説明

改善された吸音を有する低密度吸音パネルを製造する方法

水フェルト化法を用いて、改善された吸音特性を有する低密度の高ミネラルウールベース吸音パネルを製造するために有用な方法が開示される。この方法は、水、ミネラルウール、熱可塑性結合剤および/またはデンプンを含む希薄スラリー混合物を形成する工程;および希薄スラリーを多孔性キャリヤ上に分布させ、重力によって水を除去する重力排水によってスラリーをベースマットに脱水させる工程を含む。真空は、重力脱水ベースマットに真空を徐々にかけるように調整され、ベースマットを圧縮する静圧にマットを曝すことなく、ベースマットをさらに脱水する。ベースマットは乾燥されて、吸音天井製品を形成し、これは、低密度および優れた吸音特性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本発明は、その全体が参照により本明細書に援用される、2007年11月20日に出願された、米国特許出願第11/943,375号明細書からの優先権を主張する。
【0002】
本発明は、改善された吸音力を有する天井および他の用途のための低密度の高ミネラルウール吸音タイルおよびパネルを製造する方法に関する。より詳細には、本発明は、従来の水フェルト化法を用いて製造された吸音パネルより高いNRC値を有するより低い密度の高ミネラルウール吸音天井製品を得るために改善された水フェルト化法を用いて製造された吸音パネル構成物に関する。
【背景技術】
【0003】
ミネラルウールおよび軽量骨材の希薄水性分散液の水フェルト化は、吸音天井タイルまたはパネルを製造するためのよく知られている商業的な方法である。この方法では、ミネラルウール、軽量骨材、セルロースファイバー、結合剤および他の所望の成分の水性スラリーが、脱水のために、移動小孔支持金網、例えば、FourdinierまたはOliverのマット成形機の移動小孔支持金網などの上に流される。スラリーは、最初に重力で脱水され、次いで、真空吸引手段によって脱水されて、ベースマットを形成する。次いで、湿潤ベースマットは、ロールと支持金網との間で所望の厚さに押圧されて(場合によってはさらなる真空をかけて)、さらに水を除去する。この湿潤ベースマットは、加熱対流乾燥オーブン中で乾燥され、乾燥された材料は所望の寸法に切断され、割れ目を生じさせ、および/または孔が開けられ、吸音性が与えられ、場合によって上塗りされて(例えば、塗料で)、吸音タイルおよびパネルを製造する。
【0004】
ミネラルウール吸音タイルは必然的に極めて多孔性であり、良好な吸音を与える。それらの全体が参照により全て本明細書に援用される、米国特許第3,498,404号明細書;同第5,047,120号明細書および同第5,558,710号明細書に教示されるように、ミネラルウールファイバーはまた、その構成物中に取り込まれて、吸音特性を改善させ、軽量吸音タイルまたはパネルを与える。
【0005】
その全体が参照により本明細書に援用される、米国特許第5,964,934号明細書には、吸音タイル製品を製造するために、水フェルト化法におけるミネラルウール、膨張パーライト、セルロースファイバー、および場合によって、二次結合剤からなる構成(furnish)において、その水保持を減らすためにシリコーン化合物で処理された膨張パーライトの使用が教示されている。
【0006】
吸音タイル構成物は結合剤を含む必要があり、これは通常、デンプンを用いている。それらの全体が参照により本明細書に援用される、米国特許第5,911,818号明細書および同第5,964,934号明細書には、その構成物の15重量%程度がデンプンであってもよいが、6〜7重量%がより普通に使用されることが提案されている。
【0007】
その全体が参照により本明細書に援用される、米国特許第5,250,153号明細書には、吸音タイル構成物のためのラテックス結合剤の使用が記載されており、広範なラテックス結合剤がこの使用のために提案されている。
【0008】
その全体が参照により本明細書に援用される、米国特許第6,855,753号明細書には、従来のデンプン結合剤を置き換えるためにポリアミンエピクロロヒドリン樹脂などの湿潤強度樹脂が用いられること、および得られた構成物が、水フェルト化法において吸音タイルおよびパネル中により効率的に加工され得ることが提案されている。
【0009】
その全体が参照により本明細書に援用される、米国特許出願公開第2004/209071A1号明細書には、吸音パネルの製造のための構成物が1種または複数の充填剤、1種または複数の結合剤、および水ならびに亜鉛ピリチオンを含むことが開示されている。
【0010】
その全体が参照により本明細書に援用される、米国特許出願公開第2005/191465A1号明細書には、改善された耐衝撃性および優れた吸音値を有する、耐酷使性のキャスト吸音天井タイルが開示されている。この天井タイルは、キャスティング法における湿潤パルプの表面に適用された骨材粒子を有し、この粒子は、ロールおよび/または平滑プレートを用いた圧縮によりパルプ中に埋め込まれる。
【0011】
CONSTELLATIONブランドのベースマットは、ミネラルファイバー、アニオン安定ラテックス結合剤、および結合剤からなる希薄水分散液を形成し、カチオン性ポリアクリルアミドの使用などによって少量の凝集剤を添加することによって、この結合剤固形物をミネラルファイバー材料上に結合させ、このスラリーを支持金網の第一浸水区域上に移動させ、絡み密集体の間隙空間に水を有する開口絡み構造密集体を形成することによって、小孔支持金網上に製造される耐サグ性の軽量ミネラルパネルである。水は密集体から取り去られ、密集体は、加熱乾燥空気を開口絡み構造に通すことによって乾燥される。
【0012】
USG Interiors,Inc.によって製造されるMARS CLIMAPLUS(登録商標)ブランド吸音パネルは、裏面塗布CONSTELLATIONベースマットおよびラミネート不織ガラス繊維スクリム外装材を用いる高性能吸音天井製品である。MARSブランド製品は、平滑な白色の質感、優れた高湿度サグ性能、良好な吸音値、高率の再生含有量、低いホルムアルデヒド放出、および抗菌特性を含む、多くの利点を有する。現在のMARSブランド製品は、3/4インチ(1.91cm)厚であり、NRCは0.70およびシーリング減衰クラス(ceiling attenuation class)(以後、「CAC」とも呼ばれる)は35である。
【0013】
騒音減少率(NRC)は、特定の表面に当たった後に吸収される音響エネルギーの量のスケール表示であり、NRC値0は、完全反射を示し、NRC値1は、音響エネルギーの完全吸収を示す。NRC値は、周波数250Hz、500Hz、1000Hzおよび2000Hzにおける特定表面の4つの吸音係数の平均であり、これは、通常の人の話言葉の範囲をカバーする。ASTM C423による実験室での材料の実験室試験において、通常の設置における場合と同様に、試料の表側のみが音響エネルギーに曝される。一部の環境下で、1超のNRC値が得られることがあるが、これは、回折/(エッジ効果対面積効果)による試験法の不自然な結果である。
【0014】
シーリング減衰クラス(CAC)等級は、音が1つの部屋の天井を通して、共通プレナムを経て隣室に伝えられるときに、音が失われる大きさを定量化する。より高いCAC等級は、その天井系が、より少ない音響伝送を可能にすることを示す。CACは、試験標準ASTM E1414を用いて測定され、ここで、音響レベルは、音源室および隣室で測定される。
【0015】
垂直入射吸音は、修正ASTM E1050−98に従って決定することができ、ここで、垂直入射吸音は、インピーダンス管において4つの周波数、すなわち、250、500、1000および1600Hzの平均から測定される。ASTM E1050−98は、第4の周波数が2000Hzではなく、1600Hzであるので、「修正されて」いる。Pulse(商標)Material試験プログラムType7758、2マイクロホンインピーダンス測定管Type4206(400mm直径)、電力増幅器Type2706およびPulse(商標)、マルチアナライザーシステムType3560からなるBruel & Klaer Pulse(商標)材料試験システム上で、試料は、背面空気空間なしに、すなわち、吸音パネルは平坦な金属面上に存在させて試験される。ENRC値は、実験室試料の吸音特性の一つの尺度としてしばしば使用される。
【0016】
現在のMARS CLIMAPLUS(登録商標)ブランド吸音パネル製品の利点を有するより高いNRC製品が望ましい。
【0017】
より低密度の製品を製造しようとして構成物のストックフローを低下させることによって水フェルト化法を用いてより高い騒音減少率(NRC)のConstellation製品を製造することも試みられてきたが、これらの試みは、減少した製品厚さにおいて以外は、従来のパネルに対してほぼ近い密度を有した製品を製造したのみであった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、開口構造および改善された吸音特性を有する吸音天井パネルを製造する方法であって、
ミネラルウールと、熱可塑性結合剤、デンプンならびに熱可塑性結合剤およびデンプンの混合物からなる群の少なくとも1種の構成剤と、任意選択の添加剤とを含み、3.0から6.0重量%の固形分濃度を有する水性スラリー混合物を与える工程と;
スラリーを多孔性キャリヤ上に分布させる工程と;
分布スラリーを脱水し、前記脱水は、少なくとも1つの重力排水ボックスにわたる多孔性キャリヤ上のスラリーを重力排水させ、重力排水ベースマットを形成し、スラリーは2から20秒の時間にわたって74から84重量%の水濃度まで重力排水される工程と;
重力排水ベースマットに、第1の真空、通常最大約0.7インチHg、例えば、約0.3から0.7、例えば、約0.5インチHgの真空を約2〜20秒間かけて、ベースマット中の水の約18%から34%を除去し、次いで、重力排水ベースマットに第2の真空をかけて、重力排出ベースマットから水のさらなる10%から52%(ベースマットを第1の真空印加下においた後のベースマット中の水の量に対して)を除去することによって、真空排水して、水を除去する工程とを含み、ここで、第2の真空の印加は通常、約2.0〜4.0インチHgの真空で約2〜20秒間であり、静圧によってマットを著しく圧縮することなく真空排水の量を増加させ、その結果、真空排水は、乾燥ベースマットの密度を重力排水ベースマットに比べて乾燥基準で0%から10%だけ増加させ;および
ここで、乾燥基準の真空排水マットは、立方フィート当たり約10.9から約15.0ポンドの密度および約0.80から約0.95の騒音減少係数を有する、方法を提供する。
【0019】
本発明の方法は、より低い密度、より開口したマット構造の製造によって改善された吸音を有する低密度の高ミネラルウール吸音マットまたはパネルの製造を可能にする。この方法において、水、ミネラルウール、熱可塑性結合剤および/またはデンプンならびに微量成分からなる希薄スラリーは、最初に重力排水によって、次いで、徐々に増加するレベルの真空排水によって脱水される。したがって、マットは真空によりかけられる静圧によって著しく圧縮されない。得られたマットは、通常の水フェルト化法によって製造される標準CONSTELLATION吸音製品よりも増加した厚さ(caliper)および低い密度を有する。製造されるCONSTELLATION吸音製品は、通常の水フェルト化法によって製造されるミネラルウール吸音マットまたはパネル吸音製品よりも高い騒音減少係数(以後、「NRC」とも呼ばれる)を有したベースマットも有する。
【0020】
特に、約0.80から0.85の騒音減少係数(NRC)値および約33から36のCACを有したより開口したマット構造の製造によって改善された吸音を有する低密度の高ミネラルウール吸音マットまたはパネルを製造することが望ましい。例えば、製造される吸音製品は、0.85のNRCおよび35のCACを有することができるか、0.80のNRCおよび35のCACを有することができる。
【0021】
本発明者らは、より低い密度、より高いNRCのミネラルウール吸音マットまたはパネル製品が、真空排水の間にかけられる真空および製造ラインのウェットエンド部分での乾燥工程を制御し、形成ベースマットの圧縮を最小化することによって得ることができる。好ましい実施形態において、ウェットエンドは、(1)重力排水ボックス上の設定を調整すること;(2)ベースマットの最小押圧であるようにトップワイヤフォーマーのレベルを上昇させること;および(3)真空ボックスの設定を調整し、ベースマットに対する真空の徐々の印加を可能にさせることによって稼動する。
【0022】
本発明はまた、パネル密度と、パネル厚さと、NRCとの間の実証的関係を用いて、本発明のパネルを製造する方法を制御することも提供する。
【0023】
本発明の方法では、高性能ガラス繊維製品に匹敵する改善された吸音特性を有するより低い密度の高ミネラルウール吸音天井製品が製造される。
【0024】
重力排水を最大化し、上部ワイヤフォーマーの押圧位置を上昇させ、塵埃および損分をなくし、真空を徐々に導入することによって、0.85以上のNRCとともに、立方フィート当たり11〜12ポンド(pcf)(176kg〜192kg/立方メートル)のウェットエンド密度を有する自由形成製品を得ることができる。公称12pcfの密度が、下流の真空ボックスによりもたらされる静圧および貫流乾燥の適用にもかかわらず、トリマーで維持される。
【0025】
本発明では、ベースマットの厚さに依存して0.80から0.90のNRC値とともに12〜12.5pcf(192〜200kg/立方メートル)の範囲の密度を有するベースマットを得ることもできる。真空度を徐々に増加させる効果は、最大重力排水を与えることよりも有意により重要であることが見いだされた。
【0026】
本発明では、より低い密度のベースマットの製造に役立つために徐々に増加する真空設定を用いる以外は標準ウェットエンドのセットアップを用いることによって、0.80のNRCとともに公称0.900インチ(2.29cm)の製品を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の吸音パネルの実施形態の斜視図である。
【図2】製造工程の仕上げ段階までの本発明の製品を製造するための製造ラインの概略図である。
【図3A】希薄スラリーをライン上に分布させ、次いで、スラリーを重力排水ボックス、次いで、トップワイヤフォーマープレスのもとに置くための製造ラインの第1の部分(ウェットエンド)の概略図である。
【図3B】トップワイヤフォーマーから真空ボックスまでの製造ラインの真空排水および初期の乾燥機部分の概略図である。
【図4】本発明の方法に従って製造される裏面塗布パネルについて、推定騒音減少係数(ENRC)対パネル厚さのグラフである。
【図5】本発明の範囲内の密度におけるベースマットおよび裏面塗布パネルについて、NRC値対パネル厚さのグラフである。
【図6】本発明の方法に従って製造される低、中および高密度ベースマットについて、推定騒音減少係数対パネル厚さのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
A.パネル
図1は、本発明の吸音タイルまたはパネル10の実施形態の斜視図を示す。
【0029】
B.配合
本発明の1つの実施形態において、本発明のパネルを製造するために使用される構成物の成分は、ミネラルウール(スラグウールファイバー)、熱可塑性結合剤および/またはデンプン、水ならびに任意の任意選択の成分、例えば、凝集剤である。その乾燥成分および湿潤成分は混合されて、希薄スラリーを生成し、これは堆積されて、希薄スラリー層を形成する。希薄スラリーに添加されるミネラルウールファイバーは、スラリー層の全厚さにわたるマトリックス中に均一に分布され、これは、さらなる処理後に、最終的にパネルを形成する。本発明のパネルは通常、乾燥成分の総重量の約70から95重量%のミネラルウール、6から7重量%の合わされた熱可塑性結合剤およびデンプン、ならびに水から形成される。
【0030】
好ましい実施形態において、パネルは、乾燥成分基準で約90〜95重量%、例えば、93重量%のミネラルウール、約4.5〜5重量%、例えば、4.7重量%の熱可塑性結合剤および1.5〜2.5重量%、例えば、2.0重量%のデンプンから形成される。
【0031】
1.ミネラルウール
本発明で用いられるミネラルウールは、ミネラルウールベースの吸音タイルおよびパネルの製造に従来用いられた種類の合成ガラス質(シリケート)ファイバーと時に称されるスラグウールファイバーである。ミネラルウールは一般に、高速空気を用いて溶融スラグを繊維化することによって製造される細いフィラメントである。ミネラルウールは通常、ミネラルウールベース吸音タイルを製造する際に従来用いられるのと同じ種類のものからなる。
【0032】
2.デンプンおよび熱可塑性結合剤
用いられ得る結合剤はデンプンであることができ、これは、その費用効果のためにミネラルウールベース吸音構成物における使用についてよく知られている。
【0033】
デンプンの有無にかかわらず用いられ得る他の結合剤は、ミネラルウールに基づく吸音タイルにおいて従来使用された種々の熱可塑性結合剤(ラテックス)から選択され得る。これらのラテックスは、約30℃から約110℃の範囲のガラス転移温度を有し得る。これらのラテックス結合剤の例には、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル/アクリル酸エマルジョン、塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、スチレン/アクリル酸コポリマーおよびカルボキシル化スチレン/ブタジエンが含まれる。典型的な熱可塑性ラテックスは、90℃から100℃(194から212°F)の範囲のガラス転移温度を有するスチレンアクリル酸ラテックスである。
【0034】
3.他の成分
任意選択のさらなる成分には、凝集剤、セルロースファイバー、膨張パーライトなどの軽量骨材、クレー、硫酸カルシウム二水和物、および石灰石が含まれ得る。ASTM試験番号E119によって定義されるような耐火性を与えることが望まれる場合に、クレーは少なくとも4%、好ましくは少なくとも20%の量で使用されることが必要であると従来考えられている。ボールクレーなどの市販のクレーは、この目的に使用され得る。
【0035】
さらに、本発明の吸音構成物には、無機充填剤(マイカなど)、珪灰石、シリカ、石膏、スタッコおよび炭酸カルシウム、他の軽量骨材、界面活性剤ならびに凝集剤が含まれ得る。これらの成分は、吸音タイル構成物を製造する当業者によく知られている。
【0036】
本発明は、材料のいずれの特定の量にも限定されないが、本発明では、約3から6重量%の範囲の固形分含量を有する水性スラリーにおいて表1に示される量で以下の成分を含む構成物が企図される。
【0037】
【表1】

【0038】
希薄スラリーは、本明細書の利益を有する吸音パネル製造技術をよく知っている当業者に想起される様々な方法によって堆積させ得る。例えば、それぞれのパネルを製造するバッチ工程を用いるよりもむしろ、連続シートが同様に製造され得、これは、その材料を乾燥させた後に、所望の寸法のパネルに切断され得る。
【0039】
C.本発明のパネルの製造
第1の実施形態において、本発明は、開口構造および改善された吸音特性を有する吸音天井パネルを製造する方法であって、
ミネラルウールと、熱可塑性結合剤、デンプンならびに熱可塑性結合剤およびデンプンの混合物からなる群の少なくとも1種の構成剤と、任意選択の添加剤とを含み、3.0から6.0重量%の固形分濃度を有する水性スラリー混合物を提供する工程と;
スラリーを多孔性キャリヤ上に分布させる工程と;
分布スラリーを脱水し、前記脱水は、少なくとも1つの重力排水ボックスにわたる多孔性キャリヤ上のスラリーを重力排水させて、重力排水ベースマットを形成し、スラリーは2から20秒の時間にわたって74から84重量%の水濃度まで重力排水される工程と;
重力排水ベースマットに、第1の真空、通常最大約0.7インチHg、例えば、約0.3から0.7、例えば、約0.5インチHgの真空を約2〜20秒間かけて、ベースマット中の水の約18%から34%を除去し、次いで、重力排水ベースマットに第2の真空をかけて、重力排水ベースマットから水のさらなる10%から52%(ベースマットを第1の真空印加下においた後のベースマット中の水の量に対して)を除去することによって、真空排水して、水を除去する工程とを含み、ここで、第2の真空の印加は通常、約2.0〜4.0インチHgの真空で約2〜20秒間であり、静圧によってマットを著しく圧縮することなく、すなわち圧縮は真空排水ベースマットの厚さの10%未満で真空排水の量を増加させ、その結果、真空排水は、真空排水ベースマットの密度を重力排水ベースマットに比べて乾燥基準で0%から10%だけ増加させ;および
ここで、乾燥基準の真空排水ベースマットは、立方フィート当たり約10.9から約15.0ポンドの密度および約0.80から約0.95の騒音減少係数を有する、方法を提供する。
【0040】
本発明の吸音パネルを製造するための必要な操作条件下で本発明の方法を行うための装置は、図2、図3Aおよび図3Bの図に例示される。
【0041】
図2は、本製品を製造するための吸音パネル製造ライン12の実施形態を示す。図2を参照して、本方法は、撹拌機(図示せず)を備えた従来の混合装置において、ミネラルウールを水ならびに結合剤および/またはデンプンと混合して、希薄水性原液スラリー30を形成することによって開始される。ミネラルウールは通常、ミネラルウールベース吸音タイルを製造する際に従来使用されるのと同じ種類のものからなっていてもよい。ミネラルウールならびに結合剤および/またはデンプンは十分な水と混合されて、ミネラルウール、デンプン、熱可塑性結合剤、水およびさらなる添加剤からなる原液スラリー30を製造する。例えば、スラリー30は、約4.5重量%の固形分を含み、ミネラルウールはその固形分の93重量%を構成する。
【0042】
図3Aに示されるように、原液スラリー30は、ヘッドボックス20に供給される。原液スラリー30は、エンドレス金属ワイヤー形成面65上に堆積されて、ベースマット15を形成し、方向「T」に移動しながら、重力排水ボックス1、2、3、4を有する重力排水システム5にわたって通過する。形成面65の上を通過するスラリー30中の水は、重力排水ボックス1、2、3、4(図3A)による重力排水によって最初に脱水され、その後、ベースマット15は、トップワイヤフォーマー70およびニップ80を通過する。4つの重力排水ボックス1、2、3、4はスラリーを徐々に脱水する。
【0043】
4つの重力排水ボックス1、2、3、4は、本発明下の所望の操作条件に従って開放または閉鎖位置に設定されて、重力排水ベースマット15を形成する。
【0044】
Constellation(登録商標)ブランド吸音パネル製品を製造するための標準的な(従来の)方法において、重力排水ボックス1、2は閉じられており、重力排水ボックス3は半開であり、重力排水ボックス4は完全に開いている。0.70のNRCを有する3/4インチ(1.9cm)吸音パネルを製造するための標準的な(従来の)操作条件下で、ウェットエンドの設定は、ベースマット15から可能な限り多くの水を排水させるのではなく、トップベルトがベースマットを押圧し、比較的平滑な面を得ることができるように、ニップ点80でベースマットの適切な厚さ(capiper)を与えるために十分なだけの水を除去するように設計される。重力排水によって除去される水が多過ぎる場合、厚さが不足し、面が平坦でなくなり、かつ研摩後にむらを生じ得る。重力によって除去される水が少なすぎる場合、乾燥機中において、ベースマット15の水負荷が多過ぎ、遠心ブロアー中に入る水が多過ぎて下流の真空ボックスに供給され、ライン速度を減少させる。
【0045】
本発明において、重力排水は、好ましくは、少なくとも1つの重力排水ボックスにわたる多孔性キャリヤ上のスラリーを重力排水させて、重力排水ベースマットを形成する工程を含み、ここで、スラリーは、2から20秒の期間をかけて74から84重量%の水濃度にまで重力排水される。したがって、この実施形態において、好ましくは、ボックス1、2、3、4(図3A)の少なくとも1つがスラリーを2から20秒の期間かけて74から84重量%の水濃度にまで重力排水させ、その後、ベースマット15は、トップワイヤフォーマー70およびニップ80を通過する。
【0046】
次いで、重力排水ベースマット15は、トップフォーマーワイヤ70の下、およびローラーニップ80を通って送られる。ベースマット15は通常、重力排水および押圧後に約74〜84重量%の自由水を含み、その後、ベースマット15に徐々に真空をかけるために種々の選択された真空条件に設定された6つの真空ボックス90、91、92、93、94、95(図3B)を有する真空システム106を通って送られる。真空ボックス91、92、93、94および95は、マルチゾーン乾燥機200の第1のゾーン100と一緒に働く。脱水および乾燥のために、マルチゾーン乾燥機ゾーンを通って、水は最終ベースマット15中約2重量%の濃度にまで除去される。
【0047】
図3Bは、トップワイヤフォーマー70から真空システム106および第1の乾燥機ゾーン100までの製造ラインを示す。真空システム106は、2つの大型遠心ブロアー102および104により供給される6つの真空ボックス90、91、92、93、94、95を有する。
【0048】
90と表示された第1の真空ボックス(本明細書において「プレスボックス」または「プレス後(AP)ボックス」とも呼ばれる)および次の2つのボックス91および92は、遠心ブロアー102によって供給される。
【0049】
3つの真空ボックス93、94および95からなる第2の群は、遠心ブロアー104によって供給される。産業界で使用される典型的なブロアーは、50から400馬力を有し、5,000から25,000立方フィート/分(cfm)(140〜700立方メートル/分)の空気流を発生させ得る。
【0050】
ベースマット15は、ウォータージェットカッター107を通して送られ、AP真空ボックス90の直後でかつベースマット15が乾燥機200に入る前にベースマット15を機械と直交する方向に切断する(図2および図3B)。
【0051】
上述の通り、乾燥機200はマルチゾーン乾燥機である。図3Bは、第1の乾燥機ゾーン100を示す。第1の乾燥機ゾーン100は、熱風を真空ボックス91、92、93、94、95に供給するために用いられる。対照的に、AP真空ボックス90は、周囲温度の空気のみを引き込む。
【0052】
通常操作条件下で、APボックス90およびボックス91、92、93は全て、完全に開いた位置にあり、ボックス94、95は完全に閉じている。標準的な(従来の)製造運転の間に、真空ボックス90、91、92、93、94、95は通常、それらの自然な圧力から調整されず、真空圧はモニターされない。従って、従来のシステムにおいては、ゾーン100の下流の乾燥機200のゾーンでの乾燥前に、可能な限り多くの水がAPボックス90およびボックス91、92、93(乾燥機の第1のゾーン100に関連して稼動する)によって除去される。
【0053】
しかし、本発明においては、真空システム106では、AP真空ボックス90、次いで第1の遠心ブロアー102により供給される真空ステーション91から92および第2の遠心ブロアー104により供給される真空ボックス93、94および95における漸進的な真空でベースマット15が処理される。ベースマット15がマルチゾーン乾燥機200を通過するにつれて、ベースマット15の所望の厚さ(thickness or caliper)を保持しながら可能な限り多くの水が除去され、ベースマット15は最終パネル10まで乾燥され、これは適切な大きさに切断され、場合によってその表面に対してサンドペーパーがかけられ、塗装され、および/またはラミネートされ、また場合によって裏面コーティングが施される。裏面コーティングは、当技術分野では広く知られている。裏面コーティングに当技術分野で用いられるコーティングには通常、ラテックス系コーティングおよび樹脂系コーティングが含まれ、これらは一般的には通常、ホルムアルデヒド系樹脂(例えば、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂)、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂または尿素−ホルムアルデヒド樹脂系コーティングである。
【0054】
本発明のこの実施形態において、APボックス90は、部分的または完全に閉じており、真空ボックス91、92、93は開いているが、かけられる真空の量はかなり減少し(従来の処理に比べて)、ベースマット15を圧縮することを回避する。対照的に、標準的な製造ラインでは、APボックス90は完全に開いており、かつ第1、第2および第3の真空ボックス91、92、93は完全に開いている。
【0055】
真空ボックス94および95は、標準的な操作手順およびこの実施形態のための本発明の操作手順の下では通常閉じている。
【0056】
したがって、本発明のこの実施形態において、水は、押圧されたベースマットに対して最大約0.7インチHg(0.00237MPa)、例えば、約0.3から0.7インチHg(0.00102から0.00237MPa)、例えば、約0.5インチHg(0.00169MPa)の第1の部分的な真空を約2〜20秒間かけるAP真空ボックス90により除去され、次いで、残りの真空ボックスは、押圧されたベースマットに対して約2.0から約4.0インチHg(約0.00677から約0.0135MPa)の第2の真空を約2〜20秒間かけて、マットを静圧によって著しく圧縮することなしに、真空排水のレベルを増加させる。この実施形態により、立方フィート当たり約10.9から約15.0ポンド(約174.6から約240.3グラム/リットル)の密度および約0.80から約0.95の騒音減少係数を有する脱水された乾燥ベースマット(言い換えれば、乾燥機200後のベースマット)がもたらされる。
【0057】
本発明によれば、必要に応じて、押圧されたベースマットに対して最大約0.7インチHg、例えば、約0.3から0.7、例えば、約0.5インチHgの第1の部分的な真空を約2〜20秒間かけるように、プレス後の真空ボックス90は完全に閉じた位置にあるように調整され、かつ第1の乾燥機ゾーン100における第1の真空ボックス91は少なくとも部分的に閉じた位置にあるように調整され、次いで、押圧されたベースマットに対して第1の真空ボックス91によりかけられた真空圧力より大きい真空圧力、例えば、約2.0から約4.0インチHgを約2〜20秒間かけるように、少なくとも1つのさらなるボックス92、93、94および/または95が完全に開いた位置にあるように調整される。
【0058】
当然ながら、任意の数の真空ボックスを用いかつ制御して、所望の制御された真空を有することができ、その結果、水は、押圧されたベースマットに対して最大約0.7インチHg、例えば、約0.3から0.5インチHgの第1の部分的な真空を約2〜20秒間かけ、次いで、押圧されたベースマットに対して約2.0〜4.0インチHgの第2の真空を約2〜20秒間かけることによって除去され、静圧によってベースマットを著しく圧縮することなく真空排水のレベルを増加させ、立方フィート当たり約10.9から約15.0ポンドの密度および約0.80から約0.95の騒音減少係数を有する脱水された乾燥ベースマットをもたらす。
【0059】
好ましくは、本発明によれば、真空排水は、重力排水ベースマットに対して最大約0.7インチHg、例えば、約0.3から0.7、例えば、約0.5インチHgの真空で第1の真空を約2〜20秒間かけ、ベースマット中の約18%から34%の水を除去し、次いで、重力排水ベースマットに対して第2の真空をかけて、(重力排水ベースマットが第1の真空にかけられるときに含んでいた量に対して)さらなる10%から52%の水を重力排水ベースマットから除去することによって達成され、ここで、真空の第2の印加は通常、約2.0から4.0インチHgの真空で約2〜20秒間である。好ましくは、これらの真空排水工程は、静圧によってマットを著しく圧縮することなく真空排水の量を増加させ、その結果、真空排水により、乾燥ベースマットの密度は、重力排水ベースマットに対して乾燥基準で0%から10%、通常0から5%だけ増加する。例えば、脱水ベースマットが立方フィート当たり約12ポンド(192g/リットル)の密度を有する場合、10%密度が高い乾燥ベースマットは、立方フィート当たり約13.2ポンド(211g/リットル)の密度を有する。
【0060】
裏面コーティングによる仕上げ前のベースマットの厚さは通常、0.80から0.95の範囲の最終パネルのNRCに対して約0.8から1.2インチ(2.03から3.05cm)の範囲である。より典型的には、裏面コーティングによる仕上げ前のベースマットの厚さは、0.80の公称NRCを有する最終パネルについて、立方フィート当たり14から15ポンド(pcf)の密度で0.90インチ(2.29cm)の範囲である。約0.90のNRCを有するパネルが望まれる場合、ベースマットの厚さは通常、約12.0pcf(192g/リットル)の密度で約1.20インチ(3.05cm)の厚さを有するように設計される。
【0061】
仕上げパネルのCACは通常、約33から36の範囲であり、少なくとも35のCACが最終仕上げパネルに望まれる。
【0062】
本発明はまた、所望の吸音特性を得るために吸音パネルの製造を制御するいくつかの方法を提供する。
【0063】
第1の実施形態では、改善された吸音特性とともに立方フィート当たり10.9から12.6ポンド(175から202g/リットル)の密度を有する低密度の高ミネラルウール吸音パネルを製造する方法であって、
吸音パネルの目標ENRCを選択し、以下の式に従って目標ENRCを得るためにパネルの目標厚さを決定する工程と:
ENRC=0.3618×厚さ(インチ)+0.4748;
ミネラルウール、熱可塑性結合剤およびデンプンならびに任意選択の添加剤を含み、3から6重量%の固形分濃度を有する希薄水性スラリー混合物を与える工程と;
希薄スラリーを多孔性キャリヤ上に分布させる工程と;
少なくとも1つの重力排水ボックスにわたる多孔質キャリヤ上の重力排水によってスラリーを脱水して、重力排水ベースマットを形成する工程と;
重力排水ベースマットが少なくとも1つの重力排水ボックスを離れた後に、第1の真空をかける少なくとも1つの第1の真空ボックスにわたって重力排水ベースマットを通過させ、次いで、第2の真空をかける少なくとも1つの第2の真空ボックスにわたって重力排水ベースマットを通過させることによって重力排水ベースマットに真空をかける工程とを含み、ここで、第2の真空は、第1の真空より大きい真空である)、重力排水ベースマットを真空排水させ、静圧によって重力排水ベースマットを圧縮することなくベースマットから10%を超えるだけ水を除去し、
ここで、ベースマットを脱水する条件および真空排水させる条件が、立方フィート当たり約10.9から12.6ポンドの範囲のベースマット密度を得るために調整され、目標ENRCの±5%以内のNRCを得る、方法が提供される。
【0064】
第2の実施形態では、改善された吸音特性を有して、高ミネラルウールを含み、立方フィート当たり約12.5から約14.0ポンド(約200から224g/リットル)の密度を有する裏面塗布ベースマットを含む吸音パネルを製造する方法であって、
吸音パネルに対する目標NRCを選択し、以下の式に従って目標ENRCを得るためにパネルの目標厚さを決定し:
ENRC=0.2376×厚さ(インチ)+0.6328;
ミネラルウール、熱可塑性結合剤およびデンプンならびに任意選択の添加剤を含み、3から6重量%の固形分濃度を有する希薄水性スラリー混合物を与える工程と;
希薄スラリーを多孔性キャリヤ上に分布させる工程と;
少なくとも1つの重力排水ボックスにわたる多孔性キャリヤ上の重力排水によってスラリーを脱水して、重力排水ベースマットを形成する工程と;
重力排水ベースマットが少なくとも1つの重力排水ボックスを離れた後に、第1の真空をかける少なくとも1つの第1の真空ボックスにわたって重力排水ベースマットを通過させ、次いで、第2の真空をかける少なくとも1つの第2の真空ボックスにわたって重力排水ベースマットを通過させることにより重力排水ベースマットに真空をかける工程であって、ここで、第2の真空が第1の真空より大きい真空であり、重力排水ベースマットを真空排水させて、真空排水マットを形成し、静圧によってマットを圧縮することなく、重力排水ベースマットに対して10%を超えるだけ水を除去し;ここで、真空排水によりベースマットの密度が約0%から10%増加する工程と;
ベースマットを乾燥させる工程と;
乾燥ベースマットに約1.5から2.0ミルの厚さで、当技術分野で従来用いられる種類の裏面コーティングを施す工程とを含み、
ここで、ベースマットを脱水する条件および真空排水の条件が、立方フィート当たり約12.5から約14.0ポンドの範囲のベースマット密度を得るように調整され、目標ENRCの±5%以内のNRCを得る、方法が提供される。
【0065】
本発明の第3の実施形態では、改善された吸音特性を有する高ミネラルウール吸音パネルを製造する方法であって、
吸音パネルのために、目標NRC、例えば、約0.90のNRCを選択し、パネルのために、目標厚さ、例えば、約1.10から1.20インチを決定する工程と;
ミネラルウール、熱可塑性結合剤およびデンプンならびに任意選択の添加剤を含み、3から6重量%の固形分濃度を有する希薄水性スラリー混合物を与える工程と;
希薄スラリーを多孔性キャリヤ上に分布させる工程と;
少なくとも1つの重力排水ボックスにわたる多孔性キャリヤ上の重力排水によってスラリーを脱水し、重力排水ベースマットを形成し、典型的には、約75%から約85%の水含量を有する重力排水ベースマットを形成する工程と;
重力排水ベースマットが少なくとも1つの重力排水ボックスを離れた後に、第1の真空をかける少なくとも1つの第1の真空ボックスにわたって重力排水ベースマットを通過させ、次いで、第2の真空をかける少なくとも1つの第2の真空ボックスにわたって重力排水ベースマットを通過させることによって、重力排水ベースマットを真空排水させて、真空排水ベースマットを形成する工程とを含み、ここで、第2の真空は、第1の真空より大きい真空(より大きい負圧)であり、静圧によってマットを圧縮することなく、重力排水ベースマットに対して10%を超えるだけベースマットから水を除去し、
ここで、乾燥基準の重力排水ベースマットの密度が、真空排水前の重力排水ベースマットの密度に対して、真空排水中に約0%から10%未満増加し、
ここで、脱水および真空排水の条件が、立方フィート当たり約10.9から14.0ポンド(約175から224g/リットル)の範囲の密度のベースマットを得るように調整され、約1.10から1.20インチ(2.79から3.05cm)のベースマット厚さで約0.90の目標ENRCの±5%以内のNRCを得る、方法が提供される。
【実施例】
【0066】
以下の実施例は、本発明の範囲内の方法によるいくつかの吸音タイル構成物の製造を例示する役目を果す。実施例は例示の目的のために示され、多くの他の構成物および方法条件が本発明の範囲内であることが理解される。当業者は、同様の吸音タイル構成物が、以下に示されるもの以外の成分および量を含んで製造され得ることを理解する。
【0067】
実施例1
この実施例は、乾燥成分基準で、約93重量%のミネラルウール、約4.7重量%の熱可塑性結合剤および約2.0重量%のデンプンを含む目標混合物を用いた。
【0068】
パネルは、「本発明のパネルの製造」と題した項において、上述したとおりに製造した。
【0069】
本発明のHi−NRC吸音板のための重力排水ボックス設定(図3Aを参照)および真空ボックス設定(図3Bを参照)を、表2および表3において、現在市販のMARS(登録商標)吸音板(これは、0.70のNRCを有する)と比較する。重力排水ボックスは、図3Aにおけるように1、2、3および4と表示する。真空ボックスは、図3Bにおけるように、90、91、92、93、94および95と表示する。
【0070】
【表2】

【0071】
【表3】

【0072】
1つの実施形態において、0.80のNRCを有する公称14〜14.5ポンド/立方フィートのHi−NRC製品による0.900インチ厚の製品は、重力ボックス1および2を閉じた状態、重力ボックス3を半分開けた状態、および重力ボックス4を完全に開けた状態に設定することによって得ることができる。ベースマットがウェットエンドを離れる際に、ベースマットは、完全に開いたAPボックス90および真空ボックス91、92および93を通過し、ここで、真空ボックス94および95は完全に閉じている。必要に応じて、APボックスにおける真空を部分的に閉じて、ベースマットに対してより大きい厚さおよびより低い密度を与えることができる。
【0073】
ベースマットが重力排水工程および湿潤処理のプレスを出た後にベースマットにかけられる真空の量は、プレス後にベースマットを真空排出および乾燥させるために使用される特定の処理装置の設計に依存する。しかし、本発明の実施において、ベースマットが部分的な真空下で最初に処理され、厚さを減少させることもベースマットの密度を約5から10%を超えて増加させることもなく、水の第1の部分を除去することが重要である。次いで、ベースマットは、より高いレベルの真空で処理して、より多くの水を除去することができ、このとき、水はベースマットの密度をさらに増加させる静圧を発生させない。
【0074】
この実施例のプラント試験において使用される、図3Aおよび図3Bに示されるような特定の装置において、押圧されたベースマットに約0.5インチHgの第1の部分的な真空を約2〜20秒間かけ、次いで、押圧されたベースマットに約2.0〜4.0インチHgの第2の真空を約2〜20秒間かけることによって水を除去することにより、静圧によってマットを著しく圧縮することなく、十分な真空排水が達成されることが見いだされた。
【0075】
言い換えれば、ベースマットを著しく圧縮しないように十分に弱い真空による第1工程の真空によって、水は除去される。しかし、この弱い真空により十分な水が除去されることにより、第2の真空工程のより強い真空がかけられる時までに、ベースマットを著しく圧縮するのに十分な静圧を生じさせる十分な水が存在しなくなる。
【0076】
脱水ベースマットの押圧および圧縮は、ベースマットの密度が立方フィート当たり約1.0ポンドを超えてまたはベースマットの密度の約5〜10%を超えて増加することを避けるために制限される。例えば、それぞれ、比較的低い真空における圧縮は10%未満(例えば、5%未満)であり、比較的高い真空における圧縮は5%未満(例えば、2%未満)であり、ベースマットの合計圧縮は、重力排水ベースマットに対して10%未満である。
【0077】
実施例2
プラント規模の板の製造
プレスは最大位置に上昇させ、重力排出は最大化させ、プレスボックス中の真空は変化させたが、他の真空設定は、それらの従来の位置のままとした。したがって、このデータの試験条件には、最高位置まで上昇させた上昇トップワイヤフォーマー70(以後、「プレス」とも呼ばれる)、最大化重力排出およびAP真空ボックス上の可変の真空設定が含まれ、他の真空設定は、標準MARS(登録商標)吸音板製品と同じであった。あらゆる塵埃および損構成物(broke)は除去されている。ウェットエンド試料はAP真空ボックス直後に採取することに留意されたい。表4は得られたデータを示す。
【0078】
【表4】

【0079】
表4のデータでは、プレス真空ボックス(AP真空ボックス、例えば、図3Bの第1の真空ボックス90)が、厚さ、密度、含水量およびENRCに対して有する影響が実証される。特に、表4は、真空を加えることの影響として、ベースマットから水を除去することだけでなく、ベースマットの密度を増加させ(減少した厚さに留意されたい)、かつ吸音を低下させることを示す。
【0080】
上記結果はさらに、真空の量がマット密度およびパネルの吸音特性を低下させることに対して有する影響を示す。
【0081】
上記結果は、プレス位置を上昇させることと組み合わせて重力排水を最大化させることによって、公称11〜12pcfの密度のウールファイバーベース吸音板を、0.80以上のNRCを有して得ることができることを示す。公称密度12pcf(192kg/m3)は、その後の真空ボックスおよび貫流乾燥によってもたらされる静圧にもかかわらず、トリマーで維持される。したがって、重力排水の程度を増加させることによって、得られる静圧はより小さくなり、それにより、板の「押圧」はより小さくなる。
【0082】
実施例3
プラント規模の板の製造
表5の試験データでは、プレスを単に上昇させることが、厚さ、密度、およびENRCに対して最小の影響を有することが実証される。これらの2組のデータ(「対照」および「プレスなし」)の間の唯一の差は、「プレスなし」と表示された試料に対して、トップワイヤフォーマー70をその最高位置に上昇させることであった。試料はトリマーで採取し、ウェットエンドの試料は採取しなかった。プレスは、その最高位置に(0.780インチから1.187インチに)上昇させた。重力ボックスの設定は標準位置のままとした。
【0083】
【表5】

【0084】
プレスを単に上昇させることにより(また、増加する重力排水および減少する真空の設定の不存在下で)、ベースマットの密度に小さな減少のみおよび吸音にわずかな増加のみが生じた。
【0085】
実施例4
自由形態密度によるプラント規模試験
上の結果は、重力排水を最大化させ、プレス真空ボックスを閉じているときに得られる結果と比較することができる。あらゆる塵埃または損構成物も除去しておく。
【0086】
以下の操作条件以外は、上の実施例3におけるとおりに試験を実験した:プレスはその最高値に上昇させ、重力排水は最大化させ、プレス真空ボックスは閉じた。あらゆる塵埃または損構成物は除去しておいた。
【0087】
以下のウェットエンドの試料は、予め選択された8〜10フィートのパネル長でベースマットを切断するために従来使用されているウェットエンドウォータージェット直後に採取した。ウェットエンドジェット直後に、湿潤ベースマットの下に金属板を滑らせ、このプレートおよび試料を金網から持ち上げた。次いで、この湿潤試料を乾燥させ、プレートから取り外し、試料の厚さおよび密度を決定した。得られたデータは表6に示す。
【0088】
【表6】

【0089】
実施例5
水、ミネラルウール、デンプン、および熱可塑性結合剤を合わせて、混合し、均一な混合物(mix)を得る。重力排水は4つの重力排水ボックスで施され、標準MARS(登録商標)ブランド吸音板用に、最初の2つのボックスは閉じており、第3のボックスは半分開いており、第4のボックスは開いている。Hi−NRC吸音板番号1は、閉じた最初の2つの重力排水ボックス、半分開いた第3の重力排水ボックスおよび開いた第4の重力排水ボックスを有した製造ラインで製造した。Hi−NRC吸音板番号2は、閉じた最初の2つの重力排出ボックス、半分開いた第3の重力排水ボックスおよび開いた第4の重力排水ボックスを有した製造ラインで製造した。
【0090】
Hi−NRC吸音板番号1は、AP真空ボックスが場合によって一部閉じており、真空ボックス番号91〜93が完全に開いたままであり、真空ボックス番号4〜5は完全に閉じたままである製造ラインで製造した。Hi−NRC吸音板番号2は、AP真空ボックスは完全に閉じており、真空ボックス番号91は半分閉じたままであり、真空ボックス番号92〜93は完全に開いたままであり、および真空ボックス番号94〜95は完全に閉じたままである製造ラインで製造した。
【0091】
標準MARSブランド吸音板、ならびに標準板と同じ組成を用いて本発明の方法に従って製造した、HI−NRC番号1および番号2に対して以下のプラント規模の板について、物理的特性を試験した。結果を表7に示す。
【0092】
【表7】

【0093】
実施例6
プレスを最大位置に上昇させ、重力排水は最大化させ、プレスボックス中の真空を変化させ、他の真空設定は、それらの従来の位置のままとした。あらゆる塵埃および損構成物も除去しておく。
【0094】
以下の表8、および図4におけるこれらの推定NRC(以後、ENRCと呼ばれる)対密度のグラフにおける結果に示されるように、データの分析により、10.9から12.6pcfの密度について、厚さと密度との間の優れた相関関係および得られたENRCが示される。
【0095】
式ENRC=0.3618×厚さ(インチ)+0.4748は、図4のデータに当てはまる。
【0096】
これらの結果により、12pcfの密度で約1.1インチの厚さが0.85のNRC製品を生じるはずであることが確認される。
【0097】
【表8】

【0098】
実施例7
以下の実施例は、本発明の最大化重力排水(排出ボックスの1は閉じており、排出ボックスの2、3および4は開いている)に対する従来の重力排水方法(排水ボックス1および2は閉じており、3は半分開いており、4は開いている)および本発明の漸進的真空設定(APボックスは閉じており、真空ボックス91は一部開いており、真空ボックス92および93は完全に開いており、真空ボックス94および95は閉じている)に対する標準真空設定(APボックスおよび真空ボックス91、92、93(図3Bの)は完全に開いており、真空ボックス94および95は閉じている)の相対効果を決定するために計画した。表9の板のデータは、以下の試験において1インチ×1インチの試料について得た。
【0099】
【表9】

【0100】
表10は得られたデータを示す。
【0101】
【表10】

【0102】
表10の結果は、重力排水を最大化し、プレス位置を上昇させることと組み合わせて増加する真空レベルを与えることによって、公称12.5pcf(200kg/m3)の密度製品を得ることが可能であることを示す。真空レベルを増加させることによる利得は、密度の減少が0.65pcf(10.4kg/m3)であるのに対して、重力排水を最大化させることによる利得は、密度の減少が0.20pcf(3.2kg/m3)であった。
【0103】
実施例8
以下のプラント試験は、公称1.25インチ(3.2cm)の最終厚さおよび12.0ポンド/立方フィート(192kg/m)の密度の製品を製造するために行った。試験の間に、プレスは最高位置に上昇させた。重力排水ボックスは、以下のとおり調整した:ボックス4開;ボックス3開;ボックス2(1/2開);およびボックス1閉。真空ボックス91、92、93、94、95(図3B)は、対照(「C」)と比較した試験1について以下のとおり調整した。重力排水ボックスおよび真空ボックスに対する処理条件は、表11および表12に示す。
【0104】
【表11】

【0105】
【表12】

【0106】
プレス後の真空ボックスは基本的には閉じたが、0.0〜0.2インチHg(0〜0.5cmHg)の読み取りが測定された。湿潤試料は採取せず、塵埃および損構成物は除去した。
【0107】
以下の、表13および14における以下の2組の10試料を収集し、次いで試験した。
【0108】
【表13】

【0109】
【表14】



【0110】
上の試験データに基づいて、重力排水増加および漸進的真空からなるウェットエンドのセットアップを用いて、ベースマットの厚さに依存する約0.80から0.90の範囲内の最終裏面塗布パネルのフルスケールNRC値が得られるとともに、立方フィート当たり約12〜12.5ポンドの範囲のベースマット密度を得ることが可能である。
【0111】
表15および図5のグラフに示されるように、NRC値は、ベースマットの厚さとともに増加し、未仕上げベースマットおよび無塗布裏打ち製品は、裏面塗布製品より高いNRC値を有する。約0.85のNRC値を得るためには、約0.85から0.90インチの厚さのベースマットが必要とされるが、約0.90のNRC値を得るためには、約1.2インチ以上の厚さのベースマットが必要とされる。データにより、密度が高い製品ほど低いNRC値を示すことも確認される。
【0112】
【表15】

【0113】
図5のデータによってプロットした線は、立方フィート当たり12.5から約14.0ポンドの密度を有するラテックスのみ裏面塗布ベースマットについて、試験試料のNRC値と厚さとの間に関係ENRC=0.2376×厚さ(インチ)+0.6328を生じる。
【0114】
実施例9
以下の試験は、14.0pcf(224kg/m)の密度とともに0.900インチ(2.3cm)の最終厚さの製品を製造するために計画した。試験のウェットエンド条件は、表16に示す。
【0115】
「対照」と印された試験実験は、この試験を始める前の対照の条件での実験である。試験は、プレスを上昇させ、ラインをわずかに減速する一方、原液スラリー流量を維持して、1.000インチのベースマットを生成させることからなる。プレス後(AP)の真空ボックスも部分的に閉じて、ウェットエンド上でより高い厚さを得た。
【0116】
【表16】

【0117】
表17および表18に記載した以下の試験データは、表16に記載した2つの試験条件から得た。
【0118】
【表17】

【0119】
【表18】

【0120】
実施例10
表19、20および21では、未仕上げパネルについてパネル厚さとENRCとの間の相関を示すために、低密度、すなわち、約10〜11pcf;中密度、すなわち、13〜14pcf、および高密度、すなわち、15超から約16.7pcfを有した、多数の試料が報告される。試験は、低密度(「LD」);中密度(「MD」)および高密度(「HD」)について報告する。図6のグラフは、3つの試験密度範囲についてパネル厚さとENRCとの間の関係を示す。
【0121】
【表19】

【0122】
【表20】

【0123】
【表21】

【0124】
表19、20および21ならびに図6に示されるように、本発明の方法の下で、0.800〜約0.950間のENRCが、約1.00から1.55インチ間の厚さで約10から11pcfの比較的低密度の製品、約1.00から2.10インチの厚さで約13〜14pcfの中密度製品、および約1.10から2.10インチ間のパネル厚さで約15から16.6の比較的高密度の製品において、得られた。
【0125】
実施例11
重力排水ボックス後および第1またはAP真空ボックス後のヘッドボックスにおける製造実験の間に、ベースマットの固形分含量値を決定するために、1.20インチの目標ベースマット厚さおよび立方フィート当たり12ポンドの目標密度でMARSパネルのHi−NRCバージョンを製造するために、製造ラインで2つの試験実験を行った。結果を表22に報告する。
【0126】
【表22】

【0127】
上の実施例12における試験番号1および番号2について、マルチゾーン乾燥機内の第2の真空ボックスおよび第6の真空ボックス後の固形分および水含量を測定することは可能でなかったが、第2の真空ボックス後の固形分および水含量は、試験番号1について32%の固形分および68%の水(2.6ポンド/立方フィートの水および1.2ポンド/立方フィートの固形分)であり、試験番号2について30%の固形分および70%の水(2.8ポンド/立方フィートの水および1.2ポンド/立方フィートの固形分)であると推定した。標準MARS製品について約37〜40%の固形分の推定固形分含量に比べて、試験番号1および番号2の両方について6つの真空ボックス全ての後の推定固形分含量は約32〜35%の固形分である。
【0128】
実施例12
重力排水後の増加する真空の影響を示すために、以下の試験を行った。結果を表23に報告する。
【0129】
【表23】

【0130】
本発明の特定の実施形態を示し、かつ説明してきたが、それに対する変更および修正が、その広い態様におけるおよび以下の特許請求の範囲に示されるとおりの本発明から逸脱することなく、なされ得ることが当業者によって解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口構造および改善された吸音特性を有する吸音天井パネルを製造する方法であって、
ミネラルウールと、熱可塑性結合剤、デンプンならびに熱可塑性結合剤およびデンプンの混合物からなる群の少なくとも1つの構成剤と、任意選択の添加剤とを含み、3.0から6.0重量%の固形分濃度を有する水性スラリー混合物を与える工程と;
前記スラリーを多孔性キャリヤ上に分布させる工程と;
少なくとも1つの重力排水ボックスにわたる多孔性キャリヤ上の前記スラリーを脱水して、重力排水ベースマットを形成し、前記スラリーは74から84重量%の水濃度まで脱水される工程と;
重力排水ベースマットに第1の真空を約2〜20秒間かけて、重力排水ベースマット中の水の約18%から34%を除去し、次いで、重力排水ベースマットが第1の真空印加を受けた後に、圧縮されたベースマットに第2の真空をかけて、ベースマットから水のさらなる10%から52%を除去することによって、真空排水して水を除去する工程とを含み、
ここで、真空の第2の印加は、ベースマットの厚さを重力排水ベースマットの厚さから10%を超えるだけ静圧によって圧縮することなく、ベースマットからさらなる水を除去し;および
ここで、真空排水ベースマットは、乾燥基準で立方フィート当たり約10.9から約15.0ポンドの密度、および約0.80から約0.95の騒音減少係数を有する、方法。
【請求項2】
真空排水が、重力排水ベースマットと比較して乾燥基準で0から10%だけ脱水ベースマットの密度を増加させる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
真空の第2の印加が、真空の第1の印加より高い真空のレベルにある、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1の真空が、最大0.5インチHgの真空でかけられる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ベースマットに裏面コーティングして、少なくとも35のCAC値を有する最終吸音パネルを与える工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
一連の重力排水ボックスが、4つのボックスを含み、第1および第2の連続の重力排水ボックスは完全に閉じた位置に置かれており、第3の重力ボックスは完全に開いた位置に対して半分開いた位置にあるように調整されており、第4のボックスは完全に開いた位置に置かれている、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
真空が、ベースマットに対して徐々に増加する真空を与えるように調整された一連の真空ボックスによってかけられて、マットの厚さを圧縮するマットにおける静圧を生じることなくベースマットからほとんどの水を除去し、ここで、水の第1の部分は0.5インチHg未満の真空下で除去され、次いで、水の残りは約2〜4インチHgの真空下で除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
真空システムにおける一連の真空ボックスが、一連で、プレス後の第1の真空ボックス、およびマルチゾーン乾燥機の第1の乾燥ゾーンにおける1つまたは複数のさらなる真空ボックスを含み、これらを通ってベースマットが重力排水ボックスおよびプレスの下流に向かって通過する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
吸音パネルのための目標ENRCを選択し、パネルの目標厚さを決定して、式:
ENRC=0.3618×厚さ(インチ)+0.4748
に従って目標ENRCを得る工程を含み、
ここで、重力排水によるスラリーを脱水する条件および真空排出の条件は、乾燥基準で立方フィート当たり約10.9から12.6ポンドの範囲のベースマット密度を得るように調整され、目標ENRCの±5%以内のNRCを得る、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
吸音パネルのための目標NRCを選択し、パネルの目標厚さを決定して、式:
ENRC=0.2376×厚さ(インチ)+0.6328
に従って目標ENRCを得る工程と;
真空排水後に脱水ベースマットを乾燥させる工程と;
乾燥ベースマットに約1.5から2.0ミルの裏面コーティングを施す工程と
を含み、
ここで、ベースマットを脱水する条件および真空排水の条件は、乾燥基準で立方フィート当たり約12.5から約14.0ポンドの範囲のベースマット密度を得るように調整され、目標ENRCの±5%以内のNRCを得る、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
吸音パネルのための約0.90の目標NRCを選択し、前記パネルについて約1.10から1.20インチの目標厚さを決定する工程を含み、
ここで、脱水および真空排水の条件は、乾燥基準で立方フィート当たり約10.9から14.0ポンドの範囲のベースマット密度を得るように調整され、約1.10から1.20インチのベースマット厚さで約0.90の目標ENRCの±5%以内のNRCを得る、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−503402(P2011−503402A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534074(P2010−534074)
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際出願番号】PCT/US2008/079338
【国際公開番号】WO2009/067300
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(508352218)ユーエスジー インテリアズ、インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】