説明

撮影装置

【課題】本発明の一実施例では、周期的に輝度が変動する外部光源の照明環境の下で一定輝度の画像を撮影する撮影装置を提供することを目的とする。
【解決手段】上記課題を解決するため、第一周期で輝度が変動する光源の照明環境の下で複数の画像を撮影する撮影装置は、シャッターのオンオフを第二周期で行う制御信号に応じて該画像を撮影する受光部と、撮影した該画像ごとの画像データの輝度値を算出する算出部と、算出した該画像ごとの該画像データの輝度値の大小関係に基づいて該第一周期に対する該第二周期の移相方向を決定する位相調整部と、決定した該移相方向に応じて移相した後の該第二周期で該制御信号を出力する受光制御部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続して画像を撮影する撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高速に移動する物体の情報を正確にとらえるため、一定のフレーム撮影周期で画像を撮影する撮影装置が用いられる。例えばNTSC(National Television Standards Committee)方式の撮影装置は時速100km程度の速度で走行する物体を毎秒60フレームで撮影する。ここでフレームは連続して撮影される静止画の画像である。
【0003】
遅いシャッター速度で高速に移動する物体を撮影すると、フレームごとの画像データに残像が生じる。画像データに残像があると、物体の表面に記載された文字などの情報を正確に読み取ることが出来ない。残像を無くして高速で移動する物体の情報を正確に読み取るには、シャッター速度を1/2000秒程度にする必要がある。
【0004】
シャッター速度を短くすると受光素子への露光時間が短くなるため、物体の情報を正確に読み取るだけの画像データの輝度が確保できなくなる。そこでNTSC方式などの規格で定められているフレーム周期と同一周期でフラッシュを発光するストロボが用いられる。フレームの撮影と同じタイミングでフラッシュを発光させることにより、シャッター速度を速くしたために不足する光量を補うことが出来る。
【0005】
撮影装置の撮影対象の近くに蛍光灯や水銀灯などの輝度の大きい外部光源がある場合、ストロボを用いなくても充分な輝度を確保できる場合がある。ストロボが不要になると撮影装置をより小型化、低価格化することができる。
【0006】
しかし、外部光源の変動周期と画像撮影周期の関係により、撮影するタイミングによっては光量が大きすぎる場合や、十分な光量を確保できない場合がある。例えば50Hzで電力供給されている東日本で撮影する場合、蛍光灯の変動周期は100Hzとなる。これに対してNTSC方式での画像撮影周期は1/60秒であるため、撮影のタイミングによって画像データの輝度が大きくなったり小さくなったりする。輝度が大きすぎるとハレーションの原因になり、輝度が小さすぎると露光不足となるため、いずれも画像認識に不都合となる。
【0007】
以下の特許文献には撮影装置に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−163832号公報
【特許文献2】特開2009−17293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の一実施例では、周期的に輝度が変動する外部光源の照明環境の下で一定輝度の画像を撮影する撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、第一周期で輝度が変動する光源の照明環境の下で複数の画像を撮影する撮影装置は、シャッターのオンオフを第二周期で行う制御信号に応じて該画像を撮影する受光部と、撮影した該画像ごとの画像データの輝度値を算出する算出部と、算出した該画像ごとの該画像データの輝度値の大小関係に基づいて該第一周期に対する該第二周期の移相方向を決定する位相調整部と、決定した該移相方向に応じて移相した後の該第二周期で該制御信号を出力する受光制御部とを有する。
【発明の効果】
【0011】
実施形態によれば、周期的に輝度が変動する外部光源の照明環境の下で一定輝度の画像を撮影する撮影装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】撮影装置のブロック図である。
【図2】Aは移相前の外部光源の輝度変動とフレーム撮影タイミングとの関係図である。Bは移相後の外部光源の輝度変動と移相したフレーム撮影タイミングとの関係図である。
【図3】Aは隣接するフレーム各々の輝度と移相量との関係図である。Bは隣接するフレーム間の輝度の大小関係とフレーム撮影の移相方向を定義したテーブル図である。
【図4】Aは隣接するフレームの画像データのイメージ図である。Bは算出部から出力する輝度平均値テーブルである
【図5】算出部における輝度平均値の算出処理フローである。
【図6】位相調整部における移相方向決定処理フローである。
【図7】受光制御部における受光制御処理フローである。
【図8】Aは隣接するフレーム各々の輝度と移相量との関係図である。Bは隣接するフレーム間の輝度の大小関係と、フレーム撮影周期の移相方向との関係図である。
【図9】Aは隣接するフレーム各々の輝度と移相量との関係図である。Bは隣接するフレーム間の輝度の大小関係と、フレーム撮影周期の移相方向との関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施の形態について説明する。なお、各実施形態における構成の組み合わせも本発明の実施形態に含まれる。
【0014】
図1は本実施例に係る撮影装置1のブロック図である。撮影装置1はレンズ9、受光部2、信号処理部3、バッファメモリ4、タイミング制御部8、算出部5、位相調整部6、受光制御部7を有する。外部光源15は撮影装置1の外部に設置されている。
【0015】
レンズ9は外部から入光する光を集光し、受光部2へ送る。受光部2はフレーム撮影周期でシャッターのオンオフを行う制御信号11に応じて動画を構成するフレームを撮影する。シャッターは機械的に撮像および遮像を切り替えるものであっても良いし、電気的に電気信号への変換および変換中止を切り替えるものであっても良い。
【0016】
受光部2は受信した制御信号11に応じて撮像した映像を電気信号の画像データに変換する。制御信号11の情報は露光開始時間および露光終了時間からなる。信号処理部3は電気信号に変換された画像データを増幅し、またはノイズの除去を行う。バッファメモリ4は信号処理部3により信号処理された画像データを一時的に記憶する。
【0017】
算出部5は信号処理部3から出力された画像データの全部または一部からフレームごとの画像データの輝度値を算出する。輝度の算出に用いる画像データは、背景部分などフレーム間で変化の小さい部分を用いる。変化の小さい部分を用いることにより、蛍光灯などの外部光源の輝度変化に依存した画像データの輝度変化を算出することが出来る。輝度値の算出方法についての詳細は後述する。
【0018】
位相調整部6は複数の画像データ間の輝度の大小関係に基づいて外部光源の輝度周期に対するフレーム撮影周期の移相方向を決定する。本実施例において、移相方向の決定は、複数の画像データ間の輝度の大小関係とあらかじめ用意したテーブルとを比較することにより実行する。位相調整部6は決定した移相方向に応じた移相信号10を受光制御部7へ出力する。移相方向の決定方法についての詳細は後述する。
【0019】
受光制御部7は位相調整部6が決定した移相方向に応じて移相した後のフレーム撮影周期で制御信号11を出力する。フレーム撮影周期を移相する基準はタイミング制御部8から受信するクロック信号13である。フレーム撮影周期の移相量は受光制御部7にあらかじめ記憶されている。受光制御部7は移相信号10に応じて移相量を加減算する。受光制御部7は決定した移相量に応じて制御信号11を出力する。
【0020】
受光制御部7は制御信号11を出力するごとに制御信号11の出力回数をカウントするカウンタを有する。カウンタのカウント値は撮影装置1の初期化時に‘−1’にリセットする。受光制御部7は移相量を変更した後の移相信号10の出力と同時に、カウンタによりカウントした値をフレーム番号12として算出部5に出力する。算出部5はフレーム番号12を受信した後に入力された画像データに基づいて、各フレームにおける画像データの特定領域の平均値を算出する。フレーム番号12をトリガとすることにより、移相量変更後の画像データの輝度情報を取り込むことが出来る。受光制御部7の制御方法についての詳細は後述する。
【0021】
タイミング制御部8はバッファメモリ4が一時記憶した画像データを出力するタイミングおよび受光制御部7が制御信号11を出力する周期の基準となるクロックを生成し出力する。
【0022】
以上の通りフレーム撮影周期を外部光源の周期に対してずらすことにより、周期的に輝度が変動する外部光源を用いて一定輝度の画像を撮影する撮影装置を提供することが出来る。
【0023】
図2は外部光源の輝度変動とフレーム撮影タイミングとの関係図である。図2のAは受光制御部7で移相する前の外部光源の輝度変動とフレーム撮影タイミングとの関係を示す。図2のBは画像データの輝度が大きくなるように移相した後の外部光源の輝度変動とフレーム撮影タイミングとの関係を示す。
【0024】
図2のAにおいて横軸は時間であり、縦軸は輝度である。正弦波20は外部光源の輝度変動を示している。本実施例において外部光源は1/100秒の周期で変動している。フレーム撮影タイミング21、22、23は受光部2におけるフレーム撮影タイミングを示している。
【0025】
図2のAにおいて、閾値27は撮影した画像データに求められる最低輝度である。閾値27は撮影した画像の利用目的に応じて適宜設定すればよい。撮影した画像データから読み取るべき情報として、走行中の電車の行き先表示や、走行中の自動車の車載ナンバーなど移動物体の表面に記載された文字情報がある。撮影した画像データからこのような情報を認識するためには、撮影した画像データの輝度が閾値27以上となる必要があるとする。フレーム撮影タイミング21で撮影される画像データの輝度は閾値27を下回っている。よってフレーム撮影タイミング21で撮影された画像データからは読み取るべき情報が認識できない可能性がある。
【0026】
図2のBにおいて、受光制御部7の移相処理によりフレーム撮影タイミング24、25、26は図2のAのフレーム撮影タイミング21、22、23よりもマイナス方向にそれぞれ移相している。移相した結果、フレーム撮影タイミング21において閾値27を下回っていた画像データの輝度は、フレーム撮影タイミング24において閾値27を上回っている。
【0027】
以上の通り、フレーム撮影周期を外部光源の輝度変動周期に対して移相することにより、全てのフレーム撮影タイミングにおける画像データの輝度を基準値以上の値とすることが出来る。
【0028】
図3は隣接するフレーム各々の輝度の大小関係に応じて位相調整部6における移相方向を決定する方法を説明する図である。図3の実施例において外部光源の周期は1/100秒であり、フレーム撮影周期は1/60秒である。図3のAは隣接するフレーム各々の輝度と移相量との関係図である。図3のBは隣接するフレーム間の輝度の大小関係と、輝度の最小値を大きく設定したい場合のフレーム撮影周期の移相方向を定義したテーブル図である。
【0029】
外部光源を用いて撮影したフレームの画像データにおけるある領域の輝度の平均値について、平均値の変動量の最大値をK、外部光源の輝度を周期Tのsin波とすると、ある時刻tの輝度平均値の変動量D(t)は、D(t)=K×sin(t+α)となる。ここで、αは受光部2のシャッター周期と外部光源の輝度周期との位相差である。
【0030】
受光部2のフレーム撮影周期が1/60秒の場合、Nフレーム目の撮影タイミングである時刻1/60×N秒における輝度平均値の変動量は、D(1/60×N)=K×sin(1/60×N+α)となる。ここで1/60秒をTで表現すると、T=1/100より、1/60=5T/3となる。よって輝度平均値の変動量はD(5T/3×N)=K×sin(5T/3×N+α)=K×sin(2T/3×N+α)となる。
【0031】
輝度平均値の変動量D(5T/3×N)の式は、フレーム番号Nを3で割ったときの余りに応じて、余りが0のときD(5T/3×0)=K×sin(α)、余りが1のときD(5T/3×1)=K×sin(2T/3+α)、余りが2のときD(5T/3×2)=K×sin(T/3+α)となる。つまりNフレーム目の画像データの輝度は3つの式の何れかのパターンで変化する。よって、隣接する3つのフレームにおける画像データの輝度を比較することにより、輝度の大小関係から受光部2のフレーム撮影周期と外部光源の輝度周期との位相差であるαがどの程度であるかを推測することが出来る。
【0032】
図3のAにおいて、画像番号30、31、32はフレーム撮影周期の移相量に対する、隣接する3つのフレームの輝度の変動量の変化である。外部光源の周期とフレーム撮影周期との位相差αに応じて、画像番号30、31、32の大小関係は変化する。区間A、B、C、D、E、Fは移相量に対する画像データの輝度の変動量の変化の一定の区間を示す。位相43、45、47は3つの画像番号30、31、32の輝度が変動量の最大値(正の最大値)になる位相を示す。位相44、46、48は3つの画像番号30、31、32の輝度が変動量の最小値(負の最大値)になる位相を示す。3つの画像番号30、31、32の輝度をある基準値よりも大きくなるように設定したい場合は、輝度の変動量を正の最大値の方向にするために、外部光源の輝度変動周期に対するフレーム撮影周期の位相を位相43、45、47に向かって調整する。3つの画像番号30、31、32の輝度をある基準値よりも小さくなるように設定したい場合は、輝度の変動量を負の最大値の方向にするために、外部光源の輝度変動周期に対するフレーム撮影周期の位相を位相44、46、48に向かって調整する。ここで、基準値は変動量±Kの範囲内で設定されるものとする。
【0033】
撮影したフレームの画像データにおけるある領域の輝度の平均値の変動量を算出するには、図3のAにおいて、変動量ゼロの場合の輝度値が既知でなければならない。しかし、当該フレームの画像データのみからでは算出が困難である。そこで、複数のフレームの変動量の大小関係と輝度値そのものの大小関係は一致することを利用する。つまり、図3のAにおける、画像番号30、31、32の変動量の関係が画像番号30>画像番号32>画像番号31である場合、輝度値そのものの関係も同じ大小関係となるはずである。よって図3のAはフレーム撮影周期の移相量に対する、隣接する3つのフレームの輝度値の関係に相当する。
【0034】
図3のBにおいて、列33、34、35は画像番号30、31、32の輝度の大小関係を示した移相方向テーブルである。列36は画像番号30、31、32の大小関係に対応する移相方向を示す。
【0035】
図3のBにおいて、行37から行42は画像番号30、31、32の輝度の大小関係に対する移相方向を示す。行37は、画像番号30の輝度が最も大きく、画像番号32の輝度が2番目に大きく、画像番号31の輝度が最も小さい場合には画像番号30、31、32のフレーム撮影周期と外部光源の輝度変動周期との位相差は区間Aにあることを示している。また行37は、画像番号30、31、32のフレーム撮影周期が区間Aにある場合には、フレーム撮影周期を正方向‘+’に移相させることを示している。
【0036】
行38は、画像番号30の輝度が最も大きく、画像番号31の輝度が2番目に大きく、画像番号32の輝度が最も小さい場合には、画像番号30、31、32のフレーム撮影周期と外部光源の輝度変動周期との位相差は区間Bにあることを示している。また行38は、画像番号30、31、32のフレーム撮影周期が区間Bにある場合には、フレーム撮影周期を負方向‘−’に移相させることを示している。
【0037】
行39は、画像番号31の輝度が最も大きく、画像番号30の輝度が2番目に大きく、画像番号32の輝度が最も小さい場合には、画像番号30、31、32のフレーム撮影周期と外部光源の輝度変動周期との位相差は区間Cにあることを示している。また行39は、画像番号30、31、32のフレーム撮影周期が区間Cにある場合には、フレーム撮影周期を正方向に移相させることを示している。
【0038】
行40は、画像番号31の輝度が最も大きく、画像番号32の輝度が2番目に大きく、画像番号30の輝度が最も小さい場合には、画像番号30、31、32のフレーム撮影周期と外部光源の輝度変動周期との位相差は区間Dにあることを示している。また行40は、画像番号30、31、32のフレーム撮影周期が区間Dにある場合には、フレーム撮影周期を負方向に移相させることを示している。
【0039】
行41は、画像番号32の輝度が最も大きく、画像番号31の輝度が2番目に大きく、画像番号30の輝度が最も小さい場合には、画像番号30、31、32のフレーム撮影周期と外部光源の輝度変動周期との位相差は区間Eにあることを示している。また行41は、画像番号30、31、32のフレーム撮影周期が区間Eにある場合には、フレーム撮影周期を正方向に移相させることを示している。
【0040】
行42は、画像番号32の輝度が最も大きく、画像番号30の輝度が2番目に大きく、画像番号31の輝度が最も小さい場合には、画像番号30、31、32のフレーム撮影周期と外部光源の輝度変動周期との位相差は区間Fにあることを示している。また行42は、画像番号30、31、32のフレーム撮影周期が区間Fにある場合には、フレーム撮影周期を負方向に移相させることを示している。
【0041】
位相調整部6は算出部5から出力された3つの隣接するフレームの輝度の大小関係を比較する。位相調整部6は比較結果と図3のBのテーブルを比較し、フレーム撮影周期の移相方向を決定する。図3のBの移相方向テーブルと比較することにより、フレーム撮影周期の位相を効率よく変更することが出来る。
【0042】
図4は算出部5においてフレームから画像データの平均値を算出する方法を説明するための図である。図4のAは隣接するフレームの画像データのイメージ図であり、図4のBは算出部5から出力する輝度平均値テーブル54である。
【0043】
図4のAにおいて、画像データ51、52、53は3つの隣接するフレームの画像データのイメージ図である。画像データ51、52、53は撮影した順番に算出部5に入力される。
【0044】
画像データ51において、特定領域50は画像データの色差の変化が小さい領域を示す。特定領域は画像データ52、53についても同一の領域である。特定領域50は自動車などの移動物体を撮影する可能性の低い領域である。色差の変化が小さい領域を選択し、その領域の単位面積当りの平均値を算出することにより、外部光源の周期的な変化のみに対応した画像データの輝度平均値の変化を抽出することが出来る。
【0045】
図4のBは抽出された画像データの輝度平均値に番号をつけた輝度平均値テーブル54である。輝度平均値テーブル54において、列55は算出した輝度平均値に対応する画像番号を示す。算出部5は受光制御部7から受信したフレーム番号12を3で割った余りを画像番号として算出する。算出部5は算出した画像番号と列55の画像番号とを対応させ、対応する列56に算出した輝度平均値を書きこむ。
【0046】
列56は特定領域50におけるフレームごとの輝度平均値である。列56のデータはフレームごとの輝度の大小関係を比較するために用いる。したがって、画像データごとに抽出する輝度値は、例えば特定領域50の輝度の合計値であってもよい。
【0047】
行57は画像番号‘0’に対応するフレームにおける輝度平均値が‘135’であることを示している。行58は画像番号‘1’に対応するフレームにおける輝度平均値が‘100’であることを示している。行59は画像番号‘2’に対応するフレームにおける輝度平均値が‘125’であることを示している。
【0048】
以上の通り、画像番号に対応したフレームごとの輝度平均値を位相調整部6に送信することが出来る。位相調整部6は受信した輝度平均値に基づいて適切な移相方向を判定することが出来る。
【0049】
図5は算出部5における輝度平均値の算出処理フローである。算出部5は受光制御部7からフレーム番号12を受信するまで待機状態を維持する(S1、NO)。算出部5はフレーム番号12を受信すると(S1、YES)、受信後に入力された画像データの特定領域50の輝度データを抽出する(S2)。算出部5は抽出された輝度データに基づいて単位面積当りの輝度平均値を算出する(S3)。
【0050】
算出部5は受信したフレーム番号12が算出した輝度平均値に対応するものとしてフレーム番号12を3で割り、その余りを求める。算出部5は求めた余りを算出した輝度平均値の画像番号として設定する(S4)。算出部5は画像番号と、画像番号に対応する輝度平均値を位相調整部6へ出力する(S6)。
【0051】
以上の通り算出部5は、画像番号に対応したフレームごとの輝度平均値をもとめ、これを位相調整部6に送信することができる。
【0052】
図6は位相調整部6における移相方向決定処理フローである。位相調整部6は、算出部5から受信した輝度平均値が一定範囲に定まっているかを判定するための閾値を設けていても良い。この場合、位相調整部6はシャッター周期を移相した後の画像の画像データに基づく輝度平均値を閾値と比較した結果に応じてシャッター周期をさらに移相するか否かを判定する。
【0053】
図2において前述したように、撮影装置1において撮影する各画像データの輝度平均値が閾値以上であることを求められている場合、位相調整部6は算出した輝度平均値と設定した閾値とを比較する。比較の結果、いずれかの輝度平均値が閾値よりも小さい場合(S7、YES)、位相調整部6は受信した輝度平均値テーブル54に基づいて、画像番号ごとの輝度平均値の大小関係を比較する(S11)。例えば図3の実施例においては、画像番号0と画像番号1に対応する輝度平均値を比較し、画像番号0と画像番号2に対応する輝度平均値を比較し、画像番号1と画像番号2に対応する輝度平均値を比較する。
【0054】
すべての輝度平均値が閾値以上である場合(S7、NO)、位相調整部6は移相処理を終了する。なお、閾値を設けることなく、輝度平均値の最小値が最も大きい値に収束するまで処理を続けても良い。
【0055】
位相調整部6は図3のBの移相方向テーブルを参照し、画像番号0、1、2に対応する輝度平均値の大小関係の比較結果と、移相方向テーブルにおける画像番号30、31、32の大小関係とを比較する(S14)。位相調整部6は比較した結果に基づいて移相方向テーブルから移相方向を決定する(S15)。画像番号30と画像番号0、画像番号31と画像番号1、および画像番号32と画像番号2はそれぞれ同一のフレームに対応している。位相調整部6は決定した移相方向に対応する移相信号10を受光制御部7へ出力する(S16)。
【0056】
以上の通り位相調整部6は、算出部5から受信した輝度平均値テーブル54に基づいて最適な移相方向を決定することが出来る。
【0057】
図7は受光制御部7における受光制御処理フローである。受光制御部7は受信した移相方向およびあらかじめ設定された移相量に基づいて移相量を決定する(S21)。受光制御部7は決定した移相量に応じて、タイミング制御部8から受信したクロック信号13の位相をずらす(S22)。受光制御部7にあらかじめ設定された移相量は、輝度平均値の閾値に対する位相と輝度平均値の最大値に対する位相との位相差よりも小さい値にするのが望ましい。また受光制御部7は位相調整部6から受信した移相方向の情報が変化した場合に移相量をより小さく設定しても良い。輝度平均値の最大値に近づくほど移相量を小さくすることにより、受光制御部7はクロック信号13の位相をより目標値に近い値に設定することが出来る。受光制御部7の移相量は他の実施例において同様に設定しても良い。
【0058】
受光制御部7は移相したクロック信号13のタイミングで制御信号11を受光部2に出力する(S23)。受光制御部7は制御信号11を出力するごとにカウンタをカウントアップする(S24)。受光制御部7はカウンタのカウント値をフレーム番号12として算出部5に出力する。制御信号11とフレーム番号12の出力タイミングを同期させることにより、算出部5が受信する制御信号11のタイミングで撮影された画像データとその画像データに対応するフレーム番号12を対応させることが出来る。
【0059】
以上の通り、受光制御部7は位相調整部6で決定した移相方向に応じて移相量を設定し、設定した移相量に応じて受光部2のフレーム撮影周期を調整することが出来る。
【0060】
図8は外部光源の輝度周期とシャッター周期とが同期する場合に位相調整部6における移相方向を決定する方法を説明する図である。図8の実施例において外部光源の周期は1/100秒であり、フレーム撮影周期の周期は1/50秒である。図8のAは隣接するフレーム各々の輝度と移相量との関係図である。図8のBは隣接するフレーム間の輝度の大小関係と、輝度の最小値を大きく設定したい場合のフレーム撮影周期の移相方向との関係図である。
【0061】
外部光源を用いて撮影した画像データにおける特定領域50の輝度の平均値について、平均値の変動量の最大値をK、外部光源の輝度を周期Tのsin波とすると、ある時刻tの輝度平均値の変動量D(t)は、D(t)=K×sin(t+α)となる。ここで、αは受光部2のシャッター周期と外部光源の輝度周期との位相差である。
【0062】
受光部2のシャッター周期が1/50秒の場合、Nフレーム目の撮影タイミングである時刻1/50×N秒における輝度平均値の変動量は、D(1/50×N)=K×sin(1/50×N+α)となる。ここで1/50をTで表現すると、T=1/100より、1/50=2Tとなる。よって輝度平均値の変動量はD(2T×N)=K×sin(2T×N+α)となる。つまりNフレーム目の画像データの輝度はフレーム番号によらず一定の値となり、シャッター周期と外部光源の輝度周期との位相差によってのみ変化する。
【0063】
そこで、受光制御部7は複数の画像における画像データの輝度平均値の大きさが全て同じ場合に、画像ごとに受光するタイミングをずらす。さらに位相調整部6は受光タイミングをずらす前の輝度平均値と受光タイミングをずらした後の輝度平均値との大小関係に応じて、移相方向を決定する。
【0064】
より具体的には、フレーム番号Nを3で割って、余りが0となるフレームの撮影タイミングを位相β早く設定し、余りが1となるフレームの撮影タイミングの位相はずらさず、余りが2となるフレームの撮影タイミングを位相β遅く設定する。意図的に位相をずらすことにより、フレームごとの輝度平均値の変動量はD(2T×N)=K×sin(2T×N+α−β)、D(2T×N)=K×sin(2T×N+α)、D(2T×N)=K×sin(2T×N+α+β)の3つのパターンに分かれる。
【0065】
意図的に3つのパターンに分けた隣接する3つのフレームにおける画像データの輝度を比較することにより、輝度の大小関係から受光部2のフレーム撮影周期と外部光源の輝度周期との位相差がどの程度であるかを推測することが出来る。
【0066】
図8のAにおいて、画像番号60、61、62はフレーム撮影周期の移相量に対する、隣接する3つのフレームの輝度の変動量の変化である。外部光源の輝度変動周期とフレーム撮影周期の位相差に応じて、画像番号60、61、62の大小関係は変化する。区間A、B、C、D、E、Fは移相量に対する画像データの輝度変化の一定の区間を示す。位相75は3つの画像番号60、61、62の輝度の変動量の最大値の位相を示す。位相76は3つの画像番号60、61、62の輝度の変動量の最小値の位相を示す。3つの画像番号60、61、62の輝度をある基準値よりも大きくなるように設定したい場合は、外部光源に対するフレーム撮影周期の位相を位相75に向かって調整すればよい。3つの画像番号60、61、62の輝度をある基準値よりも小さくなるように設定したい場合は、外部光源に対するフレーム撮影周期の位相を位相76に向かって調整すればよい。ここで、基準値は変動量±Kの範囲内で設定されるものとする。
【0067】
撮影したフレームの画像データにおけるある領域の輝度の平均値の変動量を算出するには、図8のAにおいて、変動量ゼロの場合の輝度値が既知でなければならない。しかし、当該フレームの画像データのみからでは算出が困難である。そこで、複数のフレームの変動量の大小関係と輝度値そのものの大小関係は一致することを利用する。つまり、図8のAにおける、画像番号60、61、62の変動量の関係が画像番号62>画像番号61>画像番号60である場合、輝度値そのものの関係も同じ大小関係となるはずである。よって図8のAはフレーム撮影周期の移相量に対する、隣接する3つのフレームの輝度値の関係に相当する。
【0068】
図8のBにおいて、列63、64、65は画像番号60、61、62の輝度の大小関係を示した移相方向テーブルである。列66は画像番号60、61、62の大小関係に対応する移相方向を示す。
【0069】
図8のBにおいて、行67から行72は画像番号60、61、62の輝度の大小関係に対する移相方向を示す。行67は、画像番号60の輝度が最も大きく、画像番号62の輝度が2番目に大きく、画像番号61の輝度が最も小さい場合には画像番号60、61、62のフレーム撮影周期と外部光源の輝度変動周期との位相差は区間Aにあることを示している。また行67は、画像番号60、61、62のフレーム撮影周期が区間Aにある場合には、フレーム撮影周期を正方向‘+’に移相させることを示している。
【0070】
行68は、画像番号61の輝度が最も大きく、画像番号60の輝度が2番目に大きく、画像番号62の輝度が最も小さい場合には、画像番号60、61、62のフレーム撮影周期と外部光源の輝度変動周期との位相差は区間Bにあることを示している。また行68は、画像番号60、61、62のフレーム撮影周期が区間Bにある場合には、フレーム撮影周期を現状のまま維持することを示している。
【0071】
行69は画像番号61の輝度が最も大きく、画像番号62の輝度が2番目に大きく、画像番号60の輝度が最も小さい場合には、画像番号60、61、62のフレーム撮影周期と外部光源の輝度変動周期との位相差は区間Cにあることを示している。また行69は画像番号60、61、62のフレーム撮影周期が区間Cにある場合には、フレーム撮影周期を現状のまま維持することを示している。
【0072】
行70は画像番号62の輝度が最も大きく、画像番号61の輝度が2番目に大きく、画像番号60の輝度が最も小さい場合には、画像番号60、61、62のフレーム撮影周期と外部光源の輝度変動周期との位相差は区間Dにあることを示している。また行70は画像番号60、61、62のフレーム撮影周期が区間Dにある場合には、フレーム撮影周期を負方向に移相させることを示している。
【0073】
行71は画像番号62の輝度が最も大きく、画像番号61の輝度が2番目に大きく、画像番号60の輝度が最も小さい場合には、画像番号60、61、62のフレーム撮影周期と外部光源の輝度変動周期との位相差は区間Eにあることを示している。また行71は画像番号60、61、62のフレーム撮影周期が区間Eにある場合には、フレーム撮影周期を負方向に移相させることを示している。
【0074】
行72は画像番号60の輝度が最も大きく、画像番号62の輝度が2番目に大きく、画像番号61の輝度が最も小さい場合には、画像番号60、61、62のフレーム撮影周期と外部光源の輝度変動周期との位相差は区間Fにあることを示している。また行72は画像番号60、61、62のフレーム撮影周期が区間Fにある場合には、フレーム撮影周期を正方向に移相させることを示している。
【0075】
位相調整部6は算出部5から出力された3つの隣接するフレームの輝度の大小関係を比較する。位相調整部6は比較結果と図8のBのテーブルを比較し、フレーム撮影周期の移相方向を決定する。図8のBのテーブルと比較することにより、フレーム撮影周期の位相を効率よく変更することが出来る。
【0076】
図9はシャッター周期が外部光源の周期にさらに近づいた場合の、位相調整部6における移相方向を決定する方法を説明する図である。図9の実施例において外部光源の周期は1/100秒であり、フレーム撮影周期は1/80秒である。図9のAは隣接するフレーム各々の輝度と移相量との関係図である。図9のBは隣接するフレーム間の輝度の大小関係と、輝度の最小値を大きく設定したい場合のフレーム撮影周期の移相方向との関係図である。
【0077】
外部光源を用いて撮影した画像データにおけるある領域の輝度の平均値について、平均値の変動量の最大値をK、外部光源の輝度を周期Tのsin波とすると、ある時刻tの輝度平均値の変動量D(t)は、D(t)=K×sin(t+α)となる。ここで、αは受光部2のシャッター周期と外部光源の輝度周期との位相差である。
【0078】
受光部2のシャッター周期が1/80秒の場合、Nフレーム目の撮影タイミングである時刻1/80×N秒における輝度平均値の変動量は、D(1/80×N)=K×sin(1/80×N+α)となる。ここで1/80をTで表現すると、T=1/100より、1/80=5T/4となる。よって輝度平均値の変動量はD(5T/4×N)=K×sin(5T/4×N+α)=K×sin(T/4×N+α)となる。
【0079】
輝度平均値の変動量D(5T/4×N)の式は、フレーム番号Nを4で割った余りに応じて、余りが0の場合D(5T/4×0)=K×sin(α)、余りが1の場合D(5T/4×1)=K×sin(T/4+α)、余りが2の場合D(5T/4×N)=K×sin(2T/4+α)、余りが3の場合D(5T/4×N)=K×sin(3T/4+α)となる。つまりフレームの輝度変化は4つの式のいずれかのパターンで表すことができる。
【0080】
よって、隣接する4つのフレームにおける画像データの輝度を比較することにより、輝度の大小関係から受光部2のシャッター周期と外部光源の輝度周期との位相差がどの程度であるかを推測することが出来る。
【0081】
図9のAにおいて、画像番号80、81、82、83はフレーム撮影周期の移相量に対する、隣接する4つのフレームの輝度の変動量の変化である。外部光源の周期とフレーム撮影周期の位相差に応じて、画像番号80、81、82、83の大小関係は変化する。
【0082】
区間A、B、C、D、E、F、G、Hは位相差αに対する画像データの輝度の変動量の変化の一定の区間を示す。位相97、98、99、100は4つの画像番号80、81、82、83の輝度の変動量のうち2つが同じ値で最大となり、かつ画像番号80、81、82、83の輝度の変動量のうちの2つが同じ値で最小となる位相を示す。
【0083】
撮影したフレームの画像データにおけるある領域の輝度の平均値の変動量を算出するには、図9のAにおいて、変動量ゼロの場合の輝度値が既知でなければならない。しかし、当該フレームの画像データのみからでは算出が困難である。そこで、複数のフレームの変動量の大小関係と輝度値そのものの大小関係は一致することを利用する。つまり、図9のAにおける、画像番号80、81、82、83の変動量の関係が画像番号80>画像番号81>画像番号83>画像番号82である場合、輝度値そのものの関係も同じ大小関係となるはずである。よって図9のAはフレーム撮影周期の移相量に対する、隣接する4つのフレームの輝度値の関係に相当する。
【0084】
図9のBにおいて、列84、85、86、87は画像番号80、81、82、83の輝度の大小関係を示した移相方向テーブルである。列88は画像番号80、81、82、83の大小関係に対応する移相方向を示す。
【0085】
図9のBにおいて、行89から行96は画像番号80、81、82、83の輝度の大小関係に対する移相方向を示す。行89は、画像番号81の輝度が最も大きく、画像番号80の輝度が2番目に大きく、画像番号82の輝度が3番目に大きく、画像番号83の輝度が最も小さい場合には画像番号80、81、82、83のフレーム撮影周期と外部光源の輝度変動周期との位相差は区間Aにあることを示している。列84、85、86、87における1から4までの数字は、数値が小さいほど輝度が大きいことを示している。また行89は、画像番号80、81、82、83のフレーム撮影周期が区間Aにある場合には、フレーム撮影周期を正方向‘+’に移相させることを示している。
【0086】
行90は、画像番号80の輝度が最も大きく、画像番号81の輝度が2番目に大きく、画像番号83の輝度が3番目に大きく、画像番号82の輝度が最も小さい場合には画像番号80、81、82、83のフレーム撮影周期と外部光源の輝度変動周期との位相差は区間Bにあることを示している。また行90は、画像番号80、81、82、83のフレーム撮影周期が区間Bにある場合には、フレーム撮影周期を負方向‘−’に移相させることを示している。
【0087】
行91は、画像番号80の輝度が最も大きく、画像番号83の輝度が2番目に大きく、画像番号81の輝度が3番目に大きく、画像番号82の輝度が最も小さい場合には画像番号80、81、82、83のフレーム撮影周期と外部光源の輝度変動周期との位相差は区間Cにあることを示している。また行91は、画像番号80、81、82、83のフレーム撮影周期が区間Cにある場合には、フレーム撮影周期を正方向‘+’に移相させることを示している。
【0088】
行92は、画像番号83の輝度が最も大きく、画像番号80の輝度が2番目に大きく、画像番号82の輝度が3番目に大きく、画像番号81の輝度が最も小さい場合には画像番号80、81、82、83のフレーム撮影周期と外部光源の輝度変動周期との位相差は区間Dにあることを示している。また行92は、画像番号80、81、82、83のフレーム撮影周期が区間Dにある場合には、フレーム撮影周期を負方向‘−’に移相させることを示している。
【0089】
行93は、画像番号83の輝度が最も大きく、画像番号82の輝度が2番目に大きく、画像番号80の輝度が3番目に大きく、画像番号81の輝度が最も小さい場合には画像番号80、81、82、83のフレーム撮影周期と外部光源の輝度変動周期との位相差は区間Eにあることを示している。また行93は、画像番号80、81、82、83のフレーム撮影周期が区間Eにある場合には、フレーム撮影周期を正方向‘+’に移相させることを示している。
【0090】
行94は、画像番号82の輝度が最も大きく、画像番号83の輝度が2番目に大きく、画像番号81の輝度が3番目に大きく、画像番号80の輝度が最も小さい場合には画像番号80、81、82、83のフレーム撮影周期と外部光源の輝度変動周期との位相差は区間Fにあることを示している。また行94は、画像番号80、81、82、83のフレーム撮影周期が区間Fにある場合には、フレーム撮影周期を負方向‘−’に移相させることを示している。
【0091】
行95は、画像番号82の輝度が最も大きく、画像番号81の輝度が2番目に大きく、画像番号83の輝度が3番目に大きく、画像番号80の輝度が最も小さい場合には画像番号80、81、82、83のフレーム撮影周期と外部光源の輝度変動周期との位相差は区間Gにあることを示している。また行95は、画像番号80、81、82、83のフレーム撮影周期が区間Fにある場合には、フレーム撮影周期を正方向‘+’に移相させることを示している。
【0092】
行96は、画像番号81の輝度が最も大きく、画像番号82の輝度が2番目に大きく、画像番号80の輝度が3番目に大きく、画像番号83の輝度が最も小さい場合には画像番号80、81、82、83のフレーム撮影周期と外部光源の輝度変動周期との位相差は区間Hにあることを示している。また行96は、画像番号80、81、82、83のフレーム撮影周期が区間Hにある場合には、フレーム撮影周期を負方向‘−’に移相させることを示している。
【0093】
位相調整部6は算出部5から出力された4つの隣接するフレームの輝度の大小関係を比較する。位相調整部6は比較結果と図9のBのテーブルを比較し、フレーム撮影周期の移相方向を決定する。図9のBのテーブルと比較することにより、フレーム撮影周期の位相を効率よく変更することが出来る。
【符号の説明】
【0094】
1 撮影装置
2 受光部
3 信号処理部
4 バッファメモリ
5 算出部
6 位相調整部
7 受光制御部
8 タイミング制御部
9 レンズ
10 移相信号
11 制御信号
12 フレーム番号
13 クロック信号
14 外部光源
50 特定領域
51、52、53 画像データ
54 輝度平均値テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一周期で輝度が変動する光源の照明環境の下で複数の画像を撮影する撮影装置であって、
シャッターのオンオフを第二周期で行う制御信号に応じて該画像を撮影する受光部と、
撮影した該画像ごとの画像データの輝度値を算出する算出部と、
算出した該画像ごとの該画像データの輝度値の大小関係に基づいて該第一周期に対する該第二周期の移相方向を決定する位相調整部と、
決定した該移相方向に応じて移相した後の該第二周期で該制御信号を出力する受光制御部と
を有することを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
該位相調整部は、複数の画像ごとの画像データの輝度値の大小関係と該大小関係ごとに対応する移相方向を定義したテーブルを有し、該算出部から出力された該画像データの輝度値の大小関係と、該テーブルに定義された輝度値の大小関係との比較結果から該移相方向を決定することを特徴とする、請求項1に記載の撮影装置。
【請求項3】
該位相調整部は、該輝度値を一定範囲に定めるための閾値を有し、該第二周期を移相した後の該画像の画像データに基づく輝度値を該閾値と比較した結果に応じて該第二周期をさらに移相するか否かを判定することを特徴とする、請求項1に記載の撮影装置。
【請求項4】
該受光制御部は複数の該画像における画像データの輝度の大きさが全て同じ場合に、該画像ごとに受光するタイミングをずらし、
該位相調整部は該タイミングをずらす前の該輝度値と該タイミングをずらした後の該輝度値との大小関係に応じて、該移相方向を決定することを特徴とする、請求項1に記載の撮影装置。
【請求項5】
第一周期で輝度が変動する光源の照明環境の下で複数の画像を撮影する撮影方法であって、
シャッターのオンオフを第二周期で行う制御信号に応じて該画像を撮影し、
撮影した該画像ごとの画像データの輝度値を算出し、
算出した該画像ごとの該画像データの輝度値の大小関係に基づいて該第一周期に対する該第二周期の移相方向を決定し、
決定した該移相方向に応じて移相した後の該第二周期で該制御信号を出力する
ことを特徴とする撮影方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−71785(P2011−71785A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221777(P2009−221777)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】