説明

攪拌脱泡装置

【課題】容器を回転ベースに固定した状態で被攪拌材料を攪拌可能な攪拌脱泡装置を提供する。
【解決手段】攪拌脱泡装置は、支持部材3と、支持部材に回転自在に支持された回転ベース6と、回転ベースに固定されて回転ベースの回転に伴って公転する、被攪拌材料Kを収容する容器10と、回転ベースを回転させることで容器を公転させる第1回転駆動機構5と、容器内に収容された被攪拌材料にずり応力を作用させるずり応力作用手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、攪拌脱泡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、被攪拌材料を収容した容器を公転させながら、その公転軌道上で自転させるように構成した攪拌脱泡装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この攪拌脱泡装置は、回転ベースの周縁部に容器を回転自在に支持し、回転ベースを回転することで容器を公転させるとともに、容器自身も回転ベース上で自転させるように構成されている。この攪拌脱泡装置では、容器の公転によって働く遠心力により、被攪拌材料が容器の内壁に押し付けられて、被攪拌材料に内在する気泡が外部に放出(脱泡)される。また、容器の自転によって、容器の内壁近傍とそこから離れた場所で生じる被攪拌材料の分子の移動速度の差(以下、「ずり速度」という。)により、剪断力が発生し、発熱を生じながら、被攪拌材料の流動状態が連続して維持される。これにより、被攪拌材料全体が攪拌される。そして、公転速度が大きいほど脱泡作用に優れ、自転速度が大きいほど攪拌作用に優れる。
【特許文献1】 特開平10−43568号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の攪拌脱泡装置のように、回転ベースの公転軌道上に自転する部材(容器および自転軸)が配設されると、この部材(容器および自転軸)が加速度の影響を大きく受けるため、その回転機構の設計が非常に困難であった。
【0005】
また、このように加速度の影響を考慮すると、容器の質量および容量を上げることができないため、1回に攪拌処理できる材料の量も限界があるという問題があった。
さらに、このように加速度の影響を考慮すると、容器の回転速度を上げるのにも限界があり、より回転数を上げられる機構が模索されていた。
【0006】
本発明は、前記した事情に鑑みてなされたものであり、容器を回転ベースに固定した状態で被攪拌材料を攪拌可能な攪拌脱泡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係る攪拌脱泡装置は、
支持部材と、
前記支持部材に回転自在に支持された回転ベースと、
前記回転ベースに固定されて前記回転ベースの回転に伴って公転する、被攪拌材料を収容する容器と、
前記回転ベースを回転させることで前記容器を公転させる第1回転駆動機構と、
前記容器内に収容された被攪拌材料にずり応力を作用させるずり応力作用手段と、
を備える。
【0008】
この攪拌脱泡装置によれば、被攪拌材料を収容した容器を回転ベースの周縁部に固定し、この回転ベースを第1回転駆動機構により回転させる。これにより、容器が公転し、容器内の被攪拌材料には遠心力が作用して、被攪拌材料が脱泡される。また、ずり応力作用手段により、被攪拌材料にはずり応力が作用する。これにより、被攪拌材料は攪拌される。つまり、本発明では、容器とは別に設けられたずり応力作用手段で、被攪拌材料にずり応力を作用させるため、回転ベースに容器を固定した状態で(すなわち、容器を回転ベース上で自転させることなく)、被攪拌材料を攪拌することができる。
【0009】
(2)この攪拌脱泡装置において、
前記ずり応力作用手段は、
前記容器内で前記被攪拌材料に接触し、前記被攪拌材料にずり応力を作用させるずり応力作用部材と、
前記ずり応力作用部材を駆動する駆動機構と、
を備えてもよい。
【0010】
この攪拌脱泡装置によれば、ずり応力作用部材(攪拌子)を駆動機構により駆動することで、ずり応力作用部材が容器内の被攪拌材料と擦れ合い、被攪拌材料にずり応力を作用させる。これにより、回転ベースに容器を固定した状態で、被攪拌材料を攪拌することができる。
【0011】
なお、駆動機構としては、例えば、ずり応力作用部材を容器内で回転、揺動、または、振動させるように動作させる(ずり応力作用部材が容器に対して相対回転、相対変位する)機構が挙げられる。
【0012】
(3)この攪拌脱泡装置において、
前記駆動機構は、前記ずり応力作用部材を、前記回転ベースの回転軸線とは異なる軸線を中心に回転させる第2回転駆動機構であってもよい。
【0013】
(4)この攪拌脱泡装置において、
前記ずり応力作用部材は、前記容器の内壁に近接するように設けられていてもよい。
【0014】
この攪拌脱泡装置によれば、特に、遠心力の作用により、材料が容器の内壁に張り付くことを防止することができる。
【0015】
(5)この攪拌脱泡装置において、
前記ずり応力作用部材は、前記容器の内壁面における前記回転ベースの回転軸線から最も離れた遠心領域に近接するように設けられていてもよい。
【0016】
この攪拌脱泡装置によれば、回転ベースの回転に伴って容器が公転する。そのため、容器に収容されている被攪拌材料には回転ベースの回転軸から離れる方向に遠心力が付加され、被攪拌材料は、容器内における公転軸線(回転ベースの回転軸線)から最も遠い領域(遠心領域)に集まろうとする。ところで、この攪拌脱泡装置では、ずり応力作用部材が容器の内壁面における回転ベースの回転軸線から最も遠い領域(遠心領域)に近接し、該領域と対向するように設けられている。そのため、遠心領域に集まってきた被攪拌材料が、該遠心領域に留まることを防止することができる。すなわち、容器内部で、被攪拌材料を流動させることが可能になる。
【0017】
さらに、ずり応力作用部材を遠心領域に近接するように設けることで、ずり応力作用部材と遠心領域との間に存する材料に大きなずり応力を作用させる(大きなずり速度を発生させる)ことができるため、被攪拌材料を高い精度で処理することができる。詳しくは、ずり応力作用部材と遠心領域との間に存在する材料は、ずり応力作用部材に近い位置ほど移動速度が速くなる。また、ずり応力作用部材と容器内壁面と間隔が狭いほど、ずり応力作用部材と容器内壁面との間で材料の速度変化(速度勾配)が大きくなる。すなわち、ずり応力作用部材と容器内壁面とを近接させることによって、ずり応力作用部材と容器内壁面との間に存する材料に大きな速度勾配を発生させることができ、この作用により、被攪拌材料を攪拌することができるとともに、被攪拌材料に応力(ずり応力・せん断力)を作用させることができる。被攪拌材料に応力を作用させることで被攪拌材料の粒子径を小さくすることができるため、この攪拌脱泡装置によると、被攪拌材料を高精度に攪拌することができるとともに、被攪拌材料に含まれる粒子を小さくすることができる。
【0018】
(6)この攪拌脱泡装置において、
前記ずり応力作用手段は、前記ずり応力作用部材と前記容器との相対的な位置関係を可変に構成されていてもよい。
【0019】
(7)この攪拌脱泡装置において、
前記容器及び前記ずり応力作用部材の少なくとも一方は、温度調整用の媒体が収容される内部空間を有する構成となっていてもよい。
【0020】
(8)この攪拌脱泡装置において、
前記容器及び前記ずり応力作用部材の少なくとも一方は、前記被攪拌脱泡材料の処理中に、前記内部空間へ前記媒体を供給すること、及び、前記内部空間から前記媒体を回収することが可能に構成されていてもよい。
【0021】
(9)この攪拌脱泡装置において、
前記ずり応力作用手段は、複数の前記ずり応力作用部材を含んでいてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を適用した実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、以下の実施の形態で説明するすべての構成が本発明にとって必須であるとは限らない。また、本発明は、以下の内容を自由に組み合わせたものを含むものとする。
【0023】
(1)第1の実施の形態
以下、本発明を適用した第1の実施の形態について説明する。図1〜図3は、本実施の形態に係る攪拌脱泡装置1の構成を説明するための図である。また、図4(a)〜図4(e)は、攪拌脱泡装置1を利用して被攪拌材料Kを処理(攪拌脱泡処理)する手順を説明するための図である。本実施形態に係る攪拌脱泡装置の処理対象である被攪拌材料としては、例えば、半田ペースト、歯科用印象材料、油脂、樹脂、顔料、各種粉体のほか、航空機や車両のボディ等に使用されるカーボンコンポジット等のコンポジット材料(エポキシ樹脂、フェノール樹脂など)等があるが、この被攪拌材料は特に限定されるものではなく、あらゆる材料を対象とすることができる。
【0024】
攪拌脱泡装置1は、図1に示すように、筐体2を有する。筺体2は、回転ベース6等を収容する筺体で、直方体状に形成される。この筐体2の側面には開閉自在の扉部21が設けられており、この扉部21を開いて、回転ベース6に対して後記する容器10の着脱ができるようになっている。また、上部には着脱自在の蓋体22が設けられており、この蓋体22を取り外して、後記するずり速度発生手段7の位置調整を行うことができるようになっている。
【0025】
攪拌脱泡装置1は、図1に示すように、支持部材3を有する。支持部材3は、筺体2内の側面の取付部8に複数の防振用のスプリング9を介して取り付けられている。支持部材3の略中央には、上側に突起した円筒状のベース支持部31が設けられるとともに、その下面側には、支持部材3と間隔を空けた状態でモータ4を固定するブラケット32が取り付けられている。なお、本実施の形態では、支持部材3は、水平となるように取り付けられているが、本発明はこれに限られるものではない。支持部材3は、例えば鉛直になるように取り付けられていてもよい(図示せず)。
【0026】
ベース支持部31の内周側には、回転ベース6がベアリングB1を介して回転自在に支持されている。ブラケット32には、貫通孔32aと、下側に突起した円筒状の軸部材32bが形成されている。
【0027】
攪拌脱泡装置1は、図1及び図2に示すように、モータ4を有する。モータ4は、支持部材3に支持される。モータ4は、回転ベース6の駆動源であり、ブラケット32の下側に固定されるモータ本体41と、このモータ本体41から上側に突出した回転軸42とから構成される。モータ本体41は回転軸42を回転駆動する。回転軸42は、ブラケット32の貫通孔32aを貫通しており、その先端部が支持部材3とブラケット32との間の空間に位置している。
【0028】
攪拌脱泡装置1は、図1に示すように、第1回転駆動機構5を有する。第1回転駆動機構5は、回転ベース6を回転させる機構である。本実施の形態では、第1回転駆動機構5は、モータ4の回転軸42に直結する第1プーリ51と、回転ベース6に直結する第2プーリ52と、第1プーリ51と第2プーリ52の間に掛け渡されるベルト53とから構成される。これにより、モータ4の回転軸42の回転が、第1プーリ51、ベルト53、第2プーリ52を介して、回転ベース6に伝達され、所望の回転数で回転ベース6が回転するようになっている。なお、前記した第1プーリ51と第2プーリ52の半径の比は特に限定されるものではなく、モータ4の回転数や回転ベース6の所望の回転数に応じて、適宜変更可能である。第1プーリ51と第2プーリの半径の比は、モータ4の回転数と回転ベース6の所望の回転数に合わせて設定されるもので、例えば、1:2としてもよい。また、第1回転駆動機構5は、ベルトとプーリに変えて歯車によって実現してもよく、あるいは、モータ4の回転軸42が回転軸60aに直結する構成となっていてもよい。
【0029】
攪拌脱泡装置1は、回転ベース6を有する。回転ベース6は、支持部材3に対して回転可能に構成されている。回転ベース6は、支持部材3と直交する方向に延びる仮想の直線(回転軸線Y1)を中心に回転可能に構成されている。本実施の形態では、回転ベース6は、図2に示すように、矩形状の底部60と、この底部を囲む4枚の側面部61,62,63,64とから形成されている。これらの4枚の側面部のうち、相対向する一対の側面部を、それぞれ側面部61,62、側面部63,64とする。なお、回転ベース6は、例えば剛性を確保するために、厚さ15mmの鉄板を利用して製作してもよい。
【0030】
底部60の中央には、底部60と直交する方向に延びる、円筒状の回転軸60aが設けられている。回転軸60aは底部60に固定されており、回転軸60aが回転することにより、底部60(回転ベース6全体)が、回転軸60aを中心に回転する。なお、本実施の形態では、回転軸60aは、支持部材3と直交するように構成されている。また、回転軸60aには、前記した第2プーリ52が固定されており、第2プーリ52にモータ4(図1参照)の回転が伝達されることにより、回転ベース6が回転軸60aを中心に回転する。
【0031】
また、底部60(回転ベース6)には、第1軸支持部60bが設けられている。第1軸支持部60bは、後述する第1連結シャフト72bを回転可能に支持する役割を果たす。第1軸支持部60bは、回転軸60aから所定の間隔をあけた位置に固定されている。このため、第1軸支持部60bは、回転ベース6の回転に伴って、回転軸60aを中心に公転する。第1軸支持部60bの形状は特に限られるものではないが、本実施の形態では直方体状となっている。
【0032】
相対向する側面部61,62は、矩形板の下側両角部が切り欠かれた六角形状に形成されている。下側が切り欠かれているのは、側面部61,62が直交する側面部63,64の傾斜に合わせたもので、このように切り欠くことで軽量化が図られている。また、これらの側面部61,62のうち一方の側面部61には、第2軸支持部61aが設けられている。第2軸支持部61aは、後述する支持シャフト71bを支持する役割を果たす。なお、第1軸支持部60bと第2軸支持部61aは、回転軸線Y1(図3参照)の近傍に位置する。
【0033】
相対向する側面部63,64は、矩形状に形成されており、それぞれ底部60に対して約135度外側に向けて傾斜するように設けられている。これにより、側面部63,64は、後記するずり速度発生部71の回転軸線Y2(図3参照)に対して垂直になる。これらの側面部63,64のうち一方の側面部63は、この側面部63に直交する側面部61側が矩形状に開口している。側面部63の開口端部63a,63aには、断面L字型の固定具63b,63bが固定され、開口端部63aと固定具63bにより凹部が形成されるようになっている。そして、本実施の形態では、この凹部を利用して、容器10を回転ベース6に着脱できるようになっている。
【0034】
ここで、容器10は、上部が開口した有底円筒形状に形成され、その外周側に矩形状のフランジ11が溶接されている。このフランジ11を、開口端部63aと固定具63bの間に形成された凹部に嵌め込み、固定具63b,63bに沿ってスライドさせることで、容器10の着脱ができるようになっている。
【0035】
攪拌脱泡装置1は、図1〜図3に示すように、ずり速度発生手段7を有する。ずり速度発生手段7は、被攪拌材料にずり速度を発生させる役割を果たす。なお、後述する通り、攪拌脱泡装置1では、ずり速度発生手段7によって被攪拌材料にずり速度を発生させ、被攪拌材料にずり応力を作用させる。そのため、ずり速度発生手段7を、ずり応力作用手段と称してもよい。以下、ずり速度発生手段7の構成について説明する。
【0036】
ずり速度発生手段7は、ずり速度発生部71を有する。ずり速度発生部71は、容器10内の被攪拌材料にずり速度を発生させる(ずり速度を作用させる)役割を果たす。以下、ずり速度発生部71について説明する。
【0037】
ずり速度発生部71は、例えば、金属、樹脂等から形成されるもので、容器10内に配置されるずり流動面71aと、このずり流動面71aを支持する支持シャフト71bとから構成される。
【0038】
ずり流動面71aは、ずり速度発生部71の先端に配置される部材であり、ずり速度発生部71の先端部材と称してもよい。そして、ずり流動面71aは、被攪拌材料を攪拌脱泡する工程(容器10を公転させる工程)で被攪拌材料と接触し、被攪拌材料にずり速度を発生させる。すなわち、攪拌脱泡装置1は、ずり流動面71aと容器10との速度差(相対速度)を利用して、ずり流動面71aと容器10との間に存在する被攪拌材料にずり速度を発生させる(ずり応力を作用させる)。このことから、ずり流動面71aを、ずり速度発生部材、あるいは、ずり応力作用部材と称してもよい。本実施の形態では、ずり流動面71aは、図3に示すように、容器10の中心軸線X1と平行な直線(回転軸線Y2)を中心に回転可能に構成されている。ただし、ずり流動面71aは、中心軸線X1と斜めに交差するように延びる仮想の直線を中心に回転可能に構成されていてもよい(図示せず)。
【0039】
攪拌脱泡装置1では、ずり流動面71aは、その先端側(容器10側)が曲面(球面)形状に形成されている。すなわち、ずり流動面71aは、円柱部と、該円柱部の先端に設けられた半球部とを有する構成となっている。また、ずり流動面71aは、回転軸線Y2と直交する仮想の平面で切断した断面が、円形となるように構成されていてもよい。このとき、該断面が、回転軸線Y2を中心とする円形となるように構成されていてもよい。ただし変形例として、ずり速度発生部71は、断面の中心と回転軸線Y2とが一致しないように構成されていてもよい(図示せず)。あるいは、ずり流動面71aは、断面が楕円形となるように構成されていてもよい。また、ずり流動面71aは、軽量化のため中空になっていてもよい。
【0040】
支持シャフト71bは、ずり流動面71aを支持する軸部材である。支持シャフト71bは、図3に示すように、回転ベース6の回転軸線Y1(あるいは水平方向)に対して45度の傾斜をなすように、回転ベース6の第2軸支持部61aに、ベアリングB3を介して回転自在に支持されている。本実施の形態では、支持シャフト71bは、容器10の内壁10a(中心軸線X1)に平行になるように、第2軸支持部61aに支持されている。これにより、ずり流動面71aを、容器10の中心軸線X1と平行に延びる直線を中心に回転可能とすることができる。また、本実施の形態では、支持シャフト71bは、容器10の中心軸線X1から所定の間隔をあけて配置されている。なお、支持シャフト71bの上端部には後記するギアG6が固定されている。支持シャフト71bには軸方向に沿ってキー溝Dが形成されており、このキー溝Dに嵌合するキー(不図示)により支持シャフト71bがギアG6に結合される。これにより、支持シャフト71bは軸方向にスライド可能になるとともに、ギアG6の回転が伝達されるようになっている。支持シャフト71bのスライド移動は、手動により行ってもよいし、自動化してもよい。
【0041】
ずり速度発生手段7は、第2回転駆動機構72を有する。第2回転駆動機構72は、ずり速度発生部71を回転駆動させる役割を果たす。以下、第2回転駆動機構72について説明する。
【0042】
本実施の形態では、図2および図3に示すように、第2回転駆動機構72は、回転ベース6の回転軸60a内に挿通される固定軸72aと、回転ベース6の第1軸支持部60b(図2参照)に図示しないベアリングを介して回転自在に支持される第1連結シャフト72bと、回転ベース6の第2軸支持部61aにベアリングB4を介して回転自在に支持される第2連結シャフト72cと、ギアG1〜G6とから構成される。
【0043】
固定軸72aは、図1に示すように、回転軸60aにベアリングB2を介して支持されており、その下部が、軸部材32b内に挿通された状態でピンPによってブラケット32に固定されている。これにより、回転ベース6が回転しても、固定軸72aは回転しないようになっている。また、固定軸72aの上部には、ギアG1が固定されている。
【0044】
第1連結シャフト72bは、図2に示すように、固定軸72aと直交する向きに配設されている。第1連結シャフト72bの両端部には、ギアG2とギアG3とがそれぞれ固定されている。ギアG2は、前記ギアG1と軸角90°で噛み合う直交ギアである。ギアG2は、第1連結シャフト72bを介して回転ベース6側に取り付けられているため、モータ4によって回転ベース6が回転駆動されると、固定されたギアG1を周回するプラネタリウムギアとして回転する。また、その回転は、ギアG3によってギアG4に伝達される。
【0045】
第2連結シャフト72cは、図3に示すように、水平方向に対して約45度の傾斜をなすように配設されている。第2連結シャフト72cの両端部には、ギアG4とギアG5が固定されている。ギアG4は、ギアG3と軸角45°で噛み合う直交ギアである。ギアG4は、ギアG3により回転させられ、それとともに、第2連結シャフト72cとギアG5が回転する。
【0046】
また、ギアG5は、ギアG6と噛み合う平歯車である。ギアG5の回転が、ギアG6に伝達されることで、前記した支持シャフト71b、および、ずり流動面71aが回転する。つまり、第2回転駆動機構72は、ずり速度発生部71を容器10の内壁10a(中心軸線X1)に平行な軸回りに回転させる。なお、ギアG1〜G6のそれぞれの半径比は、支持シャフト71b等の所望の回転数に合わせて、適宜設定するものとする。
【0047】
なお、本実施の形態では、ずり速度発生手段7(特にずり速度発生部71)が、回転ベース6と同じ回転角速度で回転する。そのため、ずり速度発生部7(ずり流動面71a)と容器10との相対的な位置関係を、一定に維持することができる。
【0048】
次に、以上のように構成された攪拌脱泡装置1の動作について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図4は、攪拌脱泡装置の動作について説明する図である。
【0049】
まず、図4(a)に示すように、支持シャフト71bを最も上側にスライドさせた状態で、被攪拌材料Kを収容した容器10を、回転ベース6にセットし、固定する。
【0050】
そして、図4(b)に示すように、支持シャフト71bを下側にスライドさせて、ずり流動面71aが、容器10内に配置された状態で、支持シャフト71bとギアG6とを結合する。本実施の形態では、支持シャフト71bは、第1の位置に配置する。第1の位置とは、被攪拌材料を攪拌脱泡する工程(回転ベース6を回転させる工程)で、ずり流動面71aが被攪拌材料と接触する位置である。第1の位置は、被攪拌材料の量や物性、回転ベース6の回転角速度に基づいて設定してもよい。
【0051】
そして、図4(c)に示すように、モータ4を回転駆動することで、モータ4の回転が、第1プーリ51、ベルト53、第2プーリ52を介して、回転ベース6に伝達され、回転ベース6が回転する。これにより、容器10が公転することとなる。一方、回転ベース6が回転することで、固定軸72aは相対的に回転する。つまり、回転ベース6側から見ると、固定軸72aが回転し、この固定軸72aの回転が、ギアG1、ギアG2、第1連結シャフト72b、ギアG3、ギアG4、第2連結シャフト72c、ギアG5、ギアG6を介して(図3参照)、支持シャフト71bに伝達される。これにより、支持シャフト71bおよびずり流動面71aは回転軸線Y2(図3参照)回りに回転(自転)することとなる。
【0052】
このとき、容器10内の被攪拌材料Kは、容器10の公転によって作用する遠心力により脱泡される。また、ずり流動面71aが回転(自転)することによって、被攪拌材料Kにずり速度が発生し(被攪拌材料Kにずり応力が作用し)、これにより被攪拌材料が攪拌される。特に、ずり流動面71aが容器10の内壁10aに近接している場合、遠心力の作用により容器10の内壁に張り付くような状態になっても、ずり流動面71aでずり速度を発生させることができるため、被攪拌材料を効果的に攪拌することができる。また、ずり流動面71aよりも回転ベース16の回転軸線Y1側に存在する被攪拌材料も、遠心力によってずり流動面71aに押し付けられることから、ずり流動面71aが回転することによってずり速度が発生し、攪拌処理が進行する。なお、ここで、「ずり速度」とは、2つの部材の間にある材料の内部に生じる分子の移動速度のずれのことである。「ずり速度」は、例えば、2つの部材の間に液体を満たし、一方の部材を固定し、他方の部材を移動させたときなどにその間に液体に生じる。また、「ずり応力」とは、粘性を持つ流体の流れに伴って、流体内部に生じる内部摩擦をいう。
【0053】
次に、図4(d)に示すように、支持シャフト71bを第2の位置に配置する。ここで、第2の位置とは、ずり流動面71aが被攪拌材料に接触しない位置であって、かつ、ずり流動面71aの少なくとも一部が容器10内に配置される位置である。この状態で、再度、モータ4を回転駆動し、回転ベース6を回転させるとともに、支持シャフト71bを回転(自転)させる。これにより、ずり流動面71aの表面に付着した被攪拌材料K(攪拌材料)をずり流動面71aから離脱させ、遠心力で容器10内に戻すことができる。なお、この場合、ずり流動面71a(支持シャフト71b)が回転しないように、容器10を公転させてもよい。ギアG6とギアG5とを間隔をあけて配置することで、ずり流動面71aが回転しないように容器10を公転させることができる。
【0054】
その後、図4(e)に示すように、支持シャフト71bを上側まで引き上げ、容器10を回転ベース6から取り外し、処理が完了する。
【0055】
以上によれば、本実施形態において、以下の効果を得ることができる。
本実施形態に係る攪拌脱泡装置1によれば、ずり速度発生手段7で被攪拌材料Kにずり速度を発生させる。そのため、容器10を回転ベース6に固定した状態で(容器10を自転させることなく)、被攪拌材料Kを攪拌することができる。
【0056】
また、攪拌脱泡装置1では、ずり速度発生手段7が、回転ベース6の回転軸の近傍に配置されている。そのため、ずり速度発生手段7が受ける加速度の影響を小さくすることができ、機構の設計を容易にすることができる。
【0057】
また、攪拌脱泡装置1では、容器10が、回転ベース6に固定するように構成されている。そのため、容器10の容量および質量を従来よりも大きくすることができる。具体的には、本実施形態に係る攪拌脱法装置1によれば、容器の容量を100kg〜200kg、もしくはそれ以上にすることができる。これにより、1回の処理で大量の攪拌材料が得られる。
【0058】
容器10を回転ベース6に固定するように構成したので、加速度の影響を考慮しても、回転ベース6の回転速度を10000rpm以上にすることもできる。これにより、より効果的な被攪拌材料Kの脱泡を行うことができる。
【0059】
ずり速度発生部71の質量は、従来の攪拌脱法装置における容器、容器内の被攪拌材料、容器収納機構、自転機構等の総質量よりも小さくすることができる。また、第2回転駆動機構72は、回転軸線Y1の近傍に配設されるように構成した。これにより、容器を自転させる従来の攪拌脱法装置と比較して、加速度の影響を大幅に抑制することができ、回転機構の設計が容易になる。
【0060】
さらに、本実施の形態では、ずり流動面71aとして、回転軸線Y2と直交する平面で切断した断面が円形(略円形)となるように構成された部材を利用する。ずり流動面71aがかかる形状となっていることにより、被攪拌材料に空気を巻き込まないように、ずり流動面71aを回転させることができる。そのため、被攪拌材料を、精度よく脱泡することができる。また、本実施の形態では、被攪拌材料に遠心力がかかるため、上記のずり流動面71aを利用した場合にも、被攪拌材料にずり速度を発生させる(ずり応力を作用させる)ことができ、被攪拌材料を精度よく攪拌することができる。すなわち、本実施の形態によると、被攪拌材料の攪拌及び脱泡を、精度よく行うことが可能になる。
【0061】
以上、本発明を適用した第1の実施の形態について説明したが、本実施の形態はこれに限られるものではなく、種々の変形が可能である。以下、第1の実施の形態の変形例について説明する。
【0062】
(A)第1の変形例
図5は、第1の変形例について説明するための図である。本変形例では、公転軸を中心とした点対称の位置に配置された2つのずり速度発生手段7を有する。これによれば、1回の被攪拌材料の処理量も2倍になるとともに、回転バランスを良好にすることができる。さらに、ずり速度発生手段7を3つ以上設けることもできる。
【0063】
(B)第2の変形例
次に、図6を参照して、第2の変形例について説明する。
【0064】
本変形例に係る攪拌脱泡装置は、第2軸支持部61aに代えて、図6に示す、第2軸支持部65を有する。なお、図6は、第2軸支持部65の上視図である。第2軸支持部65は、支持シャフト71b及び第2連結シャフト72cを、回転可能に保持する役割を果たす。
【0065】
第2支持部65には、図6に示すように、貫通穴66が形成されている。貫通穴66は、支持シャフト71bが貫通する穴である。そして、支持シャフト71b(支持シャフト71bを回転可能に軸支する軸受け)は、貫通穴66に沿って移動することが可能に構成されている。すなわち、支持シャフト71bは、その位置を変更することが可能に構成されている。また、第2支持部65は、支持シャフト71bを所望の位置に固定するための固定部材を有していてもよい。ただし、固定部材を有しない構成となっていてもよい。
【0066】
これによると、容器10内の所望の位置にずり流動面71a(支持シャフト71b)を配置することが可能になる。そのため、容器10の大きさや形状、あるいは、被攪拌材料の物性にあわせて、ずり流動面71aの位置を変更することができ、精度の高い攪拌処理が可能になる。
【0067】
なお、第2支持部65では、貫通穴66は、ギアG5(第2連結シャフト72c)を中心とする円弧形状に構成されている。貫通穴66を円弧形状とすることで、支持シャフト71bと第2連結シャフト72cとの間隔を一定に保つことができるため、簡易な構成の動力伝達機構を利用して、支持シャフト71bと第2連結シャフト72cとの間の動力伝達を実現することができる。なお、図6に示す例では、貫通穴66は半円形状となっているが、貫通穴66の形状はこれに限られるものではない。貫通穴66は、例えば円形となっていてもよい。あるいは、貫通穴66は、直線状に延びる形状となっていてもよい。
【0068】
(C)第3の変形例
次に、図7を参照して、第3の変形例について説明する。
【0069】
本変形例に係る攪拌脱泡装置では、図7に示すように、ずり速度発生部71(支持シャフト71b)は、固定軸72aと平行になるように構成される。そして、ずり速度発生部71は、回転ベースの回転軸線Y1と平行に延びる仮想の直線(回転軸線Y2)を軸として回転可能に構成される。さらに、本変形例に係る攪拌脱泡装置では、容器10は、その中心軸線X1が底部60と直交するように配置される。言い換えると、本変形例に係る攪拌脱泡装置は、容器10の中心軸線X1が、回転ベースの回転軸線Y1と平行になるように構成されている。
【0070】
本変形例に係る攪拌装置では、支持シャフト71bにはプーリP1が固定され、固定軸72aにはプーリP2が固定されている。そして、プーリP1及びプーリP2には、ベルトVがかけまわされている。これにより、支持シャフト71b(プーリP1)と固定軸72a(プーリP2)とを、遊星機構と同様に挙動させることができる。そのため、この攪拌脱泡装置では、ずり速度発生部71を固定軸72aを中心に公転させることにより、ずり速度発生部71を自転させることができる。
【0071】
この攪拌脱泡装置によると、支持シャフト71bと固定軸72aとが平行に配置される。そのため、支持シャフト71bを回転させるための動力伝達機構を、簡素な構成で実現することができるとともに、支持シャフト71bを回転させるためのトルク伝達の損失を小さくすることができる。
【0072】
(D)第4の変形例
次に、図8を参照して、第4の変形例について説明する。
【0073】
本変形例に係る攪拌脱泡装置は、図8に示す、容器12を有する。容器12は、図8に示すように、内部空間Aを有する構成となっている。詳しくは、容器12は、内側壁12aと、外側壁12bと、端部12cとを含む。そして、内側壁12a及び外側壁12b、並びに、端部12cによって囲まれる領域が、内部空間Aである。すなわち、容器12は、二重構造になっている。
【0074】
本変形例に係る攪拌脱泡装置では、容器12の内部空間Aに、温度調整用の熱媒体が充填される。内部空間Aに充填される熱媒体は、被攪拌材料を冷却する媒体(冷媒)であってもよい。あるいは、該熱媒体は、被攪拌材料を加熱するための媒体であってもよい。これにより、被攪拌材料を所望の温度条件下で処理することが可能になる。
【0075】
本変形例に係る攪拌脱泡装置では、図8に示すように、容器12は、外側壁12bを貫通して内部空間Aに連通する第1及び第2の管13,14を有する。ここで、第1の管13は熱媒体の供給装置に接続され、第2の管14は熱媒体の回収装置に接続されている。かかる構成とすることで、内部空間Aに充填される熱媒体を循環させることができ、攪拌材料の温度をより正確に制御することが可能になる。特に、容器12は自転しないように構成されるため、容器が自転するように構成されている攪拌装置に比べて、第1及び第2の管13,14と、供給装置及び回収装置との接続構造を簡素化することができる。
【0076】
本変形例に係る攪拌脱泡装置は、第2の管14を通じて回収した熱媒体を加熱又は冷却するための温調装置を有していてもよい。そして、熱媒体の供給装置は、該温調装置で所望の温度となった熱媒体を、第1の管13を介して内部空間Aに供給するように構成されていてもよい。これによると、内部空間Aに供給される熱媒体の温度を調整することができ、攪拌材料の温度をより正確に制御することが可能になる。
【0077】
ただし、容器12は、第1及び第2の管13,14を有しない構成となっていてもよい(図示せず)。
【0078】
また、本変形例に係る攪拌脱泡装置は、図8に示すように、ずり速度発生部73を有する。ずり速度発生部73は、内部空間Bを有する。すなわち、ずり速度発生部73は、中空状に構成されている。そして、内部空間Bには、温度調整用の熱媒体が充填される。これにより、被攪拌材料を所望の温度条件化で処理することが可能になる。
【0079】
なお、本変形例に係る攪拌脱泡装置では、ずり速度発生部73には、管74が接続されている。管74は、熱媒体供給管74aと、熱媒体回収管74bとを含む。これにより、ずり速度発生部73内部の熱媒体を循環させることができるため、攪拌材料の温度をより正確に制御することが可能になる。
【0080】
本変形例では、管74は、熱媒体供給管74aと熱媒体回収管74bとが同軸になるように構成されている。また、本変形例では、管74は、ずり速度発生部73の回転軸と同軸に構成されている。管74は、図8に示すように、ずり速度発生部73の上端面の中央に構成された貫通穴に嵌合されていてもよい。これにより、ずり速度発生部73が自転している場合でも、管74を通して熱媒体を循環させることが可能になる。ただし、ずり速度発生部は、管74を有しない構成となっていてもよい。
【0081】
(E)第5の変形例
次に、図9を参照して、第5の変形例について説明する。
【0082】
本変形例に係る攪拌脱泡装置は、図9に示す容器15を有する。容器15は、気密構造となっている。すなわち、容器15は、内部(被攪拌材料が収容される空間)が気密に構成されている。容器15は、本体15aと、真空蓋15bとを含んで構成されていてもよい。また、真空蓋15bには貫通穴が構成されており、該貫通穴を通じて、ずり速度発生部71(ずり流動面71a)が容器15内部に配置されている。
【0083】
本変形例に係る攪拌脱泡装置は、容器15内の気圧を所望の値に設定するための、気圧制御装置を含んでいてもよい(図示せず)。気圧制御装置は、例えば、容器15内を減圧するための真空ポンプであってもよい。気圧制御装置は、容器15内に連通する管(図示せず)を介して、容器15内の気圧を制御するように構成されていてもよい。
【0084】
本変形例に係る攪拌装置によると、容器15の内部(被攪拌材料が収容される空間)の気圧を所望の値に設定することが可能になる。特に、容器15内を減圧すると、被攪拌材料を攪拌する工程で、被攪拌材料をより効率よく脱泡することが可能になる。そのため、より精度の高い脱泡処理を行うことができる。
【0085】
(F)その他の変形例
上述した攪拌脱泡装置では、ずり速度発生手段7において、ずり速度発生部71を第2回転駆動機構72により回転させるものとしたが、この第2回転駆動機構72の代わりにモータを設け、このモータでずり速度発生部71を回転させるように構成してもよい。これによれば、簡単な構成で被攪拌材料Kにずり速度を発生させることができる。このとき、モータを、回転ベース6の回転軸線Y1上に配置すれば、モータにかかる遠心力の影響を小さくすることができる。
【0086】
また、上述した攪拌脱泡装置では、ずり速度発生手段7において、ずり速度発生部71を第2回転駆動機構72により回転させるように構成したが、このずり速度発生手段7は被攪拌材料Kにずり速度を発生させるものであればよく、例えば、ずり速度発生部71を揺動または振動させること等で、被攪拌材料Kにずり速度を発生させるものであってもよい。
【0087】
また、被攪拌材料Kの物性により、ずり速度発生手段7の回転運動だけでは被攪拌材料Kの全体に流動が及ばない場合等には、ずり速度発生手段7に加えて、さらに、ずり流動面71aの揺動機構または振動機構を必要に応じて設けることもできる。なお、機構例としては、ギアG2とギアG3とを連結する第1連結シャフト72bから適度な比率で回転速度の調整を行った後に、カム機構などを設けて軸方向・上向き分だけを駆動する機構が挙げられる。軸方向・下向き分は、重力および遠心力の作用により、支持シャフト71bおよびずり流動面71aが軸方向にスムーズに振動することができる。
【0088】
また、上述した攪拌脱泡装置では、ずり速度発生手段7において、ずり流動面71aの先端側を曲面形状に形成したが、平面形状等いかなる形状を有するものであってもよい。また、ずり流動面71aの表面に溝または突条部を形成してもよい。これによれば、被攪拌材料Kをより効果的に流動させることができるため、被攪拌材料をKより効果的に攪拌させることができる。
【0089】
また、ずり速度発生手段7において、ずり流動面71aを取替え可能に構成してもよい。これによれば、被攪拌材料の種類、粘度、物性等に適宜合わせて、ずり流動面71aの形状等を変えることができるので、被攪拌材料をより効果的に攪拌することができる。
【0090】
また、上述した攪拌脱泡装置では、支持シャフト71bのスライド移動は、手動により行うものとしたが、必要に応じて、軸方向の自動位置決め機構を設け、自動化してもよい。
【0091】
また、上述した攪拌装置は、容器10の位置を変更することが可能に構成されていてもよい。例えば回転ベース6が、端部63a及び固定具63bによって構成される凹部の所望の位置に、容器10(フランジ11)を固定することが可能に構成されていてもよい。これにより、容器10(容器10の内壁面)とずり流動面71aとを所望の間隔で配置することが可能になるため、被攪拌材料に適した攪拌処理を実現することができる。なお、容器10及びずり流動面71a(ずり速度発生部71)の間隔は、被攪拌材料にあわせて適宜設定することができる。例えば、ずり流動面71aは、図1に示すように、容器10の遠心側に(容器10の内壁面のうち回転軸線Y1から最も離れた領域に近接するように)配置することができる。これによれば、被攪拌材料が少量であっても、被攪拌材料とずり流動面71aとを、確実に接触させることができる。ただし、ずり流動面71aは、回転軸線Y2が容器10の中心線軸X1と一致するように配置することができる(図示せず)。この場合でも、遠心力の作用により、ずり流動面71aで、被攪拌材料にずり速度を発生させる(ずり応力を作用させる)ことが可能になる。
【0092】
(2)第2の実施の形態
以下、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。図10(A)〜図11は、本実施の形態に係る攪拌脱泡装置について説明するための図である。
【0093】
本実施の形態に係る攪拌脱泡装置は、図10(A)及び図10(B)に示すように、容器110を有する。容器110は、外形が円柱状に構成されている。容器110は図示しない回転ベースに固定されており、回転ベースの回転に伴って、回転ベースの回転軸線Y1を中心に公転する。本実施の形態では、容器110は、底面の垂線(中心軸線)が、回転軸線Y1と斜めに交差するように設置されている。ただし、容器110は、底面の垂線が回転軸線Y1と平行になるように設置されていてもよい。
【0094】
本実施の形態に係る攪拌脱泡装置は、図10(A)及び図10(B)に示すように、第1及び第2のずり速度発生部172,174を有する。第1のずり速度発生部172は、ずり流動面172a及び支持シャフト172bを有する。また、第2のずり速度発生部174は、ずり流動面174a及び支持シャフト174bを有する。本実施の形態では、ずり流動面172a及びずり流動面174aは、円柱形となっている。
【0095】
本実施の形態では、第1及び第2のずり速度発生部172,174は、支持部材160によって回転可能に支持されている。支持部材160(第1及び第2のずり速度発生部172,174)は、回転ベースに固定され、回転ベースの回転に伴って、回転ベースの回転軸線Y1を中心に公転する。本実施の形態では、容器110も、回転ベースに固定されることから、ずり流動面172a及びずり流動面174aと容器110との相対的な位置関係を一定に保つことができる。
【0096】
本実施の形態に係る攪拌脱泡装置では、図10(B)に示すように、第1及び第2のずり速度発生部172,174は、仮想の直線(回転軸線Y2)を中心に回転可能に構成されている。そして、第1及び第2のずり速度発生部172,174は、回転軸線Y2が、容器110の底面の垂線と平行になるように構成されている。すなわち、本実施の形態では、ずり流動面172a及びずり流動面174aは、容器110の底面と直交する仮想の直線を中心に回転可能に構成されている。
【0097】
本実施の形態に係る攪拌脱泡装置では、図10(B)及び図11に示すように、第1及び第2のずり速度発生部172,174は、ずり流動面172a及びずり流動面174aが、容器110の内壁面における回転軸線Y1から最も離れた領域(遠心領域112)に近接するように配置されている。これにより、容器110を公転させる工程でずり流動面172a及びずり流動面174aを、被攪拌材料Kに接触させることができる。
【0098】
また、本実施の形態に係る攪拌脱泡装置では、第1及び第2のずり速度発生部172,174は、ずり流動面172a及びずり流動面174aが近接して配置されるように構成されている(図11参照)。なお、容器110及び第1及び第2のずり速度発生部172,174は、ずり流動面172aとずり流動面174aとの間隔が、ずり流動面172aと容器110との間隔、及び、ずり流動面174aと容器110との間隔と等しくなるように、配置されていてもよい。
【0099】
本実施の形態に係る攪拌脱泡装置は、第1及び第2のモータ176,178を含む。第1及び第2のモータ176,178は、それぞれ、第1及び第2のずり速度発生部172,174を回転駆動させる役割を果たす。なお、第1及び第2のモータ176,178は、回転ベース16(支持部材160)の回転に伴って回転するように設けられる。そして、回転ベース16の回転動作中における第1及び第2のモータ176,178への給電は、例えば、回転軸60aに取り付けられた(図示しない)集電環を介して実現することができる。このとき、第1及び第2のモータ176,178へ供給される電力を調整することにより、第1及び第2のずり速度発生部172,174の回転角速度(回転方向を含む)を制御することが可能になる。また、第1及び第2のモータ176,178を回転軸線Y1の近傍に配置すれば、第1及び第2のモータ176,178が受ける、回転ベース16の回転による遠心力の影響を小さくすることができる。
【0100】
ただし、変形例として、第1及び第2のずり速度発生部172,174を回転させる回転駆動機構として、プーリ及びベルト、あるいは、ギアによって構成された遊星機構を含むトルク伝達機構を適用してもよい。すなわち、回転駆動機構は、回転ベースの回転(容器110の公転)に伴って、部材間の機械的な接触に基づいて回転トルクが伝達され、第1及び第2のずり速度発生部172,174に回転駆動トルクを付与するように構成されていてもよい(第2回転駆動機構72参照)。
【0101】
本実施の形態に係る攪拌脱泡装置は、図11に示すように、第1及び第2のずり速度発生部172,174を、相互に反対方向に回転させる。また、本実施の形態では、回転駆動機構は、第1及び第2のずり速度発生部172,174を、ずり流動面172a及びずり流動面174aの相対向する領域の移動方向が遠心力の方向と一致するように回転させる。なお、第1及び第2のずり速度発生部172,174を、同じ回転角速度で回転させてもよく、異なる回転角速度で回転させてもよい。
【0102】
本実施の形態に係る攪拌脱泡装置は、以上のように構成されていてもよい。この攪拌脱泡装置では、複数のずり流動面(ずり流動面172a及びずり流動面174b)を有する。そのため、容器110内の複数の領域で、被攪拌材料にずり速度を発生させる(ずり応力を作用させる)ことができる。また、本実施の形態に係る攪拌脱泡装置では、ずり流動面172a及びずり流動面174aの間で、被攪拌材料にずり速度を発生させる(ずり応力を作用させる)ことができる。そのため、この攪拌脱泡装置によると、被攪拌材料を、効率よく攪拌することができる。
【0103】
特に、本実施の形態に係る攪拌脱泡装置によると、ずり流動面172a及びずり流動面174bの間で、被攪拌材料には、遠心力が作用する。そのため、ずり流動面172a及びずり流動面174bが極めて近接した位置に配置されている場合でも、被攪拌材料を、2つのずり流動面の間を通過させることができる。そのため、2つのずり流動面の間で、被攪拌材料に大きなずり速度を発生させることが可能になり、精度の高い攪拌処理を実現することができる。
【0104】
以上、本発明を適用した第2の実施の形態について説明したが、本実施の形態はこれに限られるものではなく、種々の変形が可能である。以下、第2の実施の形態の変形例について説明する。
【0105】
(A)第1の変形例
次に、図12を参照して、第1の変形例について説明する。
【0106】
本変形例に係る攪拌脱泡装置では、ずり流動面172a及びずり流動面174aは、図12に示すように、相対向する領域の移動方向が遠心力の方向と反対になるように回転する。この攪拌脱泡装置によると、ずり流動面172a及びずり流動面174aの間で、被攪拌材料に大きなずり速度を発生させることが可能になる。詳しくは、この攪拌脱泡装置によると、ずり流動面172a及びずり流動面174aの間の領域の中央部では、被攪拌材料は遠心力の方向に移動する。これに対して、ずり流動面172a及びずり流動面174aに近接した領域では、被攪拌材料は、ずり流動面に沿って、遠心力と反対方向に移動する。すなわち、この攪拌脱泡装置によると、ずり流動面172a及びずり流動面174aの間で、被攪拌材料の速度勾配を大きくすることができる。そのため、精度の高い攪拌処理を実現することができる。
【0107】
(B)第2の変形例
次に、図13を参照して、第2の変形例について説明する。
【0108】
本変形例に係る攪拌脱泡装置では、ずり流動面172a及びずり流動面174aは、図13に示すように、同じ方向に回転する。この攪拌装置によると、ずり流動面172a及びずり流動面174aの相対向する面が、反対方向に移動する。そのため、ずり流動面172a及びずり流動面174aの間で、被攪拌材料の速度差が大きくなり、被攪拌材料に大きなずり速度を発生させることができる。そのため、精度の高い攪拌処理を実現することができる。なお、この攪拌脱泡装置では、被攪拌材料には遠心力が作用する。そのため、ずり流動面172a及びずり流動面174aの相対向する面が反対方向に移動する場合であっても、被攪拌材料を、ずり流動面172a及びずり流動面174aの間を通過させることが可能になる。
【0109】
(C)第3の変形例
次に、図14を参照して、第3の変形例について説明する。
【0110】
本変形例に係る攪拌脱泡装置は、支持部材160に代えて、図14に示す支持部材165を含む。支持部材165には、貫通穴166が形成されている。貫通穴166は、第1及び第2のずり速度発生部172,174が貫通する穴である。そして、第1及び第2のずり速度発生部172,174は、貫通穴166に沿って、その位置を変更することが可能に構成されている。
【0111】
この攪拌脱泡装置によると、第1及び第2のずり速度発生部172,174と容器110との相対的な位置を変更することが可能になる。そのため、被攪拌材料に適した位置にずり流動面172a及びずり流動面174aを配置することが可能になり、被攪拌材料を精度よく攪拌処理することが可能になる。
【0112】
なお、支持部材165は、第1及び第2のずり速度発生部172,174を、貫通穴166の所望の位置に固定することが可能に構成されていてもよい。すなわち、支持部材165は、第1及び第2のずり速度発生部172,174を固定する固定具を有していてもよい。
【0113】
ただし、支持部材165は、第1及び第2のずり速度発生部172,174を固定する機構を有しないように構成されていてもよい。すなわち、支持部材165は、被攪拌材料を攪拌脱泡処理する工程で、第1及び第2のずり速度発生部172,174が、貫通穴166に沿って自由に移動可能に構成されていてもよい。かかる構成とした場合でも、第1及び第2のずり速度発生部172,174は、遠心力の影響で、ずり流動面172a及びずり流動面174aが容器110の遠心領域112に近接するように配置される(図11〜図14参照)。そのため、被攪拌材料に大きなずり速度を発生させることが可能になる。また、この攪拌脱泡装置によると、被攪拌材料の攪拌処理の進捗に応じて、第1及び第2のずり速度発生部172,174の位置を変更させることができる。すなわち、被攪拌材料の粒径が大きい状態では第1及び第2のずり速度発生部172,174の間隔が広くなり、被攪拌材料の粒径が小さくなる程第1及び第2のずり速度発生部172,174の間隔を狭くすることができる。そのため、被攪拌材料に過度の応力を与えることなく、攪拌脱泡処理を行うことが可能になる。
【0114】
(D)その他の変形例
本実施の形態に係る攪拌装置では、ずり流動面172a及びずり流動面174aのいずれかのみを回転(自転)させてもよい。この場合でも、ずり流動面172a及びずり流動面174aの間で、被攪拌材料に大きなずり速度を発生させることができるため、被攪拌材料を精度よく攪拌処理することができる。
【0115】
また、第1及び第2のずり速度発生部172,174は、上下方向(回転軸線Y2方向)に移動(揺動・振動)することが可能に構成されていてもよい。すなわち、この攪拌脱泡装置は、攪拌脱泡処理工程中に、第1及び第2のずり速度発生部172,174に上下方向へ移動させるためのトルクを付与するトルク付与機構をさらに含んでいてもよい。このとき、トルク付与機構は、ずり流動面172a及びずり流動面174aの相対位置が変わるように、第1及び第2のずり速度発生部172,174にトルクを付与するように構成されていてもよい。例えば、トルク付与機構は、第1及び第2のずり速度発生部172,174のいずれか一方のみを上下に移動させるように構成されていてもよい。この攪拌脱泡装置によっても、精度の高い攪拌脱泡処理を実現することができる。
【0116】
(3)第3の実施の形態
以下、本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。図15は、本実施の形態に係る攪拌脱泡装置について説明するための図である。
【0117】
本実施の形態に係る攪拌脱泡装置は、図15に示すように、複数のずり流動面180a(ずり速度発生部180)を有する。ずり流動面180aは、図15に示すように、容器10の側面と同心の円周上に配置されていてもよい。
【0118】
本実施の形態に係る攪拌脱泡装置は、また、ずり速度発生部180を回転させるための回転駆動機構を有する(図示せず)。回転駆動機構は、図15に示すように、容器110と対向する部分が遠心領域112から離れる方向に移動するように、複数のずり流動面180を回転させる。
【0119】
この攪拌脱泡装置によると、容器110内で、被攪拌材料にずり速度を発生させることができるとともに、被攪拌材料を大きく流動させることができる。そのため、精度の高い攪拌処理を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】第1の実施形態に係る攪拌脱泡装置を説明するための図。
【図2】第1の実施形態に係る攪拌脱泡装置を説明するための図。
【図3】第1の実施形態に係る攪拌脱泡装置を説明するための図。
【図4】攪拌脱泡装置の動作について説明する図である。
【図5】第1の変形例に係る攪拌脱法装置を説明するための図。
【図6】第2の変形例に係る攪拌脱法装置を説明するための図。
【図7】第3の変形例に係る攪拌脱法装置を説明するための図。
【図8】第4の変形例に係る攪拌脱法装置を説明するための図。
【図9】第5の変形例に係る攪拌脱法装置を説明するための図。
【図10】第2の実施の形態に係る攪拌脱法装置を説明するための図。
【図11】第2の実施の形態に係る攪拌脱法装置を説明するための図。
【図12】第1の変形例に係る攪拌脱法装置を説明するための図。
【図13】第2の変形例に係る攪拌脱法装置を説明するための図。
【図14】第3の変形例に係る攪拌脱法装置を説明するための図。
【図15】第3の実施の形態に係る攪拌脱法装置を説明するための図。
【符号の説明】
【0121】
1…攪拌脱泡装置、 2…筺体、 3…支持部材、 4…モータ、 5…第1回転駆動機構、 6…回転ベース、 7…ずり速度発生手段、 8…取付部、 9…スプリング、 10…容器、 10a…内壁、 11…フランジ、 12…容器、 12a…内側壁、 12b…外側壁、 12c…端部、 13…第1の管、 14…第2の管、 15…容器、 15a…本体、 15b…真空蓋、 21…扉部、 22…蓋体、 31…ベース支持部、 32…ブラケット、 32a…貫通孔、 32b…軸部材、 41…モータ本体、 42…回転軸、 51…第1プーリ、 52…第2プーリ、 53…ベルト、 60…底部、 60a…回転軸、 60b…第1軸支持部、 61,62…側面部、 61a…第2軸支持部、 63,64…側面部、 63a…端部、 63b…固定具、 65…第2軸支持部、 66…貫通穴、 71…ずり速度発生部、 71a…ずり流動面、 71b…支持シャフト、 72…第2回転駆動機構、 72a…固定軸、 72b…第1連結シャフト、 72c…第2連結シャフト、 73…ずり速度発生部、 74…管、 74a…熱媒体供給管、 74b…熱媒体回収管、 110…容器、 112…遠心領域、 160…支持部材、 165…支持部材、 172…第1のずり速度発生部、 172a…ずり流動面、 172b…支持シャフト、 174…第1のずり速度発生部、 174a…ずり流動面、 174b…支持シャフト、 176…第1のモータ、 178…第2のモータ、 180…ずり速度発生部、 180a…ずり流動面、 X1…中心軸線、 Y1…回転軸線、 Y2…回転軸線、 K…被攪拌材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部材と、
前記支持部材に回転自在に支持された回転ベースと、
前記回転ベースに固定されて前記回転ベースの回転に伴って公転する、被攪拌材料を収容する容器と、
前記回転ベースを回転させることで前記容器を公転させる第1回転駆動機構と、
前記容器内に収容された被攪拌材料にずり応力を作用させるずり応力作用手段と、
を備える攪拌脱泡装置。
【請求項2】
請求項1に記載の攪拌脱泡装置において、
前記ずり応力作用手段は、
前記容器内で前記被攪拌材料に接触し、前記被攪拌材料にずり応力を作用させるずり応力作用部材と、
前記ずり応力作用部材を駆動する駆動機構と、
を備える攪拌脱泡装置。
【請求項3】
請求項2に記載の攪拌脱泡装置において、
前記駆動機構は、前記ずり応力作用部材を、前記回転ベースの回転軸線とは異なる軸線を中心に回転させる第2回転駆動機構である攪拌脱泡装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の攪拌脱泡装置において、
前記ずり応力作用部材は、前記容器の内壁に近接するように設けられている攪拌脱泡装置。
【請求項5】
請求項4に記載の攪拌脱泡装置において、
前記ずり応力作用部材は、前記容器の内壁面における前記回転ベースの回転軸線から最も離れた遠心領域に近接するように設けられている攪拌脱泡装置。
【請求項6】
請求項2から請求項5のいずれかに記載の攪拌脱泡装置において、
前記ずり応力作用手段は、前記ずり応力作用部材と前記容器との相対的な位置関係を可変に構成されている攪拌脱泡装置。
【請求項7】
請求項2から請求項6のいずれかに記載の攪拌脱泡装置において、
前記容器及び前記ずり応力作用部材の少なくとも一方は、温度調整用の媒体が収容される内部空間を有する構成となっている攪拌脱泡装置。
【請求項8】
請求項7に記載の攪拌脱泡装置において、
前記容器及び前記ずり応力作用部材の少なくとも一方は、前記被攪拌脱泡材料の処理中に、前記内部空間へ前記媒体を供給すること、及び、前記内部空間から前記媒体を回収することが可能に構成されている攪拌脱泡装置。
【請求項9】
請求項2から請求項7のいずれかに記載の攪拌脱泡装置において、
前記ずり応力作用手段は、複数の前記ずり応力作用部材を含む攪拌脱泡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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