説明

改善された特性を有するポリマーポリオールおよびそれらの製造方法

【課題】低資本のポリマーポリオールの濾過技術が必要とされている。
【解決手段】本発明は、10重量%以上60重量%までの固形分、少なくとも0.6 μの平均粒度、および特定濃度の目詰まり粒子を含有するポリマーポリオールに関する。本発明はまた、これらのポリマーポリオールの製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタン発泡体を製造するために使用される改善された特性を有するポリマーに関する。これらの改善されたポリマーポリオールは、約10重量%〜約60重量%の固形分、少なくとも0.60 μの平均粒度を有し、および特定濃度の目詰まり粒子(blinding particle)を含有することを特徴とする。本発明はまた、これらの改善されたポリマーポリオールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
当該分野で記載されているように、用語「デプスフィルター」は、フィルター中の孔のサイズよりも小さくてもよい粒子を液体から除去し得る孔を有するフィルターを示す。粒子は、それらが孔を通じる蛇行した経路を通り抜ける際に横取りされることにより、除去される。比較的低い濾過領域および高い厚さのため、デプスフィルターは、典型的に、高い汚れ保持容量を有するが、フィルターを横切る高い圧力損失も有する。この問題を解消するため、濾過媒体は、プリーツ(pleat)が付けられ得る。プリーツは、濾過領域を増大させ、そして濾過媒体の同体積を保持しつつ厚さを低減する。濾過媒体にプリーツを付けることは、圧力損失を低減し得、そして高い汚れ保持容量を与え得る。本明細書において、用語「プリーツデプスフィルター」は、内部支持体コアにより内側で、および外部支持体ケースにより外側で支持された、デプスフィルター媒体の連続プリーツ付きシートを意味する。
【0003】
米国特許5,279,731は、フィルター媒体の長さに沿ってプリーツが付けられた、少なくとも1つのデプスフィルター媒体の連続スリーブ、プリーツの内側末端に接触する内部支持体コア、および外部プレートに接触する外部支持体ケージを含んでなる略円筒形プリーツデプスフィルターを開示する。このフィルターは、非プリーツデプスフィルターよりも顕著に低い圧力損失にて、試験ダストを水から分離するのに有用であることが見出された。
【0004】
ポリマーポリオールとしても既知の充填剤入りポリオール(filled polyol)は、ポリオール中に分散した細粒からなる粘性液体である。使用される固形物の例としては、スチレン−アクリロニトリルコポリマーおよびポリ尿素が挙げられる。ポリマーポリオールは、典型的に、ベースポリオール中での少なくとも1つのモノマーのインサイチュ重合により製造される。これは、平均粒度よりも顕著に小さい粒子の母集団および平均粒度よりも顕著に大きい粒子の母集団の両方を特徴とする多分散粒度分布を生じさせる。約20〜500ミクロンの範囲内の大き過ぎる粒子は、それらがポリマーポリオールからのポリウレタン発泡体の製造の間に発泡機器中の小さなオリフィスを閉塞し得るため、特に望ましくない。特に、篩に基づく濾過発泡技術による連続処理は、濾過篩中の孔を目詰まりさせるポリマーポリオールからの粗粒子の堆積のため、不可能である。
【0005】
機械的粉砕方法が、特開平06-199929号公報に記載されている。この方法は、100〜700メッシュの範囲内のサイズの粒子を、4ミクロン未満のサイズに低減する。しかしながら、粒子、特に変形可能な粒子(例えばSANポリマーポリオール)の完全な粉砕を確実にすることは困難である。
【0006】
国際公開WO-93/24211は、0.5〜10ミクロンの孔径を有するセラミックフィルター材料を使用して、ポリマー分散体から1〜200ミクロンの範囲内のサイズの固形不純物を除去するためのクロスフロー濾過法を記載する。この方法の不都合は、顕著な量の大きな粒子の未濾過濃縮物が生じることである。
【0007】
米国特許出願公開2002/0077452 A1は、動圧ディスクフィルターを使用して、ポリマーポリオールから目詰まり粒子を分離するための篩濾過法を開示する。実施例1において、篩濾過法は、目詰まり粒子の濃度を100以上の倍数で1 ppm未満に低減した。好ましい実施態様において、正方形または長方形のメッシュを有する焼結多層金属ファブリックがフィルター材料として使用される。これらのフィルター媒体における狭い孔径分布およびデプス濾過特性の非存在のため、それらは、目詰まりに余り影響されないものとして、および分散体中の目詰まり粒子と大多数の粒子との間の鮮明な分離を促進するものとして、記載されている。この篩濾過法の不都合の1つは、装置の資本コストが高いことである。
【0008】
充填剤入りポリオールの濾過の困難性は、分散体中の目詰まり粒子と大多数の粒子との間の鮮明な分離が必要とされることである。フィルター孔径が余りに大きい場合、目詰まり粒子の除去効率は、余りに低くなる。フィルター孔径が余りに小さい場合、非常に多くのより小さな粒子も捕捉され、短いフィルター寿命および顕著な体積の廃棄物がもたらされる。別の困難性は、ポリマーポリオールが典型的に高粘性液体であることである。したがって、従来のバッグおよびカートリッジフィルターは、迅速に閉塞され、およびポリマーポリオールに典型的には有用ではない。米国特許出願公開2002/0077452 A1を参照のこと。
【0009】
米国特許6,797,185は、大量のポリマーポリオールの迅速濾過を経済的な方法で可能にするポリマーポリオールの濾過法を開示する。得られるポリマーポリオールは、主に25ミクロン以下の粒子を有し、そして種々の条件下で貯蔵安定性である。一実施態様において、インデックス濾過法は、第一の容器および第二の容器を有する系を提供すること、第一の容器と第二の容器との間にデプス濾過フィルター媒体の第一の部分を確保すること、および第一の容器とフィルター媒体との間に液体密封を形成すること、第一の容器中にポリマーポリオールを導入すること、フィルター媒体を通過した後に第二の容器中にポリマーポリオールを受け取らせること、およびデプス濾過媒体の第一の部分を第一の容器と第二の容器との間から移動させること、およびデプス濾過媒体の第二のきれいな部分を該容器の間に配置することを含む。第二の実施態様は、デプス濾過媒体が15〜75ミクロンの平均フロー孔径を有することが必要とされる以外は第一のものと同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許5,279,731
【特許文献2】特開平06-199929号公報
【特許文献3】国際公開WO-93/24211
【特許文献4】米国特許出願公開2002/0077452 A1
【特許文献5】米国特許6,797,185
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
低資本のポリマーポリオールの濾過技術が必要とされている。驚くべきことに、プリーツデプスフィルターが、高い分離効率および許容可能なフィルター寿命で、ポリマーポリオールから目詰まり粒子を分離するのに有用であることが見出された。別の利点は、移動部分を含有する複雑なフィルター系を効果的な静的濾過系で置き換えることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、約10〜約60重量%の固形分、少なくとも0.60 μの平均粒度を有し、および低濃度の目詰まり粒子を含有することを特徴とするポリマーポリオールに関する。より詳細には、本発明のポリマーポリオールは、
【0013】
【数1】

【0014】
〔式中、
cbは、目詰まり粒子の濃度(ppmで測定)を表し、
Np0は、洗浄試験フィルター中の孔数を表し、
dpは、洗浄試験フィルターの孔径(mで測定)を表し、
Rm0は、洗浄試験フィルターの抵抗(1/mで測定)を表し、
Aは、試験フィルターの断面積(m2で測定)を表し、
ρは、ポリマーポリオールの密度(kg/m3で測定)を表し、
μは、ポリマーポリオールの動的粘度(Pa・sで測定)を表し、
ρsは、ポリマーポリオール中の固形物の密度(kg/m3で測定)を表し、
csは、ポリマーポリオール中の全固形分の濃度(重量%で測定)を表し、
Δpは、試験フィルターを横切って付与される一定の圧力損失(Paで測定)を表し、
m0は、収集された濾液の全質量(kgで測定)を表し、
および
【0015】
【数2】

【0016】
は、加圧濾過試験の終了時での質量対時間曲線の勾配(kg/sで測定)を表す。〕
で示される目詰まり粒子の濃度cbを含有する。
【0017】
これらのポリマーポリオールは、(a)少なくとも1つのベースポリオール、(b)少なくとも1つのプレフォームド安定剤および(c)少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーの、(d)少なくとも1つのフリーラジカル重合開始剤および必要に応じて(e)ポリマー制御剤または連鎖移動剤の存在下での、フリーラジカル重合生成物を含んでなる。
【0018】
本発明はまた、固形分、平均粒度および上記規定の目詰まり粒子の濃度cbを含有する、これらのポリマーポリオールの連続製造方法に関する。この方法は、適当なフィルター(好ましくはプリーツデプスフィルター)を通じてポリマーポリオールを連続的に濾過すること、および濾液を収集することを含む。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書において、用語「粒度比」は、プリーツデプスフィルターの絶対濾過定格(absolute filtration rating)と平均粒度との比を意味する。
【0020】
本明細書において、用語「目詰まり粒子」は、ポリウレタン発泡機器中に存在する小さなオリフィスを閉塞する粒子の母集団を意味する。
【0021】
本明細書において、用語「試験フィルター比」は、プリーツデプスフィルターの絶対濾過定格と試験フィルターの孔径との比を意味する。
【0022】
本明細書において、用語「入口濃度」は、プリーツデプスフィルターに対する供給液中の目詰まり粒子の濃度を意味する。
【0023】
本明細書において、用語「出口濃度」は、プリーツデプスフィルターから収集された濾液中の目詰まり粒子の濃度を意味する。
【0024】
本明細書において、用語「加圧濾過試験の終了時」は、試験フィルターを通るポリマーポリオールの枯渇、または濾液質量対時間曲線の勾配が、その初期値の60%に等しくなる時点のうちの、最初に起こる時点を意味する。
【0025】
入口濃度および出口濃度は、以下の「分析および測定」の節に記載されるように測定される。
【0026】
本発明の目的は、発泡体インジェクター/ノズルの前に篩型プレフィルターを使用した発泡機器におけるイソシアネート反応性成分としての使用に適当であるポリマーポリオールを製造することにある。ポリマーポリオールは、典型的に、存在する高濃度の詰まり粒子のため、この方法および/または機器に適当ではない。
【0027】
本発明によれば、ポリマーポリオールは、典型的に、10重量%以上約60重量%(これを含む)までの固形分を有する。典型的には、本発明のポリマーポリオールは、ポリマーポリオールの全量に基づいて、10重量%以上、好ましくは15重量%以上、より好ましくは25重量%以上、最も好ましくは30重量%以上、および最も特に好ましくは40重量%以上の固形分を有する。典型的には、ポリマーポリオールはまた、ポリマーポリオールの全量に基づいて、60重量%以下、好ましくは58重量%以下、より好ましくは55重量%以下、および最も好ましくは約50重量%以下の固形分を有する。これらのポリマーポリオールは、ポリマーポリオールの全量に基づいて、これらの上限値(この値を含む)および下限値(この値を含む)の任意の組合せの間の範囲内、例えば10重量%以上60重量%以下、好ましくは15重量%以上58重量%以下、より好ましくは25重量%以上55重量%以下、最も好ましくは30重量%以上50重量%以下、および最も特に好ましくは40重量%以上50重量%以下の固形分を有し得る。
【0028】
本発明によれば、ポリマーポリオールは、典型的に、少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーと、ベースポリオールおよびプレフォームド安定剤との、フリーラジカル重合触媒および必要に応じてポリマー制御剤または連鎖移動剤の存在下での、フリーラジカル重合物を含んでなる。プレフォームド安定剤から製造されたPMPOの適当な説明およびそれらの製造方法は、米国特許5,196,476に開示されている(その開示は、参照により本明細書中に援用される)。2つのエチレン性不飽和モノマーの混合物を使用すること、およびこれらが、80:20〜35:65、好ましくは70:30〜50:50の重量比のスチレンおよびアクリロニトリルを含んでなることが好ましい。
【0029】
本発明に適当なポリマーポリオールは、例えば、米国特許3,875,258、3,931,092、3,950,317、3,953,393、4,014,846、4,093,573、4,148,840、4,242,249、4,372,005、4,334,049、4,454,255、4,458,038、4,689,354、4,690,956、4,745,153、Re 29,014、4,305,861、4,954,561、4,997,857、5,093,412、5,196,476、5,254,667、5,268,418、5,494,957、5,554,662、5,594,066、5,814,699、5,854,358、5,854,386、5,990,185、5,990,232、6,013,731、6,172,164、6,455,603、7,160,975、7,179,882およびRe 33,291、並びに米国特許4,524,157、4,539,340、Re 28,715およびRe 29,118(それらの開示の全ては、参照により本明細書中に援用される)に開示されるような方法を利用して製造される。
【0030】
上記のように、本発明のポリマーポリオールは、
【0031】
【数3】

【0032】
〔式中、変数は上記と同義である。〕
で示される目詰まり粒子の濃度cbを含有する。
【0033】
本発明によれば、ポリマーポリオール中に存在する目詰まり粒子の濃度は、約0.55 ppm未満、好ましくは約0.4 ppm未満、より好ましくは約0.3 ppm未満、および最も好ましくは約0.2 ppm未満であることが好ましい。
【0034】
本発明のポリマーポリオールは、典型的に、少なくとも約0.6 μから約3.5 μ(これを含む)までの平均粒度を特徴とする。典型的に、本発明のポリマーポリオールは、少なくとも約0.6 μ、好ましくは少なくとも約0.65 μ、より好ましくは少なくとも約0.7 μ、および最も好ましくは少なくとも約0.75 μの平均粒度を有する。典型的には、ポリマーポリオールはまた、3.5 μ以下、好ましくは2.5 μ以下、より好ましくは2.0 μ以下、および最も好ましくは1.5 μ以下の平均粒度を有する。これらのポリマーポリオールは、これらの上限値(この値を含む)および下限値(この値を含む)の任意の組合せの間の範囲内、例えば0.60 μ以上3.5 μ以下、好ましくは0.65 μ以上2.5 μ以下、より好ましくは0.70 μ以上2.0 μ以下、および最も好ましくは0.75 μ以上1.5 μ以下の平均粒度を有し得る。
【0035】
ポリマーポリオールの製造方法において、プリーツデプスフィルターは、典型的に、濾過媒体として使用される。プリーツデプスフィルターは、長いフィルター寿命、および目詰まり粒子の高い分離効率をもたらす、高い汚れ保持容量を提供する。
【0036】
目詰まり粒子の濃度が上記に示されるようなポリマーポリオールの連続濾過法において、以下の条件が好ましい:
a)プリーツデプスフィルターを横切る初期圧力損失は、約1.0 bar未満(より好ましくは約0.8 bar未満、および最も好ましくは約0.5 bar未満)であり、
b)サイクル終了時のプリーツデプスフィルターを横切る最終圧力損失は、約4 bar未満(より好ましくは約3 bar未満、および最も好ましくは約2 bar未満)であり、
c)プリーツデプスフィルターの絶対孔径と分散体の平均粒度との比は、約30:1超(より好ましくは約45:1超、および最も好ましくは約60:1超)であり、
および
d)プリーツデプスフィルターの絶対孔径と試験フィルターの孔径との比は、約0.4:1と約4:1との間(より好ましくは約0.5:1と2:1との間、および最も好ましくは約0.6:1と1.5:1との間)である。
【0037】
この方法により製造されるポリマーポリオールは、約10重量%以上約60重量%以下の固形分を有し得る。典型的には、この方法により製造されるポリマーポリオールはまた、ポリマーポリオールの全量に基づいて、10重量%以上、好ましくは15重量%以上、より好ましくは25重量%以上、最も好ましくは30重量%以上、および最も特に好ましくは40重量%以上の固形分を有し得る。典型的には、ポリマーポリオールはまた、ポリマーポリオールの全量に基づいて、60重量%以下、好ましくは58重量%以下、より好ましくは55重量%以下、および最も好ましくは約50重量%以下の固形分を有する。これらのポリマーポリオールは、ポリマーポリオールの全量に基づいて、これらの上限値(この値を含む)および下限値(この値を含む)の任意の組合せの間の範囲内、例えば10重量%以上60重量%以下、好ましくは15重量%以上58重量%以下、より好ましくは25重量%以上55重量%以下、最も好ましくは30重量%以上50重量%以下、および最も特に好ましくは40重量%以上50重量%以下の固形分を有し得る。
【0038】
本発明のポリマーポリオールの製造方法は、連続方法である。
本発明によれば、該方法は、0.01〜1.0 bar、好ましくは0.05〜0.8 bar、および最も好ましくは0.07〜0.5 barの範囲内のフィルターを横切る初期圧力損失にて行われる。処理量およびフィルター目詰まりの速度は、フィルターを横切る初期圧力損失の増大と共に増大する。したがって、低い初期圧力損失にて、フィルターは長い寿命を有するが、処理量が余りに低くなるため、商業的方法に有用ではない。高い初期圧力損失にて、処理量は高くなるが、フィルター寿命が余りに短くなるため、商業的に価値はない。中程度の初期圧力損失が、許容可能な処理量およびフィルター寿命に関して好ましい。該方法を、高い温度にて行って充填剤入りポリオール粘度を低減させることができ、これにより処理量を増大させることができる。この方法に適当な高い温度は、製造業者により推奨される、フィルター材料の軟化点未満の温度である。
【0039】
また、本発明によれば、該方法を、0.4〜5 bar、好ましくは0.7〜4 bar、および最も好ましくは1〜3 barの範囲内のデプスフィルターを横切る最終圧力損失にて行う。目詰まり粒子がフィルター中に堆積するにつれて孔は閉塞し、その結果、濾過サイクルの期間中に渡って、デプスフィルター抵抗の増大および圧力損失の増大がもたらされる。サイクル終了時にて、フィルターは置き換えられなければならない。プリーツデプスフィルターは、典型的に、所定の温度での最大圧力損失に関して格付けされる。定格値よりも大きい圧力損失での操作は、フィルターの完全性の損失およびフィルターからの粒子の突破をもたらし得る。これにより、分離効率の損失が生じる。したがって、高い最終圧力損失での操作は、フィルター寿命をより長くすることができるが、分離効率を低減させ得る。一方、低い最終圧力損失での操作は、適切な分離効率を確実にすることができるが、フィルター寿命を短くし得る。中程度の最終圧力損失が、許容可能な分離効率およびフィルター寿命に関して好ましい。
【0040】
本明細書において、「高い」最終圧力損失は、製造業者に許可された最大差圧(MDP)である。特定温度で操作される所定のフィルターについての最大差圧は、製造業者により特定される。
【0041】
本明細書において、「低い」最終圧力損失は、フィルター媒体の目詰まりが起こらないことを意味する。
【0042】
本発明によれば、許容可能な分離効率は、目詰まり粒子の90%以上がフィルター媒体により捕捉され得ることを意味する。
【0043】
本明細書において「粒度比」と称されるプリーツデプスフィルターの絶対濾過定格と平均粒度との比は、プリーツデプスフィルターの性能に重要な影響を与える。プリーツデプスフィルターは、平均サイズにより近いより小さな粒子が通過するのを許可しつつ、大きな目詰まり粒子を除去することが意図される。しかしながら、分離は、完全には鮮明ではなく、幾つかのより小さな粒子もフィルターによって捕捉される。粒度比が低減するにつれて、小さな粒子の保持が増大する。これは、より速いフィルターの詰まり(loading)およびフィルター寿命の低減をもたらす。本発明によれば、該方法は、30:1超、好ましくは45:1超、およびより好ましくは60:1超の粒度比にて行われる。
【0044】
加圧濾過試験は、プリーツデプスフィルターの性能を評価するために必要とされる。加圧濾過試験において、ポリマーポリオールを、一定の圧力下、試験フィルターを通過させ、および収集された濾液の質量対時間を測定して目詰まり粒子の濃度を決定する。発泡処理装置中のポリマーポリオールの性能を適切にシミュレートするために、試験フィルターの孔径を、ポリマーポリオールが発泡挙動の間に目詰まりするデバイスのサイズに適合させるべきである。一例として、篩パック技術を使用する発泡機器において、ポリマーポリオールを処理の間に一連の篩を通過させる。篩パックにおける目詰まりをシミュレートするために、最小サイズの孔を有する篩を、「試験フィルター」として選択すべきである。本明細書において「試験フィルター比」と呼ばれるプリーツデプスフィルターの絶対濾過定格と試験フィルターの孔径との比は、プリーツデプスフィルターの性能に重要な影響を与える。本発明によれば、該方法を、0.4:1〜4:1、好ましくは0.5:1〜2:1、およびより好ましくは0.6:1〜1.5:1の範囲内の試験フィルター比にて行う。低い試験フィルター比にて、目詰まり粒子の分離効率は高いが、フィルター寿命は低減され得る。なぜなら、除去の標的とされる粒子よりも小さな粒子も除去され得るからである。高い試験フィルター比にて、目詰まり粒子の分離効率は低減する。したがって、中程度の試験フィルター比は、目詰まり粒子の高い分離効率および許容可能なフィルター寿命に関して好ましい。
【0045】
また、本発明によれば、該方法を、0.55 ppm未満の目詰まり粒子、好ましくは0.4 ppm未満、およびより好ましくは0.3 ppm未満、および最も好ましくは0.2 ppm未満を含有するポリマーポリオール組成物を生じさせるために、好ましい条件下に行う。濾液中の目詰まり粒子の濃度が低いほど、充填剤入りポリオールを、連続発泡機器において、小さなオリフィスを閉塞することなく、より長く処理することができる。
【0046】
本発明のポリマーポリオールに適当なプリーツデプスフィルターとしては、全てのプリーツデプスフィルターが挙げられる。このようなフィルターの例としては、限定されないが、Pall Corporation、USF Filtration & Separationsなどから市販されているフィルターが挙げられる。
【0047】
本発明のポリマーポリオールは、好ましくは連続発泡機器(例えば、限定されないが、NovaFlex発泡機器)と適合する。したがって、これらのポリマーポリオール中に存在する目詰まり粒子の濃度は、好ましくは、連続発泡機器で処理する場合、目詰まり粒子がオリフィスを顕著に妨害、閉塞または詰まらせないように、十分に低い。
【0048】
〔分析および測定〕
プリーツデプスフィルターの性能を評価するために、濾液中の目詰まり固形物の濃度を測定しなければならない。目詰まり固形物の濃度は、以下に記載する加圧濾過試験から算出した。既知の質量のポリマーポリオールを、圧力容器に充填し、そして一定の圧力を容器に付与した。実験の開始時に、圧力容器の底のバルブを開放し、そしてポリマーポリオールを、試験フィルターを通じて、はかり上に置いた収集容器中に入れた。濾液の質量を、時間に対して測定した。試験フィルターの孔中の目詰まり粒子の堆積のために、質量対時間曲線の勾配から算出される濾液の流速は、時間に渡って低減する。試験フィルターを通るポリマーポリオールの枯渇または濾液質量対時間曲線の勾配が、その初期値の60%と等しくなる時点のうち、最初に起こる時点で、加圧濾過試験を停止させた。濾液質量対時間曲線の勾配および試験フィルターのパラメーターから、目詰まり粒子の濃度を以下の等式から算出した:
【0049】
【数4】

【0050】
上記等式中の用語は、以下のように定義される:
cbは、目詰まり粒子の濃度(ppmで測定)を表し、
Np0は、洗浄試験フィルター中の孔数を表し、
dpは、洗浄試験フィルターの孔径(mで測定)を表し、
Rm0は、洗浄試験フィルターの抵抗(1/mで測定)を表し、
Aは、試験フィルターの断面積(m2で測定)を表し、
ρは、ポリマーポリオールの密度(kg/m3で測定)を表し、
μは、ポリマーポリオールの動的粘度(Pa・sで測定)を表し、
ρsは、ポリマーポリオール中の固形物の密度(kg/m3で測定)を表し、
csは、ポリマーポリオール中の全固形分の濃度(重量%で測定)を表し、
Δpは、試験フィルターを横切って付与される一定の圧力損失(Paで測定)を表し、
m0は、収集された濾液の全質量(kgで測定)を表し、
および
【0051】
【数5】

【0052】
は、加圧濾過試験の終了時での質量対時間曲線の勾配(kg/sで測定)を表す。
【0053】
以下の実施例は、本発明の組成物の製造法および使用の詳細をさらに説明する。上記に開示した本発明は、これらの実施例によって、その精神または範囲のいずれも限定されない。当業者は、以下の製造手順の条件および方法の既知の変形を使用して、これらの組成物を製造できることを容易に理解する。他に示さない限り、全ての温度は摂氏であり、および全ての部および%は、それぞれ重量部および重量%である。
【実施例】
【0054】
以下の材料を、実施例で使用した。
ポリマーポリオールA:ベースポリオール中でスチレンとアクリロニトリルモノマーとプレフォームド安定剤との混合物を反応させることにより製造された、ポリエーテルポリオール中のスチレン/アクリロニトリル(67重量%:33重量%)コポリマーの分散体。該ベースポリエーテルポリオールはヒドロキシル官能価3、ヒドロキシル価52、およびエチレンオキシド含量15重量%を有する。該ポリマーポリオールは、ヒドロキシル価27.7、粘度2924 cSt、平均粒度1.18ミクロン、固形分44.98重量%、および目詰まり粒子濃度3.5 ppmを有する。
【0055】
ポリマーポリオールB:ベースポリオール中でスチレンとアクリロニトリルモノマーとプレフォームド安定剤との混合物を反応させることにより製造された、ポリエーテルポリオール中のスチレン/アクリロニトリル(67重量%:33重量%)コポリマーの分散体。該ベースポリエーテルポリオールは、ヒドロキシル官能価3、ヒドロキシル価52、およびエチレンオキシド含量15重量%を有する。該ポリマーポリオールは、ヒドロキシル価29.1、粘度3027 cSt、平均粒度1.02ミクロン、固形分44.34重量%、および目詰まり粒子濃度1.8 ppmを有する。
【0056】
プリーツデプスフィルターA:三日月形プリーツ構造を有する100ミクロン絶対定格全ポリプロピレンデプスフィルター。該フィルターは、名目上の直径2.6インチおよび長さ10インチを有する。該フィルターは、65℃にて35 psigの最大差圧(MPD)について格付けされる。このフィルターは、製品名PFT100-1UNのもとUSF Filtration & Separationsから市販されている。
【0057】
プリーツデプスフィルターB:三日月形プリーツ構造を有する70ミクロン絶対定格全ポリプロピレンデプスフィルター。該フィルターは、直径2.5インチ、長さ10インチ、および名目上の濾過領域2.5平方フィートを有する。該フィルターは、30℃にて60 psigの最大差圧(MPD)について格付けされる。このフィルターは、製品名PFY1UY700JのもとPall Corporationから市販されている。
【0058】
プリーツデプスフィルターC:三日月形プリーツ構造を有する100ミクロン絶対定格全ポリプロピレンデプスフィルター。該フィルターは、直径2.5インチ、長さ10インチ、および名目上の濾過領域2.5平方フィートを有する。該フィルターは、30℃にて60 psigの最大差圧(MPD)について格付けされる。このフィルターは、製品名PFY1UY1000JのもとPall Corporationから市販されている。
【0059】
プリーツデプスフィルターD:三日月形プリーツ構造を有する40ミクロン絶対定格全ポリプロピレンデプスフィルター。該フィルターは、直径2.5インチ、長さ10インチ、および名目上の濾過領域2.5平方フィートを有する。該フィルターは、30℃にて60 psigの最大差圧(MPD)について格付けされる。このフィルターは、製品名PFY1UY400JのもとPall Corporationから市販されている。
【0060】
試験フィルターA:Hennecke Machinery製のNovaFlex発泡機器に使用するための85ミクロンフィルター篩。該篩は、孔径85ミクロン、多孔率16%、および直径9 mmを有する。
【0061】
試験フィルターB:Cleveland Wire Cloth and Manufacturing製の700ワイアーメッシュスクリーン。該フィルターは、平均孔径5ミクロン、多孔率60%、および直径22 mmを有する。
【0062】
他に示さない限り、以下の手順を、各々の実施例に使用した。
ポリマーポリオールを、攪拌および加熱した供給容器に充填し、そして重力下、ギアポンプの入口に流入させた。ポリマーポリオールを、一定の流速でポンプからプリーツデプスフィルターを含有する断熱フィルターハウジングに排出させた。ポリマーポリオールを、圧力勾配によってフィルターを通過させ、次いで、濾液収集容器中に排出した。ポリマーポリオールの温度を、フィルターハウジング中で維持し、そしてフィルターを横切る圧力損失を、時間に対して測定した。濾液を定期的にサンプリングし、そして目詰まり固形物の濃度について試験した。以下の実施例において、用語「入口濃度」および「出口濃度」は、上記と同義である。
【0063】
〔実施例1および2〕
表1に示される実施例1および2において、ポリマーポリオールAを、71℃にて20.2時間に渡って、プリーツデプスフィルターAを使用して濾過した。フィルターを横切る圧力損失は、実験過程に渡って変化しなかった。これにより、フィルターがなお、目詰まり粒子に対するさらなる保持容量を有し、および完全には詰まらなかったことが示された。
【0064】
実施例1において、試験フィルターAを使用して、プリーツデプスフィルターAの性能を評価した。濾液中の目詰まり粒子の濃度は、0.20 ppm(これは94.2%の除去効率に相当した)であった。したがって、粒度比84:1にて、および試験フィルター比1.2:1にて、プリーツデプスフィルターは、分散体中の他の粒子から目詰まり粒子を選択的に分離した。これは、高い除去効率および長いフィルター寿命をもたらした。
【0065】
実施例2において、試験フィルターBを使用して、プリーツデプスフィルターAの性能を評価した。濾液中の目詰まり粒子の濃度は、12.2 ppm(これは20.8%のみの除去効率に相当した)であった。したがって、粒度比84:1にて、および試験フィルターサイズ比4.0:1にて、プリーツデプスフィルターは、乏しい分離効率を有し、および目詰まり粒子を十分に除去できなかった。
【0066】
【表1】

【0067】
〔実施例3〕
表2に示される実施例3において、ポリマーポリオールAを、70℃にて4.7時間に渡って、プリーツデプスフィルターBを使用して濾過した。フィルターを横切る圧力損失は、実験過程に渡って顕著に増大した。これにより、フィルターは、高度に詰まり、および目詰まり粒子に対するさらなる保持容量を大きくは有しなかったことが示された。試験フィルターAを使用して、プリーツデプスフィルターBの性能を評価した。濾液中の目詰まり粒子の濃度は、0.07 ppm(これは98%の除去効率に相当した)であった。したがって、粒度比59:1(実施例1における84:1と比較して)および試験フィルター比0.82:1(実施例1における1.2:1と比較して)にて、プリーツデプスフィルターBの分離効率は、実施例3の方が実施例1よりも高かった。なぜなら、より多い粒子が分散体から除去されたからである。しかしながら、これは、幾分より短いプリーツデプスフィルター寿命をもたらした。
【0068】
【表2】

【0069】
〔実施例4〕
その結果が表3に記載される実施例4において、ポリマーポリオールAを、約63℃にて16.9時間に渡って、プリーツデプスフィルターCを使用して濾過した。フィルターを横切る圧力損失は、実験過程に渡って顕著には増大しなかった。これにより、フィルターがなお、目詰まり粒子に対するさらなる保持容量を有し、および完全には詰まらなかったことが示された。試験フィルターAを使用して、プリーツデプスフィルターCの性能を評価した。濾液中の目詰まり粒子の濃度は、0.16 ppm(これは95.4%の除去効率に相当した)であった。プリーツデプスフィルターを横切る入口圧力損失は、実施例1についてのものの2倍であった。これは、実施例4において、フィルターがより迅速に詰まる原因となり、およびより短いフィルター寿命をもたらした。
【0070】
【表3】

【0071】
〔実施例5〕
その結果が表4に記載される実施例5において、ポリマーポリオールAを、約67℃にて2.6時間に渡って、プリーツデプスフィルターCを使用して濾過した。フィルターを横切る圧力損失は、実験過程に渡って中程度に増大した。これにより、フィルターがなお、目詰まり粒子に対するさらなる保持容量を有するが、部分的に詰まったことが示された。試験フィルターAを使用して、プリーツデプスフィルターCの性能を評価した。濾液中の目詰まり粒子の濃度は、0.32 ppm(これは90.8%の除去効率に相当した)であった。プリーツデプスフィルターを横切る入口圧力損失は、実施例1についてのものの4倍であり、および実施例4についてのもののほぼ2倍であった。これは、実施例5において、フィルターがより迅速に詰まる原因となり、およびより短いフィルター寿命およびより低い分離効率をもたらした。
【0072】
【表4】

【0073】
〔実施例6〕
その結果が表5に記載される実施例6において、ポリマーポリオールBを、約59℃にて0.7時間に渡って、プリーツデプスフィルターDを使用して濾過した。フィルターを横切る圧力損失は、実験過程に渡って顕著には増大しなかった。これにより、フィルターがなお、目詰まり粒子に対するさらなる保持容量を有し、および完全には詰まらなかったことが示された。試験フィルターAを使用して、プリーツデプスフィルターDの性能を評価した。濾液中の目詰まり粒子の濃度は、0.05 ppm(これは97.3%の除去効率に相当した)であった。試験フィルター比0.47:1にて、濾液中の目詰まり粒子の濃度は、試験フィルター比がそれぞれ1.2:1および0.82:1である実施例1および3において達成されたものよりも大幅に低かった。粒度比39:1でさえも、フィルターは、ほぼ1時間の操作後、顕著には詰まらなかった。
【0074】
【表5】

【0075】
本発明を上記で例示の目的をもって詳細に説明したが、このような詳説が単にその目的のためであって、本発明は、特許請求の範囲によって限定され得る場合を除いて、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、当業者によって変形がなされ得ると理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約10重量%〜約60重量%の固形分、少なくとも0.60 μの平均粒度を有し、および
【数1】

〔式中、
cbは、目詰まり粒子の濃度(ppmで測定)を表し、
Np0は、洗浄試験フィルター中の孔数を表し、
dpは、洗浄試験フィルターの孔径(mで測定)を表し、
Rm0は、洗浄試験フィルターの抵抗(1/mで測定)を表し、
Aは、試験フィルターの断面積(m2で測定)を表し、
ρは、ポリマーポリオールの密度(kg/m3で測定)を表し、
μは、ポリマーポリオールの動的粘度(Pa・sで測定)を表し、
ρsは、ポリマーポリオール中の固形物の密度(kg/m3で測定)を表し、
csは、ポリマーポリオール中の全固形分の濃度(重量%で測定)を表し、
Δpは、試験フィルターを横切って付与される一定の圧力損失(Paで測定)を表し、
m0は、収集された濾液の全質量(kgで測定)を表し、
および
【数2】

は、加圧濾過試験の終了時での質量対時間曲線の勾配(kg/sで測定)を表す。〕
で示される目詰まり粒子の濃度cbを含有するポリマーポリオールであって、
上記ポリマーポリオールは、(a)少なくとも1つのベースポリオール、(b)少なくとも1つのプレフォームド安定剤および(c)少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーの、(d)少なくとも1つのフリーラジカル重合開始剤の存在下での、
フリーラジカル重合生成物を含んでなる、ポリマーポリオール。
【請求項2】
上記フリーラジカル重合を、(e)ポリマー制御剤の存在下、さらに行う、請求項1に記載のポリマーポリオール。
【請求項3】
ポリマーポリオール中の目詰まり粒子の濃度は、約0.55 ppm未満である、請求項1に記載のポリマーポリオール。
【請求項4】
ポリマーポリオール中の目詰まり粒子の濃度は、約0.2 ppm未満である、請求項1に記載のポリマーポリオール。
【請求項5】
ポリマーポリオール中に存在する目詰まり粒子の濃度は、上記ポリマーポリオールをプリーツデプスフィルターを通して濾過することにより決定され、
a)上記プリーツデプスフィルターを横切る初期圧力損失は、約1.0 bar未満であり、
b)濾過サイクル終了時の上記プリーツデプスフィルターを横切る最終圧力損失は、約4 bar未満であり、
c)上記プリーツデプスフィルターの絶対孔径とポリマーポリオール中の固形物の平均粒度との比は、約30:1超であり、
および
d)上記プリーツデプスフィルターの絶対孔径と試験フィルターの孔径との比は、約0.4:1と約4:1との間である、
請求項1に記載のポリマーポリオール。
【請求項6】
(a)上記プリーツデプスフィルターを横切る初期圧力損失は、約0.5 bar未満である、請求項5に記載のポリマーポリオール。
【請求項7】
固形分は、20重量%以上60重量%以下の範囲内である、請求項1に記載のポリマーポリオール。
【請求項8】
10重量%以上約60重量%までの固形分、少なくとも0.60 μの平均粒度を有し、および
【数3】

〔式中、
cbは、目詰まり粒子の濃度(ppmで測定)を表し、
Np0は、洗浄試験フィルター中の孔数を表し、
dpは、洗浄試験フィルターの孔径(mで測定)を表し、
Rm0は、洗浄試験フィルターの抵抗(1/mで測定)を表し、
Aは、試験フィルターの断面積(m2で測定)を表し、
ρは、ポリマーポリオールの密度(kg/m3で測定)を表し、
μは、ポリマーポリオールの動的粘度(Pa・sで測定)を表し、
ρsは、ポリマーポリオール中の固形物の密度(kg/m3で測定)を表し、
csは、ポリマーポリオール中の全固形分の濃度(重量%で測定)を表し、
Δpは、試験フィルターを横切って付与される一定の圧力損失(Paで測定)を表し、
m0は、収集された濾液の全質量(kgで測定)を表し、
および
【数4】

は、加圧濾過試験の終了時での質量対時間曲線の勾配(kg/sで測定)を表す。〕
で示される目詰まり粒子の濃度cbを含有するポリマーポリオールの製造方法であって、
(1)(a)少なくとも1つのベースポリオール、(b)少なくとも1つのプレフォームド安定剤、および(c)少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを、(d)少なくとも1つのフリーラジカル重合開始剤の存在下、連続的にフリーラジカル重合する工程と、
(2)ポリマーポリオールを適当なデプスフィルターを通して連続的に濾過する工程と、
(3)濾液を収集する工程と
を含む、方法。
【請求項9】
上記フリーラジカル重合を、(e)ポリマー制御剤の存在下、さらに行う、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ポリマーポリオール中の目詰まり粒子の濃度は、約0.55 ppm未満の目詰まり粒子である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
ポリマーポリオール中の目詰まり粒子の濃度は、約0.2 ppm未満である、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
工程(2)における上記フィルターは、プリーツデプスフィルターであり、および
a)上記プリーツデプスフィルターを横切る初期圧力損失は、約1.0 bar未満であり、
b)濾過サイクル終了時の上記プリーツデプスフィルターを横切る最終圧力損失は、約4 bar未満であり、
c)上記プリーツデプスフィルターの絶対孔径とポリマーポリオール中の固形物の平均粒度との比は、約30:1超であり、
および
d)上記プリーツデプスフィルターの絶対孔径と試験フィルターの孔径との比は、約0.4:1と約4:1との間である、
請求項8に記載の方法。
【請求項13】
a)上記プリーツデプスフィルターを横切る初期圧力損失は、約0.5 bar未満である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ポリマーポリオールの固形分は、20重量%以上60重量%以下の範囲内である、請求項8に記載の方法。

【公開番号】特開2009−149895(P2009−149895A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−325089(P2008−325089)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(503349707)バイエル・マテリアルサイエンス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (178)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience LLC
【Fターム(参考)】