説明

操作表示器

【課題】金属プレートとタッチパネルの電極との間の絶縁強度を高めて、タッチパネルの電極に静電気による高電圧が印加されることを防止する。
【解決手段】施工面6に形成される取付穴内Hに後部を収める形態で施工面6に取り付けられて、前面に凹部1aが形成される器具本体1と、器具本体1の凹部1aに前面を露出した状態で収納され、前面に文字及び図形を表示可能な液晶装置(表示部)2と、少なくとも1つの端面に電極3bが設けられて板状に形成され、液晶装置2の前面に重ねて配置されて器具本体1における凹部1aの内壁に端面3aが対向して設けられ、ユーザーからの操作入力を受け付けるタッチパネル(操作部)3と、器具本体1の外周に設けられる金属プレート5と、器具本体1における凹部1aの開口周縁に沿って設けられて、金属プレート5とタッチパネル3の電極3bとの間を絶縁する絶縁手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作表示器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、操作部と表示部とを一体に備えた操作表示器が提供されている。
【0003】
操作表示器は、例えば、通信によって負荷の監視制御を行う遠隔監視制御システムの監視制御装置に用いられる。この種の遠隔監視制御システムでは、操作表示器(監視制御装置)と、当該操作表示器に監視される一乃至複数の負荷(端末)とが、2線式の信号線によって接続されている。
【0004】
操作表示器は、操作部がユーザーによって操作されることによって当該操作に応じた制御信号を信号線を介して負荷に送信して当該負荷の制御を行う。
【0005】
また、操作表示器は、各負荷の状態を監視し、各負荷から信号線を介して受信する監視信号に基づいて各負荷の状態を表示する。なお、伝送装置をセンタ装置として設けて、操作表示器から送信される制御信号を当該伝送装置を介して負荷へ送信するものや、負荷から送信される監視信号を伝送装置を介して操作表示器へ送信するものもある。
【0006】
上記伝送装置を備えた遠隔監視制御システムの一例として、図4に示すように、負荷として照明器具L1〜L4を備えたものがある。各照明器具L1〜L4は、リモコンリレーRy1〜Ry4に接続されており、各リモコンリレーRy1〜Ry4のオンオフによって電源(AC100ないし200V)の供給がオンオフされ、点灯・消灯制御される。
【0007】
リモコンリレーRy1〜Ry4のオンオフ制御は、リモコンリレーRy1〜Ry4に接続された制御端末器32によってなされる。ここで、リモコンリレーRy1〜Ry4の駆動には、商用電源(AC100V)を降圧して出力するリモコントランスTr1から供給されている交流24Vの電源が用いられる。
【0008】
制御端末器32は、2線式の信号線Lsを介して伝送ユニット30と接続される。信号線Lsには、制御端末器32の他、複数のスイッチS1、S2を備えた操作端末器31と、操作表示器B(監視制御装置)とが接続されている。なお、図4の例では、制御端末器32及び操作表示器Bはそれぞれ1台ずつ示しているが、実際にはそれぞれ複数台ずつ接続されるものとする。
【0009】
伝送ユニット30は、商用電源から電源(AC100Vないし200V)供給を受け、伝送信号を信号線Lsに定期的に送出する。伝送信号としては例えば±24Vの双極性のパルス幅変調信号が用いられる。操作表示器B並びに制御端末器32、操作端末器31では、この伝送信号を全波整流することによって内部電源を確保している。なお、操作表示器Bにおいては、リモコントランスTr2を別途接続し、システム全体として電力が不足する場合、リモコントランスTr2から交流24Vの電源が供給されるようにしてもよい。
【0010】
そして、上記遠隔監視制御システムでは、操作端末器31のスイッチが操作されると、伝送ユニット30においてこのスイッチに対応する端末のアドレス及び負荷番号が照合され、スイッチとの対応関係が設定されている負荷に接続された制御端末器32に対して、負荷の制御を指示する伝送信号が伝送ユニット30から伝送される。このような動作によって、スイッチのオンオフ情報を負荷の制御に反映させることができる。
【0011】
また、操作表示器Bは、操作端末器31に代わって各負荷の制御の指示を行うことができるとともに、負荷の状態を表示器に表示する。ここで、操作端末器Bは、各操作端末器31が備えるスイッチの合計数と同数の回路数のスイッチを備え、信号線Lsで伝送ユニット30に接続されて全負荷L1〜L4の制御の指示を入力することができる。
【0012】
上記操作表示器Bとしては、例えば、一面に表示面(液晶面)が形成された液晶装置(表示部)と、当該液晶装置の表示面に重ねて配置される透明板状のタッチパネル(操作部)とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0013】
そして、操作表示器は、図5〜8に示すように、樹脂成型により前面に凹部1aを有した略矩形箱型に形成されて電源ユニット9と共に施工面6に嵌め込まれる器具本体1と、当該器具本体1の凹部1aに収納される略直方体型の液晶装置2と、当該液晶装置2の前面に重ねて配置される透明な略矩形板状のタッチパネル3と、液晶装置2の後面と凹部1aとの間に収納される制御基板20と、器具本体1の前面に設けられる略矩形枠状の銘板4と、器具本体1の外周に設けられる略矩形枠状の金属プレート5とから構成される。以下、図5における上下左右を基準とし、上下左右方向と直交する方向を前後方向として説明を行う。
【0014】
器具本体1は、図8に示すように、前面が開口した略矩形箱型のボディ11と、当該ボディ11の前面を覆設する略平板状のカバー12とから構成される。ボディ11の内底面には、第一のコネクタ111が設けられて、当該第一のコネクタはボディ11の底面を貫通し、ボディ11の後面から露出する。
【0015】
カバー12は、略矩形枠状の開口121が開設されて当該開口121の周縁には、開口121に沿って段部122が形成されており、当該段部122はボディ11の内面と共に凹部1aを形成する。
【0016】
液晶装置2は、器具本体1の凹部1a内に収納され、前面に液晶画面を有した略直方体型からなり、バックライトが一体化されるとともに多数の画素を縦横にマトリクス状に配列したマトリクス表示型のものが用いられ、画素の組み合わせによって文字や図形を表示する、
タッチパネル3は、透明なシート状部材に透明電極からなる接点部を多数個配列し、シート状部材に指などが触れた際にどの部位に触れたかを出力する抵抗感圧方式のものを用いており、端部3aに電極3bが設けられている。そして、タッチパネル3は、カバー12の段部122に貼り付けられた両面テープ13によって、当該段部122に貼り付け固定される。これにより、タッチパネル3は、ボディ111内に設けられた液晶装置2に重ねて配置されると共に、端面3aが凹部1aの内壁に対向する。
【0017】
そして、液晶装置2に表示される文字や図形の種類と、タッチパネル3における指が触れた場所との組み合わせにより、情報の入力が行われる。すなわち、液晶装置2とタッチパネル3とでタッチパネルディスプレイが構成される。
【0018】
当該タッチパネルディスプレイは、ユーサーからの操作入力を受け付けるためのものであり、例えば、図9に示すように、液晶装置2に表示される複数の操作釦b1〜b8に対応するタッチパネル3の位置に負荷制御用スイッチが設けられている。つまり、ユーザーにおいては、負荷制御スイッチにタッチすることで、当該スイッチに対応する負荷の制御を行うことができる。
【0019】
そして、負荷制御スイッチがタッチされると、制御基板20へタッチパネル3から操作信号が送信され、制御基板20が当該操作信号を制御信号へ変換して負荷へ送信することで、負荷は当該制御信号に基づいた動作を行う。
【0020】
また、各負荷から送信される監視信号は制御基板20が受信し、制御基板が監視信号を表示信号に変換した後に液晶装置2へ送信する。そして、液晶装置2は、当該表示信号に基づいた表示を行う。
【0021】
銘板4は、操作表示器のアドレス等が印字され、器具本体1の前面にタッチパネル3を避けて貼り付けられた略矩形枠状の両面テープ7(図10参照)によって固定されている。ここで、銘板4は略矩形枠状であることから、銘板4を器具本体1に貼り付けたとしても、液晶装置2における表示面が銘板4によって覆われないものとなっている。
【0022】
電源ユニット9は、前面に凹部9aが形成された略矩形箱型に形成されており、上面及び下面の前端からは上下方向へ取り付け板92が延設されている。また、図12に示すように、電源ユニット9の後面には、複数の端子93が設けられており、電源供給用の給電線が接続される電源端子、または、信号線が接続される信号端子として用いられる。また、当該複数の端子93の下方には、図13に示すように、スライドスイッチからなり、伝送信号から内部電源を確保するモードとリモコントランスTr2から電力供給を受けるモードとを切り替える電源切り替えスイッチSWが設けられている。
【0023】
そして、器具本体1は、図11に示すように、電源ユニット9の凹部9aにボディ11の後端がはめ込まれて、電源ユニット9と共に施工面6に形成される取付穴Hに後端を収める形態で施工面6に取り付けられる。ここで、電源ユニット9の凹部9aにボディ11がはめ込まれた際、凹部9aに設けられる第二のコネクタ91にボディ11に設けられた第一のコネクタ111が挿し込まれて、当該第一、第二のコネクタ111、91は電気的、機械的に接続される。
【0024】
これにより、制御基板20は、第一、第二のコネクタ111、91を介して電源ユニット9の端子93に電源線を介して接続される外部電源から駆動電源が供給され、更に、端子93に通信線を介して接続される負荷から監視信号を受信する、または、負荷に対して制御信号を送信する。
【0025】
金属プレート5は、電源ユニット9における取り付け板92に形成される挿通孔92aに図示しないプレート用ねじが挿通して施工面に螺合することで固定されるプレート枠51と、プレート用ねじ及び取付穴H及び取り付け板92を覆い隠すための金属製のプレートカバー52とを備える。
【0026】
プレート枠51は、略矩形枠状に形成された前板51aと、前板51aの周縁部から後方に延設されて器具本体1の周面を囲む保持片51bとを備える。前板51aは、タッチパネル3の前面を露出させるため露出窓511が開設されるとともに、プレート用ねじが挿通する挿通孔512が貫設される。
【0027】
プレートカバー52は、プレート枠51の前面を覆う前壁52aと、保持片51bに対向する形でプレート枠51を囲む周壁52bとを備え、周壁52bをプレート枠51の保持片51bに摺接させながらプレート枠51の前面側よりプレート枠51に嵌着される
プレート枠51の保持片51bと、プレートカバー52の周壁52bとの間の摩擦力及び図示しない取り付け手段により、プレートカバー52はプレート枠51に保持される。
【0028】
プレートカバー52の前壁52aには、タッチパネル3を露出させる露出窓521が開設される。当該露出窓521は、器具本体1の前面の寸法と略同一に形成され、器具本体1は、隙間無くプレートカバー52の露出窓521に嵌まる。
【0029】
プレート枠51の前板51aからは、プレートカバー52の前壁52aの後面と当接するスペーサ51cが前方へ突設され、図8に示すように、プレートカバー52の前壁52aが器具本体1の周面の前端部を囲む位置でスペーサ51cはプレートカバー52の前壁52aの後面に当接する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0030】
【特許文献1】特開2008−9750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
上記構成からなる操作表示器は、施工時や操作時においてユーザーが金属プレート5に触れることが考えられる。
【0032】
しかしながら、ユーザーが帯電した状態で金属プレート5に触れた場合、静電気による高電圧(例えば、15kV程度)が金属プレート5に印加され、図7の矢印で示すように、金属プレート5から器具本体1の表面に沿って両面テープ7内を通り抜け、タッチパネル3の端面に設けられた電極3bに高電圧が印加されてしまう。すると、タッチパネル3が誤った操作信号を出力して負荷が誤作動を起こす、または、タッチパネル3が絶縁破壊される虞がある。
【0033】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、静電気による高電圧が金属プレートに印加されたとしても、タッチパネルの電極に高電圧が印加されることを防止することができる操作表示器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0034】
請求項1の発明は、施工面に形成される取付穴内に後部を収める形態で施工面に取り付けられて、前面に凹部が形成される器具本体と、器具本体の凹部に前面を露出した状態で収納され、前面に文字及び図形を表示可能な表示部と、少なくとも1つの端面に電極が設けられて板状に形成され、表示部の前面に重ねて配置されて器具本体における凹部の内壁に端面が対向して設けられ、ユーザーからの操作入力を受け付ける操作部と、器具本体の外周に設けられる金属プレートと、器具本体における凹部の開口周縁に沿って設けられて、金属プレートと操作部の電極との間を絶縁する絶縁手段とを備えることを特徴とする。
【0035】
この発明によれば、金属プレートと操作部の電極との間を絶縁する絶縁手段を設けることにより金属プレートと操作部の電極との間の絶縁強度を高めて、金属プレートに印加される静電気による高電圧が操作部の電極に印加されることを防止し、操作部が誤った操作信号を送信することによる負荷の誤作動、及び操作部が絶縁破壊されることを防止することができる。
【0036】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記絶縁手段は、器具本体における凹部の内壁と操作部の端面との境界の前面を隠蔽するように貼り付けられる絶縁テープであることを特徴とする。
【0037】
この発明によれば、器具本体における凹部の内壁と操作部の端面との境界の前面を隠蔽するように絶縁テープを貼り付けることで、加工を施すことなく容易に金属プレートとタッチパネルの電極との間の絶縁強度が高められて、金属プレートに印加された静電気による高電圧が操作部の電極に印加されることを防止することができる。
【0038】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記絶縁手段は、凹部の開口周縁に沿って器具本体の前面から突設されるリブであることを特徴とする。
【0039】
この発明によれば、器具本体の凹部の開口周縁に沿って器具本体の前面からリブを突設して、金属プレートから操作部の端面までの沿面距離を長くすることで、金属プレートとタッチパネルの電極との間の絶縁強度が高められて、金属プレートに印加された静電気による高電圧が操作部の電極に印加されることを防止することができる。
【0040】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記絶縁手段は、器具本体における凹部の内壁と操作部の端面との境界の前面を隠蔽するように貼り付けられる絶縁テープと、凹部の開口周縁に沿って器具本体の前面から突設されるリブとで構成されることを特徴とする。
【0041】
この発明によれば、器具本体における凹部の内壁と操作部の端面との隙間を隠蔽するように絶縁テープを貼り付け、更に、凹部の開口周縁に沿って器具本体の前面からリブを突設することで、金属プレートと操作部の電極との間の絶縁強度を更に高めることができ、金属プレートに印加された静電気による高電圧が操作部の電極に印加されることをより一層防止することができる。
【発明の効果】
【0042】
以上説明したように、本発明では、金属プレートと操作部の電極との間の絶縁強度を高めることで、金属プレートに印加された静電気による高電圧が操作部の電極に印加されることを防止して、操作部が誤った操作信号を送信することによる負荷の誤作動、及び操作部が絶縁破壊されることを防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態1における操作表示器の要部拡大図を示す。
【図2】本発明の実施形態2における操作表示器の要部拡大図を示す
【図3】本発明の実施形態3における操作表示器の要部拡大図を示す
【図4】従来例における操作表示器を用いた遠隔監視制御システムの構成図を示す。
【図5】同上における操作表示器の斜視図を示す。
【図6】同上における操作表示器の断面図を示す。
【図7】同上における操作表示器の要部拡大図を示す。
【図8】同上における操作表示器の分解斜視図を示す。
【図9】同上における操作表示器から金属プレートを除いた正面図を示す。
【図10】同上における操作表示器から銘板を除いた正面図を示す。
【図11】同上における操作表示器と電源ユニットの斜視図を示す
【図12】同上における操作表示器と電源ユニットの斜視図を示す
【図13】同上における操作表示器に接続される電源ユニットの背面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0045】
(実施形態1)
本実施形態の操作表示器について図1を用いて説明を行う。但し、図5〜7に示す従来技術と共通する構造については、共通の符号を付して説明を省略する。なお、図1における上下左右を前後左右とし、前後左右方向と直交する方向を上下方向として説明を行う。
【0046】
本実施形態における操作表示器は、図1に示すように、器具本体1の凹部1aの内壁とタッチパネル3の端面3aとの隙間14を塞ぐように前面から絶縁テープ8が貼り付けられている点が、従来例で示した操作表示器と異なっている。
【0047】
絶縁テープ8は、器具本体1に銘板4を貼り付けるための両面テープ7によって器具本体1と銘板4との間に両面テープ7の厚み分だけ形成される限られたスペースにおいて、前記隙間14を塞ぐように貼り付けられる。そのため、絶縁テープ8の厚みは両面テープ7の厚み以下のものが用いられる。これにより、従来の操作表示器に特別な加工等を施すことなく容易に絶縁テープ8を貼り付けることができる。
【0048】
ここで、施工時や操作時において帯電したユーザーが金属プレート5触れて、静電気による高電圧(例えば、15kV程度)が金属プレート5に印加されたとしても、絶縁テープ8の絶縁強度が大きいため、タッチパネル3の電極3bに静電気による高電圧が印加されることを防止することができる。
【0049】
よって、本実施形態の操作表示器では、絶縁テープ8によって金属プレート5とタッチパネル3の電極3bとの間の絶縁強度が高められて、金属プレート5に静電気による高電圧が印加されたとしても、タッチパネル3の電極3bに静電気による高電圧が印加されることを容易に防止することができ、タッチパネル3が誤った操作信号を送信することによる負荷の誤作動、及びタッチパネル3の絶縁破壊を防止することができる。
【0050】
(実施形態2)
本実施形態の操作表示器について図2を用いて説明を行う。但し、図5〜7に示す従来技術と共通する構造については、共通の符号を付して説明を省略する。なお、図2における上下左右を前後左右とし、前後左右方向と直交する方向を上下方向として説明を行う。
【0051】
本実施形態における操作表示器は、図2に示すように、器具本体1の凹部1aの開口周縁に沿って器具本体1におけるカバー12の前面からリブ1bが突設されている点が、従来例の操作表示器と異なっている。
【0052】
リブ1bは、器具本体1に銘板4を貼り付けるための両面テープ7によって器具本体1と銘板4との間に両面テープ7の厚み分だけ形成される限られたスペースにおいて、先端が銘板4に干渉しない高さに形成されている。つまり、リブ1bは、器具本体1と銘板4との間において、器具本体1の前面から両面テープ7の厚み以下の高さに形成される。これにより、器具本体1のカバー12以外の部品については、従来の部品を使用することができ、カバー12についてもリブ1bを突設するだけでよい。
【0053】
ここで、施工時や操作時において帯電したユーザーが金属プレート5触れて、静電気による高電圧(例えば、15kV程度)が金属プレート5に印加されたとしても、リブ1bが形成されている分だけ従来の操作表示器よりも金属プレート5から器具本体1の表面に沿ってタッチパネル3の電極に達するまでの沿面距離が長くなっている。そのため、金属プレート5とタッチパネル3の電極3bとの間の絶縁強度が、従来よりも高いものとなっている。
【0054】
よって、本実施形態の操作表示器では、リブ1bが形成されることで、金属プレート5とタッチパネル3の電極3bとの間の絶縁強度が高められて、金属プレート5に静電気による高電圧が印加されたとしても、タッチパネル3の電極3bに静電気による高電圧が印加されることを容易に防止することができ、タッチパネル3が誤った信号を送信することによる負荷の誤作動、及びタッチパネル3の絶縁破壊を防止することができる。
【0055】
(実施形態3)
本実施形態の操作表示器について図3を用いて説明を行う。但し、図5〜7に示す従来技術と共通する構造については、共通の符号を付して説明を省略する。なお、図3における上下左右を前後左右とし、前後左右方向と直交する方向を上下方向として説明を行う。
【0056】
本実施形態における操作表示器は、図3に示すように、器具本体1の凹部1aの内壁とタッチパネル3の端面3aとの隙間14を塞ぐように前面から絶縁テープ8が貼り付けられて、更に、凹部1aの開口周縁に沿って器具本体の前面からリブ1bが突設されている点が、従来例の操作表示器と異なっている。なお、絶縁テープ8及びリブ1bの構成については、実施形態1及び2と共通であるため、同様の符号を付して説明を省略する。
【0057】
ここで、施工時や操作時において帯電したユーザーが金属プレート5触れて、静電気による高電圧(例えば、15kV程度)が金属プレート5に印加されたとしても、リブ1bが形成されていることで、従来の操作表示器よりも金属プレート5から器具本体1の表面に沿ってタッチパネル3の電極に達するまでの沿面距離が長く、金属プレート5とタッチパネル3の電極3bとの間の絶縁強度が従来よりも高い。
【0058】
更に、絶縁テープ8が貼り付けられていることで、金属プレート5とタッチパネル3の電極3bとの間の絶縁抵抗がより高められて、金属プレート5に印加された静電気による高電圧がタッチパネル3の電極3bに印加されることをより一層防止することができる。
【0059】
従って、本実施形態の操作表示器は、金属プレート5とタッチパネル3の電極3bとの間の絶縁強度が、絶縁テープ8及びリブ1bによって一層高められて、タッチパネル3の電極3bに静電気による高電圧が印加されることを更に防止することができ、タッチパネル3が誤った信号を送信することによる負荷の誤作動、及びタッチパネル3の絶縁破壊を容易に防止することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 器具本体
1a 凹部
2 液晶装置(表示部)
3 タッチパネル(操作部)
3a 端面
3b 電極
4 銘板
5 金属プレート
6 施工面
8 絶縁テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施工面に形成される取付穴内に後部を収める形態で施工面に取り付けられて、前面に凹部が形成される器具本体と、
器具本体の凹部に前面を露出した状態で収納され、前面に文字及び図形を表示可能な表示部と、
少なくとも1つの端面に電極が設けられて板状に形成され、表示部の前面に重ねて配置されて器具本体における凹部の内壁に端面が対向して設けられ、ユーザーからの操作入力を受け付ける操作部と、
器具本体の外周に設けられる金属プレートと、
器具本体における凹部の開口周縁に沿って設けられて、金属プレートと操作部の電極との間を絶縁する絶縁手段とを備えることを特徴とする操作表示器。
【請求項2】
前記絶縁手段は、器具本体における凹部の内壁と操作部の端面との境界の前面を隠蔽するように貼り付けられる絶縁テープであることを特徴とする請求項1記載の操作表示器。
【請求項3】
前記絶縁手段は、凹部の開口周縁に沿って器具本体の前面から突設されるリブであることを特徴とする請求項1記載の操作表示器。
【請求項4】
前記絶縁手段は、器具本体における凹部の内壁と操作部の端面との境界の前面を隠蔽するように貼り付けられる絶縁テープと、凹部の開口周縁に沿って器具本体の前面から突設されるリブとで構成されることを特徴とする請求項1記載の操作表示器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−282434(P2010−282434A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−135434(P2009−135434)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】