説明

操作装置

【課題】操作性の低下を抑制しつつタッチパネルを回動し難くすること。
【解決手段】タッチパネルと、表示制御部と、タッチパネルを所定の角度範囲内で回動可能に支持する支持部と、を備え、表示制御部は、回動可能な角度範囲のうちユーザが表示面を押圧したときに回動する方向の一端である第1の角度にタッチパネルが支持されているときは表示面の第1の位置にオブジェクトを表示し、タッチパネルが第1の角度とは異なる第2の角度に支持されているときは第1の位置を基準として回動軸線に近い第2の位置にオブジェクトを表示する、操作装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルの表示面にオブジェクトを表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示面に平行な回動軸線周りに回動可能なタッチパネルを備える表示装置において、ユーザがタッチパネルの表示面を押圧したときの回動をストッパによって防止し、ユーザがストッパを解除する操作を行うと回動を許容する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−063192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術によると、タッチパネルを回動させたいとき、ユーザはストッパを解除する操作とタッチパネルを回動させる操作とを別々に行わなければならないので、ユーザの操作回数が増え、ユーザにとって操作性が悪いという問題がある。本明細書では、操作性の低下を抑制しつつタッチパネルを回動し難くする技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される操作装置は、タッチパネルと、操作対象のオブジェクトを前記タッチパネルの表示面に表示させ、表示された前記オブジェクトがユーザによって押圧されることによって前記オブジェクトに対する操作を受け付ける表示制御部と、前記タッチパネルを前記タッチパネルの表示面の一辺に平行な回動軸周りに所定の角度範囲内で回動可能に支持する支持部であって、前記タッチパネルに表示された前記オブジェクトがユーザによって押圧されることにより、前記回動軸を中心に押圧方向に向かって回動し得るように支持する支持部と、を備え、前記表示制御部は、前記タッチパネルが前記角度範囲のうちユーザが前記表示面を押圧したときに前記タッチパネルが回動する方向の一端である第1の角度に支持されているときは、前記表示面の第1の位置に前記オブジェクトを表示し、前記タッチパネルが前記第1の角度とは異なる第2の角度に支持されているときは、前記第1の位置よりも前記回動軸に近い第2の位置に前記オブジェクトを表示する。
【0006】
また、上記操作装置は、前記表示制御部は、さらに前記オブジェクトに対する操作の一つとして、前記オブジェクトがユーザによって押圧されたまま押圧位置がスライドされることによって前記オブジェクトの表示位置を移動させる移動操作を受け付け、前記オブジェクトには前記移動操作を受け付けるオブジェクトと前記移動操作を受け付けないオブジェクトとがあり、前記表示制御部は、さらに前記タッチパネルが前記第2の角度に支持されているときは、前記移動操作を受け付けない前記オブジェクトの前記第2の位置よりも前記回動軸に近い第2の位置に前記移動操作を受け付ける前記オブジェクトを表示してもよい。
【0007】
また、上記操作装置は、前記表示制御部は、さらに前記タッチパネルに複数の操作画面を所定の順で表示させ、前記オブジェクトには、2以上の前記操作画面の同じ位置に表示される共通オブジェクトと、2以上の前記操作画面の同じ位置に表示されない非共通オブジェクトとがあり、前記表示制御部は、さらに前記タッチパネルが前記第2の角度に支持されているときは、前記第2の位置に前記非共通オブジェクトを表示し、前記第2の位置に前記共通オブジェクトを表示せず、且つ前記第1の位置に前記共通オブジェクトを表示してもよい。
【0008】
また、上記操作装置は、前記タッチパネルを押圧するユーザの押圧力を測定する測定部を備え、前記表示制御部は、前記測定部によって測定された押圧力が大きいほど、前記第2の位置を前記回動軸の近くに位置させてもよい。
【0009】
また、上記操作装置は、前記タッチパネルの回動及び回動方向を検出する検出部を備え、前記表示制御部は、前記オブジェクトを初期表示するときは前記タッチパネルの角度によらず前記第1の位置に表示し、前記検出部によって前記タッチパネルが前記一端側へ回動したことが検出されてから所定時間内に前記検出部によって前記タッチパネルが前記一端とは逆の端である他端側へ回動したことが検出されると、前記オブジェクトを前記第2の位置に表示してもよい。
【0010】
また、上記操作装置は、前記表示制御部は、前記所定期間内に前記検出部によって前記タッチパネルの前記一端側への回動と前記他端側への回動とが複数回検出されると、前記オブジェクトを前記第2の位置に表示してもよい。
【0011】
また、上記操作装置は、前記表示制御部は、さらに前記オブジェクトに対する操作の一つとして、前記オブジェクトが前記ユーザによって押圧されたまま押圧位置がスライドされることによって前記オブジェクトの表示位置を移動させる移動操作であって、前記タッチパネルが前記第1の角度に支持されているときは前記回動軸に直交する方向の前記移動操作を受け付け、前記タッチパネルが前記第2の角度に支持されているときは、前記オブジェクトを前記第2の位置に表示するとともに、前記直交する方向の前記移動操作を受け付けず、且つ前記回動軸に平行な方向の前記移動操作を受け付けてもよい。
【0012】
また、上記操作装置は、前記表示制御部は、前記タッチパネルが前記第1の角度に支持されているときは第1のスタイルシートに基づいて前記オブジェクトを前記第1の位置に表示し、前記第2の角度に支持されているときは第2のスタイルシートに基づいて前記オブジェクトを前記第2の位置に表示してもよい。
【0013】
また、上記操作装置は、前記支持部は、前記タッチパネルと当該支持部との摺動部分の摩擦力によって前記タッチパネルを前記角度範囲内で支持してもよい。
【0014】
なお、本発明に備わる各部の機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら各部の機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。また、本発明は、操作方法、操作プログラム、操作プログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現することができる。
【発明の効果】
【0015】
上記の操作装置によると、タッチパネルが第2の角度に支持されているときは、第1の位置よりも回動軸に近い第2の位置にオブジェクトを表示するので、オブジェクトを第1の位置に表示する場合に比べ、タッチパネルが回動し難くなるようにすることができる。よって上記の操作装置によると、操作性の低下を抑制しつつタッチパネルを回動し難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態1に係る画像形成装置の斜視図。
【図2】画像形成装置の電気的構成を示すブロック図。
【図3】タッチパネルを回動軸線方向から見た模式図。
【図4】第1の角度用の操作画面の一例を示す模式図。
【図5】第2の角度用の第1種のダイレクトプリント画面の一例を示す模式図。
【図6】第2の角度用の第2種のダイレクトプリント画面の一例を示す模式図。
【図7】ダイレクトプリント画面表示処理の流れを示すフローチャート。
【図8】実施形態2に係る第1の角度用のダイレクトプリント画面を示す模式図。
【図9】第2の角度用のダイレクトプリント画面を示す模式図。
【図10】実施形態3に係るダイレクトプリント画面表示処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図7によって説明する。
(1)画像形成装置の外観
図1は、実施形態1に係る操作装置を備える画像形成装置1の斜視図である。画像形成装置1は箱状の筐体10を有しており、紙などのシート状媒体が収容される用紙カセット11が前方から挿入されている。画像形成装置1は用紙カセット11に収容されているシート状媒体に画像を形成し、画像が形成されたシート状媒体を用紙カセット11の上面に排紙する。
【0018】
筐体10の上部にはユーザが各種の設定を行うためのタッチパネル12が設けられている。タッチパネル12はタッチパネル12の表示面の一辺に平行な回動軸線周りに所定の角度範囲内で回動可能に筐体10に支持されている。タッチパネル12は、タッチパネル12に表示された操作対象のオブジェクトがユーザによって押圧されることにより、回動軸線を中心に押圧方向に向かって回動し得るように支持されている。また、タッチパネル12は、ユーザによって上部の端部などを引っ張り上げられることにより、回動軸線を中心に押圧方向とは逆方向に向かって回動し得るように支持されている。
【0019】
(2)画像形成装置の電気的構成
図2は、画像形成装置1の電気的構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、制御部20、タッチパネル12、搬送部21、画像形成部22、通信インタフェース(通信I/F)23、メモリインタフェース(メモリI/F)24、位置センサ25を備えて構成されている。
【0020】
制御部20(表示制御部の一例)は、CPU20A、ROM20B、RAM20C、タイマー20Dを備えている。CPU20AはROM20Bから読み出したプログラムに従って、その処理結果をRAM20Cに記憶させながら、画像形成装置1の動作を制御する。ROM20Bには画像形成装置1の動作を制御するための各種のプログラムやデータが記録されている。タイマー20Dは各種の時間を計測するために用いられる。また、制御部20は後述する操作対象のオブジェクトをタッチパネル12の表示面に表示させ、表示されたオブジェクトがユーザによって押圧されることによってオブジェクトに対する操作を受け付ける。
【0021】
タッチパネル12(測定部の一例)は、液晶パネルなどの表示装置と、表示装置の表示面を覆う略透明な抵抗薄膜タイプの位置入力装置とを組み合わせた装置である。なお、位置入力装置は静電タッチ式のものであってもよい。搬送部21は各種のローラやそれらのローラを回転駆動するモータなどを備えており、用紙カセット11に収容されているシート状媒体を搬送経路に沿って搬送する。画像形成部22は、搬送部21によって搬送されているシート状媒体に電子写真方式やインクジェット方式で画像を形成する。
【0022】
通信インタフェース23は、LANなどの通信ネットワークやUSB(Universal Serial Bus)などを介して端末装置に接続されており、端末装置から印刷ジョブを受信する。メモリインタフェース24は、USBメモリやUSBハードディスクなどのUSBマスストレージデバイスが接続されるUSBホストインタフェースとして、あるいは、各種のリムーバブルメモリの規格に応じたメモリスロットを有するメモリカードリーダとして構成されている。
【0023】
位置センサ25は、タッチパネル12が後述する第1の角度(図3参照)にあるか否かを検出するセンサである。位置センサ25としては、例えば図3に示すように、タッチパネル12の背面に設けた電極25Aと、筐体10の上面に設けた電極25Bと、これらの電極が互いに接触しているときに通電されると制御部20に検出信号を出力する図示しない出力部とを備えるセンサを用いることができる。
【0024】
この位置センサ25によれば、タッチパネル12が後述する第1の角度にあるとき、タッチパネル12の背面に設けた電極25Aと筐体10の上面に設けた電極25Bとが互いに接触する。このため、位置センサ25に通電したときに検出信号が制御部20に出力されるか否かにより、タッチパネル12が第1の角度にあるか否かを検出できる。なお、位置センサ25はタッチパネル12が第1の角度にあるか否かを検出できる構成であれば上述した構成に限定されない。タッチパネル12、制御部20、位置センサ25、及び、後述する支持部は、実施形態1に係る操作装置を構成している。
【0025】
(3)タッチパネルの回動
図3は、タッチパネル12を回動軸線方向から見た模式図である。図3において矢印31はユーザがタッチパネル12の表示面を押圧する押圧方向を示している。図3では回動可能な角度範囲のうちユーザがタッチパネル12の表示面を押圧したときにタッチパネル12が回動する方向の一端に位置しているタッチパネル12を破線で示しており、上述した一端とは逆の端(他端の一例)に位置しているタッチパネル12を一点鎖線で示している。以降の説明ではタッチパネル12が上述した一端に支持されているときのタッチパネル12の角度を第1の角度といい、第1の角度以外の角度のことを第2の角度という。
【0026】
タッチパネル12には図3の紙面垂直方向に貫通する円形の貫通穴が形成されており、この貫通穴に円柱状の回動軸10Aが圧入されている。回動軸10A自体は筐体10に回動不能に固定されている。回動軸10Aと、回動軸10Aを回動不能に固定している筐体10とは支持部の一例である。
【0027】
タッチパネル12は貫通穴の内周面と回動軸10Aの外周面との摩擦力により、上述した角度範囲内の任意の角度で定位する。そして、タッチパネル12に表示されたオブジェクトがユーザによって押圧されると、タッチパネル12が回動軸10Aの中心線(以下「回動軸線」という)を中心に押圧方向に向かって回動する。より具体的には、ユーザがオブジェクトを強く押圧することによって上述した摩擦力を超えるトルクがタッチパネル12に作用すると、タッチパネル12が押圧方向に回動する。また、ユーザによって引き上げる方向に特定の摩擦力を超えるトルクがタッチパネル12に作用すると、タッチパネル12が押圧方向とは逆方向に回動する。
【0028】
(4)操作画面
制御部20は、タッチパネル12が第1の角度に支持されているときはタッチパネル12の表示面の第1の位置にオブジェクトを表示し、タッチパネル12が第2の角度に支持されているときは第1の位置を基準として回動軸線に近い第2の位置に当該オブジェクトを表示する。以下、制御部20がタッチパネル12に表示させる操作画面を例に説明する。
【0029】
図4は、タッチパネル12が第1の角度に支持されているときに表示される第1の角度用の操作画面の一例を示す模式図である。ここでは操作画面としてダイレクトプリント機能を実行するためのダイレクトプリント画面、及び、印刷に関するオプション設定を行うためのオプション設定画面を例に説明する。ダイレクトプリント機能とは、メモリインタフェース24に装着されたメモリに記憶されている画像データの中から印刷する画像データをユーザに選択させ、ユーザによって選択された画像データが表す画像を印刷する機能である。
【0030】
図4に示すダイレクトプリント画面35は、タッチパネル12が第1の角度に支持されているときに表示される第1の角度用のダイレクトプリント画面35である。複数のサムネイル画像36は、それぞれメモリインタフェース24に装着されたメモリに記憶されている画像データが表す画像(元画像)のサムネイル画像である。サムネイル画像36は破線で示す画像表示領域37内に一覧表示され、ユーザは表示されているサムネイル画像36を押圧することによってそのサムネイル画像36を選択することができる。
【0031】
複数のサムネイル画像36を一度に画像表示領域37内に表示しきれない場合は、画像表示領域37内に一部のサムネイル画像36のみが表示される。制御部20は、サムネイル画像36に対する操作の一つとして、サムネイル画像36がユーザによって押圧されたまま押圧位置がスライドされることによってサムネイル画像36の表示位置を移動させる移動操作を受け付ける。
【0032】
より具体的には、制御部20は、ユーザが画像表示領域37内を指で押圧し、押圧した指を水平方向に弾くようにスライドさせるフリック操作が行われることによって移動操作を受け付ける。ユーザが移動操作を行うと、制御部20はサムネイル画像36の表示位置を水平方向に移動させ、それまで表示されていなかったサムネイル画像36を画像表示領域37内に表示させる。これにより、ユーザは全てのサムネイル画像36を順に表示させることができる。
【0033】
[オプション]ボタン38は、オプション設定画面45を呼び出すためのボタンである。[OK]ボタン39は、ユーザが印刷の指示を行うためのボタンである。ユーザが[OK]ボタン39を押圧すると、そのとき選択されているサムネイル画像36の元画像が印刷される。[キャンセル]ボタン40は、ダイレクトプリント画面35を閉じるためのボタンである。ユーザが[キャンセル]ボタン40を押圧すると、ダイレクトプリント画面35が閉じて上位の画面に戻る。
【0034】
サムネイル画像36、[オプション]ボタン38、[OK]ボタン39、及び、[キャンセル]ボタン40は、操作対象のオブジェクトの一例である。なお、文字列「印刷する画像を選択してください」は文字列を表すオブジェクトであるが、押圧されても操作は受け付けられないので操作対象のオブジェクトではない。
【0035】
また、サムネイル画像36は移動操作を受け付けるオブジェクトの一例であり、[オプション]ボタン38、[OK]ボタン39、及び、[キャンセル]ボタン40は移動操作を受け付けないオブジェクトの一例である。さらに、[OK]ボタン39、及び、[キャンセル]ボタン40は2以上の操作画面の同じ位置に表示される共通オブジェクトであり、オプション設定画面45においても同じ位置に表示される。これに対し、サムネイル画像36、及び、[オプション]ボタン38はダイレクトプリント画面に固有のオブジェクトであり、2以上の操作画面の同じ位置に表示されない非共通オブジェクトである。
【0036】
一方、オプション設定画面45には、印刷部数、カラー/モノクロ印刷、片面/両面印刷などの印刷設定項目毎にその印刷設定項目に設定可能な設定値が表示される。印刷部数の設定値の左右には[−]ボタン46、[+]ボタン47が表示されている。ユーザは[−]ボタン46、[+]ボタン47を押圧することによって印刷部数を設定することができる。また、カラー/モノクロ印刷、及び、片面/両面印刷の各設定値の左側にはそれぞれチェックボックス48が表示されている。ユーザはチェックボックス48を押圧することにより、印刷設定項目毎に設定値を選択することができる。
【0037】
[OK]ボタン49は、オプション設定画面45を閉じるためのボタンである。ユーザが[OK]ボタン49を押圧すると、そのとき選択されている設定値が印刷条件として設定されてダイレクトプリント画面に戻る。[キャンセル]ボタン50は、オプション設定画面45を閉じるためのボタンである。[キャンセル]ボタン50が押圧された場合は、印刷条件が設定されずにダイレクトプリント画面に戻る。なお、[−]ボタン46、[+]ボタン47、チェックボックス48、[OK]ボタン49、及び、[キャンセル]ボタン50は操作対象のオブジェクトの一例である。
【0038】
図5は、タッチパネル12が第2の角度に支持されているときに表示される第2の角度用の第1種のダイレクトプリント画面55の一例を示す模式図である。タッチパネル12が第2の角度に支持されているときは、タッチパネル12が第1の角度に支持されているときに比べてオブジェクトの配置が変更される。
【0039】
具体的には、タッチパネル12が第1の角度に支持されているときのサムネイル画像36の位置、言い換えると、第1の角度用のダイレクトプリント画面35に示すサムネイル画像36の位置をサムネイル画像36の第1の位置というとき、タッチパネル12が第2の角度に支持されているときは、サムネイル画像36は、サムネイル画像36の第1の位置を基準として回動軸線に近い第2の位置に配置される。
【0040】
また、例えば、タッチパネル12が第1の角度に支持されているときの[オプション]ボタン38の位置を[オプション]ボタン38の第1の位置というとき、タッチパネル12が第2の角度に支持されているときは、[オプション]ボタン38は、[オプション]ボタン38の第1の位置を基準として回動軸線に近い第2の位置に配置される。
【0041】
また、図示するように、サムネイル画像36の第2の位置は、[オプション]ボタン38の第2の位置と、サムネイル画像36の第1の位置とを基準として回動軸線に近い位置である。言い換えると、移動操作を受け付けるオブジェクトの第2の位置は、移動操作を受け付けないオブジェクトの第2の位置を基準として回動軸線に近い位置であり、且つ、当該移動操作を受け付けるオブジェクトの第1の位置を基準として回動軸線に近い位置である。
【0042】
また、共通オブジェクトである[OK]ボタン39、及び、[キャンセル]ボタン40は、タッチパネル12が第2の角度に支持されているときも位置は変更されない。つまり、非共通オブジェクトはタッチパネル12が第2の角度に支持されているとき第2の位置に表示される。一方、共通オブジェクトはタッチパネル12が第2の角度に支持されているときも第1の角度用のダイレクトプリント画面35で示す第1の位置に表示され、回動軸線に近い第2の位置には表示されない。なお、操作対象ではないオブジェクトである文字列「印刷する画像を選択してください」は、他のオブジェクトを回動軸線に近い位置に配置するため、回動軸線から遠い位置に配置される。
【0043】
(5)ユーザの押圧力に応じたオブジェクトの配置
抵抗薄膜タイプの位置入力装置を備えるタッチパネル12の場合は、ユーザがタッチパネル12を押圧したとき、その押圧力を測定することができる。
【0044】
制御部20は、例えばタッチパネル12が一定時間押圧されなかったとき、タッチパネル12を押圧するよう指示するメッセージをタッチパネル12に表示する。そのメッセージに従ってユーザがタッチパネル12を押圧すると、制御部20はそのときの押圧力を示す値をタッチパネル12から取得してRAM20Cに記憶する。そして、制御部20は、第2の角度用の第1種のダイレクトプリント画面55をタッチパネル12に表示するとき、RAM20Cに記憶されている押圧力が大きいほど、第2の位置を回動軸線の近くに位置させる。
【0045】
タッチパネル12が一定時間押圧されなかった場合にユーザの押圧力を測定するのは、その一定時間の間に画像形成装置1を操作するユーザが替わっており、前回のユーザと次のユーザとでタッチパネル12を押圧する押圧力が違っている可能性があるからである。なお、押圧力の測定は例えば画像形成装置1に電源が投入された直後に一度だけ行ってもよい。画像形成装置1が一人のユーザによってしか利用されない場合もあるからである。また、押圧力の測定は、オブジェクトを押圧するときの押圧力を測定してもよいし、移動操作を行うときの押圧力を測定してもよい。
【0046】
図6は、第2の角度用の第2種のダイレクトプリント画面56の一例を示す模式図である。図6に示す第2の角度用の第2種のダイレクトプリント画面56では、各オブジェクトの第2の位置は、図5に示す第2の角度用の第1種のダイレクトプリント画面55に比べて回動軸線の近くに位置している。
【0047】
制御部20は、測定された押圧力が第1の基準値未満であった場合は、前述した図5に示す第2の角度用の第1種のダイレクトプリント画面55をタッチパネル12に表示する。そして、制御部20は、測定された押圧力が第1の基準値より大きい第2の基準値以上であった場合は、図6に示す第2の角度用の第2種のダイレクトプリント画面56をタッチパネル12に表示する。
【0048】
そして、押圧力が第1の基準値以上であり第2の基準値未満である場合は、制御部20は、図5に示す第2の角度用の第1種のダイレクトプリント画面55に示す第2の位置から、図6に示す第2の角度用の第2種のダイレクトプリント画面56に示す第2の位置までの範囲内で、押圧力が大きいほど回動軸線の近く、即ち、第2の角度用の第2種のダイレクトプリント画面56の第2の位置に近い位置を第2の位置とする。なお、以降、この第2の角度用のダイレクトプリント画面を、第2の角度用の第3種のダイレクトプリント画面と呼ぶ。
【0049】
(6)ダイレクトプリント画面表示処理
図7は、ダイレクトプリント画面表示処理の流れを示すフローチャートである。本処理はダイレクトプリント画面の表示が指示されると開始される。S101では、制御部20はタッチパネル12の角度が第1の角度であるか否かを判定し、第1の角度である場合(S101:Yes)はS102に進み、第1の角度ではない場合(S101:No)はS104に進む。
【0050】
S102では、制御部20は現在の画面が第1の角度用のダイレクトプリント画面35であるか否かを判定し、第1の角度用のダイレクトプリント画面35ではない場合(S102:No)はS103に進み、第1の角度用のダイレクトプリント画面35である場合(S102:Yes)はS101に戻る。S103では、制御部20は第1の角度用のダイレクトプリント画面35をタッチパネル12に表示する。
【0051】
S104では、制御部20は現在の画面が第2の角度用のダイレクトプリント画面55であるか否かを判定し、第2の角度用のダイレクトプリント画面55ではない場合(S104:No)はS105に進み、第2の角度用のダイレクトプリント画面55である場合(S104:Yes)はS101に戻る。S105では、制御部20は、ダイレクトプリント画面に固有のボタンオブジェクトを、測定された押圧力に応じた第2の位置に配置する。具体的には、ダイレクトプリント画面に固有のボタンオブジェクトとは、例えば[オプション]ボタン38である。
【0052】
S106では、制御部20は、移動操作を受け付けるオブジェクトを、測定された押圧力に応じた第2の位置に配置する。具体的には、移動操作を受け付けるオブジェクトとは、例えばサムネイル画像36である。ここで、前述したように、移動操作を受け付けるオブジェクトであるサムネイル画像36は、移動操作を受け付けないオブジェクトである[オプション]ボタン38よりも回動軸線に近い位置に配置される。S107では、制御部20は、第2の角度用の第1または第2種のダイレクトプリント画面55、56、または第2の角度用の第3種のダイレクトプリント画面のいずれか一の画面を、タッチパネル12に表示する。
【0053】
(7)実施形態の効果
例えば、ユーザからの押圧によってタッチパネル12が回動し得る構成にすると、ユーザはタッチパネル12を回動させるとき、タッチパネル12の表示面を押圧するだけでよいので、ユーザの操作回数を低減できる。しかしながら、このような構成にすると、ユーザにはタッチパネル12を回動させる意図はなくても、強く押圧してしまうことによってタッチパネル12が回動してしまう虞もある。この場合、オブジェクトを回動軸線に近い位置に表示すれば、回動軸線から遠い位置に表示する場合に比べ、同じ押圧力で押圧してもタッチパネル12が回動し難くなるようにすることができる。しかしながら、操作装置の設計者は操作性やデザイン性などの観点からオブジェクトを回動軸線から遠い位置に表示したい場合もある。
【0054】
実施形態1に係る操作装置によると、タッチパネル12が第1の角度に支持されているときはオブジェクトを第1の位置に表示する。タッチパネル12が第1の角度に支持されているときは表示面を押圧してもタッチパネル12はそれ以上回動しないので、タッチパネル12が第1の角度に支持されているときは第1の位置を回動軸線から遠い位置にすることにより、タッチパネル12が回動してしまうことなく操作性やデザイン性の低下を抑制できる。一方、タッチパネル12が第2の角度に支持されているときは、第1の位置よりも回動軸線に近い第2の位置にオブジェクトを表示するので、オブジェクトを第1の位置に表示する場合に比べ、タッチパネル12が回動し難くなるようにすることができる。よってこの操作装置によると、操作性やデザイン性の低下を抑制しつつタッチパネル12を回動し難くすることができる。
【0055】
更に、この操作装置によると、移動操作を受け付けるオブジェクトの第2の位置を、移動操作を受け付けないオブジェクトの第2の位置よりも回動軸線に近い位置に配置する。移動操作はタッチパネル12が押圧される期間が長いので、タッチパネル12が回動し易い。この操作装置によると、移動操作を受け付けるオブジェクトの第2の位置を、移動操作を受け付けないオブジェクトの第2の位置よりも回動軸線に近い位置に配置するので、タッチパネル12をより回動し難くすることができる。
【0056】
更に、この操作装置によると、タッチパネル12が第2の角度に支持されているときは、第2の位置に非共通オブジェクトを表示し、第2の位置に共通オブジェクトを表示せず、且つ第1の位置に共通オブジェクトを表示する。共通オブジェクトは操作画面間で同じ位置に表示された方がユーザにとって理解し易い画面構成となる。この操作装置によると、共通オブジェクトについてはタッチパネル12の角度によらず常に第1の位置に表示するので、タッチパネル12の角度が変化しても共通オブジェクトの位置が変化せず、ユーザにとって理解し易い画面構成にすることができる。
【0057】
更に、この操作装置によると、ユーザの押圧力が大きいほど第2の位置を回動軸線の近くに位置させるので、タッチパネル12がより回動し難くなるようにすることができる。更に、この操作装置によると、支持部は、タッチパネル12と当該支持部との摺動部分の摩擦力によってタッチパネル12を支持するので、タッチパネル12を支持させるための構成を簡素にできる。
【0058】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図8ないし図9によって説明する。実施形態1ではタッチパネル12が水平方向に平行な回動軸線周りに回動する場合を例に説明したが、実施形態2ではタッチパネル12が上下方向に平行な回動軸線周りに回動する場合を例に説明する。
【0059】
図8は実施形態2に係る第1の角度用のダイレクトプリント画面60を示す模式図であり、図9は実施形態2に係る第2の角度用のダイレクトプリント画面65を示す模式図である。図8に示す第1の角度用のダイレクトプリント画面60は、複数のサムネイル画像36が回動軸線に直交する方向に配列されており、制御部20は回動軸線に直交する方向のスライドのみを受け付ける。
【0060】
そして、制御部20は、タッチパネル12が第2の角度にあるとき、図9に示すように、複数のサムネイル画像36を第2の位置に表示するとともに、回動軸線に平行な方向に配列する。そして、制御部20は配列したサムネイル画像36に対して回動軸線に平行な方向のスライドのみを受け付ける。
【0061】
以上説明した実施形態2に係る操作装置によると、タッチパネル12が第1の角度に支持されているときは回動軸線に直交する方向の移動操作を受け付け、タッチパネル12が第2の角度に支持されているときは、オブジェクトを第2の位置に表示するとともに、直交する方向の移動操作を受け付けず、且つ回動軸線に平行な方向の移動操作を受け付ける。
【0062】
操作装置の設計者は操作性やデザイン性などの観点から回動軸線に直交する方向の移動操作のみを受け付けるようにしたい場合もある。しかしながら、移動操作を受け付ける方向が回動軸線に対して直交していると、ユーザが移動操作を行ったとき、タッチパネル12が回動し易くなる。この操作装置によると、タッチパネル12が第1の角度に支持されているときは回動軸線に直交する方向の移動操作のみを受け付けるので操作性やデザイン性などの低下を抑制できる。一方、タッチパネル12が第2の角度に支持されているときはオブジェクトを第2の位置に表示するとともに、回動軸線に平行な方向の移動操作のみを受け付けるので、タッチパネル12が回動し難くなるようにすることができる。
【0063】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図10によって説明する。実施形態3では、制御部20は、上位画面でダイレクトプリントが選択されてダイレクトプリント画面を初期表示するとき、タッチパネル12の角度によらず第1の角度用のダイレクトプリント画面35を表示する。そして、タッチパネル12が前述した一端側(回動可能な角度範囲のうちユーザがタッチパネル12の表示面を押圧したときにタッチパネル12が回動する方向の端側)へ回動したことが検出されてから所定時間内に他端側(上述した一端とは逆の端である他端側)へ回動したことが検出されると、オブジェクトを第2の位置に表示する。
【0064】
(1)タッチパネルの回動及び回動方向の検出
実施形態3に係る画像形成装置1は、タッチパネル12の回動及び回動方向を検出する回動検出センサ(検出部の一例)を備えている。回動検出センサとしては、例えばタッチパネル12の回動に連動して移動する可動部と、可動部が移動することによって抵抗値が変化する可変抵抗器と、可変抵抗器の抵抗値に応じた検出信号を出力する出力部とを備えるセンサを用いることができる。この回動検出センサによれば、回動検出センサから出力される検出信号が変化することによってタッチパネル12の回動を検出することができ、また、検出信号が大きくなったか小さくなったかによって回動方向を検出できる。
【0065】
なお、回動検出センサはタッチパネル12の回動及び回動方向を検出できる構成であれば上述した構成に限定されない。また、回動検出センサを設けるのではなく、位置センサ25を用いてもよい。位置センサ25を用いる場合は、タッチパネル12が第2の角度から第1の角度まで回動することによって初めて一端側へ回動したと判断されることになる。
【0066】
(2)画面の定義
実施形態3に係る操作画面は、HTMLやXMLなどのマークアップ言語で定義されている。マークアップ言語ではスタイルシートと呼ばれるレイアウト定義用のデータを用いることができる。マークアップ言語によって定義された一つの画面定義文に異なるスタイルシートを適用すると、一つの画面定義文に基づいて異なるレイアウトで画面を表示することができる。これにより、複数の画面で同一の画面定義文、及び、オブジェクトを表す画像データを共有できる。
【0067】
具体的には例えば、ダイレクトプリント画面を表示するための一つの画面定義文に異なるスタイルシートを適用することにより、同一の画面定義文から第1の角度用のダイレクトプリント画面35と第2の角度用の第1種のダイレクトプリント画面55と第2の角度用の第2種のダイレクトプリント画面56とを表示することができる。また、[OK]ボタン39を表す画像データや[キャンセル]ボタン40を表す画像データをこれらの画面間で共有できる。
【0068】
(3)ダイレクトプリント画面表示処理
図10は、実施形態3に係るダイレクトプリント画面表示処理の流れを示すフローチャートである。本処理はダイレクトプリント画面の表示が指示されると開始される。S201では、制御部20はダイレクトプリント画面を表示するための画面定義文に第1の角度用のスタイルシートを適用することにより、第1の角度用のダイレクトプリント画面35をタッチパネル12に表示する。S202では、制御部20はタッチパネル12が一端側へ回動したか否かを判断し、一端側へ回動すると(S202:Yes)S203に進む。
【0069】
S203では、制御部20は計時を開始する。S204では、制御部20は一端側への回動、及び、他端側への回動を一連の回動とし、一連の回動が行われる毎に回数をカウントする。S205では、制御部20はS203で計時を開始してから所定時間が経過したか否かを判断し、所定時間が経過した場合(S205:Yes)はS206に進み、所定時間が経過していない場合(S205:No)はS204に戻って処理を繰り返す。
【0070】
S206では、制御部20は計時を終了する。S207では、制御部20は現在の角度が第1の角度であるか否かを判定し、現在の角度が第1の角度ではない場合(S207:No)はS208に進み、第1の角度である場合(S207:Yes)はS201に戻る。例えば、ユーザは後述するS209で第2の角度用のダイレクトプリント画面55が表示された後に、やはりタッチパネル12を第1の角度で操作したいと考えて一端側に回動させる場合もあり得る。その場合は、現在の角度は第1の角度であることになる。そのため、制御部20は現在の角度が第1の角度である場合はS201に戻って第1の角度用のダイレクトプリント画面35を表示する。
【0071】
S208では、制御部20はS204でカウントした回数が所定回数以上であるか否かを判定する。制御部20は、カウントした回数が所定回数以上である場合(S208:Yes)はS209に進み、所定回数未満である場合(S208:No)はS202に戻る。所定回数は1以上の回数であればよく、どのような回数を設定するかは適宜に選択可能である。S209では、制御部20はダイレクトプリント画面を表示するための画面定義文に第2の角度用のスタイルシートを適用することにより、第2の角度用の第1種のダイレクトプリント画面55をタッチパネル12に表示する。
【0072】
以上が実施形態3に係るダイレクトプリント画面表示処理の流れである。なお、本処理では既に第1の角度用のダイレクトプリント画面35が表示されている状態で第1の角度用のダイレクトプリント画面35を表示する処理が実行される場合が起こり得る。その場合は第1の角度用のダイレクトプリント画面35を表示する処理を実行しないようにしてもよい。第2の角度用のダイレクトプリント画面55についても同様である。なお、S209で表示する画面は、第2の角度用の第2種のダイレクトプリント画面56、または第2の角度用の第3種のダイレクトプリント画面であってもよい。
【0073】
以上説明した実施形態3に係る操作装置によると、オブジェクトを初期表示するときはタッチパネル12の角度によらず第1の位置に表示し、タッチパネル12が一端側へ回動したことが検出されてから所定時間内に他端側へ回動したことが検出されると、オブジェクトを第2の位置に表示する。ここで、タッチパネル12の角度によらず第1の位置にオブジェクトを初期表示させた場合に、タッチパネル12が一端側に回動してから所定時間内に他端側に回動したことが検知された場合は、ユーザはタッチパネル12を第2の角度で操作したいが、タッチパネル12を強く押圧してしまったためにタッチパネル12が意図せず回動してしまい、直ぐに回動前の角度に戻したと考えられる。この操作装置によると、タッチパネル12が一端側に回動してから所定時間内に他端側に回動したことが検知された場合はオブジェクトを第2の位置に表示するので、タッチパネル12を回動前の角度に戻した後にタッチパネル12が回動してしまい難いようにすることができる。
【0074】
一方、タッチパネル12が一端側に回動しない場合は、オブジェクトが第1の位置に表示されていてもユーザはタッチパネル12が回動しない程度の押圧力で押圧していると判断できるので、その場合は第1の位置にオブジェクトを表示したままにすることにより、操作性やデザイン性の低下を抑制できる。また、タッチパネル12が一端側に回動しても所定時間内に他端側に回動したことが検知されない場合は、ユーザが意図的にタッチパネル12を回動させたと考えられるので、言い換えると、ユーザの意図に反して回動してしまったのではないと考えられるので、その場合も第1の位置にオブジェクトを表示したままにすることにより、操作性やデザイン性の低下を抑制できる。
【0075】
更に、この操作装置によると、タッチパネル12の一端側への回動と他端側への回動とが複数回検出されると、オブジェクトを第2の位置に表示する。所定期間内にタッチパネル12の一端側への回動と他端側への回動とが検出されたとしても、検出されたのが1回のみである場合は、ユーザは力の加減が判らずに強く押圧してしまっただけの可能性が高い。つまり、検出されたのが1回のみである場合は、ユーザはタッチパネル12が回動しない程度の押圧力を把握し、タッチパネル12を回動前の角度に戻した後、タッチパネル12が回動しない程度の押圧力で押圧していると判断できる。従って、その場合は第1の位置にオブジェクトを表示したままにすることにより、操作性やデザイン性の低下を抑制できる。これに対し、所定期間内にタッチパネル12の一端側への回動と他端側への回動とが複数回検出されると、ユーザの押圧力が確実に高いと判断できるので、その場合はオブジェクトを第2の位置に表示することにより、タッチパネル12が回動し難くすることができる。
【0076】
更に、この操作装置によると、スタイルシートを用いて第1の角度用のダイレクトプリント画面35と第2の角度用のダイレクトプリント画面55とを表示するので、画面定義文やオブジェクトを表す画像データをこれらの画面間で共有できる。
【0077】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0078】
(1)上記実施形態では摩擦力によってタッチパネル12を回動可能な角度範囲内の任意の位置に支持する場合を例に説明したが、タッチパネル12を任意の角度で支持することができ、且つユーザが所定以上の力でタッチパネル12を押圧した場合にタッチパネル12の回動を許容する構成であればタッチパネル12を支持する構成はこれに限られない。また、タッチパネル12は所定角度ずつ離間した位置にのみ定位する構成であってもよい。
【0079】
(2)上記実施形態では操作画面としてダイレクトプリント画面を例に説明したが、これは一例であり、操作画面は任意の画面であってよい。
【0080】
(3)上記実施形態では、タッチパネル12が第2の角度に支持されているとき、移動操作を受け付けるオブジェクトを、移動操作を受け付けないオブジェクトよりも回動軸線に近い位置に表示する場合を例に説明したが、移動操作を受け付けないオブジェクトを、移動操作を受け付けるオブジェクトよりも回動軸線に近い位置に表示してもよい。
【0081】
(4)上記実施形態では共通オブジェクトについてはタッチパネル12が第2の角度に支持されても第2の位置に表示しない場合を例に説明したが、共通オブジェクトについてもタッチパネル12が第2の角度に支持されているときは第2の位置に表示してもよい。
【0082】
(5)上記実施形態では移動操作としてフリック操作を例に説明したが、移動操作は、ユーザが移動可能なオブジェクトを指で押圧し、押圧したままで指をスライドさせ、指を離した位置にオブジェクトを移動させるドラッグ操作であってもよい。
【0083】
(6)上記実施形態ではユーザの押圧力をタッチパネル12によって測定する場合を例に説明したが、押圧力を測定するためのセンサを別途設け、そのセンサによって測定してもよい。
【0084】
(7)上記実施形態では、タッチパネル12が第2の角度にあるとき、具体的な角度を検出していないが、タッチパネル12が第2の角度に支持されているときの角度を検出するセンサを設け、第1の角度に近い角度に支持されているときよりも、第1の角度から遠い角度に支持されていときのほうが、オブジェクトが回動軸線に近い位置に表示されるようにしてもよい。
【0085】
(8)上記実施形態ではタッチパネル12の回動軸線が一つだけである場合を例に説明したが、タッチパネル12は複数の回動軸線周りに選択的に回動するように構成することもできる。その場合は、タッチパネル12が第2の角度に支持されているとき、第1の位置を基準としてタッチパネル12が回動した回動軸線に近い第2の位置にオブジェクトを表示すればよい。
【0086】
(9)上記実施形態ではサムネイル画像36がユーザによって押圧されたまま押圧位置がスライドされることによって移動操作を受け付ける場合を例に説明したが、サムネイル画像36が含まれている画像表示領域37内の任意の位置が押圧されて押圧位置がスライドされた場合に移動操作を受け付けてもよい。つまり、移動操作を受け付けるとき、必ずしもサムネイル画像36そのものが押圧されていなくてもよい。
【0087】
(10)上記実施形態では操作装置を画像形成装置1に設けた場合を例に説明したが、操作装置は画像形成装置1以外の装置に設けられてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1・・・画像形成装置、10・・・筐体、12・・・タッチパネル、20・・・制御部、21・・・搬送部、25・・・位置センサ、35・・・第1の角度用のダイレクトプリント画面、36・・・サムネイル画像、37・・・画像表示領域、38・・・[オプション]ボタン、39・・・[OK]ボタン、40・・・[キャンセル]ボタン、45・・・オプション設定画面、46・・・[−]ボタン、47・・・[+]ボタン、48・・・チェックボックス、49・・・[OK]ボタン、50・・・[キャンセル]ボタン、55・・・第2の角度用の第1種のダイレクトプリント画面、56・・・第2の角度用の第2種のダイレクトプリント画面、60・・・第1の角度用のダイレクトプリント画面、65・・・第2の角度用のダイレクトプリント画面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルと、
操作対象のオブジェクトを前記タッチパネルの表示面に表示させ、表示された前記オブジェクトがユーザによって押圧されることによって前記オブジェクトに対する操作を受け付ける表示制御部と、
前記タッチパネルを前記タッチパネルの表示面の一辺に平行な回動軸周りに所定の角度範囲内で回動可能に支持する支持部であって、前記タッチパネルに表示された前記オブジェクトがユーザによって押圧されることにより、前記回動軸を中心に押圧方向に向かって回動し得るように支持する支持部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記タッチパネルが前記角度範囲のうちユーザが前記表示面を押圧したときに前記タッチパネルが回動する方向の一端である第1の角度に支持されているときは、前記表示面の第1の位置に前記オブジェクトを表示し、前記タッチパネルが前記第1の角度とは異なる第2の角度に支持されているときは、前記第1の位置よりも前記回動軸に近い第2の位置に前記オブジェクトを表示する、操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載の操作装置であって、
前記表示制御部は、さらに前記オブジェクトに対する操作の一つとして、前記オブジェクトがユーザによって押圧されたまま押圧位置がスライドされることによって前記オブジェクトの表示位置を移動させる移動操作を受け付け、
前記オブジェクトには前記移動操作を受け付けるオブジェクトと前記移動操作を受け付けないオブジェクトとがあり、
前記表示制御部は、さらに前記タッチパネルが前記第2の角度に支持されているときは、前記移動操作を受け付けない前記オブジェクトの前記第2の位置よりも前記回動軸に近い第2の位置に前記移動操作を受け付ける前記オブジェクトを表示する、操作装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の操作装置であって、
前記表示制御部は、さらに前記タッチパネルに複数の操作画面を所定の順で表示させ、
前記オブジェクトには、2以上の前記操作画面の同じ位置に表示される共通オブジェクトと、2以上の前記操作画面の同じ位置に表示されない非共通オブジェクトとがあり、
前記表示制御部は、さらに前記タッチパネルが前記第2の角度に支持されているときは、前記第2の位置に前記非共通オブジェクトを表示し、前記第2の位置に前記共通オブジェクトを表示せず、且つ前記第1の位置に前記共通オブジェクトを表示する、操作装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の操作装置であって、
前記タッチパネルを押圧するユーザの押圧力を測定する測定部を備え、
前記表示制御部は、前記測定部によって測定された押圧力が大きいほど、前記第2の位置を前記回動軸の近くに位置させる、操作装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の操作装置であって、
前記タッチパネルの回動及び回動方向を検出する検出部を備え、
前記表示制御部は、前記オブジェクトを初期表示するときは前記タッチパネルの角度によらず前記第1の位置に表示し、前記検出部によって前記タッチパネルが前記一端側へ回動したことが検出されてから所定時間内に前記検出部によって前記タッチパネルが前記一端とは逆の端である他端側へ回動したことが検出されると、前記オブジェクトを前記第2の位置に表示する、操作装置。
【請求項6】
請求項5に記載の操作装置であって、
前記表示制御部は、前記所定期間内に前記検出部によって前記タッチパネルの前記一端側への回動と前記他端側への回動とが複数回検出されると、前記オブジェクトを前記第2の位置に表示する、操作装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の操作装置であって、
前記表示制御部は、さらに前記オブジェクトに対する操作の一つとして、前記オブジェクトが前記ユーザによって押圧されたまま押圧位置がスライドされることによって前記オブジェクトの表示位置を移動させる移動操作であって、前記タッチパネルが前記第1の角度に支持されているときは前記回動軸に直交する方向の前記移動操作を受け付け、前記タッチパネルが前記第2の角度に支持されているときは、前記オブジェクトを前記第2の位置に表示するとともに、前記直交する方向の前記移動操作を受け付けず、且つ前記回動軸に平行な方向の前記移動操作を受け付ける、操作装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の操作装置であって、
前記表示制御部は、前記タッチパネルが前記第1の角度に支持されているときは第1のスタイルシートに基づいて前記オブジェクトを前記第1の位置に表示し、前記第2の角度に支持されているときは第2のスタイルシートに基づいて前記オブジェクトを前記第2の位置に表示する、操作装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の操作装置であって、
前記支持部は、前記タッチパネルと当該支持部との摺動部分の摩擦力によって前記タッチパネルを前記角度範囲内で支持する、操作装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−208906(P2012−208906A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76094(P2011−76094)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】