説明

撮像装置及び撮像システム

【課題】光信号とノイズ信号とが画素から異なるインピーダンス変換部を経由して出力部へ読み出される場合でも、インピーダンス変換部のオフセットが画像信号に含まれることを低減する。
【解決手段】第1の伝達部103Sは第1の信号を出力部へ向けて伝達する第1のインピーダンス変換部を含み、第1のインピーダンス変換部の第1のオフセットと第1の信号に第1のオフセットが重畳された信号との差分信号を第3の信号として出力部へ伝達し、第2の伝達部103Nは第2の信号を出力部へ向けて伝達する第2のインピーダンス変換部を含み、第2のインピーダンス変換部の第2のオフセットと第2の信号に第2のオフセットが重畳された信号との差分信号を第4の信号として出力部へ伝達し、出力部は第3の信号と第4の信号との差分をとることにより画像信号を生成して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及び撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された撮像装置では、図28に示すように、画素配列における各列の画素に接続された信号配線SIGに、容量C、アンプ2、スイッチSW、容量Csh、アンプ5がこの順番に接続されている。また、この撮像装置では、図29に示すように、容量Cがリセット信号rcに応じてリセットスイッチ1によりリセットされた後に、薄膜トランジスタTがオンして光電変換素子Sの信号が容量Cへ転送されて容量Cに蓄積される。その後、smplパルスによりスイッチSWがオンした際に、容量Cに蓄積された信号がアンプ2により増幅されてサンプルホールド回路3内の容量Cshに伝達されて容量Cshに蓄積される。スイッチSWがオフした後、容量Cshに蓄積された信号は、ad0〜8パルスによりアナログマルチプレクサ4が端子4を選択した際に、A/D変換器7へ転送されA/D変換器7によりA/D変換された後にDoutに出力される。この構成により、特許文献1によれば、スイッチSWがオフした状態で容量Cshにより蓄積された信号がアンプ2の出力するアナログ電圧の変動の影響を受けないので、容易にSN比を向上できるとされている。
【0003】
特許文献2に記載された撮像装置では、画素から異なるタイミングでノイズ信号と光信号とをそれぞれ出力アンプへ読み出し、出力アンプにより光信号とノイズ信号との差分をとるCDS処理を行うことが開示されている。これにより、特許文献2によれば、固定パターンノイズが除去された画像信号を撮像装置から出力することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−150255号公報
【特許文献2】特開2003−51989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、撮像装置では、画素から出力アンプまでの信号の読み出し動作を高速に行いたいという要求と、画素から読み出された信号に応じて生成される画像信号に含まれるノイズを低減したいという要求とがある。これら2つの要求は、一般に、両立が困難である。
【0006】
本発明の目的は、画素から出力アンプまでの信号の読み出し動作を高速に行うとともに、固定パターンノイズが画像信号に含まれることを低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1側面に係る撮像装置は、光電変換部を含む画素と、前記画素に接続された列信号線と、出力部と、同一の前記画素を選択している期間の異なるタイミングにおける前記同一の前記画素から前記列信号線へ出力された第1の信号と第2の信号とを前記出力部へ伝達する伝達ブロックとを備え、前記伝達ブロックは、第1の伝達部と第2の伝達部とを含み、前記第1の伝達部は、前記第1の信号を前記出力部へ向けて伝達する第1のインピーダンス変換部を含み、前記第1のインピーダンス変換部の第1のオフセットと前記第1の信号に前記第1のオフセットが重畳された信号との差分信号を第3の信号として前記出力部へ伝達し、前記第2の伝達部は、前記第2の信号を前記出力部へ向けて伝達する第2のインピーダンス変換部を含み、前記第2のインピーダンス変換部の第2のオフセットと前記第2の信号に前記第2のオフセットが重畳された信号との差分信号を第4の信号として前記出力部へ伝達し、前記出力部は、前記第3の信号と前記第4の信号との差分をとることにより画像信号を生成して出力することを特徴とする。
【0008】
本発明の第2側面に係る撮像システムは、本発明の第1側面に係る撮像装置と、前記撮像装置の撮像面へ像を形成する光学系と、前記撮像装置から出力された信号を処理して画像データを生成する信号処理部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画素から出力アンプまでの信号の読み出し動作を高速に行うとともに、固定パターンノイズが画像信号に含まれることを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態に係る撮像装置100の構成図。
【図2】画素101の構成を示す図。
【図3】各列の読み出し回路103の構成を示す図。
【図4】各列の読み出し回路103の動作を示すタイミングチャート。
【図5】第1実施形態に係る光電変換装置を適用した撮像システムの構成図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る撮像装置100iにおける各列の読み出し回路103iの構成を示す図。
【図7】各列の読み出し回路103iの動作を示すタイミングチャート。
【図8】時刻t10における各列の光信号伝達部103Siの接続状態を示す図。
【図9】時刻t14における各列の光信号伝達部103Siの接続状態を示す図。
【図10】本発明の第3実施形態に係る撮像装置100jにおける各列の読み出し回路103jの構成を示す図。
【図11】各列の読み出し回路103jの動作を示すタイミングチャート。
【図12】時刻t20における各列の光信号伝達部103Sjの接続状態を示す図。
【図13】時刻t22における各列の光信号伝達部103Sjの接続状態を示す図。
【図14】本発明の第4実施形態に係る撮像装置100kにおける各列の読み出し回路103jの動作を示すタイミングチャート。
【図15】本発明の第5実施形態に係る撮像装置100nにおける各列の読み出し回路103nの構成を示す図。
【図16】本発明の第6実施形態に係る撮像装置100pにおける各列の読み出し回路103pの構成を示す図。
【図17】本発明の第7実施形態に係る撮像装置100qにおける各列の読み出し回路103qの構成を示す図。
【図18】各列の読み出し回路103qの動作を示すタイミングチャート。
【図19】本発明の第8実施形態に係る撮像装置100hにおける各列の読み出し回路103hの構成を示す図。
【図20】各列の読み出し回路103hの動作を示すタイミングチャート。
【図21】時刻t50におけるノイズ信号伝達部103Nhの接続状態、又は、時刻t52における光信号伝達部103Shの接続状態を示す図。
【図22】時刻t54におけるノイズ信号伝達部103Nhの接続状態、又は、時刻t54における光信号伝達部103Shの接続状態を示す図。
【図23】インピーダンス変換部の構成例を示す図。
【図24】インピーダンス変換部の構成例を示す図。
【図25】オペアンプの構成例を示す図。
【図26】インピーダンス変換部の入力端子の信号及び出力端子の信号を示す表。
【図27】本発明の課題を説明するための図。
【図28】背景技術を説明するための図。
【図29】背景技術を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の課題を、図27を用いて詳細に説明する。図27は、撮像装置2000における1列分の構成を示す図である。
【0012】
撮像装置2000は、次の構成要素を備える。
【0013】
画素配列PA2000では、画素2001、2002を含む複数のアクティブ型の画素が行方向及び列方向に配列されている。画素配列PA2000における各列の画素には、列信号線SIGを介してラインメモリ2010が接続されている。画素2001及び画素2002は、同じ列の画素であり同じ信号線SIGに接続されている。また、列信号線SIGには、定電流負荷2003が接続されている。
【0014】
ラインメモリ2010は、容量2004、2005、2008、2009、及びインピーダンス変換器2006、2007を含む。
【0015】
選択部(選択トランジスタ)SELは、オンすることによりその画素を選択状態にする。選択状態になった画素では、光電変換部PDで発生した信号が転送部TXを介して画素出力部(ソースフォロワトランジスタ)SFのゲートへ入力される。その信号は、画素出力部SFと定電流負荷2003とにより増幅されて信号線SIGへ出力される。
【0016】
具体的には、第1の期間において、ノイズ信号Vnが画素から容量2005に読み出され、その後、ノイズ信号Vnに画像信号を重畳させた光信号Vsが画素から容量2004に読み出される。
【0017】
第2の期間において、容量2004に読み出された光信号はインピーダンス変換器2006を介して容量2008に伝達される。容量2008は、伝達された光信号を保持する。また、容量2005に読み出されたノイズ信号はインピーダンス変換器2007を介して容量2009に伝達される。容量2009は、伝達されたノイズ信号を保持する。
【0018】
第3の期間において、容量2008に保持された光信号は後段の出力線(図示せず)へ読み出される。また、容量2009に保持されたノイズ信号は後段の出力線(図示せず)へ読み出される。出力アンプ(図示せず)は、出力線を介して光信号とノイズ信号とを受けて、受けた光信号とノイズ信号との差分をとることにより画像信号を生成して撮像装置2000の外部へ出力する。
【0019】
仮に、所定の画素(例えば、画素2001)の信号を容量2008,2009から出力線へ読み出す動作と、別の画素(例えば、画素2002)から信号を容量2004,2005へ読み出す動作とを並行して行うとする。この場合、画素配列PA2000から信号を出力アンプに読み出すための読み出し期間を短縮できる。
【0020】
しかし、光信号がインピーダンス変換器2006のオフセットを含み、ノイズ信号がインピーダンス変換器2007のオフセットを含んだ状態で、それぞれ出力アンプへ伝達されている。この場合、出力アンプにより光信号とノイズ信号との差分をとっても、インピーダンス変換器2006のオフセットとインピーダンス変換器2007のオフセットとの差分が画像信号にノイズとして残ってしまう。この画像信号におけるオフセット成分を低減して、画像信号により得られる画像の画質を向上することが望まれる。
【0021】
本発明の第1実施形態に係る撮像装置100を、図1を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る撮像装置100の構成図である。
【0022】
撮像装置100は、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、イメージスキャナ用のイメージ入力装置に用いられるCMOSイメージセンサーである。撮像装置100は、画素配列PA、複数の列信号線SIG、垂直走査回路110、複数の読み出し回路(複数の伝達ブロック)103、複数の列転送部109、水平走査回路120、及び出力アンプ(出力部)108を備える。
【0023】
画素配列PAでは、複数の画素101が行方向及び列方向に配列されている。図1では、画素配列PAが4行6列の画素101で構成される場合が例示されている。
【0024】
複数の列信号線SIGは、画素配列PAの各列の画素101に接続されている。各列信号線SIGには、定電流源102が接続されている。定電流源102は、列信号線SIGに定電流を供給する。
【0025】
垂直走査回路110は、画素配列PAを垂直方向(列方向)に走査することにより、信号を読み出すべき行を選択し、選択した行の画素から列信号線SIGへ信号が出力されるようにその選択した行の画素を駆動する。
【0026】
複数の読み出し回路103は、画素配列PAの各列の画素101に対応して設けられている。各読み出し回路103は、列信号線SIGに出力された各列の画素の信号を読み出す。すなわち、読み出し回路103は、列信号線SIGを介して同一の画素101から異なるタイミングで受けた光信号とノイズ信号とを一時的に保持する。読み出し回路103は、後述のように、光信号伝達部(第1の伝達部)103Sとノイズ信号伝達部(第2の伝達部)103Nとを含む。光信号伝達部103Sは、光信号を一時的に保持する。ノイズ信号伝達部103Nは、ノイズ信号とを一時的に保持する。
【0027】
複数の列転送部109は、画素配列PAの各列の画素101に対応して設けられている。各列転送部109は、読み出し回路103により保持された光信号とノイズ信号とを出力アンプ108へ転送する。各列転送部109は、転送スイッチ104と転送スイッチ105とを含む。
【0028】
転送スイッチ104は、光信号伝達部103Sと光信号出力線106との導通をオン/オフする。転送スイッチ104は、オンすることにより、光信号伝達部103Sにより保持された光信号を光信号出力線106経由で出力アンプ108へ転送する。
【0029】
転送スイッチ105は、ノイズ信号伝達部103Nとノイズ信号出力線107との導通をオン/オフする。転送スイッチ105は、オンすることにより、ノイズ信号伝達部103Nにより保持されたノイズ信号をノイズ信号出力線107経由で出力アンプ108へ転送する。
【0030】
水平走査回路120は、複数の列転送部109を水平方向(行方向)に走査することにより、各列の転送スイッチ104及び転送スイッチ105を順次にオンさせる。これにより、各列の光信号伝達部103Sにより保持された光信号は、光信号出力線106を介して、順次に出力アンプ108へ読み出される。各列のノイズ信号伝達部103Nにより保持されたノイズ信号は、ノイズ信号出力線107を介して、順次に出力アンプ108へ読み出される。
【0031】
出力アンプ108は、各列の読み出し回路103の光信号伝達部103S及びノイズ信号伝達部103Nからそれぞれ光信号とノイズ信号とを受ける。出力アンプ108は、受けた光信号とノイズ信号との差分をとることにより画像信号を生成して出力する。出力アンプ108は、例えば、差動増幅器である。
【0032】
次に、画素配列PAにおける各画素101の構成を、図2を用いて説明する。図2は、画素101の構成を示す図である。
【0033】
画素101は、光電変換部PD、転送部TX、電荷電圧変換部FD、リセット部RES、選択部SEL、及び画素出力部SFを含む。
【0034】
光電変換部PDは、光に応じた電荷を発生させて蓄積する。光電変換部PDは、例えば、フォトダイオードである。
【0035】
転送部TXは、光電変換部PDで発生した電荷を電荷電圧変換部FDへ転送する。転送部TXは、例えば、転送MOSトランジスタであり、垂直走査回路110(図1参照)からアクティブな信号がゲートに供給された際にオンすることにより、光電変換部PDで発生した信号電荷を電荷電圧変換部FDへ転送する。
【0036】
電荷電圧変換部FDは、転送された電荷を電圧に変換する。電荷電圧変換部FDは、例えば、フローティングディフュージョンである。
【0037】
リセット部RESは、電荷電圧変換部FDをリセットする。リセット部RESは、例えば、リセットMOSトランジスタであり、垂直走査回路110(図1参照)からアクティブな信号がゲートに供給された際にオンすることにより、電荷電圧変換部FDを(リセット電源VDDの電位に)リセットする。
【0038】
選択部SELは、画素101を選択状態/非選択状態にする。選択部SELは、例えば、選択MOSトランジスタであり、垂直走査回路110(図1参照)からアクティブ/ノンアクティブな信号がゲートに供給された際にオン/オフすることにより、画素101を選択状態/非選択状態にする。
【0039】
画素出力部SFは、電荷電圧変換部FDの電圧に応じた信号を列信号線SIGへ出力する。画素出力部SFは、例えば、ソースフォロワMOSトランジスタSFであり、列信号線SIGに接続された定電流源102とともにソースフォロワ動作をすることにより、電荷電圧変換部FDの電圧に応じた信号を列信号線SIGへ出力する。すなわち、画素出力部SFは、電荷電圧変換部FDがリセットされた状態で、電荷電圧変換部FDの電圧に応じたノイズ信号を列信号線SIGへ出力する。画素出力部SFは、光電変換部PDの電荷が電荷電圧変換部FDへ転送された状態で、電荷電圧変換部FDの電圧に応じた光信号を列信号線SIGへ出力する。
【0040】
次に、各列の読み出し回路103の構成を、図3を用いて説明する。図3は、各列の読み出し回路103の構成を示す図である。
【0041】
読み出し回路103は、光信号伝達部103Sとノイズ信号伝達部103Nとを含む。
【0042】
光信号伝達部103Sは、スイッチPTS1、第1の保持部CTS1、スイッチPC0RB、第1のインピーダンス変換部(第1の差動増幅器)201、スイッチPC0R1、及び第1のクランプ容量C0Sを含む。光信号伝達部103Sは、第1のスイッチPC0R21、スイッチPTS2、及び第2の保持部CTS2を含む。
【0043】
光信号伝達部103Sは、第5の状態と、第6の状態とを切り替える。第5の状態では、第1のインピーダンス変換部201の出力端子と第1のクランプ容量C0Sにおける後述の第1の電極C0S1とを接続するとともに後述の第2の電極C0S2へ参照電圧を供給する。第6の状態では、第1のインピーダンス変換部201の出力端子と第1の電極C0S1との接続を維持しながら第2の電極C0S2に参照電圧VREF2を供給しない。
【0044】
スイッチPTS1は、第1の信号である光信号をサンプリングする。スイッチPTS1は、オンすることにより、画素101から列信号線SIGへ出力された光信号を第1の保持部CTS1へ転送する。スイッチPTS1は、オフすることにより、転送された光信号を第1の保持部CTS1が保持するようにする。
【0045】
第1の保持部CTS1は、画素101からスイッチPTS1を介して転送された光信号を保持する。
【0046】
スイッチPC0RBは、第1の保持部CTS1に保持された光信号を第1のインピーダンス変換部201へ転送する。
【0047】
第1のインピーダンス変換部201は、転送された光信号をインピーダンス変換して出力する。第1のインピーダンス変換部201は、第1の保持部CTS1に保持された光信号を第2の保持部CTS2へ伝達する。第1のインピーダンス変換部201は、第1のオフセットVof1を有する。第1のインピーダンス変換部201は、例えば、バッファーアンプである。
【0048】
なお、第1のインピーダンス変換部201は、図23に示すようなソースフォロワでもよいし、図24に示すようなオペアンプ2201を用いたボルテージフォロワでもよい。図24におけるオペアンプ2201は、図25に示すような差動増幅器でもよい。
【0049】
スイッチPC0R1は、オンすることにより、第1のインピーダンス変換部201の入力側へ参照電圧VREF1を供給する。
【0050】
第1のクランプ容量C0Sは、第1のインピーダンス変換部201から出力される信号をクランプする。第1のクランプ容量C0Sは、第1の電極C0S1と第2の電極C0S2とを有する。第1の電極C0S1は、第1のインピーダンス変換部から第1のオフセットVof1が入力される。第2の電極C0S2は、第1の電極C0S1に対向している。第2の電極C0S2は、第1のインピーダンス変換部201の第1のオフセットVof1と光信号に第1のオフセットVof1が重畳された信号との差分信号を第3の信号である光信号として供給する。第2の電極C0S2から供給される光信号は、第1のオフセットVof1を含まない。
【0051】
第1のスイッチPC0R21は、オンすることにより、第2の電極C0S2へ参照電圧VREF2を供給する。第1のスイッチPC0R21は、オフすることにより、第2の電極C0S2から、第1のオフセットVof1を含まない光信号が供給されるようにする。
【0052】
スイッチPTS2は、第2の電極C0S2から供給された信号をサンプリングする。スイッチPTS2は、オンすることにより、第2の電極C0S2から供給された光信号を第2の保持部CTS2へ転送する。スイッチPTS2は、オフすることにより、転送された光信号を第2の保持部CTS2が保持するようにする。
【0053】
第2の保持部CTS2は、第2の電極C0S2からスイッチPTS2を介して転送された光信号を保持する。第2の保持部CTS2は、第1のインピーダンス変換部201から伝達された光信号を保持する。第2の保持部CTS2に保持された光信号は、後段の転送スイッチ104がオンした際に光信号出力線106を介して出力アンプ108へ読み出される。
【0054】
ノイズ信号伝達部103Nは、スイッチPTN1、第3の保持部CTN1、スイッチPC0RB、第2のインピーダンス変換部(第2の差動増幅器)202、スイッチPC0R1、及び第2のクランプ容量C0Nを含む。ノイズ信号伝達部103Nは、第2のスイッチPC0R22、スイッチPTN2、及び第4の保持部CTN2を含む。
【0055】
ノイズ信号伝達部103Nは、第7の状態と、第8の状態とを切り替える。第7の状態では、第2のインピーダンス変換部202の出力端子と第2のクランプ容量C0Nにおける後述の第3の電極C0N1とを接続するとともに後述の第4の電極C0N2へ参照電圧VREF2を供給する。第8の状態では、第2のインピーダンス変換部202の出力端子と第3の電極C0N1との接続を維持しながら第4の電極C0N2に参照電圧VREF2を供給しない。
【0056】
スイッチPTN1は、第2の信号であるノイズ信号をサンプリングする。スイッチPTN1は、オンすることにより、画素101から列信号線SIGへ出力されたノイズ信号を第3の保持部CTN1へ転送する。スイッチPTN1は、オフすることにより、転送されたノイズ信号を第3の保持部CTN1が保持するようにする。
【0057】
第3の保持部CTN1は、画素101からスイッチPTN1を介して転送されたノイズ信号を保持する。
【0058】
スイッチPC0RBは、第3の保持部CTN1に保持されたノイズ信号を第2のインピーダンス変換部202へ転送する。
【0059】
第2のインピーダンス変換部202は、転送されたノイズ信号をインピーダンス変換して出力する。第2のインピーダンス変換部202は、第3の保持部CTN1に保持されたノイズ信号を第4の保持部CTN2へ伝達する。第2のインピーダンス変換部202は、第2のオフセットVof2を有する。第2のインピーダンス変換部202は、例えば、バッファーアンプである。
【0060】
なお、第2のインピーダンス変換部202は、図23に示すようなソースフォロワでもよいし、図24に示すようなオペアンプ2201を用いたボルテージフォロワでもよい。図24におけるオペアンプ2201は、図25に示すような差動増幅器でもよい。
【0061】
スイッチPC0R1は、オンすることにより、第2のインピーダンス変換部202の入力側へ参照電圧VREF1を供給する。
【0062】
第2のクランプ容量C0Nは、第2のインピーダンス変換部202から出力される信号をクランプする。第2のクランプ容量C0Nは、第3の電極C0N1と第4の電極C0N2とを有する。第3の電極C0N1は、第2のインピーダンス変換部202から第2のオフセットVof2が入力される。第4の電極C0N2は、第3の電極C0N1に対向している。第4の電極C0N2は、第2のインピーダンス変換部202の第2のオフセットVof2とノイズ信号に第2のオフセットVof2が重畳された信号との差分信号を第4の信号であるノイズ信号として供給する。第4の電極C0N2から供給されるノイズ信号は、第2のオフセットVof2を含まない。
【0063】
第2のスイッチPC0R22は、オンすることにより、第4の電極C0N2へ参照電圧VREF2を供給する。第2のスイッチPC0R22は、オフすることにより、第4の電極C0N2から、第2のオフセットVof2を含まないノイズ信号が供給されるようにする。
【0064】
スイッチPTN2は、第4の電極C0N2から供給された信号をサンプリングする。スイッチPTN2は、オンすることにより、第4の電極C0N2から供給されたノイズ信号を第4の保持部CTN2へ転送する。スイッチPTN2は、オフすることにより、転送されたノイズ信号を第4の保持部CTN2が保持するようにする。
【0065】
第4の保持部CTN2は、第4の電極C0N2からスイッチPTN2を介して転送されたノイズ信号を保持する。第4の保持部CTN2は、第2のインピーダンス変換部202から伝達されたノイズ信号を保持する。第4の保持部CTN2に保持されたノイズ信号は、後段の転送スイッチ105がオンした際にノイズ信号出力線107を介して出力アンプ108へ読み出される。
【0066】
次に、各列の読み出し回路103の動作を、図4を用いて説明する。図4は、各列の読み出し回路103の動作を示すタイミングチャートである。なお、図4には、制御信号の波形以外に、列信号線SIGの電位の変化も併せて示されている。
【0067】
図4に示すように、各行の垂直転送期間VT及びサンプリング期間STが順次に設けられている。例えば、N行目の垂直転送期間VT(N)、N行目のサンプリング期間ST(N)、N+1行目の垂直転送期間VT(N+1)、N行目のサンプリング期間ST(N+1)、N+2行目の垂直転送期間VT(N+2)、・・・が順次に設けられている。
【0068】
また、各行の垂直転送期間VT内に、直前に読み出された(垂直転送された)行の信号に対する水平転送期間HTがそれぞれ設けられている。例えば、N行目の垂直転送期間VT(N)内にN−1行目の水平転送期間HT(N−1)が設けられ、N+1行目の垂直転送期間VT(N+1)内にN行目の水平転送期間HT(N)が設けられている。N+2行目の垂直転送期間VT(N+2)内にN+1行目の水平転送期間HT(N+1)が設けられている。
【0069】
各期間における動作を、N行目の画素の信号について例示的に説明する。
【0070】
垂直転送期間VT(N)の直前のサンプリング期間ST(N−1)では、垂直走査回路110が、画素配列PAにおけるN行目の画素のリセット部RESへアクティブな制御信号φPRESを供給する。これにより、N行目の画素では、リセット部RESが電荷電圧変換部FDをリセットし、画素出力部SFがノイズ信号を列信号線SIGへ出力する。
【0071】
垂直転送期間VT(N)では、垂直走査回路110が、画素配列PAにおけるN行目の画素の選択部SELへアクティブな制御信号φPSELを供給することにより、N行目の画素を選択する。また、垂直走査回路110は、各列のノイズ信号伝達部103NのスイッチPTN1へアクティブな制御信号φPTN1を供給する。これにより、スイッチPTN1は、オンして、画素101から列信号線SIGへ出力されたノイズ信号を第3の保持部CTN1へ転送する。その後、スイッチPTN1がオフすると、第3の保持部CTN1は、転送された光信号を保持する。なお、スイッチPTN2はオフしている。
【0072】
そして、垂直走査回路110が、N行目の画素の転送部TXへアクティブな制御信号φPTXを供給する。これにより、N行目の画素では、転送部TXが光電変換部PDの電荷を電荷電圧変換部FDへ転送し、画素出力部SFが光信号を列信号線SIGへ出力する。垂直走査回路110は、各列の光信号伝達部103SのスイッチPTS1へアクティブな制御信号φPTS1を供給する。これにより、スイッチPTS1は、オンして、画素101から列信号線SIGへ出力された光信号を第1の保持部CTS1へ転送する。この後、スイッチPTS1がオフすると、第1の保持部CTS1は、転送された光信号を保持する。なお、スイッチPTS2はオフしている。
【0073】
一方、垂直転送期間VT(N)内における水平転送期間HT(N−1)では、水平走査回路120が、各列の転送スイッチ104及び転送スイッチ105を順次にオンさせる。これにより、各列の光信号伝達部103Sの第2の保持部CTS2により保持された光信号は、光信号出力線106を介して、順次に出力アンプ108へ読み出される。各列のノイズ信号伝達部103Nの第4の保持部CTN2により保持されたノイズ信号は、ノイズ信号出力線107を介して、順次に出力アンプ108へ読み出される。
【0074】
このように、N行目の画素から第1の保持部又は第3の保持部へN行目の画素の信号を読み出す動作と、第2の保持部から光信号出力線へおよび第4の保持部からノイズ信号出力線へN−1行目の画素の信号を読み出す動作とを並行して行う。これにより、画素配列PAから出力アンプ108まで信号を読み出す読み出し期間を短縮することができる。
【0075】
N行目のサンプリング期間ST(N)では、時刻t0において、垂直走査回路110が、各列の光信号伝達部103S及びノイズ信号伝達部103NのスイッチPC0RBへノンアクティブなφPC0RBを供給する。これにより、各列の光信号伝達部103S及びノイズ信号伝達部103NのスイッチPC0RBは、ともにオフする。これにより、各列の第1の保持部CTS1はN行目の画素の光信号を保持し続け、各列の第3の保持部CTN1はN行目の画素のノイズ信号を保持し続ける。
【0076】
時刻t0において、垂直走査回路110は、各列の光信号伝達部103S及びノイズ信号伝達部103NのスイッチPC0R1へアクティブなφPC0R1を供給する。これにより、各列の光信号伝達部103S及びノイズ信号伝達部103NのスイッチPC0R1がオンする。第1のインピーダンス変換部201は、参照電圧VREF1を受けて、参照電圧VREF1に第1のオフセットVof1が重畳された信号を第1のクランプ容量C0Sの第1の電極C0S1へ入力する。第2のインピーダンス変換部202は、参照電圧VREF1を受けて、参照電圧VREF1に第2のオフセットVof2が重畳された信号を第2のクランプ容量C0Nの第3の電極C0N1へ入力する。
【0077】
時刻t0において、垂直走査回路110は、各列の光信号伝達部103Sの第1のスイッチPC0R21へアクティブなφPC0R2を供給する。これにより、第1のクランプ容量C0Sの第2の電極C0S2には、参照電圧VREF2が入力される。また、垂直走査回路110は、各列のノイズ信号伝達部103Nの第2のスイッチPC0R22へアクティブなφPC0R2を供給する。第2のクランプ容量C0Nの第4の電極C0N2には、参照電圧VREF2が入力される。
【0078】
また、時刻t0において、垂直走査回路110は、各列の光信号伝達部103SのスイッチPTS2へアクティブな制御信号φPTS2を供給する。これにより、スイッチPTS2は、オンして、第2の保持部CTS2をリセットする。同様に、垂直走査回路110は、各列のノイズ信号伝達部103NのスイッチPTN2へアクティブな制御信号φPTN2を供給する。これにより、スイッチPTN2は、オンして、第4の保持部CTN2をリセットする。
【0079】
時刻t1において、垂直走査回路110は、各列の光信号伝達部103S及びノイズ信号伝達部103NのスイッチPC0RBへアクティブなφPC0RBを供給する。これにより、各列の光信号伝達部103S及びノイズ信号伝達部103NのスイッチPC0RBは、ともにオンする。これにより、第1のインピーダンス変換部201は、各列の第1の保持部CTS1により保持された光信号を受けて、光信号と参照電圧VREF1との和に第1のオフセットVof1が重畳された信号を第1の電極C0S1へ入力する。同様に、第2のインピーダンス変換部202は、各列の第3の保持部CTN1により保持されたノイズ信号を受けて、ノイズ信号と参照電圧VREF1との和に第2のオフセットVof2が重畳された信号を第3の電極C0N1へ入力する。
【0080】
時刻t2において、垂直走査回路110は、各列の光信号伝達部103SのスイッチPTS2へアクティブなφPTS2を供給する。これにより、スイッチPTS2がオンして、第1のクランプ容量C0Sのクランプ作用により、第2の電極C0S2から、第1のオフセットVof1を含まない光信号が供給される。すなわち、第2の電極C0S2は、第1のインピーダンス変換部201の第1のオフセットVof1と、光信号に第1のオフセットVof1が重畳された信号との差分信号を光信号として第2の保持部CTS2へ供給する。第2の電極C0S2から供給される光信号は、第1のオフセットVof1を含まない。
【0081】
時刻t2において、垂直走査回路110は、各列のノイズ信号伝達部103NのスイッチPTN2へアクティブなφPTN2を供給する。これにより、スイッチPTN2がオンして、第2のクランプ容量C0Nのクランプ作用により、第4の電極C0N2から、第2のオフセットVof2を含まないノイズ信号が供給される。すなわち、第4の電極C0N2は、第2のインピーダンス変換部202の第2のオフセットVof2と、ノイズ信号に第2のオフセットVof2が重畳された信号との差分信号をノイズ信号として第4の保持部CTN2へ供給する。第4の電極C0N2から供給されるノイズ信号は、第2のオフセットVof2を含まない。
【0082】
時刻t3において、垂直走査回路110は、各列の光信号伝達部103SのスイッチPTS2へノンアクティブなφPTS2を供給する。これにより、スイッチPTS2がオフして、第2の保持部CTS2は、受けた光信号を保持する。
【0083】
時刻t3において、垂直走査回路110は、各列のノイズ信号伝達部103NのスイッチPTN2へノンアクティブなφPTN2を供給する。これにより、スイッチPTN2がオフして、第4の保持部CTN2は、受けたノイズ信号を保持する。
【0084】
サンプリング期間ST(N)に続く垂直転送期間VT(N+1)内における水平転送期間HT(N)では、水平走査回路120が、各列の転送スイッチ104及び転送スイッチ105を順次にオンさせる。これにより、各列の光信号伝達部103Sにおける第2の保持部CTS2により保持された光信号は、光信号出力線106を介して、順次に出力アンプ108へ読み出される。各列のノイズ信号伝達部103Nにおける第4の保持部CTN2により保持されたノイズ信号は、ノイズ信号出力線107を介して、順次に出力アンプ108へ読み出される。
【0085】
このように、光信号伝達部103Sは、第1のインピーダンス変換部201の第1のオフセットVof1と光信号に第1のオフセットVof1が重畳された信号との差分信号を光信号として出力アンプ108へ出力する。ノイズ信号伝達部103Nは、第2のインピーダンス変換部202の第2のオフセットVof2とノイズ信号に第2のオフセットVof2が重畳された信号との差分信号をノイズ信号として出力アンプ108へ出力する。これにより、出力アンプ108は、第1のオフセットVof1を含まない光信号と第2のオフセットVof2を含まないノイズ信号との差分をとることにより画像信号を生成して出力する。この結果、光信号とノイズ信号とが画素から異なるインピーダンス変換部を経由して出力アンプへ読み出される場合でも、インピーダンス変換部のオフセットが画像信号に含まれることを低減できる。
【0086】
次に、本発明の撮像装置を適用した撮像システムの一例を図5に示す。
【0087】
撮像システム90は、図5に示すように、主として、光学系、撮像装置100及び信号処理部を備える。光学系は、主として、シャッター91、撮影レンズ92及び絞り93を備える。信号処理部は、主として、撮像信号処理回路95、A/D変換器96、画像信号処理部97、メモリ部87、外部I/F部89、タイミング発生部98、全体制御・演算部99、記録媒体88及び記録媒体制御I/F部94を備える。なお、信号処理部は、記録媒体88を備えなくても良い。
【0088】
シャッター91は、光路上において撮影レンズ92の手前に設けられ、露出を制御する。
【0089】
撮影レンズ92は、入射した光を屈折させて、撮像装置100の画素配列(撮像面)に被写体の像を形成する。
【0090】
絞り93は、光路上において撮影レンズ92と撮像装置100との間に設けられ、撮影レンズ92を通過後に撮像装置100へ導かれる光の量を調節する。
【0091】
撮像装置100は、画素配列に形成された被写体の像を画像信号に変換する。撮像装置100は、その画像信号を画素配列から読み出して出力する。
【0092】
撮像信号処理回路95は、撮像装置100に接続されており、撮像装置100から出力された画像信号を処理する。
【0093】
A/D変換器96は、撮像信号処理回路95に接続されており、撮像信号処理回路95から出力された処理後の画像信号(アナログ信号)をデジタル信号へ変換する。
【0094】
画像信号処理部97は、A/D変換器96に接続されており、A/D変換器96から出力された画像信号(デジタル信号)に各種の補正等の演算処理を行い、画像データを生成する。この画像データは、メモリ部87、外部I/F部89、全体制御・演算部99及び記録媒体制御I/F部94などへ供給される。
【0095】
メモリ部87は、画像信号処理部97に接続されており、画像信号処理部97から出力された画像データを記憶する。
【0096】
外部I/F部89は、画像信号処理部97に接続されている。これにより、画像信号処理部97から出力された画像データを、外部I/F部89を介して外部の機器(パソコン等)へ転送する。
【0097】
タイミング発生部98は、撮像装置100、撮像信号処理回路95、A/D変換器96及び画像信号処理部97に接続されている。これにより、撮像装置100、撮像信号処理回路95、A/D変換器96及び画像信号処理部97へタイミング信号を供給する。そして、撮像装置100、撮像信号処理回路95、A/D変換器96及び画像信号処理部97がタイミング信号に同期して動作する。
【0098】
全体制御・演算部99は、タイミング発生部98、画像信号処理部97及び記録媒体制御I/F部94に接続されており、タイミング発生部98、画像信号処理部97及び記録媒体制御I/F部94を全体的に制御する。
【0099】
記録媒体88は、記録媒体制御I/F部94に取り外し可能に接続されている。これにより、画像信号処理部97から出力された画像データを、記録媒体制御I/F部94を介して記録媒体88へ記録する。
【0100】
以上の構成により、撮像装置100において良好な画像信号が得られれば、良好な画像(画像データ)を得ることができる。
【0101】
次に、第2実施形態に係る撮像装置100iについて説明する。以下では、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0102】
撮像装置100iでは、図6に示すように、各列の読み出し回路103iの構成が第1実施形態と異なる。図6は、本発明の第2実施形態に係る撮像装置100iにおける各列の読み出し回路103iの構成を示す図である。
【0103】
読み出し回路103iは、光信号伝達部103Siとノイズ信号伝達部103Niとを含む。
【0104】
光信号伝達部103Siは、スイッチPC0RB1i、スイッチPC0RB2i、第1のインピーダンス変換部(第1の差動増幅器)401i、スイッチPC0R3i、及び第1のクランプ容量C0Siを含む点で第1実施形態と異なる。
【0105】
スイッチPC0RB1iは、オンすることにより、第1の保持部CTS1に保持された光信号を第1のクランプ容量C0Siの第1の電極C0S1iへ転送する。
【0106】
スイッチPC0RB2iは、オンすることにより、第1のクランプ容量C0Siの第2の電極C0S2iから供給された信号を第1のインピーダンス変換部401iの非反転入力端子へ転送する。
【0107】
第1のインピーダンス変換部401iは、図25に示すような差動増幅器を図24に示すようなボルテージフォロワとして機能するように構成したものである。
【0108】
第1のクランプ容量C0Siは、第1のインピーダンス変換部401iの出力ノードN1と第2の保持部CTS2とを接続するラインに対して、分岐して接続されている。
【0109】
スイッチPC0R3iは、第1のインピーダンス変換部401iの出力ノードN1と第1のクランプ容量C0Siの第1の電極C0S1iとの接続状態を導通状態または遮断状態に切り替える。
【0110】
ノイズ信号伝達部103Niは、スイッチPC0RB1i、スイッチPC0RB2i、第2のインピーダンス変換部(第2の差動増幅器)402i、スイッチPC0R3i、及び第2のクランプ容量C0Niを含む点で第1実施形態と異なる。
【0111】
スイッチPC0RB1iは、オンすることにより、第3の保持部CTN1に保持されたノイズ信号を第2のクランプ容量C0Niの第3の電極C0N1iへ転送する。
【0112】
スイッチPC0RB2iは、オンすることにより、第2のクランプ容量C0Niの第4の電極C0N2iから供給された信号を第2のインピーダンス変換部402iの非反転入力端子へ転送する。
【0113】
第2のインピーダンス変換部402iは、図25に示すような差動増幅器を図24に示すようなボルテージフォロワとして機能するように構成したものである。
【0114】
第2のクランプ容量C0Niは、第2のインピーダンス変換部402iの出力ノードN2と第4の保持部CTN2とを接続するラインに対して、分岐して接続されている。
【0115】
スイッチPC0R3iは、第2のインピーダンス変換部402iの出力ノードN2と第2のクランプ容量C0Niの第3の電極C0N1iとの接続を開閉する。
【0116】
また、各列の読み出し回路103iの動作が、図7に示すように、次の点で第1実施形態と異なる。図7は、各列の読み出し回路103iの動作を示すタイミングチャートである。
【0117】
垂直転送期間VT(N)では、時刻t10において、垂直走査回路110が、各列の光信号伝達部103SiのスイッチPCORB1iへノンアクティブな信号φPCORB1を供給する。垂直走査回路110が、各列のノイズ信号伝達部103NiのPCORB2iへノンアクティブな信号φPCORB2を供給する。これにより、各列の光信号伝達部103Si及びノイズ信号伝達部103NiのスイッチPCORB1i,PCORB2iは、いずれもオフする。また、垂直走査回路110が、各列の光信号伝達部103Si及びノイズ信号伝達部103NiのスイッチPCOR1,PCOR2,PCOR3iへそれぞれアクティブな信号φPCOR1、φPCOR2、φPCOR3を供給する。これにより、各列の光信号伝達部103Si及びノイズ信号伝達部103NiのスイッチPCOR1,PCOR2,PCOR3iは、いずれもオンする。
【0118】
すなわち、時刻t10において、各列の光信号伝達部103Siの接続状態(第1の状態)は、図8に示すようになる。第1のインピーダンス変換部401iは、その非反転入力端子に参照電圧VREF1が入力されるので、出力端子から信号(VREF1+Vof1)を出力ノードN1へ出力する。この信号(VREF1+Vof1)は、第1のインピーダンス変換部401iの反転入力端子へ帰還されるとともに、第1のクランプ容量C0Siの第1の電極C0S1iへ入力される。このとき、第1のクランプ容量C0Siの第2の電極C0S2iには、参照電圧VREF2が供給されている。これにより、第1のクランプ容量C0Siは、
VC0Si=VREF1+Vof1−VREF2・・・数式1
で表される電圧VC0Siを保持する。
【0119】
また、時刻t10において、各列のノイズ信号伝達部103Niの接続状態(第3の状態)は、図8と同様になる。このとき、ノイズ信号伝達部103Niの第2のクランプ容量C0Niは、
VC0Ni=VREF1+Vof2−VREF2・・・数式2
で表される電圧VC0Niを保持する。
【0120】
時刻t14において、垂直走査回路110は、各列の光信号伝達部103Si及びノイズ信号伝達部103NiのスイッチPCORB1i,PCORB2iへそれぞれアクティブな信号φPCORB1、φPCORB2を供給する。これにより、各列の光信号伝達部103Si及びノイズ信号伝達部103NiのスイッチPCORB1i,PCORB2iは、いずれもオンする。また、垂直走査回路110は、各列の光信号伝達部103Si及びノイズ信号伝達部103NiのスイッチPCOR1,PCOR2,PCOR3iへそれぞれノンアクティブな信号φPCOR1、φPCOR2、φPCOR3を供給する。これにより、各列の光信号伝達部103Si及びノイズ信号伝達部103NiのスイッチPCOR1,PCOR2,PCOR3iは、いずれもオフする。
【0121】
すなわち、時刻t14において、各列の光信号伝達部103Siの接続状態(第2の状態)は、図9に示すようになる。これにより、数式1で表される電圧VC0Siを保持した第1のクランプ容量C0Siが第1の保持部CTS1と第1のインピーダンス変換部401iの非反転入力端子との間に直列に挿入された状態になる。
【0122】
時刻t16において、第1の保持部CTS1に保持されたN行目の画素の光信号(Vsとする)は、第1のクランプ容量C0Siの第1の電極C0S1iへ入力される。そして、第1のクランプ容量C0Si及び第1のインピーダンス変換部401iのクランプ作用により、第1のインピーダンス変換部401iの出力端子から、第1のオフセットVof1を含まない光信号が出力される。すなわち、第1のインピーダンス変換部401iの出力端子から
Vo401i=Vs+VREF2−VREF1・・・数式3
で表される電圧(信号)Vo401iが出力される。
【0123】
また、時刻t14において、各列のノイズ信号伝達部103Niの接続状態(第4の状態)は、図9と同様になる。時刻t15において、第3の保持部CTN1に保持されたN行目の画素のノイズ信号をVnとすると、ノイズ信号伝達部103Niの第2のインピーダンス変換部402iの出力端子から
Vo402i=Vn+VREF2−VREF1・・・数式4
で表される電圧(信号)Vo402iが出力される。
【0124】
このとき、
VREF1=VREF2・・・数式5
と設定すれば、第1のインピーダンス変換部401iの出力電圧(出力信号)Vo401iは光信号Vsになる。この第1のインピーダンス変換部401iから出力される光信号は、第1のオフセットVof1を含まない。また、第2のインピーダンス変換部402iの出力電圧(出力信号)Vo402iはノイズ信号Vnになる。この第2のインピーダンス変換部402iから出力されるノイズ信号は、第2のオフセットVof2を含まない。
【0125】
あるいは、
VREF1≠VREF2・・・数式6
と設定することにより、第1のインピーダンス変換部401iの出力信号Vo401iや第2のインピーダンス変換部402iの出力信号Vo402iのDCレベルを調整してもよい。出力信号Vo401i、Vo402iのDCレベルを調整することで、出力線上での信号の動作点を自由に設定することができ、撮像装置から出力された後に信号処理を好適に行うことができる。
【0126】
N行目のサンプリング期間ST(N)では、時刻t0、t1の動作が行われない点で第1実施形態と異なる。
【0127】
第1実施形態では、クランプ容量C0Siにより、C0Si/(C0Si+CTS2)の容量分割ゲイン(<1)が掛かってしまいので、信号振幅が減衰し、その分最終段の出力アンプのゲインを高く決定しなければならない。
【0128】
しかし、本実施形態では、クランプ容量による信号振幅の減衰がないため、出力アンプをよりノイズを生じにくい低ゲインで動作させることができるという効果がある。
【0129】
なお、読み出し回路において、第1の保持部CTS1および第3の保持部CTN1を設けずに、列信号線SIGを介して伝達された信号が直接クランプ容量C0Si、C0Niを充電してもよい。この場合には、スイッチPTN1、PTS1をOFFとすると、クランプ容量C0Si、C0NiのスイッチPTN1、PTS1側の電極が電気的に浮遊状態となる。この浮遊状態の電極に外乱ノイズが混入すると、ノイズがそのままインピーダンス変換部401i、402iの出力に現れる。すなわち、読み出し回路に第1の保持部CTS1および第3の保持部CTN1を設けることにより、外乱ノイズの影響を小さくすることができる。
【0130】
次に、第3実施形態に係る撮像装置100jについて説明する。以下では、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0131】
撮像装置100jでは、図10に示すように、各列の読み出し回路103jの構成が第1実施形態と異なる。図10は、本発明の第3実施形態に係る撮像装置100jにおける各列の読み出し回路103jの構成を示す図である。
【0132】
読み出し回路103jは、光信号伝達部103Sjとノイズ信号伝達部103Njとを含む。
【0133】
光信号伝達部103Sjは、第1の保持部CTS11j、第1の保持部CTS12j、第1のインピーダンス変換部(第1の作動増幅器)801j、スイッチFBS1j、スイッチFBS2j、及びスイッチFBS3jを含む点で、第1実施形態と異なる。
【0134】
第1の保持部CTS11jと、スイッチFBS1j及び第1の保持部CTS12jとは、スイッチPTS1と第1のインピーダンス変換部801jの反転入力端子との間に並列に配されている。第1の保持部CTS11j,CTS12jは、それぞれ、画素101からスイッチPTS1を介して転送された光信号を保持する。また、第1の保持部CTS11j,CTS12jは、それぞれ、第1のインピーダンス変換部801jから出力された第1のオフセットをクランプするクランプ容量としても作用する。
【0135】
第1のインピーダンス変換部801jは、その非反転入力端子に参照電圧VREFが入力されている。
【0136】
第1の保持部CTS11jは、互いに対向する電極CTS111jと電極CTS112jとを有する。電極(第2の保持電極)CTS111jには、画素から列信号線SIGを介して光信号が入力される。電極(第1の保持電極)CTS112jには、第1のインピーダンス変換部801jから第1のオフセットVof1を含む信号が入力される。
【0137】
第1の保持部CTS12jは、互いに対向する電極CTS121jと電極CTS122jとを有する。電極(第2の保持電極)CTS121jには、画素から列信号線SIGを介して光信号が入力される。電極(第1の保持電極)CTS122jには、第1のインピーダンス変換部801jから第1のオフセットVof1を含む信号が入力される。
【0138】
スイッチFBS1j、スイッチFBS2j、及びスイッチFBS3jは、それらのオン/オンの組み合わせにより、第1のインピーダンス変換部801jの反転入力端子と出力端子との間の経路を切り替える。これにより、スイッチFBS1j、スイッチFBS2j、及びスイッチFBS3jは、第1の保持部CTS11j、CTS12jの機能を切り替える。
【0139】
ノイズ信号伝達部103Njは、第3の保持部CTN11j、第3の保持部CTN12j、第2のインピーダンス変換部(第2の差動増幅器)802j、スイッチFBN1j、スイッチFBN2j、及びスイッチFBN3jを含む点で、第1実施形態と異なる。
【0140】
第3の保持部CTN11jと、スイッチFBN1j及び第3の保持部CTN12jとは、スイッチPTN1と第2のインピーダンス変換部802jの反転入力端子との間に並列に配されている。第3の保持部CTN11j,CTN12jは、それぞれ、画素101からスイッチPTN1を介して転送されたノイズ信号を保持する。また、第3の保持部CTN11j,CTN12jは、それぞれ、第2のインピーダンス変換部802jから出力された第2のオフセットをクランプするクランプ容量としても作用する。
【0141】
第2のインピーダンス変換部802jは、その非反転入力端子に参照電圧VREFが入力されている。
【0142】
第3の保持部CTN11jは、互いに対向する電極CTN111jと電極CTN112jとを有する。電極(第2の保持電極)CTN111jには、画素から列信号線SIGを介して光信号が入力される。電極(第1の保持電極)CTN112jには、第2のインピーダンス変換部802jから第2のオフセットVof2を含む信号が入力される。
【0143】
第3の保持部CTN12jは、互いに対向する電極CTN121jと電極CTN122jとを有する。電極(第2の保持電極)CTN121jには、画素から列信号線SIGを介して光信号が入力される。電極(第1の保持電極)CTN122jには、第2のインピーダンス変換部802jから第2のオフセットVof2を含む信号が入力される。
【0144】
スイッチFBN1j、スイッチFBN2j、及びスイッチFBN3jは、それらのオン/オンの組み合わせにより、第2のインピーダンス変換部802jの反転入力端子と出力端子との間の経路を切り替える。これにより、スイッチFBN1j、スイッチFBN2j、及びスイッチFBN3jは、第3の保持部CTN11j、CTN12jの機能を切り替える。
【0145】
また、各列の読み出し回路103jの動作が、図11に示すように、次の点で第1実施形態と異なる。図11は、各列の読み出し回路103jの動作を示すタイミングチャートである。
【0146】
垂直転送期間VT(N)では、時刻t20において、垂直走査回路110が、各列の光信号伝達部103SjのスイッチFBS1j、FBS2jへそれぞれアクティブな信号φFBS1、φFBS2を供給する。垂直走査回路110は、各列の光信号伝達部103SjのスイッチFBS3jへノンアクティブな信号φFBS3を供給する。これにより、各列の光信号伝達部103Sjにおいて、スイッチFBS1j、FBS2jがいずれもオンし、スイッチFBS3jがオフする。
【0147】
同様に、垂直走査回路110は、各列のノイズ信号伝達部103NjのスイッチFBN1j、FBN2jへそれぞれアクティブな信号φFBN1、φFBN2を供給する。垂直走査回路110は、各列のノイズ信号伝達部103NjのスイッチFBN3jへノンアクティブな信号φFBN3を供給する。これにより、各列のノイズ信号伝達部103Njにおいて、スイッチFBN1j、FBN2jがいずれもオンし、スイッチFBN3jがオフする。
【0148】
すなわち、時刻t20において、各列の光信号伝達部103Sjの接続状態(第1の保持状態)は、図12(A)に示すようになる。これにより、各列の光信号伝達部103Sjにおいて、第1の保持部CTS11jと第1の保持部CTS12jとは、スイッチPTS1と第1のインピーダンス変換部801jの反転入力端子との間に並列に接続された状態になる。また、第1のインピーダンス変換部801jは、反転入力端子と出力端子とが短絡された状態になる。これにより、電極CTS112j,CTS122jには、第1のインピーダンス変換部801jから出力された信号(VREF+Vof1)が入力される。
【0149】
また、時刻t20において、各列のノイズ信号伝達部103Njの接続状態(第3の保持状態)は、図12(A)に示すようになる。各列のノイズ信号伝達部103Njにおける電極CTN112j,CTN122jには、第2のインピーダンス変換部802jから出力された信号(VREF+Vof2)が入力される。
【0150】
時刻t26において、N行目の画素の光信号(Vsとする)は、第1の保持部CTS11jの電極CTS111jと第1の保持部CTS12jの電極CTS12jとへそれぞれ入力される。これにより、図12(B)に示すように、第1の保持部CTS11jの容量をCT11とすると、第1の保持部CTS11jは、
Q11=CT11*(Vs−(VREF+Vof1))・・・数式7
で表される電荷Q11を保持する。第1の保持部CTS12jの容量をCT12とすると、第1の保持部CTS12jは、
Q12=CT12*(Vs−(VREF+Vof1))・・・数式8
で表される電荷Q12を保持する。
【0151】
同様に、時刻t25において、N行目の画素のノイズ信号をVnとし、第3の保持部CTN11jの容量をCT11とすると、第3の保持部CTN11jは、
Q13=CT11*(Vn−(VREF+Vof2))・・・数式9
で表される電荷Q13を保持する。第3の保持部CTN12jの容量をCT12とすると、第3の保持部CTS12jは、
Q14=CT12*(Vn−(VREF+Vof2))・・・数式10
で表される電荷Q14を保持する。
【0152】
サンプリング期間ST(N)では、時刻t27において、垂直走査回路110が、各列の光信号伝達部103SjのスイッチFBS1j、FBS2jへそれぞれノンアクティブな信号φFBS1、φFBS2を供給する。これにより、各列の光信号伝達部103Sjにおいて、スイッチFBS1j、FBS2jがいずれもオフする。
【0153】
同様に、垂直走査回路110は、各列のノイズ信号伝達部103NjのスイッチFBN1j、FBN2jへそれぞれノンアクティブな信号φFBN1、φFBN2を供給する。これにより、各列のノイズ信号伝達部103Njにおいて、スイッチFBN1j、FBN2jがいずれもオフする。
【0154】
時刻t22において、垂直走査回路110は、各列の光信号伝達部103SjのスイッチFBS3jへアクティブな信号φFBS3を供給する。これにより、各列の光信号伝達部103Sjにおいて、スイッチFBS3jがオンする。
【0155】
同様に、垂直走査回路110は、各列のノイズ信号伝達部103NjのスイッチFBN3jへアクティブな信号φFBN3を供給する。これにより、各列のノイズ信号伝達部103Njにおいて、スイッチFBN3jがオンする。
【0156】
すなわち、時刻t22において、各列の光信号伝達部103Sjの接続状態(第2の保持状態)は、図13(A)に示すようになる。これにより、各列の光信号伝達部103Sjにおいて、第1の保持部CTS11jは、スイッチPTS1と第1のインピーダンス変換部801jの反転入力端子との間に直列に接続された状態になる。第1の保持部CTS12jは、第1のインピーダンス変換部801jの反転入力端子と出力端子との間に接続された状態になる。そして、第1の保持部CTS11j,CTS12j及び第1のインピーダンス変換部801iのクランプ作用により、第1のインピーダンス変換部801iの出力端子から、第1のオフセットVof1を含まない光信号が出力される。すなわち、第1のインピーダンス変換部801iの出力端子から
Vo801j=(VREF+Vof1)+(Vs−(VREF+Vof1))
=Vs・・・数式11
で表される電圧(信号)Vo801iが出力される。数式11に示されるように、VREF+Vof1は相殺されている。
【0157】
また、時刻t22において、各列のノイズ信号伝達部103Njの接続状態(第4の保持状態)は、図13(A)に示すようになる。N行目の画素のノイズ信号をVnとすると、ノイズ信号伝達部103Njの第2のインピーダンス変換部802jの出力端子から
Vo802j=(VREF+Vof2)+(Vn−(VREF+Vof2))
=Vn・・・数式12
で表される電圧(信号)Vo802jが出力される。
【0158】
なお、本実施形態においても、CTS11ならびにCTN11を省略することができる。
【0159】
次に、第4実施形態に係る撮像装置100kについて説明する。以下では、第3実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0160】
撮像装置100kは、その各列の読み出し回路103jの構成は第3実施形態と同様であるが、各列の読み出し回路の動作が、図14に示すように、インピーダンス変換部を用いてゲインをかける点で第3実施形態と異なる。図14は、本発明の第4実施形態に係る撮像装置100kにおける各列の読み出し回路103jの動作を示すタイミングチャートである。
【0161】
垂直転送期間VT(N)では、時刻t30において、垂直走査回路110が、各列の光信号伝達部103SjのスイッチPTS1へアクティブな制御信号φPTS1を供給する。これにより、スイッチPTS1は、オンして、画素101から列信号線SIGへ出力されたノイズ信号を第1の保持部CTS11j、CTS12jへ転送する。また、垂直走査回路110は、各列のノイズ信号伝達部103NjのスイッチPTN1へアクティブな制御信号φPTN1を供給する。これにより、スイッチPTN1は、オンして、画素101から列信号線SIGへ出力されたノイズ信号を第3の保持部CTN11j、CTN12jへ転送する。なお、他の点は、第3実施形態の時刻t20における動作と同様であり、時刻t30における読み出し回路103jの接続状態が図12のようになる。
【0162】
時刻t31において、垂直走査回路110は、各列の光信号伝達部103SjのスイッチFBS1j、FBS2jへそれぞれノンアクティブな信号φFBS1、φFBS2を供給する。これにより、各列の光信号伝達部103Sjにおいて、スイッチFBS1j、FBS2jがいずれもオフする。なお、スイッチPTS1は、オンしている。
【0163】
同様に、垂直走査回路110は、各列のノイズ信号伝達部103NjのスイッチFBN1j、FBN2jへそれぞれノンアクティブな信号φFBN1、φFBN2を供給する。これにより、各列のノイズ信号伝達部103Njにおいて、スイッチFBN1j、FBN2jがいずれもオフする。スイッチPTN1は、オンしている。
【0164】
時刻t32において、各列のノイズ信号伝達部103NjにおけるスイッチPTN1がオンした状態でスイッチFBN3jがオンする。これにより、時刻t30において画素101から列信号線SIGへ出力されたノイズ信号に、(CT11+CT12)/(CT11)のゲインがかけられた信号が、第2のインピーダンス変換部802jの出力端子に現れる。また、各列の光信号伝達部103SjにおけるスイッチPTS1がオンした状態でスイッチFBS3jがオンする。なお、他の点は、第3実施形態の時刻t22における動作と同様であり、時刻t32における読み出し回路103jの接続状態が図13のようになる。
【0165】
時刻t33において、垂直走査回路110は、各列のノイズ信号伝達部103NjのスイッチPTN1へノンアクティブな制御信号φPTN1を供給する。これにより、スイッチPTN1は、オフする。
【0166】
時刻t34において、垂直走査回路110が、N行目の画素の転送部TXへアクティブな制御信号φPTXを供給する。これにより、N行目の画素では、転送部TXが光電変換部PDの電荷を電荷電圧変換部FDへ転送し、画素出力部SFが光信号を列信号線SIGへ出力する。これにより、オンしているスイッチPTS1は、画素101から列信号線SIGへ出力された光信号を第1の保持部CTS11jへ転送する。この第1の保持部CTS11jへ転送された光信号に、(CTS11+CTS12)/(CTS11)のゲインがかけられた信号が、第1のインピーダンス変換部801jの出力端子に現れる。
【0167】
本実施形態によれば、インピーダンス変換部を用いてゲインをかけることができるので、第2の保持部CTS2又は第4の保持部CTN2以降で発生するノイズにかけるゲインを小さくすることができる。これにより、トータルでSN比を向上させることができる。
【0168】
次に、第5実施形態に係る撮像装置100nについて説明する。以下では、第3実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0169】
撮像装置100nでは、図15に示すように、各列の読み出し回路103nの構成が第3実施形態と異なる。図15は、本発明の第5実施形態に係る撮像装置100nにおける各列の読み出し回路103nの構成を示す図である。
【0170】
読み出し回路103nは、光信号伝達部103Snとノイズ信号伝達部103Nnとを含む。
【0171】
光信号伝達部103Snは、第1の保持部CTS1nをさらに含む。第1の保持部CTS1nは、第1の保持部CTS11jの電極CTS111jとスイッチPTS1との間に接続されている。これにより、スイッチPTS1がオフして、電極CTS111j及び電極CTS121jが浮遊状態になった際に、外乱ノイズなどが混入しても、電極CTS111j及び電極CTS121jの電位が変動しにくくなる。
【0172】
同様に、ノイズ信号伝達部103Nnは、第3の保持部CTN1nをさらに含む。第3の保持部CTN1nは、第3の保持部CTN11jの電極CTN111jとスイッチPTN1との間に接続されている。これにより、スイッチPTN1がオフして、電極CTN111j及び電極CTN121jが浮遊状態になった際に、外乱ノイズなどが混入しても、電極CTN111j及び電極CTN121jの電位が変動しにくくなる。
【0173】
なお、各列の読み出し回路103nの動作は、第3実施形態と同様である。
【0174】
次に、第6実施形態に係る撮像装置100pについて説明する。以下では、第3実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0175】
撮像装置100pでは、図16に示すように、各列の読み出し回路103pの構成が第3実施形態と異なる。図16は、本発明の第6実施形態に係る撮像装置100pにおける各列の読み出し回路103pの構成を示す図である。
【0176】
読み出し回路103pは、光信号伝達部103Spとノイズ信号伝達部103Npとを含む。
【0177】
光信号伝達部103Spは、スイッチFBS1jに代えてスイッチFBS1pを含む。スイッチFBS1pは、オンすることにより、第1の保持部CTS12jの電極CTS121jへ参照電圧VREF2を供給する。
【0178】
ノイズ信号伝達部103Npは、スイッチFBN1jに代えてスイッチFBN1pを含む。スイッチFBN1pは、オンすることにより、第3の保持部CTN12jの電極CTN121jへ参照電圧VREF2を供給する。
【0179】
また、各列の読み出し回路103pの動作が、図14に示すように、次の点で第3実施形態と異なる。
【0180】
垂直転送期間VT(N)では、時刻t30〜t31の期間において、垂直走査回路110が、各列の光信号伝達部103SpのスイッチFBS1pへアクティブな制御信号φFBS1を供給する。これにより、スイッチFBS1pは、オンして、第1の保持部CTS12jの電極CTS121jへ参照電圧VREF2を供給する。これにより、第1の保持部CTS12jは、
Q12p=CT12*(VREF2−(VREF+Vof1))・・・数式13
で表される電荷Q12pを保持する。
【0181】
時刻t30〜t31の期間において、垂直走査回路110は、各列のノイズ信号伝達部103NpのスイッチFBN1pへアクティブな制御信号φFBN1を供給する。これにより、スイッチFBN1pは、オンして、第3の保持部CTN12jの電極CTN121jへ参照電圧VREF2を供給する。これにより、第3の保持部CTN12jは、
Q14p=CT12*(VREF2−(VREF+Vof2))・・・数式14
で表される電荷Q14pを保持する。
【0182】
時刻t32において、各列の光信号伝達部103SpにおけるスイッチPTS1がオンした状態でスイッチFBS3pがオンする。これにより、第1の保持部CTS12が第1のインピーダンス変換部801jの出力端子と反転入力端子との間に接続されると、出力端子には、信号VREF2が現れることになる。
【0183】
同様に、各列のノイズ信号伝達部103Npにおける第2のインピーダンス変換部802jの出力端子にも、信号VREF2が現れることになる。
【0184】
時刻t32〜t33の期間において、画素からノイズ信号伝達部103Npへの入力の変化分ΔVnに対して、(CT11+CT12)/(CT11)のゲインがかけられた信号が、第2のインピーダンス変換部802jの出力端子に現れる。すなわち、第2のインピーダンス変換部802jの出力端子には、
VREF2+ΔVn*(CT11+CT12)/(CT11)・・・数式15
が現れる。
【0185】
時刻t34〜t35の期間において、画素から光信号伝達部103Spへの入力の変化分ΔVsに対して、に対して、(CT11+CT12)/(CT11)のゲインがかけられた信号が、第1のインピーダンス変換部801jの出力端子に現れる。すなわち、第1のインピーダンス変換部801jの出力端子には、
VREF2+ΔVs*(CT11+CT12)/(CT11)・・・数式16
が現れる。
【0186】
このように、本実施形態では、第4実施形態による効果に加えて、VREF2を調整することで信号のDCレベルを調整することができるので、水平転送期間中、ダイナミックレンジを有効に使えるという効果が得られる。
【0187】
次に、第7実施形態に係る撮像装置100qについて説明する。以下では、第5実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0188】
撮像装置100qでは、図17に示すように、各列の読み出し回路103qの構成が第3実施形態と異なる。図17は、本発明の第7実施形態に係る撮像装置100qにおける各列の読み出し回路103qの構成を示す図である。
【0189】
読み出し回路103qは、列アンプ1500をさらに含む。列アンプ1500は、光信号伝達部103Spとノイズ信号伝達部103Npとの前段に設けられている。
【0190】
列アンプ1500は、インピーダンス変換部(増幅器)1503、クランプ容量C0、帰還容量Cf、及びリセットスイッチPC0Rを含む。
【0191】
インピーダンス変換部(増幅器)1503は、非反転入力端子に参照電圧VREFが供給されており、反転入力端子にクランプ容量C0を介して列信号線SIGが接続されている。インピーダンス変換部1503の出力端子と反転入力端子との間には、帰還容量CfとリセットスイッチPC0Rとが並列に接続されている。
【0192】
インピーダンス変換部1503は、列信号線SIGへ出力された光信号を増幅し、増幅した光信号を光信号伝達部103Spへ供給し、列信号線SIGへ出力されたノイズ信号を増幅し、増幅したノイズ信号をノイズ信号伝達部103Npへ供給する。
【0193】
また、各列の読み出し回路103qの動作が、図18に示すように、次の点で第5実施形態と異なる。図18は、各列の読み出し回路103qの動作を示すタイミングチャートである。
【0194】
垂直転送期間VT(N)では、時刻t40において、垂直走査回路110が、各列の列アンプ1500におけるリセットスイッチPC0Rへアクティブな制御信号φPCORを供給する。これにより、リセットスイッチPC0Rは、オンすることにより、インピーダンス変換部1503をリセットする。また、画素から列信号線SIGへ出力されたノイズ信号は、クランプ容量C0へ入力される。
【0195】
時刻t41において、垂直走査回路110は、各列の列アンプ1500におけるリセットスイッチPC0Rへノンアクティブな制御信号φPCORを供給する。これにより、リセットスイッチPC0Rは、オフすることにより、クランプ容量C0がノイズ信号を保持するようにする。これにより、インピーダンス変換部1503の出力端子には、
N1=VREF+Vof11・・・数式17
で表される信号N1が現れる。Vof11はインピーダンス変換部1503のオフセットである。
【0196】
時刻t42において、画素から列信号線SIGへ出力された光信号は、クランプ容量C0へ入力される。そして、クランプ容量C0及びインピーダンス変換部1503のクランプ作用により、ノイズ信号Vnと光信号Vsとの差分にC0/Cfのゲインをかけた信号が出力される。すなわち、インピーダンス変換部1503の出力端子には、
S1=VREF+Vof11+(Vs−Vn)*(C0/Cf)・・・数式18
で表される信号S1が現れる。
【0197】
サンプリング期間ST(N)では、時刻t43において、第2の保持部CTS2に
S1*(CT11+CT12)/(CT11)・・・数式19
の電圧(信号)が蓄積される。第4の保持部CTN2に
N1*(CT11+CT12)/(CT11)・・・数式20
の電圧(信号)が蓄積される。
【0198】
インピーダンス変換部1503を含む列アンプ1500は、画素のノイズを除去し、出力信号にC0/Cfのゲインをかける機能を有するが、変換器自身の出力オフセットVof11を除去することができない。後段の光信号伝達部103Spとノイズ信号伝達部103Npとが、そのオフセットVof11をサンプリングするとともに、信号にゲインをかけて出力アンプ108へ出力する。そして、出力アンプ108は、数式19の信号と数式20の信号との差分を演算することにより、Vof11を除去した画像信号を生成することができる。
【0199】
本実施形態によれば、画素から出力アンプまでの経路における画素に近い部分でゲインをかけることができるので、その経路により伝達される過程で混入するノイズの影響を低減できるため、SN比を向上させることができる。
【0200】
次に、第8実施形態に係る撮像装置100hについて説明する。以下では、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0201】
撮像装置100hでは、図19に示すように、各列の読み出し回路103hの構成が第3実施形態と異なる。図19は、本発明の第8実施形態に係る撮像装置100hにおける各列の読み出し回路103hの構成を示す図である。
【0202】
読み出し回路103hは、光信号伝達部103Shとノイズ信号伝達部103Nhとを含む。
【0203】
光信号伝達部103Shは、第1のインピーダンス変換部(第1の差動増幅器)1701、スイッチPRS1、スイッチPTS13、スイッチPRS1、スイッチPRS2、第1の保持部C0Sh、スイッチPTS11、スイッチPTS12を含む。
【0204】
第1のインピーダンス変換部1701の非反転入力端子には、2つのスイッチPRS1、PTS13が接続されている。2つのスイッチPRS1、PTS13が排他的にオン/オフすることにより、その非反転入力端子の接続先を列信号線SIGと参照電圧VREFの電源とで切り替えることができる。
【0205】
スイッチPRS1と、その同じパルスで駆動されるスイッチPRS2とによって、第1の保持部C0Shが第1のインピーダンス変換部1701とスイッチPTS11とを結ぶラインに対して直列に接続されるか並列に接続されるが切り替わる。
【0206】
第1の保持部C0Shは、第1の保持電極C0Sh1と第2の保持電極C0Sh2とを有する。第1の保持電極C0Sh1には、第1のインピーダンス変換部1701から第1のオフセットVof1を含む信号が入力される。第2の保持電極C0Sh2には、画素から列信号線SIGを介して光信号Vsが入力される。
【0207】
スイッチPTS11は、列信号線SIGと第1の保持部C0Shとの接続を開閉する。
【0208】
スイッチPTS12も、垂直転送期間VTとサンプリング期間STとで経路を切り替える役割をする。
【0209】
ノイズ信号伝達部103Nhは、第2のインピーダンス変換部(第2の差動増幅器)1702、スイッチPRN1、スイッチPTN13、スイッチPRN1、スイッチPRN2、第3の保持部C0Nh、スイッチPTN11、スイッチPTN12を含む。
【0210】
第2のインピーダンス変換部1702の非反転入力端子には、2つのスイッチPRN1、PTN13が接続されている。2つのスイッチPRN1、PTN13が排他的にオン/オフすることにより、接続先を列信号線SIGと参照電圧VREFの電源とで切り替えることができる。
【0211】
スイッチPRN1と同じパルスで駆動されるスイッチPRN2とによって、第3の保持部C0Nhが第2のインピーダンス変換部1701とスイッチPTN11とを結ぶラインに対して直列に接続されるか並列に接続されるが切り替わる。
【0212】
第3の保持部C0Nhは、第3の保持電極C0Nh1と第4の保持電極C0Nh2とを有する。第3の保持電極C0Nh1は、第2のインピーダンス変換部1702から第2のオフセットVof2を含む信号が入力される。第2の保持電極C0Sh2は、画素から列信号線を介して光信号Vsが入力される。
【0213】
スイッチPTN11は、列信号線SIGと第3の保持部C0Nhとの接続を開閉する。
【0214】
スイッチPTN12も、垂直転送期間VTとサンプリング期間STとで経路を切り替える役割をする。
【0215】
また、各列の読み出し回路103hの動作が、図20に示すように、次の点で第1実施形態と異なる。図20は、各列の読み出し回路103hの動作を示すタイミングチャートである。
【0216】
垂直転送期間VT(N)では、時刻t50において、垂直走査回路110が、各列のノイズ信号伝達部103NhのスイッチPTN11、PTN12、PTN13へそれぞれアクティブな制御信号φPTN11、φPTN12、φPTN13を供給する。これにより、スイッチPTN11、PTN12、PTN13がいずれもオンして、ノイズ信号伝達部103Nhの接続状態(第3の保持状態)は図21に示すようになる。このとき、第2のインピーダンス変換部1702の非反転入力端子には、参照電圧VREFが入力されている。第2のインピーダンス変換部1702の反転入力端子には、第3の保持部C0Nhの第3の保持電極C0Nh1が接続されている。第3の保持部C0Nhの第3の保持電極C0Nh1には、信号(VREF+Vof2)が入力される。第3の保持部C0Nhの第4の保持電極C0Nh2には、画素から列信号線SIGへ出力されたノイズ信号Vnが入力される。
【0217】
時刻t51において、垂直走査回路110は、各列のノイズ信号伝達部103NhのスイッチPTN11、PTN12、PTN13へそれぞれノンアクティブな制御信号φPTN11、φPTN12、φPTN13を供給する。これにより、スイッチPTN11、PTN12、PTN13がいずれもオフして、第3の保持部C0Nhがノイズ信号を保持する。
【0218】
時刻t52において、垂直走査回路110は、各列の光信号伝達部103ShのスイッチPTS11、PTS12、PTS13へそれぞれアクティブな制御信号φPTS11、φPTS12、φPTS13を供給する。これにより、スイッチPTS11、PTS12、PTS13がいずれもオンして、光信号伝達部103Shの接続状態(第1の保持状態)は図21に示すようになる。このとき、第1のインピーダンス変換部1701の非反転入力端子には、参照電圧VREFが入力されている。第1のインピーダンス変換部1701の反転入力端子には、第1の保持部C0Shの第1の保持電極C0Sh1が接続されている。第1の保持部C0Shの第1の保持電極C0Sh1には、信号(VREF+Vof1)が入力される。第1の保持部C0Shの第2の保持電極C0Sh2には、画素から列信号線SIGへ出力された光信号Vsが入力される。
【0219】
時刻t53において、垂直走査回路110は、各列の光信号伝達部103ShのスイッチPTS11、PTS12、PTS13へそれぞれノンアクティブな制御信号φPTS11、φPTS12、φPTS13を供給する。これにより、スイッチPTS11、PTS12、PTS13がいずれもオフして、第1の保持部C0Shが光信号を保持する。
【0220】
サンプリング期間ST(N)では、時刻t54において、垂直走査回路110が、各列の光信号伝達部103ShのスイッチPRS1、PRS2へそれぞれアクティブな制御信号φPRS1、φPRS2を供給する。これにより、スイッチPRS1、PRS2がいずれもオンして、光信号伝達部103Shの接続状態(第5の保持状態)は図22に示すようになる。このとき、第1のインピーダンス変換部1701の非反転入力端子には、第1の保持部C0Shの第2の保持電極C0Sh2が接続されている。第1のインピーダンス変換部1701の反転入力端子と第1の保持部C0Shの第1の保持電極C0Sh1との接続が遮断されている。第1のインピーダンス変換部1701の非反転入力端子の電位は
VREF−(VREF+Vof1−Vs)・・・数式21
となる。これにより、第1のインピーダンス変換部1701の出力端子には、
(VREF−(VREF+Vof1−Vs))+Vof1
=Vs・・・数式22
の信号が現れる(図26参照)。
【0221】
また、時刻t54において、ノイズ信号伝達部103Nhの接続状態(第6の保持状態)は図22に示すようになる。このとき、第2のインピーダンス変換部1702の非反転入力端子には、第3の保持部C0Nhの第2の保持電極C0Nh2が接続されている。第2のインピーダンス変換部1702の反転入力端子と第3の保持部C0Nhの第1の保持電極C0Nh1との接続が遮断されている。ノイズ信号保持部103Nhにおける第2のインピーダンス変換部1702の出力端子には、
(VREF−(VREF+Vof2−Vn))+Vof2
=Vn・・・数式24
の信号が現れる(図26参照)。
【符号の説明】
【0222】
90 撮像システム
100、100i、100j、100k、100n、100p、100q、100h、2000、 撮像装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換部を含む画素と、
前記画素に接続された列信号線と、
出力部と、
同一の前記画素を選択している期間の異なるタイミングにおける前記同一の前記画素から前記列信号線へ出力された第1の信号と第2の信号とを前記出力部へ伝達する伝達ブロックと、
を備え、
前記伝達ブロックは、第1の伝達部と第2の伝達部とを含み、
前記第1の伝達部は、前記第1の信号を前記出力部へ向けて伝達する第1のインピーダンス変換部を含み、前記第1のインピーダンス変換部の第1のオフセットと前記第1の信号に前記第1のオフセットが重畳された信号との差分信号を第3の信号として前記出力部へ伝達し、
前記第2の伝達部は、前記第2の信号を前記出力部へ向けて伝達する第2のインピーダンス変換部を含み、前記第2のインピーダンス変換部の第2のオフセットと前記第2の信号に前記第2のオフセットが重畳された信号との差分信号を第4の信号として前記出力部へ伝達し、
前記出力部は、前記第3の信号と前記第4の信号との差分をとることにより画像信号を生成して出力する
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記第1の伝達部は、
前記第1のインピーダンス変換部から前記第1のオフセットを含む信号が入力される第1の電極と、前記第1の電極に対向する第2の電極とを有する第1のクランプ容量と、
前記第2の電極に参照電圧を供給するための第1のスイッチと、
をさらに含み、
前記第2の伝達部は、
前記第2のインピーダンス変換部から前記第2のオフセットを含む信号が入力される第3の電極と、前記第3の電極に対向する第4の電極とを有する第2のクランプ容量と、
前記第4の電極に参照電圧を供給するための第2のスイッチと、
をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1のインピーダンス変換部は、第1の差動増幅器を含み、
前記第2のインピーダンス変換部は、第2の差動増幅器を含み、
前記第1の伝達部は、前記第1の差動増幅器の出力端子と前記第1の電極及び前記第1の差動増幅器の反転入力端子とを接続するとともに前記第2の電極へ参照電圧を供給する第1の状態と、前記第1の差動増幅器の出力端子と前記第1の差動増幅器の反転入力端子との接続を維持しながら前記第1の差動増幅器の出力端子と前記第1の電極との接続を遮断するとともに前記第2の電極に前記参照電圧を供給せずに前記第2の電極を前記第1の差動増幅器の非反転入力端子へ接続する第2の状態とを切り替え、
前記第2の伝達部は、前記第2の差動増幅器の出力端子と前記第3の電極及び前記第2の差動増幅器の反転入力端子とを接続するとともに前記第4の電極へ参照電圧を供給する第3の状態と、前記第2の差動増幅器の出力端子と前記第2の差動増幅器の反転入力端子との接続を維持しながら前記第2の差動増幅器の出力端子と前記第3の電極との接続を遮断するとともに前記第4の電極に前記参照電圧を供給せずに前記第4の電極を前記第2の差動増幅器の非反転入力端子へ接続する第4の状態とを切り替える
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第1のインピーダンス変換部は、第1の差動増幅器を含み、
前記第2のインピーダンス変換部は、第2の差動増幅器を含み、
前記第1の伝達部は、前記第1の差動増幅器の出力端子と前記第1の電極とを接続するとともに前記第2の電極へ参照電圧を供給する第5の状態と、前記第1の差動増幅器の出力端子と前記第1の電極との接続を維持しながら前記第2の電極に前記参照電圧を供給しない第6の状態とを切り替え、
前記第2の伝達部は、前記第2の差動増幅器の出力端子と前記第3の電極とを接続するとともに前記第4の電極へ参照電圧を供給する第7の状態と、前記第2の差動増幅器の出力端子と前記第3の電極との接続を維持しながら前記第4の電極に前記参照電圧を供給しない第8の状態とを切り替える
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1の伝達部は、
前記第1の信号を保持する第1の保持部と、
前記第1の保持部から前記第1のインピーダンス変換部を介して伝達された前記第1の信号を保持する第2の保持部と、
をさらに含み、
前記第2の伝達部は、
前記第2の信号を保持する第3の保持部と、
前記第3の保持部から前記第2のインピーダンス変換部を介して伝達された前記第2の信号を保持する第4の保持部と、
をさらに含み、
前記第1の保持部は、前記第1のインピーダンス変換部から前記第1のオフセットを含む信号が入力される第1の保持電極と、前記第1の保持電極と対向しており前記画素から前記列信号線を介して前記第1の信号が入力される第2の保持電極とを有し、
前記第3の保持部は、前記第2のインピーダンス変換部から前記第2のオフセットを含む信号が入力される第3の保持電極と、前記第3の保持電極と対向しており前記画素から前記列信号線を介して前記第2の信号が入力される第4の保持電極とを有し、
前記第1のインピーダンス変換部は、第1の差動増幅器を含み、
前記第2のインピーダンス変換部は、第2の差動増幅器を含み、
前記第1の伝達部は、前記第1の差動増幅器の反転入力端子及び出力端子と前記第1の保持電極とを接続するとともに前記列信号線と前記第2の保持電極とを接続する第1の保持状態と、前記第1の差動増幅器の反転入力端子と前記第1の保持電極とを接続しながら前記第1の差動増幅器の出力端子と前記第1の保持電極との接続を遮断するとともに前記列信号線と前記第2の保持電極との接続を遮断し前記第1の差動増幅器の出力端子と前記第2の保持電極とを接続する第2の保持状態とを切り替え、
前記第2の伝達部は、前記第2の差動増幅器の反転入力端子及び出力端子と前記第3の保持電極とを接続するとともに前記列信号線と前記第4の保持電極とを接続する第3の保持状態と、前記第2の差動増幅器の反転入力端子と前記第3の保持電極とを接続しながら前記第2の差動増幅器の出力端子と前記第3の保持電極との接続を遮断するとともに前記列信号線と前記第4の保持電極との接続を遮断し前記第2の差動増幅器の出力端子と前記第4の保持電極とを接続する第4の保持状態とを切り替える
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第1の伝達部は、
前記第1の信号を保持する第1の保持部と、
前記第1の保持部から前記第1のインピーダンス変換部を介して伝達された前記第1の信号を保持する第2の保持部と、
をさらに含み、
前記第2の伝達部は、
前記第2の信号を保持する第3の保持部と、
前記第3の保持部から前記第2のインピーダンス変換部を介して伝達された前記第2の信号を保持する第4の保持部と、
をさらに含み、
前記第1の保持部は、前記第1のインピーダンス変換部から前記第1のオフセットを含む信号が入力される第1の保持電極と、前記第1の保持電極と対向しており前記画素から前記列信号線を介して前記第1の信号が入力される第2の保持電極とを有し、
前記第3の保持部は、前記第2のインピーダンス変換部から前記第2のオフセットを含む信号が入力される第3の保持電極と、前記第3の保持電極と対向しており前記画素から前記列信号線を介して前記第2の信号が入力される第4の保持電極とを有し、
前記第1のインピーダンス変換部は、第1の差動増幅器を含み、
前記第2のインピーダンス変換部は、第2の差動増幅器を含み、
前記第1の伝達部は、前記第1の差動増幅器の反転入力端子及び出力端子と前記第1の保持電極とを接続するとともに前記列信号線と前記第2の保持電極とを接続する第1の保持状態と、前記第1の差動増幅器の出力端子と前記第1の差動増幅器の反転入力端子との接続を維持しながら前記第1の差動増幅器の反転入力端子及び出力端子と前記第1の保持電極との接続を遮断して前記第1の保持電極へ参照電圧を供給するとともに前記列信号線と前記第2の保持電極との接続を遮断して前記第1の差動増幅器の非反転入力端子と前記第2の保持電極とを接続する第5の保持状態とを切り替え、
前記第2の伝達部は、前記第2の差動増幅器の反転入力端子及び出力端子と前記第3の保持電極とを接続するとともに前記列信号線と前記第4の保持電極とを接続する第3の保持状態と、前記第2の差動増幅器の出力端子と前記第2の差動増幅器の反転入力端子との接続を維持しながら前記第2の差動増幅器の反転入力端子及び出力端子と前記第3の保持電極との接続を遮断して前記第3の保持電極へ参照電圧を供給するとともに前記列信号線と前記第4の保持電極との接続を遮断して前記第2の差動増幅器の非反転入力端子と前記第4の保持電極とを接続する第6の保持状態とを切り替える
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記伝達ブロックは、
前記列信号線へ出力された前記第1の信号を増幅し、増幅した前記第1の信号を前記第1の伝達部へ供給し、前記列信号線へ出力された前記第2の信号を増幅し、増幅した前記第2の信号を前記第2の伝達部へ供給する増幅器をさらに含む
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の撮像装置と、
前記撮像装置の撮像面へ像を形成する光学系と、
前記撮像装置から出力された信号を処理して画像データを生成する信号処理部と、
を備えたことを特徴とする撮像システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2013−66237(P2013−66237A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−272436(P2012−272436)
【出願日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【分割の表示】特願2008−177408(P2008−177408)の分割
【原出願日】平成20年7月7日(2008.7.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】