説明

改良されたサンプル捕集及び保管装置、及びそれに関連する方法

生物学的サンプルを保管する容器及び該容器又はサンプルの測定された少なくとも一つの特性を表示すべく該容器に付加されたインジケーターを含み、特性の測定がインジケーターの活性化により開始される、生物学的サンプル閉じ込めシステム及び方法が提供される。本発明の別の実施形態において、生物学的サンプルを保管する容器及び該容器に貼られた色付き尺度を含み、色付き尺度が、生物学的サンプルの少なくとも一つの特性の識別を容易にする、生物学的サンプル閉じ込めシステム及び方法が提供される。また別の実施形態では、生物学的サンプルを捕集するための容器及び容器に貼られたラベルを含み、生物学的サンプル又は容器に関する情報がラベル上に位置される、生物学的サンプル閉じ込めシステム及び方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者から生物学的体液サンプルを捕集するための容器に関する情報を提供するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
採血容器のような生物学的サンプル捕集容器は、医療分野において周知である。生物学的サンプル捕集容器は、医療関係者により患者から得られたサンプルを試験準備が出来るまで、又はその他の用途に使われるまで保存するために使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
捕集容器に生物学的サンプルを捕集する際、容器及び/又はサンプルが一定基準を超えた温度にさらされないことが多くの場合重要である。また、該容器は製造、出荷、その他の事象において、特定の時間内で使用されることが時には重要である。加えて、サンプルを容器へ捕集してからの経過時間を知ることが重要であるかもしれない。
【0004】
加えて、サンプル及び/又は容器の他の特性を識別することは、医療関係者にとり役立ち得る。例えば、サンプルは適切な手続き(すなわち、混合)に従っているか、又は適量のサンプルが捕集されているかのサンプルの健全性を識別することは重要である。
【0005】
現在、生物学的サンプル容器は貯蔵部及び閉鎖部を典型的に含み、容器上に何らかの形式の識別情報を含んでいる。しかしながら、そのような情報は、(容器の種類、患者の識別子、及び容器の識別子に限定されるように)相当に限定されており、容器及び/又はサンプルの健全性に関する上述の問題に有効に取り組んでいない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
改良された生物学的検体容器は、例えば、サンプル及び容器の拒否基準を改良し、高品質のサンプルの数及び割合を増加させ、データ収集と生成を改良し、潜在的な容器及びサンプルの問題を監視し、かつ容器及びサンプルの品質管理手順を改良するための、そのようなサンプルの取り扱いを容易にする。
【0007】
従って、本発明の一実施形態では、生物学的サンプルを保管するための容器、及び該容器又はサンプルの少なくとも一つの測定された特性を表示するために、容器に付加されたインジケーターを含み、特性の測定が、該インジケーターの活性化によって開始される生物学的サンプル閉じ込めシステム及び方法が提供される。該生物学的サンプル閉じ込めシステム及び方法は、該インジケーターに結合されるカバーを更に含み、特性の測定が、該カバーの少なくとも一部の操作及び/又は取り外し、及び/又は空気又は光への露出のときに開始される。測定される特性は、該容器が露出される温度、該容器の寿命、該生物学的サンプルがさらされていた混合の量、該生物学的サンプルが該容器に引き込まれ又は保管されてから生じた時間、使用者又は機械が該容器に関する課題を遂行してから生じた時間などに関連してもよい。
【0008】
本発明の別の実施形態では、生物学的サンプルを保管するための容器及び該容器に付加された色付き尺度を含み、該色付き尺度が、該生物学的サンプルに関する溶血のレベルのような該生物学的サンプルの少なくとも一つの特性の識別を容易にする生物学的サンプル閉じ込めシステム及び方法が提供される。
【0009】
本発明のさらに別の実施形態では、生物学的サンプルを捕集するための容器及び該容器に貼られたラベルを含み、該生物学的サンプル又は容器に関する情報はラベル上に位置され、前記情報の少なくとも一部が該容器に貼られているラベルの面上に位置される生物学的サンプル閉じ込めシステム及び方法が提供される。一つの例では、該情報は、該容器が該生物学的サンプルで所望のレベルに満たされているかに関し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1Aは、生物学的サンプル捕集容器10を図示する。容器10は、(化学サンプル管、凝固サンプル管、及び血液学サンプル管などのような)サンプル捕集管20、及び閉鎖体16を含む。図示された実施形態では、管20は一般的に円筒状であり、ポリプロピレン、PET (polyethylene terapthalate)、ガラス、又はその組み合わせといった一つ以上の代表的な物質から成る。更に、閉鎖体16は再封止可能な弾性ポリマーで作られ、加えて該再封止可能な弾性ポリマーと一体化したポリマーのキャップを備え得る。他の事例では、容器10は異なる形状の器(すなわち、円筒状以外)を備えてもよく、いくつかの事例では管でなくてもよい。例えば、容器10は捕集キャップ、バッグなどからなり得る。
【0011】
図1A及び1Bを参照するに、捕集システム10は、本発明の一実施形態によると、特性ラベル90A及びラベルカバー80を備える特性ラベル付けシステムを更に含む。本発明の一実施形態によれば、特性ラベル90Aはラベルカバー80の取り外し(すなわち、引き剥がし)及び/又は(例えば、非患者用採血針を用いての)穴開けのときに発生した時間を追跡するように作られている。
【0012】
ラベルカバー80は、本発明の一実施形態によれば、特性ラベル90Aを覆い、保護するように設計されている。一例では、ラベルカバー80は取り外しを容易にする握りやすいフラップを有する。更に、ラベルカバー80は、その全面もしくは(周囲のような)一部の面上のいずれかの、特性ラベル90Aに面する部分に塗布された接着剤を有している。
【0013】
特性ラベル90Aは、本発明の一実施形態によると、例えばラベルカバー80が取り外される、又は穴を開けられる時のように、きっかけとなる事象によって引き起こされる視覚的変化紙(VCP:visually changing paper)技術を使用し得る。きっかけとなる事象は、VCP技術を不活性化状態から活性化状態へと移行させる。特性ラベル90Aに利用されるこの視覚的変化紙技術は、例えばラベルカバーが特性ラベル90Aの全体又は一部に適用された時、あるいは替わりに、特性ラベル90Aの全体又は一部が、局部的な化学的環境における変化に対して視覚的反応を開始ないしは引き起こす局部的な化学的環境の変化にさらされていた時に、表面変更のようなきっかけとなる事象によってまた引き起こされ得る。局部的な化学的環境の変化の一例としては、特性ラベル90Aの部分への化学物質又は溶液の添加を含み得る。一例では、そのようなラベルカバー80の取り外し、又は穴を開けることは、特性ラベル90Aを空気にさらし、監視又は追跡時間と相関した、視覚的に可視である、又は説明できる反応を開始し得る。別の例では、そのようなラベルカバー80の特性ラベル90Aへの接着が、監視又は追跡時間と相関した、視覚的に可視である、又は説明できる反応を開始し得る。具体的には、ラベルカバー80と一体で例えば有機酸を含む活性剤基質は、特性ラベル90aと一体で例えば酸塩基(acid-base)染料の指示薬を含むインジケーター基質へと移動し得る。あるいは、特性ラベル90Aを(カバー80を取り外す、又は穴を開けることによって)光に露出すれば、時間監視が開始され得る。さらに、ラベルカバー80を取り外すことで、直接に又は光学的検出機構を使用することによって、使用者が視認できる化学反応が開始し得る。
【0014】
図1Cを参照するに、本発明の一実施形態によれば、特性ラベル90Aは、きっかけとなる事象が故意に開始された時点から測定された一、又は複数の説明できる期間を識別するように構成されている。例えば、以下の期間及び各期間の表示は、ラベルカバー80の取り外しによる、かかるラベルの露出のようなきっかけとなる事象からの経過時間を示している。例えば、0.5時間(92a)、2時間(92b)、3時間(92c)、6時間(92d)、12時間(92e)、24時間(92f)、48時間(92g)、96時間(92h)といった具合である。ラベル90Aは、例えば、日数を更に含むその他の時間間隔を識別するように構成され得る。
【0015】
本発明の一実施形態によると、特性ラベル90Aはサンプルの管20への引き込みに関連する時に露出される。特性ラベル90Aを続けて見ることにより、サンプルを引き込んでからそれに続く事象及び(冷凍、試験等のような)監視事象までのおおよその時間が決定され、又は確かめられ得る。一例として、ラベル90Aは、(露出時のようなきっかけとなる事象から)生じた時間数に応じて、そのような時間の領域においてラベルの色が変化するように構成され得る。別の例では、異なる期間表示が視覚的に各時間間隔に関連するように、ラベルAは共用のきっかけとなる事象に応じた複数の異なる期間表示を含む。したがって、生じたおおよその時間が観測され得る。例えば、複数の異なる期間表示(すなわち、92a、92b、92c、92d、92e、92f、92g、及び92h)は、好ましくは視覚的に表示される方法で、生じた時間に対応する。
【0016】
上述の期間を追跡することにより、サンプル捕集時、遠心分離準備完了時、及びサンプル健全時が測定又は監視され得る。例えば、血液生化学検査管における血液凝固時間の知識は、ある試験プロトコルにおいて、望まれる又は必要とされる、遠心分離の前にサンプルが凝固するために生じる十分な時間を表示している、ラベル90Aによる例えば30分のマークが到達された時に、決定され得る。プラズマ化学管に関しては、遠心分離の前にサンプルが容器の中にそのままあった時間を知ることが、所定のプロトコルにおいて望まれる又は必要とされるサンプルの引き込みから2時間という期間のような、特定の診断分析のために許容できる期間内に、サンプルが遠心分離されることを保証する手助けとなり得る。加えて、そのようなラベルによれば、管のラック(又は他の分類群、又は集合)が特定の時間制約に一致するかどうかを判断することが容易になり、また個々の管を取り扱う必要性がなくなる。
【0017】
本発明の別の実施形態によると、ラベル90Aはサンプルを容器20へ引き入れた後の時点で、トリガーされてもよい。例えば、ラベルカバー80は、遠心分離直前又は直後に持ち上げられ得る。そうすることで、遠心分離の工程時間、又は遠心分離後の工程時間が測定される。あるいは、ラベル90Aはサンプルを容器20へ引き入れた後の時点で、ラベルカバー80をラベル90Aの表面全体又は一部分へ適用することによってトリガーされてもよい。
【0018】
本発明の別の実施形態によると、捕集システム10は更に特性ラベル付けシステムを含み、本発明の一実施形態によると、特性ラベル90a及びラベルカバー80を含んでいる。本発明の一つの実施形態によると、特性ラベル90aは、サンプル捕集管20又は閉鎖体16のうちの一方、又は両方の一部へ特性ラベル90aの直接的又は間接的な接着(すなわち、引き剥がし)のときに起こる時間を追跡するべく構成されている。サンプル捕集管20又は閉鎖体16は、活性剤基質を特性ラベル90aの一部へ送達可能な面を有し得る。ここで、特性ラベル90aは活性剤基質に反応し得るインジケーター基質を含んでいる。
【0019】
したがって、特性ラベル90aは、本発明の一実施形態によれば、特性ラベル90Aがサンプル捕集管又は閉鎖体16のどちらか一方もしくは両方へ接着された時のようなきっかけとなる事象によってトリガーされる視覚的変化紙(VCP)技術を使用し得る。きっかけとなる事象は、VCP技術を不活性化状態から活性化状態へ移行させる。
【0020】
図2では、特性ラベル90bが図示されている。ラベル90aと同様に、特性ラベル90bはそのようなラベルの露出のときに起こる時間を識別する。しかしながら、特性ラベル90bは、温度読み出し器95をも有している。一実施形態では、そのような読み出し器は、単量体の重合によって実現され、少なくとも一部分において、アレニウス(Arrhenius)の関係を利用し得る。読み出し器95は数字で図示されているが、かかる読み出しは、温度範囲、限界値、又はその組み合わせに応じた色といった形式で表示されてもよい。
【0021】
一実施形態では、ラベルが光又は温度に露出されているかに関わらず、ラベル90aはラベル90B(したがって、ラベル90bが貼られた容器)が、露出される最高温度を監視する。別の実施形態では、ラベル90bは、ラベルが光及び/又は空気に一旦露出されると、温度を測定するべく構成されている。
【0022】
捕集管60a及び60bに関して図3a及び3bに図示されるように、時間及び温度の保管寿命インジケーター30、充填範囲インジケーター40、及び溶血インジケーター50のうちの一以上の特徴が含まれてもよい。
【0023】
時間及び温度保管寿命インジケーター30は、管60aに位置され、またアレニウスの関係を少なくとも一部分において利用した単量体の重合によって実現され得る。そのようなインジケーター30により、使用者は、サンプルの引き入れ、サンプルの試験、又はより少ない再引き入れ、又は不必要な、あるいは不正確な試験結果に帰する、サンプルの捕集及び試験工程におけるいくつかの別の時点の前に、容器が保管期限を過ぎたかを容易に観測することができる。
【0024】
更に、本発明の一実施形態によれば、適切な数の混合及び混合時間が実行されることを保証するために、混合インジケーター(不図示)が管20上に設けられてもよい。適切な混合は、サンプルの健全性、品質、及び信頼性を改良する。本発明の一実施形態では、混合の動作見本が識別され、記録され、及び出力されるように、加速度計が管20に一体化され得る。出力は、使用者にとって視覚的に明確な形式であるか、又は出力が管から離れた装置によって審問され得る(すなわち、手持ちのスキャナから読み取る)ように、思慮深いものであってもよい。
【0025】
本発明の別の実施形態によると、ラベルは管20の部分に適用され、ラベル22の裏面22a、すなわち、管20の外壁表面に貼付され、又は定着可能な表面は充填範囲インジケーター40を含んでいる。そのようなインジケーター40は、黒い固体の表示部分又は切り込み、切り抜き、又は可視のミシン目部分のような、ある種の前もって印刷されたマーキング又は特定形状のマーキングを備え得る。そのような部分の色、陰影、模様及び形状は、それぞれが使用者にとり判別可能な限り、異なり得る。本発明の一実施形態において、インジケーター40は、その底部境界に位置される低充填表示40a及びインジケーター40の上部境界に位置される高充填表示40bを備える。他の実施形態では、低充填表示40a又は高充填表示40bのうちのいずれか一つが使用され得る。低充填表示40a及び高充填表示40bは、信頼のおける試験をもたらし、かつ、サンプル混合比率に対しての適量の試薬、及び適切な遠心分離の考察すなわち状態をもたらすために十分なサンプル量が捕集されるように、サンプル源(すなわち、患者の静脈血)からサンプルを引き入れるための下限及び上限を設定する。本発明の別の実施形態では、用語“充填”、又はインジケーターの目的を示す他の用語が表示領域に表示される。高充填、低充填、及び総称的な表示は、各々の限界の境界線を備え、又は望まれる充填範囲に関連する充填された又は空の空間領域を任意に含み得る。ある管については、望まれる充填範囲は、添加物量への適切なサンプルを保証するために、使用前すなわち製造時点で管に配された試薬又は添加物の分量と相関し得る。本願において開示される実施形態では、充填表示(40a及び/又は40b)は、使用者が患者から容器へ捕集されたサンプルのレベル又は分量を、一般に透明な管20の側壁の一部を通して見ることにより読み取れるように、ラベル22のその部分に配されるのが好都合である。
【0026】
本発明の別の実施形態によると、ラベル22は裏面22aに、製品目録番号、識別可能なバーコード、保管寿命、ロット識別番号、あるいは管20の容器特有の識別子のうち、少なくとも一つに関する情報を備え、ここで裏面は管20の側壁に接着されている。本発明の別の実施形態によれば、ラベル22は、ラベル22が貼付されている容器に保管される予定の、又は既に保管されているサンプルの個別の情報、及び/又は入院患者個別の情報を、別の面(22aの反対側)に更に含む。
【0027】
本発明の別の実施形態によれば、ラベル22は第一の側面に、第一の管用の適切な引き入れ充填量に関する充填表示を備え、ここで、ラベル22の裏面22a、すなわち、管20の外壁表面へ貼着される、又は固定可能な表面が、充填範囲インジケーター40を含んでいる。そのようなインジケーター40は、黒い固体の表示部分又は切り込み、切り抜き、又は可視のミシン目部分のような、ある種の前もって印刷されたマーキング又は特定形状のマーキングを備え得る。そのような部分の色、陰影、模様及び形状は、それぞれが使用者にとり判別可能な限り、異なり得る。本発明の一実施形態において、インジケーター40は、その底部境界に位置される低充填表示40a及びインジケーター40の上部境界に位置される高充填表示40bを備える。
【0028】
本発明の他の実施形態によれば、ラベル22は、出来る限りある種の図表又は目盛り形式による溶血色インジケーター50を含む。インジケーター50は、管の正面側、その背面側、又は任意的に両側に表示され得る。加えて、溶血色インジケーター50は、管20に適用されるラベルよりもむしろ直接管に印刷されてもよい。溶血反応、すなわち、赤血球の細胞膜の破壊のレベルを測定する一つの方法は、血液サンプルの全て、又は一部の色を視覚的に識別することが挙げられる。例えば、多くの場合、血液サンプルのヘマトクリットの上に存在する血清の影は、ゼロ、微量(すなわち軽度)、中程度、及び顕著(すなわち重度)のような、大まかな定性的溶血レベルを示す。そのような指示は、溶血目盛りに関連して溶血目盛り上に印刷された、異なる溶血レベル用語を有する血液閉じ込め装置上にカラー目盛りを含むことにより、表示され得る。溶血レベルの測定に関して伝達するために含まれ得る目盛り/用語のいくつかの例を挙げると、0、+1、+2、及び+3の目盛り、0、1+、2+、及び3+の目盛り、0、1、2、及び3の目盛り、0、+、++、及び+++の目盛り、又はゼロ、微量、+、++、及び+++の目盛りがある。溶血反応の表示用カラー尺度は、薄い黄色から深い赤みがかったオレンジ色へ及ぶ。パントーム(Pantome)のカラースキームが、低及び高のカラー表示間の変動を示すために選択されてもよい。他の溶血のレベル表示が設けられてもよい。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、ラベル22上に含まれ、もしくは管20上に直接に印刷されて、各容器に特有、全ての容器に特有、又は生産された全ての容器の一部に付加的に特有であるバーコード、又は他の機械可読データがある。そのような情報はまた、容器製造元情報、容器の種類、意図された引き入れ容量などのような容器に関連する追加データの保存のために使用され得る。加えて、患者個別の、試験個別の、あるいは他の適用個別の情報が、(電子的に)保存され、及び容器特有の識別子に関連付けられてもよい。本発明の別の実施形態によれば、機械可読情報は容器の永久的ラベル、容器の可撤性ラベル、容器自体、あるいはその幾つかの組み合わせに設けられ得る。そのようなデザインは、管使用者によるより少ない情報提供を可能にし、使用者により手で貼られるラベルの数をより少なくし得る。
【0030】
生物学的サンプル容器に関連する情報を提供する別の方法は、貼る、埋め込む、さもなければ、無線識別(RFID)タグをかかる容器に取り付けることである。本発明の一実施形態によると、そのような機能はまた、容器の特有な識別を可能にする。そのようなRFIDタグは本来、電子装置がある種の読み込み/スキャン機構を有し、タグから識別情報を受信する点で、受動的であり得る。タグによって、あるいはタグから発せられた信号を受信するために電子装置が使用される別の実施形態では、タグは性質上能動的であり得る。本発明の一実施形態によれば、タグは書き込み可能であり、読み取り可能であり、あるいは両方可能であり得る。そのようなシステムによれば、機械可読の、あるいは人間可読の情報を有する、より標準タイプのラベル付けの必要性は、補われ、又は取り除かれ得る。
【0031】
本発明は、多くの異なった形態での実施形態により充たされるが、本開示が本発明の原理の例示として考えられ、本発明を図示された実施形態に限定するべく意図されていないという理解のもとに、本発明の様々な実施形態は図面に示され、及び本明細書にて詳細に説明されている。他の様々な実施形態は、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、当業者にとり明確であり、容易に実践されるであろう。本発明の範囲は添付のクレーム及びそれに同等のものによって規定される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1A】生物学的サンプル捕集容器を図示する。
【図1B】本発明の一実施形態による、特性ラベル付けシステムを有する生物学的サンプル捕集容器を図示する。
【図1C】本発明の一実施形態による、図1Aで図示された容器のような生物学的サンプル容器に関して使用するための特性ラベルを図示する。
【図2】本発明の他の実施形態による、図1Aで図示された容器のような生物学的サンプル容器に関して使用するための特性ラベルを図示する。
【図3A】本発明の一実施形態による、サンプル及び容器の特性インジケーターが貼ってある生物学的サンプル捕集容器を図示する。
【図3B】本発明の一実施形態による、充填範囲インジケーターが貼ってあるサンプル捕集容器を図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的サンプルを保管するための容器、及び
該容器又はサンプルの少なくとも一つの測定可能な特性を表示するために、容器に付加されたインジケーター、を備え、
特性の測定は、該インジケーターの活性化後の測定が可能であることを特徴とする生物学的サンプル閉じ込めシステム。
【請求項2】
該インジケーターに結合されるカバー、を更に備え、
特性の測定は、該カバーの少なくとも一部を取り外すことで測定が可能であることを特徴とする請求項1に記載の生物学的サンプル閉じ込めシステム。
【請求項3】
該インジケーターが空気又は光に露出されたとき、活性化が生じることを特徴とする請求項1に記載の生物学的サンプル閉じ込めシステム。
【請求項4】
該インジケーターから該カバーの少なくとも一部を剥がすことにより取り外しが起こることを特徴とする請求項2に記載の生物学的サンプル閉じ込めシステム。
【請求項5】
該インジケーターに結合されるカバーを更に備え、
特性の測定は、該カバーに穴を開ける、該カバーを破る、該カバーを煽動する、及び該カバーを閉鎖体へ加圧することからなる群から選択される使用者による誘発事象のとき、測定が可能であることを特徴とする請求項1に記載の生物学的サンプル閉じ込めシステム。
【請求項6】
測定される特性は、該容器が露出される、又は露出されている温度に関することを特徴とする請求項1に記載の生物学的サンプル閉じ込めシステム。
【請求項7】
測定される特性は、該容器の寿命に関することを特徴とする請求項1に記載の生物学的サンプル閉じ込めシステム。
【請求項8】
測定される特性は、該生物学的サンプルがさらされる混合の量に関することを特徴とする請求項1に記載の生物学的サンプル閉じ込めシステム。
【請求項9】
測定される特性は、該生物学的サンプルが該容器に引き込まれてから生じた時間に関することを特徴とする請求項1に記載の生物学的サンプル閉じ込めシステム。
【請求項10】
該容器が、保管部及び閉鎖部を備えることを特徴とする請求項1に記載の生物学的サンプル閉じ込めシステム。
【請求項11】
生物学的サンプルを容器に捕集すること、及び
該容器に付加されたインジケーターを活性化すること、
を備え、
該活性化することが、少なくとも一つの特性の可視表示に帰することを特徴とする生体閉じ込めシステムの少なくとも一つの特性を表示する方法。
【請求項12】
生物学的サンプルを保管するための容器、及び
該容器に付加された色付き尺度、を備え、
該色付き尺度は、該生物学的サンプルの少なくとも一つの特性の識別を容易にすることを特徴とする生物学的サンプル閉じ込めシステム。
【請求項13】
該特性は、該生物学的サンプルに関する溶血のレベルであることを特徴とする請求項12に記載の生物学的サンプル閉じ込めシステム。
【請求項14】
生物学的サンプルを捕集するための容器、及び
第一の側面及び反対側の第二の側面を有するラベルであって、前記第一の側面によって該容器に貼られたラベルを備え、
該生物学的サンプル又は容器に関する情報はラベル上に位置され、前記情報の少なくとも一部は前記第一の側面上に位置されることを特徴とする生物学的サンプル閉じ込めシステム。
【請求項15】
該情報は、該容器が該生物学的サンプルで所望のレベルに満たされているかに関することを特徴とする請求項14に記載の生物学的サンプル閉じ込めシステム。
【請求項16】
測定される特性は、満了及び未満了から成る群から選択される保管期限状況に関することを特徴とする請求項1に記載の生物学的サンプル閉じ込めシステム。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【公表番号】特表2009−526231(P2009−526231A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554352(P2008−554352)
【出願日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際出願番号】PCT/US2007/003437
【国際公開番号】WO2007/092585
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】