説明

放射源およびリソグラフィ装置

【課題】 より均一であるEUV放射を提供すること。
【解決手段】 燃料の小滴を相互作用点に送出するように構成された燃料小滴ジェネレータと、プラズマを生成するために燃料蒸発および励起放射を相互作用点に送出するように構成された光学系と、プラズマによって放たれるEUV放射を集光するように構成されたコレクタとを含むEUV放射を生成するように構成された放射源。光学系は、使用中において燃料蒸発および励起放射が相互作用点における燃料小滴の1つより多い側面に入射するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、放射源および放射源を含むリソグラフィ装置に関する。本発明は、リソグラフィ、特に高解像度リソグラフィによる、デバイス、集積回路、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造における使用に適している。
【背景技術】
【0002】
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上、通常、基板のターゲット部分上に付与する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に用いることができる。その場合、ICの個々の層上に形成される回路パターンを生成するために、マスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを用いることができる。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、ダイの一部、または1つ以上のダイを含む)に転写することができる。通常、パターンの転写は、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層上への結像によって行われる。一般には、単一の基板が、連続的にパターニングされる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。
【0003】
[0003] リソグラフィは、ICや他のデバイスおよび/または構造の製造における重要なステップの1つとして広く認識されている。しかしながら、リソグラフィを使用して作られるフィーチャの寸法が小さくなるにつれ、リソグラフィは、小型ICあるいは他のデバイスおよび/または構造を製造できるようにするための最も重要な要因になりつつある。
【0004】
[0004] パターンプリンティングの限界の理論的な推測は、式(1)で示される解像度についてのレイリー基準によって与えられ得る:
【数1】

上の式で、λは、使用される放射の波長であり、NAPSは、パターンを印刷するために使用される投影システムの開口数である。kは、レイリー定数とも呼ばれているプロセス依存調整係数であり、CDは、印刷されたフィーチャのフィーチャサイズ(またはクリティカルディメンジョン)である。式(1)から、フィーチャの最小印刷可能サイズの縮小は、3つの方法:露光波長λを短くすることによって、開口数NAPSを大きくすることによって、あるいはkの値を小さくすることによって達成することができる、と言える。
【0005】
[0005] 露光波長を縮小するため、したがって、最小印刷可能サイズを縮小させるためには、極端紫外線(EUV)放射源を使用することが提案されている。EUV放射源は、約13nm(一般的には5〜20nmの範囲内)の放射波長を出力するように構成されている。したがって、EUV放射源は、小さなフィーチャの印刷を達成するための重大なステップを構成し得る。そのような放射は、極限紫外線または軟X線と呼ばれ、可能な放射源としては、例えば、レーザ生成プラズマ源、放電プラズマ源、または電子蓄積リングからのシンクロトロン放射が挙げられる。
【0006】
[0006] 均一なEUV放射を提供するEUV源を用いることが望ましい。EUV放射における不均一性は、リソグラフィ装置がパターンを基板に投影することができる精度を減少する可能性がある。実際には、完全に均一のEUV放射を提供することは可能でない場合がある。
【0007】
[0007] 少なくとも一部の従来のEUV放射源によって生成されるEUV放射より均一であるEUV放射を提供するように構成されたEUV放射源を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0008】
[0008] 本発明の一態様によると、燃料の小滴を相互作用点に送出するように構成された燃料小滴ジェネレータと、燃料蒸発および励起放射を相互作用点に送出し、それによってプラズマを生成するように構成された光学系と、プラズマによって放たれるEUV放射を集光するように構成されたコレクタとを含み、光学系は使用中において燃料蒸発および励起放射が相互作用点における燃料小滴の1つより多い側面に入射するように構成されている、EUV放射源が提供される。
【0009】
[0009] 本発明の一態様によると、EUV放射を生成するように構成された放射源が提供される。放射源は、燃料の小滴を相互作用点に送出するように構成された燃料小滴ジェネレータと、プラズマを生成するために燃料蒸発および励起放射を相互作用点に送出するように構成された光学系とを含む。光学系は、使用中において燃料蒸発および励起放射が相互作用点における燃料蒸発の1つより多い側面に入射するように構成されている。放射源は、プラズマによって放たれるEUV放射を集光するように構成されたコレクタも含む。
【0010】
[0010] 本発明の一態様によると、燃料の小滴を相互作用点に送出するように構成された燃料小滴ジェネレータと、燃料蒸発および励起放射を相互作用点に送出し、それによってプラズマを生成するように構成された光学系と、プラズマによって放たれるEUV放射を集光するように構成されたコレクタとを含み、光学系は収束する環状分布によって燃料蒸発および励起放射を相互作用点に送出するように構成されている、EUV放射源が提供される。
【0011】
[0011] 本発明の一態様によると、EUV放射を生成するように構成された放射源が提供される。放射源は、燃料の小滴を相互作用点に送出するように構成された燃料小滴ジェネレータと、プラズマを生成するために燃料蒸発および励起放射を相互作用点に送出するように構成された光学系とを含む。光学系は、収束する環状分布によって燃料蒸発および励起放射を相互作用点に送出するように構成されている。放射源は、プラズマによって放たれるEUV放射を集光するように構成されたコレクタも含む。
【0012】
[0012] 本発明の実施形態のEUV放射源は、リソグラフィ装置の一部を形成してもよい。
【0013】
[0013] 本発明の一態様によると、EUV放射を生成するように構成された放射源を含むリソグラフィ装置が提供される。放射源は、燃料の小滴を相互作用点に送出するように構成された燃料小滴ジェネレータと、プラズマを生成するために燃料蒸発および励起放射を相互作用点に送出するように構成された光学系とを含む。光学系は、使用中において燃料蒸発および励起放射が相互作用点における燃料小滴の1つより多い側面に入射するように構成されている。放射源は、プラズマによって放たれるEUV放射を集光するように構成されたコレクタも含む。リソグラフィ装置は、コレクタによって形成されるEUV放射ビームを調整するように構成された照明システムと、パターニングデバイスを支持するように構成されたサポート構造とをさらに含む。パターニングデバイスは、EUV放射ビームの断面にパターンを付与してパターン付けされたEUV放射ビームを形成することが可能である。リソグラフィ装置は、基板を保持するように構成された基板テーブルと、基板のターゲット部分にパターン付けされたEUV放射ビームを投影するように構成された投影システムとをさらに含む。
【0014】
[0014] 本発明の一態様によると、燃料の小滴を相互作用点に送出すること、燃料小滴が蒸発、かつプラズマを形成するように燃料蒸発および励起放射を相互作用点に送出すること、および、プラズマによって放たれるEUV放射を集光し、EUV放射をリソグラフィのために使用することができるビームに形成するためにコレクタを用いることを含み、燃料蒸発および励起放射は相互作用点における燃料蒸発の1つより多い側面に入射する、EUV放射を生成する方法が提供される。
【0015】
[0015] 本発明の一態様によると、EUV放射を生成する方法が提供される。かかる方法は、燃料の小滴を相互作用点に送出すること、燃料小滴が蒸発し、かつプラズマが形成するように燃料蒸発および励起放射が相互作用点における燃料小滴の1つより多い側面に入射するように燃料蒸発および励起放射を相互作用点に送出すること、コレクタを用いてプラズマによって放たれるEUV放射を集光すること、および、リソグラフィにおける使用のためにEUV放射をビームに形成することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
[0016] 本発明のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の概略図を参照して以下に説明する。これらの図面において同じ参照符号は対応する部分を示す。
【図1】[0017] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示す。
【図2】[0018] 図2は、図1のリソグラフィ装置のより詳細ではあるが概略図を示す。
【図3】[0019] 図3は、本発明の一実施形態による放射源の概略的な断面図である。
【図4】[0020] 図4は、図3の放射源の一部の概略的な断面図である。
【図5】[0021] 図5は、本発明の一実施形態による放射源の一部の概略的な断面図である。
【図6】[0022] 図6は、本発明の一実施形態による放射源の概略的な断面図である。
【図7】[0023] 図7は、本発明の一実施形態による放射源の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0024] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置1を概略的に示している。装置1は、放射ビーム(例えば、EUV放射)を生成するように構成された放射源SOと、放射ビームB(例えば、EUV放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構成され、かつ特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置付けるように構成された第1ポジショナPMに連結されているサポート構造(例えば、マスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、かつ特定のパラメータに従って基板を正確に位置付けるように構成された第2ポジショナPWに連結されている基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付けられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成されている投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSとを備える。
【0018】
[0025] 照明システムとしては、放射を誘導し、整形し、または制御するために、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、またはその他のタイプの光コンポーネント、あるいはそれらのあらゆる組合せなどのさまざまなタイプの光コンポーネントを含むことができる。
【0019】
[0026] サポート構造は、パターニングデバイスを支持、つまり、重さを支える。サポート構造は、パターニングデバイスの方向性、リソグラフィ装置1の設計、および、パターニングデバイスが真空環境内で保持されているか否かなどの他の条件に応じた態様で、パターニングデバイスを保持する。サポート構造は、機械式、真空式、静電式またはその他のクランプ技術を使って、パターニングデバイスを保持することができる。サポート構造は、例えば、必要に応じて固定または可動式にすることができるフレームまたはテーブルであってもよい。サポート構造は、パターニングデバイスが、例えば、投影システムに対して所望の位置にあることを確実にすることができる。本明細書において使用される「レチクル」または「マスク」という用語はすべて、より一般的な「パターニングデバイス」という用語と同義であると考えるとよい。
【0020】
[0027] 本明細書において使用される「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分内にパターンを作り出すように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用できるあらゆるデバイスを指していると、広く解釈されるべきである。なお、留意すべき点として、放射ビームに付与されたパターンは、例えば、そのパターンが位相シフトフィーチャまたはいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分内の所望のパターンに正確に一致しない場合もある。通常、放射ビームに付けたパターンは、集積回路などのターゲット部分内に作り出されるデバイス内の特定機能層に対応することになる。
【0021】
[0028] パターニングデバイスの例としては、マスクおよびプログラマブルミラーアレイが含まれる。マスクは、リソグラフィでは公知であり、一般的には、EUV放射リソグラフィ装置では反射型である。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型ミラーのマトリックス配列が用いられており、各小型ミラーは、入射する放射ビームを様々な方向に反射させるように、個別に傾斜させることができる。傾斜されたミラーは、ミラーマトリックスによって反射される放射ビームにパターンを付ける。
【0022】
[0029] 本明細書において使用される「投影システム」という用語は、あらゆる型の投影システムを包含していると広く解釈されるべきである。通常、EUV放射リソグラフィ装置では、光エレメントは反射型である。しかしながら、他の種類の光エレメントを使用してもよい。光エレメントは、真空中にあってもよい。本明細書において使用される「投影レンズ」という用語はすべて、より一般的な「投影システム」という用語と同義であると考えるとよい。
【0023】
[0030] 本明細書に示されているとおり、装置1は、反射型のもの(例えば、反射型マスクを採用しているもの)である。
【0024】
[0031] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブル(および/または2つ以上のマスクテーブル)を有する型のものであってもよい。そのような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使うことができ、または予備工程を1つ以上のテーブル上で実行しつつ、別の1つ以上のテーブルを露光用に使うこともできる。
【0025】
[0032] 図1を参照すると、イルミネータILは、放射源SOによって放射放出ポイントから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置は、別個の構成要素であってもよい。そのような場合には、放射源は、リソグラフィ装置の一部を形成しているとはみなされない場合がある。放射ビームは、放射源SOからイルミネータILへ、例えば、適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムを使って送られる。その他の場合においては、放射源は、リソグラフィ装置の一体部分とすることもできる。放射源SOおよびイルミネータILは、必要ならばビームデリバリシステムとともに、放射システムと呼んでもよい。以下に放射源SOをさらに説明する。
【0026】
[0033] イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調節するアジャスタを含んでもよい。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(通常、それぞれσ-outerおよびσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。さらに、イルミネータILは、インテグレータおよびコンデンサといったさまざまな他のコンポーネントを含んでもよい。イルミネータILは、放射ビームBの断面に所望の均一性および強度分布をもたせるように放射ビームBを調整するために使用することができる。
【0027】
[0034] 放射ビームBは、サポート構造(例えば、マスクテーブルMT)上に保持されているパターニングデバイス(例えば、マスクMA)上に入射して、パターニングデバイスによってパターン形成される。マスクMAによって反射された後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは、基板Wのターゲット部分C上にビームの焦点をあわせる。第2のポジショナPWおよび位置センサIF2(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、または静電容量センサ)を使って、基板テーブルWTを、例えば、様々なターゲット部分Cを放射ビームBのパス内に位置付けるように正確に動かすことができる。同様に、第1のポジショナPMおよび別の位置センサIF1を使い、例えば、マスクライブラリからマスクを機械的に取り出した後またはスキャン中に、マスクMAを放射ビームBのパスに対して正確に位置付けることもできる。通常、マスクテーブルMTの移動は、第1のポジショナPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)を使って達成することができる。同様に、基板テーブルWTの移動も、第2のポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを使って達成することができる。ステッパの場合は(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTは、ショートストロークアクチュエータのみに連結されてもよく、または固定されてもよい。マスクMAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1およびM2と、基板アライメントマークP1およびP2とを使って、位置合わせされてもよい。例示では基板アライメントマークが専用ターゲット部分を占めているが、基板アライメントマークをターゲット部分とターゲット部分との間の空間内に置くこともできる(これらは、スクライブラインアライメントマークとして公知である)。同様に、1つより多いダイがマスクMA上に設けられている場合、マスクアライメントマークは、ダイとダイの間に置かれてもよい。
【0028】
[0035] 例示の装置1は、以下のモードのうち少なくとも1つのモードで使用できる。
【0029】
[0036] 1.ステップモードにおいては、マスクテーブルMTおよび基板テーブルWTを基本的に静止状態に保ちつつ、放射ビームに付けられたパターン全体を一度に(すなわち、単一静止露光)ターゲット部分C上に投影する。その後、基板テーブルWTは、Xおよび/またはY方向に移動され、それによって別のターゲット部分Cを露光することができる。ステップモードにおいては、露光フィールドの最大サイズによって、単一静止露光時に結像されるターゲット部分Cのサイズが限定される。
【0030】
[0037] 2.スキャンモードにおいては、マスクテーブルMTおよび基板テーブルWTを同期的にスキャンする一方で、放射ビームに付けられたパターンをターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一動的露光)。マスクテーブルMTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの(縮小)拡大率および像反転特性によって決めることができる。スキャンモードにおいては、露光フィールドの最大サイズよって、単一動的露光時のターゲット部分の幅(非スキャン方向)が限定される一方、スキャン動作の長さによって、ターゲット部分の高さ(スキャン方向)が決まる。
【0031】
[0038] 3.別のモードにおいては、プログラマブルパターニングデバイスを保持した状態で、マスクテーブルMTを基本的に静止状態に保ち、また基板テーブルWTを動かす、またはスキャンする一方で、放射ビームに付けられているパターンをターゲット部分C上に投影する。このモードにおいては、通常、パルス放射源が採用されており、さらにプログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの移動後ごとに、またはスキャン中の連続する放射パルスと放射パルスとの間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、前述の型のプログラマブルミラーアレイといったプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0032】
[0039] 上述の使用モードの組合せおよび/またはバリエーション、あるいは完全に異なる使用モードもまた採用可能である。
【0033】
[0040] 図2は、放射源SO、イルミネータILおよび投影システムPSを含む図1の装置をより詳細に示す。放射源SOは、プラズマ2から極端紫外線(EUV)を生成する。プラズマ2は、燃料小滴ジェネレータ20によって生成されるSnまたはGdのような適した燃材料の小滴上にレーザ放射(図2に図示せず)を誘導することによって生成される。レーザ放射は小滴を蒸発させ、それによってプラズマ2を生成する。
【0034】
[0041] プラズマ2によって放たれるEUV放射は、EUV放射ビームBを形成するためにコレクタ3によって集光される。EUV放射ビームBは、格子スペクトルフィルタ7へと誘導される。次いでEUV放射ビームは、格子スペクトルフィルタ7から中間焦点8へと進む。中間焦点8は、放射源SO内のアパーチャにおける仮想放射源ポイント8として作用する。EUV放射ビーム9は、第1および第2法線入射リフレクタ10および11を介してサポート構造MT上に位置付けされたパターニングデバイスMA(例えば、マスク)へとイルミネータIL内で反射される。パターン付けされたEUV放射ビーム12が形成され、これは、投影システムPSにおいて第1および第2反射エレメント13および14を介して基板テーブルWT上で保持されている基板Wに結像される。イルミネータILおよび投影システムPS内には、通常、図示されたものよりも多くのエレメントが存在し得る。
【0035】
[0042] 図3は、図1および図2の放射源SOの一部を概略的に示す。第1、第2および第3ミラー31〜33を含む光学系が、コレクタ3とともに図3に示される。ミラー31〜33は、相互作用点2aにおける燃料小滴に入射するようにレーザビーム30を誘導し、それによってプラズマ2を形成するように構成されている。コレクタ3は、プラズマ2によって放たれるEUV放射を集光し、EUV放射をEUV放射ビームに形成する。
【0036】
[0043] 図3は二次元で示されているが、ミラー31〜33(およびコレクタ3)は三次元である。第1ミラー31は円錐形であり、外側反射面を有する。このミラーを以下において円錐ミラー31と呼ぶ。第2ミラー32はフラスト円錐形であり、内側反射面を有する。このミラーを以下においてフラスト円錐ミラー32と呼ぶ。ミラー構成の第3のミラー33は略フラスト円錐形であるが、凹状の内側反射面を有する。略フラスト円錐形という用語は、フラスト円錐形状に近似しているが、(例えば、光パワーを提供するために)多少の曲率を含むので完全にフラスト円錐形ではないミラーを含んでいると解釈されてもよい。第3ミラーを以下において曲面ミラー33と呼ぶ。本実施形態では、ミラー31〜33は、ミラーの光軸であると考えられ得る軸Oに対して回転対称である。一実施形態では、ミラー31〜33は非回転対称であってもよい。
【0037】
[0044] 使用中、燃料小滴は燃料小滴ジェネレータ(図2では20)から相互作用点2aへと進む(燃料小滴はコレクタ3と曲面ミラー33との間を通る)。レーザ(図示せず)は、プラズマ2を生成するために燃料小滴を蒸発および励起させることに適した波長のレーザビーム30を生成する。例えば、レーザはCOレーザである。レーザビーム30はコリメートされてもよい。
【0038】
[0045] ディスク状の断面を有し得るレーザビーム30は、図3では4つの矢印によって表されている。レーザビームは円錐ミラー31に入射し、この円錐ミラー31は光軸Oに対して横方向にレーザビームを反射させ、それによって半径方向に伝搬するレーザ放射30aを提供する。半径方向におけるこのレーザ放射の反射は、光軸Oに対する円錐ミラー31の反射面によって規定される45度の角度αから生じる。反射したレーザビームの幅は、片側30lは円錐ミラー31の先端によって、かつ反対側30rは入射レーザビーム30の外周によって規定される。
【0039】
[0046] フラスト円錐ミラー32は、レーザ放射が環状分布30bにおいて光軸Oに平行して伝搬するように半径方向に延在するレーザ放射30aを反射させる。このレーザ放射の反射は、光軸Oに対するフラスト円錐ミラー32の反射面によって規定される45度の角度βから生じる。
【0040】
[0047] 曲面ミラー33は、環状に分布したレーザ放射30bを収束する環状に分布したレーザ放射30cとして反射させる。レーザ放射30cは、プラズマ2が形成される相互作用点2aへと合焦される。合焦されたレーザ放射30cは、相互作用点2aにおける燃料小滴を蒸発させ、それによってEUV放射を放つプラズマ2を生成する。
【0041】
[0048] 図3に示される光学系(ミラー31〜33)の構成は、プラズマ2がコレクタ3と組み合わせてより均一なEUV放射ビームを提供するという方法で相互作用点2aの照明を提供する。この文脈では、「より均一な」という用語は、従来技術で知られている従来の方法で(すなわち、レーザビームがコレクタ3の中心にあるアパーチャを通り抜けることによって)相互作用点が照明された場合より均一であることを意味する。
【0042】
[0049] 図3に示されるミラーの構成がなぜ好都合であるかを理解しやすくするために、EUV放射が燃料小滴から生成される方法を説明する。レーザビームが燃料小滴に入射した場合、結果として生じるプラズマは入射レーザビームの伝搬の方向に沿って、かつ入射レーザビームの伝搬の方向に逆らってEUV放射を放つ。EUV放射は他の角度でも放たれるが、放たれたEUV放射の強度は入射レーザビームの軸に対して規定された角度が大きくなるにつれて小さくなる。EUV放出プラズマによって放たれる放射の強度は、入射レーザ放射30cの軸の中心の周りの強度プロフィールによってフィットされてもよい。強度プロフィールは、例えば、ガウス、ランバートまたは放物線の形態に基づいてもよい。
【0043】
[0050] 従来の放射源では、プラズマ2はコレクタ3の中心におけるアパーチャを通り抜けたレーザビームによって生成される。この状況では、放たれたEUV放射の最も高い強度部分は、コレクタ3の中心およびコレクタの隣接領域に向かって進む。より低い強度放射は、コレクタ3の外側領域に向かって放たれる。この影響は、放射源によって形成されるEUV放射ビームにおける不均一性を上げる。具体的には、EUV放射の強度は、実質的にEUV放射ビームの端よりEUV放射ビームの中心において大きい。EUV放射ビームの断面に渡るこの望ましくない強度変動は、以下に説明するように、コレクタの形状および可変反射率から生じる影響によって増加する。
【0044】
[0051] コレクタ3は、(従来技術と本発明の実施形態との両方において)部分的に楕円として形成されてもよい。コレクタ3の相互作用点2aは楕円の第1焦点に配置され、中間焦点8(図2を参照)は楕円の第2焦点に配置される。コレクタ3は部分的に楕円であるので、コレクタの中心はコレクタの外側領域より相互作用点2aに近い。この距離の差は重要であり得る。例えば、コレクタ3の外側領域は、コレクタの中心より相互作用点2aから30%より多く、40%より多くまたは50%より多く離れている。例えば、コレクタの中心領域は相互作用点2aから20cmであり、コレクタの外側領域は相互作用点から30cmより大きい。コレクタ3の中心領域はコレクタの外側領域より相互作用点2aに近いため、中心領域は外側領域より高い強度のEUV放射を受ける(これはプラズマ2によって放たれるEUV放射が均一であった場合でも起こる)。コレクタ3が受けるEUV放射の強度の変動は、コレクタが中心領域からより高い強度EUV放射を、そして外側領域からより低い強度EUV放射を反射させる。
【0045】
[0052] コレクタ3によって反射されるEUV放射の強度の変動は、コレクタ3がEUV放射を反射させる態様からも生じ得る。コレクタ3は複数の層から形成された反射面を有する。複数の層は、90度(垂直)で入射するEUV放射が建設的干渉を起こし、それによって反射されたEUV放射ビームを形成するように層間隔を有する。コレクタ3の楕円形状は、コレクタ3の中心の近くに入射するEUV放射がほぼ垂直の入射角を有する一方、コレクタの外側領域に入射するEUV放射は垂直からは程遠い入射角を有する。この結果として、コレクタの中心に近いEUV放射は、コレクタの外側領域におけるEUV放射よりさらに効率的に反射される。
【0046】
[0053] 上記の3つの影響はそれぞれ、従来の放射源を用いて形成されるEUV放射ビームがEUV放射ビームの中心の近くでより強く、EUV放射ビームの中心から離れるとあまり強くならないようにする。3つの影響は協同し(すなわち、それら全てが合わせられる)、それによってこの望ましくない強度変動の大きさを増大させる。
【0047】
[0054] 図3に示すミラー構成は、放射源によって生成されるEUV放射ビームの強度の望ましくない変動を減少させる(従来の放射源と比較して)。強度変動のこの減少の一つには、光軸Oに存在しないレーザ放射30cによる相互作用点2aの照明から生じる。
【0048】
[0055] EUV放射ビームの減少した強度変動は、レーザ放射30cが相互作用点2aにおける燃料小滴の1つより多い側面に入射するという事実から生じ得る。強度変動は、例えば、レーザ放射30cが燃料小滴2の1つの側面のみに入射した場合に見られるときよりも小さい。図3は、燃料小滴の2つの側面(上および下から)に入射しているレーザ放射30cを示す。しかしながら、図3は三次元装置(上記で説明したように)の概略図であるので、レーザ放射30は燃料小滴の2つより多くの側面に入射すると考えられてもよい。
【0049】
[0056] 合焦されたレーザ放射30cは、光軸Oに対する角度γで相互作用点2aにおける燃料小滴に入射する。例えば、角度γは、45度より大きく、60度より大きく、70度より大きく、あるいは80度より大きい。角度は90度であってもよい。結果として生じるプラズマ2は、図4に概略的に示される強度分布を有するEUV放射を放つ。例示の簡便性のために、図4は、曲面ミラー33の1つの側面のみから相互作用点2aへと進む合焦されたレーザ放射30cを示す。
【0050】
[0057] プラズマ2は、点線40によって概略的に示される強度分布を有するEUV放射を放つ。点線40は、本発明の実施形態を分かりやすくするために放たれたEUV放射の強度分布の概略的な表示を意図しており、放たれたEUV放射の強度分布の正確な表示を意図してはいない。
【0051】
[0058] 図4から分かるように、より高い強度のEUV放射がコレクタ3aの外側領域に向かって放たれる一方、より低い強度のEUV放射がコレクタ3bの中心領域に向かって放たれる。
【0052】
[0059] さらに上述したように、コレクタ3の外側領域3aは、コレクタの中心領域3bより相互作用点2aから離れている。これは、プラズマ2によって放たれるより高い強度のEUV放射がコレクタ3に対してより遠く進まなければならない(EUV放射はコレクタの外側領域3aへと進む)一方、より低い強度のEUV放射はコレクタ3に対して少ない距離進む(EUV放射はコレクタの中心領域3bへと進む)ことを意味する。より高い強度のEUV放射はコレクタ3に対してより遠くに進まなければならないので、EUV放射は一度コレクタ3に届くとより幅広い範囲の角度に渡って広がる。したがって、EUV放射はコレクタに入射したときにはあまり強くはない。より低い強度の放射は、コレクタに対して少ない距離進み、より小さい範囲の角度に渡って広がる。したがって、より小さい強度の減少を受ける。それにより、コレクタ3の楕円形状から生じる強度変動はプラズマから放たれる放射の強度変動40と逆の考え方で作用する。
【0053】
[0060] さらに上述したように、コレクタ3の反射率は、EUV放射がコレクタに入射する角度に依存する。この影響もプラズマから放たれる放射の強度変動40と逆の考え方で作用する。
【0054】
[0061] コレクタ3の外側領域3aに向かってより高い強度のEUV放射を放つプラズマを生成し、かつコレクタ3の外側領域3aで反射されるEUV放射の強度を減少させることによって、従来の放射源によって提供されるEUV放射ビームより均一であり得るEUV放射ビームが提供される。
【0055】
[0062] 図4は、単一のビームとして相互作用点2aに入射するレーザ放射30cを示す。しかしながら、曲面ミラー33の形は略フラスト円錐形であるため、レーザ放射30cは単一のビームとしてよりむしろ収束する環状分布として相互作用点2aに入射する。したがって、レーザ放射30cは複数の異なる側面から相互作用点2aに入射する。同様に、プラズマ2によって放たれるEUV放射は、図4に示される二次元分布40よりむしろ三次元分布を有する。この三次元分布を概念的に示すことができる一方法は、二次元分布40を光軸Oの周りで回転することである。
【0056】
[0063] レーザ放射30cは収束する環状分布として相互作用点2aに入射するため、レーザ放射30cは光軸Oに対して1つより多い角度を規定してもよい。したがって、一部の場合において角度γは様々な範囲の角度であってもよい。
【0057】
[0064] 図5は、図3に示されたものに類似した光学系31〜33の構成を示す。しかしながら、図5では曲面ミラー33はフラスト円錐ミラー32にかなり近い。結果的に、曲面ミラーは、レーザ放射30cを約100度の角度γで相互作用点2aに向かって誘導する。例えば、角度γは、135度より小さく、120度より小さく、110度より小さく、あるいは100度より小さい。角度γ90度であってもよい。
【0058】
[0065] 図5に示される光学系31〜33が用いられた場合、燃料小滴はジェネレータ(図2では20)から曲面ミラー33の外側(すなわち、曲面ミラーの右)を越えて相互作用点2aへと進んでもよい。
【0059】
[0066] 上述したように、曲面ミラー33は、レーザ放射30cを90度の角度γで相互作用点2aへと誘導するように位置付けされてもよい。このような場合においては、曲面ミラー33は相互作用点2aを囲んでもよい。燃料小滴が燃料小滴ジェネレータから相互作用点2aへと進むことを可能にするように開口部が曲面ミラー33に設けられてもよい。
【0060】
[0067] さらに上述したように、曲面ミラー33は、レーザ放射30cが相互作用点2aで合焦されるように形作られている。相互作用点2aにおけるレーザ放射の強度を強めるためにレーザ放射の多少の合焦が望ましいが、曲面ミラー33によってレーザ放射の合焦を提供するとは限らない。図6に示される別の構成では、フラスト円錐ミラー32は曲面ミラー32aに置き換えられ、曲面ミラー33はフラスト円錐ミラー33aに置き換えられている。図6に示されるミラー31、32aおよび33aは、レーザ放射の合焦が曲面ミラー32aによって提供されることを除いては図3に示されるミラーと同等の方法で働く。曲面ミラー32aから相互作用点2aへの光路長は図3の曲面ミラー33から相互作用点2aへの光路長より大きいため、曲面ミラー32aの光パワーは少ない(光パワーは、レーザ放射30が相互作用点2aで合焦されるように選択される)。
【0061】
[0068] 一実施形態(図示せず)では、円錐ミラー31は、レーザ放射30の合焦が円錐ミラーで始まるように曲面反射面を有してもよい。一般には、ミラー構成のミラー31〜33のうちの1つ以上は湾曲して(すなわち、光パワーを有する)いてもよい。
【0062】
[0069] 図3〜図5に示される本発明の実施形態の光学系は、円錐ミラーおよび略フラスト円錐形である2つのミラー(1つ以上がいくらかのフォーカス光パワーを提供し得る)を含む。これらのミラーは、収束する環状分布へと形成されるレーザ放射によって相互作用点2aの照明を提供する(収束点が相互作用点と一致する)。しかしながら、相互作用点2aがレーザ放射の収束する環状分布によって照明されるとは限らない。例えば、相互作用点は2つ以上の放射ビーム(例えば、2つのビーム、3つのビーム、4つのビームまたはそれ以上)によって照明されてもよい。2つ以上の放射ビームは、相互作用点2aにおける燃料小滴の2つ以上の側面に入射する。
【0063】
[0070] 図3を再び参照すると、第1ミラー31は、例えば、円錐ミラーの代わりに図の平面へと延在する2つの長方形ミラー(以下、第1平面反射ミラー31と呼ぶ)を含む。第2ミラー32は、フラスト円錐ミラーの代わりに図の平面へと延在する2つの平面ミラー(以下、第2平面ミラー32と呼ぶ)を含んでもよい。第3ミラー33は、略フラスト円錐ミラーの代わりに図の平面へと延在する2つの略平面であるが湾曲したミラーを含んでもよい。略平面であるが湾曲したミラーという用語は、光パワーを有していない場合には平面であるが、ミラー自体の光パワーを提供する曲率を有するミラーを意味する。略平面であるが湾曲したミラーは、以下においてフォーカスミラー33と呼ぶ。フォーカスミラー33は、図の平面の中で湾曲していることに加えて、図の平面に対して横方向に湾曲していてもよい。それによってフォーカスミラー33は、図の平面の中および図の平面に対して横方向にレーザ放射30cの合焦を提供することができる。
【0064】
[0071] 上述したミラーは、相互作用点2aにおける燃料小滴へと合焦される2つのレーザ放射ビームを生じさせる。
【0065】
[0072] 別の構成では、2つの長方形ミラーを含む第1ミラー31の代わりに、第1ミラーは四角錘として構成される4つの三角形ミラーを含んでもよい。さらに、4つの平面ミラー32および4つの曲面ミラー33を設けてもよい。これは相互作用点2aへと合焦される4つのレーザビームを生じさせる。
【0066】
[0073] さらなる別の構成では、2つの長方形ミラーを含む第1ミラー31の代わりに、第1ミラーは三角錐として構成される3つの三角形ミラーを含んでもよい。さらに、3つの平面ミラー32および3つの曲面ミラー33を設けてもよい。これは相互作用点2aへと合焦される3つのレーザビームを生じさせる。
【0067】
[0074] あらゆる他の数のミラーを使用してもよい。
【0068】
[0075] 図7は、本発明の一実施形態を概略的に示す。図7では、中心にアパーチャ40を有するコレクタ3が提供される。透過型フォーカスレンズ41は、コレクタの後方に配置され、アパーチャ40と同軸である(レンズ41とアパーチャ40の双方は光軸O上に存在する)。曲面ミラー42は、コレクタ3に対して相互作用点2aの反対側に設けられる。アパーチャ43は曲面ミラー42の中心に設けられ、かかるアパーチャは光軸上に存在する。透過型フォーカスレンズ41と曲面ミラー42とは共に、レーザ放射30を相互作用点2aへと送出するように構成された光学系を含む。
【0069】
[0076] 使用中、レーザビーム30はレンズ41へと誘導され、かかるレンズ41はレーザビームを焦点44へと合焦させる。焦点44は、コレクタ3におけるアパーチャ40内(またはその近く)に存在する。焦点44を一度通り過ぎると、レーザ放射は様々な範囲の角度に渡って発散する。発散するレーザ放射における放射線の例は、矢印30dで表されている。曲面ミラー42は、発散するレーザ放射を集光し、かつ収束する環状に分布されたレーザ放射30eとして相互作用点2aへと合焦させる。
【0070】
[0077] 相互作用点2aへと送出される燃材料の小滴は合焦されたレーザビームによって蒸発および励起され、それによってEUV放出プラズマ2を形成する。プラズマ2は様々な範囲の角度に渡ってEUV放射を放つ。入射放射ビームは様々な範囲の角度に渡って相互作用点に入射するため、プラズマによって放たれるEUV放射の分布は、図4に概略的に示されるものより複雑であり、図7には示されていない。EUV放射は様々な範囲の角度に渡って分布される。
【0071】
[0078] コレクタ3はEUV放射を集光し、例えば、曲面ミラー42に設けられたアパーチャ43に配置されるかまたはその近くに配置される中間焦点へと合焦させる。
【0072】
[0079] 曲面ミラー42は二次元でのみ示されているが、この曲面ミラー42は三次元ミラーであり、例えば、楕円形、放物線状または他の適した形を有してもよい。
【0073】
[0080] 従来の放射源と比較して図7に示される本発明の実施形態の潜在的利点は、レーザビーム30eが単に直線レーザビームとしてではなく様々な範囲の角度に渡って相互作用点2aを照明するという事実から生じる。プラズマ2は、従来の放射源より幅広い範囲の角度に渡ってEUV放射を生成する。したがって、コレクタ3によって集光されるEUV放射は、従来の放射源によって形成されるEUV放射ビームより均一であり得るEUV放射ビームを形成する。
【0074】
[0081] 図7に示される本発明の実施形態は、図3〜図6に示される実施形態と異なる。しかしながら、全ての実施形態は、一方向からのみ相互作用点に入射する単一のレーザビームによって相互作用点2aを照明しないことで共通する。その代わりとして、相互作用点は、収束する環状に分布されたレーザ放射によって、または複数の異なる箇所から相互作用点に入射する複数のレーザ放射ビームによって照明される。
【0075】
[0082] 図3〜図6に示される本発明の実施形態は、従来のEUV源と比較して長いレーザ放射30のパス長を含む。しかしながら、パス長の増大は、レーザ放射が既に通ったパス長の比較的小部分であり得る。例えば、図3に示されるミラーは、約1〜2メートルの追加のパス長を足す。しかしながら、レーザ放射は、円錐ミラー31に入射する前に既に15メートル進んでいる場合がある。結果的に、2メートルによるパス長の増大は、レーザ放射に対してわずかな影響を与え得る。
【0076】
[0083] 本発明の実施形態は、従来の放射源によって形成されるものと比較してEUV放射ビームの均一性の改善を提供することができる。これはコレクタ3の形の変更なしに達成することができる。コレクタ3の形に関しては少しの柔軟性が可能である。これは、相互作用点2aが楕円の第1焦点に配置され、かつEUV放射ビームの中間焦点が楕円の第2の焦点にあるようにコレクタが楕円形を有することが望ましいからである。
【0077】
[0084] 本発明を用いてEUV放射ビームの均一性を改善することは、リソグラフィ装置のイルミネータIL(図1および図2を参照)がより均一な照明モードを提供することを可能にし得るので有利であり得る。この均一な照明モードは、次に、投影システムPSが改善された精度を用いてパターニング手段MAから基板Wにパターンを投影すること可能にし得る。
【0078】
[0085] 本発明の実施形態は、従来のEUV源によって提供されるEUV放射と比較して改善された均一性を有するEUV放射ビームを提供することができる。EUV放射ビームの均一性を改善することはできるが、EUV放射ビームが完全に均一であるとは限らない。
【0079】
[0086] 略フラスト円錐形という用語は、光学系のいくつかのミラーに関して上記で用いられた。この用語は、フラスト円錐形状に近似しているが、(例えば、光パワーを提供するために)多少の曲率を含むので完全にフラスト円錐形ではないミラーを含んでいると解釈されてもよい。
【0080】
[0087] 燃料蒸発および励起放射が、燃料の励起の際、光軸Oに沿って伝搬するEUV放射ビームの方向と実質的に異なる方向にさらに伝搬し、マスクを照明して基板をパターニングするために用いられることが理解されたい。結果的に、蒸発および励起放射による、照明システムまたは投影システムのスペクトル純度フィルタおよびミラー要素といったEUV放射ビームの光路に沿った光エレメントに対する有害な影響は、上述した実施形態にてさらに緩和することができる。
【0081】
[0088] 本発明の説明された実施形態は、プラズマ2を形成するためにレーザ放射30、30a〜eを用いて燃料小滴を蒸発および励起させることに言及した。しかしながら、レーザビームを用いることは絶対的ではない。レーザとは別の放射源によって生成される放射が用いられてもよい。一般には、燃料小滴を蒸発および励起させるために用いられる放射は、燃料蒸発および励起放射と呼ぶことができる。
【0082】
[0089] 本発明の説明された実施形態は、小滴ジェネレータ20から相互作用点2aへと燃料小滴を送出する様々な方法に対して言及した。これらは、コレクタ3と曲面ミラー33との間に燃料小滴を通過させること、燃料小滴を曲面ミラー33の外側(すなわち、曲面ミラーの右側)に通すことを含む。これらの方法は燃料小滴を光軸Oに垂直な方向から送出するが、燃料小滴は光軸Oに垂直ではない方向から送出されてもよい。
【0083】
[0090] 本明細書において、集積回路の製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的な言及がなされているが、本明細書記載のリソグラフィ装置が、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造といった他の用途を有し得ることが理解されるべきである。
【0084】
[0091] 本明細書で使用される「放射」および「ビーム」という用語は、文脈によっては、紫外線(UV)(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nm、または126nmの波長、またはおよそこれらの値の波長を有する)を含むあらゆる種類の電磁放射を包含している。
【0085】
[0092] 上記の説明は、制限ではなく例示を意図したものである。したがって、当業者には明らかなように、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本記載の発明に変更を加えてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
EUV放射を生成するように構成された放射源であって、
燃料の小滴を相互作用点に送出するように構成された燃料小滴ジェネレータと、
プラズマを生成するために燃料蒸発および励起放射を前記相互作用点に送出するように構成された光学系であって、使用中において前記燃料蒸発および励起放射が前記相互作用点における前記燃料小滴の1つより多い側面に入射するように構成されている、光学系と、
前記プラズマによって放たれるEUV放射を集光するように構成されたコレクタと
を含む、放射源。
【請求項2】
前記光学系は、前記コレクタの外周を越えるように前記燃料蒸発および励起放射を誘導し、次に前記相互作用点に向かって前記燃料蒸発および励起放射を誘導するように構成されたミラーを含む、請求項1に記載の放射源。
【請求項3】
前記光学系は、前記相互作用点を越えるように前記燃料蒸発および励起放射を誘導し、次に前記相互作用点に向かって前記燃料蒸発および励起放射を誘導するように構成されたミラーを含む、請求項1に記載の放射源。
【請求項4】
前記光学系は、前記燃料蒸発および励起放射が前記燃料小滴に入射したときに前記燃料蒸発および励起放射が前記コレクタの光軸に対して45度から135度の間の角度を規定するように構成されている、請求項1に記載の放射源。
【請求項5】
前記光学系は、前記燃料蒸発および励起放射が前記燃料小滴に入射したときに前記燃料蒸発および励起放射が前記コレクタの前記光軸に対して70度から110度の間の角度を規定するように構成されている、請求項4に記載の放射源。
【請求項6】
前記光学系は、前記燃料蒸発および励起放射が前記燃料小滴に入射したときに前記燃料蒸発および励起放射の少なくとも一部が前記コレクタの光軸に対して90度の角度を規定するように構成されている、請求項1に記載の放射源。
【請求項7】
前記光学系は、外側反射面を有する円錐ミラーおよび内側反射面を有する2つの略フラスト円錐ミラーを含む、請求項1に記載の放射源。
【請求項8】
前記ミラーの少なくとも1つは、前記燃料蒸発および励起放射が前記相互作用点に向かって合焦される光パワーを有する、請求項7に記載の放射源。
【請求項9】
前記光学系は、略平面の外側反射面を有する円錐またはピラミッド型のミラー、および少なくとも4つの略平面のミラーを含む、請求項1に記載の放射源。
【請求項10】
前記ミラーの少なくとも1つは、前記燃料蒸発および励起放射が前記相互作用点に向かって合焦される光パワーを有する、請求項9に記載の放射源。
【請求項11】
前記光学系は、収束する環状分布によって前記燃料蒸発および励起放射を前記相互作用点に送出するようにさらに構成されている、請求項1に記載の放射源。
【請求項12】
EUV放射を生成するように構成された放射源であって、
燃料の小滴を相互作用点に送出するように構成された燃料小滴ジェネレータと、
プラズマを生成するために燃料蒸発および励起放射を前記相互作用点に送出するように構成された光学系であって、使用中において前記燃料蒸発および励起放射が前記相互作用点における前記燃料小滴の1つより多い側面に入射するように構成されている、光学系と、
前記プラズマによって放たれるEUV放射を集光するように構成されたコレクタと
を含む放射源と、
前記コレクタによって形成されるEUV放射ビームを調整するように構成された照明システムと、
前記EUV放射ビームの断面にパターンを付与してパターン付けされたEUV放射ビームを形成することが可能であるパターニングデバイスを支持するように構成されたサポート構造と、
基板を保持するように構成された基板テーブルと、
前記基板のターゲット部分に前記パターン付けされたEUV放射ビームを投影するように構成された投影システムと
を含む、リソグラフィ装置。
【請求項13】
燃料の小滴を相互作用点に送出すること、
前記燃料小滴が蒸発し、かつプラズマを形成するように燃料蒸発および励起放射が前記相互作用点における前記燃料小滴の1つより多い側面に入射するように前記燃料蒸発および励起放射を前記相互作用点に送出すること、
コレクタを用いて前記プラズマによって放たれるEUV放射を集光すること、および、
リソグラフィにおける使用のために前記EUV放射をビームに形成すること
を含む、EUV放射を生成する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−8683(P2013−8683A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−177503(P2012−177503)
【出願日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【分割の表示】特願2009−247188(P2009−247188)の分割
【原出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】