説明

撮像装置およびプログラム

【課題】撮像装置において、撮影者の感情を直接的に反映させた撮影画像を得ること。
【解決手段】前方被写体を撮影したときの後方被写体(撮影者)の顔の撮影画像データGsから判定される感情が“悲しい”(“嬉しい”)ときには、当該前方被写体の撮影画像データGmは、撮影者の感情“悲しい”(“嬉しい”)が直接的に反映された“暗い色調”(“明るい色調”)の撮影画像データGmsに補正されて保存されるようになる。よって、暫くした後に、ユーザが前記保存された撮影画像データGmsを表示させて見たときには、撮影当時のユーザ(撮影者)の感情“悲しい”(“嬉しい”)を蘇らせて見させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のデジタルカメラにおいて、撮影時に、被写体になる人物の感情を反映した撮影画像を得ることは多く考えられている。
【0003】
また近年、撮影者自身の感情を反映した撮影画像を得ることも考えられている。
【0004】
例えば[特許文献1]には、ビデオカメラのグリップ部に温度等のセンサを設け、撮影者の興奮状態や緊張状態を反映した撮影画像を得る技術が記載されている。
【0005】
また、[特許文献2]には、メインカメラとサブカメラを有し、サブカメラで撮影者を撮影し、撮影者が笑っていれば人物撮影モード、そうでなければ風景撮影モード等、撮影者の表情から被写体の種類を判定し、それに適した撮影モードに自動設定することで、被写体に応じた好適な撮影を行うことができる撮像装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平04−098979号公報
【特許文献2】特開2009−267468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記特許文献1に記載のビデオカメラでは、特殊なセンサ(温度センサ/湿度センサ/抵抗センサ)を設ける必要があり、また、撮影者の興奮状態等は感知できても、嬉しいか悲しいかといった喜怒哀楽(感情)までは分からないため、撮影画像に撮影者の感情を反映させることはできなかった。
【0008】
また、前記特許文献2に記載の撮像装置では、撮影者は風景を撮影する場合に比べて人物を撮影する場合に笑顔になりやすいという特性を利用し、撮影モードを被写体に応じて自動設定するものであり、好適な撮影を行うことができるものの、撮影画像に撮影者の感情を反映させるようなことはできなかった。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、撮影者の感情を直接的に反映させた撮影画像を得ることが可能になる撮像装置およびその制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る撮像装置は、被写体を撮影する第1の撮影手段と、この第1の撮影手段による被写体の撮影に伴い撮影動作する第2の撮影手段と、この第2の撮影手段により撮影された撮影画像に含まれる人物の感情を判定する感情判定手段と、前記第1の撮影手段により撮影された被写体の撮影画像に対して、前記感情判定手段により判定された人物の感情を反映させた画像処理を施す画像処理手段と、を備えたことを特徴としている。
【0011】
本発明に係るプログラムは、第1の撮像部および第2の撮像部を備えた電子機器のコンピュータを制御するためのプログラムであって、前記コンピュータを、ユーザ操作に応じて前記第1の撮像部に被写体を撮影させる第1の撮影手段、この第1の撮影手段による被写体の撮影に伴い前記第2の撮像部を撮影動作させる第2の撮影手段、この第2の撮影手段により撮影された撮影画像に含まれる人物の感情を判定する感情判定手段、前記第1の撮影手段により撮影された被写体の撮影画像に対して、前記感情判定手段により判定された人物の感情を反映させた画像処理を施す画像処理手段、として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、撮影者の感情を直接的に反映させた撮影画像を得ることが可能になる撮像装置およびその制御プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の撮像装置の実施形態に係るデジタルカメラ10の外観構成を示す図であり、同図(A)はその正面斜視図、同図(B)はその背面斜視図。
【図2】前記デジタルカメラ10の電子回路の構成を示すブロック図。
【図3】前記デジタルカメラ10のプログラムメモリ40に予め記憶される各種動作プログラムやテーブルの内容を示す図。
【図4】前記デジタルカメラ10による絵画画像撮影モードでの撮影処理を示すフローチャート。
【図5】前記デジタルカメラ10の絵画画像撮影処理に伴う撮影者情報解析処理を示すフローチャート。
【図6】前記デジタルカメラ10による絵画画像撮影モードでの撮影処理に伴う被写体撮影画像の変換表示動作(具体例1)を示す図。
【図7】前記デジタルカメラ10による絵画画像撮影モードでの撮影処理に伴う被写体撮影画像の変換表示動作(具体例2)を示す図。
【図8】前記デジタルカメラ10による絵画画像撮影モードでの撮影処理に伴う被写体撮影画像の変換表示動作(具体例3)を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
本発明の撮像装置は、以下に説明する撮影専用のデジタルカメラ10として構成されるか、デジタルカメラ10を備えたPDA(personal digital assistants)、携帯電話、携帯ゲーム機等として構成される。
【0016】
図1は、本発明の撮像装置の実施形態に係るデジタルカメラ10の外観構成を示す図であり、同図(A)はその正面斜視図、同図(B)はその背面斜視図である。
【0017】
このデジタルカメラ10は、前方被写体を撮影するためのメインカメラと後方被写体(例えば、撮影者)を撮影するためのサブカメラとを有し、その筐体には、後述する電子回路のキー操作部41(図2参照)として、電源ボタン11、レリーズボタン12、ズームキー13、セットボタン14、上下左右のカーソルキー15,16,17,18が配置される。
【0018】
筐体正面には、メインカメラ用のレンズユニット19、フラッシュ部20が配置され、筐体背面には、サブカメラ用のレンズユニット21、透明のタッチパネル部22Tを重ねてなる液晶表示部(モニタ)22が配置される。
【0019】
つまり、このデジタルカメラ10では、筐体正面側のメインカメラ用レンズユニット19と筐体背面側のサブカメラ用レンズユニット21とで、互いに異なる方向を撮影可能であると共に、サブカメラ用レンズユニット21は、同筐体背面側の液晶表示部(モニタ)22と同方向に配置されているので、撮影者は、液晶表示部(モニタ)22の画面を見ながら同撮影者自身を撮影することができる。
【0020】
図2は、前記デジタルカメラ10の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0021】
このデジタルカメラ10の電子回路は、メインカメラ部MCとサブカメラ部SCと共通部CCとで構成される。
【0022】
先ず、メインカメラ部MCを主体に説明する。
【0023】
カメラ筐体の前面に配設されるメインカメラ用レンズユニット19を介して、メイン撮像素子、例えばCMOSイメージセンサ31の撮像面上に前方被写体の光像を入射して結像させる。
【0024】
前方被写体のスルー画像表示、あるいはライブビュー画像表示とも称されるモニタリング状態では、このメインCMOSイメージセンサ31での撮像により得た画像信号をメインAGC・A/D変換部32に送り、相関二乗サンプリングや自動ゲイン調整、A/D変換処理を実行してデジタル化する。このデジタル値の前方被写体画像データはシステムバスSBを介してメインバッファメモリ33に保持される。
【0025】
このメインバッファメモリ33に保持された前方被写体画像データに対して、メイン画像処理部34が適宜必要な画像処理を施す。メイン画像処理部34では、メインバッファメモリ33が保持する、前記メインCMOSイメージセンサ31が備えるベイヤー配列のカラーフィルタの構成に応じた前方被写体画像データに対してデジタル現像処理、具体的には画素補間処理、ガンマ補正処理、マトリックス演算等のデモザイク処理を施すことで、輝度色差系(YUV)の画像データに変換する。
【0026】
メイン画像処理部15は、現像後の前方被写体の画像データから表示用に画素数及び階調ビットを大幅に減じた画像データを作成し、システムバスSBを介して液晶表示部22へ送る。液晶表示部22では、送られてきた前方被写体の画像データに基づいてそのスルー画像を表示する。
【0027】
この液晶表示部22は、例えばバックライト付きのカラー液晶パネルとそのコントローラとで構成される。この液晶表示部22の画面上部に一体にして透明導電膜を用いたタッチパネル部22Tが構成される。
【0028】
このタッチパネル部22Tでユーザが手指等で表面をタッチ操作すると、タッチパネル部22Tでは操作座標の位置を算出し、算出した座標信号を前記システムバスSBを介して後述するCPU38に送出する。
【0029】
また、前記メインカメラ用レンズユニット19と同じくカメラ筐体前面には、マイクロホン35が配設され、前方被写体方向の音声が入力される。マイクロホン35は入力した音声を電気信号化し、音声処理部36へ出力する。
【0030】
音声処理部36は、音声単体での録音時、音声付き静止画像撮影時、及び動画像の撮影時にマイクロホン35から入力する音声信号をデジタルデータ化する。さらに音声処理部36は、デジタル化した音声データの音圧レベルを検出する一方で、該音声データを所定のデータファイル形式、例えばAAC(moving picture experts group-4 advanced audio coding)形式でデータ圧縮して音声データファイルを作成し、後述する記録媒体へ送出する。
【0031】
加えて音声処理部36は、PCM音源等の音源回路を備え、音声の再生時に送られてくる音声データファイルの圧縮を解いてアナログ化し、このデジタルカメラ10の筐体背面側に設けられるスピーカ37を駆動して、拡声放音させる。
【0032】
次に、サブカメラ部SCを主体に説明する。
【0033】
カメラ筐体の背面に配設されるサブカメラ用レンズユニット21を介して、サブ撮像素子であるCMOSイメージセンサ49の撮像面上に後方被写体(例えば、撮影者)の光像を入射して結像させる。
【0034】
このサブCMOSイメージセンサ49での撮像により得た画像信号をサブAGC・A/D変換部50に送りデジタル化する。このデジタル値の後方被写体の画像データはシステムバスSBを介してサブバッファメモリ51に保持される。
【0035】
このサブバッファメモリ51に保持された後方被写体の画像データに対して、サブ画像処理部52が顔画像検出用に画素数及び階調ビットを調整した画像データを作成し、システムバスSBを介してCPU38へ送出する。
【0036】
以上のメインカメラ部MCおよびサブカメラ部SCの回路を共通部CCのCPU38が統括して制御する。このCPU38は、メインメモリ39、プログラムメモリ40と直接接続される。メインメモリ39は、例えばSRAMで構成され、ワークメモリとして機能する。プログラムメモリ40は、例えばフラッシュメモリなどの電気的に書き換え可能な不揮発性メモリで構成され、後述する各種動作プログラムやデータ、後述するテーブル等を固定的に記憶する。
【0037】
CPU38はプログラムメモリ40から必要なプログラムやデータ等を読出し、メインメモリ39に適宜一時的に展開記憶させながら、このデジタルカメラ10全体の制御動作を実行する。
【0038】
さらに前記CPU38は、キー操作部41から直接入力される各種キー操作信号、及び前記タッチパネル部22Tからのタッチ操作に応じた座標信号に対応して制御動作を実行する。
【0039】
キー操作部41は、前述した通り、例えば電源ボタン11、レリーズボタン12、ズームキー13、セットボタン14、上下左右のカーソルキー15,16,17,18等を備える。
【0040】
CPU38は、システムバスSBを介して前記メインAGC・A/D変換部32、メインバッファメモリ33、メイン画像処理部34、液晶表示部22、タッチパネル部22T、音声処理部36、サブAGC・A/D変換部50、サブバッファメモリ51、サブ画像処理部52の他、さらにレンズ駆動部42、フラッシュ駆動部43、メインイメージセンサ(IS)駆動部44、サブイメージセンサ(IS)駆動部53、及びメモリカードコントローラ45と接続される。
【0041】
レンズ駆動部42は、CPU38からの制御信号を受けてレンズ用DCモータ(M)46の回転を制御し、前記メインカメラ用レンズユニット19を構成する複数のレンズ群中の一部、具体的にはズームレンズ及びフォーカスレンズの位置と、開口絞りの開口度合をそれぞれ個別に制御させる。
【0042】
フラッシュ駆動部43は、前方被写体の静止画像撮影時にCPU38からの制御信号を受けて複数の白色高輝度LEDで構成されるフラッシュ部20を撮影タイミングに同期して点灯駆動する。
【0043】
メインイメージセンサ駆動部44,サブイメージセンサ駆動部53は、それぞれその時点で設定されている撮影条件等に応じて、前記メインCMOSイメージセンサ31,サブCMOSイメージセンサ49の走査駆動を行なう。
【0044】
前記メイン画像処理部34は、前記キー操作部41のシャッタレリーズボタン操作に伴う画像撮影時に、メインAGC・A/D変換部32から送られてきてメインバッファメモリ33に保持される前方被写体の撮影画像データをデモザイク処理し、さらに所定のデータファイル形式、例えばJPEG(joint photographic experts group)であればDCT(離散コサイン変換)やハフマン符号化等のデータ圧縮処理を施してデータ量を大幅に削減した画像データファイルを作成する。作成した画像データファイルはシステムバスSB、メモリカードコントローラ45を介してメモリカード47に記録される。
【0045】
またメイン画像処理部34は、再生モード時にメモリカード47からメモリカードコントローラ45を介して読出されてくる画像データをシステムバスSBを介して受取り、メインバッファメモリ33に保持させた上で、このメインバッファメモリ33に保持させた画像データを記録時とは逆の手順で圧縮を解く伸長処理により元のサイズの画像データを得、得た画像データのデータ量を減じた後にシステムバスSBを介して液晶表示部22で表示させる。
【0046】
メモリカードコントローラ45は、カードコネクタ48を介してメモリカード47と接続される。メモリカード47は、このデジタルカメラ10に着脱自在に装着され、このデジタルカメラ10の記録媒体となる画像データ等の記録用メモリであり、内部には不揮発性メモリであるフラッシュメモリと、その駆動回路とが設けられる。
【0047】
前記サブ画像処理部52は、前記キー操作部41のシャッタレリーズボタン操作に伴う画像撮影時に、サブAGC・A/D変換部50から送られてきてサブバッファメモリ51に保持される後方被写体の撮影画像データを顔画像検出用に処理した画像データを作成し、CPU38へ送出する。
【0048】
図3は、前記デジタルカメラ10のプログラムメモリ40に予め記憶される各種動作プログラムやテーブルの内容を示す図である。
【0049】
このプログラムメモリ40には、電子回路全体の制御を司るシステムプログラムや撮影処理プログラム、撮影画像記録処理プログラム、撮影画像再生処理プログラム等、メインカメラ部MCの基本的な制御を行うための各種処理プログラム40aの他、顔検出プログラム40b、感情判定プログラム40c、感情−色調補正パラメータ対応テーブル40d、視線検出プログラム40e、絵画変換プログラム40fが記憶される。
【0050】
顔検出プログラム40bには、メインカメラ部MCによる前方被写体の撮影動作に伴い、サブカメラ部SCにより撮影されてサブバッファメモリ51からCPU38へ転送された、例えば撮影者が含まれる後方被写体の画像データを、予め設定された顔の輪郭や目・鼻・口の配置などの特徴量に基づき解析し、同撮影者の顔の部分の画像データを検出するためのプログラムが記述される。
【0051】
感情判定プログラム40cには、前記顔検出プログラム40bに従い検出された後方被写体撮影時における撮影者の顔の部分の画像データを、目・鼻・口の位置,形状,傾き等の表情に基づき解析し、同撮影者の感情(例えば、笑う/悲しむ/怒る)を判定するためのプログラムが記述される。
【0052】
感情−色調補正パラメータ対応テーブル40dには、前記感情判定プログラム40cに従い判定される撮影者の顔の感情の種類(例えば、笑う/悲しむ/怒る)に対応付けられて、メインカメラ部MCにより撮影されてメインバッファメモリ33に保持された前方被写体の撮影画像データを、その色調を補正(明度と彩度で補正)してアート変換するためのパラメータ(例えば、笑う→明度+3,彩度+3/悲しむ→明度−3,彩度±0/怒る→明度−3,彩度−3)が記述される。
【0053】
視線検出プログラム40eには、前記顔検出プログラム40bに従い検出された後方被写体撮影時における撮影者の顔の部分の画像データに基づき、同撮影者の瞳が目のどの位置にあるかを解析し、メインカメラ部MCにより撮影されて液晶表示部22にモニタ表示された前方被写体の画像データに対するユーザの視線(注目点)を検出するためのプログラムが記述される。
【0054】
絵画変換プログラム40fには、メインカメラ部MCにより撮影されてメインバッファメモリ33に保持された前方被写体の撮影画像データを、パステル調に変換したり、ゴシック調に変換したり、水墨画調に変換したりするためのプログラムが記述される。
【0055】
このように構成されたデジタルカメラ10は、前記CPU38が前記プログラムメモリ40から読み出した各種のプログラムやテーブル(40a〜40f)に記述されている命令およびデータに従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、以下の動作説明で述べる機能を実現する。
【0056】
次に、前記構成によるデジタルカメラ10の動作について説明する。
【0057】
図4は、前記デジタルカメラ10による絵画画像撮影モードでの撮影処理を示すフローチャートである。
【0058】
図5は、前記デジタルカメラ10の絵画画像撮影処理に伴う撮影者情報解析処理を示すフローチャートである。
【0059】
なお、絵画画像撮影モードとは、メインカメラ部MCにより撮影された前方被写体の画像データを、前記絵画変換プログラム40fによる絵画変換の種類(例えば、パステル調/ゴシック調/水墨画調等)からユーザ操作に応じて選択的に設定された種類の画風に変換して取得するための撮影モードである。
【0060】
この絵画変換の種類(画風)は、被写体撮影前に予め設定されるか、撮影後に選択するかの何れであってもよい。
【0061】
ユーザ(撮影者)操作に応じて、液晶表示部22に撮影モードの選択メニューを表示させ、当該モードの選択メニューから絵画画像撮影モードを選択して起動させると(ステップS1)、メインカメラ部MCにより撮像されてメイン画像処理部34にて処理された前方被写体の画像データが、液晶表示部22に表示されてモニタされる(ステップS2)。
【0062】
ここで、前記モニタ表示された前方被写体の画像データに基づき撮影者所望の構図が決定されてレリーズボタン12が操作されると(ステップS3(Yes))、メインカメラ部MCにより撮影された前方被写体の画像データがメインバッファメモリ33に保持されると共に、サブカメラ部SCにより撮影された後方被写体(撮影者)の画像データがサブバッファメモリ51に保持される(ステップS4)。
【0063】
そして、図5における撮影者情報解析処理に移行される(ステップSA)。
【0064】
この撮影者情報解析処理では、前記サブバッファメモリ51に保持された後方被写体(撮影者)の画像データが顔検出プログラム40bに従い解析され(ステップA1)、当該撮影者の画像データから顔の部分の画像データが検出されたか否か判断される(ステップA2)。
【0065】
ここで、前記後方被写体(撮影者)の画像データから顔の部分の画像データが検出されたと判断されると(ステップA2(Yes))、当該検出された撮影者の顔画像データが感情判定プログラム40cに従い表情解析され、前方被写体の撮影に伴う撮影者の感情(笑う/悲しむ/怒る)が判定される(ステップA3)。
【0066】
すると、前記判定された撮影者の感情に対応する色調補正のパラメータが、感情−色調補正パラメータ対応テーブル40dから読み出される(ステップA4)。
【0067】
また、前記撮影者の顔画像データから視線検出プログラム40eに従い、液晶表示部22のモニタ表示に対する視線が検出されたか否かが判断され(ステップA5)、視線が検出されたと判断されると(ステップA5(Yes))、当該モニタ表示されている前方被写体の撮影画像の中での撮影者の視線の位置が注目点として設定される(ステップA6)。
【0068】
なお、前記ステップA5における視線検出プログラム40eの起動については、ユーザ任意にON/OFF設定可能であり、視線検出OFFに設定された場合には、視線検出なしと判断される(ステップS5(No))。
【0069】
こうして、前記撮影者情報解析処理(ステップSA)が終了すると、前記被写体撮影に伴うユーザ(撮影者)の感情判定に対応して前記テーブル40aから読み出された色調補正パラメータに従い、前記メインバッファメモリ33に保持されている前方被写体の撮影画像データの色調が補正される(ステップS5)。例えば撮影者の感情判定が“笑う”の場合は、前方被写体の撮影画像の色調は[明度+3,彩度+3]の明るく鮮やかに補正され、“悲しむ”の場合は[明度−3,彩度±0]の暗い色調に補正され、“怒る”の場合は[明度−3,彩度−3]の暗く彩りの悪い色調に補正される。
【0070】
また、前記被写体撮影に伴うユーザ(撮影者)の視線検出に対応して設定された前方被写体の撮影画像データの注目点に基づき、当該撮影画像データの注目点を中心とする同心円上のコントラストが強く変更されたり、同注目点付近の画像部分が拡大されたりして、撮影画像の注目点を目立たせる処理が実行される(ステップS6)。
【0071】
また、ユーザ設定された絵画変換の種類(画風:パステル調/ゴシック調/水墨画調)に従い絵画変換プログラム40fが実行され、前記メインバッファメモリ33に保持された前方被写体の撮影画像データが設定された画風に変換される(ステップS7)。
【0072】
なお、前記ステップS5〜S7において実行される前方被写体の撮影画像データに対する色調補正処理(S5)、注目点強調処理(S6)、絵画変換処理(S7)は、当該処理の順番が入れ替わってもよい。
【0073】
こうして、各画像処理の施された前方被写体の撮影画像データは、メインバッファメモリ33からCPU38により読み出され、メモリカード47内の所定のメモリ領域に転送されて保存される(ステップS8)。
【0074】
図6は、前記デジタルカメラ10による絵画画像撮影モードでの撮影処理に伴う前方被写体撮影画像の変換表示動作(具体例1)を示す図である。
【0075】
この具体例1では、被写体撮影時のユーザ(撮影者)の感情が“悲しい”と判定され、また、撮影者の視線検出が“OFF”に設定されている場合の画像変換動作について説明する。
【0076】
レリーズボタン12の操作に応じて、図6(A)に示すように、メインカメラ部MCにより撮影された前方被写体の撮影画像データGmがメインバッファメモリ33に保持されると共に液晶表示部22にモニタ表示されると、図6(a)に示すように、サブカメラ部SCにより撮影されたユーザ(撮影者)の撮影画像データGsがサブバッファメモリ51に保持され、同撮影者の顔の感情が“悲しい”と判定される(ステップS1〜S4→A1〜A3)。
【0077】
すると、感情−色調補正パラメータ対応テーブル40aから前記撮影者の顔の感情“悲しい”に対応した色調補正パラメータ[明度−3,彩度±0]が読み出され、前記メインバッファメモリ33に保持された前方被写体の撮影画像データGmは、図6(B)に示すように、暗い色調の撮影画像データGmsに補正される(ステップA4,A5(No)→S5)。
【0078】
ここで、絵画変換の種類が、例えばゴシック調としてユーザ(撮影者)により予め設定されていた場合は、前記暗い色調に補正された撮影画像データGmsは、さらにゴシック調の撮影画像データに変換処理された後、メモリカード47内の所定のメモリ領域に転送されて保存される(ステップS7,S8)。
【0079】
このように、前方被写体を撮影したときのユーザ(撮影者)の顔から判定される感情が“悲しい”ときには、当該前方被写体の撮影画像データGmは、ユーザの感情“悲しい”が直接的に反映された暗い色調の撮影画像データGmsに補正されて保存されるようになる。よって、暫くした後に、ユーザが前記メモリカード47に保存された撮影画像データGmsを表示させて見たときには、撮影当時の撮影者の感情“悲しい”を蘇らせて見させることができる。
【0080】
図7は、前記デジタルカメラ10による絵画画像撮影モードでの撮影処理に伴う前方被写体撮影画像の変換表示動作(具体例2)を示す図である。
【0081】
この具体例2では、被写体撮影時のユーザ(撮影者)の感情が“笑う(嬉しい)”と判定され、また、撮影者の視線検出が“OFF”に設定されている場合の画像変換動作について説明する。
【0082】
レリーズボタン12の操作に応じて、図7(A)に示すように、メインカメラ部MCにより撮影された前方被写体の撮影画像データGmがメインバッファメモリ33に保持されると共に液晶表示部22にモニタ表示されると、図7(a)に示すように、サブカメラ部SCにより撮影されたユーザ(撮影者)の撮影画像データGsがサブバッファメモリ51に保持され、同撮影者の顔の感情が“笑う(嬉しい)”と判定される(ステップS1〜S4→A1〜A3)。
【0083】
すると、感情−色調補正パラメータ対応テーブル40aから前記撮影者の顔の感情“笑う(嬉しい)”に対応した色調補正パラメータ[明度+3,彩度+3]が読み出され、前記メインバッファメモリ33に保持された前方被写体の撮影画像データGmは、図7(B)に示すように、明るく鮮やかな色調の撮影画像データGmsに補正される(ステップA4,A5(No)→S5)。
【0084】
ここで、絵画変換の種類が、例えばパステル調としてユーザ(撮影者)により予め設定されていた場合は、前記明るく鮮やかな色調に補正された撮影画像データGmsは、さらにパステル調の撮影画像データに変換処理された後、メモリカード47内の所定のメモリ領域に転送されて保存される(ステップS7,S8)。
【0085】
このように、前方被写体を撮影したときのユーザ(撮影者)の顔から判定される感情が“笑う(嬉しい)”ときには、当該前方被写体の撮影画像データGmは、ユーザの感情“笑う(嬉しい)”が直接的に反映された明るく鮮やかな色調の撮影画像データGmsに補正されて保存されるようになる。よって、暫くした後に、前記メモリカード47に保存された撮影画像データGmsを表示させて見たときには、撮影当時の撮影者の感情“笑う(嬉しい)”を蘇らせて見させることができる。
【0086】
図8は、前記デジタルカメラ10による絵画画像撮影モードでの撮影処理に伴う前方被写体撮影画像の変換表示動作(具体例3)を示す図である。
【0087】
この具体例3では、被写体撮影時のユーザ(撮影者)の感情が“笑う(嬉しい)”と判定され、また、撮影者の視線検出が“ON”に設定されている場合の画像変換動作について説明する。
【0088】
レリーズボタン12の操作に応じて、図8(A)に示すように、メインカメラ部MCにより撮影された前方被写体の撮影画像データGmがメインバッファメモリ33に保持されると共に液晶表示部22にモニタ表示されると、図8(a)に示すように、サブカメラ部SCにより撮影されたユーザ(撮影者)の撮影画像データGsがサブバッファメモリ51に保持され、同撮影者の顔の感情が“笑う(嬉しい)”と判定される(ステップS1〜S4→A1〜A3)。
【0089】
すると、感情−色調補正パラメータ対応テーブル40aから前記撮影者の顔の感情“笑う(嬉しい)”に対応した色調補正パラメータ[明度+3,彩度+3]が読み出される(ステップA4)。
【0090】
また、液晶表示部22のモニタ表示に対する撮影者の視線が検出され、前記前方被写体の撮影画像データGmの中でのユーザの視線の位置が注目点Pとして設定される(ステップA5(Yes)→A6)。
【0091】
すると、前記メインバッファメモリ33に保持された前方被写体の撮影画像データGmは、前記感情−色調補正パラメータ対応テーブル40aから読み出された色調補正パラメータ[明度+3,彩度+3]に従い、図8(B)に示すように、明るく鮮やかな色調の撮影画像データGmsに補正される(ステップS5)。
【0092】
またこれと共に、前記撮影者の視線検出に対応して設定された注目点Pに基づき、当該撮影画像データGmsの注目点Pを中心とする同心円上のコントラストが強く変更され、同注目点Pを目立たせる処理が実行される(ステップS6)。
【0093】
ここで、絵画変換の種類が、例えば水彩画調としてユーザ(撮影者)により予め設定されていた場合は、前記明るく鮮やかな色調に補正されると共に注目点Pが強調された撮影画像データGmsは、さらに水彩画調の撮影画像データに変換処理された後、メモリカード47内の所定のメモリ領域に転送されて保存される(ステップS7,S8)。
【0094】
このように、前方被写体を撮影したときのユーザ(撮影者)の顔から判定される感情が“笑う(嬉しい)”ときで、且つ撮影者視線検出“ON”のときには、当該前方被写体の撮影画像データGmは、ユーザの感情“笑う(嬉しい)”が直接的に反映された明るく鮮やかな色調の撮影画像データGmsに補正されると共に、ユーザの注目点Pが強調されて保存されるようになる。よって、暫くした後に、前記メモリカード47に保存された撮影画像データGmsを表示させて見たときには、撮影当時の撮影者の感情“笑う(嬉しい)”やその注目点Pが何処であったかを蘇らせて見させることができる。
【0095】
なお、前記実施形態では、レリーズボタン12の操作の伴いメインカメラ部MCによる前方被写体の撮影動作とサブカメラ部SCによる後方被写体(例えば、撮影者)の撮影動作とを共に実行する構成とした。
【0096】
これに対し、サブカメラ部SCによる後方被写体(撮影者)の撮影動作をメインカメラ部MCによる前方被写体の撮影動作よりも一定時間(例えば0.5秒)の範囲内で少し遅らせて実行することで、レリーズボタン12を操作した時点よりもその直後の撮影者の前方被写体に対する感情が顔の表情に表れやすいときに該撮影者を撮影して顔検出・感情判定する構成としてもよい。
【0097】
また、サブカメラ部SCによる後方被写体(撮影者)の撮影動作を、メインカメラ部MCによる前方被写体の撮影動作に合わせたタイミングと前記少し遅らせたタイミングとの2回実行することで、1回目の撮影者の撮影画像からは前方被写体画像に対する視線検出・注目点設定をし、2回目の撮影者の撮影画像からは顔検出・感情判定をする構成としてもよい。
【0098】
さらに、前記実施形態では、前方被写体の撮影に伴い後方被写体(撮影者)の顔から判定される感情に応じて、前記前方被写体の撮影画像データの色調を補正し、例えば撮影者の感情が“笑う(嬉しい)”ときには明るい色調、“悲しい”ときには暗い色調に補正する構成とした。これに対し、撮影者の感情が“笑う(嬉しい)”ときにはパステル調、“悲しい”ときにはゴシック調に画像変換する等、前方被写体の撮影に伴い撮影者の顔から判定される感情に応じて、当該前方被写体の撮影画像データの絵画調を変換する構成としてもよい。
【0099】
なお、前記各実施形態において記載したデジタルカメラ10の動作手法、すなわち、図4のフローチャートに示す絵画画像撮影モードでの撮影処理、および図5のフローチャートに示す前記絵画画像撮影処理に伴う撮影者情報解析処理などの各手法は、コンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記憶媒体(47)に格納して配布することができる。そして、デジタルカメラ(10)のコンピュータ(38)は、この外部記憶媒体(47)に記憶されたプログラムを記憶装置(40)に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記各実施形態において説明した被写体撮影画像に対するユーザ(撮影者)感情反映機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0100】
また、前記手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(公衆回線)上を伝送させることができ、この通信ネットワークに接続された通信装置によって、前記プログラムデータを、デジタルカメラ(10)のコンピュータ(38)に取り込み、前述した被写体撮影画像に対するユーザ(撮影者)感情反映機能を実現することもできる。
【0101】
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【0102】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0103】
[1]
被写体を撮影する第1の撮影手段と、
この第1の撮影手段による被写体の撮影に伴い撮影動作する第2の撮影手段と、
この第2の撮影手段により撮影された撮影画像に含まれる人物の感情を判定する感情判定手段と、
前記第1の撮影手段により撮影された被写体の撮影画像に対して、前記感情判定手段により判定された人物の感情を反映させた画像処理を施す画像処理手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【0104】
[2]
前記第2の撮影手段により撮影された撮影画像に含まれる人物画像に基づいて前記第1の撮影手段により撮影された被写体の撮影画像に対する前記人物の視線の位置を検出する注目点検出手段と、
この注目点検出手段により検出された前記被写体の撮影画像に対する人物の視線の位置を強調する処理を当該撮影画像に施す画像強調手段と、
を備えたことを特徴とする[1]に記載の撮像装置。
【0105】
[3]
前記第2の撮影手段は、前記第1の撮影手段による被写体の撮影に伴い当該被写体の撮影時点よりも一定時間内の遅れた時点で撮影動作することを特徴とする[1]または[2]に記載の撮像装置。
【0106】
[4]
前記感情判定手段は、前記第2の撮影手段により撮影された撮影画像に含まれる人物の顔の部分を検出する顔検出手段を有し、この顔検出手段により検出された前記撮影画像における顔の部分から当該人物の感情を判定し、
前記画像処理手段は、前記感情判定手段により判定された人物の感情が嬉しいと判定された場合は前記第1の撮影手段により撮影された被写体の撮影画像を明るい色調に画像処理し、前記感情判定手段により判定された人物の感情が悲しいと判定された場合は前記第1の撮影手段により撮影された被写体の撮影画像を暗い色調に画像処理する、
ことを特徴とする[1]ないし[3]の何れかに記載の撮像装置。
【0107】
[5]
前記感情判定手段は、前記第2の撮影手段により撮影された撮影画像に含まれる人物の顔の部分を検出する顔検出手段を有し、この顔検出手段により検出された前記撮影画像における顔の部分から当該人物の感情を判定し、
前記画像処理手段は、前記感情判定手段により判定された人物の感情が嬉しいと判定された場合は前記第1の撮影手段により撮影された被写体の撮影画像を明るい種類の絵画調に画像変換し、前記感情判定手段により判定された人物の感情が悲しいと判定された場合は前記第1の撮影手段により撮影された被写体の撮影画像を暗い種類の絵画調に画像変換する、
ことを特徴とする[1]ないし[3]の何れかに記載の撮像装置。
【0108】
[6]
第1の撮像部および第2の撮像部を備えた電子機器のコンピュータを制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
ユーザ操作に応じて前記第1の撮像部に被写体を撮影させる第1の撮影手段、
この第1の撮影手段による被写体の撮影に伴い前記第2の撮像部を撮影動作させる第2の撮影手段、
この第2の撮影手段により撮影された撮影画像に含まれる人物の感情を判定する感情判定手段、
前記第1の撮影手段により撮影された被写体の撮影画像に対して、前記感情判定手段により判定された人物の感情を反映させた画像処理を施す画像処理手段、
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0109】
10 …デジタルカメラ
11 …電源ボタン
12 …レリーズボタン
13 …ズームキー
14 …セットボタン
15〜18…カーソルキー(上下左右)
19 …メインカメラ用レンズユニット
20 …フラッシュ部
21 …サブカメラ用レンズユニット
22 …液晶表示部(モニタ)
22T…透明タッチパネル部
MC …メインカメラ部
SC …サブカメラ部
CC …共通部
31 …メインCMOSイメージセンサ
32 …メインAGC・A/D変換部
33 …メインバッファメモリ
34 …メインAGC・A/D変換部
35 …マイクロホン
36 …音声処理部
37 …スピーカ
38 …CPU
39 …メインメモリ
40 …プログラムメモリ
40a…各種処理プログラム、
40b…顔検出プログラム
40c…感情判定プログラム
40d…感情−色調補正パラメータ対応テーブル
40e…視線検出プログラム
40f…絵画変換プログラム
41 …キー操作部
42 …レンズ駆動部
43 …フラッシュ駆動部
44 …メインイメージセンサ(IS)駆動部
45 …メモリカードコントローラ
46 …レンズ用DCモータ(M)
47 …メモリカード
48 …カードコネクタ
49 …サブCMOSイメージセンサ
50 …サブAGC・A/D変換部
51 …サブバッファメモリ
52 …サブ画像処理部
53 …サブイメージセンサ(IS)駆動部
Gm …被写体の撮影画像データ(ユーザ感情反映処理前)
Gms…被写体の撮影画像データ(ユーザ感情反映処理後)
P …注目点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影する第1の撮影手段と、
この第1の撮影手段による被写体の撮影に伴い撮影動作する第2の撮影手段と、
この第2の撮影手段により撮影された撮影画像に含まれる人物の感情を判定する感情判定手段と、
前記第1の撮影手段により撮影された被写体の撮影画像に対して、前記感情判定手段により判定された人物の感情を反映させた画像処理を施す画像処理手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記第2の撮影手段により撮影された撮影画像に含まれる人物画像に基づいて前記第1の撮影手段により撮影された被写体の撮影画像に対する前記人物の視線の位置を検出する注目点検出手段と、
この注目点検出手段により検出された前記被写体の撮影画像に対する人物の視線の位置を強調する処理を当該撮影画像に施す画像強調手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第2の撮影手段は、前記第1の撮影手段による被写体の撮影に伴い当該被写体の撮影時点よりも一定時間内の遅れた時点で撮影動作することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記感情判定手段は、前記第2の撮影手段により撮影された撮影画像に含まれる人物の顔の部分を検出する顔検出手段を有し、この顔検出手段により検出された前記撮影画像における顔の部分から当該人物の感情を判定し、
前記画像処理手段は、前記感情判定手段により判定された人物の感情が嬉しいと判定された場合は前記第1の撮影手段により撮影された被写体の撮影画像を明るい色調に画像処理し、前記感情判定手段により判定された人物の感情が悲しいと判定された場合は前記第1の撮影手段により撮影された被写体の撮影画像を暗い色調に画像処理する、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記感情判定手段は、前記第2の撮影手段により撮影された撮影画像に含まれる人物の顔の部分を検出する顔検出手段を有し、この顔検出手段により検出された前記撮影画像における顔の部分から当該人物の感情を判定し、
前記画像処理手段は、前記感情判定手段により判定された人物の感情が嬉しいと判定された場合は前記第1の撮影手段により撮影された被写体の撮影画像を明るい種類の絵画調に画像変換し、前記感情判定手段により判定された人物の感情が悲しいと判定された場合は前記第1の撮影手段により撮影された被写体の撮影画像を暗い種類の絵画調に画像変換する、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
第1の撮像部および第2の撮像部を備えた電子機器のコンピュータを制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
ユーザ操作に応じて前記第1の撮像部に被写体を撮影させる第1の撮影手段、
この第1の撮影手段による被写体の撮影に伴い前記第2の撮像部を撮影動作させる第2の撮影手段、
この第2の撮影手段により撮影された撮影画像に含まれる人物の感情を判定する感情判定手段、
前記第1の撮影手段により撮影された被写体の撮影画像に対して、前記感情判定手段により判定された人物の感情を反映させた画像処理を施す画像処理手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−257112(P2012−257112A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129393(P2011−129393)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】