説明

携帯電話装置

【課題】 通話中の新規着信に対して応答が行えるようにする。
【解決手段】 アンテナ101で受信した電波の復調を行って復調信号を生成するとともに送信データを所定の周波数へ変調してアンテナ101に変調信号を出力する無線回路部102と、無線回路部102で生成された復調信号を復号化するとともに符号化した送信データを無線回路部102へ出力する制御回路部103と、所定の情報表示を行う表示部104と、ユーザデータが格納された記憶装置部105と、使用者に着信を報知する着信報知回路部107とを有し、通話中に新規の着信があった場合、無線基地局から送信される着信報知チャネルを受信して無線回路部102が通話中の状態を維持したままその着呼情報を記憶装置部105に記憶し、通話終了後に着信報知回路部107および表示部104により使用者に報知する携帯電話装置とする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無線を利用した携帯電話装置に関し、特に通話中における新規着信への応答に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話装置は、従来では、無線基地局から送信される着信報知チャネルを受信し、受信した情報が着呼情報の場合に無線基地局とリンクして着信していた。
【0003】そのため、通話可能エリア内に携帯電話装置が存在しても、その携帯電話装置が通話中である場合には、無線基地局から送信される着信報知チャネルを受信しないために、新しい着呼に応答することが不可能であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の携帯電話装置では、通話中は通話チャネルを受信して無線基地局から送信される着信報知チャネルを受信しないため、通話中に新しい着呼に応答することが不可能であった。
【0005】そのため、通話中は通話可能エリアにその携帯電話装置が存在しても、新しい着呼に応答できないことはもちろん、携帯電話装置の操作者は、通話中に着呼があったことすら知らない状態であり、接続性の低下および携帯電話装置の本来の目的である敏速な情報伝達を阻害していた。
【0006】また、従来の携帯電話装置は装置単体または他の装置と接続してデータ通信をする形態が多用されるようになっているが、データ通信中は通常の音声通話以上に長い時間接続している場合が多く、通話中で接続できない場合があった。
【0007】そこで、本発明は、通話中の新規着信に対して応答を行うことができる携帯電話装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するために、本発明の携帯電話装置は、無線基地局と電波の送受信を行うアンテナと、アンテナで受信した電波の復調を行って復調信号を生成するとともに送信データを所定の周波数へ変調してアンテナに変調信号を出力する無線回路部と、無線回路部で生成された復調信号を復号化するとともに符号化した送信データを無線回路部へ出力する制御回路部と、所定の情報表示を行う表示部と、ユーザデータが格納された記憶装置部と、使用者に着信を報知する着信報知回路部とを有し、通話中においても無線基地局から送信される着信報知チャネルを受信して、新規の着信があった場合、無線回路部が通話中の状態を維持したままその着呼情報を記憶装置部に記憶し、通話終了後に着信報知回路部および表示部により使用者に報知する構成としたものである。
【0009】また、本発明の携帯電話装置は、無線基地局と電波の送受信を行うアンテナと、アンテナで受信した電波の復調を行って復調信号を生成するとともに送信データを所定の周波数へ変調してアンテナに変調信号を出力する無線回路部と、無線回路部で生成された復調信号を復号化するとともに符号化した送信データを無線回路部へ出力する制御回路部と、所定の情報表示を行う表示部と、使用者に着信を報知する着信報知回路部とを有し、通話中においても無線基地局から送信される着信報知チャネルを受信して、新規の着信があった場合、無線回路部が通話中の状態を維持したまま通話中の使用者に着信報知回路部および表示部によりその着呼情報を報知して当該着信を受けるか否かを選択させる構成としたものである。
【0010】さらに、本発明の携帯電話装置は、無線基地局と電波の送受信を行うアンテナと、アンテナで受信した電波の復調を行って復調信号を生成するとともに送信データを所定の周波数へ変調してアンテナに変調信号を出力する無線回路部と、無線回路部で生成された復調信号を復号化するとともに符号化した送信データを無線回路部へ出力する制御回路部と、所定の情報表示を行う表示部と、受信データが格納された記憶装置部と、使用者に着信を報知する着信報知回路部とを有し、通話中においても無線基地局から送信される着信報知チャネルを受信して、データの着信があった場合、無線回路部が通話中の状態を維持したままそのデータを受信して記憶装置部に記憶し、通話終了後に着信報知回路部および表示部により使用者に報知する構成としたものである。
【0011】そして、本発明の携帯電話装置は、無線基地局と電波の送受信を行うアンテナと、アンテナで受信した電波の復調を行って復調信号を生成するとともに送信データを所定の周波数へ変調してアンテナに変調信号を出力する無線回路部と、無線回路部で生成された復調信号を復号化するとともに符号化した送信データを無線回路部へ出力する制御回路部と、所定の情報表示を行う表示部と、ユーザデータが格納された記憶装置部と、使用者に着信を報知する着信報知回路部とを有し、データ通信中においても無線基地局から送信される着信報知チャネルを受信して、新規の着信があった場合、無線回路部がデータ通信中の状態を維持したままデータ通信中の使用者に着信報知回路部および表示部によりその着呼情報を報知して当該着信を受けるか否かを選択させる構成としたものである。
【0012】これにより、データ通信中の新規着信に対して応答を行うことが可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は、無線基地局と電波の送受信を行うアンテナと、アンテナで受信した電波の復調を行って復調信号を生成するとともに送信データを所定の周波数へ変調してアンテナに変調信号を出力する無線回路部と、無線回路部で生成された復調信号を復号化するとともに符号化した送信データを無線回路部へ出力する制御回路部と、所定の情報表示を行う表示部と、ユーザデータが格納された記憶装置部と、使用者に着信を報知する着信報知回路部とを有し、通話中においても無線基地局から送信される着信報知チャネルを受信して、新規の着信があった場合、無線回路部が通話中の状態を維持したままその着呼情報を記憶装置部に記憶し、通話終了後に着信報知回路部および表示部により使用者に報知する携帯電話装置であり、通話中に新規の着信があった場合、その着呼情報を記憶しておいて通話終了後に使用者に報知するようにしているので、通話中の新規着信に対して応答を行うことが可能になるという作用を有する。
【0014】本発明の請求項2に記載の発明は、無線基地局と電波の送受信を行うアンテナと、アンテナで受信した電波の復調を行って復調信号を生成するとともに送信データを所定の周波数へ変調してアンテナに変調信号を出力する無線回路部と、無線回路部で生成された復調信号を復号化するとともに符号化した送信データを無線回路部へ出力する制御回路部と、所定の情報表示を行う表示部と、使用者に着信を報知する着信報知回路部とを有し、通話中においても無線基地局から送信される着信報知チャネルを受信して、新規の着信があった場合、無線回路部が通話中の状態を維持したまま通話中の使用者に着信報知回路部および表示部によりその着呼情報を報知して当該着信を受けるか否かを選択させる携帯電話装置であり、通話中に新規の着信があった場合、通話中の使用者にその着呼情報を報知して当該着信を受けるか否かを選択させているので、通話中の新規着信に対して応答を行うことが可能になるという作用を有する。
【0015】本発明の請求項3に記載の発明は、無線基地局と電波の送受信を行うアンテナと、アンテナで受信した電波の復調を行って復調信号を生成するとともに送信データを所定の周波数へ変調してアンテナに変調信号を出力する無線回路部と、無線回路部で生成された復調信号を復号化するとともに符号化した送信データを無線回路部へ出力する制御回路部と、所定の情報表示を行う表示部と、受信データが格納された記憶装置部と、使用者に着信を報知する着信報知回路部とを有し、通話中においても無線基地局から送信される着信報知チャネルを受信して、データの着信があった場合、無線回路部が通話中の状態を維持したままそのデータを受信して記憶装置部に記憶し、通話終了後に着信報知回路部および表示部により使用者に報知する携帯電話装置であり、通話中にデータの着信があった場合、そのデータを自動的に受信しておき、これを通話終了後に使用者に報知して表示するようにしているので、通話中の新規着信に対して応答を行うことが可能になるという作用を有する。
【0016】本発明の請求項4に記載の発明は、無線基地局と電波の送受信を行うアンテナと、アンテナで受信した電波の復調を行って復調信号を生成するとともに送信データを所定の周波数へ変調してアンテナに変調信号を出力する無線回路部と、無線回路部で生成された復調信号を復号化するとともに符号化した送信データを無線回路部へ出力する制御回路部と、所定の情報表示を行う表示部と、ユーザデータが格納された記憶装置部と、使用者に着信を報知する着信報知回路部とを有し、データ通信中においても無線基地局から送信される着信報知チャネルを受信して、新規の着信があった場合、無線回路部がデータ通信中の状態を維持したままデータ通信中の使用者に着信報知回路部および表示部によりその着呼情報を報知して当該着信を受けるか否かを選択させる携帯電話装置であり、データ通信中に新規の着信があった場合、使用者にその着呼情報を報知して当該着信を受けるか否かを選択させているので、データ通信中の新規着信に対して応答を行うことが可能になるという作用を有する。
【0017】以下、本発明の実施の形態について、図1および図2を用いて説明する。なお、これらの図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。
【0018】(実施の形態1)図1は本発明の一実施の形態における携帯電話装置を示すブロック図、図2は図1R>1の携帯電話装置における無線基地局とのスロットタイミングを示すタイミングチャートである。なお、図1および図2は後述する実施の形態2〜4においても援用される。
【0019】図1に示すように、本実施の形態の携帯電話装置は、無線基地局(図示せず)と電波の送受信を行うアンテナ101と、アンテナ101で受信した電波の復調を行って復調信号を生成するとともに送信データを所定の周波数へ変調してアンテナ101に変調信号を出力する無線回路部102と、無線回路部102で生成された復調信号を復号化するとともに符号化した送信データを無線回路部102へ出力する制御回路部103と、たとえばLCDからなり情報表示を行う表示部104と、ユーザデータや受信データが格納される記憶装置部105と、キー操作により使用者の所望する機能を実行するキー操作部106と、使用者に着信を報知する着信報知回路部107と、制御回路部103により復号化された音声データを音声符号化方式の仕様で復号化した後にアナログ変換して音声信号を生成するとともに入力された音声信号をデジタル変換した後に音声符号化方式の仕様で符号化して音声データとして制御回路部103へ出力する音声コーデック108と、たとえばスピーカおよびアンプからなる音声出力部109と、たとえばマイクからなる音声入力部110とから構成されている。
【0020】なお、着信報知回路部107における着信報知としては、たとえばリンガによる音による報知、LED点滅やLCD表示等の光による報知、またはバイブレータ駆動等の振動による報知が行われる。
【0021】次に、このような構成を有する携帯電話装置における無線基地局とのスロットタイミングを示す図2R>2において、無線基地局および携帯電話装置の各々における横軸は時間軸であり、この時間軸に対して上側に送信区間を、下側に受信区間をそれぞれ示している。
【0022】図2において、送信区間の始まりから次の送信区間の始まりまでがフレームであり、送信区間または受信区間を4つに分割しているのがスロットである。また、スロット名称は、送信区間の始まりから順次、第1スロット、第2スロット、第3スロット、第4スロット、第5スロット、第6スロット、第7スロットおよび第8スロットと称す。すなわち無線基地局における第1スロットは携帯電話装置における第5スロットである。スロットの右上がりの斜線部は通話チャネルで、スロットの右下がりの斜線部は無線基地局の着信報知チャネルを表示している。
【0023】以上のように構成された本実施の形態の携帯電話装置における動作の一例について説明する。
【0024】ここでは、携帯電話装置は通話中の状態とする。すなわち、携帯電話装置は、第1スロットおよび第5スロット(携帯電話装置側のスロット番号)にて送受信して通話中の状態である。
【0025】通話状態における送話および受話は次のようにして行われる。
【0026】すなわち、送話は、携帯電話装置の操作者が音声入力部110へ向かって話すと、音声入力部110は、入力された音声を音声信号として音声コーデック108へ出力する。音声コーデック108は、音声入力部110から入力された音声信号をデジタル変換し、さらに音声符号化方式の仕様で符号化して制御回路部103へ出力する。制御回路部103は、音声コーデック108から入力された音声データを送信データとして符号化し、これを無線回路部102へ出力する。そして、無線回路部102は、制御回路部103から入力された送信データを変調して、第1スロット(携帯電話装置側のスロット番号)でアンテナ101へ出力する。アンテナ101は、無線回路部102から入力された変調信号を入力されたタイミングで無線基地局(図示せず)へ電波として出力する。
【0027】次に、受話においては、アンテナ101は、第5スロット(携帯電話装置側のスロット番号)のタイミングで無線基地局(図示せず)の電波を受信し、変調信号を無線回路部102へ出力する。無線回路部102は、アンテナ101から入力された変調信号を復調して制御回路部103へ出力する。制御回路部103は、無線回路部102から入力された復調信号を受信データとして復号化し、音声データのみを音声コーデック108へ出力する。音声コーデック108は、制御回路部103から入力された音声データを音声符号化方式の仕様で復号化し、さらにアナログ変換して音声信号として音声出力部109へ出力する。音声出力部109は入力された音声信号を音声として出力する。
【0028】通話中において無線基地局(図示せず)から第3スロット(基地局側のスロット番号)で着信報知チャネルが送信されると、制御回路部103は無線回路部102を制御して、第7スロット(携帯電話装置側のスロット番号)のタイミングで且つ無線基地局から送信される着信報知チャネルの周波数でバースト受信をする。
【0029】このようにしてアンテナ101から入力された電波を無線回路部102が復調し、復調信号を制御回路部103へ出力する。制御回路部103は、無線回路部102から入力された復調信号を復号化して、着呼情報か否かを判別する。そして、制御回路部103が受信データを判別した結果、それが着呼情報であった場合、現在通話中のスロット以外すなわち第1スロットおよび第5スロット以外(携帯電話装置側のスロット番号)のスロットで無線プロトコルに沿って着呼の一連の動作を実施し、発信者電話番号が判別するプロトコルまで終了すると、制御回路部103は新しい着呼側に切断メッセージを送信データとして符号化して無線回路部102に出力して切断を促す。また、制御回路部103は、発信者電話番号と現在の時刻を記憶装置部105に格納する。なお、格納するデータは発信者電話番号だけでもよい。
【0030】この動作により、通話中の状態を維持したまま、新しい着呼情報を得ることが可能になる。
【0031】携帯電話装置の操作者がキー操作部106を操作して通話中のチャネルを切断すると、制御回路部103はキー操作部106からの信号によりチャネルの切断が選択されたと判断して、切断メッセージを送信データとして符号化して無線回路部102へ出力する。無線回路部102は、送信データを変調してアンテナ101へ出力し、アンテナ101が無線回路部102からの変調信号を電波として出力して通話切断となる。
【0032】このとき、制御回路部103は、通話中に着信があったことを携帯電話装置の操作者に報知するために、記憶装置部105に格納した発信者電話番号と時刻を記憶装置部105から読み出し、表示部104に表示する。なお、発信者電話番号が既に電話帳登録された番号であるときは、電話番号に付属したデータも表示した方がよい。また、制御回路部103は、表示部104に表示するだけでなく、着信報知回路部107を制御して音、光または振動による報知をしてもよい。
【0033】携帯電話装置の操作者は、以上の報知によって通話中に着信があったことを確認して、表示部104に表示されている電話番号をダイヤルして電話を掛け直す。なお、ダイヤルのかけ直しは、ダイヤルが表示されている状態でワンタッチで自動発信できるようにしてもよい。
【0034】このように、本実施の形態によれば、通話中に新規の着信があった場合、無線基地局から送信される着信報知チャネルを受信し、その着呼情報を記憶しておいて通話終了後に使用者に報知するようにしているので、通話中の新規着信に対して応答を行うことが可能になる。
【0035】なお、着信報知チャネルは、時分割多元接続の場合には無線基地局から送信される着信報知チャネルのスロットで、周波数分割多元接続の場合には無線基地局から送信される着信報知チャネルの周波数で、符号分割多元接続の場合には無線基地局から送信される着信報知のチャネルの拡散係数で、それぞれ受信することができる。
【0036】(実施の形態2)図1および図2のように構成された本実施の形態の携帯電話装置における動作の他の一例について説明する。
【0037】ここでは、携帯電話装置は通話中の状態とする。すなわち、携帯電話装置は、第1スロットおよび第5スロット(携帯電話装置側のスロット番号)にて送受信して通話中の状態である。
【0038】なお、通話状態における送話および受話は実施の形態1と同様にして行われるので、重複した説明は省略する。
【0039】通話中において、無線基地局(図示せず)から第3スロット(基地局側のスロット番号)で着信報知チャネルが送信されると、制御回路部103は無線回路部102を制御して、第7スロット(携帯電話装置側のスロット番号)のタイミングで且つ無線基地局から送信される着信報知チャネルの周波数でバースト受信をする。
【0040】このようにしてアンテナ101から入力された電波を無線回路部102が復調し、復調信号を制御回路部103へ出力する。制御回路部103は、無線回路部102から入力された復調信号を復号化して、着呼情報か否かを判別する。そして、制御回路部103が受信データを判別した結果、それが着呼情報であった場合、現在通話中のスロット以外すなわち第1スロットおよび第5スロット以外(携帯電話装置側のスロット番号)のスロットで無線プロトコルに沿って着呼の一連の動作を実施し、携帯電話装置の応答待ち状態となる。制御回路部103は発信者電話番号を表示部104に表示して、さらに着信報知回路部107を制御して携帯電話装置の操作者に着信中であることを報知する。
【0041】なお、既に通話中であるため、着信報知回路部107は、無音報知すなわちLED点灯またはバイブ駆動等で報知することが望ましい。また、表示部104に表示する発信者電話番号が既に記憶装置部105に電話帳データとして格納されている場合、制御回路部103は記憶装置部105から当該電話帳データを読み出し、付属データすなわち発信者の名前等も同時に表示部104に表示した方がよい。
【0042】以上によって、携帯電話装置の操作者は新規着信中であることを知ることが可能になる。
【0043】着信中であることを知った携帯電話装置の操作者は、表示部104の発信者電話番号を確認する。そして、新しい着信に応答しないときは、予め決められたキー操作部106を操作する。これにより、制御回路部103は、キー操作部106からの信号により新しい着信に応答しないと判断して、切断メッセージを送信データとして符号化して無線回路部102に出力し、新しい着信に対して切断を促し、これまで通り通話チャネルを維持する。
【0044】また、携帯電話装置の操作者が、表示部104に表示された発信者番号を確認して新しい着呼に応答するときは、予め決められたキー操作部106の操作をする。これにより、制御回路部103は、キー操作部106からの信号により新しい着呼に応答すると判断して、旧通話チャネルに切断メッセージを送信データとして符号化して無線回路部102に出力して切断を促すと共に、新通話チャネルに応答メッセージを送信データとして符号化して無線回路部102に出力して応答を促す。無線回路部102は、制御回路部103から入力された切断メッセージを変調して旧通話チャネルのスロットすなわち第1スロット(携帯電話装置側のスロット番号)でアンテナ101へ出力し、また応答メッセージを変調して新通話チャネルのスロットすなわち第1スロットおよび第5スロット(携帯電話装置側のスロット番号)以外のスロットで且つ、これまで応答待ち状態まで無線プロトコルに沿って一連の動作を実行したスロットの携帯電話装置の送信スロットでアンテナ101へ出力する。アンテナ101は、無線回路部102から入力された変調信号を入力されたタイミングで電波として無線基地局(図示せず)に出力する。
【0045】以上の動作で旧通話チャネルは切断され、新通話チャネルが通話状態となり、携帯電話装置の操作者は新しい着呼に応答できる。
【0046】このように、本実施の形態によれば、通話中に新規の着信があった場合、無線基地局から送信される着信報知チャネルを受信し、通話中の使用者にその着呼情報を報知して当該着信を受けるか否かを選択させているので、通話中の新規着信に対して応答を行うことが可能になる。
【0047】(実施の形態3)図1および図2のように構成された本実施の形態の携帯電話装置における動作のさらに他の一例について説明する。
【0048】ここでも、携帯電話装置は通話中の状態とする。すなわち、携帯電話装置は、第1スロットおよび第5スロット(携帯電話装置側のスロット番号)にて送受信して通話中の状態である。
【0049】なお、通話状態における送話および受話は実施の形態1と同様にして行われるので、重複した説明は省略する。
【0050】通話中において、無線基地局(図示せず)から第3スロット(基地局側のスロット番号)で着信報知チャネルが送信されると、制御回路部103は無線回路部102を制御して、第7スロット(携帯電話装置側のスロット番号)のタイミングで且つ無線基地局から送信される着信報知チャネルの周波数でバースト受信をする。
【0051】このようにしてアンテナ101から入力された電波を無線回路部102が復調し、復調信号を制御回路部103へ出力する。制御回路部103は、無線回路部102から入力された復調信号を復号化して、着呼情報か否かを判別する。そして、制御回路部103が受信データを判別した結果、それが着呼情報であった場合、現在通話中のスロット以外すなわち第1スロットおよび第5スロット以外(携帯電話装置側のスロット番号)のスロットで無線プロトコルに沿って着呼の一連の動作を実施する。
【0052】このとき、新しい着呼の受信データを復調して、制御回路部103がメール等のデータ通信であると判断した場合、制御回路部103は携帯電話装置の操作者に報知することなく、応答メッセージを送信データとして符号化して無線回路部102に出力する。無線回路部102は、制御回路部103からの送信データを変調して、第1スロットおよび第5スロット以外(携帯電話装置側のスロット番号)で且つ無線プロトコルに沿って一連の動作を行ったスロットの携帯電話装置の送信スロットでアンテナ101へ出力する。アンテナ101は、無線回路部102から入力されて変調信号を入力されたタイミングで無線基地局(図示せず)に電波として出力する。
【0053】以上の動作で、一方で通話チャネルを維持したまま、データ通信用の通信チャネルが確保される。
【0054】次に、アンテナ101は、通信チャネルで受信した電波を変調信号として無線回路部102へ出力する。無線回路部102は、アンテナ101から入力された変調信号を復調して制御回路部103へ出力する。制御回路部103は、無線回路部102から入力された復調信号を受信データとして復号化して、記憶装置部105に書き込みこれを格納する。
【0055】このようにして通信チャネル側で受信すべきデータを全て受信すると、制御回路部103は切断メッセージを送信データとして符号化して無線回路部102へ出力する。無線回路部102は、制御回路部103から入力された送信データを変調して、第1スロットおよび第5スロット以外(携帯電話装置側のスロット番号)で且つ通信チャネルとして使用してきたスロットの携帯電話装置の送信スロットでアンテナ101へ出力する。アンテナ101は、無線回路部102から入力された変調信号を入力されたタイミングで電波として無線基地局(図示せず)に出力する。
【0056】以上の動作で、旧通話チャネル側のみの送受信状態となる。
【0057】携帯電話装置の操作者が通話を終了するためにキー操作部106を操作すると、制御回路部103はキー操作部106から入力される信号によりチャネルの切断が要求されたと判断して、音声入力部110をアイドル状態に戻す。このとき、音声コーデック108および音声出力部109は携帯電話装置の操作者にビジートーンを聞かせるために動作状態にしていた方がよいが、音声入力部110と同様にアイドル状態にしてもよい。また、制御回路部103は、切断メッセージを送信データとして符号化して無線回路部102へ出力する。無線回路部102は、制御回路部103から入力された送信データを変調して第1スロット(携帯電話装置側のスロット番号)でアンテナ101へ出力する。アンテナ101は、無線回路部102から入力された変調信号を入力されたタイミングで電波として無線基地局(図示せず)に出力する。
【0058】以上の動作で通話終了となる。
【0059】通話終了後、制御回路部103は表示部104に受信データありのメッセージを表示する。携帯電話装置の操作者は表示部104の表示を確認して受信データがあることを知り、予め決めたれたキー操作部106の操作をする。制御回路部103は、キー操作部から入力される信号により受信データの表示が要求されたと判断して、記憶装置部105から受信データを読み出し、表示部104に表示する。
【0060】このように、本実施の形態によれば、通話中にデータの着信があった場合、無線基地局から送信される着信報知チャネルを受信し、そのデータを自動的に受信しておき、これを通話終了後に使用者に報知して表示するようにしているので、通話中の新規着信に対して応答を行うことが可能になる。
【0061】(実施の形態4)図1および図2のように構成された本実施の形態の携帯電話装置における動作のさらに他の一例について説明する。
【0062】ここでは、携帯電話装置はデータ通信中の状態とする。すなわち、携帯電話装置は、第1スロットおよび第5スロット(携帯電話装置側のスロット番号)にて送受信してデータ通信中の状態である。
【0063】なお、データ通信は携帯電話装置単体でも他のデータ入力部を備えた装置と接続した状態でもよいが、ここでは、説明の便宜上、携帯電話装置単体でのデータ通信について説明する。
【0064】データ送信は、携帯電話装置の操作者がキー操作部106を操作してデータを入力または選択することにより行われる。制御回路部103は、キー操作部106から入力された信号により、表示部104の制御と携帯電話装置の操作者が要求するデータを送信データとして符号化する。なお、この要求したデータが既に記憶装置部105に格納されているデータの場合には、記憶装置部105から読み出し送信データとして符号化し、その後無線回路部102へ出力する。無線回路部102は、制御回路部103から入力された送信データを変調して、第1スロット(携帯電話装置側のスロット番号)でアンテナ101へ出力する。アンテナ101は、無線回路部102から入力された変調信号を入力されたタイミングで無線基地局(図示せず)へ電波として出力する。
【0065】次に、データ受信は、アンテナ101が第5スロット(携帯電話装置側のスロット番号)のタイミングで無線基地局(図示せず)の電波を受信し、変調信号を無線回路部102へ出力する。無線回路部102は、アンテナ101から入力された変調信号を復調して制御回路部103へ出力する。制御回路部103は、無線回路部102から入力された復調信号を受信データとして復号化して、データに応じて表示部104を制御してさらに記憶装置部105へデータを書き込む。なお、記憶装置部105への書き込みのタイミングはデータ通信終了後でも構わない。
【0066】以上の動作により、データの通信が行われる。
【0067】データ通信中において、無線基地局(図示せず)から第3スロット(基地局側のスロット番号)で着信報知チャネルが送信されると、制御回路部103は無線回路部102を制御して、第7スロット(携帯電話装置側のスロット番号)のタイミングで且つ無線基地局から送信される着信報知チャネルの周波数でバースト受信をする。
【0068】このようにしてアンテナ101から入力された電波を無線回路部102が復調し、復調信号を制御回路部103へ出力する。制御回路部103は、無線回路部102から入力された復調信号を復号化して、着呼情報か否かを判別する。そして、制御回路部103が受信データを判別した結果、それが着呼情報であった場合、現在データ通信中のスロット以外すなわち第1スロットおよび第5スロット以外(携帯電話装置側のスロット番号)のスロットで無線プロトコルに沿って着呼の一連の動作を実施し、携帯電話装置の応答待ち状態となる。制御回路部103は発信者電話番号を表示部104に表示して、さらに着信報知回路部107を制御して携帯電話装置の操作者に着信中であることを報知する。
【0069】なお、既にデータ通信中であるため、着信報知回路部107は、無音報知すなわちLED点灯またはバイブ駆動等で報知するのが望ましい。また、表示部104に表示する発信者電話番号が既に記憶装置部105に電話帳データとして格納されている場合、制御回路部103は記憶装置部105から当該電話帳データを読み出し、付属データすなわち発信者の名前等も同時に表示部104に表示した方がよい。但し、データ通信中で表示部104が既にデータ通信で使用されているときは、表示部104へ着信表示自体を止めた方がよい。
【0070】以上によって、携帯電話装置の操作者は新規着信中であることを知ることが可能になる。
【0071】着信中であることを知った携帯電話装置の操作者は、表示部104の発信者電話番号を確認する。そして、新しい着信に応答しないときは、予め決められたキー操作部106を操作する。これにより、制御回路部103は、キー操作部106からの信号により新しい着呼に応答しないと判断して、切断メッセージを送信データとして符号化して無線回路部102に出力し、新しい着呼に対して切断を促し、これまで通りデータ通信チャネルを維持する。
【0072】また、携帯電話装置の操作者が、表示部104に表示された発信者番号を確認して新しい着呼に応答するときは、予め決められたキー操作部106の操作をする。これにより、制御回路部103は、キー操作部106からの信号により新しい着呼に応答すると判断して、新通話チャネルに応答メッセージを送信データとして符号化して無線回路部102に出力して応答を促す。無線回路部102は、制御回路部103から入力された応答メッセージを変調して新通話チャネルのスロットすなわち第1スロットおよび第5スロット以外(携帯電話装置側のスロット番号)のスロットで且つ、これまで応答待ち状態まで無線プロトコルに沿って一連の動作を実行したスロットの携帯電話装置の送信スロットでアンテナ101へ出力する。アンテナ101は、無線回路部102から入力された変調信号を入力されたタイミングで電波として無線基地局(図示せず)に出力する。
【0073】以上の動作で、一方でデータ通信チャネルを維持したまま、音声通話用の通信チャネルが確保される。
【0074】このように、本実施の形態によれば、データ通信中に新規の着信があった場合、無線基地局から送信される着信報知チャネルを受信し、データ通信中の使用者にその着呼情報を報知して当該着信を受けるか否かを選択させているので、データ通信中の新規着信に対して応答を行うことが可能になる。
【0075】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、通話中に新規の着信があった場合、その着呼情報を記憶しておいて通話終了後に使用者に報知するようにしているので、通話中の新規着信に対して応答を行うことが可能になるという有効な効果が得られる。
【0076】また、本発明によれば、通話中に新規の着信があった場合、通話中の使用者にその着呼情報を報知して当該着信を受けるか否かを選択させているので、通話中の新規着信に対して応答を行うことが可能になるという有効な効果が得られる。
【0077】さらに、本発明によれば、通話中にデータの着信があった場合、そのデータを自動的に受信しておき、これを通話終了後に使用者に報知して表示するようにしているので、通話中の新規着信に対して応答を行うことが可能になるという有効な効果が得られる。
【0078】そして、本発明によれば、データ通信中に新規の着信があった場合、使用者にその着呼情報を報知して当該着信を受けるか否かを選択させているので、データ通信中の新規着信に対して応答を行うことが可能になるという有効な効果が得られる。
【0079】このように通話中の新規着信に対しての応答が可能になることにより、携帯電話装置が通話エリア内にいるだけで常に接続できるので、接続性の向上および情報の敏速な伝達が可能になるという有効な効果が得られる。
【0080】また、このように通話中の新規着信に対しての応答が可能になることにより、データ通信で長時間接続中であっても新しい着呼に応答できるので、システム全体の利用効率の向上を図ることが可能になるという有効な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における携帯電話装置を示すブロック図
【図2】図1の携帯電話装置における無線基地局とのスロットタイミングを示すタイミングチャート
【符号の説明】
101 アンテナ
102 無線回路部
103 制御回路部
104 表示部
105 記憶装置部
107 着信報知回路部

【特許請求の範囲】
【請求項1】無線基地局と電波の送受信を行うアンテナと、前記アンテナで受信した電波の復調を行って復調信号を生成するとともに送信データを所定の周波数へ変調して前記アンテナに変調信号を出力する無線回路部と、前記無線回路部で生成された復調信号を復号化するとともに符号化した送信データを前記無線回路部へ出力する制御回路部と、所定の情報表示を行う表示部と、ユーザデータが格納された記憶装置部と、使用者に着信を報知する着信報知回路部とを有し、通話中においても前記無線基地局から送信される着信報知チャネルを受信して、新規の着信があった場合、前記無線回路部が通話中の状態を維持したままその着呼情報を前記記憶装置部に記憶し、通話終了後に前記着信報知回路部および前記表示部により使用者に報知することを特徴とする携帯電話装置。
【請求項2】無線基地局と電波の送受信を行うアンテナと、前記アンテナで受信した電波の復調を行って復調信号を生成するとともに送信データを所定の周波数へ変調して前記アンテナに変調信号を出力する無線回路部と、前記無線回路部で生成された復調信号を復号化するとともに符号化した送信データを前記無線回路部へ出力する制御回路部と、所定の情報表示を行う表示部と、使用者に着信を報知する着信報知回路部とを有し、通話中においても前記無線基地局から送信される着信報知チャネルを受信して、新規の着信があった場合、前記無線回路部が通話中の状態を維持したまま通話中の使用者に前記着信報知回路部および前記表示部によりその着呼情報を報知して当該着信を受けるか否かを選択させることを特徴とする携帯電話装置。
【請求項3】無線基地局と電波の送受信を行うアンテナと、前記アンテナで受信した電波の復調を行って復調信号を生成するとともに送信データを所定の周波数へ変調して前記アンテナに変調信号を出力する無線回路部と、前記無線回路部で生成された復調信号を復号化するとともに符号化した送信データを前記無線回路部へ出力する制御回路部と、所定の情報表示を行う表示部と、受信データが格納された記憶装置部と、使用者に着信を報知する着信報知回路部とを有し、通話中においても前記無線基地局から送信される着信報知チャネルを受信して、データの着信があった場合、前記無線回路部が通話中の状態を維持したままそのデータを受信して前記記憶装置部に記憶し、通話終了後に前記着信報知回路部および前記表示部により使用者に報知することを特徴とする携帯電話装置。
【請求項4】無線基地局と電波の送受信を行うアンテナと、前記アンテナで受信した電波の復調を行って復調信号を生成するとともに送信データを所定の周波数へ変調して前記アンテナに変調信号を出力する無線回路部と、前記無線回路部で生成された復調信号を復号化するとともに符号化した送信データを前記無線回路部へ出力する制御回路部と、所定の情報表示を行う表示部と、ユーザデータが格納された記憶装置部と、使用者に着信を報知する着信報知回路部とを有し、データ通信中においても前記無線基地局から送信される着信報知チャネルを受信して、新規の着信があった場合、前記無線回路部がデータ通信中の状態を維持したままデータ通信中の使用者に前記着信報知回路部および前記表示部によりその着呼情報を報知して当該着信を受けるか否かを選択させることを特徴とする携帯電話装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2001−211478(P2001−211478A)
【公開日】平成13年8月3日(2001.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−18451(P2000−18451)
【出願日】平成12年1月27日(2000.1.27)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】