説明

操作装置

【課題】 操作部材の操作フィーリングの向上と確実な回動方向検出を実現できる操作装置の提供。
【解決手段】 回動自在に設けられたジョイパッドノブ2と、ジョイパッドノブ2の外側に配置されるダイヤルノブ1と、ジョイパッドノブ2の回動方向を検出するタクトスイッチ13a〜13dを備え、タクトスイッチ13a〜13dは検出すべきジョイパッドノブ2の回動方向よりも少ない数で構成され、タクトスイッチ13a〜13dによりジョイパッドノブ2の回動方向が検出される際におけるダイヤルノブ1の上端部1aから該ジョイパッドノブ2の回動方向側上端部A1までの高さを全ての回動方向で同一にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はジョイパッド等の操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ジョイパッド等の操作装置は、操作部材における第1の位置と第2の位置を検出手段が検出することにより、操作部材の回動方向を検出する技術が公知になっている。
また、このような検出手段は検出すべき操作部材の回動方向よりも少ない数のタクトスイッチ等で構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−161804号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1記載の操作装置にあっては、検出手段が検出すべき操作部材の回動方向よりも少ないタクトスイッチで構成されているため、タクトスイッチの真上に位置する回動方向と、それ以外の回動方向では、操作部材の回動ストロークが異なってしまう。
【0004】
従って、操作者が外枠部材の上端部と操作部材の回動方向側上端部に指を掛けて操作部材を回動操作した際の指当たり、換言すると、操作フィーリングが異なるという問題点があった。
また、このような問題は、操作者の回動操作が不十分となり、操作者は再び同じ回動操作を強いられる、または、必要以上の力を操作部材に入力してしまう虞がある。
【0005】
そこで、検出すべき全ての回動方向に対応するタクトスイッチを操作部材の下方に各々配置することが考えられるものの、この場合には装置全体の大型化や部品点数、製造コスト、重量の増加を招いてしまう。
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、検出手段が回動方向を検出する際における外枠部材の上端部から操作部材の回動方向側上端部までの高さを全ての回動方向において同一にすることによって、操作部材の操作フィーリングの向上と確実な回動方向検出を実現できる操作装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1記載の発明では、回動可能に構成される操作部材と、前記操作部材の外側に配置される外枠部材と、検出すべき操作部材の回動方向よりも少ない数で構成され、且つ、操作部材の回動方向を第1、第2の位置により検出する検出手段を備え、前記検出手段により操作部材の回動方向が検出される際における外枠部材の上端部から該操作部材の回動方向側上端部までの高さを全ての回動方向で同一にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明にあっては、検出手段により操作部材の回動方向が検出される際における外枠部材の上端部から該操作部材の回動方向側上端部までの高さを全ての回動方向で同一にしたため、装置全体のコンパクト化や部品点数、製造コストや重量の削減を図りつつ、操作部材の操作フィーリングの向上と確実な回動方向検出を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0010】
以下、実施例1を説明する。
図1は本発明の実施例1の操作装置を示す全体分解図、図2は本実施例1の操作装置を示す平面図(サーキットアッシは省略)、図3は本実施例1の操作装置の側面図(サーキットアッシは省略)、図4は図2のS4−S4線における断面図、図5は図2のS5−S5線における断面図、図6は図2のS6−6線における断面図である。
【0011】
図7は図2のS4−S4線における斜め方向回動時の作用を説明する図、図8は図2のS5−S5線における十字方向回動時の作用を説明する図、図9は図2のS6−S6線における十字方向回動時の作用を説明する図、図10、図11はジョイパッドノブの回動ストロークを説明する図である。
【0012】
先ず、全体構成を説明する。
図1〜6に示すように、本実施例1の操作装置は、ダイヤルノブ1(外枠部材に相当)と、ジョイパッドノブ2(操作部材に相当)と、決定ノブ3と、決定スプリング4と、ホルダジョイパッド5と、ホルダアッパジョイント6と、ジョイパッドスプリング7と、スライダジョイパッド8と、ガイドライト9と、ベースダイヤル10と、ベースジョイパッド11と、プッシュロッド12a〜12dと、サーキットアッシ17を備えている。
【0013】
ダイヤルノブ1は、全体が略円筒形状に形成される他、その上端部1aは略平坦に形成されると共に、この上端部1aから径方向外側に向かって突出した複数の突出部1bが同心配置されている。
また、ダイヤルノブ1の下端の径方向4箇所には、開口部1cを有して下方に延設された固定部1d(図1、3、5参照)が設けられると共に、各々の開口部1cにベースダイヤル10の爪部10aが凹凸結合されることにより、ダイヤルノブ1の下端がベースダイヤル10の外周に外嵌した状態で両者が一体的に固定されている。
【0014】
ベースダイヤル10の下端には、下方に延設された複数の舌片部10bが同心配置されると共に、各々の舌片部10bは略円筒形状のベースジョイパッド11に形成された外溝11a内に挿入された状態となっている。
また、ベースダイヤル10は、その上端がベースジョイパッド11の径方向4箇所に設けられた爪部11b(図1参照)によって位置決めされた状態で周方向に摺動可能に支持され、その下端が外溝11aの一部でもある突部11cに位置決めされた状態で摺動可能に支持された状態となっている。
【0015】
ベースジョイパッド11の下端の径方向4箇所には、爪部11dを有して下方に延設された脚部11eが形成されると共に、各々の爪部11eがサーキットアッシ17を貫通した状態で係止固定されることにより、両者が一体的に固定されている。
従って、ダイヤルノブ1とベースダイヤル10は、ベースジョイパッド11(及びサーキットアッシ17)に対して周方向に回転可能に設けられている。
【0016】
ジョイパッドノブ2は、略円筒形状に形成される他、その上端部2aはダイヤルノブ1の上端部1aから上方へ露出した状態で配置されている。
ジョイパッドノブ2上における中心Oの十字方向には、上方へ突出した円弧形状の突起部2bがそれぞれ形成されると共に、各々の突起部2bの高さは後述する所定の高さで形成されている。
また、突起部1bが配置された十字方向と45°の角度を有して直交する位置に、ジョイパッドノブ2の内側から下方に延設された円柱状の押下部2c〜2fが形成されている。
【0017】
押下部2c〜2fの下端には、ベースジョイパッド11の貫通溝11fに摺動可能に支持された略棒状のプッシュロッド12a〜12dの上端が当接され、さらに、プッシュロッド12a〜12dの下端には、サーキットアッシ17に設けられたタクトスイッチ13a〜13d(検出手段に相当)のスイッチ面が当接されている。
また、ジョイパッドノブ2の中央は中心Oにいくにつれて低く傾斜した円形状の開口部2gが設けられ、ここに略円柱形状の決定ノブ3の上方が突出した状態で配置されている。
【0018】
決定ノブ3は、下方に開口した円周溝3aが形成されると共に、この円周溝3a内に設けられた決定スプリング4によってその上方をダイヤルノブ1の開口部2gの下端に付勢され、さらに、その側方をホルダアッパジョイント6の外側筒部6aの内側に摺動可能に支持されることにより、ホルダアッパジョイント6の外側筒部6a内で上下動可能に設けられている。
また、決定ノブ3の側方一部には、L字状に下方へ屈折した押下部3b(図1参照)が形成されると共に、該押下部3bは、上述した押下部2c〜2fと同様に、プッシュロッド14を介してタクトスイッチ15のスイッチ面が当接されている。
【0019】
ホルダアッパジョイント6の内側筒部6bは、その内側にジョイパッドスプリング7で下方に付勢された略円柱形状のスライダジョイパッド8が設けられると共に、このスライダジョイパッド8の下方は、ガイドライト9の円錐溝9aの傾斜したテーパ角9bに付勢された状態で上下動可能に設けられている。なお、本実施例のスライダジョイパッド8の下端は半球形状に形成されている。
【0020】
ガイドライト9は、径方向外側へ突出された複数の脚部9cがベースジョイパッド11に固定されている。
また、ガイドライト9は、透明な素材を用いて形成されると共に、図示を省略する光源が下方に配置されることにより、光源の光を上方に透過させて後述する操作者における操作の視覚的補助を行うように構成されている。
【0021】
また、ホルダアッパジョイント6の外側筒部6aには、径方向外側へ突出する係止ピン6b(図1参照)が形成されると共に、この係止ピン6bが略円筒形状のホルダジョイパッド5に設けられた係止孔5aに回転可能に軸支され、さらに、このホルダジョイパッド5における上記係止ピン6bの直交する位置に設けられた係止ピン5bがベースジョイパッド11に対して回転可能に軸支されることにより、上述したジョイパッドノブ2(及び決定ノブ3、決定スプリング4、ホルダジョイパッド5、ホルダアッパジョイント、ジョイパッドスプリング、スライダジョイパッド)はジョイパッドノブ2上の十字方向と斜め方向の合計8方向に、ダイヤルノブ1(及びガイドライト9、ベースダイヤル10、ベースジョイパッド11、プッシュロッド12a〜12d、サーキットアッシ16)に対して回動可能に構成されている。
【0022】
なお、図示を省略するが、ダイヤルノブ1及びベースダイヤル10には、ダイヤルノブ1の回転に伴うベースダイヤル10の舌片部10bとベースジョイパッド11の外溝11aとの相対位置を検出してダイヤルノブ1の回転位置を検出するための回転位置検出機構が設けられる他、ダイヤルスプリングポジション20(図1参照)で径方向外側に付勢されたダイヤルスライダポジション21をベースダイヤル10の内側の凹凸溝10cに凹凸嵌合させながらダイヤルノブ1を回転させることで操作者に間欠的な操作反力を与えるクリック機構が設けられている。
【0023】
次に、作用を説明する。
このように構成された操作装置は、サーキットアッシ17が図外の車載装置、例えば車載モニタ、ナビゲーション装置などに電気的に接続された状態で車両に搭載され、操作者は、車載モニタ等の画面を見ながら後述するダイヤルノブ1の回転操作、決定ノブ3の押下操作、ジョイパッドノブ2の回動操作を行うことにより、様々な情報を得たり車載装置の設定・指示を行う。
【0024】
[ダイヤルノブの回転操作について]
操作者が、ダイヤルノブ1を指で掴んで適宜回転させると、回転位置検出機構がベースダイヤル10の舌片部10bとベースジョイパッド11の外溝11aとの相対位置の変化を検出し、これにより、ダイヤルノブ1の回転位置を検出できる。
また、この際、操作者はクリック機構の間欠的な操作反力によって適度なクリック感を得ることができる。
【0025】
[決定ノブの押下操作について]
操作者が、決定ノブ3を指で押下した場合には、決定ノブ3の押下部3bが決定スプリング4の付勢力に反してプッシュロッド14を介してタクトスイッチ15のスイッチ面を押下し、これにより、タクトスイッチ15がオンとなって決定ノブ3の押下操作を検出できる。
なお、補足ではあるが、操作者が決定ノブ3から指を離すと決定スプリング4の復元力によって、決定ノブ3は元の位置に戻る。
【0026】
[ジョイパッドノブの回動操作について]
操作者が、ジョイパッドノブ2上の斜め方向、例えば、図2のA方向に回動操作する場合には、図7に示すように、ダイヤルノブ1の上端部1aとジョイパッドノブ2上のA方向位置の上端部2aに指30を掛けてジョイパッドノブ2を押下することにより、ジョイパッドノブ2(及び決定ノブ3、決定スプリング4、ホルダジョイパッド5、ホルダアッパジョイントと、ジョイパッドスプリング7、スライダジョイパッド8)を回動させて図4に示す第1の位置から図7に示す第2の位置に移動させると共に、ジョイパッドノブ2の押下部2cがプッシュロッド12aを介してタクトスイッチ13aのスイッチ面を押下し、これによって、タクトスイッチ13aがオンとなってA方向の回動操作を検出できる。
【0027】
なお、スライダジョイパッド8の下端は、上記回動時において円錐溝9aのテーパ角9bから位置ずれした状態となるが、操作者がジョイパッドノブ2から指を離した際に、ジョイパッドスプリング7の復元力によってパッドノブ2が元の位置に戻るのに伴ってスライダジョイパッド8の下端も円錐溝9aの傾斜に摺動しながら元の位置に戻る。
【0028】
次に、操作者がジョイパッドノブ2上の十字方向、例えば、図2のB方向に回動操作する場合には、図8に示すように、ダイヤルノブ1の上端部1aとジョイパッドノブ2上のB方向位置の突起部2bに指30を掛けてジョイパッドノブ2を押下することにより、ジョイパッドノブ2(及び決定ノブ3、決定スプリング4、ホルダジョイパッド5、ホルダアッパジョイントと、ジョイパッドスプリング7、スライダジョイパッド)を回動させて図5に示す第1の位置から図8、9に示す第2の位置に移動させると共に、ジョイパッドノブ2の押下部2c,2dがプッシュロッド12a,12bを介してタクトスイッチ13a,13bのスイッチ面を同時に押下し、これによって、タクトスイッチ13a,13bがオンとなってB方向の回動操作を検出できる。
即ち、本実施例1の検出手段であるタクトスイッチ13a〜13dは、検出すべきジョイパッドノブ2の回動方向(8方向)よりも少ない構成数で、ジョイパッドノブ2における第1、第2の位置を検出してジョイパッドノブ2の回動方向を検出でき、これによって、装置全体のコンパクト化や部品点数、製造コスト、重量の削減を達成できるものである。
【0029】
[ジョイパッドノブの回動角度について]
ここで、図10、図11に基づいてジョイパッドノブ2の回動角度について述べると、タクトスイッチ13aのスイッチストロークをS1、ジョイパッドノブ2の回動半径をL1とし、タクトスイッチ13aがオンとなってA方向を検出する際におけるジョイパッドノブ2の回動角度Cは、図11(a)に示すように、
tanC=S1/L1より
C=tan−1S1/L1となる。
一方、タクトスイッチ13a,13bがオンとなってB方向を検出する際におけるジョイパッドノブ2の回動角度Fは、図11(b)に示すように、
tanF=S1/(L1−L2)より
F=tan−1S1(L1−L2)となる。
L1>L2であるため、F>Cとなり、結果、B方向の検出に必要なジョイパッドノブ2の回動ストロークS2はA方向に比べてS2−S1の分だけより大きくなる。
従って、タクトスイッチ13a〜13dが回動方向を検出した際におけるダイヤルノブ1の上端部1aからジョイパッドノブ2の回動方向側上端部A1までの高さは、ジョイパッドノブ2上の十字方向と斜め方向では異なり、結果、操作者がダイヤルノブ1の上端部1aとジョイパッドノブ2の回動方向側上端部A1に指30を掛けてジョイパッドノブ2を回動操作した際の操作フィーリングが異なる、または斜め方向に比べて十字方向の回動操作が不十分となり回動方向の適正な検出ができないという問題が生じてしまう。
【0030】
しかしながら、本実施例1の操作装置にあっては、ジョイパッドノブ2の上端部2aにおける十字方向位置に突起部2bが形成されると共に、この突起部2bは、前述したジョイパッドノブ2が十字方向に回動した際と斜め方向に回動した際との回動ストロークの差S2−S1に相当する高さで形成されているため、タクトスイッチ13aによりジョイパッドノブ2のA方向が検出される際におけるダイヤルノブ1の上端部1aからジョイパッドノブ2の回動方向側上端部A1までの高さH1(図7参照)と、タクトスイッチ13a,13bによりジョイパッドノブ2のB方向が検出される際におけるダイヤルノブ1の上端部1aからジョイパッドノブ2の回動方向側上端部A1までの高さH2(図8参照)を同一にできる。
なお、A方向以外の斜め方向とB方向以外の十字方向における回動操作は前述した場合と同様であるため、その説明は省略する。
【0031】
従って、タクトスイッチ13a〜13dによりジョイパッドノブ2の回動方向が検出される際のダイヤルノブ1の上端部1aからジョイパッドノブ2の回動方向側上端部A1までの高さを全ての回動方向で同一にすることができ、これにより、良好な操作フィーリングと回動方向検出の精度向上を実現できる。
【0032】
次に、効果を説明する。
以上、説明したように、本実施例1の操作装置にあっては、回動自在に設けられたジョイパッドノブ2と、ジョイパッドノブ2の外側に配置されるダイヤルノブ1と、検出すべきジョイパッドノブ2の回動方向(8方向)よりも少ない数で構成され、且つ、ジョイパッドノブ2の回動方向を第1、第2の位置により検出するタクトスイッチ13a〜13dを備え、タクトスイッチ13a〜13dによりジョイパッドノブ2の回動方向が検出される際におけるダイヤルノブ1の上端部1aからジョイパッドノブ2の回動方向側上端部A1までの高さを全ての回動方向で同一にしたため、装置全体のコンパクト化、製造コストや重量の削減を図りつつ、操作部材の操作フィーリングの向上と確実な回動方向検出を実現できる。
【0033】
また、ジョイパッドノブ2の上端部2aに突起部2bを形成することにより、ジョイパッドノブ2の回動方向が検出される際におけるダイヤルノブ1の上端部1aから該ジョイパッドノブ2の回動方向側上端部A1までの高さを全ての回動方向で同一にしたため、製造が容易で安価な構成でもって操作部材の操作フィーリングの向上と確実な回動方向検出を実現できる。
【0034】
また、突起部2bによってジョイパッドノブ2上の十字方向位置を指で確認しつつ回動操作を行うことができ、ブラインドタッチが容易となる上、誤操作を未然に防止できる。
【実施例2】
【0035】
以下、実施例2について説明する。
なお、本実施例2の操作装置では、実施例1で説明した突起部2bを省略して、ダイヤルノブの上端部の高さを回動方向に応じて異なるように形成したこと以外は実施例1と同様であるため、同一構成の部材については同一の符号を付してその説明は省略し、相違点のみ詳述する。
図12は、本発明の実施例2の操作装置を示す平面図、図13は図12のS13−S13線における断面図、図14は図12のS14−S14線における断面図である。
【0036】
図12〜14に示すように、本実施例2の操作装置では、ダイヤルノブ1の上端部2aの高さを回動方向に応じて異なるように形成している。
具体的には、ジョイパッドノブ2の上端部2aにおける十字方向位置20は、ジョイパッドノブ2が十字方向に回動した際と斜め方向に回動した際の回動ストロークの差S2−S1に相当する高さ分だけ、斜め方向位置21よりも低く形成され、これにより、十字方向位置20におけるダイヤルノブ1の上端部1aからジョイパッドノブ2の上端部2aまでの高さをH3(図13参照)、斜め方向位置21におけるダイヤルノブ1の上端部1aからジョイパッドノブ2の上端部2aまでの高さをH4(図14参照)とすると、H4−H3=S2−S1となっている。
なお、本実施例2ではジョイパッドノブ2の上端部2aにおける十字方向位置20と斜め方向位置21の高低差を緩やかなテーパ状に設けているが、適宜の位置で段差を形成して設けても良い。
【0037】
即ち、実施例1では、ダイヤルノブ1の上端部2aにおける十字方向位置に突起部2bを形成して上記S2−S1に相当する高さ分をジョイパッドノブ2側に追加したのに対して、本実施例2では、ダイヤルノブ1の上端部2aにおける十字方向位置20を上記S2−S1に相当する高さ分だけ低くして削除することにより、タクトスイッチ13a〜13dでジョイパッドノブ2の回動方向が検出される際におけるダイヤルノブ1の上端部1aからジョイパッドノブ2の回動方向側上端部A1までの高さを全ての回動方向で同一にしている。
【0038】
従って、ダイヤルノブ1の上端部1aの高さを回動方向に応じて異なるように形成することにより、ジョイパッドノブ2の回動方向が検出される際におけるダイヤルノブ1の上端部1aから該ジョイパッドノブ2の回動方向側上端部A1までの高さを全ての回動方向で同一にしたため、製造が容易で安価な構成でもって操作部材の操作フィーリングの向上と確実な回動方向検出を実現できる。
【0039】
以上、本実施例を説明してきたが、本発明は上述の実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、本実施例では、検出手段の検出する方向数については適宜設定でき、この方向の増減に伴う操作装置の内外の構造変更は本発明の範疇となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施例1の操作装置を示す全体分解図である。
【図2】本実施例1の操作装置を示す平面図(サーキットアッシは省略)である。
【図3】本実施例1の操作装置の側面図(サーキットアッシは省略)である。
【図4】図2のS4−S4線における断面図である。
【図5】図2のS5−S5線における断面図である。
【図6】図2のS6−S6線における断面図である。
【図7】図2のS4−S4線における斜め方向回動時の作用を説明する図である。
【図8】図2のS5−S5線における十字方向回動時の作用を説明する図である。
【図9】図2のS6−S6線における十字方向回動時の作用を説明する図である
【図10】ジョイパッドノブの回動ストロークを説明する図である。
【図11】ジョイパッドノブの回動ストロークを説明する図である。
【図12】本実施例2の操作装置を示す平面図である。
【図13】図12のS13−S13線における断面図である。
【図14】図12のS14−S14線における断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 ダイヤルノブ
1a 上端部
1b 突出部
1c 開口部
1d 固定部
2 ジョイパッドノブ
2a 上端部
2b 突起部
2c、2d、2e、2f、3b 押下部
2g 開口部
3 決定ノブ
3a 円周溝
4 決定スプリング
5 ホルダジョイパッド
6 ホルダアッパジョイント
6a 外側筒部
6b 内側筒部
7 ジョイパッドスプリング
8 スライダジョイパッド
9 ガイドライト
9a 円錐溝
9b テーパ角
9c、11e 脚部
10 ベースダイヤル
10a 上方筒部
10b 舌片部
10c 凹凸溝
11 ベースジョイパッド
11a 外溝
11b、11d 爪部
11c 突部
11f 貫通溝
12a、12b、12c、12d、14 プッシュロッド
13a、13b、13c、13d、15 タクトスイッチ
17 サーキットアッシ
20 ダイヤルスプリングポジション
21 ダイヤルスライダポジション
30 指

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動可能に構成される操作部材と、
前記操作部材の外側に配置される外枠部材と、
検出すべき操作部材の回動方向よりも少ない数で構成され、且つ、操作部材の回動方向を第1、第2の位置により検出する検出手段を備え、
前記検出手段により操作部材の回動方向が検出される際における外枠部材の上端部から該操作部材の回動方向側上端部までの高さを全ての回動方向で同一にしたことを特徴とする操作装置。
【請求項2】
請求項1記載の操作装置において、
前記操作部材の回動方向側上端部に突起部を形成することにより、検出手段により操作部材の回動方向が検出される際における外枠部材の上端部から該操作部材の回動方向側上端部までの高さを全ての回動方向で同一にしたことを特徴とする操作装置。
【請求項3】
請求項1記載の操作装置において、
前記外枠部材の上端部の高さを回動方向に応じて異なるように形成することにより、検出手段により操作部材の回動方向が検出される際における外枠部材の上端部から該操作部材の回動方向側上端部までの高さを全ての回動方向で同一にしたことを特徴とする操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−196309(P2006−196309A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−6718(P2005−6718)
【出願日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】