説明

改善された炉冷却システム、および炉冷却方法

溶融材料の処理に使用される冶金容器において流体冷却剤の分配および回収を行うための冷却システム(200)。冷却システム(200)は、入り口マニホールド(216)と、入り口マニホールドに取り付けられた複数のヘッダ(212、214)と、各ヘッダに沿って配置された複数の分配送出器(210)とを含む分配システム(204)を備える。回収マニホールド(218)を備える回収システム(206)が、流体冷却剤(202)を集めるように配置されている。分配送出器(210)が、流体冷却剤(202)を回収マニホールド(218)に向かって導くように配置され、冷却剤に含まれる運動エネルギーの大部分を冷却剤を回収マニホールドに向かって導くために利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、溶融材料の処理に使用される冶金容器の冷却の改善に関する。特に、本発明は、溶融材料の処理に使用される冶金容器の天井、側壁、および高温ガス用ダクトなどの閉鎖部材の噴霧冷却に関して用途を見つけることができる。さらに詳しくは、これに限られるわけではないが本発明は、電気アーク炉システムなどの炉システムの熱的に強化された表面の液体噴霧冷却(すなわち、水)に関する。
【背景技術】
【0002】
冶金容器が溶融材料の処理において、少なくとも処理のうちの加熱工程の際に溶融材料を収容するために使用されていることを、当業者であれば理解できるであろう。これらの冶金容器は、鋼およびスラグなどの溶融材料を処理することができる。さらに、これらの従来からの冶金容器は、冶金容器の温度を調節するために使用される冷却システムを含む。
【0003】
例えば、米国特許第4,715,042号、第4,813,055号、第4,815,096号、および第4,849,987号に開示され、噴霧冷却(Spray−Cooled(商標))電気炉システムと呼ぶことができる種類の炉システムが、これら従来からの冶金容器(5)の例である。噴霧冷却システムは、材料の処理の際に隣接している炉において生成される熱を放散すべく、炉の種々の表面または閉鎖部材を噴霧冷却するために、流体主体の冷却剤を使用する。そのような表面は、天井および側壁などの閉鎖部材であってよい。これらの表面は、通常は単一であり、側壁が、おおむね円筒形または楕円形の形状を含むとともに、天井が、通常はおおむね円錐形の形状を含む。噴霧冷却システムを、加熱されたガスを炉から運ぶために使用される金属ダクトなど、他の構成部品を冷却するために使用することができる。
【0004】
図1〜図3aに見られるように、製鋼において使用される典型的な噴霧冷却電気炉容器(5)が示されている。図1〜図3は、噴霧冷却電気アーク炉の側面図、上面図、および端面図を各々示している。水冷される円形の炉天井10が、電気アーク炉基部12の縁13の直上のわずかに持ち上げられた位置に、炉の柱構造14に支持されて示されている。図1および図2に示されているように、天井10は、円錐台形状の単一(すなわち、一体)のワンピースの閉鎖部品であり、水平方向に延びて柱支持部22から外向きに広がっている柱アーム18および20へと、チェーン、ケーブル、または他の天井持ち上げ部材53によって取り付けられている。柱支持部22は、炉の充填または装填時および炉の作業の最中または後の他の適切な時点において、炉基部12の開いた上部を露出させるべく天井10を側方へと水平方向に旋回させるため、垂直な柱マスト16の上部の点24を中心にして枢動可能である。
【0005】
電極15が、天井10の上方の位置から開口32へと延びて示されている。炉の動作時、中身を溶融させるべく電気アーク生成熱を供給するため、電極15が、天井中央部のデルタ開口32の電極ポートを通って、炉の内部へと下げられる。排気ポート19により、運転時に生成されるヒュームを炉内部から取り去ることができる。
【0006】
炉システムが、スラグおよび溶融鋼を注ぎ出すため、基部12をいずれかの方向に傾けることができるように配置された支柱またはトラニオン式の支持部に取り付けられる。図1および図2に示した炉天井システムは、柱14が単一のワンピースの天井10を持ち上げて、炉の内部を露出すべく炉の縁13を避けるまで反時計方向(システムの上方から見た場合)の様相で水平に旋回させることができる左手システムとして使用されるように設定されている。あるいは、炉天井システムを、柱14が天井10を持ち上げて、時計方向の様相で水平に旋回させることができる右手システムとして設定してもよい。
【0007】
基部12の内部へと暴露されるときに天井10の下部金属面38に過剰に熱が蓄積されることがないよう、天井冷却システム98が組み込まれている。炉の側壁138の温度を調節するため、同様の側壁冷却システムが参照符号100で示されており、図3および図3aに最もよく見ることができる。炉の側壁138は、単一のワンピースの円筒形の殻の形態である。側壁冷却システム100の下方に位置する耐火ライナ101が、溶融材料103の実体を収容している。冷却システム98または100は、炉の天井、側壁、または他の閉鎖部材を、それら閉鎖部材の温度が溶融材料103から生成される熱によって上昇したときに冷却するため、水またはなんらかの他の適切な液体などの流体冷却剤を利用する。
【0008】
冷却システム98および100は、冷却剤循環システムと称することができるが、冷却剤供給システムおよび冷却剤回収システムを備え、さらに冷却剤再循環システムを含むことができる。冷却剤の導入パイプ26ならびに導出パイプ28aおよび28bが、図示の左手構成の炉天井10のための冷却剤の接続部を備える。図1〜図3に示されているとおり、外部の循環システム(図示されていない)が、冷却剤供給パイプ30を使用して冷却剤接続部26へと冷却剤を供給し、冷却剤排出パイプ36aおよび36bを使用して天井10の冷却剤接続部28aおよび28bから冷却剤を排出する。
【0009】
柔軟な冷却剤供給ホース31が、冷却剤供給パイプ30および炉天井10の外周の冷却剤導入パイプ26に取り付けられている。この取り付けは、簡易脱着継ぎ手(quick release coupling)などの締め具によっている。図2に最もよく示されているように、導入口26が、天井10の非加圧の内部に位置する入り口マニホールド29へとつながっている。あるいは、容器の壁の周囲を巡る冷却システムの一部分が、図3aに示されているとおり炉13を巡って延びる入り口マニホールド29’を含む。
【0010】
パイプ33、すなわち噴霧ヘッダ33が、スポーク状のパターンでマニホールド29から放射状に外向きに分岐し、天井内部23の種々の部位へと冷却剤を届けるように位置している。各々のヘッダ33の種々の点から、複数の分配送出器34、すなわち噴霧ノズル34が下向きに突き出しており、天井下部パネル38、すなわち内側プレート38の上面へと冷却剤を導いている。噴霧ノズル34が、流体冷却剤を、噴霧または微細な液滴のパターンにて天井下部パネル38へと導いている。下部パネル38は、天井の中央部、すなわち開口32から、外周へと次第に下方へと傾いている。
【0011】
天井下部パネル38へと噴霧された後、使用後の冷却剤は、天井下部パネル38の上部から外方向へと流れ、排出系統の排出用導入口または開口51a、51b、および51cを通過する。図示の排出系統は、矩形断面の配管などで作られてセグメント47aおよび47bへと分割されている排出用マニホールド49を含む。同様の排出系統(図示されていない)が、炉基部12にも設けられている。
【0012】
図2に見られるように、排出用開口51aおよび51bは、天井の両側に設けられている。排出用マニホールドは、天井の外周の内側を巡って延びる閉じたチャネルを含む。排出用マニホールドは、天井下部パネル38の低い位置の付近に配置され、仕切りまたは壁48および50によって排出用マニホールドを、周方向において区分けすることができる。壁48および50は、排出用マニホールドを排出用セグメント47aおよび47bに分割している。排出用マニホールドのセグメント47aが、排出用開口51a、51b、および51cを冷却剤導出パイプ28aに接続している。排出用マニホールドのセグメント47bは、パイプ・コネクタ44を介してセグメント47aに完全に連通しており、排出用開口51a、51b、および51cを冷却剤導出パイプ28bに接続している。柔軟な冷却剤排出ホース37が、導出口28aを冷却剤排出パイプ36aへと接続する一方で、柔軟な冷却剤排出ホース35が、導出口28bおよび冷却剤排出パイプ36bを接続している。簡易脱着式の締め具または他の継ぎ手を、ホースおよびパイプを接続するために使用することができる。冷却剤回収システムは、冷却剤排出パイプ36aおよび36bを通って天井10から排出される冷却剤を迅速かつ効率的に流すため、ポンプなどの圧力を利用することができる。
【0013】
さらに、右手設置の天井10において主たる接続部として使用することができる第2組の冷却剤接続部が設けられている。この第2組の、すなわち右手用の冷却剤接続部は、冷却剤導入口40および冷却剤導出口42を備える。左手用および右手用の冷却剤接続部は、柱の枢支点24および天井10の中心を通過する線に関して天井10の反対側に位置しており、天井の隣接する四分円に位置している。左手側の冷却剤の導入パイプ26と同様、右手側の冷却剤導入パイプ40は、入り口マニホールド29へとつながっている。左手側の冷却剤導出口28と同様、右手側の冷却剤導出口42は、仕切り50によって分割された冷却剤排出用マニホールドの別個のセグメント47aおよび47bと連通する別個の排出パイプ42aおよび42bを含む。
【0014】
天井10が左手システムとして設置される際に、冷却剤が右手側の冷却剤接続部を通って逃げ出すことがないよう、天井の冷却剤導入口および導出口の各々が、密封または経路変更される。例えば、着脱式のキャップ46を、冷却剤導入口40への開口を覆うように固定し、導入口40を封じることができる。さらに、着脱可能なU字管またはパイプ・コネクタ44が、天井からの漏れを防止すべく別個の冷却剤導出用開口42aおよび42bを接続して封止する。また、パイプ・コネクタ44は、仕切り50を迂回して排出用マニホールドのセグメント47aおよび47bの間に流れの連続性をもたらしている。冷却剤が吸入圧力などの圧力によって排出される場合には、パイプ・コネクタ44およびキャップ46は、排出用マニホールドの各セグメントへと大気の漏れも防止している。
【0015】
図1〜図3aに示したような天井の動作時、冷却剤は、冷却剤循環システムから冷却剤パイプ30、ホース31を通って冷却剤導入口26へと進入する。次いで、冷却剤は、入り口マニホールド29、噴霧ヘッダ33、およびノズル34によって天井の内部の方々に分配される。やはり入り口マニホールド29へとつながっている冷却剤導入口40は、右手設置の使用のために残されており、キャップ46によって封じられている。
【0016】
天井の底部38を冷却すべく噴霧ヘッド33のノズル34から噴霧されたのち、冷却剤は、排出用開口51a、51b、および51cを通って回収され、天井10の周囲を巡って延びる排出用マニホールドへと受け止められて、冷却剤導出口28を通って出る。図2に見られるように、開口51a、51b、および51cを通って排出用マニホールドのセグメント47aへと排出される冷却剤は、冷却剤回収システムによって回収される前に、直接に冷却剤導出口28aを通過し、排出ホース37を通り、排出用出口パイプ36aへと出ることができる。
【0017】
また、開口51a、51b、および51cを通って排出用マニホールドのセグメント47aへと排出される冷却剤は、仕切り50を迂回して通過するよう、冷却剤導出口42bを通り、U字形のコネクタ44を通過し、冷却剤導出口42aを通ってマニホールドのセグメント47bへと戻ることも可能である。次いで、この冷却剤は、排出用マニホールドのセグメント47bから、冷却剤導出口28bを通過し、排出ホース35を通り、排出パイプ36bを通過して冷却剤回収手段へと排出される。右手側の冷却剤導出口42は、冷却剤を天井から直接排出するためには使用されていないが、U字形のコネクタ44の使用によって排出用の回路の一部を構成している。天井から排出された冷却剤を、どこか他の場所へと放出することができ、あるいは冷却剤システムによって再び天井へと循環させることができる。左手側の冷却剤接続部26および28は、ホースの長さを最小限にするために、柱構造14の位置に密に隣接して配置される。柱構造14を時計の6時の位置に位置するものとして眺めると、左手側の冷却剤接続部は、7〜8時の位置に位置している。
【0018】
すでに述べたように、冶金容器の種々の表面は、溶融材料の処理の際に、通常でない高い温度にさらされる可能性がある。上述したような炉システムの動作において、そのような表面として、円錐台形状の金属製の天井内側プレート38、または円筒形の金属製の側壁一体閉鎖部材内側プレート138が挙げられる。これらの閉鎖部材は、参照符号107で示されているとおり、炉内のアークまたは火炎からのかなりの量の放射熱エネルギーにさらされる可能性がある。このような暴露は、通常は、電極が溶融金属の溜りの上方に位置するときに生じ、あるいは電極がスクラップのチャージ109を通過し始めるときに生じる。
【0019】
この高温への暴露は、これら種々の領域に熱的な応力を加え、特には冶金容器の他の領域に比べ、このような領域において疲労および破損の危険をもたらし得る。さらには、冶金容器ならびに電極および付随の酸素ランスなどのプロセスにおいて使用される加熱要素の形状ゆえ、炉の閉鎖部材の表面の温度がばらつくことが一般的である。このようにして、冶金容器の天井の最も高温の表面領域は、従来では、天井10の中央デルタ開口32の近傍である。
【0020】
これらの状況は、1つの部位または領域において、他の部分に比べて温度がより高く、熱応力がより大きいという結果につながる。このような状況は、炉の電極、酸素ランスの相対位置、ならびに他の非一様な炉の動作条件に起因して生じ得る。
【0021】
冶金容器の種々の部位の寿命を伸ばすため、従来技術によって、上述したような冷却システムが開発されている。従来からの見識は、それら冷却システムの温度の高い領域における冷却作用に注目している。さらに、従来からの見識は、温度の高い領域または熱負荷の大きい領域へと、より多くの冷却用流体、すなわち冷却剤を供給することにある。
【0022】
図4に示されているような従来技術においては、冷却剤が、冷却の強化を必要とする領域に真っ直ぐに向けられている。電気アーク炉の天井の場合には、この領域が、中央のデルタ開口32および周囲の表面の周りを延びる実質的に垂直な閉鎖部材の数倍になることが多い。
【0023】
従来から、入り口マニホールド29は、天井10の非加圧の内部において中央のデルタ開口32の付近に配置され、中央のデルタ開口32の周囲に延在している。したがって、冷却剤を高温の領域へと導くことが、ますます困難になっている。この入り口マニホールド29の配置によれば、基本的に、噴霧ノズルを入り口マニホールドの下方に位置させる必要がある。さらに、これら従来からのシステムでは、噴霧ノズルをデルタ開口32に向かって上方に向ける必要がある。
【0024】
動作時、従来からの冷却システムは、使用後の冷却剤を天井下部パネル38の上部から回収システムに向かって下方へと排出するために、重力を使用している。反対に、種々のノズルは、未使用の新鮮な新しい冷却剤を、開口および周囲の表面に向かって上方へと特定的に導いている。結果として、上方へと向けられた新しい冷却剤の噴霧が、使用済みの冷却剤へと加わる下向きの重力に直接対向する。また、新しい冷却剤を上方へと導くために使用される力が、使用済みの冷却剤に加わる重力の引っ張りに対向するため、使用済みの冷却剤が、より高熱の領域に残る傾向にあり、より高熱の領域に向かって上方へと押し戻されることさえある。
【0025】
結果として、より高熱の領域において使用済みの冷却剤の奥行き、すなわち厚さが増し、これらのより高熱の領域に熱を保持することとなる。さらには、使用済みの冷却剤の存在ゆえに、新たな冷却剤が、より高熱の領域へと適切に達することができない。この高熱領域を覆う使用済み冷却剤の奥行きの増加が、新たな冷却剤がこの高熱領域に適切に到達できないという事実と相俟って、従来からの冷却システムの冷却能力を大きく損なっている。結果として、より高熱の領域に向かって冷却剤を上方へと導くことによって、この高熱の領域を冷却しようとする従来技術の試みは、実際には、それらのシステムの冷却能力を損なっており、高熱の領域を適切に冷却することができていない。
【0026】
したがって、エネルギーおよび冶金容器の形状を適切に利用して、冷却システムの冷却能力を向上させるように設計された冶金容器用の冷却システムが必要とされている。このような冷却システムは、現在のところ、当技術分野には存在していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
本明細書には、溶融材料の処理に使用される冶金容器において流体冷却剤の分配および回収を行うための冷却システムが含まれる。冷却システムは、入り口マニホールドと、入り口マニホールドに取り付けられた複数のヘッダと、各ヘッダに沿って配置された複数の分配送出器とを含む分配システムを備える。さらに、回収マニホールドを流体冷却剤を集めるように配置して含む回収システムが含まれる。分配送出器が、流体冷却剤を回収マニホールドに向かって導くように配置され、冷却剤に含まれる運動エネルギーの大部分を冷却剤を回収マニホールドに向かって導くために利用する。
【課題を解決するための手段】
【0028】
好ましい実施形態においては、第1および第2のヘッダが、入り口マニホールドの実質的に両側に取り付けられ、第2のヘッダが、垂直方向において第1のヘッダの下方に位置している。冶金容器が、高熱領域を含み、入り口マニホールドが、高熱領域から離間して位置している。全体としての効果は、分配送出器の大多数の配置および流体冷却剤に含まれる運動エネルギーの大部分の利用によって、すでに放出された冷却剤が回収マニホールドに向かって導かれるというものである。
【0029】
さらに、溶融材料の処理に使用される冶金容器も包含される。冶金容器が、内表面を含む内側プレートと、内側プレートから離間して位置して、実質的に閉じられた空間を画定する外側プレートと、分配システムと、回収システムとを備える。冶金容器の内側プレート、離間して位置する外側プレート、実質的に閉じられた空間、分配システム、および回収システムは、これらに限られるわけではないが上部、側面、底部、ダクト、などの冶金容器の種々の部位を備えることができる。
【0030】
分配システムは、閉じられた空間内に位置して、運動エネルギーを有する流体冷却剤を内側プレートへと分配する。分配システムは、冷却剤の輸送のための供給パイプを含む。供給パイプは、入り口マニホールド、入り口マニホールドに取り付けられた複数のヘッダ、および各ヘッダに沿って配置された複数の分配送出器を含むことができる。入り口マニホールドが、第1および第2のヘッダの間に位置し、閉じられた空間の実質的に中央に位置している。
【0031】
回収システムが、流体冷却剤を集めるための回収マニホールドを含む。回収マニホールドが、分配システムの周囲に周方向に配置され、垂直方向において分配システムの大部分の下方に位置する一方で、内表面が、回収マニホールドに向かって傾いている。分配送出器が、流体冷却剤に含まれる運動エネルギーの大部分を流体冷却剤を回収マニホールドに向かって導くために利用するため、回収マニホールドに向かって配置されている。
【0032】
好ましくは、交線が、各々の分配送出器と内表面との間を延びている。分配送出器が、交線に沿った斜めの角度で内表面に交差するように流体冷却剤を導くように配置されている。斜めの角度は、好ましくは、交線から回収マニホールドに向かって測定される鈍角である。さらに、分配システムが、内側プレートを所定の温度に維持するための充分な量で流体冷却剤をプレートに対して分配する。
【0033】
さらに、溶融材料の処理に使用される冶金容器の熱的に強化された表面を冷却するため、送出点から回収点への流体冷却剤の流れを制御する方法も包含される。本方法は、流体を、冶金容器の回収点の方向に測定される鈍角にて、加熱された表面に衝突するように導くことを含む。さらに、本方法は、流体冷却剤に含まれる運動エネルギーの大部分を、すでに送出された流体冷却剤を回収点に向かって導くために利用することを含む。
【0034】
さらに、溶融材料を含む電気アーク炉のための噴霧冷却システムも包含される。噴霧冷却システムは、炉の種々の閉鎖部材の熱応力にさらされる壁部分において、優れた冷却による保護を可能にする。噴霧冷却システムが、冷却剤を種々の壁部分に向かって、それら壁部分に衝突するように噴霧すると同時に、冷却剤を熱応力にさらされた領域から離すために、冷却剤に含まれる運動エネルギーを利用する。冷却剤の強制的な移動により、望ましくない使用済み冷却剤の蓄積が軽減され、内表面と冷却剤との間の熱伝達係数が最大化される。噴霧の冷却剤は、利用できる運動エネルギーの大部分が使用済みの冷却剤を冷却剤の排出の方向へと導くように向けられる。さらに好ましくは、噴霧の冷却剤が、冷却剤中の利用できる運動エネルギーの少なくとも70%が冷却剤の排出口へと導かれるように向けられる。噴霧冷却システムにおいて、冷却剤を運ぶ搬送部材の一部が、熱応力の高い領域から離れるように位置変更される。典型的には、冷却剤が、冷却剤が衝突する表面に対する直角から好ましくは20度〜45度の間の範囲の角度で、熱応力にさらされる領域から離れるように向けられる。
【0035】
したがって、本発明の全般的な目的は、冶金容器のための優れた冷却システムを提供することにある。
【0036】
本発明の他の目的は、溶融金属の処理に使用される電気アーク炉の冷却システムを改善することにある。
【0037】
本発明のさらに別の目的は、溶融材料の処理に使用される冶金容器のうちの熱応力にさらされる領域について、冷却を改善することにある。
【0038】
本発明のまた別の目的は、冶金容器の加熱された表面への冷却剤の衝突の角度を特定的に制御することによって、炉の冷却を改善することにある。
【0039】
本発明のさらにまた別の目的は、使用済みの冷却剤が熱応力にさらされている領域に蓄積されることがないようにするため、表面への冷却剤の衝突を制御することにある。
【0040】
本発明のさらにまた別の目的は、流体に含まれる運動エネルギーを、流体の移動の制御に利用することにある。
【0041】
本発明の他の目的は、溶融材料の処理に使用される冶金容器の上部の冷却の際に、使用された使用済み冷却剤の蓄積を最小限にすることにある。
【0042】
本発明の他の目的は、溶融材料を含む冶金容器の冷却に使用される内表面と冷却剤との間の熱伝達係数を最大化することにある。
【0043】
本発明の他の目的、特徴、および利点、ならびにさらなる目的、特徴、および利点は、添付の図面との関連において以下の開示を検討することによって、当業者にとって容易に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
次に、広く図5〜図8を参照すると、溶融材料の処理に使用される冶金容器の蓋が大まかに示され、符号(201)で示されている。説明の目的で蓋が示されているが、本明細書の開示の進歩的な態様の原理は、側壁、ダクト、あるいは熱にさらされて冷却を必要としている他の領域または部位など、冶金容器の他の部位へも適用可能である。
【0045】
蓋(201)は、内表面(239)を含む内側プレート(238)、および内側プレート(238)から離間して実質的に閉じられた空間(205)を画定する外側プレート(211)を備える。さらに蓋(201)は、分配システム(204)と回収システム(206)とを含む冷却システム(200)を備える。分配システム(204)は、閉じられた空間(205)の内側に位置し、運動エネルギーが与えられた流体冷却剤(202)を内側プレート(238)へと分配する。内側プレート(238)を、下部プレート(238)または底部プレート(238)とも呼ぶことができる一方で、外側プレート(211)も、上部プレート(211)と呼ぶことができる。
【0046】
冷却システム(200)は、溶融材料の処理に使用される冶金容器(5)において、流体冷却剤(202)の分配および回収を行うためのものである。冷却システムは、分配システム(204)および回収システム(206)を備える。分配システム(204)は、複数の供給パイプ(208)および複数の分配送出器(210)を含む。供給パイプ(208)は、第1のヘッダ(212)および第2のヘッダ(214)など、入り口マニホールド(216)へと取り付けられた複数のヘッダを含むことができる。分配送出器(210)を、供給パイプ(208)に沿って配置でき、さらに具体的には、ヘッダ(212および214)に沿って配置することができる。回収システム(206)は、冷却剤(202)を集めるように配置された回収マニホールド(218)を含む。分配送出器(210)は、冷却剤(202)を回収マニホールド(218)に向かって導くように配置され、冷却剤(202)に含まれる運動エネルギーの大部分を、冷却剤(202)を回収マニホールド(218)に向かって導くために利用する。分配送出器(210)は、噴霧ノズル(210)とも称することができるが、冷却剤を回収マニホールド(218)に向かって導くために冷却剤(202)に含まれる運動エネルギーの大部分を使用するように回収マニホールド(206)に向けて配置されていると説明することも可能である。
【0047】
このように分配送出器(210)を配置し、さらに冷却剤(202)に含まれる運動エネルギーの大部分を使用することで、すでに放出された流体冷却剤(203)が回収マニホールド(218)へと導かれる。分配システム(204)は、高温位置(220)とも称することができる高熱領域(220)へと流体冷却剤(202)を供給するように配置された分配送出器(210)を含む。しかしながら、分配システム(204)は、流体冷却剤(202)およびすでに放出された流体冷却剤(203)を高熱領域(220)から離れるように導くために、流体冷却剤(202)の運動エネルギーを使用するように構成されている。すなわち、分配システム(204)が、すでに放出された冷却剤(203)の滞留を最小限にし、蓋(201)の冷却の促進において内側プレート(238)と冷却剤(202および203)との間の熱伝達係数を最大化するように配置されている。
【0048】
好ましい実施形態においては、分配送出器(210)が、冷却剤(202)を交線(222)に沿って斜めの角度(224)で内表面(239)に交差するように案内すべく配置されている。交線(222)は、各々の分配送出器(210)から内表面(239)までの線である。交線(222)は、図7に見られるように、好ましくは、分配送出器(210)からの流体冷却剤(202)の分布領域の中心線である。斜めの角度(224)は、図5および図6に見られるように、交線(222)から回収マニホールド(218)に向かって測定される鈍角である。
【0049】
好ましくは、第1のヘッダ(212)および第2のヘッダ(214)が、入り口マニホールド(216)の実質的に両側に取り付けられている。したがって、入り口マニホールド(216)が、第1のヘッダ(212)と第2のヘッダ(214)との間に位置している。さらに、第2のヘッダ(214)が、第1のヘッダ(212)の下方に垂直に位置している。好ましくは、入り口マニホールド(216)が、閉じられた空間(205)の実質的に中央に位置している。第1のヘッダ(212)および第2のヘッダ(214)を、実質的に対向する整列で入り口マニホールド(216)へと取り付けられていると説明することができる。
【0050】
分配システム(204)は、冷却剤(202)を内側プレート(238)に対して、内表面(239)を所定の温度に維持するための充分な量で分配する。所定の温度とは、冶金容器(5)の種々の表面の熱応力を低減する温度である。この所定の温度を、所定の温度範囲において変化する温度として定めることができる。好ましくは、この温度範囲は、華氏40〜300度の間である。さらに好ましくは、この温度範囲は、華氏70〜200度の間である。最も好ましくは、この温度範囲は、華氏100〜150度の間である。
【0051】
冶金容器(5)の蓋(201)は、蓋(201)の開口(232)の近傍に位置する少なくとも1つの高熱領域(220)を含む。入り口マニホールド(216)は、冷却剤(202)を適切な軌跡で高熱領域(220)へと供給するように分配送出器(210)を容易に配置できるよう、高熱領域(220)から離間している。入り口マニホールド(216)の位置をこのように変更することで、内側プレート(238)の熱の低減を促進するために、分配送出器(210)を適切な方向に整列させることができる。
【0052】
好ましくは、回収マニホールド(218)は、分配システム(204)の周囲に周状に配置される。さらに、回収マニホールド(218)は、垂直方向において分配システム(204)の大部分よりも下方に位置している。内表面(239)も、回収マニホールド(218)に向かって傾いている。さらに具体的には、内側プレート(238)が、開口(232)から回収マニホールド(218)へと傾いており、すでに放出された流体(203)の回収マニホールド(218)への重力による流れを促進している。
【0053】
あるいは、分配送出器(210)を、取り付け平面(226)において少なくとも1つの供給パイプ(208)に取り付けられていると説明することができる。すなわち、各々の分配送出器(210)が、取り付け平面(226)から回収マニホールド(218)に向かって測定される鋭角(228)に位置している。各々の分配送出器(210)が、冷却剤(202)を交線(222)に沿って回収マニホールド(218)に向かって導くために、この鋭角(228)に位置している。分配送出器(210)のこの配置は、流体冷却剤(202)に含まれる運動エネルギーの大部分を、流体冷却剤(202)の流れを高温位置(220)から離れるように制御するために利用する。さらに分配送出器(210)をこのように配置し、流体冷却剤(202)に含まれる運動エネルギーの大部分を利用することによって、すでに放出された流体(203)が高温位置(220)から離れるように導かれる。このようにして、内側プレート(238)から冷却剤(202)への熱の伝達が、分配システム(204)によって促進される。さらに、分配システム(204)は、高温位置(220)へのすでに放出された流体(203)の集積および未消費の冷却剤(202)の循環を最小限にする。
【0054】
好ましくは、噴霧ノズル(210)は、冷却剤(202)を噴霧のパターンにて下部パネル(238)へと導く。噴霧のパターンは、実質的に円錐の形状であって、冷却剤(202)の液滴を備える。円錐形状の噴霧によって覆われる範囲は、好ましくは、送出中の噴霧ノズル(220)から測定してパターンの中心線(222)の両側にほぼ55度の広がりを有する。
【0055】
噴霧ノズル(210)の配置および整列は、流体冷却剤(202)中の利用できる運動エネルギーの大部分が、使用済みの冷却剤(203)の重力による流れに対して逆効果となることがないように設計されている。すなわち、噴霧ノズル(210)のそのような整列によって、使用済みの冷却剤(203)および未使用の冷却剤(202)が、回収マニホールド(218)に向かって外向きに、熱負荷領域(220)から離れるように案内される。
【0056】
対照的に、図4に示されているように、従来技術のノズル(34)は、開口(32)において、典型的には下部プレート(38)に直交する線から約17度の角度で上方へと向けられている。したがって、この従来技術のノズル(34)が従来の完全円錐の噴霧パターンを有する場合、従来技術の冷却剤において利用できる運動エネルギーの約65%が、回収マニホールドへと向かう使用済み冷却剤の重力による流れを妨害または制約する。
【0057】
反対に、本発明の噴霧ノズル(210)は、送出器から閉鎖部材(238および232)へと下る垂線から測定してゼロよりも大きな角度で下方へと向けられている。さらに好ましくは、この角度が10度〜75度であり、最も好ましくは、この角度が20度〜45度の範囲にある。したがって、本発明の分配システム(204)は、最も好ましくは利用できる運動エネルギーの約75%を、使用済みの冷却剤(203)を回収マニホールド(218)へと向かう冷却剤(202および203)の重力による流れの方向に案内するために使用される。
【0058】
以上、新規かつ有用な優れた炉冷却システムおよび炉冷却方法についての本発明の特定の実施形態を説明したが、そのような説明を、特許請求の範囲を除き、本発明の範囲を限定するものとして解釈してはならない。
【0059】
本明細書において説明または検討された全ての特許および刊行物は、ここでの参照によりその全体が本明細書に組み込まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】典型的な電気炉設備の側面図であり、炉容器、炉容器の上方へと持ち上げられた炉の天井、および天井のための構造を支持している柱を示す。
【図2】図1の噴霧冷却炉の天井の一部を切断し、一部を断面にした上面図である。
【図3】図1の電気炉設備の部分断面端面図であり、さらに炉容器の耐火ライナ付きの溶融金属収容部および炉の側壁の噴霧冷却用部品を示す。
【図3a】図3の断面部分の部分拡大図である。
【図4】天井10の一部分の側面図であり、ノズル34が直角から17°の典型的な角度で上方に向けられている従来技術の典型的な断面を示す。
【図5】改善された冷却システムを含む冶金容器の天井の一部分の側面断面図である。
【図6】天井および内部に配置された冷却システムの断面の一部分の詳細図である。
【図7】分配送出器のうちの1つの詳細図であり、実質的に円錐形状での流体の送出を示す。
【図8】分配システムのさらなる断面詳細図であり、回収マニホールドに向かって導かれる使用済みの冷却剤を示す。
【符号の説明】
【0061】
10 炉天井
12 電気アーク炉基部
14 柱構造
15 電極
16 柱マスト
18,20 柱アーム
19 排気ポート
100 側壁冷却システム
101 耐火ライナ
103 溶融材料
107 閉鎖部材
109 チャージ
138 側壁
22 柱支持部
23 天井内部
24 枢支点
28 冷却剤導出口
29,29’ マニホールド
200 冷却システム
201 蓋
202,203 流体冷却剤
204 分配システム
205 閉じられた空間
208 供給パイプ
212 第1のヘッダ
214 第2のヘッダ
216 入り口マニホールド
218 回収マニホールド
224 角度
226 取り付け平面
228 鋭角
239 内表面
30 冷却剤供給パイプ
31 冷却剤供給ホース
32 デルタ開口
35,37 冷却剤排出ホース
46 キャップ
47a,47b 排出用セグメント
49 排出用マニホールド
5 冶金容器
51a,51b,51c 排出用開口
53 天井持ち上げ部材
98 天井冷却システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融材料の処理に使用される冶金容器において流体冷却剤の分配および回収を行うための冷却システムであって、
入り口マニホールドと、入り口マニホールドに取り付けられた複数のヘッダと、各ヘッダに沿って配置された複数の分配送出器とを含む分配システム、および
回収マニホールドを流体冷却剤を集めるように配置して含む回収システム
を備え、
分配送出器が、流体冷却剤を回収マニホールドに向かって導くように配置され、流体冷却剤に含まれる運動エネルギーの大部分を流体冷却剤を回収マニホールドに向かって導くために利用する、冷却システム。
【請求項2】
第1のヘッダおよび第2のヘッダが、入り口マニホールドの実質的に両側に取り付けられている、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項3】
第2のヘッダが、垂直方向において第1のヘッダの下方に位置している、請求項2に記載の冷却システム。
【請求項4】
前記冶金容器が、高熱領域を含み、入り口マニホールドが高熱領域から離間している、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項5】
分配送出器の大多数の配置および流体冷却剤に含まれる運動エネルギーの大部分の利用によって、すでに放出された流体冷却剤が回収マニホールドに向かって導かれる、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項6】
溶融材料の処理に使用される冶金容器であって、
内表面を含む内側プレート、
内側プレートから離間して位置して、実質的に閉じられた空間を画定する外側プレート、
入り口マニホールドと、入り口マニホールドに取り付けられた複数のヘッダと、各ヘッダに沿って配置された複数の分配送出器とを含み、閉じられた空間内に位置して、運動エネルギーを有する流体冷却剤を内側プレートへと分配する分配システム、および
流体冷却剤を集めるための回収マニホールドを含む回収システム
を備え、
分配送出器が、流体冷却剤に含まれる運動エネルギーの大部分を流体冷却剤を回収マニホールドに向かって導くために利用するため、回収マニホールドに向かって配置されている、冶金容器。
【請求項7】
各々の分配送出器と内表面との間の交線をさらに含み、
分配送出器が、交線に沿った斜めの角度で内表面に交差するように流体冷却剤を導くように配置されている、請求項6に記載の冶金容器。
【請求項8】
斜めの角度が、交線から回収マニホールドに向かって測定される鈍角である、請求項7に記載の冶金容器。
【請求項9】
分配システムが、内側プレートを所定の温度に維持するための充分な量で流体冷却剤を内側プレートに対して分配する請求項6に記載の冶金容器。
【請求項10】
分配送出器の配置および流体冷却剤に含まれる運動エネルギーの大部分の利用によって、すでに放出された流体冷却剤が回収マニホールドに向かって導かれる、請求項6に記載の冶金容器。
【請求項11】
回収マニホールドが、分配システムの周囲に周方向に配置されており、
回収マニホールドが、垂直方向において分配システムの大部分の下方に位置している、請求項6に記載の冶金容器。
【請求項12】
第1のヘッダおよび第2のヘッダが、実質的に対向した整列にて入り口マニホールドへと取り付けられている、請求項6に記載の冶金容器。
【請求項13】
入り口マニホールドが、第1のヘッダと第2のヘッダとの間に位置している、請求項6に記載の冶金容器。
【請求項14】
入り口マニホールドが、閉じられた空間の実質的に中央に位置している、請求項6に記載の冶金容器。
【請求項15】
溶融材料の処理に使用される冶金容器であって、
内表面を含む近位側プレート、
近位側プレートから離間して位置して、実質的に閉じられた空間を画定する遠位側プレート、
複数の供給パイプと、供給パイプに沿って配置された複数の分配送出器とを含み、閉じられた空間内に位置して、運動エネルギーを有する流体冷却剤を近位側プレートへと分配する分配システム、および
流体冷却剤を集めるための回収マニホールドを含む回収システム
を備え、
分配送出器が、内表面に交差する交線であって交線から回収マニホールドに向かって測定される角度が鈍角である交線に沿って、流体冷却剤を導くように配置されている、冶金容器。
【請求項16】
分配送出器の配置によって、流体冷却剤に含まれる運動エネルギーの大部分が流体冷却剤を回収マニホールドに向かって導くために使用される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
分配送出器の配置および流体冷却剤に含まれる運動エネルギーの大部分の利用によって、すでに放出された流体冷却剤が回収マニホールドに向かって導かれる、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
溶融材料の処理に使用される冶金容器であって、
高温領域を含む内側プレート、
少なくとも1つの供給パイプと、取り付け平面において少なくとも1つの供給パイプに取り付けられた複数の分配送出器とを含み、内側プレートに近接して位置して、運動エネルギーを有する流体冷却剤を内側プレートへと分配する分配システム、および
回収マニホールドを流体冷却剤を集めるように配置して含む回収システム
を備え、
分配送出器が、流体冷却剤を交線に沿って導くため、取り付け平面から回収マニホールドに向かって測定したときに鋭角に位置しており、
分配送出器の配置によって、流体冷却剤に含まれる運動エネルギーの大部分が流体冷却剤の流れを高温領域から離れるように制御するために使用される冶金容器。
【請求項19】
分配送出器と内側プレートとの間の交線をさらに含み、
交線が、交線から回収マニホールドに向かって内側プレートの表面まで測定される鈍角で、内表面に交差している、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
分配システムが、内側プレートを所定の温度に維持するための充分な量で流体冷却剤を内側プレートに対して分配する、請求項18に記載の装置。
【請求項21】
分配送出器の配置および流体冷却剤に含まれる運動エネルギーの大部分の利用によって、すでに放出された流体冷却剤が高温領域から離れるように導かれる、請求項18に記載の装置。
【請求項22】
溶融材料の処理に使用される冶金容器の熱的に強化された表面を冷却するため、送出点から回収点への流体冷却剤の流れを制御する方法であって、
流体の大部分を、冶金容器の回収点の方向に測定される鈍角にて表面に衝突するように導くこと、
を備える方法。
【請求項23】
流体冷却剤に含まれる運動エネルギーの大部分を、すでに送出された流体冷却剤を前記回収点に向かって導くために利用すること、
をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
溶融材料の処理に使用される冶金容器の熱的に強化された表面を冷却するため、送出点から回収点への流体冷却剤の流れを制御する方法であって、
流体冷却剤に含まれる運動エネルギーの大部分を、すでに送出された流体冷却剤を冶金容器の回収点に向かって導くために利用すること、
を備える方法。
【請求項25】
流体の大部分を、回収点の方向に測定される鈍角にて表面に衝突するように導くこと、
をさらに含む、請求項24に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3a】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−519233(P2008−519233A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539055(P2007−539055)
【出願日】平成17年10月25日(2005.10.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/038432
【国際公開番号】WO2006/049967
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(507141457)システムズ スプレイ−クールド, インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】SYSTEMS SPRAY−COOLED,INC.
【住所又は居所原語表記】311 Plus Park Boulevard, Nashville, Tennessee 37217 US
【Fターム(参考)】