説明

摩擦真空ポンプ

【課題】改善された真空データを有するホルベック・ポンプ段を提供することである。
【解決手段】転がり軸受4により回転可能に支持され、且つハブ8およびハブに固定されたスリーブ10を有する、ロータ2であって、スリーブ10が第1の端部12およびハブとは反対側のフリーな第2の端部14をもつ、該ロータ2と、およびスリーブに対して同心に、隙間幅100を有する隙間30を形成して、スリーブを包囲するように配置されているステータ20と、を備えた真空ポンプに関するものである。真空データを改善するために、隙間幅が転がり軸受に向かって低減することが提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の真空ポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
数十年来、市場において、例えばガス分析および半導体製造におけるような多くの種々の工業用途において成果のあるターボ分子ポンプは、一部、いわゆる複合ポンプとして形成されている。複合ポンプとは、ポンプのロータに、ターボ分子ポンプ・セクションのほかに、分子ポンプ段が設けられていることを意味する。
【0003】
このような分子ポンプ段の成果のある構造タイプは、その発明者の名前をつけてホルベック(Holweck)ポンプ段と呼ばれる。たいていの場合滑らかなスリーブが、スリーブの内側または外側に配置されたステータ内で回転し、ステータは、スリーブに向かい合う側に、一般に、複数の螺旋状溝を有している。ステータとスリーブとの間に隙間が存在し、隙間は、一般に、1mmより小さい幅であり、しばしば数分の1mmにすぎず、例えば0.1mmの数倍である。
【0004】
隙間の寸法決定に対しては、幾何形状データ、例えば製造公差、運転中の遠心力のスリーブ直径への影響および熱膨張が決定的な要因となる。これらの影響は広い隙間寸法を形成し、この広い隙間寸法は、真空データの質例えば圧縮を制限することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の課題は、改善された真空データを有するホルベック・ポンプ段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、請求項1の特徴を有する真空ポンプにより解決される。従属請求項2ないし13は、本発明の有利な変更態様を与える。
スリーブとステータとの間の隙間の隙間幅が変化し、この場合、隙間の隙間幅は、真空ポンプの軸方向に変化し且つ種々の軸方向高さにおいて異なる値をとることが好ましい。一定ではない隙間幅は、それぞれの軸方向高さの範囲内において予想されるロータの最大半径方向変位に簡単に適合可能であり、これにより、ポンプ効率が上昇される。
【0007】
スリーブは、第1の端部、およびハブとは反対側のフリーな第2の端部、を有していてもよい。
好ましい一実施形態により、真空ポンプのロータは転がり軸受により回転可能に支持され、および隙間幅は転がり軸受に向かって低減する。転がり軸受の小さい遊びに基づいて狭い隙間が達成され、これにより、真空データは著しく改善される。例えばヘリウムのような軽いガスの場合、例えば圧縮が10倍は十分に改善可能である。
【0008】
ロータを支持するために、転がり軸受のほかに永久磁気軸受が使用可能である。この場合、永久磁気軸受は大きな遊びを有し、したがって大きな隙間を必要とするので、要求された隙間形状が適用されることが特に有利である。このとき、隙間は、永久磁気軸受の方向に広く且つ転がり軸受の方向に狭いこと、ないしは永久磁気軸受の方向に増加する隙間幅を有すること、が好ましい。しかしながら、従来技術においては、隙間は永久磁気軸受の遊びに応じて決定されてきた。請求項1ないし13の特徴を利用することにより、この数十年間利用されてきた方法とは異なり、少なくとも部分的に、永久磁気軸受内の遊びを考慮しない隙間が達成される。したがって、ロータを永久磁気軸受および転がり軸受で支持する場合、特に有利な効率上昇が得られる。
【0009】
スリーブおよびステータが、ホルベック・ポンプ段の部分であること、またはホルベック・ポンプ段を形成すること、が好ましい。スリーブはハブにより支持されていてもよい。スリーブは真空ポンプの回転軸に対して同心に且つ特に回転対称に形成されていることが好ましく、および回転軸に対して同軸の円筒スリーブの形を有していることが好ましい。
【0010】
原理的に、本発明の範囲内において、隙間幅が転がり軸受の方向に低減するのではなく、例えば転がり軸受の方向に定常的にまたは段階的に増加することもまた考えられる。
一実施形態により、真空ポンプが軸方向に直列に配置された2つのスリーブを含み、これらのスリーブは、特に共に共通のホルベック段を形成しても、または共通のホルベック段の部分であってもよい。この場合、2つのスリーブは、共に、ステータと共に隙間を形成する、ロータの特に円筒スリーブ形状表面および/または滑らかな表面の少なくとも一部を形成してもよい。スリーブの少なくとも1つがそれに固定されているハブは、この場合、軸方向にスリーブの間に存在していてもよく、且つスリーブは、ハブに対して反対軸方向に伸長していてもよい。両方のスリーブは、原理的に、同じハブに配置されていても、ないしは同じハブにより支持されていてもよい。スリーブは異なるハブにより支持されていてもよく、この場合、2つのハブは軸方向に相互に間隔をなして配置され、および/または2つのハブの1つが、真空ポンプの他のハブと永久磁気軸受との間に配置されている。
【0011】
真空ポンプのスリーブが、その軸方向端部から間隔をなしている範囲内において、ないしはその軸方向端部間に配置された範囲内において、ハブと結合されていても、またはハブにより支持されていてもよく、この場合、スリーブはハブから反対軸方向に伸長する。
【0012】
真空ポンプは、スリーブの内側に同心に配置されたステータおよびスリーブの外側に同心に配置されたステータを含んでいてもよく、この場合、各ステータは、スリーブと、隙間幅を有する隙間を形成し、およびこの場合、両方の隙間は相互に並列にポンピングし、即ち、例えばその下流側端部において合流されていることが好ましい。したがって、内側のステータにより形成された隙間は、ハブの1つまたは複数の開口を介して、供給されるべきガスを受入可能であり、1つまたは複数の開口は、隙間に対してそれぞれ1つのガス入口を形成する。両方の隙間はそれぞれ、1つのホルベック段の部分であってもよい。外側ステータにより形成された隙間の隙間幅および/または内側ステータにより形成された隙間の隙間幅は、特に軸方向において変化し且つ特に転がり軸受に向かって低減してもよい。有利な一実施形態により、内側ステータにより形成された隙間の隙間幅は、外側ステータにより形成された隙間幅よりもより大きく変化し且つ特に転がり軸受に向かってより大きく増加してもよいし、低減させてもよい。代替態様または追加態様として、内側ステータにより形成された隙間の最小隙間幅は外側ステータにより形成された隙間の最小隙間幅より小さくてもよい。これにより、両方の隙間の回転軸からの異なる半径方向間隔およびこれにより形成される異なる相対速度に基づく、両方のポンプ段の異なるポンプ特性が補償され、この結果、特にポンプ段の並列運転において改善されたポンプ特性が達成される。一方の隙間の隙間幅特に外側ステータにより形成された隙間幅は、原理的に、一定であってもよい。
【0013】
1つのスリーブまたは複数のスリーブの外側表面および内側表面の並列ポンピング配置においてもまた、転がり軸受に向かって低減する隙間幅が形成されることが有利である。この場合、隙間幅低減は、相互に並列の異なるポンピング隙間の圧縮のきわめて正確な同調を可能にし、例えば、静止構成要素と運動構成要素との間(又は、静止構成要素と移動しない構成要素との間)の異なる相対速度の圧縮への影響が補償可能である。
【0014】
有利な一実施形態により、隙間幅は線形にまたは段階的に低減または増加する。隙間幅は、原理的に、隙間長さの一部にわたりまたは隙間長さの全長にわたり変化してもよい。隙間幅は、例えば、第1のセクションにおいては変化し且つ第2のセクションにおいては一定であってもよい。同様に、隙間幅は、種々のセクションにおいて異なって変化してもよく、且つ例えば第1のセクションにおいては定常的におよび特に線形に、および第2のセクションにおいては段階的に、増加または低減してもよい。隙間幅はその全長にわたり同じ軸方向に増加または低減してもよいが、隙間幅は、第1のセクションにおいては軸方向に増加し且つ他のセクションにおいては同じ軸方向に低減してもよい。種々のセクションが、隙間の異なる軸方向長さセクションにより形成されていることが好ましい。スリーブの軸方向長さの一部にわたりまたはスリーブの軸方向長さの全長にわたり存在する軸方向における隙間幅の変化は、スリーブの全周にわたり与えられていてもよいが、このことは必ずしもそうでなくてもよい。
【0015】
隙間は、少なくともその軸方向長さの一部にわたり、および特にその軸方向長さのほぼ全長にわたり、ほぼ円錐形にまたは円錐台形状に形成されていてもよい。
一実施例およびその変更態様により、本発明を詳細に説明し且つそれらの利点を解明することとする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、2つの転がり軸受を有するホルベック段のロータおよびステータの略断面図を示す。
【図2】図2は、転がり軸受および永久磁気軸受により支持された、ホルベック段のロータおよびステータの略断面図を示す。
【図3】図3は、ホルベック段のスリーブおよびステータの略断面図を示す。
【図4】図4は、ターボ分子ポンプ要素および複数のスリーブを有するロータ並びにステータの略断面図を示す。
【図5】図5は、並列に作用するスリーブを有するロータの略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1に、真空ポンプのロータ2およびステータ20が略図で示されている。ロータ2はハブ8を有し、ハブ8はスリーブ10を支持する。
ロータ2は転がり軸受4により回転可能に支持され、転がり軸受4は、ハブ8に対して間隔102をなして存在する。ロータ2をさらに支持するために、第2の転がり軸受6が設けられていてもよい。
【0018】
スリーブ10に対して同心にステータ20が設けられ、ステータ20は、隙間30を形成して、スリーブ10を包囲する。ステータ20はその半径方向内側表面上に螺旋状溝24を有するか、またはポンプ効果を達成するために適切な対応ポンプ構造を有している。溝の間にウェブ22が残される。隙間30は幅100を有し、幅100は、スリーブ10に向かい合うウェブ22の表面とスリーブ10の表面との間に決定される。ステータ側のポンプ構造に追加してまたはその代わりに、スリーブ10が、ポンプ効果を達成するために適切なポンプ構造を有していてもよく、ここで、隙間30の隙間幅100は、この場合もまた、ポンプ構造のウェブの表面に関するものである。
【0019】
ロータ2は駆動装置により回転される。この場合、駆動装置は、ステータ側にモータ・コイル42を、およびロータ側に駆動磁石44を、含んでいてもよい。回転数は、スリーブ10とステータ20との間の隙間30内に分子ポンプ効果が形成されるように決定される。これにより、ガスは、転がり軸受4に向けられた方向104にポンピングされる。
【0020】
スリーブは第1の端部12を有し、第1の端部12においてスリーブはハブ8に固定されていてもよい。この場合、接着結合が行われてもよく、接着結合は、ハブ8およびスリーブ10の材料ペアの選択を容易にすることが有利である。第2の端部14は、ハブ8とは反対側にあって自由端となっている(すなわち、フリーである)。スリーブ10の長さに応じてそれぞれ、この第2の端部14がハブ8と転がり軸受4との間に配置されていてもよい。代替態様として、転がり軸受4がハブ8と第2の端部14との間に存在していてもよい。
【0021】
回転によりスリーブ10は拡大する。したがって、スリーブ10およびディスク8を異なる材料で形成することが有利であり、スリーブ10は例えば炭素繊維強化プラスチック(CFK)から形成され、ハブ8はアルミニウムから形成される。この場合、ハブ8は遠心力および温度の影響を受けてスリーブ10よりもより大きく拡大することが観察される。第2の転がり軸受6を使用したとき、ハブ8の伸びは特定の値である。ここで、隙間30を、この伸びに基づいて決定するのではなく、隙間幅100が転がり軸受4に向かって低減するように形成することが提案される。この円錐形隙間30により、ポンピング方向に真空データがより良好になることになる。実際に、軽いガスに対しては、例えば圧縮が10倍は十分に改善される。転がり軸受4の小さな遊びに基づき、この場合、隙間幅100は最小にすることが可能である。
【0022】
有利な一変更態様において、第2の端部14は、ハブ8と転がり軸受4との間の間隔102の0.8倍および1.2倍の間の範囲内の軸方向高さに配置されている。真空データの改善の利点はこれにより顕著となり、その理由は、軸方向高さのこの範囲内において、スリーブ10の変位は小さく且つきわめて狭い隙間30が選択可能であるからである。
【0023】
したがって、次に有利な一変更態様において、第2の端部14は転がり軸受4の高さに存在し、その理由は、このとき、隙間30および最小隙間幅100の内部に最高作動圧力が形成されるからである。
【0024】
図2は、ロータ2を支持するために、第2の転がり軸受6の代わりに永久磁気軸受40が設けられている一変更態様を示す。このような軸受40の利点は、高真空に適していることおよび摩耗がないことにある。しかしながら、永久磁気軸受40は、真空ポンプ内において可能な構造寸法の場合、最新の磁気材料を使用した場合においても、半径方向に転がり軸受4、6よりもより小さい剛性を有している。これは、例えば組込姿勢のような運転条件に応じてそれぞれ、永久磁気軸受40においてのみならず、転がり軸受4までの間隔102内に存在するハブ8の範囲内においてもまた、ロータ2の半径方向変位がより大きいことを意味する。したがって、従来技術によっては、ステータ20とスリーブ10との間の隙間30の隙間幅100は、その全長にわたり、ハブ8の変位に基づいて決定されてきた。この場合、スリーブの材料に応じてそれぞれ、スリーブ10の遠心力による伸びもまた考慮された。ここで、隙間幅100は転がり軸受4に向かって低減することが提案される。これにより、ポンピング方向104に小さくなっていく寸法によって上昇されるポンプ効果に基づき、真空データが改善される。これは、特に、考え方の一変更態様により永久磁気軸受40がスリーブ10の第1の端部12に付属されているとき、即ち、特にスリーブ10の軸方向に見てスリーブ10の第1の端部12から間隔をなしているが、離れている間隔がスリーブ10の第2の端部14からよりは小さいとき、に達成される。
【0025】
スリーブ10が炭素繊維強化プラスチック(CFK)から製造されている一変更態様は有利であり、これにより、転がり軸受4に向かって、特に転がり軸受4の高さにおいて、きわめて小さい隙間30が達成される。
【0026】
上記の特徴と組み合わせ可能な他の形態特徴を、図3により説明することとする。ロータ2およびステータ20並びに図の右側に隙間長さにわたる隙間幅100の経過が示されている。
【0027】
スリーブ10の第1の端部12は、ハブ8と、例えば、接着結合、はめ込み結合または焼きばめ結合により結合されていてもよい。代替態様として、スリーブ10は、図3において点線で示されているように、ハブ8を超えて軸方向に突出されていてもよい。この場合、ハブ8は、ハブ8を超えて突出されたスリーブ10の点線で示された第1の端部12′と、スリーブ10の第2の端部14との間に配置されている。このとき、ステータ20は、それに対応して、同様に点線で示されているように延長されていてもよい。製造を簡単にするために、ステータ20を、ステータ分割線110に沿って分割し且つ複数部品として形成することもまた考えられる。
【0028】
隙間長さ108にわたる隙間幅の連続線形変化の代わりに、隙間幅の変化がセクションごとに行われてもよい。例として、第1および第2のセクション90および92への分割が示されている。例として示された第1の経過94により、隙間幅は、はじめは線形に低減し、次に常に一定の部分に移行する。例として示された第2の経過96により、隙間幅の低減は段階的に行われ、隙間幅は、第2の端部14から第1の端部12に向かってジャンプ状(階段状)に増加する。換言すれば、隙間幅は、第1の端部12から第2の端部14に向かってジャンプ状(階段状)に低減する。
【0029】
図4の変更態様は、転がり軸受4および永久磁気軸受40により支持されたロータ2を示す。ハブ8と永久磁気軸受40との間にターボ分子ポンプ構造50が設けられ、ターボ分子ポンプ構造50は永久磁気軸受40の構成要素を包囲していてもよい。
【0030】
ハブ8は第1のスリーブ10およびこれに追加して第2のスリーブ16を支持し、第2のスリーブ16は、ハブ8に固定されているかまたはハブ8と一体に形成され、且つハブの、第1のスリーブ10とは反対側に配置されている。ステータ20は、隙間を形成して、第1のスリーブおよび第2のスリーブ16を同心に包囲する。両方のスリーブ10、16の長さにわたり伸長するこの隙間は、既に示した観点に基づいて形成されている。特に、隙間幅は、隙間長さ108にわたり、転がり軸受4の方向に低減する。この配置は、第2のスリーブ16に対する材料としてメタルの使用を可能にし、その理由は、隙間は、このとき、遠心力による最大の拡大の範囲内に最大の隙間幅を有しているからである。
【0031】
ハブ8は、ハブ分割線112に沿ってロータの縦軸の方向に分割されていてもよく、これにより、第2のハブ8bが形成され、第2のハブ8bは第1のハブから間隔をなして設けられていてもよい。
【0032】
分子ポンプ・セクションを形成するための他のスリーブ、例えば、第1のスリーブ10の内側に同心に配置されている第3のスリーブ18、が存在していてもよい。
図5に略図で示されている変更態様により、ロータ2に固定されたハブ8上に少なくとも1つの開口60を設けること、および第1のスリーブ10に対して同心に且つ第1のスリーブ10の半径方向内側に中間ステータ62を配置すること、が提案される。中間ステータ62は第1のスリーブ10と共にポンプ作用内部隙間64を形成する。第1のスリーブ10は、さらに、隙間30を形成して、第1のスリーブ10を同心に包囲するステータ20と協働してポンプ作用を形成する。この配置により、並列に作動する1つのポンプ段ないしは並列に作動する2つのポンプ段が形成され、1つないしは2つのポンプ段内において、第1のスリーブの外側および内側に沿ってガスが供給される。分子ポンプにおいて、ポンプ作用は、運動構造部分の静止構造部分に対する相対速度の関数である。したがって、効果的な並列ポンピング配置を提供することは簡単ではない。ここで、隙間30の隙間幅100および/又は隙間64の隙間幅106が、転がり軸受4に向かって低減することが提案される。この低減は、隙間幅変化の選択により、それぞれの隙間30、64により達成される圧縮、即ち、隙間始端および隙間終端間の圧力比、の微細調節を可能にする。この微細調節は、従来技術においてよりもより良好な効率データを有するきわめて効果的な並列ポンピング・ホルベック段を与える。
【0033】
第1のスリーブ10に追加して、第1のスリーブ10に対して同心に且つ中間ステータ62の半径方向内側に、第3のスリーブ18が配置されていてもよい。即ち、他のポンプ通路が形成される。図4に示すように、他のスリーブが組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0034】
2 ロータ
4 転がり軸受
6 第2の転がり軸受
8 ハブ(ディスク)
8b 第2のハブ
10 第1のスリーブ
12、12′ 第1の端部
14 第2の端部
16 第2のスリーブ
18 第3のスリーブ
20 ステータ
22 ウェブ
24 溝
30、64 隙間
40 永久磁気軸受
42 モータ・コイル
44 駆動磁石
50 ターボ分子ポンプ構造
60 開口
62 中間ステータ
90 第1のセクション
92 第2のセクション
94 隙間幅の経過(線形)
96 隙間幅の経過(段階的)
100、106 隙間幅
102 間隔
104 ポンピング方向
108 隙間長さ
110 ステータ分割線
112 ハブ分割線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのハブ(8)およびハブに固定された少なくとも1つのスリーブ(10)を有するロータ(2)と、隙間幅(100、106)を有する隙間(30、64)を形成して、スリーブ(10)に対して同心に配置されている少なくとも1つのステータ(20)と、を備えた真空ポンプにおいて、
隙間幅(100、106)が変化することを特徴とする真空ポンプ。
【請求項2】
請求項1に記載の真空ポンプにおいて、
ロータ(2)が転がり軸受(4)により回転可能に支持されており、
隙間幅(100、106)が、転がり軸受(4)に向かって低減することを特徴とする真空ポンプ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の真空ポンプにおいて、
ロータ(2)を支持するために永久磁気軸受(40)が設けられていることを特徴とする真空ポンプ。
【請求項4】
請求項3に記載の真空ポンプにおいて、
永久磁気軸受(40)がスリーブ(10)の第1の端部(12、12′)に付属されていることを特徴とする真空ポンプ。
【請求項5】
請求項2ないし4のいずれか1項に記載の真空ポンプにおいて、
スリーブ(10)のうち、ハブ(8)とは反対側にある自由な第2の端部(14)が、転がり軸受(4)の高さに配置されていることを特徴とする真空ポンプ。
【請求項6】
請求項2ないし5のいずれか1項に記載の真空ポンプにおいて、
スリーブ(10)のうち、ハブ(8)とは反対側にある自由な第2の端部(14)が、ハブ(8)と転がり軸受(4)との間の間隔(102)の0.8倍および1.2倍の間の範囲内の軸方向高さに配置されていることを特徴とする真空ポンプ。
【請求項7】
請求項3ないし6のいずれか1項に記載の真空ポンプにおいて、
ハブ(8)と永久磁気軸受(40)との間にターボ分子ポンプ構造(50)が設けられていることを特徴とする真空ポンプ。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の真空ポンプにおいて、
スリーブ(10)の第1の端部(12、12′)がハブ(8)に固定されていることを特徴とする真空ポンプ。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の真空ポンプにおいて、
第2のスリーブ(16)がハブ(8)に固定され且つハブ(8)の、第1のスリーブ(10)とは反対側に配置されていることを特徴とする真空ポンプ。
【請求項10】
請求項9に記載の真空ポンプにおいて、
第2のスリーブ(16)が、真空ポンプのハブ(8)と永久磁気軸受(40)との間に配置されている第2のハブ(8b)に固定されていることを特徴とする真空ポンプ。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1項に記載の真空ポンプにおいて、
スリーブ(10)がハブ(8)と接着結合により結合されていることを特徴とする真空ポンプ。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか1項に記載の真空ポンプにおいて、
ハブ(8)が少なくとも1つの開口(60)を有し、
開口(60)は、スリーブ(10)とスリーブ(10)の内側に同心に配置された中間ステータ(62)との間にガスを流入させ、
中間ステータ(62)とスリーブ(10)との間に、ポンプ作用内側隙間(64)が形成されており、
ポンプ作用内側隙間(64)の隙間幅(106)が変化し且つ特に真空ポンプの転がり軸受(4)に向かって低減していることを特徴とする真空ポンプ。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれか1項に記載の真空ポンプにおいて、
隙間幅(100、106)が線形にまたは段階的に増加または低減することを特徴とする真空ポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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