撮影データ認証装置、撮影データ認証システム、撮影データ認証方法及びプログラム
【課題】撮影により得られる2つの撮影データを用いて認証を行うことにより、認証の確かさを保証する。
【解決手段】情報処理装置は、第1撮影データを取得し(S1)、タイムサーバーを経由して撮影データ認証装置に送信する(S4〜S6)。撮影データ認証装置は、第1撮影データを取得すると、第2撮影データを要求する。第2撮影データは、例えば、ステップS3において確認された撮影位置に応じた被写体や、第1撮影データと同様の被写体を表すものである。情報処理装置は、この要求に応じて第2撮影データを取得し(S8)、撮影データ認証装置に送信する(S9)。撮影データ認証装置は、取得した撮影データを用いて判定を行い(S10)、判定結果に応じた所定の処理を実行する(S11)。これにより、コピー等により取得した撮影データを用いた行為を不正行為であると判断したり、撮影者がいる場所を証明したりすることができる。
【解決手段】情報処理装置は、第1撮影データを取得し(S1)、タイムサーバーを経由して撮影データ認証装置に送信する(S4〜S6)。撮影データ認証装置は、第1撮影データを取得すると、第2撮影データを要求する。第2撮影データは、例えば、ステップS3において確認された撮影位置に応じた被写体や、第1撮影データと同様の被写体を表すものである。情報処理装置は、この要求に応じて第2撮影データを取得し(S8)、撮影データ認証装置に送信する(S9)。撮影データ認証装置は、取得した撮影データを用いて判定を行い(S10)、判定結果に応じた所定の処理を実行する(S11)。これにより、コピー等により取得した撮影データを用いた行為を不正行為であると判断したり、撮影者がいる場所を証明したりすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影データを認証する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の撮影手段により得られた撮影データの正否を判断して認証する技術がある。例えば、特許文献1には、人物の身体的特徴(顔など)と時刻情報とを組み合わせて、撮影されたデータを認証する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−227747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、撮影手段を有する情報処理装置(デジタルカメラ、携帯電話等)は、一般に、時刻情報を変更することが容易である。また、人物の身体的特徴を認証に用いたとしても、例えば、ある人物が被写体となった写真を他人が撮影して撮影データを得れば、その他人が当該ある人物になりすませてしまうおそれがある。
これに対し、本発明は、撮影により得られる2つの撮影データを用いて認証を行うことにより認証の確かさを保証することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る撮影データ認証装置は、被写体を撮影して得られる撮影データである第1撮影データを情報処理装置から取得する第1取得部と、前記第1取得部により第1撮影データが取得された情報処理装置に対して、当該第1撮影データより新たに得られる撮影データを要求する要求部と、前記要求部による要求に応じた撮影データである第2撮影データを前記情報処理装置から取得する第2取得部と、前記第1取得部及び第2取得部により取得された第1撮影データと第2撮影データとの対応関係の判定結果に基づいて認証を行う認証部と、前記認証部による認証結果に応じた処理を実行する処理実行部とを備える構成を有する。この構成によれば、第1撮影データと、当該第1撮影データが取得された後に要求される第2撮影データとを用いて認証を行うため、単一の撮影データを用いただけでは判断できない不正行為を不正であると判断することが可能である。
【0006】
本発明に係る撮影データ認証装置は、前記認証部が、前記第1撮影データと前記第2撮影データの類似の度合いを表す類似度を判定する類似度判定部を備え、前記類似度が第1の閾値以上であり、当該第1の閾値より大である第2の閾値以下である場合には、前記第1撮影データを認証する構成を採用することができる。この構成によれば、コピー等により取得した撮影データを用いた場合に、これを不正であると判断することが可能である。
【0007】
本発明に係る撮影データ認証装置は、前記第1取得部が、前記第1撮影データと、当該第1撮影データに対応する位置情報とを取得し、前記要求部が、前記第1取得部により取得された位置情報と所定の対応関係を有する対応データを選択する対応データ選択部を備え、前記対応データを前記情報処理装置に送信することにより前記要求を行い、前記認証部が、前記対応データと前記第2の撮影データとが有する対応関係に基づいて認証を行う構成を採用することができる。この構成によれば、位置情報に応じた撮影データが第2撮影データとして要求されるため、撮影場所の確かさをより確実ならしめることが可能である。
【0008】
本発明に係る撮影データ認証システムは、情報処理装置と、撮影データ認証装置とを有し、前記情報処理装置が、被写体を撮影して得られる撮影データを取得する撮影部と、前記撮影データ認証装置と通信を行う第1の通信部とを備え、前記撮影データ認証装置が、前記情報処理装置と通信を行う第2の通信部と、前記第2の通信部を介して、第1撮影データを前記情報処理装置から取得する第1取得部と、前記第1取得部により第1撮影データが取得された前記情報処理装置に対して、当該第1撮影データより新たに得られる撮影データを前記第2の通信部を介して要求する要求部と、前記第2の通信部を介して、前記要求部による要求に応じた撮影データである第2撮影データを前記情報処理装置から取得する第2取得部と、前記第1取得部及び第2取得部により取得された第1撮影データと第2撮影データとの対応関係の判定結果に基づいて認証を行う認証部と、前記認証部による認証結果に応じた処理を実行する処理実行部とを備える構成を有する。
本発明に係る撮影データ認証方法は、情報処理装置が、被写体を撮影して得られる撮影データである第1撮影データを撮影データ認証装置に送信し、前記撮影データ認証装置が、前記第1撮影データを取得すると、当該第1撮影データより新たに得られる撮影データを前記情報処理装置に要求し、前記情報処理装置が、前記撮影データ認証装置からの要求に応じて第2撮影データを当該撮影データ認証装置に送信し、前記撮影データ認証装置が、前記第2撮影データを取得すると、前記第1撮影データと前記第2撮影データとの対応関係の判定結果に基づいて認証を行い、その認証結果に応じた処理を実行する。
本発明に係るプログラムは、コンピューターを、被写体を撮影して得られる撮影データである第1撮影データを情報処理装置から取得する第1取得部と、前記第1取得部により第1撮影データが取得された情報処理装置に対して、当該第1撮影データより新たに得られる撮影データを要求する要求部と、前記要求部による要求に応じた撮影データである第2撮影データを前記情報処理装置から取得する第2取得部と、前記第1取得部及び第2取得部により取得された第1撮影データと第2撮影データとの対応関係の判定結果に基づいて認証を行う認証部と、前記認証部による認証結果に応じた処理を実行する処理実行部として機能させる。
これらの撮影データ認証システム、撮影データ認証方法及びプログラムによれば、本発明に係る撮影データ認証装置と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】撮影データ認証システムの構成を示す図
【図2】情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図
【図3】タイムサーバーが実現する機能を示す機能ブロック図
【図4】撮影データ認証装置のハードウェア構成を示すブロック図
【図5】撮影データ認証装置が実現する機能を示す機能ブロック図
【図6】撮影データ認証システムにおいて行われる処理を示すシーケンスチャート
【図7】情報処理装置による表示を例示する図
【図8】判定に用いる類似度の閾値を示す図
【図9】撮影データ認証装置が実現する機能を示す機能ブロック図
【図10】対応データ選択部が対応データの選択に用いるテーブルを例示する図
【図11】情報処理装置による表示を例示する図
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
図1は、本発明の一実施形態である撮影データ認証システムの構成を示す図である。本実施形態の撮影データ認証システム10は、撮影データ認証装置100と、情報処理装置200と、タイムサーバー300とを備え、各々がネットワークNW1を介して通信可能に接続されている。ネットワークNW1は、例えば、インターネットである。
【0011】
本実施形態の撮影データ認証システム10において、情報処理装置200は、撮影データを送信する。撮影データ認証装置100は、情報処理装置200から送信された撮影データが正しいものであるとみなせるか否かを判断し、撮影データの認証を行う。タイムサーバー300は、認証に用いる時刻情報を管理する。
【0012】
図2は、情報処理装置200のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置200は、同図に示すように、制御部210と、記憶部220と、通信部230と、測位部240と、撮影部250と、操作部260と、報知部270とを備える。本実施形態の情報処理装置200には、例えば、いわゆるカメラ付き携帯電話や、通信機能を備えるデジタルカメラが相当する。
【0013】
制御部210は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置やメモリーを備え、情報処理装置200に記憶されたプログラムを実行することによって、情報処理装置200の各部を用いての撮影や通信といった動作を制御する。記憶部220は、フラッシュメモリー等の記憶媒体を備え、制御部210による制御に必要なデータを記憶する。記憶部220には、撮影者を特定するための撮影者情報が記憶されている。通信部230は、ネットワークNW1と通信を行うための通信インターフェースであり、制御部210による制御に応じてデータを送信するとともに、ネットワークNW1を介してデータを受信する。
【0014】
測位部240は、情報処理装置200の位置を表す位置情報を取得するためのインターフェースである。位置情報は、いわゆるGPS(Global Positioning System)衛星からの電波信号に基づいて緯度や経度を算出したものであってもよいが、現在地の住所(地番)を特定する情報であってもよい。撮影部250は、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子を備え、被写体を撮影する。撮影部250は、撮影した被写体の画像を表す撮影データを生成し、制御部240に供給する。
【0015】
操作部260は、ボタン等の操作子を備え、撮影者(情報処理装置200の使用者)による操作を受け付ける。報知部270は、表示手段を備え、撮影者に情報を報知する。なお、報知部270は、表示による視覚的な報知に限らず、スピーカー等の放音手段により情報を聴覚的に報知させる態様を含んでもよい。また、報知部270は、タッチパネル(タッチスクリーン)を設けることにより、操作部260に相当する機能を兼備することも可能である。
【0016】
なお、本発明に係る情報処理装置は、情報処理装置200が有する構成に限定されない。例えば、本発明は、測位部240や撮影部250に相当する構成が情報処理装置から独立した電子機器(専用のモジュール、デジタルカメラ等)を構成し、この電子機器と情報処理装置とが有線又は無線の通信によりデータのやりとりを行う態様によっても実施可能である。
【0017】
図3は、タイムサーバー300が実現する機能を示す機能ブロック図である。タイムサーバー300は、演算処理装置等による制御手段やネットワークNW1に接続するための通信手段を備えるコンピューター装置であり、プログラムを実行することにより、同図に示すデータ取得部301、時刻情報取得部302、情報付加部303及びデータ出力部304を実現する。
【0018】
データ取得部301は、情報処理装置200からタイムサーバー300あてに撮影データが送信されると、これを取得する。時刻情報取得部302は、そのときどきの日時を表す時刻情報を取得する。時刻情報取得部302は、タイムサーバー300内部に高精度の時計(電波時計、原子時計など)を設け、この時計から時刻情報を取得してもよいが、NTP(Network Time Protocol)によりネットワークNW1を介して時刻情報を取得することも可能である。つまり、時刻情報取得部302は、タイムサーバー300内部で生成された時刻情報を取得するものであってもよく、また、外部から時刻情報を取得するものであってもよい。
【0019】
情報付加部303は、データ取得部301により取得された撮影データに時刻情報取得部302により取得された時刻情報を付加する。情報付加部303による付加の態様は、撮影データと時刻情報とを単に対応付けるものであってもよいが、撮影データ又は時刻情報(あるいは全体)に対して、撮影データ認証装置100が復号可能な所定の暗号方式による暗号化処理を施すことも可能である。データ出力部304は、時刻情報が付加された撮影データを、撮影データ認証装置100に送信するために出力する。
【0020】
図4は、撮影データ認証装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。撮影データ認証装置100は、同図に示すように、制御部110と、記憶部120と、通信部130とを備える。制御部110、記憶部120及び通信部130は、いずれも、情報処理装置200の同名の構成要素と同様の構成を有する。ただし、制御部110は、その実行する処理が制御部210と異なり、記憶部120は、その記憶するデータが記憶部220と異なる。制御部110が実行するプログラムは、後述する動作例1及び2に示す動作を実行可能なプログラムである。かかるプログラムは、動作例1の動作に係るプログラムと動作例2の動作に係るプログラムとが独立に記述されたものであってもよい。
【0021】
本実施形態の撮影データ認証システム10の構成は、以上のとおりである。この構成のもと、撮影者は、情報処理装置200を用いて、被写体を撮影し、撮影して得られた撮影データを送信する。撮影データ認証装置100は、撮影データを受信し、認証を行う。
本実施形態の撮影データ認証システム10においては、ある1つの撮影データの認証を行うために、当該撮影データと異なる他の撮影データを要する点に特徴がある。この特徴を用いた動作には、以下の動作例1及び2に示すものがある。
【0022】
(動作例1:投稿写真の認証)
本動作例は、撮影データ認証システム10を投稿写真の認証に用いるものである。本動作例において、撮影者は、雑誌等の刊行物やインターネット上のWebサイトに掲載される写真(撮影データ)を、情報処理装置200を用いて投稿する。撮影データ認証装置100は、投稿に係る撮影データを取得し、その正否を判断する。本動作例においては、撮影データの判断材料として、本人性(本人であるか否か)、場所及び日時に加え、“実際に撮影されたものであるか否か”を用いる。実際に撮影されたものであるか否かの判断は、撮影データの類似の度合いを判定することにより行われる。
【0023】
図5は、本動作例において撮影データ認証装置100が実現する機能を示す機能ブロック図である。撮影データ認証装置100の制御部110は、プログラムを実行することにより、同図に示す第1取得部111a、要求部112a、第2取得部113a、認証部114a及び処理実行部115aに相当する機能を実現する。
【0024】
第1取得部111aは、撮影データを取得する。以下においては、第1取得部111aにより取得される撮影データのことを、第2取得部113aにより取得される撮影データと区別するために、「第1撮影データ」という。要求部112aは、第1取得部111aにより第1撮影データが取得された場合に、これを契機として、当該第1撮影データを送信した情報処理装置200に対して撮影データを要求する。第2取得部113aは、要求部112aによる要求に応じて送信された撮影データを取得する。以下においては、第2取得部113aにより取得される撮影データのことを、第1撮影データと区別するために、「第2撮影データ」という。第2撮影データは、換言すれば、第1撮影データの確認用の撮影データである。また、第2撮影データは、第1撮影データよりも新たに撮影して得られる撮影データである。
【0025】
認証部114aは、取得された第1撮影データ及び第2撮影データを用いて、撮影データの認証を行う。認証部114aは、類似度判定部1141を含み、第1撮影データと第2撮影データの対応関係に基づいて第1撮影データの正否を判断する。類似度判定部1141は、第1撮影データと第2撮影データの類似の度合い(以下、「類似度」という。)を判定する。ここでいう類似度は、データの類似の度合いを百分率で表す数値であり、2つのデータが完全に一致する場合に「100%」とするものである。なお、類似度の判定方法は、周知の画像認識技術を適宜に用いて決められるものであり、被写体として想定される画像に応じて異なっていてもよい。例えば、類似度判定部1141は、撮影データを画素単位で比較し、画素が表す色(階調)の異同の程度によって類似度を算出してもよいし、いわゆるエッジや特徴点のように色の変化が急峻な領域を検出し、当該領域の位置や形状によって類似度を算出してもよい。
【0026】
処理実行部115aは、認証部114aによる認証結果に応じた処理を実行する。具体的には、処理実行部115aは、認証された第1撮影データを所定のコンピューター装置に転送し、認証されなかった第1撮影データの転送を行わない。また、処理実行部115aは、撮影者の情報処理装置200による報知の態様を、第1撮影データが認証された場合と認証されなかった場合とで異ならせる。なお、処理実行部115aは、かかる転送処理や報知処理と異なる処理を行ってもよく、また、転送処理と報知処理のいずれか一方のみを行うことも可能である。
【0027】
図6は、撮影データ認証システム10において行われる処理を示すシーケンスチャートである。なお、情報処理装置200におけるデータのやりとりは、Webブラウザーのような専用のユーザーエージェントを用いて行われるのが好ましい。本動作例において、撮影者は、投稿したい写真を撮影した場合に、撮影データ(第1撮影データ)の送信を行う。このとき、情報処理装置200は、第1撮影データを撮影部250による撮影によって取得し(ステップS1)、続いて、撮影者及び撮影位置の確認を行う(ステップS2、S3)。
【0028】
ステップS2において、情報処理装置200は、あらかじめ付与されたIDやパスワードの入力を要求し、入力結果によって撮影者本人を確認する。あるいは、情報処理装置200は、生体認証技術(静脈、指紋、虹彩などによる認証)を用いて撮影者を確認してもよい。また、ステップS3において、情報処理装置200は、測位部240から位置情報を取得し、撮影位置を特定する。なお、情報処理装置200は、撮影者の確認ができない(認証が成功しない)場合には、撮影者を確認できるまでステップS2の処理を繰り返すか、あるいは、ステップS3以降の処理を行わない。
【0029】
ステップS1〜S3の処理が行われると、情報処理装置200は、撮影者による操作に応じて、第1撮影データ、撮影者情報及び位置情報をタイムサーバー300に送信する(ステップS4)。タイムサーバー300は、これらのデータを中継するものであり、中継に際して、第1撮影データに時刻情報を付加する(ステップS5)。その後、タイムサーバー300は、第1撮影データと、第1撮影データに付随する撮影者情報、位置情報及び時刻情報とを撮影データ認証装置100に送信する(ステップS6)。撮影データ認証装置100は、これらのデータを受信すると、少なくとも認証が終了するまで、当該データを一時的に記憶しておく。
【0030】
撮影データ認証装置100は、第1撮影データを取得すると、第2撮影データを情報処理装置200に要求する(ステップS7)。ステップS7において、撮影データ認証装置100は、撮影者に撮影を指示するための情報を送信する。このとき送信される情報は、例えば、撮影者に撮影を促す画像や音声を表すものである。また、撮影データ認証装置100は、撮影者による撮影に資するように、第1撮影データを見本として送信してもよい。
【0031】
図7は、情報処理装置200による表示を例示する図であり、第1撮影データが送信される場合の表示例である。同図において、領域A1は、第1撮影データが表す画像を表示するための表示領域であり、領域A2は、これから撮影しようとする画像を表示する、カメラでいうところのファインダーに相当する表示領域である。撮影者は、報知部270によるこのような表示を確認しながら、これから撮影する画像が領域A1の画像に類似するように構図を調整し、撮影を行う。
【0032】
撮影者が撮影の操作を行うと、情報処理装置200は、第2撮影データを取得し(ステップS8)、撮影データ認証装置100の要求に応じて第2撮影データを送信する(ステップS9)。このとき、情報処理装置200は、第1撮影データを送信する場合と同様に、タイムサーバー300を経由してデータの送信を行ってもよいし、第1撮影データの場合と異なり、タイムサーバー300を経由せずにデータの送信を行ってもよい。
【0033】
第1撮影データ及び第2撮影データを受信すると、撮影データ認証装置100は、第1撮影データと第2撮影データとを比較し、判定を行う(ステップS10)。ステップS10において、撮影データ認証装置100は、類似度を算出し、算出した類似度が所定の範囲内であるか否かを判断する。
【0034】
図8は、本動作例における判定に用いる類似度の閾値を示す図である。同図に示すように、本動作例の判定には、閾値Th1及びTh2とが用いられる。ここにおいて、閾値Th1は、0≦Th1<Th2を満たし、閾値Th2は、Th1<Th2<1を満たす。撮影データ認証装置100は、類似度が閾値Th1以上かつ閾値Th2以下の範囲である場合には、第1撮影データを正しいものであると判断し、類似度がかかる範囲にない場合には、第1撮影データを不正なものであると判断する。
【0035】
つまり、本動作例においては、類似度が閾値Th1未満である場合と、類似度が閾値Th2を超える場合の双方において、第1撮影データが不正なものであると判断される。類似度が閾値Th1未満である場合というのは、簡単にいえば、第1撮影データと第2撮影データとがほとんど類似しない場合である。また、類似度が閾値Th2を超える場合というのは、簡単にいえば、第1撮影データと第2撮影データとが極めて類似する場合である。つまり、本動作例においては、第1撮影データと第2撮影データとがある程度類似するものの、ほとんど一致するほどには類似していない場合に第1撮影データが認証され、それ以外の場合には第1撮影データが認証されないのである。
【0036】
ステップS10の判定を行うと、撮影データ認証装置100は、判断結果に応じた所定の処理を実行する(ステップS11)。ここでいう処理の処理は、例えば、上述した転送処理である。また、撮影データ認証装置100は、判断結果、すなわち認証されたか否かを情報処理装置200に通知する(ステップS12)。
【0037】
以上のとおり、本動作例における認証は、時刻情報、位置情報及び撮影者情報を用い、さらに、類似度の判断を行うことにより、どの日時に、どの場所で、どの撮影者が撮影したかの確かさが保証されるものである。また、本動作例における認証は、第1撮影データが表す画像と第2撮影データが表す画像とが完全には一致しないことが要求される点に特徴がある。かかる認証を行う理由の一つは、撮影データのコピーによる不正な投稿を認めないためである。
【0038】
例えば、本動作例のような投稿システムにおいては、他人が撮影し、撮影者が実際には撮影していない撮影データをコピーして取得し、これを撮影者本人が撮影したかのように偽装して投稿する不正行為が行われる可能性がある。かかる場合において、第2撮影データの撮影が要求されると、この不正な撮影者は、その他人が撮影したときと同じような状況を作り出さなければ、似たような写真を撮影することは困難である。一方、不正な撮影者が第1撮影データそのものを第2撮影データとして用いることが考えられるが、本動作例においては、かかる場合には類似度が100%となるため、このような投稿を正当な投稿とみなさないことができる。
【0039】
これに対し、正当な撮影者にあっては、第1撮影データを撮影したときと同じような状況下にあることが容易であり、似たような写真を撮影することが容易である。また、かかる正当な撮影者は、いかに第1撮影データに似せた写真を撮影しようとしても、第1撮影データと第2撮影データとを完全に一致させることが一般的には不可能である。なぜならば、被写体は、常に同じ姿をしているとは限らず、また、撮影者も、完全に同じ場所で同じカメラアングルから被写体を撮影することが極めて困難だからである。
【0040】
なお、本動作例の認証にあっては、類似度の閾値(特に閾値Th2)をどのような値にするかで認証結果が変化する。よって、類似度の閾値は、被写体としてどのようなものを想定しているかを考慮して適宜に定めるのが望ましい。例えば、カメラを三脚で固定しながら静物や遠景(遠方の景色)を撮影するような場合には、撮影者がカメラを手持ちして撮影する場合や、動きのある被写体を撮影する場合などに比べ、正当な投稿であっても類似度が大きくなる可能性が高い。よって、被写体や撮影位置の動きが少ないような場合には、閾値Th2を100%に近い値にする方がよい。また、さまざまな撮影者から多様な写真が投稿されるような場合にあっては、撮影した画像の種別を特定する情報を情報処理装置200が送信し、撮影データ認証装置100がかかる情報を用いて閾値を決定するようにしてもよい。ここにおいて、画像の種別とは、例えば、被写体の種別(風景、人物など)や、三脚の使用の有無などである。
【0041】
(動作例2:スタンプラリーの認証)
本動作例は、撮影データ認証システム10をスタンプラリーの認証に用いるものである。本動作例においては、スタンプラリーとして、各駅で独自のスタンプを鉄道駅に設置するものを想定し、そのスタンプを撮影することにより撮影者本人が撮影したことを認証する。なお、本動作例は、ここでいうスタンプに代えて他の被写体を撮影するものであってもよい。
【0042】
図9は、本動作例において撮影データ認証装置100が実現する機能を示す機能ブロック図である。撮影データ認証装置100の制御部110は、プログラムを実行することにより、同図に示す第1取得部111b、要求部112b、第2取得部113b、認証部114b及び処理実行部115bに相当する機能を実現する。なお、これらの機能構成について、上述した動作例1と共通する事項は、その説明を適宜省略する。
【0043】
第1取得部111bは、第1撮影データに加え、第1撮影データに対応する位置情報を取得する。要求部112bは、対応データ選択部1121を含み、第1取得部111bにより取得された位置情報に対応するデータ(以下、「対応データ」という。)を選択する。対応データとは、第1撮影データに対応して要求される第2撮影データを表すデータをいう。すなわち、対応データは、撮影者が次に撮影すべき被写体を表すデータである。対応データは、以下の説明においては、被写体を画像によって表すもの(画像データ)と文字によって表すもの(文字データ)とを含むものとするが、文字データを含まない態様であってもよい。
【0044】
対応データ選択部1121は、あらかじめ記憶された対応表(テーブル)を用いて、位置情報に対応する対応データを選択する。対応データは、1つの位置情報に対して複数あってもよい。1つの位置情報に対応する対応データが複数ある場合、対応データ選択部1121は、所定の手法でいずれか1つの対応データを選択する。対応データ選択部1121による選択の手法には、複数ある対応データを決められた順番で選択するものや、乱数(擬似乱数)等を用いて規則性がないように選択するものがある。
【0045】
図10は、対応データ選択部1121が対応データの選択に用いるテーブルを例示する図である。同図に示すように、テーブルには、位置情報と対応データとが対応付けて記述されている。ここにおいて、位置情報は、ある1点ではなく、ある程度の広がりを有する範囲を記述したものであると望ましい。つまり、同図に示す例において、位置情報は、「東京駅」と、その「周辺」とを表す。また、対応データは、位置情報が表す位置において撮影され得る被写体について記述したものである。同図に示す例において、「東京駅周辺」の位置情報に対応する対応データには、「東京駅の駅名表示板」や「東京駅駅舎の特定部分」などがある。
【0046】
認証部114bは、第1撮影データと第2撮影データとの対応関係を、第2撮影データと対応データ選択部1121により選択された対応データとを比較することにより判定し、撮影データの認証を行う。すなわち、認証部114bは、第2撮影データが、対応データによって要求された撮影データに相当するか否かを判定する。この判定は、第2撮影データが期待される撮影データと完全に一致することを要するものではなく、第2撮影データが期待される撮影データであるとみなせる程度に類似していれば十分なものである。認証部114bは、周知の画像認識技術を用いてこの判定を行い、第2撮影データが所定の条件を満たせば、第1撮影データを撮影者が実際にその場所(駅)で撮影したものであると認証する。
【0047】
処理実行部115bは、認証部114bによる認証結果に応じた処理を実行する。具体的には、処理実行部115bは、第1撮影データが認証された場合には、撮影者がその場所に行ったと判断し、第1撮影データが認証されなかった場合には、撮影者がその場所に行ってないと判断する。また、処理実行部115bは、この判断結果を情報処理装置200に報知してもよい。
【0048】
本動作例における処理は、その基本的な流れは動作例1(図6参照)と同様であるが、やりとりされるデータや、各装置における内部処理が動作例1とは異なる。以下の説明においては、図6を参照しつつ、主として、動作例1との相違点を明らかにする。
【0049】
本動作例において、撮影者は、スタンプラリーの対象である所定の駅に行き、スタンプを捺印する。撮影者は、スタンプを捺印したら、これを撮影し、情報処理装置200を用いて、第1撮影データの取得と、撮影者及び撮影位置の確認とを行う(ステップS1〜S3)。その後、情報処理装置200は、撮影者による操作に応じて、第1撮影データ、撮影者情報及び位置情報をタイムサーバー300に送信する(ステップS4)。その後、ステップS5及びステップS6の処理は、動作例1と同様に行われる。
なお、本動作例においては、測位部240からの位置情報を取得できない場合に、撮影者が駅名や駅の住所を入力し、入力された文字情報を位置情報に代えて用いることが可能である。
【0050】
ステップS7において、撮影データ認証装置100は、位置情報に基づいて撮影者の位置を特定し、特定した位置に対応する対応データを情報処理装置200に送信する。この場合においても、撮影データ認証装置100は、撮影者による撮影に資するように、第2撮影データの被写体として期待される画像を表す画像データを見本として送信してもよい。
【0051】
図11は、情報処理装置200による表示を例示する図であり、文字データ及び画像データを含む対応データが送信される場合の表示例である。同図において、領域A3は、撮影者に対する要求を文字により表示するための表示領域であり、領域A4は、画像データが表す画像を見本として表示するための表示領域である。また、領域A5は、これから撮影しようとする画像を表示する表示領域(ファインダー)である。
【0052】
ステップS8及びステップS9の処理は、動作例1と同様に行われる。ステップS10において、第1撮影データ及び第2撮影データを受信した撮影データ認証装置100は、対応データと第2撮影データとを比較し、判定を行う。このとき、撮影データ認証装置100は、第2撮影データが所定の条件を満たすか否かを判断し、所定の条件が満たされれば、第1撮影データを撮影者が実際にその場所(駅)で撮影したものであると認証する。その後、撮影データ認証装置100は、判断結果に応じた所定の処理を実行し(ステップS11)、判断結果、すなわち認証されたか否かを情報処理装置200に通知する(ステップS12)。
【0053】
以上のとおり、本動作例における認証は、時刻情報、位置情報及び撮影者情報を用い、さらに、対応データ及び第2撮影データを用いた比較及び判断を行うことにより、どの日時に、どの場所で、どの撮影者が撮影したかの確かさが保証されるものである。ここにおいて、対応データは、その場所にいれば撮影できるはずのものを表すため、例えば、撮影者が実際にはその場所に行っておらず、他人のスタンプを撮影しただけのような場合の撮影行為を不正とみなすことができるものである。
【0054】
本動作例において、対応データは、あらかじめ複数用意された選択候補の中から選択され得る構成であるため、その予測を困難にすることができるものである。ゆえに、本動作例においては、対応データの選択候補を増やすことにより、対応データとして予測される撮影データをあらかじめ用意しておくことで行われる不正行為を困難にすることが可能である。つまり、対応データの選択候補は、認証をより確実ならしめるためには、できるだけ多くすることが望ましいといえる。
【0055】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態と異なる形態での実施が可能である。以下に示す変形例は、本発明に適用可能な変形の一例である。上述した実施形態及び以下の変形例は、必要に応じて、これらを組み合わせて適用してもよい。
【0056】
(変形例1)
本発明は、タイムサーバーを用いない態様でも実施可能である。例えば、認証に時間の確かさが要求されない場合にあっては、時刻情報が不要であり、撮影データがタイムサーバーを経由する必要もない。また、情報処理装置において取得される時刻情報の確かさが保証できる場合にあっては、タイムサーバーに代えて、情報処理装置自体が時刻情報を取得するようにしてもよい。
【0057】
例えば、携帯電話等の情報処理装置においては、外部(基地局等)からの電波信号に基づいて日時を自動的に補正する機能を有するものがあり、さらに、かかる補正機能のオン・オフを操作できるものもある。よって、日時の補正機能を有し、さらにその補正機能がオン状態である情報処理装置にあっては、自装置で取得される時刻情報の確かさが保証できるといえる。
【0058】
このような情報処理装置を用いる場合、本発明の撮影データ認証装置は、情報処理装置における補正機能の有無とそのオン・オフを判断し、その判断結果に応じて、撮影データをタイムサーバー経由とするか、あるいはタイムサーバーを経由しないで撮影データ認証装置に送信させるかを制御するようにしてもよい。
【0059】
(変形例2)
本発明は、撮影データ認証装置による撮影データの要求を2回以上行ってもよいものである。本発明は、例えば、上述した対応データの選択候補が複数ある場合に、2以上の異なる対応データを送信し、それぞれについて判定を行う態様でも実施可能である。このようにすれば、撮影者がその場所にいることの確かさをより確実ならしめることが可能である。また、本発明は、撮影データが認証されなかった場合などに複数回の撮影データの要求を行い、その複数回の判定結果を用いて認証を行うようにしてもよい。例えば、撮影データを3回要求し、類似度がその3回中の2回以上で所定の範囲であった場合に撮影データを認証する、といった態様が考えられる。
【0060】
(変形例3)
本発明は、撮影データを送受信する場合に、撮影データに電子透かしを付加してもよいものである。また、電子透かしは、撮影データに限らず、対応データに含まれる画像データに付加されてもよい。例えば、情報処理装置が撮影を行い、撮影データを取得した後に当該撮影データが表す画像の前面に電子透かしが埋め込まれるようにすれば、電子透かしを埋め込んだ後の撮影データの改竄を容易に検知することが可能となる。
【0061】
(変形例4)
本発明の撮影データ認証装置は、自装置の外部において撮影データの判定が行われ、外部から判定結果を取得して認証を行う態様でも実施可能である。すなわち、本発明の撮影データ認証装置は、撮影データの判定を主体的には行わないものであってもよい。例えば、撮影データの機械的な比較が困難な場合には、人間が目視により判定を行い、人間がその判定結果を撮影データ認証装置に入力するようにしてもよい。
また、本発明をプログラムにより実施する場合にあっては、本発明に係る認証用のプログラムと、撮影データの判定用のプログラムとが用意され、本発明に係るプログラムは、判定用のプログラムから判定結果を表すデータを取得して認証を行うことも可能である。
【0062】
(変形例5)
本発明は、上述した動作例に限らず、撮影データの信憑性が要求されるシステム全般に適用可能である。例えば、本発明は、特定の施設や領域における入退場を管理するためのシステムに適用したり、建造物の建設現場における状況の確認や作業の進捗管理を行うためのシステムに適用することも可能である。
【符号の説明】
【0063】
10…撮影データ認証システム、100…撮影データ認証装置、110…制御部、111a、111b…第1取得部、112a、112b…要求部、113a、113b…第2取得部、114a、114b…認証部、115a、115b…処理実行部、1121…対応データ選択部、1141…類似度判定部、120…記憶部、130…通信部、200…情報処理装置、300…タイムサーバー、NW1…ネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影データを認証する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の撮影手段により得られた撮影データの正否を判断して認証する技術がある。例えば、特許文献1には、人物の身体的特徴(顔など)と時刻情報とを組み合わせて、撮影されたデータを認証する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−227747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、撮影手段を有する情報処理装置(デジタルカメラ、携帯電話等)は、一般に、時刻情報を変更することが容易である。また、人物の身体的特徴を認証に用いたとしても、例えば、ある人物が被写体となった写真を他人が撮影して撮影データを得れば、その他人が当該ある人物になりすませてしまうおそれがある。
これに対し、本発明は、撮影により得られる2つの撮影データを用いて認証を行うことにより認証の確かさを保証することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る撮影データ認証装置は、被写体を撮影して得られる撮影データである第1撮影データを情報処理装置から取得する第1取得部と、前記第1取得部により第1撮影データが取得された情報処理装置に対して、当該第1撮影データより新たに得られる撮影データを要求する要求部と、前記要求部による要求に応じた撮影データである第2撮影データを前記情報処理装置から取得する第2取得部と、前記第1取得部及び第2取得部により取得された第1撮影データと第2撮影データとの対応関係の判定結果に基づいて認証を行う認証部と、前記認証部による認証結果に応じた処理を実行する処理実行部とを備える構成を有する。この構成によれば、第1撮影データと、当該第1撮影データが取得された後に要求される第2撮影データとを用いて認証を行うため、単一の撮影データを用いただけでは判断できない不正行為を不正であると判断することが可能である。
【0006】
本発明に係る撮影データ認証装置は、前記認証部が、前記第1撮影データと前記第2撮影データの類似の度合いを表す類似度を判定する類似度判定部を備え、前記類似度が第1の閾値以上であり、当該第1の閾値より大である第2の閾値以下である場合には、前記第1撮影データを認証する構成を採用することができる。この構成によれば、コピー等により取得した撮影データを用いた場合に、これを不正であると判断することが可能である。
【0007】
本発明に係る撮影データ認証装置は、前記第1取得部が、前記第1撮影データと、当該第1撮影データに対応する位置情報とを取得し、前記要求部が、前記第1取得部により取得された位置情報と所定の対応関係を有する対応データを選択する対応データ選択部を備え、前記対応データを前記情報処理装置に送信することにより前記要求を行い、前記認証部が、前記対応データと前記第2の撮影データとが有する対応関係に基づいて認証を行う構成を採用することができる。この構成によれば、位置情報に応じた撮影データが第2撮影データとして要求されるため、撮影場所の確かさをより確実ならしめることが可能である。
【0008】
本発明に係る撮影データ認証システムは、情報処理装置と、撮影データ認証装置とを有し、前記情報処理装置が、被写体を撮影して得られる撮影データを取得する撮影部と、前記撮影データ認証装置と通信を行う第1の通信部とを備え、前記撮影データ認証装置が、前記情報処理装置と通信を行う第2の通信部と、前記第2の通信部を介して、第1撮影データを前記情報処理装置から取得する第1取得部と、前記第1取得部により第1撮影データが取得された前記情報処理装置に対して、当該第1撮影データより新たに得られる撮影データを前記第2の通信部を介して要求する要求部と、前記第2の通信部を介して、前記要求部による要求に応じた撮影データである第2撮影データを前記情報処理装置から取得する第2取得部と、前記第1取得部及び第2取得部により取得された第1撮影データと第2撮影データとの対応関係の判定結果に基づいて認証を行う認証部と、前記認証部による認証結果に応じた処理を実行する処理実行部とを備える構成を有する。
本発明に係る撮影データ認証方法は、情報処理装置が、被写体を撮影して得られる撮影データである第1撮影データを撮影データ認証装置に送信し、前記撮影データ認証装置が、前記第1撮影データを取得すると、当該第1撮影データより新たに得られる撮影データを前記情報処理装置に要求し、前記情報処理装置が、前記撮影データ認証装置からの要求に応じて第2撮影データを当該撮影データ認証装置に送信し、前記撮影データ認証装置が、前記第2撮影データを取得すると、前記第1撮影データと前記第2撮影データとの対応関係の判定結果に基づいて認証を行い、その認証結果に応じた処理を実行する。
本発明に係るプログラムは、コンピューターを、被写体を撮影して得られる撮影データである第1撮影データを情報処理装置から取得する第1取得部と、前記第1取得部により第1撮影データが取得された情報処理装置に対して、当該第1撮影データより新たに得られる撮影データを要求する要求部と、前記要求部による要求に応じた撮影データである第2撮影データを前記情報処理装置から取得する第2取得部と、前記第1取得部及び第2取得部により取得された第1撮影データと第2撮影データとの対応関係の判定結果に基づいて認証を行う認証部と、前記認証部による認証結果に応じた処理を実行する処理実行部として機能させる。
これらの撮影データ認証システム、撮影データ認証方法及びプログラムによれば、本発明に係る撮影データ認証装置と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】撮影データ認証システムの構成を示す図
【図2】情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図
【図3】タイムサーバーが実現する機能を示す機能ブロック図
【図4】撮影データ認証装置のハードウェア構成を示すブロック図
【図5】撮影データ認証装置が実現する機能を示す機能ブロック図
【図6】撮影データ認証システムにおいて行われる処理を示すシーケンスチャート
【図7】情報処理装置による表示を例示する図
【図8】判定に用いる類似度の閾値を示す図
【図9】撮影データ認証装置が実現する機能を示す機能ブロック図
【図10】対応データ選択部が対応データの選択に用いるテーブルを例示する図
【図11】情報処理装置による表示を例示する図
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
図1は、本発明の一実施形態である撮影データ認証システムの構成を示す図である。本実施形態の撮影データ認証システム10は、撮影データ認証装置100と、情報処理装置200と、タイムサーバー300とを備え、各々がネットワークNW1を介して通信可能に接続されている。ネットワークNW1は、例えば、インターネットである。
【0011】
本実施形態の撮影データ認証システム10において、情報処理装置200は、撮影データを送信する。撮影データ認証装置100は、情報処理装置200から送信された撮影データが正しいものであるとみなせるか否かを判断し、撮影データの認証を行う。タイムサーバー300は、認証に用いる時刻情報を管理する。
【0012】
図2は、情報処理装置200のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置200は、同図に示すように、制御部210と、記憶部220と、通信部230と、測位部240と、撮影部250と、操作部260と、報知部270とを備える。本実施形態の情報処理装置200には、例えば、いわゆるカメラ付き携帯電話や、通信機能を備えるデジタルカメラが相当する。
【0013】
制御部210は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置やメモリーを備え、情報処理装置200に記憶されたプログラムを実行することによって、情報処理装置200の各部を用いての撮影や通信といった動作を制御する。記憶部220は、フラッシュメモリー等の記憶媒体を備え、制御部210による制御に必要なデータを記憶する。記憶部220には、撮影者を特定するための撮影者情報が記憶されている。通信部230は、ネットワークNW1と通信を行うための通信インターフェースであり、制御部210による制御に応じてデータを送信するとともに、ネットワークNW1を介してデータを受信する。
【0014】
測位部240は、情報処理装置200の位置を表す位置情報を取得するためのインターフェースである。位置情報は、いわゆるGPS(Global Positioning System)衛星からの電波信号に基づいて緯度や経度を算出したものであってもよいが、現在地の住所(地番)を特定する情報であってもよい。撮影部250は、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子を備え、被写体を撮影する。撮影部250は、撮影した被写体の画像を表す撮影データを生成し、制御部240に供給する。
【0015】
操作部260は、ボタン等の操作子を備え、撮影者(情報処理装置200の使用者)による操作を受け付ける。報知部270は、表示手段を備え、撮影者に情報を報知する。なお、報知部270は、表示による視覚的な報知に限らず、スピーカー等の放音手段により情報を聴覚的に報知させる態様を含んでもよい。また、報知部270は、タッチパネル(タッチスクリーン)を設けることにより、操作部260に相当する機能を兼備することも可能である。
【0016】
なお、本発明に係る情報処理装置は、情報処理装置200が有する構成に限定されない。例えば、本発明は、測位部240や撮影部250に相当する構成が情報処理装置から独立した電子機器(専用のモジュール、デジタルカメラ等)を構成し、この電子機器と情報処理装置とが有線又は無線の通信によりデータのやりとりを行う態様によっても実施可能である。
【0017】
図3は、タイムサーバー300が実現する機能を示す機能ブロック図である。タイムサーバー300は、演算処理装置等による制御手段やネットワークNW1に接続するための通信手段を備えるコンピューター装置であり、プログラムを実行することにより、同図に示すデータ取得部301、時刻情報取得部302、情報付加部303及びデータ出力部304を実現する。
【0018】
データ取得部301は、情報処理装置200からタイムサーバー300あてに撮影データが送信されると、これを取得する。時刻情報取得部302は、そのときどきの日時を表す時刻情報を取得する。時刻情報取得部302は、タイムサーバー300内部に高精度の時計(電波時計、原子時計など)を設け、この時計から時刻情報を取得してもよいが、NTP(Network Time Protocol)によりネットワークNW1を介して時刻情報を取得することも可能である。つまり、時刻情報取得部302は、タイムサーバー300内部で生成された時刻情報を取得するものであってもよく、また、外部から時刻情報を取得するものであってもよい。
【0019】
情報付加部303は、データ取得部301により取得された撮影データに時刻情報取得部302により取得された時刻情報を付加する。情報付加部303による付加の態様は、撮影データと時刻情報とを単に対応付けるものであってもよいが、撮影データ又は時刻情報(あるいは全体)に対して、撮影データ認証装置100が復号可能な所定の暗号方式による暗号化処理を施すことも可能である。データ出力部304は、時刻情報が付加された撮影データを、撮影データ認証装置100に送信するために出力する。
【0020】
図4は、撮影データ認証装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。撮影データ認証装置100は、同図に示すように、制御部110と、記憶部120と、通信部130とを備える。制御部110、記憶部120及び通信部130は、いずれも、情報処理装置200の同名の構成要素と同様の構成を有する。ただし、制御部110は、その実行する処理が制御部210と異なり、記憶部120は、その記憶するデータが記憶部220と異なる。制御部110が実行するプログラムは、後述する動作例1及び2に示す動作を実行可能なプログラムである。かかるプログラムは、動作例1の動作に係るプログラムと動作例2の動作に係るプログラムとが独立に記述されたものであってもよい。
【0021】
本実施形態の撮影データ認証システム10の構成は、以上のとおりである。この構成のもと、撮影者は、情報処理装置200を用いて、被写体を撮影し、撮影して得られた撮影データを送信する。撮影データ認証装置100は、撮影データを受信し、認証を行う。
本実施形態の撮影データ認証システム10においては、ある1つの撮影データの認証を行うために、当該撮影データと異なる他の撮影データを要する点に特徴がある。この特徴を用いた動作には、以下の動作例1及び2に示すものがある。
【0022】
(動作例1:投稿写真の認証)
本動作例は、撮影データ認証システム10を投稿写真の認証に用いるものである。本動作例において、撮影者は、雑誌等の刊行物やインターネット上のWebサイトに掲載される写真(撮影データ)を、情報処理装置200を用いて投稿する。撮影データ認証装置100は、投稿に係る撮影データを取得し、その正否を判断する。本動作例においては、撮影データの判断材料として、本人性(本人であるか否か)、場所及び日時に加え、“実際に撮影されたものであるか否か”を用いる。実際に撮影されたものであるか否かの判断は、撮影データの類似の度合いを判定することにより行われる。
【0023】
図5は、本動作例において撮影データ認証装置100が実現する機能を示す機能ブロック図である。撮影データ認証装置100の制御部110は、プログラムを実行することにより、同図に示す第1取得部111a、要求部112a、第2取得部113a、認証部114a及び処理実行部115aに相当する機能を実現する。
【0024】
第1取得部111aは、撮影データを取得する。以下においては、第1取得部111aにより取得される撮影データのことを、第2取得部113aにより取得される撮影データと区別するために、「第1撮影データ」という。要求部112aは、第1取得部111aにより第1撮影データが取得された場合に、これを契機として、当該第1撮影データを送信した情報処理装置200に対して撮影データを要求する。第2取得部113aは、要求部112aによる要求に応じて送信された撮影データを取得する。以下においては、第2取得部113aにより取得される撮影データのことを、第1撮影データと区別するために、「第2撮影データ」という。第2撮影データは、換言すれば、第1撮影データの確認用の撮影データである。また、第2撮影データは、第1撮影データよりも新たに撮影して得られる撮影データである。
【0025】
認証部114aは、取得された第1撮影データ及び第2撮影データを用いて、撮影データの認証を行う。認証部114aは、類似度判定部1141を含み、第1撮影データと第2撮影データの対応関係に基づいて第1撮影データの正否を判断する。類似度判定部1141は、第1撮影データと第2撮影データの類似の度合い(以下、「類似度」という。)を判定する。ここでいう類似度は、データの類似の度合いを百分率で表す数値であり、2つのデータが完全に一致する場合に「100%」とするものである。なお、類似度の判定方法は、周知の画像認識技術を適宜に用いて決められるものであり、被写体として想定される画像に応じて異なっていてもよい。例えば、類似度判定部1141は、撮影データを画素単位で比較し、画素が表す色(階調)の異同の程度によって類似度を算出してもよいし、いわゆるエッジや特徴点のように色の変化が急峻な領域を検出し、当該領域の位置や形状によって類似度を算出してもよい。
【0026】
処理実行部115aは、認証部114aによる認証結果に応じた処理を実行する。具体的には、処理実行部115aは、認証された第1撮影データを所定のコンピューター装置に転送し、認証されなかった第1撮影データの転送を行わない。また、処理実行部115aは、撮影者の情報処理装置200による報知の態様を、第1撮影データが認証された場合と認証されなかった場合とで異ならせる。なお、処理実行部115aは、かかる転送処理や報知処理と異なる処理を行ってもよく、また、転送処理と報知処理のいずれか一方のみを行うことも可能である。
【0027】
図6は、撮影データ認証システム10において行われる処理を示すシーケンスチャートである。なお、情報処理装置200におけるデータのやりとりは、Webブラウザーのような専用のユーザーエージェントを用いて行われるのが好ましい。本動作例において、撮影者は、投稿したい写真を撮影した場合に、撮影データ(第1撮影データ)の送信を行う。このとき、情報処理装置200は、第1撮影データを撮影部250による撮影によって取得し(ステップS1)、続いて、撮影者及び撮影位置の確認を行う(ステップS2、S3)。
【0028】
ステップS2において、情報処理装置200は、あらかじめ付与されたIDやパスワードの入力を要求し、入力結果によって撮影者本人を確認する。あるいは、情報処理装置200は、生体認証技術(静脈、指紋、虹彩などによる認証)を用いて撮影者を確認してもよい。また、ステップS3において、情報処理装置200は、測位部240から位置情報を取得し、撮影位置を特定する。なお、情報処理装置200は、撮影者の確認ができない(認証が成功しない)場合には、撮影者を確認できるまでステップS2の処理を繰り返すか、あるいは、ステップS3以降の処理を行わない。
【0029】
ステップS1〜S3の処理が行われると、情報処理装置200は、撮影者による操作に応じて、第1撮影データ、撮影者情報及び位置情報をタイムサーバー300に送信する(ステップS4)。タイムサーバー300は、これらのデータを中継するものであり、中継に際して、第1撮影データに時刻情報を付加する(ステップS5)。その後、タイムサーバー300は、第1撮影データと、第1撮影データに付随する撮影者情報、位置情報及び時刻情報とを撮影データ認証装置100に送信する(ステップS6)。撮影データ認証装置100は、これらのデータを受信すると、少なくとも認証が終了するまで、当該データを一時的に記憶しておく。
【0030】
撮影データ認証装置100は、第1撮影データを取得すると、第2撮影データを情報処理装置200に要求する(ステップS7)。ステップS7において、撮影データ認証装置100は、撮影者に撮影を指示するための情報を送信する。このとき送信される情報は、例えば、撮影者に撮影を促す画像や音声を表すものである。また、撮影データ認証装置100は、撮影者による撮影に資するように、第1撮影データを見本として送信してもよい。
【0031】
図7は、情報処理装置200による表示を例示する図であり、第1撮影データが送信される場合の表示例である。同図において、領域A1は、第1撮影データが表す画像を表示するための表示領域であり、領域A2は、これから撮影しようとする画像を表示する、カメラでいうところのファインダーに相当する表示領域である。撮影者は、報知部270によるこのような表示を確認しながら、これから撮影する画像が領域A1の画像に類似するように構図を調整し、撮影を行う。
【0032】
撮影者が撮影の操作を行うと、情報処理装置200は、第2撮影データを取得し(ステップS8)、撮影データ認証装置100の要求に応じて第2撮影データを送信する(ステップS9)。このとき、情報処理装置200は、第1撮影データを送信する場合と同様に、タイムサーバー300を経由してデータの送信を行ってもよいし、第1撮影データの場合と異なり、タイムサーバー300を経由せずにデータの送信を行ってもよい。
【0033】
第1撮影データ及び第2撮影データを受信すると、撮影データ認証装置100は、第1撮影データと第2撮影データとを比較し、判定を行う(ステップS10)。ステップS10において、撮影データ認証装置100は、類似度を算出し、算出した類似度が所定の範囲内であるか否かを判断する。
【0034】
図8は、本動作例における判定に用いる類似度の閾値を示す図である。同図に示すように、本動作例の判定には、閾値Th1及びTh2とが用いられる。ここにおいて、閾値Th1は、0≦Th1<Th2を満たし、閾値Th2は、Th1<Th2<1を満たす。撮影データ認証装置100は、類似度が閾値Th1以上かつ閾値Th2以下の範囲である場合には、第1撮影データを正しいものであると判断し、類似度がかかる範囲にない場合には、第1撮影データを不正なものであると判断する。
【0035】
つまり、本動作例においては、類似度が閾値Th1未満である場合と、類似度が閾値Th2を超える場合の双方において、第1撮影データが不正なものであると判断される。類似度が閾値Th1未満である場合というのは、簡単にいえば、第1撮影データと第2撮影データとがほとんど類似しない場合である。また、類似度が閾値Th2を超える場合というのは、簡単にいえば、第1撮影データと第2撮影データとが極めて類似する場合である。つまり、本動作例においては、第1撮影データと第2撮影データとがある程度類似するものの、ほとんど一致するほどには類似していない場合に第1撮影データが認証され、それ以外の場合には第1撮影データが認証されないのである。
【0036】
ステップS10の判定を行うと、撮影データ認証装置100は、判断結果に応じた所定の処理を実行する(ステップS11)。ここでいう処理の処理は、例えば、上述した転送処理である。また、撮影データ認証装置100は、判断結果、すなわち認証されたか否かを情報処理装置200に通知する(ステップS12)。
【0037】
以上のとおり、本動作例における認証は、時刻情報、位置情報及び撮影者情報を用い、さらに、類似度の判断を行うことにより、どの日時に、どの場所で、どの撮影者が撮影したかの確かさが保証されるものである。また、本動作例における認証は、第1撮影データが表す画像と第2撮影データが表す画像とが完全には一致しないことが要求される点に特徴がある。かかる認証を行う理由の一つは、撮影データのコピーによる不正な投稿を認めないためである。
【0038】
例えば、本動作例のような投稿システムにおいては、他人が撮影し、撮影者が実際には撮影していない撮影データをコピーして取得し、これを撮影者本人が撮影したかのように偽装して投稿する不正行為が行われる可能性がある。かかる場合において、第2撮影データの撮影が要求されると、この不正な撮影者は、その他人が撮影したときと同じような状況を作り出さなければ、似たような写真を撮影することは困難である。一方、不正な撮影者が第1撮影データそのものを第2撮影データとして用いることが考えられるが、本動作例においては、かかる場合には類似度が100%となるため、このような投稿を正当な投稿とみなさないことができる。
【0039】
これに対し、正当な撮影者にあっては、第1撮影データを撮影したときと同じような状況下にあることが容易であり、似たような写真を撮影することが容易である。また、かかる正当な撮影者は、いかに第1撮影データに似せた写真を撮影しようとしても、第1撮影データと第2撮影データとを完全に一致させることが一般的には不可能である。なぜならば、被写体は、常に同じ姿をしているとは限らず、また、撮影者も、完全に同じ場所で同じカメラアングルから被写体を撮影することが極めて困難だからである。
【0040】
なお、本動作例の認証にあっては、類似度の閾値(特に閾値Th2)をどのような値にするかで認証結果が変化する。よって、類似度の閾値は、被写体としてどのようなものを想定しているかを考慮して適宜に定めるのが望ましい。例えば、カメラを三脚で固定しながら静物や遠景(遠方の景色)を撮影するような場合には、撮影者がカメラを手持ちして撮影する場合や、動きのある被写体を撮影する場合などに比べ、正当な投稿であっても類似度が大きくなる可能性が高い。よって、被写体や撮影位置の動きが少ないような場合には、閾値Th2を100%に近い値にする方がよい。また、さまざまな撮影者から多様な写真が投稿されるような場合にあっては、撮影した画像の種別を特定する情報を情報処理装置200が送信し、撮影データ認証装置100がかかる情報を用いて閾値を決定するようにしてもよい。ここにおいて、画像の種別とは、例えば、被写体の種別(風景、人物など)や、三脚の使用の有無などである。
【0041】
(動作例2:スタンプラリーの認証)
本動作例は、撮影データ認証システム10をスタンプラリーの認証に用いるものである。本動作例においては、スタンプラリーとして、各駅で独自のスタンプを鉄道駅に設置するものを想定し、そのスタンプを撮影することにより撮影者本人が撮影したことを認証する。なお、本動作例は、ここでいうスタンプに代えて他の被写体を撮影するものであってもよい。
【0042】
図9は、本動作例において撮影データ認証装置100が実現する機能を示す機能ブロック図である。撮影データ認証装置100の制御部110は、プログラムを実行することにより、同図に示す第1取得部111b、要求部112b、第2取得部113b、認証部114b及び処理実行部115bに相当する機能を実現する。なお、これらの機能構成について、上述した動作例1と共通する事項は、その説明を適宜省略する。
【0043】
第1取得部111bは、第1撮影データに加え、第1撮影データに対応する位置情報を取得する。要求部112bは、対応データ選択部1121を含み、第1取得部111bにより取得された位置情報に対応するデータ(以下、「対応データ」という。)を選択する。対応データとは、第1撮影データに対応して要求される第2撮影データを表すデータをいう。すなわち、対応データは、撮影者が次に撮影すべき被写体を表すデータである。対応データは、以下の説明においては、被写体を画像によって表すもの(画像データ)と文字によって表すもの(文字データ)とを含むものとするが、文字データを含まない態様であってもよい。
【0044】
対応データ選択部1121は、あらかじめ記憶された対応表(テーブル)を用いて、位置情報に対応する対応データを選択する。対応データは、1つの位置情報に対して複数あってもよい。1つの位置情報に対応する対応データが複数ある場合、対応データ選択部1121は、所定の手法でいずれか1つの対応データを選択する。対応データ選択部1121による選択の手法には、複数ある対応データを決められた順番で選択するものや、乱数(擬似乱数)等を用いて規則性がないように選択するものがある。
【0045】
図10は、対応データ選択部1121が対応データの選択に用いるテーブルを例示する図である。同図に示すように、テーブルには、位置情報と対応データとが対応付けて記述されている。ここにおいて、位置情報は、ある1点ではなく、ある程度の広がりを有する範囲を記述したものであると望ましい。つまり、同図に示す例において、位置情報は、「東京駅」と、その「周辺」とを表す。また、対応データは、位置情報が表す位置において撮影され得る被写体について記述したものである。同図に示す例において、「東京駅周辺」の位置情報に対応する対応データには、「東京駅の駅名表示板」や「東京駅駅舎の特定部分」などがある。
【0046】
認証部114bは、第1撮影データと第2撮影データとの対応関係を、第2撮影データと対応データ選択部1121により選択された対応データとを比較することにより判定し、撮影データの認証を行う。すなわち、認証部114bは、第2撮影データが、対応データによって要求された撮影データに相当するか否かを判定する。この判定は、第2撮影データが期待される撮影データと完全に一致することを要するものではなく、第2撮影データが期待される撮影データであるとみなせる程度に類似していれば十分なものである。認証部114bは、周知の画像認識技術を用いてこの判定を行い、第2撮影データが所定の条件を満たせば、第1撮影データを撮影者が実際にその場所(駅)で撮影したものであると認証する。
【0047】
処理実行部115bは、認証部114bによる認証結果に応じた処理を実行する。具体的には、処理実行部115bは、第1撮影データが認証された場合には、撮影者がその場所に行ったと判断し、第1撮影データが認証されなかった場合には、撮影者がその場所に行ってないと判断する。また、処理実行部115bは、この判断結果を情報処理装置200に報知してもよい。
【0048】
本動作例における処理は、その基本的な流れは動作例1(図6参照)と同様であるが、やりとりされるデータや、各装置における内部処理が動作例1とは異なる。以下の説明においては、図6を参照しつつ、主として、動作例1との相違点を明らかにする。
【0049】
本動作例において、撮影者は、スタンプラリーの対象である所定の駅に行き、スタンプを捺印する。撮影者は、スタンプを捺印したら、これを撮影し、情報処理装置200を用いて、第1撮影データの取得と、撮影者及び撮影位置の確認とを行う(ステップS1〜S3)。その後、情報処理装置200は、撮影者による操作に応じて、第1撮影データ、撮影者情報及び位置情報をタイムサーバー300に送信する(ステップS4)。その後、ステップS5及びステップS6の処理は、動作例1と同様に行われる。
なお、本動作例においては、測位部240からの位置情報を取得できない場合に、撮影者が駅名や駅の住所を入力し、入力された文字情報を位置情報に代えて用いることが可能である。
【0050】
ステップS7において、撮影データ認証装置100は、位置情報に基づいて撮影者の位置を特定し、特定した位置に対応する対応データを情報処理装置200に送信する。この場合においても、撮影データ認証装置100は、撮影者による撮影に資するように、第2撮影データの被写体として期待される画像を表す画像データを見本として送信してもよい。
【0051】
図11は、情報処理装置200による表示を例示する図であり、文字データ及び画像データを含む対応データが送信される場合の表示例である。同図において、領域A3は、撮影者に対する要求を文字により表示するための表示領域であり、領域A4は、画像データが表す画像を見本として表示するための表示領域である。また、領域A5は、これから撮影しようとする画像を表示する表示領域(ファインダー)である。
【0052】
ステップS8及びステップS9の処理は、動作例1と同様に行われる。ステップS10において、第1撮影データ及び第2撮影データを受信した撮影データ認証装置100は、対応データと第2撮影データとを比較し、判定を行う。このとき、撮影データ認証装置100は、第2撮影データが所定の条件を満たすか否かを判断し、所定の条件が満たされれば、第1撮影データを撮影者が実際にその場所(駅)で撮影したものであると認証する。その後、撮影データ認証装置100は、判断結果に応じた所定の処理を実行し(ステップS11)、判断結果、すなわち認証されたか否かを情報処理装置200に通知する(ステップS12)。
【0053】
以上のとおり、本動作例における認証は、時刻情報、位置情報及び撮影者情報を用い、さらに、対応データ及び第2撮影データを用いた比較及び判断を行うことにより、どの日時に、どの場所で、どの撮影者が撮影したかの確かさが保証されるものである。ここにおいて、対応データは、その場所にいれば撮影できるはずのものを表すため、例えば、撮影者が実際にはその場所に行っておらず、他人のスタンプを撮影しただけのような場合の撮影行為を不正とみなすことができるものである。
【0054】
本動作例において、対応データは、あらかじめ複数用意された選択候補の中から選択され得る構成であるため、その予測を困難にすることができるものである。ゆえに、本動作例においては、対応データの選択候補を増やすことにより、対応データとして予測される撮影データをあらかじめ用意しておくことで行われる不正行為を困難にすることが可能である。つまり、対応データの選択候補は、認証をより確実ならしめるためには、できるだけ多くすることが望ましいといえる。
【0055】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態と異なる形態での実施が可能である。以下に示す変形例は、本発明に適用可能な変形の一例である。上述した実施形態及び以下の変形例は、必要に応じて、これらを組み合わせて適用してもよい。
【0056】
(変形例1)
本発明は、タイムサーバーを用いない態様でも実施可能である。例えば、認証に時間の確かさが要求されない場合にあっては、時刻情報が不要であり、撮影データがタイムサーバーを経由する必要もない。また、情報処理装置において取得される時刻情報の確かさが保証できる場合にあっては、タイムサーバーに代えて、情報処理装置自体が時刻情報を取得するようにしてもよい。
【0057】
例えば、携帯電話等の情報処理装置においては、外部(基地局等)からの電波信号に基づいて日時を自動的に補正する機能を有するものがあり、さらに、かかる補正機能のオン・オフを操作できるものもある。よって、日時の補正機能を有し、さらにその補正機能がオン状態である情報処理装置にあっては、自装置で取得される時刻情報の確かさが保証できるといえる。
【0058】
このような情報処理装置を用いる場合、本発明の撮影データ認証装置は、情報処理装置における補正機能の有無とそのオン・オフを判断し、その判断結果に応じて、撮影データをタイムサーバー経由とするか、あるいはタイムサーバーを経由しないで撮影データ認証装置に送信させるかを制御するようにしてもよい。
【0059】
(変形例2)
本発明は、撮影データ認証装置による撮影データの要求を2回以上行ってもよいものである。本発明は、例えば、上述した対応データの選択候補が複数ある場合に、2以上の異なる対応データを送信し、それぞれについて判定を行う態様でも実施可能である。このようにすれば、撮影者がその場所にいることの確かさをより確実ならしめることが可能である。また、本発明は、撮影データが認証されなかった場合などに複数回の撮影データの要求を行い、その複数回の判定結果を用いて認証を行うようにしてもよい。例えば、撮影データを3回要求し、類似度がその3回中の2回以上で所定の範囲であった場合に撮影データを認証する、といった態様が考えられる。
【0060】
(変形例3)
本発明は、撮影データを送受信する場合に、撮影データに電子透かしを付加してもよいものである。また、電子透かしは、撮影データに限らず、対応データに含まれる画像データに付加されてもよい。例えば、情報処理装置が撮影を行い、撮影データを取得した後に当該撮影データが表す画像の前面に電子透かしが埋め込まれるようにすれば、電子透かしを埋め込んだ後の撮影データの改竄を容易に検知することが可能となる。
【0061】
(変形例4)
本発明の撮影データ認証装置は、自装置の外部において撮影データの判定が行われ、外部から判定結果を取得して認証を行う態様でも実施可能である。すなわち、本発明の撮影データ認証装置は、撮影データの判定を主体的には行わないものであってもよい。例えば、撮影データの機械的な比較が困難な場合には、人間が目視により判定を行い、人間がその判定結果を撮影データ認証装置に入力するようにしてもよい。
また、本発明をプログラムにより実施する場合にあっては、本発明に係る認証用のプログラムと、撮影データの判定用のプログラムとが用意され、本発明に係るプログラムは、判定用のプログラムから判定結果を表すデータを取得して認証を行うことも可能である。
【0062】
(変形例5)
本発明は、上述した動作例に限らず、撮影データの信憑性が要求されるシステム全般に適用可能である。例えば、本発明は、特定の施設や領域における入退場を管理するためのシステムに適用したり、建造物の建設現場における状況の確認や作業の進捗管理を行うためのシステムに適用することも可能である。
【符号の説明】
【0063】
10…撮影データ認証システム、100…撮影データ認証装置、110…制御部、111a、111b…第1取得部、112a、112b…要求部、113a、113b…第2取得部、114a、114b…認証部、115a、115b…処理実行部、1121…対応データ選択部、1141…類似度判定部、120…記憶部、130…通信部、200…情報処理装置、300…タイムサーバー、NW1…ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影して得られる撮影データである第1撮影データを情報処理装置から取得する第1取得部と、
前記第1取得部により第1撮影データが取得された情報処理装置に対して、当該第1撮影データより新たに得られる撮影データを要求する要求部と、
前記要求部による要求に応じた撮影データである第2撮影データを前記情報処理装置から取得する第2取得部と、
前記第1取得部及び第2取得部により取得された第1撮影データと第2撮影データとの対応関係の判定結果に基づいて認証を行う認証部と、
前記認証部による認証結果に応じた処理を実行する処理実行部と
を備えることを特徴とする撮影データ認証装置。
【請求項2】
前記認証部が、
前記第1撮影データと前記第2撮影データの類似の度合いを表す類似度を判定する類似度判定部を備え、
前記類似度が第1の閾値以上であり、当該第1の閾値より大である第2の閾値以下である場合には、前記第1撮影データを認証する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影データ認証装置。
【請求項3】
前記第1取得部が、
前記第1撮影データと、当該第1撮影データに対応する位置情報とを取得し、
前記要求部が、
前記第1取得部により取得された位置情報と所定の対応関係を有する対応データを選択する対応データ選択部を備え、前記対応データを前記情報処理装置に送信することにより前記要求を行い、
前記認証部が、
前記対応データと前記第2の撮影データとが有する対応関係に基づいて認証を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影データ認証装置。
【請求項4】
情報処理装置と、撮影データ認証装置とを有し、
前記情報処理装置が、
被写体を撮影して得られる撮影データを取得する撮影部と、
前記撮影データ認証装置と通信を行う第1の通信部とを備え、
前記撮影データ認証装置が、
前記情報処理装置と通信を行う第2の通信部と、
前記第2の通信部を介して、第1撮影データを前記情報処理装置から取得する第1取得部と、
前記第1取得部により第1撮影データが取得された前記情報処理装置に対して、当該第1撮影データより新たに得られる撮影データを前記第2の通信部を介して要求する要求部と、
前記第2の通信部を介して、前記要求部による要求に応じた撮影データである第2撮影データを前記情報処理装置から取得する第2取得部と、
前記第1取得部及び第2取得部により取得された第1撮影データと第2撮影データとの対応関係の判定結果に基づいて認証を行う認証部と、
前記認証部による認証結果に応じた処理を実行する処理実行部とを備える
ことを特徴とする撮影データ認証システム。
【請求項5】
情報処理装置が、被写体を撮影して得られる撮影データである第1撮影データを撮影データ認証装置に送信し、
前記撮影データ認証装置が、前記第1撮影データを取得すると、当該第1撮影データより新たに得られる撮影データを前記情報処理装置に要求し、
前記情報処理装置が、前記撮影データ認証装置からの要求に応じて第2撮影データを当該撮影データ認証装置に送信し、
前記撮影データ認証装置が、前記第2撮影データを取得すると、前記第1撮影データと前記第2撮影データとの対応関係の判定結果に基づいて認証を行い、その認証結果に応じた処理を実行する
ことを特徴とする撮影データ認証方法。
【請求項6】
コンピューターを、
被写体を撮影して得られる撮影データである第1撮影データを情報処理装置から取得する第1取得部と、
前記第1取得部により第1撮影データが取得された情報処理装置に対して、当該第1撮影データより新たに得られる撮影データを要求する要求部と、
前記要求部による要求に応じた撮影データである第2撮影データを前記情報処理装置から取得する第2取得部と、
前記第1取得部及び第2取得部により取得された第1撮影データと第2撮影データとの対応関係の判定結果に基づいて認証を行う認証部と、
前記認証部による認証結果に応じた処理を実行する処理実行部
として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
被写体を撮影して得られる撮影データである第1撮影データを情報処理装置から取得する第1取得部と、
前記第1取得部により第1撮影データが取得された情報処理装置に対して、当該第1撮影データより新たに得られる撮影データを要求する要求部と、
前記要求部による要求に応じた撮影データである第2撮影データを前記情報処理装置から取得する第2取得部と、
前記第1取得部及び第2取得部により取得された第1撮影データと第2撮影データとの対応関係の判定結果に基づいて認証を行う認証部と、
前記認証部による認証結果に応じた処理を実行する処理実行部と
を備えることを特徴とする撮影データ認証装置。
【請求項2】
前記認証部が、
前記第1撮影データと前記第2撮影データの類似の度合いを表す類似度を判定する類似度判定部を備え、
前記類似度が第1の閾値以上であり、当該第1の閾値より大である第2の閾値以下である場合には、前記第1撮影データを認証する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影データ認証装置。
【請求項3】
前記第1取得部が、
前記第1撮影データと、当該第1撮影データに対応する位置情報とを取得し、
前記要求部が、
前記第1取得部により取得された位置情報と所定の対応関係を有する対応データを選択する対応データ選択部を備え、前記対応データを前記情報処理装置に送信することにより前記要求を行い、
前記認証部が、
前記対応データと前記第2の撮影データとが有する対応関係に基づいて認証を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影データ認証装置。
【請求項4】
情報処理装置と、撮影データ認証装置とを有し、
前記情報処理装置が、
被写体を撮影して得られる撮影データを取得する撮影部と、
前記撮影データ認証装置と通信を行う第1の通信部とを備え、
前記撮影データ認証装置が、
前記情報処理装置と通信を行う第2の通信部と、
前記第2の通信部を介して、第1撮影データを前記情報処理装置から取得する第1取得部と、
前記第1取得部により第1撮影データが取得された前記情報処理装置に対して、当該第1撮影データより新たに得られる撮影データを前記第2の通信部を介して要求する要求部と、
前記第2の通信部を介して、前記要求部による要求に応じた撮影データである第2撮影データを前記情報処理装置から取得する第2取得部と、
前記第1取得部及び第2取得部により取得された第1撮影データと第2撮影データとの対応関係の判定結果に基づいて認証を行う認証部と、
前記認証部による認証結果に応じた処理を実行する処理実行部とを備える
ことを特徴とする撮影データ認証システム。
【請求項5】
情報処理装置が、被写体を撮影して得られる撮影データである第1撮影データを撮影データ認証装置に送信し、
前記撮影データ認証装置が、前記第1撮影データを取得すると、当該第1撮影データより新たに得られる撮影データを前記情報処理装置に要求し、
前記情報処理装置が、前記撮影データ認証装置からの要求に応じて第2撮影データを当該撮影データ認証装置に送信し、
前記撮影データ認証装置が、前記第2撮影データを取得すると、前記第1撮影データと前記第2撮影データとの対応関係の判定結果に基づいて認証を行い、その認証結果に応じた処理を実行する
ことを特徴とする撮影データ認証方法。
【請求項6】
コンピューターを、
被写体を撮影して得られる撮影データである第1撮影データを情報処理装置から取得する第1取得部と、
前記第1取得部により第1撮影データが取得された情報処理装置に対して、当該第1撮影データより新たに得られる撮影データを要求する要求部と、
前記要求部による要求に応じた撮影データである第2撮影データを前記情報処理装置から取得する第2取得部と、
前記第1取得部及び第2取得部により取得された第1撮影データと第2撮影データとの対応関係の判定結果に基づいて認証を行う認証部と、
前記認証部による認証結果に応じた処理を実行する処理実行部
として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−231450(P2010−231450A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77610(P2009−77610)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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