摘心機
【課題】大豆の主茎を確実に摘心することのできる摘心機を提供する。
【解決手段】走行体2に装着されると共に左右方向に往復駆動される刈刃体63を備えたレシプロ式の刈刃ユニット19を備え、この刈刃ユニット19によって植物を摘心する摘心機において、刈刃ユニット19の上方に、左右方向の回転中心線X回りに回転することにより摘心する植物の先端部を刈刃ユニット19側に掻き寄せる掻寄せプレート117を設け、この掻寄せプレート117を回転中心線Xから離れた位置に配置すると共に回転方向Aに間隔をおいて複数枚配置する。
【解決手段】走行体2に装着されると共に左右方向に往復駆動される刈刃体63を備えたレシプロ式の刈刃ユニット19を備え、この刈刃ユニット19によって植物を摘心する摘心機において、刈刃ユニット19の上方に、左右方向の回転中心線X回りに回転することにより摘心する植物の先端部を刈刃ユニット19側に掻き寄せる掻寄せプレート117を設け、この掻寄せプレート117を回転中心線Xから離れた位置に配置すると共に回転方向Aに間隔をおいて複数枚配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大豆等の植物(作物)を摘心するのに使用される摘心機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大豆にあっては、主茎の草丈が伸びすぎると蔓化・倒伏が発生し、莢着きの減少や収穫ロスが生じ、収量低下を招く。そこで、大豆の開花期の前に主茎の先端(頂芽)側を切断することにより(主茎を摘心することにより)、大豆の主茎の伸びすぎが抑制されて蔓化・倒伏が防止されると共に側枝の成長が促され、大豆の収量を上げることができる。
この大豆等の植物の摘心を行うための摘心機が特許文献1に開示されている。
【0003】
この摘心機は、左右方向に往復駆動される刈刃体を備えたレシプロ式の刈刃ユニットを備えており、乗用作業車両の前部に昇降リンク機構を介して昇降自在に装着され、乗用作業車両を走行させながら植物の主茎の摘心作業を行うようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−41481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の摘心機にあっては、柔らかい時期の植物では刈刃体が前進する際に、該刈刃体が植物を押してしまい、植物が刈刃体の下に入って切断できない場合がある。
また、植物が成長して葉が大きくなると植物が刈刃体の刃部間に入り難くなり切断できない場合がある。
そこで、本発明は、前記問題点に鑑み、植物の摘心を行うに際して主茎を確実に切断することができる摘心機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
請求項1に係る発明では、走行体に装着されると共に左右方向に往復駆動される刈刃体を備えたレシプロ式の刈刃ユニットを備え、この刈刃ユニットによって植物を摘心する摘心機において、
前記刈刃ユニットの上方に、左右方向の回転中心線回りに回転することにより摘心する植物の先端部を刈刃ユニット側に掻き寄せる掻寄せプレートを設け、この掻寄せプレートを回転中心線から離れた位置に配置すると共に回転方向に間隔をおいて複数枚配置したことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明では、前記回転中心線から離れた位置で前記回転中心線と平行に配置された複数の連結ロッドによって連結されて、回転中心線回りに一体回転自在とされた左右一対の回転体を備え、この左右の回転体間に、前記掻寄せプレートが前記回転中心線から離れる方向に前記連結ロッドに取り付けられていて、該回転体によって掻寄せプレートが回転自在に支持されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明では、走行体の前部に設けた作業機装着機構を介して取り付けられる作業機フレームを備え、この作業機フレームは上部に作業機装着機構に取り付けられる上部取付部材を備えていると共に下部に刈刃ユニットを備え、上部取付部材の下方に刈刃ユニットを位置させていることを特徴とする。
請求項4に係る発明では、刈刃ユニットの左右両側にデバイダを設け、この左右デバイダを前方に行くに従って左右方向外方に移行する傾斜状の作業姿勢から前後方向に沿った非作業姿勢に姿勢変更自在としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
請求項1に係る発明によれば、摘心する植物を左右方向の回転中心線回りに回転する掻込みプレートによって刈刃ユニット側に強制的に掻き寄せるので、確実に植物の主茎の切断を行うことができる。
また、刈刃ユニットの上方に左右方向の回転中心線回りに回転する掻込みプレートを設けるに際して、回転中心線部分に掻寄せプレートの一部が存在すると、該部分によって、摘心する植物の先端部(頂芽)を押さえつけてしまい、切断位置がずれるという問題が発生するが、請求項1に係る発明によれば、回転方向に間隔をおいて複数枚配置された掻寄せプレートが回転中心線から離れた位置に配置されているので、該掻寄せプレートによって摘心する植物の頂芽を押さえつけることなく、掻き込んだ状態で植物の先端部(頂芽)を刈刃ユニット側に掻き寄せることができると共に、植物が絡みつきやすい回転中心線部分の中心軸もなくすことができ、スムーズな作業ができる。
【0010】
また、請求項2に係る発明によれば、前記回転中心線回りに回転する左右の回転体間に複数の連結ロッドを取り付けているので、左右の回転体は一体に回転することができる。さらに連結ロッドに回転中心から離れる方向に掻寄せプレートを取り付けているので、柔軟性のある掻きこみができる。
また、走行体の前部に設けた作業機装着機構を介して摘心機が設けられるものにあっては、刈刃ユニット及び掻寄せユニットが作業機装着機構から前方に離れるほど作業機装着機構に作用する負荷が大きくなるが、請求項3に係る発明によれば、作業機フレームの上部取付部材の下方に刈刃ユニットを位置させていることから、走行体の前部に設けた作業機装着機構に取り付けられる上部取付部材の下方に、掻寄せユニット及び刈刃ユニットが位置するように構成されるので、作業機装着機構に作用する負荷を軽減することができる。
【0011】
請求項4に係る発明によれば、作業時に前方に行くに従って左右方向外方に移行する傾斜状とされるデバイダを、非作業時に前後方向に沿った姿勢に変更することにより、デバイダが何かのものに接当するのを極力防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】摘心機の左右方向中途部での側面図である。
【図2】トラクタに摘心機を装着した状態を示す側面図である。
【図3】摘心機の側面図である。
【図4】摘心機の一部省略平面図である。
【図5】摘心機の一部省略正面図である。
【図6】(a)はデバイダ等の平面図、(b)デバイダ等の側面は図である。
【図7】(a)はデバイダ取付部分の平面図、(b)はデバイダ取付部分の側面図である。
【図8】刈刃ユニットの一部の平面図である。
【図9】刈刃ユニットの側面一部断面図である。
【図10】刈刃駆動装置の平面図である。
【図11】刈刃駆動装置の側面一部断面図である。
【図12】(a)は左側支持体の側面図、(b)は左側支持体の上部の背面図である。
【図13】(a)は右側支持体の側面図、(b)は正面図、(c)は右側支持体の上部の背面図である。
【図14】掻寄せユニットを正面で示し、該掻寄せユニットを支持する支持体を平面で示した一部断面構成図である。
【図15】掻寄せユニットの左右方向中途部での側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1〜5において、符号1は、トラクタ2等の走行体の前部に作業機装着機構3を介して装着される摘心機である。
本実施形態では、該摘心機1は大豆の主茎を摘心するのに使用されるものが例示されている。なお、本発明の摘心機1を大豆以外の植物(作物)を摘心するのに採用してもよい。
【0014】
図2に示すように、トラクタ2は、エンジン4の後部にフライホイールハウジング5を連結すると共に該フライホイールハウジング5の後部にミッションケース6を連結してなる車体7を有し、且つ該車体7の前部に左右一対の前輪8を有すると共に車体7の後部に左右一対の後輪9を有する。車体7の後部上に運転席10が設けられ、該運転席10の前部にステアリングホイール11が設けられている。
【0015】
このトラクタ2の前部には作業機装着機構3を支持する支持台12が設けられている。この支持台12は、本実施形態では、エンジン4の下部に該エンジン4から前方突出状に設けられた前車軸フレーム13に固定されている。
作業機装着機構3は、トラクタ2の前部の支持台12に立設された固定部材14と、この固定部材14に後端側が左右方向の軸心回りに回動自在に枢支連結された上下一対のリンク15A,15B(平行リンク)と、この上下リンク15A,15Bの前端側に左右方向の軸心回りに回動自在に枢支連結された可動部材16と、この可動部材16の下端に固定されたツールバー17と、前記可動部材16を昇降させる昇降シリンダ18とを備えている。
【0016】
固定部材14及び上下リンク15A,15B並びに可動部材16は左右一対設けられ、該左右の固定部材14同士、左右の上リンク15A同士及び左右の下リンク15B同士は図示省略の連結部材によって相互に連結されている。
ツールバー17は角筒によって構成されていて左右方向に配置され、左右の可動部材16の下端に溶接等によって固定されている。
【0017】
昇降シリンダ18は、油圧シリンダによって構成され、本実施形態では、一端側が支持台12に左右方向の軸心回りに回動自在に枢支連結され、他端側が上リンク15Aに左右方向の軸心回りに回動自在に枢支連結されている。
したがって、この昇降シリンダ18を伸縮させると、上下リンク15A,15Bが後端側の枢支部を支点に上下に揺動して、可動部材16及びツールバー17が一体的に昇降(上下に平行移動)する。
【0018】
前記ツールバー17に摘心機1が取り付けられており、該ツールバー17を昇降させることにより、摘心機1の、地面からの高さ調整が可能されている。
図1,図3〜5に示すように、摘心機1は、大豆の主茎を切断する刈刃ユニット19と、大豆の主茎を刈刃ユニット19側に掻き寄せる掻寄せユニット20と、これら刈刃ユニット19及び掻寄せユニット20が取り付けられる作業機フレーム21と、刈刃ユニット19を駆動する刈刃駆動装置22と、掻寄せユニット20を駆動する掻寄せ駆動装置23と、左右一対のデバイダ24とを有する。
【0019】
作業機フレーム21は、上部に作業機装着機構3に取り付けられる上部取付部材26を備えていると共に下部に刈刃ユニット19が取り付けられる下部取付部材27を備えている(したがって、刈刃ユニット19は作業機フレーム21の下部に設けられている)。
上部取付部材26は左右一対設けられている。
下部取付部材27は角パイプによって構成されていて、上部取付部材26の下方側で且つ上部取付部材26よりも後方側において左右方向に配置されている。
【0020】
左右の上部取付部材26は下部取付部材27の左右方向の中途部に位置していると共に、平面視において下部取付部材27の左右方向中央から左右振り分け状に位置している。
また、作業機フレーム21は、左右の上部取付部材26と下部取付部材27とを連結する左右一対の連結フレーム28と、左右の連結フレーム28を連結する横連結杆29とを有する。
【0021】
左右各連結フレーム28は、メインフレーム材30と下部フレーム材31とから主構成されている。
メインフレーム材30は、パイプ材を屈曲して側面視逆L字状に形成されており、上下方向に沿って形成された縦杆部32と、この縦杆部32の上部から前方に向けて延びる横杆部33とを有する。この縦杆部32と横杆部33との間のコーナー部分は湾曲状に形成されている。
【0022】
この左右のメインフレーム材30は、下部取付部材27の左右方向の中途部に位置していると共に、平面視において下部取付部材27の左右方向中央から左右振り分け状に位置しており、左右各メインフレーム材30の横杆部33(連結フレーム28の上部)の前部側に前記上部取付部材26が設けられ、メインフレーム材30の下端に下部フレーム材31が設けられている。
【0023】
下部フレーム材31は、角パイプから形成され、軸心が前後方向に沿うように配置され、該下部フレーム材31の上面後部がメインフレーム材30の下端に固定されている。また、下部フレーム材31の前端は下部取付部材27の後面に固定されている。
横連結杆29は、直管状のパイプ材によって構成され、左右のメインフレーム材30の横杆部33の後部間(左右のメインフレーム材30の上部間)にわたって設けられている。
【0024】
左右各上部取付部材26は、メインフレーム材30の横杆部33に固定された前後一対のブラケット36と、ツールバー17に嵌合する嵌合部材37と、この嵌合部材37がツールバー17から離脱するのを防止する抜止めプレート38とを有する。
前後のブラケット36は、板材によって構成され、板面が前後を向くように配置されてメインフレーム材30に固定されている。
【0025】
嵌合部材37は板材を後方開放状の側面視コ字形に形成してなり、前後のブラケット36に固定されている。
この嵌合部材37をツールバー17に前方側から嵌合することにより、該ツールバー17に作業機フレーム21(摘心機1)が支持される。
抜止めプレート38は嵌合部材37の背面側に板面が前後を向くように配置され、該抜止めプレート38は、前記嵌合部材37の上壁37a及び下壁37bに固定された複数の取付ボルト39と、該取付ボルト39に螺合されるナット40とによって嵌合部材37に取付固定される。これにより、作業機フレーム21が左右方向位置調整可能にツールバー17に取付固定される。
【0026】
前記作業機フレーム21の左右両側にはデバイダ24が支持されるデバイダ支持体41が設けられている。
図6及び図7に示すように、このデバイダ支持体41は、作業機フレーム21の下部取付部材27の左右方向の端部から前方延出状に設けられた支持ブラケット42と、この支持ブラケット42の前端に設けられた枢支部材43と、この枢支部材43の後方側に配置された第1・2位置決め部材44,45とを有する。
【0027】
支持ブラケット42は、板面が左右方向を向くように配置された帯板材によって構成され、後部が作業機フレーム21の下部取付部材27の左右方向端部に固定された取付ステー46にボルト固定されている。
枢支部材43は、筒体によって構成されており、軸心が上下方向に沿うように設けられている。
【0028】
第1位置決め部材44は、支持ブラケット42の左右方向内側面に固定された側壁44aと、この側壁44aの上端及び下端から左右方向内方(摘心機1の左右方向中央側)に向けて延出された上下壁44b,44cとを有し、上下壁44b,44cにピン挿通孔47が同心状に且つ上下方向貫通状に形成されている。
第2位置決め部材45は、筒体から構成され、軸心が上下方向に沿うように配置されて支持ブラケット42の左右方向外側面に固定されている。
【0029】
第1位置決め部材44と第2位置決め部材45とは、枢支部材43の軸心を中心とする円弧上にピン挿通孔47と第2位置決め部材45の内孔48とが位置するように配置されている。
前記デバイダ24は、棒材からなるデバイダ本体49と、デバイダ支持体41に取り付けられるデバイダ取付ステー50とを有する。
【0030】
デバイダ本体49は、上杆部51と、この上杆部51の下側に位置する下杆部52と、これら上杆部51と下杆部52の前端同士を連結する湾曲状の前杆部53と、上杆部51と下杆部52とを長手方向中途部で連結する連結杆部54とから構成されている。
上杆部51と下杆部52とは後方に行くに従って対向間隔が漸次大となるように設けられている。
【0031】
デバイダ取付ステー50は、帯板材を折曲して形成され、前記デバイダ支持体41の枢支部材43及び第1・2位置決め部材44,45の上側に配置された上壁部56と、該枢支部材43及び第1・2位置決め部材44,45の下側に配置された下壁部57と、上下壁部56,57の前端同士を連結する前壁部58とから構成されている。
上下壁部56,57は、中途部で屈曲され、該中途部(屈曲部分)が該上下壁部56,57を貫通すると共に枢支部材43を挿通する枢支ピン59によって上下方向の軸心回りに回動自在に枢支されている。
【0032】
前壁部58はデバイダ本体49の連結杆部54に固定され、上下壁部56,57の後端側にはピン挿通孔60が上下方向貫通状に形成されている。
前記デバイダ24にあっては、枢支ピン59回りに回動させることにより、図6(a)において実線で示すように、前方に行くに従って左右方向外方に移行する傾斜状の作業姿勢と、図6(a)において仮想線で示すように、前後方向に沿った非作業姿勢とに姿勢変更自在とされている。
【0033】
前記作業姿勢では、デバイダ取付ステー50のピン挿通孔60が第1位置決め部材44のピン挿通孔47に一致し、これらピン挿通孔60,47に固定ピン61を挿通することにより、デバイダ24が作業姿勢に位置決めされる。
また、非作業姿勢では、デバイダ取付ステー50のピン挿通孔60が第2位置決め部材45の内孔48に一致し、これらピン挿通孔60及び内孔48に固定ピン61を挿通することにより、デバイダ24が該非作業姿勢に位置決めされる。
【0034】
ある程度成長した大豆では葉が広がっており、また、大豆は畝に沿って前後方向に一列状に植えられるが、植付け位置が左右方向に関してバラツキがあるので、予定の摘心範囲にある大豆の主茎を確実に摘心するのが困難な場合がある。
しかしながら、前記デバイダ24を作業姿勢とすることによって摘心範囲にある主茎と摘心範囲にない主茎とを分草し、予定の摘心範囲にある大豆の主茎を確実に摘心することができる。
【0035】
また、摘心作業をしないときには、デバイダ24を非作業姿勢にしておくことにより、デバイダ24が何かのものに接当するのを極力防止することができる。
なお、本実施形態では、デバイダ本体49の上杆部51の後端側は作業姿勢において後方に指向するように屈曲されている。
刈刃ユニット19は、レシプロ式の切断装置であり、図8〜図11に示すように、作業機フレーム21の上部取付部材26の下方において、下部取付部材27の左右方向一端側(一端近傍)から他端側(他端近傍)にわたって設けられている。この刈刃ユニット19は、ユニット取付部材62と、刈刃体63と、ガード64(受け刃)と、カッタ押え65と、ウエアリングプレート66とを有している。
【0036】
ユニット取付部材62は、下部取付部材27の前面側に配置され、下部取付部材27の左右一端側から他端側にわたる長さに形成されている。このユニット取付部材62は、下部取付部材27の前面にボルト固定された取付壁67と、該取付壁67の上端から前方に延出する支持壁68とによって断面逆L字形に形成されている。
刈刃体63は、左右方向に往復移動することにより大豆の主茎を切断するものである。該刈刃体63は、ユニット取付部材62の支持壁68の前方に配置されていて該支持壁68の一端側から他端側にわたる長さに形成されたカッタバー69と、このカッタバー69上に左右方向に隣接配置されていて該カッタバー69に後部がリベット止めされた多数のカッタ70とから構成されている(したがって、刈刃体63は下部取付部材27の左右一端側から他端側にわたって設けられている)。
【0037】
各カッタ70の前部は前方にいくに従って先窄まりとなる山形状に形成されており、この山形状とされたカッタ70前部の縁部側が刃部70aとされている。
ガード64は、カッタ70を異物から保護する機能と、受け刃(固定刃)としての機能と、カッタ70の前部を支持する機能とを有し、カッタ70の各隣接部分にそれぞれ配置されている。
【0038】
各ガード64はカッタ70の下面側から該カッタ70の前方側を回ってカッタ70の上面側に至るように形成され、該ガード64の下部は後方に延出されていて該ガード64の後部がユニット取付部材62の支持壁68下面側に固定されている。
カッタ押え65はカッタ70を上から押えてカッタ70の浮き上がりを防止するものであり、ウエアリングプレート66はカッタ70の後端側を支持するものである。これらカッタ押え65とウエアリングプレート66とは左右方向に適宜間隔をおいて配置され、カッタ押え65の後部下面にウエアリングプレート66を重ね合わせてユニット取付部材62の支持壁68上面側に固定されている。
【0039】
刈刃駆動装置22は、刈刃体63を左右方向に往復駆動させるものであり、図10,図11に示すように、駆動源としての油圧モータ71と、この油圧モータ71の動力を刈刃体63に伝達する動力伝達機構72とを有する。
前記作業機フレーム21には刈刃ユニット19の駆動源等が取り付けられる駆動機構取付台73が設けられている。この駆動機構取付台73は左側の連結フレーム28の下端側の左側方に配置され、前端が下部取付部材27の後面に固定されている。
【0040】
刈刃駆動装置22の駆動源としての油圧モータ71は、前記駆動機構取付台73の上面側後部に取付固定されている。この油圧モータ71の出力軸は駆動機構取付台73の下面側に突出状とされている。
動力伝達機構72は、油圧モータ71の出力軸に取付固定された駆動プーリ74と、この駆動プーリ74からベルト75を介して動力が伝達される従動プーリ76と、駆動機構取付台73の上面側に設けられていて従動プーリ76と上下軸回りに一体回動する回動部材77と、この回動部材77の回動中心からずれた位置に設けられた偏心ピン78と、駆動機構取付台73に設けられた支持台79に前後中途部が上下軸回りに回動自在に枢支された揺動アーム80と、この揺動アーム80の後端側と前記偏心ピン78とを連動連結する第1連動ロッド81と、揺動アーム80の前端側と刈刃体63に設けられた連動ピン82とを連動連結する第2連動ロッド83とを有する。
【0041】
前記構成の刈刃駆動装置22の油圧モータ71を駆動させると、該油圧モータ71の動力が駆動プーリ74、従動プーリ76等を介して回動部材77に伝達されて該回動部材77が回動する。すると、第1連動ロッド81が押し引きされて揺動アーム80が左右に揺動し、該揺動アーム80が左右に揺動すると第2連動ロッド83が左右に押し引きされて刈刃体63が左右に往復移動し、カッタ70とガード64との間で大豆の主茎が切断されるよう構成されている。
【0042】
前記作業機フレーム21は、図4に示すように、左右両側及び左右方向中央部に、掻寄せユニット20を支持する支持体86A,86B,86Cを有する。
左側の支持体86Aは、下部取付部材27の左端近傍位置に設けられ、図12に示すように、下端が下部取付部材27の後面に固定されたサポート部材87と、このサポート部材87の上部に設けられたアームホルダ88と、このアームホルダ88に後部が前後方向複数位置に位置変更可能に保持された支持アーム89と、この支持アーム89の前部に設けられた軸受90とから主構成されている。
【0043】
前記サポート部材87は板材から構成され、下部取付部材27の後面から後斜め上方に延出した後、上方に延出するように形成されている。
前記アームホルダ88は支持アーム89の後部を前後方向移動自在に挿通する挿通部91を有し、サポート部材87及びアームホルダ88並びに支持アーム89を貫通するピン92によって該支持アーム89がアームホルダ88に前後方向移動不能に固定されている。
【0044】
この左側の支持体86Aの軸受90には支軸93が左右方向の軸心回りに回転自在に支持されており、該支軸93は該軸受90から左右方向内方(左右方向中央側)に突出状とされている。
中央の支持体86Cは、図1に示すように、前記横連結杆29の左右方向中央から後斜め下方に延出されたサポート部材97と、このサポート部材97の下端に固定されたアームホルダ98と、このアームホルダ98に後部が前後方向複数位置に位置変更可能に保持された支持アーム99と、この支持アーム99の前部に設けられた軸受100とから主構成されている。
【0045】
この中央の支持体86Cのアームホルダ98も支持アーム99の後部を前後方向移動自在に挿通する挿通部101を有し、アームホルダ98及び支持アーム99を貫通するピン102によって該アームホルダ98に支持アーム99が前後方向移動不能に固定されている。
この中央の支持体86Cの軸受100にも支軸103が左右方向の軸心回りに回転自在に支持されており、該支軸103は該軸受100から左右両側に突出状とされている。
【0046】
右側の支持体86Bは、下部取付部材27の右端近傍位置に設けられ、図13に示すように、下端が下部取付部材27の後面に固定されたサポート部材107と、このサポート部材107の上部に設けられたアームホルダ108と、このアームホルダ108に後部が前後方向複数位置に位置変更可能に保持された支持アーム109と、この支持アーム109の前部に設けられた支持プレート110と、この支持プレート110の前下部に設けられた軸受111とから主構成されている。
【0047】
この右側の支持体86Bのサポート部材107は角筒から構成され、下部取付部材27の後面から後斜め上方に延出した後、上方に延出するように形成されている。
また、右側の支持体86Bのアームホルダ108も支持アーム109の後部を前後方向移動自在に挿通する挿通部112を有し、アームホルダ108及び支持アーム109を貫通するピン113によって該アームホルダ108に支持アーム109が前後方向移動不能に固定されている。
【0048】
この右側の支持体86Bの軸受111にも支軸114が左右方向の軸心回りに回転自在に支持されており、該支軸114は該軸受111から左右方向内方(左右方向中央側)に突出状とされている。
前記支持プレート110は、側壁110aとこの側壁110aの上端から左右方向外方に延出された上壁110bとを有し、該支持プレート110の後上部が支持アーム109の前部に固定されている。
【0049】
前記各支持体86A,86B,86Cの支持アーム89,99,109には、ピン92,102,113を挿通するピン挿通孔115が前後2カ所設けられていて、該支持アーム89,99,109は、本実施形態では、前後2位置に位置調整可能とされている。また、各支持体86A,86B,86Cに設けた軸受90,100,111に支持された支軸93,103,114は同心状に設けられている。
【0050】
前記掻寄せユニット20は、本実施形態では、刈刃ユニット19に対して左右一対設けられ、刈刃ユニット19の上方で且つ作業機フレーム21の上部取付部材26の下方に配置されている。
なお、掻寄せユニット20は、刈刃ユニット19に対して1つ又は左右方向に3つ以上設けられていてもよい。
【0051】
左側の掻寄せユニット20は左側の支持体86Aと中央の支持体86Cの軸受90,100間に配置され、右側の掻寄せユニット20は右側の支持体86Bと中央の支持体86Cの軸受111,100間に配置されており、各掻寄せユニット20は各支持体86A,86B,86Cの軸受90,100,111に支持された支軸93,103,114を介して支持体86A,86B,86Cに左右方向の軸心回りに回転自在に支持されている。
【0052】
各掻寄せユニット20は、左右方向で対向配置された左右一対の回転体116と、左右の回転体116間に取り付けられていて該回転体によって左右方向の軸心回りに回転自在に支持された複数枚の(本実施形態では一対の)掻寄せプレート117とを有する。
各回転体116は円板によって構成され、板面が左右方向を向くように配置されている。各掻寄せユニット20において、回転体116の対向側の側面には左右方向の軸心を有する円筒部材からなるボス118が回転体116の中心と同心状として固定されている。
【0053】
各掻寄せユニット20の左右方向中央側の回転体116のボス118には、中央の支持体86Cの軸受100に支持された支軸103が該回転体116を貫通して挿通されていると共に該ボス118に該支軸103がピンによって抜け止め固定されている。また、各掻寄せユニット20の左右方向外端側(中央側とは反対側)の回転体116のボス118には、該回転体116と同じ側にある支持体86A,86Bの軸受90,111に支持された支軸93,114が該回転体116を貫通して挿通されていると共に該ボス118に該支軸93,114がピンによって抜け止め固定されている。
【0054】
これによって、回転体116が支持体86A,86B,86Cに左右方向の回転中心線X回りに回転自在に支持されている。
また、各掻寄せユニット20の左右の回転体116間には左右の回転体116を連結する連結ロッド119が一対設けられており、これによって、各掻寄せユニット20の左右の回転体116は一体回転するよう構成されている。
【0055】
一対の連結ロッド119は回転体116の回転中心線Xから回転体116の径方向(回転中心線Xに直交する方向)に離れた位置(回転中心線Xと回転体116外周縁との中間位置)において左右方向に沿って配置され、該連結ロッド119の左右方向の端部は回転体116の対向側の側面に溶接等によって固定されている。
また、一対の連結ロッド119は、回転中心線Xを対称中心線とする対称位置に設けられている(回転中心線Xを挟んで該回転中心線Xに直交する方向に振り分け状に設けられている)。
【0056】
したがって、各掻寄せユニット20の左右回転体116の中心間に回転中心線Xを軸心とする中心軸が存在しないように構成している。
一対の連結ロッド119は、左右方向複数位置(本実施形態では2位置)において、板面が左右方向を向くように配置された連結プレート120によって連結されている。
なお、連結プレート120には、連結ロッド119が嵌り込む嵌合部119aが切り欠き形成されている(図15参照)。
【0057】
また、各掻寄せユニット20において、左右の回転体116間には掻寄せプレート117を取り付けるための取付具121が一対設けられている(掻寄せプレート117が取付具121を介して連結ロッド119に取り付けられている)。
各取付具121は、それぞれ連結ロッド119の回転体116径方向外方に配置(連結ロッド119と回転体116の外周縁との間に配置)されており、図15に示すように、回転体116に固定された固定プレート122と、この固定プレート122に重ね合わされてボルト固定される取付プレート123とから構成されている。
【0058】
これら固定プレート122と取付プレート123とは、回転体116の回転方向(図1のA方向)で対向するように設けられ、固定プレート122の回転体116径方向内方側の端部側は(折曲されて)連結ロッド119及び連結プレート120に接当してこれらに溶接等によって固定されている。
固定プレート122に取付プレート123を取付固定するボルト124は左右方向に適宜間隔をおいて設けられている。
【0059】
各掻寄せユニット20において、一対の掻寄せプレート117は、板面が回転体116の回転方向Aを向くように配置され、一方の回転体116から他方の回転体116にわたるように設けられている。
なお、掻寄せプレート117は、本実施形態では樹脂板によって形成されているが、硬質のゴム板又は金属板によって構成されていてもよい。
【0060】
また、掻寄せプレート117は左右回転体116の間から該回転体116の径方向外方(回転中心線Xに直交する方向で且つ回転中心線Xから離れる方向)に突出するように設けられていて、掻寄せプレート117の、回転体116径方向内方側の縁部側が固定プレート122と取付プレート123との間に挟み込まれると共に該掻寄せプレート117縁部側が取付プレート123を取付固定するボルト・ナット124A,124Bによって共締めされている。
【0061】
したがって、各掻寄せユニット20は、回転中心線X側に掻寄せプレート117が存在しない(一対の掻寄せプレート117の取付側の縁部間が空間となる)ように構成されている。
なお、左側の掻寄せユニット20の掻寄せプレート117には、第2連動ロッド83との干渉を防止するための切欠部125が形成されている。
【0062】
本実施形態にあっては、前記左右の掻寄せユニット20は、各支持体86A,86B,86Cの支持アーム89,99,109を前後方向に位置変更することにより、前後方向位置変更可能とされている。
本実施形態では、掻寄せユニット20は前後2位置に位置調整自在とされ、図1に実線で示す後位置では回転中心線Xが刈刃体63の前後方向中途部の上方に位置し(回転中心線Xがカッタ70の刃部70aの後部の上方に位置し)、前位置では回転中心線Xがカッタ70の前端側の上方に位置する。
【0063】
掻寄せプレート117は、各掻寄せユニット20に対して2枚設けられているが、3枚以上設けられていてもよく、この場合、2枚の場合と同様に、回転体116の周方向(回転方向A)に間隔(等間隔)をおいて配置される。
前記構成の掻寄せユニット20にあっては、掻寄せプレート117は左右の回転体116と一体回転し、また、左右の掻寄せユニット20は中央の支持体86Cの軸受100に支持された支軸103によって連結されているので、該左右の掻寄せユニット20は左右方向の軸心(回転中心線X)回りに一体回転する。
【0064】
この左右の掻寄せユニット20を回転駆動する掻寄せ駆動装置23は、右側の支持体86Bに設けられている。
この掻寄せ駆動装置23は、駆動源としての電動モータ126と、該電動モータ126の動力を右側の支持体86Bの軸受111に支持された支軸114(これを掻寄せユニット駆動軸という)に伝達する動力伝達機構127とを有する。
【0065】
駆動源である電動モータ126は、支持プレート110の側壁110aの左右方向内方側の側面後下部に取付固定されている。
動力伝達機構127は、支持プレート110の側壁110aの左右方向外方側に設けられ、電動モータ126によって回転駆動される駆動スプロケット128と、掻寄せユニット駆動軸114と一体回転する従動スプロケット129と、駆動スプロケット128と従動スプロケット129とにわたって掛け渡されたチェーン130とから構成されている。
【0066】
この動力伝達機構127はカバー131によって覆われている。
この掻寄せ駆動装置23の電動モータ126を駆動させると、該電動モータ126の回転動力が動力伝達機構127を介して掻寄せユニット駆動軸114に伝達され、掻寄せプレート117が、上から下へと前回りに回転するように(図1に矢視Aで示す方向に)掻寄せユニット20が回転する。
【0067】
前記構成の摘心機1によって大豆の主茎を摘心するには、先ず、作業機装着機構3のツールバー17を昇降させて摘心機1の刈刃体63を所望の高さ位置(大豆の主茎を摘心するのに適した高さ位置)に位置調整し、刈刃ユニット19及び掻寄せユニット20を駆動して、トラクタ2を前進走行させながら大豆の主茎を切断する。
このとき、大豆が掻寄せプレート117によって機械的・強制的に刈刃体63へと掻寄せられる(引き寄せられる)ので、柔らかい時期の大豆であっても、刈刃体63によって大豆を押してしまって該大豆が刈刃体63の下に入るということがなく、大豆の主茎を確実に切断することができる。
【0068】
また、成長して葉が大きくなった大豆であっても、掻寄せプレート117によって大豆の主茎を隣接するカッタ70の刃部70a間(カッタ70とガード64との間)に確実に入り込ませることができ、確実に大豆の主茎を切断することができる。なお、カッタ70を大型のものを使用することにより切断効率を上げることができる。
また、大豆が比較的成長していて頂芽が掻寄せプレート117の回転中心線X付近に位置する又は頂芽が回転中心線Xを越えるような場合であっても、掻寄せプレート117が回転中心線Xから離れているので、掻寄せプレート117によって大豆の頂芽を押さえ付けることがなく、設定した切断位置で主茎を切断することができる。
【0069】
また、掻寄せユニット20の回転中心線X部分に、回転体116間にわたる中心軸が存在しないので、主茎の切断した部分が掻寄せユニット20の回転中心線X付近で掻寄せユニット20に絡みつくということがなく、また、主茎の切断した部分は掻寄せプレート117によって刈刃体63(刈刃ユニット19)から後方に排出させることができる(主茎の切断した部分が刈刃体63から後方に容易に排出する)。
【0070】
また、本実施形態の摘心機1にあっては、掻寄せユニット20は前後2位置に位置調整可能とされているが、掻寄せユニット20を、図1に実線で示すように、後位置にすることにより、主茎の切断した部分を掻寄せプレート117によって刈刃体63(刈刃ユニット19)から後方に確実に排出させることができるという効果を奏する。
また、掻寄せユニット20を後位置に位置させている際において、高さの低い大豆を摘心する場合であって大豆の主茎の頂芽を掻寄せプレート117によって押さえる傾向にある場合は、掻寄せユニット20を前位置(掻寄せプレート117を図1に仮想線で示す位置)にすることにより、掻寄せプレート117を大豆の主茎の頂芽に対して前側から当てることができ、高さの低い大豆であっても、設定した切断位置で主茎を確実に切断することができるという効果を奏する。
【0071】
また、トラクタの前部に設けた作業機装着機構を介して摘心機が設けられるものにあっては、刈刃ユニット及び掻寄せユニットが作業機装着機構から前方に離れるほど作業機装着機構に作用する負荷が大きくなるが、本実施形態の摘心機1にあっては、作業機装着機構3のツールバー17に取り付けられる上部取付部材26に対して下部取付部材27を下方且つ後方に配置し、この下部取付部材27の前面側に刈刃ユニット19を取り付けて該刈刃ユニット19を上部取付部26の下方に位置させ、また、上部取付部材26と下部取付部材27とを連結する連結フレーム28を上部取付部材26の下部から後方に延びる横杆部33及び該横杆部33の後部から下方に延びる縦杆部32からなるメインフレーム材30と該メインフレーム材30の縦杆部32の下端に固定されていて下部取付部材27に連結される下部フレーム材31とによって構成して、上部取付部材26の下方で且つ刈刃ユニット19の上方に掻寄せユニット20を配置するスペースを設け、該スペースに掻寄せユニット20を配置しているので、掻寄せユニット20及び刈刃ユニット19をトラクタ2側に寄せることができ、作業機装着機構3に作用する負荷を軽減することができる。
【0072】
本実施形態の摘心機1は前記構成に限定されることはなく、種々の設計変更は可能である。例えば、掻寄せユニット20を上下方向位置調整可能としてもよい。掻寄せユニット20を上下に位置調整可能とすることにより、大豆の主茎の高さに合わせて掻寄せプレート117の高さを調整することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 摘心機
2 走行体(トラクタ)
3 作業機装着機構
19 刈刃ユニット
21 作業機フレーム
24 デバイダ
26 上部取付部材
27 下部取付部材
63 刈刃体
116 回転体
117 掻寄せプレート
119 連結ロッド
A 回転方向
X 回転中心線
【技術分野】
【0001】
本発明は、大豆等の植物(作物)を摘心するのに使用される摘心機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大豆にあっては、主茎の草丈が伸びすぎると蔓化・倒伏が発生し、莢着きの減少や収穫ロスが生じ、収量低下を招く。そこで、大豆の開花期の前に主茎の先端(頂芽)側を切断することにより(主茎を摘心することにより)、大豆の主茎の伸びすぎが抑制されて蔓化・倒伏が防止されると共に側枝の成長が促され、大豆の収量を上げることができる。
この大豆等の植物の摘心を行うための摘心機が特許文献1に開示されている。
【0003】
この摘心機は、左右方向に往復駆動される刈刃体を備えたレシプロ式の刈刃ユニットを備えており、乗用作業車両の前部に昇降リンク機構を介して昇降自在に装着され、乗用作業車両を走行させながら植物の主茎の摘心作業を行うようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−41481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の摘心機にあっては、柔らかい時期の植物では刈刃体が前進する際に、該刈刃体が植物を押してしまい、植物が刈刃体の下に入って切断できない場合がある。
また、植物が成長して葉が大きくなると植物が刈刃体の刃部間に入り難くなり切断できない場合がある。
そこで、本発明は、前記問題点に鑑み、植物の摘心を行うに際して主茎を確実に切断することができる摘心機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
請求項1に係る発明では、走行体に装着されると共に左右方向に往復駆動される刈刃体を備えたレシプロ式の刈刃ユニットを備え、この刈刃ユニットによって植物を摘心する摘心機において、
前記刈刃ユニットの上方に、左右方向の回転中心線回りに回転することにより摘心する植物の先端部を刈刃ユニット側に掻き寄せる掻寄せプレートを設け、この掻寄せプレートを回転中心線から離れた位置に配置すると共に回転方向に間隔をおいて複数枚配置したことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明では、前記回転中心線から離れた位置で前記回転中心線と平行に配置された複数の連結ロッドによって連結されて、回転中心線回りに一体回転自在とされた左右一対の回転体を備え、この左右の回転体間に、前記掻寄せプレートが前記回転中心線から離れる方向に前記連結ロッドに取り付けられていて、該回転体によって掻寄せプレートが回転自在に支持されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明では、走行体の前部に設けた作業機装着機構を介して取り付けられる作業機フレームを備え、この作業機フレームは上部に作業機装着機構に取り付けられる上部取付部材を備えていると共に下部に刈刃ユニットを備え、上部取付部材の下方に刈刃ユニットを位置させていることを特徴とする。
請求項4に係る発明では、刈刃ユニットの左右両側にデバイダを設け、この左右デバイダを前方に行くに従って左右方向外方に移行する傾斜状の作業姿勢から前後方向に沿った非作業姿勢に姿勢変更自在としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
請求項1に係る発明によれば、摘心する植物を左右方向の回転中心線回りに回転する掻込みプレートによって刈刃ユニット側に強制的に掻き寄せるので、確実に植物の主茎の切断を行うことができる。
また、刈刃ユニットの上方に左右方向の回転中心線回りに回転する掻込みプレートを設けるに際して、回転中心線部分に掻寄せプレートの一部が存在すると、該部分によって、摘心する植物の先端部(頂芽)を押さえつけてしまい、切断位置がずれるという問題が発生するが、請求項1に係る発明によれば、回転方向に間隔をおいて複数枚配置された掻寄せプレートが回転中心線から離れた位置に配置されているので、該掻寄せプレートによって摘心する植物の頂芽を押さえつけることなく、掻き込んだ状態で植物の先端部(頂芽)を刈刃ユニット側に掻き寄せることができると共に、植物が絡みつきやすい回転中心線部分の中心軸もなくすことができ、スムーズな作業ができる。
【0010】
また、請求項2に係る発明によれば、前記回転中心線回りに回転する左右の回転体間に複数の連結ロッドを取り付けているので、左右の回転体は一体に回転することができる。さらに連結ロッドに回転中心から離れる方向に掻寄せプレートを取り付けているので、柔軟性のある掻きこみができる。
また、走行体の前部に設けた作業機装着機構を介して摘心機が設けられるものにあっては、刈刃ユニット及び掻寄せユニットが作業機装着機構から前方に離れるほど作業機装着機構に作用する負荷が大きくなるが、請求項3に係る発明によれば、作業機フレームの上部取付部材の下方に刈刃ユニットを位置させていることから、走行体の前部に設けた作業機装着機構に取り付けられる上部取付部材の下方に、掻寄せユニット及び刈刃ユニットが位置するように構成されるので、作業機装着機構に作用する負荷を軽減することができる。
【0011】
請求項4に係る発明によれば、作業時に前方に行くに従って左右方向外方に移行する傾斜状とされるデバイダを、非作業時に前後方向に沿った姿勢に変更することにより、デバイダが何かのものに接当するのを極力防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】摘心機の左右方向中途部での側面図である。
【図2】トラクタに摘心機を装着した状態を示す側面図である。
【図3】摘心機の側面図である。
【図4】摘心機の一部省略平面図である。
【図5】摘心機の一部省略正面図である。
【図6】(a)はデバイダ等の平面図、(b)デバイダ等の側面は図である。
【図7】(a)はデバイダ取付部分の平面図、(b)はデバイダ取付部分の側面図である。
【図8】刈刃ユニットの一部の平面図である。
【図9】刈刃ユニットの側面一部断面図である。
【図10】刈刃駆動装置の平面図である。
【図11】刈刃駆動装置の側面一部断面図である。
【図12】(a)は左側支持体の側面図、(b)は左側支持体の上部の背面図である。
【図13】(a)は右側支持体の側面図、(b)は正面図、(c)は右側支持体の上部の背面図である。
【図14】掻寄せユニットを正面で示し、該掻寄せユニットを支持する支持体を平面で示した一部断面構成図である。
【図15】掻寄せユニットの左右方向中途部での側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1〜5において、符号1は、トラクタ2等の走行体の前部に作業機装着機構3を介して装着される摘心機である。
本実施形態では、該摘心機1は大豆の主茎を摘心するのに使用されるものが例示されている。なお、本発明の摘心機1を大豆以外の植物(作物)を摘心するのに採用してもよい。
【0014】
図2に示すように、トラクタ2は、エンジン4の後部にフライホイールハウジング5を連結すると共に該フライホイールハウジング5の後部にミッションケース6を連結してなる車体7を有し、且つ該車体7の前部に左右一対の前輪8を有すると共に車体7の後部に左右一対の後輪9を有する。車体7の後部上に運転席10が設けられ、該運転席10の前部にステアリングホイール11が設けられている。
【0015】
このトラクタ2の前部には作業機装着機構3を支持する支持台12が設けられている。この支持台12は、本実施形態では、エンジン4の下部に該エンジン4から前方突出状に設けられた前車軸フレーム13に固定されている。
作業機装着機構3は、トラクタ2の前部の支持台12に立設された固定部材14と、この固定部材14に後端側が左右方向の軸心回りに回動自在に枢支連結された上下一対のリンク15A,15B(平行リンク)と、この上下リンク15A,15Bの前端側に左右方向の軸心回りに回動自在に枢支連結された可動部材16と、この可動部材16の下端に固定されたツールバー17と、前記可動部材16を昇降させる昇降シリンダ18とを備えている。
【0016】
固定部材14及び上下リンク15A,15B並びに可動部材16は左右一対設けられ、該左右の固定部材14同士、左右の上リンク15A同士及び左右の下リンク15B同士は図示省略の連結部材によって相互に連結されている。
ツールバー17は角筒によって構成されていて左右方向に配置され、左右の可動部材16の下端に溶接等によって固定されている。
【0017】
昇降シリンダ18は、油圧シリンダによって構成され、本実施形態では、一端側が支持台12に左右方向の軸心回りに回動自在に枢支連結され、他端側が上リンク15Aに左右方向の軸心回りに回動自在に枢支連結されている。
したがって、この昇降シリンダ18を伸縮させると、上下リンク15A,15Bが後端側の枢支部を支点に上下に揺動して、可動部材16及びツールバー17が一体的に昇降(上下に平行移動)する。
【0018】
前記ツールバー17に摘心機1が取り付けられており、該ツールバー17を昇降させることにより、摘心機1の、地面からの高さ調整が可能されている。
図1,図3〜5に示すように、摘心機1は、大豆の主茎を切断する刈刃ユニット19と、大豆の主茎を刈刃ユニット19側に掻き寄せる掻寄せユニット20と、これら刈刃ユニット19及び掻寄せユニット20が取り付けられる作業機フレーム21と、刈刃ユニット19を駆動する刈刃駆動装置22と、掻寄せユニット20を駆動する掻寄せ駆動装置23と、左右一対のデバイダ24とを有する。
【0019】
作業機フレーム21は、上部に作業機装着機構3に取り付けられる上部取付部材26を備えていると共に下部に刈刃ユニット19が取り付けられる下部取付部材27を備えている(したがって、刈刃ユニット19は作業機フレーム21の下部に設けられている)。
上部取付部材26は左右一対設けられている。
下部取付部材27は角パイプによって構成されていて、上部取付部材26の下方側で且つ上部取付部材26よりも後方側において左右方向に配置されている。
【0020】
左右の上部取付部材26は下部取付部材27の左右方向の中途部に位置していると共に、平面視において下部取付部材27の左右方向中央から左右振り分け状に位置している。
また、作業機フレーム21は、左右の上部取付部材26と下部取付部材27とを連結する左右一対の連結フレーム28と、左右の連結フレーム28を連結する横連結杆29とを有する。
【0021】
左右各連結フレーム28は、メインフレーム材30と下部フレーム材31とから主構成されている。
メインフレーム材30は、パイプ材を屈曲して側面視逆L字状に形成されており、上下方向に沿って形成された縦杆部32と、この縦杆部32の上部から前方に向けて延びる横杆部33とを有する。この縦杆部32と横杆部33との間のコーナー部分は湾曲状に形成されている。
【0022】
この左右のメインフレーム材30は、下部取付部材27の左右方向の中途部に位置していると共に、平面視において下部取付部材27の左右方向中央から左右振り分け状に位置しており、左右各メインフレーム材30の横杆部33(連結フレーム28の上部)の前部側に前記上部取付部材26が設けられ、メインフレーム材30の下端に下部フレーム材31が設けられている。
【0023】
下部フレーム材31は、角パイプから形成され、軸心が前後方向に沿うように配置され、該下部フレーム材31の上面後部がメインフレーム材30の下端に固定されている。また、下部フレーム材31の前端は下部取付部材27の後面に固定されている。
横連結杆29は、直管状のパイプ材によって構成され、左右のメインフレーム材30の横杆部33の後部間(左右のメインフレーム材30の上部間)にわたって設けられている。
【0024】
左右各上部取付部材26は、メインフレーム材30の横杆部33に固定された前後一対のブラケット36と、ツールバー17に嵌合する嵌合部材37と、この嵌合部材37がツールバー17から離脱するのを防止する抜止めプレート38とを有する。
前後のブラケット36は、板材によって構成され、板面が前後を向くように配置されてメインフレーム材30に固定されている。
【0025】
嵌合部材37は板材を後方開放状の側面視コ字形に形成してなり、前後のブラケット36に固定されている。
この嵌合部材37をツールバー17に前方側から嵌合することにより、該ツールバー17に作業機フレーム21(摘心機1)が支持される。
抜止めプレート38は嵌合部材37の背面側に板面が前後を向くように配置され、該抜止めプレート38は、前記嵌合部材37の上壁37a及び下壁37bに固定された複数の取付ボルト39と、該取付ボルト39に螺合されるナット40とによって嵌合部材37に取付固定される。これにより、作業機フレーム21が左右方向位置調整可能にツールバー17に取付固定される。
【0026】
前記作業機フレーム21の左右両側にはデバイダ24が支持されるデバイダ支持体41が設けられている。
図6及び図7に示すように、このデバイダ支持体41は、作業機フレーム21の下部取付部材27の左右方向の端部から前方延出状に設けられた支持ブラケット42と、この支持ブラケット42の前端に設けられた枢支部材43と、この枢支部材43の後方側に配置された第1・2位置決め部材44,45とを有する。
【0027】
支持ブラケット42は、板面が左右方向を向くように配置された帯板材によって構成され、後部が作業機フレーム21の下部取付部材27の左右方向端部に固定された取付ステー46にボルト固定されている。
枢支部材43は、筒体によって構成されており、軸心が上下方向に沿うように設けられている。
【0028】
第1位置決め部材44は、支持ブラケット42の左右方向内側面に固定された側壁44aと、この側壁44aの上端及び下端から左右方向内方(摘心機1の左右方向中央側)に向けて延出された上下壁44b,44cとを有し、上下壁44b,44cにピン挿通孔47が同心状に且つ上下方向貫通状に形成されている。
第2位置決め部材45は、筒体から構成され、軸心が上下方向に沿うように配置されて支持ブラケット42の左右方向外側面に固定されている。
【0029】
第1位置決め部材44と第2位置決め部材45とは、枢支部材43の軸心を中心とする円弧上にピン挿通孔47と第2位置決め部材45の内孔48とが位置するように配置されている。
前記デバイダ24は、棒材からなるデバイダ本体49と、デバイダ支持体41に取り付けられるデバイダ取付ステー50とを有する。
【0030】
デバイダ本体49は、上杆部51と、この上杆部51の下側に位置する下杆部52と、これら上杆部51と下杆部52の前端同士を連結する湾曲状の前杆部53と、上杆部51と下杆部52とを長手方向中途部で連結する連結杆部54とから構成されている。
上杆部51と下杆部52とは後方に行くに従って対向間隔が漸次大となるように設けられている。
【0031】
デバイダ取付ステー50は、帯板材を折曲して形成され、前記デバイダ支持体41の枢支部材43及び第1・2位置決め部材44,45の上側に配置された上壁部56と、該枢支部材43及び第1・2位置決め部材44,45の下側に配置された下壁部57と、上下壁部56,57の前端同士を連結する前壁部58とから構成されている。
上下壁部56,57は、中途部で屈曲され、該中途部(屈曲部分)が該上下壁部56,57を貫通すると共に枢支部材43を挿通する枢支ピン59によって上下方向の軸心回りに回動自在に枢支されている。
【0032】
前壁部58はデバイダ本体49の連結杆部54に固定され、上下壁部56,57の後端側にはピン挿通孔60が上下方向貫通状に形成されている。
前記デバイダ24にあっては、枢支ピン59回りに回動させることにより、図6(a)において実線で示すように、前方に行くに従って左右方向外方に移行する傾斜状の作業姿勢と、図6(a)において仮想線で示すように、前後方向に沿った非作業姿勢とに姿勢変更自在とされている。
【0033】
前記作業姿勢では、デバイダ取付ステー50のピン挿通孔60が第1位置決め部材44のピン挿通孔47に一致し、これらピン挿通孔60,47に固定ピン61を挿通することにより、デバイダ24が作業姿勢に位置決めされる。
また、非作業姿勢では、デバイダ取付ステー50のピン挿通孔60が第2位置決め部材45の内孔48に一致し、これらピン挿通孔60及び内孔48に固定ピン61を挿通することにより、デバイダ24が該非作業姿勢に位置決めされる。
【0034】
ある程度成長した大豆では葉が広がっており、また、大豆は畝に沿って前後方向に一列状に植えられるが、植付け位置が左右方向に関してバラツキがあるので、予定の摘心範囲にある大豆の主茎を確実に摘心するのが困難な場合がある。
しかしながら、前記デバイダ24を作業姿勢とすることによって摘心範囲にある主茎と摘心範囲にない主茎とを分草し、予定の摘心範囲にある大豆の主茎を確実に摘心することができる。
【0035】
また、摘心作業をしないときには、デバイダ24を非作業姿勢にしておくことにより、デバイダ24が何かのものに接当するのを極力防止することができる。
なお、本実施形態では、デバイダ本体49の上杆部51の後端側は作業姿勢において後方に指向するように屈曲されている。
刈刃ユニット19は、レシプロ式の切断装置であり、図8〜図11に示すように、作業機フレーム21の上部取付部材26の下方において、下部取付部材27の左右方向一端側(一端近傍)から他端側(他端近傍)にわたって設けられている。この刈刃ユニット19は、ユニット取付部材62と、刈刃体63と、ガード64(受け刃)と、カッタ押え65と、ウエアリングプレート66とを有している。
【0036】
ユニット取付部材62は、下部取付部材27の前面側に配置され、下部取付部材27の左右一端側から他端側にわたる長さに形成されている。このユニット取付部材62は、下部取付部材27の前面にボルト固定された取付壁67と、該取付壁67の上端から前方に延出する支持壁68とによって断面逆L字形に形成されている。
刈刃体63は、左右方向に往復移動することにより大豆の主茎を切断するものである。該刈刃体63は、ユニット取付部材62の支持壁68の前方に配置されていて該支持壁68の一端側から他端側にわたる長さに形成されたカッタバー69と、このカッタバー69上に左右方向に隣接配置されていて該カッタバー69に後部がリベット止めされた多数のカッタ70とから構成されている(したがって、刈刃体63は下部取付部材27の左右一端側から他端側にわたって設けられている)。
【0037】
各カッタ70の前部は前方にいくに従って先窄まりとなる山形状に形成されており、この山形状とされたカッタ70前部の縁部側が刃部70aとされている。
ガード64は、カッタ70を異物から保護する機能と、受け刃(固定刃)としての機能と、カッタ70の前部を支持する機能とを有し、カッタ70の各隣接部分にそれぞれ配置されている。
【0038】
各ガード64はカッタ70の下面側から該カッタ70の前方側を回ってカッタ70の上面側に至るように形成され、該ガード64の下部は後方に延出されていて該ガード64の後部がユニット取付部材62の支持壁68下面側に固定されている。
カッタ押え65はカッタ70を上から押えてカッタ70の浮き上がりを防止するものであり、ウエアリングプレート66はカッタ70の後端側を支持するものである。これらカッタ押え65とウエアリングプレート66とは左右方向に適宜間隔をおいて配置され、カッタ押え65の後部下面にウエアリングプレート66を重ね合わせてユニット取付部材62の支持壁68上面側に固定されている。
【0039】
刈刃駆動装置22は、刈刃体63を左右方向に往復駆動させるものであり、図10,図11に示すように、駆動源としての油圧モータ71と、この油圧モータ71の動力を刈刃体63に伝達する動力伝達機構72とを有する。
前記作業機フレーム21には刈刃ユニット19の駆動源等が取り付けられる駆動機構取付台73が設けられている。この駆動機構取付台73は左側の連結フレーム28の下端側の左側方に配置され、前端が下部取付部材27の後面に固定されている。
【0040】
刈刃駆動装置22の駆動源としての油圧モータ71は、前記駆動機構取付台73の上面側後部に取付固定されている。この油圧モータ71の出力軸は駆動機構取付台73の下面側に突出状とされている。
動力伝達機構72は、油圧モータ71の出力軸に取付固定された駆動プーリ74と、この駆動プーリ74からベルト75を介して動力が伝達される従動プーリ76と、駆動機構取付台73の上面側に設けられていて従動プーリ76と上下軸回りに一体回動する回動部材77と、この回動部材77の回動中心からずれた位置に設けられた偏心ピン78と、駆動機構取付台73に設けられた支持台79に前後中途部が上下軸回りに回動自在に枢支された揺動アーム80と、この揺動アーム80の後端側と前記偏心ピン78とを連動連結する第1連動ロッド81と、揺動アーム80の前端側と刈刃体63に設けられた連動ピン82とを連動連結する第2連動ロッド83とを有する。
【0041】
前記構成の刈刃駆動装置22の油圧モータ71を駆動させると、該油圧モータ71の動力が駆動プーリ74、従動プーリ76等を介して回動部材77に伝達されて該回動部材77が回動する。すると、第1連動ロッド81が押し引きされて揺動アーム80が左右に揺動し、該揺動アーム80が左右に揺動すると第2連動ロッド83が左右に押し引きされて刈刃体63が左右に往復移動し、カッタ70とガード64との間で大豆の主茎が切断されるよう構成されている。
【0042】
前記作業機フレーム21は、図4に示すように、左右両側及び左右方向中央部に、掻寄せユニット20を支持する支持体86A,86B,86Cを有する。
左側の支持体86Aは、下部取付部材27の左端近傍位置に設けられ、図12に示すように、下端が下部取付部材27の後面に固定されたサポート部材87と、このサポート部材87の上部に設けられたアームホルダ88と、このアームホルダ88に後部が前後方向複数位置に位置変更可能に保持された支持アーム89と、この支持アーム89の前部に設けられた軸受90とから主構成されている。
【0043】
前記サポート部材87は板材から構成され、下部取付部材27の後面から後斜め上方に延出した後、上方に延出するように形成されている。
前記アームホルダ88は支持アーム89の後部を前後方向移動自在に挿通する挿通部91を有し、サポート部材87及びアームホルダ88並びに支持アーム89を貫通するピン92によって該支持アーム89がアームホルダ88に前後方向移動不能に固定されている。
【0044】
この左側の支持体86Aの軸受90には支軸93が左右方向の軸心回りに回転自在に支持されており、該支軸93は該軸受90から左右方向内方(左右方向中央側)に突出状とされている。
中央の支持体86Cは、図1に示すように、前記横連結杆29の左右方向中央から後斜め下方に延出されたサポート部材97と、このサポート部材97の下端に固定されたアームホルダ98と、このアームホルダ98に後部が前後方向複数位置に位置変更可能に保持された支持アーム99と、この支持アーム99の前部に設けられた軸受100とから主構成されている。
【0045】
この中央の支持体86Cのアームホルダ98も支持アーム99の後部を前後方向移動自在に挿通する挿通部101を有し、アームホルダ98及び支持アーム99を貫通するピン102によって該アームホルダ98に支持アーム99が前後方向移動不能に固定されている。
この中央の支持体86Cの軸受100にも支軸103が左右方向の軸心回りに回転自在に支持されており、該支軸103は該軸受100から左右両側に突出状とされている。
【0046】
右側の支持体86Bは、下部取付部材27の右端近傍位置に設けられ、図13に示すように、下端が下部取付部材27の後面に固定されたサポート部材107と、このサポート部材107の上部に設けられたアームホルダ108と、このアームホルダ108に後部が前後方向複数位置に位置変更可能に保持された支持アーム109と、この支持アーム109の前部に設けられた支持プレート110と、この支持プレート110の前下部に設けられた軸受111とから主構成されている。
【0047】
この右側の支持体86Bのサポート部材107は角筒から構成され、下部取付部材27の後面から後斜め上方に延出した後、上方に延出するように形成されている。
また、右側の支持体86Bのアームホルダ108も支持アーム109の後部を前後方向移動自在に挿通する挿通部112を有し、アームホルダ108及び支持アーム109を貫通するピン113によって該アームホルダ108に支持アーム109が前後方向移動不能に固定されている。
【0048】
この右側の支持体86Bの軸受111にも支軸114が左右方向の軸心回りに回転自在に支持されており、該支軸114は該軸受111から左右方向内方(左右方向中央側)に突出状とされている。
前記支持プレート110は、側壁110aとこの側壁110aの上端から左右方向外方に延出された上壁110bとを有し、該支持プレート110の後上部が支持アーム109の前部に固定されている。
【0049】
前記各支持体86A,86B,86Cの支持アーム89,99,109には、ピン92,102,113を挿通するピン挿通孔115が前後2カ所設けられていて、該支持アーム89,99,109は、本実施形態では、前後2位置に位置調整可能とされている。また、各支持体86A,86B,86Cに設けた軸受90,100,111に支持された支軸93,103,114は同心状に設けられている。
【0050】
前記掻寄せユニット20は、本実施形態では、刈刃ユニット19に対して左右一対設けられ、刈刃ユニット19の上方で且つ作業機フレーム21の上部取付部材26の下方に配置されている。
なお、掻寄せユニット20は、刈刃ユニット19に対して1つ又は左右方向に3つ以上設けられていてもよい。
【0051】
左側の掻寄せユニット20は左側の支持体86Aと中央の支持体86Cの軸受90,100間に配置され、右側の掻寄せユニット20は右側の支持体86Bと中央の支持体86Cの軸受111,100間に配置されており、各掻寄せユニット20は各支持体86A,86B,86Cの軸受90,100,111に支持された支軸93,103,114を介して支持体86A,86B,86Cに左右方向の軸心回りに回転自在に支持されている。
【0052】
各掻寄せユニット20は、左右方向で対向配置された左右一対の回転体116と、左右の回転体116間に取り付けられていて該回転体によって左右方向の軸心回りに回転自在に支持された複数枚の(本実施形態では一対の)掻寄せプレート117とを有する。
各回転体116は円板によって構成され、板面が左右方向を向くように配置されている。各掻寄せユニット20において、回転体116の対向側の側面には左右方向の軸心を有する円筒部材からなるボス118が回転体116の中心と同心状として固定されている。
【0053】
各掻寄せユニット20の左右方向中央側の回転体116のボス118には、中央の支持体86Cの軸受100に支持された支軸103が該回転体116を貫通して挿通されていると共に該ボス118に該支軸103がピンによって抜け止め固定されている。また、各掻寄せユニット20の左右方向外端側(中央側とは反対側)の回転体116のボス118には、該回転体116と同じ側にある支持体86A,86Bの軸受90,111に支持された支軸93,114が該回転体116を貫通して挿通されていると共に該ボス118に該支軸93,114がピンによって抜け止め固定されている。
【0054】
これによって、回転体116が支持体86A,86B,86Cに左右方向の回転中心線X回りに回転自在に支持されている。
また、各掻寄せユニット20の左右の回転体116間には左右の回転体116を連結する連結ロッド119が一対設けられており、これによって、各掻寄せユニット20の左右の回転体116は一体回転するよう構成されている。
【0055】
一対の連結ロッド119は回転体116の回転中心線Xから回転体116の径方向(回転中心線Xに直交する方向)に離れた位置(回転中心線Xと回転体116外周縁との中間位置)において左右方向に沿って配置され、該連結ロッド119の左右方向の端部は回転体116の対向側の側面に溶接等によって固定されている。
また、一対の連結ロッド119は、回転中心線Xを対称中心線とする対称位置に設けられている(回転中心線Xを挟んで該回転中心線Xに直交する方向に振り分け状に設けられている)。
【0056】
したがって、各掻寄せユニット20の左右回転体116の中心間に回転中心線Xを軸心とする中心軸が存在しないように構成している。
一対の連結ロッド119は、左右方向複数位置(本実施形態では2位置)において、板面が左右方向を向くように配置された連結プレート120によって連結されている。
なお、連結プレート120には、連結ロッド119が嵌り込む嵌合部119aが切り欠き形成されている(図15参照)。
【0057】
また、各掻寄せユニット20において、左右の回転体116間には掻寄せプレート117を取り付けるための取付具121が一対設けられている(掻寄せプレート117が取付具121を介して連結ロッド119に取り付けられている)。
各取付具121は、それぞれ連結ロッド119の回転体116径方向外方に配置(連結ロッド119と回転体116の外周縁との間に配置)されており、図15に示すように、回転体116に固定された固定プレート122と、この固定プレート122に重ね合わされてボルト固定される取付プレート123とから構成されている。
【0058】
これら固定プレート122と取付プレート123とは、回転体116の回転方向(図1のA方向)で対向するように設けられ、固定プレート122の回転体116径方向内方側の端部側は(折曲されて)連結ロッド119及び連結プレート120に接当してこれらに溶接等によって固定されている。
固定プレート122に取付プレート123を取付固定するボルト124は左右方向に適宜間隔をおいて設けられている。
【0059】
各掻寄せユニット20において、一対の掻寄せプレート117は、板面が回転体116の回転方向Aを向くように配置され、一方の回転体116から他方の回転体116にわたるように設けられている。
なお、掻寄せプレート117は、本実施形態では樹脂板によって形成されているが、硬質のゴム板又は金属板によって構成されていてもよい。
【0060】
また、掻寄せプレート117は左右回転体116の間から該回転体116の径方向外方(回転中心線Xに直交する方向で且つ回転中心線Xから離れる方向)に突出するように設けられていて、掻寄せプレート117の、回転体116径方向内方側の縁部側が固定プレート122と取付プレート123との間に挟み込まれると共に該掻寄せプレート117縁部側が取付プレート123を取付固定するボルト・ナット124A,124Bによって共締めされている。
【0061】
したがって、各掻寄せユニット20は、回転中心線X側に掻寄せプレート117が存在しない(一対の掻寄せプレート117の取付側の縁部間が空間となる)ように構成されている。
なお、左側の掻寄せユニット20の掻寄せプレート117には、第2連動ロッド83との干渉を防止するための切欠部125が形成されている。
【0062】
本実施形態にあっては、前記左右の掻寄せユニット20は、各支持体86A,86B,86Cの支持アーム89,99,109を前後方向に位置変更することにより、前後方向位置変更可能とされている。
本実施形態では、掻寄せユニット20は前後2位置に位置調整自在とされ、図1に実線で示す後位置では回転中心線Xが刈刃体63の前後方向中途部の上方に位置し(回転中心線Xがカッタ70の刃部70aの後部の上方に位置し)、前位置では回転中心線Xがカッタ70の前端側の上方に位置する。
【0063】
掻寄せプレート117は、各掻寄せユニット20に対して2枚設けられているが、3枚以上設けられていてもよく、この場合、2枚の場合と同様に、回転体116の周方向(回転方向A)に間隔(等間隔)をおいて配置される。
前記構成の掻寄せユニット20にあっては、掻寄せプレート117は左右の回転体116と一体回転し、また、左右の掻寄せユニット20は中央の支持体86Cの軸受100に支持された支軸103によって連結されているので、該左右の掻寄せユニット20は左右方向の軸心(回転中心線X)回りに一体回転する。
【0064】
この左右の掻寄せユニット20を回転駆動する掻寄せ駆動装置23は、右側の支持体86Bに設けられている。
この掻寄せ駆動装置23は、駆動源としての電動モータ126と、該電動モータ126の動力を右側の支持体86Bの軸受111に支持された支軸114(これを掻寄せユニット駆動軸という)に伝達する動力伝達機構127とを有する。
【0065】
駆動源である電動モータ126は、支持プレート110の側壁110aの左右方向内方側の側面後下部に取付固定されている。
動力伝達機構127は、支持プレート110の側壁110aの左右方向外方側に設けられ、電動モータ126によって回転駆動される駆動スプロケット128と、掻寄せユニット駆動軸114と一体回転する従動スプロケット129と、駆動スプロケット128と従動スプロケット129とにわたって掛け渡されたチェーン130とから構成されている。
【0066】
この動力伝達機構127はカバー131によって覆われている。
この掻寄せ駆動装置23の電動モータ126を駆動させると、該電動モータ126の回転動力が動力伝達機構127を介して掻寄せユニット駆動軸114に伝達され、掻寄せプレート117が、上から下へと前回りに回転するように(図1に矢視Aで示す方向に)掻寄せユニット20が回転する。
【0067】
前記構成の摘心機1によって大豆の主茎を摘心するには、先ず、作業機装着機構3のツールバー17を昇降させて摘心機1の刈刃体63を所望の高さ位置(大豆の主茎を摘心するのに適した高さ位置)に位置調整し、刈刃ユニット19及び掻寄せユニット20を駆動して、トラクタ2を前進走行させながら大豆の主茎を切断する。
このとき、大豆が掻寄せプレート117によって機械的・強制的に刈刃体63へと掻寄せられる(引き寄せられる)ので、柔らかい時期の大豆であっても、刈刃体63によって大豆を押してしまって該大豆が刈刃体63の下に入るということがなく、大豆の主茎を確実に切断することができる。
【0068】
また、成長して葉が大きくなった大豆であっても、掻寄せプレート117によって大豆の主茎を隣接するカッタ70の刃部70a間(カッタ70とガード64との間)に確実に入り込ませることができ、確実に大豆の主茎を切断することができる。なお、カッタ70を大型のものを使用することにより切断効率を上げることができる。
また、大豆が比較的成長していて頂芽が掻寄せプレート117の回転中心線X付近に位置する又は頂芽が回転中心線Xを越えるような場合であっても、掻寄せプレート117が回転中心線Xから離れているので、掻寄せプレート117によって大豆の頂芽を押さえ付けることがなく、設定した切断位置で主茎を切断することができる。
【0069】
また、掻寄せユニット20の回転中心線X部分に、回転体116間にわたる中心軸が存在しないので、主茎の切断した部分が掻寄せユニット20の回転中心線X付近で掻寄せユニット20に絡みつくということがなく、また、主茎の切断した部分は掻寄せプレート117によって刈刃体63(刈刃ユニット19)から後方に排出させることができる(主茎の切断した部分が刈刃体63から後方に容易に排出する)。
【0070】
また、本実施形態の摘心機1にあっては、掻寄せユニット20は前後2位置に位置調整可能とされているが、掻寄せユニット20を、図1に実線で示すように、後位置にすることにより、主茎の切断した部分を掻寄せプレート117によって刈刃体63(刈刃ユニット19)から後方に確実に排出させることができるという効果を奏する。
また、掻寄せユニット20を後位置に位置させている際において、高さの低い大豆を摘心する場合であって大豆の主茎の頂芽を掻寄せプレート117によって押さえる傾向にある場合は、掻寄せユニット20を前位置(掻寄せプレート117を図1に仮想線で示す位置)にすることにより、掻寄せプレート117を大豆の主茎の頂芽に対して前側から当てることができ、高さの低い大豆であっても、設定した切断位置で主茎を確実に切断することができるという効果を奏する。
【0071】
また、トラクタの前部に設けた作業機装着機構を介して摘心機が設けられるものにあっては、刈刃ユニット及び掻寄せユニットが作業機装着機構から前方に離れるほど作業機装着機構に作用する負荷が大きくなるが、本実施形態の摘心機1にあっては、作業機装着機構3のツールバー17に取り付けられる上部取付部材26に対して下部取付部材27を下方且つ後方に配置し、この下部取付部材27の前面側に刈刃ユニット19を取り付けて該刈刃ユニット19を上部取付部26の下方に位置させ、また、上部取付部材26と下部取付部材27とを連結する連結フレーム28を上部取付部材26の下部から後方に延びる横杆部33及び該横杆部33の後部から下方に延びる縦杆部32からなるメインフレーム材30と該メインフレーム材30の縦杆部32の下端に固定されていて下部取付部材27に連結される下部フレーム材31とによって構成して、上部取付部材26の下方で且つ刈刃ユニット19の上方に掻寄せユニット20を配置するスペースを設け、該スペースに掻寄せユニット20を配置しているので、掻寄せユニット20及び刈刃ユニット19をトラクタ2側に寄せることができ、作業機装着機構3に作用する負荷を軽減することができる。
【0072】
本実施形態の摘心機1は前記構成に限定されることはなく、種々の設計変更は可能である。例えば、掻寄せユニット20を上下方向位置調整可能としてもよい。掻寄せユニット20を上下に位置調整可能とすることにより、大豆の主茎の高さに合わせて掻寄せプレート117の高さを調整することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 摘心機
2 走行体(トラクタ)
3 作業機装着機構
19 刈刃ユニット
21 作業機フレーム
24 デバイダ
26 上部取付部材
27 下部取付部材
63 刈刃体
116 回転体
117 掻寄せプレート
119 連結ロッド
A 回転方向
X 回転中心線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行体(2)に装着されると共に左右方向に往復駆動される刈刃体(63)を備えたレシプロ式の刈刃ユニット(19)を備え、この刈刃ユニット(19)によって植物を摘心する摘心機において、
前記刈刃ユニット(19)の上方に、左右方向の回転中心線(X)回りに回転することにより摘心する植物の先端部を刈刃ユニット(19)側に掻き寄せる掻寄せプレート(117)を設け、この掻寄せプレート(117)を回転中心線(X)から離れた位置に配置すると共に回転方向(A)に間隔をおいて複数枚配置したことを特徴とする摘心機。
【請求項2】
前記回転中心線(X)から離れた位置で前記回転中心線(X)と平行に配置された複数の連結ロッド(119)によって連結されて、回転中心線(X)回りに一体回転自在とされた左右一対の回転体(116)を備え、この左右の回転体(116)間に、前記掻寄せプレート(117)が前記回転中心線(X)から離れる方向に前記連結ロッドに取り付けられていて、該回転体(116)によって掻寄せプレート(117)が回転自在に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の摘心機。
【請求項3】
走行体(2)の前部に設けた作業機装着機構(3)を介して取り付けられる作業機フレーム(21)を備え、この作業機フレーム(21)は上部に作業機装着機構(3)に取り付けられる上部取付部材(26)を備えていると共に下部に刈刃ユニット(19)を備え、上部取付部材(26)の下方に刈刃ユニット(19)を位置させていることを特徴とする請求項1又は2に記載の摘心機。
【請求項4】
刈刃ユニット(19)の左右両側にデバイダ(24)を設け、この左右デバイダ(24)を前方に行くに従って左右方向外方に移行する傾斜状の作業姿勢から前後方向に沿った非作業姿勢に姿勢変更自在としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の摘心機。
【請求項1】
走行体(2)に装着されると共に左右方向に往復駆動される刈刃体(63)を備えたレシプロ式の刈刃ユニット(19)を備え、この刈刃ユニット(19)によって植物を摘心する摘心機において、
前記刈刃ユニット(19)の上方に、左右方向の回転中心線(X)回りに回転することにより摘心する植物の先端部を刈刃ユニット(19)側に掻き寄せる掻寄せプレート(117)を設け、この掻寄せプレート(117)を回転中心線(X)から離れた位置に配置すると共に回転方向(A)に間隔をおいて複数枚配置したことを特徴とする摘心機。
【請求項2】
前記回転中心線(X)から離れた位置で前記回転中心線(X)と平行に配置された複数の連結ロッド(119)によって連結されて、回転中心線(X)回りに一体回転自在とされた左右一対の回転体(116)を備え、この左右の回転体(116)間に、前記掻寄せプレート(117)が前記回転中心線(X)から離れる方向に前記連結ロッドに取り付けられていて、該回転体(116)によって掻寄せプレート(117)が回転自在に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の摘心機。
【請求項3】
走行体(2)の前部に設けた作業機装着機構(3)を介して取り付けられる作業機フレーム(21)を備え、この作業機フレーム(21)は上部に作業機装着機構(3)に取り付けられる上部取付部材(26)を備えていると共に下部に刈刃ユニット(19)を備え、上部取付部材(26)の下方に刈刃ユニット(19)を位置させていることを特徴とする請求項1又は2に記載の摘心機。
【請求項4】
刈刃ユニット(19)の左右両側にデバイダ(24)を設け、この左右デバイダ(24)を前方に行くに従って左右方向外方に移行する傾斜状の作業姿勢から前後方向に沿った非作業姿勢に姿勢変更自在としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の摘心機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−191887(P2012−191887A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58029(P2011−58029)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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