説明

撮像画像登録装置、地図画像生成装置、地図画像生成システム、Webサーバ、撮像対象位置推定装置、撮像画像登録方法、撮像画像登録プログラム、地図画像生成プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】道路沿いの街並みを再現した地図画像を、容易な処理で生成する。
【解決手段】座標変換部4は、道路に沿って位置する撮像対象を撮像した撮像画像3aと、撮像対象の位置を示す撮像対象位置情報3bとを取得する撮像情報取得部41と、道路を示す道路線の情報を含むベクトル地図において、撮像対象位置情報が示す撮像対象の位置から、最も近い道路線へ下ろした垂線の足の座標を画像配置座標として決定する交点算出部43と、ベクトル地図の画像配置座標に関連づけて撮像画像3aを第2データベース5に登録する画像登録部45とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物、風景などを撮像した画像を地図とともに表示するための地図画像生成システム、撮像画像登録装置、地図画像生成装置、Webサーバおよび撮像対象位置推定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
衛星写真または航空写真によって上方から都市を見た光景を表示することができる地図サービスは一般的である。しかし、上方から都市を見た情報だけでは、その都市の街並みを想像することは難しい。なぜなら、上方からの都市の構造と、歩行者の視点から見た都市の構造とは全くことなるからである。
【0003】
そこで、歩行者の視点で都市を見ることができる仮想都市システムが開発されている。このような仮想都市システムの優位性として、1)地域色が分かり易く、不動産サービスに有用であること、2)街中の小規模施設の仮想的探索が可能になること、3)画面表示と目の前の風景とを対応させ易いので直観的な歩行者ナビゲーションが可能になること、が挙げられる。
【0004】
上述のような仮想都市システムによって作られた仮想都市として、例えば、JST CREST Digital City Projectによって作成されたFreeWalk、MicrosoftのPhotoTourism、あわら市のSkyPanoramaAwareを挙げることができる。
【0005】
また、GPS(Global Positioning System)機能付きのデジタルカメラまたはGPS機能付きの携帯電話によって撮像された撮像画像に位置情報を付加し、サーバに送信し、サーバにおいて、受信した撮像画像を位置情報に基づいて地図画像にリンクさせる、または、地図画像に重ねて表示するサービスが実用化されている。このようなサービスとして、例えば、auのDuoSnapを挙げることができる。
【0006】
また、特許文献1には、任意の道路沿線の風景を、カメラやビデオカメラ等で撮影し、その画像データをコンピュータや携帯電話等の情報端末機器に配信し、目的地周辺の地理情報を映像として提供することが記載されている。
【特許文献1】特開2003−067386号公報(2003年3月7日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記従来の構成では、以下の問題が生ずる。
【0008】
上述の仮想都市システムでは、デジタルカメラや車載カメラ等で道路沿いの建物を多方向から撮像した撮像画像が広範囲にわたって収集され、これらの画像を建物の3次元幾何モデルに貼り付けることにより仮想都市が形成される。このような画像を収集するには多大なコストがかかることに加え、3次元幾何モデルに撮像画像を貼り付ける作業は人手に頼らざるをえないため、仮想都市の形成にはコストがかかる。それゆえ、大都市の主要交差点周辺といった非常に限定された領域に対応した仮想都市のデータしか提供されていない。
【0009】
また、DuoSnap等の地図サービスでは、地図画像と撮像画像とをリンクさせたり、地図画像上の特定の位置に撮像画像を重ねて表示したりしているだけである。このような構成では、撮像画像同士の地理的関係が分かりにくく、実際の街並みを想像することは難しい。
【0010】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、道路沿いの街並みを再現した地図画像を、容易な処理で生成することができる地図画像生成システム、撮像画像登録装置、地図画像生成装置、Webサーバおよび撮像対象位置推定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る撮像画像登録装置は、上記の課題を解決するために、道路に沿って位置する撮像対象を撮像した撮像画像と、上記撮像対象の位置を示す撮像対象位置情報とを取得する撮像情報取得手段と、道路を示す道路線が示された地図画像の座標を示す地図データを利用し、当該地図画像において、上記撮像対象位置情報が示す撮像対象の位置から、最も近い道路線へ下ろした垂線の足の座標を画像配置座標として決定する配置座標決定手段と、上記地図画像の上記画像配置座標に関連づけて上記撮像画像をデータベースに登録する画像登録手段とを備えることを特徴としている。
【0012】
本発明に係る撮像画像登録方法は、上記の課題を解決するために、撮像情報取得手段と、配置座標決定手段と、画像登録手段とを備える撮像画像登録装置における撮像画像登録方法であって、上記撮像情報取得手段が、道路に沿って位置する撮像対象を撮像した撮像画像と、上記撮像対象の位置を示す撮像対象位置情報とを取得する撮像情報取得工程と、上記配置座標決定手段が、道路を示す道路線が示された地図画像の座標を示す地図データを利用し、当該地図画像において、上記撮像対象位置情報が示す撮像対象の位置から、最も近い道路線へ下ろした垂線の足の座標を画像配置座標として決定する配置座標決定工程と、上記画像登録手段が、上記地図画像の上記画像配置座標に関連づけて上記撮像画像をデータベースに登録する画像登録工程とを含むことを特徴としている。
【0013】
上記の構成によれば、撮像情報取得手段が取得する撮像画像は、道路に沿って位置する撮像対象(例えば、建造物)を撮像したものである。また、撮像情報取得手段は、撮像対象を撮像した撮像画像とともに、当該撮像対象の位置を示す撮像対象位置情報を取得する。
【0014】
配置座標決定手段は、道路を示す道路線が示された地図画像の座標を示す地図データを利用することにより、当該地図画像において、撮像対象位置から、最も近い道路線へ下ろした垂線の足の座標を画像配置座標として決定する。この処理により、撮像対象位置情報が示す撮像対象の位置から、当該撮像対象の位置に最も近い、道路線上の特定の位置が決定される。画像登録手段は、配置座標決定手段が決定した画像配置座標に関連づけて撮像画像をデータベースに登録する。
【0015】
それゆえ、道路に沿って位置する撮像対象の撮像画像を、地図画像に示された道路に沿って配置するためのデータベースを構築することが可能となる。
【0016】
従って、上記撮像画像登録装置が登録したデータを用いることにより、道路沿いの街並みを簡単な処理によって画像として再現することができる。
【0017】
上記撮像画像登録装置は、上記地図データを利用し、上記地図画像において、上記撮像対象位置情報が示す撮像対象の位置を基準として、当該撮像対象の位置に最も近い道路線が、どの方向に存在しているかを決定する方向決定手段をさらに備え、上記画像登録手段は、上記方向決定手段が決定した方向を上記撮像画像に関連付けて上記データベースに登録することが好ましい。
【0018】
上記の構成によれば、方向決定手段は、上記地図データを利用することにより、地図画像において、撮像対象位置情報が示す撮像対象の位置を基準として、当該撮像対象の位置に最も近い道路線が、どの方向に存在しているかを決定する。そして、画像登録手段は、方向決定手段が決定した方向を撮像画像に関連付けてデータベースに登録する。
【0019】
それゆえ、道路に沿って位置する撮像対象の撮像画像が道路側を向いている地図画像を生成するためのデータベースを構築することができる。
【0020】
本発明に係る撮像画像登録装置は、上記の課題を解決するために、道路に沿って位置する撮像対象を撮像した撮像画像と、上記撮像対象を撮像した位置を示す撮像位置情報とを取得する撮像情報取得手段と、道路を示す道路線が示された地図画像の座標を示す地図データを利用し、当該地図画像において、上記撮像位置情報が示す撮像位置から、最も近い道路線へ下ろした垂線の足の座標を画像配置座標として決定する配置座標決定手段と、上記地図画像の上記画像配置座標に関連づけて上記撮像画像をデータベースに登録する画像登録手段とを備えることを特徴としている。
【0021】
本発明に係る撮像画像登録方法は、上記の課題を解決するために、上記撮像情報取得手段が、道路に沿って位置する撮像対象を撮像した撮像画像と、上記撮像対象を撮像した位置を示す撮像位置情報とを取得する撮像情報取得工程と、上記配置座標決定手段が、道路を示す道路線が示された地図画像の座標を示す地図データを利用し、当該地図画像において、上記撮像位置情報が示す撮像位置から、最も近い道路線へ下ろした垂線の足の座標を画像配置座標として決定する配置座標決定工程と、上記画像登録手段が、上記地図画像の上記画像配置座標に関連づけて上記撮像画像をデータベースに登録する画像登録工程とを含むことを特徴としている。
【0022】
上記の構成によれば、撮像情報取得手段が取得する撮像画像は、道路に沿って位置する撮像対象(例えば、建造物)を撮像したものである。また、撮像情報取得手段は、撮像対象を撮像した撮像画像とともに、当該撮像対象を撮像した位置を示す撮像位置情報を取得する。
【0023】
配置座標決定手段は、道路を示す道路線が示された地図画像の座標を示す地図データを利用することにより、当該地図画像において、撮像位置から、最も近い道路線へ下ろした垂線の足の座標を画像配置座標として決定する。この処理により、撮像位置情報が示す撮像位置から、当該撮像位置に対応した、地図画像における道路線上の位置が決定される。画像登録手段は、配置座標決定手段が決定した画像配置座標に関連づけて撮像画像をデータベースに登録する。
【0024】
それゆえ、道路に沿って位置する撮像対象の撮像画像を、地図画像に示された道路に沿うように配置するためのデータベースを構築することが可能となる。
【0025】
従って、上記撮像画像登録装置が登録したデータを用いることにより、道路沿いの街並みを簡単な処理によって画像として再現することができる。
【0026】
上記道路線は、道路の幅を規定する一対の外縁線を含み、上記配置座標決定手段は、上記地図画像において、上記撮像位置情報が示す撮像位置から、最も近い外縁線と対をなす他方の外縁線へ下ろした垂線の足の座標を画像配置座標として決定することが好ましい。
【0027】
道路沿いの撮像対象を撮像する場合、撮像対象全体を撮像するために、ある程度の距離をおいて撮像することが多い。そのため、道路の向い側から撮像対象を撮像することが多い。
【0028】
上記の構成によれば、道路線が道路の幅を規定する一対の外縁線を含む場合に、撮像対象を撮像した撮像位置から撮像対象の位置を算出し、その位置を画像配置座標として撮像画像と関連付けてデータベースに登録することができる。
【0029】
上記撮像画像登録装置は、上記地図データを利用し、上記地図画像において、上記撮像位置情報が示す撮像位置を基準として、当該撮像位置に最も近い道路線が、どの方向に存在しているかを決定する方向決定手段をさらに備え、上記画像登録手段は、上記方向決定手段が決定した方向を上記撮像画像に関連付けて上記データベースに登録することが好ましい。
【0030】
上記の構成によれば、方向決定手段は、上記地図データを利用することにより、地図画像において、撮像位置情報が示す撮像位置を基準として、当該撮像位置に最も近い道路線が、どの方向に存在しているかを決定する。そして、画像登録手段は、方向決定手段が決定した方向を撮像画像に関連付けてデータベースに登録する。
【0031】
それゆえ、道路に沿って位置する撮像対象の撮像画像が道路側を向いている地図画像を生成するためのデータベースを構築することができる。
【0032】
本発明に係る地図画像生成装置は、上記の課題を解決するために、道路に沿って位置する撮像対象を撮像した撮像画像と、上記撮像画像を、道路を示す道路線が表示された地図画像に配置する座標を示す画像配置座標情報と、上記地図画像において、上記撮像画像が最寄の道路を向く方向を示す画像配置方向情報とを取得する取得手段と、上記画像配置座標情報が示す上記地図画像の座標に、上記画像配置方向情報が示す方向に向けて、上記撮像画像が配置された地図画像を生成する画像処理手段とを備えることを特徴としている。
【0033】
上記の構成によれば、取得手段は、道路に沿って位置する撮像対象を撮像した撮像画像と、当該撮像画像を、道路を示す道路線が表示された地図画像に配置するための座標を示す画像配置座標情報と、地図画像において、上記撮像画像が最寄の道路を向く方向を示す画像配置方向情報とを取得する。そして、画像処理手段は、画像配置座標情報が示す地図画像における座標に、画像配置方向情報が示す方向に向けて、上記撮像画像が配置された地図画像を生成する。
【0034】
それゆえ、地図画像に示された道路線に沿って、道路に沿って位置する撮像対象を撮像した撮像画像が最寄の道路に向けて配置された地図画像を生成することができる。
【0035】
上記地図画像生成装置は、上記取得手段が取得した複数の撮像画像の重複領域を重ねることにより、当該複数の撮像画像から1つの画像を合成する画像合成手段をさらに備え、上記画像処理手段は、上記画像配置座標情報が示す地図画像における座標に、上記画像配置方向情報が示す方向に向けて、上記画像合成手段が合成した画像が配置された地図画像を生成することが好ましい。
【0036】
道路沿いに連続して位置する撮像対象を撮像する場合には、複数回に分けて撮像を行うことが多い。
【0037】
上記の構成によれば、画像合成手段は、取得手段が取得した複数の撮像画像の重複領域を重ねることにより、当該複数の撮像画像から1つの画像を合成する。画像処理手段は、画像合成手段が合成した画像が、画像配置座標情報によって示される地図画像の座標に、画像配置方向情報によって示される方向に向けて配置された地図画像を生成する。
【0038】
それゆえ、道路沿いに連続して位置する撮像対象が複数回に分けて撮像された場合でも、それらの撮像画像から、実際の風景に近い状態を示す1つの画像を生成し、その画像を用いて地図画像を生成することができる。
【0039】
上記画像処理手段は、上記取得手段が取得した撮像画像が上記地図画像に対して起立しているように視認される地図画像を生成することが好ましい。
【0040】
上記の構成により、道路に沿って位置する撮像対象の撮像画像を用いて、道路沿いの風景を、3次元的に表示することが可能となる。それゆえ、或る撮像画像がどの方向の風景を撮像したものなのかを理解し易いように当該撮像画像を表示することが可能となる。
【0041】
本発明に係る地図画像生成システムは、上記撮像画像登録装置と上記地図画像生成装置とを備える地図画像生成システムであって、上記取得手段は、上記撮像画像登録装置によって登録された撮像画像および画像配置座標を取得することを特徴としている。
【0042】
上記の構成により、撮像画像登録装置によって登録された撮像画像および画像配置座標を用いて、地図画像生成装置が、道路を示す道路線が表示された地図画像上の、画像配置座標が示す座標に対応する座標に、上記撮像画像が配置された地図画像を生成することができる。
【0043】
本発明に係るWebサーバは、上記地図画像生成システムによって生成された地図画像をWebページにおいて表示するためのデータを生成する表示用データ生成手段を備えることを特徴としている。
【0044】
上記の構成により、上記地図画像生成システムによって生成された地図画像をWebページにおいて表示することができる。
【0045】
それゆえ、Webページを閲覧できる端末装置によって上記地図画像を表示することができる。
【0046】
また、上記Webサーバは、上記Webページにおいてバナー広告を表示させるためのデータを生成するバナー広告用データ生成手段をさらに備えることが好ましい。
【0047】
上記の構成によれば、上記地図画像生成システムによって生成された地図画像をWebページにおいて表示することができる。また、バナー広告用データ生成手段を備えていれば、Webページにバナー広告を表示することができる。
【0048】
本発明に係る撮像対象位置推定装置は、上記の課題を解決するために、連続して撮像された複数の撮像画像に関し、最初に撮像された撮像対象の位置を示す第1撮像対象位置情報と、最後に撮像された撮像対象の位置を示す第2撮像対象位置情報とを取得する撮像対象位置情報取得手段と、上記撮像画像の数を示す撮像画像数情報を取得する撮像画像数情報取得手段と、上記撮像対象位置情報取得手段が取得した第1および第2撮像対象位置情報と、上記撮像画像数情報取得手段が取得した撮像画像数情報とに基づき、上記複数の撮像画像にそれぞれ対応する撮像対象位置を算出する撮像対象位置算出手段とを備えることを特徴とする撮像対象位置推定装置ことを特徴としている。
【0049】
上記の構成によれば、最初に撮像された撮像対象の位置を示す第1撮像対象位置情報と、最後に撮像された撮像対象の位置を示す第2撮像対象位置情報と、撮像画像の数を示す撮像画像数情報とに基づいて、複数の撮像画像にそれぞれ対応する撮像対象位置を算出することができる。
【0050】
撮像対象位置の算出方法としては、例えば、第1撮像対象位置情報と第2撮像対象位置情報との差を求め、この差を、撮像画像の数から1を引いた数で割ることにより撮像間隔を算出し、この撮像間隔と第1および第2撮像対象位置情報とから、各撮像画像に対応する撮像対象位置を算出する方法が挙げられる。
【0051】
なお、上記の算出方法は、複数の撮像画像を撮像する撮像装置が直線的に等間隔で移動しつつ撮像対象を撮像するという前提に基づくものである。
【0052】
また、上記撮像画像登録装置を動作させる撮像画像登録プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための撮像画像登録プログラムおよび当該撮像画像登録プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0053】
また、上記地図画像生成装置を動作させる地図画像生成プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための地図画像生成プログラムおよび当該地図画像生成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の技術的範囲に含まれる。
【発明の効果】
【0054】
本発明に係る撮像画像登録装置は、以上のように、道路に沿って位置する撮像対象を撮像した撮像画像と、上記撮像対象の位置を示す撮像対象位置情報とを取得する撮像情報取得手段と、道路を示す道路線が示された地図画像の座標を示す地図データを利用し、当該地図画像において、上記撮像対象位置情報が示す撮像対象の位置から、最も近い道路線へ下ろした垂線の足の座標を画像配置座標として決定する配置座標決定手段と、
上記地図画像の上記画像配置座標に関連づけて上記撮像画像をデータベースに登録する画像登録手段とを備える構成である。
【0055】
本発明に係る撮像画像登録方法は、以上のように、撮像情報取得手段が、道路に沿って位置する撮像対象を撮像した撮像画像と、上記撮像対象の位置を示す撮像対象位置情報とを取得する撮像情報取得工程と、配置座標決定手段が、道路を示す道路線が示された地図画像の座標を示す地図データを利用し、当該地図画像において、上記撮像対象位置情報が示す撮像対象の位置から、最も近い道路線へ下ろした垂線の足の座標を画像配置座標として決定する配置座標決定工程と、画像登録手段が、上記地図画像の上記画像配置座標に関連づけて上記撮像画像をデータベースに登録する画像登録工程とを含む構成である。
【0056】
本発明に係る撮像画像登録装置は、以上のように、道路に沿って位置する撮像対象を撮像した撮像画像と、上記撮像対象を撮像した位置を示す撮像位置情報とを取得する撮像情報取得手段と、道路を示す道路線が示された地図画像の座標を示す地図データを利用し、当該地図画像において、上記撮像位置情報が示す撮像位置から、最も近い道路線へ下ろした垂線の足の座標を画像配置座標として決定する配置座標決定手段と、上記地図画像の上記画像配置座標に関連づけて上記撮像画像をデータベースに登録する画像登録手段とを備える構成である。
【0057】
本発明に係る撮像画像登録方法は、以上のように、撮像情報取得手段が、道路に沿って位置する撮像対象を撮像した撮像画像と、上記撮像対象を撮像した位置を示す撮像位置情報とを取得する撮像情報取得工程と、配置座標決定手段が、道路を示す道路線が示された地図画像の座標を示す地図データを利用し、当該地図画像において、上記撮像位置情報が示す撮像位置から、最も近い道路線へ下ろした垂線の足の座標を画像配置座標として決定する配置座標決定工程と、画像登録手段が、上記地図画像の上記画像配置座標に関連づけて上記撮像画像をデータベースに登録する画像登録工程とを含む構成である。
【0058】
それゆえ、道路に沿って位置する撮像対象の撮像画像を、地図画像に示された道路に沿って配置するためのデータベースを構築することができるという効果を奏する。
【0059】
本発明に係る地図画像生成装置は、以上のように、道路に沿って位置する撮像対象を撮像した撮像画像と、上記撮像画像を、道路を示す道路線が表示された地図画像に配置する座標を示す画像配置座標情報と、上記地図画像において、上記撮像画像が最寄の道路を向く方向を示す画像配置方向情報とを取得する取得手段と、上記画像配置座標情報が示す上記地図画像の座標に、上記画像配置方向情報が示す方向に向けて、上記撮像画像が配置された地図画像を生成する画像処理手段とを備える構成である。
【0060】
それゆえ、地図画像に示された道路線に沿って、道路に沿って位置する撮像対象を撮像した撮像画像が最寄の道路に向けて配置された地図画像を生成することができるという効果を奏する。
【0061】
本発明に係る撮像対象位置推定装置は、以上のように、連続して撮像された複数の撮像画像に関し、最初に撮像された撮像対象の位置を示す第1撮像対象位置情報と、最後に撮像された撮像対象の位置を示す第2撮像対象位置情報とを取得する撮像対象位置情報取得手段と、上記撮像画像の数を示す撮像画像数情報を取得する撮像画像数情報取得手段と、上記撮像対象位置情報取得手段が取得した第1および第2撮像対象位置情報と、上記撮像画像数情報取得手段が取得した撮像画像数情報とに基づき、上記複数の撮像画像にそれぞれ対応する撮像対象位置を算出する撮像対象位置算出手段とを備える構成である。
【0062】
それゆえ、複数の撮像画像にそれぞれ対応する撮像対象位置を算出することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0063】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図14に基づいて説明すれば、以下のとおりである。ここでは、携帯電話11から撮像画像3aおよび撮像対象位置情報3bを受信するサーバシステム(地図画像生成システム、Webサーバ)1を含む地図画像生成システム100について説明する。
【0064】
(地図画像生成システム100の概要)
図2は、本実施形態に係る地図画像生成システム100の概要を示す図である。地図画像生成システム100では、携帯電話11に備えられたカメラによって道路沿いの建物が道路の向かい側から撮像され、その撮像画像のファイルが電子メールに添付されてサーバシステム1へ送信される。この時、撮像対象である建物の位置を示す撮像対象位置情報のファイルも同時に電子メールに添付されて送信される。上記撮像対象位置情報では、世界測地系の緯度経度に基づいて撮像対象の座標が示されている
サーバシステム1では、受信した撮像対象位置情報が示す撮像対象の座標を、数値情報地図の直交座標系の座標に変換し、数値情報地図における撮像対象の位置(画像配置座標)を決定する。そして、撮像対象を撮像した撮像画像と画像配置座標とを関連付けてデータベースに登録する。
【0065】
そして、サーバシステム1は、端末装置30から地図画像を表示することを命じる命令(HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)リクエスト)を受信すると、その命令に応じて、地図画像を生成し、端末装置30のビューア(ウェブブラウザ等)で表示可能な地図画像のデータを端末装置30へ送信する。
【0066】
(サーバシステム1の構成)
図1は、サーバシステム1の構成を示す機能ブロック図である。図1に示すように、サーバシステム1は、メール受信部2、第1データベース3、座標変換部(撮像画像登録装置)4、第2データベース5、第3データベース6、画像処理部(地図画像生成装置)7、地図画像送信制御部(表示用データ生成手段)8および送受信部9を備えている。
【0067】
メール受信部2は、携帯電話11から撮像画像3aおよび撮像対象位置情報3bを含む電子メールデータを受信し、これらを第1データベース3へ保存する。この電子メールデータには、撮像日時およびユーザIDが含まれていてもよい。撮像画像3aおよび撮像対象位置情報3bの詳細については後述する。
【0068】
座標変換部4は、第1データベース3から撮像画像3aおよび撮像対象位置情報3bを取得し、撮像対象位置情報3bが示す撮像対象位置の、画像配置座標への座標変換を、ベクトル地図データ5aを利用することにより行い、変換した画像配置座標を撮像画像3aと関連付けて第2データベース5に登録する。
【0069】
座標変換部4は、撮像情報取得部(撮像情報取得手段)41、道路選択部(配置座標決定手段)42、交点算出部(配置座標決定手段)43、方向算出部(方向決定手段)44および画像登録部(画像登録手段)45を備えている。
【0070】
撮像情報取得部41は、第1データベース3から撮像画像3aおよび撮像対象位置情報3bを取得する。
【0071】
道路選択部42、交点算出部43および方向算出部44は、第2データベース5に格納されたベクトル地図データ5aを利用することにより上記座標変換のための処理を行う。ベクトル地図データ5aは、道路上の設定された点が座標によって示され、座標と座標とを結ぶことにより道路の位置が線分として示される電子地図(地図データ)である。ベクトル地図データ5aとして、国土地理院が配布している数値情報地図である「数値地図2500」を利用することができる。この数値地図2500は、平面直角座標系での座標値の集まりで構成されており、座標と座標とを線で結ぶことによって地図を表示するためのデータである。ベクトル地図データ5aは、後述する地図画像aの座標を示すものである。
【0072】
ベクトル地図データには、道路の中央線(道路ネットワーク)のみが示されているものと、道路の中央線に加え、道路の幅を規定する一対の境界線(外縁線)(街区ベクトル)が示されているものとが存在する。以下の説明では、道路の中央線と境界線とが示されているベクトル地図データを用いる場合について説明する。
【0073】
道路選択部42は、境界線選択部42aおよび中央線選択部42bを備えている。境界線選択部42aは、撮像対象位置情報3bが示す撮像対象位置に最も近い位置にある境界線を選択する。中央線選択部42bは、撮像対象位置情報3bが示す撮像対象位置に最も近い位置にある中央線を選択する。
【0074】
交点算出部43は、道路選択部42が選択した中央線および境界線に対して、撮像対象位置から垂線を下ろした場合の交点をそれぞれ算出する。これらの交点のうち、境界線との交点が、撮像画像3aを配置する画像配置座標となる。
【0075】
方向算出部44は、交点算出部43が算出した、境界線との交点を始点として中央線との交点へ向かう方向のベクトルの方向(画像配置方向と称する)を算出する。換言すれば、方向算出部44は、撮像対象位置が面している道路が、当該撮像対象位置に対してどの方向に存在しているかを決定するものであり、画像配置方向とは、撮像画像3aが最寄の道路を向く方向である。
【0076】
画像登録部45は、交点算出部43が決定した画像配置座標および方向算出部44が決定した画像配置方向に関連づけて撮像画像3aを第2データベース5に登録する。図1では、画像登録部45によって登録されたデータは、登録画像データ5bとして示されている。
【0077】
画像処理部7は、地図画像送信制御部8の命令を受けて、第2データベース5に格納されている登録画像データ5bおよび第3データベース6に格納されている地図画像6aを用いて地図画像を生成する。地図画像6aは、最終的な地図画像(撮像画像3aが重ねられた地図画像)を生成するために利用される、撮像画像3aが重ねられる前の地図画像である。
【0078】
画像処理部7は、生成した地図画像を地図画像送信制御部8へ出力する。なお、画像処理部7は、生成した地図画像を第3データベース6に格納してもよい。また、画像処理部7は、一度生成した地図画像(撮像画像3aが重ねられた地図画像)に対して別の撮像画像3aをさらに重ねてもよい。
【0079】
画像処理部7は、地図作成部(取得手段、画像処理手段)71および合成部(画像合成手段)72を備えている。
【0080】
地図作成部71は、登録画像データ5bに含まれる画像配置座標が示す、地図画像6a上の座標に撮像画像3aを重ねて描画し、最終的な地図画像を生成する。具体的には、地図作成部71は、撮像画像3aを地図画像6aにおける上記画像配置座標に、上記画像配置方向に向けて、地図画像6a上に配置したように視認される最終的な地図画像を生成する。地図作成部71が生成する地図画像に含まれる地図の座標と、ベクトル地図データ5aの示す座標とは対応している。
【0081】
換言すれば、地図作成部71は、撮像画像3aと、当該撮像画像3aを、道路を示す道路線が表示された地図画像に配置するための座標を示す画像配置座標と、地図画像において、撮像画像3aをどの方向に向けて配置するのかを示す画像配置方向とを取得し、画像配置座標情報が示す地図画像の座標に、画像配置方向が示す方向に向けて、撮像画像3aが配置された地図画像を生成する。
【0082】
合成部72は、地図画像に複数の撮像画像を配置する時に、これらの撮像画像が互いに重なるか否かを判定する機能を有しており、地図画像において複数の撮像画像が互いに重なる場合に、撮像画像の重複領域が重なるように、当該複数の撮像画像から1つの画像を合成する。合成部72が合成画像を生成した場合には、地図作成部71は、当該合成画像を用いて地図画像を生成する。
【0083】
合成部72における画像合成方法は、特に限定されない。撮像画像3aに道路の中央を示すラインまたは道路の境界を示すラインが含まれている場合には、これらのラインを利用して複数の撮像画像3aの縦方向(道路の延長方向に対して直交する方向)における相対位置を調節してもよい。
【0084】
地図画像送信制御部8は、送受信部9がネットワークを介して端末装置30から地図画像表示命令を受信した場合に、当該地図画像表示命令に基づいて、画像処理部7へ地図画像生成命令を出力する。また、地図画像送信制御部8は、画像処理部7から生成された地図画像を受け取ると、当該地図画像を端末装置30において表示できる地図画像データを、送受信部9を介して端末装置30へ送信する。端末装置30が有する、地図画像を見るためのビューア(ウェブブラウザ等)は、一般的なものでよい。
【0085】
(携帯電話11の構成)
図3は、携帯電話11の構成を示す機能ブロック図である。図3に示すように、携帯電話11は、送受信部12、表示部13、入力部14、メモリ15、カメラ16、位置情報取得部17、補正位置情報取得部18およびメール作成部19を備えている。
【0086】
カメラ16は、CCD(Charge Coupled Devices)カメラ等のデジタルカメラである。カメラ16が撮像した撮像画像は、メモリ15に格納される。
【0087】
位置情報取得部17は、自装置の位置を示す位置情報をGPS(Global Positioning System)から送受信部12を介して取得する。この位置情報は、世界測地系の緯度経度情報である。現在市販されている携帯電話に備えられたGPS機能では、正確な位置情報を取得することが困難な場合が多い。図3に示す携帯電話11は、位置情報取得部17が取得する位置情報が誤差を含んでいる場合にも対応できる構成となっている。
【0088】
位置情報取得部17が取得した位置情報は、表示部13に表示される。ユーザは、表示された位置を利用して、撮像対象の位置(撮像対象位置)を入力する。この入力は、入力部14を介して行われる。
【0089】
図4は、表示部13に表示された位置情報の一例を示す図である。図4に示すように、ユーザは、入力部14を介してカーソル(図4にて、十字印13b)等を動かすことにより、位置情報取得部17が取得した現在位置(星印13a)を撮像対象の位置に変更することができる。入力部14を介して入力された撮像対象位置情報は、補正位置情報取得部18によって受け取られる。
【0090】
メール作成部19は、メモリ15に格納された撮像画像のうち、ユーザが指定した撮像画像のファイルと、補正位置情報取得部18が取得した撮像対象位置情報のファイルとを電子メールに添付し、当該電子メールを送受信部12を介してサーバシステム1へ送信する。この電子メールには、撮像日時の情報およびユーザIDが含まれていてもよい。また、撮像対象位置情報は、電子メールの本文に記載されていてもよい。
【0091】
なお、GPSから取得した位置情報を修正することができる携帯電話は既に市販されている。このような携帯電話の一例として、EZナビウォーク対応の携帯電話端末を挙げることができる。
【0092】
(携帯電話11における処理の流れ)
次に、ユーザによって道路沿いの建物(撮像対象)が撮像され、サーバシステム1に送信されるまでの処理の流れについて図5を用いて説明する。図5は、携帯電話11における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0093】
ユーザは、道路に沿って位置する建物を、当該道路の延長方向と撮像方向とが直交するようにカメラ16で撮像する(S1)。つまりユーザは、道路沿いの建物を真正面から撮像する。カメラ16によって撮像された撮像画像は、メモリ15に格納される。
【0094】
位置情報取得部17によって自装置の現在位置の情報が取得されると(S2)、その位置情報は、表示部13に表示される(S3)。
【0095】
図4に示すように、ユーザによって撮像対象位置情報が入力部14を介して入力されると、当該撮像対象位置情報は、補正位置情報取得部18によって取得される(S4)。
【0096】
ユーザから電子メールの作成を命じるメール作成命令と、電子メールに添付する撮像画像の指定を受け付けると、メール作成部19は、補正位置情報取得部18が取得した撮像対象位置情報のファイルとユーザによって指定された撮像画像のファイルとを電子メールに添付する(S5)。
【0097】
そして、メール作成部19は、送受信部12を介して上記電子メールをサーバシステム1へ送信する。
【0098】
なお、カメラ16による撮像(S1)は、電子メールの作成(S5)より前であれば、どの段階で行われてもよい。
【0099】
(サーバシステム1における大まかな処理の流れ)
次に、携帯電話11からの電子メールを受信した後のサーバシステム1における処理の流れの一例について大まかに説明する。図6は、サーバシステム1における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0100】
メール受信部2が携帯電話11から、撮像画像3aおよび撮像対象位置情報3bを含む電子メールを受信すると(S11)、メール受信部2は、当該電子メールを第1データベース3へ格納する(S12)。
【0101】
座標変換部4は、第1データベース3に格納された撮像画像3aおよび撮像対象位置情報3bを取得し、ベクトル地図データ5aの情報を基に、撮像対象位置情報3bが示す座標を画像配置座標に変換する(S13)。
【0102】
そして、座標変換部4は、変換した画像配置座標と撮像画像3aとを関連付けて第2データベース5に格納する(S14)。
【0103】
送受信部9がネットワークを介して端末装置30から地図画像表示命令を受信すると(S15にてYES)、地図画像送信制御部8は、当該地図画像表示命令に基づいて、画像処理部7へ地図画像生成命令を出力する。
【0104】
上記地図画像表示命令には、地図画像上の座標、地図画像を見る方向および表示方法を指定する情報が含まれている。表示方法としては、例えば、2次元的表示(2D)、クォータービュー(2.5D)または3次元的表示(3D)を挙げることができる。また、地図画像を見る方向は、端末装置30の画面に地図画像が表示された時の当該画面における上方向が北となるように当該地図画像が表示されることを前提として指定されればよい。
【0105】
地図画像生成命令を受け取ると、地図作成部71は、登録画像データ5bに含まれる画像配置座標が示す、地図画像6a上の座標に撮像画像3aを重ねて描画し、最終的な地図画像を生成し(S16)、生成した地図画像を地図画像送信制御部8へ送信する。
【0106】
当該地図画像を受け取ると、地図画像送信制御部8は、当該地図画像を端末装置30において表示できるビューア用のデータを生成し、当該ビューア用のデータを送受信部9を介して端末装置30へ送信する(S17)。
【0107】
なお、上述したように、地図画像において複数の撮像画像が互いに重なる場合には、撮像画像の重複領域が重なるように、合成部72が当該複数の撮像画像から1つの画像を合成し、地図作成部71が、当該合成画像を用いて地図画像を生成してもよい。
【0108】
また、地図作成部71は、地図画像生成命令を受信する前に地図画像を生成してもよい。すなわち、地図作成部71は、登録画像データ5bが登録されたことを機に地図画像を生成してもよい。
【0109】
(座標変換部4における処理の流れ)
次に、座標変換部4における座標変換処理の流れの一例について図7〜10を参照しつつ説明する。図7は、座標変換部4における座標変換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0110】
まず、撮像情報取得部41が第1データベース3から撮像画像3aおよび撮像対象位置情報3bを取得する(S21)。撮像情報取得部41は、撮像画像3aを画像登録部45へ、撮像対象位置情報3bを道路選択部42へ出力する。
【0111】
撮像対象位置情報3bを受け取ると、境界線選択部42aは、撮像対象位置情報3bが示す撮像対象位置に最も近い位置にある境界線を選択する(S22)。図8は、境界線選択部42aによる境界線の選択方法を説明するための図である。図8では、撮像対象位置情報3bが×印51で示されている。道路の幅を示す境界線は、例えば、線分52aおよび線分52bによって示されており、道路の中央を示す中央線は、例えば、線分52cによって示されている。図8に示す例では、×印51に最も近い境界線は、線分52aである。
【0112】
このように、境界線選択部42aは、撮像対象位置情報3bが示す撮像対象位置に最も近い位置にある境界線を選択する。
【0113】
また、撮像対象位置情報3bを受け取ると、中央線選択部42bは、撮像対象位置情報3bが示す撮像対象位置に最も近い位置にある中央線を選択する(S23)。図9は、中央線選択部42bによる中央線の選択方法を説明するための図である。図9に示す例では、×印51に最も近い中央線は、線分52cである。
【0114】
道路選択部42は、境界線選択部42aが選択した境界線および中央線選択部42bが選択した中央線を特定する情報を交点算出部43へ出力する。
【0115】
これらの情報を受け取ると、交点算出部43は、道路選択部42が選択した中央線および境界線に対して、撮像対象位置から垂線を下ろした場合の交点をそれぞれ算出する(S24)。撮像対象位置から、道路選択部42が選択した境界線に垂線を下ろした場合の交点(垂線の足)(画像配置座標)は、図8においては、交点53である。撮像対象位置から、道路選択部42が選択した中央線に垂線を下ろした場合の交点(垂線の足)は、図9においては、交点54である。
【0116】
交点算出部43は、算出した各交点の座標を方向算出部44へ出力する。
【0117】
上記交点の座標を受け取ると、方向算出部44は、交点算出部43が算出した、境界線との交点を始点として中央線との交点へ向かうベクトルの方向(画像配置方向)を算出する(S25)。図10は、方向算出部44が算出する画像配置方向の一例を示す図である。図10においては、画像配置方向は、交点53を始点として交点54へ向かう方向(矢印55の方向)である。この画像配置方向は、ベクトル地図データ5aが有する基準方向(例えば、北の方向)に対する角度として表現されればよい。方向算出部44は、画像配置座標および算出した画像配置方向の情報を画像登録部45へ出力する。
【0118】
画像配置方向の情報を受け取ると、画像登録部45は、交点算出部43が決定した画像配置座標および方向算出部44が決定した画像配置方向と撮像画像3aとを関連付けて第2データベース5に登録画像データ5bとして登録する(S26)。
【0119】
(地図画像の具体例)
次に、地図作成部71が生成する地図画像の具体例について図11および図12を参照しつつ説明する。図11は、撮像画像の配置方法を示す図である。図12は、地図作成部71が生成する地図画像の具体例を示す図である。
【0120】
図11に示すように、撮像画像3aは、画像配置座標(図11では、交点53)を通る境界線(図11では、線分52a)上に配置される。このとき、撮像画像3aの下辺が境界線とほぼ重なるように、かつ、撮像画像3aの下辺の中央が画像配置座標に一致するように、当該撮像画像3aが地図画像上に配置される。
【0121】
このような配置を容易に実現するために方向算出部44によって算出された画像配置方向が利用される。すなわち、地図作成部71は、撮像画像3aを、画像配置方向(矢印55の方向)に向けて、画像配置座標に配置する。
【0122】
地図作成部71が生成する地図画像は、2次元の地図であってもよいし、3次元の地図であってもよい。また、2次元の地図に撮像画像3aが起立しているように視認できるものであってもよい。
【0123】
また、地図に対する撮像画像3aの角度は、90°であってもよいし、それ以外であってもよい。例えば、図12(a)に示すように、地図を斜め上方から見た状態において、撮像画像3aが街区57の内側に倒れているように、各撮像画像3aを表示してもよい。
【0124】
また、地図を真上から見た状態において、撮像画像3aを倒すことにより撮像画像3aが重なる場合には、図12(b)に示された撮像画像58および59のように、撮像画像3aを台形状に変形させて表示してもよい。
【0125】
図13は、地図作成部71が生成する地図画像の一例を示す図である。図13に示すように、道路沿いの建物を撮像した撮像画像3aをつなげることにより、道路沿いの街並みを実際のものに近い形で表現することができる。
【0126】
(登録画像データ5bの例)
次に、第2データベース5に登録される登録画像データ5bの一例について、図14を参照しつつ説明する。図14は、登録画像データ5bの一例を示す図である。図14に示すように、登録画像データ5bは、撮像画像3a、当該撮像画像3aに対応する画像配置座標および画像配置方向の情報を含んでいる。登録画像データ5bは、さらに、撮像画像3aが撮像された時間および撮像画像3aを撮像したユーザのIDを含んでいてもよい。地図作成部71は、このような登録画像データ5bを用いて地図画像を生成する。
【0127】
なお、登録画像データ5bには、撮像画像3aそのものが含まれている必要は必ずしもなく、撮像画像3aを特定する情報(ファイル名等)が含まれているだけでもよい。この場合には、地図作成部71は、登録画像データ5bによって特定された、第1データベース3の撮像画像3aを用いればよい。
【0128】
(Webサーバとしてのサーバシステム1)
サーバシステム1は、地図作成部71によって生成された地図画像をWebページにおいて表示するためのデータを生成する地図画像送信制御部8を備えている。
【0129】
サーバシステム1は、Webページにおいて表示される地図画像上に配置された撮像画像に含まれる撮像対象のうち、特定の撮像対象を他の撮像対象と区別できるように表示する機能をさらに有していてもよい。例えば、特定の店舗を他の店舗よりも目立つように表示してもよい。このように特定の店舗を目立たせることにより、その店舗のオーナーから料金を得ることが可能となる。
【0130】
また、サーバシステム1は、Webページにおいてバナー広告を表示する機能をさらに有していてもよい。すなわち、地図画像送信制御部8は、Webページにおいてバナー広告を表示させるためのデータを生成するバナー広告用データ生成手段として機能してもよい。バナー広告をWebページに表示することにより、広告収入を得ることが可能となる。
【0131】
また、ある地域において、撮影枚数の多いユーザほどその地域の仮想都市の支配権が得られるという競争原理を導入してもよい。仮想都市を閲覧するユーザが多いほど支配権の持つ意義が大きくなって魅力が増し、そのことで地図画像(仮想都市)の構築に参加するユーザが増え、それによって地図画像が充実して閲覧ユーザの増加につながるというループが生まれる。
【0132】
(サーバシステム1の効果)
サーバシステム1によれば、道路に沿って位置する建物を撮像した撮像画像3aを携帯電話11から受信し、その撮像画像3aを、地図画像における道路に沿って配置することができる。このとき、携帯電話11から送信された撮像対象位置情報3bに対応する地図画像上の位置を座標変換部4が算出し、地図作成部71は、その画像配置座標に撮像画像3aを配置する。
【0133】
また、方向算出部44によって撮像画像3aを配置する画像配置方向が算出される。この画像配置方向は、撮像画像3aが撮像された撮像位置を向くものである。地図作成部71は、画像配置座標において撮像画像3aが画像配置方向を向くように配置する。
【0134】
それゆえ、地図画像に示された道路線に沿って、道路に沿って位置する撮像対象を撮像した撮像画像が道路の内側に向けて配置された地図画像を容易に生成することができる。
【0135】
(変更例)
ベクトル地図データ5aによって示される電子地図に境界線(街区ベクトル)のデータが含まれていない場合には、道路選択部42は、撮像対象位置に最も近い中央線を選択し、交点算出部43は、撮像対象位置から当該中央線に下ろした垂線の足の座標を画像配置座標とすればよい。また、地図作成部71は、この画像配置座標において、上記中央線と撮像画像3aの下辺とが重なるように、当該撮像画像3aを配置すればよい。
【0136】
換言すれば、電子地図において、交点算出部43は、撮像対象位置から、最も近い中央線(道路線)へ下ろした垂線の足の座標を画像配置座標として決定し、画像登録部45は、その画像配置座標に関連づけて撮像画像をデータベースに登録する。
【0137】
上述の構成では、メール受信部2、第1データベース3、座標変換部4、第2データベース5、第3データベース6、画像処理部7は、すべてサーバシステム1に組み込まれているが、これらを独立した装置とし、通信可能に相互接続してもよい。
【0138】
また、座標変換部4および画像処理部7を一体形成し、地図画像生成装置としてもよい。
【0139】
上述の説明では、端末装置30から地図画像表示命令を受信した時に、画像処理部7が地図画像を生成しているが、メール受信部2が電子メールを受信したことを合図として画像処理部7が地図画像を生成してもよい。
【0140】
また、合成部72は、第2データベース5に撮像画像3aが登録された時点で、当該撮像画像3aに対して画像合成処理を行い、合成した画像を第2データベース5へ格納してもよい。
【0141】
また、携帯電話(撮像装置)11とサーバシステム1とを含む地図画像生成システムも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0142】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について図15〜図16に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、実施の形態1と同様の部材に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0143】
本実施形態の地図画像生成システム200は、サーバシステム(地図画像生成システム、Webシステム)10を備えている。サーバシステム10は、携帯電話11から、撮像対象を撮像した時の位置を示す撮像位置情報を受信する。携帯電話11の位置情報取得部17が誤差の少ない、自装置の位置情報をGPSから取得する場合には、当該位置情報を、撮像位置情報としてそのまま使え、手動で位置を修正する(撮像対象位置を入力する)手間が省けるため、サーバシステム1を利用するよりも、サーバシステム10を利用する方が、ユーザにとって使い勝手が良い。
【0144】
(携帯電話11の構成)
携帯電話11は、位置情報取得部17が誤差の少ない、自装置の位置情報をGPSから取得し、その位置情報、すなわち、撮像画像3aを撮像した時の携帯電話11の位置情報(撮像位置情報)をサーバシステム10へ送信する。
【0145】
つまり、位置情報取得部17が取得した撮像位置情報が、メール作成部19へ出力され、メール作成部19は、当該撮像位置情報のファイルと撮像画像3aのファイルとを電子メールに添付して送信する。それゆえ、本実施形態では、ユーザによる位置情報の修正は行われず、補正位置情報取得部18は不要である。
【0146】
(サーバシステム10の構成)
図15は、サーバシステム10の構成を示す機能ブロック図である。図15に示すように、本実施形態に係るサーバシステム10においては、座標変換部4が交点算出部(配置座標決定手段)46を備えている。
【0147】
また、メール受信部2は、携帯電話11から、撮像画像3aおよび撮像位置情報3cを含む電子メールを受信し、これらを第1データベース3へ格納する。撮像情報取得部41は、第1データベース3から撮像画像3aおよび撮像位置情報3cを取得する。
【0148】
サーバシステム10が備える座標変換部4は、ベクトル地図データ5aを利用することにより、撮像位置情報3cが示す撮像位置の座標から画像配置座標を算出する。
【0149】
交点算出部46は、撮像位置に最も近い境界線に対向する境界線に対して撮像位置から垂線を下ろした場合の交点の座標を算出し、当該交点を画像配置座標とする。この処理は、撮像位置の、道路を挟んで向かい側の位置に撮像対象が存在するという前提に基づくものである。
【0150】
サーバシステム10における処理の大まかな流れは、図6に示す処理の流れと同様のため、その説明を省略する。
【0151】
(座標変換部4における処理の流れ)
次に、座標変換部4における座標変換処理の流れの一例について図16を参照しつつ説明する。図16は、サーバシステム10が備える座標変換部4における座標変換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0152】
まず、撮像情報取得部41が第1データベース3から撮像画像3aおよび撮像位置情報3cを取得する(S31)。撮像情報取得部41は、撮像画像3aを画像登録部45へ、撮像位置情報3cを道路選択部42へ出力する。
【0153】
撮像位置情報3cを受け取ると、境界線選択部42aは、撮像位置情報3cが示す撮像位置に最も近い位置にある境界線を選択する(S32)。
【0154】
また、撮像位置情報3cを受け取ると、中央線選択部42bは、撮像位置情報3cが示す撮像位置に最も近い位置にある中央線を選択する(S33)。
【0155】
道路選択部42は、境界線選択部42aが選択した境界線および中央線選択部42bが選択した中央線を特定する情報を交点算出部46へ出力する。
【0156】
これらの情報を受け取ると、交点算出部46は、道路選択部42が選択した中央線に対して、撮像位置から垂線を下ろした場合の交点を算出するとともに、道路選択部42が選択した境界線に対向する境界線に対して撮像位置から垂線を下ろした場合の交点の座標(画像配置座標)を算出する(S34)。
【0157】
図8において×印51が撮像位置であるとすると、交点算出部46は、交点56を画像配置座標として決定する。この場合、交点算出部46は、まず、撮像位置から最も近い境界線へ当該撮像位置から下ろした垂線の足である交点53を求めてから、交点53に対向する交点56を求めてもよい。
【0158】
交点算出部46は、算出した各交点の座標を方向算出部44へ出力する。
【0159】
上記交点の座標を受け取ると、方向算出部44は、交点算出部46が算出した、境界線との交点を始点として中央線との交点へ向かうベクトルの方向(画像配置方向)を算出する(S35)。方向算出部44は、画像配置座標および算出した画像配置方向の情報を画像登録部45へ出力する。
【0160】
画像配置方向の情報を受け取ると、画像登録部45は、交点算出部46が決定した画像配置座標および方向算出部44が決定した画像配置方向と、撮像画像3aとを関連付けて第2データベース5に登録する(S36)。
【0161】
〔実施の形態3〕
本発明のさらに別の実施形態について図17〜21に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、実施の形態1と同様の部材に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。本実施形態の地図画像生成システム300は、サーバシステム(地図画像生成システム、Webシステム)20を備えている。図17は、サーバシステム(地図画像生成システム、Webシステム)20の構成を示す機能ブロック図である。
【0162】
図17に示すように、サーバシステム20は、サーバシステム1の構成に加え、撮像対象位置推定部(撮像対象位置推定装置)21を備えていている。道路沿いの街並みを撮像する場合、道路に沿って連続的に撮像することが多い。その時、位置情報の修正(換言すれば、撮像対象位置情報の入力)を撮像画像を撮像するごとに行うのは面倒である。
【0163】
そこで、連続して撮像を行う場合に、初回の撮像における撮像対象位置と、最後の撮像における撮像対象位置とから、途中の撮像における撮像対象位置を推定する。この撮像対象位置の推定を撮像対象位置推定部21が行う。
【0164】
一方、携帯電話11には、初回の撮像における撮像対象位置を示す第1撮像対象位置情報3dと、最後の撮像における撮像対象位置を示す第2撮像対象位置情報3eとが入力され、メール作成部19は、これら第1および第2撮像対象位置情報のファイルを複数の撮像画像3aのファイルとともに電子メールに添付し、サーバシステム20へ送信する。複数の撮像画像3aには、撮像順序に対応する順位が付与されている。
【0165】
なお、複数の撮像画像3aの撮像順序を示すために、撮像日時を利用してもよい。すなわち、複数の撮像画像3aのうち、撮像日時が最も古い撮像画像が最初に撮像されたものであるとし、撮像日時が最も新しい撮像画像が最後に撮像されたものである。
【0166】
(撮像対象位置推定部21の構成)
図18は、撮像対象位置推定部21の構成を示す機能ブロック図である。図18に示すように、撮像対象位置推定部21は、移動距離算出部(撮像対象位置情報取得手段、撮像対象位置算出手段)22、演算部(撮像対象位置算出手段)23および撮像回数算出部(撮像画像数情報取得手段)24を備えている。
【0167】
移動距離算出部22は、第1データベース3に格納されている第1撮像対象位置情報3dおよび第2撮像対象位置情報3eを取得し、第1撮像対象位置情報3dが示す撮像対象位置と第2撮像対象位置情報3eが示す撮像対象位置との差を算出する。この差は、ユーザが撮像するために移動した全移動距離に相当する。
【0168】
撮像回数算出部24は、第1データベース3に格納された撮像画像3aの数を算出する。携帯電話11から送信された電子メール(データ単位)には、複数回の撮像に対応する、複数の撮像画像3aが含まれている。撮像画像3aの数を算出することは、撮像回数を算出することに相当する。
【0169】
演算部23は、移動距離算出部22が算出した全移動距離を、撮像回数算出部24が算出した撮像回数から1を引いた数で割ることにより、1回分の移動距離(平均移動距離)を算出する。そして、算出した平均移動距離および第1および2撮像対象位置を基に、途中の撮像における撮像対象位置を算出する。この処理は、ユーザが等間隔で道路沿いの街並みを撮像していることを前提として行われている。
【0170】
演算部23は、算出した各撮像画像3aの撮像対象位置を、各撮像画像3aと関連付けて、推定撮像対象位置情報3fとして第1データベース3へ格納する。
【0171】
座標変換部4の撮像情報取得部41は、この推定撮像対象位置情報3fを撮像画像3aとともに取得する。
【0172】
なお、上述した撮像対象位置推定部21の構成は、あくまで一例であり、撮像対象位置推定部21は、連続して撮像された複数の撮像画像3aに関し、最初に撮像された撮像対象の位置を示す第1撮像対象位置情報3dと、最後に撮像された撮像対象の位置を示す第2撮像対象位置情報3eとを取得する撮像対象位置情報取得部と、撮像画像3aの数を示す撮像画像数情報を取得する撮像画像数情報取得部と、第1撮像対象位置情報3dおよび第2撮像対象位置情報3eと、撮像画像数情報とに基づき、複数の撮像画像3aにそれぞれ対応する撮像対象位置を算出する撮像対象位置算出部とを備えていればよい。
【0173】
(携帯電話11における処理の流れ)
サーバシステム20へ電子メールを送信する携帯電話11における処理の流れの一例を図19および図20を参照しつつ説明する。図19は、携帯電話11を用いた撮像方法を説明するための図である。図20は、携帯電話11における処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下では、ユーザが3回連続して撮像を行う場合について説明する。
【0174】
図19に示すように、ユーザは道路に沿ってA地点からB地点を経てC地点まで移動し、A、B、Cの各地点で道路の向かい側の建物を撮像する。A地点とB地点との間の距離、およびB地点とC地点との間の距離は、それぞれ5メートルであるとする。すなわち、A地点とC地点との間の距離Dは、10メートルである。
【0175】
まず、ユーザは、A地点で撮像(第1撮像)をカメラ16にて行う(図20にてS41)。その撮像画像(第1撮像画像)には、1番目の順位が付与され、当該第1撮像画像は、メモリ15に格納される。
【0176】
図4に示すように、ユーザは、表示部13に表示された位置情報を利用することにより第1撮像対象位置情報3dを入力する。この入力は、補正位置情報取得部18によって受け付けられる(S42)。
【0177】
ユーザがB地点に移動すると、2回目の撮像を行う(S43)。その撮像画像(第2撮像画像)には、2番目の順位が付与され、当該第2撮像画像は、メモリ15に格納される。
【0178】
さらに、ユーザは、C地点に移動し、3回目の撮像を行う(S44)。その撮像画像(第3撮像画像)には、3番目の順位が付与され、当該第3撮像画像は、メモリ15に格納される。
【0179】
そして、ユーザは、図4に示すように、表示部13に表示された位置情報を修正することにより第2撮像対象位置情報3eを入力する。この入力は、補正位置情報取得部18によって受け付けられる(S45)。
【0180】
ユーザから電子メールの作成を命じるメール作成命令を受け付けると、メール作成部19は、補正位置情報取得部18が取得した第1および第2撮像対象位置情報のファイルとメモリ15に格納された3つの撮像画像3aのファイルとを電子メールに添付する(S46)。
【0181】
そして、メール作成部19は、送受信部12を介して上記電子メールをサーバシステム20へ送信する(S47)。
【0182】
なお、第1撮像(S41)は、第1撮像対象位置情報3dの入力(S42)の後に行われてもよい。
【0183】
(撮像対象位置推定部21における処理の流れ)
続いて、上記電子メールが、サーバシステム20のメール受信部2によって受信され、第1データベース3に電子メールデータが格納された後の撮像対象位置推定部21における処理の流れの一例について図21を参照しつつ説明する。図21は、撮像対象位置推定部21における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0184】
上記電子メールデータが第1データベース3に格納されると、移動距離算出部22は、第1データベース3から第1撮像対象位置情報3dおよび第2撮像対象位置情報3eを取得する。そして、移動距離算出部22は、第1撮像対象位置情報3dが示す撮像対象位置と第2撮像対象位置情報3eが示す撮像対象位置との差である全移動距離を算出する(S51)。図19に示す例の場合、上記全移動距離は10メートルである。移動距離算出部22は、算出した全移動距離を演算部23へ出力する。
【0185】
また、撮像回数算出部24は、第1データベース3に格納された複数の撮像画像3aの数を算出する(S52)。図19に示す例の場合、撮像画像3aの数は、「3」である。撮像回数算出部24は、算出した、撮像画像3aの数(撮像回数)を演算部23へ出力する。
【0186】
上記全移動距離および撮像画像3aの数を受け取ると、演算部23は、全移動距離を、撮像回数から1を引いた数で割ることにより、平均移動距離を算出する(S53)。図19に示す例の場合、撮像回数算出部24は、10÷2の計算を行い、平均移動距離として「5」を算出する。
【0187】
そして、演算部23は、算出した平均移動距離および第1および2撮像対象位置を基に、途中の撮像における撮像対象位置(図19に示す例の場合、2回目の撮像における撮像対象位置)を算出する(S54)。
【0188】
上記撮像対象位置を算出すると、演算部23は、各撮像画像3aと、当該撮像画像3aを撮像した時の撮像対象位置とを関連付けて、算出した撮像対象位置(推定撮像対象位置情報)を第1データベース3に格納する(S55)。
【0189】
なお、推定撮像対象位置情報を算出した後に、連続して撮像された複数の撮像画像3aを合成部72によって1つの画像に合成し、合成した画像を第1データベース3に再度格納してもよい。
【0190】
また、全移動距離の算出(S51)は、撮像回数の算出(S52)の後に行われてもよい。
【0191】
(変更例)
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0192】
例えば、図19に示すように連続撮像した撮像画像を、撮像位置情報を利用して地図画像上に配置してもよい。すなわち、実施の形態2と実施の形態3とを組み合わせてもよい。
【0193】
サーバシステム1、10、20は、携帯電話以外の装置から撮像画像3aおよび撮像対象位置情報3bを取得してもよい。上記携帯電話以外の装置として、携帯電話以外の携帯端末、デスクトップ型の端末装置、記憶装置および情報記録媒体を挙げることができる。
【0194】
また、位置情報取得部17は、GPSを利用するものに限定されず、基地局、無線LANアクセスポイント、マーカー、RFID(radio frequency identification)等を利用するものであってもよいし、これらとGPSとを組合せて利用するものであってもよい。GPSとその他の位置情報提供手段とを組み合わせて利用することにより、位置情報の精度が向上する可能性がある。
【0195】
また、上述したサーバシステム1、10、20の各ブロック、特に座標変換部4、画像処理部7は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0196】
すなわち、サーバシステム1、10、20は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるサーバシステム1、10、20の制御プログラム(撮像画像登録プログラム、地図画像生成プログラム)のプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記サーバシステム1、10、20に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0197】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0198】
また、サーバシステム1、10、20を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0199】
道路沿いの街並みを再現した地図画像を低コストで生成することができるため、地図の情報を提供するサービスにおいて、携帯端末から送信された撮像画像を基に地図画像を生成する地図画像生成システムとして利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0200】
【図1】本発明の一実施形態に係るサーバシステムの構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る地図画像生成システムの概要を示す図である。
【図3】上記サーバシステムに電子メールを送信する携帯電話の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】上記携帯電話が備える表示部に表示された位置情報の一例を示す図である。
【図5】上記携帯電話における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】上記サーバシステムにおける処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図7】上記サーバシステムが備える座標変換部における座標変換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図8】境界線選択部による境界線の選択方法を説明するための図である。
【図9】中央線選択部による中央線の選択方法を説明するための図である。
【図10】方向算出部が算出する画像配置方向の一例を示す図である。
【図11】撮像画像の配置方法を示す図である。
【図12】(a)は、地図作成部が生成する地図画像の一例を示す図であり、(b)は、地図作成部が生成する地図画像の別の例を示す図である。
【図13】地図作成部が生成する地図画像のさらに別の例を示す図である。
【図14】登録画像データの一例を示す図である。
【図15】本発明の別の実施形態に係るサーバシステムの構成を示す機能ブロック図である。
【図16】上記サーバシステムが備える座標変換部における座標変換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図17】本発明のさらに別の本実施形態に係るサーバシステムの構成を示す機能ブロック図である。
【図18】上記サーバシステムが備える撮像対象位置推定部の構成を示す機能ブロック図である。
【図19】本発明の一実施形態に係る携帯電話を用いた撮像方法を説明するための図である。
【図20】上記携帯電話における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図21】上記撮像対象位置推定部における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0201】
1 サーバシステム(地図画像生成システム、Webサーバ)
3a 撮像画像
3b 撮像対象位置情報
3c 撮像位置情報
3d 第1撮像対象位置情報
3e 第2撮像対象位置情報
4 座標変換部(撮像画像登録装置)
5 第2データベース
5a ベクトル地図データ(地図データ)
6a 地図画像
7 画像処理部(地図画像生成装置)
10 サーバシステム(地図画像生成システム、Webサーバ)
11 携帯電話
20 サーバシステム(地図画像生成システム、Webサーバ)
21 撮像対象位置推定部(撮像対象位置推定装置)
22 移動距離算出部(撮像対象位置情報取得手段、撮像対象位置算出手段)
23 演算部(撮像対象位置算出手段)
24 撮像回数算出部(撮像画像数情報取得手段)
41 撮像情報取得部(撮像情報取得手段)
42 道路選択部(配置座標決定手段)
43 交点算出部(配置座標決定手段)
44 方向算出部(方向決定手段)
45 画像登録部(画像登録手段)
46 交点算出部(配置座標決定手段)
52a 線分(外縁線)
52b 線分(外縁線)
53 交点(垂線の足)
54 交点(垂線の足)
71 地図作成部(取得手段、画像処理手段)
72 合成部(画像合成手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路に沿って位置する撮像対象を撮像した撮像画像と、上記撮像対象の位置を示す撮像対象位置情報とを取得する撮像情報取得手段と、
道路を示す道路線が示された地図画像の座標を示す地図データを利用し、当該地図画像において、上記撮像対象位置情報が示す撮像対象の位置から、最も近い道路線へ下ろした垂線の足の座標を画像配置座標として決定する配置座標決定手段と、
上記地図画像の上記画像配置座標に関連づけて上記撮像画像をデータベースに登録する画像登録手段とを備えることを特徴とする撮像画像登録装置。
【請求項2】
上記地図データを利用し、上記地図画像において、上記撮像対象位置情報が示す撮像対象の位置を基準として、当該撮像対象の位置に最も近い道路線が、どの方向に存在しているかを決定する方向決定手段をさらに備え、
上記画像登録手段は、上記方向決定手段が決定した方向を上記撮像画像に関連付けて上記データベースに登録することを特徴とする請求項1に記載の撮像画像登録装置。
【請求項3】
道路に沿って位置する撮像対象を撮像した撮像画像と、上記撮像対象を撮像した位置を示す撮像位置情報とを取得する撮像情報取得手段と、
道路を示す道路線が示された地図画像の座標を示す地図データを利用し、当該地図画像において、上記撮像位置情報が示す撮像位置から、最も近い道路線へ下ろした垂線の足の座標を画像配置座標として決定する配置座標決定手段と、
上記地図画像の上記画像配置座標に関連づけて上記撮像画像をデータベースに登録する画像登録手段とを備えることを特徴とする撮像画像登録装置。
【請求項4】
上記道路線は、道路の幅を規定する一対の外縁線を含み、
上記配置座標決定手段は、上記地図画像において、上記撮像位置情報が示す撮像位置から、最も近い外縁線と対をなす他方の外縁線へ下ろした垂線の足の座標を画像配置座標として決定することを特徴とする請求項3に記載の撮像画像登録装置。
【請求項5】
上記地図データを利用し、上記地図画像において、上記撮像位置情報が示す撮像位置を基準として、当該撮像位置に最も近い道路線が、どの方向に存在しているかを決定する方向決定手段をさらに備え、
上記画像登録手段は、上記方向決定手段が決定した方向を上記撮像画像に関連付けて上記データベースに登録することを特徴とする請求項3に記載の撮像画像登録装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像画像登録装置を動作させる撮像画像登録プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための撮像画像登録プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載の撮像画像登録プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項8】
道路に沿って位置する撮像対象を撮像した撮像画像と、
上記撮像画像を、道路を示す道路線が表示された地図画像に配置する座標を示す画像配置座標情報と、
上記地図画像において、上記撮像画像が最寄の道路を向く方向を示す画像配置方向情報とを取得する取得手段と、
上記画像配置座標情報が示す上記地図画像の座標に、上記画像配置方向情報が示す方向に向けて、上記撮像画像が配置された地図画像を生成する画像処理手段とを備えることを特徴とする地図画像生成装置。
【請求項9】
上記取得手段が取得した複数の撮像画像の重複領域を重ねることにより、当該複数の撮像画像から1つの画像を合成する画像合成手段をさらに備え、
上記画像処理手段は、上記画像配置座標情報が示す地図画像における座標に、上記画像配置方向情報が示す方向に向けて、上記画像合成手段が合成した画像が配置された地図画像を生成することを特徴とする請求項8に記載の地図画像生成装置。
【請求項10】
上記画像処理手段は、上記取得手段が取得した撮像画像が上記地図画像に対して起立しているように視認される地図画像を生成することを特徴とする請求項8または9に記載の地図画像生成装置。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれか1項に記載の地図画像生成装置を動作させる地図画像生成プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための地図画像生成プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の地図画像生成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項13】
請求項1に記載の撮像画像登録装置と請求項8に記載の地図画像生成装置とを備える地図画像生成システムであって、
上記取得手段は、上記撮像画像登録装置によって登録された撮像画像および画像配置座標を取得することを特徴とする地図画像生成システム。
【請求項14】
請求項3に記載の撮像画像登録装置と請求項8に記載の地図画像生成装置とを備える地図画像生成システムであって、
上記取得手段は、上記撮像画像登録装置によって登録された撮像画像および画像配置座標を取得することを特徴とする地図画像生成システム。
【請求項15】
請求項13または14項に記載の地図画像生成システムによって生成された地図画像をWebページにおいて表示するためのデータを生成する表示用データ生成手段を備えることを特徴とするWebサーバ。
【請求項16】
上記Webページにおいてバナー広告を表示させるためのデータを生成するバナー広告用データ生成手段をさらに備えることを特徴とする請求項15に記載のWebサーバ。
【請求項17】
連続して撮像された複数の撮像画像に関し、最初に撮像された撮像対象の位置を示す第1撮像対象位置情報と、最後に撮像された撮像対象の位置を示す第2撮像対象位置情報とを取得する撮像対象位置情報取得手段と、
上記撮像画像の数を示す撮像画像数情報を取得する撮像画像数情報取得手段と、
上記撮像対象位置情報取得手段が取得した第1および第2撮像対象位置情報と、上記撮像画像数情報取得手段が取得した撮像画像数情報とに基づき、上記複数の撮像画像にそれぞれ対応する撮像対象位置を算出する撮像対象位置算出手段とを備えることを特徴とする撮像対象位置推定装置。
【請求項18】
撮像情報取得手段と、配置座標決定手段と、画像登録手段とを備える撮像画像登録装置における撮像画像登録方法であって、
上記撮像情報取得手段が、道路に沿って位置する撮像対象を撮像した撮像画像と、上記撮像対象の位置を示す撮像対象位置情報とを取得する撮像情報取得工程と、
上記配置座標決定手段が、道路を示す道路線が示された地図画像の座標を示す地図データを利用し、当該地図画像において、上記撮像対象位置情報が示す撮像対象の位置から、最も近い道路線へ下ろした垂線の足の座標を画像配置座標として決定する配置座標決定工程と、
上記画像登録手段が、上記地図画像の上記画像配置座標に関連づけて上記撮像画像をデータベースに登録する画像登録工程とを含むことを特徴とする撮像画像登録方法。
【請求項19】
撮像情報取得手段と、配置座標決定手段と、画像登録手段とを備える撮像画像登録装置における撮像画像登録方法であって、
上記撮像情報取得手段が、道路に沿って位置する撮像対象を撮像した撮像画像と、上記撮像対象を撮像した位置を示す撮像位置情報とを取得する撮像情報取得工程と、
上記配置座標決定手段が、道路を示す道路線が示された地図画像の座標を示す地図データを利用し、当該地図画像において、上記撮像位置情報が示す撮像位置から、最も近い道路線へ下ろした垂線の足の座標を画像配置座標として決定する配置座標決定工程と、
上記画像登録手段が、上記地図画像の上記画像配置座標に関連づけて上記撮像画像をデータベースに登録する画像登録工程とを含むことを特徴とする撮像画像登録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−204003(P2008−204003A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−36856(P2007−36856)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【Fターム(参考)】