説明

携帯電話装置

【課題】 ユーザが望んでいない項目が決定されることを回避する。
【解決手段】 ユーザがタッチセンサーを操作するとその操作に応じてカーソルが上下に移動し(S1、S2ステップ)、上下キーが操作されるとその操作に応じてカーソルが上下に移動し(S3、S4ステップ)、決定キーが操作されるとカーソルが指示している項目が決定され(S7、S8ステップ)、テンキーが操作されるとテンキーの操作を無効にする(S5、S6ステップ)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが指でなぞることにより入力が可能な接触検知センサを備えた携帯電話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
指でなぞることにより文字を入力することが可能な、所謂接触検知センサを備えた携帯電話装置が製品化されており、例えば、ユーザが項目の一覧(例えば、カメラ機能、データフォルダ、FM機能、TV機能、設定等の項目)から所望の項目を選択する際に、ユーザが接触検知センサ上を指でなぞることにより表示されているカーソルを移動させ、所望の項目上にカーソルが移動した際に特定のキー(例えば決定キー)を押下することにより、所望の項目を選択決定することが可能である。
又、このような携帯電話装置に関する特許出願もされている。
【0003】
例えば特許文献1には、携帯電話装置のテンキー部分に接触検知センサを備え、ユーザがテンキー部分を指でなぞることにより、ユーザがなぞった文字を暗証番号として登録する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−306785号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常の携帯電話装置では、項目一覧を表示させた際に各項目夫々に番号が割り当てられており、ユーザがテンキーを押下すると、押下されたテンキーの番号に対応する項目が選択される。
この為、このような携帯電話装置に接触検知センサを搭載させると、ユーザがテンキーを指でなぞることによりカーソルを移動することができるが、誤ってテンキーを押下した場合にはカーソルが示す項目が選択されるのではなく、押下されたテンキーに対応する項目が選択されてしまう。
【0005】
これでは、ユーザにとって不所望な項目が選択されることになり、非常に使い勝手が悪い。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明は、このような課題を解決する為のものであり、請求項1記載の入力装置は、テンキーと、接触検知センサと、表示部と、前記接触検知センサを動作させている際には前記テンキーからの入力を無効にするように制御する制御部と、を有することを特徴とする。
請求項2記載の携帯電話装置は、テンキーと、接触検知センサと、複数の項目とカーソルを表示する表示部と、前記カーソルを移動するように前記接触検知センサから入力操作がある際には前記テンキーからの入力を無効にするように制御する制御部と、を有することを特徴とする。
請求項3記載の携帯電話装置は、テンキーと、接触検知センサと、複数の項目とカーソルを表示する表示部と、前記接触検知センサを用いて前記カーソルを移動することにより複数の項目から所望の項目を選択するモードを実施している際には前記テンキーからの入力を無効にするように制御する制御部と、を有することを特徴とする。
請求項4記載の携帯電話装置は、カーソルを移動させる為の移動キーと、テンキーと、接触検知センサと、複数の項目とカーソルを表示する表示部と、前記接触検知センサを用いて前記カーソルを移動することにより複数の項目から所望の項目を選択するモードを実施している際には前記テンキーからの入力を無効にし、前記移動キーを操作することにより複数の項目から所望の項目を選択するモードを実施している際には前記テンキーからの入力を有効にすることを特徴とする。
請求項5記載の携帯電話装置は、請求項4記載の携帯電話装置であり、前記複数の項目夫々には番号が対応付けてあり、前記移動キーを操作することにより複数の項目から所望の項目を選択するモードを実施している際には、テンキーの操作があると操作されたテンキーの数字に対応する項目を選択することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザが接触検知センサを用いてカーソルを移動させ、所望の項目を選択する操作を行っている際や、そのモードである際には、テンキーの操作があってもテンキーの操作を無効とする為、ユーザが望んでいない項目が誤って選択されることを回避することが可能である。
請求項1記載の携帯電話装置は、接触検知センサを動作させている際には、テンキーからの入力を無効とする為、ユーザが望んでいない項目が誤って選択されることを回避することが可能である。
請求項2記載の携帯電話装置は、カーソルを移動するように接触検知センサから入力操作がある際には、テンキーからの入力を無効とする為、ユーザが望んでいない項目が誤って選択されることを回避することが可能である。
請求項3記載の携帯電話装置は、接触検知センサを用いてカーソルを移動することにより複数の項目から所望の項目を選択するモードを実施している際にはテンキーからの入力を無効にする為、ユーザが望んでいない項目が誤って選択されることを回避することが可能である。
請求項4記載の携帯電話装置は、接触検知センサを用いてカーソルを移動することにより複数の項目から所望の項目を選択するモードを実施している際にはテンキーからの入力を無効にし、移動キーを操作することにより複数の項目から所望の項目を選択するモードを実施している際にはテンキーからの入力を有効にしている為、ユーザが望んでいない項目が誤って選択されることを回避することができるだけでなく、移動キーを用いて所望の項目を選択しているモードではテンキーの入力が可能である為、モードに応じて使えるキーを使い分けており、ユーザにとって使い勝手の良い携帯電話装置を提供することができる。
請求項5記載の携帯電話装置は、移動キーを操作することにより複数の項目から所望の項目を選択するモードを実施している際には、テンキーの操作があると操作されたテンキーの数字に対応する項目を選択する為、移動キーを用いて所望の項目を選択しているモードではテンキーの操作により項目を決定できる為、ユーザにとって使い勝手の良い携帯電話装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に、本発明の一実施形態に係る携帯電話装置について、図面を参照して説明する。
図1は本実施例装置である携帯電話装置の斜視図である。本実施例装置は、テンキー48といった通常のキー操作部以外に、ユーザが指で触れることにより操作可能な接触検知センサ56も搭載している、又、前記接触検知センサ56は、テンキー48及びテンキー48の周囲の領域に配置されている。
図2は、本実施例の使用形態を示す斜視図である。ユーザは、テンキー48及びその周辺に配置されている接触検知センサ56(図2の点線で囲っている部分)を指でなぞることにより、入力操作を行うことが可能である。
図3に示すように、携帯電話装置10は、アンテナ16と接続された通信部12を備えている。この通信部12は、後述のベースバンド部14からの信号をアンテナ16を介して基地局へ発信し、あるいはアンテナ16を介して基地局からの電波を受信する。
また、通信部12は、ベースバンド部14と接続されている。ベースバンド部14は、CDMA処理回路18と、音声コーデック20と、を有している。ここで、CDMA処理回路18は、符号分割多元接続、スクランブル、誤り制御、タイミング検出を行う。また、音声コーデック20は、音声を圧縮(符号化)、伸張(復号化)したり、アナログとデジタルの変換を行ったり、内部の増幅回路(図示省略)により受話音量やマイクロホンの感度を変更する。
また、ベースバンド部14には、切替回路22が接続されている。この切替回路22には、増幅回路24を介して第1スピーカ26が接続されている。この第1スピーカ26は、増幅回路24で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第1スピーカ26は、ユーザの耳にあてて通話に使用される。
また、切替回路22には、増幅回路28を介してマイクロホン30が接続されている。このマイクロホン30は、通話に使用され、音声を電気信号に変換する。マイクロホン30により出力された電気信号は、増幅回路28で増幅されてベースバンド部14に出力される。
また、切替回路22には、増幅回路32を介して第2スピーカ34が接続されている。この第2スピーカ34は、増幅回路32で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第2スピーカ34は、受話音を周囲の人にも聞かせるための拡声用のスピーカである。また、第2スピーカ34は、着信報知の鳴動も行う。なお、これらの3つの増幅回路24、28、32は、ゲインを固定しており、第1スピーカ26及び第2スピーカ34の音量やマイクロホン30の感度を変更することはできないようになっている。
この切替回路22は、ベースバンド部14との接続を、第1スピーカ26用の増幅回路24とマイクロホン30用の増幅回路28側にするか、あるいは拡声用の第2スピーカ34用の増幅回路32とマイクロホン30用の増幅回路28側にするかを切り替える。
また、通信部12、ベースバンド部14、切替回路22には、制御回路(制御部)36がそれぞれ接続されている。この制御回路36の制御により上述した切替回路22による切り替えが行われる。また、制御回路36によりベースバンド部14の音声コーデック20が制御され、音声コーデック20により第1スピーカ26及び第2スピーカ34の音量やマイクロホン30の感度が変更される。制御回路36には、ROM38が接続されており、ROM38に格納されているシステムプログラムに基づき各部を制御する。
また、制御回路36には、入力部44が接続されている。この入力部44は、電話番号等の入力を行うテンキー48と、通話の開始を操作する通話キー50と、通話の終了を操作する切キー52と、OKキー54と、クリアキー55と、図示していないが、カーソルを上下に移動する為の上下キー等の各キーを有している。
ここで、テンキー48には、1〜9の各入力ボタンと、♯ボタンと、*ボタン(本実施形態では12個のボタンとなる)とが含まれる。また、図4に示すように全てのテンキー48の表面と、テンキー48周辺の筐体表面には、ユーザが接触したことを検知する接触検知センサ56が設けられている。この接触検知センサ56は、従来から知られているものであり、例えば、透明電極等が用いられている。この接触検知センサ56は、回路基板58に形成された配線パターンと電気的に接続されており(図示せず)、更に、回路基板58は制御回路36と電気的に接続されている。この為、ユーザが接触検知センサ56に触れたことを示す信号は、接触検知センサ56、回路基板58、を介して制御回路36へ入力される。
尚、本実施例装置では、接触検知センサ56を筐体表面に配置しているが、キー48の裏面側一面のように筐体内部に配置しても良い。例えば、静電容量検知型の接触検知センサであれば、筐体内部に配置することが可能である。
また、制御回路36には、所定の色のLED素子を備えた照明部46が接続されている。照明部46のLED素子の発光により、ディスプレイ(表示部)42が所定の色に施される。
本実施例装置はこのような構成である。次に、図3に示す構成の携帯電話装置の実施例の動作について以下に説明する。図5は本実施例装置の動作、即ち項目の一覧表示を行っている際の動作を示すフロー図である。項目の一覧表示とは、項目の一覧(例えば、カメラ機能、データフォルダ、FM機能、TV機能、設定等の項目)が表示されており尚且つ、夫々の項目に数字が対応付けて表示されている状態をいう(例えば、「1 カメラ機能」、「2 データフォルダ」、「3 FM機能」というように)。
図5のS1ステップにおいて、制御回路36は、接触検知センサ56からユーザが指でなぞったことを示す信号を検出するとS2ステップへ処理を進め、そうでなければS3ステップへ処理を進める。
S2ステップでは、制御回路36は、前記S1ステップで接触検知センサ56から入力した信号に対応して、カーソルを上又は下に移動するようにディスプレイ42に表示する。
S3ステップでは、制御回路36は、入力部44からカーソルを上又は下に移動するよう指示する入力があると判定するとS4ステップへ処理を進め、そうでなければS5ステップへ処理を進める。
S4ステップでは、制御回路36は、前記S3ステップで入力されたキー操作に対応して、カーソルを上又は下に移動するようにディスプレイ42に表示する。
S5ステップでは、制御回路36は、テンキー48の押下操作があると判定するとS6ステップへ処理を進め、そうでなければS7ステップへ処理を進める。
S6ステップでは、制御回路36は、前記S5ステップにおけるテンキー48の押下操作を無効とし、S1ステップへ処理を戻す。
S7ステップでは、制御回路36は、入力部44から決定(OKキー54)操作があると判定するとS8ステップへ処理を進め、そうでなければS1ステップへ処理を戻す。
S8ステップでは、制御回路36は、前記S7ステップで決定操作があった際にカーソルが指定している項目を決定し、S1ステップへ処理を戻す。
このように、本実施例装置では、ユーザが接触検知センサ56上を指でなぞっている際にテンキーの押下操作があると、その押下装置を無効とする為、ユーザが望んでいない項目が誤って選択されることを回避することが可能である。
尚、本実施例装置では、接触検知センサ56を用いることによりカーソルを移動できる状態で、上下キーを用いてもカーソルを移動できるようになっているが、以下のような実施形態も考えられる。
【0009】
例えば、接触検知センサ56を用いることによりカーソルを移動できるモードと、上下キーを用いることによりカーソルを移動できるモードの2つのモードを有しており、接触検知センサ56を用いることによりカーソルを移動できるモードでは、テンキーの操作を無効とし、上下キーを用いることによりカーソルを移動できるモードではテンキーの操作を有効とする実施形態が考えられる。
【0010】
又、上下キーを用いることによりカーソルを移動できるモードでは、各項目に数字が対応付けられており、テンキーの操作があると操作されたテンキーに対応する項目が決定されるような実施形態も考えられる。
【0011】
更に、本実施例では、接触検知センサ56を用いてカーソルを上下移動できる状態ではテンキーの操作を無効としてが、ユーザが接触検知センサ56を用いてカーソルを移動させている最中のみや、先ほど述べた2つのモードのうち、接触検知センサ56を用いることによりカーソルを移動できるモードを実施している最中のみに、テンキーの操作を無効とするような実施形態も考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明を適用してなる実施例装置の斜視図である。
【図2】本実施例装置の使用形態を示す斜視図である。
【図3】本実施例装置のブロック図である
【図4】接触検知センサ56近傍を示す断面図である。
【図5】本実施例装置の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0013】
10 携帯電話装置
36 制御回路
40 ROM
44 入力部
48 テンキー
56 接触検知センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テンキーと、接触検知センサと、表示部と、前記接触検知センサを動作させている際には前記テンキーからの入力を無効にするように制御する制御部と、を有することを特徴とする携帯電話装置。
【請求項2】
テンキーと、接触検知センサと、複数の項目とカーソルを表示する表示部と、前記カーソルを移動するように前記接触検知センサから入力操作がある際には前記テンキーからの入力を無効にするように制御する制御部と、を有することを特徴とする携帯電話装置。
【請求項3】
テンキーと、接触検知センサと、複数の項目とカーソルを表示する表示部と、前記接触検知センサを用いて前記カーソルを移動することにより複数の項目から所望の項目を選択するモードを実施している際には前記テンキーからの入力を無効にするように制御する制御部と、を有することを特徴とする携帯電話装置。
【請求項4】
カーソルを移動させる為の移動キーと、テンキーと、接触検知センサと、複数の項目とカーソルを表示する表示部と、前記接触検知センサを用いて前記カーソルを移動することにより複数の項目から所望の項目を選択するモードを実施している際には前記テンキーからの入力を無効にし、前記移動キーを操作することにより複数の項目から所望の項目を選択するモードを実施している際には前記テンキーからの入力を有効にすることを特徴とする携帯電話装置。
【請求項5】
請求項4記載の携帯電話装置であり、前記複数の項目夫々には番号が対応付けてあり、前記移動キーを操作することにより複数の項目から所望の項目を選択するモードを実施している際には、テンキーの操作があると操作されたテンキーの数字に対応する項目を選択することを特徴とする携帯電話装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−187569(P2008−187569A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−20520(P2007−20520)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】