説明

改良された光起電電池及びその製造

有効な光起電電池、及び背面p-n接合が反対極性にドープされたエミッタ層を有するドープ基板から取り除かれる光起電電池製造プロセスが開示される。前面及びエッジ及び場合によっては背面周縁はマスクされ、背面エッチングが行われる。マスクは取り除かれず、抗反射コーティング、パッシベーション化剤又は両方として作用する。光起電電池は、前面の凹凸の有無に関わらず、凹凸が付されていない(untextured)背面を保持し、背面上のドーパント層は取り除かれて電池の効率を向上させる。場合によっては、裏面電界(BSF)が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光起電デバイスに関し、特に、単結晶もしくは多結晶シリコンの薄膜などの半導体物質の薄膜を含む光起電デバイスに関する。特に、本発明は、 単結晶もしくは多結晶シリコン半導体物質を含む光起電デバイスに関する。単結晶もしくは多結晶シリコンのドープされたウェハ(ドープウェハ)を含むこれらのデバイスは、光エネルギーを電気エネルギーに変換する。
【0002】
これらの光起電デバイスは、光起電電池としても知られており、光エネルギーを電気エネルギーに変換するために用いられる。光起電電池は、エネルギーを発生させるために用いることもでき(太陽電池)、あるいは他のデバイスにおける光検出素子として用いることもできる。光起電電池は、再生可能エネルギー源である。しかし、これらの使用は、これらの電気出力により制限される。典型的には、所望の商業用途又は消費用途に必要とされる十分な電力を発生させるために、多くの光起電電池は1種以上のパネルもしくはモジュール内に配列される。より高い効率を有する光起電電池は、より大きな電力出力を伴うモジュールとなる。したがって、高効率の光起電電池を多数製造し得ることが必要である。このような光起電デバイスの製造コストを削減し得ること、光変換効率を増加させ得ること、又は両者が非常に望ましい。本発明の光起電電池は、慣用的に製造された電池と比較して効率が高く、本発明の方法は、慣用的に製造された光起電電池よりもより容易にこれらの高効率の電池を製造することができる。
【背景技術】
【0003】
ほとんどの光起電電池は、単結晶シリコン又は多結晶シリコンから製造される。シリコンは、マイクロエレクトロニクス産業において用いられているので妥当な費用で容易に入手可能であり、光起電電池製造用として電気特性、物理特性及び化学特性の正確なバランスを有することから、シリコンが一般的に用いられる。光起電電池の製造中、シリコンは正もしくは負の何れかの導電性タイプのドーパントでドープされ、典型的には当該分野で公知の種々の方法により、通常、ウェハもしくはリボンの形態である薄い基板にカットされる。本明細書において、入射光線に面するように意図されたウェハなどの基板の表面を「前面」といい、前面と反対側の表面を「背面」という。慣習的に、正の導電性タイプを一般に「p」といい、負の導電性タイプを「n」という。本願明細書において、「p」及び「n」は、反対の導電性タイプを示すためにのみ用いられる。本願明細書において、「p」及び「n」はそれぞれ「正」及び「負」を意味するが、それぞれ「負」及び「正」を意味することもある。光起電電池のオペレーションにとって重要なことは、ドープされたシリコン基板とは反対の導電性タイプの層を形成するためにシリコン基板の前面をさらにドーピングすることにより通常は形成されるp-n接合の創製である。このような層は、一般に「エミッタ層」と呼ばれる。p-ドープ基板の場合には、エミッタ層は、n-タイプドーパントで前面をドーピングすることにより形成されるであろう。p-n接合は、p-ドープ領域とn-ドープ領域との間の界面である。p-n接合は、基板ウェハの前面及び背面を横断する電位差を生じさせる入射光子に応答して電子と正孔の対を移動させる。
【0004】
光起電電池の製造は、一般にp-ドープ基板から開始する。次いで、典型的にはウェハの形態である基板をn-ドーパントに暴露させて、エミッタ層及びp-n接合を形成する。典型的には、n-ドープ層は、スプレイオン、スピンオン、化学的気相成長法又は他の成膜方法などの当該分野で一般に用いられている技術を用いて最初に基板の表面上にn-ドーパントを堆積させることにより形成される。基板表面上へのn-ドーパントの堆積後、n-ドーパントをシリコン基板の表面に移動させて、n-ドーパントを基板表面にさらに拡散させる。この「ドライブイン(drive-in)」工程は、一般にウェハを熱に暴露させることにより、しばしば酸素、窒素、蒸気又はこれらの組み合わせを含むガス流との組み合わせで熱に暴露させることにより達成される。n-ドープ層は、一般にエミッタ層と呼ばれる。
【0005】
p-n接合は、n-ドープ層とp-ドープシリコン基板との間の境界領域において形成される。p-n接合は、電荷キャリアを入射光線に応答して移動させることが必要である。理想的には、エミッタ層は、入射光線に向かって方向付けられるように設計されたウェハ表面(前面と呼ばれる)に限定されるであろうから、p-n接合は前面だけに近接するであろう。しかし、実際には、ドーピングはエッジ及びウェハの反対側表面(背面)でも生じるであろう。この結果、ウェハの全表面及びウェハ全表面に近接したp-n接合を覆うエミッタ層が得られ、電流を取り出すことはできない。したがって、前面及び背面の接合を電気的に絶縁することが必要である。エミッタ層がウェハの選択された表面にだけ形成されるように、ウェハをマスクすることができる。しかし、このようなマスキングは、特に、後で取り除かなければならない場合に、追加の時間、物質及び取り扱いを要する。このようなマスキング工程を排除又は別のプロセス工程と組み合わせることができれば、有利である。
【0006】
Micheelsらの米国特許U. S. Patent No. 5,082,791号明細書は、前面p-n接合を絶縁するためにエキシマレーザーを使用することを開示する。Micheelsらは、エキシマレーザーを用いて、基板の背面上に溝(トレンチ)を形成する。溝(トレンチ)は、n-ドープ層よりも深く、背面のエッジから固定距離において背面の周縁全体に沿って延在する。
【0007】
Averyらの米国特許U. S. Patent No. 4,158,591号明細書(本願明細書に参照として組み入れられる)は、前面及び背面のp-n接合を取り除くことなく、基板のエッジからp-n接合を除去することにより、前面p-n接合を電気的に絶縁する方法を開示する。エッジのp-n接合を除去することによる前面p-n接合の絶縁は、一般に「エッジ接合分離(edge junction isolation)」という。Averyらにより開示されたエッジ接合分離方法は、「コインスタッキング(coin stacking)」として知られるようになっている。コインスタッキングプロセスにおいて、光起電電池は、面同士がスタックされ、エッジは除去される。エッジは、プラズマエッチングにより、湿式化学エッチングにより、物理的粉砕により、又は他の公知の方法により、除去することができる。Rubyらの米国特許U. S. Patent No. 5,871,591号明細書(本願明細書に組み込まれる)には、光起電電池を製造するために一般的に用いられるプロセスが記載されている。Rubyらにより記載されたプロセスは、コインスタッキングプロセスにより達成されるエッジ接合分離工程を含む。
【0008】
コインスタッキング方法を用いると、結果的に、前面p-n接合を絶縁する従前の方法と比較して低コストで高生産率が得られるが、幾つかの欠点もある。ウェハの物理的スタッキングは、幾枚かのウェハを損傷させることがある。シリコン基板は光起電電池のコスト及び寸法の大きな割合を占めるので、シリコン基板の厚みを最小にすることが有利である。残念ながら、コインスタッキング方法は、ウェハの厚みを大幅に制限する。コインスタッキング中に損傷を受けるウェハの比率は、ウェハの厚みが減少するにつれ増加する。結果として、コインスタッキングは、より薄いウェハの使用により達成可能なコスト節約を制限する。コインスタッキング方法の別の欠点は、光起電電池の前面の面積を減少させてしまうことである。理想的には、エッジ接合の除去はn-ドープ領域の除去だけを生じさせる。しかし実際には、いくらか追加の深さもエッジから除去されてしまう。典型的には、前面の有用な表面積は約2%減少し、結果的に、光起電電池のエネルギー出力が対応して2%減少してしまう。
【0009】
光起電電池の効率は、入射光エネルギーを電気エネルギーに変換する電池の容量によって決定される。光起電電池の設計及び製造に対する数種の改変は、変換効率を増加させるために開発されてきた。Martin A Greenによる"Crystalline Silicon Solar Cells"第4章、Photovoltaics Special Research Centre, University of New South Wales(本願明細書に参照として組み入れられる)は、テクスチャリング(texturing)、抗反射コーティング、表面パッシベーション及び裏面電界(BSF)の使用を含む電池効率を増加させる光起電電池開発を議論する。
【0010】
光起電電池のテクスチャリングは、光起電電池表面による入射光線の反射を減少させる。反射を減少させることにより、より多くの入射光線が光起電電池による変換のために利用可能となる。テクスチャリングは、典型的には、シリコン基板の化学エッチング、特に異方性エッチングにより達成される。抗反射コーティングは、光起電電池表面での入射光線の反射を更に減少させる。抗反射コーティングは、典型的には、酸化物層もしくは窒化ケイ素層をウェハ上に形成することにより付与される。
【0011】
表面パッシベーションは、光起電電池表面での電子の活性を減少させることにより、光起電電池の効率を増加させる。酸化物もしくは窒化ケイ素コーティングの使用を含む表面パッシベーションの数種の方法が知られている。
【0012】
裏面電界(BSF)は、光起電電池の効率を増加させる。裏面電界(BSF)は、薄い基板を有する光起電電池にとって特に望ましい。薄い基板を有する光起電電池は、物質必要量の削減、コスト低下及び質量低下を含む多くの利点を有しているが、一般に電池の背面への少数電荷キャリアの拡散の増加に起因する効率の減少をも発現する。裏面電界(BSF)は、このような少数キャリアの拡散を減少させ、多数キャリアにより発生する電流を増加させる。Schlosserらの米国特許U. S. Patent No. 5,899,704号明細書(本願明細書に参照として組み入れられる)は、裏面電界(BSF)を創製する方法を開示する。一般に、裏面電界(BSF)は、エミッタ層とは反対の導電性タイプであるドーパントで大量にドープされる背面に薄い層を組み入れることにより創製される。
【0013】
高効率の光起電電池、好ましくは低コストで製造することができる高効率の光起電電池に対する必要性がある。特に、コインスタッキング方法の電池損傷を増加させる方法ではなく、シリコンその他の半導体基板の前面p-n接合を分離する光起電電池製造方法に対する必要性がある。より薄いウェハを通して少量のシリコンを使用することを可能とする光起電電池製造方法に対する必要性がある。本発明の目的は、このような光起電電池及び製造方法を提供することにある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、第1のドーパントでドープされたシリコンを含み、前面と、凹凸がない即ち実質的に平滑な背面と、少なくとも1のエッジ面とを有する適切にはウェハの形態である基板、及び第1のドーパントとは反対の導電性タイプである第2のドーパント及び少なくとも1のエッジ面の上の第1の層及び該前面の上に設けられた表面コーティングを有する光起電デバイス又は電池である。好ましくは、表面コーティングは、少なくとも1のエッジ面、好ましくは背面の周縁上にも設けられている。本発明はさらに、ドープされたシリコンを含む適切にはウェハの形態であり、p-n接合を実質的に含まない背面と、前面及び少なくとも1のエッジ面に近接したp-n接合とを含む基板、及び前面の上に設けられた表面コーティングを有する光起電デバイスである。好ましくは、表面コーティングは、少なくとも1のエッジ面、好ましくは背面の周縁上にも設けられている。表面コーティングは、好ましくは窒化ケイ素を含む。光起電デバイスの前面は、場合によっては凹凸が付されていてもよい(textured)。好ましくは、背面は第2のドーパントを含まないか又は実質的に含まない。場合によっては、光起電デバイスは、さらに裏面電界(BSF)を含む。本発明の光起電電池は、光エネルギー、たとえば太陽エネルギーを電気エネルギーに変換するために有用である。本発明の光起電電池は、感光性デバイスにおけるセンサ又は検出素子としても有用である。本発明の光起電電池は、他の商業的に製造された光起電電池よりも効率が高く且つ容易に製造される。
【0015】
本発明はさらに、本発明の光起電デバイス又は電池を含む光起電モジュールである。
本発明はさらに、シリコンを含み且つ第1のドーパントでドープされた基板を適切にはウェハの形態で用いる光起電デバイス又は電池を製造する方法である。本製造方法は、第1のドーパントとは反対の導電性タイプである第2のドーパントを含む第1の層を基板上に形成する工程と;好ましくは基板の背面が表面コーティングを含まないか又は実質的に含まないように基板の上に設けられる表面コーティングを形成する工程と;背面が第2のドーパントを含まないか又は実質的に含まないように背面から第2のドーパントを除去する工程と、を含む。好ましくは、表面コーティングは窒化ケイ素を含む。好ましくは、本方法は、裏面電界(BSF)を形成する工程を更に含む。背面が第1のドーパントを含まないか又は実質的に含まないように第2のドーパントを背面から除去する工程は、好ましくは基板を化学的にエッチングする工程を含む。場合によっては、基板は、凹凸が付されてもよく(textured)、凹凸(texture)は、背面が凹凸なし即ち実質的に平滑であるように背面から好ましくは化学エッチングによって有利に除去されてもよい。
【0016】
本発明はさらに、シリコンを含み且つ第1のドーパントでドープされている基板を適切にはウェハの形態で用いる光起電デバイス又は電池の製造方法である。本方法は、基板の全表面に近接するp-n接合を形成する工程と、背面が表面コーティングを含まないか又は実質的に含まないままであるように基板の上に設けられる表面コーティングを形成する工程と、背面がp-n接合を含まないか又は実質的に含まないように背面からp-n接合を除去する工程と、を含む。好ましくは、表面コーティングは窒化ケイ素を含む。好ましくは、本方法は、裏面電界(BSF)を形成する工程を更に含む。背面がp-n接合を含まないか又は実質的に含まないように背面からp-n接合を除去する工程は、好ましくは基板を化学的にエッチングすることを含む。場合によっては、基板は凹凸が付されてもよく(textured)、凹凸(texture)は、背面が凹凸なし即ち実質的に平滑であるように好ましくは化学エッチングによって背面から除去されることが有利である。
【0017】
本発明の方法は、光起電電池を製造する従来の方法における制限を解消し、高効率光起電電池の製造を簡略化する。
【好ましい実施形態の説明】
【0018】
本発明の一実施形態において、光起電電池は、シリコンを含むボロンドープ基板を典型的にはウェハもしくはリボンの形態で用いて製造される。基板は、単結晶シリコンを含むものでもよいし、基板は多結晶シリコンを含むものでもよい。本願明細書において「シリコン」は、特に断らない限り、単結晶シリコン及び多結晶シリコンを含む。所望であれば、追加の物質の層を1以上、たとえばゲルマニウムを基板表面の上に配設してもよく、あるいは基板中に組み入れてもよい。本願明細書において「上に配設」とは、層が設けられる対象又は領域の直接上に層があるとか又は接触しているという状態に限定されない。他の仲介物質又は層が存在していてもよい。ボロンがp-タイプドーパントとして広範囲に用いられるが、他のp-タイプドーパント、たとえばガリウム又はインジウムでもよい。
【0019】
ウェハは、典型的にはシリコンインゴットのスライス、蒸着(気相成長)、液相エピタキシーその他の公知の方法により得られる。スライスは、内径(ID)ブレード(inner-diameter blade)、連続ワイヤ又は他の公知ののこぎり切断方法を介して行うことができる。基板は任意の一般的な平坦な形状にカットされ得るが、ウェハは典型的には円形又は疑似矩形(pseudo-square)である。「疑似矩形(pseudo-square)」とは、主体が矩形形状で通常は円形角を有する形状を意味する。典型的にはウェハの形態である本発明の基板は、典型的には厚みが約400μm未満である。本発明の基板は、厚みが約200μm未満でもよいが、好ましくは150μm未満であり、より好ましくは100μm未満であり、最も好ましくは50μm未満である。典型的には、厚みは少なくとも約10μmであり、より好ましくは20μmである。円形及び疑似矩形基板は、典型的には、100mm〜200mmの範囲にある直径を有する筒状シリコンブロックから切り出される。対比して、コインスタッキングプロセスで用いられる基板は、厚みが約200μm未満である場合には大きな損傷を受けるので、200μmを越える厚みに効率上限定される。
【0020】
基板は、典型的には、任意の表面屑及び切断損傷を取り除くために浄化される。典型的には、これは、基板を湿式化学物質浴、たとえば、塩基及び過酸化物混合物、酸及び過酸化物混合物の何れか1種を含む溶液、NaOH溶液、又は当該分野で使用される公知の他の数種の溶液中などに置くことを含む。必要な温度及び時間は、用いられる特定の溶液に依存し、たとえば、25wt%〜35wt% NaOH水溶液は、約75〜95℃の範囲の温度で約20秒〜約70秒間にわたり用いることができる。
【0021】
場合によっては(特に単結晶基板について、たとえば結晶面の異方性エッチングによって、基板に凹凸を付してもよい(texturized)。凹凸仕上げ(テクスチャリング)(Texturing)は、一般的に、基板表面から窪んだ又は突出したピラミッド形状の形態である。ピラミッド形状の高さ又は深さは、典型的には約4〜約7μmである。典型的な<100>配向基板について、高められた温度の低濃度NaOH水溶液を用いて<100>面を異方性エッチングして<111>面をピラミッド形状の突起にすることができる。本願明細書において「低濃度」溶液とは、好ましくは、溶質の濃度が約7wt%未満であることを意味する。本願明細書において「高められた温度」とは、好ましくは、約80℃よりも高い温度を意味する。このような条件下で、たとえば、基板を約10〜約30分間、溶液中に置いてもよい。
【0022】
エミッタ層は、典型的にはn-タイプドーパントで基板をドープすることにより形成される。N-ドーピングは、n-ドーパントを基板の上に堆積させて、次いでこの基板を加熱して、n-ドーパントを基板中に「移動」させることにより達成することができる。ガス拡散を用いて、n-ドーパントを基板表面上に堆積させることもできる。しかし、イオン注入、固体拡散又はn-ドープ層及び基板表面に近接した浅いp-n接合を創製するために当該分他で用いられる他の方法などの他の方法を用いることもできる。リンは好ましいn-ドーパントであるが、ヒ素、アンチモニン又はリチウムなどの任意の適切なn-ドーパントを単独又は組み合わせで用いることができる。典型的には、基板の前面及び背面及びエッジがn-ドーパントに暴露されるように複数の基板をトレイ中に置く。この方法を用いて、n-ドーピングプロセス中に創製されたエミッタ層及びp-n接合は、基板の表面の全体に沿って形成される。
【0023】
前面でのn-ドープ層の深さは、典型的には約0.1μmを超え、好ましくは約0.2μmを超え、典型的には約0.5μm未満であり、好ましくは約0.3μm未満である。前面でのエミッタ層の表面ドーパント濃度は、好ましくは約1018原子/cm3を超え、より好ましくは約1019原子/cm3を超える。前面でのエミッタ層の表面ドーパント濃度は、飽和濃度程度に高くてもよいが、典型的には約1022原子/cm3未満であり、より好ましくは約1021原子/cm3未満であり、最も好ましくはエミッタ層の表面ドーパント濃度は約1020原子/cm3である。n-ドーピングプロセスは、典型的にはウェハの表面上に1層の酸化珪素層を創製する。酸化珪素は、抗反射コーティング及び表面パッシベーターとして機能することができる。しかし、酸化珪素層は、窒化ケイ素などのコーティングや背面エッチングに優先して有利に取り除かれ得る。酸化珪素は、たとえば湿式化学物質浴内での化学エッチング、典型的には低濃度HF溶液中で周囲温度で約10〜約40秒間にわたる化学エッチングなどにより、取り除くことができる。
【0024】
表面コーティング又は膜を基板に塗布する。表面コーティングは、エミッタ層の創製の後に塗布され、前面にて、好ましくはエッジ面にて、より好ましくはエッジ面及び背面の周縁の上でエミッタ層の上に設けられる。表面コーティングは、背面エッチングの間、前面、好ましくはエッジ、より好ましくはエッジ及び背面の周縁をマスクし、好ましくは抗反射コーティング、表面パッシベーション及びバルクパッシベーションの機能の1種以上を奏する。窒化ケイ素は、表面コーティングとして好ましい。なぜなら、窒化ケイ素はマスク、抗反射コーティングとして機能して、表面パッシベーションを与え、バルクパッシベーションを与えるからである。好ましくは、水素がこのような窒化ケイ素表面コーティングにトラップされる。しかし、表面コーティングは、マスクとして機能することができ、好ましくは上述の機能の1種以上を奏する任意のコーティング、膜、又はコーティング類及び膜類の組み合わせでよい。表面コーティングとして使用することができる可能性のある他の物質としては、酸化タンタル、二酸化ケイ素及び酸化チタンを挙げることができる。このようなコーティング類、膜類及び誘電体類の任意の組み合わせもまた表面コーティングとして用いることができる。
【0025】
表面コーティングは、典型的には、プラズマ強化化学気相成長又は大気中化学気相成長(APCVD)、熱酸化、ペースト、インク又はゾルゲルなどのスクリーン印刷などの当該分野で公知の他の技術を用いて塗布される。表面コーティングは、好ましくは基板の背面をプレートに対して置くことにより、前面、好ましくは基板のエッジの上に設けられるように塗布される。これは、複数の基板をトレイ又はプレート上に水平に置くことにより達成することができる。基板は、背面が平坦な表面、たとえばグラファイトプレートに対するように垂直又は一定の角度に置くこともできる。基板の背面は、表面コーティングを含まないか又は実質的に含まないまま残される。「表面コーティングを実質的に含まない」とは、背面上に設けられた表面コーティングが、背面の周縁、たとえば基板のエッジから約5mm未満に制限されることを意味する。基板前面上に設けられた表面コーティングは、好ましくは窒化ケイ素であり、厚みが好ましくは約65nmを超え、より好ましくは約70nmを超え、最も好ましくは約72nmを超え、好ましくは約120nm未満、より好ましくは100nm未満、最も好ましくは約77nm未満である。
【0026】
表面コーティングを塗布した後、基板に背面エッチングを施して、未コーティング部分背面からp-n接合、及び存在する場合には凹凸仕上げ(テクスチャリング)(texturing)を除く。表面コーティングは、前面用のマスクとして、好ましくはさらにエッジ用のマスクとしても、より好ましくはエッジ用及び背面周縁用のマスクとして作用し、したがって基板の未コーティング部分にエッチングを限定する。背面エッチングは、一般に、化学物質浴中に基板を置いて、背面からn-ドープ領域を取り除くことにより達成される。用いられる化学物質のタイプ、化学物質浴の温度及び基板を化学物質浴中に維持する時間は、基板として用いられる物質に依存する。たとえば、約80℃〜約92℃の範囲にある温度での30wt%NaOH水溶液浴は、単結晶もしくは多結晶シリコンのいずれにも用いることができる。単結晶シリコン基板は、たとえば約80秒〜約100秒にわたり、この浴に暴露されるであろう。多結晶シリコン基板は、一般的に、たとえば少なくとも約3分でたとえば約6分以内のより長い時間にわたり、この浴に暴露されるであろう。背面のn-ドープ領域を取り除くことができる任意のエッチング、好ましくは化学エッチングは、表面コーティングの実質的な劣化なしに背面のn-ドープ領域を効果的に除去する温度及び時間にわたり用いることができる。「実質的な劣化なしに」とは、表面コーティングが、基板の前面、好ましくはさらにエッジ、好ましくは基板の背面周縁の上に設けられたまま残ることを意味する。
【0027】
エッチングをして背面からp-n接合を取り除いた後、ウェハをリンスして乾燥させる前に、基板を別の化学エッチング、たとえば4wt% HF溶液で洗浄してもよい。背面エッチングは、結果的に、凹凸なし即ち実質的に平滑な背面を生じさせる。本願明細書において「実質的に平滑な」背面とは、好ましくは、背面の部分、もし存在する場合には表面コーティングが設けられている背面の部分を除いて、背面に凹凸が付されていないことを意味する。本願明細書において「凹凸が付されていない」とは、好ましくは基板表面上に山又は谷が不在であること、たとえば異方性エッチング表面トポロジーの不在、又は別の例として等方性エッチングと一致する表面トポロジーを有することを意味する。背面エッチングもまた結果的に、n-ドーパントを含まないか又は実質的に含まず、p-n接合を含まないか又は実質的に含まない背面を生じさせる。本願明細書において、「n-ドーパントを実質的に含まない」とは、表面コーティングが設けられている背面の部分にまだ存在するかもしれないn-ドーパントを除いて、n-ドーパントが背面からエッチングされてしまっていることを好ましくは意味する。エッチングの後、いくらかのn-ドーパントが実質的に減少した表面濃度、たとえば約1015原子/cm3未満、好ましくは約1013原子/cm3未満、より好ましくは約1011原子/cm3未満の表面濃度で背面の未マスク領域に存在していてもよい。本願明細書において「背面に近接するp-n接合を実質的に含まない」とは、表面コーティングが設けられていない背面の部分に近接するp-n接合が取り除かれているか、又はn-ドーパントの背面濃度が約1015原子/cm3未満、好ましくは約1013原子/cm3未満、より好ましくは約1011原子/cm3未満(ここで、「原子」とはドーパントの原子である)とn-ドーパント濃度が減少したことにより効果が無くなっていることを意味する。
【0028】
次いで、フロント接点及びバック接点が基板に塗布される。典型的には、接点は、前面及び背面の上又は内に置かれた導電性金属の形態である。レーザー溝切り(grooving)方法及び無電解メッキ方法、スクリーン印刷又は電流を光起電電池から引き出すことができるように良好なオーミック(ohmic)接点を前面及び背面にそれぞれ与える他の任意の方法により、接点はフォトリソグラフィー方法を用いて、創製することができる。典型的には、接点はある設計又はパターン、たとえばグリッド、フィンガー、ラインなどにおいて存在し、前面又は背面の全体を被覆しない。接点は、好ましくは、導電性金属ペースト、たとえば銀ペーストを用いて基板上にスクリーン印刷される。接点は、典型的には1表面上にスクリーン印刷され、乾燥させ、次いで反対側の表面に印刷される。接点の塗布後、典型的には約800〜約950℃の温度にて基板を焼成して、接点を基板にアニールする。光起電電池用のウェハ基板に接点を追加する方法は、当該分野で知られている。たとえば米国特許US Patents 4,726,850号明細書及び4,748,130号明細書(本願に参照として組み込まれる)は、埋込み接点を形成する方法を開示する。
【0029】
好ましくは、本発明のプロセスは、光起電電池の効率を向上させるために、裏面電界(BSF)の形成を含む。裏面電界(BSF)は、好ましくはバック接点の形成と同時に形成される。しかし、バック接点の形成の前又は後の何れかで形成されてもよい。裏面電界(BSF)は、基板の背面の少なくとも一部の上にp+層を形成することにより発生させることができる。p+層は、p-タイプ物質で重くドープされた層である。「重くドープされた」とは、好ましくは、ドーピングが基板のp-ドーピングよりも実質的に多量のドーピングであることを意味する。層の深さは、典型的にはエミッタ層の深さ以下であり、好ましくは約0.5μm未満、より好ましくは約0.3μm未満であり、好ましくは約0.1μmを超え、より好ましくは約0.2μmを超える深さである。p+層のピークドーピング濃度は、有利には約1017原子/cm3超、好ましくは約1018原子/cm3超である。p+ドーピング濃度は、飽和点ほど高くすることもできる。しかし、好ましくは約1020原子/cm3未満、より好ましくは約1019原子/cm3未満(ここで、「原子」はドーパントの原子である)である。
【0030】
p+層は、有利には、基板の背面に物質を合金化させることにより形成される。アルミニウムが典型的には用いられるが、基板と合金化して結果的にp+層を生じさせることができる任意の物質を用いることができる。アルミニウム又はたとえばホウ素、ガリウム又はインジウムなどの他の合金化物質を基板の背面上に堆積させる。アルミニウム又は他の合金化物質は、好ましくはスクリーン印刷技術を用いて塗布される。ペーストなどの物質をスクリーン印刷する方法は、上述のように、当該分野で公知である。次いで、アルミニウム又はシリコンウェハ基板にp+層を形成するために用いられる上述のような他の物質を合金化するに十分な温度で、好ましくは約800〜約950℃の温度で基板を焼成し、こうして裏面電界(BSF)を創製する。本発明の一実施形態において、フロント及びリア接点は、基板上にスクリーン印刷され、乾燥され、続いて基板の背面上にアルミニウムがスクリーン印刷される。好ましくは、アルミニウムは、バック接点によって被覆されていない背面の部分に限定される。次いで、接点及びアルミニウムを1の焼成工程において焼成する。
【0031】
場合によっては、背面の周縁におけるn-ドープ層の部分は、ドーピングの後及び表面コーティングの塗布の前に取り除かれてもよい。このような除去は、エッチング用腐食液、レーザースクライビング、機械的スクライビング又は他の公知の除去方法を用いて達成することができる。たとえば、商業的な等方性シリコンエッチング用腐食液ペーストを用いて、エッチング用腐食液を背面の周縁に塗布して、基板を高められた温度にまで加熱して、次いで基板をたとえば脱イオン水で洗浄することにより、シリコン基板の背面の周縁におけるn-ドープ層を除くことができる。基板を加熱する特定の温度及び時間は、用いられる特定のエッチング用腐食液に依存するであろう。背面周縁上に設けられた表面コーティングの形成が予測できないか、受容できない数の光起電電池が適切に機能しない程度にまで不均一であるか、またはその両者である場合には、この任意の工程を含めることができる。たとえば、自動製造プロセスにおいて、背面周縁の上に設けられた表面コーティングにおける変動が下流側の設備の公差よりも大きい場合には、この任意の工程を追加することができる。
【0032】
このプロセス及び得られる光起電電池の一つの利点は、エッジ接合分離工程を排除することから生じる。このプロセスにより、結果的に、エッジ接合分離工程中に損傷を受ける電池は少なく、「コインスタッキング」工程を用いるプロセスにおいて効果的に用いることができるシリコンウェハよりも薄いシリコンウェハを使用することを可能とする。本発明の方法は、エッジ接合分離工程により生じる前面の表面積の減少を避ける。よって、本発明の好ましい光起電電池は、p-n接合を取り除くように処理されるエッジを有していない。本発明の光起電電池は、同じ初期基板サイズを用いてエッジ接合分離工程を利用して製作された光起電電池よりも少なくとも約2%大きな前面領域を有し得る。よって、本発明の光起電電池は、(フロント接点の追加の前に)電池を製作するために用いた基板の前面の総領域の少なくとも約95%、好ましくは少なくとも約98%、より好ましくは少なくとも約99%、最も好ましくは約100%であるp-n前面領域を有することができる。本願明細書において「p-n前面領域」とは、近接するp-n接合を有するフロント接点を追加する前の電池の前面領域を意味する。本発明のプロセスはさらに、コインスタッキング方法に従ってエッジ接合分離に典型的に用いられるプラズマエッチング装置の必要性を排除する。
【0033】
本発明の方法はさらに、フロントp-n接合を分離するためにレーザーを用いる場合に含まれる追加の処理工程を避ける。さらなるプロセス改良は、抗反射コーティング及び背面エッチング用マスクの両者として作用する表面コーティングとして窒化ケイ素を用いることにより達成される。
【0034】
本発明の光起電電池の別の利点は、電池の背面がn-ドーパントを含まないか又は実質的に含まないことである。裏面電界(BSF)を利用する従来の電池は、化合物、典型的にはアルミニウムを背面上のn-ドープ層を通してシリコン基板中に合金化する。n-ドーパント化合物は取り除かれないので、同じ合金化プロセスを利用するがn-ドーパントを含まないか又は実質的に含まない背面を有する電池と比較した場合に、得られる裏面電界(BSF)の有効性は減少する。背面n-ドープ層の除去は、裏面電界(BSF)の有効性を高め、得られる光起電電池の有効性を高める。
【0035】
本発明の光起電電池のさらに別の利点は、背面に凹凸が付されていることとは対照的に、背面が好ましくは実質的に平滑であることである。光起電電池の有効性は前面テクスチャリング(texturing)によって改良される。しかし、テクスチャリング(texturing)は、典型的には基板の前面と背面との両方で生じる。実質的に平滑で凹凸がない(untextured)背面がより良好な背面パッシベーションを生じさせることは周知である。本発明のプロセスは、背面上のテクスチャリング(texturing)を取り除き、有利な実質的に平滑な、すなわち凹凸仕上げされていない(untextured)背面品質を提供する。
【好ましい実施形態】
【0036】
図1は、本発明の一実施形態による電池10の断面図を示す。光起電電池10は、凹凸があるボロンドープ基板20を含む。凹凸(texture)は26として記号的に図示されている。リン拡散により形成された凹凸があるn-ドープ層30は、前面22、エッジ23及び実質的に平滑な背面24の周縁28上に存在する。p-n接合32は、ボロンドープ基板20がn-ドープ層30と出会う部分に存在する。表面コーティング40は、エッジ23、前面22及び背面24の周縁28上で電池のn-ドープ層30の上に設けられている。背面エッチングの間、表面コーティング40は、電池10のエッジ、背面24の周縁28及び前面22をマスクした。背面エッチングは、背面24から凹凸及びリンを取り除いた。p+層34は、アルミニウムを背面24に合金化することによって背面24上に形成された。p+層34は、裏面電界(BSF)を創製する。接点(図示せず)は、前面22及び背面24上に位置づけられて、太陽光線又は他の光源に露光される際に電池から電流を取り出す。
【0037】
本発明の範囲を限定せずに、本発明の光起電電池の一実施形態の有利な効率を下記実施例により説明する。
【実施例】
【0038】
直径150mm及び直線側幅125mmの単結晶ボロンドープ疑似四角形(pseudo-square)シリコン基板を用いて、本発明のプロセスに従って光起電電池を製作した。基板厚みは300μmであった。基板のテクスチャリング(texturing)後、p-n接合をリン拡散によって創製した。前面上での窒化ケイ素コーティングの厚みが約74〜75nmとなるように、本発明のプロセスに従って基板を窒化ケイ素でコーティングした。81〜91℃の範囲の温度で約90秒間、30wt% NaOH水溶液浴内で背面エッチングにより、凹凸(Texture)及びリンドーピングを実質的にすべての背面から取り除いた。銀ペーストを用いて、フロント接点及びバック接点をスクリーン印刷方法により塗布した。次いで、銀を含まず且つ窒化ケイ素を含まない背面の部分上にアルミニウムをスクリーン印刷した。次いで、電池を約895℃の温度で焼成した。これらの電池は、非リン平面的裏面電界(BSF)電池(non-phosphorous planar back field cells:NPPBSF)と呼ばれる。128個のNPPBSF電池を製造した。
【0039】
直径150mm及び直線側幅125mmの単結晶ボロンドープ疑似四角形(pseudo-square)シリコン基板を用いて、対照光起電電池も製作した(「ベースライン」電池)。基板厚みは300μmであった。ベースライン電池を、NPPBSF電池と同じ態様及び条件で凹凸仕上げをして(textured)リンドープした。次いで、コインスタッキング方法を用いるプラズマエッチングにより、ベースライン電池のエッジ接合を取り除いた。次いで、前面上での窒化ケイ素コーティングの厚みが74〜75nmとなるように、ベースライン電池を窒化ケイ素でコーティングした。銀ペーストを用いてスクリーン印刷方法により、NPPBSF電池と同じパターンを用いて、フロント接点及びバック接点を塗布した。次いで、銀を含まず且つ窒化ケイ素を含まない背面の部分上にアルミニウムをスクリーン印刷した。次いで、電池を約895℃の温度にて焼成した。279個のベースライン電池を製造した。
【0040】
AM1.5 スペクトル及び25℃にて100mW/cm2で測定した標準電池データで較正した100mW/cm2タングステン光源を用いて、NPPBSF電池及びベースライン電池の効率を測定した。次いで、電池を測定された効率に従って並べ変えた。結果をTable 1に示す。
【0041】
これらの結果は、本発明の光起電電池及び本発明のプロセスによって製造された光起電電池は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率の点で優れていることを示す。
【0042】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、本発明の方法に従って製造された本発明の光起電電池の一実施形態の概略横断面図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)第1のドーパントでドープされたシリコンを含み、前面と、実質的に平滑な背面と、少なくとも1のエッジ面とを有する基板;
(b)該前面及び該少なくとも1のエッジ面に、第1のドーパントとは反対の導電性タイプである第2のドーパントを含む第1の層;及び
(c)該前面の上に設けられた表面コーティング
を含む光起電デバイス。
【請求項2】
前記表面コーティングは、前記少なくとも1のエッジ面の上に設けられている、請求項1の光起電デバイス。
【請求項3】
前記表面コーティングは、前記背面の周縁に設けられている、請求項2の光起電デバイス。
【請求項4】
前記前面は凹凸が付されている、請求項1の光起電デバイス。
【請求項5】
前記背面は、前記第2のドーパントを含まないか又は実質的に含まない、請求項1の光起電デバイス。
【請求項6】
さらに裏面電界(BSF)を含む、請求項5の光起電デバイス。
【請求項7】
前記裏面電界(BSF)は、前記背面の少なくとも一部において第2の層により形成され、前記第2の層は基板と合金化されたアルミニウムを含む、請求項6の光起電デバイス。
【請求項8】
前記表面コーティングは窒化ケイ素を含む、請求項1の光起電デバイス。
【請求項9】
請求項1の光起電デバイスを含む、光起電モジュール。
【請求項10】
(a)ドープされたシリコンを含み、実質的にp-n接合を含まない背面を有し、前面に近接しているp-n接合及び少なくとも1のエッジ面に近接しているp-n接合を有する基板;及び
(b)前記前面の上に設けられている表面コーティングを含む、光起電デバイス。
【請求項11】
前記表面コーティングは、前記少なくとも1のエッジ面の上に設けられている、請求項10の光起電デバイス。
【請求項12】
前記表面コーティングは、前記背面の周縁の上に設けられている、請求項11の光起電デバイス。
【請求項13】
前記前面は凹凸が付されている、請求項10の光起電デバイス。
【請求項14】
前記背面は実質的に平滑である、請求項13の光起電デバイス。
【請求項15】
さらに裏面電界(BSF)を含む、請求項14の光起電デバイス。
【請求項16】
前記表面コーティングは窒化ケイ素を含む、請求項10の光起電デバイス。
【請求項17】
第1のドーパントでドープされたシリコンを含む基板を用いる光起電デバイスの製造方法であって、
(a)第1のドーパントとは反対の導電性タイプである第2のドーパントを含む第1の層を形成する基板第1層形成工程;
(b)該基板の背面が表面コーティングを含まないか又は実質的に含まないように、基板の上に設けられる表面コーティングを形成する表面コーティング形成工程;及び
(c)該背面が第2のドーパントを含まないか又は実質的に含まないように、該背面から該第2のドーパントを除去する第2のドーパント除去工程
を含む方法。
【請求項18】
前記基板に凹凸を付すテクスチャリング工程をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記背面が実質的に平滑になるように、前記背面から凹凸を除去する工程を更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
裏面電界(BSF)を形成する工程を更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記表面コーティングは窒化ケイ素をむ、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
ドープされたシリコンを含む基板を用いる光起電デバイスの製造方法であって、
(a)該基板の全表面に近接したp-n接合を形成する工程;
(b)背面が表面コーティングを含まないか又は実質的に含まないまま残るように、基板の上に設けられる表面コーティングを形成する工程;及び
(c)該背面がp-n接合を含まないか又は実質的に含まないように、該背面からp-n接合を除去する工程、を含む方法。
【請求項23】
前記表面コーティングは窒化ケイ素を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
基板に凹凸を付すテクスチャリング工程を更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記背面が実質的に平滑であるように、前記背面から凹凸を除去する工程を更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
裏面電界(BSF)を形成する工程を更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
第1のドーパントでドープされたシリコンを含む基板を用いる光起電デバイスの製造方法であって、
(a)該第1のドーパントとは反対の導電性タイプである第2のドーパントを含む第1の層を該基板の少なくとも前面上に形成する工程;
(b)該基板の背面が表面コーティングを含まないか又は実質的に含まないように、該基板の上に設けられた表面コーティングを形成する工程;及び
(c)該基板の背面をエッチングする工程を含む、方法。

【図1】
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【公表番号】特表2006−516830(P2006−516830A)
【公表日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503135(P2006−503135)
【出願日】平成16年1月29日(2004.1.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/002489
【国際公開番号】WO2004/070850
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(503259381)ビーピー・コーポレーション・ノース・アメリカ・インコーポレーテッド (84)
【出願人】(505289720)タタ・ビーピー・ソーラー・インディア・プライベート・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】