説明

撮像装置

【課題】撮像装置において、人物の顔部を検出してフォーカス制御し、顔部が検出できない場合でも、人物以外の背景にフォーカスが合ってしまうことを防止し、かつ、ユーザの意図した被写体を確実に撮影する。
【解決手段】レリーズボタンの半押しでタイマをスタートさせる(S304)。人物を顔を検出できた場合に顔にフォーカスを合わせて撮影する(S306、S313)。顔を検出できない場合、半押ししてからの経過時間T2としきい時間T3とを大小比較し、比較結果に応じてフォーカス方法を切り替える(S308、S309、S310)。例えばレリーズボタンの一気押しの場合、マルチAFを実行して人物にフォーカスを合わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置、特にフォーカス制御に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、オートフォーカス(AF)の方法として、複数のポイントで測距を行い、最も近距離の物体にフォーカスを合わせるマルチAF、画面中央部にフォーカスを合わせるセンタースポットAF、被写体像から顔部を検出して顔部にフォーカスを合わせる顔AF等が提案されており、これらのAF方法を適宜切り替えて被写体像を撮影している。
【0003】
図6に、従来のフォーカス切替方法の一例を示す。まず、被写体像から顔部を検出する(S101)。顔部の検出技術は公知であり、その詳細については省略する。顔部を検出できた場合には、検出した顔部を追従するようなAFを実行する(S102)。一方、顔部が存在しない場合には、多点最近距離優先AF、つまりマルチAFを実行する(S103)。そして、この状態でユーザがレリーズボタンを全押し(S2)すると(S104)、被写体が確定され(S105)、撮影が行われる(S106)。なお、半押しと全押しの2段ストローク式のレリーズボタンでは、通常、半押しをS1、全押しをS2と称する。
【0004】
このような切替方法によれば、顔部が検出された場合にはその顔部に追従するようにAFが行われるため、移動する人物像を確実に撮影することができる。また、顔部が存在しない場合にはマルチAFを実行することで、人物の背景にフォーカスが合ってしまい人物がピンぼけとなる、いわゆる中抜けの現象を防止できる。
【0005】
図7に、他のフォーカス切替方法を示す。まず、被写体像から顔部を検出する(S201)。顔部を検出できた場合には、検出した顔部を追従するようなAFを実行する(S202)。一方、顔部が存在しない場合には、ユーザがレリーズボタンを半押し(S1)したか否かを判定し(S203)、レリーズボタンを半押ししない場合、つまりユーザが一気に全押し(S2)する場合に画面中央部にフォーカスを合わせるセンタースポットAFを実行する(S204)、また、ユーザがレリーズボタンを半押し(S1)する場合に画面中央部を被写体と確定し(S205)、確定したエリアを追従するようにAFを実行する(S206)。この状態でユーザがレリーズボタンを全押し(S2)すると(S207)、被写体を確定し(S208)、撮影が行われる(S209)。
【0006】
このような切替方法によれば、顔部が存在しない場合には画面中央部の被写体に対してフォーカスをロックして追従することができるので、シャッタチャンスを逃すことなく被写体を撮影することができる。
【0007】
特許文献1には、被写体の顔部を検出してフォーカスを合わせる技術が開示されている。また、特許文献2には、一気押しの場合に、フォーカス処理を中止して撮影を優先する技術が開示されている。さらに、特許文献3には、半押しされた場合にフォーカス精度に優れる方法でフォーカス制御し、一気押しされた場合に速写性に優れる方法でフォーカス制御を行うことが開示されている。
【0008】
【特許文献1】特開2001−304855号公報
【特許文献2】特開2006−337388号公報
【特許文献3】特開2007−232793号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図6に示す方法では、顔部以外での追従機能がなく、動いている被写体を撮影したい場合にシャッタチャンスを逃すおそれがある。また、マルチAFを実行するため、近距離の被写体のみを優先した撮影しかできない。
【0010】
図7に示す方法では、半押しで確定したエリアを追従するようにAFを実行するため、動いている被写体を確実に撮影することができるが、画面中央部を被写体と確定するため中抜けの現象が生じてしまうおそれがある。図6に示す方法のようにマルチAFを実行することで中抜けの現象は防止できるが、上記のように近距離の被写体のみを優先した撮影となるため、ユーザの意図している被写体を選択することができない問題がある。
【0011】
本発明の目的は、顔部を検出した場合に顔部にフォーカスを合わせる制御を行い、顔部が検出できない場合においても中抜けを防止しつつユーザの意図した被写体を確実に撮影できる装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、被写体像を撮像する撮像装置であって、半押しと全押しの2段ストローク式のレリーズボタンと、撮像素子と、前記撮像素子に結像した前記被写体像から顔部を検出する検出手段と、前記検出手段で前記顔部を検出した場合に、前記顔部にフォーカスを合わせるように制御し、前記検出手段で前記顔部を検出できない場合に、前記レリーズボタンの前記半押しから前記全押しに至る過程の、前記半押しからの経過時間に応じてフォーカス方法を切り替えて制御するフォーカス制御手段とを有する。
【0013】
本発明の1つの実施形態では、前記フォーカス制御手段は、前記経過時間に応じ、前記経過時間がしきい時間に達しない場合にマルチフォーカス制御し、前記経過時間がしきい時間以上となる場合に画面中央部を追尾するようにフォーカス制御する。
【0014】
また、本発明は、被写体像を撮像する撮像装置であって、半押しと全押しの2段ストローク式のレリーズボタンと、撮像素子と、前記撮像素子に結像した前記被写体像から顔部を検出する検出手段と、前記レリーズボタンが一気に全押しされた場合であって前記検出手段で前記顔部を検出したときに前記顔部にフォーカスを合わせるように制御し、前記レリーズボタンが一気に全押しされた場合であって前記検出手段で前記顔部を検出しないときにマルチフォーカス制御するフォーカス制御手段とを有する。
【0015】
本発明の1つの実施形態では、前記フォーカス制御手段は、前記レリーズボタンが半押しされ、一定時間以後に全押しされた場合であって前記検出手段で前記顔部を検出したときに前記顔部にフォーカスを合わせるように制御し、前記レリーズボタンが半押しされ、一定時間以後に全押しされた場合であって前記検出手段で前記顔部を検出しないときに画面中央部にフォーカスを合わせるように制御する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、顔部を検出した場合に顔部にフォーカスを合わせる制御を行い、顔部が検出できない場合においても中抜けを防止しつつユーザの意図した被写体を確実に撮影することができる。すなわち、顔部が検出できない場合でも、レリーズボタンの操作方法に応じて適応的にフォーカス方法を切替えることで、中抜き防止と特定の被写体に対するフォーカス合わせとを同時に達成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0018】
図1に、本実施形態における撮像装置としてのデジタルカメラ10の全体構成ブロック図を示す。全体構成は、例えば特開2007−232793号公報の図3に開示された構成と略同一であるが、本実施形態の撮像装置はCPU110にて実行されるフォーカス制御の方法に特徴がある。
【0019】
図1において、撮影光学系122は、撮影レンズ14、絞り14i、メカシャッタ14sを含む。撮影レンズ14は、フォーカスレンズ14f、ズームレンズ14z及びアイリス14iを含む。撮影光学系122の各レンズやシャッタは、CPU110からの指令に従い、モータ158e、158f、158i、158z、ドライバ160e、160f、160i、160zにより駆動される。
【0020】
撮像素子124は、撮影光学系122により結像された被写体画像を電気信号に変換し、画像信号として出力する。撮像素子124は、CCDセンサやCMOSセンサから構成され、蓄積電荷がタイミングジェネレータ(TG)からのタイミング信号に応じて順次読み出される。
【0021】
アナログ信号処理部126は、画像信号に対して相関2重サンプリング処理を行う。
【0022】
アナログデジタルコンバータ(ADC)128は、アナログ信号処理部126から供給されたR、G、Bの画像信号をそれぞれデジタル信号に変換する。
【0023】
画像入力コントローラ130は、ADC128からのデジタル信号を1画像分蓄積してRAM116に格納する。
【0024】
画像信号処理部132は、ホワイトバランス補正回路、ガンマ補正回路、エッジ強調回路、YC生成回路を含み、入力信号に対して所定の画像処理を実行してY信号とC信号の画像データを生成する。
【0025】
圧縮伸長処理部134は、CPU110からの指令に従い、入力された画像データに所定の圧縮処理を実行してJPEG等の画像データを生成する。また、入力された圧縮画像データに所定の伸長処理を実行して非圧縮の画像データを生成する。
【0026】
メディア制御部138は、CPU110からの指令に従い、メモリカードスロット60に装着されたメモリカード58に対してデータを読み書きする。
【0027】
表示制御部140は、LCDドライブ回路を含み、CPU110からの指令に従い、モニタ30に出力する映像信号を生成する。モニタ30はLCDの他、有機ELでもよい。
【0028】
AE/AWB検出部146は、CPU110からの指令に従い、AE(自動露出制御)及びAWB(自動ホワイトバランス制御)に必要な物理量を算出する。具体的には、画像信号から被写体の輝度を検出し、また、R/G及びB/Gの分布に基づいて光源を判定する。被写体の輝度から適正露出が決定され、絞り値、シャッタ速度、ISO感度が決定される。また、光源からR、G、B各信号に対するゲイン値が決定される。
【0029】
電源制御部148は、CPU110からの指令に従い、バッテリ54から装置各部への電力供給を制御する。また、バッテリ54への充電を制御する。
【0030】
ストロボ制御部150は、CPU110からの指令に従い、ストロボ16の発光を制御する。
【0031】
ROM114は、CPU110が実行する制御プログラムや各種データを格納する。
【0032】
EEPROM120は、ユーザ設定データを格納する。
【0033】
RAM116は、CPU110のワーキングメモリとして動作する。
【0034】
VRAM118は、モニタ30に表示するための画像データを一時記憶する。
【0035】
特定部位検出部152は、CPU110からの指令に従い、入力された画像データから人物の顔部を検出する。顔部を検出する方法は任意であり、例えば画像データから肌色部分を抽出し、人物の顔のテンプレートと肌色部分の画像とのマッチング度を求め、マッチング度の高い部分を顔部候補とする等である。さらに、顔候補部分において目の部分を抽出し、顔か否かを判別してもよい。
【0036】
AF検出部144は、CPU110からの指令に従い、検出された顔部にフォーカスを合わせながら追従する顔AF、マルチAF、画面中央部の被写体にフォーカスを合わせて追従するエリアトラッキングAFのいずれかを切り替えたAFを実行すべく測距を行う。測距方法はコントラスト検出法あるいは位相検出法等のいずれでもよい。マルチAFの測距点数も任意であり、3点、5点、7点のいずれでも、あるいはそれ以上の測距点数でもよい。
【0037】
タイマ部154は、CPU110からの指令に従い、半押し(S1)と全押し(S2)の間の時間を計測する。
【0038】
このような構成において、CPU110は、特定部位検出部152で人物の顔部が検出された場合、この顔部にフォーカスを合わせるようにAFを実行する。すなわち、顔部AFを基本のフォーカス制御とする。また、特定部位検出部152で顔部が検出できない場合、タイマ部154で計測された半押し(S1)から全押し(S2)に至る課程の、半押しからの経過時間に応じてフォーカス方法を切り替えてAFを実行する。具体的には、半押し(S1)からの経過時間T2をしきい時間T3と大小比較し、大小関係に応じてAFを実行する。
【0039】
図2に、本実施形態のフォーカス制御方法を示す。まず、CPU110はタイマ部154のタイマ(T2タイマ)をリセットする(S301)。そして、ユーザがレリーズボタンを半押し(S1)したか否かを判定する(S302)。ユーザがレリーズボタンを半押し(S1)した場合、CPU110はタイマ部154をスタートさせる(S304)。
【0040】
次に、CPU110は特定部位検出部152で顔部を検出したか否かを判定する(S305)。顔部を検出した場合、検出した顔部に追従するようにAFを実行する(S306)。すなわち、顔部が動いてもこの動きに追従するように測距点を移動させる。追従はパターンマッチングを用いることができる。そして、ユーザがこの状態でレリーズボタンを全押し(S2)すると(S311)、被写体を確定し(S312)、撮影が行われる(S313)。
【0041】
一方、特定部位検出部152で顔部を検出できない場合、タイマ部154で計測した時間、すなわち半押しからの経過時間T2をしきい時間T3と大小比較する(S307)。しきい時間T3はROM114に格納しておく。そして、大小比較の結果、経過時間T2<しきい時間T3である、すなわち経過時間T2が未だしきい時間T3に達していない場合にはマルチAFを実行して多点最近距離を優先したAFを実行する(S308)。このとき、モニタ30には、現在フォーカス対象となっているエリア枠が表示される。この状態でユーザがレリーズボタンを全押し(S2)すると(S311)、被写体を確定し(S312)、撮影が行われる(S313)。マルチAFを実行して撮影するため、中抜けの現象を防止できる。
【0042】
また、半押しからの経過時間T2としきい時間T3との大小比較の結果、経過時間T2≧しきい時間T3である、すなわち経過時間T2がしきい時間T3以上となった場合には、マルチAFではなく画面中央部を被写体と確定したセンタースポットAFを実行し(S309)、確定したエリアを追従するようにAFを実行する(S310)。以下、これをエリアトラッキングAFと称する。この状態でユーザがレリーズボタンを全押し(S2)すると(S311)、被写体を確定し(S312)、撮影が行われる(S313)。画面中央部を被写体と確定して追従するため、ユーザの意図に沿う被写体を撮影することができる。
【0043】
本実施形態のフォーカス制御方法は、このように半押し(S1)からの経過時間が短い場合、具体的にはユーザが一気に全押ししたような場合には、シャッタチャンスの緊急度が高いことを考慮してマルチAFを実行し、人物にフォーカスを合わせることを可能として中抜けを防止するとともに、半押し(S1)からの経過時間が比較的長い場合には、ユーザは特定の被写体を追尾したいと欲しているものと推定し、エリアトラッキングAFを実行することで、ユーザの意図する被写体を追尾でき、かつシャッタチャンスを逃さない撮影を行うことができる。図6に示された方法と本実施形態の方法とを比較すると、図6に示された方法では最近距離の被写体が優先されてしまうためユーザの意図に沿った被写体を撮影できないが、本実施形態の方法では半押し(S1)からの経過時間が相対的に長い場合にはユーザは特定の被写体を撮影することを意図していると推定し、その被写体は画面中央に位置しているとみなして画面中央部を被写体と確定して追尾するようにAFを実行するのでユーザの意図に沿った被写体を撮影できる。また、図7に示された方法と本実施形態の方法とを比較すると、図7に示された方法では常に画面中央部にフォーカスが合うように制御されるため中抜けが生じ易いが、本実施形態の方法では半押し(S1)からの経過時間が相対的に短い場合にマルチAFを実行するため中抜きを確実に防止できる。もちろん、マルチAFではなく特定の被写体を追尾したAF実行を希望するユーザは、レリーズボタンを一気押しすることなく、半押し(S1)した後に全押し(S2)することになろう。
【0044】
なお、本実施形態では、図2のS305、S306、S311、S312及びS313の処理から明らかなように、たとえユーザがレリーズボタンを一気に全押ししたとしても、顔部が検出される限り顔部にフォーカスを合わせるようにAFが実行され、顔部を検出できない場合にマルチAFが実行される点に留意されたい。
【0045】
図3、図4及び図5に、本実施形態における半押し(S1)からの経過時間とフォーカス制御方法との関係を示す。各図において、マルチAFとエリアトラッキングAFの処理シーケンスを示す。マルチAFのシーケンスでは、各測距点でスキャンし、フォーカスをセットし、フォーカスを確定する各ステップがある。エリアトラッキングAFのシーケンスでは、フォーカスをセットし(画面中央部の被写体にフォーカスをセット)、追尾するためのスキャンを実行し、再びフォーカスをセットする各ステップがある。しきい時間T3は、マルチAFで少なくともフォーカスが確定するまでの時間として設定される。フォーカスが確定するまでの時間をtとすると、T3=T+α(αは一定の時間)として設定される。
【0046】
図3は、ユーザがレリーズボタンを一気押しする等、半押し(S1)から全押し(S2)までの時間が短い場合、つまりT2<T3の場合の処理である。マルチAFでフォーカスをセットする前に全押し(S2)された場合であり、マルチAFでフォーカスをセットし、フォーカスを確定した後に撮影を開始する。フォーカスを確定した後に撮影を開始するため、ユーザがレリーズボタンを全押し(S2)してから実際の撮影開始までに一定の時間を要することになる。
【0047】
図4は、半押し(S1)から全押し(S2)までの時間は図3に比べて長いものの、依然としてT2<T3の場合の処理である。マルチAFでフォーカスをセットし、しかもフォーカスを確定した後に全押し(S2)された場合である。全押し(S2)された時点で既にフォーカスが確定しているため、ユーザがレリーズボタンを全押し(S2)してから直ちに実際の撮影が開始されることになる。
【0048】
図5は、半押し(S1)から全押し(S2)までの時間が長く、T2≧T3の場合の処理である。フォーカス制御方法はマルチAFからエリアトラッキングAFに切り替わり、フォーカスセットが完了する前に全押し(S2)された場合、フォーカスセットが完了し、かつ、スキャンが完了して追尾できた後に撮影を開始する。
【0049】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。
【0050】
例えば、本実施形態ではしきい時間T3を固定値としてROM114に格納しているが、ユーザが設定できる可変時間としてEEPROM120に格納してもよい。しきい時間T3は、マルチAFからエリアトラッキングAFに切り替えるまでの猶予時間として機能するため、ユーザがしきい時間T3を可変設定することで、操作感が向上し得る。
【0051】
また、本実施形態では、T2≧T3の場合にエリアトラッキングAFに移行しているが、画面中央に被写体が存在しない場合、すなわち測距して得られた距離データが一定距離以上である場合に、エリアトラッキングAFを中止して再度マルチAFに切り替えてもよい。T2≧T3の場合、ユーザの意図する被写体が画面中央に位置していると推定してエリアトラッキングAFを実行しているが、必ずしもこの推定が正しいとは限らず、ユーザの意図する被写体が画面中央から外れている場合もあり得るからである。
【0052】
さらに、本実施形態では、顔部を検出した場合に顔部を追尾するようなAFを実行して撮影しているが、顔部を検出し、かつ、一気の全押しの場合には追尾することなく撮影を開始してもよい。すなわち、顔部を検出した場合においても一気に全押しか否かを判定し、一気に全押しの場合には検出された顔部にフォーカスをセットし、セットしたフォーカスを確定して撮影を行い、一気押しでない場合には顔部を追尾した上で撮影を開始してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施形態の全体構成図である。
【図2】実施形態のフォーカス制御のフローチャートである。
【図3】実施形態のフォーカス制御の切替説明図である。
【図4】実施形態のフォーカス制御の切替説明図である。
【図5】実施形態のフォーカス制御の切替説明図である。
【図6】背景技術のフォーカス制御のフローチャートである。
【図7】背景技術のフォーカス制御のフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
10 デジタルカメラ、110 CPU、144 AF検出部、152 特定部位検出部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を撮像する撮像装置であって、
半押しと全押しの2段ストローク式のレリーズボタンと、
撮像素子と、
前記撮像素子に結像した前記被写体像から顔部を検出する検出手段と、
前記検出手段で前記顔部を検出した場合に、前記顔部にフォーカスを合わせるように制御し、前記検出手段で前記顔部を検出できない場合に、前記レリーズボタンの前記半押しから前記全押しに至る過程の、前記半押しからの経過時間に応じてフォーカス方法を切り替えて制御するフォーカス制御手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、
前記フォーカス制御手段は、前記経過時間に応じ、前記経過時間がしきい時間に達しない場合にマルチフォーカス制御し、前記経過時間がしきい時間以上となる場合に画面中央部を追尾するようにフォーカス制御することを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
被写体像を撮像する撮像装置であって、
半押しと全押しの2段ストローク式のレリーズボタンと、
撮像素子と、
前記撮像素子に結像した前記被写体像から顔部を検出する検出手段と、
前記レリーズボタンが一気に全押しされた場合であって前記検出手段で前記顔部を検出したときに前記顔部にフォーカスを合わせるように制御し、前記レリーズボタンが一気に全押しされた場合であって前記検出手段で前記顔部を検出しないときにマルチフォーカス制御するフォーカス制御手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
請求項3記載の装置において、
前記フォーカス制御手段は、前記レリーズボタンが半押しされ、一定時間以後に全押しされた場合であって前記検出手段で前記顔部を検出したときに前記顔部にフォーカスを合わせるように制御し、前記レリーズボタンが半押しされ、一定時間以後に全押しされた場合であって前記検出手段で前記顔部を検出しないときに画面中央部にフォーカスを合わせるように制御することを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
請求項2記載の装置において、さらに、
前記マルチフォーカス制御時にフォーカス対象のエリア枠表示を行う手段
を有することを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−157123(P2009−157123A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−335470(P2007−335470)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】