撮像装置及びプログラム
【課題】焦点距離に応じて3軸のジャイロセンサの出力結果又は動きベクトルの算出結果の何れかを切り換えて使用し、変更された撮像姿勢を元の撮像姿勢に戻すためのガイド画像を表示する撮像装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】撮像姿勢情報算出部102は、焦点距離が所定の値未満の場合は3軸方向の回転の角速度を検出するセンサ部401、402及び403が検出した角速度に基づいて、焦点距離が所定の値以上の場合は動きベクトル算出部101が算出した動きベクトルに基づいて、撮像装置1の撮像姿勢の変位量を撮像姿勢情報として算出する。ガイド情報算出部103は、ユーザが撮像装置1の撮像姿勢を戻すためのガイド情報を算出し、このガイド情報に基づいて生成されたガイド画像が表示部305に表示される。
【解決手段】撮像姿勢情報算出部102は、焦点距離が所定の値未満の場合は3軸方向の回転の角速度を検出するセンサ部401、402及び403が検出した角速度に基づいて、焦点距離が所定の値以上の場合は動きベクトル算出部101が算出した動きベクトルに基づいて、撮像装置1の撮像姿勢の変位量を撮像姿勢情報として算出する。ガイド情報算出部103は、ユーザが撮像装置1の撮像姿勢を戻すためのガイド情報を算出し、このガイド情報に基づいて生成されたガイド画像が表示部305に表示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置及びプログラムに関し、より詳細には、ユーザが撮像装置の撮像姿勢を変更して変更前と異なる被写体を撮像した場合に、撮像の焦点距離に応じて3軸のセンサ部の出力結果又は動きベクトルの算出結果の何れかを切り換えて使用して、変更前の元の撮像姿勢に戻すためのガイド画像を生成する撮像装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルビデオカメラ等の撮像装置による撮像において、ユーザがその撮像装置の向きを変更して変更前とは異なる被写体を撮像した後、その撮像装置の備えるモニタに表示される画像だけを頼りに、その撮像装置の向きを元に戻して、向きを変更する前に撮像していた被写体の撮像を再開することは一般的に難しいことが多い。
【0003】
各種レンズを介して取得され、モニタに表示される撮像画像の視野は、ユーザの肉眼の視野よりもはるかに狭い画角の範囲内に限られるためである。この限られた視野の中で、ユーザが撮像装置の向きを戻すには、元の被写体の周辺に存在する被写体や風景、又は撮像装置の向きを変更する過程で撮像された被写体とそれらの位置関係をユーザ自身が記憶しておき、モニタに順次表示されていく各種被写体画像を注意深く観察しながら、元の被写体画像が表示されるまでパンやチルトを行わなければならない。
【0004】
具体的な例として、運動会でユーザが我が子を撮像している場合であって、撮像の最中に一旦別の被写体、例えばユーザの知り合いの子供の方に撮像装置を向けてその知り合いの子供を撮像した後、再び撮像装置を我が子の方に向けて、我が子の撮像を再開する場合を説明する。この場合、ユーザが撮像装置の向きを戻すには、我が子の周辺で撮像されていた別の子供や旗等の風景とそれらの我が子との位置関係を記憶しておき、モニタ上に順次表示されていくそれらの画像等を注意深く確認しながら撮像装置パン又はチルトしていくことになる。
【0005】
ここで、我が子と周囲の子供が同じ体操服を着ている等、元の被写体とその被写体の周辺で撮像されていた被写体の区別がしづらい場合は、撮像装置の向きを戻す作業はさらに難しいものとなる。また、我が子を遠くから撮像しており、高いズーム倍率で撮像していた場合は、取得される画像の視野はさらに限られたものとなり、ますます撮像装置の向きを戻す作業はさらに難しいものとなる。
【0006】
従って、撮像装置の向きを戻すためのパンやチルトの動きがぎこちなくなり、撮像装置を向ける方向が我が子の方を行き過ぎてしまったり、モニタの確認に手間取りパンやチルトが間に合わず我が子の重要なシーンを撮り逃してしまったりすることもある。
【0007】
上記のような問題を解決するために、例えば特許文献1には、振動ジャイロ素子から出力される水平方向及び垂直方向の角速度信号が積分回路にて積分され、その間の移動角情報が角変位量管理回路で符号反転されて初期のカメラアングルに戻すための移動指示ベクトル情報として管理され、その移動指示ベクトル情報がLCDの画面上にガイド情報として表示されることで、ユーザが元のカメラアングルに容易に戻すことができる撮影装置に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−5417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記特許文献1に記載の撮影装置では、水平方向及び垂直方向の2軸の角速度信号に基づきガイド情報を生成していることから、直交する2軸の動きに対してしか正確なガイド情報を生成できず、3軸回りで動きが生じる場合には正確なガイド情報が生成できないという問題の発生が推察される。
【0010】
すなわち、例えばユーザがその撮影装置を三脚の雲台に固定して撮像を行う等の場合には正確なガイド情報を生成することができるが、ユーザがその撮影装置を手持ちして撮像を行う場合などには正確なガイド情報を生成できず、却ってユーザを混乱させてしまう可能性がある。また、ズーム倍率を大きくして長い焦点距離で撮像を行った場合には、振動ジャイロ素子の分解能が不足することで、正確なガイド情報を生成することができない可能性がある。
【0011】
さらには、一般に、角速度に基づく移動角情報における累積誤差が少なく、かつ分解能の高い振動ジャイロ素子は高額であり、かつサイズも大きいことから、上記特許文献1に記載の技術に基づき正確なガイド情報を生成するには、撮影装置が高額かつ大型化するという問題が生じることも併せて推察される。
【0012】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、ユーザが撮像装置を変更前の元の撮像姿勢に戻すために表示するガイド画像を生成する際に、撮像の焦点距離に応じて3軸のジャイロセンサの出力結果又は動きベクトルの算出結果の何れかを切り換えて使用することで、手持ち撮像を行う場合等の3軸方向の動きが生じる場合であっても、ユーザが容易かつ正確に撮像姿勢を戻すことができる撮像装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、ユーザが撮像装置を変更前の元の撮像姿勢に戻すために表示するガイド画像を生成する際に、撮像の焦点距離に応じて3軸のジャイロセンサの出力結果又は動きベクトルの算出結果の何れかを切り換えて使用することで、分解能の低い低コストで小型なジャイロセンサでも、ユーザが容易かつ正確に撮像姿勢を戻すことができる撮像装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上述した課題を解決するため、被写体を撮像し撮像画像を取得する撮像部(110)及び焦点距離を調整して前記撮像部(110)による撮像の倍率を調整する撮像倍率調整部(119)を備えた撮像装置(1)であって、前記撮像装置(1)の水平方向、垂直方向、及び傾き方向の回転の角速度を検出するセンサ部(401、402、403)と、前記撮像部(110)が取得した撮像画像の動きベクトルを算出する動きベクトル算出部(101)と、前記センサ部(401、402、403)が検出した前記角速度及び前記動きベクトル算出部(101)が算出した動きベクトルのそれぞれから、前記撮像装置(1)の第一の撮像姿勢と第二の撮像姿勢との間の変位量を撮像姿勢情報として算出する撮像姿勢情報算出部(102)と、前記撮像姿勢情報算出部(102)が算出した前記撮像姿勢情報から、ユーザが前記撮像装置(1)を前記第二の撮像姿勢から前記第一の撮像姿勢に戻すためのガイド情報を算出するガイド情報算出部(103)と、前記ガイド情報算出部(103)が算出したガイド情報から生成されたガイド画像を表示する表示部(305)とを備え、前記撮像姿勢情報算出部(102)は、前記第一の撮像姿勢から前記第二の撮像姿勢に変位する際に前記撮像倍率調整部(119)によって調整された前記焦点距離が、所定の値未満のときは前記センサ部(401、402、403)が検出した前記角速度から前記撮像姿勢情報を算出し、前記所定の値以上のときは前記動きベクトル算出部(101)が算出した動きベクトルから前記撮像姿勢情報を算出することを特徴とする撮像装置(1)を提供する。
【0015】
上記撮像装置(1)において、前記ガイド情報算出部(103)が算出する前記ガイド情報は、前記第一の撮像姿勢と前記第二の撮像姿勢との間の方位角及び角距離を含むようにしてもよい。
【0016】
また本発明は、上記課題を解決するため、撮像装置(1)の備えるセンサ部(401、402、403)にその撮像装置の水平方向、垂直方向、及び傾き方向の回転の角速度を検出させ、前記撮像装置(1)が撮像した撮像画像の動きベクトルを算出させ、前記センサ部(401、402、403)に検出させた前記角速度及び前記動きベクトルのそれぞれから、前記撮像装置(1)の第一の撮像姿勢と第二の撮像姿勢との間の変位量を撮像姿勢情報として算出させ、前記撮像姿勢情報からユーザが前記撮像装置(1)を前記第二の撮像姿勢から前記第一の撮像姿勢に戻すためのガイド情報を算出させ、前記ガイド情報に基づいてガイド画像を生成し前記撮像装置(1)の備える表示部(305)に表示させる処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記第一の撮像姿勢から前記第二の撮像姿勢に変位する際の前記撮像装置(1)の撮像の焦点距離が所定の値未満のときは前記センサ部に検出させた前記角速度から前記撮像姿勢情報を算出させ、前記所定の値以上のときは前記動きベクトルから前記撮像姿勢情報を算出させることを特徴とするプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る撮像装置及びプログラムによれば、ユーザが撮像装置を変更前の元の撮像姿勢に戻すために表示するガイド画像を生成する際に、撮像の焦点距離に応じて3軸のセンサ部の出力結果又は動きベクトルの算出結果の何れかを切り換えて使用することで、手持ち撮像を行う場合等の3軸方向の動きが生じる場合であっても、ユーザが容易かつ正確に撮像姿勢を戻すことができる。
【0018】
また、本発明に係る撮像装置及びプログラムによれば、ユーザが撮像装置を変更前の元の撮像姿勢に戻すために表示するガイド画像を生成する際に、撮像の焦点距離に応じて3軸のセンサ部の出力結果又は動きベクトルの算出結果の何れかを切り換えて使用することで、分解能の低い低コストで小型なセンサ部を用いても、ユーザが容易かつ正確に撮像姿勢を戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る撮像装置(デジタルビデオカメラ)1の内部構成の例を示すブロック図である。
【図2】ジャイロセンサが検出する3軸方向の角速度について説明するための撮像装置1の模式図である。
【図3】メインメモリ201に一時記憶された撮像データを複数の領域に分割し、各領域から基準画素ブロックを特定する処理を説明するための概念図である。
【図4】フレーム間ん基準画素ブロックと対応画素ブロックとの間の動きベクトルの算出について説明するための概念図である。
【図5】撮像データ自体の動きベクトルの角速度への換算について説明するための概念図である。
【図6】撮像装置1が、ユーザが撮像姿勢を元に戻すためのガイド情報を生成し表示する処理のフローチャートである。
【図7】撮像装置1による撮像の様子を模式的に表した図である。
【図8】撮像装置1による撮像の際の液晶モニタ305の表示の模式図である。
【図9】撮像装置1の撮像姿勢が変更された際の液晶モニタ305の表示の模式図である。
【図10】ガイド画像について説明するための概念図である。
【図11】ガイド画像を撮像画像に重畳して表示する態様を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に図面を参照しながら、本発明に係る撮像装置及びプログラムの好適な実施形態を説明する。かかる実施形態に示す具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置(デジタルビデオカメラ)1の内部構成の例を示すブロック図である。撮像装置1は動画像及び静止画像を撮像することができる。
【0022】
なお、本発明は、動画像又は静止画像を撮像できるものであれば、いわゆるコンパクトデジタルカメラ等のデジタルスチルカメラをはじめ、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistant)等、その他の電子機器においても採用することができる。
【0023】
中央制御部100はCPU(Central Processing Unit)、各種プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)、及びワークエリアとしてのRAM(Random Access Memory)等を含む半導体集積回路により構成され、撮像、各種画像の表示、記録、及び後述するガイド情報の生成等、撮像装置1全体の処理を統括的に制御する。
【0024】
撮像装置1は、ズームレンズ111、絞り112、フォーカスレンズ113、及び撮像素子114で構成される撮像部110を有する。ズームレンズ111はズームアクチュエータ119によって光軸LAに沿って移動する。フォーカスレンズ113は、図示しないフォーカスアクチュエータによって光軸LAに沿って移動する。絞り112は、図示しない絞りアクチュエータに駆動されて動作する。撮像素子104は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等で構成される。
【0025】
撮像装置1を用いた撮像は以下の手順で行われる。先ず撮像素子114がズームレンズ111、絞り112、及びフォーカスレンズ113を通過した光を光電変換して、被写体のアナログ画像信号を生成する。
【0026】
アナログ画像信号処理部115が、このアナログ画像信号を増幅した後、A/D変換部116が、その増幅された信号をデジタル画像データに変換する。画像入力コントローラ117は、A/D変換部116から出力されたデジタル画像データを撮像データとして取り込んで、バス200を介してメインメモリ201に格納する。
【0027】
デジタル信号処理部118は、バス200を介して中央制御部100からの指令に基づき、メインメモリ201に格納された撮像データを取り込み、所定の信号処理を施して輝度信号と色差信号とからなるデータを生成する。デジタル信号処理部118はまた、オフセット処理、ホワイトバランス調整処理、ガンマ補正処理、RGB補完処理、ノイズ低減処理、輪郭補正処理、色調補正処理、光源種別判定処理等の各種デジタル補正を行う。
【0028】
メインメモリ201は、撮像データや輝度信号と色差信号とからなるデータ等の各種データを一時記憶する。メインメモリ201は、例えばEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable PROM)、不揮発性RAM、フラッシュメモリ、又はHDD(Hard Disk Drive)等の記憶媒体で構成される。
【0029】
また、メインメモリ201は後述するガイド情報の生成処理において、ユーザが操作部307の図示しない操作ボタンを押下すると、撮像装置1の戻すべき撮像姿勢を初期撮像姿勢として記録する。ユーザが撮像装置1をパンやチルトして撮像姿勢を変更すると、この初期撮像姿勢を基準として、撮像姿勢の変位量が算出されることになる。
【0030】
フラッシュROM202は、ユーザの設定情報等、撮像装置1の動作に関する各種設定情報を格納している。
【0031】
画像処理部203は、バス200を介して中央制御部100の指示に従い、メインメモリ201から読み出した各種データに所定の画像処理を施す。例えばメニュー画像やOSD画像等、各種処理のための画像データを生成し、その画像データをメインメモリ201から読み出されたオリジナルの撮像データに重畳させる等して液晶モニタ305に出力する。この出力によって、液晶モニタ305に表示される画像は各種画像データが合成されたものとなる。
【0032】
画像処理部203はまた、後述するガイド情報の生成処理により生成されたガイド情報に基づき、ガイド画像を生成してオリジナルの撮像データに重畳させて液晶モニタ305に出力する。
【0033】
VRAM204は、液晶モニタ305の表示用の画像データの一時記憶領域として使用される。
【0034】
圧縮・伸長処理部205は、バス200を介して中央制御部100からの指示に従い、メインメモリ201に格納された各種データに所定の圧縮処理を施し、圧縮データを生成する。また、中央制御部100からの指令に従い、カード型記録媒体304等に格納された圧縮データに所定形式の伸張処理を施し、非圧縮データを生成する。
【0035】
なお、本実施の形態の撮像装置1では、静止画像に対してはJPEG規格に準拠した圧縮方式が、動画像に対してはMPEG2規格やAVC/H.264規格に準拠した圧縮方式が採用される。
【0036】
メディア制御部301は、中央制御部100の指令に従い、カードI/F302を通じてカード型記録媒体303へのデータの書き込みやカード型記録媒体303からのデータの読み出しを制御する。
【0037】
カード型記録媒体303としては、撮像装置1に着脱可能なSD(Secure Digital)メモリカード等が使用される。但し、これはあくまで例示であり、カード型記録媒体303の替りに、DVD、BD(Blu-ray Disc)、若しくはフラッシュメモリ等の他の記録媒体を使用する、又は撮像装置1に内蔵されたHDD(Hard Disc Drive)等で構成することができることはいうまでもない。
【0038】
液晶モニタ305、スピーカ306、操作部307及び入出力端子308は入出力I/F304に接続されている。液晶モニタ305は、例えばVRAM204やメインメモリ201に一時記録された撮像データや各種メニュー画像データ等、各種画像データから生成された画像を表示する。
【0039】
スピーカ305は、例えば後述するガイド情報の生成処理によって生成されたガイド情報に基づきユーザをガイドするための音声を出力することができる。
【0040】
操作部307は、図示しないリレーズ・スイッチや電源スイッチを含む操作ボタン、十字キー、ジョイスティック、又は液晶モニタ305上に重畳されたタッチパネル等から構成されており、ユーザの撮像装置1への操作入力を受け付ける。
【0041】
後述するガイド情報の生成処理において、ユーザがこの操作部307の図示しない操作ボタンを押下すると、撮像装置1の戻すべき撮像姿勢を初期撮像姿勢として記録する。また、ユーザは同じく図示しない操作ボタンを押下して、ガイド画像の表示を液晶モニタ305に表示する旨の要求を行う。
【0042】
入出力端子307は、図示しないテレビモニタやPC(Personal Computer)等に接続され、各種データの入出力を行う。入出力端子307は、例えばHDMI(High-Definition Multimedia Interface)端子、USB(Universal Serial Bus)端子、IEEE 1394規格に準拠した各種入力端子等で構成される。
【0043】
撮像装置1は、撮像装置1の水平方向の回転の角速度を検出するX軸ジャイロセンサ401、垂直方向の回転の角速度を検出するY軸ジャイロセンサ402、及び傾き方向の回転の角速度を検出するZ軸ジャイロセンサ403を備える。
【0044】
図2は、上記各ジャイロセンサが検出する各角速度について説明するための撮像装置1の模式図である。X軸ジャイロセンサ401は撮像装置1の水平方向(図2ではX軸方向)の角速度ωxを検出する。Y軸ジャイロセンサ402は撮像装置1の垂直方向方向(図2ではY軸方向)の角速度ωyを検出する。そして、Z軸ジャイロセンサ403は撮像装置1の傾き方向(図2ではZ軸方向)の角速度ωzを検出する。
【0045】
上記の検出された各角速度は、中央制御部100に引き渡され、以下に説明するユーザが撮像装置1の撮像姿勢を元の位置に戻すためのガイド情報の生成処理において使用される。
【0046】
図1の説明に戻り、中央制御部はまた、ユーザが撮像装置1の撮像姿勢を元の位置に戻すためのガイド情報の生成処理において、動きベクトル算出部101、撮像姿勢情報算出部102、ガイド情報算出部103、及び判定部104として機能する。
【0047】
動きベクトル算出部101は、メインメモリ201に一時記憶された撮像データのフレーム間における被写体画像データの変位量から、その被写体画像の動きベクトルを算出する。この動きベクトルの算出は既知の様々な方法を採用することができる。
【0048】
ここで、この動きベクトル算出部101は、フレーム内の各被写体画像データの動きベクトルから、算出された動きベクトルが、撮像の対象となった被写体自体が動いたことによって生じたものなのか、ユーザが撮像装置1をパンやチルトして撮像姿勢を変更したことで生じたものなのかを併せて判断する。
【0049】
以下に図3及び図4を参照して、この判断について説明する。図3に示したようにメインメモリ201に一時記憶された撮像データのフレームMH01が複数の領域に分けられる。図3では、フレームMH01は水平方向に8分割、垂直方向に5分割した、計40の領域に分けられている。
【0050】
そして、分けられた各領域のそれぞれについて、基準となる画素ブロックが特定される。例えば、図3の領域DA01(ハッチングで示した領域)では、基準画素ブロックB01が特定される。他の39の領域についても基準となる画素ブロックが特定される。
【0051】
次に、図4に示したフレームMH01から所定の時間後のフレームMH02から、フレームMH01の領域DA01に対応する領域DA02(ハッチングで示した領域)を特定し、基準画素ブロックB01に対応する対応画素ブロックB02を特定する。そして、基準画素ブロックB01と対応画素ブロックB02との間のベクトルV01を動きベクトルとして算出する。
【0052】
上記の動きベクトルの算出を全領域について行い、所定数以上の領域について算出された動きベクトルが所定の範囲内で類似していれば、それらの算出された動きベクトルはユーザが撮像装置1をパンやチルトして撮像姿勢を変更することで生じたものとして判断される。一方で、所定数未満の領域について算出された動きベクトルのみが類似している場合には、それらの算出された動きベクトルは撮像の対象となった被写体自体が動いたことによって生じたものとして判断される。
【0053】
そして、動きベクトル算出部101は、上述の撮像装置1のパンやチルトして撮像姿勢を変更することで生じたとの判断に用いられた複数の領域の動きベクトルの平均から、撮像データ自体の動きベクトルを算出する。
【0054】
図1の中央制御部100の説明に戻り、撮像姿勢情報算出部102は、X軸ジャイロセンサ401、Y軸ジャイロセンサ402、及びZ軸ジャイロセンサ403の3つのジャイロセンサが検出した角速度、又は動きベクトル算出部101が算出した撮像データ自体の動きベクトルから、ユーザが行ったパンやチルトによる撮像装置1の戻すべき撮像姿勢である初期撮像姿勢からの変位量を撮像姿勢情報として算出する。
【0055】
上記3つのジャイロセンサが検出した角速度が使用される場合は、そのまま各出力結果が使用されるが、動きベクトル算出部101が算出した撮像データ自体の動きベクトルが使用される場合は、その動きベクトルが水平方向、垂直方向、及び傾き方向の3つの回転の角速度に変換される。
【0056】
図5を参照して、この角速度への変換について説明する。図5は、撮像装置1が撮像姿勢が変更される前の初期撮像姿勢から撮像姿勢が変更された後の撮像姿勢をとるまでの間に算出された、撮像データMG01自体の動きベクトルAVを概念的に表す概念図である。
【0057】
撮像姿勢情報算出部102は、動きベクトルAVの水平成分ベクトルVh及び垂直成分ベクトルVvを算出する。さらに、撮像姿勢情報算出部102はズームレンズ111のズーミングによる焦点距離fを特定し、以下の式(1)及び式(2)から、撮像装置1の水平方向の角速度ωx及び垂直方向の角速度ωyを算出する。
【0058】
ωx=60atan(Vh/f) ・・・(1)
【0059】
ωy=60atan(Vv/f) ・・・(2)
【0060】
そして、撮像部110の光軸ALと一致する撮像データMG01内の点CPを中心にとした動きベクトルの両端の間の角度の変化ΔθZから、傾き方向の角速度ωzを算出する。
【0061】
そして、撮像姿勢情報算出部102は、各ジャイロセンサから出力された、又は撮像データ自体の動きベクトルから上記のようにして算出された水平方向の角速度ωx、垂直方向の角速度ωy、及び傾き方向の角速度ωzから、水平方向の回転角θx、垂直方向の回転角θy、及び傾き方向の回転角θzを撮像姿勢情報としてそれぞれ、以下の式(3)、式(4)、及び式(5)から算出する。
【0062】
θx=∫ωx・sinθzdt ・・・(3)
【0063】
θy=∫ωy・cosθzdt ・・・(4)
【0064】
θz=∫ωzdt ・・・(5)
【0065】
図1の中央制御部100の説明に戻り、ガイド情報算出部103は、撮像姿勢情報算出部102が算出した撮像姿勢情報に基づき、ユーザが撮像装置1を変更前の撮像姿勢に戻すための方位角θと角距離dとをガイド情報として算出する。
【0066】
撮像装置1を変更前の撮像姿勢に戻すための方位角θは、初期撮像姿勢の方位角をθ1とし、変更後の撮像姿勢の方位角をθ2とし、それぞれの方位角の水平方向の成分をθx1及びθx2、垂直方向の成分をθy1及びθy2、並びに傾き方向の成分をθz1及びθz2とすると、以下の式(6)、式(7)、式(8)、又は式(9)により算出される。
【0067】
θy2−θy1=0°であり、かつθx2−θx1=0°のときは、以下の式(6)により算出される。
【0068】
θ=θz ・・・式(6)
【0069】
θy2−θy1=0であり、0°<θx2−θx1<180°のときは、以下の式(7)により算出される。
【0070】
θ=θz+90° ・・・式(7)
【0071】
θy2−θy1=0であり、0°>θx2−θx1>−180°のときは、以下の式(8)により算出される。
【0072】
θ=θz−90° ・・・式(8)
【0073】
そして、上記以外のときは、以下の式(9)により算出される。
【0074】
θ=atan(sin(θx2−θx1)/tan(θy2−θy1))+θz
・・・(9)
【0075】
なお、上記方位角θの絶対値が180を超える場合は、その絶対値が180以下となるまで360を減産するものとする。
【0076】
そして、λをcosθycosθx、μをsinθycosθx、かつνをsinθyとすると、角距離dは、以下の式(10)により算出される。
【0077】
d=cos-1(λ1λ2+μ1μ2+ν1ν2) ・・・(10)
【0078】
図1の中央制御部100の説明に戻り、上述のようにしてガイド情報算出部103がガイド情報を算出すると、画像処理部203は液晶モニタ305に表示する、ユーザが撮像装置1の撮像姿勢を元の撮像姿勢に戻すためのガイド画像を生成し、撮像データに重畳して表示する。
【0079】
方位角θ及び角距離dからなるガイド情報が液晶モニタ305に表示されることで、ユーザは視野の狭い液晶モニタ305に表示された画像を視認しながらでも、そのガイド画像を参照することで容易に撮像装置1を元の撮像姿勢に戻す方向と、そのためのパンやチルトの大きさを把握することができる。
【0080】
判定部104は、ズームレンズ111のズーミングによる焦点距離に基づき、ガイド情報算出部103が算出するガイド情報を、各ジャイロセンサが出力した角速度による撮像姿勢情報から算出するか、動きベクトル算出部101が算出した撮像データ自体の動きベクトルから算出した角速度による撮像姿勢情報から算出するかの判定を行う。
【0081】
撮像の際の焦点距離が長い場合には振動ジャイロ素子の分解能が不足することで、正しいガイド情報を生成することができない場合がある。したがって、撮像姿勢の変更時の焦点距離の判定に応じて、各ジャイロセンサが出力した角速度による撮像姿勢情報から算出されたガイド情報と、動きベクトル算出部101が算出した撮像データ自体の動きベクトルから算出した角速度による撮像姿勢情報から算出されたガイド情報とを切り換えることで、ユーザは容易かつ正確に撮像姿勢を戻すことができる。
【0082】
以上のように、撮像装置1によれば、ユーザが撮像装置を変更前の元の撮像姿勢に戻すために表示するガイド画像を生成する際に、撮像の焦点距離に応じて3軸のジャイロセンサの出力結果又は動きベクトルの算出結果の何れかを切り換えて使用することで、手持ち撮像を行う場合等の3軸方向の動きが生じる場合であっても、ユーザが容易かつ正確に撮像姿勢を戻すことができる。
【0083】
また、撮像装置1によれば、ユーザが撮像装置を変更前の元の撮像姿勢に戻すために表示するガイド画像を生成する際に、撮像の焦点距離に応じて3軸のジャイロセンサの出力結果又は動きベクトルの算出結果の何れかを切り換えて使用することで、分解能の低い低コストで小型なジャイロセンサでも、ユーザが容易かつ正確に撮像姿勢を戻すことができる。
【0084】
次に図6を参照して、撮像装置1が、ユーザが撮像姿勢を元に戻すためのガイド情報を生成し表示する処理(方法)について以下に説明する。図6は、撮像装置1が、ユーザが撮像姿勢を元に戻すためのガイド情報を生成し表示する処理のフローチャートである。
【0085】
ユーザが操作部307の図示しない録画ボタンを押下すると、撮像装置1は被写体の撮像を開始する(ステップS101)。図7は撮像装置1による撮像の様子を模式的に表した図である。図7では、ユーザが被写体70のほうに撮像装置1を向けて、被写体70を撮像している。
【0086】
図8にこのときの液晶モニタ305の模式図を示す。撮像装置1は被写体70の方に向けられているため、撮像画像を表示する液晶モニタ305には被写体70の被写体画像OG70が表示されている。
【0087】
そして、ユーザが操作部307の図示しない操作ボタンを押下すると、そのときの撮像装置1の撮像姿勢が戻すべき初期撮像姿勢としてメインメモリ201に記憶される(ステップS102)。
【0088】
そして、ユーザがパンやチルトにより撮像装置1の撮像姿勢を変更すると(ステップS103でYES)、撮像部110を介してステップS101とは別の被写体が撮像される(ステップS104)。図9にこのときのこのときの液晶モニタ305の模式図を示す。撮像装置1の撮像姿勢が変更され、液晶モニタ305には被写体70とは別の被写体の被写体画像が表示されることになる。
【0089】
ステップS104で別の被写体が撮像され、ユーザが操作部307の図示しない操作ボタンを押下し、撮像装置1の撮像姿勢をステップS102で記憶した初期撮像姿勢に戻すためのガイド画像を要求すると(ステップS105でYES)、判定部104がステップS103における撮像姿勢変更時のズームレンズ111のズーミングによる焦点距離が所定の閾値以上か否かを判定する(ステップS106)。
【0090】
判定部104がズームレンズ111のズーミングによる焦点距離が所定の閾値以上である旨の判定をすると(ステップS106でYES)、撮像姿勢情報算出部102は、動きベクトル算出部101が算出した撮像データ自体の動きベクトルから、ユーザが行ったパンやチルトによる撮像装置1の撮像姿勢の変位量を撮像姿勢情報として算出する(ステップS107)。
【0091】
この撮像データ自体の動きベクトルに基づく、撮像姿勢情報の算出は、上述の通り行われる。すなわち、式(1)及び式(2)、並びに撮像部110の光軸ALと一致する撮像データ内の点を中心にとした動きベクトルの両端の間の角度の変化から、動きベクトル算出部101が算出した撮像データ自体の動きベクトルが水平方向の角速度ωx、垂直方向の角速度ωy、及び傾き方向の角速度ωzの3つの回転の角速度に換算される。
【0092】
そして、上述の式(3)、式(4)、及び式(5)により、水平方向の角速度ωx、垂直方向の角速度ωy、及び傾き方向の角速度ωzから、水平方向の回転角θx、垂直方向の回転角θy、及び傾き方向の回転角θzが撮像姿勢情報としてそれぞれ算出される。
【0093】
判定部104がズームレンズ111のズーミングによる焦点距離が所定の閾値未満である旨の判定をすると(ステップS106でNO)、撮像姿勢情報算出部102は、X軸ジャイロセンサ401、Y軸ジャイロセンサ402、及びZ軸ジャイロセンサ403の3つのジャイロセンサが検出した角速度から、ユーザが行ったパンやチルトによる撮像装置1の撮像姿勢の変位を撮像姿勢情報として算出する(ステップS108)。
【0094】
ここで、各ジャイロセンサから出力された水平方向の角速度ωx、垂直方向の角速度ωy、及び傾き方向の角速度ωzから、水平方向の回転角θx、垂直方向の回転角θy、及び傾き方向の回転角θzが、上述の式(3)、式(4)、及び式(5)に基づき、撮像姿勢情報としてそれぞれ算出される。
【0095】
ステップS107で撮像データ自体の動きベクトルから、又はステップS108で各ジャイロセンサが検出した角速度から撮像姿勢情報が算出されると、ガイド情報算出部103は、液晶モニタ305に表示するガイド画像を生成するための、ユーザが撮像装置1を変更前の撮像姿勢に戻すための方位角θと角距離dとからなるガイド情報を算出する。
【0096】
このガイド情報は上述した式(6)、式(7)、式(8)、又は式(9)により算出される。
【0097】
ステップS109でガイド情報が算出されると、画像処理部203がそのガイド情報に基づきガイド画像を生成し、オリジナルの撮像画像に重畳して液晶モニタ305に表示する。このガイド画像の表示について図10及び図11を参照して説明する。
【0098】
図11は、液晶モニタ305に表示するガイド画像の表示の例について説明するための図である。撮像装置の水平方向(図11では線分L01で示す)から方位角θの角度を有し、戻すべき方向を矢印で示した、各距離dに比例する長さを有するガイド画像が画像処理部203に生成され、液晶モニタ305に表示されている。
【0099】
そして、図12に示すように、このガイド画像GG01が、ステップS105でユーザがガイド情報を要求した、撮像装置1の撮像姿勢を戻す前のオリジナルの撮像データに重畳されて表示される。
【0100】
そして、ステップS103でユーザが撮像装置1の撮像姿勢を変更しなかった場合(ステップS103でNO)、ステップS105でユーザがガイド情報を要求しなかった場合(ステップS105でNO)、又はステップS110でガイド画像が生成され表示されると、本処理は終了する。
【0101】
以上のように、撮像装置1のユーザが撮像姿勢を元に戻すためのガイド情報を生成し表示する処理によれば、ユーザが撮像装置を変更前の元の撮像姿勢に戻すために表示するガイド画像を生成する際に、撮像の焦点距離に応じて3軸のジャイロセンサの出力結果又は動きベクトルの算出結果の何れかを切り換えて使用することで、手持ち撮像を行う場合等の3軸方向の動きが生じる場合であっても、ユーザが容易かつ正確に撮像姿勢を戻すことができる。
【0102】
また、撮像装置1のユーザが撮像姿勢を元に戻すためのガイド情報を生成し表示する処理によれば、ユーザが撮像装置を変更前の元の撮像姿勢に戻すために表示するガイド画像を生成する際に、撮像の焦点距離に応じて3軸のジャイロセンサの出力結果又は動きベクトルの算出結果の何れかを切り換えて使用することで、分解能の低い低コストで小型なジャイロセンサでも、ユーザが容易かつ正確に撮像姿勢を戻すことができる。
【符号の説明】
【0103】
100 中央制御部
101 動きベクトル算出部
102 撮像姿勢情報算出部
103 ガイド情報算出部
104 判定部
110 撮像部
111 ズームレンズ
112 絞り
113 フォーカスレンズ
114 撮像素子
201 メインメモリ
203 画像処理部
204 VRAM
304 入出力I/F
305 液晶モニタ
306 スピーカ
307 操作部
308 入出力端子
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置及びプログラムに関し、より詳細には、ユーザが撮像装置の撮像姿勢を変更して変更前と異なる被写体を撮像した場合に、撮像の焦点距離に応じて3軸のセンサ部の出力結果又は動きベクトルの算出結果の何れかを切り換えて使用して、変更前の元の撮像姿勢に戻すためのガイド画像を生成する撮像装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルビデオカメラ等の撮像装置による撮像において、ユーザがその撮像装置の向きを変更して変更前とは異なる被写体を撮像した後、その撮像装置の備えるモニタに表示される画像だけを頼りに、その撮像装置の向きを元に戻して、向きを変更する前に撮像していた被写体の撮像を再開することは一般的に難しいことが多い。
【0003】
各種レンズを介して取得され、モニタに表示される撮像画像の視野は、ユーザの肉眼の視野よりもはるかに狭い画角の範囲内に限られるためである。この限られた視野の中で、ユーザが撮像装置の向きを戻すには、元の被写体の周辺に存在する被写体や風景、又は撮像装置の向きを変更する過程で撮像された被写体とそれらの位置関係をユーザ自身が記憶しておき、モニタに順次表示されていく各種被写体画像を注意深く観察しながら、元の被写体画像が表示されるまでパンやチルトを行わなければならない。
【0004】
具体的な例として、運動会でユーザが我が子を撮像している場合であって、撮像の最中に一旦別の被写体、例えばユーザの知り合いの子供の方に撮像装置を向けてその知り合いの子供を撮像した後、再び撮像装置を我が子の方に向けて、我が子の撮像を再開する場合を説明する。この場合、ユーザが撮像装置の向きを戻すには、我が子の周辺で撮像されていた別の子供や旗等の風景とそれらの我が子との位置関係を記憶しておき、モニタ上に順次表示されていくそれらの画像等を注意深く確認しながら撮像装置パン又はチルトしていくことになる。
【0005】
ここで、我が子と周囲の子供が同じ体操服を着ている等、元の被写体とその被写体の周辺で撮像されていた被写体の区別がしづらい場合は、撮像装置の向きを戻す作業はさらに難しいものとなる。また、我が子を遠くから撮像しており、高いズーム倍率で撮像していた場合は、取得される画像の視野はさらに限られたものとなり、ますます撮像装置の向きを戻す作業はさらに難しいものとなる。
【0006】
従って、撮像装置の向きを戻すためのパンやチルトの動きがぎこちなくなり、撮像装置を向ける方向が我が子の方を行き過ぎてしまったり、モニタの確認に手間取りパンやチルトが間に合わず我が子の重要なシーンを撮り逃してしまったりすることもある。
【0007】
上記のような問題を解決するために、例えば特許文献1には、振動ジャイロ素子から出力される水平方向及び垂直方向の角速度信号が積分回路にて積分され、その間の移動角情報が角変位量管理回路で符号反転されて初期のカメラアングルに戻すための移動指示ベクトル情報として管理され、その移動指示ベクトル情報がLCDの画面上にガイド情報として表示されることで、ユーザが元のカメラアングルに容易に戻すことができる撮影装置に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−5417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記特許文献1に記載の撮影装置では、水平方向及び垂直方向の2軸の角速度信号に基づきガイド情報を生成していることから、直交する2軸の動きに対してしか正確なガイド情報を生成できず、3軸回りで動きが生じる場合には正確なガイド情報が生成できないという問題の発生が推察される。
【0010】
すなわち、例えばユーザがその撮影装置を三脚の雲台に固定して撮像を行う等の場合には正確なガイド情報を生成することができるが、ユーザがその撮影装置を手持ちして撮像を行う場合などには正確なガイド情報を生成できず、却ってユーザを混乱させてしまう可能性がある。また、ズーム倍率を大きくして長い焦点距離で撮像を行った場合には、振動ジャイロ素子の分解能が不足することで、正確なガイド情報を生成することができない可能性がある。
【0011】
さらには、一般に、角速度に基づく移動角情報における累積誤差が少なく、かつ分解能の高い振動ジャイロ素子は高額であり、かつサイズも大きいことから、上記特許文献1に記載の技術に基づき正確なガイド情報を生成するには、撮影装置が高額かつ大型化するという問題が生じることも併せて推察される。
【0012】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、ユーザが撮像装置を変更前の元の撮像姿勢に戻すために表示するガイド画像を生成する際に、撮像の焦点距離に応じて3軸のジャイロセンサの出力結果又は動きベクトルの算出結果の何れかを切り換えて使用することで、手持ち撮像を行う場合等の3軸方向の動きが生じる場合であっても、ユーザが容易かつ正確に撮像姿勢を戻すことができる撮像装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、ユーザが撮像装置を変更前の元の撮像姿勢に戻すために表示するガイド画像を生成する際に、撮像の焦点距離に応じて3軸のジャイロセンサの出力結果又は動きベクトルの算出結果の何れかを切り換えて使用することで、分解能の低い低コストで小型なジャイロセンサでも、ユーザが容易かつ正確に撮像姿勢を戻すことができる撮像装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上述した課題を解決するため、被写体を撮像し撮像画像を取得する撮像部(110)及び焦点距離を調整して前記撮像部(110)による撮像の倍率を調整する撮像倍率調整部(119)を備えた撮像装置(1)であって、前記撮像装置(1)の水平方向、垂直方向、及び傾き方向の回転の角速度を検出するセンサ部(401、402、403)と、前記撮像部(110)が取得した撮像画像の動きベクトルを算出する動きベクトル算出部(101)と、前記センサ部(401、402、403)が検出した前記角速度及び前記動きベクトル算出部(101)が算出した動きベクトルのそれぞれから、前記撮像装置(1)の第一の撮像姿勢と第二の撮像姿勢との間の変位量を撮像姿勢情報として算出する撮像姿勢情報算出部(102)と、前記撮像姿勢情報算出部(102)が算出した前記撮像姿勢情報から、ユーザが前記撮像装置(1)を前記第二の撮像姿勢から前記第一の撮像姿勢に戻すためのガイド情報を算出するガイド情報算出部(103)と、前記ガイド情報算出部(103)が算出したガイド情報から生成されたガイド画像を表示する表示部(305)とを備え、前記撮像姿勢情報算出部(102)は、前記第一の撮像姿勢から前記第二の撮像姿勢に変位する際に前記撮像倍率調整部(119)によって調整された前記焦点距離が、所定の値未満のときは前記センサ部(401、402、403)が検出した前記角速度から前記撮像姿勢情報を算出し、前記所定の値以上のときは前記動きベクトル算出部(101)が算出した動きベクトルから前記撮像姿勢情報を算出することを特徴とする撮像装置(1)を提供する。
【0015】
上記撮像装置(1)において、前記ガイド情報算出部(103)が算出する前記ガイド情報は、前記第一の撮像姿勢と前記第二の撮像姿勢との間の方位角及び角距離を含むようにしてもよい。
【0016】
また本発明は、上記課題を解決するため、撮像装置(1)の備えるセンサ部(401、402、403)にその撮像装置の水平方向、垂直方向、及び傾き方向の回転の角速度を検出させ、前記撮像装置(1)が撮像した撮像画像の動きベクトルを算出させ、前記センサ部(401、402、403)に検出させた前記角速度及び前記動きベクトルのそれぞれから、前記撮像装置(1)の第一の撮像姿勢と第二の撮像姿勢との間の変位量を撮像姿勢情報として算出させ、前記撮像姿勢情報からユーザが前記撮像装置(1)を前記第二の撮像姿勢から前記第一の撮像姿勢に戻すためのガイド情報を算出させ、前記ガイド情報に基づいてガイド画像を生成し前記撮像装置(1)の備える表示部(305)に表示させる処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記第一の撮像姿勢から前記第二の撮像姿勢に変位する際の前記撮像装置(1)の撮像の焦点距離が所定の値未満のときは前記センサ部に検出させた前記角速度から前記撮像姿勢情報を算出させ、前記所定の値以上のときは前記動きベクトルから前記撮像姿勢情報を算出させることを特徴とするプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る撮像装置及びプログラムによれば、ユーザが撮像装置を変更前の元の撮像姿勢に戻すために表示するガイド画像を生成する際に、撮像の焦点距離に応じて3軸のセンサ部の出力結果又は動きベクトルの算出結果の何れかを切り換えて使用することで、手持ち撮像を行う場合等の3軸方向の動きが生じる場合であっても、ユーザが容易かつ正確に撮像姿勢を戻すことができる。
【0018】
また、本発明に係る撮像装置及びプログラムによれば、ユーザが撮像装置を変更前の元の撮像姿勢に戻すために表示するガイド画像を生成する際に、撮像の焦点距離に応じて3軸のセンサ部の出力結果又は動きベクトルの算出結果の何れかを切り換えて使用することで、分解能の低い低コストで小型なセンサ部を用いても、ユーザが容易かつ正確に撮像姿勢を戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る撮像装置(デジタルビデオカメラ)1の内部構成の例を示すブロック図である。
【図2】ジャイロセンサが検出する3軸方向の角速度について説明するための撮像装置1の模式図である。
【図3】メインメモリ201に一時記憶された撮像データを複数の領域に分割し、各領域から基準画素ブロックを特定する処理を説明するための概念図である。
【図4】フレーム間ん基準画素ブロックと対応画素ブロックとの間の動きベクトルの算出について説明するための概念図である。
【図5】撮像データ自体の動きベクトルの角速度への換算について説明するための概念図である。
【図6】撮像装置1が、ユーザが撮像姿勢を元に戻すためのガイド情報を生成し表示する処理のフローチャートである。
【図7】撮像装置1による撮像の様子を模式的に表した図である。
【図8】撮像装置1による撮像の際の液晶モニタ305の表示の模式図である。
【図9】撮像装置1の撮像姿勢が変更された際の液晶モニタ305の表示の模式図である。
【図10】ガイド画像について説明するための概念図である。
【図11】ガイド画像を撮像画像に重畳して表示する態様を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に図面を参照しながら、本発明に係る撮像装置及びプログラムの好適な実施形態を説明する。かかる実施形態に示す具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置(デジタルビデオカメラ)1の内部構成の例を示すブロック図である。撮像装置1は動画像及び静止画像を撮像することができる。
【0022】
なお、本発明は、動画像又は静止画像を撮像できるものであれば、いわゆるコンパクトデジタルカメラ等のデジタルスチルカメラをはじめ、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistant)等、その他の電子機器においても採用することができる。
【0023】
中央制御部100はCPU(Central Processing Unit)、各種プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)、及びワークエリアとしてのRAM(Random Access Memory)等を含む半導体集積回路により構成され、撮像、各種画像の表示、記録、及び後述するガイド情報の生成等、撮像装置1全体の処理を統括的に制御する。
【0024】
撮像装置1は、ズームレンズ111、絞り112、フォーカスレンズ113、及び撮像素子114で構成される撮像部110を有する。ズームレンズ111はズームアクチュエータ119によって光軸LAに沿って移動する。フォーカスレンズ113は、図示しないフォーカスアクチュエータによって光軸LAに沿って移動する。絞り112は、図示しない絞りアクチュエータに駆動されて動作する。撮像素子104は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等で構成される。
【0025】
撮像装置1を用いた撮像は以下の手順で行われる。先ず撮像素子114がズームレンズ111、絞り112、及びフォーカスレンズ113を通過した光を光電変換して、被写体のアナログ画像信号を生成する。
【0026】
アナログ画像信号処理部115が、このアナログ画像信号を増幅した後、A/D変換部116が、その増幅された信号をデジタル画像データに変換する。画像入力コントローラ117は、A/D変換部116から出力されたデジタル画像データを撮像データとして取り込んで、バス200を介してメインメモリ201に格納する。
【0027】
デジタル信号処理部118は、バス200を介して中央制御部100からの指令に基づき、メインメモリ201に格納された撮像データを取り込み、所定の信号処理を施して輝度信号と色差信号とからなるデータを生成する。デジタル信号処理部118はまた、オフセット処理、ホワイトバランス調整処理、ガンマ補正処理、RGB補完処理、ノイズ低減処理、輪郭補正処理、色調補正処理、光源種別判定処理等の各種デジタル補正を行う。
【0028】
メインメモリ201は、撮像データや輝度信号と色差信号とからなるデータ等の各種データを一時記憶する。メインメモリ201は、例えばEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable PROM)、不揮発性RAM、フラッシュメモリ、又はHDD(Hard Disk Drive)等の記憶媒体で構成される。
【0029】
また、メインメモリ201は後述するガイド情報の生成処理において、ユーザが操作部307の図示しない操作ボタンを押下すると、撮像装置1の戻すべき撮像姿勢を初期撮像姿勢として記録する。ユーザが撮像装置1をパンやチルトして撮像姿勢を変更すると、この初期撮像姿勢を基準として、撮像姿勢の変位量が算出されることになる。
【0030】
フラッシュROM202は、ユーザの設定情報等、撮像装置1の動作に関する各種設定情報を格納している。
【0031】
画像処理部203は、バス200を介して中央制御部100の指示に従い、メインメモリ201から読み出した各種データに所定の画像処理を施す。例えばメニュー画像やOSD画像等、各種処理のための画像データを生成し、その画像データをメインメモリ201から読み出されたオリジナルの撮像データに重畳させる等して液晶モニタ305に出力する。この出力によって、液晶モニタ305に表示される画像は各種画像データが合成されたものとなる。
【0032】
画像処理部203はまた、後述するガイド情報の生成処理により生成されたガイド情報に基づき、ガイド画像を生成してオリジナルの撮像データに重畳させて液晶モニタ305に出力する。
【0033】
VRAM204は、液晶モニタ305の表示用の画像データの一時記憶領域として使用される。
【0034】
圧縮・伸長処理部205は、バス200を介して中央制御部100からの指示に従い、メインメモリ201に格納された各種データに所定の圧縮処理を施し、圧縮データを生成する。また、中央制御部100からの指令に従い、カード型記録媒体304等に格納された圧縮データに所定形式の伸張処理を施し、非圧縮データを生成する。
【0035】
なお、本実施の形態の撮像装置1では、静止画像に対してはJPEG規格に準拠した圧縮方式が、動画像に対してはMPEG2規格やAVC/H.264規格に準拠した圧縮方式が採用される。
【0036】
メディア制御部301は、中央制御部100の指令に従い、カードI/F302を通じてカード型記録媒体303へのデータの書き込みやカード型記録媒体303からのデータの読み出しを制御する。
【0037】
カード型記録媒体303としては、撮像装置1に着脱可能なSD(Secure Digital)メモリカード等が使用される。但し、これはあくまで例示であり、カード型記録媒体303の替りに、DVD、BD(Blu-ray Disc)、若しくはフラッシュメモリ等の他の記録媒体を使用する、又は撮像装置1に内蔵されたHDD(Hard Disc Drive)等で構成することができることはいうまでもない。
【0038】
液晶モニタ305、スピーカ306、操作部307及び入出力端子308は入出力I/F304に接続されている。液晶モニタ305は、例えばVRAM204やメインメモリ201に一時記録された撮像データや各種メニュー画像データ等、各種画像データから生成された画像を表示する。
【0039】
スピーカ305は、例えば後述するガイド情報の生成処理によって生成されたガイド情報に基づきユーザをガイドするための音声を出力することができる。
【0040】
操作部307は、図示しないリレーズ・スイッチや電源スイッチを含む操作ボタン、十字キー、ジョイスティック、又は液晶モニタ305上に重畳されたタッチパネル等から構成されており、ユーザの撮像装置1への操作入力を受け付ける。
【0041】
後述するガイド情報の生成処理において、ユーザがこの操作部307の図示しない操作ボタンを押下すると、撮像装置1の戻すべき撮像姿勢を初期撮像姿勢として記録する。また、ユーザは同じく図示しない操作ボタンを押下して、ガイド画像の表示を液晶モニタ305に表示する旨の要求を行う。
【0042】
入出力端子307は、図示しないテレビモニタやPC(Personal Computer)等に接続され、各種データの入出力を行う。入出力端子307は、例えばHDMI(High-Definition Multimedia Interface)端子、USB(Universal Serial Bus)端子、IEEE 1394規格に準拠した各種入力端子等で構成される。
【0043】
撮像装置1は、撮像装置1の水平方向の回転の角速度を検出するX軸ジャイロセンサ401、垂直方向の回転の角速度を検出するY軸ジャイロセンサ402、及び傾き方向の回転の角速度を検出するZ軸ジャイロセンサ403を備える。
【0044】
図2は、上記各ジャイロセンサが検出する各角速度について説明するための撮像装置1の模式図である。X軸ジャイロセンサ401は撮像装置1の水平方向(図2ではX軸方向)の角速度ωxを検出する。Y軸ジャイロセンサ402は撮像装置1の垂直方向方向(図2ではY軸方向)の角速度ωyを検出する。そして、Z軸ジャイロセンサ403は撮像装置1の傾き方向(図2ではZ軸方向)の角速度ωzを検出する。
【0045】
上記の検出された各角速度は、中央制御部100に引き渡され、以下に説明するユーザが撮像装置1の撮像姿勢を元の位置に戻すためのガイド情報の生成処理において使用される。
【0046】
図1の説明に戻り、中央制御部はまた、ユーザが撮像装置1の撮像姿勢を元の位置に戻すためのガイド情報の生成処理において、動きベクトル算出部101、撮像姿勢情報算出部102、ガイド情報算出部103、及び判定部104として機能する。
【0047】
動きベクトル算出部101は、メインメモリ201に一時記憶された撮像データのフレーム間における被写体画像データの変位量から、その被写体画像の動きベクトルを算出する。この動きベクトルの算出は既知の様々な方法を採用することができる。
【0048】
ここで、この動きベクトル算出部101は、フレーム内の各被写体画像データの動きベクトルから、算出された動きベクトルが、撮像の対象となった被写体自体が動いたことによって生じたものなのか、ユーザが撮像装置1をパンやチルトして撮像姿勢を変更したことで生じたものなのかを併せて判断する。
【0049】
以下に図3及び図4を参照して、この判断について説明する。図3に示したようにメインメモリ201に一時記憶された撮像データのフレームMH01が複数の領域に分けられる。図3では、フレームMH01は水平方向に8分割、垂直方向に5分割した、計40の領域に分けられている。
【0050】
そして、分けられた各領域のそれぞれについて、基準となる画素ブロックが特定される。例えば、図3の領域DA01(ハッチングで示した領域)では、基準画素ブロックB01が特定される。他の39の領域についても基準となる画素ブロックが特定される。
【0051】
次に、図4に示したフレームMH01から所定の時間後のフレームMH02から、フレームMH01の領域DA01に対応する領域DA02(ハッチングで示した領域)を特定し、基準画素ブロックB01に対応する対応画素ブロックB02を特定する。そして、基準画素ブロックB01と対応画素ブロックB02との間のベクトルV01を動きベクトルとして算出する。
【0052】
上記の動きベクトルの算出を全領域について行い、所定数以上の領域について算出された動きベクトルが所定の範囲内で類似していれば、それらの算出された動きベクトルはユーザが撮像装置1をパンやチルトして撮像姿勢を変更することで生じたものとして判断される。一方で、所定数未満の領域について算出された動きベクトルのみが類似している場合には、それらの算出された動きベクトルは撮像の対象となった被写体自体が動いたことによって生じたものとして判断される。
【0053】
そして、動きベクトル算出部101は、上述の撮像装置1のパンやチルトして撮像姿勢を変更することで生じたとの判断に用いられた複数の領域の動きベクトルの平均から、撮像データ自体の動きベクトルを算出する。
【0054】
図1の中央制御部100の説明に戻り、撮像姿勢情報算出部102は、X軸ジャイロセンサ401、Y軸ジャイロセンサ402、及びZ軸ジャイロセンサ403の3つのジャイロセンサが検出した角速度、又は動きベクトル算出部101が算出した撮像データ自体の動きベクトルから、ユーザが行ったパンやチルトによる撮像装置1の戻すべき撮像姿勢である初期撮像姿勢からの変位量を撮像姿勢情報として算出する。
【0055】
上記3つのジャイロセンサが検出した角速度が使用される場合は、そのまま各出力結果が使用されるが、動きベクトル算出部101が算出した撮像データ自体の動きベクトルが使用される場合は、その動きベクトルが水平方向、垂直方向、及び傾き方向の3つの回転の角速度に変換される。
【0056】
図5を参照して、この角速度への変換について説明する。図5は、撮像装置1が撮像姿勢が変更される前の初期撮像姿勢から撮像姿勢が変更された後の撮像姿勢をとるまでの間に算出された、撮像データMG01自体の動きベクトルAVを概念的に表す概念図である。
【0057】
撮像姿勢情報算出部102は、動きベクトルAVの水平成分ベクトルVh及び垂直成分ベクトルVvを算出する。さらに、撮像姿勢情報算出部102はズームレンズ111のズーミングによる焦点距離fを特定し、以下の式(1)及び式(2)から、撮像装置1の水平方向の角速度ωx及び垂直方向の角速度ωyを算出する。
【0058】
ωx=60atan(Vh/f) ・・・(1)
【0059】
ωy=60atan(Vv/f) ・・・(2)
【0060】
そして、撮像部110の光軸ALと一致する撮像データMG01内の点CPを中心にとした動きベクトルの両端の間の角度の変化ΔθZから、傾き方向の角速度ωzを算出する。
【0061】
そして、撮像姿勢情報算出部102は、各ジャイロセンサから出力された、又は撮像データ自体の動きベクトルから上記のようにして算出された水平方向の角速度ωx、垂直方向の角速度ωy、及び傾き方向の角速度ωzから、水平方向の回転角θx、垂直方向の回転角θy、及び傾き方向の回転角θzを撮像姿勢情報としてそれぞれ、以下の式(3)、式(4)、及び式(5)から算出する。
【0062】
θx=∫ωx・sinθzdt ・・・(3)
【0063】
θy=∫ωy・cosθzdt ・・・(4)
【0064】
θz=∫ωzdt ・・・(5)
【0065】
図1の中央制御部100の説明に戻り、ガイド情報算出部103は、撮像姿勢情報算出部102が算出した撮像姿勢情報に基づき、ユーザが撮像装置1を変更前の撮像姿勢に戻すための方位角θと角距離dとをガイド情報として算出する。
【0066】
撮像装置1を変更前の撮像姿勢に戻すための方位角θは、初期撮像姿勢の方位角をθ1とし、変更後の撮像姿勢の方位角をθ2とし、それぞれの方位角の水平方向の成分をθx1及びθx2、垂直方向の成分をθy1及びθy2、並びに傾き方向の成分をθz1及びθz2とすると、以下の式(6)、式(7)、式(8)、又は式(9)により算出される。
【0067】
θy2−θy1=0°であり、かつθx2−θx1=0°のときは、以下の式(6)により算出される。
【0068】
θ=θz ・・・式(6)
【0069】
θy2−θy1=0であり、0°<θx2−θx1<180°のときは、以下の式(7)により算出される。
【0070】
θ=θz+90° ・・・式(7)
【0071】
θy2−θy1=0であり、0°>θx2−θx1>−180°のときは、以下の式(8)により算出される。
【0072】
θ=θz−90° ・・・式(8)
【0073】
そして、上記以外のときは、以下の式(9)により算出される。
【0074】
θ=atan(sin(θx2−θx1)/tan(θy2−θy1))+θz
・・・(9)
【0075】
なお、上記方位角θの絶対値が180を超える場合は、その絶対値が180以下となるまで360を減産するものとする。
【0076】
そして、λをcosθycosθx、μをsinθycosθx、かつνをsinθyとすると、角距離dは、以下の式(10)により算出される。
【0077】
d=cos-1(λ1λ2+μ1μ2+ν1ν2) ・・・(10)
【0078】
図1の中央制御部100の説明に戻り、上述のようにしてガイド情報算出部103がガイド情報を算出すると、画像処理部203は液晶モニタ305に表示する、ユーザが撮像装置1の撮像姿勢を元の撮像姿勢に戻すためのガイド画像を生成し、撮像データに重畳して表示する。
【0079】
方位角θ及び角距離dからなるガイド情報が液晶モニタ305に表示されることで、ユーザは視野の狭い液晶モニタ305に表示された画像を視認しながらでも、そのガイド画像を参照することで容易に撮像装置1を元の撮像姿勢に戻す方向と、そのためのパンやチルトの大きさを把握することができる。
【0080】
判定部104は、ズームレンズ111のズーミングによる焦点距離に基づき、ガイド情報算出部103が算出するガイド情報を、各ジャイロセンサが出力した角速度による撮像姿勢情報から算出するか、動きベクトル算出部101が算出した撮像データ自体の動きベクトルから算出した角速度による撮像姿勢情報から算出するかの判定を行う。
【0081】
撮像の際の焦点距離が長い場合には振動ジャイロ素子の分解能が不足することで、正しいガイド情報を生成することができない場合がある。したがって、撮像姿勢の変更時の焦点距離の判定に応じて、各ジャイロセンサが出力した角速度による撮像姿勢情報から算出されたガイド情報と、動きベクトル算出部101が算出した撮像データ自体の動きベクトルから算出した角速度による撮像姿勢情報から算出されたガイド情報とを切り換えることで、ユーザは容易かつ正確に撮像姿勢を戻すことができる。
【0082】
以上のように、撮像装置1によれば、ユーザが撮像装置を変更前の元の撮像姿勢に戻すために表示するガイド画像を生成する際に、撮像の焦点距離に応じて3軸のジャイロセンサの出力結果又は動きベクトルの算出結果の何れかを切り換えて使用することで、手持ち撮像を行う場合等の3軸方向の動きが生じる場合であっても、ユーザが容易かつ正確に撮像姿勢を戻すことができる。
【0083】
また、撮像装置1によれば、ユーザが撮像装置を変更前の元の撮像姿勢に戻すために表示するガイド画像を生成する際に、撮像の焦点距離に応じて3軸のジャイロセンサの出力結果又は動きベクトルの算出結果の何れかを切り換えて使用することで、分解能の低い低コストで小型なジャイロセンサでも、ユーザが容易かつ正確に撮像姿勢を戻すことができる。
【0084】
次に図6を参照して、撮像装置1が、ユーザが撮像姿勢を元に戻すためのガイド情報を生成し表示する処理(方法)について以下に説明する。図6は、撮像装置1が、ユーザが撮像姿勢を元に戻すためのガイド情報を生成し表示する処理のフローチャートである。
【0085】
ユーザが操作部307の図示しない録画ボタンを押下すると、撮像装置1は被写体の撮像を開始する(ステップS101)。図7は撮像装置1による撮像の様子を模式的に表した図である。図7では、ユーザが被写体70のほうに撮像装置1を向けて、被写体70を撮像している。
【0086】
図8にこのときの液晶モニタ305の模式図を示す。撮像装置1は被写体70の方に向けられているため、撮像画像を表示する液晶モニタ305には被写体70の被写体画像OG70が表示されている。
【0087】
そして、ユーザが操作部307の図示しない操作ボタンを押下すると、そのときの撮像装置1の撮像姿勢が戻すべき初期撮像姿勢としてメインメモリ201に記憶される(ステップS102)。
【0088】
そして、ユーザがパンやチルトにより撮像装置1の撮像姿勢を変更すると(ステップS103でYES)、撮像部110を介してステップS101とは別の被写体が撮像される(ステップS104)。図9にこのときのこのときの液晶モニタ305の模式図を示す。撮像装置1の撮像姿勢が変更され、液晶モニタ305には被写体70とは別の被写体の被写体画像が表示されることになる。
【0089】
ステップS104で別の被写体が撮像され、ユーザが操作部307の図示しない操作ボタンを押下し、撮像装置1の撮像姿勢をステップS102で記憶した初期撮像姿勢に戻すためのガイド画像を要求すると(ステップS105でYES)、判定部104がステップS103における撮像姿勢変更時のズームレンズ111のズーミングによる焦点距離が所定の閾値以上か否かを判定する(ステップS106)。
【0090】
判定部104がズームレンズ111のズーミングによる焦点距離が所定の閾値以上である旨の判定をすると(ステップS106でYES)、撮像姿勢情報算出部102は、動きベクトル算出部101が算出した撮像データ自体の動きベクトルから、ユーザが行ったパンやチルトによる撮像装置1の撮像姿勢の変位量を撮像姿勢情報として算出する(ステップS107)。
【0091】
この撮像データ自体の動きベクトルに基づく、撮像姿勢情報の算出は、上述の通り行われる。すなわち、式(1)及び式(2)、並びに撮像部110の光軸ALと一致する撮像データ内の点を中心にとした動きベクトルの両端の間の角度の変化から、動きベクトル算出部101が算出した撮像データ自体の動きベクトルが水平方向の角速度ωx、垂直方向の角速度ωy、及び傾き方向の角速度ωzの3つの回転の角速度に換算される。
【0092】
そして、上述の式(3)、式(4)、及び式(5)により、水平方向の角速度ωx、垂直方向の角速度ωy、及び傾き方向の角速度ωzから、水平方向の回転角θx、垂直方向の回転角θy、及び傾き方向の回転角θzが撮像姿勢情報としてそれぞれ算出される。
【0093】
判定部104がズームレンズ111のズーミングによる焦点距離が所定の閾値未満である旨の判定をすると(ステップS106でNO)、撮像姿勢情報算出部102は、X軸ジャイロセンサ401、Y軸ジャイロセンサ402、及びZ軸ジャイロセンサ403の3つのジャイロセンサが検出した角速度から、ユーザが行ったパンやチルトによる撮像装置1の撮像姿勢の変位を撮像姿勢情報として算出する(ステップS108)。
【0094】
ここで、各ジャイロセンサから出力された水平方向の角速度ωx、垂直方向の角速度ωy、及び傾き方向の角速度ωzから、水平方向の回転角θx、垂直方向の回転角θy、及び傾き方向の回転角θzが、上述の式(3)、式(4)、及び式(5)に基づき、撮像姿勢情報としてそれぞれ算出される。
【0095】
ステップS107で撮像データ自体の動きベクトルから、又はステップS108で各ジャイロセンサが検出した角速度から撮像姿勢情報が算出されると、ガイド情報算出部103は、液晶モニタ305に表示するガイド画像を生成するための、ユーザが撮像装置1を変更前の撮像姿勢に戻すための方位角θと角距離dとからなるガイド情報を算出する。
【0096】
このガイド情報は上述した式(6)、式(7)、式(8)、又は式(9)により算出される。
【0097】
ステップS109でガイド情報が算出されると、画像処理部203がそのガイド情報に基づきガイド画像を生成し、オリジナルの撮像画像に重畳して液晶モニタ305に表示する。このガイド画像の表示について図10及び図11を参照して説明する。
【0098】
図11は、液晶モニタ305に表示するガイド画像の表示の例について説明するための図である。撮像装置の水平方向(図11では線分L01で示す)から方位角θの角度を有し、戻すべき方向を矢印で示した、各距離dに比例する長さを有するガイド画像が画像処理部203に生成され、液晶モニタ305に表示されている。
【0099】
そして、図12に示すように、このガイド画像GG01が、ステップS105でユーザがガイド情報を要求した、撮像装置1の撮像姿勢を戻す前のオリジナルの撮像データに重畳されて表示される。
【0100】
そして、ステップS103でユーザが撮像装置1の撮像姿勢を変更しなかった場合(ステップS103でNO)、ステップS105でユーザがガイド情報を要求しなかった場合(ステップS105でNO)、又はステップS110でガイド画像が生成され表示されると、本処理は終了する。
【0101】
以上のように、撮像装置1のユーザが撮像姿勢を元に戻すためのガイド情報を生成し表示する処理によれば、ユーザが撮像装置を変更前の元の撮像姿勢に戻すために表示するガイド画像を生成する際に、撮像の焦点距離に応じて3軸のジャイロセンサの出力結果又は動きベクトルの算出結果の何れかを切り換えて使用することで、手持ち撮像を行う場合等の3軸方向の動きが生じる場合であっても、ユーザが容易かつ正確に撮像姿勢を戻すことができる。
【0102】
また、撮像装置1のユーザが撮像姿勢を元に戻すためのガイド情報を生成し表示する処理によれば、ユーザが撮像装置を変更前の元の撮像姿勢に戻すために表示するガイド画像を生成する際に、撮像の焦点距離に応じて3軸のジャイロセンサの出力結果又は動きベクトルの算出結果の何れかを切り換えて使用することで、分解能の低い低コストで小型なジャイロセンサでも、ユーザが容易かつ正確に撮像姿勢を戻すことができる。
【符号の説明】
【0103】
100 中央制御部
101 動きベクトル算出部
102 撮像姿勢情報算出部
103 ガイド情報算出部
104 判定部
110 撮像部
111 ズームレンズ
112 絞り
113 フォーカスレンズ
114 撮像素子
201 メインメモリ
203 画像処理部
204 VRAM
304 入出力I/F
305 液晶モニタ
306 スピーカ
307 操作部
308 入出力端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像し撮像画像を取得する撮像部及び焦点距離を調整して前記撮像部による撮像の倍率を調整する撮像倍率調整部を備えた撮像装置であって、
前記撮像装置の水平方向、垂直方向、及び傾き方向の回転の角速度を検出するセンサ部と、
前記撮像部が取得した撮像画像の動きベクトルを算出する動きベクトル算出部と、
前記センサ部が検出した前記角速度又は前記動きベクトル算出部が算出した動きベクトルから、前記撮像装置の第一の撮像姿勢と第二の撮像姿勢との間の変位量を撮像姿勢情報として算出する撮像姿勢情報算出部と、
前記撮像姿勢情報算出部が算出した前記撮像姿勢情報から、ユーザが前記撮像装置を前記第二の撮像姿勢から前記第一の撮像姿勢に戻すためのガイド情報を算出するガイド情報算出部と、
前記ガイド情報算出部が算出したガイド情報から生成されたガイド画像を表示する表示部とを備え、
前記撮像姿勢情報算出部は、前記第一の撮像姿勢から前記第二の撮像姿勢に変位する際に前記撮像倍率調整部によって調整された前記焦点距離が、所定の値未満のときは前記センサ部が検出した前記角速度から前記撮像姿勢情報を算出し、前記所定の値以上のときはベクトル算出部が算出した動きベクトルから前記撮像姿勢情報を算出することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記ガイド情報算出部が算出する前記ガイド情報は、前記第一の撮像姿勢と前記第二の撮像姿勢との間の方位角及び角距離を含むことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
撮像装置の備えるセンサ部にその撮像装置の水平方向、垂直方向、及び傾き方向の回転の角速度を検出させ、
前記撮像装置が撮像した撮像画像の動きベクトルを算出させ、
前記センサ部に検出させた前記角速度及び前記動きベクトルのそれぞれから、前記撮像装置の第一の撮像姿勢と第二の撮像姿勢との間の変位量を撮像姿勢情報として算出させ、
前記撮像姿勢情報からユーザが前記撮像装置を前記第二の撮像姿勢から前記第一の撮像姿勢に戻すためのガイド情報を算出させ、
前記ガイド情報に基づいてガイド画像を生成し前記撮像装置の備える表示部に表示させる処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記第一の撮像姿勢から前記第二の撮像姿勢に変位する際の前記撮像装置の撮像の焦点距離が所定の値未満のときは前記センサ部に検出させた前記角速度から前記撮像姿勢情報を算出させ、前記所定の値以上のときは前記動きベクトルから前記撮像姿勢情報を算出させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
被写体を撮像し撮像画像を取得する撮像部及び焦点距離を調整して前記撮像部による撮像の倍率を調整する撮像倍率調整部を備えた撮像装置であって、
前記撮像装置の水平方向、垂直方向、及び傾き方向の回転の角速度を検出するセンサ部と、
前記撮像部が取得した撮像画像の動きベクトルを算出する動きベクトル算出部と、
前記センサ部が検出した前記角速度又は前記動きベクトル算出部が算出した動きベクトルから、前記撮像装置の第一の撮像姿勢と第二の撮像姿勢との間の変位量を撮像姿勢情報として算出する撮像姿勢情報算出部と、
前記撮像姿勢情報算出部が算出した前記撮像姿勢情報から、ユーザが前記撮像装置を前記第二の撮像姿勢から前記第一の撮像姿勢に戻すためのガイド情報を算出するガイド情報算出部と、
前記ガイド情報算出部が算出したガイド情報から生成されたガイド画像を表示する表示部とを備え、
前記撮像姿勢情報算出部は、前記第一の撮像姿勢から前記第二の撮像姿勢に変位する際に前記撮像倍率調整部によって調整された前記焦点距離が、所定の値未満のときは前記センサ部が検出した前記角速度から前記撮像姿勢情報を算出し、前記所定の値以上のときはベクトル算出部が算出した動きベクトルから前記撮像姿勢情報を算出することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記ガイド情報算出部が算出する前記ガイド情報は、前記第一の撮像姿勢と前記第二の撮像姿勢との間の方位角及び角距離を含むことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
撮像装置の備えるセンサ部にその撮像装置の水平方向、垂直方向、及び傾き方向の回転の角速度を検出させ、
前記撮像装置が撮像した撮像画像の動きベクトルを算出させ、
前記センサ部に検出させた前記角速度及び前記動きベクトルのそれぞれから、前記撮像装置の第一の撮像姿勢と第二の撮像姿勢との間の変位量を撮像姿勢情報として算出させ、
前記撮像姿勢情報からユーザが前記撮像装置を前記第二の撮像姿勢から前記第一の撮像姿勢に戻すためのガイド情報を算出させ、
前記ガイド情報に基づいてガイド画像を生成し前記撮像装置の備える表示部に表示させる処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記第一の撮像姿勢から前記第二の撮像姿勢に変位する際の前記撮像装置の撮像の焦点距離が所定の値未満のときは前記センサ部に検出させた前記角速度から前記撮像姿勢情報を算出させ、前記所定の値以上のときは前記動きベクトルから前記撮像姿勢情報を算出させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−253451(P2012−253451A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122666(P2011−122666)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】
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