説明

撮像および画像再生するシステム、撮像および画像再生する方法、受信画像再生機器、再生機器の再生方法。

【課題】鑑賞者の再生装置の状況を判断し、その状況で楽しめる画像を送信することのできる撮像装置および撮像システムを提供する。
【解決手段】カメラ100は送信先状態判定&データベースを有しており、送信先の再生機器(大画面テレビ34a、携帯電話34b)と撮影モードや画像サイズ等の情報を記憶している。カメラ100で撮影した画像を送信したい送信先のユーザー31が、現在、鑑賞している再生機器のいずれかを検出する。検出結果に応じてカメラ100の表示パネル8には、送信先の再生機器の状態がテキスト331、332で表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置および撮像システムに関し、詳しくはテレビ等の再生装置の使用状態に応じて画像データの送信先を変更する撮像装置および撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラ等の撮像装置の画像送信の容易さを利用して、PC通信やインターネット、携帯電話回線などを利用して画像を送信し、その環境下で画像を楽しむ画像鑑賞法が普及している。これらのネットワークの利用法として、インターネット上のサーバーにブログ等のページに自分の撮影した写真を掲載することにより多くの人が鑑賞できるようにし、また、知人等のパーソナルコンピュータや携帯電話に送信し、いち早く画像を見せるようなことが可能となっている。
【0003】
従来、写真を鑑賞したい人は、撮影後に家庭内で鑑賞するためにアルバムを作成するだけであったが、このような写真活用の変化は、カメラの撮影方法に大きな変化をもたらす可能性がある。すなわち、従来は撮影者の好みが重要であったが、第三者も鑑賞することから、どのような写真が喜ばれるかを考慮した撮影が重要となる。
【0004】
また、画像の再生方法として、例えば、家族団らんの場面ではテレビで、外出時には携帯電話で、ネットサーフィンしているときにはパーソナルコンピュータ(PC)で再生する等、様々な鑑賞シーンが想定される。このような機器は近年ネットワークに接続することが可能になってきている。
【0005】
このようなデジタルカメラ等の撮像装置と画像再生装置をネットワークで接続する技術として、例えば、特許文献1には複数の送信先候補から選択して送信する監視カメラシステムがある。この監視カメラシステムは、ネットワークを利用して監視映像を配信するシステムであって、カメラとモニタを簡単な構成で切替を行なうようにしている。また、特許文献2には、画像内容によって表示すべきかどうかを判断する画像表示装置が示されている。この画像表示装置は、屋外に置かれ、大型フラットディスプレイに広告を表示させるような電子広告装置に表示される画像が、有害画像判定部によって判定され、表示許可された画像が表示されるようにしている。
【0006】
さらに、特許文献3には、受信装置に適合したデータ形式に従って送信画像を選択する通信システムが開示されている。この通信システムは、デジタルカメラとプリンタ等の通信システムにおいて、送信側と受信側の処理に最適な形式を、例えばVGA係止式やQ−VGA形式等から選択するようにしている。さらに、特許文献4には、受信装置の機能を判別して送信する画像データ伝送システムが開示されている。この画像データ伝送システムは、受信装置側に伸張機能がない場合でも送信側の画像データを短時間で検索でき、画像データを有効に伝送するようにしている。
【特許文献1】特開2006−246051号公報
【特許文献2】特開2006−254222号公報
【特許文献3】特開平10−341327号公報
【特許文献4】特開平8−237490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、撮像装置と画像再生装置を、ネットワークを通じて接続するシステムは種々提案されているが、いずれも送信先の状態を検出して行なうものではない。すなわち、特許文献1に開示の監視カメラにおいては、送信先の状態を反映して画像を送信するものではない。また、特許文献2乃至特許文献4に開示の装置やシステムは、いずれも画像を見せたい送信先の再生装置の状態を検出して、画像を送信するものではない。
【0008】
本願発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、鑑賞者の再生装置の状況を判断し、その状況で楽しめる画像を送信することのできる撮像および画像再生するシステム、撮像および画像再生する方法、受信画像再生機器、再生機器の再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため第1の発明に係わる撮像および画像再生システムは、画像を撮影する撮像手段と、上記画像を鑑賞する鑑賞者が利用できる複数の画像再生機器の現在の利用状況を判定する利用状況判定手段と、上記利用状況判定手段により現在利用していると判定した上記画像再生機器に対して上記画像を表わす画像データを送信する画像送信手段と、外部から上記撮影画像を受信したか否かを判定して、表示画面を分割した従画面または主画像に上記受信した撮影画像を表示する再生手段とを備える。
また上記目的を達成するため第2の発明に係わる撮像および画像再生システムは、上記第1の発明において、上記再生手段が、上記複数の画像再生機器のうち、別の画像再生機器による操作に従って、上記受信した撮影画像の再生を許可することを特徴とする。
【0010】
第3の発明に係わる撮像および画像再生は、画像を撮影するステップと、上記画像を鑑賞する鑑賞者が利用できる複数の画像再生機器の現在の利用状況を判定する利用状況判定ステップと、上記利用状況判定手段により現在利用していると判定した上記画像再生機器に対して上記画像を表わす画像データを送信する画像送信ステップと、外部から上記撮影画像を受信したか否かを判定して、表示画面を分割した従画面または主画像に上記受信した撮影画像を表示する再生ステップとを備える。
【0011】
また、第4の発明に係わる撮像および画像再生システムは、画像を撮影する撮像手段と、上記画像を鑑賞する鑑賞者が利用できる複数の画像再生機器の現在の利用状況を判定する利用状況判定手段と、この利用状況判定手段により現在利用していると判定した第1と第2の上記画像再生機器に対してそれぞれ上記画像を表わす画像データを送信する画像送信手段と、上記第1の画像再生機器の操作によって、上記第2の画像再生機器の表示画面に上記画像の表示を許可することを特徴とする。
【0012】
さらに、第5の発明に係わる撮像および画像再生方法は、画像を撮影する撮像ステップと、上記画像を鑑賞する鑑賞者が利用できる複数の画像再生機器の現在の利用状況を判定する利用状況判定ステップと、この利用状況判定手段により現在利用していると判定した第1と第2の上記画像再生機器に対してそれぞれ上記画像を表わす画像データを送信する画像送信ステップと、上記第1の画像再生機器の操作によって、上記第2の画像再生機器の表示画面に上記画像の表示を許可する許可ステップとを有することを特徴とする。
【0013】
さらに、第6の発明に係わる受信画像再生機器は、表示画面を有し、該再生機器が使用状況にある場合を判定して送信される外部からの撮影画像を受信したか否かを判定し、上記受信判定の結果、上記撮影画像を受信した場合には、上記表示画面を拡大表示用の主画面と縮小表示用の従画面に分割したうちの従画面に、送信元または上記撮影画像を表示する画面分割制御部を有することを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するため第7の発明に係わる撮像方法は、上記第6の発明において、上記画面分割制御部は、上記受信判定以前には、上記表示画面には上記主画面のみを表示させることを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するため第8の発明に係わる撮像システムは、上記第6の発明において、上記画面分割部は、リモコンからの操作信号に従って、上記従画面に表示された送信元を上記撮影画像に切り換えて表示させることを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するため第9の発明に係わる再生方法は、主画面と従画面とに、画面を分割して表示する表示手段を有する再生機器における再生方法であって、該再生機器使用状態にある場合に、外部から撮影画像を受信したか否かを判定し、判定の結果、受信した場合には、上記従画面に送信元を表示し、上記撮影画像を再生するか否かを判定し、判定の結果、再生を行う場合には上記従画面に上記撮影画像を表示することを特徴とする。
【0017】
上記目的を達成するため第10の発明に係わる撮像装置は、上記第9の発明において、さらに、拡大再生を行なうか否かを判定し、拡大再生を行なう場合には、上記主画面に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、鑑賞者の再生装置の状況を判断し、その状況で楽しめる画像を送信することのできる撮像装置および撮像システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面に従って本発明を適用した撮像装置および撮像システムを、デジタルカメラ等を用いた好ましい実施形態について説明する。本発明の第1実施形態に係るカメラは、被写体像を撮像素子で光電変換し、取得した画像データをリアルタイムで動画像表示するライブビュー機能を有し、また撮影指令に応じて静止画や動画の画像データを記録媒体に記録可能となっている。また、このカメラは、ネットワークを通じてサーバーに接続し、そこから鑑賞者の画像再生機器の状態を検出し、カメラにフィードバックすることができる。
【0020】
図1は、本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラとその周辺のブロック図である。ユーザーが使用するカメラ100には、撮影レンズ2、AF(オートフォーカス)制御部2a、絞り2b、絞り制御部2c、撮像素子3、アナログフロントエンド(以下、AFEと略す)部4が設けられている。撮影レンズ2は、内部にフォーカスレンズを有し、入射した被写体20の像を撮像素子3上に結像させる。
【0021】
AF制御部2aは、撮影レンズ2の合焦位置を、後述する画像処理部5内において画像処理を行い、いわゆる山登り法により検出し、フォーカスレンズを駆動して、合焦位置に移動させる。なお、山登り法は、撮影画像のコントラスト信号ピークから合焦位置(ピント位置)を検出する方式であるが、山登り法以外にも、例えば位相差法や三角測距法等公知の合焦方法に置き換えてもよい。AFによって合焦位置に達すると、このときの撮影レンズ2を検出することにより、距離判定を行うことができる。この場合、撮影レンズ2がズームレンズのときには、ズーム位置等を加味して距離の判定を行う。
【0022】
撮影レンズ2内または近傍に、シャッタや絞りの効果を奏する絞り2bが設けられる。絞り2bは、撮影時に所定の口径まで開き、露出が終了すると閉じて露光を終了させるものである。絞り制御部2cは、絞り2bを駆動して絞り径を設定する。この絞りを変えることによって、レンズの被写界深度が変化するので、背景のぼけ具合などを調整して、被写体を浮かび上がらせたり、背景をしっかりと描写したりするなど、表現の切り替えを行うことができる。撮像素子3は、多数の受光面(画素)からなるCCDやCMOSセンサ等であり、撮影レンズ2を介して被写体20からの像を受光しこれを画像信号に変換する。
【0023】
アナログフロントエンド(AFE)部4は、アナログデジタル変換(AD)手段を含み、撮像素子3からの信号をデジタル信号化する。そして、AFE部4は、撮像素子3から出力される画像信号について各種処理を行う。また、AFE部4には、撮像素子3のいくつかの画素をまとめて、一括して読み出す機能も設けられている。たとえば、4画素(2×2)や9画素(3×3)など、各画素の信号レベルが小さいときには、いくつかの画素信号を加算して、S/Nを向上させることができ、また、感度を上げることも出来る。
【0024】
このような処理によって感度を上げることができ、シャッタスピードを速くする等、撮影上の工夫が可能となる。シャッタスピードが速いと、動いている被写体が止まっているように撮影することが可能となる。また、手振れなどを防止することができる。
【0025】
また、AFE部4は、撮像素子3の出力する信号を取捨選択する機能を有し、受光範囲の中から限られた範囲の画像データを抽出することが出来る。一般に撮像素子3の画素から間引いた画素信号を抽出する場合には、高速読出が可能となる。これにより構図確認用の画像信号を、画像処理部5によって高速処理し、表示制御部8aを介して表示パネル8に表示することにより、フレーミングが可能となる。
【0026】
AFE部4の出力は、画像処理部5に接続されている。画像処理部5は、入力信号の色や階調やシャープネスを補正処理する。また、撮像素子3から得られた画像信号を所定のレベルに増幅して、正しい濃淡、正しい灰色レベルに設定する増感部を有している。これは、デジタル化された信号レベルが、所定レベルになるようにデジタル演算するものである。また、画像処理部5は、ライブ画像をリアルタイムに表示部に表示できるように、撮像素子3からの信号を表示パネル8に表示できるようなサイズに加工するリサイズ部を有する。この働きによって、撮影に先立って撮像素子に入射する像を確認でき、これを見ながら撮影時のタイミングやシャッタチャンスを決定することが出来る。
【0027】
また、この画像処理部5の信号を利用して、撮像素子から入力されてくる画像の特徴などを判定する画像判定機能を有している。この画像判定機能としては、画像情報を加工して得られる輪郭情報から人の顔の目や口などの部分を判定する顔検出部5a、この顔検出部4aを利用して顔等の表情を判定する表情判定部5b、また個人の顔を識別して個人を認証する個人認証部5dを有している。また画像処理機能としては、さらに、画像の信号レベルのコントラストを判定して、被写体の距離を判定する距離判定部5cも有している。また、画像処理部5とその周辺補助部は、MPU1と連携して、撮影画像の見栄を調整するにも用いられる。
【0028】
このように、画像処理部5とその周辺の補助部(顔検出部5a、表情判定部5b、個人認証部5d等)は、写真撮影時に、ユーザーがどのような写真を撮ろうとしているかを判定して、さらに写真を見る鑑賞者の嗜好を判定して、撮影制御を最適化するために用いられる。
【0029】
カメラ100には、圧縮部6、記録部9a、記録メディア9、送受信部9c、送信先状態判定&データベース(DB)9d、送信設定部9e、表示パネル8、表示制御部8a及びマルチ画像処理部8bが設けられている。圧縮部6は、撮影時に画像処理部5から出力された信号を圧縮する。圧縮部6内には、MPEG(Moving Picture Experts Group)4やH.264などの圧縮用コア部で構成される動画用の圧縮部及び JPEG(JointPhotographic Experts Group)コア部など静止画像用の圧縮部が設けられる。また、圧縮部6は記録メディア9に記録されている画像を表示パネル8に再生する際には、画像伸張も行なう。
【0030】
記録部9aは、圧縮された画像信号を記録メディア9に記録する。記録メディア9はカメラに着脱可能な保存用の記録媒体である。なお、画像信号の記録にあたっては、写真撮影した時の時間情報も併せて記録しても良い。撮影時間情報は、後述するMPU1内の時計部1tによって計測されており、MPU1は画像と関連付を行なう。
【0031】
メディア9や記録部9aに記録された撮影画像データは、送受信部9cによって、インターネット、携帯電話網や電話回線などの通信網32経由で、画像を管理するサーバー33等の他の機器に転送することができる。また、送受信部9cは送信設定部9eと接続されており、この送信設定部9eは画像を送信する場合等の送信先を指定する指定部である。
撮影された画像は、指定先に即時送信も可能である。また、この際に、鑑賞者の嗜好情報を取得するようにしてもよい。
【0032】
表示パネル8は、例えば液晶や有機EL等から構成され、撮影時には観察用に被写体画像をスルー画表示(ライブビュー表示とも言う)し、再生時には伸張処理された記録画像を再生表示する。
【0033】
表示制御部8aは、表示パネル8への表示を制御する。マルチ画像処理部8bは、表示パネル8上に、複数の画像を表示する場合の制御部である。このマルチ画像処理部8bによって、撮影した画像や撮影する画像の上に、送信先のアドレスの文字表示や種々の警告示をすることが可能である。なお、表示パネル8には、撮影して送信済み画像を一覧表示して、そこからサーバー33が運営するブログサービスなどにアップする画像や、アップして、ブログに表示する時のレイアウトを選択できるようにしてもよい。また、マルチ画面表示機能8bによって、撮影をアシストする情報や、鑑賞者が好きな画像例など、いろいろな補助表示をしたりすることも可能となる。
【0034】
また、表示パネル8における表示は、送信先状態判定&データベース(DB)9dの出力に基づいて、送信先の再生機器の画面に合わせて、アスペクト比などを切り換えて表示すると共に、撮影もこのアスペクト比で行なうようにしている。例えば送信先の再生装置が、16:9の画面の時には、そのアスペクト比で撮影を行い、また、4:3の画面時には、そのアスペクト比での撮影を行い、表示パネル8のライブビュー表示には、アスペクト比に応じた枠などを表示し、その範囲内のみを撮影する。
【0035】
送信先状態判定&データベース(DB)9dは、送信先に指定されている鑑賞者が、どのような機器で鑑賞するかといった傾向を記録するデータベースである。本実施形態においては、このデータベースの情報を基に、送信先の再生機器で鑑賞可能かどうかを判定し、撮影者に撮影を促すようにしている。なお、送信先状態判定&データベース9dは、後述するサーバー33から、送信先状態に関する情報を取得する。
【0036】
カメラ100には、補助光発光部11、マイク12、MPU(Micro Processing Unit)1、レリーズスイッチ1a、モード切替スイッチ1b、他のスイッチ1cが設けられる。
補助光発光部11は、白色LEDやXe放電発光管を有し、電流量で光量が制御できるようになっている。状況に応じて被写体20に光を照射して、明るさの不足や不均一な明るさを防止する。マイク12は、集音を行い、周囲の音声情報を取り込み、圧縮部6によって音声圧縮し、記録部9によって記録メディア9に、画像データと関連付けて記録される。
【0037】
MPU1は、カメラ全体の制御を司る制御手段である。レリーズスイッチ1a、モード切替スイッチ1b、他のスイッチ1cおよびプログラム等を記憶したROM(不図示)が、MPU1に接続される。MPU1内には、日や時刻を検出するための時計部1tが設けられており、写真の撮影日時を検出し、撮影画像と関連付けを行う。なお、スイッチ1b、1cは、スイッチを総称的に表示したものであって、実際には多数のスイッチ群から構成されている。また、MPU1には、位置判定部1dが接続されており、この位置判定部1は、GPS等により位置を検出する。この検出された位置を用いて撮影時の撮影位置と、前述の撮影日時を画像データと共にメディア9に記録する。
【0038】
各スイッチ1a〜1cは、ユーザーの操作を検出して、その結果をマイクロコントローラからなる演算制御手段であるMPU1に通知する。MPU1が、これらのスイッチの操作に従って動作を切り換える。また、MPU1は撮影時には、AF制御部2aや絞り制御部2c等の制御を行う撮影制御機能や取得画像データ・取得音声データ等の記録部9aや記録メディア9への記録制御機能を果たす。
【0039】
このように構成されているカメラ100は、通信網32を介してサーバー33に接続されており、このサーバー33に、ユーザー31の所有するパーソナルコンピュータ(PC)34は接続可能である。また、サーバー33は、大画面テレビ34aや携帯電話34b等の再生機器に接続可能であり、サーバー33は、これらの再生機器の使用状況を判定し、その判定結果を、通信網32を介してカメラ100に送信可能である。サーバー33とその周辺回路の構成については、図5を用いて後述する。
【0040】
次に、このように構成されているカメラの動作について図を用いて説明する。図2は典型的な利用状態を示す図である。この図2に、孫の成長を楽しみにしている祖母31(鑑賞者)の例を示す。祖母(鑑賞者)31は、孫の写真を見るのを楽しみにしている。それが送られてくるのを心待ちにしているが、状況によって、その画像が簡単には見られないことがある。たとえば、大型テレビ(TV)34aを見ている時に、携帯電話34bに画像を送っても、携帯34bの電源はオフしてあったり、また着信音に気づかなかったりして、そのまますごしてしまうことも多い。また、大画面テレビ(TV)34aで見るほうが、迫力もあり大きく見えるのでうれしいが、外出時には携帯電話34bで見るしかない。
【0041】
前述した送信先状態判定&データベース(DB)9d内には、図3に示すような、鑑賞者の利用する再生機器の情報が記録されている。後述するように図4のフローチャートにおいて、カメラ100の使用時に送信相手が利用可能な機器環境を判定し、カメラ100のユーザーに、送信相手の鑑賞機器にふさわしい撮影を促すような表示や警告の制御をカメラ100が行なう。これにより、鑑賞者が見やすい画像を、撮影してタイミング良く送ることができる。
【0042】
大画面テレビ(TV)34aと携帯電話34bでは、画面の大きさや分解能も異なり、音声が有効に再生できるかなど、再生にふさわしい画像が異なる。したがって、ここでの説明では、いつも大画面テレビ(TV)34を見ている祖母(鑑賞者)31を想定し、まず、大画面テレビ(TV)34aがオンしているかを、家電ネットワークで判定し、オンしている場合には、大画面に耐え、かつ、音声をきれいに録音した動画像を撮影して送信する。このような再生機器状況の判定結果を、カメラ100の背面の表示部に表示する(図2参照)。
【0043】
しかし、祖母(鑑賞者)31の外出時には、大画面テレビ(TV)34aの電源はオフするので、電源オフを家電ネットワークを介して判定し、その場合は、携帯電話34bに相応しい画像(例えば、VGA(Video Graphics Array)の静止画)を、携帯電話34bに送信する。もちろん、祖母(鑑賞者)31が外出の機会が多いのであれば、優先順位は反対にして、まず、携帯電話34bの電源を判定するようにして、携帯電話34bに対する画像送信の優先度をアップするようにしてもよい。
【0044】
携帯電話34bがオフしているときは、大画面テレビ(TV)34aの電源を判定し、オンしていれば、大画面テレビ(TV)34aに送信するべき画像を撮影するようにしてもよい。両方、オフの時は、その場で送信するのは諦め、後で携帯に送信することにして、撮影はVGAの静止画にしておき、カメラ内に画像を保持するようにする。
【0045】
このように図3に示す鑑賞者の利用機器情報の優先順位に従って制御を行っているが、使用者としては祖母以外にもおり、図3には、祖父の使用機器の例を示す。ここでは、祖父は、目が悪いので大画面で鑑賞する方が好きなので、例えば、携帯電話と大画面テレビ(TV)の電源が両方オンの時は、画面の大きな大画面テレビ(TV)34aに送信することを期待している。
【0046】
また、祖父が、パーソナルコンピュータ(PC)を使って、ネットやメールを楽しむようであるならば、大画面テレビ(TV)34aがオフでも、次に画面の大きなパーソナルコンピュータ(PC)に表示して欲しいと望む。こうした鑑賞者を想定する場合、携帯電話34bの電源をチェックする前に、パーソナルコンピュータ(PC)の電源をチェックするようにする。パーソナルコンピュータ(PC)もオフしている時は、携帯電話34bに画像を送信するようにしている。
【0047】
また、パーソナルコンピュータ(PC)の画面でも見られるように、画像保管用のサービ
スを行うサーバーや、家庭用サーバーのサーバー35(図5参照)に、画像記録するようにしてもよい。パーソナルコンピュータ(PC)のユーザーなら、このような場所に記録された画像を探して鑑賞することも容易にできる。したがって、携帯電話34bには、画像が保管されているので閲覧を促す催促表示を行う。即時性には欠けるものの、祖父が好む大画面での画像鑑賞をすることが可能となる。
【0048】
次に、図4に示すフローチャートを用いて、本実施形態の動作について説明する。画像撮影のメインルーチンに入ると、まず、撮影モードか否かの判定を行なう(S0)。カメラ100を用いての撮影であれば、撮影モードと判定し、例えば、送信設定、再生モード、送信モード等、カメラ100を用いての撮影を行う場合でなければ、非撮影モードとして、ステップS1に進む。
【0049】
続いて、送信設定か否かの判定を行なう(S1)。これは、鑑賞者(例えば、祖母、祖父)31に、画像データを送信するにあたっての事前設定を行なうか否かの判定である。判定の結果、送信設定を行なうのであれば、送信先状態判定&データベース(DB)9dに記録されている送信先から送信者を選択し(S2)、送信先状態判定&データベース(DB)9dの記録内容の参照を行なう(S3)。すなわち、再生機器の優先度およびモード・画像サイズ等を参照する。
【0050】
送信先状態判定&データベース(DB)9dの参照結果に基づいて、次に、優先度の高い機器の電源がオンしているか否かを判定する(S4)。この判定は、カメラ100と再生機器との間で通信できれば、直接、電源状態を検出してもよいが、再生機器が通信網32を介してサーバー33と接続されている場合であれば、このサーバー33を通じて電源状態を検出する。図3に示した例で、今、送信先として祖母を選択したとすると、優先度の高い機器は大画面テレビ(TV)34aであるので、ステップS4において、大画面テレビ(TV)34aが、現在、電源オンであるか否かの判定を行なう。
【0051】
ステップS4における判定の結果、電源オンであれば、この再生機器の種別を表示すると共に、送信先状態判定&データベース(DB)9dの記録内容に従った撮影モードを指示する(S5)。すなわち、送信先状態判定&データベース(DB)9dには、機器に応じて最適なモードと画像サイズが記憶されており、祖母の例であれば、大画面テレビ(TV)34aの場合には、動画像でHD(ハイビジョンサイズ)を選択する。なお、撮影モード等は、自動設定するようにしているが、手動で設定を促してもよい。
【0052】
一方、ステップS4における判定の結果、優先順位の高い機器の電源がオフされていれば、その優先度の高い機器によって即時の画像鑑賞をしてもらえないので、次に優先度の高い機器を検索する(S6)。
【0053】
次に、ステップS6における機器検索の結果、機器を検索できたか否かの判定を行なう(S7)。判定の結果、次に優先度の高い機器があると、ステップS4に戻り、その機器が電源オンであるか否かを検索する。このように優先度順に電源がオンであるか否かを検出し、その機器が電源オンであれば、その機器に適合する撮影モード等で撮影指示を行なう。この撮影指示は、文字表示やアイコン表示で行い、また、画面のアスペクト比などは、表示パネル8の表示画面の有効域8c(図5参照)を変更したりして行う。
【0054】
ステップS7において、全ての再生機器の電源がオンとなっていないことが検出された場合には、特定撮影モード設定を行う(S8)。すなわち、この場合には、デフォルト機器を想定した撮影モード指示を行う。対象機器がない場合に、デフォルト機器を想定した撮影モードとしては、カメラ内記録や、画像保存サーバーへの記録を行うことを前提とした撮影モードである。
【0055】
ステップS8で特定撮影モード設定を終えると、またはステップS5の撮影モードの指示を終えると、次に、その他のモードか否かの判定を行なう(S9)。このその他のモードとしては、送信先設定以外のモードであり、例えば、再生モードや送信モードである。その他のモードが設定されていれば、そのモードを実行する(S11)。その他のモードが設定されていない場合、またはその他のモードの実行が終了すると、リターンし、ステップS0から実行する。
【0056】
ステップS0における撮影モードか否かの判定の結果、撮影モードであった場合には、撮像素子3からの画像データを、表示パネル8に表示するライブビュー表示を行うと共に、この時、撮影に必要な例えばシャッタスピードなどの表示や、送信設定されていれば、送り先の機器も合わせて、表示パネル8に表示する(S21)。
【0057】
次に、該当画像の撮影か否かの判定を行なう(S22)。すなわち、ステップS1において送信先を設定した撮影(該当画像撮影、ステップS22以下での処理)と、その他の通常撮影(S31以下での処理)のいずれであるかを判定する。これは、例えば、カメラの背面のボタンを操作することなどで、設定が可能であり、ボタン操作によって送信先を想定した撮影であれば、その送信先に相応しいモードでの撮影となる。しかし、この操作のないときの撮影の場合には、送信を意識せず、カメラ内に画像を記録する一般的なカメラと同じ撮影シーケンスとなる。
【0058】
ステップS22における判定の結果、該当画像の撮影ではないと判定された場合には、次に、その他の撮影であるか、すなわち該当画像撮影以外の通常の撮影であるか否かの判定を行なう(S31)。判定の結果、その他の撮影であった場合、若しくはステップS23における判定の結果、所定被写体ではないと判定された場合には、レリーズ釦が全押しされ、レリーズ操作か否かの判定を行なう(S32)。判定の結果、レリーズ釦が全押しされた場合には、撮影動作を行い、記録メディア9に通常の画像データの記録を行う(S33)。
【0059】
一方、ステップS22における判定の結果、該当画像撮影であり、送り先指定がある場合には、撮像素子3からの画像を、表示パネル8に表示するライブビュー表示を行うと共に、写真を送って欲しい人の、観賞用機器情報(大画面テレビ等の機器の種類、撮影モード、画像サイズ等)などがある場合は、それも合わせて、表示パネル8に表示する。続いて、現在の画像が、鑑賞者が見たい被写体であるかどうか、図3の例では、祖母の孫であるか否かを判定する(S23)。この判定は、顔検出部5a、表情判定部5bおよび個人認証部5d等の検出出力に基づいて判定する。
【0060】
ステップS23における判定の結果、要求のあった所定の被写体である場合は、所定モードに設定する(S24)。すなわち、送信先状態判定&データベース(DB)9dに記憶されている撮影モード等に従って、撮影し鑑賞するのにふさわしいモード(図3参照)での撮影を行う。このステップは、ステップS1において送信設定して、例えば、孫の写真を撮影しようと思っていても、その後、目に入った別の被写体を撮影したくなる場合もある。このような場合に撮影した画像は、送信する必要がないので、ステップS23における判断を入れたが、省略することも可能である。
【0061】
所定モードが設定されると、次に、レリーズ操作されたか否かの判定を行なう(S25)。判定の結果、レリーズ操作された場合には、撮影を行い、この撮影された画像データの送信を行う(S26)。この画像送信は、送信先状態判定&データベース(DB)9dの送り先の機器情報に従って、送信設定部9eが操作され、送受信部9cを介して、見せたい人に送信する。
【0062】
なお、送信先の機器の電源がすべてオフで、送信できない状況下では、送信せずにカメラ100内のメモリに記録するか、またはサーバー33に送信の記録部に仮記憶する。また、特殊なモードで撮影する場合、撮影のコツをステップS22において表示し、撮影を補助するようにしてもよい。ステップS31において、その他の撮影でもなく、また、ステップS32においてレリーズ操作されてもいないときには、リターンする。
【0063】
以上のように、本発明の第1実施形態にかかわるカメラのフローチャートにおいては、送信先状態判定&データベース(DB)9dに記憶された送信先に基づいて、送信先を事前設定するようにしている(S1〜S8)。また、撮影モードに入った際に、送信先に画像を送信する該当画像の撮影か否かを判定し、所定被写体であることを検出すると、送信先状態判定&データベース(DB)9dに記憶された所定モードにおいて撮影を行うようにしている。このため、鑑賞者の再生機器に適合する写真撮影を容易に行うことができる。
【0064】
次に、図5を用いて、鑑賞者の再生機器の情報を取得するためのサーバー33について説明する。図5は、サーバー33とその周辺を示すブロック図である。サーバー33内には、カメラ100と通信を行なうための通信部33aが設けられている。この通信部33aで受信した画像やコメントを記録するための日記・画像記録部33bが設けられている。カレンダー部33iは、イベント等のカレンダー情報を記憶する。表示制御部33cは、パーソナルコンピュータからアクセスされた場合に、日記・画像記録部33bに記録されている画像等のコンテツの表示制御を行う。
【0065】
また、サーバー33内の通信部33aは、前述したカメラ100、祖母や祖父等が所有あるいは鑑賞可能な再生機器(大画面テレビ(TV)34aや、携帯電話34b)とネットワーク等を通じて接続可能となっており、再生機器の電源がオンとなっているか否か、また表示可能になっているかを、通信網32、通信部33aを介してサーバー33はモニタ可能となっている。また、画像保管用のサーバー35とも接続されている。
【0066】
サーバー33内には、ユーザー情報部33eおよび状態判定部33fが設けられており、これらによって、ユーザー情報、電源や動作状態の状態判定が、関連付けられて記録される。また、これらの部位に接続された代替データベース(DB)33gが設けられており、対象とする機器が電源オフしている場合、代替する機器がどれであるかを記憶する。送信相手が、ごく限られた身内だけなら、カメラ100内部のメモリに直接、図3に示すようなデータを記録させてもよい。しかし、多くの鑑賞者を想定する場合には、すべての鑑賞者の鑑賞用機器を撮影者が入力していくのは大変なので、図3のようなデータベース(DB)を作るサーバーを設ける方がよい。
【0067】
サーバー33内には、鑑賞内容判定部33dを有し、ユーザーの鑑賞する画像の内容(解像度やファイルサイズや形式、アスペクト比などを含む)を適宜モニタし、その傾向から、この代替データベース(DB)33gの内容を作成する。また、サーバー33内の日記・画像記録部33bおよびカレンダー部33iは、日記やブログ記事や画像や、カレンダーなど予定を入力、記録できるような機能を有しており、これによって鑑賞者の嗜好を読み取ることもできる。また、画像を各機器に送信できないときには、このような日記・画像記録部33b等に、画像を仮記憶できるようにしてもよい。
【0068】
このように、構成されているので、サーバー33に、カメラ100がアクセスすることによって、現在、ユーザーが鑑賞可能な機器を判定し、それに相応しい画像の撮影が可能となる。たとえば、携帯電話34bでの縦長の画面と、ワイド画面の大画面テレビ(TV)34aでは、撮影時の構図の決め方も変わってくるので、再生機器に合わせた構図での撮影が可能となる。図5に示す例では、16:9のアスペクト比のハイビジョン(HD)動画を録画できるような画面表示にした例を示している。カメラ100の背面に設けられた送信設定用のスイッチ(不図示)を操作することにより、送信設定ができ、送信相手の機器情報が送られてきて、相手先の機器の画面サイズを反映し、吹き出しで図5に示すような情報表示を行なうことができる。
【0069】
次に、図6および図7を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態では、撮影前に、送信先の状態を判定していたが、第2実施形態は、送信相手の機器の状態を判定してカメラ撮影を促すようにしている。第2実施形態におけるカメラ100およびサーバー33の構成は、第1実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0070】
本実施形態における動作を図6に示すフローチャートを用いて説明する。ステップS0からステップS3までは、第1実施形態と同様である。ステップS3のデータベース参照が終わると、続いて、優先度の高い機器がオンかの判定を行なう(S41)。優先度の高い機器がオンとなっていた場合には、次に、優先度の変更がなされたか否かの判定を行なう(S44)。優先度の変更がなれば、撮影指示を行なう(S46)。一方、優先度が変更されていれば、次に優先度の高い機器情報を検索し(S45)、ステップS46に進み、検索された機器情報に基づいて撮影指示を行なう。
【0071】
ステップS41において、優先度の高い機器の電源がオフの場合には、次に優先度の高い機器の検索を行い(S42)、その他のモードであるか否かの判定を行なう(S43)。その他のモードはステップ9(図4)と同様である。その他モードでなければ、ステップS41に戻り、前述のステップを繰り返す。ステップS10、S43においてその他モードであれば、ステップS11と同様にその他モードを実行する。
【0072】
ステップS0における判定の結果、撮影モードであった場合には、ステップS21以下を実行するが、ここでの処理は第1実施形態における図4のフローチャートと同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0073】
このように、図6に示すフローチャートにおいては、送信先機器の電源がオンしたかどうかをカメラ100が常時モニタしており(S41→42、43→N)、電源のオンを確認すると、送信相手が直ぐに画像を楽しめる状態になったと判定し、ステップS41からステップS46に進み、撮影指示、すなわち、どの機器がオンしたかという情報を表示し、撮影を促すようにしている。
【0074】
また、最初に携帯電話の優先度が高くしておいても、鑑賞者の鑑賞環境が変わって、途中から大画面テレビ(TV)34で見たくなるなど、優先度が変わる場合もある(図7のような状況)。この場合は、優先度切り替えの信号を受信して(S44→45)、別機器に対しての送信を促すようにしてもよい。
【0075】
次に、本発明の第3実施形態について、図8および図9を用いて説明する。この第3実施形態は、再生機器を見ている最中に撮影画像が送信された際に、送信情報を表示するようにしたものである。すなわち、この第3実施形態においては、大画面テレビ(TV)34aの隅に、画像送信があったことを示す送信情報が表示され(図8(a))、撮影画像の再生を本格的に始める(図8(b)→(c))。この場合、例えば、図8(b)のようにリモコン342によって操作がなされた場合などに、本格的な再生を行なうようにする。
【0076】
この第3実施形態における構成は、第1及び第2実施形態と同様であるが、大画面テレビ34aの内部には、図5に示すように、画面分割制御部34a1が設けられている。この画面分割制御部34a1は、2画面を表示可能であり、主画面340と従画面341(図8参照)の表示制御を行う。
【0077】
次に、この大画面テレビ(TV)34aの動作について、図9に示すフローチャートを用いて説明する。まず、カメラ100から、直接、またはサーバー33を介して画像を受信したか否かの判定を行なう(S101)。判定の結果、未受信の場合には、大画面テレビ34aの表示画面には、主画面340のみが表示されている。ステップS101における判定の結果、受信した場合には、受信表示を行う(S102)。この受信表示としては、図8(a)に示すように、従画面341に送信元をテキスト表示するが、これ以外にも、記号等を表示する等、適宜表示を行なえばよい。
【0078】
次に、再生OKか否かの判定を行なう(S103)。この再生OKか否かは、リモコン342等によって行なう。再生OKがなされないと、リターンするが、再生OKがなされると、大画面テレビ(TV)34aは、カメラ100で撮影した画像の再生を開始する。続いて、拡大再生を行なうか否かの判定を行なう(S105)。拡大再生もリモコン342等によってなされる。判定の結果、拡大再生を行う場合には、図8(c)に示すように、撮影画像を拡大し主画面で表示し、一方テレビ画面は縮小し従画面341で表示する。
【0079】
ステップS105において、拡大再生しない場合には、再生NGか否かの判定を行なう(S107)。すなわち、鑑賞者として撮影画像の再生を行なわない場合には、次の候補者に撮影画像を転送する(S108)。再生を続行する場合には、ステップS107をNoで抜けて、リターンする。
【0080】
また、みんなで大画面テレビ(TV)34aを見ている時に、撮影画像を表示したくない場合もあることから、まず、主に見せたい人の携帯電話34bに画像送信し、その内容を大画面テレビ34aに表示してもよい時のみ、大画面テレビ34aでの画像再生を許可してもよい。この場合には、携帯電話34bをリモコン代わりに、大画面テレビ34aを操作すればよい。このようなシステムは第2実施形態(図6参照)を利用すれば可能である。
【0081】
大画面テレビ等の多くの人で見る再生機器においては、突然撮影画像の再生が始まると、視聴者は困惑してしまう場合もある。しかし、この第3実施形態によれば、撮影画像が送信されることが表示された後、許可された場合のみ、撮影画像を表示するようにしているので、前述したような不具合を防止することができる。
【0082】
以上のように本発明の各実施形態においては、送信相手が、画像鑑賞をする状態にある場合に、画像送信を行なうようにしているので、即時性を追及しつつ、その再生機器に相応しい撮影を行うことができ、満足度の高い撮影を促すことができる。
【0083】
また、本発明の実施形態においては、カメラ100の表示パネル8に、送信先の再生機器に対応した撮影を行うための撮影情報、例えば動画と静止画の切り替えや、画像サイズを表示している。このため送信先の再生機器に最適な撮影を行うことができる。さらに、本発明の実施形態においては、送信先の再生機器がいずれも利用されていない場合、(電源オフ、受信不可能)には、カメラ100やサーバー33等の、再生機器以外の記憶装置に記憶するようにしている。このため、後日、送信することが可能となる。
【0084】
さらに、本発明の実施形態においては、送信先の再生機器を複数設定可能であり、順次、相手先が利用状態にあるか否かを判定している。いずれかの再生機器が利用可能状態であれば、送信することができる。また、利用状態であるか否かの判定にあたって、優先順位の高い再生機器から順次、行なうようにしているので、最適な再生機器に送信することのできる可能性が高い。
【0085】
なお、本発明の各実施形態においては、撮影モードに入ると、鑑賞者の再生機器が使用可能状態にあるかについて判定を行なっていなかったが、ステップS21等においてライブビュー表示を行なっている際に、鑑賞者の再生機器の状態を判定するようにしても、勿論構わない。
【0086】
また、本実施形態におけるカメラは、コンパクトカメラや一眼レフカメラでもよく、また携帯電話やPDA等に内蔵されるカメラであってもよい。本発明は、再生装置に画像送信可能な撮像装置であれば、適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の第1実施形態に係わるカメラとその周辺のブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係わるカメラの典型的な使用状態を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係わるカメラ内の送信先&データベースに記録される送信先の一例を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係わるカメラの画像撮影の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態に係わるサーバーの内部構造とその周辺を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係わるカメラの画像撮影の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態に係わる再生機器での使用状態を示す図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係わる再生機器での使用状態を示す図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係わるテレビの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0088】
1・・・MPU、1a・・・レリーズスイッチ、1b・・・モード切替スイッチ、1c・・・他のスイッチ、1d・・・位置判定部、1t・・・時計部、2・・・撮影レンズ、2a・・・AF(オートフォーカス)制御部、2b・・・絞り、2c・・・絞り制御部、3・・・撮像素子、4・・・アナログフロントエンド(AFE)部、5・・・画像処理部、5a・・・顔検出部、5b・・・表情判定部、5c・・・距離判定部、5d・・・個人認証部、6・・・圧縮部、8・・・表示パネル、8a・・・表示制御部、8b・・・マルチ画像処理部、8c・・・有効域、9・・・記録メディア、9a・・・記録部、9c・・・送受信部、9d・・・送信先状態判定&データベース(DB)、9e・・・送信設定部、11・・・補助光発光部、12・・・マイク、20・・・被写体、31・・・ユーザー(鑑賞者)、32・・・通信網、33・・・サーバー、33a・・・通信部、33b・・・日記・画像記録部、33c・・・表示制御部、33d・・・鑑賞内容判定部、33e・・・ユーザー情報部、33f・・・状態判定部、33g・・・代替データベース(DB)、33i・・・カレンダー部、34a・・・大画面テレビ(TV)、34b・・・携帯電話、35・・・サーバー、100・・・カメラ、340・・・主画面、341・・・従画面、342・・・リモコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を撮影する撮像手段と、
鑑賞者が利用できる複数の画像再生機器の現在の利用状況を判定する利用状況判定手段と、
上記利用状況判定手段により現在利用していると判定した上記画像再生機器に対して上記画像を表わす画像データを送信する画像送信手段と、
外部から上記撮影画像を受信したか否かを判定して、表示画面を分割した従画面または主画像に上記受信した撮影画像を表示する再生手段と、
を備えたことを特徴とする撮像および画像再生システム。
【請求項2】
上記再生手段は、上記複数の画像再生機器のうち、別の画像再生機器による操作に従って、上記受信した撮影画像の再生を許可することを特徴とする請求項1に記載の撮像および画像再生システム。
【請求項3】
画像を撮影するステップと、
鑑賞者が利用できる複数の画像再生機器の現在の利用状況を判定する利用状況判定ステップと、
上記利用状況判定手段により現在利用していると判定した上記画像再生機器に対して上記画像を表わす画像データを送信する画像送信ステップと、
外部から上記撮影画像を受信したか否かを判定して、表示画面を分割した従画面または主画像に上記受信した撮影画像を表示する再生ステップと、
を備えたことを特徴とする撮像および画像再生方法。
【請求項4】
画像を撮影する撮像手段と、
上記画像を鑑賞する鑑賞者が利用できる複数の画像再生機器の現在の利用状況を判定する利用状況判定手段と、
この利用状況判定手段により現在利用していると判定した第1と第2の上記画像再生機器に対してそれぞれ上記画像を表わす画像データを送信する画像送信手段と、
上記第1の画像再生機器の操作によって、上記第2の画像再生機器の表示画面に上記画像の表示を許可することを特徴とする撮像および画像再生システム。
【請求項5】
画像を撮影する撮像ステップと、
上記画像を鑑賞する鑑賞者が利用できる複数の画像再生機器の現在の利用状況を判定する利用状況判定ステップと、
この利用状況判定手段により現在利用していると判定した第1と第2の上記画像再生機器に対してそれぞれ上記画像を表わす画像データを送信する画像送信ステップと、
上記第1の画像再生機器の操作によって、上記第2の画像再生機器の表示画面に上記画像の表示を許可する許可ステップと
を有することを特徴とする撮像および画像再生方法。
【請求項6】
表示画面を有し、
該再生機器が使用状況にある場合を判定して送信される外部からの撮影画像を受信したか否かを判定し、
上記受信判定の結果、上記撮影画像を受信した場合には、
上記表示画面を拡大表示用の主画面と縮小表示用の従画面に分割したうちの従画面に、
送信元または上記撮影画像を表示する画面分割制御部を有することを特徴とする受信画像再生機器。
【請求項7】
上記画面分割制御部は、
上記受信判定以前には、上記表示画面には上記主画面のみを表示させることを特徴とする上記請求項6に記載の受信画像再生機器。
【請求項8】
上記画面分割部は、
リモコンからの操作信号に従って、上記従画面に表示された送信元を上記撮影画像に切り換えて表示させることを特徴とする上記請求項6に記載の受信画像再生機器。
【請求項9】
主画面と従画面とに、画面を分割して表示する表示手段を有する再生機器における再生方法であって、
該再生機器使用状態にある場合に、外部から撮影画像を受信したか否かを判定し、
判定の結果、受信した場合には、上記従画面に送信元を表示し、
上記撮影画像を再生するか否かを判定し、
判定の結果、再生を行う場合には上記従画面に上記撮影画像を表示する、
ことを特徴とする再生方法。
【請求項10】
さらに、拡大再生を行なうか否かを判定し、拡大再生を行なう場合には、上記主画面に表示することを特徴とする請求項9に記載の再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−105345(P2012−105345A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−5928(P2012−5928)
【出願日】平成24年1月16日(2012.1.16)
【分割の表示】特願2007−176410(P2007−176410)の分割
【原出願日】平成19年7月4日(2007.7.4)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】