説明

撮像装置、撮像方法及びプログラム

【課題】ユーザの意向を反映した適切な撮像動作を行う。
【解決手段】撮像部3を備える撮像装置100であって、ユーザによる半押し操作と全押し操作が実行可能なシャッターボタン2aと、撮像部3の撮像条件を自動的に調整する撮像条件調整部5cと、シャッターボタン2aがユーザにより一気に全押し操作された場合に、ユーザによる当該装置本体の操作状態に関連する操作状態情報を取得する操作状態取得部5aと、取得された操作状態情報に基づいて、ユーザがシャッターボタン2aを用いた撮像操作を急いで行ったか否かを判断する急ぎ判断部5bと、ユーザが撮像操作を急いで行っていないと判断された場合には、撮像条件調整部5cに第1調整処理を実行させ、一方、ユーザが撮像操作を急いで行ったと判断された場合には、撮像条件調整部5cに第1調整処理よりも処理速度が速い第2調整処理を実行させる調整制御部5dとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、撮像方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの意向を反映した撮像動作を行うために、シャッターボタンが半押し操作されたか、或いは、一気に全押し操作されたかに応じて、コントラストAFのサーチ範囲を変更する撮像装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−227133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、撮像装置の操作に不慣れなユーザによっては、シャッターボタンの半押し操作に基づいてAF機能が作動することを知らないために、シャッターボタンを一気に全押し操作してしまう場合がある。このような場合、ユーザにとっては急いで撮影する意図もないのにサーチ範囲の狭い高速なコントラストAF処理が行われ、その結果、ピントの合っていない画像が撮像されてしまう虞があった。
【0005】
そこで、本発明の課題は、ユーザの意向を反映した適切な撮像動作を行うことができる撮像装置、撮像方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の撮像装置は、
撮像手段を備える撮像装置であって、
ユーザによる半押し操作と全押し操作が実行可能なシャッターボタンと、
前記撮像手段により被写体を撮像する際の撮像条件を自動的に調整する撮像条件調整手段と、
前記シャッターボタンがユーザにより一気に全押し操作された場合に、ユーザによる当該装置本体の操作状態に関連する操作状態情報を取得する取得手段と、
この取得手段により取得された操作状態情報に基づいて、ユーザが前記シャッターボタンを用いた撮像操作を急いで行ったか否かを判断する判断手段と、
この判断手段により前記撮像操作を急いで行っていないと判断された場合には、前記撮像条件調整手段に第1調整処理を実行させ、一方、前記判断手段により前記撮像操作を急いで行ったと判断された場合には、前記撮像条件調整手段に前記第1調整処理よりも処理速度が速い第2調整処理を実行させる調整制御手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0007】
また、本発明の撮像方法は、
撮像手段と、ユーザによる半押し操作と全押し操作が実行可能なシャッターボタンと、前記撮像手段により被写体を撮像する際の撮像条件を自動的に調整する撮像条件調整手段とを備える撮像装置を用いた撮像方法であって、
前記シャッターボタンがユーザにより一気に全押し操作された場合に、ユーザによる当該装置本体の操作状態に関連する操作状態情報を取得する処理と、
取得された操作状態情報に基づいて、ユーザが前記シャッターボタンを用いた撮像操作を急いで行ったか否かを判断する処理と、
前記撮像操作を急いで行っていないと判断された場合には、前記撮像条件調整手段に第1調整処理を実行させ、一方、前記撮像操作を急いで行ったと判断された場合には、前記撮像条件調整手段に前記第1調整処理よりも処理速度が速い第2調整処理を実行させる処理と、
を行うことを特徴としている。
【0008】
また、本発明のプログラムは、
撮像手段と、ユーザによる半押し操作と全押し操作が実行可能なシャッターボタンと、前記撮像手段により被写体を撮像する際の撮像条件を自動的に調整する撮像条件調整手段とを備える撮像装置のコンピュータを、
前記シャッターボタンがユーザにより一気に全押し操作された場合に、ユーザによる当該装置本体の操作状態に関連する操作状態情報を取得する取得手段、
この取得手段により取得された操作状態情報に基づいて、ユーザが前記シャッターボタンを用いた撮像操作を急いで行ったか否かを判断する判断手段、
この判断手段により前記撮像操作を急いで行っていないと判断された場合には、前記撮像条件調整手段に第1調整処理を実行させ、一方、前記判断手段により前記撮像操作を急いで行ったと判断された場合には、前記撮像条件調整手段に前記第1調整処理よりも処理速度が速い第2調整処理を実行させる調整制御手段、
として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、シャッターボタンが一気に全押し操作された場合に、ユーザの意向を反映した適切な撮像動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明を適用した一実施形態の撮像装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1の撮像装置による撮像処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
本実施形態の撮像装置100は、シャッターボタン2aがユーザにより半押し操作されることなく一気に全押し操作された場合に、ユーザがシャッターボタン2aを用いた撮像操作を急いで行ったか否かを判断し、ユーザが撮像操作を急いで行っていないと判断した場合には、撮像部3の撮像条件を調整するための処理として撮像条件の調整精度が高い第1調整処理を実行し、一方、ユーザが撮像操作を急いで行ったと判断した場合には、撮像部3の撮像条件を調整するための処理として処理速度が速い第2調整処理を実行する。
【0012】
図1は、本発明を適用した一実施形態の撮像装置100の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、撮像装置100は、具体的には、中央制御部1と、操作入力部2と、撮像部3と、画像データ生成部4と、撮像制御部5と、計時部6と、メモリ7と、画像処理部8と、記録媒体制御部9と、表示制御部10と、表示部11とを備えている。
【0013】
中央制御部1は、撮像装置100の各部を制御するものである。具体的には、中央制御部1は、図示は省略するが、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、撮像装置100用の各種処理プログラム(図示略)に従って各種の制御動作を行う。
【0014】
操作入力部2は、当該装置本体(当該撮像装置100)の所定操作を行うためのものである。具体的には、操作入力部2は、被写体の撮像指示に係るシャッターボタン2a、撮像モードや機能等の選択指示に係る選択決定ボタン(図示略)、ズーム量の調整指示に係るズームボタン(図示略)等を備え、これらのボタンの操作に応じて所定の操作信号を中央制御部1に出力する。
【0015】
シャッターボタン2aは、ユーザによる半押し操作と全押し操作が実行可能となるように構成されている。
そして、操作入力部2は、シャッターボタン2aがユーザによって押下されて所定の中間点に達すると、半押し操作信号を中央制御部1に出力する。また、操作入力部2は、シャッターボタン2aがユーザによって押下されて所定の最下点に達すると、全押し操作信号を中央制御部1に出力する。これにより、中央制御部1は、シャッターボタン2aが半押し操作されたか否か、全押し操作されたか否かを判定可能となっている。
【0016】
また、中央制御部1は、シャッターボタン2aが半押し操作されることなく一気に全押し操作されたか否かも判定可能である。
具体的には、中央制御部1は、例えば、操作入力部2から半押し操作信号が出力されてから、所定時間が経過する前に操作入力部2から全押し操作信号が出力された場合には、シャッターボタン2aがユーザにより半押し操作されることなく一気に全押し操作されたと判定する。
なお、中央制御部1は、操作入力部2から半押し操作信号が出力されてから所定時間が経過する前に操作入力部2に全押し操作信号が出力された場合に、シャッターボタン2aが半押し操作されることなく一気に全押し操作されたと判定するようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、シャッターボタン2aの半押し状態が所定時間以上維持されないと操作入力部2から半押し操作信号が出力されない構成とした場合には、中央制御部1は、操作入力部2から半押し操作信号が出力されることなく全押し操作信号が出力されたときに、シャッターボタン2aが一気に全押し操作されたと判定するように構成しても良い。
【0017】
また、シャッターボタン2aは、タッチセンサ機能を搭載していても良い。この場合、例えば、ユーザによるシャッターボタン2aの接触操作が半押し操作に相当し、ユーザによるシャッターボタン2aの押下操作が全押し操作に相当する。したがって、操作入力部2は、シャッターボタン2aがユーザによって接触操作された場合に半押し操作信号を中央制御部1に出力するとともに、シャッターボタン2aがユーザによって押下操作された場合に全押し操作信号を中央制御部1に出力する。
【0018】
撮像部3は、撮像手段として、被写体を撮像して画像フレームを生成する。具体的には、撮像部3は、レンズ部3aと、電子撮像部3bとを備えている。
レンズ部3aは、ズームレンズやフォーカスレンズ等の複数のレンズから構成されている。
電子撮像部3bは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)等のイメージセンサから構成されている。また、電子撮像部3bは、撮像制御部5(詳細後述)の制御下にて駆動して、レンズ部3aの各種レンズを通過した光学像を二次元の画像信号に変換する。そして、電子撮像部3bの撮像領域から1画面分ずつ読み出された画像フレームは、画像データ生成部4に出力される。
なお、図示は省略するが、撮像部3は、レンズ部3aを通過する光の量を調整する絞りを備えていても良い。
【0019】
画像データ生成部4は、電子撮像部3bから転送された画像フレームのアナログ値の信号に対してRGBの各色成分毎に適宜ゲイン調整した後に、サンプルホールド回路(図示略)でサンプルホールドしてA/D変換器(図示略)でデジタルデータに変換し、カラープロセス回路(図示略)で画素補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理を行った後、デジタル値の輝度信号Y及び色差信号Cb,Cr(YUVデータ)を生成する。
カラープロセス回路から出力される輝度信号Y及び色差信号Cb,Crは、図示しないDMAコントローラを介して、バッファメモリとして使用されるメモリ7にDMA転送される。
【0020】
撮像制御部5は、撮像部3による被写体の撮像を制御する。即ち、撮像制御部5は、図示は省略するが、タイミング発生器、ドライバ等を備えている。そして、撮像制御部5は、タイミング発生器、ドライバにより電子撮像部3bを走査駆動して、所定周期毎に光学像を電子撮像部3bにより二次元の画像信号に変換させ、当該電子撮像部3bの撮像領域から1画面分ずつ画像フレームを読み出して画像データ生成部4に出力させる。
【0021】
また、撮像制御部5は、操作状態取得部5aを具備している。
操作状態取得部5aは、ユーザがシャッターボタン2aを用いた撮像操作を急いで行ったか否かを判断するための情報である操作状態情報を取得する。
即ち、操作入力部2のシャッターボタン2aから出力された所定の操作信号の入力に基づいて、中央制御部1によって、ユーザによりシャッターボタン2aが半押し操作されることなく一気に全押し操作されたと判定されると、操作状態取得部5aは、中央制御部1の制御下にて、操作状態情報として、計時部6により計時された当該装置本体が所定操作された時点からシャッターボタン2aが一気に全押し操作されるまでに要した所要時間を取得する。
【0022】
具体的には、計時部6は、ユーザによる操作入力部2の所定操作に基づいて当該装置本体が起動した時点からの経過時間を計時する。そして、中央制御部1は、ユーザによりシャッターボタン2aが半押し操作されることなく一気に全押し操作されたと判定されると、操作状態取得部5aに対して所定の制御信号を出力して、操作状態取得部5aは、当該装置本体が起動した時点からシャッターボタン2aが一気に全押し操作されるまでに要した所要時間を計時部6から取得する。
このように、操作状態取得部5aは、シャッターボタン2aがユーザにより半押し操作されることなく一気に全押し操作された場合に、ユーザによる当該装置本体の操作状態に関連する操作状態情報を取得する取得手段を構成している。
【0023】
また、撮像制御部5は、急ぎ判断部5bを具備している。
急ぎ判断部5bは、操作状態取得部5aにより取得された操作状態情報に基づいて、ユーザが撮像操作を急いで行ったか否かを判断する。即ち、急ぎ判断部5bは、操作状態取得部5aにより取得された当該装置本体が起動した時点からシャッターボタン2aが一気に全押し操作されるまでに要した所要時間が、所定時間未満であるか否かに応じて、ユーザが撮像操作を急いで行ったか否かを判断する。
【0024】
具体的には、急ぎ判断部5bは、操作状態取得部5aより取得された所要時間が所定時間未満である場合、即ち、当該装置本体の起動から所定時間が経過する前にシャッターボタン2aが一気に全押し操作された場合には、ユーザが撮像操作を急いで行ったと判断する。一方、操作状態取得部5aにより取得された所要時間が所定時間以上である場合、即ち、当該装置本体の起動から所定時間が経過した後にシャッターボタン2aが一気に全押し操作された場合には、ユーザが撮像操作を急いで行っていないと判断する。
このように、急ぎ判断部5bは、操作状態取得部5aにより取得された操作状態情報に基づいて、ユーザがシャッターボタン2aを用いた撮像操作を急いで行ったか否かを判断する判断手段を構成している。
【0025】
また、撮像制御部5は、撮像部3により被写体を撮像する際の撮像条件を自動的に調整する撮像条件調整部5cを備えている。
撮像条件調整部5cは、撮像条件調整手段として、撮像部3が有するレンズ部3aの合焦位置を調整するAF(自動合焦)処理を行うAF処理部c1や、撮像部3の露出条件を調整するAE(自動露出)処理を行うAE処理部c2、撮像部3により撮像される画像データのホワイトバランスを調整するAWB(自動ホワイトバランス)処理を行うAWB処理部c3等を備えている。
【0026】
具体的には、撮像条件調整部5cは、撮像部3の撮像条件の調整として、予備調整と、高精度調整と、高速調整とを行う。
【0027】
撮像条件調整部5cによる予備調整、即ち、撮像部3の撮像条件の予備調整は、ユーザによる操作入力部2の所定操作に基づいて撮像モードが設定されて撮像待機状態となった時点から、ユーザによりシャッターボタン2aが操作されるまでの間、表示部11にライブビュー画像を表示するために行われる。ここで、撮像待機状態とは、ユーザによるシャッターボタン2a操作を待機している状態である。
また、撮像条件調整部5cによる高精度調整、即ち、撮像部3の撮像条件の高精度調整は、ユーザによりシャッターボタン2aが半押し操作された場合や、ユーザによりシャッターボタン2aが半押し操作されることなく一気に全押し操作された際であってもユーザが撮像操作を急いで行っていないと判断された場合に行われる。
また、撮像条件調整部5cによる高速調整、即ち、撮像部3の撮像条件の高速調整は、ユーザによりシャッターボタン2aが半押し操作されることなく一気に全押し操作されてユーザが撮像操作を急いで行ったと判断された場合に行われる。
【0028】
AF処理部c1は、例えば、フォーカスモータ等の駆動源と、中央制御部1からの制御信号に従って駆動源を駆動させるドライバ等(何れも図示略)を具備している。そして、AF処理部c1は、AF処理として、第2合焦処理よりも合焦精度が高い第1合焦処理と、第1合焦処理よりも処理速度が速い第2合焦処理とを実行可能に構成されている。
【0029】
このように、AF処理部c1は、撮像部3が有するレンズ部3aの合焦位置を調整する合焦手段を構成している。
なお、AF処理部c1は、レンズ部3aに代えて、電子撮像部3bを光軸方向に移動させてレンズ部3aの合焦位置を調整するようにしても良い。
【0030】
AE処理部c2は、撮像部3及び撮像制御部5による被写体の撮像の際の露出条件を逐次設定するAE(自動露出)処理を行う。即ち、AE処理部c2は、所定の測光方式(例えば、中央重点測光方式等)に従って各画像フレームの明るさを逐次検出し、所定のプログラム線図に基づいて適正露出となるように、電子撮像部3bのシャッター速度や信号増幅率(ISO感度)、絞りの絞り数値等を調整して、所定の制御信号を電子撮像部3bや絞りに出力する。
そして、AE処理部c2は、AE処理として、予備露出調整処理と、第2露出調整処理よりも露出調整精度が高い第1露出調整処理と、第1露出調整処理よりも処理速度が速い第2露出調整処理とを実行可能に構成されている。
【0031】
ここで、予備露出調整処理は、撮像部3の撮像条件の予備調整の際に実行されるAE処理である。
具体的には、AE処理部c2は、例えば、AF処理部c1により第1合焦処理も第2合焦処理も実行されていない状態で、撮像部3により生成される各画像フレームの明るさを検出して撮像部3の適正露出値を決定することによって、撮像部3の露出条件を調整する予備露出調整処理を行う。
このように、AE処理部c2は、撮像部3の露出条件を調整する露出調整手段を構成している。
【0032】
AWB処理部c3は、各画像フレームから検出された所定領域のグレー成分の色を基準として、画像データ生成部4による画像フレームの各画素のRGBの各色成分のゲイン量を調整するAWB(自動ホワイトバランス)処理を行う。
そして、AWB処理部c3は、AWB処理として、予備ホワイトバランス調整処理と、第2ホワイトバランス調整処理よりもホワイトバランス調整精度が高い第1ホワイトバランス調整処理と、第1ホワイトバランス調整処理よりも処理速度が速い第2ホワイトバランス調整処理とを実行可能に構成されている。
【0033】
ここで、予備ホワイトバランス調整処理は、撮像部3の撮像条件の予備調整の際に実行されるAWB処理である。
具体的には、AWB処理部c3は、例えば、AF処理部c1により第1合焦処理も第2合焦処理も実行されていない状態で、撮像部3により生成される各画像フレームから検出された所定領域のグレー成分の色を基準として、撮像部3により撮像される画像データの適正ホワイトバランス値を決定することによって、撮像部3により撮像される画像データのホワイトバランスを調整する予備ホワイトバランス調整処理を行う。
このように、AWB処理部c3は、撮像部3により撮像される画像データのホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整手段を構成している。
【0034】
また、撮像制御部5は、調整制御部5dを具備している。
即ち、調整制御部5dは、急ぎ判断部5bによりユーザが撮像操作を急いで行っていないと判断された場合には、撮像条件調整部5cに含まれるAF処理部c1、AE処理部c2、AWB処理部c3に第2調整処理よりも撮像条件の調整精度が高い第1調整処理を実行させる。一方、調整制御部5dは、急ぎ判断部5bによりユーザが撮像操作を急いで行ったと判断された場合には、撮像条件調整部5cに含まれるAF処理部c1、AE処理部c2、AWB処理部c3に第1調整処理よりも処理速度が速い第2調整処理を実行させる。
【0035】
第1調整処理とは、撮像部3により被写体を撮像する際の撮像条件を、第2調整処理よりも高精度に調整する処理である。
第2調整処理とは、撮像部3により被写体を撮像する際の撮像条件を、第1調整処理よりも高速に調整する処理である。
【0036】
具体的には、調整制御部5dは、第1調整処理として、AF処理部c1に第1合焦処理を、AE処理部c2に第1露出条件調整処理を、AWB処理部c3に第1ホワイトバランス調整処理を実行させる。
【0037】
ここで、第1合焦処理は、撮像部3の撮像条件の高精度調整の際に実行されるAF処理である。
具体的には、AF処理部c1は、第1合焦処理にて、例えば、コントラストAFを行う。即ち、AF処理部c1は、例えば、撮像部3が有するフォーカスレンズ等の合焦用レンズを光軸方向に沿って一方のレンズ端から他方のレンズ端まで所定の間隔で移動させながら、電子撮像部3bが有するイメージセンサにて画像信号を順次取り込んでいく。そして、AF処理部c1は、測距エリア内においてコントラスト比が最も高い画像が得られる光軸上の合焦用レンズの位置を被写体に対する合焦位置とみなし、その位置に合焦用レンズを合わせることによって、レンズ部3aの合焦位置を調整する。
【0038】
なお、第1合焦処理は、合焦用レンズを一方のレンズ端から他方のレンズ端まで移動させて、レンズ部3aの合焦位置を調整する処理に限定されるものではない。即ち、AF処理部c1は、例えば、合焦用レンズを一方のレンズ端から他方のレンズ端まで移動させる間にコントラスト比のピークが検出できた場合には、その時点で、コントラスト比がピークとなる光軸上の合焦用レンズの位置を被写体に対する合焦位置とみなし、その位置に合焦用レンズを合わせることによって、レンズ部3aの合焦位置を調整しても良い。
【0039】
また、第1露出調整処理は、撮像部3の撮像条件の高精度調整の際に実行されるAE処理である。
具体的には、AE処理部c2は、例えば、AF処理部c1による第1合焦処理により撮像部3が有するレンズ部3aの合焦位置が調整された状態で、撮像部3により生成される各画像フレームの明るさを検出して撮像部3の適正露出値を決定することによって、撮像部3の露出条件を調整する第1露出調整処理を行う。このとき、AE処理部c2は、第1合焦処理にてピントの合っている測距エリア(例えば、画像フレームの略中央部に位置する測距エリア)に対応する測光エリア内の明るさを検出し、当該測光エリア内の明るさを基準として撮像部3の適正露出値を決定しても良い。
【0040】
また、第1ホワイトバランス調整処理は、撮像部3の撮像条件の高精度調整の際に実行されるAWB処理である。
具体的には、AWB処理部c3は、例えば、AF処理部c1による第1合焦処理により撮像部3が有するレンズ部3aの合焦位置が調整された状態や、AE処理部c2による第1露出調整処理により撮像部3の露出条件が調整された状態で、撮像部3により生成される各画像フレームから検出された所定領域のグレー成分の色を基準として、撮像部3により撮像される画像データの適正ホワイトバランス値を決定することによって、撮像部3により撮像される画像データのホワイトバランスを調整する第1ホワイトバランス調整処理を行う。
【0041】
また、調整制御部5dは、第2調整処理として、AF処理部c1に第2合焦処理を、AE処理部c2に第2露出条件調整処理を、AWB処理部c3に第2ホワイトバランス調整処理を実行させる。
【0042】
ここで、第2合焦処理は、撮像部3の撮像条件の高速調整の際に実行されるAF処理である。
具体的には、AF処理部c1は、第2合焦処理にて、例えば、パンフォーカスを行う。即ち、AF処理部c1は、例えば、被写界深度が最も深くなるように予め設定されているパンフォーカス用のフォーカス位置に合焦用レンズを合わせることによって、レンズ部3aの合焦位置を調整する。したがって、第2合焦処理では、コントラスト比が最も高い画像が得られる光軸上の合焦用レンズの位置を探索する動作等が省略されるので、第1合焦処理よりも処理速度が速くなる。
【0043】
また、第2露出調整処理は、撮像部3の撮像条件の高速調整の際に実行されるAE処理である。
具体的には、AE処理部c2は、例えば、当該第2露出調整処理に切り替える前に決定済みの適正露出値を設定することによって、撮像部3の露出条件を調整する第2露出調整処理を行う。具体的には、急ぎ判断部5bによりシャッターボタン2aが一気に全押し操作されてユーザが撮像操作を急いで行ったと判断されると、AE処理部c2は、AE処理を予備露出調整処理から第2露出調整処理に切り替えて実行する。そして、AE処理部c2は、第2露出調整処理を実行して、当該第2露出調整処理に切り替える前に実行していた予備露出調整処理で決定済みの適正露出値を設定する。したがって、第2露出調整処理では、適正露出値を決定する動作等が省略されるので、第1露出調整処理よりも処理速度が速くなる。
【0044】
また、第2ホワイトバランス調整処理は、撮像部3の撮像条件の高速調整の際に実行されるAWB処理である。
具体的には、AWB処理部c3は、例えば、当該第2ホワイトバランス調整処理に切り替える前に決定済みの適正ホワイトバランス値を設定することによって、撮像部3により撮像される画像データのホワイトバランスを調整する第2ホワイトバランス調整処理を行う。具体的には、急ぎ判断部5bによりシャッターボタン2aが一気に全押し操作されてユーザが撮像操作を急いで行ったと判断されると、AWB処理部c3は、AWB処理を予備ホワイトバランス調整処理から第2ホワイトバランス調整処理に切り替えて実行する。そして、AWB処理部c3は、第2ホワイトバランス調整処理を実行して、当該第2ホワイトバランス調整処理に切り替える前に実行していた予備ホワイトバランス調整処理で決定済みの適正ホワイトバランス値を設定する。したがって、第2ホワイトバランス調整処理では、適正ホワイトバランス値を決定する動作等が省略されるので、第1ホワイトバランス調整処理よりも処理速度が速くなる。
【0045】
このように、調整制御部5dは、急ぎ判断部5bによりユーザが撮像操作を急いで行っていないと判断された場合には、撮像条件調整部5cに第1調整処理を実行させ、一方、急ぎ判断部5bによりユーザが撮像操作を急いで行ったと判断された場合には、撮像条件調整部5cに第1調整処理よりも処理速度が速い第2調整処理を実行させる調整制御手段を構成している。
【0046】
計時部6は、計時手段として、ユーザにより当該装置本体が所定操作された時点から経過する時間を計時する。具体的には、計時部6は、専用の集積回路、当該集積回路を駆動する電池等を備え、ユーザによる操作入力部2の所定操作に基づいて、中央制御部1からの制御信号に従って当該装置本体が起動した時点からの経過時間を計時する。
【0047】
メモリ7は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等により構成され、中央制御部1、撮像制御部5、画像処理部8等によって処理されるデータ等を一時記憶する。
【0048】
画像処理部8は、メモリ7から画像データを取得して、当該画像データに対する所定の画像処理を行う。
【0049】
記録媒体制御部9は、記録媒体Mが着脱自在に構成され、装着された記録媒体Mからのデータの読み出しや記録媒体Mに対するデータの書き込みを制御する。
即ち、記録媒体制御部9は、画像処理部8の符号化部(図示略)により所定の圧縮形式(例えば、JPEG形式等)で符号化された記録用の画像データを記録媒体Mに記録させる。
なお、記録媒体Mは、例えば、不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)等により構成されるが、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
【0050】
表示制御部10は、メモリ7に一時的に記憶されている表示用の画像データを読み出して表示部11に表示させる制御を行う。
具体的には、表示制御部10は、VRAM(Video Random Access Memory)、VRAMコントローラ、デジタルビデオエンコーダ等を備えている。そして、デジタルビデオエンコーダは、中央制御部1の制御下にてメモリ7から読み出されてVRAM(図示略)に記憶されている輝度信号Y及び色差信号Cb,Crを、VRAMコントローラを介してVRAMから定期的に読み出して、これらのデータを元にビデオ信号を発生して表示部11に出力する。
【0051】
表示部11は、例えば、液晶表示パネルであり、表示制御部10からのビデオ信号に基づいて電子撮像部3bにより撮像された画像などを表示画面に表示する。具体的には、表示部11は、静止画撮像モードや動画撮像モードにて、撮像部3及び撮像制御部5による被写体の撮像により生成された複数の画像フレームを所定のフレームレートで逐次更新しながらライブビュー画像を表示する。また、表示部11は、静止画として記録される画像(レックビュー画像)を表示したり、動画として記録中の画像を表示する。
【0052】
次に、撮像装置100による撮像処理について図2を参照して説明する。
図2は、撮像処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【0053】
図2に示すように、先ず、ユーザによる操作入力部2の所定操作に基づいて、当該装置本体が起動すると(ステップS1)、計時部6は、計時を開始する(ステップS2)。これにより、計時部6によって、当該装置本体が起動した時点からの経過時間が計時される。
【0054】
次に、ユーザによる操作入力部2の所定の操作に基づいて、複数の動作モードの中から撮像モードが選択されると、中央制御部1は、当該撮像モードに応じた動作状態に各部を設定して、当該装置本体を撮像待機状態にする(ステップS3)。
次に、表示制御部10に、撮像部3及び撮像制御部5による被写体の撮像により画像データ生成部4により生成された複数の画像フレームに基づいてライブビュー画像を表示部11の表示画面に表示させる(ステップS4)。また、撮像条件調整部5cは、撮像部3の撮像条件の予備調整を行う予備調整処理を実行する(ステップS5)。この予備調整処理では、AE処理部c2による予備露出調整処理や、AWB処理部c3による予備ホワイトバランス調整処理等が実行される。
【0055】
次に、中央制御部1は、操作入力部2からの操作信号に基づいて、ユーザによりシャッターボタン2aが操作されたか否かを判定する(ステップS6)。
ステップS6にて、シャッターボタン2aが操作されていないと判定されると(ステップS6;NO)、中央制御部1は、処理をステップS5に戻し、撮像条件調整部5cは、撮像部3の撮像条件の予備調整を行う予備調整処理を繰り返し実行する。
一方、ステップS6にて、シャッターボタン2aが操作されたと判定されると(ステップS6;YES)、中央制御部1は、当該シャッターボタン2aの操作状態に応じて処理を分岐させる(ステップS7)。具体的には、中央制御部1は、シャッターボタン2aが半押し操作されたと判定した場合には(ステップS7;半押し)、処理をステップS8に移行させる。一方、中央制御部1は、シャッターボタン2aが半押し操作されることなく一気に全押し操作されたと判定した場合には(ステップS8;一気に全押し)、処理をステップS11に移行させる。
【0056】
シャッターボタン2aが半押し操作されたと判定されると(ステップS7;半押し)、撮像条件調整部5cは、撮像部3の撮像条件の高精度調整を行う通常調整処理、即ち、第1調整処理を開始する(ステップS8)。この通常調整処理では、AF処理部c1によって第2合焦処理よりも合焦精度が高い第1合焦処理や、AE処理部c2によって第2露出調整処理よりも露出調整精度が高い第1露出調整処理、AWB処理部c3によって第2ホワイトバランス調整処理よりもホワイトバランス調整精度が高い第1ホワイトバランス調整処理等が実行される。
【0057】
次に、中央制御部1は、操作入力部2からの操作信号に基づいて、ユーザによりシャッターボタン2aが全押し操作されたか否かを判定する(ステップS9)。
ステップS9にて、シャッターボタン2aが全押し操作されていないと判定されると(ステップS9;NO)、中央制御部1は、ステップS9の処理を繰り返して行う。
一方、ステップS9にて、シャッターボタン2aが全押し操作されたと判定されると(ステップS9;YES)、中央制御部1は、ステップS8で開始された通常調整処理(第1調整処理)が完了した後に、当該装置本体の各部の動作を制御して被写体を撮像させる(ステップS10)。具体的には、撮像制御部5は、通常調整処理に従って調整された合焦レンズの合焦位置や露出条件(シャッター速度、絞り、増幅率等)やホワイトバランス等の条件で、被写体の光学像を電子撮像部3bにより撮像させ、画像データ生成部4は、電子撮像部3bから転送された被写体のYUVデータを生成し、記録媒体制御部9は、記録媒体Mの所定の記憶領域に、被写体のYUVデータを各種撮像条件(当該画像の明るさ、コントラスト、色調等)がExif情報として付帯されたExif形式の画像ファイルとして記録させる。
【0058】
一方、シャッターボタン2aが半押し操作されることなく一気に全押し操作されたと判定されると(ステップS7;一気に全押し)、操作状態取得部5aは、計時部6により計時された当該装置本体が起動した時点からシャッターボタン2aが一気に全押し操作されるまでに要した所要時間を取得する(ステップS11)。
【0059】
次に、急ぎ判断部5bは、操作状態取得部5aにより取得された所要時間が所定時間未満であるか否かを判定する(ステップS12)。
具体的には、急ぎ判断部5bは、操作状態取得部5aにより取得された所要時間が所定時間未満であると判定した場合には、ユーザが撮像操作を急いで行ったと判断、即ち、ユーザが意図してシャッターボタン2aを一気に全押し操作したと判断する。一方、操作状態取得部5aにより取得された所要時間が所定時間未満でないと判定した場合には、ユーザが撮像操作を急いで行っていないと判断、即ち、ユーザが意図せずにシャッターボタン2aを一気に全押し操作したと判断する。
【0060】
ステップS12にて、所要時間が所定時間未満でないと判定されると(ステップS12;NO)、即ち、ユーザが撮像操作を急いで行っていないと判断されると、撮像条件調整部5cは、撮像部3の撮像条件の高精度調整を行う通常調整処理、即ち、第1調整処理を開始する(ステップS13)。ここでの通常調整処理は、上記したステップS8における通常調整処理と略同様であり、その詳細な説明は省略する。
次に、中央制御部1は、ステップS13で開始された通常調整処理(第1調整処理)が完了した後に、当該装置本体の各部の動作を制御して被写体を撮像させる(ステップS10)。
【0061】
一方、ステップS12にて、所要時間が所定時間未満であると判定されると(ステップS12;YES)、即ち、ユーザが撮像操作を急いで行ったと判断されると、撮像条件調整部5cは、撮像部3の撮像条件の高速調整を行う高速調整処理、即ち、第2調整処理を開始する(ステップS14)。この高速調整処理では、AF処理部c1によって第1合焦処理よりも処理速度が速い第2合焦処理や、AE処理部c2によって第1露出調整処理よりも処理速度が速い第2露出調整処理、AWB処理部c3によって第1ホワイトバランス調整処理よりも処理速度が速い第2ホワイトバランス調整処理等が実行される。
次に、中央制御部1は、ステップS14で開始された高速調整処理(第2調整処理)が完了した後に、当該装置本体の各部の動作を制御して被写体を撮像させる(ステップS10)。具体的には、撮像制御部5は、高速調整処理に従って調整された合焦レンズの合焦位置や露出条件(シャッター速度、絞り、増幅率等)やホワイトバランス等の条件で、被写体の光学像を電子撮像部3bにより撮像させ、画像データ生成部4は、電子撮像部3bから転送された被写体のYUVデータを生成し、記録媒体制御部9は、記録媒体Mの所定の記憶領域に、被写体のYUVデータを各種撮像条件(当該画像の明るさ、コントラスト、色調等)がExif情報として付帯されたExif形式の画像ファイルとして記録させる。
【0062】
以上のように、本実施形態の撮像装置100によれば、シャッターボタン2aがユーザにより半押し操作されることなく一気に全押し操作された場合に、急ぎ判断部5bは、操作状態情報に基づいて、ユーザがシャッターボタン2aを用いた撮像操作を急いで行ったか否かを判断し、調整制御部5dは、ユーザが撮像操作を急いで行っていないと判断された場合には、撮像条件調整部5cに撮像部3の撮像条件を調整するための処理として第2調整処理よりも撮像条件の調整精度が高い第1調整処理を実行させ、一方、ユーザが撮像操作を急いで行ったと判断された場合には、撮像条件調整部5cに撮像部3の撮像条件を調整するための処理として第1調整処理よりも処理速度が速い第2調整処理を実行させる。
即ち、シャッターボタン2aがユーザにより半押し操作されることなく一気に全押し操作された場合でも、ユーザが撮像操作を急いで行っていないと判断したときには、撮像装置100は、ユーザが意図せずにシャッターボタン2aを一気に全押し操作したと判断して、第2調整処理よりも撮像条件の調整精度が高い第1調整処理を実行し、高品質な画像を撮像する。一方、シャッターボタン2aがユーザにより半押し操作されることなく一気に全押し操作されてユーザが撮像操作を急いで行ったと判断したときには、撮像装置100は、ユーザが意図してシャッターボタン2aを一気に全押し操作したと判断して、第1調整処理よりも処理速度が速い第2調整処理を実行し、シャッターチャンスを逃してしまうことを防止する。したがって、シャッターボタン2aが一気に全押し操作された場合に、ユーザの意向を反映した適切な撮像動作を行うことができる。
【0063】
具体的には、急ぎ判断部5bは、当該装置本体が起動した時点からシャッターボタン2aが一気に全押し操作されるまでに要した所要時間が所定時間未満でない場合に、ユーザが撮像操作を急いで行っていないと判断し、当該装置本体が起動した時点からシャッターボタン2aが一気に全押し操作されるまでに要した所要時間が所定時間未満である場合には、ユーザが撮像操作を急いで行ったと判断する。したがって、当該装置本体が起動した時点からシャッターボタン2aが一気に全押し操作されるまでに要した所要時間を基準として、ユーザが撮像操作を急いで行ったか否かを的確に判断することができる。
【0064】
また、調整制御部5dは、ユーザが撮像操作を急いで行っていないと判断された場合には、AF処理部c1に第1調整処理として第2合焦処理よりも合焦精度が高い第1合焦処理を実行させ、一方、ユーザが撮像操作を急いで行ったと判断された場合には、AF処理部c1に第2調整処理として第1合焦処理よりも処理速度が速い第2合焦処理を実行させる。
したがって、ユーザが意図せずにシャッターボタン2aを一気に全押し操作したと判断した場合には、ユーザの意向を反映して、撮影の迅速性よりも合焦精度を優先した撮像動作を行うことができる。一方、ユーザが意図してシャッターボタン2aを一気に全押し操作したと判断した場合には、ユーザの意向を反映して、合焦精度よりも撮影の迅速性を優先した撮像動作を行うことができる。
【0065】
また、調整制御部5dは、ユーザが撮像操作を急いで行っていないと判断された場合には、AE処理部c2に第1調整処理として第2露出調整処理よりも露出調整精度が高い第1露出調整処理を実行させ、一方、ユーザが撮像操作を急いで行ったと判断された場合には、AE処理部c2に第2調整処理として第1露出調整処理よりも処理速度が速い第2露出調整処理を実行させる。
したがって、ユーザが意図せずにシャッターボタン2aを一気に全押し操作したと判断した場合には、ユーザの意向を反映して、撮影の迅速性よりも露出調整精度を優先した撮像動作を行うことができる。一方、ユーザが意図してシャッターボタン2aを一気に全押し操作したと判断した場合には、ユーザの意向を反映して、露出調整精度よりも撮影の迅速性を優先した撮像動作を行うことができる。
【0066】
また、調整制御部5dは、ユーザが撮像操作を急いで行っていないと判断された場合には、AWB処理部c3に第1調整処理として第2ホワイトバランス調整処理よりもホワイトバランス調整精度が高い第1ホワイトバランス調整処理を実行させ、一方、ユーザが撮像操作を急いで行ったと判断された場合には、AWB処理部c3に第2調整処理として第1ホワイトバランス調整処理よりも処理速度が速い第2ホワイトバランス調整処理を実行させる。
したがって、ユーザが意図せずにシャッターボタン2aを一気に全押し操作したと判断した場合には、ユーザの意向を反映して、撮影の迅速性よりもホワイトバランス調整精度を優先した撮像動作を行うことができる。一方、ユーザが意図してシャッターボタン2aを一気に全押し操作したと判断した場合には、ユーザの意向を反映して、ホワイトバランス調整精度よりも撮影の迅速性を優先した撮像動作を行うことができる。
【0067】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【0068】
例えば、上記実施形態では、ユーザが撮像操作を急いで行ったと判断された場合に実行する第2調整処理として、パンフォーカス撮影用の調整処理を実行するように構成したが、当該第2調整処理はこれに限定されるものではなく、第1調整処理よりも処理速度が速い処理であれば、適宜任意に変更可能である。
具体的には、AF処理部c1により第2調整処理として実行される第2合焦処理は、パンフォーカスによるAFを実行する処理に限定されるものではなく、第1合焦処理よりも処理速度が速い処理であれば、処理の内容は適宜任意に変更可能である。例えば、第2合焦処理は、第1合焦処理の場合よりも合焦用レンズの移動量や移動速度を大きくした状態でコントラストAFを実行する処理であっても良いし、第1合焦処理の場合よりも合焦用レンズの移動範囲を狭くした状態でコントラストAFを実行する処理であっても良い。
【0069】
また、AE処理部c2により第2調整処理として実行される第2露出調整処理は、当該第2露出調整処理に切り替える前に決定された適正露出値を設定することによって、撮像部3の露出条件を調整する処理に限定されるものではなく、第1露出調整処理よりも処理速度が速い処理であれば、処理の内容は適宜任意に変更可能である。例えば、第2露出調整処理は、第1露出調整処理で行う制御のうちの何れかを省略する処理であっても良い。具体的には、例えば、撮像部3が絞りを備えている場合、第2露出調整処理は、第1露出調整処理の1つである絞り制御を省略する処理であっても良い。
また、AE処理部c2は、第2露出調整処理として、被写界深度が最も深くなるように絞りの値を設定するとともに、当該絞りの値に応じて電子撮像部3bの露光時間及びISO感度を決定しても良い。
【0070】
また、AWB処理部c3により第2調整処理として実行される第2ホワイトバランス調整処理は、当該第2ホワイトバランス調整処理に切り替える前に決定された適正ホワイトバランス値を設定することによって、撮像部3により撮像される画像データのホワイトバランスを調整する処理に限定されるものではなく、第1ホワイトバランス調整処理よりも処理速度が速い処理であれば、処理の内容は適宜任意に変更可能である。例えば、第2ホワイトバランス調整処理は、第1ホワイトバランス調整処理では7つ程度のパターンの中から適したパターンのホワイトバランス値を選択するが、これを3つ程度の代表的なパターンの中から適したパターンのホワイトバランス値を選択する処理であっても良い。
【0071】
また、上記実施形態では、第1調整処理として、AF処理部c1による第1合焦処理と、AE処理部c2による第1露出調整処理と、AWB処理部c3による第1ホワイトバランス調整処理との3つの処理を実行するように構成したが、これに限定されるものではなく、第1調整処理は、第2調整処理よりも撮像条件の調整精度が高い処理であれば、適宜任意に変更可能である。例えば、第1調整処理は、これら3つの処理のうちの何れかのみを行うものであっても良いし、これら3つの処理のうちの何れかとこれら3つの処理以外の撮像条件調整処理とを行うものであっても良い。
【0072】
また、第2調整処理も同様、AF処理部c1による第2合焦処理と、AE処理部c2による第2露出調整処理と、AWB処理部c3による第2ホワイトバランス調整処理との3つの処理を実行する処理に限定されるものではなく、第2調整処理は、第1調整処理よりも処理速度が速い処理であれば、適宜任意に変更可能である。例えば、第2調整処理は、これら3つの処理のうちの何れかのみを行うものであっても良いし、これら3つの処理のうちの何れかとこれら3つの処理以外の撮像条件調整処理とを行うものであっても良い。
【0073】
また、上記実施形態では、計時部6によって、当該装置本体が起動した時点からの経過時間を計時するように構成したが、これに限定されるものではない。計時部6は、ユーザにより当該装置本体が所定操作された時点からの経過時間を計時するものであれば、例えば、ユーザによる操作入力部2の所定操作に基づいて、撮像モードが設定された時点からの経過時間等を計時するように構成することも可能である。
計時部6が、撮像モードが設定された時点からの経過時間を計時する場合、図2に示す撮像処理では、撮像装置の起動(ステップS1)の後に計時を開始するのではなく、ステップS2とステップS3の処理を入れ替えて、撮像モードの設定(ステップS3)の後に計時を開始することになる。また、この場合、急ぎ判断部5bは、撮像モードが設定された時点からシャッターボタン2aが一気に全押し操作されるまでに要した所要時間が所定時間未満であるか否かに応じてユーザが撮像操作を急いで行ったか否かを判断することになる。
【0074】
また、上記実施形態では、操作状態情報として、計時部6により計時された当該装置本体が所定操作された時点からシャッターボタン2aが一気に全押し操作されるまでに要した所要時間を取得し、当該取得した所要時間に基づいてユーザが撮像操作を急いで行ったか否かを判断するように構成したが、これに限定されるものではない。ユーザが撮像操作を急いで行ったか否かを判断するための操作状態情報は、ユーザによる当該装置本体の操作状態に関連する情報であれば、適宜任意に変更可能であり、手ぶれの有無やシャッターボタン2aの操作間隔等であっても良い。
具体的には、手ぶれの有無に基づいて急いでいるか否かを判断する場合、例えば、手ぶれ量が所定の閾値以上であれば急いでいると判断し、手ぶれ量が所定の閾値未満であれば急いでいないと判断する。また、シャッターボタン2aの操作間隔に基づいて急いでいるか否かを判断する場合、例えば、シャッターボタン2aの操作間隔が所定の閾値未満であれば撮像装置100の操作に慣れているユーザによる操作であると判断して急いでいると判断し、シャッターボタン2aの操作間隔が所定の閾値以上であれば撮像装置100の操作に不慣れなユーザによる操作であると判断して急いでいないと判断する。
【0075】
また、取得される操作状態情報は、上記したものを複数組み合わせたものであっても良い。具体的には、例えば、計時部6により計時された所要時間と、手ぶれの有無とを操作状態情報として取得しても良い。また、この場合、例えば、取得した各操作状態情報を閾値以上か閾値未満かに応じてそれぞれ得点化し、得点の合計に基づきユーザが撮像操作を急いでいるか否かを判断するように構成することが可能となる。
また、ユーザによる当該装置本体の操作状態に関連する操作状態情報に加えて、或いは、操作状態情報に代えて、被写体の動きの大小や被写体の遠近に基づいて、ユーザが撮像操作を急いでいるか否かを判断するように構成することも可能である。
【0076】
また、撮像装置100の構成は、上記実施形態に例示したものは一例であり、これに限られるものではない。
【0077】
加えて、上記実施形態にあっては、中央制御部1の制御下にて、撮像条件調整部5c、操作状態取得部5a、急ぎ判断部5b、調整制御部5d等が駆動することにより実現される構成としたが、これに限られるものではなく、中央制御部1によって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
即ち、プログラムを記憶するプログラムメモリ(図示略)に、撮像条件調整処理ルーチン、取得処理ルーチン、判断処理ルーチン、調整制御処理ルーチンを含むプログラムを記憶しておく。そして、撮像条件調整処理ルーチンにより中央制御部1のCPUを、被写体を撮像する際の撮像条件を自動的に調整するように機能させても良い。また、取得処理ルーチンにより中央制御部1のCPUを、シャッターボタンがユーザにより半押し操作されることなく一気に全押し操作された場合に、ユーザによる当該装置本体の操作状態に関連する操作状態情報を取得するように機能させても良い。また、判断処理ルーチンにより中央制御部1のCPUを、取得された操作状態情報に基づいて、ユーザがシャッターボタンを用いた撮像操作を急いで行ったか否かを判断するように機能させても良い。また、調整制御処理ルーチンにより中央制御部1のCPUを、撮像操作を急いで行っていないと判断された場合には、第1調整処理を実行させ、撮像操作を急いで行ったと判断された場合には、第1調整処理よりも処理速度が速い第2調整処理を実行させるように機能させても良い。
【0078】
同様に、他の処理についても、中央制御部1のCPUによって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
【0079】
さらに、上記の各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体として、ROMやハードディスク等の他、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを所定の通信回線を介して提供する媒体としては、キャリアウェーブ(搬送波)も適用される。
【0080】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
撮像手段を備える撮像装置であって、
ユーザによる半押し操作と全押し操作が実行可能なシャッターボタンと、
前記撮像手段により被写体を撮像する際の撮像条件を自動的に調整する撮像条件調整手段と、
前記シャッターボタンがユーザにより一気に全押し操作された場合に、ユーザによる当該装置本体の操作状態に関連する操作状態情報を取得する取得手段と、
この取得手段により取得された操作状態情報に基づいて、ユーザが前記シャッターボタンを用いた撮像操作を急いで行ったか否かを判断する判断手段と、
この判断手段により前記撮像操作を急いで行っていないと判断された場合には、前記撮像条件調整手段に第1調整処理を実行させ、一方、前記判断手段により前記撮像操作を急いで行ったと判断された場合には、前記撮像条件調整手段に前記第1調整処理よりも処理速度が速い第2調整処理を実行させる調整制御手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
<請求項2>
ユーザにより当該装置本体が所定の状態になった時点からの経過時間を計時する計時手段を更に備え、
前記取得手段は、前記操作状態情報として、前記計時手段により計時された当該装置本体が所定操作された時点から前記シャッターボタンが一気に全押し操作されるまでに要した所要時間を取得し、
前記判断手段は、前記取得手段により取得された所要時間が所定時間未満であるか否かに応じてユーザが前記撮像操作を急いで行ったか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
<請求項3>
前記計時手段は、当該装置本体が起動した時点及び撮像モードが設定された時点のうち、少なくとも一方の時点からの経過時間を計時することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
<請求項4>
前記撮像条件調整手段は、前記撮像手段が有するレンズ部の合焦位置を調整する合焦手段を含み、
前記調整制御手段は、前記判断手段により前記撮像操作を急いで行っていないと判断された場合には、前記合焦手段に前記第1調整処理として第1合焦処理を実行させ、一方、前記判断手段により前記撮像操作を急いで行ったと判断された場合には、前記合焦手段に前記第2調整処理として前記第1合焦処理よりも処理速度が速い第2合焦処理を実行させることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の撮像装置。
<請求項5>
前記撮像条件調整手段は、前記撮像手段の露出条件を調整する露出調整手段を含み、
前記調整制御手段は、前記判断手段により前記撮像操作を急いで行っていないと判断された場合には、前記露出調整手段に前記第1調整処理として第1露出調整処理を実行させ、一方、前記判断手段により前記撮像操作を急いで行ったと判断された場合には、前記露出調整手段に前記第2調整処理として前記第1露出調整処理よりも処理速度が速い第2露出調整処理を実行させることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の撮像装置。
<請求項6>
前記撮像条件調整手段は、前記撮像手段により撮像される画像データのホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整手段を含み、
前記調整制御手段は、前記判断手段により前記撮像操作を急いで行っていないと判断された場合には、前記ホワイトバランス調整手段に前記第1調整処理として第1ホワイトバランス調整処理を実行させ、一方、前記判断手段により前記撮像操作を急いで行ったと判断された場合には、前記ホワイトバランス調整手段に前記第2調整処理として前記第1ホワイトバランス調整処理よりも処理速度が速い第2ホワイトバランス調整処理を実行させることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の撮像装置。
<請求項7>
撮像手段と、ユーザによる半押し操作と全押し操作が実行可能なシャッターボタンと、前記撮像手段により被写体を撮像する際の撮像条件を自動的に調整する撮像条件調整手段とを備える撮像装置を用いた撮像方法であって、
前記シャッターボタンがユーザにより一気に全押し操作された場合に、ユーザによる当該装置本体の操作状態に関連する操作状態情報を取得する処理と、
取得された操作状態情報に基づいて、ユーザが前記シャッターボタンを用いた撮像操作を急いで行ったか否かを判断する処理と、
前記撮像操作を急いで行っていないと判断された場合には、前記撮像条件調整手段に第1調整処理を実行させ、一方、前記撮像操作を急いで行ったと判断された場合には、前記撮像条件調整手段に前記第1調整処理よりも処理速度が速い第2調整処理を実行させる処理と、
を行うことを特徴とする撮像方法。
<請求項8>
撮像手段と、ユーザによる半押し操作と全押し操作が実行可能なシャッターボタンと、前記撮像手段により被写体を撮像する際の撮像条件を自動的に調整する撮像条件調整手段とを備える撮像装置のコンピュータを、
前記シャッターボタンがユーザにより一気に全押し操作された場合に、ユーザによる当該装置本体の操作状態に関連する操作状態情報を取得する取得手段、
この取得手段により取得された操作状態情報に基づいて、ユーザが前記シャッターボタンを用いた撮像操作を急いで行ったか否かを判断する判断手段、
この判断手段により前記撮像操作を急いで行っていないと判断された場合には、前記撮像条件調整手段に第1調整処理を実行させ、一方、前記判断手段により前記撮像操作を急いで行ったと判断された場合には、前記撮像条件調整手段に前記第1調整処理よりも処理速度が速い第2調整処理を実行させる調整制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0081】
100 撮像装置
1 中央制御部
2 操作入力部
2a シャッターボタン
3 撮像部
3a レンズ部
5 撮像制御部
5a 操作状態取得部
5b 急ぎ判断部
5c 撮像条件調整部
c1 AF処理部
c2 AE処理部
c3 AWB処理部
5d 調整制御部
6 計時部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段を備える撮像装置であって、
ユーザによる半押し操作と全押し操作が実行可能なシャッターボタンと、
前記撮像手段により被写体を撮像する際の撮像条件を自動的に調整する撮像条件調整手段と、
前記シャッターボタンがユーザにより一気に全押し操作された場合に、ユーザによる当該装置本体の操作状態に関連する操作状態情報を取得する取得手段と、
この取得手段により取得された操作状態情報に基づいて、ユーザが前記シャッターボタンを用いた撮像操作を急いで行ったか否かを判断する判断手段と、
この判断手段により前記撮像操作を急いで行っていないと判断された場合には、前記撮像条件調整手段に第1調整処理を実行させ、一方、前記判断手段により前記撮像操作を急いで行ったと判断された場合には、前記撮像条件調整手段に前記第1調整処理よりも処理速度が速い第2調整処理を実行させる調整制御手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
ユーザにより当該装置本体が所定の状態になった時点からの経過時間を計時する計時手段を更に備え、
前記取得手段は、前記操作状態情報として、前記計時手段により計時された当該装置本体が所定操作された時点から前記シャッターボタンが一気に全押し操作されるまでに要した所要時間を取得し、
前記判断手段は、前記取得手段により取得された所要時間が所定時間未満であるか否かに応じてユーザが前記撮像操作を急いで行ったか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記計時手段は、当該装置本体が起動した時点及び撮像モードが設定された時点のうち、少なくとも一方の時点からの経過時間を計時することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像条件調整手段は、前記撮像手段が有するレンズ部の合焦位置を調整する合焦手段を含み、
前記調整制御手段は、前記判断手段により前記撮像操作を急いで行っていないと判断された場合には、前記合焦手段に前記第1調整処理として第1合焦処理を実行させ、一方、前記判断手段により前記撮像操作を急いで行ったと判断された場合には、前記合焦手段に前記第2調整処理として前記第1合焦処理よりも処理速度が速い第2合焦処理を実行させることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮像条件調整手段は、前記撮像手段の露出条件を調整する露出調整手段を含み、
前記調整制御手段は、前記判断手段により前記撮像操作を急いで行っていないと判断された場合には、前記露出調整手段に前記第1調整処理として第1露出調整処理を実行させ、一方、前記判断手段により前記撮像操作を急いで行ったと判断された場合には、前記露出調整手段に前記第2調整処理として前記第1露出調整処理よりも処理速度が速い第2露出調整処理を実行させることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記撮像条件調整手段は、前記撮像手段により撮像される画像データのホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整手段を含み、
前記調整制御手段は、前記判断手段により前記撮像操作を急いで行っていないと判断された場合には、前記ホワイトバランス調整手段に前記第1調整処理として第1ホワイトバランス調整処理を実行させ、一方、前記判断手段により前記撮像操作を急いで行ったと判断された場合には、前記ホワイトバランス調整手段に前記第2調整処理として前記第1ホワイトバランス調整処理よりも処理速度が速い第2ホワイトバランス調整処理を実行させることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項7】
撮像手段と、ユーザによる半押し操作と全押し操作が実行可能なシャッターボタンと、前記撮像手段により被写体を撮像する際の撮像条件を自動的に調整する撮像条件調整手段とを備える撮像装置を用いた撮像方法であって、
前記シャッターボタンがユーザにより一気に全押し操作された場合に、ユーザによる当該装置本体の操作状態に関連する操作状態情報を取得する処理と、
取得された操作状態情報に基づいて、ユーザが前記シャッターボタンを用いた撮像操作を急いで行ったか否かを判断する処理と、
前記撮像操作を急いで行っていないと判断された場合には、前記撮像条件調整手段に第1調整処理を実行させ、一方、前記撮像操作を急いで行ったと判断された場合には、前記撮像条件調整手段に前記第1調整処理よりも処理速度が速い第2調整処理を実行させる処理と、
を行うことを特徴とする撮像方法。
【請求項8】
撮像手段と、ユーザによる半押し操作と全押し操作が実行可能なシャッターボタンと、前記撮像手段により被写体を撮像する際の撮像条件を自動的に調整する撮像条件調整手段とを備える撮像装置のコンピュータを、
前記シャッターボタンがユーザにより一気に全押し操作された場合に、ユーザによる当該装置本体の操作状態に関連する操作状態情報を取得する取得手段、
この取得手段により取得された操作状態情報に基づいて、ユーザが前記シャッターボタンを用いた撮像操作を急いで行ったか否かを判断する判断手段、
この判断手段により前記撮像操作を急いで行っていないと判断された場合には、前記撮像条件調整手段に第1調整処理を実行させ、一方、前記判断手段により前記撮像操作を急いで行ったと判断された場合には、前記撮像条件調整手段に前記第1調整処理よりも処理速度が速い第2調整処理を実行させる調整制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−247674(P2012−247674A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120240(P2011−120240)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】