説明

操作制御装置、カメラ、操作制御方法および操作制御用プログラム

【課題】携帯型電子機器において、条件設定に必要な情報の表示タイミングとその表示位置を簡単な操作で制御できるようにする。
【解決手段】設定され得る動作条件の種類を示す第1のアイコン42a〜42cを表示部18に表示させ、タッチパネル14において例えば第1のアイコン42aを起点として第1の操作がされたと判断する場合に、この第1のアイコン42aが示す動作条件の具体的な選択肢を示す第2のアイコン44を第1の操作に応じた位置に表示させ、表示された第2のアイコン44に対して第2の操作がされたと判断する場合に、第2の操作に応じて第2のアイコン44で具体的な選択肢を選択するよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ等の携帯型電子機器に搭載される操作制御装置、この操作制御装置を搭載したカメラ、操作制御方法および操作制御用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯型電子機器(例えば、デジタルカメラ)では、携帯性の観点から機器サイズの小型化が必須である。一方、このような電子機器でも機能は豊富に搭載されているために、少ない操作部材で種々の条件設定を軽快に行うために、種々なGUIが提案されている。また、タッチパネルは、簡単な操作で希望の項目や条件を簡単に入力できるという大きな利点があるので、小型の機器でも利用が進んでいる。
【0003】
このような中で、携帯型電子機器の一つであるデジタルカメラ用に提案されたGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)の一例として、特許文献1がある。特許文献1の画像表示装置では、カメラ背面の表示部がタッチパネルで構成され、この画面にカメラ条件のアイコンが複数配置される。そして、条件変更したいアイコンにタッチすることで、そのアイコンを構成するサブメニューが画面に表示されるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−10775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
携帯型電子機器用のGUIでは、小さな画面しか使えず、画面に表示できる情報が限られているので、条件設定時に、全ての情報をまとめて表示するわけにはいかない。そこで、特許文献1でも紹介されているように、必要な情報を適宜切換えながら表示することになる。加えて、画面が小さいので、必要な情報を画面のどの位置に表示するかも重要になる。
【0006】
このように条件設定に必要な情報(アイコンやメニュー等)に関して、その表示のタイミングだけでなく、当該情報の表示位置も簡単な操作で、適切に選択・設定できることも、GUIとして重要な課題である。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、携帯型電子機器において、条件設定に必要な情報の表示タイミングとその表示位置を簡単な操作で制御できる操作制御装置、カメラ、操作制御方法および操作制御用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる操作制御装置は、機器の動作条件を設定するためのGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)画面が表示される表示部と、該表示部に重ねて配設されたタッチパネルからなり、前記GUI画面に対してユーザの指示が入力される操作部と、前記GUI画面に対するユーザの指示に対応して前記GUIを制御するGUI制御部と、を備え、前記GUI制御部は、設定され得る前記動作条件の種類を示す第1のアイコンを前記表示部に表示させ、前記操作部において前記第1のアイコンを起点として第1の操作がされたと判断する場合に、該第1のアイコンが示す動作条件の具体的な選択肢を示す第2のアイコンを該第1の操作に応じた位置に表示させ、表示された前記第2のアイコンに対して第2の操作がされたと判断する場合に、該第2の操作に応じて前記第2のアイコンで具体的な選択肢を選択するよう制御し、更に、前記第1のアイコンを起点としてなされるタッチ操作が所定の態様で連続的に移動された場合を前記第1の操作がされたと判断し、移動する該タッチ操作位置に前記第2のアイコンを表示させ、前記第2のアイコンを表示させる位置の下側に、円周上に複数の図形表示からなる回転操作入力表示を表示させ、上記第2の操作は、前記回転操作入力表示が示す円周上に沿ってユーザがタッチしながら回転移動する軌跡の長さに応じて、前記第2のアイコンで具体的な選択肢の選択を行うよう制御することを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる操作制御装置は、上記発明において、前記GUI制御部は、前記第2の操作がされている時には、前記回転操作入力表示を表示させ、ユーザが前記第2の操作が終了したと判断する場合には、前記回転操作入力表示を消去するように制御することを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる操作制御装置は、上記発明において、前記GUI制御部は、前記第2の操作において、前記回転操作入力表示に沿って、ユーザがタッチしながら回転移動している場合には、前記第2の操作がされている途中と判断し、前記タッチしながら回転移動する操作が停止、または、タッチ操作を終了させる時には前記第2の操作が終了したと判断するように制御することを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる操作制御装置は、上記発明において、前記GUI制御部は、前記第2の操作がされていると判断するときには、前記回転操作入力表示を、回転操作方向に順次点滅表示をさせ、前記第2の操作が終了したと判断される場合は、前記回転操作入力表示を消去するように制御することを特徴とする。
【0012】
また、前記GUI画面に対応して前記機器の動作条件を設定する条件設定部をさらに備え、該条件設定部は、前記第2の操作によって確定された選択肢で前記動作条件を設定することを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかるカメラは、上記いずれか一つに記載の操作制御装置を搭載したことを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる操作制御方法は、機器の動作条件を設定するためのGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)画面が表示される表示部と、前記表示部に重ねて配設されたタッチパネルからなり、前記GUI画面に対してユーザの指示が入力される操作部と、を有する操作制御装置における操作制御方法であって、前記GUI画面に対するユーザの指示に対応して前記GUIを制御するGUI制御ステップを含み、該GUI制御ステップは、設定され得る前記動作条件の種類を示す第1のアイコンを前記表示部に表示させ、前記操作部において前記第1のアイコンを起点として第1の操作がされたと判断する場合に、該第1のアイコンが示す動作条件の具体的な選択肢を示す第2のアイコンを該第1の操作に応じた位置に表示させ、表示された前記第2のアイコンに対して第2の操作がされたと判断する場合に、該第2の操作に応じて前記第2のアイコンで具体的な選択肢を選択するよう制御し、更に、前記第1のアイコンを起点としてなされるタッチ操作が所定の態様で連続的に移動された場合を前記第1の操作がされたと判断し、移動する該タッチ操作位置に前記第2のアイコンを表示させ、前記第2のアイコンを表示させる位置の下側に、円周上に複数の図形表示からなる回転操作入力表示を表示させ、上記第2の操作は、前記回転操作入力表示が示す円周上に沿ってユーザがタッチしながら回転移動する軌跡の長さに応じて、前記第2のアイコンで具体的な選択肢の選択を行うよう制御することを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかる操作制御用プログラムは、機器の動作条件を設定するためのGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)画面が表示される表示部と、前記表示部に重ねて配設されたタッチパネルからなり、前記GUI画面に対してユーザの指示が入力される操作部と、を有する操作制御装置が備えるコンピュータに、前記GUI画面に対するユーザの指示に対応して前記GUIを制御するGUI制御機能を実行させ、該GUI制御機能は、設定され得る前記動作条件の種類を示す第1のアイコンを前記表示部に表示させ、前記操作部において前記第1のアイコンを起点として第1の操作がされたと判断する場合に、該第1のアイコンが示す動作条件の具体的な選択肢を示す第2のアイコンを該第1の操作に応じた位置に表示させ、表示された前記第2のアイコンに対して第2の操作がされたと判断する場合に、該第2の操作に応じて前記第2のアイコンで具体的な選択肢を選択するよう制御し、更に、前記第1のアイコンを起点としてなされるタッチ操作が所定の態様で連続的に移動された場合を前記第1の操作がされたと判断し、移動する該タッチ操作位置に前記第2のアイコンを表示させ、前記第2のアイコンを表示させる位置の下側に、円周上に複数の図形表示からなる回転操作入力表示を表示させ、上記第2の操作は、前記回転操作入力表示が示す円周上に沿ってユーザがタッチしながら回転移動する軌跡の長さに応じて、前記第2のアイコンで具体的な選択肢の選択を行うよう制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、携帯型電子機器において、条件設定に必要な情報の表示タイミングとその表示位置を簡単な操作で制御できる操作制御装置、カメラ、操作制御方法および操作制御用プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の実施の形態の操作制御装置を搭載したデジタルカメラのシステム構成例を示すブロック図である。
【図2】図2は、第1の表示パターンにおけるGUI画面の操作例を模式的に示す説明図である。
【図3】図3は、第2の表示パターンにおけるGUI画面の操作例を模式的に示す説明図である。
【図4】図4は、操作制御処理例を示す概略フローチャートである。
【図5】図5は、第1の表示パターンの処理例を示す概略サブルーチンである。
【図6】図6は、第2の表示パターンの処理例を示す概略サブルーチンである。
【図7】図7は、第1の表示パターンにおける操作の変形例を模式的に示す説明図である。
【図8】図8は、図7に示した第1の表示パターンの処理例を示す概略サブルーチンである。
【図9】図9は、操作軌跡の態様の違う操作の変形例を模式的に示す説明図である。
【図10】図10は、操作軌跡の態様が同じとなる操作例を模式的に示す説明図である。
【図11】図11は、第1のアイコン群の表示位置の変更例を示す説明図である。
【図12】図12は、モードアイコンの表示位置の変更例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について説明する。図1は、本実施の形態の操作制御装置を搭載したデジタルカメラのシステム構成例を示すブロック図である。本実施の形態のデジタルカメラ1は、デジタルカメラ1を構成する各部に対する指示やデータ転送等を行い、デジタルカメラ1の動作を統括的に制御するためのCPUからなる制御部11を備える。また、デジタルカメラ1は、プログラムデータ記憶部12、ボタン操作部13、操作部を構成するタッチパネル14、撮像部15、SDRAM16、表示画像制御部17、画像処理部19、圧縮伸長部20、記録・再生部21の各部を備える。これら各部は、制御部11に対してバスライン25によって接続されている。
【0019】
プログラムデータ記憶部12は、例えばフラッシュメモリ等の電気的に書換えが可能な不揮発性メモリである。このプログラムデータ記憶部12は、デジタルカメラ1を動作させ、このデジタルカメラ1が備える種々の機能を実現するためのCPU用のプログラム(例えば、操作制御用プログラム)や、このプログラムの実行中に使用されるデータ、例えば、後述するGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)画面に表示させるアイコン等を含むGUI用画像データが予め格納されている。
【0020】
ボタン操作部13は、カメラ本体の上面に配設されて撮影タイミングを指示するためのレリーズボタン13a(図2等参照)等からなる。
【0021】
撮像部15は、カメラ部と撮像処理部とからなる。カメラ部は、デジタルカメラ1が被写体像を撮像するためのものであり、撮影レンズ、撮像素子、絞り、シャッタ、AF機構、AF駆動回路、ズーム機構、ズーム駆動機構等からなる。ここで、撮像素子は、例えばCCDやCMOSセンサ等の2次元固体撮像素子からなり、撮影レンズを含む撮影光学系を通して入射する被写体像を光電変換し、アナログ電気信号として出力する。撮像処理部は、撮像素子駆動回路を含む他、撮像素子から出力されるアナログ電気信号に対してAGC、CDS等のアナログ信号処理を施した後、A/Dコンバータでデジタル電気信号に変換して出力させるためのものである。
【0022】
SDRAM16は、一時記憶メモリやワーキングエリアとして利用されるメモリであり、撮像部15から出力されるデジタル電気信号や、画像処理部19による処理中の画像データ等を一時的に記憶する。また、表示画像作成時にも、処理中の画像データ等を一時的に記憶するために用いられる。
【0023】
表示画像制御部17は、エンコーダやD/Aコンバータ等を有して、表示部18に対する各種情報の表示を行わせるためのドライバである。ここで、表示部18は、図2等に示すように、カメラ本体の背面の大半の領域を占めるものであり、LCD(液晶表示デバイス)やOELD(有機EL表示デバイス)等の薄型表示装置で実現されている。この表示部18は、撮影画像やライブビュー画像の他に、GUI画面を含め、各種設定情報等を表示するためのものである。また、表示画像制御部17は、表示部18に表示するライブビュー画像や再生画像を作成するとともに、GUI画面用のGUI画像を単独であるいはライブビュー画像等に重畳させて表示部18に表示させるためのものである。
【0024】
画像処理部19は、撮像部15から出力されるデジタル電気信号に対して画素補間処理、色補正処理、ガンマ処理等の各種の画像処理を施すとともに、記録用、表示用等に適した画像データに変換する処理を行う。すなわち、画像処理部19は、記録時(撮影時)には、記録画像に対しては記録用の画像処理を施し、表示用のライブビュー画像に対しては表示用の簡易な画像処理を施す。
【0025】
圧縮伸長部20は、撮影画像の画像データを画像記憶部22に記録する際、あるいは画像記憶部22に記録されている画像データを表示する際等において、周知のJPEG方式等に基づく画像データの圧縮処理や伸長処理を行う。
【0026】
記録・再生部21は、画像記憶部22に対する画像データの書き込みや画像記憶部22からの画像データの読出しを行うためのものであり、画像記憶部22の種類に応じたものが用いられる。ここで、画像記憶部22は、例えばxD−ピクチャーカード(登録商標)やコンパクトフラッシュ(登録商標)カード等のカメラ本体に着脱自在な記録媒体や、HDD(Hard Disk Drive)である。
【0027】
ここで、本実施の形態の制御部11は、操作制御用プログラムにより実行される機能として、GUI制御部11aと条件設定部11bと操作検出部11cとの各機能部を備える。操作検出部11cは、デジタルカメラ1の動作条件の設定等のために表示部18に表示されるGUI画面に対するユーザの指示や、ボタン操作部13によるユーザ操作を検出するための機能部である。また、本実施の形態では、GUI画面が表示される表示部18に重ねて配設されたタッチパネル14を操作部として備えており、操作検出部11cは、このタッチパネル14に対するユーザの操作を検出することで、GUI画面に対するユーザ指示の検出動作を実行する。また、GUI制御部11aは、表示部18のGUI画面に対するユーザ指示に応じてユーザに対する出力を制御するとともに、このGUI画面に関する後述のような各種制御処理を実行するための機能部である。条件設定部11bは、GUI画面に対するユーザ指示に応じてデジタルカメラ1の動作条件を設定するための機能部である。
【0028】
つぎに、デジタルカメラ1の動作条件の一例として、撮影モードにおける動作条件設定の場合について、GUI制御部11a等によるGUI画面等の操作・制御の概要を説明する。ここで、本実施の形態では、動作条件設定のための表示パターンとして、第1の表示パターンと第2の表示パターンとが用意されているものとする。これらの第1の表示パターンと第2の表示パターンとのいずれのパターンで表示させるかは、図示しないメニュー画面において切換え可能とする。
【0029】
図2は、第1の表示パターンにおけるGUI画面の操作例を模式的に示す説明図である。第1の表示パターンの表示が選択されている場合において、GUI制御部11aは、第1の表示パターンの初期画面を表示部18に表示させる。すなわち、図2(a)に示すように、GUI制御部11aは、GUI画面30として、GUI画像データを用いて第1のアイコン群41を例えば画面中央底辺付近に表示させる。第1のアイコン群41は、動作条件の種類(パラメータ)を示す複数の第1のアイコンからなり、例えば、ストロボ用の第1のアイコン42a、シャッタ速用の第1のアイコン42b、ISO感度用の第1のアイコン42cを横一列に配列させたものである。図2(a)に示す例では、撮影用の動作条件として、ストロボ発光禁止、シャッタ速1/100、ISO感度800に初期設定されている場合を示している。
【0030】
また、特に図示しないが、このような画面表示において、背景にライブビュー画像が表示されていてもよく、あるいは、無色の背景表示であってもよい。
【0031】
このようなGUI画面30上において、ユーザは、パラメータ変更したい第1のアイコンを所望の位置まで指(または、タッチペンなど)でドラッグ操作する。図2(b)は、例えば、ストロボ用の第1のアイコン42aにタッチ操作した場合を示し、図2(c)は、この第1のアイコン42aを起点してさらにGUI画面30上にタッチしながらの移動操作を行っている様子を示している。この際、GUI制御部11aは、操作検出部11cの検出結果に基づき、タッチしながらの移動操作による操作軌跡43aの座標情報を順次取得し、この操作軌跡43aの態様が第1の操作であるか否かを判断する。本実施の形態では、移動操作による操作軌跡の曲率に関して、予め所定の閾値(例えば、硬貨相当の曲率、例えば0.1mm−1 )が設定されている。そして、操作軌跡の曲率がこの閾値よりも小さい、つまり直線的な移動操作は第1の操作であると判断し、操作軌跡の曲率がこの閾値よりも大きい、つまり回動的な移動操作は後述の第2の操作であると判断するように設定されている。
【0032】
ここで、GUI制御部11aは、図2(c)に示す例の場合、操作軌跡43aの移動操作は曲率が小さな直線的な操作であり、第1のアイコン42aを起点として第1の操作がされたと判断する。そして、GUI制御部11aは、選択された第1のアイコン42aが示す動作条件の具体的な選択肢を示す第2のアイコン44をこの第1の操作に応じた位置に表示させる。すなわち、GUI制御部は、第1のアイコン42aを起点としてなされるタッチ操作が直線的かつ連続的に移動された場合を第1の操作がされたと判断し、移動するタッチ操作位置に第2のアイコン44を表示させるよう制御する。なお、本実施の形態では、第1の操作としていわゆるドラッグ操作を想定しているため、ドラッグされた第1のアイコン42aを第2のアイコン44に切換えているが、タッチしながらの移動操作であればよく、第1のアイコン42aは第1のアイコン群41の位置に固定表示させたままとし、移動操作位置に第2のアイコン44を表示させるようにしてもよい。
【0033】
図2(c)に示す第2のアイコン44は、ストロボ用の場合であり、動作条件の具体的な選択肢のリストとしてストロボ発光禁止用パラメータ44a、赤目発光用パラメータ44b、ストロボ強制発光パラメータ44cの3つのパラメータを横一列に配列させ、選択位置を示すカーソル44dも併せて表示させたものである。カーソル44dの位置は、初期設定に従い、ストロボ発光禁止用パラメータ44aの位置にある。なお、第2のアイコン44は、第1のアイコンの選択がシャッタ速用やISO感度用の場合であれば、それに応じて具体的な選択肢を示すパラメータリストを表示させる。
【0034】
そして、ユーザは、第2のアイコン44を表示させたい位置まで第1の操作を行った後、第2のアイコン44に対して第2の操作を行うことで、第2のアイコン44で具体的な選択肢を選択する。図2(d)は、第1の操作を終了した後、タッチしながらの移動操作を続けることで一筆書きのような連続操作で第2の操作を開始した場合を示している。すなわち、GUI制御部11aは、操作検出部11cの検出結果に基づき、タッチしながらの移動操作による操作軌跡43a,43bの座標情報を順次取得し、操作軌跡43a,43bの態様が第1の操作であるか第2の操作であるかを判断する。
【0035】
ここで、図2(d)に示す例の場合、GUI制御部11aは、操作軌跡43bの移動操作は曲率が閾値より大きな回動的な操作であり、操作軌跡43aから操作軌跡43bへの切換え点Pcで第1の操作から第2の操作が開始されたと判断する。そして、GUI制御部11aは、第2のアイコン44の表示位置を固定してから、この第2のアイコン44上での具体的な選択肢の選択を行わせる。GUI制御部11aは、この具体的な選択肢の選択操作をガイドするための、回転操作入力表示を表示する。
【0036】
この回転操作入力表示は、例えば、図2(e)に示すように、第2のアイコン44のすぐ下の位置に複数個の丸印を例えば硬貨よりも小さな円の円周上に配列させてなる回転UI45を回転操作方向に順次点滅表示させる。そこで、ユーザが、図2(e)に示すように、回転UI45にガイドされて曲率の大きな操作軌跡43bを伴う第2の操作を引き続き行うと、その回転操作量に応じて、破線矢印で示すようにカーソル44dが第2のアイコン44上で左右方向に移動する。図2(e)では、カーソル44dがストロボ強制発光パラメータ44cなるパラメータの位置まで移動した様子を示している。
【0037】
なお、このような第2のアイコン44に対する第2の操作に際して、回転UI45の表示は必須ではなく省略してもよく、あるいは、ユーザの第2の操作に伴い丸印部分が順次表示されることで第2の操作中であることを表示させるようにしてもよい。
【0038】
図2(f)は、ユーザの指(または、タッチペンなど)が画面から離され、第2のアイコン44に対する第2の操作が終了した様子を示している。GUI制御部11aは、第2のアイコン44に対して第2の操作がされた後に、タッチ操作が終了された場合には、動作条件として選択された選択肢を確定する。ここでは、確定したことを明示するために、図2(g)に示すように、第2のアイコン44の表示を、ストロボ強制発光パラメータ44c対応の第1のアイコン42aに切換える。そして、図2(h)に示すように、切換えられた第1のアイコン42aを、第1のアイコン群41中の元の位置に戻すことで、図2(a)に相当する初期画面に戻し、第2のアイコン44の表示を消去させる。さらに、条件設定部11bは、第2の操作によって確定された選択肢、ここではストロボ強制発光パラメータ44cなるパラメータで動作条件を改めて設定する。
【0039】
一方、図3は、第2の表示パターンにおけるGUI画面の操作例を模式的に示す説明図である。第2の表示パターンの表示が選択されている場合において、GUI制御部11aは、第2の表示パターンの初期画面を表示部18に表示させる。すなわち、図3(a)に示すように、GUI制御部11aは、GUI画面30として、GUI画像データを用いてモードアイコン51を例えば画面左下隅付近に表示させる。このモードアイコン51は、現在選択されている撮影モードに従うものであり、図3(a)の場合は、現在スポーツモードである場合を示している。
【0040】
このような状態で、表示されたモードアイコン51に対して特定の操作として、図3(b)に示すようにタップ操作(クリック)がされると、GUI制御部11aは、モードアイコン51に対応する第1のアイコン群41をモードアイコン51の周囲に位置させてGUI画面30上に表示させる。第1のアイコン群41を構成する複数の第1のアイコン42a〜42cは、モードアイコン51に対して紐状表現の連結線で連結することで関連付けられて表示される。
【0041】
後は、図2で説明した場合と同様である。すなわち、図3(c)に示すように、変更したいパラメータ、例えばストロボ用の第1のアイコン42aにタッチ操作し、第1のアイコン42aを起点とするドラッグ操作にて第1の操作を開始すると、図3(d)に示すように、移動するタッチ操作位置に応じて第2のアイコン44が表示される。
【0042】
そして、図3(d)に示すように、操作軌跡43aから操作軌跡43bへの切換え点Pcで第1の操作から第2の操作が開始されたと判断すると、GUI制御部11aは、第2のアイコン44の表示位置を固定してから、図3(e)に示すように、この第2のアイコン44上での具体的な選択肢の選択を行わせる。第2のアイコン44に対する第2の操作によりパラメータ選択がなされ、図3(f)に示すように、タッチ操作が終了して指が離されると、動作条件として選択された選択肢、ここでは、ストロボ強制発光パラメータ44cに確定する。そして、ストロボ強制発光パラメータ44cによる第1のアイコン42aを、第1のアイコン群41中の元の位置に移動させることで、図3(b)に相当する画面に戻し第2のアイコン44の表示を消去させる。さらに、図3(g)に示すように、第1のアイコン群41の表示を消去させることで、図3(a)に相当する第2の表示パターンの初期画面に戻す。
【0043】
つづいて、上述したようなGUI画面30の表示制御、ユーザ操作に伴う制御等を実現するための制御部11による動作制御例について説明する。図4は、制御部11のGUI制御部11a等により実行される操作制御処理例を示す概略フローチャートである。本実施の形態で対象とする操作制御処理は、図示しない設定用ボタン等の操作により、撮影モードが指定されることにより実行される。
【0044】
まず、撮影モードが指定されているか否かを判定する(ステップS11)。撮影モードが指定されていない場合には(ステップS11:No)、再生モードであり、再生モード用の処理を実行する(ステップS12)。そして、図示しない設定用ボタン等によりモード切換操作があったか否かを判定する(ステップS13)。撮影モードへのモード切換操作があった場合には(ステップS13:Yes)、後述のステップS21に移行する。モード切換操作がなかった場合には(ステップS13:No)、パワースイッチのオフ等の終了操作があったか否かを判定する(ステップS14)。終了操作がなかった場合には(ステップS14:No)、ステップS13に戻る一方、終了操作があった場合には(ステップS14:Yes)、処理を終了する。
【0045】
一方、撮影モードが指定されていた場合には(ステップS11:Yes)、撮影モード用の処理を実行する(ステップS21)。撮影モード用の処理は、例えば沈胴していた撮影レンズを撮影位置に進出させる処理等である。そして、表示パターンが、第1の表示パターンに設定されているか否かを判定する(ステップS22)。第1の表示パターンに設定されていれば(ステップS22:Yes)、第1の表示パターンの処理を実行する(ステップS23)。一方、第1の表示パターンに設定されていなければ(ステップS22:No)、第2の表示パターンの設定であり、第2の表示パターンの処理を実行する(ステップS24)。
【0046】
その後、図示しない設定用ボタン等によりモード切換操作があったか否かを判定する(ステップS25)。再生モードへのモード切換操作があった場合には(ステップS25:Yes)、ステップS12に移行する。モード切換操作がなかった場合には(ステップS25:No)、パワースイッチのオフ等の終了操作があったか否かを判定する(ステップS26)。終了操作がなかった場合には(ステップS26:No)、レリーズボタン13aの操作によるレリーズ操作があったか否かを判定する(ステップS27)。レリーズ操作があった場合には(ステップS27:Yes)、撮影処理を実行し(ステップS28)、ステップS22に戻る。レリーズ操作がなかった場合も(ステップS27:No)、ステップS22に戻る。また、終了操作があった場合には(ステップS26:Yes)、処理を終了する。
【0047】
つづいて、ステップS23の第1の表示パターンの処理例について説明する。図5は、ステップS23の第1の表示パターンの処理例を示す概略サブルーチンである。第1の表示パターンモードに設定されている場合、GUI制御部11aは、まず、第1のパターンでアイコンを表示させる(ステップS30)。図2(a)に示す第1のアイコン群41の表示が相当する。
【0048】
このような表示状態において、GUI制御部11aは、第1のアイコン群41中の第1のアイコン42a〜42cのいずれかが操作されたか否かを判定する(ステップS31)。操作されていない場合には(ステップS31:No)、リターンする。一方、第1のアイコン42a〜42cのいずれか、例えば図2(b)に示すように第1のアイコン42aが操作された場合には(ステップS31:Yes)、GUI制御部11aは、その操作が第1の操作であるか否かを判定する(ステップS32)。ここで、GUI制御部11aは、第1のアイコン42aを起点としてなされるタッチ操作が直線的な操作軌跡で連続的に移動された場合(ドラッグ操作)であれば、第1の操作であると判定する(ステップS32:Yes)。そして、ドラッグされた第1のアイコン、例えば第1のアイコン42aを第2のアイコン44に切換えるとともに、第1の操作に応じた位置に表示させる(ステップS33)。図2(c)に示す第2のアイコン44の表示例が相当する。
【0049】
このような第1の操作中において、GUI制御部11aは、第2の操作が開始されたか否かを監視し(ステップS34)、第2の操作が開始されていない場合には(ステップS34:No)、画面から指が離されることにより第1の操作が解除されたか否かを判定する(ステップS35)。第1の操作が解除されていない場合には(ステップS35:No)、ステップS34に戻り、第1の操作を継続可能にする。また、第2の操作が開始される前に第1の操作が解除された場合には(ステップS35:Yes)、GUI制御部11aは、例えば第2のアイコン44を第1のアイコン42aに切換えて、元の表示位置に戻す(ステップS40)。これにより、画面から指を離すことで、第1の操作の途中で第1の操作をキャンセルすることが可能となる。
【0050】
一方、第1の操作に相当する直線的な操作軌跡43aから連続操作で第2の操作に相当する回動的な操作軌跡43bに移行した場合、GUI制御部11aは、これらの操作軌跡43a,43bの切換え点Pcで第2の操作が開始されたと判断する(ステップS34:Yes)。そして、GUI制御部11aは、第2のアイコン44の表示位置を固定する(ステップS36)。図2(d)に示す第2のアイコン44の表示例が相当する。さらに、GUI制御部11aは、表示位置が固定された第2のアイコン44に対する第2の操作に応じて、第2のアイコン44のカーソル44dを移動させる(ステップS37)。これにより、第2のアイコン44上での具体的に選択肢の選択を行わせる。図2(e)に示す表示例が相当する。
【0051】
このような第2の操作中において、GUI制御部11aは、画面から指が離されることにより第2の操作が解除されたか否かを判定する(ステップS38)。第2の操作が解除されていない場合には(ステップS38:No)、ステップ37に戻り、カーソル44dの移動が可能な状態を継続する。第2の操作が解除された場合には(ステップS38:Yes)、GUI制御部11aは、その時のカーソル44dの位置に従いパラメータを確定する(ステップS39)。図2(f)に示す表示例が相当する。その後、GUI制御部11aは、例えば第2のアイコン44を第1のアイコン42aに切換えて、元の表示位置に戻すことで第2のアイコン44の表示を消去する(ステップS40)。図2(g),図2(h)に示す表示例が相当する。
【0052】
また、ステップS24の第2の表示パターンの処理例について説明する。図6は、ステップS24の第2の表示パターンの処理例を示す概略サブルーチンである。第2の表示パターンモードに設定されている場合、GUI制御部11aは、まず、第2のパターンでアイコンを表示させる(ステップS51)。図3(a)に示すモードアイコン51の表示が相当する。
【0053】
このような表示状態において、GUI制御部11aは、モードアイコン51がタップ操作されたか否かを判定する(ステップS52)。タップ操作されていない場合には(ステップS52:No)、リターンする。一方、モードアイコン51がタップ操作された場合には(ステップS52:Yes)、GUI制御部11aは、モードアイコン51の近傍に第1のアイコン群41を表示させる(ステップS53)。図3(b)に示す表示例が相当する。
【0054】
この後の処理制御(ステップS54〜S63)は、第1の表示パターンにおける処理制御(ステップS31〜S40)の場合と同様に行われる。ただし、ステップS63においては、GUI制御部11aは、例えば第2のアイコン44を第1のアイコン42aに切換えて、この第1のアイコン42aを元の表示位置に戻した後、この第1のアイコン42aの表示を消去することでモードアイコン51のみの表示とさせる。図3(g)に示す表示例が相当する。
【0055】
このように、本実施の形態によれば、GUI制御部11aは、設定され得る動作条件の種類を示す第1のアイコン42a〜42cを表示部18に表示させ、タッチパネル14において第1のアイコン42a〜42cを起点として第1の操作がされたと判断する場合に、第1のアイコン42a〜42cが示す動作条件の具体的な選択肢を示す第2のアイコン44を第1の操作に応じた位置に表示させ、表示された第2のアイコン44に対して第2の操作がされたと判断する場合に、第2の操作に応じて第2のアイコン44で具体的な選択肢を選択するよう制御するので、動作条件の条件設定に必要な情報の表示タイミングと、その表示位置を簡単な操作で制御することができる。すなわち、動作条件の具体的内容を変更したいタイミングで、対応する第1のアイコン42a〜42cを選んでタッチしながらの移動操作を行うだけで、第2のアイコン44の表示位置の指定と具体的な選択肢の表示とを同時に行わせることができる。このように具体的な選択肢の表示位置(第2のアイコン44の表示位置)が画面上で簡単に指定できるので、例えば画面の背景にライブビュー画像が表示されている場合でも、選択肢の表示で被写体確認の邪魔になることを簡単に防止することができる。あるいは、ライブビュー画像の表示がない場合でも、画面上にて身体的に指などで操作しやすい位置に具体的な選択肢の表示(第2のアイコン44の表示)を行わせることができ、デジタルカメラ1の縦構え、横構え、左手操作、右手操作などの各種状況において、ユーザの好みに応じて操作性を向上させることができる。
【0056】
また、GUI制御部11aは、第1のアイコン42a〜42cを起点としてなされるタッチ操作が所定の態様、例えば直線的で連続的に移動された場合を第1の操作がされたと判断し、移動するこのタッチ操作位置に第2のアイコン44を表示させるよう制御するので、第1のアイコン42a〜42cに対するタッチ操作に基づき第2のアイコン44の表示位置を設定でき、位置設定を感覚的に容易に行うことができる。
【0057】
また、GUI制御部11aは、タッチパネル14上でユーザのタッチしながらの移動操作による操作軌跡43a,43bの態様の違いに応じて、操作が第1の操作または第2の操作であるかを判断するようにしたので、タッチしながらの移動操作によって、第2のアイコン44の表示位置を決めたり、選択肢を選択することができ、操作感触のよいものとすることができる。
【0058】
また、GUI制御部11aは、第1の操作に相当する操作軌跡43aから連続操作で第2の操作に相当する操作軌跡43bに移行した場合に、これら操作軌跡43a,43bの切換え点Pcで第2の操作が開始されたと判断し、第2のアイコン44の表示位置を固定してから、第2のアイコン44上での具体的な選択肢の選択を行わせるよう制御するので、一筆書きのように画面から指を離すことなくワンアクションによってパラメータ変更操作を行うことができる。
【0059】
また、GUI制御部11aは、タッチしながらの移動操作のうち、操作軌跡43aが相対的に曲率の小さな移動操作を第1の操作と判断し、操作軌跡43bが相対的に曲率の大きな移動操作を第2の操作と判断するようにしたので、直線的な動きと回動的な動きの使い分けだけで、第1の操作と第2の操作とを切換えることができ、操作性が良好となる。
【0060】
また、GUI制御部11aは、第2のアイコン44に対して第2の操作がされた後に、タッチ操作が終了された場合には、動作条件として選択された選択肢を確定し、第2のアイコン44の表示を消去するよう制御するので、簡単な操作で選択肢を確定することができ、使い勝手のよいものとなる。
【0061】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変形が可能である。
【0062】
例えば、図7は、第1の表示パターンにおける操作の変形例を模式的に示す説明図である。まず、第1の表示パターンの表示が選択されている場合において、GUI制御部11aは、前述の図2(a)に示したように、GUI画面30として、第1のアイコン群41を例えば画面中央底辺付近に表示させる。このようなGUI画面30上において、ユーザは、パラメータ変更したい第1のアイコン42a〜42cを所望の位置までドラッグ操作する。図7(a)は、例えば、ストロボ用の第1のアイコン42aにタッチ操作した場合を示し、図7(b)は、この第1のアイコン42aを起点してさらにGUI画面30上にタッチしながらの移動操作を行っている様子を示している。
【0063】
ここで、GUI制御部11aは、図7(b)に示す操作の場合、第1のアイコン42aを起点として第1の操作がされたと判断する。すると、GUI制御部11aは、選択された第1のアイコン42aが示す動作条件の具体的な選択肢を示す第2のアイコン44を、この第1の操作に応じた位置に表示させる。
【0064】
そして、ユーザは、図7(c)に示すように、第2のアイコン44を表示させたい位置まで第1の操作を行った後、図7(d)に示すように、画面から指を離すことで第1の操作を終了する。GUI制御部11aは、指が離れることで第1の操作が終了したと判断すると、図7(d)に示すように、第2のアイコン44の表示位置を固定する。
【0065】
そして、GUI制御部11aは、図7(e)に示すように、この第2のアイコン44上での具体的な選択肢の選択を行わせる。そこで、ユーザが、図7(e)に示すように、第2のアイコン44に対して第2の操作を行うと、その回転操作量に応じて、破線矢印で示すようにカーソル44dが第2のアイコン44上で左右方向に移動する。
【0066】
そして、ユーザは、カーソル44dの位置を所望位置まで移動させた後、図7(f)に示すように、画面から指を離すことで第2の操作を終了する。GUI制御部11aは、指が離れることで第2の操作が終了したと判断する。その後、図7(g)に示すように、第2のアイコン44に対して終了操作としてクリック操作があった場合、GUI制御部11aは、動作条件として選択された選択肢を最終的に確定する。そして、第2のアイコン44の表示を、選択されたストロボ強制発光パラメータ44cによる第1のアイコン42aに切換える。そして、図7(h)に示すように、切換えられたストロボ強制発光対応の第1のアイコン42aを、第1のアイコン群41中の元の位置に戻すことで、図7(a)に相当する初期画面に戻し、第2のアイコン44の表示を消去させる。さらに、条件設定部11bは、第2の操作によって確定された選択肢、ここではストロボ強制発光パラメータ44cなるパラメータで動作条件を改めて設定する。
【0067】
図8は、図7に示した第1の表示パターンの処理例を示す概略サブルーチンである。第1の表示パターンモードに設定されている場合、GUI制御部11aは、まず、第1のパターンでアイコンを表示させる(ステップS71)。図2(a)に示す第1のアイコン群41の表示が相当する。
【0068】
このような表示状態において、GUI制御部11aは、第1のアイコン群41中の第1のアイコン42a〜42cのいずれかが操作されたか否かを判定する(ステップS72)。操作されていない場合には(ステップS72:No)、リターンする。一方、第1のアイコン42a〜42cのいずれか、例えば図7(a)に示すように第1のアイコン42aが操作された場合には(ステップS72:Yes)、GUI制御部11aは、その操作が第1の操作であるか否かを判定する(ステップS73)。ここで、GUI制御部11aは、第1のアイコン42aを起点としてなされるドラッグ操作であれば、第1の操作であると判定する(ステップS73:Yes)。そして、ドラッグされた第1のアイコン、例えば第1のアイコン42aを第2のアイコン44に切換えるとともに、第1の操作に応じた位置に表示させる(ステップS74)。図7(b)に示す第2のアイコン44の表示例が相当する。
【0069】
このようにして第1の操作が開始されると、GUI制御部11aは、第1の操作に伴い第2のアイコン44の表示位置を移動させる(ステップS75)。図7(c)に示す表示例が相当する。これと並行して、GUI制御部11aは、画面から指が離されることにより第1の操作が終了されたか否かを監視する(ステップS76)。第1の操作が終了されていない場合には(ステップS76:No)、GUI制御部11aは、ステップS75に戻り、第1の操作に伴う第2のアイコン44の表示位置の移動を継続する。一方、第1の操作が終了された場合には(ステップS76:Yes)、GUI制御部11aは、第2のアイコン44の表示位置を固定する(ステップS77)。図7(d)に示す表示例が相当する。
【0070】
その後、GUI制御部11aは、第2のアイコン44に対して終了操作であるクリック操作がされたか否かを監視し(ステップS78)、クリック操作がされていない場合には(ステップS78:No)、第2のアイコン44に対して第2の操作が開始されたか否かを監視する(ステップS79)。クリック操作がされた場合には(ステップS78:Yes)、ステップS84に移行する。すなわち、GUI制御部11aは、第2の操作が開始される前にパラメータ変更操作が解除されたとみなし、例えば第2のアイコン44を第1のアイコン42aに切換えて、元の表示位置に戻す(ステップS84)。
【0071】
一方、第2の操作が開始された場合には(ステップS79:Yes)、GUI制御部11aは、第2の操作に応じて、第2のアイコン44のカーソル44dを移動させる(ステップS80)。これにより、第2のアイコン44上での具体的に選択肢の選択を行わせる。図7(e)に示す表示例が相当する。これと並行して、GUI制御部11aは、画面から指が離されることにより第2の操作が終了されたか否かを監視する(ステップS81)。第2の操作が終了されていない場合には(ステップS81:No)、GUI制御部11aは、ステップS80に戻り、第2の操作に応じて、第2のアイコン44のカーソル44dの移動を継続する。
【0072】
また、第2の操作が終了された場合には(ステップS81:Yes)、GUI制御部11aは、動作条件として選択されたパラメータ(選択肢)を確定する(ステップS82)。さらに、第2のアイコン44に対して終了操作としてクリック操作がされたか否かを監視する(ステップS83)。図7(g)に示すように、クリック操作がされた場合には(ステップS83:Yes)、GUI制御部11aは、第2のアイコン44の表示を、動作条件として選択されて最終的に確定したパラメータ(選択肢)を最終的に確定したストロボ強制発光パラメータ44cによる第1のアイコン42aに切換え、切換えられた第1のアイコン42aを、第1のアイコン群41中の元の位置に戻す(ステップS84)。図7(h)に示す表示例が相当する。
【0073】
このような変形例によれば、画面から指を離すことで、第1の操作や第2の操作が終了するようにしているので、第1の操作や第2の操作の判定が容易となる。よって、第1の操作や第2の操作の態様に関する制約を緩和することができる。この結果、選択肢の選択を行う第2の操作としては、この他に、例えば第2のアイコン44上のカーソル44d上に指を置き、カーソル44dの位置を直接的に左右方向に移動操作させることも可能となる。
【0074】
また、第1の操作と第2の操作とをタッチしながらの移動操作により一筆書きのように行う場合の第1の操作と第2の操作の操作軌跡の態様の違いとしては、操作軌跡の曲率の大小の違いに限らない。図9は、操作軌跡の態様の違う操作の変形例を模式的に示す説明図である。すなわち、図9(a)に示すように、例えば第1のアイコン42aを起点として垂直上向きの操作軌跡52aとなる態様の移動操作があった場合には第1の操作であると判断し、図9(b),図9(c)に示すように、第2のアイコン44を第1の操作に応じた位置に表示させる。また、図9(d)に示すように、第1の操作に相当する操作軌跡52aから連続操作で、水平方向の操作軌跡52bとなる態様の移動操作に移行した場合には、この操作を第2の操作と判断する。そして、これら操作軌跡52a,52bの切換え点Pcで第2の操作が開始されたと判断し、第2のアイコン44の表示位置を固定させる。さらに、水平方向の操作軌跡52bとなる第2の操作でカーソル44dの位置を移動させることで、第2のアイコン44上での具体的な選択肢の選択を行わせるようにしてもよい。
【0075】
また、図7および図8の変形例に示した如く、画面から指を離す操作によって第1の操作や第2の操作が終了したものと判断する場合であれば、第1の操作と第2の操作の操作軌跡の態様を異ならせる必要はなく、同一の態様であってもよい。図10は、操作軌跡の態様が同じとなる操作例を模式的に示す説明図である。すなわち、図10(a)に示すように、例えば第1のアイコン42aを起点として操作軌跡53aが水平方向となる態様の移動操作があった場合には第1の操作であると判断し、図10(b)に示すように、第2のアイコン44を第1の操作に応じた位置に表示させる。そして、図10(b)に示すように、画面から指を離したら第1の操作が終了したと判断し、第2のアイコン44の表示位置を固定させる。
【0076】
その後、第2のアイコン44に対して、操作軌跡53aが水平方向となる態様の移動操作があった場合には第2の操作であると判断し、図10(c)に示すように、第2の操作に応じた位置にカーソル44dを移動させる。そして、画面から指を離したら第2の操作が終了したと判断し、パラメータを確定する。さらに、第2のアイコン44の表示を、選択されたストロボ強制発光パラメータ44cによる第1のアイコン42aに切換え、切換えられた第1のアイコン42aを、図10(d)に示すように、第1のアイコン群41中の元の位置に戻すようにしてもよい。
【0077】
また、第1の表示パターンの初期画面として、図2(a)では、第1のアイコン群41を画面中央底辺付近に表示させるようにしたが、表示位置を変更可能としてもよい。例えば、図11に示すように、第1のアイコン群41の余白部分をドラッグ操作することで、画面中央左辺付近、画面中央上辺付近あるいは画面中央右辺付近のうちの所望の位置に変更表示させるようにしてもよい。
【0078】
また、第2の表示パターンの初期画面についても同様であり、図3(a)では、モードアイコン51を画面左下隅部付近に表示させるようにしたが、表示位置を変更可能としてもよい。例えば、図12に示すように、モードアイコン51をドラッグ操作することで、画面左上隅部付近、画面右上隅部付近あるいは画面右下隅部付近のうちの所望の位置に変更表示させるようにしてもよい。
【0079】
さらには、本実施の形態における図8に示すような各処理機能について、図1に示すブロック図では、制御部11によるソフトウェアによって処理するように説明したが、構成の具体例はこれに限るものではない。これらの処理を、ハードウェア処理とソフトウェア処理のいずれか一方あるいは適宜組み合わせて行なうことは設計事項である。
【0080】
そして、実施の形態の全てあるいは一部がソフトウェア処理で処理が実行される場合には、制御部11がフラッシュメモリ等のプログラムデータ記憶部12に格納された操作制御用プログラムを読み出して実行されることで、かかるソフトウェア処理が実現されるので、このようなソフトウェア処理に関する操作制御用プログラムも本発明となる。また、このような操作制御用プログラムが記録された記録媒体も本発明となる。なお、プログラムを格納する記録媒体としては、フラッシュメモリに限定されるものではなく、CD−ROM、DVD−ROM等の光学記録媒体、MD等の磁気記録媒体、テープ媒体、ICカードなどの半導体メモリであってもよい。さらに、検索用プログラムとしては、ネットワークを介して外部の記録媒体から入手されるもの、例えば、ホームページからダウンロードされるものも当然含まれる。このような場合には、ユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明の範囲に含まれるものである。
【0081】
また、本実施の形態では、当該操作制御装置をデジタルカメラ1に搭載した例で説明したが、当然これに限られるものではない。本実施の形態の操作制御装置は、携帯電話あるいは画像表示装置(画像ビュワー)等の各種電子機器に適用してもよい。また、カメラは、デジタルカメラ1に限らず、パソコンのカメラ部や携帯電話のカメラ部等に適用してもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 デジタルカメラ
11a GUI制御部
11b 条件設定部
14 タッチパネル
18 表示部
30 GUI画面
42a〜42c 第1のアイコン
43a,43b 操作軌跡
44 第2のアイコン
45 回転UI
51 モードアイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の動作条件を設定するためのGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)画面が表示される表示部と、
該表示部に重ねて配設されたタッチパネルからなり、前記GUI画面に対してユーザの指示が入力される操作部と、
前記GUI画面に対するユーザの指示に対応して前記GUIを制御するGUI制御部と、を備え、
前記GUI制御部は、設定され得る前記動作条件の種類を示す第1のアイコンを前記表示部に表示させ、
前記操作部において前記第1のアイコンを起点として第1の操作がされたと判断する場合に、該第1のアイコンが示す動作条件の具体的な選択肢を示す第2のアイコンを該第1の操作に応じた位置に表示させ、
表示された前記第2のアイコンに対して第2の操作がされたと判断する場合に、該第2の操作に応じて前記第2のアイコンで具体的な選択肢を選択し、
更に、前記第1のアイコンを起点としてなされるタッチ操作が所定の態様で連続的に移動された場合を前記第1の操作がされたと判断し、移動する該タッチ操作位置に前記第2のアイコンを表示させ、前記第2のアイコンを表示させる位置の下側に、円周上に複数の図形表示からなる回転操作入力表示を表示させ、上記第2の操作は、前記回転操作入力表示が示す円周上に沿ってユーザがタッチしながら回転移動する軌跡の長さに応じて、前記第2のアイコンで具体的な選択肢の選択を行うよう制御することを特徴とする操作制御装置。
【請求項2】
前記GUI制御部は、前記第2の操作がされている時には、前記回転操作入力表示を表示させ、ユーザが前記第2の操作が終了したと判断する場合には、前記回転操作入力表示を消去するように制御することを特徴とする請求項1に記載の操作制御装置。
【請求項3】
前記GUI制御部は、前記第2の操作において、前記回転操作入力表示に沿って、ユーザがタッチしながら回転移動している場合には、前記第2の操作がされている途中と判断し、前記タッチしながら回転移動する操作が停止、または、タッチ操作を終了させる時には前記第2の操作が終了したと判断するように制御することを特徴とする、請求項2記載の操作制御装置。
【請求項4】
前記GUI制御部は、前記第2の操作がされていると判断するときには、前記回転操作入力表示を、回転操作方向に順次点滅表示をさせ、前記第2の操作が終了したと判断される場合は、前記回転操作入力表示を消去するように制御することを特徴とする、請求項2または請求項3記載の操作制御装置。
【請求項5】
前記GUI画面に対応して前記機器の動作条件を設定する条件設定部をさらに備え、
該条件設定部は、前記第2の操作によって確定された選択肢で前記動作条件を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の操作制御装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一つに記載の操作制御装置を搭載することを特徴とするカメラ。
【請求項7】
機器の動作条件を設定するためのGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)画面が表示される表示部と、前記表示部に重ねて配設されたタッチパネルからなり、前記GUI画面に対してユーザの指示が入力される操作部と、を有する操作制御装置における操作制御方法であって、
前記GUI画面に対するユーザの指示に対応して前記GUI画面を制御するGUI制御ステップを含み、
該GUI制御ステップは、設定され得る前記動作条件の種類を示す第1のアイコンを前記表示部に表示させ、
前記操作部において前記第1のアイコンを起点として第1の操作がされたと判断する場合に、該第1のアイコンが示す動作条件の具体的な選択肢を示す第2のアイコンを該第1の操作に応じた位置に表示させ、表示された前記第2のアイコンに対して第2の操作がされたと判断する場合に、該第2の操作に応じて前記第2のアイコンで具体的な選択肢を選択するよう制御し、
さらに、前記第1のアイコンを起点としてなされるタッチ操作が所定の態様で連続的に移動された場合に前記第1の操作がされたと判断し、移動する該タッチ操作位置に前記第2のアイコンを表示させるよう制御し、
前記第2のアイコンを表示させる位置の下側に、円周上に複数の図形表示からなる回転操作入力表示を表示させ、上記第2の操作は、前記回転操作入力表示が示す円周上に沿ってユーザがタッチしながら回転移動する軌跡の長さに応じて、前記第2のアイコンで具体的な選択肢の選択を行うよう制御することを特徴とする操作制御方法。
【請求項8】
機器の動作条件を設定するためのGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)画面が表示される表示部と、前記表示部に重ねて配設されたタッチパネルからなり、前記GUI画面に対してユーザの指示が入力される操作部と、を有する操作制御装置が備えるコンピュータに、前記GUI画面に対するユーザの指示に対応して前記GUI画面を制御するGUI制御機能を実行させ、
該GUI制御機能は、設定され得る前記動作条件の種類を示す第1のアイコンを前記表示部に表示させ、前記操作部において前記第1のアイコンを起点として第1の操作がされたと判断する場合に、該第1のアイコンが示す動作条件の具体的な選択肢を示す第2のアイコンを該第1の操作に応じた位置に表示させ、表示された前記第2のアイコンに対して第2の操作がされたと判断する場合に、該第2の操作に応じて前記第2のアイコンで具体的な選択肢を選択するよう制御し、
さらに、前記第1のアイコンを起点としてなされるタッチ操作が所定の態様で連続的に移動された場合に前記第1の操作がされたと判断し、移動する該タッチ操作位置に前記第2のアイコンを表示させるよう制御し、
前記第2のアイコンを表示させる位置の下側に、円周上に複数の図形表示からなる回転操作入力表示を表示させ、上記第2の操作は、前記回転操作入力表示が示す円周上に沿ってユーザがタッチしながら回転移動する軌跡の長さに応じて、前記第2のアイコンで具体的な選択肢の選択を行うよう制御することを特徴とする操作制御用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−54756(P2013−54756A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−239071(P2012−239071)
【出願日】平成24年10月30日(2012.10.30)
【分割の表示】特願2009−48306(P2009−48306)の分割
【原出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】