説明

撮像装置

【課題】光学部材の破損等の事故を防止しつつ、撮像素子のクリーニングを実行することができる撮像装置を提供する。
【解決手段】レンズ1の着脱が可能な撮像装置において、カメラマウント3と撮像素子5の間に配置された光学部材(固定式主ミラー22)と、光学部材の着脱を検出する着脱検出手段(主ミラー着脱検出回路25)とを備える。また、着脱検出手段により光学部材の取り外しを検出した場合は、シャッター4を開放状態にするシャッター駆動手段(シャッター駆動回路16)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ等の撮像装置に係り、特に、レンズ交換可能な撮像装置における撮像素子のクリーニング技術、より具体的には、撮像素子に密着するフィルタや撮像素子カバーガラス等のクリーニング技術に特徴のある撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、撮像素子を用いて光学系から入射する被写体像を撮影し、その結果得られた画像信号を信号処理して画像情報に変換し、その画像情報を記録手段に記録するようにしたデジタルカメラが種々提案されている。ここで、記録手段としては、フラッシュメモリを内蔵したメモリカードやフロッピー(登録商標)ディスクあるいはハードディスクがある。
【0003】
ところで、一般にデジタルカメラでは、赤外光の画像に対する影響を抑えるために、撮影光学系の一部に赤外カットフィルタが配置される。また、被写体の高周波成分によるモアレ等を抑えるために、撮影光学系の一部にローパスフィルタが配置される。
【0004】
交換レンズ方式を採用しているデジタルカメラにおいては、赤外カットフィルタやローパスフィルタは、撮像素子とシャッターの間やカメラマウントと固定式主ミラーの間、即ち、カメラマウントと撮像素子の間に配置されている。
【0005】
交換レンズ方式のデジタルカメラは、レンズ着脱が可能な構造のため、赤外カットフィルタやローパスフィルタ、撮像素子カバーガラス表面への埃等の付着が起こりやすい。撮像素子に付着した埃等は、撮影画像上でもはっきりと確認できるほど映り込んでしまい、せっかくの撮影画像が使えなくなってしまう。
【0006】
尚、埃等は、具体的には、上述したように、撮像素子に密着するフィルタや撮像素子カバーガラスに付着するが、撮像素子に付着するという表現を用いる場合もある。
【0007】
このような背景の下に、特許文献1に記載の技術が提案されている。特許文献1に記載の技術によれば、カメラ使用者が長期間、フィルタを頻繁に着脱した場合、もしくはレンズを頻繁に着脱した場合、撮像素子をクリーニングするように警告する。
【0008】
従って、警告を受けたカメラ使用者が、カメラ動作モードをクリーニングモードに設定、実行させることで、撮像素子に付着したごみや汚れのクリーニングをカメラ使用者が行い、撮影画像への写り込みを防止することができる。
【0009】
上記クリーニングモードとは、撮像素子とカメラマウント間にある主ミラー等の光学部材及びシャッター等の機構部材を、撮像素子表面がマウント面から視認及びクリーニング可能なように退避させるものである。
【0010】
上記従来の技術においては、撮像素子をクリーニングするよう警告を出した後、カメラ使用者の手によってクリーニングモードに設定、カメラ使用者の手によってクリーニングモードを実行させた後に撮像素子表面のクリーニングを行う。
【0011】
赤外カットフィルタまたはローパスフィルタの光学部材が撮像素子直前ではなく、カメラマウントと撮像素子の間の空間に配置されていた場合には、クリーニングモード実行後、撮像素子のクリーニングの前に取り外す必要がある。
【0012】
また、赤外カットフィルタやローパスフィルタが撮像素子直前にあっても、固定式主ミラー(退避位置と撮影位置間を移動しない、内部で固定の主ミラー)を備えるカメラの場合には、光学部材の1つである固定式主ミラーを取り外す必要がある。
【特許文献1】特開2000−125152号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記従来の技術においては、撮像素子をクリーニングする際に必ず必要となるカメラマウント−撮像素子間の光学部材の取り外しを行わなければならない。従って、光学部材の取り外し作業を忘れ、光学部材の存在に気付かずに撮像素子クリーニング作業を開始すると、最悪の場合、光学素子の破壊(割れ)や傷につながる虞がある。
【0014】
本発明の目的は、光学部材の破損等の事故を防止しつつ、撮像素子のクリーニングを実行することができる撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、請求項1記載の撮像装置は、レンズの着脱が可能な撮像装置において、カメラマウントと撮像素子の間に配置された光学部材と、前記光学部材の着脱を検出する着脱検出手段と、前記着脱検出手段により前記光学部材の取り外しを検出した場合は、シャッターを開放状態にするシャッター駆動手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の撮像装置によれば、光学部材の破損等の事故を防止しつつ、撮像素子のクリーニングを実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置としてのデジタルカメラの概略構成図である。
【0019】
図1において、デジタルカメラは、交換可能なレンズ(撮影レンズ)1、デジタルカメラ本体2を備える。
【0020】
デジタルカメラ本体2は、レンズ1とデジタルカメラ本体2を結合するカメラマウント3、シャッター4、被写体像を受け、その被写体像の画像を光電変換するための、例えばCMOSイメージセンサ等で構成される撮像素子5を備える。
【0021】
デジタルカメラ本体2に備えられる半透過ミラーによって構成される固定式主ミラー22は、通常はレンズ1を通過してきた光をファインダ光学系と撮像素子5へ導く。固定式主ミラー22は、デジタルカメラ本体2から着脱可能になっている。ここで、固定式とは、デジタルカメラ本体2の内部では固定されているという意味である。
【0022】
固定式主ミラー22の背後に備えられるサブミラー23は、固定式主ミラー22を透過してきた光束を焦点検出手段であるAF装置24に光束を導くために配置されている。サブミラー23は、撮影時はサブミラー駆動手段であるサブミラー駆動回路15(図2)により撮影光路外の位置に移動される。23‘は撮影光路外に退避したサブミラー23の位置を示している。
【0023】
デジタルカメラ本体2に備えられるピント板6、ペンタプリズム9、アイピースレンズ10は、ファインダ光学系の一部である。デジタルカメラ本体2に備えられる光学フィルタ8は、ローパスフィルタ及び赤外カットフィルタを貼り合わせてある。赤外カットフィルタは、赤外光の画像に対する影響を抑えるために配置される。また、ローパスフィルタは、被写体の高周波成分によるモワレ等を抑えるために配置される。
【0024】
撮像素子5と光学フィルタ8は密着されており、光学フィルタ8と撮像素子5の間にごみ・埃等の異物が入り込むことはない。
【0025】
ここで、操作部17(図2)によりクリーニングモードを作動させると、サブミラー23は撮影時と同じくミラーダウンし、シャッター4は開放状態となる。レンズ1が装着されていなくて、かつ固定式の固定式主ミラー22が取り外されていれば、カメラマウント3から撮像素子5を直視できる状態となる。撮影者(カメラ使用者)はクリーニングモードを作動させることにより、撮像素子5のクリーニングを行うことができる。
【0026】
図2は、図1のデジタルカメラのブロック図である。
【0027】
図2において、デジタルカメラは、レンズ1、メカスイッチにより構成され、レンズ1の着脱を検出する着脱検出手段であるレンズ着脱検出回路13を備える。
【0028】
また、デジタルカメラは、固定式主ミラー22、メカスイッチにより構成され、固定式主ミラー22のデジタルカメラ本体2への取り付け状態を検出する着脱検出手段である主ミラー着脱検出回路25を備える。
【0029】
また、デジタルカメラは、サブミラー23、サブミラー駆動手段であるサブミラー駆動回路15を備える。
【0030】
また、デジタルカメラは、シャッター4、シャッター4を開閉駆動させるためのシャッター駆動手段であるシャッター駆動回路16を備える。
【0031】
また、デジタルカメラは、撮像素子5、撮像素子5の出力信号を所定の映像信号に変換するための信号処理回路11、映像信号を記録媒体に記録するための記録回路12を備える。
【0032】
また、デジタルカメラは、信号処理回路11、記録回路12及びサブミラー駆動回路15等、デジタルカメラ全体の動作を制御するための制御回路21を備える。
【0033】
また、デジタルカメラは、カメラ電源スイッチ、作動モードを切り換える切換スイッチ及びシャッター・レリーズスイッチ等を備えている操作部17、撮影画像の表示や各種設定項目を表示するための表示部18を備える。操作部17は、撮像素子5のクリーニングを行えるようにするクリーニングモードを設定するモード設定手段である。
【0034】
また、デジタルカメラは、警告用LED19、警告用ブザー20、AF装置24を備える。
【0035】
警告用LED19と警告用ブザー20はそれぞれ警告手段となる。警告用LED19は、制御回路21により警告信号を受けて、点灯あるいは点滅することで撮影者に警告する。警告用ブザー20は、制御回路21により警告信号を受けて、ブザー音を出すことで撮影者に警告する。
【0036】
図3は、図2のテジタルカメラによって実行される固定式主ミラー取り外し時の制御処理の手順を示すフローチャートである。尚、一部カメラ使用者の動作も含む。
【0037】
本図を用いて、固定式主ミラー22が取り外された場合のカメラ動作について説明する。
【0038】
図3において、ステップS101で、固定式主ミラー22の装着状態を検出する。装着状態の検出は、主ミラー着脱検出回路25の情報を元に制御回路21が判断する。固定式主ミラー22が装着されていたならば元に戻る。固定式主ミラー22が取り外されていたと判断されたならば、ステップS102へ移行する。
【0039】
ステップS102では、サブミラー23のダウン及びシャッター4の開動作を行う。サブミラー23のダウン動作は、制御回路21からサブミラー駆動回路15にミラーダウン駆動指示されることにより実行される。シャッター4の開動作は、制御回路21からシャッター駆動回路16にシャッター開動作指示されることにより実行される。
【0040】
この状態で、撮像素子5表面に密着保持されている光学フィルタ8が直視でき、クリーニング作業を行うことが可能となる。
【0041】
ステップS103で、カメラ使用者により撮像素子5に密着保持されている光学フィルタ8表面のクリーニングが行われる。
【0042】
ステップS104で、固定式主ミラー22の装着状態を検出する。装着状態の検出は、主ミラー着脱検出回路25の情報を元に制御回路21が判断する。固定式主ミラー22が装着されていたならば、ステップS105に移行する。
【0043】
固定式主ミラー22が引き続き取り外されていると制御回路21が判断したならば、光学フィルタ8のクリーニング作業が続行されていると判断し、現状の状態を維持する。
【0044】
ステップS105では、サブミラー23のアップ及びシャッター4の閉動作を行う。サブミラー23のアップ動作は、制御回路21からサブミラー駆動回路15にミラーアップ駆動指示されることにより実行される。シャッター4の閉動作は、制御回路21からシャッター駆動回路16にシャッター閉動作指示されることにより実行される。そして、本処理を終了する。
【0045】
図4は、図2のテジタルカメラによって実行されるモード判別による制御処理の手順を示すフローチャートである。尚、一部カメラ使用者の動作も含む。
【0046】
本図を用いて、カメラ使用者によりデジタルカメラがクリーニングモードに設定された時のカメラ動作について説明を行う。
【0047】
図4において、ステップS201で、カメラ使用者により設定されたカメラ動作モードが何か判別を行う。カメラ動作モードの設定は、操作部17に含まれている不図示のモード設定ダイヤルにより行われる。動作モードは、操作部17の操作状況を元に制御回路21が判別する。
【0048】
カメラの動作モードが通常撮影モードに設定されていた場合、ステップS208へ移行する。カメラ動作モードがクリーニングモードに設定されていた場合は、ステップS202へ移行する。
【0049】
ステップS202では、レンズ1の装着状態を検出する。レンズ1の装着状態は、レンズ着脱検出回路13からの情報を元に制御回路21が行う。レンズ1が装着されていた場合は、ステップS209へ移行する。レンズ1が装着されていない場合は、ステップS203へ移行する。
【0050】
ステップS209において、レンズ1の装着状態では撮像素子5のクリーニング作業が行えないため、警告を行う。警告は、制御回路21から警告用LED19及び警告用ブザー20に対してLED点滅及びブザー音ONを指示することで行う。警告は、所定時間経過後に終了する。
【0051】
ステップS203では、固定式主ミラー22の装着状態を検出する。装着状態の検出は、主ミラー着脱検出回路25の情報を元に制御回路21が判断する。固定式主ミラー22が取り外されていた場合は、ステップS205へ移行する。固定式主ミラー22が装着されていた場合は、ステップS204へ移行する。
【0052】
ステップS204では、固定式主ミラー22が装着状態の場合、撮像素子5のクリーニング作業が行えないため、警告を行う。警告は、制御回路21から警告用LED19及び警告用ブザー20に対してLED点滅及びブザー音ONを指示することで行う。警告は、所定時間経過後終了する。
【0053】
ステップS205では、サブミラー23のダウン及びシャッター4の開動作を行う。サブミラー23のダウン動作は、制御回路21からサブミラー駆動回路15にミラーダウン駆動指示されることにより実行される。シャッター4の開動作は、制御回路21からシャッター駆動回路16にシャッター開動作指示されることにより実行される。
【0054】
この状態で、撮像素子5の表面に密着保持されている光学フィルタ8が直視でき、クリーニング作業を行うことが可能となる。
【0055】
ステップS206で、カメラ使用者により撮像素子5に密着保持されている光学フィルタ8表面のクリーニングが行われる。
【0056】
ステップS207で、固定式主ミラー22の装着状態を検出する。装着状態の検出は、主ミラー着脱検出回路25の情報を元に制御回路21が判断する。固定式主ミラー22が装着されていたならば、ステップS208に移行する。
【0057】
固定式主ミラー22が引き続き取り外されていると制御回路21が判断したならば、光学フィルタ8のクリーニング作業が続行されていると判断し、現状の状態を維持する。
【0058】
ステップS208では、サブミラー23のアップ及びシャッター4の閉動作を行う。サブミラー23のアップ動作は、制御回路21からサブミラー駆動回路15にミラーアップ駆動指示されることにより実行される。シャッター4の閉動作は、制御回路21からシャッター駆動回路16にシャッター閉動作指示されることにより実行される。そして、本処理を終了する。
【0059】
本実施の形態では、カメラマウント3と撮像素子5間に固定式光学部材(光学部材)である固定式主ミラー22が配置されている場合、その固定式主ミラー22の着脱を検出する検出手段(主ミラー着脱検出回路25)を設ける。そして、固定式主ミラー22が取り外されると、自動的にクリーニングモードを実行するようにしたので、光学部材の破損等の事故を防止することができる。
【0060】
また、カメラマウント3と撮像素子5間に固定式主ミラー22が配置されているものにおいて、固定式主ミラー22の取り外しは、ほとんどの場合が撮像素子5のクリーニングを目的としている。従って、上記の制御を行うことで、カメラ使用者の操作性を改善することができる。
【0061】
また、固定式主ミラー22が取り外されていない状態で、クリーニングモードが設定された場合、警告手段によって警告を行うことで、カメラ使用者に対して固定式主ミラー22の装着を告知し、固定式主ミラー22の破損の事故を防ぐことが可能となる。
【0062】
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る撮像装置としてのデジタルカメラの概略構成図、図6は、図5のデジタルカメラのブロック図である。
【0063】
図5、図6において、図1、図2と同一箇所には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0064】
図5において、第2の実施の形態では、図1の第1の実施の形態の固定式主ミラー22とサブミラー23に代えて、主ミラー7を備える。7‘は撮影光路外に退避した主ミラー7の位置を示している。
【0065】
また、撮像素子5に対面してシャッター4が配置され、光学フィルタ8は、シャッター4とカメラマウント3の間に、デジタルカメラ本体2に対して着脱可能に配置されている。また、図1の第1の実施の形態のAF装置24は外されている。
【0066】
図6において、主ミラー7を駆動する主ミラー駆動回路14と、光学フィルタ8が装着されているか否かを検出するフィルタ着脱検出回路26を備える。
【0067】
図7は、図6のテジタルカメラによって実行される光学フィルタ取り外し時の制御処理の手順を示すフローチャートである。尚、一部カメラ使用者の動作も含む。
【0068】
本図を用いて、光学フィルタ8が取り外された場合のカメラ動作について説明する。
【0069】
図7において、ステップS301で、光学フィルタ8の装着状態を検出する。装着状態の検出は、フィルタ着脱検出回路26の情報を元に制御回路21が判断する。光学フィルタ8が装着されていたならば元に戻る。光学フィルタ8が取り外されていたと判断されたならばステップS302へ移行する。
【0070】
ステップS302では、主ミラー7のアップ及びシャッター4の開動作を行う。主ミラー7のアップ動作は、制御回路21から主ミラー駆動回路14にミラーアップ駆動指示されることにより実行される。シャッター4の開動作は、制御回路21からシャッター駆動回路16にシャッター開動作指示されることにより実行される。この状態で撮像素子5の表面が直視でき、クリーニング作業を行うことが可能となる。
【0071】
ステップS303で、カメラ使用者により、撮像素子5の表面のクリーニングが行われる。
【0072】
ステップS304で、光学フィルタ8の装着状態を検出する。装着状態の検出は、フィルタ着脱検出回路26の情報を元に制御回路21が判断する。光学フィルタ8が装着されていたならばステップS305に移行する。光学フィルタ8が引き続き取り外されていると制御回路21が判断したならば撮像素子5の表面のクリーニング作業が続行されていると判断し、現状の状態を維持する。
【0073】
ステップS305では、主ミラー7のダウン及びシャッター4の閉動作を行う。主ミラー7のダウン動作は、制御回路21から主ミラー駆動回路14にミラーダウン駆動指示されることにより実行される。シャッター4の閉動作は、制御回路21からシャッター駆動回路16にシャッター閉動作指示されることにより実行される。そして、本処理を終了する。
【0074】
図8は、図6のテジタルカメラによって実行されるモード判別による制御処理の手順を示すフローチャートである。尚、一部カメラ使用者の動作も含む。
【0075】
本図を用いてカメラ使用者によりデジタルカメラがクリーニングモードに設定された時のカメラ動作について説明を行う。
【0076】
図8において、ステップS401で、カメラ使用者により設定されたカメラ動作モードが何か判別を行う。カメラ動作モードの設定は、操作部17に含まれている不図示のモード設定ダイヤルにより行われる。
【0077】
動作モードは、操作部17の操作状況を元に制御回路21が判別する。カメラの動作モードが通常撮影モードに設定されていた場合、ステップS408へ移行する。カメラ動作モードがクリーニングモードに設定されていた場合はステップS402へ移行する。
【0078】
ステップS402では、レンズ1の装着状態を検出する。レンズ1の装着状態は、レンズ着脱検出回路13からの情報を元に制御回路21が行う。レンズ1が装着されていた場合は、ステップS409へ移行する。レンズ1が装着されていない場合は、ステップS403へ移行する。
【0079】
ステップS409において、レンズ1の装着状態では撮像素子のクリーニング作業が行えないため、警告を行う。警告は、制御回路21から警告用LED19及び警告用ブザー20に対してLED点滅及びブザー音ONを指示することで行う。警告は、所定時間経過後終了する。
【0080】
ステップS403では、光学フィルタ8の装着状態を検出する。装着状態の検出は、フィルタ着脱検出回路26の情報を元に制御回路21が判断する。光学フィルタ8が取り外されていた場合は、ステップS405へ移行する。光学フィルタ8が装着されていた場合は、ステップS404へ移行する。
【0081】
ステップS404では、光学フィルタ8が装着状態の場合、撮像素子5のクリーニング作業が行えないため警告を行う。警告は、制御回路21から警告用LED19及び警告用ブザー20に対してLED点滅及びブザー音ONを指示することで行う。警告は、所定時間経過後終了する。
【0082】
ステップS405では、主ミラー7のアップ及びシャッター4の開動作を行う。主ミラー7のアップ動作は、制御回路21から主ミラー駆動回路14にミラーアップ駆動指示されることにより実行される。シャッター4の開動作は、制御回路21からシャッター駆動回路16にシャッター開動作指示されることにより実行される。この状態で撮像素子5の表面が直視でき、クリーニング作業を行うことが可能となる。
【0083】
ステップS406で、カメラ使用者により撮像素子の5表面のクリーニングが行われる。
【0084】
ステップS407で、光学フィルタ8の装着状態を検出する。装着状態の検出は、フィルタ着脱検出回路26の情報を元に制御回路21が判断する。
【0085】
光学フィルタ8が装着されていたならばステップS408に移行する。光学フィルタ8が引き続き取り外されていると制御回路21が判断したならば光学フィルタ8のクリーニング作業が続行されていると判断し、現状の状態を維持する。
【0086】
ステップS408では、主ミラー7のダウン及びシャッター4の閉動作を行う。主ミラー7のダウン動作は、制御回路21から主ミラー駆動回路14にミラーダウン駆動指示されることにより実行される。シャッター4の閉動作は、制御回路21からシャッター駆動回路16にシャッター閉動作指示されることにより実行される。そして、本処理を終了する。
【0087】
本実施の形態では、カメラマウント3と撮像素子5間に固定式光学部材(光学部材)である光学フィルタ8が配置されている場合、その光学フィルタ8の着脱を検出する検出手段(フィルタ着脱検出回路26)を設ける。そして、光学フィルタ8が取り外されると、自動的にクリーニングモードを実行するようにしたので、光学部材の破損等の事故を防止できる。
【0088】
また、カメラマウント3と撮像素子5間に光学フィルタ8が配置されているものにおいて、光学フィルタ8の取り外しは、ほとんどの場合が撮像素子5のクリーニングを目的としている。従って、上記の処理を実行することで、カメラ使用者の操作性を改善することができる。
【0089】
また、光学フィルタ8が取り外されていない状態でクリーニングモードが設定された場合、警告手段で警告を行うので、カメラ使用者に対して光学フィルタ8の装着を告知し、光学フィルタ8の破損の事故を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置としてのデジタルカメラの概略構成図である。
【図2】図1のデジタルカメラのブロック図である。
【図3】図2のテジタルカメラによって実行される固定式主ミラー取り外し時の制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】図2のテジタルカメラによって実行されるモード判別による制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る撮像装置としてのデジタルカメラの概略構成図である。
【図6】図5のデジタルカメラのブロック図である。
【図7】図6のテジタルカメラによって実行される光学フィルタ取り外し時の制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図6のテジタルカメラによって実行されるモード判別による制御処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0091】
1 レンズ
2 デジタルカメラ本体
3 カメラマウント
4 シャッター
5 撮像素子
8 光学フィルタ
13 レンズ着脱検出回路
15 サブミラー駆動回路
16 シャッター駆動回路
17 操作部
18 表示部
19 警告用LED
20 警告用ブザー
21 制御回路
22 固定式主ミラー
23 サブミラー
25 主ミラー着脱検出回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズの着脱が可能な撮像装置において、
カメラマウントと撮像素子の間に配置された光学部材と、
前記光学部材の着脱を検出する着脱検出手段と、
前記着脱検出手段により前記光学部材の取り外しを検出した場合は、シャッターを開放状態にするシャッター駆動手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記シャッター駆動手段により前記シャッターを開放状態にすることで、前記撮像素子のクリーニングを行えるようにするクリーニングモードを設定するモード設定手段と、
前記モード設定手段により前記クリーニングモードが設定されたときに、前記着脱検出手段が前記光学部材の取り外しを検出しない場合は、警告を行う警告手段と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記光学部材は、主ミラーまたは光学フィルタであることを特徴とする請求項1または2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記主ミラーの背後に配置されたサブミラーと、
前記着脱検出手段により前記主ミラーの取り外しを検出した場合は、前記サブミラーを退避させるサブミラー駆動手段と、
を備えることを特徴とする請求項3記載の撮像装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−258550(P2009−258550A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−110183(P2008−110183)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】