説明

撮像装置及びその制御方法、並びにプログラム

【課題】本発明は、回路規模を大きくすることなく、分解能が高い駆動周波数を生成して圧電素子を効率よく駆動することができる撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像素子の受光面を覆う光学素子を圧電素子で振動させる撮像装置において、撮像素子から得られた画像データに対して各種処理を行う画像処理ユニットと、圧電素子を振動させるための駆動手段及び画像処理ユニットに対してクロックを供給するクロック生成部とを備え、画像処理ユニットが実行する処理の実行状態を判別し、処理の実行状態に応じて、クロック生成部のクロックの供給先を切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及びその制御方法、並びにプログラムに関し、特に、デジタルカメラ等の撮像装置における撮像素子の前方に配置された光学部材の表面に付着した塵埃等の異物をふるい落とすための振動型アクチュエータの駆動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の撮像装置では、CCDやCMOS等の撮像素子の被写体側に、光学フィルタや赤外吸収フィルタが配置されている。これらのフィルタの表面に塵埃が付着すると、撮像装置で撮影される画像の画質が低下する。特に、レンズ交換式のデジタルカメラにおいては、レンズ交換時に外部から塵埃が入り込みやすいため、塵埃の付着が比較的頻繁に発生し、撮影した画像に影響を及ぼすという問題がある。
【0003】
このような現象を回避するために、特許文献1には、撮像素子の被写体側に撮影光束を透過させる光学フィルタを設け、これを圧電素子で振動させることにより、光学フィルタの表面に付着した塵埃等の異物を除去する技術が提案されている。この際、塵埃等の異物を効率よく除去するためには、圧電素子により光学フィルタを共振周波数で振動させて、振動の振幅を大きくさせることがのぞましい。
【0004】
図10は、圧電素子に印加される交番電圧の周波数と圧電素子に生じる各振動の振幅を示す図である。
【0005】
図10において、f(m)は、m次の面外曲げ振動の共振周波数であり、f(m+1)は(m+1)次の面外曲げ振動の共振周波数である。圧電素子に印加される交番電圧の周波数fをf(m)<f<f(m+1)に設定すると、m次の面外曲げ振動と(m+1)次の面外曲げ振動それぞれの共振現象によって振幅が拡大された周波数fの振動が得られる。
【0006】
ところで、圧電素子を駆動させるための回路には、一般的にハーフブリッジ回路が使用されている。ハーフブリッジ回路は、入力電圧(電源電圧もしくは昇圧電圧)がそのまま圧電素子の駆動電圧となるシンプルな回路構成である。また、圧電素子を駆動させるための回路には、Hブリッジ(フルブリッジ)回路がある。これはハーフブリッジ回路に対して構成が複雑ではあるが、入力電圧に対して2倍の駆動電圧を圧電素子に印加することができる。
【0007】
同電圧を圧電素子に印加する場合、Hブリッジ回路はハーフブリッジ回路に対して1/2の入力電圧で済むことから、回路素子の耐圧規格を下げることができ、回路の小型化を図ることができる。
【0008】
圧電素子を駆動する方法には、特許文献2や特許文献3などに記載されているパルス信号をハーフブリッジ回路やHブリッジ(フルブリッジ)回路などのスイッチング回路に入力して圧電素子を駆動する。特許文献2に記載の圧電素子の駆動方法は、PLL制御ループにリングオシレーターを入れた遅延手段を設け、この遅延手段の出力を選択することで、高分解能で且つ温度変化に強いパルス信号形成回路を提供することができる。特許文献3に記載の圧電素子の駆動方法は、基準パルス信号の周波数を変化させずに、複数の異なる分周比で分周されたパルス信号が混在する分周パルス信号を生成している。これにより、分周パルス信号の周期の分解能を上昇させることが可能な駆動方法を提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−207170号公報
【特許文献2】特開平11−341842号公報
【特許文献3】特開2007−60757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、圧電素子に印加する交番電圧の周波数を図10に示す周波数fに設定した場合、特許文献3では複数の異なる分周比で分周されたパルス信号を組み合わせるので、周波数fがf(m)<f<f(m+1)内に収まらない可能性がある。そのため、圧電素子が効率よく振動せずに、光学素子に付着した塵埃等の異物をふるい落とせないおそれがある。
【0011】
また、特許文献2では、圧電素子の駆動回路に専用のPLLが必要となり、回路規模が増大するおそれがある。
【0012】
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、回路規模を大きくすることなく、分解能が高い駆動周波数を生成して圧電素子を効率よく駆動することができる撮像装置及びその制御方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、受光した被写体像を電気信号に変換して画像データを得る撮像素子と、前記撮像素子の受光面を覆うように配置された光学素子とを有する撮像装置において、前記光学素子を振動させるための振動手段と、前記振動手段を駆動する駆動手段と、前記撮像素子から得られた画像データに対して処理を行う画像処理手段と、前記駆動手段及び前記画像処理手段に対してクロックを供給するクロック生成手段と、前記画像処理手段が実行する処理の実行状態を判別する状態判別手段と、前記状態判別手段により判別された前記処理の実行状態に応じて、前記クロック生成手段のクロックの供給先を切り替える切り替え手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、回路規模を大きくすることなく、分解能が高い駆動周波数を生成して圧電素子を効率よく駆動することができる。その結果、光学素子に付着した塵埃等の異物を効率よく除去することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】(a)は本発明の実施形態に係る撮像装置の外観図、(b)は塵埃除去装置が装備された撮像部の概略構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態におけるデジタルカメラの機能構成を示すブロック図である。
【図3】図2における駆動信号生成部及びクロック生成部の概略構成を示すブロック図である。
【図4】駆動信号生成部の駆動信号出力ポートからスイッチング回路に出力される駆動信号の波形の一例を示す図である。
【図5】デジタルカメラにおける塵埃等の異物除去動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】図5のステップS802,S805で実行されるクリーニング処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】図6のステップS900における状態判別処理の詳細を示すフローチャートである。
【図8】図6のステップS901におけるクロック切り替え処理の詳細を示すフローチャートである。
【図9】クロック切り替え判定テーブルの一例を示す図である。
【図10】圧電素子に印加される交番電圧の周波数と圧電素子に生じる各振動の振幅を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1(a)は、本発明の実施形態に係る撮像装置の外観図、図1(b)は塵埃除去装置が装備された撮像部の概略構造を示す斜視図である。
【0018】
図1(a)において、デジタルカメラ10は、周知のデジタル一眼レフカメラ或いはデジタル一眼カメラ或いはコンパクトデジタルカメラである。
【0019】
図1(b)において、デジタルカメラ10の撮像部では、受光した被写体像を電気信号に変換して画像データを出力するCCDやCMOSセンサ等の撮像素子4が設けられている。なお、撮像素子4は、CMOSセンサやCCD等の受光素子で構成されるが、被写体像を光電変換するものであれば、これらに限定されるものではない。
【0020】
光学素子1は、矩形の板状を有する、カバーガラス、赤外線カットフィルタ、或いは、光学フィルタ等の透過率の高い光学部材で構成されており、撮像素子4の受光面を覆うように配置されている。光学素子1を透過した光は、撮像素子4に入射する。撮像素子4には、撮像素子4の受光面の空間が密封されるように、矩形の板状を有する振動体3が取り付けられている。
【0021】
振動体3は、光学素子1と、光学素子1の両端部に接着によって固着された電気機械エネルギ変換素子である一対の圧電素子2a,2bから構成される。圧電素子2a,2bの厚み方向(図中の上下方向)の寸法は、振動に対する曲げ変形の発生力が大きくなるように、光学素子1の厚み方向(図中の上下方向)の寸法と同じ値である。なお、圧電素子2a,2bを特に区別する必要がないときは、単に圧電素子2と称する。
【0022】
図2は、本発明の実施形態におけるデジタルカメラ10の機能構成を示すブロック図である。
【0023】
システム制御部222は、デジタルカメラ10の動作制御を司るマイクロコンピュータで構成され、デジタルカメラ10を構成する各機能ブロックに対して様々な指示を行ったり、各種の制御処理を実行したりする。システム制御部222は、バス250を介して接続されたレンズユニット200、不図示のシャッター駆動回路を備えたシャッター204、及び操作部223を制御する。また、システム制御部222は、バス250を介して接続された駆動信号生成部221、画像処理ユニット210、メモリ制御部216、クロック生成部218、及び不揮発性メモリ制御部219を制御する。
【0024】
レンズユニット200は、撮影レンズ201、絞り202、及びAF/絞り制御部203で構成される。システム制御部222は、レンズユニット200内のAF/絞り制御部203を制御して、撮影レンズ201、絞り202を駆動する。なお、図2では、便宜上1枚の撮影レンズ201のみが記載されているが、実際は多数のレンズ群によって構成される。
【0025】
AF/絞り制御部203におけるAF制御部は、例えば、ステッピングモータ等によって構成される。このAF制御部は、例えば、レンズユニット200内のフォーカスレンズ位置を変化させ、撮像素子4に撮影光束の焦点を合わせるように調整する。AF/絞り制御部203における絞り制御部は、例えば、オートアイリス等によって構成される。この絞り制御部は、絞り202を変化させ、光学的な絞り値を得る。
【0026】
撮像部である撮像ユニット205は、上述した光学素子1と、圧電素子2と、撮像素子4とがユニット化されたものである。A/D変換器209は、撮像素子4のアナログ出力信号をデジタル信号に変換する。
【0027】
画像処理ユニット210は、画像データ処理部211と、記録部212と、符号復号化部213と、表示部214と、不図示の画像バッファメモリ等から構成される。
【0028】
画像データ処理部211は、A/D変換器209により変換された画像データに対して所定の画素補間処理やフィルタ処理、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像データ処理部211は、処理した画像データを画像バッファメモリ(不図示)やメモリ217に書き込んだり、画像バッファメモリやメモリ217から画像データを読み出して各種処理を行うことが可能である。
【0029】
記録部212は、記録媒体215に接続され、記録媒体215への画像データの書き込み処理や記録媒体215からの画像データの読み出し処理を行う。記録媒体215は、不揮発性メモリで構成されるが、内蔵メモリであっても、脱着可能なカード型メモリであってもよい。
【0030】
符号復号化部213は、画像データ処理部211で処理された画像データ又は画像バッファメモリやメモリ217に格納された画像データをJPEG形式やTIFF形式、MOV形式等で符号化処理し、画像バッファメモリやメモリ217に書き戻す。また、符号復号化部213は、符号化された画像データを復号化処理して、画像バッファメモリやメモリ217に書き戻す。
【0031】
符号復号化部213により符号化処理された画像データは、システム制御部222による記録部212の制御によって記録媒体215に記憶される。なお、本実施形態では、符号復号化部213を符号化部と復号化部を合わせた一つのブロックとしたが、符号化部と復号化部とに分けて構成してもよい。
【0032】
表示部214は、例えばLCD等で構成され、画像データ処理部211で処理された画像データや画像バッファメモリやメモリ217に格納された画像データの表示処理を行う。また、表示部214は、撮影前のライブ画像表示、メニュー設定表示等の処理を行う。
【0033】
メモリ制御部216は、システム制御部222或いは画像処理ユニット210からの指示に応じて、メモリ217にデータを書き込んだり、メモリ217からデータを読み出したりする。なお、A/D変換器209からの出力データがメモリ217に直接書き込まれる場合もある。メモリ217は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像、音声等のデータを格納するのに十分な記憶容量を備える記憶装置である。
【0034】
クロック生成部218は、システム制御部222、画像処理ユニット210、メモリ制御部216、不揮発性メモリ制御部219、及び駆動信号生成部221へクロック(クロック信号)を供給する。本実施形態では、画像処理ユニット210内の画像データ処理部211、記録部212、符号復号化部213、及び表示部214に個別にクロックを供給するが、同一クロックの供給や互いに異なるクロックの供給もありえる。例えば、複数種類のクロックのうち、画像データ処理部211と表示部214に同じクロックを供給したり、記録部212と符号復号化部213に異なるクロックを供給したりすることができる。
【0035】
不揮発性メモリ制御部219は、システム制御部222からの指示に応じて、不揮発性メモリ220にデータを書き込んだり、不揮発性メモリ220からデータを読み出したりする。不揮発性メモリ220は、電気的にデータ消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ220には、システム制御部222の動作用の定数、プログラム等が記憶される。このプログラムには、後述する処理を実行するためのプログラムが含まれる。
【0036】
システム制御部222は、デジタルカメラ10全体を制御する。システム制御部222は、不揮発性メモリ220に記憶されたプログラムを実行することで、後述する各処理を実行する。
【0037】
操作部223は、ユーザーにより操作されるスイッチやボタン等を含み、電源のON/OFF、シャッターのON/OFF等の操作に使用される。
【0038】
次に、図2における駆動信号生成部221及びクロック生成部218の詳細について図3を参照して説明する。
【0039】
図3は、図2における駆動信号生成部221及びクロック生成部218の概略構成を示すブロック図である。図3に示す内容は、デジタルカメラ10における振動型アクチュエータ駆動装置を構成するものである。
【0040】
まず、クロック生成部218の詳細な構成について説明する。
【0041】
クロック生成部218は、システム用PLL300、画像データ処理用PLL301、符号復号化処理用PLL302、記録処理用PLL303、表示処理用PLL304、スイッチ305〜308、セレクタ309、及びクロック生成部レジスタ310を備える。なお、本実施形態では、画像データ処理用PLL301、符号復号化処理用PLL302、記録処理用PLL303、表示処理用PLL304を個別のPLLで構成しているが、画像処理ユニット210用として、少なくとも1つ以上のPLLで構成してもよい。
【0042】
システム用PLL300は、システム制御部222、バス250、駆動信号生成部221、画像データ処理部211、記録部212、及び符号復号化部213等に入力されるシステムクロックを供給する。
【0043】
画像データ処理用PLL301は、スイッチ305の切り替えに応じて、画像データ処理部211またはセレクタ309を介して駆動信号生成部221にクロックを供給する。符号復号化処理用PLL302は、スイッチ306の切り替えに応じて、符号復号化部213またはセレクタ309を介して駆動信号生成部221にクロックを供給する。なお、本実施形態では、符号復号化処理用PLL302を1つのブロックとしたが、符号化処理用PLLと復号化処理用PLLとに分けて構成してもよい。この場合、符号化処理用PLLから出力されるクロックの供給先は、スイッチにより符号化部またはセレクタ309に切り替えられ、復号化処理用PLLから出力されるクロックの供給先は、スイッチにより復号化部またはセレクタ309に切り替えられる。
【0044】
記録処理用PLL303は、スイッチ307の切り替えに応じて、記録部212またはセレクタ309を介して駆動信号生成部221にクロックを供給する。表示処理用PLL304は、スイッチ308の切り替えに応じて、表示部214またはセレクタ309を介して駆動信号生成部221にクロックを供給する。
【0045】
システム制御部222は、クロック生成部レジスタ310を制御して、駆動信号生成部221に入力するクロックの周波数を調整・設定することが可能である。
【0046】
セレクタ309は、クロック生成部レジスタ310の指示に従い、入力される複数のクロックの中から1つのクロックを選択して駆動信号生成部221へ出力する。但し、画像データ処理中であり、且つ符号復号化処理中であり、且つ記録処理中であり、且つ表示処理中の場合、セレクタ309は駆動信号生成部221へのクロック供給を行わない。
【0047】
クロック生成部レジスタ310は、システム制御部222からの指示に応じて、スイッチ305〜308やセレクタ309から出力されるクロックの周波数などの調整・設定を行う。また、クロック生成部レジスタ310は、システム制御部222からの指示に応じて、画像データ処理用PLL301、符号復号化処理用PLL302、記録処理用PLL303や表示処理用PLL304から出力されるクロックの周波数などの調整・設定を行う。クロック生成部レジスタ310によるスイッチ305〜308及びセレクタ309の制御方法については図7及び図8のフローチャートを用いて後述する。
【0048】
駆動信号生成部221には、クロック生成部218のシステム用PLL300が出力するクロックとセレクタ309が出力するクロックが入力される。そして、駆動信号生成部221は、システム制御部222による駆動信号生成部レジスタ313の制御に応じて、駆動信号出力ポート316,317,318,319から2つのスイッチング回路315に圧電素子2の駆動信号を出力する。駆動信号生成部221の駆動信号出力ポート316〜319からスイッチング回路315に出力される駆動信号の波形の一例を図4に示す。
【0049】
図4において、駆動信号の波形400は、駆動信号出力ポート316から出力される。駆動信号の波形401は、駆動信号出力ポート317から出力される。駆動信号の波形402は、駆動信号出力ポート318から出力される。駆動信号の波形403は、駆動信号出力ポート319から出力される。波形400を基準とした場合、波形401は反転した波形となる。また、波形402は、波形400に対して位相が90度ずれた波形であり、波形403は位相が90度ずれて反転した波形である。
【0050】
次に、駆動信号生成部221の詳細な構成について説明する。
【0051】
駆動信号生成部221は、非同期乗せ換え部311、カウンタ312、駆動信号生成部レジスタ313、及びデコーダ314を備える。
【0052】
非同期乗せ換え部311は、システム用PLL300とセレクタ309から出力されたクロックを入力し、セレクタ309のクロックをシステム用PLL300のクロックで非同期乗せ換えを行う。システム用PLL300からのクロックに同期して動作するブロックは、駆動信号生成部レジスタ313、カウンタ312、及びデコーダ314である。
【0053】
セレクタ309から出力されたクロックは、非同期乗せ換え部311によりシステムクロックに乗せ換えられてカウンタ312に入力される。カウンタ312は、入力されたクロックをカウンタアップする。カウンタ312のカウントアップ動作の開始、一時停止、カウント値のクリアは、システム制御部222による駆動信号生成部レジスタ313の制御により行われる。カウントアップの方法は、クロックの立上がりエッジ或いは立下りエッジ或いは両方のエッジでカウントアップされる。
【0054】
駆動信号生成部レジスタ313は、駆動信号出力ポート316〜319から出力される駆動信号の位相やDutyを個別に調整し、また設定することができる。また、駆動信号生成部レジスタ313は、デコーダ314の出力のON/OFFやカウンタ312のスタート、停止、クリア、カウンタアップ条件の設定などを実行する。
【0055】
デコーダ314は、カウンタ312のカウント結果を入力し、駆動信号生成部レジスタ313により位相調整やDutyの調整、出力のON/OFF設定が行われて、図4に示すような波形の駆動信号を生成する。図4に示す波形の駆動信号がスイッチング回路315に入力されると、スイッチング回路315からの交番電圧により圧電素子2が駆動される。その結果、圧電素子2が光学素子1を共振周波数で振動させ、光学素子1の振動の振幅を大きくして、光学素子1に付着した塵埃等の異物を除去することができる。
【0056】
図4に示す駆動信号の波形は一例であり、位相、Duty、周波数は、システム制御部222が駆動信号生成部レジスタ313を制御することで調整・設定される。
【0057】
本実施形態では、スイッチング回路315に入力される駆動信号の周波数は図10に示す周波数fとすると、周波数範囲はf(m)<f<f(m+1)に設定される。f(m)は、m次の面外曲げ振動の共振周波数(第1の周波数)であり、f(m+1)は、(m+1)次の面外曲げ振動の共振周波数(第2の周波数)である。
【0058】
圧電素子2側に入力される駆動信号の周波数fがf(m)<f<f(m+1)に設定されると、m次の面外曲げ振動と(m+1)次の面外曲げ振動それぞれの共振現象によって振幅が拡大された、周波数fの振動が得られる。各振動の時間周期は同じである。
【0059】
圧電素子2側に入力される駆動信号の周波数fをf(m)より低くするほど、(m+1)次の面外曲げ振動の振幅が小さくなる。一方、周波数fをf(m+1)より高くするほど、m次の面外曲げ振動の振幅が小さくなる。そのため、光学素子1に付着した塵埃等の異物を除去する効率を高めるために、クロック生成部218は、f(m)<f<f(m+1)の範囲内で、分解能の高いクロックを生成し、また周波数の切り替えが可能となっている。
【0060】
次に、図5のフローチャートを参照して、デジタルカメラ10における光学素子1の表面に付着した塵埃等の異物を除去する動作について説明する。
【0061】
図5は、デジタルカメラ10における塵埃等の異物除去動作の流れを示すフローチャートである。
【0062】
デジタルカメラ10の不図示の電源スイッチがONされると、図5の処理が開始される。まず、ステップS800では、システム制御部222は、カメラシステムのON動作として、カメラシステムを初期化設定し、撮影動作を可能にするための処理を行う。
【0063】
次に、ステップS801では、システム制御部222は、操作部223に対するクリーニング開始操作があったか否かを判定する。クリーニング開始操作なしと判定した場合、ステップS803へ移行する一方、クリーニング開始操作ありと判定した場合は、デジタルカメラ10内の撮像ユニット205のクリーニング処理(ステップS802)を実行した後、ステップS803へ移行する。ステップS802のクリーニング処理の詳細については後述する。
【0064】
ステップS803では、システム制御部222はカメラ動作を実行する。カメラ動作は、一般的に知られるカメラの撮影/設定等に関するものである。なお、カメラ動作は、クリーニング処理と並列処理できるものとする。並列処理とは、例えば、OS(オペレーティングシステム)上でカメラ動作とクリーニング動作の処理が別タスクで実行されることである。
【0065】
次に、ステップS804では、システム制御部222は、操作部223に対する電源OFF操作があったか否かを判定する。電源OFF操作なしと判定した場合は、再度ステップS801の判定を行う。一方、電源OFF操作ありと判定した場合、ステップS802と同じクリーニング処理(ステップS805)を実行した後、ステップS806へ移行する。
【0066】
ステップS806では、システム制御部222は、カメラシステムのOFF動作として、カメラシステムをOFFする制御を実行して電源をOFFする。
【0067】
図6は、図5のステップS802,S805で実行されるクリーニング処理の詳細を示すフローチャートである。
【0068】
ステップS900では、システム制御部222は、画像処理ユニット210で実行される所定の処理の実行状態を判別する状態判別処理を実行する。ステップS900の状態判別処理の詳細については後述する。
【0069】
次に、ステップS901では、システム制御部222は、クロック切り替え処理を実行する。クロック切り替え処理の詳細については後述する。
【0070】
次に、ステップS902では、システム制御部222は、画像処理ユニット210内の画像データ処理部211、記録部212、符号復号化部213、及び表示部214が全て処理中かを状態判別処理で設定される状態変数より判定する。この判定の結果、画像処理ユニット210が全て処理中と判定すると、ステップS904へ移行する。一方、画像処理ユニット210が全て処理中でないと判定すると、ステップS903へ移行する。
【0071】
ステップS904では、システム制御部222は、所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が未経過と判定すると、再度ステップS900へ戻る。一方、所定時間が経過したと判定すると、ステップS908へ移行する。
【0072】
ステップS908では、システム制御部222は、表示部214を制御して、画像処理ユニット210が処理中のためにクリーニング処理が実行できなかったことを表示して、ステップS909へ移行する。
【0073】
ステップS903では、システム制御部222は、駆動信号生成部221を制御して、圧電素子2の駆動を行う。
【0074】
次に、ステップS905では、システム制御部222は、所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が未経過と判定すると、ステップS906へ移行する。一方、所定時間が経過したと判定すると、ステップS909へ移行する。
【0075】
ステップS906では、システム制御部222は、画像処理ユニット210を使用するか否かを判定し、使用しないと判定したときは、再度ステップS905の判定を行う。一方、使用すると判定したときは、ステップS907へ移行する。
【0076】
画像処理ユニット210が処理を開始したため、ステップS907では、システム制御部222は、表示部214を制御してクリーニング処理が中断したことをLCD等に表示して、ステップS909へ移行する。
【0077】
ステップS909では、システム制御部222は、駆動信号生成部221を制御して、圧電素子2の駆動停止を行う。
【0078】
次に、ステップS910では、システム制御部222は、クロック生成部レジスタ310のセレクタ309を制御するレジスタの値を読み込む。
【0079】
次に、ステップS911では、システム制御部222は、ステップS910の結果からステップS901のクロック切り替え処理で切り替える前に使用していたPLLの判定を行う。具体的には、ステップS911では、システム制御部222は、画像データ処理用PLL301或いは符号復号化処理用PLL302或いは記録処理用PLL303或いは表示処理用PLL304のどのPLLを使用していたかを判定する。
【0080】
次に、ステップS912では、ステップS911の判定結果に応じて、システム制御部222は、クロック生成部レジスタ310を制御して、使用していたPLLのクロック停止、周波数設定、クロック供給の開始を行う。
【0081】
ステップS913では、システム制御部222は、クロック生成部レジスタ310を制御し、ステップS911の判定結果に応じて、スイッチ305〜309のいずれかを画像処理ユニット側に切り替えて、リターンする。
【0082】
図7は、図6のステップS900における状態判別処理の詳細を示すフローチャートである。
【0083】
ステップS500では、システム制御部222は、画像データ処理中か否かを判定する。この判定の結果、画像データ処理中と判定したときは、ステップS501へ進み、システム制御部222は、状態変数bit0に1を設定する。一方、画像データ処理中でないと判定したときは、ステップS502へ進み、システム制御部222は、状態変数bit0に0を設定する。
【0084】
次に、ステップS503では、システム制御部222は、符号復号化処理中か否かを判定する。符号復号化処理中と判定したときは、ステップS504へ進み、システム制御部222は、状態変数bit1に1を設定する。一方、符号復号化処理中でないと判定したときは、ステップS505へ進み、システム制御部222は、状態変数bit1に0を設定する。
【0085】
次に、ステップS506では、システム制御部222は、記録処理中か否かを判定する。記録処理中と判定したときは、ステップS507へ進み、システム制御部222は、状態変数bit2に1を設定する。一方、記録処理中でないと判定したときは、ステップS508へ進み、システム制御部222は、状態変数bit2に0を設定する。
【0086】
次に、ステップS509では、システム制御部222は、表示処理中か否かを判定する。表示処理中と判定したときは、ステップS510へ進み、システム制御部222は、状態変数bit3に1を設定して、リターンする。一方、表示処理中でないと判定したときは、ステップS511へ進み、システム制御部222は、状態変数bit3に0を設定して、リターンする。
【0087】
上述したステップS500,S503,S506,S509における状態判別方法については、例えば、デジタルカメラ10の動作モード等により行ってもよいし、他の方法であってもよい。
【0088】
図8は、図6のステップS901におけるクロック切り替え処理の詳細を示すフローチャートである。
【0089】
ステップS600では、システム制御部222は、上述した状態判別処理で設定された状態変数の値を読み出す。
【0090】
次に、ステップS601では、システム制御部222は、クロック生成部レジスタ310を制御して、ステップS600で読み出した状態変数の値に応じてスイッチ305〜308の切り替えを行う。具体的には、状態変数bit0=0の場合は画像データ処理中でないことから、クロック生成部レジスタ310はスイッチ305をセレクタ309側に切り替える。一方、状態変数bit0=1の場合は画像データ処理中であることから、クロック生成部レジスタ310はスイッチ305を画像データ処理側のままにする。
【0091】
状態変数bit1=0の場合は符号復号化処理中でないことから、クロック生成部レジスタ310はスイッチ306をセレクタ309側に切り替える。一方、状態変数bit1=1の場合は符号復号化処理中であることから、クロック生成部レジスタ310はスイッチ306を符号復号化部213側のままにする。
【0092】
状態変数bit2=0の場合は記録処理中でないことから、クロック生成部レジスタ310はスイッチ307をセレクタ309側に切り替える。一方、状態変数bit2=1の場合は記録処理中であることから、クロック生成部レジスタ310はスイッチ307を記録部212側のままにする。
【0093】
状態変数bit3=0の場合は表示処理中でないことから、クロック生成部レジスタ310はスイッチ308をセレクタ309側に切り替える。一方、状態変数bit3=1の場合は表示処理中であることから、クロック生成部レジスタ310はスイッチ308を表示部214側のままにする。
【0094】
次に、ステップS602では、システム制御部222は、上述した状態変数の値と図9に示すクロック切り替え判定テーブルからセレクタ309の選択値を読み出す。クロック切り替え判定テーブルは、状態変数の値に基づいて画像データ処理用PLL301〜表示処理用PLL304の中で未使用PLLが複数あると判定された場合に、駆動信号生成部221にクロックを供給するPLLを選択するためのテーブル情報である。
【0095】
図9に示すクロック切り替え判定テーブルでは、例えば、状態変数bit0=1、状態変数bit1,2,3=0の場合、画像処理ユニット側で画像データ処理のみが行われていることを意味する。画像データ処理中の場合、駆動信号生成部221にクロックを供給するPLLとして、画像データ処理用PLL301を使用することはできない。また、画像データ処理が終了した後は、符号復号化部213での処理の実行が予想できるので、クロック切り替え判定テーブルにおけるセレクタ309の選択値が「2」となっている。これにより、画像データ処理中の場合には、駆動信号生成部221にクロックを供給するPLLとして記録処理用PLL303が選択される。このように、未使用のPLLが複数ある場合、クロック切り替え判定テーブルにより、現在のPLLの使用状態と次に使用されるPLLを考慮して適切なPLLを選択することができる。なお、ライブビュー表示やメニュー表示などで表示部214での処理の実行頻度が他の処理よりも多いことから、クロック切り替えテーブルにより表示処理用PLL304が選択されることは少なくなっている。
【0096】
状態変数bit0〜bit3の値が1の場合、画像処理ユニット210が全てのPLLを使用しているため、PLLから駆動信号生成部221にクロックが供給されないように、クロック切り替えテーブルのセレクタ309の選択値は「4」に設定されている。
【0097】
なお、図9に示すクロック切り替え判定テーブルは、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0098】
図8に戻り、ステップS603では、システム制御部222は、図9に示すクロック切り替え判定テーブルを参照し、ステップS602で読み出したセレクタ309の選択値に該当するPLLを判定する。
【0099】
ステップS604では、システム制御部222は、クロック生成部レジスタ310を制御し、ステップS603の判定結果に応じて、駆動信号生成部221にクロックを供給するPLLのクロック停止、周波数設定、クロックの供給開始を含む一連の設定を行う。
【0100】
ステップS605では、システム制御部222は、ステップS602で読み出したセレクタの選択値に応じて、クロック生成部レジスタ310を制御して、セレクタ309の切り替えを行い、リターンする。
【0101】
なお、上述した図5〜図8に示すフローチャートは、システム制御部222が、不揮発性メモリ220に格納されたプログラムをメモリ217に展開或いは不揮発性メモリ220に格納されたプログラムを直接実行することにより実現される。
【0102】
以上説明したように、本実施形態によれば、画像処理ユニット210の処理状態に応じて、クロック生成部218内の画像データ処理用PLL301〜表示処理用PLL304の各PLLのクロックの供給先を切り替える。これにより、回路規模を大きくすることなく、分解能が高い駆動周波数を生成して圧電素子を効率よく駆動することができる。その結果、光学素子に付着した塵埃等の異物を効率よく除去することが可能となる。
【0103】
また、本実施形態によれば、駆動周波数fをf(m)<f<f(m+1)の範囲内で分解能の高い駆動信号を生成でき、当該駆動信号により圧電素子2を駆動するので、光学素子1の表面に付着した塵埃等の異物を効率よくふるい落とすことができる。
【0104】
また、駆動信号生成部221に、クロック生成部218のセレクタ309から供給されるクロックを受ける初段に非同期乗せ換え部311を設けることで、非同期乗せ換え箇所を最小限にして、回路規模を削減でき、設計の容易性を向上させることができる。
【0105】
また、クロック生成部218内の未使用のPLLが複数存在した場合には、状態判別処理により現在使用中のPLLを判定する。そして、クロック切り替え処理の際に、クロック切り替え判定テーブルにより次に使用するPLLを予想した上で、どのPLLを優先的に使用するかを選択する。これにより、クリーニング処理の中断を減少させることが出来る。
【0106】
また、図5の処理で説明したように、撮影者が任意のタイミングでクリーニング処理(ステップS802)を行うときだけではなく、カメラの電源をOFFするとクリーニング処理(ステップS805)を行うように構成されている。このように、光学素子1の表面に付着した異物等を除去するクリーニング処理を行ってから、カメラシステムのOFF動作を行うようにする理由は以下の通りである。すなわち、光学素子1の表面に付着した異物には様々なものが存在するが、一般的に異物が付着した状態で長期間放置すると、クリーニング処理で振動をかけても除去しにくいことが分かっている。これは、環境(温度や湿度)の変化で結露することにより液架橋力等の付着力が増大したり、環境の変化で塵埃が膨潤、乾燥を繰り返すことにより粘着したりすることによるものと考えられる。また、ゴム等の弾性材では、自身に含まれる油脂等が時間と共にブリードして粘着する。そのため、電源OFF操作のタイミングでクリーニング処理を実行することが、異物を除去しにくい状態になっている可能性の高い長期間未使用状態後の電源ON操作のタイミングで行うよりも、より効率的、効果的である。
【0107】
さらに、図8の処理では、電源OFF操作後にクリーニング処理を実行するように構成したが、電源ON状態で所定時間経過後に電源を自動的にOFFする機能が有効な場合にも、カメラシステムのOFF動作前にクリーニング処理を実行するようにしてもよい。この場合も、事前にクリーニング処理を行うようにすれば同様の効果が得られることは言うまでも無い。
【0108】
また、図6の処理で説明したように、クリーニング処理よりもカメラ本来の動作である撮影処理などを優先することが可能であり、撮影チャンスを逃すことがなくなる。さらに、図6の処理で説明したように、ステップS907,S908でクリーニング処理が中断或いは実行できなかったことを表示部214に表示することで、撮影者の使い勝手を向上させることができる。
【0109】
以上、本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは言うまでもない。例えば、本実施の形態では、デジタルカメラに本発明を適用した例を説明したが、液晶プロジェクタ等の光学装置にも本発明を適用することが可能である。液晶プロジェクタのような光学装置においても、投影光学系の光学部材の表面に塵埃等の異物が付着した場合、異物の影が投影されてしまうため、本実施の形態と同様の構成を取り得る。
【0110】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記録媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0111】
1 光学素子
2a,2b 圧電素子
3 振動体
4 撮像素子
10 デジタルカメラ
210 画像処理ユニット
218 クロック生成部
221 駆動信号生成部
222 システム制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受光した被写体像を電気信号に変換して画像データを得る撮像素子と、前記撮像素子の受光面を覆うように配置された光学素子とを有する撮像装置において、
前記光学素子を振動させるための振動手段と、
前記振動手段を駆動する駆動手段と、
前記撮像素子から得られた画像データに対して処理を行う画像処理手段と、
前記駆動手段及び前記画像処理手段に対してクロックを供給するクロック生成手段と、
前記画像処理手段が実行する処理の実行状態を判別する状態判別手段と、
前記状態判別手段により判別された前記処理の実行状態に応じて、前記クロック生成手段のクロックの供給先を切り替える切り替え手段とを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記クロック生成手段は、前記駆動手段に供給するクロックの停止、周波数設定、クロックの供給開始を行うことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記駆動手段は、前記クロック生成手段から供給されるクロックに基づき前記振動手段を駆動するための駆動信号の周波数fを、m次の第1の周波数から(m+1)次の第2の周波数の範囲内に設定することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記駆動手段は、前記クロック生成手段から供給されるクロックを受ける初段にクロックの非同期乗せ換えを行う非同期乗せ換え手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記画像処理手段は、少なくとも
前記撮像素子から得られた画像データに対して画像処理を行う画像データ処理手段と、
前記画像データ処理手段により画像処理された画像データの符号化処理を行う符号化処理手段と、
前記符号化手段で符号化処理された画像データの復号化処理を行う復号化処理手段と、
前記符号化手段で符号化処理された画像データを記録媒体に記録する処理を行う記録処理手段と、
前記画像データ処理手段により画像処理された画像データ或いは前記符号化手段により符号化処理された画像データ或いは前記復号化手段により復号化処理された画像データ或いは前記記録手段により前記記録媒体に記録された画像データを表示する処理を行う表示処理手段とを有し、
前記クロック生成手段は、
前記画像データ処理手段及び前記符号化処理手段及び前記復号化処理手段及び前記記録処理手段及び前記表示処理手段に同じクロックを供給或いは、前記画像データ処理手段及び前記符号化処理手段及び前記復号化処理手段及び前記記録処理手段及び前記表示処理手段のいずれか複数の処理手段に同じクロックを供給或いは、前記画像データ処理手段及び前記符号化処理手段及び前記復号化処理手段及び前記記録処理手段及び前記表示処理手段へ個別にクロックを供給することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記状態判別手段は、前記画像データ処理手段、前記符号化処理手段、前記復号化処理手段、前記記録処理手段、及び前記表示処理手段の実行状態を判別し、
前記切り替え手段は、前記状態判別手段による前記複数の処理手段の実行状態に応じて、前記クロック生成手段から前記駆動手段にクロックを供給するように切り替えることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記状態判別手段により前記複数の処理手段の全てが実行状態であると判定された場合、前記切り替え手段は、前記実行状態にある複数の処理手段の少なくとも1つが処理を終了したときに、前記クロックの供給先の切り替えを行うことを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
【請求項8】
前記表示処理手段は、前記複数の処理手段の全てが実行状態にある時間が所定時間経過した場合、前記光学素子を前記振動手段で振動させなかった旨を表示することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記表示処理手段は、前記駆動手段へのクロックの供給が中断された場合は、前記振動手段による前記光学素子の振動が中断された旨を表示することを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
【請求項10】
受光した被写体像を電気信号に変換して画像データを得る撮像素子と、前記撮像素子の受光面を覆うように配置された光学素子と、前記光学素子を振動させるための振動手段と、前記振動手段を駆動する駆動手段と、前記撮像素子から得られた画像データに対して処理を行う画像処理手段と、前記駆動手段及び前記画像処理手段に対してクロックを供給するクロック生成手段とを有する撮像装置の制御方法であって、
前記画像処理手段が実行する処理の実行状態を判別する状態判別工程と、
前記状態判別工程にて判別された前記処理の実行状態に応じて、前記クロック生成手段のクロックの供給先を切り替える切り替え工程とを有することを特徴とする制御方法。
【請求項11】
請求項10に記載の制御方法を撮像装置または光学装置に実行させるためのコンピュータに読み取り可能なプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−209870(P2012−209870A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75646(P2011−75646)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】