撮像装置及び制御方法
【課題】電子ファインダー使用時、画像の拡大倍率が大きい場合でも顔を安定して検出する。
【解決手段】撮像素子から、第1または第2の読み出し方法により画像データを読み出し、第1の読み出し方法で読み出した画像データに顔検出処理を行い、第1または第2の読み出し方法で読み出した画像データに基づいて、予め定めたフレームレートで画像を表示または拡大表示させる第1または第2の表示処理を行う。第1の表示処理及び顔検出処理が実施されている場合には、第2の表示処理への変更を禁止し、顔検出処理が実施されていない場合には、第2の表示処理への変更を禁止しないように制御する。第1の読み出し方法で読み出した画像データは、第2の読み出し方法で読み出した画像データより間引かれた画像データであって、第2の読み出し方法は、第1の読み出し方法で画像データを読み出す前記撮像素子の領域の一部の領域から、画像データを読み出す。
【解決手段】撮像素子から、第1または第2の読み出し方法により画像データを読み出し、第1の読み出し方法で読み出した画像データに顔検出処理を行い、第1または第2の読み出し方法で読み出した画像データに基づいて、予め定めたフレームレートで画像を表示または拡大表示させる第1または第2の表示処理を行う。第1の表示処理及び顔検出処理が実施されている場合には、第2の表示処理への変更を禁止し、顔検出処理が実施されていない場合には、第2の表示処理への変更を禁止しないように制御する。第1の読み出し方法で読み出した画像データは、第2の読み出し方法で読み出した画像データより間引かれた画像データであって、第2の読み出し方法は、第1の読み出し方法で画像データを読み出す前記撮像素子の領域の一部の領域から、画像データを読み出す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人物を含む被写体を撮影する際に、人物を認識し、その人物に対して適切な撮影を行うための撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、撮影機材のデジタル化が進んでいる。撮影レンズで結像された被写体像をCMOSセンサやCCDセンサなどの撮像素子で受光し、光電変換して得られた画像信号にアナログ/デジタル変換を行って、デジタル信号として記録媒体に保存する撮像装置が一般的となっている。
【0003】
また、撮影時に、デジタル信号化された画像データを、撮像装置背面に設けられた液晶ディスプレイなどの表示装置にリアルタイムに順次表示する、電子ファインダー(EVF)が一般的に用いられている。以下、電子ファインダーに表示される画像をライブビュー画像と呼ぶ。
【0004】
さらに、この画像データから、被写体の中から顔を検出して、検出された顔に対して、自動焦点(AF)動作を行ったり、露出制御を行ったりするものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
一方、撮影時に被写体に対してマニュアルでピント合わせを行う際に画像の中心部分を拡大するものや、AF合焦後に、AF制御に用いた画像領域を拡大表示するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
ここで、表示装置にライブビュー画像を表示する際の動作に関して説明する。
【0007】
昨今の撮像素子では、画素数が10メガピクセル以上のものが用いられている。一方、ライブビュー画像の更新レートは通常30フレーム/秒程度が用いられているので、例えば、画素数が10メガピクセルの撮像素子を30フレーム/秒で読むためには300メガピクセル/秒という読み出し速度で画像データを読み出す必要がある。この読み出し速度は、読み出しデータ線を複数設けて、並列読み出し処理をしたとしても、現状の技術では達成することが難しいので、通常は水平、垂直方向それぞれの画素を間引きながら、ライブビュー画像を読み出している。つまり、ライブビュー画像として、低解像度の画像を読み出すのであるが、撮像装置に装備されている表示装置は表示サイズも小さく、表示画素数も数十万画素程度であるので、フレーム全体を観察する上で問題は生じていない。
【0008】
しかしながら、ピント確認のために拡大表示を行った場合、間引き読み出しを行っていると、色モアレが見えたり、画像解像度が低下してしまうが、通常の液晶ディスプレイでは拡大時の画像品位が悪化するのを許容して拡大表示を行っている。
【0009】
一方、CMOS型の撮像素子は、撮像素子の受光面の有効領域の内、任意領域のみを読み出すことが可能である。従って、拡大時には、拡大する領域近傍の画像信号のみを読み出すことで、30フレーム/秒という読み出しレートを保ったまま、間引きを行わずに、撮像素子からの画像情報を読み出すことができる。そのため、拡大時も品位の良いライブビュー画像を表示することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平05−196858号公報
【特許文献2】特開2005−102175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献2で示されている発明に従って、ピントを合わせる部分を拡大表示してしまうと、たとえば人物を撮影する様な場合に、多くの場合は、顔の一部しか画面に表示されなくなってしまう。この様な拡大画像は、人が観察するには問題ないが、画像処理装置で人物の目、鼻、口などの特徴を総合して顔を自動検出する場合、拡大される事でこれらの個別な特徴が欠けてしまうため、人物検出が困難になってしまう。
【0012】
特に、前述したCMOS型の撮像素子の様に、拡大表示時に表示する画像信号だけを撮像素子から部分読み出する場合には、表示装置に表示されない画像信号は読み出されない。そのため、画面から被写体の顔がはみ出している様な場合は、顔を検出することができなくなってしまう。
【0013】
さらに、CCDセンサから得られた画像であっても、拡大率が大きい場合は、手ぶれの影響で拡大視野内に人物が出入りしてしまうことがあり、人物検出が困難になってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、本発明の撮像装置は、入射光を電気信号に変換して画像データを出力する撮像素子と、前記撮像素子から第1の読み出し方法と第2の読み出し方法のいずれかにより画像データを読み出す読み出し手段と、前記第1の読み出し方法で読み出した画像データから、人の顔を示す領域を検出する顔検出処理を行う顔検出手段と、前記第1の読み出し方法で読み出した画像データに基づいて、予め定めたフレームレートで表示手段に画像を表示させる第1の表示処理と、前記第2の読み出し方法で読み出した画像データに基づいて、前記予め定めたフレームレートで前記表示手段に画像を拡大表示させる第2の表示処理とを行う表示処理手段と、前記表示処理手段による前記第1の表示処理、および、前記顔検出手段による前記顔検出処理が実施されている場合には、前記表示処理手段による前記第2の表示処理への変更を禁止し、前記顔検出処理が実施されていない場合には、前記表示処理手段による前記第2の表示処理への変更を禁止しないように制御する制御手段とを有し、前記第1の読み出し方法で読み出した画像データは、前記第2の読み出し方法で読み出した画像データに比べて、より間引かれた画像データであって、前記第2の読み出し方法は、前記第1の読み出し方法で画像データを読み出す前記撮像素子の領域の一部の領域から、画像データを読み出すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
ライブビュー表示時に、顔検出処理と画像の拡大表示処理と顔検出処理とをユーザの指示に基づいて排他的に制御することにより、顔検出処理の検出率を下げることなく、ユーザの意図に応じた拡大表示処理と顔検出処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態における撮像システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における主ルーチンの一部を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態における主ルーチンの一部を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態に係る、EVFモード時の撮像素子の蓄積及び読み出しを説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る、EVFモード時の撮像素子の蓄積及び読み出しを説明するための図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る、顔検出モード設定ボタンが操作された場合の変更処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る、拡大表示設定ボタンが操作された場合の変更処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態に係る、測光処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態に係る、検出された顔の位置を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る、撮像素子の撮像データをブロックに分割した場合の各ブロックの輝度情報の一例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る、輝度情報ブロックの重みづけテーブルの一例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る、測光処理を説明するための図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る、焦点調節処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態に係る、焦点調節領域の配列を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る、撮像処理を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第2の実施形態に係る、顔検出モード設定ボタンが操作された場合の変更処理を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第2の実施形態に係る、拡大表示設定ボタンが操作された場合の変更処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
【0018】
●装置構成
図1は、本発明の実施の形態における撮像システムの構成を示すブロック図である。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態の撮像システムは、主にカメラ本体100と、交換レンズタイプのレンズユニット200、フラッシュ400により構成されており、フラッシュ400に発光させながら撮像可能である。フラッシュ400は、カメラ本体100にホットシュー450を介して、電気的にはコネクタ451によりに接続される。なお、フラッシュ400は本体と一体化された構成であっても構わない。
【0020】
まず、カメラ本体100の構成について説明する。
【0021】
同図において、1は主ミラーであり、ファインダー観察状態では撮影光路内に斜設され、撮影状態では撮影光路外に退避する。また、主ミラー1はハーフミラーとなっており、撮影光路内に斜設されているときは、後述する焦点検出部8へ被写体からの光線の約半分を透過させる。
【0022】
2は、ファインダー光学系を構成する、後述のフォーカスレンズ201の予定結像面に配置されたピント板、3はサブミラーであり、主ミラー1と共に、ファインダー観察状態では撮影光路内に斜設され、撮影状態では撮影光路外に退避する。このサブミラー3は、斜設された主ミラー1を透過した光線を下方に折り曲げて、後述する焦点検出部8の方に導くものである。
【0023】
4はファインダー光路変更用のペンタプリズムである。5はアイピースであり、撮影者はアイピース5からピント板2を観察することで、撮影画面を確認することができる。この状態を光学ファインダーモード(OVFモード)と称す。6と7はファインダー観察画面内の被写体輝度を測定するための結像レンズと、測光手段の一例である測光センサであり、内部に公知の対数圧縮回路を有し、その出力は対数圧縮されたものとなる。
【0024】
8は公知のいわゆる位相差検出法によってレンズユニット200の焦点調節状態を検出する焦点検出部である。
【0025】
9はフォーカルプレンシャッター、14は、入射光を電気信号に変換して画像データを出力する撮像手段の一例である、CMOSセンサ等の撮像素子である。
【0026】
16は、撮像素子14から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器である。18は撮像素子14、A/D変換器16、D/A変換器26にそれぞれクロック信号や制御信号を供給するタイミング発生回路であり、メモリ制御回路22及びシステムコントローラ50により制御される。タイミング発生回路18からの信号に基づいて、撮像素子14内に含まれる駆動回路(不図示)により、撮像素子14からの信号読み出し(部分読み出し、間引き読み出しなど)を制御することができる。
【0027】
20は画像処理回路であり、A/D変換器16からのデータ或いはメモリ制御回路22からのデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理、輝度レベルの変換処理を行う。また、画像処理回路20は、A/D変換器16から出力される画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のオートホワイトバランス(AWB)処理も行っている。さらに、画像処理回路20は、A/D変換器16からのデータ或いはメモリ制御回路22からのデータの中から、目及び口のエッジの特徴を抽出し、人の顔を検出する顔検出処理も行う。即ち、画像処理回路20は顔検出手段の機能を有する。
【0028】
22はメモリ制御回路であり、A/D変換器16、タイミング発生回路18、画像処理回路20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30、圧縮・伸長回路32を制御する。A/D変換器16から出力される画像データは、画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、或いはメモリ制御回路22のみを介して、画像表示メモリ24或いはメモリ30に書き込まれる。
【0029】
24は画像表示メモリ、26はD/A変換器、28はTFT方式のLCD等から成る画像表示部であり、画像表示メモリ24に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器26を介して画像表示部28により表示される。主ミラー1およびサブミラー3をアップし、シャッター9を開いた状態で、画像表示部28を用いて、撮像した画像データを逐次表示することで、電子ファインダー機能(EVF)を実現することができる。以下、この状態を電子ファインダーモード(EVFモード)と称す。
【0030】
30は撮影した静止画像や動画像を格納するためのメモリであり、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶容量を備えている。これにより、複数枚の静止画像を連続して撮影する連写撮影やパノラマ撮影の場合にも、高速かつ大量の画像書き込みをメモリ30に対して行うことが可能となる。また、メモリ30はシステムコントローラ50の作業領域としても使用することが可能である。
【0031】
32は適応離散コサイン変換(ADCT)等、公知の圧縮方法を用いて画像データを圧縮・伸長する圧縮・伸長回路である。圧縮・伸長回路32は、メモリ30に格納された画像を読み込んで圧縮処理或いは伸長処理を行い、処理を終えたデータを再びメモリ30に書き込む。
【0032】
40はフォーカルプレンシャッター9を制御するシャッター制御部であり、測光センサ7からの測光情報に基づいて絞り204を制御する絞り制御部205と連携しながらシャッター9を制御する。41は主ミラー1をアップ、ダウンさせるためのモータと駆動回路からなるミラー制御部である。
【0033】
50はカメラ本体100全体を制御するシステムコントローラであり、周知のCPUなどを内蔵する。52はシステムコントローラ50の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶するメモリである。
【0034】
54はシステムコントローラ50でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声などを用いて動作状態やメッセージなどを外部に通知するための通知部である。通知部54としては、例えばLCDやLEDなどによる視覚的な表示を行う表示部や音声による通知を行う発音素子などが用いられるが、これらのうち1つ以上の組み合わせにより構成される。特に、表示部の場合には、カメラ本体100の操作部70近辺の、視認しやすい、単数あるいは複数箇所に設置されている。また、通知部54は、その一部の機能がピント板2の下部に設置されている。
【0035】
通知部54の表示内容の内、LCDなどに表示するものとしては以下のものがある。まず、単写/連写撮影表示、セルフタイマー表示等、撮影モードに関する表示がある。また、圧縮率表示、記録画素数表示、記録枚数表示、残撮影可能枚数表示等の記録に関する表示がある。また、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示、フラッシュ表示、赤目緩和表示等の撮影条件に関する表示がある。その他に、マクロ撮影表示、ブザー設定表示、時計用電池残量表示、電池残量表示、エラー表示、複数桁の数字による情報表示、記録媒体120の着脱状態表示がある。更に、レンズユニット200の着脱状態表示、通信I/F動作表示、日付・時刻表示、外部コンピュータとの接続状態を示す表示等を行うこともできる。
【0036】
また、通知部54の表示内容のうち、ピント板2の下部に表示するものとしては、例えば、以下のものがある。合焦表示、撮影準備完了表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、フラッシュ充電完了表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示、記録媒体書き込み動作表示等である。
【0037】
さらに、通知部54の表示内容のうち、LED等により表示するものとしては、例えば、以下のものがある。合焦表示、撮影準備完了表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、フラッシュ充電完了表示、記録媒体書き込み動作表示、マクロ撮影設定通知表示、二次電池充電表示等である。
【0038】
また、通知部54の表示内容のうち、ランプ等に表示するものとしては、例えば、セルフタイマー通知ランプ等がある。このセルフタイマー通知ランプはAF補助光と共用してもよい。
【0039】
56は後述するプログラムなどが格納された電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。
【0040】
60、62、64、66、68及び70は、システムコントローラ50の各種の動作指示を入力するための操作手段であり、スイッチやダイアル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置等の単数或いは複数の組み合わせで構成される。
【0041】
ここで、これらの操作手段の具体的な説明を行う。
【0042】
60はモードダイアルスイッチで、電源オフ、撮影モード(静止画撮影モード、動画撮影モード)、再生モード、消去モード、PC接続モード等の各機能モードを切り替え設定することができる。
【0043】
62はシャッタースイッチSW1で、不図示のシャッターボタンの操作途中(例えば半押し)でONとなり、オートフォーカス(AF)処理、自動露出(AE)処理等の動作開始を指示する。
【0044】
64はシャッタースイッチSW2で、不図示のシャッターボタンの操作完了(例えば全押し)でONとなり、露光処理、現像処理、及び記録処理からなる一連の処理の動作開始を指示する。まず、露光処理では、撮像素子14から読み出した信号をA/D変換器16、メモリ制御回路22を介して画像データをメモリ30に書き込み、更に、画像処理回路20やメモリ制御回路22での演算を用いた現像処理が行われる。更に、記録処理では、メモリ30から画像データを読み出し、圧縮・伸長回路32で圧縮を行い、記録媒体120に画像データを書き込む。
【0045】
66はファインダーモード設定スイッチで、撮影時にOVFモードと、EVFモードのいずれかを選択する。EVFモードを設定した場合は、主ミラー1およびサブミラー3が撮影光路から退避し、シャッター9が開かれ、撮像素子14で撮像された画像は逐次、画像表示部28に表示される。
【0046】
68はクイックレビューON/OFFスイッチで、撮影直後に撮影した画像データを所定時間自動再生する、所謂「クイックレビュー」機能のON/OFFを設定する。なお、本実施の形態では、特に、画像表示部28をONとした場合におけるクイックレビュー機能の設定をする機能を備えるものとする。
【0047】
70は各種ボタンやタッチパネルなどから成る操作部である。一例として、メニューボタン、セットボタン、マクロボタン、単写/連写/セルフタイマー切り換えボタン、メニュー移動+(プラス)ボタン、メニュー移動‐(マイナス)ボタンを含む。更に、再生画像移動+(プラス)ボタン、再生画像移動‐(マイナス)ボタン、撮影画質選択ボタン、露出補正ボタン、日付/時間設定ボタン、顔検出モード設定ボタン、拡大表示設定ボタンなども含む。なお、上記プラスボタン及びマイナスボタンの各機能は、回転ダイアルスイッチを備えることによって、より軽快に数値や機能を選択することが可能となる。
【0048】
80は電源制御部で、電池検出回路、DC‐DCコンバータ、通電するブロックを切り換えるスイッチ回路等により構成されている。電源制御部80は、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行い、検出結果及びシステムコントローラ50の指示に基づいてDC‐DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体を含む各部へ供給する。
【0049】
82、84はコネクタ、86はアルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li‐ion電池、Liポリマー電池等の二次電池、ACアダプター等からなる電源部である。
【0050】
90はメモリカードやハードディスク等の記録媒体とのインタフェース、92はメモリカードやハードディスク等の記録媒体と接続を行うコネクタである。98はコネクタ92に記録媒体120が装着されているか否かを検知する記録媒体着脱検知回路である。
【0051】
なお、本実施の形態では記録媒体を取り付けるインタフェース及びコネクタを1系統持つものとして説明しているが、記録媒体を取り付けるインタフェース及びコネクタは、単数或いは複数、いずれの系統数を備える構成としても構わない。また、異なる規格のインタフェース及びコネクタを組み合わせて備える構成としても構わない。
【0052】
インタフェース及びコネクタとしては、種々の記憶媒体の規格に準拠したものを用いて構成することが可能である。例えば、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)カードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード、SDカード等である。インタフェース90及び94、そしてコネクタ92及び96をPCMCIAカードやCF(登録商標)カード等の規格に準拠したものを用いて構成した場合、各種通信カードを接続することができる。通信カードとしては、LANカードやモデムカード、USB(Universal Serial Bus)カード、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394カードがある。他にも、P1284カード、SCSI(Small Computer System Interface)カード、PHS等がある。これら各種通信カードを接続することにより、他のコンピュータやプリンタ等の周辺機器との間で画像データや画像データに付属した管理情報を転送し合うことができる。
【0053】
72は通信部で、RS232CやUSB、IEEE1394、P1284、SCSI、モデム、LAN、無線通信、等の各種通信機能を有する。73は通信部72によりカメラ本体100を他の機器と接続するコネクタ或いは無線通信の場合はアンテナである。
【0054】
120はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。この記録媒体120は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部122、カメラ本体100とのインタフェース124、カメラ本体100と接続を行うコネクタ126を備えている。
【0055】
記録媒体120としては、PCMCIAカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)等のメモリカード、ハードディスク等を用いることができる。また、マイクロDAT、光磁気ディスク、CD‐RやCD‐WR等の光ディスク、DVD等の相変化型光ディスク等で構成されていても勿論構わない。
【0056】
399は後述のレンズユニット200とカメラ本体100のシステムコントローラ50との通信を行う通信線群であり、499は後述の外付けフラッシュ400とカメラ本体100のシステムコントローラ50との通信を行う通信線群である。
【0057】
次に、レンズユニット200の構成について説明する。
【0058】
201は被写体像を撮像素子14に結像し、焦点調整を行う為のフォーカスレンズ、202はフォーカスレンズ201を光軸方向に駆動して、ピントを合わせるためのフォーカス駆動アクチュエータである。211はレンズ制御マイコン206からの指令に基づき、フォーカス駆動アクチュエータ202を制御するフォーカス制御部である。
【0059】
203はフォーカスレンズ201の位置から被写体距離を検出する為のエンコーダからなる距離検出部、204は撮影時の光量を調整する為の絞り、250は絞り駆動アクチュエータである。205はレンズ制御マイコン206からの指令に基づき、絞り駆動アクチュエータ250を制御する絞り制御部である。
【0060】
207は変倍のための焦点距離調整を行うためのズーミングレンズ、208はズーミングレンズ207を光軸方向に駆動して、焦点距離調節を行うためのズーム駆動アクチュエータである。212はズーム駆動アクチュエータ208を制御するズーム制御部である。
【0061】
206は前述のフォーカス駆動や絞り駆動などを制御するとともに、カメラ本体100側のシステムコントローラ50と通信を制御するレンズ制御マイコンである。
【0062】
レンズユニット200はレンズマウント209を介して、着脱可能にカメラ本体100に装着され、電気的にはシリアル通信線と電源からなるコネクタ210でカメラ本体100に接続される。
【0063】
なお、上記説明では、レンズ交換式の一眼レフタイプのデジタルカメラであるものとして説明したが、レンズや鏡筒が本体と一体化された、いわゆるデジタルコンパクトカメラなどであってもよい。
【0064】
<第1の実施形態>
●全体動作
次に、図2及び図3を参照して、上記構成を有する撮像装置における第1の実施懈怠における撮影時の動作について説明する。
【0065】
図2及び図3は本第1の実施形態におけるカメラ本体100の撮影時の主ルーチンのフローチャートである。同図を用いてシステムコントローラ50の動作を以下に説明する。
【0066】
図2において、電池交換等の電源投入により、システムコントローラ50はフラグや制御変数等を初期化する(ステップS101)。
【0067】
次にステップS102でシステムコントローラ50は、モードダイアル60の設定位置を判断する。モードダイアル60が電源OFFに設定されていたならば、システムコントローラ50は、各表示部の表示を終了状態に変更し、フラグや制御変数等を含む必要なパラメータや設定値、設定モードを不揮発性メモリ56に記録する。更に、システムコントローラ50は、電源制御部80により画像表示部28を含むカメラ本体100各部の不要な電源を遮断する等の所定の終了処理を行った後(ステップS103)、ステップS102に戻る。
【0068】
また、ステップS102でモードダイアル60が撮影モードに設定されていたならば、ステップS105に進む。
【0069】
また、ステップS102でモードダイアル60がその他のモードに設定されていたならば、システムコントローラ50は選択されたモードに応じた処理を実行し(ステップS104)、処理を終えたならばステップS102に戻る。
【0070】
ステップS105において、システムコントローラ50は、電源制御部80により電池等により構成される電源86の残容量や動作情況がカメラ本体100の動作に問題があるか否かを判断する。問題があるならば(ステップS105でNO)通知部54を用いて画像や音声により所定の警告を行った後に(ステップS107)、ステップS102に戻る。
【0071】
一方、電源86に問題が無いならば(ステップS105でYES)、システムコントローラ50は記録媒体120の動作状態がカメラ本体100の動作、特に記録媒体120に対する画像データの記録再生動作に問題があるか否かを判断する(ステップS106)。問題があるならば(ステップS106でNO)通知部54を用いて画像や音声により所定の警告を行った後に(ステップS107)、ステップS102に戻る。
【0072】
記録媒体120の動作状態に問題が無いならば(ステップS106でYES)、通知部54を用いて画像や音声によりカメラ本体100の各種設定状態の告知を行う(ステップS108)。
【0073】
次に、システムコントローラ50は、クイックレビューON/OFFスイッチ68の設定状態を調べる(ステップS109)。クイックレビューONに設定されていたならばクイックレビューフラグを設定し(ステップS110)、クイックレビューOFFに設定されていたならばクイックレビューフラグを解除する(ステップS111)。なお、クイックレビューフラグの状態は、システムコントローラ50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶する。
【0074】
続いて、システムコントローラ50は、ファインダーモード設定スイッチ66の設定状態を調べる(ステップS112)。EVFモードに設定されていたならば、EVFフラグを設定すると共に(ステップS113)、EVFを開始する(ステップS114)。このときにEVFモードでなかった場合、すなわち主ミラー1及びサブミラー3がダウンし、シャッター9が閉じている場合には、ミラー制御部41を介して主ミラー1及びサブミラー3をアップ駆動する。更に、シャッター制御部40を制御してシャッター9を開き、撮像素子14にレンズユニット200を介して入射する被写体像を結像し、画像表示部28の画像表示をON状態に設定する。更に、撮像した画像データを逐次表示するライブビュー表示状態に設定して(ステップS115)、図3のステップS120に進む。なお、ライブビュー表示状態においては、撮像素子14、A/D変換器16、画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、画像表示メモリ24に逐次書き込まれたデータを、メモリ制御回路22、D/A変換器26を介して画像表示部28により逐次表示する。このようにして、EVF機能を実現している。
【0075】
一方、ステップS112において、ファインダーモード設定スイッチ66がOVFモードに設定されていた場合、EVFフラグを解除すると共に(ステップS116)、OVFを開始する(ステップS117)。このときにOVFモードでなかった場合、すなわち主ミラー1及びサブミラー3がアップし、シャッター9が開いている場合は、ミラー制御部41を介して主ミラー1をダウン駆動する。更に、シャッター制御部40を制御してシャッター9を閉じ、光学ファインダーとして機能するように設定し、画像表示部28の画像表示をOFF状態にして、図3のステップS120に進む。このように、OVFモードが設定されている場合は、画像表示部28によるEVF機能を使用せず、光学ファインダーを用いて撮影を行う。
【0076】
なお、ステップS113またはS116で設定されるEVFフラグの状態は、システムコントローラ50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶する。
【0077】
次に、図3のステップS120において、シャッタースイッチSW1の状態を調べ、シャッタースイッチSW1が押されていないならば、ステップS102に戻る。シャッタースイッチSW1が押されたならば、ステップS121に進む。
【0078】
ステップS121では、焦点調節処理を行ってフォーカスレンズ201の焦点を被写体に合わせ、測光処理を行って絞り値及びシャッタースピードを決定する。測光の結果、必要であればフラッシュフラグをセットし、フラッシュの設定も行う。このステップS121で行う焦点調節・測光処理の詳細は図8乃至図14を用いて後述する。
【0079】
焦点調節・測光処理(ステップS121)を終えたならば、シャッタースイッチSW2の状態を調べる。シャッタースイッチSW2が押されずに(ステップS122でOFF)、さらにシャッタースイッチSW1も解除されたならば(ステップS123でOFF)、ステップS102に戻る。
【0080】
シャッタースイッチSW2が押されたならば(ステップS122でON)、ステップS124において、システムコントローラ50は露光処理及び現像処理からなる撮影処理を実行する。露光処理では、撮像素子14、A/D変換器16、画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、或いはA/D変換器16から直接メモリ制御回路22を介して、メモリ30に撮影した画像データを書き込む。そして、現像処理では、メモリ制御回路22そして必要に応じて画像処理回路20を用いて、メモリ30に書き込まれた画像データを読み出して各種処理を行う。なお、このステップS124における撮影処理の詳細は図15を用いて後述する。
【0081】
撮影処理が終了すると、システムコントローラ50は、内部メモリ或いはメモリ52に記憶されたクイックレビューフラグの状態を判断する(ステップS125)。そして、クイックレビューフラグが設定されていたならばクイックレビュー表示を行う(ステップS126)。
【0082】
一方、クイックレビューフラグが解除されていたならば(ステップS125でOFF)、直接ステップS127に進む。
【0083】
ステップS127では、システムコントローラ50は、メモリ30に書き込まれた画像データを読み出して、メモリ制御回路22そして必要に応じて画像処理回路20を用いて各種画像処理を行う。更に、圧縮・伸長回路32を用いて設定したモードに応じた画像圧縮処理を行った後、記録媒体120へ画像データの書き込みを行う記録処理を実行する。
【0084】
記録処理(ステップS127)が終了した際に、システムコントローラ50はシャッタースイッチSW2の状態を判断する。シャッタースイッチSW2が押された状態であったならば(ステップS128でON)、システムコントローラ50はシステムコントローラ50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶される連写フラグの状態を判断する(ステップS129)。連写フラグが設定されていたならば、連続して撮影を行うためにステップS124に戻り、次の撮影を行う。連写フラグが設定されていないならば(ステップS129でNO)、ステップS128に戻り、シャッタースイッチSW2が放されるまで、現在の処理を繰り返す。
【0085】
シャッタースイッチSW2が放されたならば、ステップS130において所定のミニマムレビュー時間が経過した後に、ステップS131に進む。
【0086】
ステップS138ではシステムコントローラ50は、内部メモリ或いはメモリ52に記憶されたEVFフラグの状態を判断する。そして、EVFフラグが設定されていたならば、画像表示部28の表示状態をライブビュー表示状態に設定してから(ステップS132)、ステップS134に進む。この場合、画像表示部28でのクイックレビュー表示によって撮影画像を確認した後に、次の撮影のために撮像した画像データを逐次表示するライブビュー表示状態にすることができる。
【0087】
一方、EVFフラグが解除されていたならば(ステップS131でOFF)、画像表示部28の画像表示をOFF状態に設定して(ステップS133)、ステップS134に進む。
【0088】
ステップS134ではシャッタースイッチSW1の状態を調べ、シャッタースイッチSW1がONであれば、システムコントローラ50は、ステップS122に戻って次の撮影に備える。シャッタースイッチSW1がOFFであれば、システムコントローラ50は、一連の撮影動作を終えてステップS102に戻る。
【0089】
●ライブビュー表示
次に、図4および図5を用いて、EVFモード時の撮像素子14の蓄積及び読み出しに関して説明する。
【0090】
図4は、全画面読み出し時の読み出し手順を説明するための図である。図4(a)は撮像素子14の受光領域300を表しており、レンズユニット200を介して結像された被写体像(上下、左右逆)のイメージをオーバーラップして示している。また、図4(b)は、蓄積、読み出し時のタイミングチャートであり、ラインAが蓄積開始、ラインBが蓄積終了、ラインCが1行分データの読み出し終了を示している。従って、ラインA〜Bの間が蓄積期間であり、ラインB〜Cの間が読み出し期間を示している。
【0091】
時刻t0にて、撮像素子14の一番上のラインの蓄積を開始し、時刻t1で蓄積を終了すると共に続いて画素信号の読み出しを開始し、A/D変換器16にて1画素ずつ撮像素子14の1ライン分の画像データをデジタル信号に変換しながら読み出す。時刻t2で1ライン分の全ての画素の読み出しが終了する。
【0092】
次のラインは、時刻t0より、この読み出し時間(t1〜t2)遅れて蓄積を開始し、同様な処理を行い、時刻t3にて最後のラインの画素の読み出しを終了する。
【0093】
ライブビューで等倍表示を行う場合は、この様にして得た画像を画像処理回路20でリサイズし、一旦メモリ30に保存し、D/A変換器26を介して、画像表示部28に表示する。
【0094】
なお、ライブビュー表示においては、例えば30fpsで全画素を読み出す事はできないので、実際は、撮像素子14の縦方向に、例えば1/3、横方向に、例えば1/3に間引いて読み出しを行い、1画面を読み出すためにかかる読み出し時間を短縮している。
【0095】
次に図5は、EVFモードにおいて拡大表示を行う際に、撮像素子14の一部分だけ読み出す処理(部分読み出し)を説明する図である。なお、同図において図4と同じ部分は同じ符号を振ってある。
【0096】
部分読みでは、時刻t0で、部分読みを行う領域301の一番上のラインの蓄積を開始し、時刻t1で蓄積を終了する。続いて画素信号の読み出しを開始するが、読み出しに不要な部分はスキップし、領域301内の画素のみ、A/D変換器16にて1画素ずつデジタル信号に変換しながら読み出す。時刻t2にて1ラインの内の領域301の画素の読み出しを終了する。
【0097】
次のラインは、t0より、この読み出し時間(t1〜t2)遅れて蓄積を開始し、同様な処理を行い、時刻t3にて領域301の最後のラインの画素の読み出しを終了する。
【0098】
ライブビューで拡大表示を行う場合は、この様にして得た画像を画像処理回路20でリサイズし、一旦メモリ30に保存し、D/A変換器26を介して画像表示部28に表示する。
【0099】
また、拡大表示を行う場合、例えば5倍拡大表示を行う場合は、全画素の1/25の画素しか読み出さないので、全画面表示のような間引き読み出しを行わずに、表示する拡大画像に対応する撮像素子14の部分領域から全画素の読み出しを行う。このように読み出し方を変えることにより、拡大表示をしても、品質の高い(解像度の高い)ライブビュー画像を表示することができる。
【0100】
ここで、顔検出を行う場合には、画像処理回路20内で、ライブビュー画像から、略一様輝度の領域内の、目の特徴、唇特徴と、相互の位置関係などから顔であることを検出している。そのため、拡大表示を行った場合は、例えば図5の領域301に示すような画像の場合、目が領域301の端部付近にあるので、手ぶれや被写体ぶれなどにより拡大画面内から入ったり出たりする。そのため、目の検出確率が下がり、顔の認識率が著しく下がってしまう。さらに拡大率を上げた場合には、顔の検出は殆どできなくなってしまう。
【0101】
従って、本第1の実施形態においては、図6および図7の処理を行って、顔検出と拡大処理を排他的に実行する。
【0102】
図6は、操作部70の顔検出モード設定ボタンが操作された場合の変更処理を示すフローチャートであり、同様に図7は拡大表示設定ボタンが操作された場合の変更処理を示すフローチャートである。これらの処理は、各ボタンの状態が変化した際に割り込み処理されるもので、EVFモードが設定されている場合に、図2及び図3の撮影処理(ステップS124)以外のステップの間に、任意のタイミングで処理されるものである。
【0103】
顔検出モード設定ボタンが操作され、状態が変化すると図6の処理が開始される。その際、顔検出モード設定ボタンが顔検出オンからオフ(ON→OFF)に変更された場合は(ステップS151)、拡大倍率の制限を解除し(ステップS152)、顔検出モード変更サブルーチンを終了する。
【0104】
一方、顔検出モード設定ボタンが顔検出オフからオン(OFF→ON)に変更された場合は(ステップS151)、ステップS153に進んで拡大表示設定がされているか判断する。設定されていない場合は、そのまま顔検出モード変更サブルーチンを終了し、設定されていれば、拡大倍率を予め設定された倍率(閾値)より低くなるように変更する(ステップS154)。ここでは、例えば、顔検出処理の検出結果、十分な検出精度を達成することが可能な拡大倍率(経験値)を上限倍率とすると、現在の拡大倍率が上限倍率を超えている場合に、この上限倍率に収まるよう変更する。なお、現在の拡大倍率が上限倍率以下であれば、変更しない。そして、顔検出モード変更サブルーチンを終了する。
【0105】
また、拡大表示設定ボタンが操作され、拡大倍率が変化すると図7の処理が開始される。その際、顔検出モード設定ボタンの状態が顔検出オフであれば(ステップS161でNO)、拡大表示設定ボタンにより設定された拡大倍率に変更して(ステップS165)、表示倍率変更サブルーチンを終了する。
【0106】
一方、顔検出モード設定ボタンの状態が顔検出オンの場合(ステップS161でYES)、ステップS162において、拡大倍率が予め設定された倍率(例えば、上述した上限倍率)以下かどうかを判断する。拡大倍率が予め設定された倍率以下であれば(ステップS162でYES)、ステップS163に進む。ステップS163では顔検出を許可して、ステップS165で拡大表示設定ボタンにより設定された拡大倍率に変更し、表示倍率変更サブルーチンを終了する。また、拡大倍率が予め設定された倍率(例えば、上述した上限倍率)を超える場合には(ステップS162でNO)、顔検出を禁止する(ステップS164)。そして、拡大表示設定ボタンにより設定された拡大倍率に変更して(ステップS165)、表示倍率変更サブルーチンを終了する。
【0107】
このように、図6及び図7の処理によって、ライブビュー表示時に顔検出処理と拡大表示処理がユーザの指示に基づいて排他的に制御されるので、顔検出の検出率を下げることなく、ユーザの意図に応じた拡大表示処理と顔検出処理を行うことができる。
【0108】
●測光処理
次に、図8のフローチャートを参照しながら、図3のステップS121における測光処理について詳しく説明する。
【0109】
先ず、ステップS221において、ファインダーモード設定スイッチ66の設定により、OVFモードに設定されているかEVFモードに設定されているかを判断する。この判断は、例えば、システムコントローラ50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶されたEVFフラグの状態を判別することで判断することができる。OVFモードに設定されている場合は、測光センサ7を用いて被写体輝度の測光を行い(ステップS222)、測光センサ7で算出された被写体輝度BVと、設定された感度SVから、本撮影時の露光量の演算を行う(ステップS223)。
【0110】
一方、EVFモードに設定されている場合は、前述した様にして撮像素子14からプレビュー画像を読み込む(ステップS230)。そして、A/D変換器16、画像処理回路20で、画面全体を所定の分割数に分割した、それぞれのブロック毎に輝度値に変換する(ステップS231)。
【0111】
ここで、図9及び図10を用いて、ブロック毎の輝度値の求め方を説明する。図9は、撮像素子14に結像された被写体像を示し、枠Aは画像処理回路20により検出された顔の領域を示す。図10は画像処理回路20で全画面を縦8横12のブロックに分割して、その中の各画素の輝度をブロック内で平均化したものである。したがって、本第1の実施形態では96(=8×12)ブロックに分割された輝度情報を得ている。
【0112】
次に、顔検出モードであって、画像処理回路20で顔検知が成功した場合(ステップS232)は、検出された顔領域を測光中心として(ステップS233)、全体輝度を求める(ステップS234)。この全体輝度の求め方を図10及び図11を用いて説明する。
【0113】
図11は、検出された顔を中心とした重み付けテーブルであり、ステップS231で求めた被写体輝度情報に対して乗算することにより、顔を中心とした全体輝度BVaを算出する。
【0114】
すなわち、図10の1行1列目の輝度データ(B01)に、図11の1行1列目の重み付け係数データ(0.2)を掛け合わせる。同様にして、図10の8行12列目の輝度データ(B71)まで、図11の8行12列目までの重み付け係数データ(0.2)をそれぞれ掛け合わせた全ての結果を加算し、図11に示した重み付けテーブルの合計値で割る。これにより、検出した顔を中心として、顔に重みを置いた全体輝度BVaを求める。
【0115】
次に検出された顔部分の輝度BVfを求める(ステップS235)。ステップS235においても、ステップS234と同様の手順で、図10の輝度データに、図12の検出された顔に最も近い領域の選択テーブルを掛け合わせ、平均演算をすることで求める。
【0116】
次に、ステップS234で求めた全体輝度BVaと、ステップS235で求めた顔部分の輝度BVfを、所定の比率(例えばBVf:BVa=1:1)で平均化する事により、目標輝度BVを求める(ステップS236)。ここで、検出された顔輝度だけで露出を決めないのは、顔検出が成功した場合と失敗した場合の露出差を抑えると共に、顔色により大きく露出が変わるのを避けるためである。
【0117】
一方、顔が検出されなかった場合(ステップS232でNO)は、測光中心を所定領域(例えばAF最近点)に設定し(ステップS240)、ステップS234と同じ方法で所定領域を中心とした全体輝度BVを算出する(ステップS241)。
【0118】
次に、得られた被写体輝度情報より、現在の露出が適正であるかどうかを判断する(ステップS245)。適正でない場合は、撮像素子14の電子シャッター秒時の変更または、レンズユニット200の絞り204を変更して、ライブビュー表示が適正輝度となるべく露出を制御する(ステップS246)。一方、適正であった場合は、ISO感度を基に本撮影の露光量を演算する(ステップS247)。続いて、現在のホワイトバランスが適正であるかどうかを判断し(ステップS248)、適正でなければ、適切なホワイトバランスとなるようにRGB各色のゲインを変更する制御を行う(ステップS249)。
【0119】
●焦点調節処理
次に、図13のフローチャートを参照しながら、図3のステップS121における焦点調節処理について詳しく説明する。
【0120】
ステップS301において、ファインダーモード設定スイッチ66の設定により、OVFモードに設定されている場合は、焦点検出部8内のAFセンサの電荷蓄積を行う(ステップS302)。そして、検出された信号のズレより、公知の方法でデフォーカス量演算を行い(ステップS303)、デフォーカス量を判断する(ステップS304)。所望の範囲外であれば、レンズユニット200に対して、シリアル通信ライン399を介してフォーカスレンズ201の駆動命令を出す。
【0121】
一方、レンズユニット200は、フォーカスレンズ駆動指令を受けると、フォーカス制御部211を介して、フォーカス駆動アクチュエータ202を所定量駆動し(ステップS305)、ステップS302に戻ってAF用の電荷蓄積を繰り返す。一方、ステップS304の判定結果が所望の範囲内の場合は、AF処理を終了する。
【0122】
一方、ステップS301において、ファインダーモードがEVFモードの場合は、
【0123】
撮像素子14より取得した画像の高周波成分に基づいて合焦状態を評価する、いわゆるコントラストAF制御動作を行う。
まず、顔が検出されたかどうかを判断し(ステップS311)、顔検出が成功している場合は、図9で示すように、焦点調節領域を検出された顔の位置に設定する(ステップS312)。一方、被写体に人物がいない、または、横を向いるなどの理由で顔検出ができなかった場合は、図14に示すように、画面を複数の領域に分け、この領域内のそれぞれのコントラスト評価値を算出する、自動選択モードに設定する(ステップS313)。
【0124】
次に、撮像素子14から画像を読み出し(ステップS314)、ステップS312またはS313で決定した焦点調節領域におけるコントラスト評価値(元画像を横方向に微分して得られた高周波成分の絶対値の最大値)を算出する(ステップS315)。上記コントラスト評価値の算出処理を、フォーカスレンズ201を所定量ずつ移動しながら、所定範囲(通常はフォーカスレンズ201を駆動可能な全領域)について行う。そして所定範囲についてフォーカスレンズ201の駆動が終了していない場合は、ステップS317で、ステップS305と同様にして所定量フォーカス駆動アクチュエータ202を駆動した後、ステップS314に戻り、コントラストAF検出動作を繰り返す。
【0125】
一方、所定範囲についてフォーカスレンズ201の駆動を終えると、ステップS318に進む。そして、ステップS315で得られた検出された顔位置のコントラスト評価値が最大となったフォーカスレンズ201の位置(合焦位置)にフォーカスレンズ201を駆動して、AF動作を終了する。一方、顔が検出されたなかった場合には、図14に示す各焦点調節領域の内、ステップS315で得られたコントラスト評価値を基に、最も近距離で最大のコントラスト評価値が得られた位置を合焦位置とする。そして、その位置にフォーカスレンズ201を駆動してAF処理を終了する。
【0126】
●撮像処理
次に、図15のフローチャートを参照しながら、図3のステップS124における撮像処理について詳しく説明する。
【0127】
ステップS331において、ファインダーモード設定スイッチ66の設定により、OVFモードに設定されている場合は、撮影準備のために主ミラー1をアップし、撮影光軸上から退避させる(ステップS332)。一方、EVFモードの場合は、撮影準備のためにシャッター9を閉じる(ステップS333)。
【0128】
続いてOVFモード、EVFモード共に、図8のステップS223あるいはS247で演算した露出値に基づいてレンズユニット200の絞り204を駆動する(ステップS334)。そして、撮像素子14の蓄積を開始するとともにシャッター9を開き、露光を開始する(ステップS335)。
【0129】
所定のシャッター秒時が経過すると、シャッター9を閉じ(ステップS336)、撮像素子14からA/D変換器16を介して撮影画像を読み出し、メモリ30に保存して(ステップS338)、撮影処理を終了する。
【0130】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0131】
本第2の実施形態は、顔検出モード設定ボタンが操作された場合の変更処理と、拡大表示設定ボタンが操作された場合の変更処理が、図6及び図7を参照して上述した処理と異なる。それ以外の処理及び装置構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので、説明を省略する。
【0132】
図16は、操作部70の顔検出モード設定ボタンが操作された場合の変更処理を示すフローチャートであり、同様に図17は拡大表示設定ボタンが操作された場合の変更処理を示すフローチャートである。これらの処理は、各ボタンの状態が変化した際に割り込み処理されるもので、EVFモードが設定されている場合に、図2及び図3の撮影処理(ステップS124)以外のステップの間に、任意のタイミングで処理されるものである。
【0133】
顔検出モード設定ボタンが操作され、状態が変化すると図6の処理が開始される。その際、顔検出モード設定ボタンが顔検出オンからオフ(ON→OFF)に変更された場合は(ステップS171)、拡大倍率の制限を解除し(ステップS172)、顔検出モード変更サブルーチンを終了する。
【0134】
一方、顔検出モード設定ボタンが顔検出オフからオン(OFF→ON)に変更された場合は(ステップS171)、ステップS173に進んで、予め設定された上限倍率(閾値)よりも高い拡大倍率が設定されているかどうかを判断する。ここでは、例えば、顔検出処理を検出した場合に、十分な検出精度を達成することが可能な拡大倍率(経験値)を上限倍率とする。拡大倍率が上限倍率以下の場合には、顔検出モードを設定して(ステップS175)、サブルーチンを終了する。一方、拡大倍率が上限倍率を超える場合には、顔検出モードの設定を禁止して(ステップS174)、サブルーチンを終了する。この際に、画像表示部28に、顔検出モードを設定できない旨の警告、及び/または拡大倍率を上限倍率以下に変更することを促すメッセージを表示するようにしても良い。
【0135】
また、拡大表示設定ボタンが操作され、拡大倍率の変更が指示されると、図17の処理が開始される。その際、顔検出モードが設定されていなければ(ステップS181でNO)、拡大表示設定ボタンにより設定された拡大倍率に変更して(ステップS184)、表示倍率変更サブルーチンを終了する。
【0136】
一方、顔検出モードが設定されている場合(ステップS181でYES)、ステップS182において、指定された拡大倍率が予め設定された倍率(例えば、上述した上限倍率)以下かどうかを判断する。拡大倍率が予め設定された倍率以下であれば(ステップS182でYES)、拡大表示設定ボタンにより設定された拡大倍率に変更して(ステップS184)、表示倍率変更サブルーチンを終了する。また、拡大倍率が予め設定された倍率(例えば、上述した上限倍率)を超える場合には(ステップS182でNO)、倍率の変更を禁止して(ステップS183)、表示倍率変更サブルーチンを終了する。この際に、画像表示部28に、倍率を変更できない旨の警告、及び/または顔検出モードを解除することを促すメッセージを表示するようにしても良い。
【0137】
このように、図16及び図17の処理によって、ライブビュー表示時に顔検出処理と拡大表示処理がユーザの指示に基づいて排他的に制御されるので、顔検出の検出率を下げることなく、ユーザの意図に応じた拡大表示処理と顔検出処理を行うことができる。
【0138】
なお、上記説明では、拡大倍率が予め設定された上限倍率以下の場合に、拡大表示処理と顔検出処理の両方を許可したが、本発明はこれに限るものではなく、一方を実施している場合には他方を禁止するように排他的に制御しても構わない。
【0139】
また、顔検出モードが設定されている場合に、指定可能な拡大倍率と指定不可能な拡大倍率を、区別が付くように画像表示部28に表示するようにしても良い。
【技術分野】
【0001】
本発明は、人物を含む被写体を撮影する際に、人物を認識し、その人物に対して適切な撮影を行うための撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、撮影機材のデジタル化が進んでいる。撮影レンズで結像された被写体像をCMOSセンサやCCDセンサなどの撮像素子で受光し、光電変換して得られた画像信号にアナログ/デジタル変換を行って、デジタル信号として記録媒体に保存する撮像装置が一般的となっている。
【0003】
また、撮影時に、デジタル信号化された画像データを、撮像装置背面に設けられた液晶ディスプレイなどの表示装置にリアルタイムに順次表示する、電子ファインダー(EVF)が一般的に用いられている。以下、電子ファインダーに表示される画像をライブビュー画像と呼ぶ。
【0004】
さらに、この画像データから、被写体の中から顔を検出して、検出された顔に対して、自動焦点(AF)動作を行ったり、露出制御を行ったりするものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
一方、撮影時に被写体に対してマニュアルでピント合わせを行う際に画像の中心部分を拡大するものや、AF合焦後に、AF制御に用いた画像領域を拡大表示するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
ここで、表示装置にライブビュー画像を表示する際の動作に関して説明する。
【0007】
昨今の撮像素子では、画素数が10メガピクセル以上のものが用いられている。一方、ライブビュー画像の更新レートは通常30フレーム/秒程度が用いられているので、例えば、画素数が10メガピクセルの撮像素子を30フレーム/秒で読むためには300メガピクセル/秒という読み出し速度で画像データを読み出す必要がある。この読み出し速度は、読み出しデータ線を複数設けて、並列読み出し処理をしたとしても、現状の技術では達成することが難しいので、通常は水平、垂直方向それぞれの画素を間引きながら、ライブビュー画像を読み出している。つまり、ライブビュー画像として、低解像度の画像を読み出すのであるが、撮像装置に装備されている表示装置は表示サイズも小さく、表示画素数も数十万画素程度であるので、フレーム全体を観察する上で問題は生じていない。
【0008】
しかしながら、ピント確認のために拡大表示を行った場合、間引き読み出しを行っていると、色モアレが見えたり、画像解像度が低下してしまうが、通常の液晶ディスプレイでは拡大時の画像品位が悪化するのを許容して拡大表示を行っている。
【0009】
一方、CMOS型の撮像素子は、撮像素子の受光面の有効領域の内、任意領域のみを読み出すことが可能である。従って、拡大時には、拡大する領域近傍の画像信号のみを読み出すことで、30フレーム/秒という読み出しレートを保ったまま、間引きを行わずに、撮像素子からの画像情報を読み出すことができる。そのため、拡大時も品位の良いライブビュー画像を表示することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平05−196858号公報
【特許文献2】特開2005−102175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献2で示されている発明に従って、ピントを合わせる部分を拡大表示してしまうと、たとえば人物を撮影する様な場合に、多くの場合は、顔の一部しか画面に表示されなくなってしまう。この様な拡大画像は、人が観察するには問題ないが、画像処理装置で人物の目、鼻、口などの特徴を総合して顔を自動検出する場合、拡大される事でこれらの個別な特徴が欠けてしまうため、人物検出が困難になってしまう。
【0012】
特に、前述したCMOS型の撮像素子の様に、拡大表示時に表示する画像信号だけを撮像素子から部分読み出する場合には、表示装置に表示されない画像信号は読み出されない。そのため、画面から被写体の顔がはみ出している様な場合は、顔を検出することができなくなってしまう。
【0013】
さらに、CCDセンサから得られた画像であっても、拡大率が大きい場合は、手ぶれの影響で拡大視野内に人物が出入りしてしまうことがあり、人物検出が困難になってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、本発明の撮像装置は、入射光を電気信号に変換して画像データを出力する撮像素子と、前記撮像素子から第1の読み出し方法と第2の読み出し方法のいずれかにより画像データを読み出す読み出し手段と、前記第1の読み出し方法で読み出した画像データから、人の顔を示す領域を検出する顔検出処理を行う顔検出手段と、前記第1の読み出し方法で読み出した画像データに基づいて、予め定めたフレームレートで表示手段に画像を表示させる第1の表示処理と、前記第2の読み出し方法で読み出した画像データに基づいて、前記予め定めたフレームレートで前記表示手段に画像を拡大表示させる第2の表示処理とを行う表示処理手段と、前記表示処理手段による前記第1の表示処理、および、前記顔検出手段による前記顔検出処理が実施されている場合には、前記表示処理手段による前記第2の表示処理への変更を禁止し、前記顔検出処理が実施されていない場合には、前記表示処理手段による前記第2の表示処理への変更を禁止しないように制御する制御手段とを有し、前記第1の読み出し方法で読み出した画像データは、前記第2の読み出し方法で読み出した画像データに比べて、より間引かれた画像データであって、前記第2の読み出し方法は、前記第1の読み出し方法で画像データを読み出す前記撮像素子の領域の一部の領域から、画像データを読み出すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
ライブビュー表示時に、顔検出処理と画像の拡大表示処理と顔検出処理とをユーザの指示に基づいて排他的に制御することにより、顔検出処理の検出率を下げることなく、ユーザの意図に応じた拡大表示処理と顔検出処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態における撮像システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における主ルーチンの一部を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態における主ルーチンの一部を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態に係る、EVFモード時の撮像素子の蓄積及び読み出しを説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る、EVFモード時の撮像素子の蓄積及び読み出しを説明するための図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る、顔検出モード設定ボタンが操作された場合の変更処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る、拡大表示設定ボタンが操作された場合の変更処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態に係る、測光処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態に係る、検出された顔の位置を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る、撮像素子の撮像データをブロックに分割した場合の各ブロックの輝度情報の一例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る、輝度情報ブロックの重みづけテーブルの一例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る、測光処理を説明するための図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る、焦点調節処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態に係る、焦点調節領域の配列を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る、撮像処理を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第2の実施形態に係る、顔検出モード設定ボタンが操作された場合の変更処理を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第2の実施形態に係る、拡大表示設定ボタンが操作された場合の変更処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
【0018】
●装置構成
図1は、本発明の実施の形態における撮像システムの構成を示すブロック図である。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態の撮像システムは、主にカメラ本体100と、交換レンズタイプのレンズユニット200、フラッシュ400により構成されており、フラッシュ400に発光させながら撮像可能である。フラッシュ400は、カメラ本体100にホットシュー450を介して、電気的にはコネクタ451によりに接続される。なお、フラッシュ400は本体と一体化された構成であっても構わない。
【0020】
まず、カメラ本体100の構成について説明する。
【0021】
同図において、1は主ミラーであり、ファインダー観察状態では撮影光路内に斜設され、撮影状態では撮影光路外に退避する。また、主ミラー1はハーフミラーとなっており、撮影光路内に斜設されているときは、後述する焦点検出部8へ被写体からの光線の約半分を透過させる。
【0022】
2は、ファインダー光学系を構成する、後述のフォーカスレンズ201の予定結像面に配置されたピント板、3はサブミラーであり、主ミラー1と共に、ファインダー観察状態では撮影光路内に斜設され、撮影状態では撮影光路外に退避する。このサブミラー3は、斜設された主ミラー1を透過した光線を下方に折り曲げて、後述する焦点検出部8の方に導くものである。
【0023】
4はファインダー光路変更用のペンタプリズムである。5はアイピースであり、撮影者はアイピース5からピント板2を観察することで、撮影画面を確認することができる。この状態を光学ファインダーモード(OVFモード)と称す。6と7はファインダー観察画面内の被写体輝度を測定するための結像レンズと、測光手段の一例である測光センサであり、内部に公知の対数圧縮回路を有し、その出力は対数圧縮されたものとなる。
【0024】
8は公知のいわゆる位相差検出法によってレンズユニット200の焦点調節状態を検出する焦点検出部である。
【0025】
9はフォーカルプレンシャッター、14は、入射光を電気信号に変換して画像データを出力する撮像手段の一例である、CMOSセンサ等の撮像素子である。
【0026】
16は、撮像素子14から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器である。18は撮像素子14、A/D変換器16、D/A変換器26にそれぞれクロック信号や制御信号を供給するタイミング発生回路であり、メモリ制御回路22及びシステムコントローラ50により制御される。タイミング発生回路18からの信号に基づいて、撮像素子14内に含まれる駆動回路(不図示)により、撮像素子14からの信号読み出し(部分読み出し、間引き読み出しなど)を制御することができる。
【0027】
20は画像処理回路であり、A/D変換器16からのデータ或いはメモリ制御回路22からのデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理、輝度レベルの変換処理を行う。また、画像処理回路20は、A/D変換器16から出力される画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のオートホワイトバランス(AWB)処理も行っている。さらに、画像処理回路20は、A/D変換器16からのデータ或いはメモリ制御回路22からのデータの中から、目及び口のエッジの特徴を抽出し、人の顔を検出する顔検出処理も行う。即ち、画像処理回路20は顔検出手段の機能を有する。
【0028】
22はメモリ制御回路であり、A/D変換器16、タイミング発生回路18、画像処理回路20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30、圧縮・伸長回路32を制御する。A/D変換器16から出力される画像データは、画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、或いはメモリ制御回路22のみを介して、画像表示メモリ24或いはメモリ30に書き込まれる。
【0029】
24は画像表示メモリ、26はD/A変換器、28はTFT方式のLCD等から成る画像表示部であり、画像表示メモリ24に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器26を介して画像表示部28により表示される。主ミラー1およびサブミラー3をアップし、シャッター9を開いた状態で、画像表示部28を用いて、撮像した画像データを逐次表示することで、電子ファインダー機能(EVF)を実現することができる。以下、この状態を電子ファインダーモード(EVFモード)と称す。
【0030】
30は撮影した静止画像や動画像を格納するためのメモリであり、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶容量を備えている。これにより、複数枚の静止画像を連続して撮影する連写撮影やパノラマ撮影の場合にも、高速かつ大量の画像書き込みをメモリ30に対して行うことが可能となる。また、メモリ30はシステムコントローラ50の作業領域としても使用することが可能である。
【0031】
32は適応離散コサイン変換(ADCT)等、公知の圧縮方法を用いて画像データを圧縮・伸長する圧縮・伸長回路である。圧縮・伸長回路32は、メモリ30に格納された画像を読み込んで圧縮処理或いは伸長処理を行い、処理を終えたデータを再びメモリ30に書き込む。
【0032】
40はフォーカルプレンシャッター9を制御するシャッター制御部であり、測光センサ7からの測光情報に基づいて絞り204を制御する絞り制御部205と連携しながらシャッター9を制御する。41は主ミラー1をアップ、ダウンさせるためのモータと駆動回路からなるミラー制御部である。
【0033】
50はカメラ本体100全体を制御するシステムコントローラであり、周知のCPUなどを内蔵する。52はシステムコントローラ50の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶するメモリである。
【0034】
54はシステムコントローラ50でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声などを用いて動作状態やメッセージなどを外部に通知するための通知部である。通知部54としては、例えばLCDやLEDなどによる視覚的な表示を行う表示部や音声による通知を行う発音素子などが用いられるが、これらのうち1つ以上の組み合わせにより構成される。特に、表示部の場合には、カメラ本体100の操作部70近辺の、視認しやすい、単数あるいは複数箇所に設置されている。また、通知部54は、その一部の機能がピント板2の下部に設置されている。
【0035】
通知部54の表示内容の内、LCDなどに表示するものとしては以下のものがある。まず、単写/連写撮影表示、セルフタイマー表示等、撮影モードに関する表示がある。また、圧縮率表示、記録画素数表示、記録枚数表示、残撮影可能枚数表示等の記録に関する表示がある。また、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示、フラッシュ表示、赤目緩和表示等の撮影条件に関する表示がある。その他に、マクロ撮影表示、ブザー設定表示、時計用電池残量表示、電池残量表示、エラー表示、複数桁の数字による情報表示、記録媒体120の着脱状態表示がある。更に、レンズユニット200の着脱状態表示、通信I/F動作表示、日付・時刻表示、外部コンピュータとの接続状態を示す表示等を行うこともできる。
【0036】
また、通知部54の表示内容のうち、ピント板2の下部に表示するものとしては、例えば、以下のものがある。合焦表示、撮影準備完了表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、フラッシュ充電完了表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示、記録媒体書き込み動作表示等である。
【0037】
さらに、通知部54の表示内容のうち、LED等により表示するものとしては、例えば、以下のものがある。合焦表示、撮影準備完了表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、フラッシュ充電完了表示、記録媒体書き込み動作表示、マクロ撮影設定通知表示、二次電池充電表示等である。
【0038】
また、通知部54の表示内容のうち、ランプ等に表示するものとしては、例えば、セルフタイマー通知ランプ等がある。このセルフタイマー通知ランプはAF補助光と共用してもよい。
【0039】
56は後述するプログラムなどが格納された電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。
【0040】
60、62、64、66、68及び70は、システムコントローラ50の各種の動作指示を入力するための操作手段であり、スイッチやダイアル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置等の単数或いは複数の組み合わせで構成される。
【0041】
ここで、これらの操作手段の具体的な説明を行う。
【0042】
60はモードダイアルスイッチで、電源オフ、撮影モード(静止画撮影モード、動画撮影モード)、再生モード、消去モード、PC接続モード等の各機能モードを切り替え設定することができる。
【0043】
62はシャッタースイッチSW1で、不図示のシャッターボタンの操作途中(例えば半押し)でONとなり、オートフォーカス(AF)処理、自動露出(AE)処理等の動作開始を指示する。
【0044】
64はシャッタースイッチSW2で、不図示のシャッターボタンの操作完了(例えば全押し)でONとなり、露光処理、現像処理、及び記録処理からなる一連の処理の動作開始を指示する。まず、露光処理では、撮像素子14から読み出した信号をA/D変換器16、メモリ制御回路22を介して画像データをメモリ30に書き込み、更に、画像処理回路20やメモリ制御回路22での演算を用いた現像処理が行われる。更に、記録処理では、メモリ30から画像データを読み出し、圧縮・伸長回路32で圧縮を行い、記録媒体120に画像データを書き込む。
【0045】
66はファインダーモード設定スイッチで、撮影時にOVFモードと、EVFモードのいずれかを選択する。EVFモードを設定した場合は、主ミラー1およびサブミラー3が撮影光路から退避し、シャッター9が開かれ、撮像素子14で撮像された画像は逐次、画像表示部28に表示される。
【0046】
68はクイックレビューON/OFFスイッチで、撮影直後に撮影した画像データを所定時間自動再生する、所謂「クイックレビュー」機能のON/OFFを設定する。なお、本実施の形態では、特に、画像表示部28をONとした場合におけるクイックレビュー機能の設定をする機能を備えるものとする。
【0047】
70は各種ボタンやタッチパネルなどから成る操作部である。一例として、メニューボタン、セットボタン、マクロボタン、単写/連写/セルフタイマー切り換えボタン、メニュー移動+(プラス)ボタン、メニュー移動‐(マイナス)ボタンを含む。更に、再生画像移動+(プラス)ボタン、再生画像移動‐(マイナス)ボタン、撮影画質選択ボタン、露出補正ボタン、日付/時間設定ボタン、顔検出モード設定ボタン、拡大表示設定ボタンなども含む。なお、上記プラスボタン及びマイナスボタンの各機能は、回転ダイアルスイッチを備えることによって、より軽快に数値や機能を選択することが可能となる。
【0048】
80は電源制御部で、電池検出回路、DC‐DCコンバータ、通電するブロックを切り換えるスイッチ回路等により構成されている。電源制御部80は、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行い、検出結果及びシステムコントローラ50の指示に基づいてDC‐DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体を含む各部へ供給する。
【0049】
82、84はコネクタ、86はアルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li‐ion電池、Liポリマー電池等の二次電池、ACアダプター等からなる電源部である。
【0050】
90はメモリカードやハードディスク等の記録媒体とのインタフェース、92はメモリカードやハードディスク等の記録媒体と接続を行うコネクタである。98はコネクタ92に記録媒体120が装着されているか否かを検知する記録媒体着脱検知回路である。
【0051】
なお、本実施の形態では記録媒体を取り付けるインタフェース及びコネクタを1系統持つものとして説明しているが、記録媒体を取り付けるインタフェース及びコネクタは、単数或いは複数、いずれの系統数を備える構成としても構わない。また、異なる規格のインタフェース及びコネクタを組み合わせて備える構成としても構わない。
【0052】
インタフェース及びコネクタとしては、種々の記憶媒体の規格に準拠したものを用いて構成することが可能である。例えば、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)カードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード、SDカード等である。インタフェース90及び94、そしてコネクタ92及び96をPCMCIAカードやCF(登録商標)カード等の規格に準拠したものを用いて構成した場合、各種通信カードを接続することができる。通信カードとしては、LANカードやモデムカード、USB(Universal Serial Bus)カード、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394カードがある。他にも、P1284カード、SCSI(Small Computer System Interface)カード、PHS等がある。これら各種通信カードを接続することにより、他のコンピュータやプリンタ等の周辺機器との間で画像データや画像データに付属した管理情報を転送し合うことができる。
【0053】
72は通信部で、RS232CやUSB、IEEE1394、P1284、SCSI、モデム、LAN、無線通信、等の各種通信機能を有する。73は通信部72によりカメラ本体100を他の機器と接続するコネクタ或いは無線通信の場合はアンテナである。
【0054】
120はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。この記録媒体120は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部122、カメラ本体100とのインタフェース124、カメラ本体100と接続を行うコネクタ126を備えている。
【0055】
記録媒体120としては、PCMCIAカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)等のメモリカード、ハードディスク等を用いることができる。また、マイクロDAT、光磁気ディスク、CD‐RやCD‐WR等の光ディスク、DVD等の相変化型光ディスク等で構成されていても勿論構わない。
【0056】
399は後述のレンズユニット200とカメラ本体100のシステムコントローラ50との通信を行う通信線群であり、499は後述の外付けフラッシュ400とカメラ本体100のシステムコントローラ50との通信を行う通信線群である。
【0057】
次に、レンズユニット200の構成について説明する。
【0058】
201は被写体像を撮像素子14に結像し、焦点調整を行う為のフォーカスレンズ、202はフォーカスレンズ201を光軸方向に駆動して、ピントを合わせるためのフォーカス駆動アクチュエータである。211はレンズ制御マイコン206からの指令に基づき、フォーカス駆動アクチュエータ202を制御するフォーカス制御部である。
【0059】
203はフォーカスレンズ201の位置から被写体距離を検出する為のエンコーダからなる距離検出部、204は撮影時の光量を調整する為の絞り、250は絞り駆動アクチュエータである。205はレンズ制御マイコン206からの指令に基づき、絞り駆動アクチュエータ250を制御する絞り制御部である。
【0060】
207は変倍のための焦点距離調整を行うためのズーミングレンズ、208はズーミングレンズ207を光軸方向に駆動して、焦点距離調節を行うためのズーム駆動アクチュエータである。212はズーム駆動アクチュエータ208を制御するズーム制御部である。
【0061】
206は前述のフォーカス駆動や絞り駆動などを制御するとともに、カメラ本体100側のシステムコントローラ50と通信を制御するレンズ制御マイコンである。
【0062】
レンズユニット200はレンズマウント209を介して、着脱可能にカメラ本体100に装着され、電気的にはシリアル通信線と電源からなるコネクタ210でカメラ本体100に接続される。
【0063】
なお、上記説明では、レンズ交換式の一眼レフタイプのデジタルカメラであるものとして説明したが、レンズや鏡筒が本体と一体化された、いわゆるデジタルコンパクトカメラなどであってもよい。
【0064】
<第1の実施形態>
●全体動作
次に、図2及び図3を参照して、上記構成を有する撮像装置における第1の実施懈怠における撮影時の動作について説明する。
【0065】
図2及び図3は本第1の実施形態におけるカメラ本体100の撮影時の主ルーチンのフローチャートである。同図を用いてシステムコントローラ50の動作を以下に説明する。
【0066】
図2において、電池交換等の電源投入により、システムコントローラ50はフラグや制御変数等を初期化する(ステップS101)。
【0067】
次にステップS102でシステムコントローラ50は、モードダイアル60の設定位置を判断する。モードダイアル60が電源OFFに設定されていたならば、システムコントローラ50は、各表示部の表示を終了状態に変更し、フラグや制御変数等を含む必要なパラメータや設定値、設定モードを不揮発性メモリ56に記録する。更に、システムコントローラ50は、電源制御部80により画像表示部28を含むカメラ本体100各部の不要な電源を遮断する等の所定の終了処理を行った後(ステップS103)、ステップS102に戻る。
【0068】
また、ステップS102でモードダイアル60が撮影モードに設定されていたならば、ステップS105に進む。
【0069】
また、ステップS102でモードダイアル60がその他のモードに設定されていたならば、システムコントローラ50は選択されたモードに応じた処理を実行し(ステップS104)、処理を終えたならばステップS102に戻る。
【0070】
ステップS105において、システムコントローラ50は、電源制御部80により電池等により構成される電源86の残容量や動作情況がカメラ本体100の動作に問題があるか否かを判断する。問題があるならば(ステップS105でNO)通知部54を用いて画像や音声により所定の警告を行った後に(ステップS107)、ステップS102に戻る。
【0071】
一方、電源86に問題が無いならば(ステップS105でYES)、システムコントローラ50は記録媒体120の動作状態がカメラ本体100の動作、特に記録媒体120に対する画像データの記録再生動作に問題があるか否かを判断する(ステップS106)。問題があるならば(ステップS106でNO)通知部54を用いて画像や音声により所定の警告を行った後に(ステップS107)、ステップS102に戻る。
【0072】
記録媒体120の動作状態に問題が無いならば(ステップS106でYES)、通知部54を用いて画像や音声によりカメラ本体100の各種設定状態の告知を行う(ステップS108)。
【0073】
次に、システムコントローラ50は、クイックレビューON/OFFスイッチ68の設定状態を調べる(ステップS109)。クイックレビューONに設定されていたならばクイックレビューフラグを設定し(ステップS110)、クイックレビューOFFに設定されていたならばクイックレビューフラグを解除する(ステップS111)。なお、クイックレビューフラグの状態は、システムコントローラ50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶する。
【0074】
続いて、システムコントローラ50は、ファインダーモード設定スイッチ66の設定状態を調べる(ステップS112)。EVFモードに設定されていたならば、EVFフラグを設定すると共に(ステップS113)、EVFを開始する(ステップS114)。このときにEVFモードでなかった場合、すなわち主ミラー1及びサブミラー3がダウンし、シャッター9が閉じている場合には、ミラー制御部41を介して主ミラー1及びサブミラー3をアップ駆動する。更に、シャッター制御部40を制御してシャッター9を開き、撮像素子14にレンズユニット200を介して入射する被写体像を結像し、画像表示部28の画像表示をON状態に設定する。更に、撮像した画像データを逐次表示するライブビュー表示状態に設定して(ステップS115)、図3のステップS120に進む。なお、ライブビュー表示状態においては、撮像素子14、A/D変換器16、画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、画像表示メモリ24に逐次書き込まれたデータを、メモリ制御回路22、D/A変換器26を介して画像表示部28により逐次表示する。このようにして、EVF機能を実現している。
【0075】
一方、ステップS112において、ファインダーモード設定スイッチ66がOVFモードに設定されていた場合、EVFフラグを解除すると共に(ステップS116)、OVFを開始する(ステップS117)。このときにOVFモードでなかった場合、すなわち主ミラー1及びサブミラー3がアップし、シャッター9が開いている場合は、ミラー制御部41を介して主ミラー1をダウン駆動する。更に、シャッター制御部40を制御してシャッター9を閉じ、光学ファインダーとして機能するように設定し、画像表示部28の画像表示をOFF状態にして、図3のステップS120に進む。このように、OVFモードが設定されている場合は、画像表示部28によるEVF機能を使用せず、光学ファインダーを用いて撮影を行う。
【0076】
なお、ステップS113またはS116で設定されるEVFフラグの状態は、システムコントローラ50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶する。
【0077】
次に、図3のステップS120において、シャッタースイッチSW1の状態を調べ、シャッタースイッチSW1が押されていないならば、ステップS102に戻る。シャッタースイッチSW1が押されたならば、ステップS121に進む。
【0078】
ステップS121では、焦点調節処理を行ってフォーカスレンズ201の焦点を被写体に合わせ、測光処理を行って絞り値及びシャッタースピードを決定する。測光の結果、必要であればフラッシュフラグをセットし、フラッシュの設定も行う。このステップS121で行う焦点調節・測光処理の詳細は図8乃至図14を用いて後述する。
【0079】
焦点調節・測光処理(ステップS121)を終えたならば、シャッタースイッチSW2の状態を調べる。シャッタースイッチSW2が押されずに(ステップS122でOFF)、さらにシャッタースイッチSW1も解除されたならば(ステップS123でOFF)、ステップS102に戻る。
【0080】
シャッタースイッチSW2が押されたならば(ステップS122でON)、ステップS124において、システムコントローラ50は露光処理及び現像処理からなる撮影処理を実行する。露光処理では、撮像素子14、A/D変換器16、画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、或いはA/D変換器16から直接メモリ制御回路22を介して、メモリ30に撮影した画像データを書き込む。そして、現像処理では、メモリ制御回路22そして必要に応じて画像処理回路20を用いて、メモリ30に書き込まれた画像データを読み出して各種処理を行う。なお、このステップS124における撮影処理の詳細は図15を用いて後述する。
【0081】
撮影処理が終了すると、システムコントローラ50は、内部メモリ或いはメモリ52に記憶されたクイックレビューフラグの状態を判断する(ステップS125)。そして、クイックレビューフラグが設定されていたならばクイックレビュー表示を行う(ステップS126)。
【0082】
一方、クイックレビューフラグが解除されていたならば(ステップS125でOFF)、直接ステップS127に進む。
【0083】
ステップS127では、システムコントローラ50は、メモリ30に書き込まれた画像データを読み出して、メモリ制御回路22そして必要に応じて画像処理回路20を用いて各種画像処理を行う。更に、圧縮・伸長回路32を用いて設定したモードに応じた画像圧縮処理を行った後、記録媒体120へ画像データの書き込みを行う記録処理を実行する。
【0084】
記録処理(ステップS127)が終了した際に、システムコントローラ50はシャッタースイッチSW2の状態を判断する。シャッタースイッチSW2が押された状態であったならば(ステップS128でON)、システムコントローラ50はシステムコントローラ50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶される連写フラグの状態を判断する(ステップS129)。連写フラグが設定されていたならば、連続して撮影を行うためにステップS124に戻り、次の撮影を行う。連写フラグが設定されていないならば(ステップS129でNO)、ステップS128に戻り、シャッタースイッチSW2が放されるまで、現在の処理を繰り返す。
【0085】
シャッタースイッチSW2が放されたならば、ステップS130において所定のミニマムレビュー時間が経過した後に、ステップS131に進む。
【0086】
ステップS138ではシステムコントローラ50は、内部メモリ或いはメモリ52に記憶されたEVFフラグの状態を判断する。そして、EVFフラグが設定されていたならば、画像表示部28の表示状態をライブビュー表示状態に設定してから(ステップS132)、ステップS134に進む。この場合、画像表示部28でのクイックレビュー表示によって撮影画像を確認した後に、次の撮影のために撮像した画像データを逐次表示するライブビュー表示状態にすることができる。
【0087】
一方、EVFフラグが解除されていたならば(ステップS131でOFF)、画像表示部28の画像表示をOFF状態に設定して(ステップS133)、ステップS134に進む。
【0088】
ステップS134ではシャッタースイッチSW1の状態を調べ、シャッタースイッチSW1がONであれば、システムコントローラ50は、ステップS122に戻って次の撮影に備える。シャッタースイッチSW1がOFFであれば、システムコントローラ50は、一連の撮影動作を終えてステップS102に戻る。
【0089】
●ライブビュー表示
次に、図4および図5を用いて、EVFモード時の撮像素子14の蓄積及び読み出しに関して説明する。
【0090】
図4は、全画面読み出し時の読み出し手順を説明するための図である。図4(a)は撮像素子14の受光領域300を表しており、レンズユニット200を介して結像された被写体像(上下、左右逆)のイメージをオーバーラップして示している。また、図4(b)は、蓄積、読み出し時のタイミングチャートであり、ラインAが蓄積開始、ラインBが蓄積終了、ラインCが1行分データの読み出し終了を示している。従って、ラインA〜Bの間が蓄積期間であり、ラインB〜Cの間が読み出し期間を示している。
【0091】
時刻t0にて、撮像素子14の一番上のラインの蓄積を開始し、時刻t1で蓄積を終了すると共に続いて画素信号の読み出しを開始し、A/D変換器16にて1画素ずつ撮像素子14の1ライン分の画像データをデジタル信号に変換しながら読み出す。時刻t2で1ライン分の全ての画素の読み出しが終了する。
【0092】
次のラインは、時刻t0より、この読み出し時間(t1〜t2)遅れて蓄積を開始し、同様な処理を行い、時刻t3にて最後のラインの画素の読み出しを終了する。
【0093】
ライブビューで等倍表示を行う場合は、この様にして得た画像を画像処理回路20でリサイズし、一旦メモリ30に保存し、D/A変換器26を介して、画像表示部28に表示する。
【0094】
なお、ライブビュー表示においては、例えば30fpsで全画素を読み出す事はできないので、実際は、撮像素子14の縦方向に、例えば1/3、横方向に、例えば1/3に間引いて読み出しを行い、1画面を読み出すためにかかる読み出し時間を短縮している。
【0095】
次に図5は、EVFモードにおいて拡大表示を行う際に、撮像素子14の一部分だけ読み出す処理(部分読み出し)を説明する図である。なお、同図において図4と同じ部分は同じ符号を振ってある。
【0096】
部分読みでは、時刻t0で、部分読みを行う領域301の一番上のラインの蓄積を開始し、時刻t1で蓄積を終了する。続いて画素信号の読み出しを開始するが、読み出しに不要な部分はスキップし、領域301内の画素のみ、A/D変換器16にて1画素ずつデジタル信号に変換しながら読み出す。時刻t2にて1ラインの内の領域301の画素の読み出しを終了する。
【0097】
次のラインは、t0より、この読み出し時間(t1〜t2)遅れて蓄積を開始し、同様な処理を行い、時刻t3にて領域301の最後のラインの画素の読み出しを終了する。
【0098】
ライブビューで拡大表示を行う場合は、この様にして得た画像を画像処理回路20でリサイズし、一旦メモリ30に保存し、D/A変換器26を介して画像表示部28に表示する。
【0099】
また、拡大表示を行う場合、例えば5倍拡大表示を行う場合は、全画素の1/25の画素しか読み出さないので、全画面表示のような間引き読み出しを行わずに、表示する拡大画像に対応する撮像素子14の部分領域から全画素の読み出しを行う。このように読み出し方を変えることにより、拡大表示をしても、品質の高い(解像度の高い)ライブビュー画像を表示することができる。
【0100】
ここで、顔検出を行う場合には、画像処理回路20内で、ライブビュー画像から、略一様輝度の領域内の、目の特徴、唇特徴と、相互の位置関係などから顔であることを検出している。そのため、拡大表示を行った場合は、例えば図5の領域301に示すような画像の場合、目が領域301の端部付近にあるので、手ぶれや被写体ぶれなどにより拡大画面内から入ったり出たりする。そのため、目の検出確率が下がり、顔の認識率が著しく下がってしまう。さらに拡大率を上げた場合には、顔の検出は殆どできなくなってしまう。
【0101】
従って、本第1の実施形態においては、図6および図7の処理を行って、顔検出と拡大処理を排他的に実行する。
【0102】
図6は、操作部70の顔検出モード設定ボタンが操作された場合の変更処理を示すフローチャートであり、同様に図7は拡大表示設定ボタンが操作された場合の変更処理を示すフローチャートである。これらの処理は、各ボタンの状態が変化した際に割り込み処理されるもので、EVFモードが設定されている場合に、図2及び図3の撮影処理(ステップS124)以外のステップの間に、任意のタイミングで処理されるものである。
【0103】
顔検出モード設定ボタンが操作され、状態が変化すると図6の処理が開始される。その際、顔検出モード設定ボタンが顔検出オンからオフ(ON→OFF)に変更された場合は(ステップS151)、拡大倍率の制限を解除し(ステップS152)、顔検出モード変更サブルーチンを終了する。
【0104】
一方、顔検出モード設定ボタンが顔検出オフからオン(OFF→ON)に変更された場合は(ステップS151)、ステップS153に進んで拡大表示設定がされているか判断する。設定されていない場合は、そのまま顔検出モード変更サブルーチンを終了し、設定されていれば、拡大倍率を予め設定された倍率(閾値)より低くなるように変更する(ステップS154)。ここでは、例えば、顔検出処理の検出結果、十分な検出精度を達成することが可能な拡大倍率(経験値)を上限倍率とすると、現在の拡大倍率が上限倍率を超えている場合に、この上限倍率に収まるよう変更する。なお、現在の拡大倍率が上限倍率以下であれば、変更しない。そして、顔検出モード変更サブルーチンを終了する。
【0105】
また、拡大表示設定ボタンが操作され、拡大倍率が変化すると図7の処理が開始される。その際、顔検出モード設定ボタンの状態が顔検出オフであれば(ステップS161でNO)、拡大表示設定ボタンにより設定された拡大倍率に変更して(ステップS165)、表示倍率変更サブルーチンを終了する。
【0106】
一方、顔検出モード設定ボタンの状態が顔検出オンの場合(ステップS161でYES)、ステップS162において、拡大倍率が予め設定された倍率(例えば、上述した上限倍率)以下かどうかを判断する。拡大倍率が予め設定された倍率以下であれば(ステップS162でYES)、ステップS163に進む。ステップS163では顔検出を許可して、ステップS165で拡大表示設定ボタンにより設定された拡大倍率に変更し、表示倍率変更サブルーチンを終了する。また、拡大倍率が予め設定された倍率(例えば、上述した上限倍率)を超える場合には(ステップS162でNO)、顔検出を禁止する(ステップS164)。そして、拡大表示設定ボタンにより設定された拡大倍率に変更して(ステップS165)、表示倍率変更サブルーチンを終了する。
【0107】
このように、図6及び図7の処理によって、ライブビュー表示時に顔検出処理と拡大表示処理がユーザの指示に基づいて排他的に制御されるので、顔検出の検出率を下げることなく、ユーザの意図に応じた拡大表示処理と顔検出処理を行うことができる。
【0108】
●測光処理
次に、図8のフローチャートを参照しながら、図3のステップS121における測光処理について詳しく説明する。
【0109】
先ず、ステップS221において、ファインダーモード設定スイッチ66の設定により、OVFモードに設定されているかEVFモードに設定されているかを判断する。この判断は、例えば、システムコントローラ50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶されたEVFフラグの状態を判別することで判断することができる。OVFモードに設定されている場合は、測光センサ7を用いて被写体輝度の測光を行い(ステップS222)、測光センサ7で算出された被写体輝度BVと、設定された感度SVから、本撮影時の露光量の演算を行う(ステップS223)。
【0110】
一方、EVFモードに設定されている場合は、前述した様にして撮像素子14からプレビュー画像を読み込む(ステップS230)。そして、A/D変換器16、画像処理回路20で、画面全体を所定の分割数に分割した、それぞれのブロック毎に輝度値に変換する(ステップS231)。
【0111】
ここで、図9及び図10を用いて、ブロック毎の輝度値の求め方を説明する。図9は、撮像素子14に結像された被写体像を示し、枠Aは画像処理回路20により検出された顔の領域を示す。図10は画像処理回路20で全画面を縦8横12のブロックに分割して、その中の各画素の輝度をブロック内で平均化したものである。したがって、本第1の実施形態では96(=8×12)ブロックに分割された輝度情報を得ている。
【0112】
次に、顔検出モードであって、画像処理回路20で顔検知が成功した場合(ステップS232)は、検出された顔領域を測光中心として(ステップS233)、全体輝度を求める(ステップS234)。この全体輝度の求め方を図10及び図11を用いて説明する。
【0113】
図11は、検出された顔を中心とした重み付けテーブルであり、ステップS231で求めた被写体輝度情報に対して乗算することにより、顔を中心とした全体輝度BVaを算出する。
【0114】
すなわち、図10の1行1列目の輝度データ(B01)に、図11の1行1列目の重み付け係数データ(0.2)を掛け合わせる。同様にして、図10の8行12列目の輝度データ(B71)まで、図11の8行12列目までの重み付け係数データ(0.2)をそれぞれ掛け合わせた全ての結果を加算し、図11に示した重み付けテーブルの合計値で割る。これにより、検出した顔を中心として、顔に重みを置いた全体輝度BVaを求める。
【0115】
次に検出された顔部分の輝度BVfを求める(ステップS235)。ステップS235においても、ステップS234と同様の手順で、図10の輝度データに、図12の検出された顔に最も近い領域の選択テーブルを掛け合わせ、平均演算をすることで求める。
【0116】
次に、ステップS234で求めた全体輝度BVaと、ステップS235で求めた顔部分の輝度BVfを、所定の比率(例えばBVf:BVa=1:1)で平均化する事により、目標輝度BVを求める(ステップS236)。ここで、検出された顔輝度だけで露出を決めないのは、顔検出が成功した場合と失敗した場合の露出差を抑えると共に、顔色により大きく露出が変わるのを避けるためである。
【0117】
一方、顔が検出されなかった場合(ステップS232でNO)は、測光中心を所定領域(例えばAF最近点)に設定し(ステップS240)、ステップS234と同じ方法で所定領域を中心とした全体輝度BVを算出する(ステップS241)。
【0118】
次に、得られた被写体輝度情報より、現在の露出が適正であるかどうかを判断する(ステップS245)。適正でない場合は、撮像素子14の電子シャッター秒時の変更または、レンズユニット200の絞り204を変更して、ライブビュー表示が適正輝度となるべく露出を制御する(ステップS246)。一方、適正であった場合は、ISO感度を基に本撮影の露光量を演算する(ステップS247)。続いて、現在のホワイトバランスが適正であるかどうかを判断し(ステップS248)、適正でなければ、適切なホワイトバランスとなるようにRGB各色のゲインを変更する制御を行う(ステップS249)。
【0119】
●焦点調節処理
次に、図13のフローチャートを参照しながら、図3のステップS121における焦点調節処理について詳しく説明する。
【0120】
ステップS301において、ファインダーモード設定スイッチ66の設定により、OVFモードに設定されている場合は、焦点検出部8内のAFセンサの電荷蓄積を行う(ステップS302)。そして、検出された信号のズレより、公知の方法でデフォーカス量演算を行い(ステップS303)、デフォーカス量を判断する(ステップS304)。所望の範囲外であれば、レンズユニット200に対して、シリアル通信ライン399を介してフォーカスレンズ201の駆動命令を出す。
【0121】
一方、レンズユニット200は、フォーカスレンズ駆動指令を受けると、フォーカス制御部211を介して、フォーカス駆動アクチュエータ202を所定量駆動し(ステップS305)、ステップS302に戻ってAF用の電荷蓄積を繰り返す。一方、ステップS304の判定結果が所望の範囲内の場合は、AF処理を終了する。
【0122】
一方、ステップS301において、ファインダーモードがEVFモードの場合は、
【0123】
撮像素子14より取得した画像の高周波成分に基づいて合焦状態を評価する、いわゆるコントラストAF制御動作を行う。
まず、顔が検出されたかどうかを判断し(ステップS311)、顔検出が成功している場合は、図9で示すように、焦点調節領域を検出された顔の位置に設定する(ステップS312)。一方、被写体に人物がいない、または、横を向いるなどの理由で顔検出ができなかった場合は、図14に示すように、画面を複数の領域に分け、この領域内のそれぞれのコントラスト評価値を算出する、自動選択モードに設定する(ステップS313)。
【0124】
次に、撮像素子14から画像を読み出し(ステップS314)、ステップS312またはS313で決定した焦点調節領域におけるコントラスト評価値(元画像を横方向に微分して得られた高周波成分の絶対値の最大値)を算出する(ステップS315)。上記コントラスト評価値の算出処理を、フォーカスレンズ201を所定量ずつ移動しながら、所定範囲(通常はフォーカスレンズ201を駆動可能な全領域)について行う。そして所定範囲についてフォーカスレンズ201の駆動が終了していない場合は、ステップS317で、ステップS305と同様にして所定量フォーカス駆動アクチュエータ202を駆動した後、ステップS314に戻り、コントラストAF検出動作を繰り返す。
【0125】
一方、所定範囲についてフォーカスレンズ201の駆動を終えると、ステップS318に進む。そして、ステップS315で得られた検出された顔位置のコントラスト評価値が最大となったフォーカスレンズ201の位置(合焦位置)にフォーカスレンズ201を駆動して、AF動作を終了する。一方、顔が検出されたなかった場合には、図14に示す各焦点調節領域の内、ステップS315で得られたコントラスト評価値を基に、最も近距離で最大のコントラスト評価値が得られた位置を合焦位置とする。そして、その位置にフォーカスレンズ201を駆動してAF処理を終了する。
【0126】
●撮像処理
次に、図15のフローチャートを参照しながら、図3のステップS124における撮像処理について詳しく説明する。
【0127】
ステップS331において、ファインダーモード設定スイッチ66の設定により、OVFモードに設定されている場合は、撮影準備のために主ミラー1をアップし、撮影光軸上から退避させる(ステップS332)。一方、EVFモードの場合は、撮影準備のためにシャッター9を閉じる(ステップS333)。
【0128】
続いてOVFモード、EVFモード共に、図8のステップS223あるいはS247で演算した露出値に基づいてレンズユニット200の絞り204を駆動する(ステップS334)。そして、撮像素子14の蓄積を開始するとともにシャッター9を開き、露光を開始する(ステップS335)。
【0129】
所定のシャッター秒時が経過すると、シャッター9を閉じ(ステップS336)、撮像素子14からA/D変換器16を介して撮影画像を読み出し、メモリ30に保存して(ステップS338)、撮影処理を終了する。
【0130】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0131】
本第2の実施形態は、顔検出モード設定ボタンが操作された場合の変更処理と、拡大表示設定ボタンが操作された場合の変更処理が、図6及び図7を参照して上述した処理と異なる。それ以外の処理及び装置構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので、説明を省略する。
【0132】
図16は、操作部70の顔検出モード設定ボタンが操作された場合の変更処理を示すフローチャートであり、同様に図17は拡大表示設定ボタンが操作された場合の変更処理を示すフローチャートである。これらの処理は、各ボタンの状態が変化した際に割り込み処理されるもので、EVFモードが設定されている場合に、図2及び図3の撮影処理(ステップS124)以外のステップの間に、任意のタイミングで処理されるものである。
【0133】
顔検出モード設定ボタンが操作され、状態が変化すると図6の処理が開始される。その際、顔検出モード設定ボタンが顔検出オンからオフ(ON→OFF)に変更された場合は(ステップS171)、拡大倍率の制限を解除し(ステップS172)、顔検出モード変更サブルーチンを終了する。
【0134】
一方、顔検出モード設定ボタンが顔検出オフからオン(OFF→ON)に変更された場合は(ステップS171)、ステップS173に進んで、予め設定された上限倍率(閾値)よりも高い拡大倍率が設定されているかどうかを判断する。ここでは、例えば、顔検出処理を検出した場合に、十分な検出精度を達成することが可能な拡大倍率(経験値)を上限倍率とする。拡大倍率が上限倍率以下の場合には、顔検出モードを設定して(ステップS175)、サブルーチンを終了する。一方、拡大倍率が上限倍率を超える場合には、顔検出モードの設定を禁止して(ステップS174)、サブルーチンを終了する。この際に、画像表示部28に、顔検出モードを設定できない旨の警告、及び/または拡大倍率を上限倍率以下に変更することを促すメッセージを表示するようにしても良い。
【0135】
また、拡大表示設定ボタンが操作され、拡大倍率の変更が指示されると、図17の処理が開始される。その際、顔検出モードが設定されていなければ(ステップS181でNO)、拡大表示設定ボタンにより設定された拡大倍率に変更して(ステップS184)、表示倍率変更サブルーチンを終了する。
【0136】
一方、顔検出モードが設定されている場合(ステップS181でYES)、ステップS182において、指定された拡大倍率が予め設定された倍率(例えば、上述した上限倍率)以下かどうかを判断する。拡大倍率が予め設定された倍率以下であれば(ステップS182でYES)、拡大表示設定ボタンにより設定された拡大倍率に変更して(ステップS184)、表示倍率変更サブルーチンを終了する。また、拡大倍率が予め設定された倍率(例えば、上述した上限倍率)を超える場合には(ステップS182でNO)、倍率の変更を禁止して(ステップS183)、表示倍率変更サブルーチンを終了する。この際に、画像表示部28に、倍率を変更できない旨の警告、及び/または顔検出モードを解除することを促すメッセージを表示するようにしても良い。
【0137】
このように、図16及び図17の処理によって、ライブビュー表示時に顔検出処理と拡大表示処理がユーザの指示に基づいて排他的に制御されるので、顔検出の検出率を下げることなく、ユーザの意図に応じた拡大表示処理と顔検出処理を行うことができる。
【0138】
なお、上記説明では、拡大倍率が予め設定された上限倍率以下の場合に、拡大表示処理と顔検出処理の両方を許可したが、本発明はこれに限るものではなく、一方を実施している場合には他方を禁止するように排他的に制御しても構わない。
【0139】
また、顔検出モードが設定されている場合に、指定可能な拡大倍率と指定不可能な拡大倍率を、区別が付くように画像表示部28に表示するようにしても良い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光を電気信号に変換して画像データを出力する撮像素子と、
前記撮像素子から第1の読み出し方法と第2の読み出し方法のいずれかにより画像データを読み出す読み出し手段と、
前記第1の読み出し方法で読み出した画像データから、人の顔を示す領域を検出する顔検出処理を行う顔検出手段と、
前記第1の読み出し方法で読み出した画像データに基づいて、予め定めたフレームレートで表示手段に画像を表示させる第1の表示処理と、前記第2の読み出し方法で読み出した画像データに基づいて、前記予め定めたフレームレートで前記表示手段に画像を拡大表示させる第2の表示処理とを行う表示処理手段と、
前記表示処理手段による前記第1の表示処理、および、前記顔検出手段による前記顔検出処理が実施されている場合には、前記表示処理手段による前記第2の表示処理への変更を禁止し、前記顔検出処理が実施されていない場合には、前記表示処理手段による前記第2の表示処理への変更を禁止しないように制御する制御手段とを有し、
前記第1の読み出し方法で読み出した画像データは、前記第2の読み出し方法で読み出した画像データに比べて、より間引かれた画像データであって、
前記第2の読み出し方法は、前記第1の読み出し方法で画像データを読み出す前記撮像素子の領域の一部の領域から、画像データを読み出すことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記読み出し手段は、前記第2の読み出し方法で読み出す前記撮像素子の一部の領域を示す、前記画像の拡大倍率を設定することが可能であり、
前記制御手段は、前記表示処理手段による前記第1の表示処理、および、前記顔検出手段による前記顔検出処理が実施されている場合であっても、設定された前記拡大倍率が予め定めた値を超えていなければ、前記表示処理手段による前記第1の表示処理から前記第2の表示処理への変更を禁止しないように制御し、
前記第2の表示処理への変更が許可された場合に、前記顔検出手段は、設定された前記拡大倍率で前記第2の読み出し方法で読み出した画像データから、人の顔を示す領域を検出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記顔検出手段による前記顔検出処理は、ユーザからの指示に応じてオンとオフを切り替えることが可能であり、
前記制御手段は、前記顔検出処理がオフからオンへ切り換えられた際に、設定された前記拡大倍率が予め定めた値を超えていれば、前記拡大倍率を前記予め定めた値に変更することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
読み出し手段が、入射光を電気信号に変換して画像データを出力する撮像素子から、第1の読み出し方法と第2の読み出し方法のいずれかにより画像データを読み出す読み出し工程と、
顔検出手段が、前記第1の読み出し方法で読み出した画像データから、人の顔を示す領域を検出する顔検出処理を行う顔検出工程と、
表示処理手段が、前記第1の読み出し方法で読み出した画像データに基づいて、予め定めたフレームレートで表示手段に画像を表示させる第1の表示処理、または、前記第2の読み出し方法で読み出した画像データに基づいて、前記予め定めたフレームレートで前記表示手段に画像を拡大表示させる第2の表示処理を行う表示処理工程と、
制御手段が、前記表示処理工程による前記第1の表示処理、および、前記顔検出工程において前記顔検出処理が実施されている場合には、前記表示処理工程における前記第2の表示処理への変更を禁止し、前記顔検出処理が実施されていない場合には、前記第2の表示処理への変更を禁止しないように制御する制御工程とを有し、
前記第1の読み出し方法で読み出した画像データは、前記第2の読み出し方法で読み出した画像データに比べて、より間引かれた画像データであって、
前記第2の読み出し方法は、前記第1の読み出し方法で画像データを読み出す前記撮像素子の領域の一部の領域から、画像データを読み出すことを特徴とする制御方法。
【請求項1】
入射光を電気信号に変換して画像データを出力する撮像素子と、
前記撮像素子から第1の読み出し方法と第2の読み出し方法のいずれかにより画像データを読み出す読み出し手段と、
前記第1の読み出し方法で読み出した画像データから、人の顔を示す領域を検出する顔検出処理を行う顔検出手段と、
前記第1の読み出し方法で読み出した画像データに基づいて、予め定めたフレームレートで表示手段に画像を表示させる第1の表示処理と、前記第2の読み出し方法で読み出した画像データに基づいて、前記予め定めたフレームレートで前記表示手段に画像を拡大表示させる第2の表示処理とを行う表示処理手段と、
前記表示処理手段による前記第1の表示処理、および、前記顔検出手段による前記顔検出処理が実施されている場合には、前記表示処理手段による前記第2の表示処理への変更を禁止し、前記顔検出処理が実施されていない場合には、前記表示処理手段による前記第2の表示処理への変更を禁止しないように制御する制御手段とを有し、
前記第1の読み出し方法で読み出した画像データは、前記第2の読み出し方法で読み出した画像データに比べて、より間引かれた画像データであって、
前記第2の読み出し方法は、前記第1の読み出し方法で画像データを読み出す前記撮像素子の領域の一部の領域から、画像データを読み出すことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記読み出し手段は、前記第2の読み出し方法で読み出す前記撮像素子の一部の領域を示す、前記画像の拡大倍率を設定することが可能であり、
前記制御手段は、前記表示処理手段による前記第1の表示処理、および、前記顔検出手段による前記顔検出処理が実施されている場合であっても、設定された前記拡大倍率が予め定めた値を超えていなければ、前記表示処理手段による前記第1の表示処理から前記第2の表示処理への変更を禁止しないように制御し、
前記第2の表示処理への変更が許可された場合に、前記顔検出手段は、設定された前記拡大倍率で前記第2の読み出し方法で読み出した画像データから、人の顔を示す領域を検出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記顔検出手段による前記顔検出処理は、ユーザからの指示に応じてオンとオフを切り替えることが可能であり、
前記制御手段は、前記顔検出処理がオフからオンへ切り換えられた際に、設定された前記拡大倍率が予め定めた値を超えていれば、前記拡大倍率を前記予め定めた値に変更することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
読み出し手段が、入射光を電気信号に変換して画像データを出力する撮像素子から、第1の読み出し方法と第2の読み出し方法のいずれかにより画像データを読み出す読み出し工程と、
顔検出手段が、前記第1の読み出し方法で読み出した画像データから、人の顔を示す領域を検出する顔検出処理を行う顔検出工程と、
表示処理手段が、前記第1の読み出し方法で読み出した画像データに基づいて、予め定めたフレームレートで表示手段に画像を表示させる第1の表示処理、または、前記第2の読み出し方法で読み出した画像データに基づいて、前記予め定めたフレームレートで前記表示手段に画像を拡大表示させる第2の表示処理を行う表示処理工程と、
制御手段が、前記表示処理工程による前記第1の表示処理、および、前記顔検出工程において前記顔検出処理が実施されている場合には、前記表示処理工程における前記第2の表示処理への変更を禁止し、前記顔検出処理が実施されていない場合には、前記第2の表示処理への変更を禁止しないように制御する制御工程とを有し、
前記第1の読み出し方法で読み出した画像データは、前記第2の読み出し方法で読み出した画像データに比べて、より間引かれた画像データであって、
前記第2の読み出し方法は、前記第1の読み出し方法で画像データを読み出す前記撮像素子の領域の一部の領域から、画像データを読み出すことを特徴とする制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−213173(P2012−213173A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−115901(P2012−115901)
【出願日】平成24年5月21日(2012.5.21)
【分割の表示】特願2007−256007(P2007−256007)の分割
【原出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月21日(2012.5.21)
【分割の表示】特願2007−256007(P2007−256007)の分割
【原出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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