説明

撮影システム、撮影制御装置及び方法、並びにプログラム

【課題】立体画像を得るための撮影時における被写体の負担を軽減させると共に、立体画像の質を向上させること。
【解決手段】撮影システム1は、カメラ11と、架台12と、撮影制御装置14と、を備えている。撮影制御装置14は、カメラ11の動作、及び、カメラ11が取り付けられた架台12の移動を制御すべく、撮影制御部71〜記録制御部74を備えている。報知制御部73は、架台12の移動を開始するタイミングを被写体に報知する。駆動制御部72は、報知制御部73による報知の終了後、架台12を駆動して、架台12を一定の軌道で移動させる。撮影制御部71は、架台12が移動している間、カメラ11が被写体を連続撮影する制御を実行する。記録制御部74は、トリガが与えられた後にカメラ11から出力された撮影画像のデータを取得して、記憶部28に記録する制御を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影システム、撮影制御装置及び方法、並びにプログラムに関する。特に、本発明は、人間等を被写体とする立体画像を得るために、その撮影時における被写体者等の負担を軽減させると共に、立体画像の質を向上させることが可能な、撮影システム、撮影制御装置及び方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、立体印刷物や立体写真等の立体画像の需要が高まりつつある。このような立体画像は、被写体を異なった角度から撮影することによって得られる画像(以下、「視差画像」と呼ぶ)に基づいて、鑑賞者の脳内で認識される。即ち、これらの視差画像が、レンチキュラーレンズ等を介して鑑賞者の左右の目に別々に映ることによって、当該鑑賞者の脳内で合成されて、立体画像として認識される。
【0003】
このような視差画像、又は当該視差画像を作るための原画像を得るためには、異なった角度から被写体を撮影する撮影システムが必要になる。
従来の撮影システムとしては、複数台並べたカメラが被写体を一度に撮影するアレイ型のシステムや、1台のカメラがレールに沿って移動しながら被写体を撮影するレール型のシステム等が知られている(特許文献1〜4参照)。
【0004】
これらの従来の撮影システムは、立体画像の表示手法として従来一般的に用いられている、二眼式や多眼式と呼ばれる表示手法、即ち2〜10数枚の視差画像を用いる表示手法に適用することが前提とされている。即ち、従来の撮影システムは、視差画像、又は原画像として用いられる撮影画像として、最低で2枚、多くても10数枚を用いることを前提としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3660079号公報
【特許文献2】特開2006−323012号公報
【特許文献3】実用新案登録第3107423号公報
【特許文献4】特開2000−78451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近年では立体画像の表示手法として、超多眼式や光線群再生法と呼ばれる手法、即ち、数10〜数100枚程度の視差画像が必要な表示手法が登場してきている。
ここで、光線群再生法等では、撮影画像がそのまま視差画像として用いられるのではなく、1の被写体に対して位置を変化させながら数100〜1000回程度連続撮影され、その結果得られる数100〜1000枚程度の撮影画像に基づいて、数10〜数100枚程度の視差画像が生成されて用いられる。
従って、このような表示手法により立体画像を適切に表示するためには、同一位置に静止する同一被写体を異なる方向から数100〜1000回程度連続撮影することが要求される。
従来の撮影システムでは、静物以外を被写体とする場合には、このような要求に応えることは非常に困難である。
さらに以下、このような困難性について詳しく説明する。
【0007】
従来の撮影システムでも数100〜1000回程度の連続撮影自体は可能であるが、そのような連続撮影に要する時間は、一般的な連写機能を有するカメラを用いた場合には、最低でも数10秒〜数分程度が必要になる。
ところが、数10秒〜数分程度の間に人が静止し続けることは意外に困難である。例えば、被写体者が、自分自身では静止しているつもりでも或いは撮影者からみて静止しているようにみえたとしても、実際には、顔の表情が徐々に変化したり、生理現象として、まぶたを閉じてしまったり、呼吸をするために肩や胸が微動していたりする。このように、被写体者が、数10秒〜数分程度の間も静止し続けることは実質上できない。
このような状態で、数10秒〜数分程度かけて、数100〜1000回程度の連続撮影をしたとしても、変化している被写体者を異なる方向から撮影していることになる。よって、このような連続撮影により得られた視差画像がレンチキュラーレンズ等を介して鑑賞者に提示されても、鑑賞者の脳内では同一の被写体であると認識されず、その結果、立体画像が適切に表示されていないと認識されてしまうことになる。場合によっては、正確な立体画像を認識できないことに起因して、目の痛みや、頭の痛み等を訴える鑑賞者も現れる可能性もある。
【0008】
このため、被写体者の負担を少しでも軽減させるためには、連続撮影に要する時間を短縮する他なく、一般的な連写機能を有するカメラでは足りず、さらに高速の連写機能を有するカメラを採用する必要がある。
しかしながら、現状のカメラでは、最高速でも、1秒間に1000回の連続撮影ができる程度であり、連続撮影に要する時間は最低でも1秒かかることになる。
被写体が人間である場合、連続撮影に要する時間が数10秒程度から1秒に短縮されれば、当然に、被写体者の負担が軽減されるが、1秒という時間はまだ被写体の負荷が十分に軽減される時間とはいい難い。被写体者にとって、ポーズ等の準備もままならない状態で1秒間も静止し続けることは困難だからである。
従って、被写体者にとっては、ポーズ等の準備をしっかりとした後に連続撮影に入りたいという要望が挙げられることになるが、特許文献1〜4も含め、従来の撮影システムではこのような要望に応えられない状況である。
【0009】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、人間等を被写体とする立体画像を得るために、その撮影時における被写体者等の負担を軽減させると共に、立体画像の質を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る撮影システムは、
被写体を連続撮影して、その都度得られる画像データをメモリに記憶し、前記メモリに記憶された画像データを出力する撮影装置と、
前記撮影装置を取り付け、一定の軌道で移動可能に構成される架台と、
前記軌道内における所定位置を前記架台が通過したことを検知し、その検知したタイミングで、トリガを出力する検知装置と、
前記撮影装置の動作、及び、前記撮影装置が取り付けられた前記架台の移動を制御する撮影制御装置と、
を備える撮影システムにおいて、
前記撮影制御装置は、
前記架台の移動を開始するタイミングを被写体に報知し、
報知の終了後、前記架台を前記軌道上で移動させる制御を実行し、
前記架台が移動している間、前記撮影装置が前記被写体を連続撮影する制御を実行することを特徴とする。
【0011】
本撮影システムの構成によれば、撮影制御装置が架台の移動を開始するタイミングを被写体に報知し、その報知の終了後、架台を軌道上で移動させる制御を実行する。さらに、撮影制御装置は、架台が移動している間、架台に取り付けられている撮影装置が被写体を連続撮影する制御を実行する。架台は、撮影制御装置の制御を受け、軌道上を移動する。撮影装置は、撮影制御装置の制御を受け、架台が移動している間、被写体を連続撮影して、その都度得られる画像データをメモリに記憶する。検知装置は、軌道内における所定位置を架台が通過したことを検知し、その検知したタイミングで、トリガを出力する。
これにより、被写体は、架台の移動を開始するタイミングを撮影制御装置の報知により知ることができ、撮影用のポーズを負担なく作ることができる。また、架台が移動している間、架台に取り付けられている撮影装置が被写体を連続撮影するが、検知装置により、軌道内における所定位置を架台が通過した時に、トリガが出力されるため、連続撮影された画像データと所定位置を架台が通過した時点とを対比して、立体画像を作製するための画像データを選択することができる。
【0012】
上記撮影システムにおいて、
前記架台の前記軌道は、前記被写体に対して、所定区間を往復する軌道であり、
前記撮影装置は、前記検知装置から出力された前記トリガを受信し、前記トリガを受信したタイミングで撮影した画像データに関連付けて記憶し、
前記撮影制御装置は、
前記検知装置の動作を禁止した状態で、前記架台の移動を開始するタイミングを被写体に報知し、報知の終了後、前記架台を前記軌道で移動させる制御を実行することを繰り返し、
前記検知装置の動作の禁止が解除されると、
前記架台の移動を開始するタイミングを被写体に報知し、
報知の終了後、前記架台を前記軌道で移動させる制御を実行し、
前記架台が移動している間、前記撮影装置が前記被写体を連続撮影する制御を実行するよう構成するとよい。
【0013】
この撮影システムによれば、検知装置の動作を禁止した状態では、撮影制御装置の繰り返し制御により、架台は、軌道の所定区間を往復するが、撮影制御装置は、架台の移動を開始する都度、そのタイミングが被写体に報知され、架台は軌道上を移動する。
その一方、検知装置の動作の禁止が解除されると、撮影制御装置により、架台の移動を開始するタイミングが被写体に報知され、その報知の終了後、撮影制御装置の制御により、架台が軌道上を移動する。そして、架台が移動している間、撮影装置は、被写体を連続撮影し、その都度得られる画像データをメモリに記憶する。検知装置は、軌道内における所定位置を架台が通過したことを検知し、その検知したタイミングで、トリガを出力する。
これにより、被写体は、実際の撮影前に、撮影装置が取り付けられた架台の軌道上における所定区間の往復運動と、移動開始の報知を感得することができるため、実際の撮影ための架台移動を開始するタイミングにおける報知によって、撮影用のポーズを負担なく作ることができる。また、架台が移動している間、架台に取り付けられている撮影装置が被写体を連続撮影するが、検知装置により、軌道内における所定位置を架台が通過した時に、トリガが出力されるため、連続撮影された画像データと所定位置を架台が通過した時点とを対比して、立体画像を作製するための画像データを選択することができる。
【0014】
上記撮影システムにおいて、前記撮影制御装置は、前記トリガが出力されたタイミングを基準として、前記撮影装置から前記画像データを取得し、記録するようにするとよい。
この構成により、所定位置を架台が通過した時点を基準として、撮影装置から画像データを取得し、記録するため、立体画像を作製するための画像データを適切に選択することができる。
【0015】
上記撮影システムにおいて、前記撮影制御装置は、前記架台を前記軌道上で等速運動させている間に、前記撮影装置によって連続撮影された画像データを取得し、記録するようにするとよい。
これにより、軌道上で架台が等速運動している間は、架台に取り付けている撮影装置も安定して移動しており、その安定して移動している間に、連続撮影された画像データを、前記撮影制御装置が取得し、記録することで、立体画像を作製するための適切な画像データを得ることができる。
【0016】
さらに上記撮影システムにおいて、前記検知装置は、前記軌道の中央を前記架台が通過したことを検知して、その検知したタイミングで、トリガを出力し、
前記撮影制御装置は、前記撮影装置から、前記トリガが出力されたタイミングの前後所定数の前記画像データを取得し、記録するよう構成するとよい。
この構成により、軌道の中央から撮影装置により撮影した画像データを中心とした、前後所定数の画像データが取得され、記録することができる。
【0017】
あるいは上記撮影システムにおいて、前記検知装置は、前記軌道内のうち、前記架台が等速運動を始める付近を通過したことを検知して、その検知したタイミングで、トリガを出力し、
前記撮影制御装置は、前記撮影装置から、前記トリガが出力されたタイミング以降所定数の前記画像データを取得し、記録するよう構成するとよい。
この構成により、架台が等速運動を始める付近を通過した際に撮影した画像データを初めとして、それ以降の所定数の画像データが取得され、記録することができる。
【0018】
あるいは上記撮影システムにおいて、前記検知装置は、前記軌道内のうち、前記架台が等速運動を終える付近を通過したことを検知して、その検知したタイミングで、トリガを出力し、
前記撮影制御装置は、前記撮影装置から、前記トリガが出力されたタイミング以前所定数の前記画像データを取得し、記録するよう構成するとよい。
この構成により、架台が等速運動を終える付近を通過した際に撮影した画像データを終わりとして、それ以前の所定数の画像データが取得され、記録することができる。
【0019】
また、本発明に係る撮影制御装置は、
被写体を連続撮影して、その都度得られる画像データをメモリに記憶し、前記メモリに記憶された画像データを出力する撮影装置と、
前記撮影装置を取り付け、一定の軌道で移動可能に構成される架台と、
前記軌道内における所定位置を前記架台が通過したことを検知し、その検知したタイミングで、トリガを出力する検知装置と、
前記撮影装置の動作、及び、前記撮影装置が取り付けられた前記架台の移動を制御する撮影制御装置
とを備える撮影システムにおける撮影制御装置であって、
前記架台の移動を開始するタイミングを被写体に報知する制御を実行する報知制御手段と、
前記報知制御手段の制御による報知の終了後、前記架台を駆動して、前記架台を前記軌道で移動させる制御を実行する駆動制御手段と、
前記架台が移動している間、前記撮影装置が前記被写体を連続撮影する制御を実行する撮影制御手段と
を備えることを特徴とする。
【0020】
本発明のさらに別の態様によれば、上述した本発明の一態様に係る撮影制御装置に対応する方法及びプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、人間等を被写体とする立体画像を得るために、その撮影時における人間等の負担を軽減させると共に、立体画像の質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係る撮影システムの外観構成を示す斜視図である。
【図2】図1の撮影システムのうち撮影制御装置の内部のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図2の撮影システムの機能的構成のうち、撮影用動作処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図4】画像データを記憶するための内部メモリの領域の構造例である。
【図5】図3の撮影システムの撮影用動作処理の流れを説明するフローチャートである。
【図6】GUI用の画像の一例を示している。
【図7】架台(カメラ)と、駆動レールとの関係を示す横面図である。
【図8】架台(カメラ)の移動速度と経過時間とを示すチャート図である。
【図9】図5の撮影用動作処理の単周期モード処理の詳細な流れを説明するフローチャートである。
【図10】センタトリガ方式により画像データを記憶する手法を説明する図であって、内部メモリの領域の構造例である。
【図11】図5の撮影用動作処理の反復モード処理の詳細な流れを説明するフローチャートである。
【図12】図11の反復モード処理の本番撮影用動作処理の詳細な流れを説明するフローチャートである。
【図13】スタートトリガ方式により画像データを記憶する手法を説明する図であって、内部メモリの領域の構造例である。
【図14】エンドトリガ方式により画像データを記憶する手法を説明する図であって、内部メモリの領域の構造例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面に基づいて、本発明が適用される撮影システムの一実施形態について説明する。初めに、本実施形態の撮影システムのハードウェア構成について説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る撮影システムの外観構成を示す斜視図である。
【0025】
撮影システム1は、人間等の動体を被写体として、例えば1秒間に当該被写体を1000回連続撮影することによって、立体画像の視差画像の元になる原画像のデータを生成して記録する。
この場合、撮影システム1は、被写体に対して、連続撮影の開始タイミングを適切に報知する。これにより、被写体が人間の場合、当該被写体者は、気持ちの整理をしたり自身の体を静止させる等の準備、即ち連続撮影のための精神的かつ身体的な準備をし、1秒間の連続撮影期間中、呼吸や瞬きを含めて可能な限り静止し続けることが可能になる。即ち、撮影時における被写体者の負担が軽減する。
このような状態で連続撮影が行われると、ほぼ静止した状態の被写体が各方向から撮影された画像データが得られる。このような画像データに基づいて視差画像が生成され、当該視差画像がレンチキュラーレンズ等を介して鑑賞者に提示されると、鑑賞者の脳内において正確な立体画像が適切に認識される。即ち、被写体を動体とする立体画像の質が向上する。
【0026】
撮影システム1は、このような連続撮影を可能にすべく、カメラ11と、架台12と、駆動装置13と、撮影制御装置14と、センサ15と、スピーカ16と、モニタ17と、駆動レール18と、脚部19とを備えている。
【0027】
カメラ11は、例えば300枚/秒以上の高速で連続撮影が可能な高速度カメラ(ハイスピードカメラ)を採用している。本実施形態のカメラ11は、1000枚/秒で連続撮影が可能な高速度カメラを用いている。カメラ11は、図1の手前側(撮影制御装置14の反対側)を撮影するように向けられている。
カメラ11は、動作開始が指示されると、連続撮影動作を複数回繰り返し、その都度得られる画像データの各々を、内部メモリ43(図3参照)に順次記録していく。なお、画像データを記録するメモリは、カメラ11の外部に設けてもよい。
カメラ11は、内部メモリ43がデータで満杯になると、最古の画像データが記録されているメモリ内の領域に、最新の画像データを上書きして記録する。
このようにして、カメラ11は、動作停止が指示されるまで、半永久的に、連続撮影動作を繰り返し、その都度得られる画像データの各々を内部メモリ43に順次記録していく。
この間、カメラ11は、所定のトリガが与えられると、後述するトリガ設定で決定される1000枚分の画像データを、後述する撮影制御装置14に転送する。
【0028】
架台12は、その上部にカメラ11を固定した状態で、後述する駆動レール18に沿って移動する。この架台12は、図示せぬリニアモータ等の駆動機構を有しており、駆動レール18の上を、例えば秒速500mm以上の高速度で滑らかに移動する。
【0029】
駆動装置13は、後述する撮影制御装置14の制御に基づいて、架台12の駆動機構を駆動することによって、架台12(カメラ11)を駆動レール18に沿って移動させる。
【0030】
撮影制御装置14は、例えばパーソナルコンピュータ等で構成され、撮影システム1全体の動作を制御する。
この撮影制御装置14は、カメラ11に対する動作開始や動作終了を指示することによって、カメラ11の連続撮影動作を制御する。
また、撮影制御装置14は、駆動装置13を介して、架台12(カメラ11)の移動を制御する。
具体的には、撮影制御装置14は、カメラ11に対して動作開始を指示した後、架台12(カメラ11)が一定期間等速移動するように制御する。これにより、カメラ11は、等速移動しながら連続撮影動作を繰り返す。その結果、多数の異なった位置から撮影された被写体の画像データが順次得られ、カメラ11の内部メモリ43に順次蓄積されていく。
なお、撮影制御装置14の内部のハードウェア構成については図2を参照して、撮影制御装置14の制御のさらなる詳細な説明については図3以降の図面を参照して、それぞれ後述する。
【0031】
センサ15は、後述する駆動レール18の略中央付近に設置され、設置位置を通過する物体を検出し、その検出信号を出力する。例えば、記録用の撮影開始が指示されて、架台12(カメラ11)が等速移動をしながらセンサ15の設置位置を通過すると、センサ15は、当該架台12(カメラ11)を検出し、その検出信号をカメラ11に送信する。
すると、カメラ11においては、センサ15の検出信号はトリガとして認識され、後述するトリガ設定で決定される1000枚分の画像データが撮影制御装置14に転送される。撮影制御装置14は、カメラ11から転送されてきた1000枚分の画像データを、立体画像の視差画像を生成するための原画像のデータとして記録する。
【0032】
スピーカ16は、撮影制御装置14の制御に基づいて、各種音声を出力する。例えば、スピーカ16は、記録用の撮影開始のタイミングを被写体に対して報知するための音声、本実施形態ではカウントダウンのアラーム音を出力する。
被写体者は、このアラーム音を静止状態のまま聞くことで、記録用の撮影開始のタイミング、即ち架台12の動作開始のタイミングを容易に推測することができるため、架台12の動作開始前に適切なポーズを決定することが容易にできる。
【0033】
モニタ17は、撮影制御装置14の制御に基づいて、各種画像を表示する。例えば、モニタ17は、カメラ11の撮影画像を表示したり、記録用の撮影の開始タイミングを報知するための画像を表示することができる。
なお、モニタ17が、後述する撮影制御装置14の表示部27(図2参照)とは別に設けられているのは、後述する撮影制御装置14の表示部27が撮影者(操作者)用であるのに対して、モニタ17は被写体者用であるからである。
【0034】
駆動レール18は、カメラ11の移動をガイドする直線上の部材であり、脚部19の上部に固定されている。本実施形態では、架台12の移動可能範囲は2000mmとされているため、駆動レール18は、この移動可能範囲を確保できるよう、2000mmを超えた長さを有している。
【0035】
脚部19は、スタジオの床に設置され、駆動レール18を固着している。この場合、駆動レール18に沿って、架台12(カメラ11)が滑らかに移動できるようにする必要がある。このため、脚部19は、架台12及びカメラ11の総重量や、架台12(カメラ11)の加速や停止時の衝撃に耐え得るような重量を有している。また、脚部19は、架台12の駆動に伴う衝撃を吸収して、駆動レール18を地面に対し常に静止させるように、免震機構等を備えている。
【0036】
なお、このような撮影システム1による一連の処理、即ち、カメラ11の撮影動作が開始されてから、記録用の撮影開始のタイミングが被写体に報知され、架台12(カメラ11)が移動し、1000枚分の画像データがカメラ11から撮影制御装置14に転送されて記録されるまでの一連の処理を、以下、「撮影用動作処理」と呼ぶ。
【0037】
図2は、図1の撮影システム1のうち撮影制御装置14の内部のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0038】
撮影制御装置14は、CPU(Central Processing Unit)21と、ROM(Read Only Memory)22と、RAM(Random Access Memory)23と、バス24と、入出力インターフェース25と、操作部26と、表示部27と、記憶部28と、通信部29と、ドライブ30とを備えている。
【0039】
CPU21は、ROM22に記録されているプログラム、又は、RAM23にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM23は、CPU21が各種の処理を実行する上において必要なデータを記憶する。
【0040】
本実施形態では、後述する図3の総合制御部61、撮影用動作部62、及び表示制御部63の各機能を実現するプログラムが、ROM22や記憶部28に記憶されている。従って、CPU21が、これらのプログラムに従った処理を実行することで、後述する図3の総合制御部61、撮影用動作部62、及び表示制御部63の各機能を実現することができる。
【0041】
CPU21、ROM22、及びRAM23は、バス24を介して相互に接続されている。このバス24にはまた、入出力インターフェース25も接続されている。入出力インターフェース25には、操作部26、表示部27、記憶部28、及び通信部29が接続されている。
【0042】
操作部26は、マウスやキーボード等で構成され、ユーザの指示操作を受け付ける。
表示部27は、例えば液晶ディスプレイ等で構成され、GUI(Graphical User interface)用の画像(後述する図6参照)等、各種画像を表示する。
記憶部28は、ハードディスク等で構成され、例えば、カメラ11から転送されてきた画像データを、立体画像の視差画像の元になる原画像のデータとして記憶する。また、記憶部28は、各種情報処理に必要な各種データ等も記憶する。
【0043】
通信部29は、図1に示す撮影システム1の他の装置、即ち、カメラ11、駆動装置13、スピーカ16、及びモニタ17の各々との間の通信を制御して、各種情報を授受する。通信部29はまた、図示せぬインターネット等のネットワークを介して、図示せぬ他の装置との間の通信も制御する。
入出力インターフェース25にはまた、必要に応じてドライブ30が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなるリムーバブルメディア31が適宜装着される。
ドライブ30によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じてRAM23にインストールされる。また、リムーバブルメディア31は、記憶部28に記憶されている画像等の各種データも、記憶部28と同様に記憶することができる。
【0044】
次に、図3を参照して、本実施形態の撮影システム1が有する機能のうち、撮影用動作処理の実行機能を発揮するための機能的構成について説明する。
【0045】
図3は、撮影システム1の機能的構成のうち、撮影用動作処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
図3においては、図1の撮影システム1の構成のうち、カメラ11と、架台12と、駆動装置13と、撮影制御装置14と、センサ15と、スピーカ16とが図示されている。
【0046】
カメラ11において、撮影用動作処理が実行される場合、主制御部41と、撮影部42と、内部メモリ43と、通信部44とが機能する。
【0047】
主制御部41は、カメラ11全体(撮影部42、内部メモリ43及び通信部44等)を制御する。
撮影部42は、主制御部41の制御に基づいて、連続撮影動作を複数回繰り返し実行する。このとき、撮影部42は、1000(枚/sec)の高速で連続撮影動作を実行する。
撮影部42の連続撮影動作が複数回繰り返し実行される度に、画像データが得られる。当該画像データは、撮影部42から順次出力されて、内部メモリ43に順次記憶される。
【0048】
内部メモリ43は、撮影部42から出力された画像データを少なくとも1000枚分一時的に記憶する。
ここで、内部メモリ43における画像データの記憶の手法については、図4を参照して詳述する。
【0049】
図4は、画像データを記憶するための内部メモリ43の領域の構造例である。
図4(1)に示すように、内部メモリ43の初期状態では、画像データは記憶されていない。
図4(2)に示すように、撮影部42によって連続撮影動作が開始されると、画像データは、得られた順番(連続撮影の回の順番)で内部メモリ43に順次記憶されていく。
図4(3)に示すように、1〜1000回目の画像データの各々がその順番で内部メモリ43に記憶されると、内部メモリ43の記憶容量が限界に至る。
すると、図4(4)に示すように、次回(1001回目)の画像データは、最古の画像データ、即ち、1回目の画像データが記憶されていた領域(同図中最左方の領域)に上書きされる。
図4(5)に示すように、それ以降のデータ、即ち、1002回目、1003回目、・・・の各画像データも、得られた時点で最古の画像データ、即ち、2回目、3回目、・・・の各画像データが記憶されていた領域に順次上書きされる。
図4(6)に示すように、1001〜2000回目の画像データの各々がその順番で内部メモリ43に記憶されると、本実施形態の内部メモリ43の記憶容量が再度限界に至る。
すると、図4(7)に示すように、次回(2001回目)の画像データは、最古の画像データ、即ち、1001回目の画像データが記憶されていた領域(同図中最左方の領域)に上書きされる。
その後、2002回目以降の画像データも、同様の流れで、得られた時点に最古の画像データが記憶されていた領域に順次上書きされていく。
【0050】
図3に戻り、カメラ11の通信部44は、撮影制御装置14との間で行う通信を制御する。具体的には、通信部44は、主制御部41の制御に基づいて、内部メモリ43に記憶されている1000枚分の画像データを撮影制御装置14に転送する。
なお、カメラ11の通信部44と、撮影制御装置14の通信部29との間の通信の形態は、図1の例ではケーブルによる有線通信とされているが、特にこれに限定されず、無線通信であってもよいし、インターネット等のネットワークを介する通信であってもよい。
【0051】
撮影制御装置14のCPU21において、撮影用動作処理が実行される場合、総合制御部61による制御に基づき、撮影用動作部62と、表示制御部63とが機能する。
【0052】
総合制御部61は、撮影制御装置14の動作を総合的に制御する。このような総合的制御の中には、撮影用動作部62及び表示制御部63の制御も含まれる。
撮影用動作部62が機能する場合、撮影制御部71と、駆動制御部72と、報知制御部73と、記録制御部74とが機能する。
撮影制御部71は、総合制御部61及び通信部29を介して、カメラ11の動作開始及び動作停止を指示することによって、カメラ11の連続撮影動作を制御する。
駆動制御部72は、総合制御部61及び通信部29を介して、カメラ11を搭載した架台12の駆動を制御する。即ち、駆動制御部72は、記録用の撮影開始が指示されると、架台12が一定期間等速移動するように制御する。
【0053】
報知制御部73は、記録用の撮影開始タイミングを被写体に対して報知する制御を実行する。具体的には、報知制御部73は、記録用の撮影開始が指示されると、駆動制御部72の制御によりスタート位置から架台12の移動が開始する前に、カウントダウンのアラーム音をスピーカ16から出力させる制御を実行する。
なお、カウントダウンのアラーム音は、特に限定されず、音量が徐々に大きくなる等の変化を伴う電子音を採用してもよいし、「5、4、3、2、1」や「もうすぐ撮影を開始します。」といったメッセージ音声を採用してもよい。
このようなカウントダウンのアラーム音の出力が終了すると、駆動制御部72の制御により、カメラ11を搭載した架台12の移動が開始する。そして、等速移動中のカメラ11により被写体が1000回連続撮影されることになる。従って、被写体が人間の場合、その被写体者は、アラーム音を静止状態で聞きながら、ポーズを整える等撮影の準備を適切に行うことができる。
【0054】
記録制御部74は、通信部29によって受信した、カメラ11から転送されてくる1000枚分の画像データを、立体画像の視差画像の元になる原画像のデータとして、総合制御部61を介して記憶部28に記録させる制御を実行する。
表示制御部63は、例えばGUI用の画像(後述する図6参照)等、各種画像を表示部27に表示させる制御を実行する。
【0055】
次に、このような図3の機能的構成を有する撮影システム1が実行する撮影用動作処理について説明する。
図5は、撮影用動作処理の流れを説明するフローチャートである。
【0056】
撮影用動作処理は、撮影制御装置14の操作者(撮影者)が操作部26を用いて所定の操作を行った場合、その操作を契機として開始される。
【0057】
ステップS11において、撮影制御装置14の駆動制御部72は、カメラ11を搭載した架台12を、駆動レール18の略中央位置(センサ15の配置位置であって、以下「レール中央」と呼ぶ)に移動させ停止させる。
この状態で、撮影制御装置14の操作者(撮影者)は、被写体の構図やポーズ等を決めることができる。被写体が人間の場合、当然ながら、被写体者は、ポーズ等を自身で決定してもよい。被写体者は、レール中央の前に位置するのが望ましい。
この場合、カメラ11の撮影動作のみを開始させ(内部メモリ43に記録するか否かは任意)、カメラ11の映像を、撮影制御装置14の表示部27に表示させるようにしてもよい。具体的には本実施形態では、カメラ11の映像は、次のステップS12の処理でGUI用の画像に表示される。これにより、撮影制御装置14の操作者(撮影者)は、カメラの映像をリアルタイムで確認できる。
【0058】
ステップS12において、撮影制御装置14の表示制御部63は、GUI用の画像を表示部27に表示させる。
図6は、GUI用の画像の一例を示している。図6に示すように、GUI用の画像101は、上方から順に、3つの表示領域111〜113に区分されている。
表示領域111は、カメラ11が現在撮影している撮影画像、即ち、いわゆるスルー画像やライブビュー画像を表示する。
表示領域112は、撮影制御装置14の操作者(撮影者)により設定された内容を表示する。なお、表示領域112の詳細については、後述する図5のステップS13及びS14の説明の際に併せて説明する。
表示領域113には、撮影制御装置14の操作者(撮影者)が撮影用動作処理を進行させる上で各種指示を行うための各種ソフトウェアボタン131〜145が配置される。なお、ソフトウェアボタン131〜145に割り当てられた機能については、後述する図5のステップS18の単周期モード処理又はステップS20の反復モード処理において、対応するソフトウェアボタンの押下操作の説明が必要になる際に併せて説明する。
【0059】
ステップS13において、撮影制御装置14の総合制御部61は、操作者(撮影者)による操作部26の設定の操作を受け付ける。
ステップS14において、総合制御部61は、当該操作内容に基づいて各種設定を行う。
【0060】
具体的には、操作者(撮影者)は、操作部26による設定の操作として、図6のGUI用の画像101の表示領域112に表示される入力ボックス121〜124の各々に、所望な数値を入力する。
すると、総合制御部61は、ステップS13の処理として、入力ボックス121〜124の各々に入力された数値を取得する。
【0061】
総合制御部61は、「カメラ撮影スピード」と表示された右方の入力ボックス121に入力された数値を、カメラ11の連続撮影の速度(コマ/sec)として取得する。
図6の例では、入力ボックス121には「1000」が入力されているので、総合制御部61は、カメラ11の連続撮影の速度として1000(コマ/sec)を取得する。
【0062】
総合制御部61は、「撮影時間」と表示された右方の入力ボックス122に入力された数値を、カメラ11の連続撮影のうち、記録用の連続撮影の時間(msec)として取得する。図6の例では、入力ボックス122には「1000」が入力されているので、総合制御部61は、記録用の連続撮影の時間として1000(msec)=1(sec)を取得する。
なお、記録用の連続撮影をしている時間帯においては、カメラ11が搭載されている架台12を等速度に保つ必要がある。そこで、等速度で架台12(カメラ11)が移動している駆動レール18の範囲を、「等速区間」と適宜呼ぶ。
【0063】
総合制御部61は、「撮影範囲」と表示された右方の入力ボックス123に入力された数値を、カメラ11の連続撮影の記録用の連続撮影が行われる範囲として、具体的には架台12(カメラ11)が移動する範囲(mm)として取得する。図6の例では、入力ボックス123には「1500」が入力されているので、総合制御部61は、記録用の連続撮影が行われる範囲として1500(mm)を取得する。
【0064】
なお、記録用の連続撮影が行われる範囲は、等速区間内である必要があり、本実施形態では、記録用の連続撮影が行われる範囲と、等速区間とは一致させるものとする。即ち、本実施形態では、入力ボックス123の入力値が、等速区間として指示された値になる。
【0065】
総合制御部61は、「加減速時間」と表示された右方の入力ボックス124に入力された数値を、上述の等速区間の前後の加減速時間(msec)として取得する。図6の例では、入力ボックス124には「200」が入力されているので、総合制御部61は、等速区間の前後の加減速時間として200(msec)を取得する。
【0066】
ここで、記録用の連続撮影を開始するためには、カメラ11を搭載している架台12の移動速度が、等速区間における等速度に到達することが必要であり、そのためには、当該等速度を目標速度として、架台12を加速させなければならない。このように、目標速度に至るまで架台12を加速させるための駆動レール18の範囲が必要であり、このような範囲を以下「加速区間」と呼ぶ。
また、記録用の連続撮影を終了するためには、架台12の移動速度が等速度から0に到達すること、即ち、架台12を停止させることが必要であり、そのためには、架台12を減速させなければならない。このように、等速度から速度0に至るまで架台12を減速させるための駆動レール18の範囲が必要であり、このような範囲を以下「減速区間」と呼ぶ。
即ち、等速区間の前後の加減速時間とは、加速区間及び減速区間における架台12の通過時間を意味する。
【0067】
このようにして、撮影制御装置14の総合制御部61は、ステップS13の処理として、図6の入力ボックス121〜124の入力値を受け付ける。
すると、次のステップS14において、総合制御部61は、これらの入力値に基づいて、図7や図8に示すような各種設定を行う。
【0068】
図7は、カメラ11及び架台12と、駆動レール18との関係を示す正面図である。
図7においては、被写体は手前に存在する構図となっている。
【0069】
カメラ11を搭載している架台12は、駆動レール18の左方の位置P1から右方の位置P4まで移動可能となっている。
即ち、駆動レール18の左方の位置P1から右方の位置P4までの範囲Wが、架台12の移動可能範囲であり、移動可能範囲は、上述したように2000(mm)とされている。
なお、駆動レール18は、この移動可能範囲Wを確保できるよう、2000(mm)を超えた長さを有している。
【0070】
また、駆動レール18の左方の位置P2から右方の位置P3までの範囲Wが、架台12の等速区間であり、図6に示す「撮影範囲」と表示された右方の入力ボックス123に入力された数値が設定される。図6の例では、入力ボックス123には「1500」が入力されているので、総合制御部61は、ステップS14の処理の一部として、等速区間である範囲Wとして1500(mm)を設定する。
【0071】
次に、総合制御部61は、ステップS14の処理の一部として、等速区間である範囲W=1500(mm)内で、架台12と共に等速度移動するカメラ11が連続撮影するための設定を行う。
先ず、総合制御部64は、等速度で移動時の架台12の移動速度を設定する。図6の例では、記録用の連続撮影の時間として、「撮影時間」と表示された右方の入力ボックス122の入力値、即ち1000(msec)=1(sec)が取得されている。従って、この1(sec)の間に、等速区間である範囲W=1500(mm)内をカメラ11(架台12)が等速度で通過すればよいので、その移動速度は、1500(mm/sec)が設定される。
また、総合制御部64は、カメラ11の連続撮影の間隔を設定する。図6の例では、カメラ11の連続撮影の速度として、「カメラ撮影スピード」と表示された右方の入力ボックス121に入力された数値、即ち1000(コマ/sec)が取得されている。従って、図7に示すように、等速区間である範囲W=1500(mm)内において、1/1000秒間隔の時刻t〜t1000の各々のタイミングで、カメラ11が繰り返し連続撮影することが設定される。即ち、等速区間である範囲W=1500(mm)内において、1/1000秒間隔で1000枚の画像データが取得されることが設定される。
その他、「加減速時間」と表示された右方の入力ボックス124に入力された数値に基づいて、加速期間及び減速期間の設定が行われる。
【0072】
図5に戻り、ステップS14において、このような各種設定が行われると、処理はステップS15に進む。
ステップS15において、総合制御部61は、設定内容に異常があるか否かを判定する。
ここで、図8を参照して、設定内容の異常可否の手法の一例について説明する。
【0073】
図8は、架台12(カメラ11)の移動速度と経過時間とを示すチャート図である。
上述した例を用いると、移動速度として1500(mm/sec)が設定され、等速区間の時間(記録用の連続撮影の時間)として1000(msec)が設定されている。また、加速期間及び減速期間の時間(加減速時間)として200(msec)が設定されている。
この場合、図8(1)に示すように、加減速時も含めて架台12の移動距離は、次の式(1)に示すように、1800(mm)となる。
1500(mm/sec)×1.0(sec)+(1500(mm/sec)×0.2(sec)÷2)×2=1800(mm)
・・・(1)
ここで、移動可能範囲Wは2000(mm)であるため、現段階の設定のままで問題なく架台12の移動できることがわかる。
このような場合、図5のステップS15においてNOであると判定されて、処理はステップS17に進む。ただし、ステップS17以降の処理は後述する。
【0074】
これに対して、図8(2)は、設定内容に無理があり異常がある場合の例を示している。
図8(2)の例では、移動速度として1500(mm/sec)が設定され、等速区間の時間(記録用の連続撮影の時間)として1000(msec)が設定されている。ここまでの設定は図8(1)の例と同一である。
ただし、図8(2)の例では、加速期間及び減速期間の時間(加減速時間)として400(msec)が設定されているものとする。
この場合、図8(2)に示すように、加減速時も含めて架台12の移動距離は、次の式(2)に示すように、2100(mm)となる。
1500(mm/sec)×1.0(sec)+(1500(mm/sec)×0.4(sec)÷2)×2=2100(mm)
・・・(2)
ここで、移動可能範囲Wは2000(mm)であるため、現段階の設定では、架台12の移動は不可能であること、即ち設定内容に無理があり異常があることがわかる。
このような場合、図5のステップS15においてYESであると判定されて、処理はステップS16に進む。
なお、その他、ステップS13の処理で受け付けられた内容が所定の設定範囲を超えていたり、受け付けられた各内容に基づく設定内容に矛盾が生じている場合にも、ステップS15においてYESであると判定されて、処理はステップS16に進む。
【0075】
ステップS16において、表示制御部63は、表示部27にエラー表示を行う。
具体的には、図示しないが、表示部27には、所定の設定範囲を超えた値が入力されたことや、各設定内容に矛盾が生じたことを報知する画像が表示される。撮影制御装置14の操作者(撮影者)がこのエラー表示を見ることにより、設定ミスをいち早く認識することができる。
エラー表示が行われると、処理はステップS13に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
即ち、撮影制御装置14の操作者(撮影者)は再設定の操作をし、ステップS13の処理でその操作が受け付けられ、ステップS14の処理で再設定が行われる。
再設定の内容が異常なければ処理はステップS17に進む。
【0076】
この段階で、撮影制御装置14の操作者(撮影者)は、記録用の連続撮影のモードとして、単周期モードと反復モードとを選択することができる。
【0077】
単周期モードとは、1回だけ、カメラ11を搭載している架台12を、駆動レール18の長手方向の一端の位置P1(図7参照)からスタートさせ、他端の位置P4まで移動させ、その間に記録用の連続撮影を行うモードをいう。
このような単周期モードを選択する機能が、図6の表示領域113における「単周期モード」と表示されたソフトウェアボタン142(以下、「単周期ボタン142」と呼ぶ)に割り当てられている。
即ち、撮影制御装置14の操作者(撮影者)は、単周期ボタン142を押下操作することによって、単周期モードを選択することができる。
【0078】
一方、反復モードとは、上述の単周期モードと同様の架台12(カメラ11)の移動を繰り返し、即ち、架台12(カメラ11)の駆動レール18における長手方向の一端から他端(位置P1からP4まで)の往復運動を繰り返し、被写体の準備が整った段階で、記録用の連続撮影を行うモードをいう。
このような反復モードを選択する機能が、図6の表示領域113における「反復モード」と表示されたソフトウェアボタン143(以下、「反復ボタン143」と呼ぶ)に割り当てられている。
即ち、撮影制御装置14の操作者(撮影者)は、反復ボタン143を押下操作することによって、反復モードを選択することができる。
【0079】
ステップS17において、総合制御部61は、単周期モードが選択されたか否かを判定する。
【0080】
上述の如く、単周期ボタン142が押下操作された場合には、ステップS17においてYESであると判定されて、処理はステップS18に進む。
ステップS18において、図3の撮影制御装置14の撮影用動作部62は、上述の単周期モードによる記録用の撮影動作のための処理(以下、「単周期モード処理」と呼ぶ)を実行する。
なお、単周期モード処理の詳細については、図9を参照して後述する。
ステップS21において、カメラ11は、連続して撮影した画像データを撮影制御装置14に転送する。具体的には、カメラ11の主制御部41は、カメラ11の内部メモリ43に一時的に記録されている画像のデータを、通信部44を通じて撮影制御装置14に転送する。
ステップS22において、撮影制御装置14の記録制御部74は、カメラ11から転送されてきた画像データを通信部29に受信させ、総合制御部61を介して記憶部28に記憶させる。
これにより、撮影用動作処理は終了となる。
【0081】
これに対して、単周期ボタン142が押下操作されていない場合には、ステップS17においてNOであると判定されて、処理はステップS19に進む。
ステップS19において、総合制御部61は、反復モードが選択されたか否かを判定する。
【0082】
上述の如く、反復ボタン143が押下操作された場合には、ステップS19においてYESであると判定されて、処理はステップS20に進む。
ステップS20において、撮影用動作部62は、上述の反復モードによる記録用の撮影動作のための処理(以下、「反復モード処理」と呼ぶ)を実行する。
なお、反復モード処理の詳細については、図11を参照して後述する。
ステップS21において、カメラ11は、画像データを撮影制御装置14に転送する。
ステップS22において、撮影制御装置14の記録制御部74は、カメラ11から転送されてきた画像データを記憶部28に記憶させる。
これにより、撮影用動作処理は終了となる。
【0083】
なお、単周期ボタン142も反復ボタン143も押下操作されていない場合、ステップS17NO,S19NOのループ処理が繰り返し実行されて、撮影用動作処理は待機状態になる。
また、ステップS22において、撮影制御装置14の記録制御部74は、カメラ11が安定して移動している等速運動中に連続撮影された画像データを通信部29に受信させ、総合制御部61を介して記憶部28に記憶させ、立体画像を作製する画像データに採用するとよい。
【0084】
次に、図9を参照して、図5の撮影用動作処理のうち、ステップS18の単周期モード処理の詳細な流れについて説明する。
図9は、単周期モード処理の流れを説明するフローチャートである。
上述したように、図5のステップS15の処理で設定内容に異常がないと判定された後、単周期ボタン142が押下操作された場合には、ステップS17においてYESであると判定されて、処理はステップS18に進み、単周期モード処理として次のような処理が実行される。
【0085】
即ち、図9のステップS31において、駆動制御部72は、カメラ11が搭載されている架台12を駆動レール18のレール中央から左端(例えば図7の位置P1)まで移動させる。
その後、駆動制御部72は、動作開始信号をカメラ11に送信する。
ステップS32において、カメラ11の主制御部41は、撮影制御装置14からの動作信号が通信部44に受信されると、撮影部42を制御して連続撮影動作を開始させる。
ステップS33において、報知制御部73は、カウントダウンアラーム音をスピーカ16から発音する。
【0086】
ステップS34において、駆動制御部72は、カウントダウンアラーム音によるカウントダウンが終了したか否かを判定する。
カウントダウンが終了していない場合、ステップS33においてNOであると判定されて、処理はステップS33に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
即ち、カウントダウンアラーム音によるカウントダウンが終了するまでの間、ステップS33,S34NOのループ処理が繰り返し実行されることによって、単周期モード処理が待機状態になる。
この間、被写体が人間の場合、被写体者は、記録用の連続撮影の準備をすることができる。即ち、被写体者は、記録用の連続撮影が終了するまでの間(本実施形態では1秒間)、呼吸や瞬きを含めて可能な限り変化しないことが望まれる。このため、被写体者は、このカウントダウンアラーム音を合図にして、気持ちを整理させたり体を静止させる等、記録用の連続撮影のための精神的かつ身体的な準備をすることができる。
その後、カウントダウンアラーム音によるカウントダウンが終了すると、ステップS34においてYESであると判定されて、処理はステップS35に進む。
【0087】
ステップS35において、駆動制御部72は、目標速度になるまで架台12を駆動レール18の左端の位置P1(図7参照)から右端の位置P4へ向けて加速させ、目標速度に達したら、等速度で移動させる制御を開始する。
【0088】
ステップS36において、図3のカメラ11の主制御部41は、架台12(カメラ11)が駆動レール18のレール中央を通過したか否かを判定する。具体的には、主制御部41は、駆動レール18の長手方向の略中央に設けられたセンサ15の検出信号が通信部44に受信されたか否かを判定する。
架台12が駆動レール18のレール中央をまだ通過していない場合、ステップS36においてNOであると判定されて、処理はステップS36に戻される。即ち、架台12が駆動レール18の中央を通過するまでの間、ステップS36の判定処理が繰り返され、単周期モード処理は待機状態になる。
その後、架台12が駆動レール18のレール中央を通過すると、センサ15の検出信号が通信部44に受信され、その結果、ステップS36においてYESであると判定されて、処理はステップS37に進む。
【0089】
ステップS37において、カメラ11の主制御部41は、架台12が駆動レール18のレール中央を通過した時点(センサ15の検出信号が受信された時点)に撮影された画像データに、所定のマークをつけた上で、内部メモリ43に記憶させる。
ここで、マークの技術的意義について、図10を参照して説明する。
【0090】
図10は、センタトリガ方式により画像データを記憶する手法を説明する図であって、内部メモリ43の領域の構造例である。センタトリガ方式は、トリガ設定として設定可能な1つの方式である。
センタトリガ方式とは、センサ15の検出信号の受信を、記録用の連続撮影の時間の半分が経過したトリガであると解釈し、トリガを中心とした前後の1000枚の画像データを内部メモリ43に記録して、撮影制御装置14に転送する方式である。
【0091】
例えば、図10(1)に示すように、1010回目の画像データが内部メモリ43に記録された時点でセンサ15の検出信号が受信された場合、カメラ11の主制御部41は、1010回目の画像データに対して、例えばマークとしてのトリガAをつけて内部メモリ43に記録する。
【0092】
この場合、図10(2)に示すように、トリガAが付けられた画像データを中心として、トリガAが付けられる前に記録された500枚分の画像データと、トリガAが付けられた後に記録されていく500枚分の画像データとが、撮影制御装置14に対する転送対象のデータになる。
【0093】
即ち、内部メモリ43が例えば1000枚分の容量を有しており、1010回目の画像データにトリガAが付けられた場合には、その容量の半分である500回分の撮影画像(511〜1010回目の撮影画像)の各データが保持される。そして、その後、さらに500回分の撮影画像(1011〜1510回目のフレーム)の各データが、容量の残り半分に新たに記録されていく。
【0094】
なお、内部メモリ43の容量が1000枚分より大きい場合、例えば1100枚分の場合、次のように取り扱われる。
即ち、トリガAが付けられたn回目の画像データの直前の550回分の撮影画像(n−550〜n回目の撮影画像)の各データが内部メモリ43に保持される。その後、さらに550回分の撮影画像(n+1回目〜n+550回目の撮影画像)のデータが内部メモリ43に新たに記録される。
この場合、1100枚のうち1000枚のみが転送対象となるならば、トリガAが付けられた画像データを中心にして、その直前の500枚分とその直後の500枚分とを合わせた、合計1000枚分の画像データが、撮影制御装置14に対する転送対象のデータになる。
【0095】
ここで、トリガAが付けられた画像データを中心にして、その直前の500枚分とその直後の500枚分とを合わせた、合計1000枚分の画像データとは、上述した図5のステップS13及びS14の設定により丁度等速期間内に撮影されたものになる。
よって、このような1000枚分の画像データが、撮影制御装置14に転送されて、これらの画像データが原画像のデータとして用いられることで、適切な視差画像のデータが生成され、その結果、鑑賞者の脳内で正確な立体画像が認識されることになる。即ち、センタトリガ方式を用いることは、立体画像の質を高めることに貢献する。
【0096】
図9に戻り、ステップS38において、記録制御部74は、内部メモリ43のメモリ量の半分を撮影したか否かを判定する。
即ち、ステップS37の処理で駆動レール18のレール中央通過時の画像データに対してマーク(上述の例ではトリガA)が付けられてから、さらに内部メモリ43のメモリ量の半分の画像データが記憶されたか否かが判定される。
メモリ量の半分が撮影されていないと判定された場合には、ステップS38においてNOであると判定されて、処理はステップS38に戻される。即ち、ステップS38の処理が繰り返し実行されている間、架台12(カメラ11)は等速度で移動し続け、その間、カメラ11は連続撮影動作を繰り返し、連続撮影の都度、画像データが内部メモリ43に順次蓄積されていく。
その後、内部メモリ45のメモリ量の半分を撮影したと判定された場合には、ステップS38においてYESであると判定されて、処理はステップS39に進む。
【0097】
ステップS39において、カメラ11の主制御部41は、連続撮影動作を停止する。
ステップS40において、図3の撮影制御装置14の駆動制御部72は、架台12を減速させ、駆動レール18の右端の位置P4(図7参照)に到達したか否かを判定する。
架台12が駆動レール18の右端の位置P4に到達していない場合には、ステップS40においてNOであると判定されて、処理はステップS40に戻される。即ち、架台12が駆動レール18の右端に到達するまでの間、ステップS40のループ処理が繰り返し実行されて、単周期モードは待機状態になる。
その後、架台12が駆動レール18の右端に到達すると、ステップS40においてYESであると判定されて、処理はステップS41に進む。
【0098】
ステップS41において、駆動制御部72は、架台12(カメラ11)を駆動レール18のレール中央に移動させる。
これにより、単周期モード処理が終了となる。即ち、図5のステップS18の処理が終了し、ステップS21の処理で、マークが付けられた画像データを中心に前後合わせて1000枚分の画像データがカメラ11の内部メモリ43から読み出されて、撮影制御装置14に転送される。そして、ステップS22の処理で、1000枚分の画像データは、立体画像の視差画像の元になる原画像のデータとして撮影制御装置14の記憶部28に記憶される。
【0099】
次に、図11を参照して、図5の撮影用動作処理のうち、ステップS20の反復モード処理の詳細な流れについて説明する。
図11は、反復モード処理の流れを説明するフローチャートである。
上述したように、図5のステップS15の処理で設定内容に異常がないと判定された後、反復ボタン143が押下操作された場合には、ステップS17においてNOであると判定された後にステップS19においてYESであると判定されて、処理はステップS20に進み、反復モード処理として次のような処理が実行される。
【0100】
即ち、図11のステップS131において、駆動制御部72は、カメラ11が搭載された架台12を駆動レール18のレール中央から左端の位置P1(図7参照)まで移動させる。
ステップS132において、カメラ11の主制御部41は、撮影部42を制御して連続撮影動作を開始させる。
ステップS133において、報知制御部73は、カウントダウンアラーム音をスピーカ16から発音する。
【0101】
ステップS134において、駆動制御部72は、カウントダウンアラーム音によるカウントダウンが終了したか否かを判定する。
カウントダウンが終了していない場合、ステップS133においてNOであると判定されて、処理はステップS133に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
即ち、カウントダウンアラーム音によるカウントダウンが終了するまでの間、ステップS133,S134NOのループ処理が繰り返し実行されることによって、反復モード処理が待機状態になる。
その後、カウントダウンアラーム音によるカウントダウンが終了すると、ステップS134においてYESであると判定されて、処理はステップS135に進む。
【0102】
ステップS135において、駆動制御部72は、目標速度になるまで架台12を駆動レール18の左端の位置P1(図7参照)から右端の位置P4へ向けて加速させ、目標速度に達したら等速度で移動させる制御を開始する。
【0103】
ステップS136において、駆動制御部72は、架台12が駆動レール18の右端の位置P4に近づくと、減速させ、位置P4まで移動させる制御を行い、位置P4に到達したか否かを判定する。
架台12が駆動レール18の右端に到達していない場合には、ステップS136においてNOであると判定されて、処理はステップS136に戻される。即ち、架台12が駆動レール18の右端に到達するまでの間、ステップS136のループ処理が繰り返し実行されて、反復モードは待機状態になる。
その後、架台12が駆動レール18の右端に到達すると、ステップS136においてYESであると判定されて、処理はステップS137に進む。
ステップS137において、駆動制御部72は、架台12(カメラ11)を駆動レール18の右端の位置P4から左端の位置P1まで、省電力のために低速で移動させる。なお、この場合の移動速度は、等速度である必要は特にない。
【0104】
ステップS138において、総合制御部61は、センサ15はオン状態であるか否かを判定する。
センサ15がオフ状態の場合、ステッS138においてNOであると判定されて、処理はステップS133に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、センサ15がオフ状態の場合、ステップS133〜S138のループ処理が繰り返し実行され、架台12(カメラ11)は駆動レール18の位置P1とP4の間を往復運動することとなる。
ここで、センサ15がオフ状態とは、架台12が駆動レール18のレール中央を通過しても、センサ15の検出信号は出力されない状態をいう。そのため、画像データもカメラ11から転送されてこない。なお、記録用が転送されてこないという意であり、モニタ用には転送されてくる点に注意が必要である。
従って、被写体者は、架台12の移動動作に関する各種情報を、架台12の往復運動中に容易に理解することができる。特に、往復運動の開始時、即ち右端から架台12が左端に戻った時に、カウントダウンアラーム音が出力される。よって、被写体者は、カウントダウンアラーム音が鳴って架台12が再び動き出す間隔、動き出した架台12がレール中央を通過するまでの間隔、ポーズを決め続けるべき時間等、連続撮影のための精神的かつ身体的な準備を、単周期モード処理時よりも念入りに行うことができる。
【0105】
被写体者の準備が完了したら、撮影制御装置14の操作者(撮影者)は、記録用の連続撮影が本番になることを被写体者に告知して、センサ15をON状態にする。
ここで、センサ15のOFF状態からON状態への切り替え手法は、特に限定されないが、図6のGUI用の画像101を用いる手法が採用されているものとする。
即ち、センサ15をOFF状態からON状態へ切り替える機能が、図6の表示領域113における「センサON」と表示されたソフトウェアボタン144(以下、「センサONボタン144」と呼ぶ)に割り当てられている。
従って、撮影制御装置14の操作者(撮影者)は、センサONボタン144を押下操作することによって、センサ15をOFF状態からON状態へ切り替えることができる。
これにより、次に、架台12(カメラ11)が左端からレール中央を通過するときに、センサ15のセンサ信号が出力されることになるので、単周期モード処理の開始時とほぼ等価な状態になる。
このような場合、ステップS138の処理でYESであると判定されて、処理はステップS139に進む。
【0106】
ステップS139において、撮影用動作部62は、単周期モード処理とほぼ等価な記録用の連続撮影動作のための処理(以下、「本番撮影用動作処理」と呼ぶ)を実行する。
【0107】
ここで、実際にセンサ15を動作させるタイミングは、ステップS137において、架台12が駆動レール18の左端に到着した後におけるステップS138において、「センサON」ボタン144が押下された(ステップS138:Yes)ときであると好適である。なぜならば、架台12が、駆動レール18の右端を出発してセンサ15を通過する前に、撮影者が誤って図6のセンサONボタン144を押下した場合に、直ちにセンサ15を動作させてしまうと、本番撮影ではないのにも拘わらず、センサ15がトリガを出力してしまい、撮影が終了してしまうからである。
【0108】
図12は、ステップS139の本番撮影用動作処理の流れを説明するフローチャートである。
図12と図9とを比較すれば容易にわかることであるが、図12のステップS233〜S241の処理は、図9のステップS33〜41の処理と基本的に同様の処理である。よって、図12の本番撮影用動作処理の説明は、ここでは省略する。
【0109】
このようなステップS139の本番撮影用動作処理が終了すると、図11の反復モード処理が終了する。即ち、図5のステップS20の処理が終了し、ステップS21の処理で、マークが付けられた画像データを中心に前後合わせて1000枚分の画像データがカメラ11の内部メモリ43から読み出されて、撮影制御装置14に転送される。そして、ステップS22の処理で、1000枚分の画像データは、立体画像の視差画像の元になる原画像のデータとして撮影制御装置14の記憶部28に記憶される。
【0110】
ここで、撮影用動作処理の説明で登場しなかった、図6のGUI用の画像101のソフトウェアボタン131,132,141,145につても、簡単に説明しておく。
撮影制御装置14の操作者(撮影者)は、このGUI用の画像101を用いることによって、カメラ11の撮影動作の開始と停止を直接指示することができる。
具体的には、カメラ11の撮影動作の開始の指示の機能が、「開始」と表示されたソフトウェアボタン131(以下、「開始ボタン131」と呼ぶ)に割り当てられている。また、カメラ11の撮影動作の停止の指示の機能が、「停止」と表示されたソフトウェアボタン132(以下、「停止ボタン132」と呼ぶ)に割り当てられている。
従って、撮影制御装置14の操作者(撮影者)は、開始ボタン131を押下操作することで、カメラ11の連続撮影動作の開始を直接指示することができ、停止ボタン132を押下操作することで、カメラ11の連続撮影動作の停止を直接指示することができる。
【0111】
また、撮影制御装置14の操作者(撮影者)は、このGUI用の画像101を用いることによって、カメラ11を搭載している架台12をデフォルト位置としてのレール中央まで移動させる指示と、架台12(カメラ11)の移動を停止する指示とを直接行うことができる。
具体的には、架台12をレール中央まで移動させる指示の機能が、「中心」と表示されたソフトウェアボタン141(以下、「中心ボタン141」と呼ぶ)に割り当てられている。また、架台12の移動の停止の指示の機能が、「停止」と表示されたソフトウェアボタン145(以下、「停止ボタン145」と呼ぶ)に割り当てられている。
従って、撮影制御装置14の操作者(撮影者)は、中心ボタン141を押下操作することで、架台12をレール中央まで移動させる指示を直接することができ、停止ボタン145を押下操作することで、架台12の停止を直接指示することができる。
【0112】
以上説明したように、本実施形態に係る撮影システム1は、カメラ11と、架台12と、撮影制御装置14とを備えている。
カメラ11は、撮影装置として機能する。具体的にはカメラ11は、被写体を連続撮影して、その都度得られる画像データを内部メモリ43に記憶し、トリガが与えられた後、内部メモリ43に記憶された画像データを出力する。
架台12は、カメラ11を取り付け、一定の軌道で移動可能に構成される。
撮影制御装置14は、カメラ11の動作、及び、カメラ11が取り付けられた架台12の移動を制御すべく、撮影制御部71〜記録制御部74を備えている。
報知制御部73は、架台12の移動を開始するタイミングを被写体に報知する制御を実行する。
駆動制御部72は、報知制御部73による報知の終了後、架台12を駆動して、架台12を一定の軌道に、所定の加速、等速、減速で移動させる制御を実行する。
撮影制御部71は、架台12が移動している間、カメラ11が被写体を連続撮影する制御を実行する。
記録制御部74は、トリガが与えられた後にカメラ11から出力された画像データを取得して、記憶部28に記録する制御を実行する。
【0113】
このように、本実施形態の撮影システム1は、カメラ11を搭載している架台12の移動を開始するタイミングを被写体に報知する。よって、被写体が人間である場合、被写体者は、報知を確認すると、報知を受けてから記録用の連続撮影が開始されるまでの間に、気持ちの整理や体の静止等、撮影のための精神的かつ身体的な準備をしっかりと行うことができる。
即ち、立体画像の撮影時には、同位置において撮影向きを変えた連続した撮影画像が多数(本実施形態では1000枚)必要となる。このため、被写体者に対して記録用の連続撮影が終了するまでの間は、呼吸や瞬きを含めて可能な限り変化しないことが要求される。このような要求に応えるためには、たとえ1秒の間であったとしても、被写体者にとって、精神的集中や気持ちの整理を行うことは必要不可欠である。換言すると、被写体者は、精神的集中や気持ちの整理を行えなければ、記録用の連続撮影に対する負担が過大になる。
【0114】
<変形例>
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0115】
(トリガ方式の変形例)
上記実施形態では、トリガ設定、即ち、図3のカメラ11の内部メモリ43への画像データの記憶方式は、上述の実施形態ではセンタトリガ方式が採用されたが、特にこれに限定されない。
例えば、スタートトリガ方式や、エンドトリガ方式等を採用することができる。
【0116】
図13は、スタートトリガ方式により画像データを記憶する手法を説明する図であって、内部メモリ43の領域の構造例である。
スタートトリガ方式とは、架台12が等速運動を始める位置P2付近にセンサ15を設置し、センサ15の検出信号の受信を、記録用の連続撮影の開始のトリガであると解釈し、トリガの後の1000枚の画像データを内部メモリ43に記録して、撮影制御装置14に転送する方式である。
【0117】
例えば、図13(1)に示すように、1010回目の画像データが内部メモリ43に記録された時点でセンサ15の検出信号が受信された場合、カメラ11の主制御部41は、1010回目の画像データに対して、例えばマークとしてのトリガAをつけて内部メモリ43に記録する。
【0118】
この場合、図13(2)に示すように、トリガAが付けられた画像データの次の回のデータを最初のデータとして、トリガAが付けられた後に内部メモリ43の容量の領域に記録される1000枚分の撮影画像(1011〜2010回目の撮影画像)のデータが、撮影制御装置14に対する転送対象のデータになる。
【0119】
図14は、エンドトリガ方式により画像データを記憶する手法を説明する図であって、内部メモリ43の領域の構造例である。
エンドトリガ方式とは、架台12が等速運度を終える位置P3付近にセンサ15を設置し、センサ15の検出信号の受信を、記録用の連続撮影の終了のトリガであると解釈し、トリガの前の1000枚の画像データを内部メモリ43に記録して、撮影制御装置14に転送する方式である。
【0120】
例えば、図14(1)に示すように、1010回目の画像データが内部メモリ43に記録された時点でセンサ15の検出信号が受信された場合、カメラ11の主制御部41は、1010回目の画像データに対して、例えばマークとしてのトリガAをつけて内部メモリ43に記録する。
【0121】
この場合、図14(2)に示すように、トリガAが付けられた画像データを最後のデータとして、トリガAが付けられる前に内部メモリ43の容量の領域に記録された1000枚分の撮影画像(11〜1010回目の撮影画像)のデータが、撮影制御装置14に対する転送対象のデータになる。
【0122】
(連続撮影停止判断の変形例)
上記実施形態では、図9に示すステップS38や図12に示すステップS238において、連続撮影停止判断のために、記録制御部74は、内部メモリ43のメモリ量の半分を撮像したか否かを判定した。
その代わりに、記録制御部74が、必要な画像データの枚数分の撮影を完了したか否かを判定するようにしてもよい。ここで、必要な画像データの枚数とは、入力ボックス121に入力された連続撮影速度と、入力ボックス122に入力された撮影時間に基づいて計算される画像データの枚数である。
【0123】
(加減速制御の変形例)
上記実施形態では、図8に示すように、加速区間や減速区間では、架台12を等加速度運動させているが、架台12の速度変化はこれに限らず、速度変化を滑らかにして架台12の振動を防止するため、目標速度に至るまでの間と、等速運動から減速するときに、S字曲線状に速度変化させるようにしてもよい。
例えば、架台12の駆動レール18上における位置等を、駆動レール18に設けられたスケール等を連続的に検知しながら求め、駆動モーターのトルクやブレーキを適応制御しながら、架台12をS字曲線状に速度変化させるとよい。
この場合、撮影制御装置14における駆動制御部72に対しては、S字曲線加速時間、S字曲線減速時間、駆動モーターのトルクやブレーキを適応制御するためのサンプリング時間(サンプリング周波数でもよい)を設定できるようにするとよい。
【0124】
(撮影条件設定の変形例)
上記実施形態では、撮影条件として、カメラ撮影スピード(コマ/sec)や撮影時間(msec)等を設定できるようにしているが(図6参照)、画像のブレを防止するために、さらに、カメラシャッタースピード(露光時間)を設定できるようにするとよい。
【0125】
(画像データの転送前後における処理の変形例)
上記実施形態では、図5に示すように、ステップS18の単周期モード処理、あるいはステップS20の反復モード処理の後、ステップS21において画像データの転送を行っている。
しかし、図9のステップS37や図12のステップS237で、架台12がレール中央通過している時の画像データにトリガが付されるが、センサ15の反応、カメラ11への信号発信の遅延等により、実際に中央を通過した際に撮影された画像データが、トリガが付された画像データからわずかに数コマずれる可能性がある。また、機器の性能だけでなく、被写体者の微妙な動きによっても、中心になるべき画像データが、トリガが付された画像データとはズレる場合がある。
【0126】
そこで、連続撮影された画像データの転送前に、この画像データに対応する画像を撮影制御装置14の表示部27(図6参照)に表示させ、中心となるべき画像データが、トリガが付された画像データからズレていないかどうか確認するようにしてもよい。そのようなズレが確認された場合には、中心となるべき画像データを識別できるようにし、連続撮影された画像データを撮影制御装置14に転送し、記憶部28に記憶させたうえで、トリガ位置を適正に修正したり、あるいは新たなトリガを付すようにするとよい。
なお、画像データを撮影制御装置14に転送する前に、この画像データに対応する画像を撮影制御装置14の表示部27に表示させるには、カメラ11の内部メモリ43に記憶された画像データを、データ量を小さく間引いたうえで、フレーム数を短くする等して、通信部44、撮影制御装置14の通信部29、総合制御部61、及び表示制御部63を通じ、画像を表示させるとよい。
【0127】
(転送画像データ数と内部メモリの変形例)
上記実施形態では、1000枚分の画像データを撮影制御装置14に転送するようにしているが、転送する画像データの数はこれに限らず、任意に設定できるようにしてもよい。そのためには、内部メモリ43のメモリ容量として、転送する画像データの予想枚数が必要とするメモリ容量よりも十分余裕をもった容量を確保するとよい。また、一回の撮影及びデータ転送を終え、別の撮影を開始する際には、内部メモリ43を空にして、既存データを残さないようにするのが望ましい。
【0128】
内部メモリ43のメモリ容量が画像データを記録するのに必要な容量よりも数倍大きい場合には、メモリ領域をいくつかの区分に分けて記録してもよい。例えば、メモリ領域を2つに分ければ、第1のメモリ領域に画像データを記録するよう指定し、撮影する。撮影後はデータ転送をすぐには行わず、第2のメモリ領域に画像データを記録するように指定すれば、2度連続して撮影することができる。そして、撮影後には、両方のメモリ領域のデータをまとめて、あるいは片方のメモリ領域のデータだけを転送することができる。
【0129】
(駆動機構の変形例)
上記実施形態では、架台12は、リニアモータによって駆動されているが、これに限定されない。例えば、架台12は、原動機(図示せず)と、該原動機に設けられたピニオン(pinion)(図示せず)とを備えていてもよい。そして、架台12は、駆動レール18の長手方向に沿って設けられたラック(rack)(図示せず)とピニオンとが係合することにより駆動するいわゆるラック・アンド・ピニオン機構により、駆動レール18を移動するようにしてもよい。
【0130】
また上記実施形態では、駆動レール18は、直線状とされたが、特に限定されず、円弧状とされてもよい。
【0131】
(報知手段の変形例)
また上記実施形態では、報知制御部73による報知の形態は、カウントダウンアラーム音とされたが、特にこれに限定されず、架台12の移動を開始するタイミングを被写体に適切に報知可能な形態であれば足りる。
例えば、被写体がポーズを取ったまま視認可能な位置にモニタ17(図3)を配置することで、架台12の移動を開始するタイミングを示す各種画像(カウントダウンの数字等)をモニタ17に表示させるようにしてもよい。
【0132】
(その他の変形例)
また例えば、上述した実施形態では、撮影制御装置14は、パーソナルコンピュータとして構成される例として説明したがこれに限られない。
【0133】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
【0134】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0135】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布されるリムーバブルメディア31(図2)により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア31は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図2のROM22や記憶部28(ハードディスク等)で構成される。
【0136】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【符号の説明】
【0137】
1・・・撮影システム、11・・・カメラ、12・・・架台、13・・・駆動装置、14・・・撮影管理装置、15・・・センサ、16・・・スピーカ、17・・・モニタ、18・・・駆動レール、19・・・脚部、21・・・CPU、22・・・ROM、23・・・RAM、24・・・バス、25・・・入出力インターフェース、26・・・操作部、27・・・表示部、28・・・記憶部、29・・・通信部、30・・・ドライブ、31・・・リムーバブルメディア、41・・・主制御部、42・・・撮影部、43・・・内部メモリ、44・・・通信部、61・・・総合制御部、62・・・撮影用動作部、63・・・表示制御部、71・・・撮影制御部、72・・・駆動制御部、73・・・報知制御部、74・・・記録制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を連続撮影して、その都度得られる画像データをメモリに記憶し、前記メモリに記憶された画像データを出力する撮影装置と、
前記撮影装置を取り付け、一定の軌道で移動可能に構成される架台と、
前記軌道内における所定位置を前記架台が通過したことを検知し、その検知したタイミングで、トリガを出力する検知装置と、
前記撮影装置の動作、及び、前記撮影装置が取り付けられた前記架台の移動を制御する撮影制御装置と、
を備える撮影システムにおいて、
前記撮影制御装置は、
前記架台の移動を開始するタイミングを被写体に報知し、
報知の終了後、前記架台を前記軌道上で移動させる制御を実行し、
前記架台が移動している間、前記撮影装置が前記被写体を連続撮影する制御を実行することを特徴とする撮影システム。
【請求項2】
前記架台の前記軌道は、前記被写体に対して、所定区間を往復する軌道であり、
前記撮影装置は、前記検知装置から出力された前記トリガを受信し、前記トリガを受信したタイミングで撮影した画像データに関連付けて記憶し、
前記撮影制御装置は、
前記検知装置の動作を禁止した状態で、前記架台の移動を開始するタイミングを被写体に報知し、報知の終了後、前記架台を前記軌道で移動させる制御を実行することを繰り返し、
前記検知装置の動作の禁止が解除されると、
前記架台の移動を開始するタイミングを被写体に報知し、
報知の終了後、前記架台を前記軌道で移動させる制御を実行し、
前記架台が移動している間、前記撮影装置が前記被写体を連続撮影する制御を実行する、
請求項1に記載の撮影システム。
【請求項3】
前記撮影制御装置は、前記トリガが出力されたタイミングを基準として、前記撮影装置から前記画像データを取得し、記録する請求項1又は2に記載の撮影システム。
【請求項4】
前記撮影制御装置は、前記架台を前記軌道上で等速運動させている間に、前記撮影装置によって連続撮影された画像データを取得し、記録することを特徴とする請求項3のうちいずれか一項に記載の撮影システム。
【請求項5】
前記検知装置は、前記軌道の中央を前記架台が通過したことを検知して、その検知したタイミングで、トリガを出力し、
前記撮影制御装置は、前記撮影装置から、前記トリガが出力されたタイミングの前後所定数の前記画像データを取得し、記録する請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の撮影システム。
【請求項6】
前記検知装置は、前記軌道内のうち、前記架台が等速運動を始める付近を通過したことを検知して、その検知したタイミングで、トリガを出力し、
前記撮影制御装置は、前記撮影装置から、前記トリガが出力されたタイミング以降所定数の前記画像データを取得し、記録する請求項4又は5に記載の撮影システム。
【請求項7】
前記検知装置は、前記軌道内のうち、前記架台が等速運動を終える付近を通過したことを検知して、その検知したタイミングで、トリガを出力し、
前記撮影制御装置は、前記撮影装置から、前記トリガが出力されたタイミング以前所定数の前記画像データを取得し、記録する請求項4〜6のうちいずれか一項に記載の撮影システム。
【請求項8】
被写体を連続撮影して、その都度得られる画像データをメモリに記憶し、前記メモリに記憶された画像データを出力する撮影装置と、
前記撮影装置を取り付け、一定の軌道で移動可能に構成される架台と、
前記軌道内における所定位置を前記架台が通過したことを検知し、その検知したタイミングで、トリガを出力する検知装置と、
前記撮影装置の動作、及び、前記撮影装置が取り付けられた前記架台の移動を制御する撮影制御装置
とを備える撮影システムにおける撮影制御装置であって、
前記架台の移動を開始するタイミングを被写体に報知する制御を実行する報知制御手段と、
前記報知制御手段の制御による報知の終了後、前記架台を駆動して、前記架台を前記軌道で移動させる制御を実行する駆動制御手段と、
前記架台が移動している間、前記撮影装置が前記被写体を連続撮影する制御を実行する撮影制御手段と
を備えることを特徴とする撮影制御装置。
【請求項9】
被写体を連続撮影して、その都度得られる画像データをメモリに記憶し、前記メモリに記憶された画像データを出力する撮影装置と、
前記撮影装置を取り付け、一定の軌道で移動可能に構成される架台と、
前記軌道内における所定位置を前記架台が通過したことを検知し、その検知したタイミングで、トリガを出力する検知装置と、
前記撮影装置の動作、及び、前記撮影装置が取り付けられた前記架台の移動を制御する撮影制御装置を備える撮影システムにおける撮影制御方法において、
前記架台の移動を開始するタイミングを被写体に報知する制御を実行する報知制御ステップと、
前記報知制御ステップの制御処理による報知の終了後、前記架台を駆動して、前記架台を前記一定の軌道で移動させる制御を実行する駆動制御ステップと、
前記架台が移動している間、前記撮影装置が前記被写体を連続撮影する制御を実行する撮影制御ステップと、
前記検知装置が、前記軌道内における所定位置を前記架台が通過したことを検知し、その検知したタイミングで、トリガを出力するトリガ出力ステップと
を含むことを特徴とする撮影制御方法。
【請求項10】
被写体を連続撮影して、その都度得られる画像データをメモリに記憶し、前記メモリに記憶された画像データを出力する撮影装置と、
前記撮影装置を取り付け、一定の軌道で移動可能に構成される架台と、
前記軌道内における所定位置を前記架台が通過したことを検知し、その検知したタイミングで、トリガを出力する検知装置と、
を制御対象として、前記撮影装置の動作、及び、前記撮影装置が取り付けられた前記架台の移動、前記検知装置の動作を制御するコンピュータに、
前記架台の移動を開始するタイミングを被写体に報知する制御を実行する報知制御ステップと、
前記報知制御ステップの制御処理による報知の終了後、前記架台を駆動して、前記架台を前記軌道で移動させる制御を実行する駆動制御ステップと、
前記架台が移動している間、前記撮影装置が前記被写体を連続撮影する制御を実行する撮影制御ステップと、
を含む制御処理を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−133090(P2012−133090A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284401(P2010−284401)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】