操作装置
【課題】操作部材の操作変位を圧力センサの作動ストロークより大きくすることができ、操作者が操作感を認識できる操作装置を提供する。
【解決手段】操作装置1には、3個以上の圧力センサ4〜6が設けられ、これら圧力センサ4〜6の上部に、これら圧力センサ4〜6の全部にわたるように平板状の押圧板13が配置されている。操作ノブ14は、周辺部において下方向への操作力が作用するように操作される被操作部15を有し、この被操作部15の下部にほぼ球面状をなす湾曲面部17を有し、押圧板13上面に湾曲面部17のほぼ中心部が当接するように配置されている。前記操作ノブ14に対する操作者の操作に基づく前記圧力センサ4〜6の検出信号に基づいて操作ノブ14に対する操作位置を検出する。
【解決手段】操作装置1には、3個以上の圧力センサ4〜6が設けられ、これら圧力センサ4〜6の上部に、これら圧力センサ4〜6の全部にわたるように平板状の押圧板13が配置されている。操作ノブ14は、周辺部において下方向への操作力が作用するように操作される被操作部15を有し、この被操作部15の下部にほぼ球面状をなす湾曲面部17を有し、押圧板13上面に湾曲面部17のほぼ中心部が当接するように配置されている。前記操作ノブ14に対する操作者の操作に基づく前記圧力センサ4〜6の検出信号に基づいて操作ノブ14に対する操作位置を検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力センサを利用して操作位置の検出を行う操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車に設けられるステアリングスイッチやナビ用の遠隔操作装置等に用いられる操作装置として、操作用部材の押圧操作位置(操作用部材の中心に対する円周の位置あるいは方向)を、圧力センサを用いて検出するようにした信号入力装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このものでは、正方形板状の操作用部材を、前後左右の4方向(対角線方向)に傾動操作可能に設け、その操作用部材の裏面側に、前後左右(4つの頂角の近傍)に位置して4個の圧力センサを設け、それら圧力センサから出力される圧力検出信号をもって、移動量を含む方向性信号を入力できるようにしている。
【0003】
また、同様に圧力センサを用いた操作装置として、矩形の面板上の裏面側に、3つの支点に生ずる分力を検出する3個の力検出器を設け、それらの検出(荷重バランス)に基づいて押圧力を印加した点の座標を求めるようにした荷重検知型座標入力装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−104913号公報
【特許文献2】特開昭56−29777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような複数の圧力センサを用いて操作ノブの操作位置を検出するようにした操作装置において、操作ノブ及び圧力センサ部分を概略的に示すと、図23のようになる。この図23において、操作者(ユーザー)が操作ノブ61の周辺部位Pを押し操作すると、例えば3個の圧力センサ62が検出する荷重(圧力)の分布が変化し、その分布パターンをもって、操作者の操作位置(操作ノブ61の中心からの操作方向)を検出し、操作位置検出信号を出力する。
【0006】
ところがこの場合、圧力センサ62自体の変位量が極めて僅かであることから、操作ノブ61が下方向(操作者の押圧方向)へほとんど変位せず、操作者が操作感(操作方向)を認識できないという問題があった。
【0007】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧力センサを用いた操作装置において、操作部材の操作ストロークを圧力センサの作動ストロークより大きくすることができ、操作者が操作感を認識できる操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の操作装置は、ケースと、このケースに対して軸方向に押圧操作可能に支持された操作部材と、前記ケース内に前記操作部材の外周部に対応して円周方向に並んで複数個が設けられた圧力センサと、これら圧力センサの全部と前記操作部材との間に配置され、前記操作部材の押圧操作により前記圧力センサを押圧可能な平板状の押圧板とを備え、
前記操作部材を、周辺部において前記軸方向への操作力が作用するように押圧操作される被操作部を有すると共に、この被操作部における前記押圧板側の部分にほぼ球面状をなす湾曲面部を有する構成とし、且つ、当該湾曲面部のほぼ中心部が前記押圧板に当接するように配置し、前記操作部材に対する操作者の操作に基づく前記圧力センサの検出信号に基づいて前記操作部材に対する操作位置を検出するようにしてなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の操作装置によれば、操作部材の湾曲面部と押圧板とはほぼ点接触で当接しており、その点接触部分の周囲部分である球面状の湾曲面部と平板状の押圧板との間には、操作部材の傾きを許容する空間部が存在する。そして、操作者が、操作部材における被操作部における周辺部の任意の部分を下方向へ操作すると、操作部材が、前記操作された部分が下方へ移動するように傾斜する。つまり、操作部材が操作により傾動変位する。すなわち、圧力センサの作動ストロークより大きくなる。この操作部材の傾動により、押圧板に対する湾曲面部の接触点が前記操作された任意の部分方向へ移動する。これにより、押圧板に対する操作力の作用箇所が変更され、前記圧力センサに対する荷重バランスが変化し、夫々の検知圧力の分布パターンにより操作部材の傾斜方向すなわち操作部材に対する操作位置(操作方向)を特定することが可能となる。このように、操作部材が操作位置に応じた方向へ傾動するから、その操作位置で操作ストロークが発生し、操作者にとって操作した位置で操作変位を認識でき、操作感を認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態による操作装置の縦断側面図
【図2】作用説明のための操作装置の縦断側面図
【図3】操作装置の平面図
【図4】圧力センサの内部構造の斜視図
【図5】電気的構成を概略的に示す図
【図6】第2実施形態による図1相当図
【図7】図6の切断線X7−X7による断面図
【図8】ガイド部部分の縦断正面図
【図9】図7の切断線X9−X9による断面図
【図10】第3実施形態による図9相当図
【図11】第4実施形態による図8相当図
【図12】第5実施形態による図8相当図
【図13】第6実施形態による図1相当図
【図14】図7相当図
【図15】第7実施形態による図1相当図
【図16】第8実施形態による図7相当図
【図17】第9実施形態による図1相当図
【図18】図8相当図
【図19】操作ストロークと節度感の関係を示す図
【図20】第10実施形態による図8相当図
【図21】図19相当図
【図22】第11実施形態による湾曲面部部分の縦断面図
【図23】従来構成を示す操作装置の縦断面図
【図24】参考例を示す図1相当図
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図5を参照しながら説明する。本実施形態では、操作装置1は、例えば、自動車のステアリングホイール部分に組込まれ、カーナビゲーション装置やカーオーディオ装置、車載電話機等の車載機器の操作用として設けられている。以下、本実施形態に係る操作装置1の構成について述べる。尚、図面においては、便宜上、操作装置1を、操作ノブの表面側を上方に向けた状態で示しており、以下の説明で、上下や前後左右といった方向をいう場合には、図1等の状態を基準とし、操作ノブの押圧操作方向(軸方向)を上下方向として説明する。
【0012】
操作装置1は、図1に示すように、合成樹脂製の矩形箱状のケース2を備え、そのケース2の上面部にカバー3を有している。カバー3には、円形の開口部3aが形成されている。
このケース2の内部底部には、基板7が配置さえており、この基板7には任意の中心部である仮想中心点Cpを中心とした円周方向に複数個例えば3個の圧力センサ4、5、6を取り付けている(実装している)。この場合、これら圧力センサ4〜6は円周方向にほぼ均等配置(前記仮想中心点Cpを中心としたほぼ点対称配置)としている。これら圧力センサ4、5、6はいずれも同じ構成であるので、圧力センサ4を代表して図3を参照して述べる。
【0013】
圧力センサ4は、図4にその一部を示すように、半導体圧力センサチップ10と、その上面に配置されたスチールボール11と、それらを収容するパッケージ12(図1参照)とを備えて構成される。前記半導体圧力センサチップ10は、例えば単結晶シリコン基板の中央部裏面側をエッチングして薄肉なダイヤフラム部10aを形成すると共に、そのダイヤフラム部10aの表面部に検知回路等を形成して構成されている。周知のように、前記検知回路は、4個のピエゾ抵抗素子10bをブリッジ接続して構成され、2個の入力端子間に一定の直流電圧が印加される。そして、ダイヤフラム部10aに作用する圧力によって該ダイヤフラム10aが歪み変形し、ピエゾ抵抗素子10bの抵抗値が変化することに応じて、2個の出力端子間の電圧が変動するように構成されている。
【0014】
前記スチールボール11は、ダイヤフラム部10a上に載置された状態とされ、このとき、スチールボール11の上端の一部が、パッケージ12の上面の円形孔から上方に露出(突出)している。これにて、圧力センサ9は、スチールボール11に上方から荷重(圧力)が作用すると、その荷重に応じた(比例した)電圧値の検出信号を出力するようになっている。
【0015】
なお、上述の圧力センサ4、5、6は、一般的に、スチールボール11に荷重が作用しても、さほど大きくは変位しない。
前記圧力センサ4、5、6の上方部には、これら圧力センサ4、5、6全体にわたるように平板状の押圧板13が配置されている。この押圧板13は次に述べる操作ノブ14により押圧可能である。
【0016】
さらに、この押圧板13の上方部には操作部材としての操作ノブ14が配置されている。この操作ノブ14は、上部に被操作部15を有すると共に、中間部にばね受け用のフランジ部16を有し、さらに下部に湾曲面部17を有する構成である。上記被操作部15は、平面形状が円形をなすと共に上面が円弧面をなしている。この被操作部15は前記カバー3の開口部3aから外方に露出している。又前記フランジ部16は円板状をなしており、前記カバー3の裏面側まで延びている。そして、このフランジ部16と前記カバー3裏面との間には、夫々圧縮コイルばねからなる複数この場合3個の予圧ばね18がほぼ円周均等配置形態に設けられている。
【0017】
又、前記湾曲面部17はほぼ球面状をなしており、操作ノブ14は、この湾曲面部17のほぼ中心部が前記押圧板13上面(湾曲面部17との当接面)に接触(当接)する形態でケース2内部に配設されている。この接触点を初期接触点13pという。この初期接触点13pと前記圧力センサ4〜6の仮想中心点Cpは、上方からみて同じ点であると良いが、ずれていても良い。
【0018】
前記予圧ばね18は、操作ノブ14を下方に押し、さらにこの操作ノブ14が押圧板13を下方に押し、これにより、前記圧力センサ4、5、6に予め圧力をかけている(予圧している)。従って、圧力センサ4、5、6は初期荷重を受けている。又、この予圧ばね18は操作ノブ14がケース2内でがたつくのを防止している。
なお、前記ケース2内面下部には、前記操作ノブ14のフランジ部16が当接するストッパ部2aが形成されている。このストッパ部2aにより操作ノブ14の過度な傾動を阻止している。
【0019】
図1には操作装置1の組み立て状態を示しており、この図1から判るように、操作部材としての操作ノブ14はケース2に対して軸方向(上下方向)に押圧操作可能に支持されており、前記圧力センサ4〜6は、このケース2内に前記操作ノブ14の外周部に対応して円周方向に並んで設けられている。さらに、平板状の押圧板13が、これら圧力センサ4〜6の全部と前記操作ノブ14との間に配置され、前記操作ノブ14の押圧操作により前記圧力センサ4〜6を押圧可能な構成である。
【0020】
さらに前記操作ノブ14を、周辺部において前記軸方向への操作力が作用するように押圧操作される被操作部15を有すると共に、この被操作部15における前記押圧板13側の部分にほぼ球面状をなす湾曲面部17を有する構成とし、且つ、当該湾曲面部17のほぼ中心部が前記押圧板13に当接するように配置している。
【0021】
ここで、図5に示すように、上記操作装置1の3個の圧力センサ4、5、6の検出信号は、A/D変換回路19を介して、車載機器の制御用のコンピュータ(CPU)20に入力される。
前記コンピュータ20は、各圧力センサ4、5、6のからの入力信号に基き、そられ3個の圧力センサ4、5、6に作用した荷重バランスから、操作ノブ14の押圧操作位置(円周上の位置及び操作方向を含む)を検出(算出)する。コンピュータ20は、操作ノブ14の押圧操作位置の検出に基づいて、車載機器(例えば、カーナビゲーション装置の表示装置の表示画面)を制御するようになっている。
【0022】
さて、操作者が操作する前の状態を示す図1において、操作ノブ14の湾曲面部17は、そのほぼ中心部が、押圧板13における初期接触点13pでほぼ点接触で当接しており、その点接触部分の周囲部分である球面状の湾曲面部17と平板状の押圧板13との間には、操作ノブ14の傾きを許容する空間部が存在する。
【0023】
そして、操作者が、操作ノブ14における被操作部15における周辺部の任意の部分(例えば図1のF部分)を下方向へ押し操作する(操作力を作用させる)と、操作ノブ14が、前記操作されたF部分が下方へ移動するように傾斜する(図4参照)。つまり、操作ノブ14が当該操作により傾動変位し、操作ストロークが発生する。この場合の操作ストロークは図2に示すように操作ストロークSとなる。この操作ノブ14の傾動により、押圧板13に対する湾曲面部17の接触点が初期接触点13pから前記F部分方向へ移動する。
【0024】
これにより、押圧板13に対する操作力の作用箇所が変更され(その変更後の位置を符号13p´で示す)、圧力センサ4、5、6に対する荷重バランスが変化し、夫々の検知圧力の分布パターンにより操作ノブ14の傾斜方向すなわち操作ノブ14に対する操作位置(操作方向)を特定することが可能となる。
【0025】
このように、本実施形態によれば、操作ノブ14が操作位置に応じた方向へ傾動するから、操作ノブ14の操作変位(操作ストロークS)を圧力センサ4〜6の作動ストロークより大きくすることができ、操作者が操作感を認識できる。又、操作者にとって操作した位置で操作変位(操作ストローク)を認識でき、操作感を認識できる。
【0026】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について図6〜図9を参照して説明する。この第2実施形態においては、操作ノブ14の操作領域を区分する区分手段21を設けた点が第1実施形態と異なる。区分手段21は、例えば押圧板13に設けたガイド部22A〜22Dから構成されている。これらガイド部22A〜22Dは、押圧板13の上面(湾曲面部17との当接面)において前記湾曲面部17の中心部に対応する部位である初期接触点13pから、例えば4方向に放射状に延び、且つ湾曲面部17側(上方)へ突出している。
【0027】
このガイド部22A〜22Dは、円周4等配(90度ピッチ)の形態に設けられている。今、図7において、便宜上設けた基準線Kを角度0度とすると、ガイド部22Aは45度の角度位置にあり、ガイド部22Bは135度、ガイド部22Cは225度、ガイド部22Dは315度の角度位置にある。
【0028】
そして、ガイド部22Dと22Aとで315度〜45度の操作領域R1が形成され、ガイド部22Aと22Bとで45度〜135度の操作領域R2が形成され、ガイド部22Bと22Cとで135度〜225度の操作領域R3が形成され、ガイド部22cと22Dとで225度〜315度の操作領域R4が形成されており、もってこれらガイド部22A〜22Dに操作領域を操作領域R1〜R4に区分している。
【0029】
この場合、各ガイド部22A〜22Dにおける延び方向と直交する断面形状は、図9に示すように、ほぼ三角山形状をなす。
この第2実施形態においては、操作者が操作ノブ14を操作するときに、その操作方向を明確に認識させることができる。すなわち、例えば、図7において、被操作部15の任意の箇所例えばポイントPa(操作領域R1であるが操作領域R4に近いポイント)を押し操作した場合、ガイド部22Dにより角度0度方向つまり操作領域R1中央方向へ操作ノブ14が傾斜する。これによって、操作者が操作領域R1のどのポイントを押し操作しても操作ノブ14が操作領域R1中央部分を押したとほぼ同じ操作となり、又、操作者が操作領域R1中央方向への操作感を感じるようになる。
【0030】
この結果、この第2実施形態によれば、操作者は、自身の操作方向が操作領域R1であることを認識できる。又、操作者が、仮に操作領域R4方向に操作する意志で前記ポイントPaを押し操作したときには、操作者の操作が操作領域R1であることに明確に気付くので、操作間違いを認識することもできる。
【0031】
なお、他の操作領域R2〜R4の任意のポイントを押圧しても上述と同様の作用効果が得られる。
<その他の実施形態>
図10は第3実施形態を示し、各ガイド部22A〜22Dの断面形状を円弧状に盛り上がって頂部も円弧状をなす形態に形成しており、これによっても第2実施形態と同様の効果を奏する。
【0032】
図11は第4実施形態を示し、前記ガイド部22A〜22D(22B、22Cのみ図示)の突出高さが、前記押圧板13上面における初期接触点13pで低く該初期接触点13pより遠くなるにつれて高くなっているところが第2実施形態(図8)と異なる。これによれば、操作ノブ14の傾き度が大きいほど、大きな操作感が得られると共に、明確な操作領域R1〜R4の区分認識ができる。
図12は第5実施形態を示し、前記ガイド部22A〜22D(22B、22Cのみ図示)の突出高さが、滑らかに高くなっている(曲面的に高くなっている)ところが第4実施形態と異なる。
【0033】
図13及び図14は第6実施形態を示し、この第6実施形態では、区分手段31が、押圧板13に設けた4つの磁石32A〜32Dと、操作ノブ14の湾曲面部17に設けた4つの磁石33A〜33D(そのうち33Bと33Cは図示するが33A、33Dは図示しない)とから構成されているところが第2実施形態と異なる。すなわち、前記押圧板13上面には、前記初期接触点13pを中心として点対称配置形に前記磁石32A〜32Dを、この押圧板13と面一状態に埋設している。この磁石32A〜32Dは上面側がS極を構成している。一方の4つの磁石33A〜33Dは操作ノブ14の湾曲面部17に前記磁石32A〜32Dと対向するように埋設されている。この磁石33A〜33Dは下側(前記磁石32A〜32Dと対向する側)が前記磁石32A〜32Dと同じ磁極のS極を構成している。
【0034】
この第6実施形態では、相互に反発する磁石32A〜32Dと33A〜33Dにより操作ノブ14の操作領域が第2実施形態と同様に操作領域R1〜R4に区分されることになり、前記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、上述の磁極はS極同士でなくN極同士であっても良い。
図15は第7実施形態を示し、4つのガイド部35A〜35D(35B、35Cのみ図示)を操作ノブ14の湾曲面部17側に形成した点が第2実施形態と異なる。この第7実施形態においても第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0035】
図16は第8実施形態を示し、ガイド部の数を変更(例えば8個に変更)した点が第2実施形態と異なる。8個のガイド部37A〜37Hを円周等配形態(45度間隔)に押圧板13に設けている。これによれば、操作領域をR1〜R8の8領域とすることができ、8個の操作位置を検出可能となる。
【0036】
なお、ガイド部の数は90度から時計回りでの270度までの数と270度から時計回りでの90度(0度)までの数を異ならせても良い。
図17〜図19は第9実施形態を示しており、ガイド部39A〜39D(39Bと39Cのみ図示)の突出高さ変化度合いが途中で変化している点が第4実施形態(図11)と異なる。すなわち、ガイド部39B、39Cの途中(ポイントPs、Pt)で、高さの変化度合が急に大きくなっている。
【0037】
この第9実施形態によれば、ガイド部39A〜39Dを利用して図19に示すような節度感(操作抵抗)を得ることができる。
この場合、第10実施形態として示す図20に示すようにポイントPs、Ptで曲率を変えることで高さ度合いを変化させるようにしても良い。この場合、図21に示すような節度感を得ることができる。
又、この場合、第11実施形態として示す図22のように、前記ガイド部39A〜39Dと同様の作用を発揮するガイド部39A´〜39D´(39B´、39C´のみ図示)
を湾曲面部17側に設けても良い。
【0038】
前記ガイド部は、可動式としても良い。つまり、ガイド部を押圧板あるいは湾曲面部から突出可能に可動式としても良い。又、ガイド部のうちのどれかを選択的に可動式としてガイド部の使用個数を変更できるようにしても良い。又、可動式とすることでガイド部を使用する、使用しないを選択するようにしても良い。又、圧力センサは、3個以上であれば良い。
【0039】
なお、前述した第1実施形態と同様の効果を期待できる構成として図24(参考図)に示す構成が考えられる。すなわち、3つの各センサ63に、ホルダ64、ストローク用ばね65及びプッシャ66を備えたプッシャユニット67を夫々設ける構成としている。しかし、この構成では、部品数が多く、組み立て性も悪く、又ストローク用ばね65のばね力設定も難しいという問題がある。
【0040】
これに対して第1実施形態では、部品数も少なく、組み立て性も良く、ストローク用ばねも要しないないなど、図24の構成品に比して有利な効果を奏する。
上述した実施形態では、本発明の操作装置を、自動車のカーナビゲーション装置等の車載器の操作用に適用したが、それ以外にも各種の用途に適用することが可能である等、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
【符号の説明】
【0041】
図面中、1は操作装置、4、5、6は圧力センサ、13は押圧板、14は操作ノブ(操作部材)、15は被操作部、17は湾曲面部、20はコンピュータ、21は区分手段、22A〜22Dはガイド部、32A〜32Dは磁石、33B、33Cは磁石を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力センサを利用して操作位置の検出を行う操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車に設けられるステアリングスイッチやナビ用の遠隔操作装置等に用いられる操作装置として、操作用部材の押圧操作位置(操作用部材の中心に対する円周の位置あるいは方向)を、圧力センサを用いて検出するようにした信号入力装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このものでは、正方形板状の操作用部材を、前後左右の4方向(対角線方向)に傾動操作可能に設け、その操作用部材の裏面側に、前後左右(4つの頂角の近傍)に位置して4個の圧力センサを設け、それら圧力センサから出力される圧力検出信号をもって、移動量を含む方向性信号を入力できるようにしている。
【0003】
また、同様に圧力センサを用いた操作装置として、矩形の面板上の裏面側に、3つの支点に生ずる分力を検出する3個の力検出器を設け、それらの検出(荷重バランス)に基づいて押圧力を印加した点の座標を求めるようにした荷重検知型座標入力装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−104913号公報
【特許文献2】特開昭56−29777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような複数の圧力センサを用いて操作ノブの操作位置を検出するようにした操作装置において、操作ノブ及び圧力センサ部分を概略的に示すと、図23のようになる。この図23において、操作者(ユーザー)が操作ノブ61の周辺部位Pを押し操作すると、例えば3個の圧力センサ62が検出する荷重(圧力)の分布が変化し、その分布パターンをもって、操作者の操作位置(操作ノブ61の中心からの操作方向)を検出し、操作位置検出信号を出力する。
【0006】
ところがこの場合、圧力センサ62自体の変位量が極めて僅かであることから、操作ノブ61が下方向(操作者の押圧方向)へほとんど変位せず、操作者が操作感(操作方向)を認識できないという問題があった。
【0007】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧力センサを用いた操作装置において、操作部材の操作ストロークを圧力センサの作動ストロークより大きくすることができ、操作者が操作感を認識できる操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の操作装置は、ケースと、このケースに対して軸方向に押圧操作可能に支持された操作部材と、前記ケース内に前記操作部材の外周部に対応して円周方向に並んで複数個が設けられた圧力センサと、これら圧力センサの全部と前記操作部材との間に配置され、前記操作部材の押圧操作により前記圧力センサを押圧可能な平板状の押圧板とを備え、
前記操作部材を、周辺部において前記軸方向への操作力が作用するように押圧操作される被操作部を有すると共に、この被操作部における前記押圧板側の部分にほぼ球面状をなす湾曲面部を有する構成とし、且つ、当該湾曲面部のほぼ中心部が前記押圧板に当接するように配置し、前記操作部材に対する操作者の操作に基づく前記圧力センサの検出信号に基づいて前記操作部材に対する操作位置を検出するようにしてなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の操作装置によれば、操作部材の湾曲面部と押圧板とはほぼ点接触で当接しており、その点接触部分の周囲部分である球面状の湾曲面部と平板状の押圧板との間には、操作部材の傾きを許容する空間部が存在する。そして、操作者が、操作部材における被操作部における周辺部の任意の部分を下方向へ操作すると、操作部材が、前記操作された部分が下方へ移動するように傾斜する。つまり、操作部材が操作により傾動変位する。すなわち、圧力センサの作動ストロークより大きくなる。この操作部材の傾動により、押圧板に対する湾曲面部の接触点が前記操作された任意の部分方向へ移動する。これにより、押圧板に対する操作力の作用箇所が変更され、前記圧力センサに対する荷重バランスが変化し、夫々の検知圧力の分布パターンにより操作部材の傾斜方向すなわち操作部材に対する操作位置(操作方向)を特定することが可能となる。このように、操作部材が操作位置に応じた方向へ傾動するから、その操作位置で操作ストロークが発生し、操作者にとって操作した位置で操作変位を認識でき、操作感を認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態による操作装置の縦断側面図
【図2】作用説明のための操作装置の縦断側面図
【図3】操作装置の平面図
【図4】圧力センサの内部構造の斜視図
【図5】電気的構成を概略的に示す図
【図6】第2実施形態による図1相当図
【図7】図6の切断線X7−X7による断面図
【図8】ガイド部部分の縦断正面図
【図9】図7の切断線X9−X9による断面図
【図10】第3実施形態による図9相当図
【図11】第4実施形態による図8相当図
【図12】第5実施形態による図8相当図
【図13】第6実施形態による図1相当図
【図14】図7相当図
【図15】第7実施形態による図1相当図
【図16】第8実施形態による図7相当図
【図17】第9実施形態による図1相当図
【図18】図8相当図
【図19】操作ストロークと節度感の関係を示す図
【図20】第10実施形態による図8相当図
【図21】図19相当図
【図22】第11実施形態による湾曲面部部分の縦断面図
【図23】従来構成を示す操作装置の縦断面図
【図24】参考例を示す図1相当図
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図5を参照しながら説明する。本実施形態では、操作装置1は、例えば、自動車のステアリングホイール部分に組込まれ、カーナビゲーション装置やカーオーディオ装置、車載電話機等の車載機器の操作用として設けられている。以下、本実施形態に係る操作装置1の構成について述べる。尚、図面においては、便宜上、操作装置1を、操作ノブの表面側を上方に向けた状態で示しており、以下の説明で、上下や前後左右といった方向をいう場合には、図1等の状態を基準とし、操作ノブの押圧操作方向(軸方向)を上下方向として説明する。
【0012】
操作装置1は、図1に示すように、合成樹脂製の矩形箱状のケース2を備え、そのケース2の上面部にカバー3を有している。カバー3には、円形の開口部3aが形成されている。
このケース2の内部底部には、基板7が配置さえており、この基板7には任意の中心部である仮想中心点Cpを中心とした円周方向に複数個例えば3個の圧力センサ4、5、6を取り付けている(実装している)。この場合、これら圧力センサ4〜6は円周方向にほぼ均等配置(前記仮想中心点Cpを中心としたほぼ点対称配置)としている。これら圧力センサ4、5、6はいずれも同じ構成であるので、圧力センサ4を代表して図3を参照して述べる。
【0013】
圧力センサ4は、図4にその一部を示すように、半導体圧力センサチップ10と、その上面に配置されたスチールボール11と、それらを収容するパッケージ12(図1参照)とを備えて構成される。前記半導体圧力センサチップ10は、例えば単結晶シリコン基板の中央部裏面側をエッチングして薄肉なダイヤフラム部10aを形成すると共に、そのダイヤフラム部10aの表面部に検知回路等を形成して構成されている。周知のように、前記検知回路は、4個のピエゾ抵抗素子10bをブリッジ接続して構成され、2個の入力端子間に一定の直流電圧が印加される。そして、ダイヤフラム部10aに作用する圧力によって該ダイヤフラム10aが歪み変形し、ピエゾ抵抗素子10bの抵抗値が変化することに応じて、2個の出力端子間の電圧が変動するように構成されている。
【0014】
前記スチールボール11は、ダイヤフラム部10a上に載置された状態とされ、このとき、スチールボール11の上端の一部が、パッケージ12の上面の円形孔から上方に露出(突出)している。これにて、圧力センサ9は、スチールボール11に上方から荷重(圧力)が作用すると、その荷重に応じた(比例した)電圧値の検出信号を出力するようになっている。
【0015】
なお、上述の圧力センサ4、5、6は、一般的に、スチールボール11に荷重が作用しても、さほど大きくは変位しない。
前記圧力センサ4、5、6の上方部には、これら圧力センサ4、5、6全体にわたるように平板状の押圧板13が配置されている。この押圧板13は次に述べる操作ノブ14により押圧可能である。
【0016】
さらに、この押圧板13の上方部には操作部材としての操作ノブ14が配置されている。この操作ノブ14は、上部に被操作部15を有すると共に、中間部にばね受け用のフランジ部16を有し、さらに下部に湾曲面部17を有する構成である。上記被操作部15は、平面形状が円形をなすと共に上面が円弧面をなしている。この被操作部15は前記カバー3の開口部3aから外方に露出している。又前記フランジ部16は円板状をなしており、前記カバー3の裏面側まで延びている。そして、このフランジ部16と前記カバー3裏面との間には、夫々圧縮コイルばねからなる複数この場合3個の予圧ばね18がほぼ円周均等配置形態に設けられている。
【0017】
又、前記湾曲面部17はほぼ球面状をなしており、操作ノブ14は、この湾曲面部17のほぼ中心部が前記押圧板13上面(湾曲面部17との当接面)に接触(当接)する形態でケース2内部に配設されている。この接触点を初期接触点13pという。この初期接触点13pと前記圧力センサ4〜6の仮想中心点Cpは、上方からみて同じ点であると良いが、ずれていても良い。
【0018】
前記予圧ばね18は、操作ノブ14を下方に押し、さらにこの操作ノブ14が押圧板13を下方に押し、これにより、前記圧力センサ4、5、6に予め圧力をかけている(予圧している)。従って、圧力センサ4、5、6は初期荷重を受けている。又、この予圧ばね18は操作ノブ14がケース2内でがたつくのを防止している。
なお、前記ケース2内面下部には、前記操作ノブ14のフランジ部16が当接するストッパ部2aが形成されている。このストッパ部2aにより操作ノブ14の過度な傾動を阻止している。
【0019】
図1には操作装置1の組み立て状態を示しており、この図1から判るように、操作部材としての操作ノブ14はケース2に対して軸方向(上下方向)に押圧操作可能に支持されており、前記圧力センサ4〜6は、このケース2内に前記操作ノブ14の外周部に対応して円周方向に並んで設けられている。さらに、平板状の押圧板13が、これら圧力センサ4〜6の全部と前記操作ノブ14との間に配置され、前記操作ノブ14の押圧操作により前記圧力センサ4〜6を押圧可能な構成である。
【0020】
さらに前記操作ノブ14を、周辺部において前記軸方向への操作力が作用するように押圧操作される被操作部15を有すると共に、この被操作部15における前記押圧板13側の部分にほぼ球面状をなす湾曲面部17を有する構成とし、且つ、当該湾曲面部17のほぼ中心部が前記押圧板13に当接するように配置している。
【0021】
ここで、図5に示すように、上記操作装置1の3個の圧力センサ4、5、6の検出信号は、A/D変換回路19を介して、車載機器の制御用のコンピュータ(CPU)20に入力される。
前記コンピュータ20は、各圧力センサ4、5、6のからの入力信号に基き、そられ3個の圧力センサ4、5、6に作用した荷重バランスから、操作ノブ14の押圧操作位置(円周上の位置及び操作方向を含む)を検出(算出)する。コンピュータ20は、操作ノブ14の押圧操作位置の検出に基づいて、車載機器(例えば、カーナビゲーション装置の表示装置の表示画面)を制御するようになっている。
【0022】
さて、操作者が操作する前の状態を示す図1において、操作ノブ14の湾曲面部17は、そのほぼ中心部が、押圧板13における初期接触点13pでほぼ点接触で当接しており、その点接触部分の周囲部分である球面状の湾曲面部17と平板状の押圧板13との間には、操作ノブ14の傾きを許容する空間部が存在する。
【0023】
そして、操作者が、操作ノブ14における被操作部15における周辺部の任意の部分(例えば図1のF部分)を下方向へ押し操作する(操作力を作用させる)と、操作ノブ14が、前記操作されたF部分が下方へ移動するように傾斜する(図4参照)。つまり、操作ノブ14が当該操作により傾動変位し、操作ストロークが発生する。この場合の操作ストロークは図2に示すように操作ストロークSとなる。この操作ノブ14の傾動により、押圧板13に対する湾曲面部17の接触点が初期接触点13pから前記F部分方向へ移動する。
【0024】
これにより、押圧板13に対する操作力の作用箇所が変更され(その変更後の位置を符号13p´で示す)、圧力センサ4、5、6に対する荷重バランスが変化し、夫々の検知圧力の分布パターンにより操作ノブ14の傾斜方向すなわち操作ノブ14に対する操作位置(操作方向)を特定することが可能となる。
【0025】
このように、本実施形態によれば、操作ノブ14が操作位置に応じた方向へ傾動するから、操作ノブ14の操作変位(操作ストロークS)を圧力センサ4〜6の作動ストロークより大きくすることができ、操作者が操作感を認識できる。又、操作者にとって操作した位置で操作変位(操作ストローク)を認識でき、操作感を認識できる。
【0026】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について図6〜図9を参照して説明する。この第2実施形態においては、操作ノブ14の操作領域を区分する区分手段21を設けた点が第1実施形態と異なる。区分手段21は、例えば押圧板13に設けたガイド部22A〜22Dから構成されている。これらガイド部22A〜22Dは、押圧板13の上面(湾曲面部17との当接面)において前記湾曲面部17の中心部に対応する部位である初期接触点13pから、例えば4方向に放射状に延び、且つ湾曲面部17側(上方)へ突出している。
【0027】
このガイド部22A〜22Dは、円周4等配(90度ピッチ)の形態に設けられている。今、図7において、便宜上設けた基準線Kを角度0度とすると、ガイド部22Aは45度の角度位置にあり、ガイド部22Bは135度、ガイド部22Cは225度、ガイド部22Dは315度の角度位置にある。
【0028】
そして、ガイド部22Dと22Aとで315度〜45度の操作領域R1が形成され、ガイド部22Aと22Bとで45度〜135度の操作領域R2が形成され、ガイド部22Bと22Cとで135度〜225度の操作領域R3が形成され、ガイド部22cと22Dとで225度〜315度の操作領域R4が形成されており、もってこれらガイド部22A〜22Dに操作領域を操作領域R1〜R4に区分している。
【0029】
この場合、各ガイド部22A〜22Dにおける延び方向と直交する断面形状は、図9に示すように、ほぼ三角山形状をなす。
この第2実施形態においては、操作者が操作ノブ14を操作するときに、その操作方向を明確に認識させることができる。すなわち、例えば、図7において、被操作部15の任意の箇所例えばポイントPa(操作領域R1であるが操作領域R4に近いポイント)を押し操作した場合、ガイド部22Dにより角度0度方向つまり操作領域R1中央方向へ操作ノブ14が傾斜する。これによって、操作者が操作領域R1のどのポイントを押し操作しても操作ノブ14が操作領域R1中央部分を押したとほぼ同じ操作となり、又、操作者が操作領域R1中央方向への操作感を感じるようになる。
【0030】
この結果、この第2実施形態によれば、操作者は、自身の操作方向が操作領域R1であることを認識できる。又、操作者が、仮に操作領域R4方向に操作する意志で前記ポイントPaを押し操作したときには、操作者の操作が操作領域R1であることに明確に気付くので、操作間違いを認識することもできる。
【0031】
なお、他の操作領域R2〜R4の任意のポイントを押圧しても上述と同様の作用効果が得られる。
<その他の実施形態>
図10は第3実施形態を示し、各ガイド部22A〜22Dの断面形状を円弧状に盛り上がって頂部も円弧状をなす形態に形成しており、これによっても第2実施形態と同様の効果を奏する。
【0032】
図11は第4実施形態を示し、前記ガイド部22A〜22D(22B、22Cのみ図示)の突出高さが、前記押圧板13上面における初期接触点13pで低く該初期接触点13pより遠くなるにつれて高くなっているところが第2実施形態(図8)と異なる。これによれば、操作ノブ14の傾き度が大きいほど、大きな操作感が得られると共に、明確な操作領域R1〜R4の区分認識ができる。
図12は第5実施形態を示し、前記ガイド部22A〜22D(22B、22Cのみ図示)の突出高さが、滑らかに高くなっている(曲面的に高くなっている)ところが第4実施形態と異なる。
【0033】
図13及び図14は第6実施形態を示し、この第6実施形態では、区分手段31が、押圧板13に設けた4つの磁石32A〜32Dと、操作ノブ14の湾曲面部17に設けた4つの磁石33A〜33D(そのうち33Bと33Cは図示するが33A、33Dは図示しない)とから構成されているところが第2実施形態と異なる。すなわち、前記押圧板13上面には、前記初期接触点13pを中心として点対称配置形に前記磁石32A〜32Dを、この押圧板13と面一状態に埋設している。この磁石32A〜32Dは上面側がS極を構成している。一方の4つの磁石33A〜33Dは操作ノブ14の湾曲面部17に前記磁石32A〜32Dと対向するように埋設されている。この磁石33A〜33Dは下側(前記磁石32A〜32Dと対向する側)が前記磁石32A〜32Dと同じ磁極のS極を構成している。
【0034】
この第6実施形態では、相互に反発する磁石32A〜32Dと33A〜33Dにより操作ノブ14の操作領域が第2実施形態と同様に操作領域R1〜R4に区分されることになり、前記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、上述の磁極はS極同士でなくN極同士であっても良い。
図15は第7実施形態を示し、4つのガイド部35A〜35D(35B、35Cのみ図示)を操作ノブ14の湾曲面部17側に形成した点が第2実施形態と異なる。この第7実施形態においても第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0035】
図16は第8実施形態を示し、ガイド部の数を変更(例えば8個に変更)した点が第2実施形態と異なる。8個のガイド部37A〜37Hを円周等配形態(45度間隔)に押圧板13に設けている。これによれば、操作領域をR1〜R8の8領域とすることができ、8個の操作位置を検出可能となる。
【0036】
なお、ガイド部の数は90度から時計回りでの270度までの数と270度から時計回りでの90度(0度)までの数を異ならせても良い。
図17〜図19は第9実施形態を示しており、ガイド部39A〜39D(39Bと39Cのみ図示)の突出高さ変化度合いが途中で変化している点が第4実施形態(図11)と異なる。すなわち、ガイド部39B、39Cの途中(ポイントPs、Pt)で、高さの変化度合が急に大きくなっている。
【0037】
この第9実施形態によれば、ガイド部39A〜39Dを利用して図19に示すような節度感(操作抵抗)を得ることができる。
この場合、第10実施形態として示す図20に示すようにポイントPs、Ptで曲率を変えることで高さ度合いを変化させるようにしても良い。この場合、図21に示すような節度感を得ることができる。
又、この場合、第11実施形態として示す図22のように、前記ガイド部39A〜39Dと同様の作用を発揮するガイド部39A´〜39D´(39B´、39C´のみ図示)
を湾曲面部17側に設けても良い。
【0038】
前記ガイド部は、可動式としても良い。つまり、ガイド部を押圧板あるいは湾曲面部から突出可能に可動式としても良い。又、ガイド部のうちのどれかを選択的に可動式としてガイド部の使用個数を変更できるようにしても良い。又、可動式とすることでガイド部を使用する、使用しないを選択するようにしても良い。又、圧力センサは、3個以上であれば良い。
【0039】
なお、前述した第1実施形態と同様の効果を期待できる構成として図24(参考図)に示す構成が考えられる。すなわち、3つの各センサ63に、ホルダ64、ストローク用ばね65及びプッシャ66を備えたプッシャユニット67を夫々設ける構成としている。しかし、この構成では、部品数が多く、組み立て性も悪く、又ストローク用ばね65のばね力設定も難しいという問題がある。
【0040】
これに対して第1実施形態では、部品数も少なく、組み立て性も良く、ストローク用ばねも要しないないなど、図24の構成品に比して有利な効果を奏する。
上述した実施形態では、本発明の操作装置を、自動車のカーナビゲーション装置等の車載器の操作用に適用したが、それ以外にも各種の用途に適用することが可能である等、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
【符号の説明】
【0041】
図面中、1は操作装置、4、5、6は圧力センサ、13は押圧板、14は操作ノブ(操作部材)、15は被操作部、17は湾曲面部、20はコンピュータ、21は区分手段、22A〜22Dはガイド部、32A〜32Dは磁石、33B、33Cは磁石を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
このケースに対して軸方向に押圧操作可能に支持された操作部材と、
このケース内に前記操作部材の外周部に対応して円周方向に並んで複数個が設けられた圧力センサと、
これら圧力センサの全部と前記操作部材との間に配置され、前記操作部材の押圧操作により前記圧力センサを押圧可能な平板状の押圧板と
を備え、
前記操作部材を、周辺部において前記軸方向への操作力が作用するように押圧操作される被操作部を有すると共に、この被操作部における前記押圧板側の部分にほぼ球面状をなす湾曲面部を有する構成とし、且つ、当該湾曲面部のほぼ中心部が前記押圧板に当接するように配置し、
前記操作部材に対する操作者の操作に基づく前記圧力センサの検出信号に基づいて前記操作部材に対する操作位置を検出するようにした操作装置。
【請求項2】
前記操作部材の操作領域を区分する区分手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記区分手段は、前記操作部材の前記湾曲面部と、前記押圧板における当該湾曲面部との当接面とのうちの一方に、前記湾曲面部中心部に対応する部位から放射状に延び、且つ他方側へ突出するガイド部を形成した構成であることを特徴とする請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記ガイド部の突出高さは、前記押圧板の前記当接面における前記湾曲面部中心部に対応する部位で低く該配置中心部相当部位より遠くなるにつれて高くなっていることを特徴とする請求項3に記載の操作装置。
【請求項5】
前記ガイド部の突出高さ変化度合いが途中で変化していることを特徴とする請求項3又は4に記載の操作装置。
【請求項1】
ケースと、
このケースに対して軸方向に押圧操作可能に支持された操作部材と、
このケース内に前記操作部材の外周部に対応して円周方向に並んで複数個が設けられた圧力センサと、
これら圧力センサの全部と前記操作部材との間に配置され、前記操作部材の押圧操作により前記圧力センサを押圧可能な平板状の押圧板と
を備え、
前記操作部材を、周辺部において前記軸方向への操作力が作用するように押圧操作される被操作部を有すると共に、この被操作部における前記押圧板側の部分にほぼ球面状をなす湾曲面部を有する構成とし、且つ、当該湾曲面部のほぼ中心部が前記押圧板に当接するように配置し、
前記操作部材に対する操作者の操作に基づく前記圧力センサの検出信号に基づいて前記操作部材に対する操作位置を検出するようにした操作装置。
【請求項2】
前記操作部材の操作領域を区分する区分手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記区分手段は、前記操作部材の前記湾曲面部と、前記押圧板における当該湾曲面部との当接面とのうちの一方に、前記湾曲面部中心部に対応する部位から放射状に延び、且つ他方側へ突出するガイド部を形成した構成であることを特徴とする請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記ガイド部の突出高さは、前記押圧板の前記当接面における前記湾曲面部中心部に対応する部位で低く該配置中心部相当部位より遠くなるにつれて高くなっていることを特徴とする請求項3に記載の操作装置。
【請求項5】
前記ガイド部の突出高さ変化度合いが途中で変化していることを特徴とする請求項3又は4に記載の操作装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2013−8286(P2013−8286A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141752(P2011−141752)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】
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