説明

改良型のスパッタリングターゲットおよび蒸着構成要素、それらの製造方法ならびに使用法本出願は、その全体が本明細書に組み込まれる、2008年1月31日に出願された係属中の米国仮特許出願第61/025,144号の優先権を主張するものである。

少なくとも1つのコイル、少なくとも1つのコイルセット、少なくとも1つのコイル関連装置、少なくとも1つのターゲット関連装置、またはそれらの組合せを含む蒸着装置を本明細書において説明する。ここでは、少なくとも1つのコイル、少なくとも1つのコイルセット、少なくとも1つのコイル関連装置、少なくとも1つのターゲット関連装置、またはそれらの組合せは表面を有し、表面の少なくとも一部分は規則的な深さパターンを有する。また、コイル、コイルセットまたはコイル関連装置、少なくとも1つのターゲット関連装置の製造方法も本明細書で開示され、この製造方法は、少なくとも1つのコイル、少なくとも1つのコイルセット、少なくとも1つのコイル関連装置、少なくとも1つのターゲット関連装置、またはそれらの組合せを用意するステップであって、少なくとも1つのコイル、少なくとも1つのコイルセット、少なくとも1つのコイル関連装置、少なくとも1つのターゲット関連装置、またはそれらの組合せが表面を有する、ステップと、パターン成形工具を用意するステップと、表面の少なくとも一部分に規則的な深さパターンを形成するためにパターン成形工具を使用するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本主題の分野は、複数の利点の中でもとりわけ、構成要素の性能を向上させるためにおよび/または構成要素の寿命を延ばすために、パターンが改良されたおよび/またはテクスチャが改良されたコイルならびに関連するデバイスおよび装置を有する、スパッタリングターゲットおよび蒸着構成要素である。
【背景技術】
【0002】
基板面の全域に材料のフィルムを形成するのに蒸着法が使用される。蒸着法は、例えば、半導体製造工程において、集積回路構造体および集積回路デバイスを製造するときに最後に使用される層を形成するのに使用され得る。考えられる蒸着法の例には、化学気相蒸着(chemical vapor deposition(CVD))、原子層蒸着(atomic layer deposition(ALD))、金属有機化学気相蒸着(metalorganic chemical vapor deposition(MOCVD))、物理気相蒸着(physical vapor deposition(PVD))がある。PVD手法にはスパッタリング処理が含まれる。
【0003】
チャンバシステムの構成要素は、ターゲットフランジ、ターゲット側壁、シールド、カバー・リング、コイル、カップ、ピンおよび/またはクランプを有することができる。これらの構成要素は、粒子トラップとして機能する能力を向上させるためにさらには粒子の生成に関連する問題を軽減するために種々の形で改良され得る。参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、例えば、すべてがHoneywell International Inc.により共通して所有される、米国特許出願第10/614806号、第10/837555号および第10/985316号、ならびに、米国仮特許出願第60/477810号、第60/498036号および第60/396543号が、蒸着チャンバ内の1つまたは複数の表面上にベント・スクロール・パターン(bent scroll pattern)を形成することにより粒子を捕捉するためのトラップを作ることを開示している。
【0004】
Mintzに付与されたUS5391275が、物理気相蒸着処理で使用する前にシールドおよび/またはクランプ・リングを調製するための方法を教示しており、ここでは、シールドおよび/またはクランプ・リングはまずビードブラストされ、次いで、疎な粒子(loose particle)を除去するために超音波洗浄チャンバ内で処理される。この構成要素は次にスパッタ・エッチングされるかまたはプラズマを用いて処理される。Mintzは、カラム2の31行目から37行目で、「ビードブラスティングステップによりシールドおよび/またはクランプ・リングの表面が不規則になる。これにより、超顕微鏡的スケールにおいて蒸着材料の界面亀裂伝搬が強まり、蒸着材料のフレーキングが阻害される。表面が不規則になることにより、脆弱な面(plane of weakness)に沿った割れの伝搬方向が変化させられたりより強固な領域を通過したりするようになる。」と述べている。
【0005】
参照文献である、Koyamaに付与されたUS5837057が、チャンバまたは装置内の粒子を制御するのに、1つまたは複数の、粒子が分離するのを防止するためのプレート(separate particle prevention plate)を使用するフィルム形成装置を開示している。Koyamaはその装置の内側にプレートを挿入することによりこの粒子問題を解決している。Koyamaはマクロスケールの捕捉領域を形成するために既存のチャンバまたは装置の構成要素の表面を処理してはいない。Koyamaは、「勾配」を有する、すなわち傾斜している、突出部を作ることを開示している。
【0006】
企図される1つのチャンバ要素は、Honeywell Electronic Materialsが製造しているようなコイルまたはコイルセットであり、これらは、基板上および/または適当な表面上により一様なフィルムおよび/または層が形成されるようにスパッタ原子および/またはスパッタ分子の向きを変えるためにスパッタリングチャンバおよび/またはイオン化プラズマ装置(ionized plasma apparatus)の内側に配置される消耗製品である。コイルは、バックグラウンド用途(background purpose)のために、ターゲットからスパッタリングされた金属原子の少なくとも一部をイオン化させるのに十分な密度の二次プラズマを生成するための誘導結合装置としてシステムおよび/または蒸着装置内に存在する。イオン化金属プラズマシステムでは、1次プラズマは、生成され、一般にマグネトロンによりターゲット付近に閉じ込められ、その後、Ti原子などの原子をターゲット表面から放出させる。コイルシステムによって生成される二次プラズマによりTiイオン、CuイオンおよびTaイオンが作り出される(スパッタされる材料に応じる)。次いでこれらの金属イオンは、基板(ウェーハ)面のところに形成されたシース内の磁界によってウェーハに引き付けられる。本明細書で使用する「シース」という用語は、プラズマと任意の固体表面との間に形成される境界層を意味する。この磁界は、ウェーハおよび/または基板にバイアス電圧を印加することによって制御され得る。
【0007】
従来のコイルは、コイルの電位が、処理チャンバの壁に取り付けられておりしたがって接地電位である処理用チャンバシールドに短絡されるのを防止するために、セラミック電気絶縁体に懸架される。金属プラズマがセラミック絶縁体を覆ってしまうと短絡が起こる。セラミック上に金属が蒸着されるのを防止することができる、プラズマからセラミックのへの光学的に密な経路を形成するために、カップ形状に作られたシールドがセラミックの周りに配置される。通常、セラミックを取り囲むカップ形の小型のシールドがコイルに取り付けられ、カップ形の大型のシールドがカップ形の小型のシールドに取り付けられ、それらのカップは、互いからは電気的に分離されるが、セラミックを遮蔽するように共同で機能する。熱応力下では、コイルが膨張して、コイルの後部とカップ形シールドの外側の端部との間の公称の間隔が減少し、それにより短絡が起こって基板上での蒸着処理が阻害される。
【0008】
上述したこれらの問題および潜在的な欠陥に加えて、物理気相蒸着(PVD)の際に粒子が発生することも、マイクロエレクトロニクスデバイスの製造時に機能性チップの生産性を弱める最も不利益な要因の1つである。PVDシステムでは、粒子の大部分は、周りのチャンバ要素上に蒸着物が積み重ねられて応力により亀裂が生じるときに、イオン化金属プラズマ(IMP)スパッタリングシステムおよび自己イオン化プラズマ(self ionized plasma)スパッタリングシステムで使用されるコイル上に特に発生する。蒸着は主にこれらのコイルの頂部上で起こる。
【0009】
従来のコイルおよびコイルセットは、使用される金属棒または金属合金棒のサイズのために製造が困難である場合がある。したがって、短絡を引き起こしたり、蒸着処理を中断させたり、不適切な金属蒸着を生じさせたりすることなく、蒸着装置、スパッタリングチャンバシステムおよび/またはイオン化プラズマ蒸着システムと共に使用されるような、より良好な形状およびサイズのコイルを開発することが望まれる。さらに、それらの新規のコイルおよびコイルセットが、使用されるターゲットと同様の寿命を有するようにすることが望まれる。というのは、コイル、コイルセットとターゲットと寿命の差が小さくなると、コイルおよびターゲットの両方を取り替える前にコイルを取り替えるために装置またはシステムを停止しなければならない回数を最小にまで減らすことができる。
【0010】
さらに、コイルまたはコイルセットを含めた構成要素に、より均質でより清浄でより強固なテクスチャを付加して、再生機能を維持しながら、粗さ要件に適合するような構成要素を作ることが望まれる。US6812471が改良されたコイルおよびコイルセットを開示しており、ここではテクスチャを付着させるのに電磁エネルギーのビームが使用される。WO2007/030824 A2では、テクスチャを付着させるのにマンドレルを使用したフローフォーミングが用いられている。しかし、これらの手法のいずれも、上で言及した目標を達成していない。また、企図される改良型の構成要素およびコイルでは、他の表面テクスチャリング方法に付随するものと同じフレーキング問題を有するとは予期されていない。
【0011】
従来のシステムおよび最新の技術に基づいて、粗さ要件を維持しかつ再生機能を維持しながら、より均質でより清浄でより強固なコイルまたはコイルセットを使用することにより表面上および/または基板上の被覆物、フィルムまたは蒸着物の均質性を最大にするような蒸着装置およびスパッタリングチャンバシステムを開発して使用することが望まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
少なくとも1つのコイル、少なくとも1つのコイルセット、少なくとも1つのコイル関連装置、少なくとも1つのターゲット関連装置、またはそれらの組合せを有し、少なくとも1つのコイル、少なくとも1つのコイルセット、少なくとも1つのコイル関連装置、少なくとも1つのターゲット関連装置、またはそれらの組合せが表面を有し、その表面の少なくとも一部分が規則的な深さパターンを有する、蒸着装置を本明細書で説明する。
【0013】
さらに、本明細書では、コイル、コイルセット、少なくとも1つのターゲット関連装置またはコイル関連装置の製造方法を開示する。この製造方法は、少なくとも1つのコイル、少なくとも1つのコイルセット、少なくとも1つのコイル関連装置、少なくとも1つのターゲット関連装置、またはそれらの組合せを用意するステップであって、少なくとも1つのコイル、少なくとも1つのコイルセット、少なくとも1つのコイル関連装置、少なくとも1つのターゲット関連装置、またはそれらの組合せが表面を有する、ステップと、パターン成形工具を用意するステップと、表面の少なくとも一部分に規則的な深さパターンを形成するためにパターン成形工具を使用するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】企図されるパターンの図である。
【図2】パターンを示す実際の表面の図である。
【図3】図3Aは企図されるローレットの側面斜視図である。図3Bは企図されるローレットの底面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
短絡を引き起こしたり、蒸着処理を中断させたり、不適切な金属蒸着を生じさせたりすることなく、蒸着装置、スパッタリングチャンバシステムおよび/またはイオン化プラズマ蒸着システムと共に使用されるような、最終的なコスト効率に優れたコイルおよびコイルセットである、より良好な形状およびサイズのコイルを合わせて開発した。粗さ要件を維持し、かつ再生機能を維持しながら、より均質でより清浄でより強固なコイルまたはコイルセットを使用することにより表面上および/または基板上の被覆物、フィルムまたは蒸着物の均質性を最大にするような、企図される蒸着装置およびスパッタリングチャンバシステムを開発して使用している。
【0016】
コイル、コイルセットとターゲットとの寿命の差が小さくすると、コイルおよびターゲットの両方を取り替える前にコイルを取り替えるために装置またはシステムを停止しなければならない回数を減らすことができることから、これらの新規のコイルおよびコイルセットは使用されるターゲットと同様の寿命を有する。
【0017】
具体的には、企図される蒸着装置は、本明細書で説明するすべての設計目標および性能目標を達成するために特別に設計および企図されたテクスチャの幾何形状(texture geometry)を有する、少なくとも1つのコイル、少なくとも1つのコイルセット、少なくとも1つの関連要素、またはそれらの組合せを有する。この特別に設計および意図されたテクスチャの幾何形状により、上述したような粗面化を伴う技術に関する問題は修正される。企図される蒸着装置は、少なくとも1つのコイル、少なくとも1つのコイルセット、少なくとも1つのコイル関連装置、少なくとも1つのターゲット関連装置、またはそれらの組合せを有し、少なくとも1つのコイル、少なくとも1つのコイルセット、少なくとも1つのコイル関連装置、少なくとも1つのターゲット関連装置、またはそれらの組合せは表面を有し、その表面の少なくとも一部分は規則的な深さパターンを有する。
【0018】
また、本明細書では、コイル、コイルセット、あるいは、コイル関連装置および/またはターゲット関連装置の製造方法も開示される。この製造方法は、少なくとも1つのコイル、少なくとも1つのコイルセット、少なくとも1つのコイル関連装置、少なくとも1つのターゲット関連装置、またはそれらの組合せを用意するステップであって、少なくとも1つのコイル、少なくとも1つのコイルセット、少なくとも1つのコイル関連装置、少なくとも1つのターゲット関連装置、またはそれらの組合せが表面を有する、ステップと、パターン成形工具を用意するステップと、表面の少なくとも一部分に規則的な深さパターンを形成するためにパターン成形工具を使用するステップとを含む。本明細書では、コイル関連装置およびターゲット関連装置には、ターゲットフランジ、ターゲット側壁、シールド、カバー・リング、カップ、ピンおよび/またはクランプが含まれる。
【0019】
企図される実施形態では、ビードブラスティングなどの粗面化技術を用いることなくかつその後に不規則なエッチングステップを行うことなく、調整された特定のテクスチャの幾何形状または構造表面が構成要素に付着される。企図されるテクスチャの幾何形状には、企図されるパターン100を表す図1およびパターン210を示す実際の表面200の図2に示されるパターンなどのダイヤモンドパターンまたはクロスハッチパターンを含めた特定かつ目標のパターンが含まれる。
【0020】
規則的な深さパターンを有する、本明細書で開示する独自の特定かつ目標のパターンを形成するために、機械的工具を含めた、任意の適当な工具またはサブトラクティブ方法が使用されてもよい。適当な工具は、特許請求の範囲に記載される企図される所望の粗さを達成する任意の機械的なパターン成形工具を含む。図3は、側面310および底部320の両方向から見た、企図されるパターン成形工具、この場合はローレット、を示す。切刃350と共に、ハンドル330および切削機構340が示されている。ビードブラスティングまたは不規則なエッチングの工程では本明細書で開示する特定のパターンは形成されないことを理解されたい。
【0021】
企図されるパターン成形工具およびパターン成形処理により、深さの平均が少なくとも0.350mmである平均的な深さパターン(average depth pattern)を有する構成要素のテクスチャの幾何形状が作られる。一部の実施形態では、企図される構成要素のテクスチャの幾何形状は深さの平均が少なくとも0.380mmである。別のいくつかの実施形態では、企図される構成要素のテクスチャの幾何形状は、深さの平均が少なくとも0.400mmである平均的な深さパターンを有する。別のいくつかの実施形態では、企図される構成要素のテクスチャの幾何形状は、深さの平均が少なくとも0.500mmである平均的な深さパターンを有する。一部の実施形態では、企図される構成要素のテクスチャの幾何形状は、深さの平均が1.143mm未満である平均的な深さパターンを有する。本明細書で使用される、テクスチャの幾何形状の深さに関連する「平均が少なくとも」という表現は、テクスチャの幾何形状の長さ方向全体における平均の深さが少なくとも明記した深さであることを意味する。一部の領域の深さが0.450mmであり、同じ幾何形状内の一部の領域の深さが0.520mmであってよいが、その平均は本明細書に明記した範囲内にある。
【0022】
ローレットおよびローレット加工によってまたは同様のデバイス/手法によって形成されるこれらの規則的な深さパターン、テクスチャの幾何形状および/または構造表面は綿密に調整されることから、より整った均一性のある表面テクスチャが得られる。これらの構成要素およびコイルは、使用中にアーク放電またはフレーキングを引き起こす可能性がある鋸刃状の縁部が作られてしまうような代替の表面テクスチャを使用したコイルの再生とは異なる形で、使用後に再生され得る。
【0023】
本明細書で企図される構成要素は、概して、確実に蒸着システムの構成要素となるように形成され得る任意の材料を含んでいてよい。適当な構成要素を作ると考えられる材料は、金属、金属合金、ハードマスク材料および他の任意適当な材料である。
【0024】
本明細書で使用する「金属」という用語は、元素周期表のd−ブロックおよびf−ブロックにある元素ならびにシリコンおよびゲルマニウムなどの金属のような性質を有する元素を意味する。本明細書で使用する「d−ブロック」という表現は、元素の原子核の周りの3d、4d、5dおよび6dの軌道を埋める電子を有する元素を意味する。本明細書で使用する「f−ブロック」という表現は、ランタン系およびアクチニド系を含む、元素の原子核の周りの4fおよび5fの軌道を埋める電子を有する元素を意味する。いくつかの考えられる金属には、タンタル、コバルト、銅、インジウム、ガリウム、セレニウム、ニッケル、鉄、亜鉛、アルミニウムおよびアルミニウムベースの材料、スズ、金、銀、またはそれらの組合せが含まれる。別の考えられる金属には、銅、アルミニウム、コバルト、マグネシウム、マンガン、鉄、またはそれらの組合せが含まれる。
【0025】
「金属」という用語には合金も含まれる。本明細書で企図される合金には、金、アンチモン、アルミニウム、銅、ニッケル、インジウム、コバルト、バナジウム、鉄、チタン、ジルコニウム、銀、スズ、亜鉛、レニウム、およびそれらの組合せが含まれる。具体的な合金には、金−アンチモン、金−砒素、金−ホウ素、金−銅、金−ゲルマニウム、金−ニッケル、金−ニッケル−インジウム、金−パラジウム、金−リン、金−シリコン、金−銀−白金、金−タンタル、金−スズ、金−亜鉛、パラジウム−リチウム、パラジウム−マンガン、銀−銅、銀−ガリウム、銀−金、アルミニウム−銅、アルミニウム−シリコン、アルミニウム−シリコン−銅、アルミニウム−チタン、クロム−銅、および/またはそれらの組合せが含まれる。一部の実施形態では、考えられる材料には、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Honeywell International Inc.により共通して所有される米国特許第6331233号に開示されている材料が含まれる。
【0026】
本明細書で企図される金属および合金は少量の別の金属含んでいてもよい。これらの金属は特定の構成要素の形成時に元々存在するものであってよく、またはターゲットの製造時に加えられるものであってもよい。これらの金属は構成要素全体の性質を変化させないまたは構成要素の性質を改善することを意図されたものであると考えられる。
【0027】
以上のように、蒸着システムの構成要素および関連装置の製造方法の具体的な実施形態および応用例を開示してきた。しかし、既に説明した修正形態の他にも、本明細書における本発明の概念から逸脱することなく多くの修正形態が可能であることは当業者には明白であろう。したがって、本発明の主題は、本明細書における開示の精神以外において制限されない。さらに、本開示を解釈する際には、すべての用語は文脈に一致するできるだけ広い形で解釈すべきである。特に、「含む(有する)(comprise)」および「含んでいる(有している)(comprising)」という用語は、非排他的な形で要素、構成要素またはステップに言及しているものとして、あるいは、言及した要素、構成要素またはステップが存在していてよいもしくは使用されてよいこと、または、特に言及していない他の要素、構成要素またはステップと組み合わされてよいことを示しているものとして解釈すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのコイル、少なくとも1つのコイルセット、少なくとも1つのコイル関連装置、少なくとも1つのターゲット関連装置、またはそれらの組合せを有し、前記少なくとも1つのコイル、少なくとも1つのコイルセット、少なくとも1つのコイル関連装置、少なくとも1つのターゲット関連装置、またはそれらの組合せが表面を有し、前記表面の少なくとも一部分が規則的な深さパターンを有する、蒸着装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのコイル、少なくとも1つのコイルセット、少なくとも1つのコイル関連装置、少なくとも1つのターゲット関連装置、またはそれらの組合せが少なくとも1つの金属を含む、請求項1に記載の蒸着装置。
【請求項3】
前記規則的な深さパターンがダイヤモンドパターン、クロスハッチパターン、またはそれらの組合せを含む、請求項1に記載の蒸着装置。
【請求項4】
前記規則的な深さパターンの平均の深さが少なくとも0.350mmである、請求項1に記載の蒸着装置。
【請求項5】
前記規則的な深さパターンの平均の深さが少なくとも0.400mmである、請求項1に記載の蒸着装置。
【請求項6】
前記規則的な深さパターンの平均の深さが平均1.143mm未満である、請求項1に記載の蒸着装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのコイル関連装置または前記少なくとも1つのターゲット関連装置が、ターゲットフランジ、ターゲット側壁、シールド、カバー・リング、カップ、ピン、クランプ、またはそれらの組合せを含む、請求項1に記載の蒸着装置。
【請求項8】
コイル、コイルセットまたはコイル関連装置の製造方法であって、
少なくとも1つのコイル、少なくとも1つのコイルセット、少なくとも1つのコイル関連装置、またはそれらの組合せを用意するステップであって、前記少なくとも1つのコイル、少なくとも1つのコイルセット、少なくとも1つのコイル関連装置、またはそれらの組合せが表面を有する、ステップと、
パターン成形工具を用意するステップと、
前記表面の少なくとも一部分に規則的な深さパターンを形成するために前記パターン成形工具を使用するステップと
を含む方法。
【請求項9】
前記パターン成形工具が任意の機械的なパターン成形工具を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記規則的な深さパターンがダイヤモンドパターン、クロスハッチパターン、またはそれらの組合せを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記規則的な深さパターンの平均の深さが少なくとも0.350mmである、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記規則的な深さパターンの平均の深さが少なくとも0.400mmである、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記規則的な深さパターンの平均の深さが平均1.143mm未満である、請求項8に記載の方法。

【図1】
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【図3A】
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【図3B】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−511161(P2011−511161A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545061(P2010−545061)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【国際出願番号】PCT/US2009/031777
【国際公開番号】WO2009/099775
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】