撮像装置、撮像方法及びプログラム
【課題】所望の部分に対して所望のライティングがなされた状態の画像を得ること。
【解決手段】主制御部51は、表示部21の各画素のうち、一部の領域を構成する各画素を発光させることにより、被写体の一部を照射させる照明として領域を機能させた状態で、撮像部22に被写体を撮像させる制御を実行する。画像切出部61は、主制御部51の制御により、表示部21の複数の領域のそれぞれが順次照明として機能した各状態で、被写体が撮像部22により順次撮像された場合、撮像部22により順次生成される複数の撮像画像のデータの各々について、一部分の領域のデータを切り出し画像のデータとしてそれぞれ生成する。画像合成部62は、画像切出部61により生成された複数の切り出し画像のデータを合成することによって、合成画像のデータを生成する。
【解決手段】主制御部51は、表示部21の各画素のうち、一部の領域を構成する各画素を発光させることにより、被写体の一部を照射させる照明として領域を機能させた状態で、撮像部22に被写体を撮像させる制御を実行する。画像切出部61は、主制御部51の制御により、表示部21の複数の領域のそれぞれが順次照明として機能した各状態で、被写体が撮像部22により順次撮像された場合、撮像部22により順次生成される複数の撮像画像のデータの各々について、一部分の領域のデータを切り出し画像のデータとしてそれぞれ生成する。画像合成部62は、画像切出部61により生成された複数の切り出し画像のデータを合成することによって、合成画像のデータを生成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、撮像方法及びプログラムに関し、特に、所望の部分に対して所望のライティングがなされた状態の画像を得ることができる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、実空間内で照明を当てることにより、当該実空間のイメージに変化を与える技術(ライティング技術)が知られている。カメラ等の撮像装置は、このライティング技術を利用して撮像を行うことで、例えば、撮像対象の実空間の影を低減したり、逆に影を付けたりした上で撮像を行うことで、効果的な撮像画像のデータを生成することができる。
特許文献1には、様々な照明の効果を発揮するライティングのパターンが複数記憶されており、所望の効果を発揮するライティングのパターンを選択することにより、選択されたライティングのパターンに対応する照明の設定で撮影を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−24138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した特許文献1に開示の技術では、1回の撮像のタイミングに合わせて、照明の設定がなされているに過ぎない。即ち、撮像対象の実空間全体のライティングの状態を考慮した照明の設定がなされているに過ぎない。
従って、撮像対象の実空間のうち、他の部分に影響を及ぼさないで所望の部分に対して所望のライティングをする、といった局所的なライティングを伴う照明の設定を行うことは非常に困難である。
具体的には例えば、被写体の特定部分で影が生じている画像が要求されているとする。このような要求に応えるべく、上述した特許文献1に開示の技術を利用しても、特定部分だけ影が生ずるような照明の設定を行うことは非常に困難である。即ち、特許文献1に開示の技術では、本来、被写体全体が可能な限り影がなくなるようなライティングを考慮した照明の設定がなされることが前提とされているため、特定部分に特化した照明の設定がなされても、特定部分で上手く影ができなかったり、逆に本来影が必要ない別の部分で影ができてしまう等、適切な照明の設定を行うことは非常に困難である。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、所望の部分に対して所望のライティングがなされた状態の画像を得ることができる撮像装置、撮像方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によると、
各画素を発光することにより、画像を表示する表示手段と、
被写体を撮像することによって、撮像画像のデータを生成する撮像手段と、
前記表示手段の各画素のうち、一部の領域を構成する各画素を発光させることにより、前記被写体の一部を照射させる照明として前記領域を機能させた状態で、前記撮像手段に前記被写体を撮像させる制御を実行する制御手段と、
前記制御手段の制御により、前記表示手段の複数の領域のそれぞれが順次前記照明として機能した各状態で、前記被写体が前記撮像手段により順次撮像された場合、前記撮像手段により順次生成される複数の撮像画像のデータの各々について、一部分の領域のデータを切り出し画像のデータとしてそれぞれ生成する画像切出手段と、
前記画像切出手段により生成された前記複数の切り出し画像のデータを合成することによって、合成画像のデータを生成する画像合成手段と、
を備える撮像装置を提供する。
【0007】
本発明の別の態様によると、上述した本発明の一態様に係る撮像装置に対応する撮像方法及びプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、所望の部分に対して所望のライティングがなされた状態の画像を得ることが容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1実施形態に係る撮像装置の外観を示す外観構成図である。
【図2】本発明に係るライティングを説明するための模式図である。
【図3】図2(a)に示すライティングにより得られた撮像画像の左半分と、図2(b)に示すライティングにより得られた撮像画像の右半分と、を合成した結果得られる合成画像の一例を示している。
【図4】図2(a)に示すライティングにより得られた撮像画像の右半分と、図2(b)に示すライティングにより得られた撮像画像の左半分と、を合成した結果得られる合成画像の一例を示している。
【図5】図1の撮像装置1のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【図6】本実施形態の撮像装置1についての、ライティングモード撮像処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図7】第1実施形態のライティングモード撮像処理の手順を示す撮像シーケンスデータの構造の一例を示す図である。
【図8】撮像処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
【図9】モードスイッチ処理の詳細な流れの一例を説明するフローチャートである。
【図10】ライティングモード撮像処理の詳細な流れの一例を説明するフローチャートである。
【図11】第2実施形態に係る撮像装置1の外観の構成を示す図である。
【図12】第2実施形態におけるライティングモード撮像処理の手順を示す撮像シーケンスデータの構造の一例を示す図である。
【図13】第2実施形態に係る撮像処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
【図14】第2実施形態に係るライト選択処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
【図15】第2実施形態に係るモードスイッチ処理の詳細な流れの一例を説明するフローチャートである。
【図16】第2実施形態に係るライティングモード撮像処理の詳細な流れの一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について図面を適宜参照しつつ説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る撮像装置1の外観を示す図である。
撮像装置1は、図1に示すように、フレーム11と、表示部21と、撮像部22と、を備える。
【0011】
フレーム11は、固定フレーム11Aと、回動フレーム11Bとを備える。
固定フレーム11Aは、表示部21の中央の上部以外の周囲を覆うように構成され、中央の上部に配置される回動フレーム11Bと連結する。
【0012】
回動フレーム11Bは、表示部21の中央の上部に配置され、固定フレーム11Aと回動可能に連結される。回動フレーム11Bには、撮像開口部11Baが設けられる。本実施形態において、回動フレーム11Bは、撮像装置1の正面(表示部21の表示面が存在する面)から背面にかけて回動可能に構成される。
【0013】
撮像部22は、回動フレーム11B内に格納されており、撮像開口部11Baから被写体(例えば後述する図2の人物の顔100)を撮像可能に構成される。なお、撮像部22の詳細は後述する。
【0014】
表示部21は、例えばLCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)等で構成される。
表示部21は、各画素を発光することにより画像を表示する。この場合の各画素の明るさ(輝度)は可変可能であるため、本実施形態では、一定以上の明るさで発光する画素の集合体(以下、画素の集合体を「エリア」と適宜呼ぶ)は、表示部21の表示面を見るユーザ(後述する顔100を有するユーザ等)を照射する照明として機能する。
具体的には、図1(a)に示すように、ユーザ(後述する顔100を有するユーザ等)が表示部21の表示面をみる場合において、照明として機能するエリアとして、表示部21の左端部にはエリアAが設けられており、表示部21の右端部にはエリアBが設けられている。なお、表示部21の詳細は後述する。
【0015】
次に、上述した外観構成を有する撮像装置1によるライティングを図2乃至図4を参照して説明する。
【0016】
図2は、本発明に係るライティングを説明するための模式図である。
図2(a)は、エリアAが発光状態であり、エリアBが非発光状態であるライティングの場合における、被写体である人物の顔100の様子を表わしている。
図2(b)は、エリアAが非発光状態であり、エリアBが発光状態であるライティングの場合における、被写体である人物の顔100の様子を表わしている。
図2(a),(b)の(平面)と表記された図(以下、「平面図」と呼ぶ)は、上方から人物をみた場合の顔100の様子を表わしている。
図2(a),(b)の(正面)と表記された図(以下、「正面図」と呼ぶ)は、撮像部18から人物をみた場合の顔100の様子を表わしている。即ち、顔100は、正面図に示された状態で撮像画像に写り込むことになる。
図2(a),(b)の(切り出し)と表記された図(以下、「切り出し図」と呼ぶ)は、正面図の状態の顔100の左又は右反面を切り出した状態を表わしている。なお、当然ながら、実空間上の人物の顔100は切り出すことができないため、後述する画像処理によって、撮像画像から切り出された画像の様子が、切り出し図に示されていることになる。
【0017】
図2(a)に示すように、エリアAが発光状態で、エリアBが非発光状態であるライティングの場合、同図の平面図に示すように、エリアAからの光は、撮像部18からみて、人物の顔100の左側に照射されるがその右側には照射されない。このため、撮像部18からみて、人物の顔100の右側には影SAが生ずる。
このため、撮像部22が、図2(a)の状態のライティングで人物の顔100を撮像すると、同図の平面図に示すような撮像画像、即ち左側に影SAがある顔100が写った撮像画像のデータを生成することになる。
【0018】
一方、図2(b)に示すように、エリアAが非発光状態で、エリアBが発光状態であるライティングの場合、同図の平面図に示すように、エリアBからの光は、撮像部18からみて、人物の顔100の右側に照射されるがその左側には照射されない。このため、撮像部18からみて、人物の顔100の右側には影SBが生ずる。
このため、撮像部22が、図2(b)の状態のライティングで人物の顔100を撮像すると、同図の平面図に示すような撮像画像、即ち右側に影SAがある顔100が写った撮像画像のデータを生成することになる。
【0019】
この場合、撮像装置1は、図2(a)の状態のライティングにより得られた撮像画像のデータから、影SAがある顔100の左反面を含む画像のデータ(同図の切り出し図参照)を切り出すことができる。同様に、撮像装置1は、図2(b)の状態のライティングにより得られた撮像画像のデータから、影SBがある顔100の右反面を含む画像のデータ(同図の切り出し図参照)を切り出すことができる。そして、撮像装置1は、このようにして切り出した2つのデータを合成することによって、図3に示すような合成画像のデータを生成することができる。
【0020】
図3は、図2(a)に示すライティングにより得られた撮像画像の左半分と、図2(b)に示すライティングにより得られた撮像画像の右半分と、を合成した結果得られる合成画像の一例を示している。
このように、本実施形態の撮像装置1は、図3に示すように、被写体の人物の顔100両側の輪郭部分に影SA,SBができている画像(合成画像)のデータを生成することができる。
【0021】
ここで、図3に示すような画像を鑑賞する鑑賞者は、顔100を実物よりも小さいと視認することになる。顔100の大きさ自体は変わらないものの、両側の輪郭部分が影SA,SBにより暗くなっているので、人間の目の錯覚により、両側の輪郭部分に影SA,SBが存在しない場合と比較して小さく認識されるからである。
このように、本実施形態の撮像装置1は、いわゆる小顔に見える画像のデータを生成することができる。
また、このような合成画像においては、鼻の影がはっきりと写り、鼻の稜線が明るく、鼻の根元が暗くなるため、鼻が鋭くかつ高く見え、近年の美顔と称される陰影をつけることができるという効果も奏することが可能になる。
【0022】
換言すると、このように顔100が小顔に見える画像とは、顔100の両側の輪郭部分に影SA,SBを生じさせるためのライティングがなされた状態の画像である。
このようなライティングは、本実施形態の撮像装置1により容易に実現可能になったものであり、[背景技術]の欄で上述した従来の技術を適用しても実現が非常に困難である。従来の技術では、被写体の片側に対して光を照射するだけであり、その結果、被写体(本例では顔100)の逆側に影を作ることができるものの、当該被写体の両側に影を作ることができないからである。
【0023】
さらに、本実施形態の撮像装置1は、図4に示すように、影がない顔100を含む画像(合成画像)のデータを生成することができる。
【0024】
図4は、図2(a)に示すライティングにより得られた撮像画像の右半分と、図2(b)に示すライティングにより得られた撮像画像の左半分と、を合成した結果得られる合成画像の一例を示している。
【0025】
ここで、図2(a)に示すライティングにより得られた撮像画像の右半分には、エリア21Aという一方向からの照明で撮影された顔100の右半面(撮像部22からみて)が含まれている点に注目すべきである。
同様に、図2(b)に示すライティングにより得られた撮像画像の左半分には、エリア21Bという一方向からの照明で撮影された顔100の左半面(撮像部22からみて)が含まれている点に注目すべきである。
即ち、これらの顔100の右半面と左反面とが合成されると、不要な照明による光が重なって色味の変化が生じてしまうという従来の問題を発生させることなく、影がない顔100を含む画像が得られる点に注目すべきである。
【0026】
ここで、不要な照明による光が重なって色味の変化が生じてしまうという従来の問題とは、次のような問題をいう。
即ち、[背景技術]の欄で上述した従来の技術でも、複数方向から被写体を照明することで、被写体に影のない状態を作り出すこと自体は可能である。
しかし、この場合、被写体の少なくとも一部分では、複数方向のうちの少なくとも2方向からの照明により光が重なってしまう場合がある。この場合、光が重なってしまった部分について着目すると、当該部分に対して直接照射する方向からの照明以外は、本来不要な照明である。このような不要な照明により光が重なってしまった部分では、光が重なっていない他の部分との間に色味の差が生じてしまう。
このような色味の差を抑制しようとして、当該部分に対して直接照射する方向からの照明の光を強くすると、当該部分は実際の色見とは異なるものとなってしまう。
また、被写体の全ての部分で光が重ならないように照明を配置することは実質上不可能である。
このような問題が、不要な照明による光が重なって色味の変化が生じてしまうという従来の問題である。
【0027】
以上まとめると、本実施形態の撮像装置1は、このような従来の問題を生じさせないライティングを容易に行うことができる。
これにより、図4に示すように、色味の変化が少なく、被写体の人物の顔100の表面の凹凸(即ち皺等)を強調することがない画像を得ることが可能になる。
【0028】
以上説明したように、本実施形態の撮像装置1は、上述したようなライティングを伴う撮像動作を複数回行い、各々の結果得られる複数の撮像画像のデータのうち、相異なる一部分通しを合成することによって、合成画像のデータを生成することができる。このような撮像装置1による一連の処理を、以下、「ライティングモード撮像処理」と呼ぶ。
【0029】
次に、このようなライティングモード撮像処理を実行可能な撮像装置1の内部構成について説明する。
具体的には、まず、図1の撮像装置1のハードウェアの構成について説明する。
図5は、図1の撮像装置1のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【0030】
撮像装置1は、上述した表示部21及び撮像部22に加えてさらに、CPU(Central Processing Unit)31と、ROM(Read Only Memory)32と、RAM(Random Access Memory)33と、画像処理部34と、バス35と、入出力インターフェース36と、操作部37と、記憶部38と、通信部39と、ドライブ40と、を備えている。
【0031】
CPU31は、ROM32に記録されているプログラム、又は、記憶部38からRAM33にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM33には、CPU31が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0032】
画像処理部34は、DSP(Digital Signal Processor)や、VRAM(Video Random Access Memory)等から構成されており、CPU31と協働して、画像のデータに対して各種画像処理を施す。
例えば、画像処理部34は、撮像部22から出力される撮像画像のデータに対して、ノイズ低減、ホワイトバランス、手ぶれ補正等の画像処理を施す。
【0033】
CPU31、ROM32、RAM33、画像処理部34は、バス35を介して相互に接続されている。このバス35にはまた、入出力インターフェース36も接続されている。入出力インターフェース36には、上述した表示部21及び撮像部22の他、操作部37、記憶部38、通信部39及びドライブ40が接続されている。
【0034】
表示部21は、上述したようにLCDで構成され、記憶部38やリムーバブルメディア41にデータとして記憶されている各種画像を表示する他、上述したようにエリア21Aやエリア21B(図1)を一定の明るさ(輝度)以上で発光することにより照明としても機能する。
【0035】
撮像部22は、図示はしないが、光学レンズ部と、イメージセンサと、を備えている。
【0036】
光学レンズ部は、被写体を撮影するために、光を集光するレンズ、例えばフォーカスレンズやズームレンズ等で構成される。
フォーカスレンズは、イメージセンサの受光面に被写体像を結像させるレンズである。ズームレンズは、焦点距離を一定の範囲で自在に変化させるレンズである。
光学レンズ部にはまた、必要に応じて、焦点、露出、ホワイトバランス等の設定パラメータを調整する周辺回路が設けられる。
【0037】
イメージセンサは、光電変換素子や、AFE(Analog Front End)等から構成される。
光電変換素子は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型の光電変換素子等から構成される。光電変換素子には、光学レンズ部から被写体像が入射される。そこで、光電変換素子は、被写体像を光電変換(撮像)して画像信号を一定時間蓄積し、蓄積した画像信号をアナログ信号としてAFEに順次供給する。
AFEは、このアナログの画像信号に対して、A/D(Analog/Digital)変換処理等の各種信号処理を実行する。各種信号処理によって、デジタル信号が生成され、撮像部22の出力信号として出力される。
この撮像部22の出力信号が、上述した「撮像画像のデータ」であるものとする。従って、撮像部22からは撮像画像のデータが出力されて、CPU31や画像処理部34や記憶部38等に適宜供給される。
【0038】
操作部37は、各種ボタンやスイッチ等で構成され、ユーザの指示操作を受け付ける。操作部37、シャッターボタン(図示しせず)や後述するモードスイッチ(図示しせず)により構成される。
【0039】
記憶部38は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、画像処理部34等から出力された画像のデータを記憶する。また、記憶部38は、画像処理部34等の処理に必要な各種データも記憶する。なお、記憶部38に記憶されるデータの詳細については後述する。
【0040】
通信部39は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置(図示せず)との間で行う通信を制御する。
【0041】
ドライブ40には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア41が適宜装着される。ドライブ40によってリムーバブルメディア41から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部38にインストールされる。また、リムーバブルメディア41は、記憶部38に記憶されている画像のデータ等の各種データも、記憶部38と同様に記憶することができる。例えば、リムーバブルメディア41には、本実施形態においては、合成画像等のデータが記憶される。
【0042】
以上、図5を参照して、本実施形態の撮像装置1のハードウェアの構成について説明した。
次に、このようなハードウェア構成の撮像装置1が有する機能のうち、ライティングモード撮像処理の実行機能を実現するための機能的構成について、図6を参照しながら説明する。
図6は、本実施形態の撮像装置1についての、ライティングモード撮像処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
【0043】
ライティングモード撮像処理が実行される場合には、CPU31において、主制御部51と、記憶制御部52と、が機能する。
【0044】
主制御部51は、CPU31内の記憶制御部52や、CPU31の外部のデバイス、例えば、表示部21、撮像部22、画像処理部34等を適宜制御することで、ライティングモード撮像処理を実行する。
【0045】
例えば、主制御部51は、表示部21の表示領域のうち、上述したエリア21Aやエリア21Bを構成する各画素の明るさ(輝度)を一定以上にする制御することで、エリア21やエリア21Bを照明として機能させる。
なお、このようにエリア21Aやエリア21Bの各画素の明るさ(輝度)を、照明として機能するレベル(輝度値)以上にすることを、以下、「エリア21A点灯する」と表現する。一方、エリア21Aやエリア21Bの各画素の明るさ(輝度)を、照明として機能しないレベル(輝度値)以下にすることを、「消灯する」と表現する。
即ち、主制御部51は、表示部21のエリアとエリア22との各々の点灯と消灯とを独立して制御することによって、上述の図2(a)や図2(b)に示すライティング等、各種ライティングを実現する。
【0046】
また例えば、主制御部51は、上述の図2(a)や図2(b)に示すライティング等、各種ライティングを実現した状態で、撮像部22に被写体を撮像させる制御を実行する。
具体的には例えば、まず、主制御部51は、1回目の撮像として、上述の図2(a)に示すライティングの状態で撮像部22が顔100を撮像するように制御する。これにより、図2(a)の正面図に示すような撮像画像、即ち左側に影SAが生じた顔100を含む撮像画像のデータが、撮像部22から出力されて画像処理部34に供給される。
次に、主制御部51は、2回目の撮像として、上述の図2(b)に示すライティングの状態で撮像部22が顔100を撮像するように制御する。これにより、図2(b)の正面図に示すように右側に影SBが生じた顔100を含む撮像画像のデータが、撮像部22から出力されて画像処理部34に供給される。
詳細については、画像処理部34の機能的構成を説明する際に後述するが、画像処理部34において、1回目及び2回目の各撮像画像のデータから、図4に示す合成画像、即ち、左側に影SAが生じると共に右側に影SBが生じた顔100の合成画像のデータが生成され、CPU31の記憶制御部52に供給される。
【0047】
記憶制御部52は、主制御部51の制御に基づいて、後述する画像処理部34から供給される合成画像(図3や図4参照)のデータ等をリムーバブルメディア41に記憶させる制御を実行する。
なお、記憶制御部52の制御によるデータの記憶先は、本実施形態ではリムーバブルメディア41とされているが特にこれに限定されず、その他、記憶部38や、通信部39を介して接続される他の装置内であってもよい。
【0048】
以上説明した主制御部51及び記憶制御部52は、本実施形態では、CPU31と、当該CPU31により実行されるプログラムとの組み合わせ、即ち、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにより構成されている。しかしながら、これは例示にすぎず、主制御部51や記憶制御部52の機能の少なくとも一部を、CPU31以外の他の構成要素(画像処理部14等)に移譲させることも当然可能である。
【0049】
次に、画像処理部34の機能的構成について説明する。
ライティングモード撮像処理が実行される場合には、画像処理部34においては、画像切出部61と、画像合成部62と、が機能する。
なお、画像切出部61及び画像合成部62が、画像処理部34に設けられていることは例示にすぎず、画像切出部61及び画像合成部62の少なくとも一部を、画像処理部34以外の他の構成要素(CPU31等)に移譲させることも当然可能である。
【0050】
画像切出部61は、主制御部51の制御に基づいて、撮像部22から供給された撮像画像のデータから、当該撮像画像の一部の領域のデータを部分的に切り出す。以下、画像切出部61により切り出される画像のデータを「切り出し画像のデータ」と呼ぶ。
具体的には、画像切出部61は、撮像画像のデータから、ライティングの状態に対応した領域のデータを、切り出し画像のデータとして生成する。
より具体的には例えば、上述の例の撮像部22の1回目の撮像では、上述の図2(a)に示すライティングの状態であったため、図2(a)の正面図に示すような撮像画像、即ち左側に影SAが生じた顔100を含む撮像画像のデータが画像切出部61に供給される。そこで、画像切出部61は、このようなライティングの状態に対応した領域、即ち、影SAが生じた顔100の左半面を含む領域(図2(a)の切り出し図に示す領域)のデータを、1回目の切り出し画像のデータとして生成する。
また例えば、上述の例の撮像部22の2回目の撮像では、上述の図2(b)に示すライティングの状態であったため、図2(b)の正面図に示すような撮像画像、即ち右側に影SBが生じた顔100を含む撮像画像のデータが画像切出部61に供給される。そこで、画像切出部61は、このようなライティングの状態に対応した領域、即ち、影SBが生じた顔100の右半面を含む領域(図2(b)の切り出し図に示す領域)のデータを、2回目の切り出し画像のデータとして生成する。
【0051】
画像合成部62は、主制御部51の制御に基づいて、画像切出部61により生成された2以上の切り出し画像のデータを合成することによって、合成画像のデータを生成する。
具体的には例えば、上述の例では、撮像部22の2回の撮像の後、画像切出部61により、影SAが生じた顔100の左半面を含む切り出し画像(図2(a)の切り出し図参照)と、影SBが生じた顔100の右半面を含む切り出し画像(図2(b)の切り出し図参照)と、の各データが生成されて、画像合成部62に供給されている。
この場合、画像合成部62は、これら2枚の切り出し画像のデータを合成することによって、図4に示す合成画像、即ち、左側に影SAが生じると共に右側に影SBが生じた顔100の合成画像のデータを生成し、CPU31の記憶制御部52に供給する。
すると、上述したように、記憶制御部52の制御により、当該合成画像のデータはリムーバブルメディア41等に記憶される。
【0052】
以上、図6を参照して、ライティングモード撮像処理の実行機能を実現するための撮像装置1の機能的構成について説明した。
【0053】
ここで、記憶部38には、図7に示すように、撮像シーケンスデータが記憶されている。
撮像シーケンスデータとは、ライティングモード撮像処理の手順が設定されたデータである。CPU31の主制御部51は、この撮像シーケンスデータに従って、ライティングモード撮像処理を実行する。
図7は、第1実施形態のライティングモード撮像処理の手順を示す撮像シーケンスデータの構造の一例を示す図である。
【0054】
本実施形態において、図7の撮像シーケンスデータは行列構造を有しているため、以下、図7中横方向の項目の集合体を「行」と称し、同図中縦方向の項目の集合体を「列」と呼ぶ。所定の行には、所定の手順が対応付けられている。即ち、所定の行には、当該行に対応する手順を特定するために、「順番」及び「撮像シーケンス」という項目がそれぞれ配置されている。
上から第k行目(kは、1乃至手順の総数の範囲内の整数値であって、図7の例では1乃至6の範囲内の整数値。ただし、図7の項目名が記載された一番上の行は除外する)の「順番」には、ライティングモード撮像処理における処理順番として、kが格納される。
上から第k行目の「撮像シーケンス」には、ライティングモード撮像処理におけるk番目に実行すべき処理の内容が格納される。
即ち、ライティングモード撮像処理は、各行の「撮像シーケンス」に記載された内容の各処理が上から順に順次実行されていくことで実現される。
なお、図7の例の撮像シーケンスに従って作成されるフローチャートが、本実施形態におけるライティングモード撮像処理であり、図10に示されている。そこで、撮像シーケンスの各行の「撮像シーケンス」に記載された内容の各処理の説明については、図10の説明として後述する。
【0055】
なお、撮像シーケンスデータは、記憶部38に記憶されていることは例示にすぎず、その他、例えばリムーバブルメディア41等に記憶されていてもよい。
また、撮像シーケンスデータは、ユーザが任意に設定可能なデータである。即ち、ユーザは、操作部37を操作して、所望の各種処理を所望の順番で組み合わせた撮像シーケンスデータを登録することができる。換言すると、撮像シーケンスデータの図7の内容は例示に過ぎない。
【0056】
以上、ライティングモード撮像処理を実現することができる撮像装置1の機能的構成について説明した。
次に、図8乃至図10を参照して、図6の機能的構成を有する撮像装置1が実行する撮像処理の流れについて説明する。
ここでいう撮像処理とは、表示部21によるライティングを伴うライティングモード撮像処理と、表示部21によるライティングを伴わない撮像処理とのうち、ユーザにより選択された処理が実行されるまでの一連の処理をいう。
即ち、本実施形態においては、撮像装置1の撮像時の動作モードとして、「ライティングモード」及び「ノーマルモード」の2つのモードが設けられている。ユーザは、操作部37に対して所定の操作をすることで、これらの2つのモードの中から所望のモードを選択することができる。
【0057】
図8は、このような撮像処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
撮像処理は、例えば、撮像装置1の電源が投入されて、ユーザによる操作部37に対しする所定の操作がなされて、撮像の動作の開始が指示されたことを契機として開始する。
【0058】
ステップS1において、図6の主制御部51は、撮像装置1についての各種初期設定を行うためのイニシャライズ処理を実行する。
【0059】
ステップS2において、主制御部51は、モードスイッチ処理を実行する。
モードスイッチ処理とは、複数のモードの中から、1のモードを選択的に切り替えて設定する処理である。
本実施形態において、上述したように、撮像時の動作モードとして、デフォルトで設定されているノーマルモードと、ライティングモードとの2つのモードが選択的に設定可能とされている。
なお、モードスイッチ処理の詳細については、図9のフローチャートを参照して後述する。
【0060】
ステップS3において、主制御部51は、SHTFは1であるか否かを判定する。
SHTFとは、スイッチフラグの略語である。スイッチフラグとは、撮像画像の記録指示がなされている場合には「1」が設定され、なされていない場合には「0」が設定されるフラグである。
SHTFが「0」の場合、ステップS3においてNOであると判定されて、処理はステップS7に進む。ただし、ステップS7以降の処理は後述する。
これに対して、SHTFが「1」の場合、ステップS3においてYESであると判定されて、処理はステップS4に進む。
【0061】
ステップS4において、主制御部51は、撮像時の動作モードとしてライティングモードが設定されているか否かを判定する。
【0062】
ライティングモードが設定されている場合には、ステップS4においてYESであると判定されて、処理はステップS5に進む。
ステップS5において、撮像装置1は、ライティングモード撮像処理を実行する。
本実施形態では、ライティングモード撮像処理は、上述の図7に示す撮像シーケンスに従って実行される。
なお、ライティングモード撮像処理の詳細については、図10を参照して後述する。
【0063】
このようなライティングモードではなく、ノーマルモードが設定されている場合には、ステップS4においてNOであると判定されて、処理はステップS6に進む。
ステップS6において、撮像装置1は、ノーマルモード撮像処理を実行する。
ノーマル撮像処理とは、表示部21を照明機能として働かせていない状態で、撮像部22が通常の撮像動作を行い、その結果得られる撮像画像のデータを保存するまでの一連の処理をいう。
なお、本実施形態のノーマル撮像処理は、撮像画像のデータが保存された後、SHTF(スイッチフラグ)が「1」から「0」に変更されて終了する。
【0064】
このようにして、SHTFが1であるとしてステップS3の処理でYESであると判定された場合には、ライティングモードが設定されているとき(ステップS4の処理でYESであると判定されたとき)にはステップS5のライティングモード撮像処理が実行され、また、ノーマルモードが設定されているとき(ステップS4の処理でNOであると判定されたとき)にはステップS6のノーマルモード撮像処理が実行される。これらの撮像処理が終了すると、処理はステップS7に進む。
また、SHTFが0であるとしてステップS3の処理でNOであると判定された場合には、ステップS5のライティングモード撮像処理やステップS6のノーマルモード撮像処理は実行されずに、処理はステップS7に進む。
【0065】
ステップS7において、主制御部51は、処理の終了が指示されたか否かを判定する。
処理の終了の指示は、特に限定されない。例えば本実施形態では、別の動作モードに切り替える指示、例えば撮像装置1はデジタルフォトフレームで構成されているので画像の表示指示が、処理の終了の指示の1つとして採用されている。また例えば本実施形態では、撮像装置1の電源を切る指示も、処理の終了の指示の1つとして採用されている。
このような処理の終了の指示がなされていない場合、ステップS7においてNOであると判定されて、処理はステップS2に戻される。即ち、処理の終了の指示がなされるまでの間、ステップS2乃至S7のループ処理が繰り返し実行されて、その都度、SHTFが1である場合にはライティングモード撮像処理又はノーマルモード撮像処理が実行される。
その後、処理の終了の指示がなされた場合、ステップS7においてYESであると判定されて、撮像処理は終了になる。
【0066】
以上、図8を参照して、図6の機能的構成を有する撮像装置1が実行する撮像処理の流れについて説明した。次に、上述した撮像処理のうち、ステップS2のモードスイッチ処理の詳細な流れについて、図9を参照しながら説明する。
図9は、モードスイッチ処理の詳細な流れの一例を説明するフローチャートである。
【0067】
撮像処理においては、上述したように、ステップS1の処理でイニシャライズ処理が実行されると、処理はステップS2に進み、モードスイッチ処理として、次のようなステップS21乃至ステップS24の一連の処理が実行される。
【0068】
ステップS21において、図6の主制御部51は、モードスイッチがON状態であるか否かを判定する。
モードスイッチとは、操作部37を構成する各種ボタンや各種スイッチのうち、撮像装置1の撮像の動作のモードを切り替える場合にユーザにより押下されるスイッチであり、図示はしないが、フレーム11(図1)に設けられている。なお、本実施形態では、モードスイッチは、物理スイッチとして構成されているが、特にこれに限られず、GUI(Graphical User Interface)用の画像に表示されるソフトウェアスイッチとして構成されてもよい。
【0069】
モードスイッチがON状態の場合、ステップS21においてYESであると判定されて、処理はステップS22に進む。
ステップS22において、主制御部51は、モード反転を実行する。
モード反転とは、撮像装置1の撮像の動作のモードを、ノーマルモードとライティングモードとのうち、これまで設定されていた一方から、他方に設定を切り替える処理をいう。
【0070】
モード反転が実行されると、処理はステップS23に進む。なお、モードスイッチがOFF状態の場合、モード反転が不要であるので、ステップS21においてNOであると判定されて、ステップS22の処理は実行されずに、処理はステップS23に進む。
【0071】
ステップS23において、主制御部51は、シャッターボタンがON状態であるか否かを判定する。
シャッターボタンとは、操作部37を構成する各種ボタンや各種スイッチのうち、被写体を撮像してその結果得られる撮像画像のデータを保存する指示をする場合にユーザにより押下されるスイッチであり、図示はしないが、フレーム11(図1)に設けられている。なお、本実施形態では、シャッターボタンは、物理スイッチとして構成されているが、特にこれに限られず、GUI用の画像に表示されるソフトウェアスイッチとして構成されてもよい。
【0072】
シャッターボタンがOFF状態である場合(シャッターボタンが押下されていない場合)、ステップS23においてNOであると判定されて、モードスイッチ処理は終了する。即ち図8のステップS2の処理が終了して、処理はステップS3に進む。この場合、SHTFは「0」に設定されたままであるので、ステップS3の処理でNOであると判定されて、ステップS5のライティングモード撮像処理やステップS6のノーマルモード撮像処理は実行されないことになる。
【0073】
これに対して、シャッターボタンがON状態である場合(シャッターボタンが押下された場合)、ステップS23においてYESであると判定されて、処理はステップS24に進む。
ステップS24において、主制御部51は、SHTFを「0」から「1」に設定する(SHIFT←1)。
これにより、モードスイッチ処理は終了する。即ち図8のステップS2の処理が終了して、処理はステップS3に進む。この場合、SHTFは「1」に設定されているので、ステップS3の処理でYESであると判定されて、ステップS5のライティングモード撮像処理又はステップS6のノーマルモード撮像処理が実行されることになる。
【0074】
以上、図8の撮像処理のうち、ステップS2のモードスイッチ処理について説明した。
次に、当該撮像処理のうち、ステップS5のライティングモード撮像処理の詳細な流れについて、図10を参照して説明する。
図10は、ライティングモード撮像処理の詳細な流れの一例を説明するフローチャートである。
【0075】
上述したように、ステップS2のモードスイッチ処理において、ライティングモードが設定され、かつ、シャッターボタンの押下に伴いSHTFが「1」に設定されると、ステップS3,S4の各処理でそれぞれYESであると判定される。これにより、ステップS5のライティングモード処理として、次のようなステップS41乃至ステップS49の一連の処理が実行される。
【0076】
ステップS41において、主制御部51は、表示部21のうち第1エリアのみ全点灯させる(第2エリアは消灯させる)。
例えば、第1エリアとして、表示部21をみるユーザ(被写体)からみて左側のエリア21Aが設定されているものとする。即ち図7の撮像シーケンスデータにおいてそのような設定がなされているものとする。
この場合、エリア21Aのみが全点灯し(エリア21Bが消灯し)、図2(a)のライティングの状態、即ち、被写体たるユーザの顔100の左側(ユーザからみて)が照射されるライティングの状態になる。
【0077】
ステップS42において、主制御部51は、ステップS41の処理の後第1エリアのみが全点灯した状態で撮像部22に被写体を撮像させ、その結果撮像部22から出力されてくる撮像画像のデータを、第1画像のデータとして画像切出部61に取り込ませる。
上述の例では、図2(a)のライティングの状態で撮像されるので、ユーザの顔100の左側(撮像画像をみる人からみて)に影SAが出た撮像画像のデータが、第1画像のデータとして画像切出部61に取り込まれる。
【0078】
ステップS43において、主制御部51は、表示部21のうち第2エリアのみ全点灯させる(第1エリアは消灯させる)。
例えば、第2エリアとして、表示部21をみるユーザ(被写体)からみて右側のエリア21Bが設定されているものとする。即ち、図7の撮像シーケンスデータにおいてそのような設定がなされているものとする。
この場合、エリア21Bのみが全点灯し(エリア21Aが消灯し)、図2(b)のライティングの状態、即ち、被写体たるユーザの顔100の右側(ユーザからみて)が照射されるライティングの状態になる。
【0079】
ステップS44において、主制御部51は、ステップS43の処理の後第2エリアのみが全点灯した状態で撮像部22に被写体を撮像させ、その結果撮像部22から出力されてくる撮像画像のデータを、第2画像のデータとして画像切出部61に取り込ませる。
上述の例では、図2(b)のライティングの状態で撮像されるので、ユーザの顔100の右側(撮像画像をみる人からみて)に影SBが出た撮像画像のデータが、第2画像のデータとして画像切出部61に取り込まれる。
【0080】
ステップS45において、画像切出部61は、第1画像のデータから、影がある側の半分のデータを、第1切り出し画像のデータとして生成する。
上述の例では、図2(a)の切り出し図に示すように、影SAがある側の左半分(撮像画像をみる人からみて)のデータが、第1切り出し画像のデータとして生成される。
【0081】
ステップS46において、画像切出部61は、第2画像のデータから、影がある側の半分のデータを、第2切り出し画像のデータとして生成する。
上述の例では、図2(b)の切り出し図に示すように、影SBがある側の右半分(撮像画像をみる人からみて)のデータが、第2切り出し画像のデータとして生成される。
【0082】
ステップS47において、画像合成部62は、第1切り出し画像及び第2切り出し画像の各データを合成することによって、合成画像のデータを生成する。
上述の例では、図3に示す画像、即ち、両頬に影SA,SBが出来ている顔100を含む画像のデータが、合成画像のデータとして生成される。
【0083】
ステップS48において、記憶制御部52は、ステップS47の処理で生成された合成画像のデータを、リムーバブルメディア41等に保存する。
【0084】
ステップS46において、主制御部51は、SHTFを「0」に設定する(SHTF←0)。
【0085】
これにより、ライティングモード撮像処理は終了する。即ち、図8のステップS5の処理は終了し、その後、処理はステップS7に進む。
【0086】
以上説明したように、本実施形態に係る撮像装置1は、表示部21と、撮像部22と、主制御部51と、画像切出部61と、画像合成部62と、を備えている。
表示部21は、各画素を発光することにより、画像を表示する。
撮像部22は、被写体を撮像することによって、撮像画像のデータを生成する。
主制御部51は、表示部21の各画素のうち、一部の領域を構成する各画素を発光させることにより、被写体の一部を照射させる照明として当該領域を機能させた状態で、撮像部22に被写体を撮像させる制御を実行する。
主制御部51の制御により、表示部21の複数の領域のそれぞれが順次照明として機能した各状態で、被写体が撮像部22により順次撮像された場合、画像切出部61は、次のように動作する。即ち、画像切出部61は、撮像部22により順次生成される複数の撮像画像のデータの各々について、一部分の領域のデータを切り出し画像のデータとしてそれぞれ生成する。
画像合成部62は、画像切出部61により生成された複数の切り出し画像のデータを合成することによって、合成画像のデータを生成する。
【0087】
ここで、主制御部51は、被写体の所望の部分に対して所望のライティングがなされるように、照明として機能する表示部21の領域を変更することが容易にできる。
このように照明として機能する表示部21の領域が変更される毎に、撮像部22が被写体を撮像し、その結果撮像部22により生成される複数の撮像画像のデータに基づいて、画像切出部61及び画像合成部62により生成される合成画像のデータは、所望の部分に対して所望のライティングがなされた状態の画像のデータになっている。
所望のライティングとは、被写体に対する光が照射される状態(影が生じたり生じない状態)として、ユーザ(撮影者であって、本実施形態では被写体と一致する)が所望の状態を作り出すことができるという意味である。
このように、ユーザは、本実施形態の撮像装置1を用いることで、所望の部分に対して所望のライティングがなされた状態の画像を得ることが容易にできる。
【0088】
具体的には例えば、主制御部51は、(被写体からみて)被写体の左側を照射して右側に影を生じさせるように表示部21のエリア21Aを照明として機能させた状態(図2(a)の状態)で、撮像部22に被写体を撮像させる第1制御を実行する。
主制御部51はまた、(被写体からみて)被写体の右側を照射して左側に影を生じさせるように表示部21のエリア21Bを照明として機能させた状態で、撮像部22に被写体を撮像させる第2制御を実行する。
【0089】
この場合、例えば、画像切出部61は、主制御部51の第1制御の結果として撮像部22により生成された撮像画像(第1画像)のデータから、被写体のうち、影が生じている側の略半分を含む画像(例えば図2(a)の切り出し図に示すような画像)のデータを、第1切り出し画像のデータとして生成する。
また、画像切出部61は、主制御部51の第2制御の結果として撮像部22により生成された撮像画像のデータから、被写体のうち、影が生じている側の略半分を含む画像(例えば図2(a)の切り出し図に示すような画像)のデータを、第2切り出し画像のデータとして生成する。
そして、画像合成部62は、第1切り出し画像及び第2切り出し画像の各データを合成することによって、合成画像のデータを生成する。
これにより、例えば被写体として顔100を含む人物が撮像された場合には、合成画像として、図3に示すような画像、即ち両頬に影SA,SBが存在する顔100を含む画像が得られる。このような画像をみた鑑賞者は、目の錯覚により、顔100を実際よりも小さく視認することになる。即ち、合成画像として小顔に見える画像が、このようにして容易に得られる。
【0090】
また例えば、画像切出部61は、主制御部51の第1制御の結果として撮像部22により生成された撮像画像(第1画像)のデータから、被写体のうち、影が生じていない側の略半分を含む画像(例えば図2(a)の切り出し図に示されていない方の画像)のデータを、第1切り出し画像のデータとして生成する。
また、画像切出部61は、主制御部51の第2制御の結果として撮像部22により生成された撮像画像のデータから、被写体のうち、影が生じていない側の略半分を含む画像(例えば図2(a)の切り出し図に示されていない方の画像)のデータを、第2切り出し画像のデータとして生成する。
そして、画像合成部62は、第1切り出し画像及び第2切り出し画像の各データを合成することによって、合成画像のデータを生成する。
これにより、例えば被写体として顔100を含む人物が撮像された場合には、合成画像として、図4に示すような画像、即ち不要な照明による光が重なって色味の変化が生じてしまうという従来の問題を発生させることなく、影がない顔100を含む画像が得られる。
【0091】
ここで、被写体を照明するために、表示部21の領域(エリア21Aやエリア21B)の代わりに、複数のフラッシュ装置や複数の照明機器を用いて、これらの発光タイミングを制御することによっても、上述のライティングモード撮像処理と等価な処理の実行が可能である。
ただし、複数のフラッシュ装置や複数の照明機器を採用するだけでも、撮像装置1全体が大掛かりになると共に、これらを用いたライティングの制御は複雑なものになる。
これに対して、本実施形態のように、撮像装置1として元々表示部21として備えられている液晶ディスプレイ等を照明用に使用することで、撮像装置1の小型化を図ることが可能になると共に、ライティングの制御についても、各画素の輝度を調整するといった撮像装置1として元々備えられている機能を利用するだけなので簡単かつ容易に実現することが可能になる。
【0092】
また、本実施形態の撮像装置1の記憶部38は、表示部21における照明として機能させる領域を複数回変化させて、照明として機能させる領域が変化する毎に、撮像部22に被写体を撮像させていく手順を示す撮像シーケンスデータを保持している。
主制御部51は、この撮像シーケンスデータに従って制御を実行する。
このような撮像シーケンスデータを用いることで、ライティングの制御を簡単かつ容易に実現できる。
さらに、ユーザは、撮像シーケンスデータを自身で設定することで、ライティングの所望のパターンを容易に反映させることができる。
【0093】
以上、本発明の第1実施形態に係る撮像装置1について説明した。
次に、本発明の第2実施形態に係る撮像装置1について説明する。
【0094】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る撮像装置1は、第1実施形態に係る撮像装置1と基本的に同様のハードウェア構成及び機能的構成を取ることができる。即ち、図5及び図6の各々はそのまま、第2実施形態に係る撮像装置1のハードウェア構成及び機能的構成の各々を示していることにもなる。そこで、第2実施形態に係る撮像装置1のハードウェア構成及び機能的構成については、その説明を省略する。
【0095】
図11は、第2実施形態に係る撮像装置1の外観の構成を示す図である。
図11(a)は、撮像装置1の正面図である。図11(b)は、被写体を撮像する場合の撮像装置1の斜視図である。図11(c)は、図11(b)の状態で撮像装置1に撮像される場合における被写体の正面図である。
【0096】
図1と図11とを比較すると容易にわかるが、第1実施形態では表示部21の両端部の2つのエリア21A,21B(図1)が照明として機能したが、第2実施形態では、表示部21の表示領域が2つの対角線によって区分された場合の4つのエリア22a乃至22dが照明として機能する。
これにより、第1実施形態の2つのエリア21A,21Bの点灯又は消灯の組み合わせで可能になるライティングのパターンと比較して、第2実施形態の4つのエリア21a乃至21dの点灯又は消灯の組み合わせで可能になるライティングのパターンは、より精密で、より高度で、より多数のパターンになる。
【0097】
その結果として、第1実施形態では1つのライティングモードのみが設けられていたのに対して、第2実施形態では、複数のライティングモードが選択可能に設けられている。
即ち、記憶部38に記憶される撮像シーケンスデータは、第2実施形態では、複数のライティングモード毎に選択可能となるように構成されている。
【0098】
図12は、第2実施形態のライティングモード撮像処理の手順を示す撮像シーケンスデータの構造の一例を示す図である。
図12(a)は、ライティングモード内の各モードを示す撮像シーケンスデータの構造の一例を示す図である。図12(b)は、選択されたモード内のライティングモード撮像処理の手順を示す撮像シーケンスデータの構造の一例を示す図である。
【0099】
本実施形態において、所定の行には、当該行に対応する手順を特定するために、図12(a)に示すように「ライトNo.」及び「名称」、図12(b)に示すようにという項目がそれぞれ配置されている。また図12(b)に示すように「順番」及び「撮像シーケンス」という項目がそれぞれ配置されている。
図12(a)に示すように、上から第k行目(kは、1乃至モードの総数の範囲内の整数値であって、図12(a)の例では1、2・・・の範囲内の整数値。)の「ライトNo.」には、ライティングモードのうちの各モード番号、kが格納される。また、「名称」には、モード番号に対応した、モードの名称が格納される。
また、図12(b)に示すように上から第k行目(kは、1乃至手順の総数の範囲内の整数値であって、図12(b)の例では1乃至6の範囲内の整数値。ただし、図12(b)の項目名が記載された一番上の行は除外する)の「順番」には、ライティングモード撮像処理における処理順番として、kが格納される。
上から第k行目の「撮像シーケンス」には、ライティングモード撮像処理におけるk番目に実行すべき処理の内容が格納される。
即ち、ライティングモード撮像処理は、各行の「撮像シーケンス」に記載された内容の各処理が上から順に順次実行されていくことで実現される。
なお、図12(b)の例の撮像シーケンスに従って作成されるフローチャートが、本実施形態におけるライティングモード撮像処理であり、図16に示されている。そこで、撮像シーケンスの各行の「撮像シーケンス」に記載された内容の各処理の説明については、図16に合わせたフローチャートの説明として後述する。
【0100】
なお、撮像シーケンスデータは、記憶部38に記憶されていることは例示にすぎず、その他、例えばリムーバブルメディア41等に記憶されていてもよい。
また、撮像シーケンスデータは、ユーザが任意に設定可能なデータである。即ち、ユーザは、操作部37を操作して、所望の各種処理を所望の順番で組み合わせた撮像シーケンスデータを登録することができる。換言すると、撮像シーケンスデータの図7の内容は例示に過ぎない。
【0101】
本実施形態において、選択可能なライティングモードのうち、「ライトNO.1」「名称:影ありモード」は、第1実施形態において説明したライティングモードに相当するモードであり、被写体の輪郭に影を作るモードである。本モードは、例えば、顔を小さく見せる画像を生成することに適するモードである。また、「ライトNO.2」「名称:影なしモード」は、被写体に影を作らないモードであり、例えば、宝石等において形状を際立たせる画像を生成することに適するモードである。
【0102】
次に、図13乃至図16を参照して、図6の機能的構成を有する撮像装置1が実行する撮像処理の流れについて説明する。
なお、以下、説明の便宜上、「ライトNO.2」「名称:影なしモード」で特定されるライティングモードが選択される場合の撮像処理を例として説明するが、他のライティングモードが選択された場合も撮像処理の流れは同様になる。
図12は、第2実施形態に係る撮像処理の流れの一例を説明するフローチャートである。以下、説明の便宜上、「ライトNO.2」「名称:影なしモード」で特定されるライティングモードが選択される場合の撮像処理を例として説明するが、他のライティングモードが選択された場合も撮像処理の流れは同様になる。
撮像処理は、例えば、撮像装置1の電源が投入されて、ユーザによる操作部37に対しする所定の操作がなされて、撮像の動作の開始が指示されたことを契機として開始する。
【0103】
ステップS101において、図6の主制御部51は、撮像装置1についての各種初期設定を行うためのイニシャライズ処理を実行する。
【0104】
ステップS102において、主制御部51は、モードスイッチ処理を実行する。
モードスイッチ処理とは、複数のモードの中から、1のモードを選択的に切り替えて設定する処理である。
本実施形態において、上述したように、撮像時の動作モードとして、デフォルトで設定されているノーマルモードと、ライティングモードとの2つのモードが選択的に設定可能とされている。
なお、モードスイッチ処理の詳細については、図14のフローチャートを参照して後述する。
【0105】
ステップS103において、主制御部51は、SHTFは1であるか否かを判定する。
SHTFとは、スイッチフラグの略語である。スイッチフラグとは、撮像画像の記録指示がなされている場合には「1」が設定され、なされていない場合には「0」が設定されるフラグである。
SHTFが「0」の場合、ステップS103においてNOであると判定されて、処理はステップS7に進む。ただし、ステップS107以降の処理は後述する。
これに対して、SHTFが「1」の場合、ステップS103においてYESであると判定されて、処理はステップS104に進む。
【0106】
ステップS104において、主制御部51は、撮像時の動作モードとしてプリセットモードが設定されているか否かを判定する。プリセットモードとは、予め設定されているモードである。
【0107】
プリセットモードが設定されている場合には、ステップS104においてYESであると判定されて、処理はステップS105に進む。
ステップS105において、撮像装置1は、ライティングモード撮像処理を実行する。
本実施形態では、ライティングモード撮像処理は、上述の図12示す撮像シーケンスに従って実行される。
なお、ライティングモード撮像処理の詳細については、図16を参照して後述する。
【0108】
このようなライティングモードではなく、ノーマルモードが設定されている場合には、ステップS104においてNOであると判定されて、処理はステップS106に進む。
ステップS106において、撮像装置1は、ノーマルモード撮像処理を実行する。
ノーマル撮像処理とは、表示部21を照明機能として働かせていない状態で、撮像部22が通常の撮像動作を行い、その結果得られる撮像画像のデータを保存するまでの一連の処理をいう。
なお、本実施形態のノーマル撮像処理は、撮像画像のデータが保存された後、SHTF(スイッチフラグ)が「1」から「0」に変更されて終了する。
【0109】
このようにして、SHTFが1であるとしてステップS103の処理でYESであると判定された場合には、ライティングモードが設定されているとき(ステップS104の処理でYESであると判定されたとき)にはステップS105のライティングモード撮像処理が実行され、また、ノーマルモードが設定されているとき(ステップS104の処理でNOであると判定されたとき)にはステップS106のノーマルモード撮像処理が実行される。これらの撮像処理が終了すると、処理はステップS107に進む。
また、SHTFが0であるとしてステップS103の処理でNOであると判定された場合には、ステップS105のライティングモード撮像処理やステップS106のノーマルモード撮像処理は実行されずに、処理はステップS107に進む。
【0110】
ステップS107において、主制御部51は、処理の終了が指示されたか否かを判定する。
処理の終了の指示は、特に限定されない。例えば本実施形態では、別の動作モードに切り替える指示、例えば撮像装置1はデジタルフォトフレームで構成されているので画像の表示指示が、処理の終了の指示の1つとして採用されている。また例えば本実施形態では、撮像装置1の電源を切る指示も、処理の終了の指示の1つとして採用されている。
このような処理の終了の指示がなされていない場合、ステップS107においてNOであると判定されて、処理はステップS102に戻される。即ち、処理の終了の指示がなされるまでの間、ステップS102乃至S107のループ処理が繰り返し実行されて、その都度、SHTFが1である場合にはライティングモード撮像処理又はノーマルモード撮像処理が実行される。
その後、処理の終了の指示がなされた場合、ステップS107においてYESであると判定されて、撮像処理は終了になる。
【0111】
以上、図13を参照して、図6の機能的構成を有する撮像装置1が実行する撮像処理の流れについて説明した。次に、上述した撮像処理のうち、ステップS102のモードスイッチ処理の詳細な流れについて、図14を参照しながら説明する。
図14は、第2実施形態に係るモードスイッチ処理の詳細な流れの一例を説明するフローチャートである。
【0112】
撮像処理においては、上述したように、ステップS1の処理でイニシャライズ処理が実行されると、処理はステップS102に進み、モードスイッチ処理として、次のようなステップS121乃至ステップS124の一連の処理が実行される。
【0113】
ステップS121において、図6の主制御部51は、モードスイッチがON状態であるか否かを判定する。
モードスイッチとは、操作部37を構成する各種ボタンや各種スイッチのうち、撮像装置1の撮像の動作のモードを切り替える場合にユーザにより押下されるスイッチであり、図示はしないが、フレーム11(図1)に設けられている。なお、本実施形態では、モードスイッチは、物理スイッチとして構成されているが、特にこれに限られず、GUI用の画像に表示されるソフトウェアスイッチとして構成されてもよい。
【0114】
モードスイッチがON状態の場合、ステップS121においてYESであると判定されて、処理はステップS122に進む。
ステップS122において、主制御部51は、モード反転を実行する。
モード反転とは、撮像装置1の撮像の動作のモードを、ノーマルモードとライティングモードとのうち、これまで設定されていた一方から、他方に設定を切り替える処理をいう。
【0115】
モード反転が実行されると、処理はステップS123に進む。なお、モードスイッチがOFF状態の場合、モード反転が不要であるので、ステップS121においてNOであると判定されて、ステップS122の処理は実行されずに、処理はステップS123に進む。
【0116】
ステップS123において、主制御部51は、セレクトスイッチがON状態であるか否かを判定する。
セレクトスイッチとは、操作部37を構成する各種ボタンや各種スイッチのうち、モードの選択を指示をする場合にユーザにより押下されるスイッチであり、図示はしないが、フレーム11(図1)に設けられている。なお、本実施形態では、セレクトスイッチは、物理スイッチとして構成されているが、特にこれに限られず、GUI用の画像に表示されるソフトウェアスイッチとして構成されてもよい。
【0117】
セレクトスイッチがOFF状態である場合(セレクトスイッチが押下されていない場合)、ステップS123においてNOであると判定されて、処理はステップS125に進む。
【0118】
これに対して、セレクトスイッチがON状態である場合(シャッターボタンが押下された場合)、ステップS123においてYESであると判定されて、処理はステップS124に進む。
【0119】
ステップS124において、主制御部51は、ライト選択処理が実行される。ライト選択処理とは、「ライトNo.」を選択する処理という。
【0120】
ライト選択処理が実行されると、処理はステップS125に進む。なお、セレクトスイッチがOFF状態の場合、ライト選択処理が不要であるので、ステップS123においてNOであると判定されて、ステップS124の処理は実行されずに、処理はステップS125に進む。
【0121】
ステップS125において、主制御部51は、シャッターボタンがON状態であるか否かを判定する。
【0122】
シャッターボタンがOFF状態である場合(シャッターボタンが押下されていない場合)、ステップS125においてNOであると判定されて、モードスイッチ処理は終了する。即ち図13のステップS102の処理が終了して、処理はステップS103に進む。この場合、SHTFは「0」に設定されたままであるので、ステップS103の処理でNOであると判定されて、ステップS105のライティングモード撮像処理やステップS106のノーマルモード撮像処理は実行されないことになる。
【0123】
これに対して、シャッターボタンがON状態である場合(シャッターボタンが押下された場合)、ステップS125においてYESであると判定されて、処理はステップS126に進む。
ステップS126において、主制御部51は、SHTFを「0」から「1」に設定する(SHIFT←1)。
これにより、モードスイッチ処理は終了する。即ち図13のステップS102の処理が終了して、処理はステップS103に進む。この場合、SHTFは「1」に設定されているので、ステップS103の処理でYESであると判定されて、ステップS105のライティングモード撮像処理又はステップS106のノーマルモード撮像処理が実行されることになる。
【0124】
以上、図14を参照して、モードスイッチ処理の詳細な流れについて説明した。次に、上述したモードスイッチ処理のうち、ステップS124のライト選択処理の詳細な流れについて、図15を参照しながら説明する。
図15は、第2実施形態に係るライト選択処理の詳細な流れの一例を説明するフローチャートである。
【0125】
ステップS1241において、主制御部51は、「ライトNO.」が選択されたか否かを判定する。
「ライトNO.」が選択された場合には、ステップS1241においてはYESであると判定され、処理はステップS1242に進む。「ライトNO.」が選択されてない場合には、ステップS1241においてはNOであると判定されて、処理はステップS1244に進む。
【0126】
ステップS1242において、主制御部51は、ライティングのセッティングを読み出す。具体的には、主制御部51は、記憶部38よりステップS1241においてセレクトされた「ライトNO.」の撮像シーケンスのデータを参照する。本実施形態においては、図12(b)に示す「ライトNO.2」の撮像シーケンスのデータが参照される。
【0127】
ステップS1243において、主制御部51は、バックライトを点灯する。具体的には、主制御部51は、ステップS1242において参照した図12(b)の「ライトNO.2」の撮像シーケンスに合わせて、表示部21を発光させる。このように、表示部21が撮像シーケンスの順番に発光することによりセレクトされたライティングモードの動作をユーザに、報知する。
【0128】
ステップS1244において、主制御部51は、OKスイッチがONされたか否かを判定する。具体的には、主制御部51は、OKスイッチ(図示せず)が操作されたか否かを判定する。OKスイッチが操作された場合には、ステップS1244においてはYESと判定されて、処理は図14のステップS125に進む。OKスイッチが操作されない場合には、ステップS1244においてはNOと判定されて、処理はステップS1241に戻り、その後の処理が繰り返される。
【0129】
以上、図13の撮像処理のうち、ステップS2のモードスイッチ処理のうちにステップS124のライト選択処理の詳細な流れについて説明した。
次に、当該撮像処理のうち、ステップS105のライティングモード撮像処理の詳細な流れについて、図16を参照して説明する。
図16は、第2実施形態に係るライティングモード撮像処理の詳細な流れの一例を説明するフローチャートである。
【0130】
上述したように、ステップS102のモードスイッチ処理において、ライティングモードが設定され、かつ、シャッターボタンの押下に伴いSHTFが「1」に設定されると、ステップS103,S104の各処理でそれぞれYESであると判定される。これにより、ステップS105のライティングモード撮像処理として、次のようなステップS141乃至ステップS144の一連の処理が実行される。
【0131】
ステップS141において、撮像装置1の各部は、撮像シーケンスに従って、各画像のデータの取り込みを実行する。各画像のデータの取り込みとは、所定のライティングの状態下で撮像された撮像画像のデータを画像切出部61に取り込む処理である。
【0132】
具体的には、主制御部51は、表示部21のうち第1エリアのみ全点灯させる(第2乃至第4エリアは消灯させる)。
例えば、第1エリアとして、表示部21をみるユーザ(被写体)からみて左側のエリア22aが設定されているものとする。即ち図12(b)の撮像シーケンスデータにおいてそのような設定がなされているものとする。
この場合、エリア22aのみが全点灯し(エリア22b乃至エリア22dが消灯し)、図11(c)のaのライティングの状態、即ち、被写体たるユーザの顔100の左側(ユーザからみて)が照射されるライティングの状態になる。
【0133】
次に、主制御部51は、第1エリアのみが全点灯した状態で撮像部22に被写体を撮像させ、その結果撮像部22から出力されてくる撮像画像のデータを、第1画像のデータとして画像切出部61に取り込ませる。
上述の例では、図11(c)のaのライティングの状態で撮像されるので、ユーザの顔100の右側(撮像画像をみる人からみて)に影がない撮像画像のデータが、第1画像のデータとして画像切出部61に取り込まれる。
【0134】
次に、主制御部51は、表示部21のうち第2エリアのみ全点灯させる(第1,第3及び第4エリアは消灯させる)。
例えば、第2エリアとして、表示部21をみるユーザ(被写体)からみて左側のエリア22bが設定されているものとする。即ち図12の撮像シーケンスデータにおいてそのような設定がなされているものとする。
この場合、エリア22bのみが全点灯し(エリア22a,エリア22c乃至エリア22dが消灯し)、図11(c)のbのライティングの状態、即ち、被写体たるユーザの顔100の左側(ユーザからみて)が照射されるライティングの状態になる。
【0135】
次に、主制御部51は、第2エリアのみが全点灯した状態で撮像部22に被写体を撮像させ、その結果撮像部22から出力されてくる撮像画像のデータを、第2画像のデータとして画像切出部61に取り込ませる。
上述の例では、図11(c)のbのライティングの状態で撮像されるので、ユーザの顔100の左側(撮像画像をみる人からみて)に影がない撮像画像のデータが、第2画像のデータとして画像切出部61に取り込まれる。
【0136】
次に、主制御部51は、表示部21のうち第3エリアのみ全点灯させる(第1,第2及び第4エリアは消灯させる)。
例えば、第3エリアとして、表示部21をみるユーザ(被写体)からみて左側のエリア22cが設定されているものとする。即ち図12(b)の撮像シーケンスデータにおいてそのような設定がなされているものとする。
この場合、エリア22cのみが全点灯し(エリア22a,エリア22b乃至エリア22dが消灯し)、図11(c)のcのライティングの状態、即ち、被写体たるユーザの顔100の上側(ユーザからみて)が照射されるライティングの状態になる。
【0137】
次に、主制御部51は、第3エリアのみが全点灯した状態で撮像部22に被写体を撮像させ、その結果撮像部22から出力されてくる撮像画像のデータを、第3画像のデータとして画像切出部61に取り込ませる。
上述の例では、図11(c)のcのライティングの状態で撮像されるので、ユーザの顔100の上側(撮像画像をみる人からみて)に影がない撮像画像のデータが、第3画像のデータとして画像切出部61に取り込まれる。
【0138】
次に、主制御部51は、表示部21のうち第4エリアのみ全点灯させる(第1乃至第3エリアは消灯させる)。
例えば、第4エリアとして、表示部21をみるユーザ(被写体)からみて左側のエリア22dが設定されているものとする。即ち図12(b)の撮像シーケンスデータにおいてそのような設定がなされているものとする。
この場合、エリア22dのみが全点灯し(エリア22a乃至エリア22cが消灯し)、図11(c)のdのライティングの状態、即ち、被写体たるユーザの顔100の下側(ユーザからみて)が照射されるライティングの状態になる。
【0139】
次に、主制御部51は、第4エリアのみが全点灯した状態で撮像部22に被写体を撮像させ、その結果撮像部22から出力されてくる撮像画像のデータを、第4画像のデータとして画像切出部61に取り込ませる。
上述の例では、図11(c)のdのライティングの状態で撮像されるので、ユーザの顔100の下側(撮像画像をみる人からみて)に影がない撮像画像のデータが、第4画像のデータとして画像切出部61に取り込まれる。
【0140】
ステップS142において、撮像装置1の各部は、合成手法に従って、各画像のデータを合成することによって合成画像データを生成する。
【0141】
具体的には、画像切出部61は、第1画像のデータから、影のない側のa部分のデータを、第1切り出し画像のデータとして生成する。
上述の例では、図11(c)に示すように、影のない側のa部分(撮像画像をみる人からみて)のデータが、第1切り出し画像のデータとして生成される。
【0142】
次に、画像切出部61は、第2画像のデータから、影のない側のb部分のデータを、第2切り出し画像のデータとして生成する。
上述の例では、図11(c)に示すように、影のない側のb部分(撮像画像をみる人からみて)のデータが、第2切り出し画像のデータとして生成される。
【0143】
次に、画像切出部61は、第3画像のデータから、影のない側のc部分のデータを、第3切り出し画像のデータとして生成する。
上述の例では、図11(c)に示すように、影のない側のc部分(撮像画像をみる人からみて)のデータが、第3切り出し画像のデータとして生成される。
【0144】
次に、画像切出部61は、第4画像のデータから、影のない側のd部分のデータを、第4切り出し画像のデータとして生成する。
上述の例では、図11(c)に示すように、影のない側のd部分(撮像画像をみる人からみて)のデータが、第4切り出し画像のデータとして生成される。
【0145】
次に、画像合成部62は、第1切り出し画像乃至第4切り出し画像の各データを合成することによって、合成画像のデータを生成する。
上述の例では、図4に示す画像、即ち、顔100に影のない画像のデータが、合成画像のデータとして生成される。
【0146】
ステップS48において、記憶制御部52は、ステップS47の処理で生成された合成画像のデータを、リムーバブルメディア41等に保存する。その後、主制御部51は、SHTFを「0」に設定する(SHTF←0)。
【0147】
これにより、ライティングモード撮像処理は終了する。即ち、図13のステップS105の処理は終了し、その後、処理はステップS107に進む。
【0148】
以上説明したように、第2実施形態に係る撮像装置1は、第1実施形態に係る撮像装置1と基本的に同様のハードウェア構成及び機能的構成を取ることができる。従って、第2実施形態でも、第1実施形態と全く同様の効果を奏することが可能になる。
さらに、第2実施形態では、表示部21における照明として機能させる領域として、4つのエリア21a乃至21dが設定可能である。
このため、撮像シーケンスデータには、照明として機能させる領域及び当該領域の変化の順番が相異なる複数の手順の各々に対応する複数のライティングモードを登録させることが可能になる。この場合、主制御部51は、撮像シーケンスに登録された複数のライティングモードの中から1つを選択し、選択したライティングモードに従って制御を実行することができる。
これにより、ユーザは、様々なシチュエーションや条件に適するライティングモードを自由にかつ容易に登録することができる。
【0149】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0150】
また、上述の実施形態では、画像合成部62は、順次撮像された複数の撮像画像の一部の各データを合成するように構成したが、これに限られない。例えば、撮像装置1は、一部の撮像画像について再撮影を行い、合成対象の画像を合成前に差し替え可能になるように構成してもよい。
【0151】
また、上述の実施形態では、1回のシャッターボタンの押下により、撮像部22が撮像の動作を複数回繰り返したが(いわゆる連写をしたが)、撮像部22の撮像の動作はこれに限られない。例えば、撮像装置1は、1回のシャッターボタンの押下を契機にして、1回の撮像の動作を行うように構成してもよい。このように構成することにより、被写体が撮像に適した状態になるのを待って、撮像を行うことが可能となる。
【0152】
また、表示部21における照明として機能させる領域は、上述の第1実施形態では2つのエリア21A及び21Bとされ、上述の第2実施形態では4つのエリア21a乃至エリア21dとされたが、これに限られない。即ち、表示部21における照明として機能させる領域についての、個数、形状、表示部21内の位置や大きさ等は任意で構わない。
このように、表示部21における照明として機能させる領域を固定にせず任意にすることで、各種各様のシチュエーションや条件に対応するライティングパターンを容易に実現することが可能になる。
【0153】
また、上述の実施形態では、表示部21は、LCDで構成されているがこれに限られず、任意に設定された(照明として機能させる)領域毎に一定の明るさ(輝度)で発光可能な任意の表示部材、即ち照明として機能し得る任意の表示部材により構成することができる。例えば、表示部21は、LED(Light Emitting Diode)やOEL(Organic Electro−Luminescence:有機EL)素子を光源として有する表示部材で構成することもできる。
【0154】
また、上述の実施形態では、本発明が適用される電子装置は、デジタルカメラ等の撮像装置1を例として説明したが、特にこれに限定されない。本発明は、上述のスケール表示処理を実行可能な電子機器一般に適用することができる。具体的には、例えば、本発明は、ノート型のパーソナルコンピュータ、ビデオカメラ、携帯型ナビゲーション装置、携帯電話装置、ポータブルゲーム機等に適用可能である。
【0155】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、図3の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が撮像装置1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図3の例に限定されない。また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0156】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0157】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図1のリムーバブルメディア41により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア41は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図2のROM12や、図2の記憶部38に含まれるハードディスク等で構成される。
【0158】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【符号の説明】
【0159】
1・・・撮像装置、21・・・表示部、22・・・撮像部、31・・・CPU、32・・・ROM、33・・・RAM、34・・・画像処理部、35・・・バス、36・・・入出力インターフェース、37・・・操作部、38・・・記憶部、39・・・通信部、40・・・ドライブ、41・・・リムーバブルメディア、51・・主制御部、52・・・記憶制御部、61・・・画像切出部、62・・・画像合成部
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、撮像方法及びプログラムに関し、特に、所望の部分に対して所望のライティングがなされた状態の画像を得ることができる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、実空間内で照明を当てることにより、当該実空間のイメージに変化を与える技術(ライティング技術)が知られている。カメラ等の撮像装置は、このライティング技術を利用して撮像を行うことで、例えば、撮像対象の実空間の影を低減したり、逆に影を付けたりした上で撮像を行うことで、効果的な撮像画像のデータを生成することができる。
特許文献1には、様々な照明の効果を発揮するライティングのパターンが複数記憶されており、所望の効果を発揮するライティングのパターンを選択することにより、選択されたライティングのパターンに対応する照明の設定で撮影を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−24138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した特許文献1に開示の技術では、1回の撮像のタイミングに合わせて、照明の設定がなされているに過ぎない。即ち、撮像対象の実空間全体のライティングの状態を考慮した照明の設定がなされているに過ぎない。
従って、撮像対象の実空間のうち、他の部分に影響を及ぼさないで所望の部分に対して所望のライティングをする、といった局所的なライティングを伴う照明の設定を行うことは非常に困難である。
具体的には例えば、被写体の特定部分で影が生じている画像が要求されているとする。このような要求に応えるべく、上述した特許文献1に開示の技術を利用しても、特定部分だけ影が生ずるような照明の設定を行うことは非常に困難である。即ち、特許文献1に開示の技術では、本来、被写体全体が可能な限り影がなくなるようなライティングを考慮した照明の設定がなされることが前提とされているため、特定部分に特化した照明の設定がなされても、特定部分で上手く影ができなかったり、逆に本来影が必要ない別の部分で影ができてしまう等、適切な照明の設定を行うことは非常に困難である。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、所望の部分に対して所望のライティングがなされた状態の画像を得ることができる撮像装置、撮像方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によると、
各画素を発光することにより、画像を表示する表示手段と、
被写体を撮像することによって、撮像画像のデータを生成する撮像手段と、
前記表示手段の各画素のうち、一部の領域を構成する各画素を発光させることにより、前記被写体の一部を照射させる照明として前記領域を機能させた状態で、前記撮像手段に前記被写体を撮像させる制御を実行する制御手段と、
前記制御手段の制御により、前記表示手段の複数の領域のそれぞれが順次前記照明として機能した各状態で、前記被写体が前記撮像手段により順次撮像された場合、前記撮像手段により順次生成される複数の撮像画像のデータの各々について、一部分の領域のデータを切り出し画像のデータとしてそれぞれ生成する画像切出手段と、
前記画像切出手段により生成された前記複数の切り出し画像のデータを合成することによって、合成画像のデータを生成する画像合成手段と、
を備える撮像装置を提供する。
【0007】
本発明の別の態様によると、上述した本発明の一態様に係る撮像装置に対応する撮像方法及びプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、所望の部分に対して所望のライティングがなされた状態の画像を得ることが容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1実施形態に係る撮像装置の外観を示す外観構成図である。
【図2】本発明に係るライティングを説明するための模式図である。
【図3】図2(a)に示すライティングにより得られた撮像画像の左半分と、図2(b)に示すライティングにより得られた撮像画像の右半分と、を合成した結果得られる合成画像の一例を示している。
【図4】図2(a)に示すライティングにより得られた撮像画像の右半分と、図2(b)に示すライティングにより得られた撮像画像の左半分と、を合成した結果得られる合成画像の一例を示している。
【図5】図1の撮像装置1のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【図6】本実施形態の撮像装置1についての、ライティングモード撮像処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図7】第1実施形態のライティングモード撮像処理の手順を示す撮像シーケンスデータの構造の一例を示す図である。
【図8】撮像処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
【図9】モードスイッチ処理の詳細な流れの一例を説明するフローチャートである。
【図10】ライティングモード撮像処理の詳細な流れの一例を説明するフローチャートである。
【図11】第2実施形態に係る撮像装置1の外観の構成を示す図である。
【図12】第2実施形態におけるライティングモード撮像処理の手順を示す撮像シーケンスデータの構造の一例を示す図である。
【図13】第2実施形態に係る撮像処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
【図14】第2実施形態に係るライト選択処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
【図15】第2実施形態に係るモードスイッチ処理の詳細な流れの一例を説明するフローチャートである。
【図16】第2実施形態に係るライティングモード撮像処理の詳細な流れの一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について図面を適宜参照しつつ説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る撮像装置1の外観を示す図である。
撮像装置1は、図1に示すように、フレーム11と、表示部21と、撮像部22と、を備える。
【0011】
フレーム11は、固定フレーム11Aと、回動フレーム11Bとを備える。
固定フレーム11Aは、表示部21の中央の上部以外の周囲を覆うように構成され、中央の上部に配置される回動フレーム11Bと連結する。
【0012】
回動フレーム11Bは、表示部21の中央の上部に配置され、固定フレーム11Aと回動可能に連結される。回動フレーム11Bには、撮像開口部11Baが設けられる。本実施形態において、回動フレーム11Bは、撮像装置1の正面(表示部21の表示面が存在する面)から背面にかけて回動可能に構成される。
【0013】
撮像部22は、回動フレーム11B内に格納されており、撮像開口部11Baから被写体(例えば後述する図2の人物の顔100)を撮像可能に構成される。なお、撮像部22の詳細は後述する。
【0014】
表示部21は、例えばLCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)等で構成される。
表示部21は、各画素を発光することにより画像を表示する。この場合の各画素の明るさ(輝度)は可変可能であるため、本実施形態では、一定以上の明るさで発光する画素の集合体(以下、画素の集合体を「エリア」と適宜呼ぶ)は、表示部21の表示面を見るユーザ(後述する顔100を有するユーザ等)を照射する照明として機能する。
具体的には、図1(a)に示すように、ユーザ(後述する顔100を有するユーザ等)が表示部21の表示面をみる場合において、照明として機能するエリアとして、表示部21の左端部にはエリアAが設けられており、表示部21の右端部にはエリアBが設けられている。なお、表示部21の詳細は後述する。
【0015】
次に、上述した外観構成を有する撮像装置1によるライティングを図2乃至図4を参照して説明する。
【0016】
図2は、本発明に係るライティングを説明するための模式図である。
図2(a)は、エリアAが発光状態であり、エリアBが非発光状態であるライティングの場合における、被写体である人物の顔100の様子を表わしている。
図2(b)は、エリアAが非発光状態であり、エリアBが発光状態であるライティングの場合における、被写体である人物の顔100の様子を表わしている。
図2(a),(b)の(平面)と表記された図(以下、「平面図」と呼ぶ)は、上方から人物をみた場合の顔100の様子を表わしている。
図2(a),(b)の(正面)と表記された図(以下、「正面図」と呼ぶ)は、撮像部18から人物をみた場合の顔100の様子を表わしている。即ち、顔100は、正面図に示された状態で撮像画像に写り込むことになる。
図2(a),(b)の(切り出し)と表記された図(以下、「切り出し図」と呼ぶ)は、正面図の状態の顔100の左又は右反面を切り出した状態を表わしている。なお、当然ながら、実空間上の人物の顔100は切り出すことができないため、後述する画像処理によって、撮像画像から切り出された画像の様子が、切り出し図に示されていることになる。
【0017】
図2(a)に示すように、エリアAが発光状態で、エリアBが非発光状態であるライティングの場合、同図の平面図に示すように、エリアAからの光は、撮像部18からみて、人物の顔100の左側に照射されるがその右側には照射されない。このため、撮像部18からみて、人物の顔100の右側には影SAが生ずる。
このため、撮像部22が、図2(a)の状態のライティングで人物の顔100を撮像すると、同図の平面図に示すような撮像画像、即ち左側に影SAがある顔100が写った撮像画像のデータを生成することになる。
【0018】
一方、図2(b)に示すように、エリアAが非発光状態で、エリアBが発光状態であるライティングの場合、同図の平面図に示すように、エリアBからの光は、撮像部18からみて、人物の顔100の右側に照射されるがその左側には照射されない。このため、撮像部18からみて、人物の顔100の右側には影SBが生ずる。
このため、撮像部22が、図2(b)の状態のライティングで人物の顔100を撮像すると、同図の平面図に示すような撮像画像、即ち右側に影SAがある顔100が写った撮像画像のデータを生成することになる。
【0019】
この場合、撮像装置1は、図2(a)の状態のライティングにより得られた撮像画像のデータから、影SAがある顔100の左反面を含む画像のデータ(同図の切り出し図参照)を切り出すことができる。同様に、撮像装置1は、図2(b)の状態のライティングにより得られた撮像画像のデータから、影SBがある顔100の右反面を含む画像のデータ(同図の切り出し図参照)を切り出すことができる。そして、撮像装置1は、このようにして切り出した2つのデータを合成することによって、図3に示すような合成画像のデータを生成することができる。
【0020】
図3は、図2(a)に示すライティングにより得られた撮像画像の左半分と、図2(b)に示すライティングにより得られた撮像画像の右半分と、を合成した結果得られる合成画像の一例を示している。
このように、本実施形態の撮像装置1は、図3に示すように、被写体の人物の顔100両側の輪郭部分に影SA,SBができている画像(合成画像)のデータを生成することができる。
【0021】
ここで、図3に示すような画像を鑑賞する鑑賞者は、顔100を実物よりも小さいと視認することになる。顔100の大きさ自体は変わらないものの、両側の輪郭部分が影SA,SBにより暗くなっているので、人間の目の錯覚により、両側の輪郭部分に影SA,SBが存在しない場合と比較して小さく認識されるからである。
このように、本実施形態の撮像装置1は、いわゆる小顔に見える画像のデータを生成することができる。
また、このような合成画像においては、鼻の影がはっきりと写り、鼻の稜線が明るく、鼻の根元が暗くなるため、鼻が鋭くかつ高く見え、近年の美顔と称される陰影をつけることができるという効果も奏することが可能になる。
【0022】
換言すると、このように顔100が小顔に見える画像とは、顔100の両側の輪郭部分に影SA,SBを生じさせるためのライティングがなされた状態の画像である。
このようなライティングは、本実施形態の撮像装置1により容易に実現可能になったものであり、[背景技術]の欄で上述した従来の技術を適用しても実現が非常に困難である。従来の技術では、被写体の片側に対して光を照射するだけであり、その結果、被写体(本例では顔100)の逆側に影を作ることができるものの、当該被写体の両側に影を作ることができないからである。
【0023】
さらに、本実施形態の撮像装置1は、図4に示すように、影がない顔100を含む画像(合成画像)のデータを生成することができる。
【0024】
図4は、図2(a)に示すライティングにより得られた撮像画像の右半分と、図2(b)に示すライティングにより得られた撮像画像の左半分と、を合成した結果得られる合成画像の一例を示している。
【0025】
ここで、図2(a)に示すライティングにより得られた撮像画像の右半分には、エリア21Aという一方向からの照明で撮影された顔100の右半面(撮像部22からみて)が含まれている点に注目すべきである。
同様に、図2(b)に示すライティングにより得られた撮像画像の左半分には、エリア21Bという一方向からの照明で撮影された顔100の左半面(撮像部22からみて)が含まれている点に注目すべきである。
即ち、これらの顔100の右半面と左反面とが合成されると、不要な照明による光が重なって色味の変化が生じてしまうという従来の問題を発生させることなく、影がない顔100を含む画像が得られる点に注目すべきである。
【0026】
ここで、不要な照明による光が重なって色味の変化が生じてしまうという従来の問題とは、次のような問題をいう。
即ち、[背景技術]の欄で上述した従来の技術でも、複数方向から被写体を照明することで、被写体に影のない状態を作り出すこと自体は可能である。
しかし、この場合、被写体の少なくとも一部分では、複数方向のうちの少なくとも2方向からの照明により光が重なってしまう場合がある。この場合、光が重なってしまった部分について着目すると、当該部分に対して直接照射する方向からの照明以外は、本来不要な照明である。このような不要な照明により光が重なってしまった部分では、光が重なっていない他の部分との間に色味の差が生じてしまう。
このような色味の差を抑制しようとして、当該部分に対して直接照射する方向からの照明の光を強くすると、当該部分は実際の色見とは異なるものとなってしまう。
また、被写体の全ての部分で光が重ならないように照明を配置することは実質上不可能である。
このような問題が、不要な照明による光が重なって色味の変化が生じてしまうという従来の問題である。
【0027】
以上まとめると、本実施形態の撮像装置1は、このような従来の問題を生じさせないライティングを容易に行うことができる。
これにより、図4に示すように、色味の変化が少なく、被写体の人物の顔100の表面の凹凸(即ち皺等)を強調することがない画像を得ることが可能になる。
【0028】
以上説明したように、本実施形態の撮像装置1は、上述したようなライティングを伴う撮像動作を複数回行い、各々の結果得られる複数の撮像画像のデータのうち、相異なる一部分通しを合成することによって、合成画像のデータを生成することができる。このような撮像装置1による一連の処理を、以下、「ライティングモード撮像処理」と呼ぶ。
【0029】
次に、このようなライティングモード撮像処理を実行可能な撮像装置1の内部構成について説明する。
具体的には、まず、図1の撮像装置1のハードウェアの構成について説明する。
図5は、図1の撮像装置1のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【0030】
撮像装置1は、上述した表示部21及び撮像部22に加えてさらに、CPU(Central Processing Unit)31と、ROM(Read Only Memory)32と、RAM(Random Access Memory)33と、画像処理部34と、バス35と、入出力インターフェース36と、操作部37と、記憶部38と、通信部39と、ドライブ40と、を備えている。
【0031】
CPU31は、ROM32に記録されているプログラム、又は、記憶部38からRAM33にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM33には、CPU31が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0032】
画像処理部34は、DSP(Digital Signal Processor)や、VRAM(Video Random Access Memory)等から構成されており、CPU31と協働して、画像のデータに対して各種画像処理を施す。
例えば、画像処理部34は、撮像部22から出力される撮像画像のデータに対して、ノイズ低減、ホワイトバランス、手ぶれ補正等の画像処理を施す。
【0033】
CPU31、ROM32、RAM33、画像処理部34は、バス35を介して相互に接続されている。このバス35にはまた、入出力インターフェース36も接続されている。入出力インターフェース36には、上述した表示部21及び撮像部22の他、操作部37、記憶部38、通信部39及びドライブ40が接続されている。
【0034】
表示部21は、上述したようにLCDで構成され、記憶部38やリムーバブルメディア41にデータとして記憶されている各種画像を表示する他、上述したようにエリア21Aやエリア21B(図1)を一定の明るさ(輝度)以上で発光することにより照明としても機能する。
【0035】
撮像部22は、図示はしないが、光学レンズ部と、イメージセンサと、を備えている。
【0036】
光学レンズ部は、被写体を撮影するために、光を集光するレンズ、例えばフォーカスレンズやズームレンズ等で構成される。
フォーカスレンズは、イメージセンサの受光面に被写体像を結像させるレンズである。ズームレンズは、焦点距離を一定の範囲で自在に変化させるレンズである。
光学レンズ部にはまた、必要に応じて、焦点、露出、ホワイトバランス等の設定パラメータを調整する周辺回路が設けられる。
【0037】
イメージセンサは、光電変換素子や、AFE(Analog Front End)等から構成される。
光電変換素子は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型の光電変換素子等から構成される。光電変換素子には、光学レンズ部から被写体像が入射される。そこで、光電変換素子は、被写体像を光電変換(撮像)して画像信号を一定時間蓄積し、蓄積した画像信号をアナログ信号としてAFEに順次供給する。
AFEは、このアナログの画像信号に対して、A/D(Analog/Digital)変換処理等の各種信号処理を実行する。各種信号処理によって、デジタル信号が生成され、撮像部22の出力信号として出力される。
この撮像部22の出力信号が、上述した「撮像画像のデータ」であるものとする。従って、撮像部22からは撮像画像のデータが出力されて、CPU31や画像処理部34や記憶部38等に適宜供給される。
【0038】
操作部37は、各種ボタンやスイッチ等で構成され、ユーザの指示操作を受け付ける。操作部37、シャッターボタン(図示しせず)や後述するモードスイッチ(図示しせず)により構成される。
【0039】
記憶部38は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、画像処理部34等から出力された画像のデータを記憶する。また、記憶部38は、画像処理部34等の処理に必要な各種データも記憶する。なお、記憶部38に記憶されるデータの詳細については後述する。
【0040】
通信部39は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置(図示せず)との間で行う通信を制御する。
【0041】
ドライブ40には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア41が適宜装着される。ドライブ40によってリムーバブルメディア41から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部38にインストールされる。また、リムーバブルメディア41は、記憶部38に記憶されている画像のデータ等の各種データも、記憶部38と同様に記憶することができる。例えば、リムーバブルメディア41には、本実施形態においては、合成画像等のデータが記憶される。
【0042】
以上、図5を参照して、本実施形態の撮像装置1のハードウェアの構成について説明した。
次に、このようなハードウェア構成の撮像装置1が有する機能のうち、ライティングモード撮像処理の実行機能を実現するための機能的構成について、図6を参照しながら説明する。
図6は、本実施形態の撮像装置1についての、ライティングモード撮像処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
【0043】
ライティングモード撮像処理が実行される場合には、CPU31において、主制御部51と、記憶制御部52と、が機能する。
【0044】
主制御部51は、CPU31内の記憶制御部52や、CPU31の外部のデバイス、例えば、表示部21、撮像部22、画像処理部34等を適宜制御することで、ライティングモード撮像処理を実行する。
【0045】
例えば、主制御部51は、表示部21の表示領域のうち、上述したエリア21Aやエリア21Bを構成する各画素の明るさ(輝度)を一定以上にする制御することで、エリア21やエリア21Bを照明として機能させる。
なお、このようにエリア21Aやエリア21Bの各画素の明るさ(輝度)を、照明として機能するレベル(輝度値)以上にすることを、以下、「エリア21A点灯する」と表現する。一方、エリア21Aやエリア21Bの各画素の明るさ(輝度)を、照明として機能しないレベル(輝度値)以下にすることを、「消灯する」と表現する。
即ち、主制御部51は、表示部21のエリアとエリア22との各々の点灯と消灯とを独立して制御することによって、上述の図2(a)や図2(b)に示すライティング等、各種ライティングを実現する。
【0046】
また例えば、主制御部51は、上述の図2(a)や図2(b)に示すライティング等、各種ライティングを実現した状態で、撮像部22に被写体を撮像させる制御を実行する。
具体的には例えば、まず、主制御部51は、1回目の撮像として、上述の図2(a)に示すライティングの状態で撮像部22が顔100を撮像するように制御する。これにより、図2(a)の正面図に示すような撮像画像、即ち左側に影SAが生じた顔100を含む撮像画像のデータが、撮像部22から出力されて画像処理部34に供給される。
次に、主制御部51は、2回目の撮像として、上述の図2(b)に示すライティングの状態で撮像部22が顔100を撮像するように制御する。これにより、図2(b)の正面図に示すように右側に影SBが生じた顔100を含む撮像画像のデータが、撮像部22から出力されて画像処理部34に供給される。
詳細については、画像処理部34の機能的構成を説明する際に後述するが、画像処理部34において、1回目及び2回目の各撮像画像のデータから、図4に示す合成画像、即ち、左側に影SAが生じると共に右側に影SBが生じた顔100の合成画像のデータが生成され、CPU31の記憶制御部52に供給される。
【0047】
記憶制御部52は、主制御部51の制御に基づいて、後述する画像処理部34から供給される合成画像(図3や図4参照)のデータ等をリムーバブルメディア41に記憶させる制御を実行する。
なお、記憶制御部52の制御によるデータの記憶先は、本実施形態ではリムーバブルメディア41とされているが特にこれに限定されず、その他、記憶部38や、通信部39を介して接続される他の装置内であってもよい。
【0048】
以上説明した主制御部51及び記憶制御部52は、本実施形態では、CPU31と、当該CPU31により実行されるプログラムとの組み合わせ、即ち、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにより構成されている。しかしながら、これは例示にすぎず、主制御部51や記憶制御部52の機能の少なくとも一部を、CPU31以外の他の構成要素(画像処理部14等)に移譲させることも当然可能である。
【0049】
次に、画像処理部34の機能的構成について説明する。
ライティングモード撮像処理が実行される場合には、画像処理部34においては、画像切出部61と、画像合成部62と、が機能する。
なお、画像切出部61及び画像合成部62が、画像処理部34に設けられていることは例示にすぎず、画像切出部61及び画像合成部62の少なくとも一部を、画像処理部34以外の他の構成要素(CPU31等)に移譲させることも当然可能である。
【0050】
画像切出部61は、主制御部51の制御に基づいて、撮像部22から供給された撮像画像のデータから、当該撮像画像の一部の領域のデータを部分的に切り出す。以下、画像切出部61により切り出される画像のデータを「切り出し画像のデータ」と呼ぶ。
具体的には、画像切出部61は、撮像画像のデータから、ライティングの状態に対応した領域のデータを、切り出し画像のデータとして生成する。
より具体的には例えば、上述の例の撮像部22の1回目の撮像では、上述の図2(a)に示すライティングの状態であったため、図2(a)の正面図に示すような撮像画像、即ち左側に影SAが生じた顔100を含む撮像画像のデータが画像切出部61に供給される。そこで、画像切出部61は、このようなライティングの状態に対応した領域、即ち、影SAが生じた顔100の左半面を含む領域(図2(a)の切り出し図に示す領域)のデータを、1回目の切り出し画像のデータとして生成する。
また例えば、上述の例の撮像部22の2回目の撮像では、上述の図2(b)に示すライティングの状態であったため、図2(b)の正面図に示すような撮像画像、即ち右側に影SBが生じた顔100を含む撮像画像のデータが画像切出部61に供給される。そこで、画像切出部61は、このようなライティングの状態に対応した領域、即ち、影SBが生じた顔100の右半面を含む領域(図2(b)の切り出し図に示す領域)のデータを、2回目の切り出し画像のデータとして生成する。
【0051】
画像合成部62は、主制御部51の制御に基づいて、画像切出部61により生成された2以上の切り出し画像のデータを合成することによって、合成画像のデータを生成する。
具体的には例えば、上述の例では、撮像部22の2回の撮像の後、画像切出部61により、影SAが生じた顔100の左半面を含む切り出し画像(図2(a)の切り出し図参照)と、影SBが生じた顔100の右半面を含む切り出し画像(図2(b)の切り出し図参照)と、の各データが生成されて、画像合成部62に供給されている。
この場合、画像合成部62は、これら2枚の切り出し画像のデータを合成することによって、図4に示す合成画像、即ち、左側に影SAが生じると共に右側に影SBが生じた顔100の合成画像のデータを生成し、CPU31の記憶制御部52に供給する。
すると、上述したように、記憶制御部52の制御により、当該合成画像のデータはリムーバブルメディア41等に記憶される。
【0052】
以上、図6を参照して、ライティングモード撮像処理の実行機能を実現するための撮像装置1の機能的構成について説明した。
【0053】
ここで、記憶部38には、図7に示すように、撮像シーケンスデータが記憶されている。
撮像シーケンスデータとは、ライティングモード撮像処理の手順が設定されたデータである。CPU31の主制御部51は、この撮像シーケンスデータに従って、ライティングモード撮像処理を実行する。
図7は、第1実施形態のライティングモード撮像処理の手順を示す撮像シーケンスデータの構造の一例を示す図である。
【0054】
本実施形態において、図7の撮像シーケンスデータは行列構造を有しているため、以下、図7中横方向の項目の集合体を「行」と称し、同図中縦方向の項目の集合体を「列」と呼ぶ。所定の行には、所定の手順が対応付けられている。即ち、所定の行には、当該行に対応する手順を特定するために、「順番」及び「撮像シーケンス」という項目がそれぞれ配置されている。
上から第k行目(kは、1乃至手順の総数の範囲内の整数値であって、図7の例では1乃至6の範囲内の整数値。ただし、図7の項目名が記載された一番上の行は除外する)の「順番」には、ライティングモード撮像処理における処理順番として、kが格納される。
上から第k行目の「撮像シーケンス」には、ライティングモード撮像処理におけるk番目に実行すべき処理の内容が格納される。
即ち、ライティングモード撮像処理は、各行の「撮像シーケンス」に記載された内容の各処理が上から順に順次実行されていくことで実現される。
なお、図7の例の撮像シーケンスに従って作成されるフローチャートが、本実施形態におけるライティングモード撮像処理であり、図10に示されている。そこで、撮像シーケンスの各行の「撮像シーケンス」に記載された内容の各処理の説明については、図10の説明として後述する。
【0055】
なお、撮像シーケンスデータは、記憶部38に記憶されていることは例示にすぎず、その他、例えばリムーバブルメディア41等に記憶されていてもよい。
また、撮像シーケンスデータは、ユーザが任意に設定可能なデータである。即ち、ユーザは、操作部37を操作して、所望の各種処理を所望の順番で組み合わせた撮像シーケンスデータを登録することができる。換言すると、撮像シーケンスデータの図7の内容は例示に過ぎない。
【0056】
以上、ライティングモード撮像処理を実現することができる撮像装置1の機能的構成について説明した。
次に、図8乃至図10を参照して、図6の機能的構成を有する撮像装置1が実行する撮像処理の流れについて説明する。
ここでいう撮像処理とは、表示部21によるライティングを伴うライティングモード撮像処理と、表示部21によるライティングを伴わない撮像処理とのうち、ユーザにより選択された処理が実行されるまでの一連の処理をいう。
即ち、本実施形態においては、撮像装置1の撮像時の動作モードとして、「ライティングモード」及び「ノーマルモード」の2つのモードが設けられている。ユーザは、操作部37に対して所定の操作をすることで、これらの2つのモードの中から所望のモードを選択することができる。
【0057】
図8は、このような撮像処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
撮像処理は、例えば、撮像装置1の電源が投入されて、ユーザによる操作部37に対しする所定の操作がなされて、撮像の動作の開始が指示されたことを契機として開始する。
【0058】
ステップS1において、図6の主制御部51は、撮像装置1についての各種初期設定を行うためのイニシャライズ処理を実行する。
【0059】
ステップS2において、主制御部51は、モードスイッチ処理を実行する。
モードスイッチ処理とは、複数のモードの中から、1のモードを選択的に切り替えて設定する処理である。
本実施形態において、上述したように、撮像時の動作モードとして、デフォルトで設定されているノーマルモードと、ライティングモードとの2つのモードが選択的に設定可能とされている。
なお、モードスイッチ処理の詳細については、図9のフローチャートを参照して後述する。
【0060】
ステップS3において、主制御部51は、SHTFは1であるか否かを判定する。
SHTFとは、スイッチフラグの略語である。スイッチフラグとは、撮像画像の記録指示がなされている場合には「1」が設定され、なされていない場合には「0」が設定されるフラグである。
SHTFが「0」の場合、ステップS3においてNOであると判定されて、処理はステップS7に進む。ただし、ステップS7以降の処理は後述する。
これに対して、SHTFが「1」の場合、ステップS3においてYESであると判定されて、処理はステップS4に進む。
【0061】
ステップS4において、主制御部51は、撮像時の動作モードとしてライティングモードが設定されているか否かを判定する。
【0062】
ライティングモードが設定されている場合には、ステップS4においてYESであると判定されて、処理はステップS5に進む。
ステップS5において、撮像装置1は、ライティングモード撮像処理を実行する。
本実施形態では、ライティングモード撮像処理は、上述の図7に示す撮像シーケンスに従って実行される。
なお、ライティングモード撮像処理の詳細については、図10を参照して後述する。
【0063】
このようなライティングモードではなく、ノーマルモードが設定されている場合には、ステップS4においてNOであると判定されて、処理はステップS6に進む。
ステップS6において、撮像装置1は、ノーマルモード撮像処理を実行する。
ノーマル撮像処理とは、表示部21を照明機能として働かせていない状態で、撮像部22が通常の撮像動作を行い、その結果得られる撮像画像のデータを保存するまでの一連の処理をいう。
なお、本実施形態のノーマル撮像処理は、撮像画像のデータが保存された後、SHTF(スイッチフラグ)が「1」から「0」に変更されて終了する。
【0064】
このようにして、SHTFが1であるとしてステップS3の処理でYESであると判定された場合には、ライティングモードが設定されているとき(ステップS4の処理でYESであると判定されたとき)にはステップS5のライティングモード撮像処理が実行され、また、ノーマルモードが設定されているとき(ステップS4の処理でNOであると判定されたとき)にはステップS6のノーマルモード撮像処理が実行される。これらの撮像処理が終了すると、処理はステップS7に進む。
また、SHTFが0であるとしてステップS3の処理でNOであると判定された場合には、ステップS5のライティングモード撮像処理やステップS6のノーマルモード撮像処理は実行されずに、処理はステップS7に進む。
【0065】
ステップS7において、主制御部51は、処理の終了が指示されたか否かを判定する。
処理の終了の指示は、特に限定されない。例えば本実施形態では、別の動作モードに切り替える指示、例えば撮像装置1はデジタルフォトフレームで構成されているので画像の表示指示が、処理の終了の指示の1つとして採用されている。また例えば本実施形態では、撮像装置1の電源を切る指示も、処理の終了の指示の1つとして採用されている。
このような処理の終了の指示がなされていない場合、ステップS7においてNOであると判定されて、処理はステップS2に戻される。即ち、処理の終了の指示がなされるまでの間、ステップS2乃至S7のループ処理が繰り返し実行されて、その都度、SHTFが1である場合にはライティングモード撮像処理又はノーマルモード撮像処理が実行される。
その後、処理の終了の指示がなされた場合、ステップS7においてYESであると判定されて、撮像処理は終了になる。
【0066】
以上、図8を参照して、図6の機能的構成を有する撮像装置1が実行する撮像処理の流れについて説明した。次に、上述した撮像処理のうち、ステップS2のモードスイッチ処理の詳細な流れについて、図9を参照しながら説明する。
図9は、モードスイッチ処理の詳細な流れの一例を説明するフローチャートである。
【0067】
撮像処理においては、上述したように、ステップS1の処理でイニシャライズ処理が実行されると、処理はステップS2に進み、モードスイッチ処理として、次のようなステップS21乃至ステップS24の一連の処理が実行される。
【0068】
ステップS21において、図6の主制御部51は、モードスイッチがON状態であるか否かを判定する。
モードスイッチとは、操作部37を構成する各種ボタンや各種スイッチのうち、撮像装置1の撮像の動作のモードを切り替える場合にユーザにより押下されるスイッチであり、図示はしないが、フレーム11(図1)に設けられている。なお、本実施形態では、モードスイッチは、物理スイッチとして構成されているが、特にこれに限られず、GUI(Graphical User Interface)用の画像に表示されるソフトウェアスイッチとして構成されてもよい。
【0069】
モードスイッチがON状態の場合、ステップS21においてYESであると判定されて、処理はステップS22に進む。
ステップS22において、主制御部51は、モード反転を実行する。
モード反転とは、撮像装置1の撮像の動作のモードを、ノーマルモードとライティングモードとのうち、これまで設定されていた一方から、他方に設定を切り替える処理をいう。
【0070】
モード反転が実行されると、処理はステップS23に進む。なお、モードスイッチがOFF状態の場合、モード反転が不要であるので、ステップS21においてNOであると判定されて、ステップS22の処理は実行されずに、処理はステップS23に進む。
【0071】
ステップS23において、主制御部51は、シャッターボタンがON状態であるか否かを判定する。
シャッターボタンとは、操作部37を構成する各種ボタンや各種スイッチのうち、被写体を撮像してその結果得られる撮像画像のデータを保存する指示をする場合にユーザにより押下されるスイッチであり、図示はしないが、フレーム11(図1)に設けられている。なお、本実施形態では、シャッターボタンは、物理スイッチとして構成されているが、特にこれに限られず、GUI用の画像に表示されるソフトウェアスイッチとして構成されてもよい。
【0072】
シャッターボタンがOFF状態である場合(シャッターボタンが押下されていない場合)、ステップS23においてNOであると判定されて、モードスイッチ処理は終了する。即ち図8のステップS2の処理が終了して、処理はステップS3に進む。この場合、SHTFは「0」に設定されたままであるので、ステップS3の処理でNOであると判定されて、ステップS5のライティングモード撮像処理やステップS6のノーマルモード撮像処理は実行されないことになる。
【0073】
これに対して、シャッターボタンがON状態である場合(シャッターボタンが押下された場合)、ステップS23においてYESであると判定されて、処理はステップS24に進む。
ステップS24において、主制御部51は、SHTFを「0」から「1」に設定する(SHIFT←1)。
これにより、モードスイッチ処理は終了する。即ち図8のステップS2の処理が終了して、処理はステップS3に進む。この場合、SHTFは「1」に設定されているので、ステップS3の処理でYESであると判定されて、ステップS5のライティングモード撮像処理又はステップS6のノーマルモード撮像処理が実行されることになる。
【0074】
以上、図8の撮像処理のうち、ステップS2のモードスイッチ処理について説明した。
次に、当該撮像処理のうち、ステップS5のライティングモード撮像処理の詳細な流れについて、図10を参照して説明する。
図10は、ライティングモード撮像処理の詳細な流れの一例を説明するフローチャートである。
【0075】
上述したように、ステップS2のモードスイッチ処理において、ライティングモードが設定され、かつ、シャッターボタンの押下に伴いSHTFが「1」に設定されると、ステップS3,S4の各処理でそれぞれYESであると判定される。これにより、ステップS5のライティングモード処理として、次のようなステップS41乃至ステップS49の一連の処理が実行される。
【0076】
ステップS41において、主制御部51は、表示部21のうち第1エリアのみ全点灯させる(第2エリアは消灯させる)。
例えば、第1エリアとして、表示部21をみるユーザ(被写体)からみて左側のエリア21Aが設定されているものとする。即ち図7の撮像シーケンスデータにおいてそのような設定がなされているものとする。
この場合、エリア21Aのみが全点灯し(エリア21Bが消灯し)、図2(a)のライティングの状態、即ち、被写体たるユーザの顔100の左側(ユーザからみて)が照射されるライティングの状態になる。
【0077】
ステップS42において、主制御部51は、ステップS41の処理の後第1エリアのみが全点灯した状態で撮像部22に被写体を撮像させ、その結果撮像部22から出力されてくる撮像画像のデータを、第1画像のデータとして画像切出部61に取り込ませる。
上述の例では、図2(a)のライティングの状態で撮像されるので、ユーザの顔100の左側(撮像画像をみる人からみて)に影SAが出た撮像画像のデータが、第1画像のデータとして画像切出部61に取り込まれる。
【0078】
ステップS43において、主制御部51は、表示部21のうち第2エリアのみ全点灯させる(第1エリアは消灯させる)。
例えば、第2エリアとして、表示部21をみるユーザ(被写体)からみて右側のエリア21Bが設定されているものとする。即ち、図7の撮像シーケンスデータにおいてそのような設定がなされているものとする。
この場合、エリア21Bのみが全点灯し(エリア21Aが消灯し)、図2(b)のライティングの状態、即ち、被写体たるユーザの顔100の右側(ユーザからみて)が照射されるライティングの状態になる。
【0079】
ステップS44において、主制御部51は、ステップS43の処理の後第2エリアのみが全点灯した状態で撮像部22に被写体を撮像させ、その結果撮像部22から出力されてくる撮像画像のデータを、第2画像のデータとして画像切出部61に取り込ませる。
上述の例では、図2(b)のライティングの状態で撮像されるので、ユーザの顔100の右側(撮像画像をみる人からみて)に影SBが出た撮像画像のデータが、第2画像のデータとして画像切出部61に取り込まれる。
【0080】
ステップS45において、画像切出部61は、第1画像のデータから、影がある側の半分のデータを、第1切り出し画像のデータとして生成する。
上述の例では、図2(a)の切り出し図に示すように、影SAがある側の左半分(撮像画像をみる人からみて)のデータが、第1切り出し画像のデータとして生成される。
【0081】
ステップS46において、画像切出部61は、第2画像のデータから、影がある側の半分のデータを、第2切り出し画像のデータとして生成する。
上述の例では、図2(b)の切り出し図に示すように、影SBがある側の右半分(撮像画像をみる人からみて)のデータが、第2切り出し画像のデータとして生成される。
【0082】
ステップS47において、画像合成部62は、第1切り出し画像及び第2切り出し画像の各データを合成することによって、合成画像のデータを生成する。
上述の例では、図3に示す画像、即ち、両頬に影SA,SBが出来ている顔100を含む画像のデータが、合成画像のデータとして生成される。
【0083】
ステップS48において、記憶制御部52は、ステップS47の処理で生成された合成画像のデータを、リムーバブルメディア41等に保存する。
【0084】
ステップS46において、主制御部51は、SHTFを「0」に設定する(SHTF←0)。
【0085】
これにより、ライティングモード撮像処理は終了する。即ち、図8のステップS5の処理は終了し、その後、処理はステップS7に進む。
【0086】
以上説明したように、本実施形態に係る撮像装置1は、表示部21と、撮像部22と、主制御部51と、画像切出部61と、画像合成部62と、を備えている。
表示部21は、各画素を発光することにより、画像を表示する。
撮像部22は、被写体を撮像することによって、撮像画像のデータを生成する。
主制御部51は、表示部21の各画素のうち、一部の領域を構成する各画素を発光させることにより、被写体の一部を照射させる照明として当該領域を機能させた状態で、撮像部22に被写体を撮像させる制御を実行する。
主制御部51の制御により、表示部21の複数の領域のそれぞれが順次照明として機能した各状態で、被写体が撮像部22により順次撮像された場合、画像切出部61は、次のように動作する。即ち、画像切出部61は、撮像部22により順次生成される複数の撮像画像のデータの各々について、一部分の領域のデータを切り出し画像のデータとしてそれぞれ生成する。
画像合成部62は、画像切出部61により生成された複数の切り出し画像のデータを合成することによって、合成画像のデータを生成する。
【0087】
ここで、主制御部51は、被写体の所望の部分に対して所望のライティングがなされるように、照明として機能する表示部21の領域を変更することが容易にできる。
このように照明として機能する表示部21の領域が変更される毎に、撮像部22が被写体を撮像し、その結果撮像部22により生成される複数の撮像画像のデータに基づいて、画像切出部61及び画像合成部62により生成される合成画像のデータは、所望の部分に対して所望のライティングがなされた状態の画像のデータになっている。
所望のライティングとは、被写体に対する光が照射される状態(影が生じたり生じない状態)として、ユーザ(撮影者であって、本実施形態では被写体と一致する)が所望の状態を作り出すことができるという意味である。
このように、ユーザは、本実施形態の撮像装置1を用いることで、所望の部分に対して所望のライティングがなされた状態の画像を得ることが容易にできる。
【0088】
具体的には例えば、主制御部51は、(被写体からみて)被写体の左側を照射して右側に影を生じさせるように表示部21のエリア21Aを照明として機能させた状態(図2(a)の状態)で、撮像部22に被写体を撮像させる第1制御を実行する。
主制御部51はまた、(被写体からみて)被写体の右側を照射して左側に影を生じさせるように表示部21のエリア21Bを照明として機能させた状態で、撮像部22に被写体を撮像させる第2制御を実行する。
【0089】
この場合、例えば、画像切出部61は、主制御部51の第1制御の結果として撮像部22により生成された撮像画像(第1画像)のデータから、被写体のうち、影が生じている側の略半分を含む画像(例えば図2(a)の切り出し図に示すような画像)のデータを、第1切り出し画像のデータとして生成する。
また、画像切出部61は、主制御部51の第2制御の結果として撮像部22により生成された撮像画像のデータから、被写体のうち、影が生じている側の略半分を含む画像(例えば図2(a)の切り出し図に示すような画像)のデータを、第2切り出し画像のデータとして生成する。
そして、画像合成部62は、第1切り出し画像及び第2切り出し画像の各データを合成することによって、合成画像のデータを生成する。
これにより、例えば被写体として顔100を含む人物が撮像された場合には、合成画像として、図3に示すような画像、即ち両頬に影SA,SBが存在する顔100を含む画像が得られる。このような画像をみた鑑賞者は、目の錯覚により、顔100を実際よりも小さく視認することになる。即ち、合成画像として小顔に見える画像が、このようにして容易に得られる。
【0090】
また例えば、画像切出部61は、主制御部51の第1制御の結果として撮像部22により生成された撮像画像(第1画像)のデータから、被写体のうち、影が生じていない側の略半分を含む画像(例えば図2(a)の切り出し図に示されていない方の画像)のデータを、第1切り出し画像のデータとして生成する。
また、画像切出部61は、主制御部51の第2制御の結果として撮像部22により生成された撮像画像のデータから、被写体のうち、影が生じていない側の略半分を含む画像(例えば図2(a)の切り出し図に示されていない方の画像)のデータを、第2切り出し画像のデータとして生成する。
そして、画像合成部62は、第1切り出し画像及び第2切り出し画像の各データを合成することによって、合成画像のデータを生成する。
これにより、例えば被写体として顔100を含む人物が撮像された場合には、合成画像として、図4に示すような画像、即ち不要な照明による光が重なって色味の変化が生じてしまうという従来の問題を発生させることなく、影がない顔100を含む画像が得られる。
【0091】
ここで、被写体を照明するために、表示部21の領域(エリア21Aやエリア21B)の代わりに、複数のフラッシュ装置や複数の照明機器を用いて、これらの発光タイミングを制御することによっても、上述のライティングモード撮像処理と等価な処理の実行が可能である。
ただし、複数のフラッシュ装置や複数の照明機器を採用するだけでも、撮像装置1全体が大掛かりになると共に、これらを用いたライティングの制御は複雑なものになる。
これに対して、本実施形態のように、撮像装置1として元々表示部21として備えられている液晶ディスプレイ等を照明用に使用することで、撮像装置1の小型化を図ることが可能になると共に、ライティングの制御についても、各画素の輝度を調整するといった撮像装置1として元々備えられている機能を利用するだけなので簡単かつ容易に実現することが可能になる。
【0092】
また、本実施形態の撮像装置1の記憶部38は、表示部21における照明として機能させる領域を複数回変化させて、照明として機能させる領域が変化する毎に、撮像部22に被写体を撮像させていく手順を示す撮像シーケンスデータを保持している。
主制御部51は、この撮像シーケンスデータに従って制御を実行する。
このような撮像シーケンスデータを用いることで、ライティングの制御を簡単かつ容易に実現できる。
さらに、ユーザは、撮像シーケンスデータを自身で設定することで、ライティングの所望のパターンを容易に反映させることができる。
【0093】
以上、本発明の第1実施形態に係る撮像装置1について説明した。
次に、本発明の第2実施形態に係る撮像装置1について説明する。
【0094】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る撮像装置1は、第1実施形態に係る撮像装置1と基本的に同様のハードウェア構成及び機能的構成を取ることができる。即ち、図5及び図6の各々はそのまま、第2実施形態に係る撮像装置1のハードウェア構成及び機能的構成の各々を示していることにもなる。そこで、第2実施形態に係る撮像装置1のハードウェア構成及び機能的構成については、その説明を省略する。
【0095】
図11は、第2実施形態に係る撮像装置1の外観の構成を示す図である。
図11(a)は、撮像装置1の正面図である。図11(b)は、被写体を撮像する場合の撮像装置1の斜視図である。図11(c)は、図11(b)の状態で撮像装置1に撮像される場合における被写体の正面図である。
【0096】
図1と図11とを比較すると容易にわかるが、第1実施形態では表示部21の両端部の2つのエリア21A,21B(図1)が照明として機能したが、第2実施形態では、表示部21の表示領域が2つの対角線によって区分された場合の4つのエリア22a乃至22dが照明として機能する。
これにより、第1実施形態の2つのエリア21A,21Bの点灯又は消灯の組み合わせで可能になるライティングのパターンと比較して、第2実施形態の4つのエリア21a乃至21dの点灯又は消灯の組み合わせで可能になるライティングのパターンは、より精密で、より高度で、より多数のパターンになる。
【0097】
その結果として、第1実施形態では1つのライティングモードのみが設けられていたのに対して、第2実施形態では、複数のライティングモードが選択可能に設けられている。
即ち、記憶部38に記憶される撮像シーケンスデータは、第2実施形態では、複数のライティングモード毎に選択可能となるように構成されている。
【0098】
図12は、第2実施形態のライティングモード撮像処理の手順を示す撮像シーケンスデータの構造の一例を示す図である。
図12(a)は、ライティングモード内の各モードを示す撮像シーケンスデータの構造の一例を示す図である。図12(b)は、選択されたモード内のライティングモード撮像処理の手順を示す撮像シーケンスデータの構造の一例を示す図である。
【0099】
本実施形態において、所定の行には、当該行に対応する手順を特定するために、図12(a)に示すように「ライトNo.」及び「名称」、図12(b)に示すようにという項目がそれぞれ配置されている。また図12(b)に示すように「順番」及び「撮像シーケンス」という項目がそれぞれ配置されている。
図12(a)に示すように、上から第k行目(kは、1乃至モードの総数の範囲内の整数値であって、図12(a)の例では1、2・・・の範囲内の整数値。)の「ライトNo.」には、ライティングモードのうちの各モード番号、kが格納される。また、「名称」には、モード番号に対応した、モードの名称が格納される。
また、図12(b)に示すように上から第k行目(kは、1乃至手順の総数の範囲内の整数値であって、図12(b)の例では1乃至6の範囲内の整数値。ただし、図12(b)の項目名が記載された一番上の行は除外する)の「順番」には、ライティングモード撮像処理における処理順番として、kが格納される。
上から第k行目の「撮像シーケンス」には、ライティングモード撮像処理におけるk番目に実行すべき処理の内容が格納される。
即ち、ライティングモード撮像処理は、各行の「撮像シーケンス」に記載された内容の各処理が上から順に順次実行されていくことで実現される。
なお、図12(b)の例の撮像シーケンスに従って作成されるフローチャートが、本実施形態におけるライティングモード撮像処理であり、図16に示されている。そこで、撮像シーケンスの各行の「撮像シーケンス」に記載された内容の各処理の説明については、図16に合わせたフローチャートの説明として後述する。
【0100】
なお、撮像シーケンスデータは、記憶部38に記憶されていることは例示にすぎず、その他、例えばリムーバブルメディア41等に記憶されていてもよい。
また、撮像シーケンスデータは、ユーザが任意に設定可能なデータである。即ち、ユーザは、操作部37を操作して、所望の各種処理を所望の順番で組み合わせた撮像シーケンスデータを登録することができる。換言すると、撮像シーケンスデータの図7の内容は例示に過ぎない。
【0101】
本実施形態において、選択可能なライティングモードのうち、「ライトNO.1」「名称:影ありモード」は、第1実施形態において説明したライティングモードに相当するモードであり、被写体の輪郭に影を作るモードである。本モードは、例えば、顔を小さく見せる画像を生成することに適するモードである。また、「ライトNO.2」「名称:影なしモード」は、被写体に影を作らないモードであり、例えば、宝石等において形状を際立たせる画像を生成することに適するモードである。
【0102】
次に、図13乃至図16を参照して、図6の機能的構成を有する撮像装置1が実行する撮像処理の流れについて説明する。
なお、以下、説明の便宜上、「ライトNO.2」「名称:影なしモード」で特定されるライティングモードが選択される場合の撮像処理を例として説明するが、他のライティングモードが選択された場合も撮像処理の流れは同様になる。
図12は、第2実施形態に係る撮像処理の流れの一例を説明するフローチャートである。以下、説明の便宜上、「ライトNO.2」「名称:影なしモード」で特定されるライティングモードが選択される場合の撮像処理を例として説明するが、他のライティングモードが選択された場合も撮像処理の流れは同様になる。
撮像処理は、例えば、撮像装置1の電源が投入されて、ユーザによる操作部37に対しする所定の操作がなされて、撮像の動作の開始が指示されたことを契機として開始する。
【0103】
ステップS101において、図6の主制御部51は、撮像装置1についての各種初期設定を行うためのイニシャライズ処理を実行する。
【0104】
ステップS102において、主制御部51は、モードスイッチ処理を実行する。
モードスイッチ処理とは、複数のモードの中から、1のモードを選択的に切り替えて設定する処理である。
本実施形態において、上述したように、撮像時の動作モードとして、デフォルトで設定されているノーマルモードと、ライティングモードとの2つのモードが選択的に設定可能とされている。
なお、モードスイッチ処理の詳細については、図14のフローチャートを参照して後述する。
【0105】
ステップS103において、主制御部51は、SHTFは1であるか否かを判定する。
SHTFとは、スイッチフラグの略語である。スイッチフラグとは、撮像画像の記録指示がなされている場合には「1」が設定され、なされていない場合には「0」が設定されるフラグである。
SHTFが「0」の場合、ステップS103においてNOであると判定されて、処理はステップS7に進む。ただし、ステップS107以降の処理は後述する。
これに対して、SHTFが「1」の場合、ステップS103においてYESであると判定されて、処理はステップS104に進む。
【0106】
ステップS104において、主制御部51は、撮像時の動作モードとしてプリセットモードが設定されているか否かを判定する。プリセットモードとは、予め設定されているモードである。
【0107】
プリセットモードが設定されている場合には、ステップS104においてYESであると判定されて、処理はステップS105に進む。
ステップS105において、撮像装置1は、ライティングモード撮像処理を実行する。
本実施形態では、ライティングモード撮像処理は、上述の図12示す撮像シーケンスに従って実行される。
なお、ライティングモード撮像処理の詳細については、図16を参照して後述する。
【0108】
このようなライティングモードではなく、ノーマルモードが設定されている場合には、ステップS104においてNOであると判定されて、処理はステップS106に進む。
ステップS106において、撮像装置1は、ノーマルモード撮像処理を実行する。
ノーマル撮像処理とは、表示部21を照明機能として働かせていない状態で、撮像部22が通常の撮像動作を行い、その結果得られる撮像画像のデータを保存するまでの一連の処理をいう。
なお、本実施形態のノーマル撮像処理は、撮像画像のデータが保存された後、SHTF(スイッチフラグ)が「1」から「0」に変更されて終了する。
【0109】
このようにして、SHTFが1であるとしてステップS103の処理でYESであると判定された場合には、ライティングモードが設定されているとき(ステップS104の処理でYESであると判定されたとき)にはステップS105のライティングモード撮像処理が実行され、また、ノーマルモードが設定されているとき(ステップS104の処理でNOであると判定されたとき)にはステップS106のノーマルモード撮像処理が実行される。これらの撮像処理が終了すると、処理はステップS107に進む。
また、SHTFが0であるとしてステップS103の処理でNOであると判定された場合には、ステップS105のライティングモード撮像処理やステップS106のノーマルモード撮像処理は実行されずに、処理はステップS107に進む。
【0110】
ステップS107において、主制御部51は、処理の終了が指示されたか否かを判定する。
処理の終了の指示は、特に限定されない。例えば本実施形態では、別の動作モードに切り替える指示、例えば撮像装置1はデジタルフォトフレームで構成されているので画像の表示指示が、処理の終了の指示の1つとして採用されている。また例えば本実施形態では、撮像装置1の電源を切る指示も、処理の終了の指示の1つとして採用されている。
このような処理の終了の指示がなされていない場合、ステップS107においてNOであると判定されて、処理はステップS102に戻される。即ち、処理の終了の指示がなされるまでの間、ステップS102乃至S107のループ処理が繰り返し実行されて、その都度、SHTFが1である場合にはライティングモード撮像処理又はノーマルモード撮像処理が実行される。
その後、処理の終了の指示がなされた場合、ステップS107においてYESであると判定されて、撮像処理は終了になる。
【0111】
以上、図13を参照して、図6の機能的構成を有する撮像装置1が実行する撮像処理の流れについて説明した。次に、上述した撮像処理のうち、ステップS102のモードスイッチ処理の詳細な流れについて、図14を参照しながら説明する。
図14は、第2実施形態に係るモードスイッチ処理の詳細な流れの一例を説明するフローチャートである。
【0112】
撮像処理においては、上述したように、ステップS1の処理でイニシャライズ処理が実行されると、処理はステップS102に進み、モードスイッチ処理として、次のようなステップS121乃至ステップS124の一連の処理が実行される。
【0113】
ステップS121において、図6の主制御部51は、モードスイッチがON状態であるか否かを判定する。
モードスイッチとは、操作部37を構成する各種ボタンや各種スイッチのうち、撮像装置1の撮像の動作のモードを切り替える場合にユーザにより押下されるスイッチであり、図示はしないが、フレーム11(図1)に設けられている。なお、本実施形態では、モードスイッチは、物理スイッチとして構成されているが、特にこれに限られず、GUI用の画像に表示されるソフトウェアスイッチとして構成されてもよい。
【0114】
モードスイッチがON状態の場合、ステップS121においてYESであると判定されて、処理はステップS122に進む。
ステップS122において、主制御部51は、モード反転を実行する。
モード反転とは、撮像装置1の撮像の動作のモードを、ノーマルモードとライティングモードとのうち、これまで設定されていた一方から、他方に設定を切り替える処理をいう。
【0115】
モード反転が実行されると、処理はステップS123に進む。なお、モードスイッチがOFF状態の場合、モード反転が不要であるので、ステップS121においてNOであると判定されて、ステップS122の処理は実行されずに、処理はステップS123に進む。
【0116】
ステップS123において、主制御部51は、セレクトスイッチがON状態であるか否かを判定する。
セレクトスイッチとは、操作部37を構成する各種ボタンや各種スイッチのうち、モードの選択を指示をする場合にユーザにより押下されるスイッチであり、図示はしないが、フレーム11(図1)に設けられている。なお、本実施形態では、セレクトスイッチは、物理スイッチとして構成されているが、特にこれに限られず、GUI用の画像に表示されるソフトウェアスイッチとして構成されてもよい。
【0117】
セレクトスイッチがOFF状態である場合(セレクトスイッチが押下されていない場合)、ステップS123においてNOであると判定されて、処理はステップS125に進む。
【0118】
これに対して、セレクトスイッチがON状態である場合(シャッターボタンが押下された場合)、ステップS123においてYESであると判定されて、処理はステップS124に進む。
【0119】
ステップS124において、主制御部51は、ライト選択処理が実行される。ライト選択処理とは、「ライトNo.」を選択する処理という。
【0120】
ライト選択処理が実行されると、処理はステップS125に進む。なお、セレクトスイッチがOFF状態の場合、ライト選択処理が不要であるので、ステップS123においてNOであると判定されて、ステップS124の処理は実行されずに、処理はステップS125に進む。
【0121】
ステップS125において、主制御部51は、シャッターボタンがON状態であるか否かを判定する。
【0122】
シャッターボタンがOFF状態である場合(シャッターボタンが押下されていない場合)、ステップS125においてNOであると判定されて、モードスイッチ処理は終了する。即ち図13のステップS102の処理が終了して、処理はステップS103に進む。この場合、SHTFは「0」に設定されたままであるので、ステップS103の処理でNOであると判定されて、ステップS105のライティングモード撮像処理やステップS106のノーマルモード撮像処理は実行されないことになる。
【0123】
これに対して、シャッターボタンがON状態である場合(シャッターボタンが押下された場合)、ステップS125においてYESであると判定されて、処理はステップS126に進む。
ステップS126において、主制御部51は、SHTFを「0」から「1」に設定する(SHIFT←1)。
これにより、モードスイッチ処理は終了する。即ち図13のステップS102の処理が終了して、処理はステップS103に進む。この場合、SHTFは「1」に設定されているので、ステップS103の処理でYESであると判定されて、ステップS105のライティングモード撮像処理又はステップS106のノーマルモード撮像処理が実行されることになる。
【0124】
以上、図14を参照して、モードスイッチ処理の詳細な流れについて説明した。次に、上述したモードスイッチ処理のうち、ステップS124のライト選択処理の詳細な流れについて、図15を参照しながら説明する。
図15は、第2実施形態に係るライト選択処理の詳細な流れの一例を説明するフローチャートである。
【0125】
ステップS1241において、主制御部51は、「ライトNO.」が選択されたか否かを判定する。
「ライトNO.」が選択された場合には、ステップS1241においてはYESであると判定され、処理はステップS1242に進む。「ライトNO.」が選択されてない場合には、ステップS1241においてはNOであると判定されて、処理はステップS1244に進む。
【0126】
ステップS1242において、主制御部51は、ライティングのセッティングを読み出す。具体的には、主制御部51は、記憶部38よりステップS1241においてセレクトされた「ライトNO.」の撮像シーケンスのデータを参照する。本実施形態においては、図12(b)に示す「ライトNO.2」の撮像シーケンスのデータが参照される。
【0127】
ステップS1243において、主制御部51は、バックライトを点灯する。具体的には、主制御部51は、ステップS1242において参照した図12(b)の「ライトNO.2」の撮像シーケンスに合わせて、表示部21を発光させる。このように、表示部21が撮像シーケンスの順番に発光することによりセレクトされたライティングモードの動作をユーザに、報知する。
【0128】
ステップS1244において、主制御部51は、OKスイッチがONされたか否かを判定する。具体的には、主制御部51は、OKスイッチ(図示せず)が操作されたか否かを判定する。OKスイッチが操作された場合には、ステップS1244においてはYESと判定されて、処理は図14のステップS125に進む。OKスイッチが操作されない場合には、ステップS1244においてはNOと判定されて、処理はステップS1241に戻り、その後の処理が繰り返される。
【0129】
以上、図13の撮像処理のうち、ステップS2のモードスイッチ処理のうちにステップS124のライト選択処理の詳細な流れについて説明した。
次に、当該撮像処理のうち、ステップS105のライティングモード撮像処理の詳細な流れについて、図16を参照して説明する。
図16は、第2実施形態に係るライティングモード撮像処理の詳細な流れの一例を説明するフローチャートである。
【0130】
上述したように、ステップS102のモードスイッチ処理において、ライティングモードが設定され、かつ、シャッターボタンの押下に伴いSHTFが「1」に設定されると、ステップS103,S104の各処理でそれぞれYESであると判定される。これにより、ステップS105のライティングモード撮像処理として、次のようなステップS141乃至ステップS144の一連の処理が実行される。
【0131】
ステップS141において、撮像装置1の各部は、撮像シーケンスに従って、各画像のデータの取り込みを実行する。各画像のデータの取り込みとは、所定のライティングの状態下で撮像された撮像画像のデータを画像切出部61に取り込む処理である。
【0132】
具体的には、主制御部51は、表示部21のうち第1エリアのみ全点灯させる(第2乃至第4エリアは消灯させる)。
例えば、第1エリアとして、表示部21をみるユーザ(被写体)からみて左側のエリア22aが設定されているものとする。即ち図12(b)の撮像シーケンスデータにおいてそのような設定がなされているものとする。
この場合、エリア22aのみが全点灯し(エリア22b乃至エリア22dが消灯し)、図11(c)のaのライティングの状態、即ち、被写体たるユーザの顔100の左側(ユーザからみて)が照射されるライティングの状態になる。
【0133】
次に、主制御部51は、第1エリアのみが全点灯した状態で撮像部22に被写体を撮像させ、その結果撮像部22から出力されてくる撮像画像のデータを、第1画像のデータとして画像切出部61に取り込ませる。
上述の例では、図11(c)のaのライティングの状態で撮像されるので、ユーザの顔100の右側(撮像画像をみる人からみて)に影がない撮像画像のデータが、第1画像のデータとして画像切出部61に取り込まれる。
【0134】
次に、主制御部51は、表示部21のうち第2エリアのみ全点灯させる(第1,第3及び第4エリアは消灯させる)。
例えば、第2エリアとして、表示部21をみるユーザ(被写体)からみて左側のエリア22bが設定されているものとする。即ち図12の撮像シーケンスデータにおいてそのような設定がなされているものとする。
この場合、エリア22bのみが全点灯し(エリア22a,エリア22c乃至エリア22dが消灯し)、図11(c)のbのライティングの状態、即ち、被写体たるユーザの顔100の左側(ユーザからみて)が照射されるライティングの状態になる。
【0135】
次に、主制御部51は、第2エリアのみが全点灯した状態で撮像部22に被写体を撮像させ、その結果撮像部22から出力されてくる撮像画像のデータを、第2画像のデータとして画像切出部61に取り込ませる。
上述の例では、図11(c)のbのライティングの状態で撮像されるので、ユーザの顔100の左側(撮像画像をみる人からみて)に影がない撮像画像のデータが、第2画像のデータとして画像切出部61に取り込まれる。
【0136】
次に、主制御部51は、表示部21のうち第3エリアのみ全点灯させる(第1,第2及び第4エリアは消灯させる)。
例えば、第3エリアとして、表示部21をみるユーザ(被写体)からみて左側のエリア22cが設定されているものとする。即ち図12(b)の撮像シーケンスデータにおいてそのような設定がなされているものとする。
この場合、エリア22cのみが全点灯し(エリア22a,エリア22b乃至エリア22dが消灯し)、図11(c)のcのライティングの状態、即ち、被写体たるユーザの顔100の上側(ユーザからみて)が照射されるライティングの状態になる。
【0137】
次に、主制御部51は、第3エリアのみが全点灯した状態で撮像部22に被写体を撮像させ、その結果撮像部22から出力されてくる撮像画像のデータを、第3画像のデータとして画像切出部61に取り込ませる。
上述の例では、図11(c)のcのライティングの状態で撮像されるので、ユーザの顔100の上側(撮像画像をみる人からみて)に影がない撮像画像のデータが、第3画像のデータとして画像切出部61に取り込まれる。
【0138】
次に、主制御部51は、表示部21のうち第4エリアのみ全点灯させる(第1乃至第3エリアは消灯させる)。
例えば、第4エリアとして、表示部21をみるユーザ(被写体)からみて左側のエリア22dが設定されているものとする。即ち図12(b)の撮像シーケンスデータにおいてそのような設定がなされているものとする。
この場合、エリア22dのみが全点灯し(エリア22a乃至エリア22cが消灯し)、図11(c)のdのライティングの状態、即ち、被写体たるユーザの顔100の下側(ユーザからみて)が照射されるライティングの状態になる。
【0139】
次に、主制御部51は、第4エリアのみが全点灯した状態で撮像部22に被写体を撮像させ、その結果撮像部22から出力されてくる撮像画像のデータを、第4画像のデータとして画像切出部61に取り込ませる。
上述の例では、図11(c)のdのライティングの状態で撮像されるので、ユーザの顔100の下側(撮像画像をみる人からみて)に影がない撮像画像のデータが、第4画像のデータとして画像切出部61に取り込まれる。
【0140】
ステップS142において、撮像装置1の各部は、合成手法に従って、各画像のデータを合成することによって合成画像データを生成する。
【0141】
具体的には、画像切出部61は、第1画像のデータから、影のない側のa部分のデータを、第1切り出し画像のデータとして生成する。
上述の例では、図11(c)に示すように、影のない側のa部分(撮像画像をみる人からみて)のデータが、第1切り出し画像のデータとして生成される。
【0142】
次に、画像切出部61は、第2画像のデータから、影のない側のb部分のデータを、第2切り出し画像のデータとして生成する。
上述の例では、図11(c)に示すように、影のない側のb部分(撮像画像をみる人からみて)のデータが、第2切り出し画像のデータとして生成される。
【0143】
次に、画像切出部61は、第3画像のデータから、影のない側のc部分のデータを、第3切り出し画像のデータとして生成する。
上述の例では、図11(c)に示すように、影のない側のc部分(撮像画像をみる人からみて)のデータが、第3切り出し画像のデータとして生成される。
【0144】
次に、画像切出部61は、第4画像のデータから、影のない側のd部分のデータを、第4切り出し画像のデータとして生成する。
上述の例では、図11(c)に示すように、影のない側のd部分(撮像画像をみる人からみて)のデータが、第4切り出し画像のデータとして生成される。
【0145】
次に、画像合成部62は、第1切り出し画像乃至第4切り出し画像の各データを合成することによって、合成画像のデータを生成する。
上述の例では、図4に示す画像、即ち、顔100に影のない画像のデータが、合成画像のデータとして生成される。
【0146】
ステップS48において、記憶制御部52は、ステップS47の処理で生成された合成画像のデータを、リムーバブルメディア41等に保存する。その後、主制御部51は、SHTFを「0」に設定する(SHTF←0)。
【0147】
これにより、ライティングモード撮像処理は終了する。即ち、図13のステップS105の処理は終了し、その後、処理はステップS107に進む。
【0148】
以上説明したように、第2実施形態に係る撮像装置1は、第1実施形態に係る撮像装置1と基本的に同様のハードウェア構成及び機能的構成を取ることができる。従って、第2実施形態でも、第1実施形態と全く同様の効果を奏することが可能になる。
さらに、第2実施形態では、表示部21における照明として機能させる領域として、4つのエリア21a乃至21dが設定可能である。
このため、撮像シーケンスデータには、照明として機能させる領域及び当該領域の変化の順番が相異なる複数の手順の各々に対応する複数のライティングモードを登録させることが可能になる。この場合、主制御部51は、撮像シーケンスに登録された複数のライティングモードの中から1つを選択し、選択したライティングモードに従って制御を実行することができる。
これにより、ユーザは、様々なシチュエーションや条件に適するライティングモードを自由にかつ容易に登録することができる。
【0149】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0150】
また、上述の実施形態では、画像合成部62は、順次撮像された複数の撮像画像の一部の各データを合成するように構成したが、これに限られない。例えば、撮像装置1は、一部の撮像画像について再撮影を行い、合成対象の画像を合成前に差し替え可能になるように構成してもよい。
【0151】
また、上述の実施形態では、1回のシャッターボタンの押下により、撮像部22が撮像の動作を複数回繰り返したが(いわゆる連写をしたが)、撮像部22の撮像の動作はこれに限られない。例えば、撮像装置1は、1回のシャッターボタンの押下を契機にして、1回の撮像の動作を行うように構成してもよい。このように構成することにより、被写体が撮像に適した状態になるのを待って、撮像を行うことが可能となる。
【0152】
また、表示部21における照明として機能させる領域は、上述の第1実施形態では2つのエリア21A及び21Bとされ、上述の第2実施形態では4つのエリア21a乃至エリア21dとされたが、これに限られない。即ち、表示部21における照明として機能させる領域についての、個数、形状、表示部21内の位置や大きさ等は任意で構わない。
このように、表示部21における照明として機能させる領域を固定にせず任意にすることで、各種各様のシチュエーションや条件に対応するライティングパターンを容易に実現することが可能になる。
【0153】
また、上述の実施形態では、表示部21は、LCDで構成されているがこれに限られず、任意に設定された(照明として機能させる)領域毎に一定の明るさ(輝度)で発光可能な任意の表示部材、即ち照明として機能し得る任意の表示部材により構成することができる。例えば、表示部21は、LED(Light Emitting Diode)やOEL(Organic Electro−Luminescence:有機EL)素子を光源として有する表示部材で構成することもできる。
【0154】
また、上述の実施形態では、本発明が適用される電子装置は、デジタルカメラ等の撮像装置1を例として説明したが、特にこれに限定されない。本発明は、上述のスケール表示処理を実行可能な電子機器一般に適用することができる。具体的には、例えば、本発明は、ノート型のパーソナルコンピュータ、ビデオカメラ、携帯型ナビゲーション装置、携帯電話装置、ポータブルゲーム機等に適用可能である。
【0155】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、図3の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が撮像装置1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図3の例に限定されない。また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0156】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0157】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図1のリムーバブルメディア41により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア41は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図2のROM12や、図2の記憶部38に含まれるハードディスク等で構成される。
【0158】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【符号の説明】
【0159】
1・・・撮像装置、21・・・表示部、22・・・撮像部、31・・・CPU、32・・・ROM、33・・・RAM、34・・・画像処理部、35・・・バス、36・・・入出力インターフェース、37・・・操作部、38・・・記憶部、39・・・通信部、40・・・ドライブ、41・・・リムーバブルメディア、51・・主制御部、52・・・記憶制御部、61・・・画像切出部、62・・・画像合成部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各画素を発光することにより、画像を表示する表示手段と、
被写体を撮像することによって、撮像画像のデータを生成する撮像手段と、
前記表示手段の各画素のうち、一部の領域を構成する各画素を発光させることにより、前記被写体の一部を照射させる照明として前記領域を機能させた状態で、前記撮像手段に前記被写体を撮像させる制御を実行する制御手段と、
前記制御手段の制御により、前記表示手段の複数の領域のそれぞれが順次前記照明として機能した各状態で、前記被写体が前記撮像手段により順次撮像された場合、前記撮像手段により順次生成される複数の撮像画像のデータの各々について、一部分の領域のデータを切り出し画像のデータとしてそれぞれ生成する画像切出手段と、
前記画像切出手段により生成された前記複数の切り出し画像のデータを合成することによって、合成画像のデータを生成する画像合成手段と、
を備える撮像装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記制御として、
前記被写体の左側を照射して右側に影を生じさせるように前記表示手段の第1領域を照明として機能させた状態で、前記撮像手段に前記被写体を撮像させる第1制御と、
前記被写体の右側を照射して左側に影を生じさせるように前記表示手段の第2領域を照明として機能させた状態で、前記撮像手段に前記被写体を撮像させる第2制御と、
をそれぞれ実行する、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記画像切出手段は、
前記制御手段の前記第1制御の結果として前記撮像手段により生成された撮像画像のデータから、前記被写体のうち、影が生じている側の略半分を含む画像のデータを、第1切り出し画像のデータとして生成し、
前記制御手段の前記第2制御の結果として前記撮像手段により生成された撮像画像のデータから、前記被写体のうち、影が生じている側の略半分を含む画像のデータを、第2切り出し画像のデータとして生成し、
前記画像合成手段は、前記画像切出手段により生成された前記第1切り出し画像及び前記第2切り出し画像の各データを合成することによって、前記合成画像のデータを生成する、
請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記画像切出手段は、
前記制御手段の前記第1制御の結果として前記撮像手段により生成された撮像画像のデータから、前記被写体のうち、影が生じていない側の略半分を含む画像のデータを、第1切り出し画像のデータとして生成し、
前記制御手段の前記第2制御の結果として前記撮像手段により生成された撮像画像のデータから、前記被写体のうち、影が生じていない側の略半分を含む画像のデータを、第2切り出し画像のデータとして生成し、
前記画像合成手段は、前記画像切出手段により生成された前記第1切り出し画像及び前記第2切り出し画像の各データを合成することによって、前記合成画像のデータを生成する、
請求項2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記表示手段における照明として機能させる領域を複数回変化させて、照明として機能させる領域が変化する毎に、前記撮像手段に前記被写体を撮像させていく手順を示す撮像シーケンスデータを保持する保持手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記保持手段に保持された前記撮像シーケンスデータに従って、前記制御を実行する、
請求項1乃至4の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記保持手段に保持されている前記撮像シーケンスデータには、撮像装置の動作のモードとして、照明として機能させる領域及び当該領域の変化の順番が相異なる複数の手順の各々に対応する複数のモードが登録されており、
前記制御手段は、前記撮像シーケンスデータに登録された前記複数のモードの中から1つのモードを選択し、選択した前記1つのモードに従って前記制御を実行する、
請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
各画素を発光することにより、画像を表示する表示手段と、
被写体を撮像することによって、撮像画像のデータを生成する撮像手段と、
を備える撮像装置が実行する撮像方法において、
前記表示手段の各画素のうち、一部の領域を構成する各画素を発光させることにより、前記被写体の一部を照射させる照明として前記領域を機能させた状態で、前記撮像手段に前記被写体を撮像させる制御を実行する制御ステップと、
前記制御ステップの制御処理により、前記表示手段の複数の領域のそれぞれが順次前記照明として機能した各状態で、前記被写体が前記撮像手段により順次撮像された場合、前記撮像手段により順次生成される複数の撮像画像のデータの各々について、一部分の領域のデータを切り出し画像のデータとしてそれぞれ生成する画像切出ステップと、
前記画像切出ステップの処理により生成された前記複数の切り出し画像のデータを合成することによって、合成画像のデータを生成する画像合成ステップと、
を含む撮像方法。
【請求項8】
各画素を発光することにより、画像を表示する表示手段と、
被写体を撮像することによって、撮像画像のデータを生成する撮像手段と、
を備える撮像装置を制御するコンピュータに、
前記表示手段の各画素のうち、一部の領域を構成する各画素を発光させることにより、前記被写体の一部を照射させる照明として前記領域を機能させた状態で、前記撮像手段に前記被写体を撮像させる制御を実行する制御機能と、
前記制御機能の発揮により、前記表示手段の複数の領域のそれぞれが順次前記照明として機能した各状態で、前記被写体が前記撮像手段により順次撮像された場合、前記撮像手段により順次生成される複数の撮像画像のデータの各々について、一部分の領域のデータを切り出し画像のデータとしてそれぞれ生成する画像切出機能と、
前記画像切出機能の発揮により生成された前記複数の切り出し画像のデータを合成することによって、合成画像のデータを生成する画像合成機能と、
を実現させるプログラム。
【請求項1】
各画素を発光することにより、画像を表示する表示手段と、
被写体を撮像することによって、撮像画像のデータを生成する撮像手段と、
前記表示手段の各画素のうち、一部の領域を構成する各画素を発光させることにより、前記被写体の一部を照射させる照明として前記領域を機能させた状態で、前記撮像手段に前記被写体を撮像させる制御を実行する制御手段と、
前記制御手段の制御により、前記表示手段の複数の領域のそれぞれが順次前記照明として機能した各状態で、前記被写体が前記撮像手段により順次撮像された場合、前記撮像手段により順次生成される複数の撮像画像のデータの各々について、一部分の領域のデータを切り出し画像のデータとしてそれぞれ生成する画像切出手段と、
前記画像切出手段により生成された前記複数の切り出し画像のデータを合成することによって、合成画像のデータを生成する画像合成手段と、
を備える撮像装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記制御として、
前記被写体の左側を照射して右側に影を生じさせるように前記表示手段の第1領域を照明として機能させた状態で、前記撮像手段に前記被写体を撮像させる第1制御と、
前記被写体の右側を照射して左側に影を生じさせるように前記表示手段の第2領域を照明として機能させた状態で、前記撮像手段に前記被写体を撮像させる第2制御と、
をそれぞれ実行する、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記画像切出手段は、
前記制御手段の前記第1制御の結果として前記撮像手段により生成された撮像画像のデータから、前記被写体のうち、影が生じている側の略半分を含む画像のデータを、第1切り出し画像のデータとして生成し、
前記制御手段の前記第2制御の結果として前記撮像手段により生成された撮像画像のデータから、前記被写体のうち、影が生じている側の略半分を含む画像のデータを、第2切り出し画像のデータとして生成し、
前記画像合成手段は、前記画像切出手段により生成された前記第1切り出し画像及び前記第2切り出し画像の各データを合成することによって、前記合成画像のデータを生成する、
請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記画像切出手段は、
前記制御手段の前記第1制御の結果として前記撮像手段により生成された撮像画像のデータから、前記被写体のうち、影が生じていない側の略半分を含む画像のデータを、第1切り出し画像のデータとして生成し、
前記制御手段の前記第2制御の結果として前記撮像手段により生成された撮像画像のデータから、前記被写体のうち、影が生じていない側の略半分を含む画像のデータを、第2切り出し画像のデータとして生成し、
前記画像合成手段は、前記画像切出手段により生成された前記第1切り出し画像及び前記第2切り出し画像の各データを合成することによって、前記合成画像のデータを生成する、
請求項2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記表示手段における照明として機能させる領域を複数回変化させて、照明として機能させる領域が変化する毎に、前記撮像手段に前記被写体を撮像させていく手順を示す撮像シーケンスデータを保持する保持手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記保持手段に保持された前記撮像シーケンスデータに従って、前記制御を実行する、
請求項1乃至4の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記保持手段に保持されている前記撮像シーケンスデータには、撮像装置の動作のモードとして、照明として機能させる領域及び当該領域の変化の順番が相異なる複数の手順の各々に対応する複数のモードが登録されており、
前記制御手段は、前記撮像シーケンスデータに登録された前記複数のモードの中から1つのモードを選択し、選択した前記1つのモードに従って前記制御を実行する、
請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
各画素を発光することにより、画像を表示する表示手段と、
被写体を撮像することによって、撮像画像のデータを生成する撮像手段と、
を備える撮像装置が実行する撮像方法において、
前記表示手段の各画素のうち、一部の領域を構成する各画素を発光させることにより、前記被写体の一部を照射させる照明として前記領域を機能させた状態で、前記撮像手段に前記被写体を撮像させる制御を実行する制御ステップと、
前記制御ステップの制御処理により、前記表示手段の複数の領域のそれぞれが順次前記照明として機能した各状態で、前記被写体が前記撮像手段により順次撮像された場合、前記撮像手段により順次生成される複数の撮像画像のデータの各々について、一部分の領域のデータを切り出し画像のデータとしてそれぞれ生成する画像切出ステップと、
前記画像切出ステップの処理により生成された前記複数の切り出し画像のデータを合成することによって、合成画像のデータを生成する画像合成ステップと、
を含む撮像方法。
【請求項8】
各画素を発光することにより、画像を表示する表示手段と、
被写体を撮像することによって、撮像画像のデータを生成する撮像手段と、
を備える撮像装置を制御するコンピュータに、
前記表示手段の各画素のうち、一部の領域を構成する各画素を発光させることにより、前記被写体の一部を照射させる照明として前記領域を機能させた状態で、前記撮像手段に前記被写体を撮像させる制御を実行する制御機能と、
前記制御機能の発揮により、前記表示手段の複数の領域のそれぞれが順次前記照明として機能した各状態で、前記被写体が前記撮像手段により順次撮像された場合、前記撮像手段により順次生成される複数の撮像画像のデータの各々について、一部分の領域のデータを切り出し画像のデータとしてそれぞれ生成する画像切出機能と、
前記画像切出機能の発揮により生成された前記複数の切り出し画像のデータを合成することによって、合成画像のデータを生成する画像合成機能と、
を実現させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−138819(P2012−138819A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290538(P2010−290538)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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