説明

撮像装置

【課題】
低コストで、かつ簡略化された構成で撮影系のゴミを除去することが可能な撮像装置を実現する。
【解決手段】
被写体像を光電変換する撮像素子を含む撮像ユニットと、該撮像ユニットを所定方向に移動可能に保持する保持手段と、該撮像ユニットを所定方向に駆動する駆動手段と、第1の信号の入力に応じて撮影準備動作を開始する制御手段とを有し、制御手段は、第1の信号の未入力状態において、駆動手段を介して撮像ユニットを駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置等の撮影光学系のクリーニングに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像装置において撮影光学系にゴミが付着する問題が指摘されていた。銀塩フィルムを使用するアナログ式の撮像装置では、例えばフィルム面にゴミが付着しても撮影後に該フィルムが巻き取られるため、付着したゴミによる撮影への影響はあまり目立たなかった。
【0003】
しかし、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子を備え、被写体像をデジタル情報として取り扱うデジタルカメラ等の撮像装置では、ローパスフィルタや撮像素子面に付着したごみは銀塩フィルムを使用するアナログ式の撮像装置のように巻き取られることがないため、撮影全体に対して悪影響を及ぼすこととなり、より深刻な問題となっている。
【0004】
そこで、特許文献1では強制的に撮像素子上に付着したゴミ、もしくは撮像素子上にユニット的に構成されているローパスフィルタ等の光学部材に付着したごみをモータにより駆動されるワイパで除去する技術が提案されている。
【0005】
さらに、特許文献2では、外部に露呈した光学部材にゴミが付着した際に、センサで該ゴミを検知し、振動手段(超音波)を用いて除去する技術が提案されている。
【特許文献1】特開2001−298640号公報(段落0032、0033、図3等)
【特許文献2】特開07−151946号公報(段落0013、0014、図1等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1では、ワイパ及びワイパを駆動するモータ等を配設しなければならず、撮像装置の大型化を招くことになるとともに、コスト的に高くなってしまう課題を有する。
【0007】
また、特許文献2では、撮像装置の駆動系とは別途、超音波による振動手段を設けているため、上記特許文献1と同様な課題を有している。
【0008】
本発明は、低コストで、かつ簡略化された構成であって、容易にゴミを除去することが可能な撮像装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の撮像装置は、被写体像を光電変換する撮像素子を含む撮像ユニットと、該撮像素子を所定方向に移動可能に保持する保持手段と、該撮像ユニットを所定方向に駆動する駆動手段と、第1の信号の入力に応じて撮影準備動作を開始する制御手段とを有し、制御手段は、第1の信号の未入力状態において、駆動手段を介して撮像ユニットを駆動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、撮影準備動作前に撮像ユニットを駆動して該撮像ユニットに付着したゴミを除去することか可能となるとともに、撮影系とは別にゴミ除去専用の構成を設ける必要がないため、低コストで、かつ小型化を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0012】
図1から図4は本発明の実施例1におけるデジタルカメラ(撮像装置)を示す図であり、図1はデジタルカメラの断面図である。
【0013】
401はデジタルカメラ本体、402はファインダー光学系、403は再生した画像を確認するための液晶表示ユニット、404はバックライトユニット、405はCCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子で、撮像面に結像された被写体像を光電変換する。406はローパスフィルタ、407は撮像素子405を保持するボイスコイルモータユニット、408はシャッターユニットである。
【0014】
409は焦点検出ユニット、410はクイックリターンミラーで、後述する撮影レンズ系から入射する光束を反射させペンタプリズム415を介してファインダー光学系402に導く。そして、一部の光束はミラーの中央部のハーフミラーを透過してミラー411で反射され、レンズ412及びミラー413を介して焦点検出ユニット409に導かれる。414はストロボ発光ユニットである。
【0015】
図2はボイスコイルモータユニット407の拡大断面図である。ヨーク501、503がマグネット502に接着されている。同様にヨーク505、507もマグネット506に接着されており、これらはベース504に固定されている。508a、508bは同一のコイルで、ローパスフィルタ406及び撮像素子405が設けられる保持部材513と一体的に形成されたボビン509a、509bの外周に巻かれている。
【0016】
ヨーク501、503及びヨーク505、507は、マグネット502及び506の磁力により磁化され、それぞれ対向するヨーク間には磁束が発生している。コイル508a、508bのコイルが通電されると電流が流れ、フレミングの左手の法則により決定される方向に駆動されることになる。したがって、本実施例ではコイル508a、508bは、ガイドピン510、511によって光軸Aに垂直な方向への移動を阻止されつつ、撮像素子405の撮像面に垂直な撮影レンズ系の光軸Aの方向へ、該ガイドピン510、511に沿って駆動される。
【0017】
また、ヨーク501、503及びマグネット502、さらに、ヨーク505、507及びマグネット506は、ベース504を介してデジタルカメラ本体401に固定されているため、撮像素子405及びローパスフィルタ406側が駆動される構成となっている。
【0018】
図3は本実施例のデジタルカメラの構成ブロック図である。401はデジタルカメラ本体、2はズームレンズ3、フォーカスレンズ4、絞り7から構成される撮影レンズ系である。なお、ズームレンズ2及びフォーカスレンズ3は1枚又は複数で構成してもよく、固定レンズ群等を設ける構成であってもよい。
【0019】
5はズームレンズ3を光軸Aの方向に駆動するためのモータを駆動するズームレンズ駆動回路、6はフォーカスレンズ4を光軸Aの方向に駆動するためのモータを駆動するフォーカスレンズ駆動回路である。また、このズームレンズ駆動回路5及びフォーカスレンズ駆動回路6は、ズームレンズ3、フォーカスレンズ4の相対位置関係を示す位置エンコーダを有している(不図示)。
【0020】
21はズームレンズ制御回路で、位置エンコーダからズームレンズ2のレンズ位置情報を取得して、所望のレンズ位置への駆動量を算出し、撮影レンズ系2のズームレンズ駆動回路5に駆動信号を出力してズーム動作制御を行う。
【0021】
20はフォーカスレンズ制御回路で、焦点検出ユニット409から出力されるデフォーカス量に基づいて、所望のレンズ位置への駆動量を算出し、フォーカスレンズ駆動回路5に駆動信号を出力してフォーカス制御を行う。7は絞りユニット、19は絞り制御回路である。17はシャッターユニット408の駆動制御を行うシャッター制御回路で、後述のカメラ制御用MCU24により制御される。
【0022】
12は撮像ユニットで、赤外カットフィルタやローパスフィルタ406と、撮像素子405から構成されている。15は焦点検出ユニット409を構成するオートフォーカス(AF)用の位相差AFセンサ、18は位相差AFセンサ15の出力から焦点ずれ量(デフォーカス量)を算出するAF制御回路である。
【0023】
22は撮像ユニット12(つまりは撮像素子405)を微小振動ないし微小駆動可能なボイスコイルモータで、上述のボイスコイルモータユニット407として構成されている。16はボイスコイルモータ22の駆動制御を行うモータ制御回路である。
【0024】
23は撮像ユニット12の位置を検出する位置検出回路、24はカメラ制御用マイクロコントローラとしてのシステム制御回路(MCU)である。MCU24はモード変更を行うモードダイヤル42、レリーズボタン等のスイッチ検出を行うスイッチ検出回路43、ストロボ発光ユニット414の制御を行うストロボ制御回路31や測光を行う測光回路32を制御する。
【0025】
更に、カメラ制御用MCU24内には、カメラシステム動作を実行するプログラムを格納したROM、変数を記憶するためのRAM、補正データやその他のパラメータを記憶するためのEEPROM(電気的消去・書込み可能なメモリ)が内蔵されている。カメラ制御用MCU24は撮像制御用MCU29に接続されており、この撮像制御用MCU29はカメラ制御用MCU24の指示によりデジタル画像の撮像動作を制御する。
【0026】
撮像制御用MCU29は、フラッシュメモリ30に予め格納されているプログラムに従って、撮影に関わる各種デバイスの制御を行う。26はA/D変換回路で、撮像素子405上に形成された被写体像が光電変換されて出力されるアナログ画像データをデジタル画像データに変換する。27は画像信号処理回路で、色補間処理やフィルタリング処理を行った後、バス33を介してデジタル画像データを、一旦DRAM36に格納する。そして、DRAM36に格納されたデジタル画像データは、バックライトユニット404を有する液晶表示ユニット403にモニタ回路25を介して必要に応じて表示される。
【0027】
35はJPEGICで、デジタル画像データはここでデータ圧縮され、メモリカード・インタフェース(I/F)39及び外部コネクタ40を介して着脱可能なメモリカード41に格納される。また、デジタル画像データはシリアルI/F37及び外部コネクタ38を介してネットワークでのデジタル画像データの送信も行うことができる。44はLCDなどの外部への表示回路で、カメラ制御用のMCU24より必要に応じて警告や情報の表示が可能なように構成されている。
【0028】
次に、デジタルカメラの動作を図4のフローチャートを用いて説明する。図4には、本実施例における主としてカメラ制御用のMCU24の電源投入から焦点調節制御動作のフローチャートを示している。
【0029】
まず、デジタルカメラ本体401に撮影レンズ系2が搭載された状態にある。電源投入により、カメラ制御用MCU24はフラグや制御変数等を初期化する(S1)。そして、カメラ制御用MCU24はモードダイヤル42の設定モードを判別し、モードダイヤル42が撮影モードに設定されている場合、ステップ3に進み、その他のモードに設定されている場合はステップ15に進む(S2)。
【0030】
このステップ15では、モードダイヤル42がクリーニングモードに設定されているか否かを判別し、クリーニングモードであればステップ16へ、その他のモードであればステップ19に進む。そして、カメラ制御用MCU24はスイッチ検出回路43から不図示のクリーニング開始スイッチが押されたか否かを判別し、該クリーニング開始スイッチが押されていなければステップ2に戻り、再度、ステップ2でモードダイヤルの設定モード判別処理を行い、クリーニングモードが解除されていなければ、ステップ2→ステップ15→ステップS16の処理を繰り返し(ループ)行う。
【0031】
ステップ16において、クリーニング開始スイッチが押されたと判別された場合、モータ制御回路16を介してボイスコイルモータ22を後述の焦点調節動作における第1の駆動条件(モード)とは異なる第2の駆動条件で撮像ユニット12を所定時間駆動し、ステップ2に戻る(S17、S18)。なお、ステップ15でクリーニングモードではなくその他のモードであれば、カメラ制御用MCU24は選択されたモードに応じた処理を実行する(S19)。
【0032】
ステップ2の判別処理において、モードダイヤル42で設定されたモードが撮影モード等であれば、不図示のレリーズスイッチが半押しされる時のSW1信号を検出するまで処理待ち状態で待機する(S3)。そして、レリーズスイッチSW1の信号が入力された場合、カメラ制御用MCU24は、被写体に対する測光を行うため、測光回路32に信号を出力し、検出された測光結果を取り込む。さらに、露光条件を決定して絞り制御回路19を介して撮影時の絞り7やシャッター制御回路17を介してシャッターの制御、及び撮影感度等を設定する(S4)。
【0033】
次にカメラ制御用MCU24は、位相差検出方式の位相差AFセンサ15及びAF制御回路18からの検出結果を用いてデフォーカス量を算出する(S5)。次にカメラ制御用MCU24は、フォーカス制御回路20を介してフォーカスレンズ駆動回路6にてフォーカスレンズ4を制御して駆動させる(S6)。
【0034】
そして、カメラ制御用MCU24はモータ制御回路16に制御信号を出力し、位置検出回路23からの位置信号を検出し、ボイスコイルモータ22を初期位置へ駆動して停止させる(S7)。更に不図示のアクチュエータを駆動させ、ハーフミラー410及び411をミラーアップすると共に、シャッター制御回路17によりシャッターユニット408のシャッターを開く(S8)。
【0035】
その後、撮像ユニット12を焦点調節動作のための微小駆動(ウォブリング)させるために、カメラ制御用MCU24はモータ制御回路16に制御信号を出力し、ボイスコイルモータ22を駆動する。ここでの微小駆動はステップ17の第2の駆動条件とは異なる第1の駆動条件で駆動される(S9)。
【0036】
ボイスコイルモータ22のウォブリング動作により、撮像ユニット12を微小駆動させ、撮像信号によりコントラストAFのAF評価値を検出することで、現在合焦しているか、非合焦であるのかを判定し、非合焦(ボケている)と判別された場合には、さらに前ピンなのか後ピンなのかを判定する(S10)。
【0037】
ステップ10では合焦状態であると判別でされた場合、撮像ユニット12の位置を位置検出回路16により検出して、ボイスコイルモータ22をモータ制御回路16により所定位置に停止させてステップ20以降のコントラストAF動作の再起動処理に進む。
【0038】
一方、ステップ10において合焦状態でないと判別された場合には、前ピンか後ピンかの判別結果に基づいて、そのボケの判定方向にカメラ制御用MCU24はフォーカス制御回路20を介してフォーカスレンズ駆動回路6にてフォーカスレンズ4を制御し、判別された方向に駆動させる(S11)。
【0039】
次にステップ12では、カメラ制御用MCU24による撮像ユニット12のウォブリング動作中に、フォーカス制御回路20を介してフォーカスレンズ駆動回路6にてフォーカスレンズ4を制御して駆動させ、判定方向の駆動が合焦点、すなわちAF評価信号の頂点を超えたか否かを判別し(S12)、その判別結果によりAF評価値の頂点を超えていない場合には、ステップ11に戻り再度山登り動作の制御を継続して行う。
【0040】
ステップ12の判別結果により、AF評価信号が頂点を超えた場合には、その頂点にAF評価信号が戻るようにフォーカス制御回路20を介してフォーカスレンズ駆動回路6にてフォーカスレンズ4の制御をする(S13)。
【0041】
そして、AF評価信号が頂点に到達したか否かを判別し、その判別結果により、到達していなければステップ13の処理を続行する(S14)。
【0042】
また、ステップ14の判別結果により、AF評価信号が頂点に到達していたならば、ステップ9の処理に戻る。これは、AF評価信号を頂点に戻す動作を行っている間に、被写体位置が変化する場合もあるため、AF評価信号が頂点に到達したならば、現在のAF評価信号が確実に頂点に到達しているのか否か、すなわち現在のフォーカスレンズ4のフォーカス位置が合焦点であるのか否かを判別するために、ステップ9の処理に戻って、再び撮像ユニット12のウォブリング動作を行うためである。
【0043】
そして、上記再起動処理では、先ず、合焦時のAF評価信号の信号レベルを記憶する(S20)。次に、現在のAF評価信号の信号レベルが、合焦時にステップ20で記憶したAF評価信号の信号レベルに比べ、変動したか否かを判別する(S21)。例えば、記憶した信号レベルに対して変動率が所定の閾値以上の場合は、被写体の変化(移動)があったものと認識し、コントラストAF動作の再起動を行う(S22)。また、所定の閾値未満の場合は、被写体の変化(移動)はないと判別し、上記再起動処理を行わずに、ステップ23に進む。
【0044】
このステップ22の判別結果により、フォーカス制御の再起動が不要である場合には、第1の駆動条件での撮影ユニット12の駆動処理を終了させ、所定位置に停止する制御を行う(S23)。また、再起動が必要である場合には、ステップ9に戻り、ステップ9以降の処理、すなわち再び、第1の駆動条件での撮影ユニット12のウォブリング動作を行い、フォーカスレンズ4を移動させる方向を判別する処理等を行う。
【0045】
次にステップ24ではレリーズスイッチSW2が押されることで撮影制御に移行して、処理ルーチンが終了する。ここではレリーズスイッチSW2が押されるまで上述ステップ9〜ステップ24の処理を繰り返すことにより、常に合焦状態が維持されるようにこの処理を繰り返す。
【0046】
ここで、ボイスコイルモータ22(ボイスコイルモータユニット407)の駆動条件について説明する。
【0047】
上述のようにボイスコイルモータ22は、焦点調節動作では第1の駆動条件で撮像ユニット12を駆動してウォブリング動作を行い、クリーニングモードにおけるクリーニング動作では、第2の駆動条件で撮像ユニット12を駆動させる。本実施例では、駆動条件として、駆動周波数を異ならせて駆動させる。例えば、第1の駆動周波数を数十Hz、第2の駆動周波数を該第1の駆動周波数よりも高い数百Hz(約100Hz〜約1kHz)として、第2の駆動周波数を第1の駆動周波数よりも高くすることにより、撮像ユニット12、実際にはローパスフィルタ406に付着したゴミを高周波数で振動駆動させることで、効率よく付着したゴミ除去を行っている。
【0048】
このように本実施例では、焦点調節動作を行うボイスコイルモータユニット406を撮影準備動作前に動作させ、撮像ユニット12を直接振動駆動させている。
【0049】
よって、従来のように、ゴミ除去専用の構成を設ける必要がないため、小型で低コストの撮像装置を実現できる。
【0050】
また、レリーズスイッチSW1が未入力状態、すなわちボイスコイルモータユニット407を介して撮像素子405を光軸方向に駆動することによる焦点調節動作を行う撮影準備動作前に、ボイスコイルモータユニット407を介して撮像ユニット12を振動駆動してゴミを除去するため、撮影時に良好な撮影状態を維持することが可能となる。
【0051】
さらには、本実施例では、駆動条件として焦点調節動作とクリーニング動作とで撮像ユニット12の駆動周波数を異ならせているが、例えば、撮像ユニット12を光軸直交方向に移動可能な構成とし、焦点調節動作では光軸方向に該撮像ユニット12を駆動させ、クリーニング動作では光軸直交方向に振動駆動させ、駆動条件として駆動方向を異ならせるように構成することもできる。
【0052】
このように撮像ユニット12を光軸直交方向に振動駆動させる具体的な構成としては、撮像素子405を光軸直交方向に駆動させて光学的に像振れ補正行う防振機能を有する撮像装置が上げられる。例えば、この場合の駆動条件として、防振動作を数Hz〜20Hzで行い、かつ、焦点調節動作では振動周波数を数十Hz、駆動方向を光軸方向、クリーニング動作では振動周波数を数百Hz、駆動方向を光軸直交方向として、振動周波数と駆動方向が各々異なる駆動条件に設定することができる。
【0053】
また、クリーニング動作中の駆動方向、すなわち、光軸方向及び光軸直交方向とを交互に切り換えて撮像ユニット12を振動駆動させることも可能であり、駆動周波数、駆動方向等の駆動条件を任意に組み合わせ行ってもよい。
【実施例2】
【0054】
図5は本発明の実施例2を示すフローチャートである。本実施例は撮像装置の電源投入時のシステム初期化処理時に自動的に撮像ユニット12を振動駆動してローパスフィルタ406等に付着したゴミを除去する実施例である。なお、撮像装置の構成その他は上述の実施例1と同様である。
【0055】
図5に示すように、電源投入によりカメラ制御用MCU24は、フラグや制御変数等を初期化する(S101)。次にカメラ制御用MCU24は、モータ制御回路16を介してボイスコイルモータ22を、焦点調節動作における第1の駆動条件とは異なる第2の駆動条件で所定時間駆動し、撮像ユニット12を振動駆動してクリーニング動作を行う(S102,S103)。このクリーニング動作は、上記実施例1同様に、焦点調節動作での駆動周波数と異なる駆動周波数で行われる。なお、その他の駆動条件においても上記実施例と同様に適用可能である。
【0056】
そして、モードダイヤル42のモード設定を判別し、モードダイヤル42が撮影モードに設定されている場合は、ステップ106に進み、その他のモードに設定されている場合はステップ105に進む(S104)。その他のモードの場合、カメラ制御用MCU24は選択されたモードに応じた処理を実行する(S105)。
【0057】
撮影モードの場合は、レリーズスイッチSW1の信号を検出する。レリーズスイッチSW1の信号が検出された場合には、カメラ制御用MCU24は測光回路32に測光を行わせ、その測光結果を取り込み、露光条件を決定して絞り制御回路19を介して撮影時の絞り7や、シャッター制御回路17を介してシャッターユニット11の制御を行い、さらに、撮影感度等を設定する(S107)。レリーズスイッチSW1の信号が検出されない場合は、ステップ104のモードダイヤルの設定変更がされたか否かの検出処理に戻る。
【0058】
そして、カメラ制御用MCU24は、上記実施例1と同様に、クリーニング動作時の第2の駆動条件とは異なる第1の駆動条件、すなわち第2の駆動周波数よりも低い第1の駆動周波数で撮像ユニット12を駆動するAF制御を行い(S108)、次の露光制御処理に進む(S109)。その他のAF制御や再起動処理は上記実施例1と同様に行われる。
【0059】
このように本実施例では、デジタルカメラの電源が投入され、撮影動作を行うための初期化時にボイスコイルモータユニット407を介して撮像ユニット12を振動駆動することによりクリーニング動作を自動的に行うため、常に撮影時において良好な撮影状態となる。なお、その他の作用・効果は上記実施例1と同様に奏される。
【実施例3】
【0060】
図6は本発明の実施例3を示すフローチャートである。本実施例は撮像装置の電源投入時のシステム初期化処理時に自動的に撮像ユニット12を振動駆動してローパスフィルタ406等に付着したゴミを除去するとともに、撮像ユニット12の振動駆動制御を変更した実施例である。なお、撮像装置の構成その他は上述の実施例1と同様である。
【0061】
図6に示すように電源投入により、カメラ制御用MCU24はフラグや制御変数等を初期化する(S201)。次にカメラ制御用MCU24は、モータ制御回路16を介してボイスコイルモータ22を、焦点調節動作の第1の駆動条件とは異なる第2の駆動条件で所定時間駆動し(S202)、さらにモータ制御回路16を介してボイスコイルモータ22を停止させる(S203)。この所定時間の撮像ユニット12の振動駆動と、振動駆動停止とを所定回数繰り返すことでクリーニング動作を行う(S204)。
【0062】
そして、モードダイヤル42のモード設定を判別し(S205)、モードダイヤル42が撮影モードに設定されている場合は、ステップ207に進み、その他のモードに設定されている場合はステップ206に進む。その他のモードの場合、カメラ制御用MCU24は選択されたモードに応じた処理を実行する(S206)。
【0063】
撮影モードの場合は、レリーズスイッチSW1の信号を検出する。レリーズスイッチSW1の信号が検出された場合には、カメラ制御用MCU24は測光回路32に測光を行わせ、その測光結果を取り込み、露光条件を決定して絞り制御回路19を介して撮影時の絞り7や、シャッター制御回路17を介してシャッターユニット11の制御を行い、さらに、撮影感度等を設定する(S208)。レリーズスイッチSW1の信号が検出されない場合は、ステップ205のモードダイヤルの設定変更がされたか否かの検出処理に戻る。
【0064】
そして、カメラ制御用MCU24は、上記実施例1と同様に、クリーニング動作の第2の駆動条件とは異なる第1の駆動条件、すなわち第2の駆動周波数よりも低い第1の駆動周波数で撮像ユニット12を駆動してAF制御を行い(S209)、次の露光制御処理に進む(S210)。その他のAF制御や再起動判定処理は上記実施例1と同様に行われる。
【0065】
このように本実施例では、デジタルカメラの電源が投入され、撮影動作を行うための初期化時にボイスコイルモータユニット407を介して撮像ユニット12を振動駆動することによりクリーニング動作を自動的に行うとともに、撮像ユニット12の振動駆動制御において、所定時間の振動と振動停止を所定回数繰り返し、クリーニング動作を断続的に行っており、連続駆動、断続駆動を駆動条件とするクリーニング動作が可能となる。よって、ゴミ除去が効率的に行うことができ、撮影時に良好な撮影状態を維持できる。なお、その他の作用・効果は上記実施例1と同様に奏される。
【実施例4】
【0066】
図7は本発明の実施例4を示すフローチャートである。本実施例はレリーズスイッチSW1が入力されたときに、自動的に撮像ユニット12を振動駆動してローパスフィルタ406等に付着したゴミを除去し、その後に焦点調節動作等の撮影準備動作を行う。なお、撮像装置の構成その他は上述の実施例1と同様である。
【0067】
図7に示すように、電源投入により、カメラ制御用MCU24はフラグや制御変数等を初期化する(S301)。次にモードダイヤル42の設定モードを判別し、モードダイヤル42が撮影モードに設定されている場合、ステップ304に進み、レリーズスイッチSW1がオンされたか否かを判別する(S304)。モードダイヤル42がその他のモードに設定されている場合は、ステップ303に進んで、カメラ制御用MCU24が選択されたモードに応じた処理を実行する。
【0068】
ステップ304において、レリーズスイッチSW1がオンされていると判断された場合は、カメラ制御用MCU24はモータ制御回路16を介してボイスコイルモータ22を、焦点調節動作の第1の駆動条件とは異なる第2の駆動条件で所定時間駆動し、撮像ユニット12を振動駆動してクリーニング動作を行う(S306)。レリーズスイッチSW1の信号が検出されない場合は、ステップ302でモードダイヤルの設定変更がされたか否かの検出処理に戻る。
【0069】
その後、カメラ制御用MCU24は測光回路32に測光を行う。そして、その測光結果を取り込み、露光条件を決定して絞り制御回路19を介して撮影時の絞り7や、シャッター制御回路17を介してシャッターユニット11の制御を行い、さらに、撮影感度等を設定する(S307)。
【0070】
そして、カメラ制御用MCU24は、上記実施例1と同様に、クリーニング動作の第2の駆動条件と異なる第1の駆動条件、すなわち第2の駆動周波数よりも低い第1の駆動周波数で撮像ユニット12を駆動してAF制御を行い(S308)、次の露光制御処理に進む(S309)。その他のAF制御や再起動処理は上記実施例1と同様に行われる。
【0071】
このように本実施例では、デジタルカメラの電源が投入され、撮影動作を行うための初期化時ではなく、レリーズスイッチSW1がオンされた後、実質的に撮影準備動作が行われる前にボイスコイルモータユニット407を介して撮像ユニット12を振動駆動することによりクリーニング動作を自動的に行うため、撮影動作時の直前に付着したゴミを除去できるため、良好な撮影状態を確保することが可能となる。
【0072】
以上、上記実施例において、クリーニング動作が行われるタイミングは上記内容に限らす、例えば、クリーニング動作スイッチを設けて、該スイッチが押されている期間または所定時間、クリーニング動作を行うように構成してもよい。
【0073】
また、上記実施例ではボイスコイルモータ22を採用しているが、圧電素子などで駆動ユニットを構成することも可能である。また、クリーニング動作において、連続的に異なる周波数により撮像ユニット12を振動駆動してクリーニング動作を行ってもよい。
【0074】
また、上記実施例における駆動周波数は、撮像ユニット12の質量や撮像装置の構成・機能等にクリーニング動作に適した周波数を設定することができ、上記駆動周波数に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施例1における撮像装置の断面図である。
【図2】本発明の実施例1における撮像装置の要部断面図である。
【図3】本発明の実施例1における撮像装置の構成ブロック図である。
【図4】本発明の実施例1における撮像装置の動作フローチャート図である。
【図5】本発明の実施例2における撮像装置の動作フローチャート図である。
【図6】本発明の実施例3における撮像装置の動作フローチャート図である。
【図7】本発明の実施例4における撮像装置の動作フローチャート図である。
【符号の説明】
【0076】
12 撮像ユニット
24 制御手段
405 撮像素子
407 駆動手段
513 保持手段(保持部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を光電変換する撮像素子を含む撮像ユニットと、
該撮像ユニットを所定方向に移動可能に保持する保持手段と、
該撮像ユニットを前記所定方向に駆動する駆動手段と、
第1の信号の入力に応じて撮影準備動作を開始する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記第1の信号の未入力状態において、前記駆動手段を介して前記撮像ユニットを駆動することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記撮影準備動作は、前記駆動手段を介して前記撮像ユニットを光軸方向に駆動することによる焦点調節動作を含むことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1の信号の未入力状態において、前記焦点調節動作における第1の駆動条件とは異なる第2の駆動条件で前記駆動手段を介して前記撮像ユニットを駆動することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像ユニットは、前記駆動手段により振動駆動され、
前記第2の駆動条件は、前記第1の駆動条件に対して前記撮像ユニットの振動周波数が異なることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第2の駆動条件における前記振動周波数は、前記第1の駆動条件における前記振動周波数よりも高いことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
被写体像を光電変換する撮像素子を含む撮像ユニットと、
該撮像ユニットを所定方向に移動可能に保持する保持手段と、
該撮像ユニットを前記所定方向に駆動する駆動手段と、
前記駆動手段を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記駆動手段を介して、第1の駆動条件で前記撮像ユニットを駆動する第1の制御と、該第1の駆動条件とは異なる第2の駆動条件で前記撮像ユニットを駆動する第2の制御とを行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項7】
前記撮像ユニットは、前記駆動手段により振動駆動され、
前記第1および第2の駆動条件における前記撮像ユニットの振動周波数が互いに異なることを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記第2の駆動条件における前記振動周波数は、前記第1の駆動条件における前記振動周波数よりも高いことを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記第1の制御は、焦点調節のために行われることを特徴とする請求項6から8のいずれか1つに記載の撮像装置。
【請求項10】
前記撮像ユニットは、光学フィルタを含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか1つに記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−33597(P2006−33597A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−211750(P2004−211750)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】