説明

撮像部制御装置、撮像部制御方法および撮像部制御プログラム

【課題】明るさの変化に的確に追従する撮像部の調整を行うことはできない。
【解決手段】車両の前方の所定距離以内に、明るさが所定量以上変化する光変化区間が存在するか否かを判定し、前記光変化区間が存在すると判定された場合、前記光変化区間の各地点の明るさに対応する区間光情報を取得し、前記光変化区間の各地点の明るさが前記区間光情報にて示される明るさであると仮定した場合に、前記車両にて前記光変化区間を走行することによって生じる明るさの変化に合わせて前記車両が備える撮像部における露出量を変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像部制御装置、撮像部制御方法および撮像部制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の走行環境情報に基づいて撮像部において画像情報を得るための条件を調整する技術が知られている。例えば、特許文献1に開示された技術においては、車両がトンネルの入口付近に存在する場合に露出時間を長く設定し、車両がトンネルの出口付近に存在する場合に露出時間を短く設定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−222844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術においては、露光制御の遅れる不具合を解消するために、トンネルの入口で予め露出時間を長くし、トンネルの出口で予め露出時間を短くしている。しかし、トンネルの入口や出口などにおいては車両の周囲の明るさが徐々に変化するため、従来技術のように露出時間が長く、あるいは短くなるように露出時間を設定したとしても当該明るさの変化に的確に追従する調整を行うことはできない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、車両走行中の明るさの変化に追従するように撮像部を調整することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明においては、明るさが所定量以上変化する光変化区間が存在すると判定された場合に、当該光変化区間の各地点の明るさに対応する区間光情報を取得する。そして、光変化区間の各地点の明るさが区間光情報にて示される明るさであると仮定した場合に、車両にて光変化区間を走行することによって生じる明るさの変化に合わせて車両が備える撮像部における露出量を変化させる。すなわち、光変化区間に到達する前に、区間光情報に基づいて光変化区間を走行する際の明るさの変化を推定し、当該推定された明るさの変化に追従して露出量が変化するように撮像部を制御する。
【0006】
従って、光変化区間の各地点における露出量を各地点に到達する以前に特定することが可能になり、光変化区間を走行することによって実際に明るさが変化した後に当該変化に基づいて露出量を変化させる構成と比較して、明るさの変化に的確に追従するように撮像部を調整することができる。また、光変化区間に到達する以前に一定の露出量となるように撮像部を調整する構成と比較して、明るさの変化に的確に追従するように撮像部を調整することができる。
【0007】
ここで、光変化区間判定手段は、車両の前方の所定距離以内に明るさが所定量以上変化する光変化区間が存在するか否かを判定することができればよく、車両の現在地点と光変化区間の位置とを比較可能に構成すればよい。光変化区間の位置は種々の態様によって取得可能であり、予め光変化区間の位置を示す情報を車両に搭載された記録媒体に記録しておき、当該記録媒体を参照して光変化区間の位置を特定してもよいし、通信によって光変化区間の位置を示す情報を取得してもよい。光変化区間は、区間内で所定量以上の明るさの変化がある区間であればよく、単位距離当たりの明るさが単調変化してもよいし、明るさが単調変化(単調増加あるいは単調減少)しない構成でもよい。後者としては、例えば、明るい状態から暗い状態に変化し、再度、暗い状態から明るい状態に変化する区間を想定可能である。
【0008】
明るさは、光変化区間内の各地点における光の量を評価する指標であればよく、光度、照度、輝度、光束、光度エネルギーなど各種の指標で評価可能である。さらに、所定量は、明るさの変化量によって光変化区間を規定するための指標であればよく、明るさが特定量変化することによって撮像部における露出量の自動調整が的確に追従しなくなる場合に、当該特定量以上の量を所定量とすればよい。なお、所定量は、単位距離当たりの明るさの変化量として定義されてもよいし、車両の車速によって所定量を変動させてもよい。また、区間内での明るさの変化が所定量以上であれば、撮像部における自動調整が的確に追従する可能性が低いとみなし、区間の長さに依存しない変化量として所定量を定義してもよい。
【0009】
区間光情報取得手段は、光変化区間が存在すると判定された場合に、光変化区間の各地点の明るさに対応する区間光情報を取得することができればよい。すなわち、予め規定された区間光情報を取得することができればよく、車両に搭載された記録媒体に予め区間光情報を記録しておき、当該記録媒体を参照して区間光情報を取得してもよいし、通信によって区間光情報を取得してもよい。なお、天候や時刻などの環境条件に応じて光変化区間の明るさが変化する場合、環境条件毎に区間光情報を予め定義してもよいし、基準の情報を予め定義しておき、当該基準の情報を補正することによって環境条件毎の区間光情報を生成してもよい。
【0010】
区間光情報は、光変化区間の各地点の明るさに対応する情報であればよく、各地点の明るさを直接的に示す情報であってもよいし、間接的に示す情報であってもよい。前者としては、上述の光度、照度、輝度、光束、光度エネルギーなどを各地点について規定した情報を想定可能である。後者としては、明るさに応じて撮像部の露出量を適正範囲とするための画像一枚当たりの露出時間を想定可能である。
【0011】
撮像部制御手段は、光変化区間の各地点の明るさが区間光情報にて示される明るさであると仮定した場合に、車両にて光変化区間を走行することによって生じる明るさの変化に合わせて車両が備える撮像部における露出量を変化させることができればよい。すなわち、区間光情報を参照すれば、車両にて光変化区間を走行することによって生じる明るさの変化を特定することができるため、当該明るさの変化によって生じ得る撮像素子の受光量の変化を補うように露出時間を変化させる構成や受光量の変化を相殺するように露出時間を変化させる構成等を採用すれば、明るさの変化に合わせて露出量を調整することができる。
【0012】
なお、ここでは、撮像部を制御して、実質的に明るさの変化に合わせて露出量を変化させることができればよい。従って、区間光情報が各地点の明るさに対応した露出時間を規定している場合、各地点において当該区間光情報が示す露出時間となるように撮像部を制御すればよい。一方、区間光情報が明るさを直接的に規定している場合、各明るさにおける光の量を露出時間分累積して得られる撮像素子の受光量が適正な範囲となるように露出時間を決定して撮像部を制御すればよい。
【0013】
また、撮像部において露出量を変化させる制御は、光変化区間の各地点の明るさが区間光情報にて示される明るさであると仮定して実施されればよい。すなわち、区間光情報に基づいて光変化区間の各地点に到達する前に各地点における撮像部の露出量を特定することにより、明るさの変化を実際に検出した後に露出量を自動制御することによる露出量変化の遅れを発生させないように構成されていればよい。
【0014】
さらに、区間光情報を取得する際の構成例として、光変化区間に到達する前の車両の周囲の明るさを参照してもよい。例えば、車両が光変化区間に到達する前に測定された車両の周囲の明るさに対応する周囲光情報を取得し、光変化区間における明るさの変化開始地点の明るさが周囲光情報にて示される車両の周囲の明るさと一致するように光変化区間における各地点の明るさを規定して区間光情報を取得する構成としてもよい。
【0015】
すなわち、車両にて光変化区間に到達する前の区間および光変化区間を走行する際に、車両の周囲の明るさはほぼ連続的に変化する。そこで、光変化区間に到達する前に車両の周囲の明るさを測定し、当該測定された明るさと光変化区間における明るさの変化開始地点の明るさとを一致させると、光変化区間に到達する前の区間および光変化区間における実際の明るさの変化に極めて近い状態で区間光情報を定義することができる。なお、光変化区間における明るさの変化開始地点以後における明るさの変化は、各種の手法で特定可能である。例えば、単位距離毎の明るさが予め決められた変化量となるように光変化区間における各地点の明るさを規定する構成や、光変化区間内で特定の明るさとなる地点を予め決めておき、当該予め決められた地点以外の明るさを補間演算や関数による近似等によって規定する構成等を採用可能である。
【0016】
なお、光変化区間における明るさの変化開始地点は、光変化区間より前の区間および光変化区間を走行する過程において、明るさが変化し始める地点であればよい。例えば、当該過程において単位走行距離当たりの明るさの変化量が所定量以上になる地点を明るさの変化開始地点とする構成を採用可能である。周囲光情報は、車両が光変化区間に到達する前に測定された車両の周囲の明るさに対応した情報であればよく、撮像部の出力信号に基づいて特定してもよいし、撮像部と異なる明るさセンサの出力信号に基づいて特定してもよい。また、周囲光情報における明るさに対応する情報も、光度、照度、輝度、光束、光度エネルギーなどによって定義可能であるし、撮像部や明るさセンサにおける露出時間によって定義可能である。
【0017】
さらに、トンネルの入口地点および出口地点を含み、かつ、明るさが前記所定量以上変化する区間を光変化区間とする構成を採用してもよい。例えば、トンネルの入口地点の付近と出口付近とのいずれかまたは双方で明るさが所定量以上変化する場合において、トンネルの入口地点および出口地点を含む所定区間を光変化区間とする。この場合、区間光情報はトンネルの入口地点付近にて明るさが変化する地点の明るさとトンネルの出口地点付近にて明るさが変化する地点の明るさを少なくとも示す情報となるが、むろん、トンネルの入口地点から出口地点までの区間における明るさの変化を示していてもよいし、トンネルの入口地点以前の明るさの変化やトンネルの出口地点以後の明るさの変化が区間光情報に含まれていてもよい。
【0018】
さらに、トンネルの入口地点および出口地点を含み、かつ、明るさが前記所定量以上変化する区間を光変化区間とする構成において、基準の情報に基づいて区間光情報を取得する構成としてもよい。例えば、トンネルの入口地点に到達する以前の第1地点から入口地点よりも前方の第2地点までの各地点における基準となる明るさに対応する入口基準区間光情報を取得し、出口地点に到達する前の第3地点から出口地点以後の第4地点までの各地点における基準となる明るさに対応する出口基準区間光情報を取得する構成とする。すなわち、予めトンネルの入口地点を含む所定区間の明るさの変化を入口基準区間光情報として定義しておき、トンネルの出口地点を含む所定区間の明るさの変化を出口基準区間光情報として予め定義しておく。
【0019】
この構成によれば、入口基準区間光情報と出口基準区間光情報とのそれぞれを、周囲光情報に基づいて補正することによって光変化区間における実際の明るさの変化に極めて近い状態で区間光情報を定義することが可能になる。例えば、入口基準区間光情報や出口基準区間光情報の示す特定の地点(例えば、トンネルの入口地点より前における明るさの変化開始地点やトンネルの出口地点より後における変化終了地点)における明るさが周囲光情報にて示される車両の周囲の明るさと一致するように光変化区間における各地点の明るさを規定して区間光情報を取得する構成としてもよい。この構成によれば、トンネルの入口地点に到達する前や出口地点を通過した後の区間における実際の明るさに合わせて区間光情報を定義することができる。
【0020】
さらに、周囲光情報にて示される車両の周囲の明るさと車両が光変化区間を通過した後の明るさとの関係が、入口基準区間光情報が示す第1地点の基準となる明るさと出口基準区間光情報が示す第4地点の基準となる明るさとの関係と同じ関係になるように、車両が光変化区間を通過した後の明るさを推定し、推定された当該明るさが第4地点の明るさとなるように出口基準区間光情報を補正して区間光情報を取得してもよい。すなわち、入口基準区間光情報が示す第1地点の基準となる明るさと出口基準区間光情報が示す第4地点の基準となる明るさとの関係は、同じ時刻における第1地点の明るさと第4地点の明るさとの関係を示している。従って、任意の時刻における第1地点の明るさと第4地点の明るさの関係も同様の関係であるとみなせば、光変化区間に到達する前の明るさが周囲光情報の示す実際の明るさである場合の、光変化区間を通過した後の明るさを推定することができる。このため、推定された当該明るさが第4地点の実際の明るさとなるように出口基準区間光情報を補正することにより、出口地点を含む所定区間における明るさの変化をより正確に規定することができる。
【0021】
さらに、本発明においては、光変化区間の各地点に到達する以前において、各地点における区間光情報を特定することによって各地点に到達する前に各地点における撮像部の露出量の制御量を特定する。そこで、光変化区間を走行する際に撮像部で撮影した画像に基づいて次回以降の露出制御量を補正してもよい。
【0022】
例えば、撮像部が出力する画像に輝度が所定範囲となっている部分が含まれ、当該部分が第1の大きさよりも大きい場合、区間光情報が示す明るさが明るくなるように補正し、補正後の区間光情報に基づいて次回以降の撮像部の制御を行う構成を採用可能である。この構成によれば、車両が光変化区間を走行する際に過度の露出量となっている場合に、次回以降、露出量を適正量に近づけることができる。また、撮像部が出力する画像に輝度が所定範囲となっている部分が含まれ、当該部分が第2の大きさよりも小さい場合、区間光情報が示す明るさが暗くなるように補正し、補正後の区間光情報に基づいて次回以降の撮像部の制御を行う構成を採用可能である。この構成によれば、車両が光変化区間を走行する際に露出不足となっている場合に、次回以降、露出量を適正量に近づけることができる。
【0023】
なお、区間光情報が示す明るさが明るくなるように補正する際には、輝度が所定範囲となっている部分の大きさに基づいて補正量を決定してもよいし、予め決められた補正量だけ補正してもよく、種々の構成を採用可能である。また、輝度に対して設定される所定範囲は、撮像部にて光源(太陽や天井灯など)の直接光や間接光が撮影され、かつ、撮像部における露出量が適正である場合に、当該光源の直接光や間接光の像が取り得る輝度の範囲として設定されていればよい。すなわち、光源の直接光や間接光の像は露出量が過度になると大きくなり、露出不足になると小さくなる。従って、輝度に対して所定範囲を設定することにより、当該所定範囲となっている部分の大きさを定義し、当該大きさによって露出量が適正であるか否かを判定するように構成すればよい。
【0024】
本発明のように、光変化区間に到達する前に、当該光変化区間における明るさの変化を推定し、推定した明るさの変化に合わせて撮像部における露出量を変化させる手法は、この処理を行う方法やプログラムとしても適用可能である。また、以上のような撮像部制御装置、方法、プログラムは、単独の装置として実現される場合もあれば、複数の装置として実現される場合もある。また、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあれば、車両に搭載されない各部と連携して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、撮像部制御装置を制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】撮像部制御装置を示すブロック図である。
【図2】撮像部制御処理を示すフローチャートである。
【図3】撮像部制御処理を示すフローチャートである。
【図4】区間光情報の取得を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)撮像部制御装置の構成:
(2)撮像部制御処理:
(2−1)入口地点を含む所定区間における撮像部制御処理:
(2−2)出口地点を含む所定区間における撮像部制御処理:
(3)他の実施形態:
【0027】
(1)撮像部制御装置の構成:
図1は、本発明の1実施形態にかかる撮像部制御装置の構成を示すブロック図である。本実施形態において撮像部制御装置は、ナビゲーション装置10および撮像部制御ECU43によって実現される。ナビゲーション装置10は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部20と記録媒体30とを備えており、制御部20は、記録媒体30やROMに記録されたプログラムを実行することができる。本実施形態においては、このプログラムの一つとしてナビゲーションプログラム21を実行可能である。ナビゲーションプログラム21は、車両の現在地点から目的地までの走行経路を探索し、当該走行経路に従って車両を走行させるための支援を行う機能を制御部20に実現させるプログラムである。本実施形態においてナビゲーションプログラム21は、撮像部制御ECU43に対して区間光情報を受け渡す機能を制御部20に実現させる。
【0028】
撮像部制御ECU43は、CPU,RAM,ROM等を備えており、ROMに記録された制御プログラム43aを実行することができる。本実施形態において撮像部制御ECU43は、この制御プログラム43aによって撮像部44を制御する。すなわち、当該制御プログラム43aは、撮像部44が出力する信号に基づいて露出量を自動調整する機能と、区間光情報に基づいて光変化区間における露出量を変化させる機能とを、撮像部制御ECU43に実現させる。
【0029】
本実施形態において、制御部20および撮像部制御ECU43による撮像部の制御を実現するため、車両には、GPS受信部40と車速センサ41とジャイロセンサ42と撮像部44とが備えられている。GPS受信部40は、GPS衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両の現在地点を算出するための信号を出力する。車速センサ41は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。ジャイロセンサ42は、車両の水平面内の旋回についての角加速度を検出し、車両の向きに対応した信号を出力する。制御部20および撮像部制御ECU43は、GPS受信部40,車速センサ41,ジャイロセンサ42等の出力信号および後述する地図情報30aに基づいて車両の現在地点を特定する。
【0030】
撮像部44は、撮像範囲の画像を出力するための装置であり、露出量を変化させるための露出時間変更部44aを備えている。すなわち、露出時間変更部44aは、撮像部制御ECU43の出力信号に応じてシャッター速度を調整することによって画像一枚当たりの露出時間を変更することが可能である。むろん、露出時間は各種の機構によって変更可能であり、絞りの調整を可能にしてもよい。本実施形態において、露出時間変更部44aは、後述する基準区間光情報30bによって明るさに対応する情報が規定されている地点については、当該基準区間光情報30bによって規定された明るさに基づいて露出時間を調整する。一方、基準区間光情報30bによって明るさに対応する情報が規定されていない地点において、露出時間変更部44aは、露出時間を自動的に調整する。具体的には、撮像画像の一部または全部における画素の輝度が輝度値域(ダイナミックレンジ)内になるように露出時間を調整し、また、レンズへ入射する光量や撮像素子の受光量が所定範囲内になるように露出時間を調整する構成等を採用可能である。なお、撮像部44は、車両に搭載されていればよく撮像対象は限定されないが、本実施形態における撮像部44は、車両に搭載されたインストルメンタルパネル側から運転者側を撮影するカメラである。
【0031】
記録媒体30には予め地図情報30aが記憶されている。地図情報30aは、車両が走行する道路上に設定されたノードを示すノードデータ、ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点データ、ノード同士の連結を示すリンクデータ、道路上に存在する地物を示す地物データ等を含んでいる。本実施形態において地物データには、当該地物データが示す地物の周囲の道路が光変化区間であるか否かを示すデータを含み、地物の周囲の道路が光変化区間である場合には、さらに、その開始地点および終了地点を示すデータが含まれている。なお、光変化区間は、区間内で所定量以上の明るさの変化がある区間であり、本実施形態においては、地物の周囲の道路が当該光変化区間であるか否かが予め特定されており、地物の周囲の道路が光変化区間である場合に光変化区間であることを示すデータが地物データに対応づけられる。
【0032】
本実施形態においては、入口に進入する際に明るい状態から暗い状態に明るさが変化し、出口から退出する際に暗い状態から明るい状態に明るさが変化するトンネルにおいて、入口地点を含む所定区間と出口地点を含む所定区間との少なくとも一方で明るさが所定量以上変化する場合には、当該トンネルを含む区間が光変化区間とされる。
【0033】
光変化区間の各地点の明るさに対応する区間光情報を規定するため、本実施形態においては、トンネルの入口地点における明るさと出口地点における明るさとのそれぞれに対応する情報を基準区間光情報30bとして定義して記録媒体30に記録している。より具体的には、トンネルの入口地点を含む所定区間の各地点における予め決められた基準の明るさに対応する露出時間を示す入口基準区間光情報と、トンネルの出口地点を含む所定区間の各地点における予め決められた基準の明るさに対応する露出時間を示す出口基準区間光情報とによって基準区間光情報30bが構成される。すなわち、本実施形態においては、車両の周囲の明るさに対応した適切な露出時間が予め決められており、トンネルの入口地点を含む所定区間の各地点における基準の明るさに応じて各地点で適切な露出時間が特定されて入口基準区間光情報となる。また、トンネルの出口地点を含む所定区間の各地点における基準の明るさに応じて各地点で適切な露出時間が特定されて出口基準区間光情報となる。すなわち、基準区間光情報30bは、各地点の座標に対して基準の明るさに対応した露出時間が対応づけられたデータによって構成されている。
【0034】
図4は、道路R上のトンネルTの入口地点T0を含む所定区間における入口基準区間光情報(図4のグラフA)と出口地点T1を含む所定区間における出口基準区間光情報(図4のグラフB)との例を示す図であり、入口基準区間光情報および出口基準区間光情報は、横軸を位置、縦軸を明るさあるいは露出時間としたグラフで示されている。同図において、入口地点T0を含む所定区間は第1地点P1から第2地点P2の区間によって構成されており、本実施形態において第1地点P1はトンネルの入口地点T0の周囲において明るさが変化し始める変化開始地点(単位距離当たりの明るさの変化が所定量以上となる地点)である。また、第2地点P2はトンネル内における明るさの変化終了地点(単位距離当たりの明るさの変化が所定量以下となる地点)である。
【0035】
同様に、出口地点T1を含む所定区間は第3地点P3から第4地点P4の区間によって構成されており、本実施形態において第3地点P3はトンネル内における明るさの変化開始地点(単位距離当たりの明るさの変化が所定量以上となる地点)である。また、第4地点P4はトンネルの出口地点T1の周囲において明るさの変化が終了する変化終了地点(単位距離当たりの明るさの変化が所定量以下となる地点)である。
【0036】
なお、図4に一点鎖線で示すように、トンネルの入口地点T0付近において入口基準区間光情報が示す基準の明るさLs0は、第1地点P1から第2地点P2にかけて徐々に暗くなるため、対応する基準の露出時間Es0は実線で示すように当該基準の明るさLs0の変化に合わせて徐々に長くなる。一方、同図4に一点鎖線で示すように、トンネルの出口地点T1付近において出口基準区間光情報が示す基準の明るさLs1は、第3地点P3から第4地点P4にかけて徐々に明るくなるため、対応する基準の露出時間Es1は実線で示すように当該基準の明るさLs1の変化に合わせて徐々に短くなる。
【0037】
本実施形態においては、トンネルの入口地点の周囲において明るさが変化し始める変化開始地点から、トンネルの出口地点の周囲において明るさの変化が終了する変化終了地点までの区間が光変化区間とする。従って、本実施形態においては、入口基準区間光情報が示す第1地点P1から出口基準区間光情報が示す第4地点P4までの区間が光変化区間となる。この構成においては、トンネルを含む区間内での明るさの変化が所定量以上であれば、撮像部における自動調整が的確に追従する可能性が低いとみなしていることになる。本実施形態の地図情報30aにおいては、このようなトンネルを示す地物データに対して、周囲の道路が光変化区間であることを示すデータと光変化区間の開始地点(トンネルの入口地点の周囲において明るさが変化し始める変化開始地点である第1地点P1)および光変化区間の終了地点(トンネルの出口地点の周囲において明るさの変化が終了する変化終了地点である第4地点P4)を示すデータが対応づけられる。また、基準区間光情報30bは、地図情報30aに含まれる地物データが示す光変化区間のそれぞれに対応づけられる。
【0038】
ここで、明るさは、光変化区間内の各地点における光の量を評価する指標であればよく、光度、照度、輝度、光束、光度エネルギーなど各種の指標で評価可能である。さらに、所定量は、明るさの変化量によって光変化区間を規定する指標であればよく、明るさが当該特定量変化することによって撮像部44における露出量の自動調整が的確に追従しなくなる場合に、当該特定量以上の量を所定量とすればよい。
【0039】
以上の構成および記録媒体30に記録された情報に基づいて撮像部44を制御するため、ナビゲーションプログラム21は、光変化区間判定部21aと区間光情報取得部21bとを備えており、制御プログラム43aは、撮像部制御部21cと周囲光情報取得部21dとを備えている。
【0040】
光変化区間判定部21aは、車両の前方の所定距離以内に、明るさが所定量以上変化する光変化区間が存在するか否かを判定する機能を制御部20に実現させるモジュールである。すなわち、制御部20は、光変化区間判定部21aの処理により、GPS受信部40と車速センサ41とジャイロセンサ42の出力信号に基づいて車両の現在地点を特定し、地図情報30aを参照して車両が走行している道路を特定する。また、制御部20は、光変化区間判定部21aの処理により、地図情報30aの地物データを参照して当該車両が走行している道路上において車両の前方の所定距離以内に光変化区間が存在するか否かを判定する。
【0041】
区間光情報取得部21bは、光変化区間が存在すると判定された場合に光変化区間の各地点の明るさに対応する区間光情報を取得する機能を制御部20に実現させるモジュールである。本実施形態において、制御部20は、基準区間光情報30bを補正することによって車両の前方に存在する光変化区間の各地点の明るさに対応する区間光情報を取得する。
【0042】
また、本実施形態において撮像部制御ECU43は、車両が光変化区間に到達する前に車両の周囲の明るさに対応する周囲光情報を取得する。すなわち、撮像部制御ECU43は、周囲光情報取得部21dの処理により、露出時間変更部44aの出力信号を取得して光変化区間に到達する前における画像一枚当たりの露出時間を示す情報を取得する。当該画像一枚当たりの露出時間は車両が光変化区間に到達する前の区間を走行している場合の当該車両の周囲の明るさに対応するため、本実施形態においては、当該画像一枚当たりの露出時間を示す情報を周囲光情報とする。そして、撮像部制御ECU43は、周囲光情報取得部21dの処理により、光変化区間に到達する前における撮像部44の画像一枚当たりの露出時間を示す周囲光情報を制御部20に受け渡す。
【0043】
周囲光情報が受け渡されると、制御部20は、区間光情報取得部21bの処理により、光変化区間における明るさの変化開始地点での明るさが周囲光情報にて示される車両の周囲の明るさと一致するように光変化区間における各地点の明るさを規定してトンネルの入口地点を含む所定区間についての区間光情報を取得する。本実施形態において、トンネルの出口地点を含む所定区間については、さらに入口付近と出口付近とにおける明るさの差異を考慮した補正を行って区間光情報を取得する構成としている。区間光情報の取得については後に詳述する。
【0044】
トンネルの入口地点を含む所定区間およびトンネルの出口地点を含む所定区間における区間光情報が取得されると、当該区間光情報は撮像部制御ECU43に受け渡される。撮像部制御ECU43は、撮像部制御部21cの処理により、撮像部44における露出量を制御し、光変化区間の各地点の明るさが区間光情報にて示される明るさであると仮定した場合に、車両にて光変化区間を走行することによって生じる明るさの変化に合わせて露出量を変化させる。すなわち、撮像部制御ECU43は、トンネルの入口地点を含む所定区間およびトンネルの出口地点を含む所定区間の各地点において、当該区間光情報が示す露出時間で撮像部44による撮影を行うように制御信号を出力する。この結果、撮像部44の露出時間変更部44aは、各地点において画像一枚当たりの露出時間を区間光情報が示す露出時間として画像を取得する。
【0045】
以上の構成において、区間光情報は、予め決められている基準区間光情報30bと光変化区間に到達する前に測定された周囲光情報とに基づいて決定される。このため、車両が光変化区間に到達する前に、区間光情報に基づいて光変化区間を走行する際の明るさの変化を推定し、当該推定された明るさの変化に追従して露出量が変化するように撮像部を制御することになる。
【0046】
従って、光変化区間の各地点における露出量の状態を各地点に到達する以前に特定することが可能になり、光変化区間を走行することによって実際に明るさが変化した後に当該変化に基づいて露出量を変化させる構成と比較して、明るさの変化に的確に追従するように撮像部を調整することができる。また、光変化区間に到達する以前に一定の露出量となるように撮像部を調整する構成と比較して、明るさの変化に的確に追従するように撮像部を調整することができる。
【0047】
(2)撮像部制御処理:
(2−1)入口地点を含む所定区間における撮像部制御処理:
次に、本実施形態にかかる撮像部制御処理を詳細に説明する。図2は、トンネルの入口地点を含む所定区間における撮像部制御処理(撮像部制御処理1)を示すフローチャートである。当該撮像部制御処理1は車両の走行中に実行される。
【0048】
この処理において、制御部20は、光変化区間判定部21aの処理により、車両の現在地点を特定し(ステップS100)、車両の現在地点が光変化区間まで所定距離以内であるか否かを判定する(ステップS105)。すなわち、制御部20は、GPS受信部40と車速センサ41とジャイロセンサ42との出力信号に基づいて車両の現在地点を特定し、地図情報30aの地物データを参照して、車両の前方の所定距離以内に光変化区間であることを示すデータが対応づけられた地物データが存在するか否かを判定する。車両の前方の所定距離以内に光変化区間であることを示すデータが対応づけられた地物データが存在する場合、制御部20は、光変化区間の開始地点を示すデータを参照し、当該開始地点が車両の現在地点から所定距離以内であるか否かを判定する。ステップS105において、光変化区間まで所定距離以内であると判定されない場合、制御部20は、ステップS100以降の処理を繰り返す。
【0049】
ステップS105において、光変化区間まで所定距離以内であると判定された場合、撮像部制御ECU43は、周囲光情報取得部21dの処理により、周囲光情報を取得する(ステップS110)。すなわち、撮像部制御ECU43は、車両が光変化区間に到達する前の段階において露出時間変更部44aの出力信号を取得し、光変化区間に到達する前における画像一枚当たりの露出時間を示す情報を周囲光情報として取得する。なお、周囲光情報は光変化区間に到達する前の区間における明るさの代表値に対応する情報であればよく、例えば、所定距離を走行した場合の露出時間の平均を取得して、所定距離を走行した場合の明るさの平均に対応する情報とするなど、種々の構成を採用可能である。
【0050】
次に、制御部20は、区間光情報取得部21bの処理により、入口基準区間光情報を取得し(ステップS115)、入口基準区間光情報を補正してトンネルの入口地点を含む所定区間の区間光情報を取得する(ステップS120)。本実施形態においては、光変化区間における明るさの変化開始地点の明るさが周囲光情報にて示される車両の周囲の明るさと一致するように入口基準区間光情報を補正し、当該補正に合わせて所定区間内の他の地点の明るさを規定することでトンネルの入口地点を含む所定区間の区間光情報とする。すなわち、車両にて光変化区間に到達する前の区間および光変化区間を走行する際に、車両の周囲の明るさはほぼ連続的に変化する。そこで、光変化区間に到達する前に車両の周囲の明るさを測定し、当該測定された明るさと光変化区間の開始地点の明るさとを一致させると、光変化区間に到達する前の区間および光変化区間における実際の明るさの変化に極めて近い状態で区間光情報を定義することができる。
【0051】
具体的には、周囲光情報にて示される車両の周囲の明るさ(第1地点P1に到達する以前の明るさ)が図4に示すように二点鎖線で示す明るさL2である場合、光変化区間の開始地点である第1地点P1の実際の明るさはL2であると推定される。この場合、第1地点P1の明るさL2が第1地点P1から第2地点P2にかけて徐々に変化して、第2地点P2において当該第2地点P2における基準の明るさLs0p2と一致するとみなせば、第1地点P1と第2地点P2との間における実際の明るさL0を推定することが可能である。
【0052】
本実施形態において制御部20は、以上のような各地点における明るさの推定と実質的に等価な推定に基づいて入口基準区間光情報を補正する。すなわち、本実施形態において、入口基準区間光情報は図4に示すように基準の露出時間Es0によって規定されているため、推定される実際の明るさL0に対応する露出時間E0は基準の露出時間Es0から算出することができる。例えば、第1地点P1の適正な露出時間は明るさL2に対応する露出時間E0p1であるとみなし、第1地点P1の露出時間E0p1が第1地点P1から第2地点P2にかけて徐々に変化して、第2地点P2において当該第2地点P2における基準の露出時間Es0p2と一致するとみなせば、第1地点P1と第2地点P2との間の各地点における適正な露出時間E0を推定することが可能である。
【0053】
なお、基準の露出時間Es0を参照して第1地点P1と第2地点P2との間の各地点における露出時間E0を推定する手法は、各種の手法を採用可能である。例えば、第1地点P1から第2地点P2にかけての各地点において基準の露出時間Es0に係数を乗じて露出時間E0を算出する構成とし、第1地点P1においては、当該第1地点P1における基準の露出時間Es0p1に係数が乗じられることによって、明るさL2に対応する適正な露出時間E0p1が特定され、第1地点P1から第2地点P2にかけて係数が徐々に小さくなって第2地点P2にて係数が1となるような構成等を採用可能である。むろんこの構成は一例であり、単位距離毎の明るさが予め決められた変化量となるように光変化区間における各地点の明るさを規定する構成や、光変化区間内で特定の明るさとなる地点を予め決めておき、当該予め決められた地点以外の明るさを補間演算や関数による近似等によって規定する構成等を採用可能である。
【0054】
ステップS120において、入口地点を含む所定区間の区間光情報を取得すると、制御部20は、トンネルの入口地点の周囲において明るさが変化し始める変化開始地点に到達したと判定されるまで待機する(ステップS125)。すなわち、制御部20は、GPS受信部40と車速センサ41とジャイロセンサ42の出力信号に基づいて車両の現在地点を特定し、地図情報30aの地物データを参照して車両の直前のトンネルに対して対応づけられた明るさの変化開始地点である第1地点P1を車両が通過したか否かを判定する。
【0055】
ステップS125にて、トンネルの入口地点の周囲において明るさが変化し始める変化開始地点に到達したと判定されると、撮像部制御ECU43は、入口地点を含む所定区間の明るさの変化に合わせて撮像部44における露出量を変化させる(ステップS130)。すなわち、撮像部制御ECU43は、撮像部制御部21cの処理により、GPS受信部40と車速センサ41とジャイロセンサ42の出力信号に基づいて車両の現在地点を特定する。そして、制御部20は、撮像部制御部21cの処理により、入口地点を含む所定区間の区間光情報を参照し、当該所定区間の各地点において、当該各地点における露出時間となるように撮像部44に対して制御信号を出力する。この結果、露出時間変更部44aは、車両が光変化区間の各地点に到達した時点において、区間光情報が示す各地点の露出時間となるように撮像部44の露出時間を制御する。
【0056】
以上の構成によれば、光変化区間の各地点における露出量の状態を各地点に到達する以前に特定しながら各地点における露出制御を行うことができ、明るさの変化に的確に追従するように撮像部を調整することができる。さらに、本実施形態においては、光変化区間を走行する際に撮像部44で撮影した画像に基づいて次回以降の露出制御量を補正する構成としている。このために、制御部20は、区間光情報取得部21bの処理により撮像部44の撮像画像を取得する(ステップS135)。
【0057】
次に、制御部20は、トンネル内における明るさの変化終了地点に到達したか否かを判定する(ステップS140)。すなわち、制御部20は、GPS受信部40と車速センサ41とジャイロセンサ42の出力信号に基づいて車両の現在地点を特定し、入口基準区間光情報が示すトンネル内における明るさの変化終了地点である第2地点P2を車両が通過したか否かを判定する。ステップS140にて、トンネル内における明るさの変化終了地点に到達したと判定されない場合、制御部20は、ステップS130以降の処理を繰り返す。
【0058】
一方、ステップS140にて、トンネル内における明るさの変化終了地点に到達したと判定された場合、制御部20は、区間光情報取得部21bの処理により、撮像部44の撮像画像に基づいて入口地点を含む所定区間の各地点における露出量が適正であったか否かを判定する(ステップS145)。すなわち、ステップS135においては、入口地点を含む所定区間の各地点において撮像部44で撮影された撮像画像を取得しているため、制御部20は、当該撮像画像を解析して露出量が適正であったか否かを判定する。
【0059】
具体的には、制御部20は、撮像部44が出力した撮像画像に輝度が所定範囲となっている部分が含まれるか否かを判定し、輝度が所定範囲となっている部分が含まれる場合、その大きさを特定する。例えば、輝度が所定範囲となっている画素が連続している部分を抽出してその数によって大きさを特定する。さらに、制御部20は、輝度が所定範囲となっている部分の大きさを第1の大きさと比較し、第1の大きさよりも大きい場合には露出量が適正でないと判定する。また、輝度が所定範囲となっている部分の大きさを第2の大きさと比較し、第2の大きさよりも小さい場合には露出量が適正でないと判定する。輝度が所定範囲となっている部分の大きさが第1の大きさ以下、第2の大きさ以上である場合には露出量が適正であると判定する。
【0060】
すなわち、本実施形態において撮像部44は、インストルメンタルパネル側から運転者側を撮影するため、その画像の一部に車両の窓の像が含まれ、当該窓の部分に車両外の光源(太陽や天井灯など)の直接光や間接光が撮影される。さらに、本実施形態においては、撮像部44における露出量が適正である場合に当該光源の直接光や間接光の像が取り得る輝度の範囲を所定範囲として設定してある。このため、撮像部44における露出量が過度になると、撮像画像において光源の直接光や間接光の像は第1の大きさよりも大きくなり、露出不足になると当該像は第2の大きさよりも小さくなる。従って、輝度に対して所定範囲を設定することにより、当該所定範囲となっている部分の大きさを定義し、当該大きさによって露出量が適正であるか否かを判定することで、露出量が適正であるか否かを判定することができる。
【0061】
ステップS145において、各地点における露出量が適正であったと判定された場合、制御部20は、ステップS150をスキップして撮像部制御処理1を終了する。一方、ステップS145において、各地点における露出量が適正であったと判定されない場合、制御部20は、入口基準区間光情報を補正する(ステップS150)。すなわち、制御部20は、輝度が所定範囲となっている部分の大きさが第1の大きさよりも大きい場合、入口区間光情報が示す明るさが明るくなるように補正する。具体的には、入口基準区間光情報が示す露出時間が短くなるように補正する。一方、輝度が所定範囲となっている部分の大きさが第2の大きさよりも小さい場合、制御部20は、入口区間光情報が示す明るさが暗くなるように補正する。具体的には、入口基準区間光情報が示す露出時間が長くなるように補正する。
【0062】
以上のような補正がなされると、補正後の入口基準区間光情報は、次回以降の撮像部制御処理1にて参照されるため、次回以降に光変化区間を走行する際の露出制御に補正後の露出時間が反映される。以上の構成によれば、車両が光変化区間を走行する際に過度の露出量となっている場合、あるいは、露出不足となっている場合に、次回以降、露出量を適正量に近づけることができる。なお、当該補正の際の補正量は、輝度が所定範囲となっている部分の大きさに基づいて決定してもよいし、予め決められた補正量だけ補正してもよく、種々の構成を採用可能である。
【0063】
(2−2)出口地点を含む所定区間における撮像部制御処理:
次に、トンネルの出口地点を含む所定区間における撮像部制御処理を詳細に説明する。図3は、トンネルの出口地点を含む所定区間における撮像部制御処理(撮像部制御処理2)を示すフローチャートである。当該撮像部制御処理2はトンネル内において上述の第2地点P2を通過した後に実行される。
【0064】
この処理において、撮像部制御ECU43は、周囲光情報取得部21dの処理により、周囲光情報を取得する(ステップS200)。すなわち、撮像部制御ECU43は、上述のステップS110にて取得した周囲光情報を図示しない記録媒体に保持しており、撮像部制御ECU43は当該周囲光情報を取得する。当該処理により、ステップS200においても、車両が光変化区間に到達する前における画像一枚当たりの露出時間を示す情報を周囲光情報として取得することになる。
【0065】
次に、制御部20は、区間光情報取得部21bの処理により、入口基準区間光情報および出口基準光情報を取得し(ステップS205)、入口基準区間光情報および出口基準光情報に基づいて周囲光情報が示す明るさに対応する光変化区間通過後の明るさを推定する(ステップS210)。すなわち、車両がトンネルを通過する際の所要時間やトンネルの入口および出口の向きなどによってトンネルの前後における明るさの関係は異なり得る。
【0066】
本実施形態において、入口基準区間光情報と出口基準区間光情報は、それぞれ、トンネルの入口地点を含む所定区間と出口地点を含む所定区間の各地点における基準の明るさに対応する情報である。また、入口基準区間光情報が示す基準の明るさの変化開始地点は第1地点P1であり、出口基準区間光情報が示す基準の明るさの変化終了地点は第4地点P4である。従って、入口基準区間光情報が示す第1地点P1の基準の明るさLs0p1と出口基準区間光情報が示す第4地点P4の基準の明るさLs1p4との関係は任意の時点におけるトンネルの前後の明るさの関係を示しているといえる。
【0067】
そこで、制御部20は、周囲光情報にて示される車両の周囲の明るさと車両が光変化区間を通過した後の明るさとの関係が、入口基準区間光情報が示す第1地点P1の基準の明るさと出口基準区間光情報が示す第4地点P4の基準の明るさとの関係と同じ関係になるように、車両が光変化区間を通過した後の明るさを推定する。
【0068】
例えば、図4に示す例では、入口基準区間光情報が示す第1地点P1の基準の明るさLs0p1と出口基準区間光情報が示す第4地点P4の基準の明るさLs1p4との差分がΔLである。そこで、制御部20は、周囲光情報にて示される車両の周囲の明るさL2と車両が光変化区間を通過した後の明るさとの差分がΔLであるとみなして当該車両が光変化区間を通過した後の明るさを推定する。図4においては、推定された明るさをL3として示している。むろん、ここでは、差分ΔLのみならず、他の指標、例えば、第1地点P1の基準の明るさLs0p1と第4地点P4の基準の明るさLs1p4との比率が、周囲光情報にて示される車両の周囲の明るさL2と車両が光変化区間を通過した後の明るさとの比率と同じ比率となるように構成してもよく、種々の構成を採用可能である。
【0069】
次に、制御部20は、区間光情報取得部21bの処理により、推定された光変化区間通過後の明るさに基づいて出口基準区間光情報を補正してトンネルの出口地点を含む所定区間の区間光情報を取得する(ステップS215)。すなわち、制御部20は、推定された光変化区間通過後の明るさと第4地点P4の明るさとが一致するように出口基準区間光情報を補正して区間光情報を取得する。また、当該補正に合わせてトンネルの出口地点を含む所定区間内の他の地点の明るさを規定することでトンネルの出口地点を含む所定区間の区間光情報とする。
【0070】
すなわち、車両にて光変化区間および光変化区間を通過した後の区間を走行する際に、車両の周囲の明るさはほぼ連続的に変化する。そこで、推定された光変化区間通過後の明るさと光変化区間の終了地点の明るさとを一致させると、光変化区間および光変化区間を通過した後の区間における実際の明るさの変化に極めて近い状態で区間光情報を定義することができる。
【0071】
具体的には、推定された光変化区間通過後の明るさが図4に破線で示すように明るさL3である場合、光変化区間の終了地点である第4地点P4の実際の明るさはL3であると推定される。この場合、第3地点P3において基準の明るさLs1p3である明るさL1が、第3地点P3から第4地点P4にかけて徐々に変化して第4地点P4において明るさL3と一致するとみなせば、第3地点P3と第4地点P4との間における実際の明るさL1を推定することが可能である。
【0072】
ここでも、制御部20は、以上のような各地点における明るさの推定と実質的に等価な推定に基づいて入口基準区間光情報を補正する。すなわち、本実施形態において、出口基準区間光情報は図4に示すように基準の露出時間Es1によって規定されているため、推定される実際の明るさL1に対応する露出時間E1は基準の露出時間Es1から算出することができる。例えば、第4地点P4の適正な露出時間は明るさL3に対応する露出時間E1p4であるとみなし、第3地点P3において基準の露出時間Es1p3である露出時間E1が、第3地点P3から第4地点P4にかけて徐々に変化して第4地点P4において明るさL3に対応する露出時間E1p4になるとみなせば、第3地点P3と第4地点P4との間の各地点における適正な露出時間E1を推定することが可能である。ここでも、基準の露出時間Es1を参照して第3地点P3と第4地点P4との間の各地点における露出時間E1を推定する手法は、上述のような各種の手法を採用可能である。
【0073】
以上のようにして、トンネルの出口地点を含む所定区間の区間光情報を取得すると、制御部20は、光変化区間判定部21aの処理により、車両の現在地点を特定し(ステップS220)、車両がトンネル内における明るさの変化開始地点に到達したか否かを判定する(ステップS225)。すなわち、制御部20は、GPS受信部40と車速センサ41とジャイロセンサ42の出力信号に基づいて車両の現在地点を特定し、出口基準区間光情報が示すトンネル内における明るさの変化開始地点である第3地点P3を車両が通過したか否かを判定する。ステップS225において、車両がトンネル内における明るさの変化開始地点に到達したと判定されない場合、制御部20は、ステップS220以降の処理を繰り返す。
【0074】
ステップS220において、車両がトンネル内における明るさの変化開始地点に到達したと判定されると、撮像部制御ECU43は、出口地点を含む所定区間の明るさの変化に合わせて撮像部44における露出量を変化させる(ステップS230)。すなわち、撮像部制御ECU43は、撮像部制御部21cの処理により、トンネル外におけるGPS受信部40の出力信号と車速センサ41およびジャイロセンサ42の出力信号とに基づいて車両の現在地点を特定する。そして、制御部20は、撮像部制御部21cの処理により、出口地点を含む所定区間の区間光情報を参照し、当該所定区間の各地点において、当該各地点における露出時間となるように撮像部44に対して制御信号を出力する。この結果、露出時間変更部44aは、車両が光変化区間の各地点に到達した時点において、区間光情報が示す各地点の露出時間となるように撮像部44の露出時間を制御する。この結果、光変化区間の各地点における明るさの変化に的確に追従するように撮像部を調整することができる。なお、本実施形態においては、基準区間光情報30bによって明るさに対応する情報が規定されていない地点において露出時間変更部44aが撮像部44の露出時間を自動的に調整する構成である。従って、トンネル内において、図2のステップS140より後と図3のステップS225より前、すなわち、図4に示す第2地点P2から第3地点P3の間の区間においては露出時間変更部44aが撮像部44の露出時間を自動的に調整する。
【0075】
本実施形態においては、出口付近においても光変化区間を走行する際に撮像部44で撮影した画像に基づいて次回以降の露出制御量を補正する構成としている。このために、制御部20は、区間光情報取得部21bの処理により撮像部44の撮像画像を取得し(ステップS235)、トンネルの出口地点の周囲における明るさの変化終了地点に到達したか否かを判定する(ステップS240)。すなわち、制御部20は、GPS受信部40と車速センサ41とジャイロセンサ42の出力信号に基づいて車両の現在地点を特定し、地図情報30aの地物データを参照して車両が走行中のトンネルに対して対応づけられた明るさの変化終了地点である第4地点P4を車両が通過したか否かを判定する。ステップS240にて、トンネルの出口地点の周囲における明るさの変化終了地点に到達したと判定されない場合、制御部20は、ステップS230以降の処理を繰り返す。
【0076】
一方、ステップS240にて、トンネルの出口地点の周囲における明るさの変化終了地点に到達したと判定された場合、制御部20は、区間光情報取得部21bの処理により、撮像部44の撮像画像に基づいて出口地点を含む所定区間の各地点における露出量が適正であったか否かを判定する(ステップS245)。すなわち、制御部20は、出口地点を含む所定区間の各地点にて撮像部44が撮影した撮像画像に輝度が所定範囲となっている部分が含まれるか否かを判定し、輝度が所定範囲となっている部分が含まれる場合、その大きさを特定する。例えば、輝度が所定範囲となっている画素が連続している部分を抽出してその数によって大きさを特定する。さらに、制御部20は、輝度が所定範囲となっている部分の大きさを第1の大きさと比較し、第1の大きさよりも大きい場合には露出量が適正でないと判定する。また、輝度が所定範囲となっている部分の大きさを第2の大きさと比較し、第2の大きさよりも小さい場合には露出量が適正でないと判定する。輝度が所定範囲となっている部分の大きさが第1の大きさ以下、第2の大きさ以上である場合には露出量が適正であると判定する。
【0077】
ステップS245において、各地点における露出量が適正であったと判定された場合、制御部20は、ステップS250をスキップして撮像部制御処理1を終了する。一方、ステップS245において、各地点における露出量が適正であったと判定されない場合、制御部20は、出口基準区間光情報を補正する(ステップS250)。すなわち、制御部20は、輝度が所定範囲となっている部分の大きさが第1の大きさよりも大きい場合、出口区間光情報が示す明るさが明るくなるように(出口基準区間光情報が示す露出時間が短くなるように)補正する。一方、輝度が所定範囲となっている部分の大きさが第2の大きさよりも小さい場合、制御部20は、出口区間光情報が示す明るさが暗くなるように(出口基準区間光情報が示す露出時間が長くなるように)補正する。以上のような補正がなされると、補正後の出口基準区間光情報は、次回以降の撮像部制御処理2にて参照され、次回以降に光変化区間を走行する際、露出量を適正量に近づけることができる。
【0078】
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は、本発明を実施するための一例であり、光変化区間に到達する前に、当該光変化区間における明るさの変化を推定し、推定した明るさの変化に合わせて撮像部における露出量を変化させる限りにおいて他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、光変化区間の位置は種々の態様によって特定可能であり、記録媒体30に記録した地図情報30aを参照する構成の他、通信によって光変化区間の位置を示す情報を取得してもよい。
【0079】
また、光変化区間は明るさが所定量以上変化する区間であり、上述の例においては、トンネルの入口地点を含む所定区間や出口地点を含む所定区間における明るさの変化が所定量以上である場合にトンネルを含む区間を光変化区間としていた。すなわち。トンネルを含む区間の長さに依存しない変化量として所定量を定義していた。しかし、当該所定量としては、他にも各種の定義を採用可能であり、単位距離当たりの明るさの変化量として定義されてもよいし、車両の車速によって所定量を変動させてもよい。
【0080】
さらに、区間光情報は、記録媒体30に記録した基準区間光情報30bから生成する構成の他、通信によって取得される構成としてもよい。また、区間光情報は、撮像部における露出量を変化させる前に予め規定されればよく、天候や時刻などの環境条件に応じて光変化区間の明るさが変化する場合、環境条件毎に区間光情報を予め定義してもよい。さらに、上述の基準区間光情報30bが環境条件毎に規定されていてもよい。さらに、区間光情報は、光変化区間の各地点の明るさ(光度、照度、輝度、光束、光度エネルギーなど)を直接的に示す情報であってもよい。さらに、トンネル毎に区間光情報を定義してもよい。
【0081】
なお、車両にて光変化区間を走行することによって生じる明るさの変化に合わせて露出量を変化させるための構成としては種々の構成を採用可能であり、当該明るさの変化によって生じ得る撮像素子の受光量の変化を補うように露出時間を変化させる構成や受光量の変化を相殺するように露出時間を変化させる構成等を採用可能である。なお、ここでは、撮像部を制御して、実質的に明るさの変化に合わせて露出量を変化させることができればよい。従って、区間光情報が明るさを直接的に規定している場合、各明るさにおける光の量を露出時間分累積して得られる撮像素子の受光量が適正な範囲となるように露出時間を決定して撮像部を制御すればよい。
【0082】
さらに、周囲光情報は、車両が光変化区間に到達する前に測定された車両の周囲の明るさに対応した情報であればよく、撮像部と異なる明るさセンサの出力信号に基づいて特定してもよい。また、周囲光情報における明るさに対応する情報も、光度、照度、輝度、光束、光度エネルギーなどによって定義可能である。
【0083】
さらに、トンネルの入口より前と出口より後における明るさの変化は微小であるとみなし、区間光情報を、トンネルの入口地点から出口地点までの区間における明るさの変化を示す情報としてもよい。
【0084】
さらに、上述の実施形態においては、入口基準区間光情報および出口基準区間光情報によって基準区間光情報30bを定義することにより、第2地点P2と第3地点P3との間の区間においては、露出時間変更部44aが撮像部44の露出時間を自動的に調整していた。しかし、第2地点P2と第3地点P3との間において明るさに対応する情報を規定して基準区間光情報30bを定義することによって、第2地点P2と第3地点P3との間においても区間光情報に基づいて露出時間を制御するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0085】
10…ナビゲーション装置、20…制御部、21…ナビゲーションプログラム、21a…光変化区間判定部、21b…区間光情報取得部、21c…撮像部制御部、21d…周囲光情報取得部、30…記録媒体、30a…地図情報、30b…基準区間光情報、40…GPS受信部、41…車速センサ、42…ジャイロセンサ、43…撮像部制御ECU、43a…制御プログラム、44…撮像部、44a…露出時間変更部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前方の所定距離以内に、明るさが所定量以上変化する光変化区間が存在するか否かを判定する光変化区間判定手段と、
前記光変化区間が存在すると判定された場合、前記光変化区間の各地点の明るさに対応する区間光情報を取得する区間光情報取得手段と、
前記光変化区間の各地点の明るさが前記区間光情報にて示される明るさであると仮定した場合に、前記車両にて前記光変化区間を走行することによって生じる明るさの変化に合わせて前記車両が備える撮像部における露出量を変化させる撮像部制御手段と、
を備える撮像部制御装置。
【請求項2】
前記車両が前記光変化区間に到達する前に測定された前記車両の周囲の明るさに対応する周囲光情報を取得する周囲光情報取得手段を備え、
前記区間光情報取得手段は、
前記光変化区間における明るさの変化開始地点の明るさが前記周囲光情報にて示される前記車両の周囲の明るさと一致するように前記光変化区間における各地点の明るさを規定して前記区間光情報を取得する、
請求項1に記載の撮像部制御装置。
【請求項3】
前記光変化区間判定手段は、トンネルの入口地点および前記トンネルの出口地点を含み、かつ、明るさが前記所定量以上変化する前記光変化区間が前記車両の前方の所定距離以内に存在するか否かを判定し、
前記区間光情報取得手段は、
前記入口地点に到達する以前の第1地点から前記入口地点よりも前方の第2地点までの各地点における基準となる明るさに対応する入口基準区間光情報を取得し、
前記出口地点に到達する前の第3地点から前記出口地点以後の第4地点までの各地点における基準となる明るさに対応する出口基準区間光情報を取得し、
前記周囲光情報にて示される車両の周囲の明るさと前記車両が前記光変化区間を通過した後の明るさとの関係が、
前記入口基準区間光情報が示す前記第1地点の基準となる明るさと前記出口基準区間光情報が示す前記第4地点の基準となる明るさとの関係と同じ関係になるように、前記車両が前記光変化区間を通過した後の明るさを推定し、
推定された当該明るさが前記第4地点の明るさとなるように前記出口基準区間光情報を補正して前記区間光情報を取得する、
請求項2に記載の撮像部制御装置。
【請求項4】
前記区間光情報取得部は、
前記撮像部が出力する画像に輝度が所定範囲となっている部分が含まれ、当該部分が第1の大きさよりも大きい場合、前記区間光情報が示す明るさが明るくなるように補正し、
前記撮像部が出力する画像に輝度が所定範囲となっている部分が含まれ、当該部分が第2の大きさよりも小さい場合、前記区間光情報が示す明るさが暗くなるように補正し、
前記撮像部制御手段は、補正後の前記区間光情報に基づいて次回以降の前記撮像部の制御を行う、
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の撮像部制御装置。
【請求項5】
車両の前方の所定距離以内に、明るさが所定量以上変化する光変化区間が存在するか否かを判定する光変化区間判定工程と、
前記光変化区間が存在すると判定された場合、前記光変化区間の各地点の明るさに対応する区間光情報を取得する区間光情報取得工程と、
前記光変化区間の各地点の明るさが前記区間光情報にて示される明るさであると仮定した場合に、前記車両にて前記光変化区間を走行することによって生じる明るさの変化に合わせて前記車両が備える撮像部における露出量を変化させる撮像部制御工程と、
を含む撮像部制御方法。
【請求項6】
車両の前方の所定距離以内に、明るさが所定量以上変化する光変化区間が存在するか否かを判定する光変化区間判定機能と、
前記光変化区間が存在すると判定された場合、前記光変化区間の各地点の明るさに対応する区間光情報を取得する区間光情報取得機能と、
前記光変化区間の各地点の明るさが前記区間光情報にて示される明るさであると仮定した場合に、前記車両にて前記光変化区間を走行することによって生じる明るさの変化に合わせて前記車両が備える撮像部における露出量を変化させる撮像部制御機能と、
をコンピュータに実現させる撮像部制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−239479(P2010−239479A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−86445(P2009−86445)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】