説明

操作メニュー変更システム、サーバ、端末、操作メニュー変更方法及び操作メニュー変更プログラム

【課題】取消し操作などの単純な誤操作だけでなく、繰り返し操作、試し操作などの一連の連続操作も誤操作と判定できるようにするとともに、発売以前に想定できなかった誤操作の判定も可能とする。
【解決手段】サーバ3と、ネットワーク2を介して、サーバ3に接続される複数の携帯端末装置1と、を含み、サーバ3は、携帯端末装置1における誤操作パターンが蓄積された誤操作パターンデータベース31を備え、携帯端末装置1は、利用者の操作履歴を記録し、操作履歴を誤操作パターンデータベース31と照合して、誤操作を判定し、誤操作を除外した使用頻度にもとづいて、操作メニューを変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末の操作メニューを、その使用頻度に応じて変更するための操作メニュー変更システム、サーバ、端末、操作メニュー変更方法及び操作メニュー変更プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話などの端末は、ますます多機能化し、その操作も複雑化している。一方で、これら端末の利用者は、子供から老人までと幅広い層へと拡大しており、機能を使いこなすことができない利用者も増えている。このことにより、さまざまな利用者に対応可能なユーザインタフェースの需要が高まっている。
【0003】
端末における各機能の使用方法としては、階層的に構成されたメニュー項目を初期画面から順次選択し、求める機能を実行するという方法が一般的である。この場合、機能が多様化すればするほどメニュー項目は増大するので、求める機能に到達するめでに多くの階層をたどることになり、実行までに多くのキー操作が必要になってしまう。これを回避するために、一部の機能しか使用しない利用者向けに「簡単メニュー」に切り替え可能としたり、よく使う機能を利用者の操作履歴から学習し、ショートカットを設置するなどの方法も用いられている。
【0004】
例えば、特許文献1では、GUI設定アンケートを実施するとともに、利用者のグループ分けを行い、利用者の年齢や熟練度などのユーザ特性に応じたユーザインタフェースを生成する方法が提案されている。
また、特許文献1では、利用者の操作履歴を収集し、レベル判定することで、アンケートを実施しなくても、ユーザ特性に応じたユーザインタフェースの生成が可能としている。
また、特許文献2では、機能の使用履歴と設定履歴から、使用頻度の高いメニュー項目を特定し、これを優先的に表示する方法が提案されている。
また、特許文献2では、使用された時間帯などと関連付けて優先順位を変更することも可能としている。
【0005】
上記の技術を用いれば、利用者の使用頻度に応じて操作メニューの表示順序などを変更し、端末の操作性を向上させることが可能であるが、誤操作(単純な誤操作だけでなく、とまどい操作、繰り返し操作、試し操作なども含む。)も使用頻度加算の対象となるため、利用者にとって好ましくない操作メニューに変更される可能性がある。
例えば、端末の操作に不慣れな利用者が同じ操作を繰り返したり、各機能を順番に試す操作を行った場合、これらの操作も使用頻度加算の対象となり、ユーザ特性に適合しないメニュー変更が行われてしまうことになる。
【0006】
そこで、特許文献3では、操作メニューの各メニュー項目について、選択回数と取消し回数をカウントするとともに、選択回数から取消し回数を減算して実際の実行回数を求め、この実行回数を使用頻度として操作メニューの変更を行う方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−004054号公報
【特許文献2】特開2006−287556号公報
【特許文献3】特開2006−309429号公報
【特許文献4】特開平09−062470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献3に示される誤操作方法は、取消し操作前の選択操作を誤操作と判定するにすぎないので、繰り返し操作、試し操作などの一連の連続操作を誤操作と判定することは困難である。
また、特許文献3に示されるような誤操作判定ロジックは、製品に当初から搭載され、それ以降は更新されないので、発売以前に想定できなかった誤操作の判定は困難である。
なお、特許文献4では、複数の利用者の操作履歴から、利用者間に共通する誤操作パターンを抽出する方法が提案されているが、誤操作パターンの抽出と、操作メニューの変更との関連については記載がない。
【0009】
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、取消し操作などの単純な誤操作だけでなく、繰り返し操作、試し操作などの一連の連続操作も誤操作と判定することができ、しかも、サーバ上の誤操作パターンデータベースを適宜更新することができ、例えば製品の発売等以前に想定できなかった誤操作の判定も可能にする操作メニュー変更システム、サーバ、端末、操作メニュー変更方法及び操作メニュー変更プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため本発明の操作メニュー変更システムは、サーバと、ネットワークを介して、前記サーバに接続される複数の端末と、を含み、前記サーバは、前記端末における誤操作パターンが蓄積された誤操作パターンデータベースを備え、前記端末は、利用者の操作履歴を記録する操作履歴記録手段と、前記操作履歴を、前記誤操作パターンデータベースと照合して、誤操作を判定する操作解析手段と、誤操作を除外した使用頻度にもとづいて、操作メニューを変更する操作メニュー変更手段と、を備える構成としてある。
【0011】
また、上記目的を達成するため本発明のサーバは、ネットワークを介して、複数の端末が接続されるサーバであり、前記端末における誤操作パターンが蓄積された誤操作パターンデータベースを備える構成としてある。
【0012】
また、上記目的を達成するため本発明の端末は、ネットワークを介して、サーバに接続される端末であり、利用者の操作履歴を記録する操作履歴記録手段と、前記操作履歴を、前記サーバが備える誤操作パターンデータベースと照合して、誤操作を判定する操作解析手段と、誤操作を除外した使用頻度にもとづいて、操作メニューを変更する操作メニュー変更手段と、を備える構成としてある。
【0013】
また、上記目的を達成するため本発明の操作メニュー変更方法は、サーバと、ネットワークを介して、前記サーバに接続される複数の端末と、を含み、前記サーバは、前記端末における誤操作パターンが蓄積された誤操作パターンデータベースを備え、前記端末は、利用者の操作履歴を記録し、前記操作履歴を、前記誤操作パターンデータベースと照合して、誤操作を判定し、誤操作を除外した使用頻度にもとづいて、操作メニューを変更する方法としてある。
【0014】
また、上記目的を達成するため本発明の操作メニュー変更プログラムは、ネットワークを介して、サーバに接続される端末用の操作メニュー変更プログラムであり、コンピュータに、利用者の操作履歴を記録させ、前記操作履歴を、前記サーバが備える誤操作パターンデータベースと照合して、誤操作を判定させ、誤操作を除外した使用頻度にもとづいて、操作メニューを変更させる構成としてある。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、誤操作を除外した使用頻度にもとづいて、取消し操作などの単純な誤操作だけでなく、繰り返し操作、試し操作などの一連の連続操作も誤操作と判定することができるとともに、サーバ上の誤操作パターンデータベースを適宜更新することができる。
これにより、製品の発売等の以前に想定できなかった誤操作の判定も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第一実施形態に係る操作メニュー変更システムの構成を示すブロック図である。
【図2】携帯端末装置の表示部に表示される操作メニュー画面の一例(M00〜M02)を示す説明図である。
【図3】携帯端末装置の表示部に表示される操作メニュー画面の一例(M03〜M05)を示す説明図である。
【図4】携帯端末装置の表示部に表示される操作メニュー画面の一例(M06〜M08)を示す説明図である。
【図5】携帯端末装置の操作部が備える操作キーの配置例を示す説明図である。
【図6】携帯端末装置の操作履歴データベースに格納される操作履歴の一例(とまどい操作)を示す説明図である。
【図7】携帯端末装置の操作履歴データベースに格納される操作履歴の一例(繰り返し操作)を示す説明図である。
【図8】携帯端末装置の表示部に表示される操作メニューのツリー構造を示す説明図である。
【図9】本発明の第一実施形態に係る携帯端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第二実施形態に係る操作メニュー変更システムの構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第二実施形態に係る携帯端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第三実施形態に係る操作メニュー変更システムの構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第三実施形態に係る携帯端末装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
まず、本発明の第一実施形態に係る操作メニュー変更システムについて、図1〜図9を参照して説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る操作メニュー変更システムの構成を示すブロック図、図2は、携帯端末装置の表示部に表示される操作メニュー画面の一例(M00〜M02)を示す説明図、図3は、携帯端末装置の表示部に表示される操作メニュー画面の一例(M03〜M05)を示す説明図、図4は、携帯端末装置の表示部に表示される操作メニュー画面の一例(M06〜M08)を示す説明図、図5は、携帯端末装置の操作部が備える操作キーの配置例を示す説明図、図6は、携帯端末装置の操作履歴データベースに格納される操作履歴の一例(とまどい操作)を示す説明図、図7は、携帯端末装置の操作履歴データベースに格納される操作履歴の一例(繰り返し操作)を示す説明図、図8は、携帯端末装置の表示部に表示される操作メニューのツリー構造を示す説明図である。
【0018】
図1に示すように、操作メニュー変更システムには、複数の携帯端末装置(端末)1と、ネットワーク2を介して、複数の携帯端末装置1が接続されるサーバ3とが含まれている。
携帯端末装置1は、表示部11と、操作部12と、制御部(操作メニュー変更手段)13と、操作記録部(操作履歴記録手段)14と、操作解析部(操作解析手段)15と、操作履歴データベース16とを備え、サーバ3は、誤操作パターンデータベース31を備えて構成されている。
【0019】
表示部11は、制御部13で生成された操作メニュー画面を表示する。表示される操作メニュー画面の例を、図2〜図4に示す。
操作部12は、キー入力などの方法により、表示された操作メニュー画面における利用者の操作を制御部13へ伝える。例えば、カーソルキー12a、ソフトキー12b、決定キー12c、数字キー12dなど操作キーを、図5に示すように配置することで操作部12が構成される。
制御部13は、携帯端末装置1の動作を制御し、操作部12と操作解析部15からの入力にもとづいて操作メニューを生成し、表示部11へ表示を指示する。
【0020】
操作記録部14は、制御部13からキー入力や選択された項目といった操作データを受け取り、操作履歴データベース16に記録する。
操作解析部15は、操作履歴データベース16に記録された操作履歴を、誤操作パターンデータベース31の情報を参照しながら解析する。
操作履歴データベース16は、操作履歴を保存するデータベースである。このデータベースには少なくとも、操作項目、キー入力、時刻を含む情報が保存されている。操作履歴の例を図6及び図7に示す。
【0021】
誤操作パターンデータベース31は、携帯端末装置1における誤操作と推測される誤操作パターンを予め保存しているデータベースである。この誤操作パターンは、「決定」までに複数回の「戻る」を選択する、といった誤操作と思われる一連の操作を、操作解析部15でのパターンマッチングによる解析に利用できるようにパターン化したものである。
各操作を行っているときの操作メニュー画面の表示例を図2〜図4に示す。M00が待ち受け画面の例であり、M01〜M07がそれぞれのメニュー項目を選択したときに表示される表示画面例である。
それぞれのメニュー項目は、ソフトキー12bや決定キー12c、カーソルキー12aや数字キー12dによって選択される。「中止」は待ち受け画面へと戻り、「戻る」は基本的に一つ前の画面へ戻る。図8はこれらの操作メニュー画面をツリー構造にあらわしたものである。
【0022】
つぎに、本発明の第一実施形態に係る操作メニュー変更システムの動作について、図9を参照して説明する。
図9は、本発明の第一実施形態に係る携帯端末装置の動作を示すフローチャートである。
【0023】
この図に示すように、携帯端末装置1は、操作部12からキー入力が行われると(S11)、表示部11へ操作結果を表示するとともに(S12)、操作履歴の記録を行う(S13)。その際、操作履歴データベース16から操作履歴を取得するとともに(S15)、誤操作パターンデータベース31を参照し(S16)、誤操作パターンの解析を行う(S17)。
なお、携帯端末装置1の通常利用者以外が一時的に操作する場合は、操作履歴を記録すると使用頻度学習に影響を与えてしまうので、メンテナンスモードで利用する。メンテナンスモードと判断した場合は(S14)、誤操作パターンの解析を行わず、そのまま結果を表示する(S12)。
【0024】
操作履歴が誤操作パターンデータベース31の誤操作パターンにマッチする場合は、誤操作に該当すると判断し、使用頻度の更新を行わない。一方、操作履歴が誤操作パターンデータベース31の誤操作パターンにマッチしない場合は、使用頻度を更新するとともに(S18)、使用頻度に応じて操作メニューの構成を更新する(S19)。これにより、使用頻度の高い機能の表示順位を変更するなど、利用者に応じた操作メニューのカスタマイズが可能となる。
例えば、図4の操作メニュー画面M08は、操作メニュー画面M04を使用頻度順に並べ替えた例である。ここでは、アラームオンを6回、編集を5回、削除を3回、設定を1回使用していたとする。
【0025】
つぎに、本実施形態における誤操作パターンの例について、図6及び図7を参照して説明する。
これらの図に示すように、操作履歴データベース16には、操作メニューの操作履歴に係る各種の特性をあらわす情報が格納される。図示の例では、番号、操作項目、キー入力、時刻、操作後の表示画面を操作履歴として操作履歴データベース16に格納している。
【0026】
図6の例では、利用者がアラームを設定する際に、アラーム1を編集するか、アラーム2を編集するかとまどい、アラーム2を編集した操作が記録されている。このような一連の操作を、ここでは「とまどい操作」と呼ぶ。
ここで利用者の意図を推定すると、アラーム2を編集後、アラームオンしているので、アラーム1を編集しようとして戻った行為は、誤操作と考えられる。
つまり、A03〜A12の間は、二回のアラーム時刻編集操作及び中止が行われたのではなく、連続したとまどい操作であり、一回のアラーム時刻編集操作が行われた間のことであると認識する。これにより、A03でアラームの機能を選択してからA12でアラームオンが行われるまでの間に、カーソル操作を除いて9回のキー入力が行われたことがわかる。通常であれば6回のキー入力でよいので、3回分のキー入力が余分になされていることがわかる。
【0027】
同様に、図7の例では、利用者がアラームを設定する際に、アラーム1の時刻を何度も入力し、最後にアラームをオンにしている。このような一連の操作を、ここでは「繰り返し操作」と呼ぶ。
ここで利用者の意図を推定すると、有効な操作は最後の時刻入力とアラームオンであり、それ以前の時刻入力は、誤操作と考えられる。
B05〜B10の間に、この例では二回時刻入力が行われている。有効なのは最後に設定されたものであり、それ以前に入力されたものは上書きされて無駄な操作となっている。このような同じ項目に対する「繰り返し操作」により、B05〜B07の余分なキー入力が行われたことがわかる。
【0028】
図4の操作メニュー画面M08の状態で、アラームオンを6回、編集を6回、削除を3回、設定を1回使用していたとする。この状態で図7の操作が行われたとすると、そのまま使用頻度を更新した場合、編集が2回、アラームオンが1回加算され、アラームオン7回、編集8回、削除3回、設定1回となり、アラームオンと編集の順位が逆転してしまう。
しかし、B05〜B07は余分な操作であり、これを検出して使用頻度加算から除外すれば、アラームオン7回、編集7回、削除3回、設定1回となり、アラームオンと編集の順位が逆転しないことになる。
なお、誤操作パターンの記述方法には、さまざまな方法が考えられる。正規表現やプログラム言語に類似した表記方法など、機械可読な方法によって記述される。
【0029】
以上のように構成された本実施形態の操作メニュー変更システムによれば、
サーバ3と、ネットワーク2を介して、サーバ3に接続される複数の携帯端末装置1と、を含み、サーバ3は、携帯端末装置1における誤操作パターンが蓄積された誤操作パターンデータベース31を備え、携帯端末装置1は、利用者の操作履歴を記録し、操作履歴を誤操作パターンデータベース31と照合して、誤操作を判定し、誤操作を除外した使用頻度にもとづいて、操作メニューを変更するので、取消し操作などの単純な誤操作だけでなく、とまどい操作、繰り返し操作、試し操作などの一連の連続操作も誤操作と判定することができる。
しかも、誤操作パターンデータベース31は、サーバ3上に置かれているので、誤操作パターンデータベース31を適宜更新することができ、その結果、製品の発売以前に想定できなかった誤操作の判定も可能となる。
【0030】
また、誤操作パターンデータベース31は、連続して同じ操作を繰り返した場合に、一度の操作のみを使用頻度加算の対象とし、その他の操作を誤操作と見做す誤操作パターンを備えるので、繰り返し操作に含まれる誤操作部分を排除し、正確な使用頻度加算を行うことができる。
【0031】
また、誤操作パターンデータベース31は、決定操作までに複数回のキャンセル操作を行った場合に、最後の決定操作につながる操作のみを使用頻度加算の対象とし、その他の操作を誤操作と見做す誤操作パターンを備えるので、とまどい操作に含まれる誤操作部分を排除し、正確な使用頻度加算を行うことができる。
【0032】
[第二実施形態]
つぎに、本発明の第二実施形態に係る操作メニュー変更システムについて、図10及び図11を参照して説明する。ただし、前記実施形態と共通の構成については、同一の符号を付与することにより、前記実施形態の説明を援用する。
【0033】
図10は、本発明の第二実施形態に係る操作メニュー変更システムの構成を示すブロック図、図11は、本発明の第二実施形態に係る携帯端末装置の動作を示すフローチャートである。
これらの図に示すように、第二実施形態の操作メニュー変更システムは、携帯端末装置1が、誤操作パターンデータベース17を備えており、この誤操作パターンデータベース17を、サーバ3上の誤操作パターンデータベース31と同期させるとともに、携帯端末装置1上の誤操作パターンデータベース17にもとづいて、誤操作を判定する点が前記実施形態と相違している。
【0034】
具体的に説明すると、図10に示すように、第二実施形態の携帯端末装置1には、誤操作パターンデータベース17と、データベース同期部(データベース同期手段)18とが追加されている。図11に示すように、データベース同期部18は、操作履歴と誤操作パターンとのパターンマッチングに先立ち、サーバ3上の誤操作パターンデータベース31と同期するように、誤操作パターンデータベース17の更新を行う(S21)。
なお、誤操作パターンデータベース17、31の同期動作は、一定期間毎でもよいし、別の通信時に行うようにしてもよい。また、任意のタイミングで手動で行う場合も含まれる。
【0035】
以上のように構成された第二実施形態の操作メニュー変更システムによれば、携帯端末装置1が、誤操作パターンデータベース17を備えており、この誤操作パターンデータベース17を、サーバ3上の誤操作パターンデータベース31と同期させるとともに、携帯端末装置1上の誤操作パターンデータベース17にもとづいて、誤操作を判定するので、サーバ3との通信障害に伴うオフライン状態においても、誤操作の判定を支障なく行うことができる。
【0036】
[第三実施形態]
つぎに、本発明の第三実施形態に係る操作メニュー変更システムについて、図12及び図13を参照して説明する。ただし、前記実施形態と共通の構成については、同一の符号を付与することにより、前記実施形態の説明を援用する。
【0037】
図12は、本発明の第三実施形態に係る操作メニュー変更システムの構成を示すブロック図、図13は、本発明の第三実施形態に係る携帯端末装置の動作を示すフローチャートである。
これらの図に示すように、第三実施形態の操作メニュー変更システムは、携帯端末装置1が、操作履歴をサーバ3に送信し、サーバ3が、携帯端末装置1が送信した操作履歴を受信するとともに、受信した操作履歴から誤操作パターンを抽出し、サーバ3上の誤操作パターンデータベース31に追加する点が前記実施形態と相違している。
【0038】
具体的に説明すると、図12に示すように、携帯端末装置1には、操作履歴送信部(操作履歴送信手段)19が追加され、サーバ3には、操作履歴受信部(操作履歴受信手段)32と、誤操作パターン抽出部(誤操作パターン抽出手段)33とが追加されている。図13に示すように、操作履歴送信部19は、所定のタイミングで操作履歴をサーバ3へ送信する(S31)。例えば、誤操作の判定後、誤操作と判定されなかった操作履歴のみをサーバ3へ送信する。一方、サーバ3は、携帯端末装置1が送信した操作履歴を操作履歴受信部32で受信するとともに、誤操作パターン抽出部33で誤操作パターンの抽出を行う。誤操作パターンの抽出は、統計的な手法や、人間による個別の分析でもかまわない。
なお、サーバ3に対する操作履歴の送信は、一定期間毎でもよいし、別の通信時に行うようにしてもよい。また、任意のタイミングで手動で行う場合も含まれる。
【0039】
以上のように構成された第三実施形態の操作メニュー変更システムによれば、携帯端末装置1が、操作履歴をサーバ3に送信し、サーバ3が、携帯端末装置1が送信した操作履歴を受信するとともに、受信した操作履歴から誤操作パターンを抽出し、サーバ3上の誤操作パターンデータベース31に追加するので、誤操作パターンデータベース31を随時更新することができ、その結果、当初の誤操作パターンデータベース31に含まれない誤操作パターンであっても、誤操作と判定することが可能となる。
また、複数の携帯端末装置1でサーバ3を共用することにより、一つの携帯端末装置1から新たな誤操作パターンが抽出された時点で、その誤操作パターンを他の携帯端末装置1でも検出することができるようになる。
【0040】
以上、本発明の操作メニュー変更システムについて、実施形態を示して説明したが、本発明に係る操作メニュー変更システムは、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
また、本発明は、操作メニュー変更システムとしてだけでなく、操作メニュー変更システムの構成要素であるサーバや端末、又は、操作メニュー変更方法や操作メニュー変更プログラムとしても実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、使用頻度に応じて操作メニューを変更する端末が含まれる操作メニュー変更システムに適用され、特に、携帯電話やPDAなどの携帯端末装置を含むシステムに好適である。
【符号の説明】
【0042】
1 携帯端末装置
2 ネットワーク
3 サーバ
11 表示部
12 操作部
12a カーソルキー
12b ソフトキー
12c 決定キー
12d 数字キー
13 制御部
14 操作記録部
15 操作解析部
16 操作履歴データベース
17 誤操作パターンデータベース
18 データベース同期部
19 操作履歴送信部
31 誤操作パターンデータベース
32 操作履歴受信部
33 誤操作パターン抽出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、
ネットワークを介して、前記サーバに接続される複数の端末と、を含み、
前記サーバは、
前記端末における誤操作パターンが蓄積された誤操作パターンデータベースを備え、
前記端末は、
利用者の操作履歴を記録する操作履歴記録手段と、
前記操作履歴を、前記誤操作パターンデータベースと照合して、誤操作を判定する操作解析手段と、
誤操作を除外した使用頻度にもとづいて、操作メニューを変更する操作メニュー変更手段と、を備える
ことを特徴とする操作メニュー変更システム。
【請求項2】
前記端末は、
誤操作パターンデータベースと、
前記端末上の誤操作パターンデータベースを、前記サーバ上の誤操作パターンデータベースと同期させるデータベース同期手段と、を備え、
前記操作解析手段は、
前記端末上の誤操作パターンデータベースにもとづいて、誤操作を判定する
ことを特徴とする請求項1記載の操作メニュー変更システム。
【請求項3】
前記端末は、
操作履歴を前記サーバに送信する操作履歴送信手段を備え、
前記サーバは、
前記端末が送信した操作履歴を受信する操作履歴受信手段と、
受信した操作履歴から誤操作パターンを抽出し、前記サーバ上の誤操作パターンデータベースに追加する誤操作パターン抽出手段と、を備える
ことを特徴とする請求項1又は2記載の操作メニュー変更システム。
【請求項4】
前記誤操作パターンデータベースは、
連続して同じ操作を繰り返した場合に、一度の操作のみを使用頻度加算の対象とし、その他の操作を誤操作と見做す誤操作パターンを備える
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の操作メニュー変更システム。
【請求項5】
前記誤操作パターンデータベースは、
決定操作までに複数回のキャンセル操作を行った場合に、最後の決定操作につながる操作のみを使用頻度加算の対象とし、その他の操作を誤操作と見做す誤操作パターンを備える
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の操作メニュー変更システム。
【請求項6】
ネットワークを介して、複数の端末が接続されるサーバであり、
前記端末における誤操作パターンが蓄積された誤操作パターンデータベースを備える
ことを特徴とするサーバ。
【請求項7】
前記端末が送信した操作履歴を受信する操作履歴受信手段と、
受信した操作履歴から誤操作パターンを抽出し、前記サーバ上の誤操作パターンデータベースに追加する誤操作パターン抽出手段と、を備える
ことを特徴とする請求項6記載のサーバ。
【請求項8】
ネットワークを介して、サーバに接続される端末であり、
利用者の操作履歴を記録する操作履歴記録手段と、
前記操作履歴を、前記サーバが備える誤操作パターンデータベースと照合して、誤操作を判定する操作解析手段と、
誤操作を除外した使用頻度にもとづいて、操作メニューを変更する操作メニュー変更手段と、を備える
ことを特徴とする端末。
【請求項9】
誤操作パターンデータベースと、
前記端末上の誤操作パターンデータベースを、前記サーバ上の誤操作パターンデータベースと同期させるデータベース同期手段と、を備え、
前記操作解析手段は、
前記端末上の誤操作パターンデータベースにもとづいて、誤操作を判定する
ことを特徴とする請求項8記載の端末。
【請求項10】
サーバと、
ネットワークを介して、前記サーバに接続される複数の端末と、を含み、
前記サーバは、
前記端末における誤操作パターンが蓄積された誤操作パターンデータベースを備え、
前記端末は、
利用者の操作履歴を記録し、
前記操作履歴を、前記誤操作パターンデータベースと照合して、誤操作を判定し、
誤操作を除外した使用頻度にもとづいて、操作メニューを変更する
ことを特徴とする操作メニュー変更方法。
【請求項11】
前記端末は、
誤操作パターンデータベースを備え、
前記端末上の誤操作パターンデータベースを、前記サーバ上の誤操作パターンデータベースと同期させ、
前記端末上の誤操作パターンデータベースにもとづいて、誤操作を判定する
ことを特徴とする請求項10記載の操作メニュー変更方法。
【請求項12】
ネットワークを介して、サーバに接続される端末用の操作メニュー変更プログラムであり、
コンピュータに、
利用者の操作履歴を記録させ、
前記操作履歴を、前記サーバが備える誤操作パターンデータベースと照合して、誤操作を判定させ、
誤操作を除外した使用頻度にもとづいて、操作メニューを変更させる
ことを特徴とする操作メニュー変更プログラム。
【請求項13】
前記コンピュータに、
前記端末上の誤操作パターンデータベースを、前記サーバ上の誤操作パターンデータベースと同期させ、
前記端末上の誤操作パターンデータベースにもとづいて、誤操作を判定させる
ことを特徴とする請求項12記載の操作メニュー変更プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2010−176359(P2010−176359A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17936(P2009−17936)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】