説明

撮像装置、画像保存方法及びプログラム

【課題】証拠写真としての信頼性が高いデジタル画像の撮影、記録をすることができる。
【解決手段】撮影された被写体像は、まず所定の圧縮フォーマットのデータとしてメモリ132に保存され、メモリに保存された画像データに時刻情報(年月日、時刻など)、シャッタースピード、ISO感度などの付加情報をタグに記録して、所定の画像記録フォーマット(たとえばExif形式)の画像ファイルを生成する。生成された画像ファイルは、一旦メモリ132に格納され、その後メディアIF(1)114又メディアIF(2)116を介して記憶媒体に保存される。それと同時に、付加情報が撮影ログとしてライトワンスメモリ140に保存される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置、画像保存方法及びプログラムに係り、特に証拠写真を撮影する撮像装置、画像保存方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、書き込みが1回のみ可能な記憶媒体が装着された場合には、静止画取り込みボタンの1段目が押されたときに画像取り込みを行ってプレビュー画を表示し、2段目が押されること無く1段目が話されたときには静止画データを書き込まないようにすることで、書き込みが1回のみ可能な記憶媒体が装着されたときの使い勝手を向上させるデジタルカメラが開示されている。
【0003】
特許文献2には、低画質モードで撮影された画像などの消去される可能性が高いと思われる画像の記録先にリライタブル型記憶媒体を設定し、高画質モードで撮影された画像など消去される可能性が低いと思われる画像の記録先にライトワンス型記憶媒体を設定する電子カメラが開示されている。
【0004】
特許文献3には、書き込みが1回のみ可能な記憶媒体が装着された場合には、画像データを記憶媒体に記憶し、画像データのデータ管理情報を内蔵メモリに保管するデジタルカメラが記載されている。
【特許文献1】特開2004−64677号公報
【特許文献2】特開2002−300511号公報
【特許文献3】特開2003−244606号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1〜3に記載の発明においては、撮影した画像を書き込みが1回のみ可能な記憶媒体に記憶させてはいるが、記憶媒体に記憶された画像がデジタル画像であることには変わりがない。したがって、編集、すなわち改竄が容易であり、デジタル画像は証拠写真としての能力がなくなっているという問題がある。
【0006】
そのため、警察などにおいて証拠写真を撮影する場合には、記録媒体の着脱用の蓋を封印するという原始的な方法以外に信頼性を確保する方法がないという問題がある。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、証拠写真としての信頼性が高いデジタル画像の撮影、記録が可能な撮像装置、画像保存方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の撮像装置は、被写体像を撮像する撮像手段と、装置本体に内蔵され、データの書き込みが1回のみ可能な第1の記録媒体と、前記装置本体に外部の第2の記録媒体を着脱するための装着部と、前記撮像手段により撮像された被写体像を前記第2の記録媒体に保存すると共に、当該被写体像の内容又は当該被写体像の撮影状況を証明する情報を前記第1の記録媒体に撮影ログとして保存する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の撮像装置によれば、撮像手段により撮像された被写体像を装着部を介して装置本体に装着された外部の第2の記録媒体に保存すると共に、当該被写体像の内容又は当該被写体像の撮影状況を証明する情報を装置本体に内蔵され、データの書き込みが1回のみ可能な第1の記録媒体に撮影ログとして保存する。これにより、記録媒体に保存された画像が編集されたかどうかを事後的に確認することができる。したがって、画像の信頼性を高め、証拠力を上げることができる。
【0010】
請求項2に記載の撮像装置は、被写体像を撮像する撮像手段と、装置本体に内蔵された不揮発性の第1の記録媒体と、前記装置本体に外部の第2の記録媒体を着脱するための装着部と、前記撮像手段により被写体像の撮影が行われると、該撮影された被写体像を前記第2の記録媒体に保存すると共に、該被写体像の内容又は該被写体像の撮影状況を証明する情報を前記第1の記録媒体に撮影ログとして保存し、かつ該保存された撮影ログの削除/変更を不能とする制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の撮像装置によれば、撮像手段により撮像された被写体像を装着部を介して装置本体に装着された外部の第2の記録媒体に保存すると共に、当該被写体像の内容又は当該被写体像の撮影状況を証明する情報を装置本体に内蔵された不揮発性の第1の記録媒体に撮影ログとして保存し、保存した撮影ログの削除/変更を不能とする。これにより、記録媒体に保存された画像が編集されたかどうかを事後的に確認することができる。したがって、画像の信頼性を高め、証拠力を上げることができる。
【0012】
請求項3に記載の撮像装置は、請求項1又は2に記載の撮像装置において、前記撮像手段により撮像された被写体像が編集されたか否かを検出する誤り検出符号を生成する誤り検出情報生成手段を備え、前記制御手段は、前記誤り検出情報生成手段により生成された誤り検出符号を前記被写体像の内容を証明する情報として第1の記憶手段に保存することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の撮像装置によれば、被写体像の内容を証明する情報として撮像手段により撮像された被写体像が編集されたか否かを検出する誤り検出符号を生成し、生成された誤り検出符号を第1の記憶手段に保存する。これにより、画像の信頼性を更に高めることができる。
【0014】
請求項4に記載の撮像装置は、請求項3に記載の撮像装置において、前記誤り検出情報生成手段は、CRCコード又はハッシュ値を前記誤り検出符号として生成することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の撮像装置によれば、被写体像の内容を証明する情報としてCRCコード又はハッシュ値が誤り検出符号として算出される。これにより、誤り検出符号が同一の場合には、画像が同一であることが証明可能となる。
【0016】
請求項5に記載の撮像装置は、請求項1から4のいずれかに記載の撮像装置において、前記撮像手段によって被写体像が撮像されたときの前記撮像装置の位置情報及び時刻情報のうちの少なくとも1つを取得する位置/時刻情報取得手段を備え、前記制御手段は、前記位置/時刻情報取得手段により取得された位置情報及び時刻情報のうちの少なくとも1つを前記被写体像の撮影状況を証明する情報として第1の記録媒体及び前記第2の記録媒体に保存することを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の撮像装置によれば、被写体像の撮影状況を証明する情報として撮像手段によって被写体像が撮像されたときの撮像装置の位置情報及び時刻情報のうちの少なくとも1つを取得し、取得した位置情報及び時刻情報のうちの少なくとも1つを第1の記録媒体及び第2の記録媒体に保存する。これにより、画像の信頼性を更に高めることができる。
【0018】
請求項6に記載の撮像装置は、請求項5に記載の撮像装置において、前記位置情報及び前記時刻情報のうちの少なくとも1つをタグ情報として前記被写体像に付加した画像データを生成する画像データ生成手段を備え、前記制御手段は、前記画像データ生成手段により生成された画像データを前記第2の記録媒体に保存することを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の撮像装置によれば、被写体像の撮影状況を証明する情報として取得された位置情報及び時刻情報のうちの少なくとも1つを被写体像に付加した画像データを生成し、生成した画像データを第2の記録媒体に保存する。これにより、第1の記録媒体に保存された情報と、第2の記録媒体に保存された情報とを比較することで、画像データが編集されたか否かをすることができる。
【0020】
請求項7に記載の撮像装置は、請求項5に記載の撮像装置において、前記撮像手段により撮像された被写体像に、前記位置/時刻情報取得手段により取得された前記位置情報及び前記時刻情報のうちの少なくとも1つを合成する合成手段を備え、前記制御手段は、前記合成手段により時刻情報が合成された被写体像を前記第2の記録媒体に保存することを特徴とする。
【0021】
請求項7に記載の撮像装置によれば、被写体像の撮影状況を証明する情報として取得された位置情報及び時刻情報のうちの少なくとも1つを被写体像に合成し、合成後の画像を第2の記録媒体に保存する。これにより、第1の記録媒体に保存された情報と、第2の記録媒体に保存された画像とを比較することで、画像データが編集されたか否かを確認することができる。
【0022】
請求項8に記載の撮像装置は、請求項5から7のいずれかに記載の撮像装置において、前記位置/時刻情報取得手段は、前記撮像手段によって被写体像が撮像されたときの前記撮像装置の位置情報及び時刻情報を取得すると共に、所定の期間毎に前記撮像装置の位置情報及び時刻情報を取得し、前記制御手段は、前記被写体像が撮像されたときの位置情報及び時刻情報を前記第2の記録媒体に保存すると共に、前記所定の期間毎に取得された位置情報及び時刻情報を前記第1の記録媒体に保存することを特徴とする。
【0023】
請求項8に記載の撮像装置によれば、第1の記録媒体には、所定の期間毎に取得された位置情報及び時刻情報が保存され、第2の記録媒体には、被写体像が撮像されたときの位置情報及び時刻情報が保存される。これにより、画像ファイルに記憶された撮影時の位置情報の信頼性を高めることができる。
【0024】
請求項9に記載の撮像装置は、請求項1から8のいずれかに記載の撮像装置において、前記制御手段は、前記被写体像の撮影状況を証明する情報として、シャッタスピード、ISO感度及び前記撮像装置に固有の番号の少なくとも1つを前記第1の記録媒体に撮影ログとして保存することを特徴とする。
【0025】
請求項10に記載の撮像装置は、請求項1から9のいずれかに記載の撮像装置において、前記装着部にデータの書き込みが1回のみ可能な記録媒体が前記第2の記録媒体として装着されたか否かを判別する記録媒体判別手段を備え、前記制御手段は、前記記録媒体判別手段によりデータの書き込みが1回のみ可能な記録媒体が前記第2の記録媒体として前記装置部に装着されたと判別され、かつ前記撮像手段により撮影が行われると、前記第1の記録媒体に撮影ログを保存することを特徴とする。
【0026】
請求項10に記載の撮像装置によれば、第2の記録媒体としてデータの書き込みが1回のみ可能な記録媒体が装着部に装着されたかどうかを判別し、データの書き込みが1回のみ可能な記録媒体が第2の記録媒体として装置部に装着されたことが判別された場合には、第1の記録媒体に撮影ログを保存する。これにより、ユーザが設定をすることなく、証拠写真としての信頼性が高い被写体像を撮影、保存することができる。
【0027】
請求項11に記載の画像保存方法は、撮像手段により被写体像を撮像するステップと、前記撮像された被写体像を、装着部を介して装置本体に着脱可能に設けられた外部の第2の記録媒体に保存するステップと、前記撮像された被写体像又は該被写体像の撮影状況を証明する情報を、装置本体に内蔵され、データの書き込みが1回のみ可能なライトワンス型の第1の記録媒体に撮影ログとして保存するステップと、を含むことを特徴とする。
【0028】
請求項12に記載の画像保存方法は、撮像手段により被写体像を撮像するステップと、前記撮像された被写体像を、装着部を介して装置本体に着脱可能に設けられた外部の第2の記録媒体に保存するステップと、前記撮像された被写体像又は該被写体像の撮影状況を証明する情報を、装置本体に内蔵された不揮発性の第1の記録媒体に撮影ログとして保存すると共に、該撮影ログの削除/変更を不能とするステップと、を含むことを特徴とする。
【0029】
請求項13に記載のプログラムは、請求項11又は12に記載の画像保存方法を演算装置に実行させる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、証拠写真としての信頼性が高いデジタル画像の撮影、記録が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、添付図面に従って本発明が適用された撮像装置、画像保存方法及びプログラムを実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0032】
<第1の実施の形態>
図1は第1の実施の形態のデジタルカメラ1内部の概略構成を示すブロック図である。
【0033】
同図に示すように、デジタルカメラ1は、主として、CPU110、シャッタースイッチ111、操作部(電源/モードスイッチ、モードダイヤル、ズームボタン、十字ボタン、MENU/OKボタン、DISPボタン、BACKボタン等)112、メディアインターフェース(IF)(1)114、メディアIF(2)116、タイミングジェネレータ(TG)118、レンズユニット120、シャッター・絞り122、撮像デバイス124、アナログ信号処理部(CDS/AMP)126、A/D変換器128、デジタル信号処理部130、メモリ132、ROM134、画像表示部136、通信、オプションIF138、ライトワンスメモリ140で構成される。
【0034】
CPU110は、シャッタースイッチ111、操作部112から入力される操作信号に基づき所定の制御プログラムに従ってデジタルカメラ1の全体を統括制御する。
【0035】
また、CPU110は、AFエリア(たとえば、画面中央部)内の信号を切り出し、AFエリア内の絶対値データを積算する。また、CPU110は、AE制御に必要な物理量として、1画面を複数のエリア(たとえば16×16)に分割し、分割したエリアごとにR、G、Bの画像信号の積算値を算出する。
【0036】
また、CPU110は、デジタル信号処理部130で生成された画像信号を画像表示部136に表示するための映像信号(たとえば、NTSC信号やPAL信号、SCAM信号)に変換して画像表示部136に出力する。
【0037】
メディアIF(1)114、メディアIF(2)116は、それぞれメディアスロットに装填された記憶媒体(例えば、メモリカード、CD−R)に対してデータの読み/書きを制御する。本実施の形態では、メディアスロット及びメモリカードIFをそれぞれ2つずつ設けているが、1つでもかまわない。
【0038】
レンズユニット120は、複数枚のレンズからなるフォーカスレンズであり、CPU110から出力される駆動量データに基づいて各々のレンズが光軸方向に移動されることにより画角の調整を行う。
【0039】
シャッター・絞り122は、撮像デバイス124に入射する光量を調整する。
【0040】
撮像デバイス124は、たとえば、所定の配列構造(ベイヤー、Gストライプなど)で配列された赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタを介して多数のフォトダイオード(受光素子)が二次元的に配置された受光面を有するカラーCCDで構成される。レンズユニット120及びシャッター・絞り122を通過した被写体光は、各フォトダイオードによって受光され、入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。TG118は、CPU110からの指令に応じて、この撮像デバイス124を駆動するためのタイミング信号を出力する。
【0041】
アナログ信号処理部126は、撮像デバイス124から出力された画像信号に対して、画素ごとのR、G、B信号をサンプリングホールド(相関二重サンプリング処理)するとともに、増幅してA/D変換器128に出力する。
【0042】
A/D変換器128は、アナログ信号処理部126から出力されたアナログのR、G、B信号をデジタルのR、G、B信号に変換して出力する。A/D変換器128から出力されたデジタルのR、G、B信号はデジタル信号処理部130に送られる。
【0043】
デジタル信号処理部130は、同時化回路(単板CCDのカラーフィルタ配列に伴う色信号の空間的なズレを補間して色信号を同時式に変換する処理回路)、ホワイトバランス補正回路、ガンマ補正回路、輪郭補正回路、輝度・色差信号生成回路等を含み、CPU110からの指令に従い、入力された画像信号に所要の信号処理を施して、輝度データ(Yデータ)と色差データ(Cr,Cbデータ)とからなる画像データ(YUVデータ)を生成する。
【0044】
デジタル信号処理部130は、圧縮伸張処理部回路を含み、圧縮伸張処理部回路は、CPU110からの指令に従い、入力された画像データに所定形式の圧縮処理を施し、圧縮画像データを生成する。また、CPU110からの指令に従い、入力された圧縮画像データに所定形式の伸張処理を施し、非圧縮の画像データを生成する。
【0045】
画像表示部136は、カラー表示が可能な液晶ディスプレイで構成されており、再生モード時に撮影済み画像を表示するための画像表示パネルとして利用されるとともに、各種設定操作を行なう際のユーザインターフェース表示パネルとして利用される。また、撮影モード時には、必要に応じてスルー画像が表示されて、画角確認用の電子ファインダとして利用される。
【0046】
メモリ132は、CPU110の演算作業用領域として利用されるとともに、画像データ等の一時記憶領域として利用される。
【0047】
ROM134は、CPU110が実行する制御プログラム及び制御に必要な各種データやデジタルカメラ1の動作に関する各種設定情報などが格納されている。
【0048】
通信、オプションIF138は、メモリ132に記憶された画像データなどをプリンタ、PC等の外部機器に出力する。
【0049】
ライトワンスメモリ140は、1回のみ書き込みが可能な記憶媒体であり、交換ができないようにデジタルカメラ1に内蔵されている。ライトワンスメモリ140としては、例えばCD−Rがあげられる。ライトワンスメモリ140は、以前のデータに加えて新たなデータを追記することは可能だが、一度書き込まれたデータの消去や上書きは不可能である。
【0050】
以上のように構成された本実施の形態のデジタルカメラ1の作用について説明する。まず、撮影処理について説明する。
【0051】
電源/モードスイッチを撮影位置に合わせることで、デジタルカメラ1は撮影モードに設定され、撮影が可能になる。そして、撮影モードに設定されることにより、レンズユニット120が繰り出され、撮影スタンバイ状態になる。
【0052】
この撮影モードの下、レンズユニット120を通過した被写体光は、撮像デバイス124の受光面に結像され、入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、TG118から与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として順次読み出され、アナログ信号処理部(CDS/AMP)126に加えられる。
【0053】
アナログ信号処理部126から出力されたアナログのR、G、B信号は、A/D変換器128でデジタルのR、G、B信号に変換され、デジタル信号処理部130に加えられる。
【0054】
デジタル信号処理部130で輝度/色差信号が生成され、CPU110は輝度/色差信号を表示用の信号形式(たとえばNTSC方式のカラー複合映像信号)に変換し、画像表示部136に出力する。これにより、撮像デバイス124で撮像された画像が画像表示部136に表示される。
【0055】
撮像デバイス124から画像信号を定期的に取り込み、その画像信号から生成される輝度/色差信号によってメモリ132内の画像データを定期的に書き換え、画像表示部136に出力することにより、撮像デバイス124で撮像される画像がリアルタイムに表示される。ユーザは、この画像表示部136にリアルタイムに表示される画像(スルー画像)を見ることにより、撮影画角を確認することができる。
【0056】
撮影はシャッタースイッチ111の押下によって行なわれる。シャッタースイッチ111が半押しされると、S1ON信号がCPU110に入力される。
【0057】
まず、撮像デバイス124から取り込まれた画像信号がCPU110に入力される。CPU110は、CPU110で算出されたAFエリア内の絶対値データに基づいて、フォーカスレンズ駆動部116を制御してレンズユニット120を移動させながら、複数のAF検出ポイントで焦点評価値(AF評価値)を演算し、評価値が極大となるレンズ位置を合焦位置として決定する。そして、求めた合焦位置にフォーカスレンズ群が移動するように、フォーカスレンズ駆動部116を制御する。
【0058】
また、CPU110は、算出されたR、G、Bの画像信号の積算値に基づいて被写体の明るさ(被写体輝度)を検出し、撮影に適した露出値(撮影EV値)を算出する。そして、求めた撮影EV値と所定のプログラム線図から絞り値とシャッタースピードを決定し、これに従い撮像デバイス124の電子シャッターとシャッター・絞り122を制御して適正な露光量を得る。
【0059】
CPU110は、算出されたRの積算値、Bの積算値、Gの積算値から分割エリアごとにR/G及びB/Gの比を求め、求めたR/G、B/Gの値のR/G、B/Gの色空間における分布等に基づいて光源種判別を行う。そして、判別された光源種に適したホワイトバランス調整値に従って、たとえば、各比の値がおよそ1(つまり、1画面においてRGBの積算比率がR:G:B≒1:1:1)になるように、ホワイトバランス調整回路のR、G、B信号に対するゲイン値(ホワイトバランス補正値)を制御し、各色チャンネルの信号に補正をかける。
【0060】
以上のように、シャッタースイッチ111の半押しによって、AE処理、AF処理及びAWB処理が行なわれる。この間、ユーザは、必要に応じてズームボタン38を操作し、レンズユニット120をズーミングさせて画角を調整し、CPU110は、AE/AF処理及びAWB処理を継続して行う。
【0061】
この後、シャッタースイッチ111が全押しされると、CPU110にS2ON信号が入力され、CPU110は、撮影処理を開始する。すなわち、測光結果に基づき決定されたシャッター速度、絞り値で撮像デバイス124を露光する。
【0062】
撮像デバイス124から出力された画像信号は、アナログ信号処理部126、A/D変換器128、デジタル信号処理部130において輝度/色差信号に変換され、所定の圧縮フォーマット(たとえばJPEG形式)に従って圧縮され、メモリ132に格納される。
【0063】
次に、このようにして撮影された画像を記録する方法について説明する。
【0064】
CPU110は、メモリ132に格納された所定の圧縮フォーマットのデータに時刻情報(年月日、時刻など)、シャッタースピード、ISO感度などの付加情報をタグに記録して、所定の画像記録フォーマット(たとえばExif形式)の画像ファイルを生成する。そして、CPU110は、生成した画像ファイルをメモリ132に格納する。なお、時刻情報は、デジタルカメラ1の内部に設けられた時計(図示せず)の時刻を用いることができる。
【0065】
CPU110は、メモリ132に格納された画像ファイルを、メディアIF(1)114又メディアIF(2)116を介して記憶媒体に保存する。それと同時に、CPU110は、付加情報を撮影ログとしてライトワンスメモリ140に保存する。これにより、撮影時の状況を証明可能な情報をライトワンスメモリ140に保存することができる。
【0066】
本実施の形態によれば、デジタルカメラに内蔵されたライトワンスメモリに付加情報が保存されているため、記憶媒体に保存された画像ファイルのタグ情報とライトワンスメモリに保存された情報とを比較することにより、記憶媒体に保存された画像ファイルが編集されたかどうかを事後的に確認することができる。したがって、撮影された画像の信頼性を高め、証拠性を上げることができる。
【0067】
また、本実施の形態によれば、デジタルカメラに内蔵され、交換不可能なライトワンスメモリに書き込まれるのは文字情報であるため、ライトワンスメディアに大量の枚数分の情報を書き込むことができる。したがって、ライトワンスメディアが交換できなくても使用上問題は生じない。
【0068】
なお、本実施の形態では、画像ファイルを記憶媒体に保存するのと同時に付加情報を撮影ログとしてライトワンスメモリ140に保存したが、撮影ログの削除や変更が不可能なのであれば、付加情報を保存するのはライトワンスメモリに限られない。例えば、CPU110が、撮影ログをROMなどの不揮発性のメモリに保存すると共に、保存した撮影ログの削除や変更ができないように撮影ログを保護するようにしてもよい。
【0069】
また、本実施の形態では、画像ファイルを記憶媒体に保存するのと同時に付加情報を撮影ログとしてライトワンスメモリ140に保存したが、画像ファイルを記憶媒体に保存するタイミングと、付加情報を撮影ログとしてライトワンスメモリ140に保存するタイミングとは同時でなくてもよい。付加情報を撮影ログとしてライトワンスメモリ140に保存した後で画像ファイルを記憶媒体に保存してもよいし、画像ファイルを記憶媒体に保存した後で、付加情報を撮影ログとしてライトワンスメモリ140に保存してもよい。
【0070】
また、本実施の形態では、画像ファイルを記憶媒体に保存するときに、常にデジタルカメラ内のライトワンスメモリに付加情報を保存したが、ライトワンスメモリに付加情報を保存する、しないをユーザが操作部112を操作することにより設定できるようにしてもよい。
【0071】
また、本実施の形態では、時刻情報、シャッタースピード、ISO感度などを付加情報として記載したが、付加情報の内容はこれに限らず、タグに書き込みが可能であり、かつ被写体像の撮影時の状況を証明可能でデータであればなんでもよい。
【0072】
<第2の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態は、画像ファイルを記憶媒体に保存するときに、常にデジタルカメラ内のライトワンスメモリに付加情報を保存するものであるが、常にライトワンスメモリに付加情報を保存しない方法も考えられる。
【0073】
第2の実施の形態は、記憶媒体がライトワンスメモリである場合にのみ、デジタルカメラ内のライトワンスメモリに付加情報を保存するものである。以下、第2の実施の形態のデジタルカメラ2について説明する。なお、デジタルカメラ2の構成はデジタルカメラ1と同一であるため、説明を省略する。また、デジタルカメラ2の撮影処理についてはデジタルカメラ1と同一であるため、説明を省略し、記録処理について図2を用いて説明する。
【0074】
図2は、デジタルカメラ2の記録処理の流れを示すフローチャートである。以下の処理は、主として、CPU110によって行われる。
【0075】
まず、CPU110は、メモリ132に格納された所定の圧縮フォーマットのデータに撮影日時、シャッタースピード、ISO感度などの付加情報をタグに記録して、所定の画像記録フォーマット(たとえばExif形式)の画像ファイルを生成する。そして、CPU110は、生成した画像ファイルをメモリ132に格納する。
【0076】
そして、CPU110は、メディアIF(1)114又はメディアIF(2)116を介してデジタルカメラ2に接続された記憶媒体がライトワンスメモリ(例えば、CD−R)であるかどうかを判断する(ステップS1)。
【0077】
デジタルカメラ2に接続された記憶媒体がライトワンスメモリである場合(ステップS1でYES)には、付加情報を撮影ログとしてライトワンスメモリ140に保存する(ステップS2)。その後、CPU110は、メモリ132に格納された画像ファイルを、メディアIF(1)114又メディアIF(2)116を介して記憶媒体であるライトワンスメモリに保存する。これにより、撮影時の状況を証明可能な情報をライトワンスメモリ140に保存することができる。
【0078】
デジタルカメラ2に接続された記憶媒体がライトワンスメモリでない場合(ステップS1でNO)には、メモリ132に格納された画像ファイルを、メディアIF(1)114又メディアIF(2)116を介して記憶媒体に保存する。
【0079】
本実施の形態によれば、証拠写真など信頼性が必要な写真を撮影する場合には、ユーザがライトワンスメモリをデジタルカメラに接続することにより、自動的に内蔵のライトワンスメモリへ付加情報を保存することができる。これにより、使い勝手を良くすることができる。
【0080】
なお、本実施の形態では、CPU110は、デジタルカメラにライトワンスメディアが接続されているかどうかを記録時に判断したが、記録処理前に判断を行い、判断結果を画像表示部136に表示するようにしてもよい。これにより、どのメディアが接続されているか、どのような記録処理が行われるかを記録処理の前にユーザが認識することができる。
【0081】
また、CPU110は、デジタルカメラにライトワンスメディアが接続されていると判断した場合には、撮影後の画像ファイルの保存以外の書き込みができないように制御してもよい。
【0082】
また、CPU110は、デジタルカメラにライトワンスメディアが接続されていると判断した場合には、ライトワンスメディアに書き込んだデータを一旦メモリ132に読み出してベリファイするようにしてもよい。これにより、更に信頼性を向上させることができる。
【0083】
<第3の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態は、画像ファイルを記憶媒体に保存するときに、デジタルカメラ内のライトワンスメモリに付加情報を保存するものであるが、画像ファイルの信頼性を高める方法はこれに限らない。
【0084】
第3の実施の形態は、被写体像の内容を証明可能な情報として誤り検出符号コードをデジタルカメラ内のライトワンスメモリに保存するものである。以下、第3の実施の形態のデジタルカメラ3について説明する。第1の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0085】
図3はデジタルカメラ3内部の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、デジタルカメラ3は、主として、CPU110、シャッタースイッチ111、操作部112、メディアIF(1)114、メディアIF(2)116、TG118、レンズユニット120、シャッター・絞り122、撮像デバイス124、アナログ信号処理部126、A/D変換器128、デジタル信号処理部130、メモリ132、ROM134、画像表示部136、通信、オプションIF138、ライトワンスメモリ140、誤り検出符号器142で構成される。
【0086】
誤り検出符号器142は、撮影後メモリ132に格納された画像データからCRCコードやハッシュ値などの画像データに固有の番号を誤り検出符号コードとして算出する。したがって、誤り検出符号コードが同一であれば、同一の画像であることが証明可能である。誤り検出符号コードは、CRCコードやハッシュ値などに限らず、画像データが編集された場合など画像データの同一性が失われた場合には他の値となるものであれば、どのような形態のものを用いてもよい。
【0087】
以上のように構成された本実施の形態のデジタルカメラ3の作用について説明する。まず、撮影処理について説明する。デジタルカメラ3の撮影処理についてはデジタルカメラ1と同一であるため、説明を省略し、記録処理について説明する。
【0088】
CPU110は、メモリ132に格納された所定の圧縮フォーマットのデータに撮影日時、シャッタースピード、ISO感度などの付加情報をタグに記録して、所定の画像記録フォーマット(たとえばExif形式)の画像ファイルを生成する。そして、CPU110は、生成した画像ファイルをメモリ132に格納する。
【0089】
また、CPU110は、画像データをメモリ132から誤り検出符号器142に入力し、誤り検出符号器142は入力された画像データから誤り検出符号コードを算出する。
【0090】
CPU110は、メモリ132に格納された画像ファイルを、メディアIF(1)114又メディアIF(2)116を介して記憶媒体に保存する。それと同時に、CPU110は、誤り検出符号器142から誤り検出符号コードを読み出し、誤り検出符号コードを撮影ログとしてライトワンスメモリ140に保存する。これにより、撮影された画像の内容を証明可能な情報をライトワンスメモリ140に保存することができる。
【0091】
本実施の形態によれば、記憶媒体に保存された画像ファイルから算出された誤り検出符号コードと、ライトワンスメモリに保存された誤り検出符号コードとを比較することにより、記憶媒体に保存された画像ファイルが編集されたかどうかを事後的に確認することができる。したがって、撮影された画像の信頼性や証拠力を更に高めることができる。
【0092】
なお、本実施の形態では、誤り検出符号コードを撮影ログとしてライトワンスメモリ140に保存したが、デジタルカメラに記憶媒体としてライトワンスメディアが接続されているかどうかを判断し、ライトワンスメディアが接続されている場合には、デジタルカメラ3に固有の番号をライトワンスメディアに書き込むようにしてもよい。これにより、画像データをどのデジタルカメラで撮像したかが明確になるため、デジタルカメラに内蔵のライトワンスメディアに保存された誤り検出符号コードの確認が容易となる。
【0093】
なお、記憶媒体に保存された画像ファイルから誤り検出符号コードを算出するには、画像ファイルを誤り検出符号器142に改めて入力することにより算出してもよいし、誤り符号ファイルが算出可能な他の機器に入力することにより算出してもよい。
【0094】
<第4の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態は、画像ファイルを記憶媒体に保存するときに、デジタルカメラ内のライトワンスメモリに付加情報を保存するものであるが、画像ファイルの信頼性を高める方法はこれに限らない。
【0095】
第4の実施の形態は、撮影時の状況を証明する情報として画像が撮影されたときの時刻情報をデジタルカメラ内のライトワンスメモリに保存するものである。以下、第4の実施の形態のデジタルカメラ4について説明する。第1の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0096】
図4はデジタルカメラ4内部の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、デジタルカメラ4は、主として、CPU110、シャッタースイッチ111、操作部112、メディアIF(1)114、メディアIF(2)116、TG118、レンズユニット120、シャッター・絞り122、撮像デバイス124、アナログ信号処理部126、A/D変換器128、デジタル信号処理部130、メモリ132、ROM134、画像表示部136、通信、オプションIF138、ライトワンスメモリ140、時刻取得ブロック(BLK)144で構成される。
【0097】
時刻取得BLK144は、アンテナ、受信機、CPU等で構成され、標準時刻電波を受信することにより、正確な現在時刻を取得する。標準時刻電波を受信して現在時刻を取得する方法は、公知の内容であるため説明を省略する。
【0098】
以上のように構成された本実施の形態のデジタルカメラ4の作用について説明する。シャッタースイッチを全押しするまでの処置についてはデジタルカメラ1と同一であるため、説明を省略し、全押し後の処理から説明を行う。
【0099】
シャッタースイッチ111が全押しされると、CPU110にS2ON信号が入力され、CPU110は、撮影処理を開始する。すなわち、測光結果に基づき決定されたシャッター速度、絞り値で撮像デバイス124を露光する。
【0100】
また、CPU110にS2ON信号が入力されると、CPU110は時刻取得BLK144に指令を出し、時刻取得BLK144は現在時刻を取得する。これにより、正確な撮影時の時刻情報を取得することができる。取得した現在時刻は、時刻取得BLK144からメモリ132に出力される。
【0101】
撮像デバイス124から出力された画像信号は、アナログ信号処理部126、A/D変換器128、デジタル信号処理部130において輝度/色差信号に変換され、所定の圧縮フォーマット(たとえばJPEG形式)に従って圧縮され、メモリ132に格納される。
【0102】
次に、このようにして撮影された画像を記録する方法について説明する。
【0103】
CPU110は、メモリ132に格納された所定の圧縮フォーマットのデータに時刻取得BLK144からメモリ132に出力された時刻情報、シャッタースピード、ISO感度などの付加情報をタグに記録して、所定の画像記録フォーマット(たとえばExif形式)の画像ファイルを生成する。そして、CPU110は、生成した画像ファイルをメモリ132に格納する。
【0104】
CPU110は、メモリ132に格納された画像ファイルを、メディアIF(1)114又メディアIF(2)116を介して記憶媒体に保存する。それと同時に、CPU110は、時刻取得BLK144からメモリ132に出力された時刻情報を撮影ログとしてライトワンスメモリ140に保存する。これにより、撮影時の状況を証明可能な情報をライトワンスメモリ140に保存することができる。
【0105】
本実施の形態によれば、記憶媒体に保存された画像ファイルのタグ情報内の時刻情報とライトワンスメモリに保存された時刻情報とを比較することにより、記憶媒体に保存された画像ファイルが編集されたかどうかを事後的に確認することができる。したがって、撮影された画像の信頼性を高め、証拠性を上げることができる。
【0106】
なお、本実施の形態では、時刻取得BLK144により取得した時刻情報をタグに保存したが、時刻情報を撮影した画像に合成し、合成した画像を記憶媒体に記憶するようにしてもよい。なお、画像の合成には様々な公知の手法を用いることができる。
【0107】
また、本実施の形態では、時刻取得BLK144で標準時刻電波を受信することにより、正確な撮影時の時刻を取得したが、現在時刻を取得する方法はこれに限らず、GPSやラジオ電波などを用いてもよい。
【0108】
<第5の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態は、画像ファイルを記憶媒体に保存するときに、デジタルカメラ内のライトワンスメモリに付加情報を保存するものであるが、画像ファイルの信頼性を高める方法はこれに限らない。
【0109】
第5の実施の形態は、撮影が行われた位置情報をデジタルカメラ内のライトワンスメモリに保存するものである。以下、第5の実施の形態のデジタルカメラ5について説明する。第1の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0110】
図5はデジタルカメラ5内部の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、デジタルカメラ5は、主として、CPU110、シャッタースイッチ111、操作部112、メディアIF(1)114、メディアIF(2)116、TG118、レンズユニット120、シャッター・絞り122、撮像デバイス124、アナログ信号処理部126、A/D変換器128、デジタル信号処理部130、メモリ132、ROM134、画像表示部136、通信、オプションIF138、ライトワンスメモリ140、GPS位置取得ブロック(BLK)146で構成される。
【0111】
GPS位置取得BLK146は、4個以上のGPS衛星からの距離を同時に知ることにより自分の位置情報を取得する。GPS位置取得BLK146は、既に公知の技術であるため、説明を省略する。
【0112】
以上のように構成された本実施の形態のデジタルカメラ5の作用について説明する。シャッタースイッチを全押しするまでの処置についてはデジタルカメラ1と同一であるため、説明を省略し、全押し後の処理から説明を行う。
【0113】
シャッタースイッチ111が全押しされると、CPU110にS2ON信号が入力され、CPU110は、撮影処理を開始する。すなわち、測光結果に基づき決定されたシャッター速度、絞り値で撮像デバイス124を露光する。
【0114】
また、CPU110にS2ON信号が入力されると、CPU110はGPS位置取得BLK146に指令を出し、位置情報を取得する。これにより、正確な撮影時の位置情報を取得することができる。取得した位置情報は、GPS位置取得BLK146からメモリ132に出力される。
【0115】
撮像デバイス124から出力された画像信号は、アナログ信号処理部126、A/D変換器128、デジタル信号処理部130において輝度/色差信号に変換され、所定の圧縮フォーマット(たとえばJPEG形式)に従って圧縮され、メモリ132に格納される。
【0116】
次に、このようにして撮影された画像を記録する方法について説明する。
【0117】
CPU110は、メモリ132に格納された所定の圧縮フォーマットのデータにGPS位置取得BLK146からメモリ132に出力された位置情報、シャッタースピード、ISO感度などの付加情報をタグに記録して、所定の画像記録フォーマット(たとえばExif形式)の画像ファイルを生成する。そして、CPU110は、生成した画像ファイルをメモリ132に格納する。
【0118】
CPU110は、メモリ132に格納された画像ファイルを、メディアIF(1)114又メディアIF(2)116を介して記憶媒体に保存する。それと同時に、CPU110は、GPS位置取得BLK146からメモリ132に出力された位置情報を撮影ログとしてライトワンスメモリ140に保存する。これにより、撮影時の状況を証明可能な情報をライトワンスメモリ140に保存することができる。
【0119】
本実施の形態によれば、記憶媒体に保存された画像ファイルのタグ情報内の位置情報と、ライトワンスメモリに保存された位置情報とを比較することにより、記憶媒体に保存された画像ファイルが編集されたかどうかを事後的に確認することができる。したがって、撮影された画像の信頼性を高め、証拠性を上げることができる。
【0120】
なお、本実施の形態では、GPS位置取得BLK146により取得した位置情報をタグに保存したが、位置情報を撮影した画像に合成し、合成した画像を記憶媒体に記憶するようにしてもよい。なお、画像の合成には様々な公知の手法を用いることができる。
【0121】
<第6の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態は、画像ファイルを記憶媒体に保存するときに、デジタルカメラ内のライトワンスメモリに付加情報を保存するものであるが、画像ファイルの信頼性を高める方法はこれに限らない。
【0122】
第6の実施の形態は、所定の間隔で時刻情報を取得し、デジタルカメラ内のライトワンスメモリに保存するものである。以下、第6の実施の形態のデジタルカメラ6について説明する。
【0123】
図6はデジタルカメラ6内部の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、デジタルカメラ6は、主として、CPU110、シャッタースイッチ111、操作部112、メディアIF(1)114、メディアIF(2)116、TG118、レンズユニット120、シャッター・絞り122、撮像デバイス124、アナログ信号処理部126、A/D変換器128、デジタル信号処理部130、メモリ132、ROM134、画像表示部136、通信、オプションIF138、ライトワンスメモリ140、GPS位置取得BLK146、タイマー148で構成される。
【0124】
タイマー148は、あらかじめ設定した時間までの残り時間をカウントし、残り時間が0となった時にCPU110に信号を出力する。CPU110は、タイマー148から信号が入力されると、GPS位置取得BLK146に指令を出し、GPS位置取得BLK146は現在の位置情報を取得する。このようにして定期的に取得された位置情報は、GPS位置取得BLK146からメモリ132に出力され、デジタルカメラ6内部の時計(図示せず)の時刻情報と共に順次ライトワンスメモリ140に保存される。これにより、撮影時の状況を証明可能な情報をライトワンスメモリ140に保存することができる。
【0125】
以上のように構成された本実施の形態のデジタルカメラ6の作用について説明する。デジタルカメラ6の撮影処理についてはデジタルカメラ5と同一であるため、説明を省略し、記録処理について説明する。
【0126】
CPU110は、メモリ132に格納された所定の圧縮フォーマットのデータにGPS位置取得BLK146からメモリ132に出力された位置情報、デジタルカメラ6内部の時計(図示せず)の時刻情報、シャッタースピード、ISO感度などの付加情報をタグに記録して、所定の画像記録フォーマット(たとえばExif形式)の画像ファイルを生成する。そして、CPU110は、生成した画像ファイルをメモリ132に格納する。
【0127】
CPU110は、メモリ132に格納された画像ファイルを、メディアIF(1)114又メディアIF(2)116を介して記憶媒体に保存する。
【0128】
本実施の形態によれば、記憶媒体の画像ファイルのタグ情報内に記憶された撮影時の位置情報及び時刻情報と、ライトワンスメモリに保存された敵的に取得された位置情報及び時刻情報とを比較して、撮影時と撮影前後の位置関係を確認することにより、撮影時の位置情報の信頼性を上げ、画像ファイルに記憶された撮影時の位置情報や時刻情報が改竄されたかどうかを事後的に確認することができる。
【0129】
なお、本実施の形態では、時刻情報としてデジタルカメラの内部の時計から時刻情報を取得したが、GPS位置取得BLKで時刻情報を取得するようにしてもよい。
【0130】
本発明の適用は、デジタルカメラに限定されるものではなく、カメラつき携帯電話機やビデオカメラ等の撮像装置にも適用することができる。また、デジタルカメラなどの装置に適用するプログラムとして提供することもできる。また、本発明は、上記実施の形態1〜6に限定されるものではなく、上記実施の形態を組み合わせて実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】デジタルカメラ1の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】デジタルカメラ2の記憶処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】デジタルカメラ3の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】デジタルカメラ4の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】デジタルカメラ5の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】デジタルカメラ6の電気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0132】
1、2、3、4、5、6:デジタルカメラ、110:CPU、111:シャッタースイッチ、112:操作部、114:メディアIF(1)、116:メディアIF(2)、118:TG、120:レンズユニット、122:シャッター・絞り、124:撮像デバイス、126:アナログ信号処理部(CDS/AMP)、128:A/D変換器、130:デジタル信号処理部、132:メモリ、134:ROM、136:画像表示部、138:通信、オプションIF、140:ライトワンスメモリ、142:誤り検出符号器、144:時刻取得BLK、146:GPS位置情報取得BLK、148:タイマー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を撮像する撮像手段と、
装置本体に内蔵され、データの書き込みが1回のみ可能な第1の記録媒体と、
前記装置本体に外部の第2の記録媒体を着脱するための装着部と、
前記撮像手段により被写体像の撮影が行われると、該撮影された被写体像を前記第2の記録媒体に保存すると共に、該被写体像の内容又は該被写体像の撮影状況を証明する情報を前記第1の記録媒体に撮影ログとして保存する制御手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
被写体像を撮像する撮像手段と、
装置本体に内蔵された不揮発性の第1の記録媒体と、
前記装置本体に外部の第2の記録媒体を着脱するための装着部と、
前記撮像手段により被写体像の撮影が行われると、該撮影された被写体像を前記第2の記録媒体に保存すると共に、該被写体像の内容又は該被写体像の撮影状況を証明する情報を前記第1の記録媒体に撮影ログとして保存し、かつ該保存された撮影ログの削除/変更を不能とする制御手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
前記撮像手段により撮像された被写体像が編集されたか否かを検出する誤り検出符号を生成する誤り検出情報生成手段を備え、
前記制御手段は、前記誤り検出情報生成手段により生成された誤り検出符号を前記被写体像の内容を証明する情報として第1の記憶手段に保存することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記誤り検出情報生成手段は、CRCコード又はハッシュ値を前記誤り検出符号として生成することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮像手段によって被写体像が撮像されたときの前記撮像装置の位置情報及び時刻情報のうちの少なくとも1つを取得する位置/時刻情報取得手段を備え、
前記制御手段は、前記位置/時刻情報取得手段により取得された位置情報及び時刻情報のうちの少なくとも1つを前記被写体像の撮影状況を証明する情報として前記第1の記録媒体及び前記第2の記録媒体に保存することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項6】
前記位置情報及び前記時刻情報のうちの少なくとも1つをタグ情報として前記被写体像に付加した画像データを生成する画像データ生成手段を備え、
前記制御手段は、前記画像データ生成手段により生成された画像データを前記第2の記録媒体に保存することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記撮像手段により撮像された被写体像に、前記位置/時刻情報取得手段により取得された前記位置情報及び前記時刻情報のうちの少なくとも1つを合成する合成手段を備え、
前記制御手段は、前記合成手段により時刻情報が合成された被写体像を前記第2の記録媒体に保存することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記位置/時刻情報取得手段は、前記撮像手段によって被写体像が撮像されたときの前記撮像装置の位置情報及び時刻情報を取得すると共に、所定の期間毎に前記撮像装置の位置情報及び時刻情報を取得し、
前記制御手段は、前記被写体像が撮像されたときの位置情報及び時刻情報を前記第2の記録媒体に保存すると共に、前記所定の期間毎に取得された位置情報及び時刻情報を前記第1の記録媒体に保存することを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記被写体像の撮影状況を証明する情報として、シャッタスピード、ISO感度及び前記撮像装置に固有の番号の少なくとも1つを前記第1の記録媒体に撮影ログとして保存することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項10】
前記装着部にデータの書き込みが1回のみ可能な記録媒体が前記第2の記録媒体として装着されたか否かを判別する記録媒体判別手段を備え、
前記制御手段は、前記記録媒体判別手段によりデータの書き込みが1回のみ可能な記録媒体が前記第2の記録媒体として前記装置部に装着されたと判別されると、前記第1の記録媒体に撮影ログを保存することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項11】
撮像手段により被写体像を撮像するステップと、
前記撮像された被写体像を、装着部を介して装置本体に着脱可能に設けられた外部の第2の記録媒体に保存するステップと、
前記撮像された被写体像又は該被写体像の撮影状況を証明する情報を、装置本体に内蔵され、データの書き込みが1回のみ可能なライトワンス型の第1の記録媒体に撮影ログとして保存するステップと、
を含むことを特徴とする画像保存方法。
【請求項12】
撮像手段により被写体像を撮像するステップと、
前記撮像された被写体像を、装着部を介して装置本体に着脱可能に設けられた外部の第2の記録媒体に保存するステップと、
前記撮像された被写体像又は該被写体像の撮影状況を証明する情報を、装置本体に内蔵された不揮発性の第1の記録媒体に撮影ログとして保存すると共に、該撮影ログの削除/変更を不能とするステップと、
を含むことを特徴とする画像保存方法。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の画像保存方法を演算装置に演算させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−98588(P2010−98588A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−268712(P2008−268712)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】