説明

操作パネルの取付構造および画像形成装置

【課題】操作パネルの画像形成装置本体への着脱を容易にすることを目的とする。
【解決手段】操作パネルを支持部材20を介して画像形成装置本体のフレームに取り付ける操作パネルの取付構造であって、支持部材20はフレームと係着する支持ブラケット21を有し、支持ブラケット21には鉤状の係止部21dが、フレームには係止部21dの鉤内に侵入して係合する板状の前面521が、それぞれ支持部材20をフレームの上方から下方へ移動することにより係合する向きに設けられると共に、支持ブラケット21がフレームに係着した状態で、係止部21dが前面521の両面と3つの当接突部21e、21f、21gを介して係合するように構成されており、当接突部21e、21gは、前面521に対して前(Y)側に存し、当接突部21fは、前面521に対して後(−Y)側であって、かつ、鉛直方向において前側の2つの突部の間に位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、画像形成装置の本体部から張り出して設けられた操作パネルの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタなどの画像形成装置においても、身長や身体障害の如何を問わずに良好な操作性を維持するため、いわゆるユニバーサルデザインの思想が普及しつつある。
そのため、特に、操作パネルを画像形成装置の本体部から正面側に張り出すように配置し、上下左右に角度変更自在な可動式にして、例えば、車椅子利用者に対しても良好な視認性と操作性を提供できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−39894号公報
【特許文献2】特開2003−143339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、操作パネルが画像形成装置の本体部から張り出していると、画像形成装置を輸送または搬入する際、取り扱いに注意を要するだけでなく、梱包サイズが大きくなってより多くの梱包材が必要となり、省資源化の観点からも好ましくない。
そこで、輸送時には操作パネルを本体部から取り外しておき、ユーザの使用場所に納品して設置する際に、操作パネルを取り付けるようにすることが合理的であるが、従来、複数のねじで操作パネルを本体部のフレームに取り付ける構成となっているため、操作パネルの取付け作業に手間がかかり、納品完了に時間を要してしまう。
【0005】
また、納品完了後であっても、画像形成装置の置き場所を変更することも考えられ、このような場合、ユーザが、移動の際に操作パネルを疵付けないように、操作パネルを装置本体から一時的に取り外す際や、移動後に再び操作パネルを取り付ける際にも時間を要してしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、操作パネルを備えた画像形成装置において、その輸送時等における利便性を向上させるため、操作パネルの画像形成装置本体への着脱を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、操作パネルを、支持部材を介して画像形成装置本体のフレームに取り付ける操作パネルの取付構造であって、前記支持部材は、フレームと係着する取付部を有し、前記取付部と、フレーム側の取付部係着相当位置のいずれか一方には、鉤部もしくは溝部を有する係合部材が、他方には、当該係合部材の鉤内もしくは溝内に侵入して係合する板状の被係合部材が、それぞれ支持部材をフレームの上方から下方へ移動することにより係合する向きに設けられると共に、前記支持部材の取付部がフレームに係着した状態で、前記係合部材の鉤部もしくは溝部が、相手方の板状の被係合部材の両面と3つ以上の複数の突部を介して係合するように構成されており、前記複数の突部のうち少なくとも2つは、相手方の被係合部に対して第1の面側に存し、前記複数の突部のうち残りの少なくとも1つは、相手方の被係合部に対して前記第1の面と反対側の第2の面側であって、かつ、鉛直方向において、前記第1の面側の少なくとも2つの突部の間に位置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上記構成によれば、操作パネルを取り付ける際に、取付部とフレームとを互いに嵌め込んで係合させることにより操作パネルを画像形成装置本体に簡単に取り付けることができる。
逆に、操作パネルを取り外す場合には、取付部とフレームとの係合を解除すれば良い。
これにより、操作パネルの着脱作業を極めて容易に、かつ短時間で行うことができる。
【0008】
さらに、係合部材が3つ以上の複数の突部を備えた形状をしていることにより、単に直線的な溝もしくは鉤が形成されている場合と比較して、より高い精度で金型を作成することができ、複数のネジで固定する場合と同様に操作パネルが画像形成装置本体に取り付けられたときのガタツキを抑制することができる。
また、前記複数の突部の数は、3つであってもよい。
【0009】
これにより、操作パネルのガタツキ防止のために必要最小点数である3点で係合部材と被係合部材とが係合することとなり、金型形状の複雑化を抑制しつつ、操作パネルのガタツキを抑制することができる。
また、ここで、前記突部の頂部が平坦に形成されていてもよい。
これにより、ユーザが操作パネルを操作する際に取付部とフレームとの係合部位に加えられる力を分散させて、操作パネルが画像形成装置本体により安定的に支持される。
【0010】
さらに、前記係合部材は板状であって、前記支持部材の取付部側に設けられていると共に、前記フレーム側に設けられた被係合部材には前記板状の係合部材が挿入される溝部が形成され、前記被係合部材に形成された溝部の対向する2つの内側面には相互に千鳥状に配された3つ以上の突部が形成され、前記支持部材の取付部がフレームに係着した状態で、前記被係合部材の溝部が、相手方の板状の係合部材の両面と前記3つ以上の複数の突部を介して係合するように構成されていてもよい。
【0011】
これにより、フレーム側に溝部を設ける場合においても、操作パネルのガタツキを抑制しつつ、操作パネルを画像形成装置本体に簡単に取り付けることができる。
さらに、ここで、前記係合部材は、前記支持部材の取付部側に2個設けられており、それぞれフレームの被係合部材に対し、水平方向に異なる第1と第2の位置で係合していてもよい。
【0012】
これにより、互いに水平方向に異なる第1と第2の位置に配置された2つの係合部材がそれぞれフレームの被係合部材と係合するため、1つの係合部材のみが被係合部材と係合して取付部がフレームと係着する場合と比較して、操作パネルが画像形成装置本体により安定的に支持される。
またさらに、フレーム側から見たときに、前記第1と第2の位置の間に、前記操作パネルの重心を通過する鉛直線が位置するように、前記支持部材が前記操作パネルに取着されていてもよい。
【0013】
これにより、操作パネルが画像形成装置本体に取り付けられたときに、操作パネルの自重およびユーザが操作する際に操作パネルに加えられる力による負荷が、2つの係合部材それぞれの係合部位のいずれか一方にのみ集中的に加えられることがないため、操作パネルが画像形成装置本体により安定的に支持される。
ここでまた、前記操作パネルは、操作条件を表示する表示手段と、ユーザからの指示の入力を受け付ける受付手段を備え、前記受付手段が、前記表示手段よりもユーザ側に存してもよい。
【0014】
これにより、受付手段が表示手段よりもユーザから遠い側に配置されている場合と比較して、ユーザが操作パネルを操作しやすいという効果がある。
また、本発明を上記の特徴を備える操作パネルの取付構造を用いた画像形成装置とすることもできる。この場合においても、上記と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の本体部のフレームに操作パネル組立体が取り付けられていない状態において、フレームに対して操作パネル側から見たときの操作パネル組立体とフレームの概略構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る操作パネル組立体の概略構成を示す側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る操作パネル組立体の操作パネル支持機構の概略構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の本体部のフレームに操作パネル組立体が装着されていない状態において、フレームに対して操作パネルと反対側から見たときの操作パネル組立体の支持部材およびフレームの概略構成を示す一部拡大斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る操作パネル組立体の支持部材の概略構成を示す一部拡大斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の本体部のフレームに操作パネル組立体が装着されていない状態における操作パネル組立体の支持部材およびフレームの概略構成を示す一部拡大側面図である。
【図8】画像形成装置の本体部のフレームに操作パネル組立体が取り付けられた状態における操作パネル組立体の支持部材およびフレームの概略構成を示す一部拡大側面図である。
【図9】図8に示す画像形成装置の本体部のフレームに操作パネル組立体が取り付けられた状態における操作パネル組立体の支持ブラケットおよびフレームの係合状態を示す一部拡大概略背面図である。
【図10】図8に示す画像形成装置の本体部のフレームに操作パネル組立体が取り付けられた状態における、操作パネル組立体の支持部材およびフレームの係合状態を示す一部拡大概略斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る操作パネル組立体の概略構成を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る操作パネルの取付構造の実施の形態を、デジタル式複写機に適用した場合を例にして説明する。
図1は、当該デジタル式複写機(以下、単に「複写機」と言う。)1の外観斜視図である。
同図に示すように、複写機1は、操作パネル組立体Aが複写機本体Bに取り付けられて成る。複写機本体Bは、公知の電子写真法によって記録シート上に画像を形成するものであり、記録シートが収容された最下部の給紙部71と、給紙部71から繰り出される記録シートにトナー画像を形成するために給紙部71上に設けられた画像形成部72と、画像形成部72上に設けられた画像読取部80とを備えている。
【0017】
複写機1は、画像形成部72と画像読取部80との間のスペースをシート排出部73として利用する、いわゆる胴内排紙型の複写機である。
操作パネル組立体Aは、画像読取部80の前面板のX方向における端部近傍の位置に着脱可能に取り付けられている(以下、それぞれ、X方向を右、−X方向を左、Y方向を前、−Y方向を後、Z方向を上、−Z方向を下とする)。
【0018】
図2は、操作パネル組立体Aの斜視図であり、操作パネル組立体Aを、複写機本体Bから取り外した状態で示している。.なお、操作パネル組立体Aは、画像読取部80の前面板に設けられた開口部の内部に配置されたフレーム50に取着されるが、同図においては、前記前面板および開口部については図示を省略している。以下、図5および図7〜図10においても同様である。
【0019】
図3は、操作パネル組立体Aの側面図である。なお、同図においては、カバー部材61(図2参照)を取り外して、操作パネル支持機構Cを露出させた状態で示している。
図4は、カバー部材61および操作パネル10が取り外された状態の操作パネル支持機構Cの斜視図である。
図5は、図2の状態において、操作パネル組立体Aをフレーム50に固定するための支持部材20およびフレーム50を後側から見た一部拡大斜視図である。
【0020】
操作パネル組立体Aは、ユーザに対して情報を表示すると共に、ユーザからプリント枚数や濃度などの画像形成条件を受け付けるものであって、図2に示すように、フレーム50に取り付けられる操作パネル支持機構Cおよび、操作パネル支持機構Cによって支持された操作パネル10などからなる。操作パネル支持機構Cは、画像読取部80の前面板から前方側に水平状態で突出しており、操作パネル支持機構Cは、操作パネル10を上下方向および左右方向への回動可能に支持している。
【0021】
図2および図5に示すように、フレーム50は、上部フレーム51と下部フレーム52とから成り、上部フレーム51および下部フレーム52は、金属等の平板材によって構成されている。下部フレーム52は、支持部材20が直接取り付けられる平板状の被係合部材である前面521を有し、当該前面521は、X軸に略平行に略垂直に設けられている。前面521の上方には、支持部材20をネジで固定するための固定板5211が設けられており、当該固定板5211には操作パネル組立体Aの支持部材20をネジで固定するための固定穴5212が穿設されている。詳しくは後述する。下部フレーム52は、さらに、前面521の左右の各側縁部からそれぞれ後方に延出する左右の各側面522を有する。上部フレーム51は、開口部が下方に開口したコの字型のチャネル形状(溝形状)をしており、開口部に対向する上面511と、上面511の左右の各端部からそれぞれ下方に延出する左右の各側面512と、を有する。上部フレーム51の左右各側面512は、下部フレーム52の左右各側面522に沿うように、上面511から下方に略垂直状態で屈曲されている。上部フレーム51の左右各側面512は、上面511が略水平になった状態で下部フレーム52の左右各側面522の上縁部間を掛け渡すように、それぞれ下部フレーム52の左右各側面522にビス留めされている。
【0022】
下部フレーム52の前面521の上部には、係合溝521aが形成されている。係合溝521aは、上方向に開口した垂直方向に長尺な溝である。上部フレーム51の上面511の前部には、前方向に開口した開口部511a(図10参照)が設けられており、係合溝521aの開口と開口部511aの開口とは、上面511と前面521との接合辺において一体化している。
【0023】
係合溝521aの対向する側縁部のうち左側(−X方向)の側縁部には、右方向に(X方向)に突出する突起状の当接突部521eおよび521gが、互いに所定の間隔を開けて形成されている。係合溝521aの右側の側縁部において、当接突部521eおよび521gと対向する位置の間の位置には、左側に突出する突起状の当接突部521fが形成されている。
【0024】
図2および図3に示すように、操作パネル10は、操作パネル支持機構C上に取り付けられた入力操作部11と、入力操作部11よりも画像読取部80側(後側)において、後方になるにつれて上方に位置するように傾斜した状態で設けられた表示パネル部12とを有している。
入力操作部11は、表示パネル部12に対して前方に円弧状に突出した形状に構成されており、上面である操作面11aにテンキーなどの入力部材が設けられている。
【0025】
表示パネル部12は、タッチパネルを有する液晶表示パネルを有し、表示パネル部12の上面にタッチパネルの表示面12aが設けられている。
図3、図4、図5に示すように、操作パネル支持機構Cは、フレーム50の前面521に水平方向に突出した状態で取り付けられる支持部材20、支持部材20に対して水平方向に回動可能に取り付けられた位置決め部材30、および、位置決め部材30に対して垂直方向に回動可能に取り付けられ垂直回動部材40等を有している。
【0026】
支持部材20には、開口部が上方に向って開口した状態でフレーム50に取り付けられるコの字形のチャネル形状(溝形状)の支持ブラケット(取付部)21が設けられている。支持ブラケット21は、金属等の平板材によって構成されており、上側の開口部に対向する底面21aと、底面21aの左右各側縁部からそれぞれ垂直状態で上方に延出する左右各側面21bとを有している。
【0027】
支持ブラケット21の各側面21bの後方側には、フレーム50に係止される鉤状の係止部21dがそれぞれ設けられている。底面21aは、左右各係止部21dがフレーム50に係止されることによって、ほぼ水平状態で支持される。底面21aの前側の部分は、前方に半円形状に突出している。
支持ブラケット21には、開口部が下方に開口したチャネル形状の連結ブラケット22が取り付けられている。連結ブラケット22も、金属等の平板材によって構成されており、下側の開口部に対向する上面22aと、当該上面22aの左右各側縁部からそれぞれ垂直状態で下方に延出する左右の側面22bとを有している。
【0028】
連結ブラケット22の左右各側面22bは、支持ブラケット21の左右各側面21bに沿うように、上面22aから下方にほぼ垂直状態で屈曲されている。連結ブラケット22の左右各側面22bは、支持ブラケット21の左右各側面21bにそれぞれビス留めされている。
連結ブラケット22の上面22aは、支持ブラケット21の底面21aと同様に、前側の部分が前方に半円形状に突出している。それぞれの半円形状に突出した部分同士は相互に対向しており、それらの部分に、水平回動中心軸23が垂直状態で貫通している。水平回動中心軸23は、上端部に頭部23aが設けられており、頭部23aが、連結ブラケット22の上面22aに突き当てられている。水平回動中心軸23には、連結ブラケット22の上面22aと、支持ブラケット21の底面21aとの間において、スリーブ25が嵌合している。
【0029】
水平回動中心軸23の下端部は、支持ブラケット21の底面21aから下方に延出しており、その延出部分にナット24が結合されている。これにより、水平回動中心軸23は、支持ブラケット21および連結ブラケット22から抜け止めされた状態で、両者の間において垂直状態で固定されている。
位置決め部材30は、中空の直方体形状であって、軸方向が水平状態になるように配置されている。位置決め部材30は、水平状態になった上面31aおよび下面31bと、それぞれが垂直状態になった左右の各側面31cとによって軸に直交する平面による断面が矩形状となるように構成されている。上面31aおよび下面31b、左右各側面31cのそれぞれは、金属等の平板材によって構成されている。
【0030】
位置決め部材30の後側の端部は、支持ブラケット21の底面21aと、連結ブラケット22の上面22aとの間に挿入されており、この端部における上面31aおよび下面31bを、水平回動中心軸23が貫通している。これにより、位置決め部材30は、垂直状態になった水平回動中心軸23を中心として、水平方向に回動可能になっている。
位置決め部材30の各側面31cには、それぞれの前後方向の中程の上部には、水平状態になった垂直回動中心軸32の両側の各端部がそれぞれ貫通している。
【0031】
垂直回動部材40は、金属等の平板材によって構成されており、位置決め部材30の左右各側面31cそれぞれの外側面に沿って垂直状態で回動する左右の各側面41aを有している。
左右各側面41aそれぞれの後側端部近傍には、垂直回動中心軸32の両側の端部がそれぞれ貫通する不図示の貫通孔がそれぞれ設けられており、垂直回動中心軸32が各貫通孔を貫通することによって、垂直回動部材40は位置決め部材30に対して垂直回動中心軸32を中心に回動可能に軸支されている。
【0032】
左右各側面41aの上側の側縁部には、前後方向(Y軸方向)において中程よりも前側部分が、それぞれ、後方になるにつれて上方に位置するように傾斜し、傾斜状態になった当該側縁部には、左方向にほぼ直角に屈曲した支持面41cがそれぞれ設けられている。
上記各支持面41c上には、操作パネル10の裏面が、双方の支持面41cの間にわたって支持されて、固定状態で取り付けられている。これにより、各支持面41cと、操作パネル10とが一体的に組み立てられており、垂直回動部材40が位置決め部材30に対して垂直回動中心軸32を中心にして垂直方向に回動すると、各支持面41cに固定された操作パネル10も垂直方向に回動する。
【0033】
また、位置決め部材30が支持ブラケット21および連結ブラケット22に対して水平回動中心軸23を中心にして水平方向に回動すると、位置決め部材30と共に垂直回動部材40も水平方向に回動し、各支持面41cに固定された操作パネル10も水平方向に回動する。
(操作パネル組立体Aのフレーム50への装着)
図6は、支持部材20を右後方から見た一部拡大斜視図であり、図7は、操作パネル組立体Aの支持ブラケット21がフレーム50に装着される前の状態を右側から見た一部拡大側面図である。支持ブラケット21の左右の側面21bの後側にそれぞれ設けられた左右各係止部21dは、下方に開口した凹入部である係合溝(鉤部)21cを有する鉤状形状をしており、当該係合溝21cが鉤の内部となっている。左右の係合溝21cの前側側縁部の上方にはそれぞれ後方に突出する突起状の当接突部21eが形成され、後側側縁部の当接突部21eと対向する部分よりも下方には、それぞれ前方に突出する突起状の当接突部21fが形成されている。支持ブラケット21の底面21aの後側側縁部には、後方に突出する一対の突起状の当接突部21gが互いに所定の間隔を開けて形成されている。
【0034】
当接突部21e、21f、および21gの頂部は平坦になっており、それぞれの平坦面はX軸に平行で垂直な平面となっている。
ここで、複写機1のフレーム50に操作パネル組立体Aを装着する方法について説明する。
先ず、図2、図5、および図7に示すように、操作パネル組立体Aの入力操作部11を前側にして、操作パネル組立体Aの後方に位置する支持ブラケット21がフレーム50の前面521の上方にあり、支持ブラケット21の右側の係合溝21cおよび左側の係合溝21cが、それぞれ前面521の係合溝521aおよび開口部521cの上方に位置するように保持する。そして、操作パネル組立体Aを下方に移動させ、右側の係合溝21cと係合溝521aとを互いに一部緩挿させる。このとき、そのまま操作パネル組立体Aを垂直方向下方に移動させたのでは、固定板5211と底面21aとが干渉してぶつかってしまう。そこで、操作パネル組立体Aの前方部分を上方もしくは右側へと若干傾けて、固定板5211と底面21aとの干渉を回避しつつ操作パネル組立体Aをさらに下方へと移動させる。このとき、開口部521cは係合溝521aよりも大きく開口しているため、左側係止部21dは開口部521cを通ってフレーム50の内外を比較的自由に移動することができ、上記操作パネル組立体Aを傾ける動作を妨げない。
【0035】
底面21aが固定板5211よりも下方に来たら上記傾きを元に戻し、支持ブラケット21の底面21aおよび左右各側面21bと、連結ブラケット22の上面22aおよび左右各側面22bとによって囲まれた空間内に固定板5211を差し込む。そして、この状態で操作パネル組立体Aを下方にさらに移動させて、右側係合溝21cおよび左側係合溝21cの上端部21hを、それぞれ係合溝521aの下端部521bおよび開口部521cの下端部521dに当接させ、支持ブラケット21とフレーム50の前面521とが互いに係止される状態にする。
【0036】
また、上記のようにして操作パネル組立体Aを前面521の上方から下方に降ろすのではなく、以下のようにしてしてもよい。即ち、操作パネル組立体Aを、固定板5211の前方において支持部材20が固定板5211に対向するように保持した状態で後方へ水平方向に移動させ、支持ブラケット21の左右各側面21b、底面21a、および連結ブラケット22の上面22aにより囲まれた空間内部に固定板5211を挿入し、そのまま操作パネル組立体Aを下方に移動させて支持ブラケット21とフレーム50の前面521とが互いに係止される状態にしてもよい。この場合、左右の係止部21dは、それぞれ係合溝521aおよび開口部521cに挿入されるため、左右の係止部21dが前面521と干渉することなく操作パネル組立体Aを水平方向後方へと移動させることができる。
【0037】
図8は、係止部21dが前面521に嵌め込まれ、互いに係合している状態を右側から見た一部拡大側面図である。同図に示す状態においては、右側(X方向)の係合溝21cに、係合溝521aの下方の部分が挟み込まれ、係合溝521aに、右側の係止部21dにおける係合溝21cの上方の部分が挟み込まれ、上端部21hと下端部521bとが互いに当接して係止されている。
【0038】
同図に示す状態において、前面521の前側(第1の面側)に当接突部21eと21gの2つの当接突部が位置し、それぞれが前面521の前側の面(第1の面)に当接している。また、係止部21dを係合溝521aに嵌め込む方向(本実施の形態においては、鉛直方向)における当接突部21eと21gとの間の位置において、前面521の後側(第2の面側)に当接突部21fが位置し、前面521の後側の面に当接している。
【0039】
ユーザが操作パネル10を操作しているときや、操作パネル10の姿勢を変更しているときに、ユーザが操作パネル10に加える力により、支持ブラケット21には、当接突部21fを中心とする上下方向の回転モーメントが加えられることになる場合がある。このとき、上記のような3つの当接突部を備える構成により、上方向の回転モーメントは当接突部21eによって係止され、下方向の回転モーメントは当接突部21gによって係止されるため、操作パネル組立体Aの上下方向のガタツキが抑制される。
【0040】
このとき、当接突部21e、21f、および21gの頂部(当接部位)がそれぞれX軸に平行で垂直な平面となっていることにより、それぞれの当接部材が前面521に対して面当りとなって面接触により当接する。これにより、により当接部位に加えられる回転モーメントを点ではなく面で係止することができ、力を分散させてより安定してガタツキを抑制することができる。
【0041】
なお、同図においては右側側面21bで隠れて見えないが、左側(−X側)係止部21dの係合溝21cには、前面521における下端部521dの下方の部分が挟み込まれ、左側上端部21hと下端部521dとが互いに当接して係止されている。左側係合溝21cと前面521との係合においても、上記と同様に、左側の当接突部21e、21f、および21gによってガタツキが抑制される。
【0042】
上述のように、本実施の形態においては、右側の係止部21dと、右側の当接突部21gを含む底面21aの右側部分(左側の当接突部21gは含まない)とにより右側の係合部材を形成し、左側の係止部21dと、左側の当接突部21gを含む底面21aの左側部分(右側の当接突部21gは含まない)とにより左側の係合部材を形成している。前記左右の2個の係合部材は、それぞれ係合溝21cを鉤の内側部分とする鉤部を有する。なお、ここでは、右側の鉤部には前記底面21aの右側部分が、左側の鉤部には前記底面21aの左側部分が含まれる。左右鉤部にはそれぞれ当接突部21e、21f、および21gの3つの突部が設けられており、係合溝21cにフレーム50の前面521が嵌め込まれたときに、当接突部21eおよび21gは前面521の被係合部(取付部である支持ブラケット21の係着相当位置)において片面側(第1の面側)(本実施の形態においては、前面側)に位置し、当接突部21fは前面521の被係合部において反対面側(第2の面側)(本実施の形態においては、後面側)に位置し、それぞれの側において各当接突部は前面521の被係合部に当接している。また、左右各係合部材を前面521に嵌め込む方向である上下方向(鉛直方向)において、当接突部21fは、当接突部21eと21gとの間の位置に設けられている。
【0043】
また、取付部である支持ブラケット21の右側の係合部材が係着される前面521の被係着相当位置(第1の位置)における部分は、前記支持ブラケット21の右側係合部材に対する被係合部材となっている。それと同時に、前面521の前記第1の位置における部分は、溝部である係合溝521aを有する係合部材となっており、当該係合溝521a内に支持ブラケット21の右側係合部材が侵入して係合する。
【0044】
支持ブラケット21の左側の係合部材が係着される前面521の被係着相当位置(第2の位置)における部分は、前面521の開口部521cの下側の部分であり、支持ブラケット21の左側の係合部材の鉤内に侵入して係合する板状の被係合部材となっている。
また、本実施の形態においては、3つの当接突部が上記のような位置関係になるように配設されていることにより、図7の破線で示す領域Dを設けることができ、これにより、係合溝21cを前面521に嵌め込みやすくなり、取り付け作業時間の短縮を図ることができるという効果がある。
【0045】
図9は、図8に示す係止部21dとフレーム50とが互いに係合している状態を係合溝521aの後側から前方に向かって見た一部拡大概略背面図である。
同図においては、支持ブラケット21の右側(X方向)の係合溝21cに、前面521における係合溝521aの下方の部分が挟み込まれ、前面521の係合溝521aに、右側の係止部21dにおける係合溝21cの上方の部分が挟み込まれ、上端部21hと下端部521bとが互いに当接して係合している。
【0046】
同図に示す状態において、右側(X方向)係止部21dの片側(第1の側)(本実施の形態においては、左側(−X側))に、当接突部521eと521gの2つの突部が位置し、それぞれが係止部21dの左側の面に当接している。また、係止部21dを係合溝521aに嵌め込む方向(本実施の形態においては、鉛直方向)における当接突部521eと521gとの間の位置において、係止部21dの反対側(第2の側)(本実施の形態においては、右側(X側)に当接突部521fが位置し、側面21bの右側の面に当接している。
【0047】
ユーザが操作パネル10の右や左の端部近傍を操作のために押圧しているときや、操作パネル10の姿勢を変更しているときにユーザが操作パネルに加える力により、支持ブラケット21には、当接突部521fを中心とする左右方向の回転モーメントが加えられる場合がある。このとき、上記のような構成をとることにより、左方向(図9において時計回り)の回転モーメントは当接突部521eによって係止され、右方向(図9において反時計回り)の回転モーメントは当接突部521gによって係止されるため、操作パネル組立体Aの左右方向に回転しようとするガタツキが抑制される。
【0048】
図10は、図8および図9に示す支持ブラケット21がフレーム50に嵌挿され、互いに係合している状態を右前方から見た一部拡大斜視図である。なお、カバー部材61を取り除いた状態で示している。
図8、図9、および図10に示す状態において、前面521の固定板5211(図2参照)の上に連結ブラケット22の上面22aが載置され、固定板5211に穿設された固定穴5212と上面22aに穿設された固定穴22cとが互いに一致して重なり合う。
【0049】
このような状態にした後に作業者は、固定穴22cにボルト22dを挿入し、さらに、固定板5211に設けられた固定穴5212に挿通して、当該固定穴5212の下面に設けられたプロジェクションナット5213に螺合するだけで、さらに支持部材20とフレーム50とを強固に締結することができる。
逆に、操作パネル組立体Aを複写機1のフレーム50から取り外す場合には、上記と逆の手順を実施すればよい。
【0050】
すなわち、一本のボルト22dを取り外し、操作パネル組立体Aを上方に若干(例えば、2センチほど)持上げた状態で、操作パネル組立体Aの前方部分を上方もしくは右側へと傾けて、固定板5211と底面21aとがぶつからないようにしながら操作パネル組立体Aをさらに上方へと移動させて係止部21dを係合溝521aの上方へと移動させた後、操作パネル組立体Aを前側に引き寄せるだけで、操作パネル組立体Aを複写機1のフレーム50から簡単に取り外すことができる。
【0051】
もしくは、ボルト22dを取り外した後、操作パネル組立体Aをそのまま前側に引き出すだけで、操作パネル組立体Aを複写機1のフレーム50から簡単に取り外すことができる。
図11は、支持部材20の後側から見た操作パネル組立体Aの平面図である。同図において、一点鎖線Eは、操作パネル組立体Aの重心を通る鉛直線である。同図に示すように、左右方向(X軸方向)において、鉛直線Eは、左右の係合部材の間を、より具体的には、左右の当接突部21gの間を通っている。このように操作パネル組立体Aの重心が、左右の当接突部21gの間に存在することにより、操作パネル組立体Aがより安定的にフレーム50に対して取り付けられることとなる。加えて、操作パネル組立体Aのフレーム50への取り付けもしくは取り外しの際に、ボルト22dが螺合されていない状態のとき、操作パネル組立体Aが自重によって右側もしくは左側に傾き、左右いずれかの係止部21dの前面521との係合状態が解除され、その結果操作パネル組立体Aが不用意に落下する等の事態が発生する虞を低減することができる。
【0052】
なお、操作パネル組立体Aの寸法について一例を挙げるとすれば、操作パネル10の幅(X軸方向の長さ)S1は、例えば、258[mm]であり、支持ブラケット21の左右の側面21b間の左右方向(X軸方向)の距離S2は、例えば、49[mm]であり、支持ブラケット21の底面21aと垂直回動中心軸32との垂直方向(Z軸方向)の距離S3は、例えば、22[mm]である。
【0053】
以上、本実施の形態において説明したように、支持ブラケット21の左右側面21bの係合溝21cとフレーム50の前面521の係合溝521aとが互いに係合して係止し合う構成により、操作パネル組立体Aのフレーム50への着脱が容易になり、作業時間の短縮を図ることができるのみならず、締結するネジの数を減らして部品点数を減少させ、コストダウンに資することもできる。
【0054】
また、係止部21dおよび前面521に形成されたそれぞれの係合溝の対向する側縁部の片側に2つの当接突部を、それらに相対する位置の間の位置における反対側の側縁部に1つの当接突部を設けて、これらの当接突部を相手側部材に当接させて互いに係合させる構成とすることにより、支持ブラケット21およびフレーム50の前面521を形成するための金型を作成する際に、精度の高い金型の作成が容易となり、その結果、フレーム50に対する支持ブラケット21のガタツキをより精度よく抑制して、ユーザに良好な操作性を提供することができる。
<変形例>
本発明は上述のような実施の形態に限られるものではなく、次のような変形例も実施することができる。
(1)上記実施の形態では、操作パネル組立体Aの係止部21dとフレーム50の前面521とが互いに係合しているとき、前面521の前側の面に当接突部21eと当接突部21gとが当接し、前面521の後側の面に当接突部21fが当接する構成としたが、これに限るものではない。
【0055】
例えば、前面521の後側の面に2つの当接突部が当接し、前側の面に1つの当接突部が当接するようにしてもよい。この場合においても、係止部21dを前面521に嵌め込む方向(上記実施の形態においては、鉛直方向)における前記2つの当接突部の間の位置に前記1つの当接突部が配置されるようにするのが好ましい。このような構成にすることにより、ユーザが操作パネル10を操作する際に加えられる上方向および下方向の回転モーメントが、上記実施の形態と同様にして係止され、操作パネル10の上下方向のガタツキを抑制することができる。
(2)また、同様に、係合溝521aの対向する側縁部のうち右側の側縁部に2つの当接突部が設けられ、左側の側縁部に1つの当接突部が設けられ、それぞれ側面21bの右側および左側の面に当接するようにしてもよい。そしてこの場合においても、係止部21dを前面521に嵌め込む方向(上記実施の形態においては、鉛直方向)における前記2つの当接突部の間の位置に前記1つの当接突部が配置されるようにするのが好ましい。このような構成にすることにより、ユーザが操作パネル10を操作する際に加えられる右方向および左方向の回転モーメントが、上記実施の形態と同様にして係止され、操作パネル10の左右方向のガタツキを抑制することができる。
(3)上記実施の形態では、操作パネル組立体Aの支持ブラケット21およびフレーム50の前面521の両方にそれぞれ係合溝21cおよび521aが形成される構成としたが、これに限られない。
【0056】
例えば、前面521が係合溝の形成されていない単なる板状部材で、側面21bに形成された係合溝21cに当該板状部材が嵌り込んで係合するとしてもよい。この場合においても、当接突部21e、21f、21gにより操作パネル10の上下方向のガタツキを抑制することができる。
また、上記とは逆に、側面21bが係合溝の形成されていない単なる板状部材で、前面521に形成された係合溝521aにはまり込んで係合するとしてもよい。この場合においても、ボルト22dにより上面22aが固定板5211に締結されることにより操作パネル組立体Aが画像形成装置本体に安定的に支持され、かつ、当接突部521e、521f、521gにより操作パネル10の左右方向のガタツキを抑制することができる。
(4)さらには、フレーム50の前面521の前側および後側の面に当接する当接突部の数の組合せは、2つと1つに限られず、それぞれ2つ以上であっても良い。この場合においても、前面521の前側および後側のいずれかの側に存する当接突部のうち少なくとも1つが、反対側に存する当接突部のうち少なくとも2つの当接突部の、支持ブラケット21を前面521に嵌め込む方向(上記実施の形態においては、鉛直方向)における位置の間に配設されるようにするのが好ましい。このような構成にすることにより、変形例(1)と同様に上方向および下方向の回転モーメントが係止され、操作パネル10の上下方向のガタツキを抑制することができる。
(5)また、同様に、係合溝521aの対向するそれぞれの側縁部に設けられる当接突部の数の組合せも、2つと1つに限られず、それぞれ2つ以上であっても良い。この場合においても、側面21bの右側および左側のいずれかの側に存する当接突部のうち少なくとも1つが、反対側に存する当接突部のうち少なくとも2つの当接突部の、支持ブラケット21を前面521に嵌め込む方向(上記実施の形態においては、鉛直方向)における位置の間に配設されるようにするのが好ましい。このような構成にすることにより、変形例(2)と同様に、操作パネル10の左右方向のガタツキを抑制することができる。
(6)上記実施の形態では、当接突部521e、521f、および521gの頂部については特に規定していないが(図面においては、上記各当接突部については半円状の突起として示している。)、それぞれ頂部がY軸に平行で垂直な平坦面となっていてもよい。この場合においても、左右方向の回転モーメントにより当接部位に加えられる力を点ではなく面で係止することができ、力を分散させて効率よくガタツキを防止することができる。
(7)上記実施の形態においては、操作パネル組立体Aは、左右2つの係合溝21cと前面521とが係合することにより、フレーム50に係止される構成としたが、これに限られない。
【0057】
例えば、1つの係合溝21cが前面521に係合するとしてもよい。この場合においても、当接突部21e、21f、21gにより操作パネルの上下方向のガタツキを抑制することができ、当接突部521e、521f、521gにより操作パネルの左右方向のガタツキを抑制することができる。
(8)上記実施の形態では、係止部21dは鉤状の形状をしているとしたが、これに限られない。
【0058】
例えば、係止部21dが溝状の形状であってもよい。この場合においても、当該溝の対向する両側縁部に、上記実施の形態と同様に、当接突部21e、21f、21gを設けることにより、操作パネルの上下方向のガタツキを抑制することができる。
(9)上記実施の形態では、係止部21dと前面521とが互いに嵌め込まれる方向は上下方向としたが、これに限られない。
【0059】
例えば、係止部21dにおいて係合溝21cが前後方向もしくは左右方向に形成され、上面511の一部等の横板状の部材と係合するようにしてもよい。
(10)上記実施の形態では、係止部21dが係合される前面521は、板状の部材としたがこれに限られない。
例えば、係止部21dが係合する相手方部材として、係合溝を有する円柱状や角柱状の棒状部材であってもよい。
(11)上記実施の形態では、連結ブラケット22の上面22aとフレーム50の固定板5211との締結には、ボルト22dとプロジェクションナット5213を用いていたが、ボルト22dの代わりにセルフタッピングネジを用いてもよく、その場合には、上述のプロジェクションナット5213は不要である。
【0060】
また、上記ボルトに代えて、プッシュプルリベットなどの締結部材を用いてもよく、この場合にも、プロジェクションナットは不要となる。
(12)上記実施の形態においては、図7に示すように、支持ブラケット21の底面21aが連結ブラケット22の上面22aに上下方向に対向して配置されており、単に、支持ブラケット21を上方から降ろしただけでは、底面21aがフレーム50の前面521に設けられた固定板5211に干渉してしまうため、操作パネル組立体Aの前方部分を上方もしくは右側へと若干傾けて、固定板5211と底面21aとがぶつからないようにしながら操作パネル組立体Aをさらに下方へと移動させるか、もしくは、操作パネル組立体Aを、固定板5211の前方から、支持ブラケット21の左右両側面21b、底面21a、および連結ブラケット22の上面22aにより囲まれる空間内部に固定板5211を挿入するように後方へと移動させた後、操作パネル組立体Aを下方に移動させて、支持ブラケット21をフレーム50の前面521に係合させていたが、このような構成に限らない。
【0061】
例えば、底面21aの左右方向中央部に、固定板5211が通過するのに十分な大きさの切り欠きを設け、支持ブラケット21を上方から降ろす際に、底面21aが固定板5211と干渉しないようにしてもよい。
(13)上記実施の形態においては、本発明を、複写機について説明したが、これに限らず、プリンタやファクシミリなどであってもよく、要するに、操作パネルを備えた画像形成装置であれば適用が可能である。
(14)上記実施の形態および各変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、画像形成装置の本体から張り出した位置に設けられた操作パネルを有する画像形成装置に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0063】
A 操作パネル組立体
B 複写機本体
C 操作パネル支持機構
1 複写機
10 操作パネル
11 入力操作部
12 表示パネル部
20 支持部材
21 支持ブラケット
21a 底面
21b、22b、31c、41a、512、522 側面
21c、521a 係合溝
21d 係止部
21e、21f、21g、521e、521f、521g 当接突部
21h 上端部
22 連結ブラケット
22a、31a、511 上面
22c、5212 固定穴
22d ボルト
23 水平回動中心軸
23a 頭部
24 ナット
25 スリーブ
32 垂直回動中心軸
40 垂直回動部材
50 フレーム
51 上部フレーム
52 下部フレーム
511a、521c 開口部
521 前面
521b、521d 下端部
5211 固定板
5213 プロジェクションナット
61 カバー部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作パネルを、支持部材を介して画像形成装置本体のフレームに取り付ける操作パネルの取付構造であって、
前記支持部材は、フレームと係着する取付部を有し、
前記取付部と、フレーム側の取付部係着相当位置のいずれか一方には、鉤部もしくは溝部を有する係合部材が、他方には、当該係合部材の鉤内もしくは溝内に侵入して係合する板状の被係合部材が、それぞれ支持部材をフレームの上方から下方へ移動することにより係合する向きに設けられると共に、
前記支持部材の取付部がフレームに係着した状態で、前記係合部材の鉤部もしくは溝部が、相手方の板状の被係合部材の両面と3つ以上の複数の突部を介して係合するように構成されており、
前記複数の突部のうち少なくとも2つは、相手方の被係合部に対して第1の面側に存し、
前記複数の突部のうち残りの少なくとも1つは、相手方の被係合部に対して前記第1の面と反対側の第2の面側であって、かつ、鉛直方向において、前記第1の面側の少なくとも2つの突部の間に位置する
ことを特徴とする操作パネルの取付構造。
【請求項2】
前記複数の突部の数は、3つである
ことを特徴とする請求項1に記載の操作パネルの取付構造。
【請求項3】
前記突部の頂部が平坦に形成されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の操作パネルの取付構造。
【請求項4】
前記係合部材は板状であって、前記支持部材の取付部側に設けられていると共に、前記フレーム側に設けられた被係合部材には前記板状の係合部材が挿入される溝部が形成され、
前記被係合部材に形成された溝部の対向する2つの内側面には相互に千鳥状に配された3つ以上の突部が形成され、前記支持部材の取付部がフレームに係着した状態で、前記被係合部材の溝部が、相手方の板状の係合部材の両面と前記3つ以上の複数の突部を介して係合するように構成されている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の操作パネルの取付構造。
【請求項5】
前記係合部材は、前記支持部材の取付部側に2個設けられており、
それぞれフレームの被係合部材に対し、水平方向に異なる第1と第2の位置で係合している
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の操作パネルの取付構造。
【請求項6】
フレーム側から見たときに、前記第1と第2の位置の間に、前記操作パネルの重心を通過する鉛直線が位置するように、前記支持部材が前記操作パネルに取着されている
ことを特徴とする請求項5に記載の操作パネルの取付構造。
【請求項7】
前記操作パネルは、操作条件を表示する表示手段と、ユーザからの指示の入力を受け付ける受付手段を備え、
前記受付手段が、前記表示手段よりもユーザ側に存する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の操作パネルの取付構造。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の操作パネルの取付構造によって操作パネルが装置本体に取り付けられていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−209568(P2011−209568A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−78071(P2010−78071)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】