説明

撮像装置及び撮影案内システム並びにプログラム

【課題】ユーザに対して特別な操作を要求することなく、現在位置の近隣に存在している推奨の撮影スポットに関する情報を適切に案内できるようにする。
【解決手段】カメラ機能付きの携帯電話機(撮像装置)1は、撮影を実行した場合に、その現在位置の近隣に推奨の撮影スポットが存在しているか否かの問い合わせをサーバ装置(撮影案内装置)3に対して行い、それに応答してサーバ装置3から問い合わせ結果を受信した場合に、その問い合わせ結果に基づいて、推奨の撮影スポットに関する情報を案内出力する。この場合、携帯電話機1は、推奨の撮影スポットで撮影された撮影画像と、現在位置で撮影された撮影画像を比較対象の画像として案内表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、推奨の撮影スポットを案内する撮影案内装置にネットワークを介して接続可能な撮像装置及び撮影案内システム並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機にカメラ機能が搭載されている機種が多く、カメラが常時携帯されることになり、いつでも、どこでも自由に撮影することが可能となってきている。ところが、例えば、知らない場所では、常により良い写真(ベストスポットの写真)を撮影できるとは限らず、観光地などでは、名所が近くにあっても通り過ぎてしまったり、間違ったりすることが多く、ベストスポットの写真を撮影できないことがあった。
そこで、従来では、現在位置、現在時刻、天候などに応じて好適な撮影情報を提示するようにした技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−49476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した先行技術にあっては、静止画又は動画の撮影を行う撮影者に対して、現在日時及び現在位置、撮影者が入力した現在の天候に基づいて撮影に好適な撮影場所を提示するようにしたものであるが、ユーザにあっては、観光地などにおいて、ベストスポットを探し出すことを常に意識しておかなければならず、名所などがありそうな場所で、ユーザ操作により案内要求を行って、天候をキー入力する必要があり、ユーザに大きな負担をかけるという問題が残る。また、ベストスポットといっても個人差があり、ベストスポットとして案内されてその場所に出向いたとしても、ユーザにとって自分の好みに合わないこともある。
【0005】
本発明の課題は、ユーザに対して特別な操作を要求することなく、現在位置の近隣に存在している推奨の撮影スポットに関する情報を適切に案内できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、推奨の撮影スポットを案内する撮影案内装置にネットワークを介して接続可能な撮像装置であって、撮影実行が指示されたか否かを判別する撮影判別手段と、この撮影判別手段により撮影実行が指示されたと判別された場合に、その撮影位置としての現在位置の近隣に推奨の撮影スポットが存在しているか否かの問い合わせを前記撮影案内装置に対して行う問合手段と、この問合手段による問い合わせに応答して前記撮影案内装置からの問い合わせ結果を受信した場合に、その問い合わせ結果に基づいて、前記推奨の撮影スポットに関する情報を案内出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項1に従属する発明として、前記問合手段による問合わせに応答して前記撮影案内装置からその問い合わせ結果を受信した場合に、前記現在位置から所定の範囲内に推奨の撮影スポットが存在しているか否かを判別する範囲判別手段を更に備え、前記出力手段は、前記範囲判別手段により前記現在位置から所定の範囲内に推奨の撮影スポットが存在していることが判別された場合に、その撮影スポットに関する情報を案内出力する、ようにしたことを特徴とする請求項2記載の発明であってもよい。
【0008】
請求項2に従属する発明として、前記所定の範囲をユーザ操作により任意に設定する設定手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項3記載の発明であってもよい。
【0009】
請求項1に従属する発明として、前記撮影判別手段により撮影実行が指示されたと判別された場合に、その撮影位置として現在位置を取得する位置取得手段を更に備え、前記問合手段は、前記位置取得手段により取得した現在位置を含む情報を前記撮影案内装置に送信することにより該現在位置の近隣に推奨の撮影スポットが存在しているかを問い合わせる、ようにしたことを特徴とする請求項4記載の発明であってもよい。
【0010】
請求項1に従属する発明として、前記問合手段による問い合わせに応答して前記撮影案内装置からの問い合わせ結果として、撮影スポットで撮影された撮影画像を受信した場合に、前記出力手段は、該撮影スポットで撮影された撮影画像とを案内表示する、ようにしたことを特徴とする請求項5記載の発明であってもよい。
【0011】
請求項5に従属する発明として、前記出力手段は、前記推奨の撮影スポットで撮影された撮影画像を案内表示するほか、前記現在位置で撮影された撮影画像を比較対象の画像として案内表示する、ようにしたことを特徴とする請求項6記載の発明であってもよい。
【0012】
請求項1に従属する発明として、前記推奨の撮影スポットで撮影された撮影画像と前記現在位置で撮影された撮影画像のいずれかを選択する選択手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項7記載の発明であってもよい。
【0013】
請求項7に従属する発明として、前記推奨の撮影スポットで撮影された撮影画像が前記選択手段により選択された場合に、前記現在位置から前記推奨の撮影スポットまでの経路を取得する取得手段を更に備え、前記出力手段は、更に前記取得手段により取得した経路を案内出力する、ようにしたことを特徴とする請求項8記載の発明であってもよい。
【0014】
請求項7に従属する発明として、前記経路が案内された推奨の撮影スポットで撮影された撮影画像を前記撮影案内装置に送信する第1の送信手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項9記載の発明であってもよい。
【0015】
請求項7に従属する発明として、前記現在位置で撮影された撮影画像が前記選択手段により選択された場合に、その撮影画像をその撮影位置である現在位置と共に前記撮影案内装置に送信する第2送信手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項10記載の発明であってもよい。
【0016】
請求項1に従属する発明として、前記推奨の撮影スポットと前記現在位置とが一致した際に、前記出力手段は、その旨を案内出力する、ようにしたことを特徴とする請求項11記載の発明であってもよい。
【0017】
請求項11に従属する発明として、前記推奨の撮影スポットと前記現在位置とが一致した際に、前記現在位置で撮影された撮影画像をその現在位置と共に前記撮影案内装置に送信する第3送信手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項12記載の発明であってもよい。
【0018】
また、上述した課題を解決するために請求項13記載の発明は、推奨の撮影スポットを案内する撮影案内装置と、この撮影案内装置にネットワークを介して接続可能な撮像装置とを備える撮影案内システムであって、前記撮像装置により撮影が実行されたか否かを判別する撮影判別手段と、この撮影判別手段により撮影が実行されたと判別された場合に、その撮影位置として現在位置を取得する位置取得手段と、この位置取得手段により取得した現在位置の近隣に推奨の撮影スポットが存在しているか否かを判別する撮影スポット判別手段と、この撮影スポット判別手段により推奨の撮影スポットが存在していると判別された場合に、その撮影スポットに関する情報を案内情報として前記撮像装置に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0019】
請求項13に従属する発明として、前記撮影案内装置は、前記推奨の撮影スポットが存在していると判別した場合に、その撮影スポットに関する情報としてその撮影スポットで撮影された撮影画像を送信し、前記撮像装置は、前記推奨の撮影スポットで撮影された撮影画像を受信して案内表示するほか、前記現在位置で撮影された撮影画像を比較対象の画像として案内表示する、ようにしたことを特徴とする請求項14記載の発明であってもよい。
【0020】
請求項14に従属する発明として、前記撮像装置は、前記推奨の撮影スポットで撮影された撮影画像と前記現在位置で撮影された撮影画像とが比較対象として案内表示されている状態において、そのいずれかの画像がユーザ操作により選択された場合に、その選択された撮影画像が前記現在位置で撮影された撮影画像であれば、その撮影画像を前記撮影案内装置に送信し、前記撮影案内装置は、前記撮像装置から前記現在位置で撮影された撮影画像を受信した場合に、その現在位置が推奨の撮影スポットとして既に登録されているか否かを判別し、登録されていなければ、前記現在位置で撮影された撮影画像を新規登録する、ようにしたことを特徴とする請求項15記載の発明であってもよい。
【0021】
請求項14に従属する発明として、前記撮像装置は、前記推奨の撮影スポットで撮影された撮影画像と前記現在位置で撮影された撮影画像とが比較対象として案内表示されている状態において、そのいずれかの画像がユーザ操作により選択された場合に、その選択された撮影画像が前記推奨の撮影スポットで撮影された撮影画像であれば、推奨の撮影スポットが選択されたことを示す情報を前記撮影案内装置に送信し、前記撮影案内装置は、前記推奨の撮影スポットが選択されたことを示す情報を前記撮像装置から受信した場合に、その撮影スポットで撮影された撮影画像に対する評価値を更新する、ようにしたことを特徴とする請求項16記載の発明であってもよい。
【0022】
また、上述した課題を解決するために請求項17記載の発明は、コンピュータに対して、推奨の撮影スポットを案内する撮影案内装置にネットワークを介して接続可能な撮像装置により撮影実行が指示されたか否かを判別する機能と、前記撮影実行が指示されたと判別された場合に、現在位置の近隣に推奨の撮影スポットが存在しているか否かの問い合わせを前記撮影案内装置に対して行う機能と、前記問い合わせに応答して前記撮影案内装置からの問い合わせ結果を受信した場合に、その問い合わせ結果に基づいて、前記推奨の撮影スポットに関する情報を案内出力する機能と、を実現させるためのプログラムであることを特徴とする。
【0023】
また、上述した課題を解決するために請求項18記載の発明は、コンピュータに対して、推奨の撮影スポットを案内する撮影案内装置にネットワークを介して接続可能な撮像装置により撮影が実行されたか否かを判別する機能と、前記撮像装置により撮影が実行されたと判別された場合に、その撮影位置として現在位置を取得する機能と、前記取得した現在位置の近隣に推奨の撮影スポットが存在しているか否かを判別する機能と、前記現在位置の近隣に推奨の撮影スポットが存在していると判別された場合に、その撮影スポットに関する情報を案内情報として前記撮像装置に送信する機能と、を実現させるためのプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ユーザに対して特別な操作を要求することなく、現在位置の近隣に存在している推奨の撮影スポットに関する情報を適切に案内することができ、実用性に富んだものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】推奨の撮影スポットを案内する撮影案内装置(サーバ装置)と、この撮影案内装置にネットワークを介して接続可能な撮像装置(カメラ機能付き携帯電話機)とを備える撮影案内システムを示したブロック図。
【図2】サーバ装置3側に設けられている撮影情報データベースPBを説明するための図。
【図3】携帯電話機1側において現在位置で撮影された撮影画像(携帯電話機1側で撮影した画像)と、現在位置の近隣に存在する推奨の撮影スポットで撮影された撮影画像(サーバ装置3側から受信した画像)とを比較対象として案内表示する案内画面を説明するための図。
【図4】撮影案内システムを構成する携帯電話機1側の全体動作の概要を示したメインフローチャート。
【図5】図4に続く動作を示したフローチャート。
【図6】推奨スポット撮影処理(図5のステップA28)を詳述するためのフローチャート。
【図7】撮影案内システムを構成するサーバ装置3側の全体動作の概要を示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図1〜図7を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、推奨の撮影スポットを案内する撮影案内装置(サーバ装置)と、この撮影案内装置にネットワークを介して接続可能な撮像装置(カメラ機能付き携帯電話機)とを備える撮影案内システムを示したブロック図である。
この撮影案内システムは、撮像装置(カメラ機能付き携帯電話機)の現在位置の近隣に存在している推奨の撮影スポットに関する情報を案内するサービスを提供する広域通信システムで、この案内サービスを利用する会員ユーザ側のカメラ機能付き携帯電話機1は、無線通信網2を介して通信事業者側のサーバ装置3に接続されている。
【0027】
携帯電話機1は、上述の撮影案内システムを構成する撮像装置として適用したもので、音声通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)などのほか、撮影スポット案内機能、撮像機能(カメラ機能)、経路案内機能(ナビゲーション機能)を有している。ここで、撮影スポット案内機能は、現在位置の近隣に存在している推奨の撮影スポットをユーザに案内表示する機能である。経路案内機能は、この撮影スポット案内機能により撮影スポットが案内表示された場合に、現在位置から撮影スポットまでの経路を案内表示するもので、現在位置より撮影スポット(目的地点)までの経路地図を受信取得して、この地図上に進行方向を表示させたり、右左折時を音声出力させたりしながら経路案内を行う。なお、携帯電話機1は、図示しないが、無線通信網2を介してナビゲーションサービスを提供するナビゲーション管理サーバ側に接続されている。
【0028】
携帯電話機1は、最寄りの基地局や交換機を介して無線通信網2に接続されると、他の携帯電話機(図示省略)との間で通話可能な状態となったり、電子メールの送受信が可能となり、また、図示しないインターネットに接続されると、Webページなどの情報を受信して閲覧可能となったりする。サーバ装置3は、撮影案内システムを構成する撮影案内装置として適用したもので、例えば、日本全国の各観光地や名所などでの推奨の撮影スポットを集中管理すると共に、その内容を更新したりするもので、携帯電話機1からの問い合わせに応じて推奨の撮影スポットに関する情報を案内情報として問い合わせ元の携帯電話機1に対して送信するサービスを行う。
【0029】
携帯電話機1は、制御部11を中核とするもので、この制御部11は、二次電池を備えた電源部12からの電力供給によって動作し、記憶部13内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話機の全体動作を制御する。この制御部11にはCPU(中央演算処理装置)やメモリなどが設けられている。記憶部13は、ROM、RAMなどの内部メモリで、プログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、後述する図4〜図6に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムが格納されている。また、記憶部13のデータ領域には、フラグ情報、画面情報、この携帯電話機の動作に必要な各種の情報が一時記憶されているほか、画像フォルダPFなどが記憶されている。なお、記憶部13は、例えば、SDカード、ICカードなど、着脱自在な可搬型メモリ(記録メディア)を含む構成であってもよく、図示しない所定の外部サーバ上にあってもよい。
【0030】
操作部14は、図示しないが、押しボタン型の十字キー(決定キーやカーソルキー)、数値キー/文字キー、メニューキー、シャッターキーなど、各種のキーを備え、ダイヤル入力、テキスト入力、コマンド入力などを行うもので、制御部11は、この操作部14からのキー操作信号に応じた処理として、例えば、発信処理、文章作成処理、カメラ起動処理などを行う。なお、この実施形態においては、操作部14の各キーを押しボタン型のキー(ハードキー)としたが、勿論、タッチスクリーン上のタッチキー(ソフトキー)で構成したものであってもよい。表示部15は、例えば、高精細液晶や有機EL(Electro Luminescence)などを使用したもので、例えば、待受画像、アイコン、撮影画像、メール、Webページなどを表示するもので、カメラ機能の動作時に表示部15は、モニタ画面(ファインダ画面)として利用される。
【0031】
無線通信部16は、無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能の動作時に最寄りの基地局との間でデータの送受信を行うもので、通話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調して制御部11に対して出力すると、制御部11は、電話部17を介して通話用スピーカSPから音声出力させる。また、通話用マイクMCからの入力音声データが電話部17から制御部11を介して供給されると、無線通信部16は、送信ベースバンド信号に符号化したのち、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナAT1から送信させる。
【0032】
撮像部18は、上述したカメラ機能の構成要素で、静止画撮影のほかに動画撮影も可能な構成となっている。そして、撮像部18は、撮影レンズ18a、絞り機構18b、CCDあるいはCMOSなどの撮像素子18c、光学系駆動部18dなどのほか、図示省略したが、照明用のフラッシュ、アナログ処理回路、信号処理回路、圧縮伸張回路などを備え、オートフォーカス機能(AF機能)、露出調整機能(AE機能)、光学ズーム機能などを制御するようにしている。この撮像部18により撮影が実行されると、制御部11は、その撮影位置として位置取得部19から現在位置を取得してサーバ装置3に送信するようにしている。位置取得部19は、GPS(Global Positioning System)を構成するもので、GPS情報(位置情報)を受信して現在位置を取得する。サウンドスピーカ20は、着信音を発生したり、音楽を再生したり、音声案内メッセージを発生したりする。
【0033】
サーバ装置3は、制御部31を中核とするもので、記憶部32、通信部33、操作部34などを有する構成となっている。制御部31は、記憶部32内の各種のプログラムに応じてこのサーバ装置3の全体動作を制御するもので、この制御部31にはCPU(中央演算処理装置)やメモリなどが設けられている。記憶部32は、ROM、RAMなどの内部メモリで、プログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、後述する図7に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムが格納されている。また、データ領域には、推奨の撮影スポットに関する情報を記憶する撮影情報データベースPBが設けられている。通信部33は、無線通信網2を介して携帯電話機1との間でデータ通信を行う。操作部34は、各種のキーを備え、データ入力やコマンド入力を行うもので、撮影情報データベースPBの編集を指示したり、その内容を編集したりする。
【0034】
図2は、サーバ装置3側に設けられている撮影情報データベースPBを説明するための図である。
撮影情報データベースPBは、日本全国の各観光地や名所などでの推奨の撮影スポットを記憶管理するもので、「画像ID」、「撮影スポット」、「撮影画像No.」、「評価値」を記憶する構成となっている。「画像ID」は、画像を識別するための一連No.である。「撮影スポット(推奨スポット)」は、好適な撮影スポット(ベストスポット)として推奨する撮影ポイント(位置情報)であり、「撮影画像No.」は、その撮影スポットで撮影された好適な撮影画像が記憶されている画像ファイルをアクセスするための画像ファイル番号である。
【0035】
「撮影スポット」と「撮影画像No.」とは、1対1に限らず、1つの「撮影スポット」に対して複数の「撮影画像No.」を記憶可能としている。「評価値」は、撮影画像に対するユーザの評価値であり、その「評価値」が一定値(例えば、5点)以上であれば、それに対応する「撮影画像No.」で示される撮影画像を推奨対象の画像(推奨する撮影ポイントで撮影された撮影画像)とするようにしている。なお、「撮影スポット」に対応する「撮影画像No.」が複数記憶されている場合には、「撮影画像No.」毎に、その撮影画像の「評価値」を記憶するようにしている。このように構成された撮影情報データベースPBの内容は、通信事業者側で作成されて登録された情報のほか、会員ユーザである携帯電話機1側から任意に受信して登録された情報であり、常時、その内容が更新されて最新の内容となるようにしている。
【0036】
図3は、携帯電話機1側において現在位置で撮影された撮影画像(携帯電話機1側で撮影した画像)と、現在位置の近隣に存在する推奨の撮影スポットで撮影された撮影画像(サーバ装置3側から受信した画像)とを比較対象として案内表示する案内画面を説明するための図である。
この案内画面において、図中、左側の画像は、現在位置で撮影された撮影画像(携帯電話機1側で撮影された撮影画像)を示し、右側の画像は、撮影スポットで撮影された撮影画像(サーバ装置3側から受信した撮影画像)を示している。この案内画面には、ユーザにどちらかの画像を選択させるために、比較対象の各画像に対応して、選択ボタン(タッチキー)BT1、BT2が1対1の関係で配設されている。
【0037】
携帯電話機1は、観光地などで撮影を行うと、その撮影位置としての現在位置を、無線通信網2を介してサーバ装置3に送信することにより現在位置の近隣に推奨の撮影スポット(以下、推奨スポットと略称する)が存在しているか否かの問い合わせを行うようにしている。サーバ装置3は、この問い合わせに応答して、携帯電話機1から受信した現在位置(撮影位置)に基づいて撮影情報データベースPBを検索し、この現在位置(撮影位置)の近隣に推奨スポットが存在しているか否かを判別し、その判別結果を問い合わせ元の携帯電話機1に送信するようにしている。
【0038】
この場合、サーバ装置3は、その判別結果(問い合わせ結果)として推奨スポットを送信し、その後、この推奨スポットでの撮影画像を問い合わせ元の携帯電話機1に送信するようにしているが、その判別結果(問い合わせ結果)として推奨スポットと共にその推奨スポットでの撮影画像を同時に送信するようにしてもよい。携帯電話機1は、サーバ装置3から推奨スポットでの撮影画像を受信すると、現在位置で撮影された撮影画像と推奨スポットで撮影された撮影画像とを比較対象の画像として、それらを並列させた状態で案内画面に表示させる。
【0039】
次に、本実施形態における撮影案内システムを構成する携帯電話機1及びサーバ装置3の動作概念を図4〜図7に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなどの伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。すなわち、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0040】
図4及び図5は、撮影案内システムを構成する携帯電話機1側の全体動作の概要を示したメインフローチャートである。図7は、撮影案内システムを構成するサーバ装置3側の全体動作の概要を示したフローチャートである。
先ず、携帯電話機1側において、その制御部11は、電源を投入する電源オン操作が行われると、所定の待受画像を読み出して表示させたり、最寄り基地局(図示省略)との間で通信を行って位置登録をしたりする待ち受け状態となる(図4のステップA1)。この状態において、電話着信を検出した場合に(ステップA2でYES)、回線接続させるオフフック操作が行われると(ステップA3でYES)、その操作に応答して、通話可能状態とする通話処理に移る(ステップA4)。そして、この通話状態において、オンフック操作が行われると(ステップA5でYES)、その操作に応答して、通話を切断する終話処理を行った後(ステップA6)、上述のステップA2に戻る。
【0041】
また、通常撮影(上述の推奨スポット案内を伴う撮影以外の撮影)を指示する撮影操作(シャッタ操作)が行われたときには(ステップA7でYES)、ズーム値などの各種の撮影パラメータを撮像部18に設定する撮影制御処理を行うと共に(ステップA8)、撮像部18に対して撮影開始を指示して静止画撮影を実行させた後(ステップA9)、その撮影画像を記憶部13の画像フォルダPFに記録保存させる(ステップA10)。
【0042】
また、通常撮影が実行されず(図4のステップA7でNO)、ガイド撮影(上述の推奨スポット案内を伴う撮影)の実行を指示するガイド撮影操作が行われたときには(図5のステップA11でYES)、ズーム値などの各種の撮影パラメータを撮像部18に設定する撮影制御処理を行うと共に(ステップA12)、撮像部18に対して撮影開始を指示して現在位置での静止画撮影を実行させた後(ステップA13)、その撮影画像を記憶部13のワーク域(図示省略)に一時保存させる(ステップA14)。そして、位置取得部19から現在位置を今回の撮影位置として取得した後(ステップA15)、この現在位置(撮影位置)を含む情報をサーバ装置3に送信することにより現在位置の近隣に推奨スポットが存在しているか否かの問い合わせを行う(ステップA16)。
【0043】
一方、サーバ装置3側において、携帯電話機1から現在位置(撮影位置)を含む推奨スポットの問い合わせを受信したときには(図7のステップC1でYES)、その制御部31は、受信した現在位置(撮影位置)に基づいて撮影情報データベースPBを検索する(ステップC2)。そして、受信した現在位置と撮影情報データベースPB内の各「撮影スポット」とを比較することにより、その現在位置の近隣に推奨の「撮影スポット」が存在しているか否かを判別するが(ステップC3)、その際、例えば、現在位置から半径1km以内を近隣範囲として「撮影スポット」が存在しているか否かの判別を行う。
【0044】
ここで、近隣範囲は、歩行の場合を例示したが、ユーザが自動車などの交通機関を利用している場合もあるので、歩行用の近隣範囲(例えば、半径1km以内)と交通機関利用の近隣範囲(例えば、半径5km以内)の両方で「撮影スポット」を検索するようにしてもよく、また、ユーザからの指示に応じて歩行用の近隣範囲で検索を行うか、交通機関利用の近隣範囲で検索を行うかを選択可能としてもよい。その結果、現在位置の近隣に推奨スポットが存在していないと判別された場合には(ステップC3でNO)、現在位置の近隣に推奨スポットが存在していない情報としてその旨のメッセージを問い合わせ元の携帯電話機1に送信するが(ステップC4)、現在位置の近隣に推奨スポットが存在していれば(ステップC3でYES)、推奨スポットが存在している情報として、その推奨スポットを検索結果として問い合わせ元の携帯電話機1に送信する(ステップC5)。
【0045】
携帯電話機1側では、サーバ装置3からの問い合わせ結果を受信すると、その問い合わせ結果は現在位置の近隣に推奨スポットが存在している情報であるか否かを判別する(図5のステップA17)。ここで、問い合わせ結果が、推奨スポットが存在していないことを示す情報であれば(ステップA17でNO)、その旨のメッセージを表示部15に案内表示させた後(ステップA18)、次のステップA22に移り、記憶部13のワーク域に一時保存させておいた現在位置の撮影画像を読み出して画像フォルダPFに正式な画像として記録保存させる。そして、この現在位置で撮影された撮影画像を、その現在位置と共にサーバ装置3に対して送信すると共に(ステップA23)、記憶部13のワーク域に一時保存させておいた現在位置の撮影画像を削除した後(ステップA24)、図4のステップA1に戻る。
【0046】
また、サーバ装置3からの問い合わせ結果が、推奨スポットが存在していることを示す情報であれば(ステップA17でYES)、この推奨スポットは、上述の現在位置(撮影位置)から所定の範囲内であるかを調べる(ステップA19)。ここで、所定の範囲内とは、例えば、現在位置から半径300mなどの値で、サーバ装置3側での近隣範囲(例えば、半径1km以内)とは別個に携帯電話機1側でユーザ操作により任意に設定された値であり、所定の範囲内≦近隣範囲の関係にある。すなわち、サーバ装置3側において現在位置(撮影位置)の近隣に推奨の撮影スポットが存在していると判別された場合に、携帯電話機1側ではその中から更に撮影スポットを絞り込むために、その各推奨スポットは、現在位置(撮影位置)から所定の範囲内であるか否かを判別する。
【0047】
ここで、携帯電話機1側において、サーバ装置3からの推奨スポットが所定の範囲内でなければ(ステップA19でNO)、上述のステップA18に移り、推奨スポットが存在していない旨のメッセージを表示部15に案内表示させる。その後、上述のステップA22に移り、現在位置の撮影画像を画像フォルダPFに正式な画像として記録保存させる。そして、サーバ装置3への画像送信(ステップA23)、一時保存画像の削除を行った後(ステップA24)、図4のステップA1に戻る。
【0048】
また、推奨スポットが所定の範囲内であれば(ステップA19でYES)、現在位置(撮影位置)と推奨スポットとは一致するか否かを調べ(ステップA20)、両方の一致を検出したときには(ステップA20でYES)、現在位置は推奨スポットであることを示すメッセージを表示させた後(ステップA21)、次のステップA22に移り、現在位置の撮影画像を画像フォルダPFに正式な画像として記録保存させる。そして、サーバ装置3への画像送信(ステップA23)、一時保存画像の削除を行った後(ステップA24)、図4のステップA1に戻る。
【0049】
また、推奨スポットが所定の範囲内ではあるが(ステップA19でYES)、現在位置が推奨スポットに一致していなければ(ステップA20でNO)、サーバ装置3に対してその推奨スポットで撮影された撮影画像の送信を要求し、それに応答してサーバ装置3から送信される当該推奨スポットで撮影された撮影画像を受信取得する(ステップA25)。そして、記憶部13のワーク域に一時保存させておいた現在位置の撮影画像を読み出し、推奨スポットで撮影された撮影画像と、現在位置で撮影された撮影画像とを比較対象の画像として、図3に示したように案内画面内に並列表示させる(ステップA26)。
【0050】
ここで、図3に示す案内画面内に配設されている選択ボタンBT1、BT2のいずれかが操作されることにより現在位置で撮影された撮影画像がユーザ選択されたのか、推奨スポットで撮影された撮影画像がユーザ選択されたのかを調べる(ステップA27)。いま、現在位置で撮影された撮影画像がユーザ選択されたときには(ステップA27でNO)、次のステップA22に移り、現在位置の撮影画像を画像フォルダPFに記録保存させる。そして、サーバ装置3への画像送信(ステップA23)、一時保存画像の削除を行った後(ステップA24)、図4のステップA1に戻る。また、推奨スポットで撮影された撮影画像がユーザ選択されたときには(ステップA27でYES)、後述する推奨スポット撮影処理を実行した後(ステップA28)、図4のステップA1に戻る。
なお、その他の操作が行われたときには(ステップA29でYES)、操作に応じた処理として、例えば、上述したステップA19で示した所定の範囲の設定を指示する操作に応じて、その設定処理を行ったり、ズーム調整操作に応じてズーム調整処理などを行ったりした後(ステップA30)、図4のステップA1に戻る。
【0051】
図6は、推奨スポット撮影処理(図5のステップA28)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、制御部11は、経路案内機能(ナビゲーション機能)を起動させて(図6のステップB1)、現在位置より推奨スポット(目的地点)までの経路地図を取得した後(ステップB2)、この地図上に進行方向を表示させたり、右左折を音声出力させたりしながら経路案内を行う(ステップB3)。この経路案内中では、現在位置と推奨スポット(目的地点)と比較し、推奨スポットに到着したかを調べ(ステップB4)、推奨スポットに到着したときには(ステップB4でYES)、推奨スポットで撮影すべきことをメッセージ表示及び音声出力により案内出力した後(ステップB5)、所定時間内に撮影操作が行われたかを調べる(ステップB6)。
【0052】
いま、撮影案内を行ってから所定時間が経過しても撮影操作が行われなければ(ステップB6でNO)、図5のステップA14で一時保存した撮影画像を削除した後(ステップB11)、図4のステップA1に戻るが、撮影操作が行われたときには(ステップB6でYES)、ズーム値などの各種の撮影パラメータを撮像部18に設定する撮影制御処理を行って(ステップB7)、撮像部18に撮影を実行させた後(ステップB8)、推奨スポットで撮影された撮影画像を記憶部13の画像フォルダPFに記録保存させる(ステップB9)。そして、推奨スポットで撮影された撮影画像を推奨スポットと共にサーバ装置3に対して送信すると共に(ステップB10)、一時保存させておいた現在位置の撮影画像を削除した後(ステップB11)、図4のステップA1に戻る。
【0053】
他方、サーバ装置3において、携帯電話機1側から現在位置で撮影された撮影画像を受信したときには(図7のステップC6でYES)、その現在位置に基づいて撮影情報データベースPBを検索し(ステップC7)、現在位置に一致する推奨スポットとして「撮影スポット」が登録されているかを調べる(ステップC8)。ここで、現在位置に一致する「推奨スポット」が登録されていなければ(ステップC8でNO)、今回受信した現在位置での撮影画像を撮影情報データベースPBに新規情報として新規登録する(ステップC9)。
【0054】
また、サーバ装置3側において、現在位置に一致する推奨スポットとして「撮影スポット」が登録されていれば(ステップC8でYES)、それに対応する「評価点」に“1”を加算してその値を更新する(ステップC10)。また、携帯電話機1側から推奨スポットで撮影された撮影画像の送信要求を受信したときには(ステップC11でYES)、その推奨スポットに基づいて撮影情報データベースPBを検索し、該当スポットで撮影された撮影画像を要求元の携帯電話機1に対して送信する(ステップC12)。また、携帯電話機1側から推奨スポットで撮影された撮影画像を受信したときには(ステップC13でYES)、それをベストスポットでの最新の撮影画像として、撮影情報データベースPBに追加登録すると共に(ステップC14)、それに対応する「評価点」に“1”を加算してその値を更新する(ステップC15)。
【0055】
以上のように、本実施形態においてカメラ機能付きの携帯電話機(撮像装置)1は、撮影が実行した場合に、その現在位置の近隣に推奨スポットが存在しているか否かの問い合わせをサーバ装置(撮影案内装置)3に対して行い、それに応答してサーバ装置3から問い合わせ結果を受信した場合に、その問い合わせ結果に基づいて、推奨スポットに関する情報を案内出力するようにしたので、ユーザに対して特別な操作を要求することなく、現在位置の近隣に存在している推奨スポットに関する情報を適切に案内することができる。すなわち、観光地などにおいてユーザは、推奨スポットを常に意識しなくてもよく、ユーザが撮影を行ったということは、現在の位置が名所などの好適な撮影スポットである可能性が高くなるため、その撮影に連動して推奨スポットを案内することにより、ユーザに負担をかけることなく、推奨スポットを案内することが可能となり、実用性に富んだものとなる。
【0056】
携帯電話機1は、サーバ装置3側への問い合わせに応答してサーバ装置3からその問い合わせ結果を受信した場合に、現在位置から所定の範囲内に推奨スポットが存在しているか否かを判別し、所定の範囲内に推奨スポットであれば、その推奨スポットに関する情報を案内するようにしたので、現在位置から所定の範囲内に推奨スポットが存在しているか否かを携帯電話機1側で判別することができる。この場合、サーバ装置3側においては携帯電話機1から送信された現在位置(撮影位置)に基づいてその近隣に推奨スポットが存在しているかを判別し、その近隣に推奨スポットが存在していれば、携帯電話機1側ではその中から推奨スポットを更に絞り込むことができる。
【0057】
携帯電話機1側において現在位置から推奨スポットが存在しているか否かを判別するための所定の範囲を、ユーザ操作により任意に設定するようにしたので、ユーザは歩行で移動しているのか、自動車、自転車、電車などの交通手段で移動しているのかによって、範囲の設定を行うことができ、利用する交通手段や体力に応じて適切な範囲を設定することができる。
【0058】
携帯電話機1側において、撮影が行われた際に位置取得部19により取得した現在位置を含む情報をサーバ装置3側に送信することにより現在位置の近隣に推奨スポットが存在しているかを問い合わせるようにしたので、携帯電話機1側では撮影に連動して現在位置を送信すればよく、ユーザに特別な操作を要求することなく、推奨スポットを問い合わせることが可能となる。
【0059】
携帯電話機1は、サーバ装置3から問い合わせ結果として、推奨スポットで撮影された撮影画像を受信した場合には、その推奨スポットで撮影された撮影画像を案内表示するようにしたので、推奨スポットではどのような撮影が可能かを具体的に知ることができる。
【0060】
携帯電話機1は、推奨スポットで撮影された撮影画像を案内表示するほか、現在位置で撮影された撮影画像を比較対象の画像として案内表示するようにしたので、どちらの画像の方がユーザにとって好ましいかを見比べることができ、便利なものとなる。
【0061】
携帯電話機1は、推奨スポットで撮影された撮影画像と現在位置で撮影された撮影画像のいずれかを選択するようにしたので、どちらの画像を選択したのかに応じて、その選択画像対応の処理が可能となる。
【0062】
携帯電話機1は、推奨スポットで撮影された撮影画像が選択された場合に、現在位置から推奨スポットまでの経路を案内出力するようにしたので、見知らない土地でも推奨スポットまで出向いて撮影することができる。
【0063】
携帯電話機1は、経路が案内された推奨スポットで撮影された撮影画像をサーバ装置3に送信するようにしたので、推奨スポットでの最新の撮影画像をサーバ装置3に提供したり、推奨スポットのランク付け(評価値)などに利用したりすることができる。
【0064】
携帯電話機1は、現在位置で撮影された撮影画像が選択された場合に、その撮影画像をその撮影位置である現在位置と共にサーバ装置3に送信するようにしたので、サーバ装置3側に新たな推奨スポットを追加登録することができ、ユーザの撮影に応じて推奨スポットを増やすことができる。
【0065】
携帯電話機1は、推奨スポットと現在位置とが一致した際に、その旨を案内出力するようにしたので、現在位置が推奨スポットであることを知ることができる。
【0066】
携帯電話機1は、推奨スポットと現在位置とが一致した際に、現在位置で撮影された撮影画像をその現在位置と共にサーバ装置3に送信するようにしたので、推奨スポットからの最新の撮影画像をサーバ装置3に提供したり、推奨スポットのランク付け(評価値)などに利用したりすることができる。
【0067】
撮影案内システムは、携帯電話機1により撮影が実行された場合に、その撮影位置として現在位置を取得し、この現在位置の近隣に推奨スポットが存在している場合に、その推奨スポットに関する情報を案内情報として携帯電話機1に送信するようにしたので、ユーザに対して特別な操作を要求することなく、現在位置の近隣に存在している推奨スポットに関する情報を適切に案内することができる。すなわち、観光地などにおいてユーザは、推奨スポットを常に意識しなくてもよく、ユーザが撮影を行ったということは、現在位置が名所などの好適な推奨スポットである可能性が高いために、その撮影に連動して推奨スポットを案内することにより、ユーザに負担をかけることなく、推奨スポットを案内することが可能となって、実用性に富んだものとなる。
【0068】
撮影案内システムにおいて、サーバ装置3は、推奨スポットが存在していると判別した場合に、その推奨スポットに関する情報としてその推奨スポットで撮影された撮影画像を送信し、携帯電話機1は、推奨スポットで撮影された撮影画像を受信して案内表示するほか、現在位置で撮影された撮影画像を比較対象の画像として案内表示するようにしたので、どちらの画像の方がユーザにとって好ましいかを見比べることができ、便利なものとなる。
【0069】
撮影案内システムにおいて、携帯電話機1は、推奨スポットで撮影された撮影画像と、現在位置で撮影された撮影画像を比較対象の画像として案内表示している状態において、現在位置で撮影された撮影画像が選択された場合には、その撮影画像をサーバ装置3に送信し、サーバ装置3は、この現在位置で撮影された撮影画像が、撮影情報データベースPBに登録されていなければ、この撮影画像を新規登録するようにしたので、サーバ装置3側に新たな推奨スポットを追加登録することができ、ユーザの撮影に応じて推奨スポットを増やすことができる。
【0070】
撮影案内システムにおいて、携帯電話機1は、推奨スポットで撮影された撮影画像と、現在位置で撮影された撮影画像を比較対象の画像として案内表示している状態において、推奨スポットで撮影された撮影画像が選択された場合には、それが選択されたことを示す情報をサーバ装置3に送信し、サーバ装置3は、推奨スポットが選択されたことを示す情報を受信した場合に、その推奨スポットで撮影された撮影画像に対する評価値を更新するようにしたので、推奨スポットのランク付けなどに利用することができる。
【0071】
なお、上述した実施形態においては、携帯電話機1により撮影が実行されたか否かの判別を携帯電話機1側で行うようにしたが、サーバ装置3側で行うようにしてもよい。また、携帯電話機1により撮影が実行された場合に、携帯電話機1の制御部11が位置取得部19から撮影位置として現在位置を取得するようにしたが、携帯電話機1側で現在位置を取得する場合に限らず、サーバ装置3側で携帯電話機1の現在位置を取得するようにしてもよい。
【0072】
上述した実施形態においては、携帯電話機1は、サーバ装置3側への問い合わせに応答してサーバ装置3からその問い合わせ結果を受信した場合に、現在位置から所定の範囲内に推奨スポットが存在しているか否かを判別するようにしたが、携帯電話機1毎に、予め所定の範囲をサーバ装置3側に登録しておき、携帯電話機1からの問い合わせに応答してサーバ装置3側では、その携帯電話機1に対応する所定の範囲を読み出して、現在位置から所定の範囲内に推奨スポットが存在しているか否かを判別するようにしてもよい。
【0073】
上述した実施形態においては、携帯電話機1は、サーバ装置3から推奨スポットで撮影された撮影画像を受信した場合には、この推奨スポットで撮影された撮影画像と、現在位置で撮影された撮影画像とを比較対象の画像として案内表示するようにしたが、比較対象の画像を1対1の関係で表示する場合に限らず、推奨スポットで撮影された撮影画像が複数存在している場合には、その複数の画像を順次サイクリックに表示させてもよく、また、1対N(N=2以上の整数)の関係で並列的に表示させてもよい。
【0074】
上述した実施形態において携帯電話機1は、比較対象の画像の中から推奨スポットで撮影された撮影画像が選択された場合に、この推奨スポットで撮影された撮影画像をサーバ装置3側に送信するようにしたが、推奨スポットで撮影された撮影画像が選択されたことを示す情報をサーバ装置3側に送信するようにしてもよい。
【0075】
また、観光地などにおいて事前にユーザ自身や家族などを撮影した撮影画像をサーバ装置3側に送信して登録しておき、サーバ装置3側では、この事前登録されている画像(家族などの写真)を推奨スポットで撮影された撮影画像内に合成し、この合成画像(合成写真)を携帯電話機1側に送信するようにしてもよい。また、このような画像合成機能を携帯電話機1側に設け、推奨スポットで撮影された撮影画像をサーバ装置3から受信した際に、携帯電話機1は、現在位置で撮影した家族などの画像を推奨スポットで撮影された撮影画像内に合成して、比較対象の画像として案内表示するようにしてよい。
【0076】
上述した実施形態においてサーバ装置3は、無線通信網2を介して接続されている通信事業者側のサーバ装置を例示したが、インターネット(図示省略)を介して接続されているサービス会社側のサーバ装置であってもよく、また、この撮影案内サービスは、有償、無償を問わない。
【0077】
また、上述した実施形態においては、撮像装置としてカメラ機能付きの携帯電話機を例示したが、これに限らず、例えば、カメラ機能付きのPDAや音楽プレイヤーなどのほか、勿論、デジタルカメラ自体であってもよい。
【0078】
なお、上述した実施形態において示した“装置”や“機”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 携帯電話機
2 無線通信網
3 サーバ装置
11、31 制御部
13、32 記憶部
14、34 操作部
15 表示部
16 無線通信部
18 撮像部
33 通信部
PB 撮影情報データベース
PF 画像フォルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
推奨の撮影スポットを案内する撮影案内装置にネットワークを介して接続可能な撮像装置であって、
撮影実行が指示されたか否かを判別する撮影判別手段と、
この撮影判別手段により撮影実行が指示されたと判別された場合に、その撮影位置としての現在位置の近隣に推奨の撮影スポットが存在しているか否かの問い合わせを前記撮影案内装置に対して行う問合手段と、
この問合手段による問い合わせに応答して前記撮影案内装置からの問い合わせ結果を受信した場合に、その問い合わせ結果に基づいて、前記推奨の撮影スポットに関する情報を案内出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記問合手段による問い合わせに応答して前記撮影案内装置からその問い合わせ結果を受信した場合に、前記現在位置から所定の範囲内に推奨の撮影スポットが存在しているか否かを判別する範囲判別手段を更に備え、
前記出力手段は、前記範囲判別手段により前記現在位置から所定の範囲内に推奨の撮影スポットが存在していることが判別された場合に、その撮影スポットに関する情報を案内出力する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記所定の範囲をユーザ操作により任意に設定する設定手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮影判別手段により撮影実行が指示されたと判別された場合に、その撮影位置として現在位置を取得する位置取得手段を更に備え、
前記問合手段は、前記位置取得手段により取得した現在位置を含む情報を前記撮影案内装置に送信することにより該現在位置の近隣に推奨の撮影スポットが存在しているかを問い合わせる、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項5】
前記問合手段による問い合わせに応答して前記撮影案内装置からの問い合わせ結果として、撮影スポットで撮影された撮影画像を受信した場合に、前記出力手段は、該撮影スポットで撮影された撮影画像とを案内表示する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項6】
前記出力手段は、前記推奨の撮影スポットで撮影された撮影画像を案内表示するほか、前記現在位置で撮影された撮影画像を比較対象の画像として案内表示する、
ようにしたことを特徴とする請求項5記載の撮像装置。
【請求項7】
前記推奨の撮影スポットで撮影された撮影画像と前記現在位置で撮影された撮影画像のいずれかを選択する選択手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項8】
前記推奨の撮影スポットで撮影された撮影画像が前記選択手段により選択された場合に、前記現在位置から前記推奨の撮影スポットまでの経路を取得する取得手段を更に備え、
前記出力手段は、更に前記取得手段により取得した経路を案内出力する、
ようにしたことを特徴とする請求項7記載の撮像装置。
【請求項9】
前記経路が案内された推奨の撮影スポットで撮影された撮影画像を前記撮影案内装置に送信する第1の送信手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項7記載の撮像装置。
【請求項10】
前記現在位置で撮影された撮影画像が前記選択手段により選択された場合に、その撮影画像をその撮影位置である現在位置と共に前記撮影案内装置に送信する第2送信手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項7記載の撮像装置。
【請求項11】
前記推奨の撮影スポットと前記現在位置とが一致した際に、前記出力手段は、その旨を案内出力する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項12】
前記推奨の撮影スポットと前記現在位置とが一致した際に、前記現在位置で撮影された撮影画像をその現在位置と共に前記撮影案内装置に送信する第3送信手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項11記載の撮像装置。
【請求項13】
推奨の撮影スポットを案内する撮影案内装置と、この撮影案内装置にネットワークを介して接続可能な撮像装置とを備える撮影案内システムであって、
前記撮像装置により撮影が実行されたか否かを判別する撮影判別手段と、
この撮影判別手段により撮影が実行されたと判別された場合に、その撮影位置として現在位置を取得する位置取得手段と、
この位置取得手段により取得した現在位置の近隣に推奨の撮影スポットが存在しているか否かを判別する撮影スポット判別手段と、
この撮影スポット判別手段により推奨の撮影スポットが存在していると判別された場合に、その撮影スポットに関する情報を案内情報として前記撮像装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする撮影案内システム。
【請求項14】
前記撮影案内装置は、前記推奨の撮影スポットが存在していると判別した場合に、その撮影スポットに関する情報としてその撮影スポットで撮影された撮影画像を送信し、
前記撮像装置は、前記推奨の撮影スポットで撮影された撮影画像を受信して案内表示するほか、前記現在位置で撮影された撮影画像を比較対象の画像として案内表示する、
ようにしたことを特徴とする請求項13記載の撮影案内システム。
【請求項15】
前記撮像装置は、前記推奨の撮影スポットで撮影された撮影画像と前記現在位置で撮影された撮影画像とが比較対象として案内表示されている状態において、そのいずれかの画像がユーザ操作により選択された場合に、その選択された撮影画像が前記現在位置で撮影された撮影画像であれば、その撮影画像を前記撮影案内装置に送信し、
前記撮影案内装置は、前記撮像装置から前記現在位置で撮影された撮影画像を受信した場合に、その現在位置が推奨の撮影スポットとして既に登録されているか否かを判別し、登録されていなければ、前記現在位置で撮影された撮影画像を新規登録する、
ようにしたことを特徴とする請求項14記載の撮影案内システム。
【請求項16】
前記撮像装置は、前記推奨の撮影スポットで撮影された撮影画像と前記現在位置で撮影された撮影画像とが比較対象として案内表示されている状態において、そのいずれかの画像がユーザ操作により選択された場合に、その選択された撮影画像が前記推奨の撮影スポットで撮影された撮影画像であれば、推奨の撮影スポットが選択されたことを示す情報を前記撮影案内装置に送信し、
前記撮影案内装置は、前記推奨の撮影スポットが選択されたことを示す情報を前記撮像装置から受信した場合に、その撮影スポットで撮影された撮影画像に対する評価値を更新する、
ようにしたことを特徴とする請求項14記載の撮影案内システム。
【請求項17】
コンピュータに対して、
推奨の撮影スポットを案内する撮影案内装置にネットワークを介して接続可能な撮像装置により撮影実行が指示されたか否かを判別する機能と、
前記撮影実行が指示されたと判別された場合に、現在位置の近隣に推奨の撮影スポットが存在しているか否かの問い合わせを前記撮影案内装置に対して行う機能と、
前記問い合わせに応答して前記撮影案内装置からの問い合わせ結果を受信した場合に、その問い合わせ結果に基づいて、前記推奨の撮影スポットに関する情報を案内出力する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項18】
コンピュータに対して、
推奨の撮影スポットを案内する撮影案内装置にネットワークを介して接続可能な撮像装置により撮影が実行されたか否かを判別する機能と、
前記撮像装置により撮影が実行されたと判別された場合に、その撮影位置として現在位置を取得する機能と、
前記取得した現在位置の近隣に推奨の撮影スポットが存在しているか否かを判別する機能と、
前記現在位置の近隣に推奨の撮影スポットが存在していると判別された場合に、その撮影スポットに関する情報を案内情報として前記撮像装置に送信する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−124936(P2011−124936A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−283107(P2009−283107)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】