは、メールが着信すると、該当するユーザのメールボックスにメールを保存すると共に、データベースに記憶されているユーザの連絡先電話番号を参照し、ユーザの固定電話機に対してワンコール発信を行う。
【0004】
【特許文献1】特開2002−290466号公報
【特許文献2】特開2004−193764号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、携帯電話装置の通話料金に関するトラブルが発生しており、社会問題になりつつある。トラブルとしては、例えば、収入に対する通話料金の占める割合が大きくなり、通話料金を滞納してしまうことが挙げられる。また、保護者が通話料金を支払っている未成年者は、通話料金を節約するという意識が低い傾向がある。そのため、未成年者が通話料金を考慮せずに携帯電話装置を使用してしまい、保護者が、通話料金の請求書が届いてから、膨大な料金が課せられていることに初めて気付くことがある。
【0006】
ワンコール発信は、発呼先に着信履歴が残るので、着信履歴に基づいた発呼先からの発呼を期待できる。例えば、ワンコール発信を行った携帯電話装置に向けて、発呼先から発呼があれば、携帯電話装置のユーザは、通話料金を発生させることなく、通話対象との通話を行うことができる。つまり、ワンコール発信は、通話料金を抑制する上で有効な機能となる。
【0007】
しかし、特許文献1に記載のサーバは、ユーザの固定電話機の表示部に「メール着信」などの文字列を表示するメール着信通知を行う際に、固定電話機に対してワンコール発信を行うものに過ぎない。つまり、特許文献1でのワンコール発信は、メール着信通知に伴う通話料金のみを抑制するものであり、携帯電話装置のユーザ間で発生する通話料金を抑制するものではない。
【0008】
特許文献2には、通信料金(通話料金)の累計が予め設定した上限値を超過した場合に、特定の通信先についてのみ課金通信を可能とし、特定の通信先以外への課金通信を不能とする携帯通信装置が記載されている。
【0009】
しかし、特許文献2の携帯通信装置では、通信料金が上限値を超過した後には、通信手段としての役割を全く果たせない。
【0010】
本発明は、通信手段としての機能を維持しながら、ワンコール発信を用いて通話料金を抑制できる携帯電話装置、その制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、発呼のために入力された電話番号と記憶装置に記憶された電話番号とを比較して一致を検出する番号比較部と、
前記番号比較部で一致が検出されると前記入力された電話番号に従ってワンコール発呼を選択し、一致が検出されないと前記入力された電話番号に従って通常の発呼を選択する呼選択部と、
前記呼選択部による選択結果に従って発呼を行う通話制御部とを備えることを特徴とする携帯電話装置を提供する。
【0012】
また、本発明は、所定の期間内の通話料金を積算する料金積算部と、
前記料金積算部で積算された料金と、予め設定されたしきい値とを比較する料金比較部と、
前記料金比較部がしきい値未満の積算料金を検出すると、入力された電話番号に従って通常の発呼を選択し、前記しきい値以上の積算料金を検出すると、入力された電話番号に従ってワンコール発呼を選択する呼選択部と、
前記呼選択部による選択結果に従って発呼を行う通話制御部とを備えることを特徴とする携帯電話装置を提供する。
【0013】
また、本発明は、発呼のために入力された電話番号と記憶装置に記憶された電話番号とを比較して一致を検出する番号比較ステップと、
前記番号比較ステップで一致が検出されると前記入力された電話番号に従ってワンコール発呼を行い、一致が検出されないと前記入力された電話番号に従って通常の発呼を行う発呼ステップとを有することを特徴とする携帯電話装置の制御方法を提供する。
【0014】
また、本発明は、所定の期間内の通話料金を積算する料金積算ステップと、
前記料金積算ステップで積算された料金と、予め設定されたしきい値とを比較する料金比較ステップと、
前記料金比較ステップでしきい値未満の積算料金が検出されると、入力された電話番号に従って通常の発呼を行い、前記しきい値以上の積算料金が検出されると、入力された電話番号に従ってワンコール発呼を行う発呼ステップとを有することを特徴とする携帯電話装置の制御方法を提供する。
【0015】
また、本発明は、コンピュータを有する携帯電話装置のためのプログラムであって、前記コンピュータに、
発呼のために入力された電話番号と記憶装置に記憶された電話番号とを比較して一致を検出する番号比較ステップと、
前記番号ステップで一致が検出されると前記入力された電話番号に従ってワンコール発呼を行い、一致が検出されないと前記入力された電話番号に従って通常の発呼を行う発呼ステップとを実行させることを特徴とするプログラムを提供する。
【0016】
さらに、本発明は、コンピュータを有する携帯電話装置のためのプログラムであって、前記コンピュータに、
所定の期間内の通話料金を積算する料金積算ステップと、
前記料金積算ステップで積算された料金と、予め設定されたしきい値とを比較する料金比較ステップと、
前記料金比較ステップでしきい値未満の積算料金が検出されると、入力された電話番号に従って通常の発呼を行い、前記しきい値以上の積算料金が検出されると、入力された電話番号に従ってワンコール発呼を行う発呼ステップとを実行させることを特徴とするプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の携帯電話装置、その制御方法及びプログラムによると、入力された電話番号と記憶された電話番号との比較結果、又は、積算料金としきい値との比較結果に応じて、ワンコール発呼を行うので、通信手段としての機能を維持しながら、通話料金を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照し、本発明の例示的な実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話装置の構成を示すブロック図である。携帯電話装置100は、ワンコール発信を行う機能を有する電話機である。携帯電話装置100は、図1(a)に示すように、制御部10と、無線部20と、アンテナ30と、スピーカ40と、マイク50と、操作部60と、表示部70と、電池80と、記憶装置(メモリ)90とを備える。制御部10は、図1(b)に示すように、モード選択部11と、番号比較部12と、呼選択部13と、通話制御部14とを備えている。なお、制御部10は、プログラムによって制御されるコンピュータとして構成され、無線部20や表示部70等を制御する機能も備えている。
【0019】
無線部20は、制御部10により制御され、アンテナ30を介して受信した信号を復調し、変調した信号をアンテナ30を介して送信する。通話時に、制御部10は、アンテナ30から無線部20を介して受信した音声データをアナログ変換して、スピーカ40より出力し、また、マイク50から入力されたアナログ音声をデジタル変換して、無線部20からアンテナ30を介して送信する。
【0020】
操作部60は、図2に示すように、筐体61の表面に搭載された複数のテンキー62と、確定キーと、その他のキーとを含む。番号比較部12には、発呼のために入力された電話番号が入力される。
【0021】
表示部70は、LCD(Liquid Crystal Display)であって、制御部10により制御され、電話帳機能などの各種機能に対応する画面を表示する。なお、電話帳機能は、メモリ90に記憶された電話番号の一覧を表示する機能をいう。
【0022】
メモリ90は、所定のプログラムを記憶すると共に、ユーザエリアとして、図3に示すように、電話帳保存領域90aと、ワンコール用電話番号フラグ保存領域(以下、フラグ保存領域)90bとを有する。電話帳保存領域90aには、電話番号やメールアドレス等の情報が保存される。
【0023】
フラグ保存領域90bには、ワンコール発信の設定のON又はOFFを示すフラグが保存される。フラグは、ユーザ設定を行ったとき、又は、ユーザ設定を初期化するときのみ書き換え可能であって、例えば、設定ONのとき「1」、設定OFFのときに「0」が保存される。フラグは、ワンコール発信を行うワンコール用電話番号に関連付けて設定される。つまり、電話帳保存領域90aに保存された電話番号のうち、フラグ「1」が関連付けられている電話番号は、ワンコール用電話番号となる。
【0024】
モード選択部11は、ユーザ設定に伴うフラグに従って、呼選択部13をアクティブ(有効)にするか否かを選択する。番号比較部12は、テンキーの押下に伴い入力された発呼のための電話番号と、メモリ90に保存されたワンコール用電話番号とを比較して、両者の電話番号の一致を判定し、判定結果を示す信号を呼選択部13に受け渡す。
【0025】
呼選択部13は、判定結果を示す信号を受けて、両者の電話番号の一致が検出されると、入力された電話番号に従ってワンコール発信を選択し、一致が検出されないと、入力された電話番号に従って通常の発呼を選択する。なお、呼選択部13は、モード選択部11により有効とされたとき、ワンコール用電話番号への発呼としてワンコール発信を選択し、モード選択部11により無効とされたとき、入力された電話番号がワンコール用電話番号であっても通常の発呼を選択する。また、通話制御部14は、呼選択部13による選択結果に従って発呼を行う。
【0026】
以下、携帯電話装置100の動作について説明する。まず、図4及び図5を参照して、ワンコール発信を有効に設定する際の動作について説明する。この設定は、例えば、ユーザが加入している料金プランの上限(例えば、無料通話とされる通話料金)に通話料金が近付いていることをユーザが確認した場合等に行われる。
【0027】
まず、図4に示すように、制御部10は、ユーザによる操作部60のメニュー操作に伴い、表示部70を制御して、表示部70に電話帳を表示させる(ステップS11)。次に、制御部10は、表示部70を制御して、表示部70にサブメニューを表示させる(ステップS12)。表示部70の画面71には、図5に示すように、サブメニュー72が表示されている。サブメニュー72に含まれる各種メニューは、ユーザによる操作部60の操作に伴って適宜選択される。なお、図5では、サブメニュー72に含まれるワンコール用電話番号を示すメニュー73が選択された状態を示している。
【0028】
ステップS12の後で、制御部10は、メニュー73が選択されたことを検知すると(ステップS13)、表示部70を制御し、ワンコール発信を有効、すなわち呼選択部13をアクティブとするためのフラグを設定する画面を表示する。次に、モード選択部11は、ユーザの操作に伴い画面上で、ワンコール発信の設定ONが選択されたことを検知すると(ステップS14)、メモリ90のフラグ保存領域90bにフラグONを保存する(ステップS15)。続いて、モード選択部11は、ワンコール発信を有効とする(ステップS16)。このような、上記各処理によって、携帯電話装置100でのワンコール発信機能を実行するために必要な設定が完了する。
【0029】
次に、図6を参照して、携帯電話装置100でのワンコール発信機能を実行する際の動作について説明する。なお、呼選択部13は、図4に示す各処理によってアクティブに設定されている。まず、発呼のための電話番号が番号比較部12に入力されると(ステップS21)、番号比較部12は、メモリ90のフラグ保存領域90bを読み出し(ステップS22)、フラグの状態を確認する(ステップS23)。番号比較部12は、フラグの状態を確認することで、入力された電話番号が、フラグONが設定されたワンコール用電話番号と一致するか否かを検出する。
【0030】
ステップS23でフラグONが設定されていると(Y)、呼選択部13は、入力された電話番号に従ってワンコール発信を選択し、この選択結果を通話制御部14に受け渡す。選択結果を受けて、通話制御部14は、ワンコール発信を行う(ステップS24)。一方、ステップS23でフラグONが設定されていなければ(N)、呼選択部13は、入力された電話番号に従って通常の発呼を選択し、この選択結果を受けた通話制御部14は、通常の発呼を行う(ステップS25)。
【0031】
最後に、図7を参照して、ワンコール発信の設定を解除する動作について説明する。まず、図5に示したステップS11〜S13の処理と同一の処理を行う。ここで、ステップS13の処理では、ワンコール発信を解除、すなわち呼選択部13を無効とするためのフラグを設定する画面を表示する。次に、モード選択部11は、ユーザの操作に伴って画面上でOFFが選択されたことを検知すると(ステップS34)、メモリ90のフラグ保存領域90bにフラグOFFを保存する(ステップS35)。続いて、モード選択部11は、ワンコール発信を無効とする(ステップS36)。このような、上記各処理によって、携帯電話装置100でのワンコール発信が解除される。
【0032】
本実施形態によれば、ユーザが通話料金を抑制する必要があると判断したとき等に、ユーザがフラグを設定することで、ワンコール用電話番号への発呼をワンコール発信とし、それ以外の電話番号へ通常の発呼を行うことができる。したがって、発呼先との通信手段としての機能を維持しながら、通話料金を抑制できる。
【0033】
(実施形態2)
図8は、本発明の第2の実施形態に係る携帯電話装置の制御部の構成を示すブロック図である。本実施形態の携帯電話装置は、料金積算部15で積算された積算料金が、予め設定されたしきい値(上限料金)を超えた場合に、自動的にワンコール発信を行う点で、第1の実施形態に係る上記携帯電話装置100と異なる。なお、ワンコール発信の対象となる電話番号は、メモリに登録済みの全ての電話番号だけでなく、その他の発呼のために入力された電話番号を含む。以下では、上記携帯電話装置100と略同一の構成等については、同一符号を付して、説明を適宜省略する。
【0034】
携帯電話装置の制御部10Aは、図示のように、モード選択部11Aと、呼選択部13Aと、通話制御部14と、料金積算部15と、しきい値設定部16と、料金比較部17とを備える。料金積算部15は、通話制御部14から通話時間等を含む通話料金に関する情報を受けて、所定の期間内での通話料金を積算する。しきい値設定部16は、ユーザの入力に従ってしきい値を設定する。料金比較部17は、料金積算部15で積算された積算料金(例えば1ヶ月内の通話料金)と、しきい値設定部16で予め設定されたしきい値とを比較する。
【0035】
呼選択部13Aは、料金比較部17がしきい値未満の積算料金を検出すると、入力された電話番号に従って通常の発呼を選択し、しきい値以上の積算料金を検出すると、入力された電話番号に従ってワンコール発信による発呼を選択する。
【0036】
メモリ90Aは、図9に示すように、ワンコール発信機能切替え金額設定領域(設定領域)90cと、ワンコール発信機能有効フラグ保存領域(以下、フラグ保存領域)90dとを有する。設定領域90cは、上記しきい値を保存する領域である。設定領域90cへのしきい値の保存は、しきい値設定部16により行われる。フラグ保存領域90dは、ワンコール発信機能を有効とするフラグを保存する領域である。フラグ保存領域90dへのフラグの保存は、モード選択部11Aにより行われる。なお、フラグは、設定OFF(無効)のとき「0」、設定ON(有効)のとき「1」となる。
【0037】
以下、携帯電話装置の動作について説明する。まず、図10を参照して、ワンコール発信機能を実行するための切替え設定について説明する。まず、制御部10Aは、ユーザによる操作部60の操作に従い、表示部70を制御して、ワンコール発信を有効に設定する、すなわち呼選択部13Aをアクティブにするための図11に示す画面74を表示させる(ステップS41)。表示部70の画面74には、図示のように、ワンコール発信を設定するか否かを示すON/OFFメニュー75が表示される。モード選択部11Aは、ユーザの操作に伴い画面74上でONが選択されたことを検知すると(ステップS42)、メモリ90Aのフラグ保存領域90dにフラグONを保存し(ステップS43)、ワンコール発信を有効とする。
【0038】
続いて、制御部10Aは、表示部70を制御して、通話料金の上限料金を設定するための図12に示す画面76を表示させる。表示部70の画面76には、図示のように、上限料金の設定を促すメッセージ77が表示される。しきい値設定部16は、ユーザの操作に伴い画面76上で上限料金が設定されたことを検知すると(ステップS44)、メモリ90Aの設定領域90cに設定値を保存する(ステップS45)。このような上記各処理によって、携帯電話装置でワンコール発信機能を実行するために必要な設定が完了する。
【0039】
次に、図13を参照して、携帯電話装置でのワンコール発信機能を実行する際の動作について説明する。なお、呼選択部13Aは、図10に示す各処理によってアクティブに設定されている。まず、発呼のために電話番号が入力されると(ステップS51)、料金比較部17は、メモリ90Aの設定領域90cに保存された上限料金を読み出して、料金積算部15で積算された、例えば月内の通話料金が上限料金を超えているか否かを判定する(ステップS52)。
【0040】
ステップS52で上記通話料金が上限料金を超えていると(Y)、呼選択部13Aは、入力された電話番号に従ってワンコール発信を選択し、この選択結果を通話制御部14に受け渡す。選択結果を受けて、通話制御部14は、ワンコール発信を行う(ステップS53)。一方、ステップS52で通話料金が上限料金未満であれば(N)、呼選択部13Aは、通常の発呼を選択し、この選択結果を通話制御部14に受け渡す。選択結果を受けて、通話制御部14は、入力された電話番号に従って通常の発呼を行う(ステップS54)。
【0041】
最後に、図14を参照して、ワンコール発信の設定を解除する動作について説明する。まず、制御部10Aは、ユーザの操作に伴い表示部70を制御し、ワンコール発信を設定するための画面74(図11参照)を表示させる(ステップS61)。次に、モード選択部11Aは、ユーザの操作に伴い、ワンコール発信を無効とするOFFが選択されたことを検知すると(ステップS62)、メモリ90Aのフラグ保存領域90dにフラグOFFを保存する(ステップS63)。続いて、モード選択部11Aは、ワンコール発信を無効とする(ステップS64)。このような、上記各処理によって、携帯電話装置でのワンコール発信が解除される。
【0042】
本実施形態によれば、積算された通話料金が設定された上限を超えると、自動的にワンコール発信を選択するので、通話料金を確実に抑制できる。一例として、保護者が通話料金を支払っている未成年者がユーザである場合には、保護者が通話料金の上限を設定することで、上限を超えて通話料金が請求されることを防止できる。
【0043】
また、上記各実施形態では、携帯電話装置を例に挙げて説明したが、これに限られず、固定電話機やPHS(Personal Handyphone System)、その他のモバイル系端末に、上記各実施形態で示した機能等を適用してもよい。
【0044】
本発明では、一態様として、発呼のために入力された電話番号と記憶装置に記憶された電話番号とを比較して一致を検出する番号比較部と、番号比較部で一致が検出されると入力された電話番号に従ってワンコール発呼を選択し、一致が検出されないと入力された電話番号に従って通常の発呼を選択する呼選択部と、呼選択部による選択結果に従って発呼を行う通話制御部とを備える構成を採用できる。
【0045】
上記構成により、発呼のために入力された電話番号が記憶装置に記憶された電話番号に一致すれば、ワンコール発呼を行い、一致しなれば、通常の発呼を行うことができる。したがって、発呼先との通信手段としての機能を維持しながら、通話料金を抑制できる。
【0046】
また、本発明では、一態様として、所定の期間内の通話料金を積算する料金積算部と、料金積算部で積算された料金と、予め設定されたしきい値とを比較する料金比較部と、料金比較部がしきい値未満の積算料金を検出すると、入力された電話番号に従って通常の発呼を選択し、しきい値以上の積算料金を検出すると、入力された電話番号に従ってワンコール発呼を選択する呼選択部と、呼選択部による選択結果に従って発呼を行う通話制御部とを備える構成を採用できる。
【0047】
上記構成により、積算料金がしきい値以上であれば、入力された電話番号に従いワンコール発呼を行い、しきい値未満であれば、通常の発呼を行うことができる。したがって、しきい値を超えると、全ての電話番号へ自動的にワンコール発呼を行い、通話料金を確実に抑制できる。
【0048】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明の携帯電話装置、その制御方法及びプログラムは、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話装置の構成を示すブロック図。
【図2】操作部の外観を示す図。
【図3】メモリの構成を示す図。
【図4】ワンコール発信を設定する際の動作を示すフローチャート。
【図5】ワンコール用電話番号を選択する際の表示部の画面を示す図。
【図6】ワンコール発信を実行する際の動作を示すフローチャート。
【図7】ワンコール発信の設定を解除する際の動作を示すフローチャート。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る携帯電話装置の制御部の構成を示すブロック図。
【図9】図8に示す携帯電話装置のメモリの構成を示す図。
【図10】図8に示す携帯電話装置でワンコール発信を設定する際の動作を示すフローチャート。
【図11】ワンコール発信を設定する際の表示部の画面を示す図。
【図12】料金の上限を設定する際の表示部の画面を示す図。
【図13】図8に示す携帯電話装置でワンコール発信を実行する際の動作を示すフローチャート。
【図14】図8に示す携帯電話装置でワンコール発信の設定を解除する際の動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0050】
10:制御部
11:モード選択部
12:番号比較部
13:呼選択部
14:通話制御部
15:料金積算部
16:しきい値設定部
17:料金比較部
20:無線部
30:アンテナ
40:スピーカ
50:マイク
60:操作部
70:表示部
80:電池
90:記憶装置
90a:電話帳保存領域
90b:ワンコール用電話番号フラグ保存領域
90c:ワンコール発信機能切替え金額設定領域
90d:ワンコール発信機能有効フラグ保存領域
100:携帯電話装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話装置、その制御方法及びプログラムに関し、更に詳しくは、ワンコール発信機能を有する携帯電話装置、その制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話装置には、通話対象(発呼先)にコール通知(発呼)した後に、通話に移行せずに自動的に回線を切断する、いわゆるワンコール発信機能を有するものが知られている。なお、本明細書中、発呼先に発呼した後で、通話に移行する前に回線を切断する発信であれば、発呼の回数が1回、又はそれ以上の回数のものも、便宜上、ワンコール発信と称する。
【0003】
特許文献1には、契約ユーザに対してメールサービスを提供するサーバを備えたメール着信通知システムが記載されている。このサーバは、メールが着信すると、該当するユーザのメールボックスにメールを保存すると共に、データベースに記憶されているユーザの連絡先電話番号を参照し、ユーザの固定電話機に対してワンコール発信を行う。
【0004】
【特許文献1】特開2002−290466号公報
【特許文献2】特開2004−193764号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、携帯電話装置の通話料金に関するトラブルが発生しており、社会問題になりつつある。トラブルとしては、例えば、収入に対する通話料金の占める割合が大きくなり、通話料金を滞納してしまうことが挙げられる。また、保護者が通話料金を支払っている未成年者は、通話料金を節約するという意識が低い傾向がある。そのため、未成年者が通話料金を考慮せずに携帯電話装置を使用してしまい、保護者が、通話料金の請求書が届いてから、膨大な料金が課せられていることに初めて気付くことがある。
【0006】
ワンコール発信は、発呼先に着信履歴が残るので、着信履歴に基づいた発呼先からの発呼を期待できる。例えば、ワンコール発信を行った携帯電話装置に向けて、発呼先から発呼があれば、携帯電話装置のユーザは、通話料金を発生させることなく、通話対象との通話を行うことができる。つまり、ワンコール発信は、通話料金を抑制する上で有効な機能となる。
【0007】
しかし、特許文献1に記載のサーバは、ユーザの固定電話機の表示部に「メール着信」などの文字列を表示するメール着信通知を行う際に、固定電話機に対してワンコール発信を行うものに過ぎない。つまり、特許文献1でのワンコール発信は、メール着信通知に伴う通話料金のみを抑制するものであり、携帯電話装置のユーザ間で発生する通話料金を抑制するものではない。
【0008】
特許文献2には、通信料金(通話料金)の累計が予め設定した上限値を超過した場合に、特定の通信先についてのみ課金通信を可能とし、特定の通信先以外への課金通信を不能とする携帯通信装置が記載されている。
【0009】
しかし、特許文献2の携帯通信装置では、通信料金が上限値を超過した後には、通信手段としての役割を全く果たせない。
【0010】
本発明は、通信手段としての機能を維持しながら、ワンコール発信を用いて通話料金を抑制できる携帯電話装置、その制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、発呼のために入力された電話番号と記憶装置に記憶された電話番号とを比較して一致を検出する番号比較部と、
前記番号比較部で一致が検出されると前記入力された電話番号に従ってワンコール発呼を選択し、一致が検出されないと前記入力された電話番号に従って通常の発呼を選択する呼選択部と、
前記呼選択部による選択結果に従って発呼を行う通話制御部とを備えることを特徴とする携帯電話装置を提供する。
【0012】
また、本発明は、所定の期間内の通話料金を積算する料金積算部と、
前記料金積算部で積算された料金と、予め設定されたしきい値とを比較する料金比較部と、
前記料金比較部がしきい値未満の積算料金を検出すると、入力された電話番号に従って通常の発呼を選択し、前記しきい値以上の積算料金を検出すると、入力された電話番号に従ってワンコール発呼を選択する呼選択部と、
前記呼選択部による選択結果に従って発呼を行う通話制御部とを備えることを特徴とする携帯電話装置を提供する。
【0013】
また、本発明は、発呼のために入力された電話番号と記憶装置に記憶された電話番号とを比較して一致を検出する番号比較ステップと、
前記番号比較ステップで一致が検出されると前記入力された電話番号に従ってワンコール発呼を行い、一致が検出されないと前記入力された電話番号に従って通常の発呼を行う発呼ステップとを有することを特徴とする携帯電話装置の制御方法を提供する。
【0014】
また、本発明は、所定の期間内の通話料金を積算する料金積算ステップと、
前記料金積算ステップで積算された料金と、予め設定されたしきい値とを比較する料金比較ステップと、
前記料金比較ステップでしきい値未満の積算料金が検出されると、入力された電話番号に従って通常の発呼を行い、前記しきい値以上の積算料金が検出されると、入力された電話番号に従ってワンコール発呼を行う発呼ステップとを有することを特徴とする携帯電話装置の制御方法を提供する。
【0015】
また、本発明は、コンピュータを有する携帯電話装置のためのプログラムであって、前記コンピュータに、
発呼のために入力された電話番号と記憶装置に記憶された電話番号とを比較して一致を検出する番号比較ステップと、
前記番号ステップで一致が検出されると前記入力された電話番号に従ってワンコール発呼を行い、一致が検出されないと前記入力された電話番号に従って通常の発呼を行う発呼ステップとを実行させることを特徴とするプログラムを提供する。
【0016】
さらに、本発明は、コンピュータを有する携帯電話装置のためのプログラムであって、前記コンピュータに、
所定の期間内の通話料金を積算する料金積算ステップと、
前記料金積算ステップで積算された料金と、予め設定されたしきい値とを比較する料金比較ステップと、
前記料金比較ステップでしきい値未満の積算料金が検出されると、入力された電話番号に従って通常の発呼を行い、前記しきい値以上の積算料金が検出されると、入力された電話番号に従ってワンコール発呼を行う発呼ステップとを実行させることを特徴とするプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の携帯電話装置、その制御方法及びプログラムによると、入力された電話番号と記憶された電話番号との比較結果、又は、積算料金としきい値との比較結果に応じて、ワンコール発呼を行うので、通信手段としての機能を維持しながら、通話料金を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照し、本発明の例示的な実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話装置の構成を示すブロック図である。携帯電話装置100は、ワンコール発信を行う機能を有する電話機である。携帯電話装置100は、図1(a)に示すように、制御部10と、無線部20と、アンテナ30と、スピーカ40と、マイク50と、操作部60と、表示部70と、電池80と、記憶装置(メモリ)90とを備える。制御部10は、図1(b)に示すように、モード選択部11と、番号比較部12と、呼選択部13と、通話制御部14とを備えている。なお、制御部10は、プログラムによって制御されるコンピュータとして構成され、無線部20や表示部70等を制御する機能も備えている。
【0019】
無線部20は、制御部10により制御され、アンテナ30を介して受信した信号を復調し、変調した信号をアンテナ30を介して送信する。通話時に、制御部10は、アンテナ30から無線部20を介して受信した音声データをアナログ変換して、スピーカ40より出力し、また、マイク50から入力されたアナログ音声をデジタル変換して、無線部20からアンテナ30を介して送信する。
【0020】
操作部60は、図2に示すように、筐体61の表面に搭載された複数のテンキー62と、確定キーと、その他のキーとを含む。番号比較部12には、発呼のために入力された電話番号が入力される。
【0021】
表示部70は、LCD(Liquid Crystal Display)であって、制御部10により制御され、電話帳機能などの各種機能に対応する画面を表示する。なお、電話帳機能は、メモリ90に記憶された電話番号の一覧を表示する機能をいう。
【0022】
メモリ90は、所定のプログラムを記憶すると共に、ユーザエリアとして、図3に示すように、電話帳保存領域90aと、ワンコール用電話番号フラグ保存領域(以下、フラグ保存領域)90bとを有する。電話帳保存領域90aには、電話番号やメールアドレス等の情報が保存される。
【0023】
フラグ保存領域90bには、ワンコール発信の設定のON又はOFFを示すフラグが保存される。フラグは、ユーザ設定を行ったとき、又は、ユーザ設定を初期化するときのみ書き換え可能であって、例えば、設定ONのとき「1」、設定OFFのときに「0」が保存される。フラグは、ワンコール発信を行うワンコール用電話番号に関連付けて設定される。つまり、電話帳保存領域90aに保存された電話番号のうち、フラグ「1」が関連付けられている電話番号は、ワンコール用電話番号となる。
【0024】
モード選択部11は、ユーザ設定に伴うフラグに従って、呼選択部13をアクティブ(有効)にするか否かを選択する。番号比較部12は、テンキーの押下に伴い入力された発呼のための電話番号と、メモリ90に保存されたワンコール用電話番号とを比較して、両者の電話番号の一致を判定し、判定結果を示す信号を呼選択部13に受け渡す。
【0025】
呼選択部13は、判定結果を示す信号を受けて、両者の電話番号の一致が検出されると、入力された電話番号に従ってワンコール発信を選択し、一致が検出されないと、入力された電話番号に従って通常の発呼を選択する。なお、呼選択部13は、モード選択部11により有効とされたとき、ワンコール用電話番号への発呼としてワンコール発信を選択し、モード選択部11により無効とされたとき、入力された電話番号がワンコール用電話番号であっても通常の発呼を選択する。また、通話制御部14は、呼選択部13による選択結果に従って発呼を行う。
【0026】
以下、携帯電話装置100の動作について説明する。まず、図4及び図5を参照して、ワンコール発信を有効に設定する際の動作について説明する。この設定は、例えば、ユーザが加入している料金プランの上限(例えば、無料通話とされる通話料金)に通話料金が近付いていることをユーザが確認した場合等に行われる。
【0027】
まず、図4に示すように、制御部10は、ユーザによる操作部60のメニュー操作に伴い、表示部70を制御して、表示部70に電話帳を表示させる(ステップS11)。次に、制御部10は、表示部70を制御して、表示部70にサブメニューを表示させる(ステップS12)。表示部70の画面71には、図5に示すように、サブメニュー72が表示されている。サブメニュー72に含まれる各種メニューは、ユーザによる操作部60の操作に伴って適宜選択される。なお、図5では、サブメニュー72に含まれるワンコール用電話番号を示すメニュー73が選択された状態を示している。
【0028】
ステップS12の後で、制御部10は、メニュー73が選択されたことを検知すると(ステップS13)、表示部70を制御し、ワンコール発信を有効、すなわち呼選択部13をアクティブとするためのフラグを設定する画面を表示する。次に、モード選択部11は、ユーザの操作に伴い画面上で、ワンコール発信の設定ONが選択されたことを検知すると(ステップS14)、メモリ90のフラグ保存領域90bにフラグONを保存する(ステップS15)。続いて、モード選択部11は、ワンコール発信を有効とする(ステップS16)。このような、上記各処理によって、携帯電話装置100でのワンコール発信機能を実行するために必要な設定が完了する。
【0029】
次に、図6を参照して、携帯電話装置100でのワンコール発信機能を実行する際の動作について説明する。なお、呼選択部13は、図4に示す各処理によってアクティブに設定されている。まず、発呼のための電話番号が番号比較部12に入力されると(ステップS21)、番号比較部12は、メモリ90のフラグ保存領域90bを読み出し(ステップS22)、フラグの状態を確認する(ステップS23)。番号比較部12は、フラグの状態を確認することで、入力された電話番号が、フラグONが設定されたワンコール用電話番号と一致するか否かを検出する。
【0030】
ステップS23でフラグONが設定されていると(Y)、呼選択部13は、入力された電話番号に従ってワンコール発信を選択し、この選択結果を通話制御部14に受け渡す。選択結果を受けて、通話制御部14は、ワンコール発信を行う(ステップS24)。一方、ステップS23でフラグONが設定されていなければ(N)、呼選択部13は、入力された電話番号に従って通常の発呼を選択し、この選択結果を受けた通話制御部14は、通常の発呼を行う(ステップS25)。
【0031】
最後に、図7を参照して、ワンコール発信の設定を解除する動作について説明する。まず、図5に示したステップS11〜S13の処理と同一の処理を行う。ここで、ステップS13の処理では、ワンコール発信を解除、すなわち呼選択部13を無効とするためのフラグを設定する画面を表示する。次に、モード選択部11は、ユーザの操作に伴って画面上でOFFが選択されたことを検知すると(ステップS34)、メモリ90のフラグ保存領域90bにフラグOFFを保存する(ステップS35)。続いて、モード選択部11は、ワンコール発信を無効とする(ステップS36)。このような、上記各処理によって、携帯電話装置100でのワンコール発信が解除される。
【0032】
本実施形態によれば、ユーザが通話料金を抑制する必要があると判断したとき等に、ユーザがフラグを設定することで、ワンコール用電話番号への発呼をワンコール発信とし、それ以外の電話番号へ通常の発呼を行うことができる。したがって、発呼先との通信手段としての機能を維持しながら、通話料金を抑制できる。
【0033】
(実施形態2)
図8は、本発明の第2の実施形態に係る携帯電話装置の制御部の構成を示すブロック図である。本実施形態の携帯電話装置は、料金積算部15で積算された積算料金が、予め設定されたしきい値(上限料金)を超えた場合に、自動的にワンコール発信を行う点で、第1の実施形態に係る上記携帯電話装置100と異なる。なお、ワンコール発信の対象となる電話番号は、メモリに登録済みの全ての電話番号だけでなく、その他の発呼のために入力された電話番号を含む。以下では、上記携帯電話装置100と略同一の構成等については、同一符号を付して、説明を適宜省略する。
【0034】
携帯電話装置の制御部10Aは、図示のように、モード選択部11Aと、呼選択部13Aと、通話制御部14と、料金積算部15と、しきい値設定部16と、料金比較部17とを備える。料金積算部15は、通話制御部14から通話時間等を含む通話料金に関する情報を受けて、所定の期間内での通話料金を積算する。しきい値設定部16は、ユーザの入力に従ってしきい値を設定する。料金比較部17は、料金積算部15で積算された積算料金(例えば1ヶ月内の通話料金)と、しきい値設定部16で予め設定されたしきい値とを比較する。
【0035】
呼選択部13Aは、料金比較部17がしきい値未満の積算料金を検出すると、入力された電話番号に従って通常の発呼を選択し、しきい値以上の積算料金を検出すると、入力された電話番号に従ってワンコール発信による発呼を選択する。
【0036】
メモリ90Aは、図9に示すように、ワンコール発信機能切替え金額設定領域(設定領域)90cと、ワンコール発信機能有効フラグ保存領域(以下、フラグ保存領域)90dとを有する。設定領域90cは、上記しきい値を保存する領域である。設定領域90cへのしきい値の保存は、しきい値設定部16により行われる。フラグ保存領域90dは、ワンコール発信機能を有効とするフラグを保存する領域である。フラグ保存領域90dへのフラグの保存は、モード選択部11Aにより行われる。なお、フラグは、設定OFF(無効)のとき「0」、設定ON(有効)のとき「1」となる。
【0037】
以下、携帯電話装置の動作について説明する。まず、図10を参照して、ワンコール発信機能を実行するための切替え設定について説明する。まず、制御部10Aは、ユーザによる操作部60の操作に従い、表示部70を制御して、ワンコール発信を有効に設定する、すなわち呼選択部13Aをアクティブにするための図11に示す画面74を表示させる(ステップS41)。表示部70の画面74には、図示のように、ワンコール発信を設定するか否かを示すON/OFFメニュー75が表示される。モード選択部11Aは、ユーザの操作に伴い画面74上でONが選択されたことを検知すると(ステップS42)、メモリ90Aのフラグ保存領域90dにフラグONを保存し(ステップS43)、ワンコール発信を有効とする。
【0038】
続いて、制御部10Aは、表示部70を制御して、通話料金の上限料金を設定するための図12に示す画面76を表示させる。表示部70の画面76には、図示のように、上限料金の設定を促すメッセージ77が表示される。しきい値設定部16は、ユーザの操作に伴い画面76上で上限料金が設定されたことを検知すると(ステップS44)、メモリ90Aの設定領域90cに設定値を保存する(ステップS45)。このような上記各処理によって、携帯電話装置でワンコール発信機能を実行するために必要な設定が完了する。
【0039】
次に、図13を参照して、携帯電話装置でのワンコール発信機能を実行する際の動作について説明する。なお、呼選択部13Aは、図10に示す各処理によってアクティブに設定されている。まず、発呼のために電話番号が入力されると(ステップS51)、料金比較部17は、メモリ90Aの設定領域90cに保存された上限料金を読み出して、料金積算部15で積算された、例えば月内の通話料金が上限料金を超えているか否かを判定する(ステップS52)。
【0040】
ステップS52で上記通話料金が上限料金を超えていると(Y)、呼選択部13Aは、入力された電話番号に従ってワンコール発信を選択し、この選択結果を通話制御部14に受け渡す。選択結果を受けて、通話制御部14は、ワンコール発信を行う(ステップS53)。一方、ステップS52で通話料金が上限料金未満であれば(N)、呼選択部13Aは、通常の発呼を選択し、この選択結果を通話制御部14に受け渡す。選択結果を受けて、通話制御部14は、入力された電話番号に従って通常の発呼を行う(ステップS54)。
【0041】
最後に、図14を参照して、ワンコール発信の設定を解除する動作について説明する。まず、制御部10Aは、ユーザの操作に伴い表示部70を制御し、ワンコール発信を設定するための画面74(図11参照)を表示させる(ステップS61)。次に、モード選択部11Aは、ユーザの操作に伴い、ワンコール発信を無効とするOFFが選択されたことを検知すると(ステップS62)、メモリ90Aのフラグ保存領域90dにフラグOFFを保存する(ステップS63)。続いて、モード選択部11Aは、ワンコール発信を無効とする(ステップS64)。このような、上記各処理によって、携帯電話装置でのワンコール発信が解除される。
【0042】
本実施形態によれば、積算された通話料金が設定された上限を超えると、自動的にワンコール発信を選択するので、通話料金を確実に抑制できる。一例として、保護者が通話料金を支払っている未成年者がユーザである場合には、保護者が通話料金の上限を設定することで、上限を超えて通話料金が請求されることを防止できる。
【0043】
また、上記各実施形態では、携帯電話装置を例に挙げて説明したが、これに限られず、固定電話機やPHS(Personal Handyphone System)、その他のモバイル系端末に、上記各実施形態で示した機能等を適用してもよい。
【0044】
本発明では、一態様として、発呼のために入力された電話番号と記憶装置に記憶された電話番号とを比較して一致を検出する番号比較部と、番号比較部で一致が検出されると入力された電話番号に従ってワンコール発呼を選択し、一致が検出されないと入力された電話番号に従って通常の発呼を選択する呼選択部と、呼選択部による選択結果に従って発呼を行う通話制御部とを備える構成を採用できる。
【0045】
上記構成により、発呼のために入力された電話番号が記憶装置に記憶された電話番号に一致すれば、ワンコール発呼を行い、一致しなれば、通常の発呼を行うことができる。したがって、発呼先との通信手段としての機能を維持しながら、通話料金を抑制できる。
【0046】
また、本発明では、一態様として、所定の期間内の通話料金を積算する料金積算部と、料金積算部で積算された料金と、予め設定されたしきい値とを比較する料金比較部と、料金比較部がしきい値未満の積算料金を検出すると、入力された電話番号に従って通常の発呼を選択し、しきい値以上の積算料金を検出すると、入力された電話番号に従ってワンコール発呼を選択する呼選択部と、呼選択部による選択結果に従って発呼を行う通話制御部とを備える構成を採用できる。
【0047】
上記構成により、積算料金がしきい値以上であれば、入力された電話番号に従いワンコール発呼を行い、しきい値未満であれば、通常の発呼を行うことができる。したがって、しきい値を超えると、全ての電話番号へ自動的にワンコール発呼を行い、通話料金を確実に抑制できる。
【0048】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明の携帯電話装置、その制御方法及びプログラムは、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話装置の構成を示すブロック図。
【図2】操作部の外観を示す図。
【図3】メモリの構成を示す図。
【図4】ワンコール発信を設定する際の動作を示すフローチャート。
【図5】ワンコール用電話番号を選択する際の表示部の画面を示す図。
【図6】ワンコール発信を実行する際の動作を示すフローチャート。
【図7】ワンコール発信の設定を解除する際の動作を示すフローチャート。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る携帯電話装置の制御部の構成を示すブロック図。
【図9】図8に示す携帯電話装置のメモリの構成を示す図。
【図10】図8に示す携帯電話装置でワンコール発信を設定する際の動作を示すフローチャート。
【図11】ワンコール発信を設定する際の表示部の画面を示す図。
【図12】料金の上限を設定する際の表示部の画面を示す図。
【図13】図8に示す携帯電話装置でワンコール発信を実行する際の動作を示すフローチャート。
【図14】図8に示す携帯電話装置でワンコール発信の設定を解除する際の動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0050】
10:制御部
11:モード選択部
12:番号比較部
13:呼選択部
14:通話制御部
15:料金積算部
16:しきい値設定部
17:料金比較部
20:無線部
30:アンテナ
40:スピーカ
50:マイク
60:操作部
70:表示部
80:電池
90:記憶装置
90a:電話帳保存領域
90b:ワンコール用電話番号フラグ保存領域
90c:ワンコール発信機能切替え金額設定領域
90d:ワンコール発信機能有効フラグ保存領域
100:携帯電話装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発呼のために入力された電話番号と記憶装置に記憶された電話番号とを比較して一致を検出する番号比較部と、
前記番号比較部で一致が検出されると前記入力された電話番号に従ってワンコール発呼を選択し、一致が検出されないと前記入力された電話番号に従って通常の発呼を選択する呼選択部と、
前記呼選択部による選択結果に従って発呼を行う通話制御部とを備えることを特徴とする携帯電話装置。
【請求項2】
所定の期間内の通話料金を積算する料金積算部と、
前記料金積算部で積算された料金と、予め設定されたしきい値とを比較する料金比較部と、
前記料金比較部がしきい値未満の積算料金を検出すると、入力された電話番号に従って通常の発呼を選択し、前記しきい値以上の積算料金を検出すると、入力された電話番号に従ってワンコール発呼を選択する呼選択部と、
前記呼選択部による選択結果に従って発呼を行う通話制御部とを備えることを特徴とする携帯電話装置。
【請求項3】
ユーザの入力に従って前記しきい値を設定するしきい値設定部を更に有する、請求項2に記載の携帯電話装置。
【請求項4】
ユーザの設定するフラグに従って、前記呼選択部又は該呼選択部による選択をアクティブにするか否かを選択するモード選択部を更に有する、請求項1〜3の何れか一に記載の携帯電話装置。
【請求項5】
発呼のために入力された電話番号と記憶装置に記憶された電話番号とを比較して一致を検出する番号比較ステップと、
前記番号比較ステップで一致が検出されると前記入力された電話番号に従ってワンコール発呼を行い、一致が検出されないと前記入力された電話番号に従って通常の発呼を行う発呼ステップとを有することを特徴とする携帯電話装置の制御方法。
【請求項6】
所定の期間内の通話料金を積算する料金積算ステップと、
前記料金積算ステップで積算された料金と、予め設定されたしきい値とを比較する料金比較ステップと、
前記料金比較ステップでしきい値未満の積算料金が検出されると、入力された電話番号に従って通常の発呼を行い、前記しきい値以上の積算料金が検出されると、入力された電話番号に従ってワンコール発呼を行う発呼ステップとを有することを特徴とする携帯電話装置の制御方法。
【請求項7】
ユーザの設定するフラグに従って、前記発呼ステップを実施するか否かを選択するモード選択ステップを更に有する、請求項5又は6に記載の携帯電話装置の制御方法。
【請求項8】
コンピュータを有する携帯電話装置のためのプログラムであって、前記コンピュータに、
発呼のために入力された電話番号と記憶装置に記憶された電話番号とを比較して一致を検出する番号比較ステップと、
前記番号ステップで一致が検出されると前記入力された電話番号に従ってワンコール発呼を行い、一致が検出されないと前記入力された電話番号に従って通常の発呼を行う発呼ステップとを実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
コンピュータを有する携帯電話装置のためのプログラムであって、前記コンピュータに、
所定の期間内の通話料金を積算する料金積算ステップと、
前記料金積算ステップで積算された料金と、予め設定されたしきい値とを比較する料金比較ステップと、
前記料金比較ステップでしきい値未満の積算料金が検出されると、入力された電話番号に従って通常の発呼を行い、前記しきい値以上の積算料金が検出されると、入力された電話番号に従ってワンコール発呼を行う発呼ステップとを実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
ユーザの設定するフラグに従って、前記発呼ステップを実施するか否かを選択するモード選択ステップを更に有する、請求項8又は9に記載のプログラム。
【請求項1】
発呼のために入力された電話番号と記憶装置に記憶された電話番号とを比較して一致を検出する番号比較部と、
前記番号比較部で一致が検出されると前記入力された電話番号に従ってワンコール発呼を選択し、一致が検出されないと前記入力された電話番号に従って通常の発呼を選択する呼選択部と、
前記呼選択部による選択結果に従って発呼を行う通話制御部とを備えることを特徴とする携帯電話装置。
【請求項2】
所定の期間内の通話料金を積算する料金積算部と、
前記料金積算部で積算された料金と、予め設定されたしきい値とを比較する料金比較部と、
前記料金比較部がしきい値未満の積算料金を検出すると、入力された電話番号に従って通常の発呼を選択し、前記しきい値以上の積算料金を検出すると、入力された電話番号に従ってワンコール発呼を選択する呼選択部と、
前記呼選択部による選択結果に従って発呼を行う通話制御部とを備えることを特徴とする携帯電話装置。
【請求項3】
ユーザの入力に従って前記しきい値を設定するしきい値設定部を更に有する、請求項2に記載の携帯電話装置。
【請求項4】
ユーザの設定するフラグに従って、前記呼選択部又は該呼選択部による選択をアクティブにするか否かを選択するモード選択部を更に有する、請求項1〜3の何れか一に記載の携帯電話装置。
【請求項5】
発呼のために入力された電話番号と記憶装置に記憶された電話番号とを比較して一致を検出する番号比較ステップと、
前記番号比較ステップで一致が検出されると前記入力された電話番号に従ってワンコール発呼を行い、一致が検出されないと前記入力された電話番号に従って通常の発呼を行う発呼ステップとを有することを特徴とする携帯電話装置の制御方法。
【請求項6】
所定の期間内の通話料金を積算する料金積算ステップと、
前記料金積算ステップで積算された料金と、予め設定されたしきい値とを比較する料金比較ステップと、
前記料金比較ステップでしきい値未満の積算料金が検出されると、入力された電話番号に従って通常の発呼を行い、前記しきい値以上の積算料金が検出されると、入力された電話番号に従ってワンコール発呼を行う発呼ステップとを有することを特徴とする携帯電話装置の制御方法。
【請求項7】
ユーザの設定するフラグに従って、前記発呼ステップを実施するか否かを選択するモード選択ステップを更に有する、請求項5又は6に記載の携帯電話装置の制御方法。
【請求項8】
コンピュータを有する携帯電話装置のためのプログラムであって、前記コンピュータに、
発呼のために入力された電話番号と記憶装置に記憶された電話番号とを比較して一致を検出する番号比較ステップと、
前記番号ステップで一致が検出されると前記入力された電話番号に従ってワンコール発呼を行い、一致が検出されないと前記入力された電話番号に従って通常の発呼を行う発呼ステップとを実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
コンピュータを有する携帯電話装置のためのプログラムであって、前記コンピュータに、
所定の期間内の通話料金を積算する料金積算ステップと、
前記料金積算ステップで積算された料金と、予め設定されたしきい値とを比較する料金比較ステップと、
前記料金比較ステップでしきい値未満の積算料金が検出されると、入力された電話番号に従って通常の発呼を行い、前記しきい値以上の積算料金が検出されると、入力された電話番号に従ってワンコール発呼を行う発呼ステップとを実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
ユーザの設定するフラグに従って、前記発呼ステップを実施するか否かを選択するモード選択ステップを更に有する、請求項8又は9に記載のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−41658(P2010−41658A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−205571(P2008−205571)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
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