説明

放射標識されたトレーサの製造方法およびその前駆体

本開示は放射標識されたトレーサの製造、特に陽電子放射断層撮影(PET)の放射標識されたトレーサとして用い得る18F標識化合物の製造のための固相製造方法に関する。本開示はまた、本明細書に記載されている製造方法を用いて放射標識されたトレーサに変換され得る放射標識されたトレーサの前駆体を含む放射性医薬品キットに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国仮出願第60/706,885号(2005年8月10日出願)の利益を享受する。
【0002】
本開示は、放射標識されたトレーサの製造、特に陽電子放射断層撮影(Positron Emission Tomography、PET)の放射標識されたトレーサとして用い得る18F標識化合物の製造のための固相製造方法に関する。本開示はまた、本明細書に記載されている製造方法を用いて放射標識されたトレーサに変換され得る放射標識されたトレーサの前駆体を含む放射性医薬品キットに関する。
【0003】
PET用の好ましいラジオアイソトープ、18Fは、110分という比較的短い半減期を有する。PET用18F標識トレーサはしたがって、可能な限り素早く、理想的には臨床使用の1時間以内に製造し、精製しなければならない。18Fを導入する標準的な合成方法は、比較的ゆっくりで、反応後の精製(例えば、HPLCで)が要求されるので、良好な放射化学収率で臨床使用するための18F標識トレーサを得ることは困難であることを意味している。放射曝露から操作者を保護するために、自動化の要求もある。多くの放射フルオロ化は、複雑な手順であり、自動化を促進するためにその手順は簡素化する必要がある。
【0004】
本開示は、ミトコンドリア複合体Iとの相互作用で心血管組織のイメージ化をするのに有用なトレーサの合成のための物質と方法を提供する。更に、本開示は、時間を消費する精製工程を更に避けながら、18F標識トレーサを素早く、そして特定の高い活性を有しつつ、製造するための固相製造方法を提供し、そしてそれらは生じた18F標識トレーサがPETに用いるのに適している。固相法はまた、製造の容易さおよびより多い処理量に有利な自動化にも役立つ。本開示はまた、かかる製造方法に用いる放射性医薬品キットを含み、放射薬剤師または医師に、18F標識トレーサを製造する便利な方法を提供する。
【0005】
一般的な態様において、本開示は、式(VII):
固体支持体−リンカー−X−トレーサ(VII)
の樹脂結合した前駆体を、18-で処理して、式(VIII):
18F−トレーサ(VIII)
の標識されたトレーサを製造することを特徴とする18F標識トレーサの製造方法を提供する。
【0006】
式(VIII)の18F標識トレーサが固相から除去されて溶液に入る際、すべての未反応の前駆体は樹脂と結合して残り、簡単な濾過で、すなわち複雑な精製、例えばHPLCの必要性を回避して、分離できる。式(VIII)の18F標識トレーサは、例えばイオン交換クロマトグラフィによる過剰のF-の除去、および/またはいずれの有機溶媒の除去で精製してもよい。生じた式(VIII)の18F標識トレーサは次いで更に、臨床使用のために適当な製剤にしてもよい。
【0007】
本開示の方法で18F標識されていてもよいトレーサの例には、殺虫剤ピリダベン(pyridaben)、フェナザキン(fenazaquin)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、フェンピロキシメート(fenpyroximate)、およびロテノン(rotenone)の類似体が含まれる。更に該方法は、ピエリシジン(piericidin)、2−置換クロモン(chromone)の18F標識された類似体、およびアノナセオス・アセトゲニンと集合的に称される化合物の分類の製造に用いてもよい。これらの化合物の分類には、ミトコンドリア複合体Iへの高い親和性を有する類似体が含まれる。本開示の好ましい態様において、製造されるトレーサは、ピリダベン、フェナザキン、2−置換クロモンおよびアノナセオス・アセトゲニンの類似体から選択され、最も好ましくはピリダベンまたは2−置換クロモンの類似体である。
【0008】
式(I)の化合物において、Xは、結合しているトレーサ上の特定の部位での求核置換を促進する化学基である。Xの例には、以下の式(VIIa)での−SO2O−が含まれる。
【0009】
更なる態様において、本開示は、式(VIIa):
固体支持体−リンカー−SO2O−トレーサ(VIIa)
の樹脂結合した前駆体を、18-で処理し、式(VIII):
18F−トレーサ(VIII)
の標識されたトレーサを製造し、
続いて適宜
(i)例えば、イオン交換クロマトグラフィによる過剰の18-の除去;および/または
(ii)いずれの保護基の除去;および/または
(iii)いずれの有機溶媒の除去;および/または
(iv)水溶液として生じた式(VIII)の化合物の製剤化
を特徴とする18F標識トレーサの製造方法を提供する。
【0010】
式(VIIa)の化合物において、トレーサは、好ましくは、ピリダベン、フェナザキン、2−置換クロモンまたはアノナセオス・アセトゲニンまたはそれらの前駆体(その中で1またはそれ以上の官能基は保護される)である。最も好ましくは、式(VIIa)の化合物中のトレーサは、ピリダベンまたはその前駆体である。
【0011】
式(VIIa)の化合物は、いずれかのスルホン酸で官能基化した市販品として入手可能な樹脂、例えば修飾樹脂(Merrifield Resin)、NovaSyn.RTM、TG ブロモ 樹脂、(ブロモメチル)フェノキシメチル ポリスチレン、またはワング樹脂(Wang Resin)(これらは塩化剤と反応して対応する塩化スルホニル樹脂を与える)から都合よく調製してもよい。これは、適当な不活性な溶媒、例えばジクロロメタン、クロロホルム、またはアセトニトリル中、例えば、五塩化リン、三塩化リン、シュウ酸クロリド、または塩化チオニルで処理して、一定期間高温に加熱して行ってもよい。過剰の試薬は、次いで不活性な溶媒を更に加えて洗浄して、樹脂から除去してもよい。スルホニルクロリド樹脂は次いで、トレーサのアルコールアナログと反応して、式(VIIa)の樹脂結合した前駆体を生成し得る。これは、非求核性可溶塩基、例えば水素化ナトリウムまたはトリアルキルアミン(例えば、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン)を含んだ不活性な溶媒、例えばクロロホルム、ジクロロメタン、アセトニトリル、またはテトラヒドロフラン中、樹脂を該アルコール溶液で処理して行いうる。反応は約1〜24時間、10〜80℃、最適には周囲温度で行いうる。過剰のアルコールおよび塩基は次いで、クロロホルム、ジクロロメタン、またはテトラヒドロフランのような不活性な溶媒更に加えて洗浄して、固体支持体から除去してもよい。
【0012】
式(VII)および(VIIa)の化合物、並びに本開示の以下のより具体的な態様において、「固体支持体」は、本製造工程で使用されるいずれの溶媒にも不溶であるが、リンカーおよび/またはトレーサが共有結合され得るいずれかの適当な固相支持体であり得る。適当な固体支持体の例には、ポリスチレン(例えば、ポリエチレングリコールで合体したブロックでもよい)、ポリアクリルアミド、またはポリプロピレンのようなポリマー、あるいはかかるポリマーでコーティングされたガラスまたはシリコンが含まれる。該固体支持体は、ビーズやピンのような小さな分離した粒子の形態で、またはカートリッジの内表面上の、もしくはマイクロ加工の容器上へのコーティングとしてでもよい。
【0013】
式(VII)および(VIIa)の化合物、並びに本開示の以下のより具体的な態様において、「リンカー」は、反応性を最大限にするために固体支持体構造から十分に反応部位のスペースを空けるのに用いられているいずれかの適当な有機化学基であり得る。好ましくは、該リンカーは、0〜4個のアリール基(好ましくはフェニル)および/またはC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキル(好ましくは、C1-6フルオロアルキル)が含まれ、適宜アミドまたはスルホンアミド基のような1〜4の別の官能基が含まれる。かかるリンカーの例は、固相化学の技術分野の当業者によく知られている。
【0014】
当業者に明らかなように、放射標識工程の間望まない反応を避けるために、トレーサ内の官能基を保護する必要があり得る。かかる保護は、保護基化学の標準的な方法を用いて行いうる。放射標識完了後、いずれの保護基も当該技術分野で標準的である簡単な方法で除去され得る。適当な保護および脱保護の方法は、例えば、John Wiley & Sons Inc.より発行されている書籍(Protecting Groups in Organic Synthesis、Theodora W. Greene and Peter G. M. Wuts)にあり得る。
【0015】
式(VII)または(VIIa)の化合物の18-による処理は、いずれかの適当な18-源、例えば、Na18F、K18F、Cs18F、テトラアルキルアンモニウム[18F]フルオリド、またはテトラアルキルホスホニウム[18F]フルオリドで処理して行ってもよい。フッ素の反応性を増加させるために、4,7,13,16,21,24ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8,8,8]ヘキサコサンのような相間移動触媒を加え、反応を非プロトン溶媒中行ってもよい。これらの条件が反応性のあるフッ素イオンを与える。18-での処理は、好ましくは、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2 ジメトキシエタン、スルホラン、1−メチルピロリジン−2−オン(N−メチルピロリジノン、NMP)のような適当な有機溶媒の存在下、極端でない温度、例えば15℃〜180℃、好ましくは上昇温度で行う。反応の完了の際、溶媒に溶解した式(VIII)の18F標識トレーサは、濾過して固相から都合よく分離される。同じフッ素化の技術は、本開示の以下のより具体的な態様で用いてもよい。
【0016】
いずれの過剰の18-は、いずれかの適当な方法、例えば、イオン交換クロマトグラフィまたは固相吸収剤で、18-トレーサの溶液から除去され得る。好ましいイオン交換樹脂には、BIO−RAD AG 1−X8またはWaters QMAが含まれ、好ましい固相吸収剤にはアルミナが含まれる。過剰の18-は、室温で非プロトン性溶媒中、かかる固相を用いて除去してもよい。
【0017】
いずれの有機溶媒も、いずれかの標準的な方法、例えば、減圧下上昇温度での蒸発、または不活性ガス(例えば、窒素またはアルゴン)の気流を該溶液に通して除去してもよい。
【0018】
18F標識されたトレーサの使用の前に、例えば、水溶液として、適当な有機溶媒(例えば、エタノール)、または適当な緩衝液(例えば、リン酸緩衝液)を10%まで含んでいてもよい無菌の等張生理食塩水中、18F標識されたトレーサを溶解して、それを製剤化することも適切であり得る。他の添加剤は、放射線分解を減らすために、アスコルビン酸など加えてもよい。
【0019】
本開示は、更なる態様において、式(II):
【化1】

(II)
(式中、Supは適当な固体支持体を表す)の固体支持体に結合した前駆体を、18-で処理して、式(IIa):
【化2】

(IIa)
の標識されたトレーサを生成し、適宜、
(i)例えば、イオン交換クロマトグラフィによる過剰の18-の除去;および/または
(ii)有機溶媒の除去;および/または
(iii)水溶液として生じた式(VIIa)の化合物の製剤化
が続くことを特徴とする、2−tert−ブチル−4−クロロ−5−[4−(2−[18F]−フルオロ−エトキシメチル)−ベンジルオキシ]−2H−ピリダジン−3−オンの製造方法を提供する。
【0020】
式(II)の化合物において、リンカーは好ましくは
−(CH2n
(式中nは0〜3であり、より好ましくは6である)であり;固体支持体は好ましくはポリスチレン樹脂である。
【0021】
式(IIa)の化合物からいずれの保護基を除去することは、上記に言及したような標準的な方法で行ってもよい。本開示の態様の好ましい具体的態様において、糖ヒドロキシル基はエステル、適当なものとしてC1-8アルカノイックエステルとして、好ましくは酢酸エステルとして、またはエーテル、好ましくはC1-6アルコキシメチルエーテル、またはアセタールとして、保護される。エステル、アセタール、またはエーテル保護基は、例えば、酸または塩基の存在下、加水分解して簡単に除去できる。係る脱保護は、必要な脱保護後の中和を不必要にする固体支持された酸または塩基触媒を用いて行ってもよい。
【0022】
本開示は、更なる態様において、式(I):
【化3】

(I)
(式中、Supは固体支持体、樹脂、ポリマー、または高分子マトリックスであり、XおよびYは、各場合においてS、O、または−(CH2)−のセットから各々独立して選択され、nは0〜6であり、より好ましくは3であり、RはC1-6アルキルである)の固体支持体に結合した前駆体を、18-で処理して、式(Ia):
【化4】

(Ia)
(式中、XおよびYは、各場合においてS、O、または−(CH2)−のセットから各々独立して選択され、nは0〜6であり、より好ましくは3であり、RはC1-6アルキルである)の標識されたトレーサを生成し、適宜、
(i)例えば、イオン交換クロマトグラフィによる過剰の18-の除去;および/または
(ii)有機溶媒の除去;および/または
(iii)水溶液として生じた式(Ia)の化合物の製剤化
が続くことを特徴とする、放射性トレーサの製造方法を提供する。
【0023】
本開示は、更なる態様において、式(III):
【化5】

(III)
(式中、Supは固体支持体、樹脂、ポリマー、または高分子マトリックスであり、XおよびYは、各場合においてS、O、または−(CH2)−のセットから各々独立して選択され、nは0〜6であり、より好ましくは3であり、mは0〜6であり、好ましくは2であり、
独立して各々、不存在、アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルコキシ、−CH=CH−CH=CH−、または−CH=CH−Z−であり(AとAは結合して二環構造を形成し得る)、その中でZはO、S、NH、またはNRであり、Rはアルキル、アルキルオキシ、またはアリールである)の固体支持体に結合した前駆体を、18-で処理して、式(IIIa)
【化6】

(IIIa)
(式中、XおよびYは、各場合においてS、O、または−(CH2)−のセットから各々独立して選択され、nは0〜6であり、より好ましくは3であり、mは0〜6であり、好ましくは2であり、Aは独立して各々、不存在、アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルコキシ、−CH=CH−CH=CH−、または−CH=CH−Z−であり(AとAは結合して二環構造を形成し得る)、その中でZはO、S、NH、またはNRであり、Rはアルキル、アルキルオキシ、またはアリールである)の標識されたトレーサを生成し、適宜、
(i)例えば、イオン交換クロマトグラフィによる過剰の18-の除去;および/または
(ii)有機溶媒の除去;および/または
(iii)適当な水溶液として生じた式(IIIa)の化合物の製剤化
が続くことを特徴とする、放射性トレーサの製造方法を提供する。
【0024】
本開示は、更なる態様において、式(V):
【化7】

(V)
(式中、Supは固体支持体、樹脂、ポリマー、または高分子マトリックスであり、Yは、各場合においてS、O、または−(CH2)−のセットから独立して選択され、nは0〜6であり、より好ましくは3であり、Xは、各場合においてS、O、NHまたはNR2から独立して選択され、その中でR2はアルキル、アルキルオキシ、またはアリールであり、mは0〜6であり、好ましくは2であり、Aは独立して各々、不存在、アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルコキシ、−CH=CH−CH=CH−、または−CH=CH−Z−であり(AとAは結合して二環構造を形成し得る)、その中でZはO、S、NH、またはNRであり、Rはアルキル、アルキルオキシ、またはアリールであり、R1はハロゲンまたはC1-6アルキルである)の固体支持体に結合した前駆体を、18-で処理して、式(Va)
【化8】

(Va)
(式中、Yは、各場合においてS、O、または−(CH2)−のセットから独立して選択され、nは0〜6であり、より好ましくは3であり、Xは、各場合においてS、O、NHまたはNR2から独立して選択され、その中でR2はアルキル、アルキルオキシ、またはアリールであり、mは0〜6であり、好ましくは2であり、Aは独立して各々、不存在、アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルコキシ、−CH=CH−CH=CH−、または−CH=CH−Z−であり(AとAは結合して二環構造を形成し得る)、その中でZはO、S、NH、またはNRであり、Rはアルキル、アルキルオキシ、またはアリールであり、R1はハロゲンまたはC1-6アルキルである)の標識されたトレーサを生成し、適宜、
(i)例えば、イオン交換クロマトグラフィによる過剰の18-の除去;および/または
(ii)有機溶媒の除去;および/または
(iii)適当な水溶液として生じた式(Va)の化合物の製剤化
が続くことを特徴とする、放射性トレーサの製造方法を提供する。
【0025】
上記のように、18F標識トレーサの製造のかかる固相工程の利点は、該工程の相対速度、単純化した精製方法および自動化の容易性が含まれ、それらはすべて、その工程がPET使用での18F標識トレーサの製造に適していることを意味している。したがって、本開示は、PET使用における式(VIII)または(Ia、IIa、IIIa、IVa、VaまたはVIa)の18F標識トレーサの製造工程の使用を提供する。
【0026】
都合よくは、該固体支持体に結合する式(VII)の前駆体は、放射医薬のキットの部分として提供されうる。該キットは、適切に適合した自動合成装置にはめ込まれうるカートリッジを含み得る。該カートリッジは、該固体支持体に結合した前駆体から離れ、不要なフッ素イオンを除くためのカラム、および反応混合物を蒸発させ、必要により生成物を製剤化するように連結した適当な容器が含まれる。試薬および溶媒および合成に必要な他の消耗品も、該合成装置を放射活性濃度、量、送達時間などの消費者の要求に合うように操作できるようにしたソフトウェアを搭載したコンパクトディスクと共に含まれうる。
【0027】
都合よくは、該キットのすべての構成物は実施中の汚染の可能性を最小限にするために、使い捨てであり、無菌で品質保証されていてもよい。
【0028】
本開示は更に、
(i)式(I〜VII)の化合物を含む容器;
(ii)18-源で該容器を抽出する手段;
(iii)過剰の18-を除去するためのイオン交換カートリッジ;および適宜
(iv)式(VIII)または(IIa〜IIe)の生じた生成物の固相精製用の任意のカートリッジを含む、PETに用いられる18F標識トレーサ製造用放射性医薬品キットを提供する。
【0029】
本開示は更に、
(i)式(Ia、IIa、IIIa、IVa、Va、ViaまたはVIII)の化合物を含む容器;および
(ii)18-源で該容器を抽出する手段を含む、PETに用いられる18F標識トレーサ製造用放射性医薬品キットカートリッジを提供する。
【0030】
本開示の更なる態様において、上記で述べた放射性医薬品キットまたは放射性医薬品キット用カートリッジを用いる工程を含む、診断用PET画像を得る方法を提供する。
【0031】
本開示は、ここで以下の制限を受けない実施例によって詳細に説明される。
【0032】
実施例を通じて、用いられる略号は以下のとおりである。
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
w/v:重量/容積
h:時間
tlc:薄層クロマトグラフィ
THF:テトラヒドロフラン
eq.:当量
【0033】
実施例
実施例1:
2−tert−ブチル−4−クロロ−5−[4−(2−[18F]−フルオロ−エトキシメチル)−ベンジルオキシ]−2H−ピリダジン−3−オン(IIa)
【化9】

実施例1a:PS−4−(ベンジル−エチル−スルホンアミド)オクタフルオロ−ブタン−1−スルホン酸の合成
あらかじめジクロロメタン(2mL)で膨張させ、次いでジクロロメタン(2mL)の更なるアリコート中懸濁させたポリスチレン樹脂(Novabiochem、Novasyn resin)(202mg)の一部に、ペルフルオロブチル−1,4−サイクリックスルホン酸無水物(116mg、5当量)を加えた。これに続いて、ジイソプロピルエチルアミン(0.174 mL)を加え、該懸濁液を終夜室温で攪拌した。溶媒を濾過して除去し、該樹脂を、ジクロロメタン(5mL)、メタノール(5mL)、DMF(5mL)、水(5 mL)、メタノール(5mL)、およびジクロロメタン(5mL)の連続した添加および濾過で洗浄した。得られた樹脂を次いで、THF/水(2×2mL)中のNaOH(1M)で処理し、次いでメタノール(5mL)、ジクロロメタン(5mL)およびメタノール(5mL)の連続的な部分で再度洗浄した。該樹脂を次いで高真空下乾燥した。
【0034】
実施例1b:PS−4−(ベンジル−エチル−スルホンアミド)オクタフルオロ−ブタン−1−スルホニルクロリドの合成
上記の実施例1aの方法で調製した樹脂の一部をジクロロメタン(2mL)で膨張させ、次いでTHF/水(10×5 mL)中のHCl(1M)で連続して洗浄し、遊離のスルホン酸化合物を得た。該樹脂をジクロロメタン、メタノールおよびTHFで連続して洗浄し、次いで高真空下乾燥した。該樹脂を次いでジクロロメタン中懸濁させ、五塩化リン、三塩化リンまたは塩化チオニルのような一般的な塩化剤を過剰に加える。該懸濁液を2時間攪拌した、次いで濾過し、ジクロロメタン、次いでTHFで樹脂を洗浄する。
【0035】
実施例1c:2−tert−ブチル−4−クロロ−5−[4−(2−オキシスルファナト(oxysulfanato)−エトキシメチル)−ベンジルオキシ]−2H−ピリダジン−3−オン樹脂(I)の合成
2−tert−ブチル−4−クロロ−5−[4−(2−ヒドロキシ−エトキシメチル)−ベンジルオキシ]−2H−ピリダジン−3−オンのTHF溶液を、THF中あらかじめ膨張させた上記の実施例1bに記載されたように調製した樹脂の部分に加える。カリウムt−ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液を加え、生じた懸濁液を終夜室温で攪拌する。濾過後、樹脂をジクロロメタンおよびTHFで連続して洗浄し、次いで高真空下乾燥する。
【0036】
実施例1d:2−tert−ブチル−4−クロロ−5−[4−(2−[18F]−フルオロ−エトキシメチル)−ベンジルオキシ]−2H−ピリダジン−3−オン(IIa)製造のための放射フルオロ化
カートリッジに付けた樹脂(実施例1cに記載のように製造)の一部に、クリプタンド(kryptofix)[2.2.2]、炭酸カリウムおよび[18F]−フッ化物の乾燥アセトニトリル溶液を加える。カートリッジを85℃まで10分間加熱し、次いで該溶液を溶離する。該溶液を次いでC−18固相抽出カートリッジに通し、水で洗浄し、アセトニトリル、クリプタンド(kryptofix)および炭酸カリウムを除く。生成物をアセトニトリルでカラムから溶離し、分析用のアリコートを取り出す。溶媒を除去し、生じた物質を注射用の適当な緩衝液に再生し、0.2μのフィルターに通して滅菌する。
【0037】
実施例2:
4−{2−[4−(2−[18F]フルオロ−エトキシメチル)−フェニル]−エトキシ}−キナゾリン(IVa)
【化10】

実施例2a:4−{2−[4−(2−オキシスルファナト(oxysulfanato)−エトキシメチル)−フェニル]−エトキシ}−キナゾリン樹脂(IIIa)の合成
4−{2−[4−(2−ヒドロキシ−エトキシメチル)−フェニル]−エトキシ}−キナゾリンのTHF溶液を、THF中にあらかじめ膨張させた上記の実施例1bに記載のように調製した樹脂の部分に加える。カリウムt−ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液を加え、生じた懸濁液を終夜室温で攪拌する。濾過後、樹脂をジクロロメタンおよびTHFで連続して洗浄し、次いで高真空下乾燥する。
【0038】
実施例2b:4−{2−[4−(2−[18F]フルオロ−エトキシメチル)−フェニル]−エトキシ}−キナゾリン(IVa)製造のための放射フルオロ化
カートリッジに付けた樹脂(実施例2aに記載のように製造)の一部に、クリプタンド(kryptofix)[2.2.2]、炭酸カリウムおよび[18F]−フッ化物の乾燥アセトニトリル溶液を加える。カートリッジを85℃まで10分間加熱し、次いで該溶液を溶離する。該溶液を次いでC−18固相抽出カートリッジに通し、水で洗浄し、アセトニトリル、クリプタンド(kryptofix)および炭酸カリウムを除く。生成物をアセトニトリルでカラムから溶離し、分析用のアリコートを取り出す。溶媒を除去し、生じた物質を注射用の適当な緩衝液に再生し、0.2μのフィルターに通して滅菌する。
【0039】
実施例3:
2−[4−(2−[18F]フルオロ−エトキシメチル)−ベンジルスルファニル]−3−メチル−クロメン−4−オン(VIa)
【化11】

実施例3a:2−[4−(2−オキシスルファナト(oxysulfanato)−エトキシメチル)−ベンジルスルファニル]−3−メチル−クロメン−4−オン樹脂(Va)の合成:
2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−エトキシメチル)−フェニル]−エチル}−3−メチル−クロメン−4−オンのTHF溶液を、THF中にあらかじめ膨張させた上記の実施例1bに記載のように調製した樹脂の部分に加える。カリウムt−ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液を加え、生じた懸濁液を終夜室温で攪拌する。濾過後、樹脂をジクロロメタンおよびTHFで連続して洗浄し、次いで高真空下乾燥する。
【0040】
実施例3b:2−[4−(2−[18F]フルオロ−エトキシメチル)−ベンジルスルファニル]−3−メチル−クロメン−4−オン(VIa)製造のための放射フルオロ化
カートリッジに付けた樹脂(実施例3aに記載のように製造)の一部に、クリプタンド(kryptofix)[2.2.2]、炭酸カリウムおよび[18F]−フッ化物の乾燥アセトニトリル溶液を加える。カートリッジを85℃まで12分間加熱し、次いで該溶液を溶離する。該溶液を次いでC−18固相抽出カートリッジに通し、水で洗浄し、アセトニトリル、クリプタンド(kryptofix)および炭酸カリウムを除く。生成物をアセトニトリルでカラムから溶離し、分析用のアリコートを取り出す。溶媒を除去し、生じた物質を注射用の適当な緩衝液に再生し、0.2μのフィルターに通して滅菌する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(I)
[式中、
Supは固体支持体、樹脂、ポリマー、または高分子マトリックスであり;
XおよびYは独立して各々、S、O、または−(CH2)−であり;
nは0〜6であり;および
RはC1-6アルキルである]
の化合物。
【請求項2】
nが3である請求項1の化合物。
【請求項3】
化合物が式(II):
【化2】

(II)
である、請求項1の化合物。
【請求項4】
式(III):
【化3】

(III)
[式中、
Supは固体支持体、樹脂、ポリマー、または高分子マトリックスであり;
XおよびYは独立して各々、S、O、または−(CH2)−であり;
nは0〜6であり;
mは0〜6であり;
Aは独立して各々、不存在、アルコキシ、アルキル、アリールアルコキシ、アリールオキシ、−CH=CH−CH=CH−、または−CH=CH−Z−であり(AとAは結合して二環構造を形成し得る);
ZはSまたはNRであり;および
Rは水素、アルキル、アルキルオキシ、またはアリールである]
の化合物。
【請求項5】
nが3であり、mが2である、請求項4の化合物。
【請求項6】
化合物が式(IV):
【化4】

(IV)
である、請求項4の化合物。
【請求項7】
式(V):
【化5】

(V)
[式中、
Yは独立して各々、S、O、または−(CH2)−であり;
nは0〜6であり;
Xは独立して各々、S、O、またはNR2であり;
2は水素、アルキル、アルキルオキシ、またはアリールであり;
mは0〜6であり;
Aは独立して各々、不存在、アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルコキシ、−CH=CH−CH=CH−、または−CH=CH−Z−であり(AとAは結合して二環構造を形成し得る);
ZはO、S、またはNRであり;
Rは水素、アルキル、アルキルオキシ、またはアリールであり;
1はハロゲンまたはC1-6アルキルであり;および
Supは固体支持体、樹脂、ポリマー、または高分子構造である]
の化合物。
【請求項8】
化合物が式(VI):
【化6】

(VI)
である、請求項7の化合物。
【請求項9】
(a)式(I):
【化7】

(I)
[式中、
Supは固体支持体、樹脂、ポリマー、または高分子マトリックスであり;
XおよびYは独立して各々、S、O、または−(CH2)−から選択され;
nは0〜6であり;および
RはC1-6アルキルである]
の化合物を、適宜有機溶媒中、18-源で反応させて、式(Ia):
【化8】

(Ia)
の化合物を得て;
(b)適宜過剰の18-を除去し;
(c)適宜有機溶媒を除去し;および
(d)適宜水溶液として生じた生成物を製剤化する
ことを特徴とする、放射性トレーサを製造する方法。
【請求項10】
nが3である請求項9の方法。
【請求項11】
(a)式(II):
【化9】

(II)
(式中、Supは固体支持体、樹脂、ポリマー、または高分子マトリックスである)
の化合物を、適宜有機溶媒中、18-源で反応させて、式(IIa):
【化10】

(IIa)
の化合物を得て;
(b)適宜過剰の18-を除去し;
(c)適宜有機溶媒を除去し;および
(d)適宜水溶液として生じた生成物を製剤化する
ことを特徴とする、放射性トレーサを製造する方法。
【請求項12】
(a)式(III):
【化11】

(III)
[式中、
Supは固体支持体、樹脂、ポリマー、または高分子マトリックスであり;
XおよびYは独立して各々、S、O、または−(CH2)−であり;
nは0〜6であり;
mは0〜6であり;
Aは独立して各々、不存在、アルコキシ、アルキル、アリールアルコキシ、アリールオキシ、−CH=CH−CH=CH−、または−CH=CH−Z−であり(AとAは結合して二環構造を形成し得る);
ZはO、S、またはNRであり;および
Rは水素、アルキル、アルキルオキシ、またはアリールである]
の化合物を、適宜有機溶媒中、18-源で反応させて、式(IIIa):
【化12】

(IIIa)
の化合物を得て;
(b)適宜過剰の18-を除去し;
(c)適宜有機溶媒を除去し;および
(d)適宜水溶液として生じた生成物を製剤化する
ことを特徴とする、放射性トレーサを製造する方法。
【請求項13】
nが3であり、mが2である、請求項12の方法。
【請求項14】
(a)式(IV):
【化13】

(IV)
(式中、Supは固体支持体、樹脂、ポリマー、または高分子マトリックスである)
の化合物を、適宜有機溶媒中、18-源で反応させて、式(IVa):
【化14】

(IVa)
の化合物を得て;
(b)適宜過剰の18-を除去し;
(c)適宜有機溶媒を除去し;および
(d)適宜水溶液として生じた生成物を製剤化する
ことを特徴とする、放射性トレーサを製造する方法。
【請求項15】
(a)式(V):
【化15】

(V)
[式中、
Yは独立して各々、S、O、または−(CH2)−であり;
nは0〜6であり;
Xは独立して各々、S、O、またはNR2であり;
2は水素、アルキル、アルキルオキシ、またはアリールであり;
mは0〜6であり;
Aは独立して各々、不存在、アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルコキシ、−CH=CH−CH=CH−、または−CH=CH−Z−であり(AとAは結合して二環構造を形成し得る);
ZはO、S、またはNRであり;
Rは水素、アルキル、アルキルオキシ、またはアリールであり;
1はハロゲンまたはC1-6アルキルであり;および
Supは固体支持体、樹脂、ポリマー、または高分子構造である]
の化合物またはその医薬的に許容される塩を、適宜有機溶媒中、18-源で反応させて、式(Va):
【化16】

(Va)
の化合物を得て;
(b)適宜過剰の18-を除去し;
(c)適宜有機溶媒を除去し;および
(d)適宜水溶液として生じた生成物を製剤化する
ことを特徴とする、放射性トレーサを製造する方法。
【請求項16】
nが3であり、mが2である、請求項15の方法。
【請求項17】
(a)式(VI):
【化17】

(VI)
(式中、Supは固体支持体、樹脂、ポリマー、または高分子構造である)
の化合物を、適宜有機溶媒中、18-源で反応させて、式(VIa):
【化18】

(VIa)
の化合物を得て;
(b)適宜過剰の18-を除去し;
(c)適宜有機溶媒を除去し;および
(d)適宜水溶液として生じた生成物を製剤化する
ことを特徴とする、放射性トレーサを製造する方法。
【請求項18】
(i)式(I):
【化19】

(I)
[式中、
Supは固体支持体、樹脂、ポリマー、または高分子マトリックスであり;
XおよびYは独立して各々、S、O、または−(CH2)−であり;
nは0〜6であり;および
RはC1-6アルキルである]
の化合物またはその医薬的に許容される塩を含む容器;
(ii)18-源で該容器を抽出する手段;
(iii)過剰の18-を除去するためのイオン交換カートリッジ;および
(iv)式(Ia):
【化20】

(Ia)
[式中、
XおよびYは独立して各々、S、O、または−(CH2)−であり;
nは0〜6であり;および
RはC1-6アルキルである]
の化合物の固相精製用の任意のカートリッジ
を含む、陽電子放射断層撮影に用いられる18F標識トレーサ製造用の放射性医薬キット。
【請求項19】
(i)式(III)
【化21】

(III)
[式中、
Supは固体支持体、樹脂、ポリマー、または高分子マトリックスであり;
XおよびYは独立して各々、S、O、または−(CH2)−であり;
nは0〜6であり;
mは0〜6であり;
Aは独立して各々、不存在、アルコキシ、アルキル、アリールアルコキシ、アリールオキシ、−CH=CH−CH=CH−、または−CH=CH−Z−であり(AとAは結合して二環構造を形成し得る);
ZはO、S、またはNRであり;および
Rは水素、アルキル、アルキルオキシ、またはアリールである]
の化合物を含む容器;
(ii)18-源で該容器を抽出する手段;
(iii)過剰の18-を除去するためのイオン交換カートリッジ;および
(iv)式(IIIa):
【化22】

(IIIa)
[式中、
XおよびYは独立して各々、S、O、または−(CH2)−であり;
nは0〜6であり;
mは0〜6であり;
Aは独立して各々、不存在、アルコキシ、アルキル、アリールアルコキシ、アリールオキシ、−CH=CH−CH=CH−、または−CH=CH−Z−であり(AとAは結合して二環構造を形成し得る);
ZはO、S、またはNRであり;および
Rは水素、アルキル、アルキルオキシ、またはアリールである]
の化合物の固相精製用の任意のカートリッジ
を含む、陽電子放射断層撮影に用いられる18F標識トレーサ製造用の放射性医薬キット。
【請求項20】
(i)式(V):
【化23】

(V)
[式中、
Yは独立して各々、S、O、または−(CH2)−であり;
nは0〜6であり;
Xは独立して各々、S、O、またはNR2であり;
2は水素、アルキル、アルキルオキシ、またはアリールであり;
mは0〜6であり;
Aは独立して各々、不存在、アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルコキシ、−CH=CH−CH=CH−、または−CH=CH−Z−であり(AとAは結合して二環構造を形成し得る);
ZはO、S、またはNRであり;
Rは水素、アルキル、アルキルオキシ、またはアリールであり;
1はハロゲンまたはC1-6アルキルであり;および
Supは固体支持体、樹脂、ポリマー、または高分子構造である]
の化合物またはその医薬的に許容される塩を含む容器;
(ii)18-源で該容器を抽出する手段;
(iii)過剰の18-を除去するためのイオン交換カートリッジ;および
(iv)式(Va):
【化24】

(Va)
[式中、
Yは独立して各々、S、O、または−(CH2)−であり;
nは0〜6であり;
Xは独立して各々、S、O、またはNR2であり;
2は水素、アルキル、アルキルオキシ、またはアリールであり;
mは0〜6であり;
Aは独立して各々、不存在、アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルコキシ、−CH=CH−CH=CH−、または−CH=CH−Z−であり(AとAは結合して二環構造を形成し得る);
ZはO、S、またはNRであり;
Rは水素、アルキル、アルキルオキシ、またはアリールであり;および
1はハロゲンまたはC1-6アルキルである]
の生じた生成物の固相精製用の任意のカートリッジ
を含む、陽電子放射断層撮影に用いられる18F標識トレーサ製造用の放射性医薬キット。
【請求項21】
(i)式(I):
【化25】

(I)
[式中、
Supは固体支持体、樹脂、ポリマー、または高分子マトリックスであり;
XおよびYは独立して各々、S、O、または−(CH2)−であり;
nは0〜6であり;および
RはC1-6アルキルである]
の化合物またはその医薬的に許容される塩を含む容器;および
(ii)18-源で該容器を抽出する手段
を含む、陽電子放射断層撮影に用いられる18F標識トレーサ製造用の放射性医薬キットカートリッジ。
【請求項22】
(i)式(III):
【化26】

(III)
[式中、
Supは固体支持体、樹脂、ポリマー、または高分子マトリックスであり;
XおよびYは独立して各々、S、O、または−(CH2)−であり;
nは0〜6であり;
mは0〜6であり;
Aは独立して各々、不存在、アルコキシ、アルキル、アリールアルコキシ、アリールオキシ、−CH=CH−CH=CH−、または−CH=CH−Z−であり(AとAは結合して二環構造を形成し得る);
ZはO、S、またはNRであり;および
Rは水素、アルキル、アルキルオキシ、またはアリールである]
の化合物を含む容器;および
(ii)18-源で該容器を抽出する手段
を含む、陽電子放射断層撮影に用いられる18F標識トレーサ製造用の放射性医薬キットカートリッジ。
【請求項23】
(i)式(V)
【化27】

(V)
[式中、
Yは独立して各々、S、O、または−(CH2)−であり;
nは0〜6であり;
Xは独立して各々、S、O、またはNR2であり;
2は水素、アルキル、アルキルオキシ、またはアリールであり;
mは0〜6であり;
Aは独立して各々、不存在、アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルコキシ、−CH=CH−CH=CH−、または−CH=CH−Z−であり(AとAは結合して二環構造を形成し得る);
ZはO、S、またはNRであり;
Rは水素、アルキル、アルキルオキシ、またはアリールであり;
1はハロゲンまたはC1-6アルキルであり;および
Supは固体支持体、樹脂、ポリマー、または高分子構造である]
の化合物またはその医薬的に許容される塩を含む容器;および
(ii)18-源で該容器を抽出する手段
を含む、陽電子放射断層撮影に用いられる18F標識トレーサ製造用の放射性医薬キットカートリッジ。
【請求項24】
請求項18の放射性医薬キットを用いるステップを含む、診断用PET画像を得る方法。
【請求項25】
請求項19の放射性医薬キットを用いるステップを含む、診断用PET画像を得る方法。
【請求項26】
請求項20の放射性医薬キットを用いるステップを含む、診断用PET画像を得る方法。

【公表番号】特表2009−504849(P2009−504849A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526203(P2008−526203)
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【国際出願番号】PCT/US2006/031231
【国際公開番号】WO2007/021858
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(503021180)ブリストル−マイヤーズ・スクイブ・ファーマ・カンパニー (10)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB PHARMA COMPANY
【Fターム(参考)】