説明

擬似衛星測位システム

【課題】移動端末の位置を高精度で測位できる擬似衛星測位システムを安価に実現する。
【解決手段】基準局201の周辺に間隔をおいて複数の中継局202a〜202dを配置し、基準局と各中継局との間を伝送ケーブル101a〜101dを介して接続し、各中継局から各々異なる測位信号を含む無線信号を送信することによって、移動端末203の位置を高精度で測位する擬似衛星測位システムを安価に実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基準局の周辺に間隔をおいて複数の中継局を配置し、前記基準局と複数の中継局との間を各々異なる複数の複数の伝送ケーブルを介して接続し、各中継局から測位信号を含む無線信号を送信することによって、移動端末の位置を高精度で測位できる擬似衛星測位システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の発信手段を用いて測位を行なうシステムが提案されている。(例えば、特許文献1〜3参照)
【特許文献1】特開2005−083888号
【特許文献2】特開2006−023261号
【特許文献3】特開2007−010639号
【0003】
図9は、特許文献1に記載されている従来の「RTK測位システム及びその測位方法」の実施例である。
図9において、1は、RTK(リアルタイムキネマティック)測位を利用して利用者の測位を行うRTK測位システムである。
このRTK測位システム1は、4基のスードライト2と、固定基準局受信手段3と移動基準局受信手段4とからなる2基の基準局受信手段と、ローバー受信手段5と、利用者処理ユニット6と、データリンク7とにより構成されている。
ここで、スードライト2は、衛星の代わりの信号源として使用され、利用者の3次元測位を行う場合は、少なくとも4基必要であり、2次元測位を行う場合は、少なくとも3基が必要であるとされている。
【0004】
上記のように、従来の「RTK測位システム及びその測位方法」では3次元の測位を行なうために少なくとも4基のスードライト(擬似衛星局)が必要であり、更に、利用者処理ユニット6の他に、固定基準局受信手段3と移動基準局受信手段4とからなる2基の基準局受信手段と、ローバー受信機5と、データリンク7が必要であることから、システムが複雑であり、取り扱いが煩雑であり、高価となる問題点があった。
【0005】
一方、特許文献2に記載されている従来の「アクティブタグ装置」では、発信手段1の指向性アンテナの方向31に対向して受信手段2の指向性アンテナ21aと21bを向け、発信手段1が高周波信号を発信中に指向性アンテナ21aと21bを切替えた時に受信した高周波信号のタイミングあるいは振幅あるいは周波数あるいは位相あるいはこれらの組合わせの変化をリアルタイムで検知し、当該発信手段1が位置する方向を検知し、当該発信手段1と受信手段2の距離を検知するとされているが、当該発信手段1と受信手段2の距離を検知する手段あるいは方法が明確にされておらず、受信手段2の3次元の位置を測位する旨の訴求がなされていない問題点がある。
【0006】
また、特許文献3に記載されている従来の「アクティブタグ装置」では、固定される側の発信手段に複数のアンテナを接続し、当該アンテナから個別のシステム同期信号と同期しあるいは直交する複数の測定用信号を周期的に発信し、移動体が携帯する受信手段において当該システム同期信号を受信して相対距離と方向を検知し、相対距離が短いものの平均値から方向を検知することで高い精度で方向を検知するとされているが、相対距離と方向を高精度で検知するための当該システム同期信号あるいは個別の同期信号の役割が記述されたおらず、単一の同期信号を用いるとされているため十分な測位精度が得られないこと、また、受信手段の3次元の位置を測位する旨の訴求がなされていないことなどの問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、基準局の周辺に間隔をおいて複数の中継局を配置し、前記基準局と複数の中継局との間を各々異なる複数の複数の伝送ケーブルを介して接続し、各中継局から測位信号を含む無線信号を送信することによって、移動端末の位置を高精度で測位できる擬似衛星測位システムを安価に実現するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係わる擬似衛星測位システムは、基準局の周辺に間隔をおいて複数の中継局を配置し、前記基準局と各中継局との間を伝送ケーブルを介して接続し、各中継局から各々異なる測位信号を含む無線信号を送信することによって、移動端末の位置を高精度で測位するためのものであり、前記基準局において測位信号を高周波信号を生成し、前記伝送ケーブルを介して前記各中継局に向けて伝送し、
【0009】
前記複数の中継局において、前記高周波信号を直接あるいは増幅器を用いて増幅し、各々の中継局のアンテナから無線信号として移動端末に向けて送信するとともに、前記移動端末では、前記複数の中継局から受信した無線信号から各々異なる複数の測位信号を再生し、前記再生した複数の測位信号と複数の同期発振手段とを高精度で瞬時に同期を確立させ、前記複数の測位信号が休止しもしくは停止した後も同期を高精度で保持させもしくは維持させて、
【0010】
前記複数の測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートの複数の同期信号を生成し、前記生成した複数の同期信号の伝搬時間、伝搬位相、もしくはこれらの両方を測定することによって、前記複数の測位信号の伝搬時間、伝搬位相、もしくはこれらの両方を拡大して高精度で測定し、あるいは前記複数の測位信号の間の伝搬時間差、伝搬位相差、もしくはこれらの両方を拡大して高精度で測定し、前記測定結果から、前記移動端末の位置を双曲線航法もしくは三角法によって高精度で測位を行う。
【発明の効果】
【0011】
本発明の擬似衛星測位システムでは、前記生成した複数の同期信号の伝搬時間、伝搬位相、もしくはこれらの両方を測定することによって、前記複数の測位信号の伝搬時間、伝搬位相、もしくはこれらの両方を拡大して高精度で測定し、あるいは前記複数の測位信号の間の伝搬時間差、伝搬位相差、もしくはこれらの両方を拡大して高精度で測定し、前記測定結果から、前記移動端末の位置を双曲線航法もしくは三角法によって高精度で測位を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
この発明に係わる擬似衛星測位システム100は、図1、図4、図5、図6、および請求項1に本発明の第1の実施の形態を示すように、無線信号を用いて移動端末203の位置を高精度で測位するための擬似衛星測位システム100において、少なくとも1つの基準局201の周辺に、複数の中継局202a〜202dを間隔を置いて配置し、前記基準局と各中継手段との間を伝送ケーブル101a〜101dで接続し、前記基準局が、少なくとも、送信制御手段11と、複数組の信号生成手段12a〜12dと送信手段13a〜13dとを有し、
【0013】
前記送信制御手段が、少なくとも基準となるクロック信号とタイミング信号とを生成し、前記信号生成手段が、前記クロック信号とタイミング信号とに同期して特定の拡散符号を割当てられた測位信号を生成し、前記送信手段が、前記生成された測位信号を含む高周波信号を生成し、前記伝送ケーブルを介して中継局に向けて伝送し、前記中継局が、前記伝送された高周波信号を、直接もしくは増幅器を用いて増幅し、アンテナから無線信号として移動端末に向けて送信し、
【0014】
前記移動端末203が、少なくとも、アンテナ35と、受信手段34と、信号分配手段33と、複数組の信号再生処理手段と、位置測位手段41とを有し、前記アンテナが、前記複数の中継局から送信される無線信号を高周波信号として受信し、前記受信手段が、前記受信した高周波信号を中間周波信号に変換して増幅し、前記信号分配手段が、前記中間周波信号を複数組の中間周波信号に分配し、前記信号再生処理手段が、前記分配された中間周波信号から前記特定の拡散符号を割当てられた測位信号を再生し、
【0015】
前記再生された測位信号から、立上り点、立下り点、あるいはゼロ交差点のタイミングを検出し、前記検出されたタイミングで前記再生された測位信号と高精度で瞬時に同期を確立して同期を保持し、かつ前記測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートで同期信号を生成し、前記生成された同期信号から前記測位信号の伝搬時間、伝搬位相、もしくはこれらの両方を測定し、前記位置測位手段が、前記複数組の信号再生処理手段による複数組の測定結果から、自局の位置を双曲線航法もしくは三角法によって高精度で測位を行う。
【0016】
また、図2、図7、図8、および請求項2に本発明の第2の実施の形態を示すように、無線信号を用いて移動端末203の位置を高精度で測位するための擬似衛星測位システム100において、少なくとも1つの基準局201の周辺に、複数の中継局202a〜202dを間隔を置いて配置し、前記基準局と各中継手段との間を伝送ケーブル101a〜101dで接続し、前記基準局が、少なくとも、送信制御手段11と、信号生成手段12と、送信手段13と、高周波信号切替手段14とを有し、
【0017】
前記送信制御手段が、少なくとも基準となるクロック信号とタイミング信号とを複数組生成し、前記信号生成手段が、前記複数組のクロック信号とタイミング信号とに同期して割当てられたタイムスロット毎に少なくとも複数組の測位信号を生成し、前記送信手段が、前記生成された複数組の測位信号を含む高周波信号をバースト信号として間欠的に生成し、前記高周波信号切替手段が、前記生成された高周波信号を前記タイムスロットに合わせて複数組の高周波信号に切替えて、各組ごとに前記伝送ケーブルを介して中継局に向けて伝送し、
【0018】
前各中継局が、前記伝送された高周波信号を直接もしくは増幅器を用いて増幅し、アンテナを介して無線信号として移動端末に向けて送信し、前記移動端末が、少なくとも、アンテナ35と、受信手段34と、信号再生処理手段と、位置測位手段41とを有し、前記アンテナが、前記複数の中継局から送信される無線信号を高周波信号として受信し、前記受信手段が、前記受信した高周波信号を中間周波信号に変換して増幅し、
【0019】
前記信号再生処理手段が、前記中間周波信号から前記タイムスロット毎に割当てられた複数組の測位信号を再生し、前記複数組の測位信号から、各組毎に、立上り点、立下り点、あるいはゼロ交差点のタイミングを検出し、前記各組ごとに検出されたタイミングで高精度で瞬時に同期を確立して同期を保持し、
【0020】
かつ前記同期を保持された測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートで複数組の同期信号を生成し、前記生成された複数組の同期信号から前記測位信号の伝搬時間、伝搬位相、もしくはこれらの両方を測定し、前記位置測位手段が、前記位相測定手段による複数組の測定結果から、自局の位置を双曲線航法もしくは三角法によって高精度で測位を行う。
【0021】
また、請求項3に本発明の第3の実施の形態を示すように、無線信号を用いて移動端末203の位置を高精度で測位するための擬似衛星測位システム100において、少なくとも1つの基準局201の周辺に、複数の中継局202a〜202dを間隔を置いて配置し、前記基準局と各中継手段との間を伝送ケーブル101a〜101dで接続し、前記移動端末が、少なくとも、送信制御手段11と、信号生成手段12と、送信手段13とを有し、
【0022】
前記送信制御手段が、少なくとも基準となるクロック信号とタイミング信号とを生成し、前記信号生成手段が、前記クロック信号とタイミング信号とに同期して少なくとも特定の測位信号を生成し、前記送信手段が、前記生成された測位信号を含む高周波信号を連続的にあるいはバースト信号として間欠的に生成し、アンテナから無線信号として前記複数の中継局に向けて送信し、
【0023】
前記各中継局が、前記無線信号をアンテナで受信して高周波信号とし、直接もしくは低雑音増幅器を用いて増幅し、前記伝送ケーブルを介して基準局に向けて伝送し、前記基準局が、少なくとも、複数組の受信手段、複数組の信号再生処理手段と、位置測位手段とを有し、前記受信手段が、前記各伝送ケーブルを介して伝送された高周波信号を中間周波信号に変換して増幅し、前記信号再生処理手段が、前記中間周波信号から特定の測位信号を再生し、
【0024】
前記再生された測位信号から、立上り点、立下り点、あるいはゼロ交差点のタイミングを検出し、前記検出されたタイミングで前記再生された測位信号と高精度で瞬時に同期を確立して同期を保持し、かつ前記同期発振手段が、前記測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートで同期信号を生成し、あるいは前記各組の信号再生手段と同期検出手段と同期発振手段とが遅延ロックループを構成し、
【0025】
前記測位信号と高精度で同期を確立して同期を保持し、かつ前記同期を保持された測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートで同期信号を生成し、前記生成された同期信号から前記測位信号の伝搬時間、伝搬位相、もしくはこれらの両方を測定し、前記位置測位手段が、前記複数組の信号再生処理手段による複数組の測定結果から、前記移動端末の位置を双曲線航法もしくは三角法によって高精度で測位を行う。
【0026】
また、請求項4に本発明の第4の実施の形態を示すように、無線信号を用いて移動端末203の位置を高精度で測位するための擬似衛星測位システム100において、少なくとも1つの基準局201の周辺に、複数の中継局202a〜202dを間隔を置いて配置し、前記基準局と各中継手段との間を伝送ケーブル101a〜101dで接続し、前記移動端末が、少なくとも、送信制御手段と、信号生成手段と、送信手段とを有し、
【0027】
前記送信制御手段が、少なくとも基準となるクロック信号とタイミング信号とを複数組生成し、前記信号生成手段が、前記複数組のクロック信号とタイミング信号とに同期して割当てられたタイムスロットで少なくとも複数組の測位信号を生成し、前記送信手段が、前記生成された複数組の測位信号を含む高周波信号をバースト信号として間欠的に生成し、アンテナから無線信号として前記複数の中継局に向けて送信し、
【0028】
前記各中継局が、前記無線信号をアンテナで受信して高周波信号とし、直接もしくは低雑音増幅器を用いて増幅し、前記伝送ケーブルを介して基準局に向けて伝送し、前記基準局が、少なくとも、高周波信号切替手段と、受信手段と、信号再生処理手段と、位置測位手段とを有し、前記高周波信号切替手段が、前記複数の中継局から各伝送ケーブルを介して伝送された複数の高周波信号を前記割当てられたタイムスロットで切替えて共通の高周波信号とし、
【0029】
前記受信手段が、前記切替えられた共通の高周波信号を中間周波信号に変換して増幅し、前記信号再生処理手段が、前記中間周波信号からタイムスロット毎に割当てられた複数組の測位信号を再生し、前記複数組の測位信号から、各組毎に、立上り点、立下り点、あるいはゼロ交差点のタイミングを検出し、
前記検出されたタイミングで前記再生された測位信号と高精度で瞬時に同期を確立して同期を保持し、
【0030】
かつ前記同期を保持された測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートで複数組の同期信号を生成し、前記生成された複数組の同期信号から前記測位信号の伝搬時間、伝搬位相、もしくはこれらの両方を測定し、前記位置測位手段が、前記信号再生処理手段による複数組の測定結果から、前記移動端末の位置を双曲線航法もしくは三角法によって高精度で測位を行う。
【0031】
また、図4、図5、図7、および請求項5に示すように、前記信号再生処理手段が、少なくとも、信号再生手段32と、同期検出手段44と、同期発振手段43と、位相測定手段42とを有し、前記信号再生手段32が、前記中間周波信号から測位信号を再生し、前記同期検出手段44が、前記再生された測位信号から、立上り点、立下り点、あるいはゼロ交差点のタイミングを検出し、前記同期発振手段43が、前記検出されたタイミングで前記再生された測位信号と高精度で瞬時に同期を確立して同期を保持し、
【0032】
かつ前記同期を保持された測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートで同期信号を生成し、あるいは前記信号再生手段32と同期検出手段44と同期発振手段43とが遅延ロックループを構成し、前記再生された測位信号と高精度で瞬時に同期を確立して同期を保持し、かつ前記同期を保持された測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートで同期信号を生成し、前記位相測定手段42が、前記生成された同期信号から前記測位信号の伝搬時間、伝搬位相、もしくはこれらの両方を測定する。
【0033】
また、請求項6に示すように、前記測位信号が、搬送波信号、副搬送波信号、変調信号、スペクトル拡散符号、もしくはこれらの組合せである。
また、請求項7に示すように、前記基準局から送信される高周波信号に少なくとも報知信号が含まれ、前記報知信号に、少なくとも、基準局の位置に関する情報、各中継局の位置に関する情報、あるいはこれあの両方が含まれている。
【0034】
また、請求項8に示すように、前記基準局もしくは移動端末が前記移動端末の位置を測位する際に、前記同期発振手段が生成する同期信号の周波数を、前記位相測定手段に要求される測位レンジに合わせて設定し、あるいは前記同期発振手段が異なる周波数の複数の同期信号を生成し、前記複数の同期信号の中から、前記位相測定手段に要求される測位レンジに合わせて最適なものを選択することによって、高い測位精度を実現する。
【0035】
また、請求項9に示すように、前記位相測定手段の測位レンジを長い尺度のものから順次短い尺度のものに変化させ、あるいは切替えて設定することによって、最適の測位レンジを用いて前記移動体の位置を高精度で測位する。
また、請求項10に示すように、前記信号生成手段、信号再生手段、もしくは信号再生処理手段において、前記測位信号が、無線信号の搬送波信号あるいは副搬送波信号である場合には、直接群遅延歪みおよび遅延誤差の少ない帯域通過フイルタを通し、あるいは無線信号の搬送波信号あるいは副搬送波信号を変調した変調信号である場合には、遅延誤差の少ないアナログ復調器もしくは高い周波数のクロック信号を用いた遅延誤差の少ないデジタル復調器によって復調した後に前記帯域通過フイルタを通して再生する。
【0036】
また、請求項11に示すように、前記信号再生処理手段もしくは同期発振手段が、基準発振器の発振周波数を位相同期発振器によって高い周波数に変換して駆動される、セットあるいはリセット付きのカウンタあるいは数値制御発振器によって構成され、前記同期検出手段が、少なくとも128MHz以上の周波数のサンプリング信号を用いて、前記再生された測位信号の立上り点、立下り点、あるいはゼロ交差点のタイミングを検出し、前記検出したタイミングでセットあるいはリセット付きのカウンタあるいは数値制御発振器をセットしもしくはリセットすることによって、前記同期発振手段と前記測位信号とが短時間で同期を確立し、かつ前記測位信号が停止しあるいは消滅した後も、比較的に長時間、同期を保持できる。
【0037】
また、請求項12に示すように、前記信号再生処理手段もしくは位相測定手段が、前記再生した測位信号あるいは生成した同期信号の周波数の、4の整数倍のサンプリング周波数で、かつ4ビット以上のアナログデジタル変換器を用いてデジタル信号に変換し、Sinのルックアップテーブルとして0、1、0、−1、もしくは1、1、−1、−1、を用い、Cosのルックアップテーブルとして1、0、−1、0もしくは1、−1、−1、1、を用い、前記変換したデジタル信号とルックアップテーブルとの積和演算を行う。
【0038】
また、請求項13に示すように、前記無線信号の周波数が、GPSに割当てられた周波数、その近傍の周波数、法令によって定められた周波数、もしくはこれらの組み合わせである。
【0039】
(実施の形態1)
図1、図4、図5、図6は本発明の第1の実施の形態による擬似衛星測位システムの構成図である。図1はシステム構成図であり、無線信号を用いて移動端末203の位置を高精度で測位するための擬似衛星測位システムにおいて、少なくとも1つの基準局201の周辺に、複数の中継局202a〜202dを間隔を置いて配置し、前記基準局と各中継手段との間を伝送ケーブル101a〜101dで接続し、前記各中継局から無線信号が伝搬経路102a〜102dを経由して前記移動端末203に伝送され、移動端末203において前記無線信号を受信することで自己の位置を高精度で測位する。
【0040】
図4、図5は基準局201および移動端末203の構成図であり、前記基準局が、少なくとも、送信制御手段11と、複数組の信号生成手段12a〜12dと送信手段13a〜13dとを有し、前記送信制御手段が、少なくとも基準となるクロック信号とタイミング信号とを生成し、前記信号生成手段が、前記クロック信号とタイミング信号とに同期して特定の拡散符号を割当てられた測位信号を生成し、
【0041】
前記送信手段が、前記生成された測位信号を含む高周波信号を生成し、前記伝送ケーブルを介して各中継局に向けて伝送し、前記各中継局が、前記伝送ケーブル101a〜101dを介して伝送された高周波信号を、直接もしくは増幅器を用いて増幅し、各アンテナ(記載せず)から無線信号として移動端末に向けて送信し、前記移動端末203が、少なくとも、アンテナ35と、受信手段34と、信号分配手段33と、複数組の信号再生処理手段と、位置測位手段41とを有し、前記アンテナが、前記各中継局から送信される無線信号を高周波信号として受信し、前記受信手段が、前記受信した高周波信号を中間周波信号に変換して増幅し、前記信号分配手段が、前記中間周波信号を複数の中間周波信号に分配し、
【0042】
前記信号再生処理手段が、前記分配された中間周波信号から特定の拡散符号を割当てられた測位信号を再生し、前記再生された測位信号から、立上り点、立下り点、あるいはゼロ交差点のタイミングを検出し、前記検出されたタイミングで前記再生された測位信号と高精度で瞬時に同期を確立して同期を保持し、かつ前記同期を保持された測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートで同期信号を生成し、前記生成された同期信号から前記同期信号の伝搬時間、伝搬位相、もしくはこれらの両方を測定し、前記位置測位手段が、前記複数組の信号生成処理手段による複数組の測定結果から、自局の位置を双曲線航法もしくは三角法によって高精度で測位を行う。
【0043】
なお、前記信号再生処理手段は、少なくとも信号再生手段32a〜32dと同期検出手段44a〜44dと同期発振手段43a〜43dと位相測定手段42a〜42dとを有し、前記信号再生手段が、前記中間周波信号から測位信号を再生し、前記同期検出手段が、前記再生された測位信号から、立上り点、立下り点、あるいはゼロ交差点のタイミングを検出し、前記同期発振手段が、前記検出されたタイミングで前記再生された測位信号と高精度で瞬時に同期を確立して同期を保持し、かつ前記同期を保持された測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートで同期信号を生成し、
【0044】
あるいは前記信号再生手段と同期検出手段と同期発振手段とが遅延ロックループを構成し、前記再生された測位信号と高精度で同期を確立して同期を保持し、かつ前記同期を保持された測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートで同期信号を生成し、前記位相測定手段が、前記生成された同期信号から前記測位信号の伝搬時間、伝搬位相、もしくはこれらの両方を測定することができる。
【0045】
図6はタイミングチャートであり、61aは基準局201の信号生成手段12aで生成された測位信号、61bは伝送ケーブル101aを経由して中継局Aから送信される無線信号に含まれる第1の測位信号、61cは伝搬路102aを伝搬した後移動端末203で受信した無線信号に含まれる第1の測位信号、61dは測位信号61cと同期を確立した同期発振手段43aで生成される第1の同期信号、62aは基準局201の信号生成手段12bで生成された第2の測位信号、
【0046】
62bは伝送ケーブル101bを経由して中継局Bから送信される無線信号に含まれる第2の測位信号、62cは伝搬路102bを伝搬した後移動端末203で受信した無線信号に含まれる第2の測位信号、62dは測位信号62cと同期を確立した同期発振手段43bで生成される第2の同期信号であり、103は第1の同期信号61dと第2の同期信号62dとの間の位相差、63a〜63cは第1の測位信号と第1の同期信号の時間軸、64a〜64cは第2の測位信号と第2の同期信号の時間軸である。
【0047】
前記同期信号61d、62dは測位信号61c、62cの周波数もしくはチップレートの整数倍に設定できるので、前記同期信号の周波数もしくはチップレートを高くとると、前記位相差103は大きくなるので、測位レンジを短くしたのと等価となり、前記位相差103は拡大されるので、更に測位精度が高くなることが分かる。
【0048】
例えば、同期信号の周波数が1MHzの場合、300m毎に360°位相が変化するのに対して、同期信号の周波数が10MHzの場合、30m毎に360°位相が変化するので、位相差の測定精度が±1°の場合、前者では測位精度が±83cmであるのに対して、後者では±8cmとなって1桁改善できることが分かる。特に、同期信号61d、62dは、測位信号61c、62cが停止した後も、同期が比較的に長時間高安定に保持されるので、同期信号61dと62dとの間の位相差が比較的に長い時間をかけて測定可能となる。
【0049】
前記基準局201から送信される第1の測位信号61aをASin(2πf1t)とすると、前記第1の測位信号61aが長さL1(m)の伝送ケーブル101aを伝送し、前記中継局202aに到達すると、前記第1の測位信号61aの位相は、BSin{2πf1t+(2πL1(f1/C)}に変化する。続いて、距離L2(m)の無線伝搬路102aを伝搬して移動端末203に到達すると、前記第1の測位信号61cの位相は、CSin{2πf1t+(L1+L2)(2πf1)/C)}に変化し、従って、同期信号61dの位相は、CSin{2πf1t+(L1+L2)(2πf1)/C)}となる。ここで、Cは光の速度とする。
【0050】
同様に、第2の測位信号62c〜第4の測位信号64cについても、同期発振手段によって第2の同期信号62d〜第4の同期信号64dを生成できると、双曲線航法あるいは三角法により、前記移動端末203の位置を高精度で測位することができる。
【0051】
(実施の形態2)
図2、図7、図8は本発明の第2の実施の形態による擬似衛星測位システムの構成図である。図2はシステム構成図であり、無線信号を用いて移動端末203の位置を高精度で測位するための擬似衛星測位システムにおいて、少なくとも1つの基準局201の周辺に、複数の中継局202a〜202dを間隔を置いて配置し、前記基準局と各中継手段との間を伝送ケーブル101a〜101dで接続し、前記各中継局から無線信号が伝搬経路102a〜102dを経由して前記移動端末203に伝送され、移動端末203において前記無線信号を受信することで自己の位置を高精度で測位することができる。
【0052】
図7は基準局および移動端末の構成図であり、前記基準局201が、少なくとも、送信制御手段11と、信号生成手段12と、送信手段13と、高周波信号切替手段14とを有し、前記送信制御手段が、少なくとも基準となるクロック信号とタイミング信号とを複数組生成し、前記信号生成手段が、前記複数組のクロック信号とタイミング信号とに同期して割当てられたタイムスロット毎に複数組の測位信号を生成し、前記送信手段が、前記生成された複数組の測位信号を含む高周波信号をバースト信号として間欠的に送信し、
【0053】
前記高周波信号切替手段が、前記生成された高周波信号を前記タイムスロットに合わせて切替えて、前記伝送ケーブルを介して各中継局に向けて伝送し、前記中継局が、前記伝送ケーブルを介して伝送された高周波信号を直接もしくは増幅器を用いて増幅し、前記高周波信号をアンテナから無線信号として移動端末に向けて送信し、前記移動端末203が、少なくとも、アンテナ35と、受信手段34と、信号再生処理手段と、位置測位手段41とを有し、
【0054】
前記アンテナが、前記各中継局から送信される無線信号を高周波信号として受信し、前記受信手段が、受信した高周波信号を中間周波信号に変換して増幅し、前記信号再生処理手段が、前記中間周波信号から前記タイムスロット毎に割当てられた複数組の測位信号を再生し、前記再生した複数組の測位信号から、各組ごとに、立上り点、立下り点、あるいはゼロ交差点のタイミングを検出し、
【0055】
前記各組ごとに検出されたタイミングで前記複数組の測位信号と高精度で瞬時に同期を確立して同期を保持し、かつ前記同期を保持された複数組の測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートで複数組の同期信号を生成し、前記生成された複数組の同期信号から前記複数組の測位信号の伝搬時間、伝搬位相、もしくはこれらの両方を測定し、前記位置測位手段が、前記信号再生処理手段による複数組の測定結果から、自局の位置を双曲線航法もしくは三角法によって高精度で測位を行うことができる。
【0056】
なお、前記信号再生処理手段は、少なくとも信号再生手段32と同期検出手段44と同期発振手段43と位相測定手段42とを有し、前記信号再生手段が、前記中間周波信号から複数組の測位信号を再生し、前記同期検出手段が、前記再生された複数組の測位信号から、各組毎に、立上り点、立下り点、あるいはゼロ交差点のタイミングを検出し、前記同期発振手段が、前記検出されたタイミングで前記再生された複数組の測位信号と高精度で瞬時に同期を確立して同期を保持し、かつ前記同期を保持された複数組の測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートで複数組の同期信号を生成し、
【0057】
あるいは前記信号再生手段と同期検出手段と同期発振手段とが遅延ロックループを構成し、前記再生された複数組の測位信号と高精度で同期を確立して同期を保持し、かつ前記同期を保持された複数組の測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートで複数組の同期信号を生成し、前記位相測定手段が、前記生成された複数組の同期信号から前記複数組の測位信号の伝搬時間、伝搬位相、もしくはこれらの両方を測定することができる。
【0058】
図8はタイミングチャートであり、61aは基準局201の信号生成手段12aで生成され第1のタイムスロットに割当てられた測位信号、61bは伝送ケーブル101aを経由して中継局Aから送信される無線信号に含まれる第2のタイムスロットに割当てられた測位信号、61cは伝搬路102aを伝搬した後移動端末203で受信した無線信号に含まれる第1のタイムスロットに割当てられた測位信号、61dは測位信号61cと同期を確立した同期発振手段43aで生成される同期信号、
【0059】
62aは基準局201の信号生成手段12bで生成された第2のタイムスロットに割当てられた測位信号、62bは伝送ケーブル101bを経由して中継局Bから送信される無線信号に含まれる測位信号、62cは伝搬路102bを伝搬した後移動端末203で受信した無線信号に含まれる測位信号、62dは測位信号62cと同期を確立した同期発振手段43bで生成される同期信号であり、103は同期信号61dと62dとの間の位相差、104はタイムスロットの間隔である。
【0060】
前記同期信号61d、62dは測位信号61c、62cの周波数もしくはチップレートの整数倍に設定できるので、前記同期信号の周波数もしくはチップレートを高くとると、前記位相差103は大きくなるので、測位レンジを短くしたのと等価となり、前記位相差103は拡大されるので、更に測位精度が高くなることが分かる。例えば、同期信号の周波数が1MHzの場合、300m毎に360°位相が変化するのに対して、同期信号の周波数が10MHzの場合、30m毎に360°位相が変化するので、位相差の測定精度が±1°の場合、前者では測位精度が±83cmであるのに対して、後者では±8cmとなって1桁改善できることが分かる。
【0061】
特に、同期信号61dは、第1のタイムスロットに割当てられた測位信号61cが停止した後も第4のタイムスロットが終わるまで、比較的に長時間、同期を安定に保持できるので、第4の同期信号64dとの位相差まで高精度で測定可能となる。
なお、図中に示すシステム同期信号は複数ビットのユニークワードであり、±100ナノ秒程度の精度で前記基準局と移動端末との間の制御タイミングを合わせることができるが、この程度の精度で前記位相差を検出すると、距離の測定誤差が数十mと大きくなる問題点がある。
【0062】
また、MACレイヤは、少なくとも、符号長、識別番号、相手先番号、報知信号、誤り訂正符号、もしくはこれらの組合せから構成され、前記システム同期信号とセットになって生成される。
また、前記MACレイヤの継続時間を0.5ms〜1ms程度とし、前記測位信号の継続時間を各々1ms程度とすると、4タイムスロットの合計で6ms〜8ms程度の継続時間となる。前記継続時間の間、基準局の基準発振器の周波数安定度と移動端末の基準発振器の周波数安定度に差がある場合でも、第1の測位信号〜第4の測位信号の間の相対的な位相関係は均一に保たれることになり、高精度の測位が可能となる効果がある。
【0063】
(実施の形態3)
本発明の第3の実施の形態による擬似衛星測位システムは、図4における移動端末を送信側とし、基準局を受信側として置換えられた形となり、信号の流れは全て逆方向となる。従って、前記移動端末が、少なくとも、送信制御手段と、信号生成手段と、送信手段とを有し、前記送信制御手段が、少なくとも基準となるクロック信号とタイミング信号とを生成し、前記信号生成手段が、前記クロック信号とタイミング信号とに同期して少なくとも特定の測位信号を生成し、前記送信手段が、前記生成された測位信号を含む高周波信号を連続的にあるいはバースト信号として間欠的に生成し、アンテナから無線信号として前記複数の中継局に向けて送信し、
【0064】
前記各中継局が、前記無線信号をアンテナで受信して高周波信号とし、直接もしくは低雑音増幅器を用いて増幅し、前記伝送ケーブルを介して基準局に向けて伝送し、前記基準局が、少なくとも、複数組の受信手段と、複数組の信号再生処理手段と、位置測位手段とを有し、前記各組の受信手段が、前記各伝送ケーブルを介して伝送された高周波信号を中間周波信号に変換して増幅し、前記各組の信号再生処理手段が、前記中間周波信号から特定の測位信号を再生し、
【0065】
前記再生された測位信号から、立上り点、立下り点、あるいはゼロ交差点のタイミングを検出し、前記検出されたタイミングで前記再生された測位信号と高精度で瞬時に同期を確立して同期を保持し、かつ前記同期を保持された測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートで同期信号を生成し、前記測位信号と高精度で同期を確立して同期を保持し、かつ前記測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートで同期信号を生成し、前記位相測定手段が、前記整数倍の周波数もしくはチップレートの同期信号の伝搬時間、伝搬位相、もしくはこれらの両方を測定し、前記位置測位手段が、前記複数組の信号再生処理手段による複数組の測定結果から、前記移動端末の位置を双曲線航法もしくは三角法によって高精度で測位を行う。
【0066】
なお、前記信号再生処理手段は、少なくとも信号再生手段32と同期検出手段44と同期発振手段43と位相測定手段42とを有し、前記信号再生手段が、前記中間周波信号から測位信号を再生し、前記同期検出手段が、前記再生された測位信号から、立上り点、立下り点、あるいはゼロ交差点のタイミングを検出し、前記同期発振手段が、前記検出されたタイミングで前記再生された測位信号と高精度で瞬時に同期を確立して同期を保持し、かつ前記同期を保持された測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートで同期信号を生成し、
【0067】
あるいは前記信号再生手段と同期検出手段と同期発振手段とが遅延ロックループを構成し、前記再生された測位信号と高精度で同期を確立して同期を保持し、かつ前記同期を保持された測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートで同期信号を生成し、前記位相測定手段が、前記生成された同期信号から前記測位信号の伝搬時間、伝搬位相、もしくはこれらの両方を測定することができる。
【0068】
(実施の形態4)
本発明の第4の実施の形態による擬似衛星測位システムは、図7における移動端末を送信側とし、基準局を受信側として置換えられた形となり、信号の流れは全て逆方向となる。従って、前記移動端末が、少なくとも、送信制御手段と、信号生成手段と、送信手段とを有し、前記送信制御手段が、少なくとも基準となるクロック信号とタイミング信号とを複数組生成し、前記信号生成手段が、前記複数組のクロック信号とタイミング信号とに同期して割当てられたタイムスロットで少なくとも複数組の測位信号を生成し、前記送信手段が、前記生成された複数組の測位信号を含む高周波信号をバースト信号として間欠的に生成し、アンテナから無線信号として前記複数の中継局に向けて送信する。
【0069】
前記各中継局が、前記無線信号をアンテナで受信して高周波信号とし、直接もしくは低雑音増幅器を用いて増幅し、前記伝送ケーブルを介して基準局に向けて伝送し、前記基準局が、少なくとも、高周波信号切替手段と、受信手段と、信号再生処理手段と、位置測位手段とを有し、前記高周波信号切替手段が、前記複数の中継局から各伝送ケーブルを介して伝送された複数の高周波信号を前記割当てられたタイムスロットで切替えて少なくとも周波数が共通な高周波信号とし、
【0070】
前記受信手段が、前記切替えられた単一の高周波信号を中間周波信号に変換して増幅し、前記信号再生処理手段が、前記中間周波信号からタイムスロット毎に割当てられた複数組の測位信号を再生し、前記再生された複数組の測位信号から、各組毎に、立上り点、立下り点、あるいはゼロ交差点のタイミングを検出し、前記検出されたタイミングで前記再生された複数組の測位信号と高精度で瞬時に同期を確立して同期を保持し、
【0071】
かつ前記同期を保持された複数組の測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートで複数組の同期信号を生成し、前記生成された複数組の同期信号から前記複数組の測位信号の伝搬時間、伝搬位相、もしくはこれらの両方を測定し、前記位置測位手段が、前記信号生成手段による複数組の測定結果から、前記移動端末の位置を双曲線航法もしくは三角法によって高精度で測位を行う。
【0072】
なお、前記信号再生処理手段は、少なくとも信号再生手段32と同期検出手段44と同期発振手段43と位相測定手段42とを有し、前記信号再生手段が、前記中間周波信号から複数組の測位信号を再生し、前記同期検出手段が、前記再生された複数組の測位信号から、各組毎に、立上り点、立下り点、あるいはゼロ交差点のタイミングを検出し、前記同期発振手段が、前記検出されたタイミングで前記再生された複数組の測位信号と高精度で瞬時に同期を確立して同期を保持し、かつ前記同期を保持された複数組の測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートで複数組の同期信号を生成し、
【0073】
あるいは前記信号再生手段と同期検出手段と同期発振手段とが遅延ロックループを構成し、前記再生された複数組の測位信号と高精度で同期を確立して同期を保持し、かつ前記同期を保持された複数組の測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートで複数組の同期信号を生成し、前記位相測定手段が、前記生成された複数組の同期信号から前記複数組の測位信号の伝搬時間、伝搬位相、もしくはこれらの両方を測定することができる。
【0074】
図3は、本発明の擬似衛星測位システムによる位置の測位原理の説明図である。図3において、300は地面、202a、202bは中継局、211aは前記中継局202aと202bとの中間点の真下の位置、211bは前記中継局202bの真下の位置、211cは前記中間点の真下の位置211aから5mの位置、212aは各中継局の間隔、212bは各中継局の高さ、212c、212dは中間点の真下211aから、地点211b、地点211cまでの距離である。各中継局202a、202bが擬似衛星局であり、測位信号が連続送信されており、地面300からの高さが5mであり、間隔212aは60cmであるとする。
【0075】
移動端末203が地点211aにある場合には各中継局202a、202bから受信する無線信号に含まれる測位信号の位相は同相であるが、地点211b、211cにある場合には中継局202aから受信する無線信号に含まれる測位信号の方が、中継局202bから受信する無線信号に含まれる測位信号より遅れていることになる。
【0076】
前記移動端末203の同期発振手段が生成する同期信号の周波数を30MHzとすると、前記測位レンジは10mとなるので、(1)中継局202aから地点211bまでの距離は5.0359mであり、中継局202bから地点211bまでの距離より0.0359m長いことになり、前記0.0359mの距離差に対応する位相差ΔΦは、ΔΦ=360°×(0.0359m/10m)≒1.29°となり、(2)中継局202aから地点211cまでの距離は約7.286m、中継局202bから地点211cまでの距離は約6.862mから、両者の距離差は0.424mとなり、前記0.424mの距離差に対応する位相差ΔΦは、ΔΦ=360°×(0.424m/10m)=15.24°となる。
【0077】
ここで、前記位相測定手段の位相測定精度は、実施の形態1によれば、GPSと同様に連続送信されるので、10ミリ秒間の平均値をとった場合で、±1°程度が実現できることから、1秒間の移動平均値では±0.1°程度が実現できることになり、位置の測位精度ΔLは、測位レンジが10mであることから、ΔL=±0.1×(10m/360°)≒±0.3cmとなる。更に、4個の中継局を利用して双曲線航法により測位をすると、測位誤差は更に2分の1程度に削減でき、測位誤差として±0.15cm程度が実現できることになる。
【0078】
一方、実施の形態2によれば、4つのタイムスロットを設けて8msのバースト信号を0.5s周期で間欠発信するので、前記位相測定手段の位相測定精度は、5回の移動平均をとる場合で、±1°程度となるので、位置の測位精度ΔLは、測位レンジが10mであることから、ΔL=±1×(10m/360°)≒±3cmとなる。
【0079】
以上の説明では、単一の周波数の同期信号を用いる場合について説明したが、位相変化ΔΦを、0<ΔΦ<2πに制限する必要があることから、同期信号信号として、周波数が異なる複数の同期信号を用いると、複数の測位レンジで位置を測位できることになり、測位したい位置に最適の測位レンジを合わせることで、精密な位置の検知が可能となるメリットが得られる。
また、前記中継局から送信する測位信号は、周波数分割多重方式、あるいはOFDM方式で同時送信することができる。
【0080】
また、前記中継局と移動端末のいずれか一方あるいは両方に、複数のアンテナを接続し、周期的に切替えながら測位信号を発信しあるいは受信して前記複数のアンテナに対応する位相差を測定し、位相差の少ないものを選択することで、無線信号の伝搬路で生じるマルチパスによって生じる測位誤差を軽減し、補正し、あるいは補完することによって、信頼性の高い高精度の位置検知システムを実現できる。
【0081】
また、前記無線信号として、超音波信号、高周波信号、もしくは光信号を用いることができる。なお、超音波信号もしくは光信号の場合には、アンテナの代わりに、送受波器を用いる。
また、無線信号として、時分割同時送受話(TDD)方式の代わりに、周波数分割同時送受話(FDD)方式を用いても同様な効果が得られる。
また、前記無線信号の周波数として、GPSに割当てられた周波数、その近傍の周波数、法令に定められた周波数、基準局および各中継局で異なる拡散符号、もしくはこれらの組み合わせによる周波数を割当てることが出来れば、GPSをシームレス化できる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明によれば、安価な設備で、GPSのシームレス化を広域で実現できるほか、移動端末をRFタグに置き換えて物流管理にも応用できる。
なお、本発明の擬似衛星測位技術は基盤技術であり、上記以外に多分野での利用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1の実施の形態による擬似衛星測位システムの構成図
【図2】本発明の第2の実施の形態による擬似衛星測位システムの構成図
【図3】本発明の擬似衛星測位システムによる位置の測位原理の説明図
【図4】本発明の第1の実施の形態による基準局および移動端末の構成図
【図5】本発明の第1の実施の形態による受信制御手段の構成図
【図6】本発明の第1の実施の形態による測位信号のタイミングチャート
【図7】本発明の第2の実施の形態による基準局および移動端末の構成図
【図8】本発明の第2の実施の形態による測位信号のタイミングチャート
【図9】従来の実施例を示す構成図
【符号の説明】
【0084】
1 RTK測位システム
2 複数のスードライト
3 固定基準局受信手段
4 移動基準局受信手段
5 ローバー受信手段
6 利用者処理ユニット
7 データリンク
100 擬似衛星測位システム
101a〜101d 基準局と中継局の間の伝送ケーブル
102a〜102d 移動端末と中継局との間の無線信号の伝搬経路
201 基準局
201 基準局
202a〜202d 中継局
203 移動端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線信号を用いて移動端末の位置を高精度で測位するための擬似衛星測位システムにおいて、
少なくとも1つの基準局の周辺に、複数の中継局を間隔を置いて配置し、前記基準局と各中継手段との間を伝送ケーブルで接続し、
前記基準局が、少なくとも、送信制御手段と、複数組の信号生成手段と送信手段とを有し、
前記送信制御手段が、少なくとも基準となるクロック信号とタイミング信号とを生成し、
前記信号生成手段が、前記クロック信号とタイミング信号とに同期して特定の拡散符号を割当てられた測位信号を生成し、
前記送信手段が、前記生成された測位信号を含む高周波信号を生成し、前記伝送ケーブルを介して中継局に向けて伝送し、
前記中継局が、前記伝送された高周波信号を、直接もしくは増幅器を用いて増幅し、アンテナから無線信号として移動端末に向けて送信し、
前記移動端末が、少なくとも、アンテナと、受信手段と、信号分配手段と、複数組の信号再生処理手段と、位置測位手段とを有し、
前記アンテナが、前記複数の中継局から送信される無線信号を高周波信号として受信し、
前記受信手段が、前記受信した高周波信号を中間周波信号に変換して増幅し、
前記信号分配手段が、前記中間周波信号を複数組の中間周波信号に分配し、
前記信号再生処理手段が、前記分配された中間周波信号から、前記特定の拡散符号を割当てられた測位信号を再生し、前記再生された測位信号から、立上り点、立下り点、あるいはゼロ交差点のタイミングを検出し、前記検出されたタイミングで前記再生された測位信号と高精度で瞬時に同期を確立して同期を保持し、かつ前記同期を保持された測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートで同期信号を生成し、前記生成された同期信号から前記測位信号の伝搬時間、伝搬位相、もしくはこれらの両方を測定し、
前記位置測位手段が、前記複数組の信号再生処理手段による複数組の測定結果から、自局の位置を双曲線航法もしくは三角法によって高精度で測位を行う
ことを特徴とする擬似衛星測位システム。
【請求項2】
無線信号を用いて移動端末の位置を高精度で測位するための擬似衛星測位システムにおいて、
少なくとも1つの基準局の周辺に、複数の中継局を間隔を置いて配置し、前記基準局と各中継手段との間を伝送ケーブルで接続し、
前記基準局が、少なくとも、送信制御手段と、信号生成手段と、送信手段と、高周波信号切替手段とを有し、
前記送信制御手段が、少なくとも基準となるクロック信号とタイミング信号とを複数組生成し、
前記信号生成手段が、前記複数組のクロック信号とタイミング信号とに同期して割当てられたタイムスロット毎に少なくとも複数組の測位信号を生成し、
前記送信手段が、前記生成された複数組の測位信号を含む高周波信号をバースト信号として間欠的に生成し、
前記高周波信号切替手段が、前記生成された高周波信号を前記タイムスロットに合わせて複数組の高周波信号に切替えて、各組ごとに前記伝送ケーブルを介して中継局に向けて伝送し、
前記中継局が、前記伝送された高周波信号を直接もしくは増幅器を用いて増幅し、アンテナを介して無線信号として移動端末に向けて送信し、
前記移動端末が、少なくとも、アンテナと、受信手段と、信号再生処理手段と、位置測位手段とを有し、
前記アンテナが、前記複数の中継局から送信される無線信号を高周波信号として受信し、
前記受信手段が、前記受信した高周波信号を中間周波信号に変換して増幅し、
前記信号再生処理手段が、前記中間周波信号から前記タイムスロット毎に割当てられた複数組の測位信号を再生し、前記複数組の測位信号から、各組毎に、立上り点、立下り点、あるいはゼロ交差点のタイミングを検出し、前記各組ごとに検出されたタイミングで前記測位信号と高精度で瞬時に同期を確立して同期を保持し、かつ前記同期を保持された測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートで複数組の同期信号を生成し、前記生成された複数組の同期信号から前記測位信号の伝搬時間、伝搬位相、もしくはこれらの両方を測定し、
前記位置測位手段が、前記信号再生処理手段による複数組の測定結果から、自局の位置を双曲線航法もしくは三角法によって高精度で測位を行う
ことを特徴とする擬似衛星測位システム。
【請求項3】
無線信号を用いて移動端末の位置を高精度で測位するための擬似衛星測位システムにおいて、
少なくとも1つの基準局の周辺に、複数の中継局を間隔を置いて配置し、前記基準局と各中継手段との間を伝送ケーブルで接続し、
前記移動端末が、少なくとも、送信制御手段と、信号生成手段と、送信手段とを有し、
前記送信制御手段が、少なくとも基準となるクロック信号とタイミング信号とを生成し、
前記信号生成手段が、前記クロック信号とタイミング信号とに同期して少なくとも特定の測位信号を生成し、
前記送信手段が、前記生成された測位信号を含む高周波信号を生成し、アンテナから無線信号として前記複数の中継局に向けて連続的にあるいはバースト信号として間欠的に送信し、
前記中継局が、前記無線信号をアンテナで受信して高周波信号とし、直接もしくは低雑音増幅器を用いて増幅し、前記伝送ケーブルを介して基準局に向けて伝送し、
前記基準局が、少なくとも、複数組の受信手段と、複数組の信号再生処理手段と、位置測位手段とを有し、
前記受信手段が、前記各伝送ケーブルを介して伝送された高周波信号を中間周波信号に変換して増幅し、
前記信号再生処理手段が、前記中間周波信号から少なくとも特定の測位信号を再生し、前記再生された測位信号から、立上り点、立下り点、あるいはゼロ交差点のタイミングを検出し、前記検出されたタイミングで前記再生された測位信号と高精度で瞬時に同期を確立して同期を保持し、かつ前記同期を保持された測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートで同期信号を生成し、前記生成された同期信号から前記測位信号の伝搬時間、伝搬位相、もしくはこれらの両方を測定し、
前記位置測位手段が、前記複数組の信号再生処理手段による複数組の測定結果から、前記移動端末の位置を双曲線航法もしくは三角法によって高精度で測位を行う
ことを特徴とする擬似衛星測位システム。
【請求項4】
無線信号を用いて移動端末の位置を高精度で測位するための擬似衛星測位システムにおいて、
少なくとも1つの基準局の周辺に、複数の中継局を間隔を置いて配置し、前記基準局と各中継手段との間を伝送ケーブルで接続し、
前記移動端末が、少なくとも、送信制御手段と、信号生成手段と、送信手段とを有し、
前記送信制御手段が、少なくとも基準となるクロック信号とタイミング信号とを複数組生成し、
前記信号生成手段が、前記複数組のクロック信号とタイミング信号とに同期して割当てられたタイムスロットで少なくとも複数組の測位信号を生成し、
前記送信手段が、前記生成された複数組の測位信号を含む高周波信号をバースト信号として間欠的に生成し、アンテナから無線信号として前記複数の中継局に向けて送信し、
前記中継局が、前記無線信号をアンテナで受信して高周波信号とし、直接もしくは低雑音増幅器を用いて増幅し、前記伝送ケーブルを介して基準局に向けて伝送し、
前記基準局が、少なくとも、高周波信号切替手段と、受信手段と、信号再生処理手段と、位置測位手段とを有し、
前記高周波信号切替手段が、前記複数の中継局から各伝送ケーブルを介して伝送された複数の高周波信号を前記割当てられたタイムスロットで切替えて共通の高周波信号とし、
前記受信手段が、前記切替えられた共通の高周波信号を中間周波信号に変換して増幅し、
前記信号再生処理手段が、前記中間周波信号からタイムスロット毎に割当てられた複数組の測位信号を再生し、前記再生された複数組の測位信号から、各組毎に、立上り点、立下り点、あるいはゼロ交差点のタイミングを検出し、前記検出されたタイミングで前記再生された測位信号と高精度で瞬時に同期を確立して同期を保持し、かつ前記同期を保持された測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートで複数組の同期信号を生成し、前記生成された複数組の同期信号から前記測位信号の伝搬時間、伝搬位相、もしくはこれらの両方を測定し、
前記位置測位手段が、前記信号再生処理手段による複数組の測定結果から、前記移動端末の位置を双曲線航法もしくは三角法によって高精度で測位を行う
ことを特徴とする擬似衛星測位システム。
【請求項5】
前記信号再生処理手段が、少なくとも、信号再生手段と、同期検出手段と、同期発振手段と、位相測定手段とを有し、
前記信号再生手段が、前記中間周波信号から測位信号を再生し、
前記同期検出手段が、前記再生された測位信号から、立上り点、立下り点、あるいはゼロ交差点のタイミングを検出し、
前記同期発振手段が、前記検出されたタイミングで前記再生された測位信号と高精度で瞬時に同期を確立して同期を保持し、かつ前記同期を保持された測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートで同期信号を生成し、
あるいは前記信号再生手段と同期検出手段と同期発振手段とが遅延ロックループを構成し、前記再生された測位信号と高精度で瞬時に同期を確立して同期を保持し、かつ前記同期を保持された測位信号の周波数もしくはチップレートの整数倍の周波数もしくはチップレートで同期信号を生成し、
前記位相測定手段が、前記生成された同期信号から前記測位信号の伝搬時間、伝搬位相、もしくはこれらの両方を測定することを特徴とする請求項第1項から第4項のいずれかに該当する擬似衛星測位システム。
【請求項6】
前記測位信号が、搬送波信号、副搬送波信号、変調信号、スペクトル拡散符号、もしくはこれらの組合せであることを特徴とする請求項第1項から第4項のいずれかに該当する擬似衛星測位システム。
【請求項7】
前記基準局から送信される高周波信号に少なくとも報知信号が含まれ、前記報知信号に、少なくとも、基準局の位置に関する情報、各中継局の位置に関する情報、各伝送ケーブルの長さに関する情報、あるいはこれらの組み合わせが含まれていることを特徴とする請求項第1項もしくは第3項に記載の擬似衛星測位システム。
【請求項8】
前記基準局もしくは移動端末が前記移動端末の位置を測位する際に、前記同期発振手段が生成する同期信号の周波数を、前記位相測定手段に要求される測位レンジに合わせて設定し、あるいは前記同期発振手段が異なる周波数の複数の同期信号を生成し、前記複数の同期信号の中から、前記位相測定手段に要求される測位レンジに合わせて最適なものを選択することによって、高い測位精度を実現することを特徴とする請求項第1項から第5項のいずれかに該当する擬似衛星測位システム。
【請求項9】
前記位相測定手段の測位レンジを長い尺度のものから順次短い尺度のものに変化させ、あるいは切替えて設定することによって、最適の測位レンジを用いて前記移動体の位置を高精度で測位することを特徴とする請求項第8項に記載の擬似衛星測位システム。
【請求項10】
前記信号生成手段、信号再生手段、もしくは信号再生処理手段において、前記測位信号が、無線信号の搬送波信号あるいは副搬送波信号である場合には、直接群遅延歪みおよび遅延誤差の少ない帯域通過フイルタを通し、あるいは無線信号の搬送波信号あるいは副搬送波信号を変調した変調信号である場合には、遅延誤差の少ないアナログ復調器もしくは高い周波数のクロック信号を用いた遅延誤差の少ないデジタル復調器によって復調した後に前記帯域通過フイルタを通して再生することを特徴とする請求項第1項から第5項のいずれかに該当する擬似衛星測位システム。
【請求項11】
前記信号再生処理手段もしくは同期発振手段が、基準発振器の発振周波数を位相同期発振器によって高い周波数に変換して駆動される、セットあるいはリセット付きのカウンタあるいは数値制御発振器によって構成され、前記同期検出手段が、少なくとも128MHz以上の周波数のサンプリング信号を用いて、前記再生された測位信号の立上り点、立下り点、あるいはゼロ交差点のタイミングを検出し、前記検出したタイミングでセットあるいはリセット付きのカウンタあるいは数値制御発振器をセットしもしくはリセットすることによって、前記同期発振手段が前記測位信号と短時間で瞬時に同期を確立し、かつ前記測位信号が停止しあるいは消滅した後も、比較的に長時間、同期を保持できることを特徴とする請求項第1項から第5項のいずれかに該当する擬似衛星測位システム。
【請求項12】
前記信号再生処理手段もしくは位相測定手段が、前記再生した測位信号あるいは生成した同期信号の周波数の、4の整数倍のサンプリング周波数で、かつ4ビット以上のアナログデジタル変換器を用いてデジタル信号に変換し、Sinのルックアップテーブルとして0、1、0、−1、もしくは1、1、−1、−1、を用い、Cosのルックアップテーブルとして1、0、−1、0もしくは1、−1、−1、1、を用い、前記変換したデジタル信号とルックアップテーブルとの積和演算を行うことを特徴とする請求項第1項から第5項のいずれかに該当する擬似衛星測位システム。
【請求項13】
前記無線信号の周波数が、GPSに割当てられた周波数、その近傍の周波数、法令によって定められた周波数、もしくはこれらの組み合わせであることを特徴とする請求項第1項もしくは第3項に記載の擬似衛星測位システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−191070(P2011−191070A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−55052(P2010−55052)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(395007299)有限会社アール・シー・エス (51)
【Fターム(参考)】