説明

放射線の少ないカバーガラスとその用途

【課題】放射線の少ないガラスに求められる要件を高度に満たすガラス組成を提供することである。
【解決手段】本発明は、特に半導体テクノロジーにおける、放射線に敏感なセンサのための放射線の少ないカバーガラスに関するもので、α自己放射が少なく、アルミノケイ酸塩ガラス、アルミノホウケイ酸塩ガラス、特に無アルカリのホウケイ酸塩ガラスから選ばれ、TiO含有量が0.1重量%超10重量%以下の範囲、特に1−8重量%の範囲であるガラス組成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は放射線の少ないカバーガラスとその用途に関するものである。
【背景技術】
【0002】
CCDセンサなど半導体ベースのセンサには、パッケージングのために非常に放射線の少ないガラスが必要となる。そのようなCCDセンサ(Charge-coupled Device:電荷結合素子)は光検出用の集積回路であり、デジタルカメラまたはビデオカメラに使用され、また、光に敏感な電子部品であるため光の強度の位置分解測定(ラスタが密)に使われる。CCDは半導体から構成されているため、半導体センサに分類される。
【0003】
このようなセンサでは特にα放射による影響が特に重要なものとして考慮される。CCDセンサへの放射線照射の悪影響については、非特許文献1および特許文献1などに記述されている。たとえばガラス内に放射性物質のウランとトリウムが微量存在する場合、このガラスでカバーされたセンサはその放射線、特にそのα放射線により重大な悪影響を受ける。
【0004】
α自己放射の低いガラスは既知であり、従来の技術によりガラス内における特にウランとトリウムの不純物は制御され、可能な限り低レベルに抑えられている。たとえば特許文献1では、一つのパッケージに収められたカラーフィルタ付画像センサが記述されている。ここではパッケージ上部にカバーガラスがあり、センサに向かい合っている。ガラス内のウランとトリウムの含有量は合わせて30ppb以下である。特許文献1においてセンサに悪影響を与える好ましくないその他の不純物質として、鉄とチタンが挙げられているが、これらの含有量は合わせて30−100ppmを超えてはならないとされている。
【0005】
ウランとトリウムは特にα放射線を放射するが、また、β放射線およびγ放射線も放射し、このことについては、たとえば非特許文献2に記述している。そのためβ放射線およびγ放射線の自己放射も低いガラスを製造するために、ガラスがカリウムを含まないようにすることが提案されたが、これは、カリウム、ウラン、トリウムといった物質が既知の放射源として多くの鉱物および岩石内に微量およびごく微量含まれているからである。したがってこの場合は特許文献2または特許文献3などに記述されているように、カリウムを含まないガラスを用いることが推奨される。
【0006】
特許文献2では、KO含有量が0.2質量%未満に調整されたカバーガラス、特にホウケイ酸塩ガラスが開示されている。α放射線を放射する物質の含有量は一般的に100ppb以下であり、Fe、TiO、PbO、ZrOの量は、ウラン、トリウム、ラジウムなどのα放射線を発する物質と区別するのが困難であるため、そのガラス内での含有量は100ppm以下とするとされている。それでもガラスから放射されるα放射線は0.05カウント/cmhを超えてはならないとされている。
【0007】
同様に、特許文献3には、ウラン含有量50ppb以下、トリウム含有量50ppb以下、およびKOをほぼ含まないホウケイ酸塩ガラスのガラスが記述されている。β放射は5×10−6μCi/cm未満の値に抑えられる。ここではまた、ZrOまたはBaOは可能な限り含まれないようにと記述されているが、それは、これらの酸化物の材料と同時に存在することが多いウランまたはトリウムによるさらなる負荷を避けるためである。
【0008】
すでに述べたように、放射線の少ないガラスの製造において、放射線の少ない材料を使用するのは目的にかなっている。このような材料とはウランおよびトリウム含有量が低い材料である。このとき、特に酸化ケイ素のウランおよびトリウム含有量が低いことに注意する必要があるが、それは、この材料が通常50重量%超の割合で含まれているからである。
【0009】
さらに、ウランおよびトリウム含有量を制御するだけでは不十分であることが判明した。また、発明者は、α放射線の少ないガラスのためには、ウランとトリウムの含有量が低いことは必要条件ではあるが、十分な条件ではないことを示すことができた。驚くべきことに、ウランおよびトリウムの含有量がそれぞれ10ppb未満のガラスから0.2カウント/cmhという有意に高いα放射線が発せられることが示された。この放射線は、ウランとトリウムの崩壊生成物であるラジウムから発生したものである。ウランとトリウムは地球物理学的および地球化学的な過程で分離することができるが、出発原料内のラジウムは残る。この過程は製造者が化学的工程で実施できるため、すでに記述したようにウランおよびトリウム含有量だけでなく、ラジウム含有量も個別に制御できる。
【特許文献1】特開平04−308669公報
【特許文献2】特開平2000−233939公報
【特許文献3】特開平2001−185710公報
【特許文献4】特開平2004−238283公報
【特許文献5】特開平2002−198504公報
【特許文献6】特開平2000−086281公報
【非特許文献1】TECHNICAL NO. TH−1087
【非特許文献2】K.H.リーザー著「核化学概説」(K.H.Lieser, Einfuehrung in die Kernchemie 1980年、4頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって本発明の課題は、放射線の少ないガラスに求められる要件を高度に満たすガラス組成を提供することである。そのようなガラスは、従来の技術とは異なり、組成についての制限がなるべく少ないこと、さらに、バリエーションがなるべく多いことが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、特に半導体テクノロジーにおける、放射線に敏感な(放射性感受性の)センサのために放射線が少なく、α自己放射も少ない本発明のカバーガラスで解決することができ、アルミノケイ酸塩ガラス、アルミノホウケイ酸塩ガラス、特に無アルカリのホウケイ酸塩ガラスから選ばれ、そのガラス組成におけるTiO含有量が0.1超、10重量%以下の範囲、特に1−8重量%である。驚くべきことに、本発明のガラス組成におけるTiO含有量は、従来の技術で上限とされていた100ppmを超えている。特に、既知の従来の技術とはまったく異なり、そのようなガラス組成にはチタン含有量が高いという長所がある。チタン含有量は、望ましくは1.5−7重量%の範囲、特に望ましくは2−6重量%の範囲、さらに望ましくは3−5重量%の範囲にある。
【0012】
ホウケイ酸塩ガラス(例:Borofloat 33、Borofloat 40、BK 7、Duran、D 263。Schott AG社(マインツ))などのアルカリを含むフロートガラスは、無アルカリガラス(例:AF 37、AF 45。Schott AG社(マインツ))、アルミノケイ酸塩ガラス(例:Fiolax、Illax。Schott AG社(マインツ))、アルカリ土類ガラス (例:B 270。Schott AG社(マインツ))、LiO−Al−SiOフロートガラスまたは鉄含有量が100ppb未満の脱色フロートガラスと同様に使用できるのが望ましい。
【0013】
「放射線の少ない」または「自己放射が少ない」という概念は、本発明の枠内においては、これらの物質から放射されるα放射線の量が、付近にあるセンサに悪影響を与えない程度の量であるということを意味する。α放射線に関しては、特に特許文献4において、放射が十分に低いガラスを記述するために放射強度0.0015カウント/cm×h未満という値が求められている。この値は同時に、そこで用いられた測定装置の検出限界でもある(LACOM−4000、検出面積:4000cm、製造:住友)。
【0014】
したがって、本発明のカバーガラスのα放射は0.0020カウント/cmh未満、特に望ましくは0.0015カウント/cmh未満、さらに望ましくは0.0013カウント/cmh未満であることが望ましい。場合によっては、放射強度を0.0010カウント/cm×h未満に個別に調整することもできる。特に望ましい実施形態においては、記述した放射強度の値を下回るように、製造されるガラスのウランおよびトリウム含有量が選択される。本発明においては驚くべきことに、特許文献4、特許文献5、特許文献6といった従来の技術において記述されたウランおよびトリウム含有量のそれぞれ5ppbという上限値を超えても、予想されたような深刻な悪影響がα放射に対して起こらないことが判明した。希望する使用法にとっては、望ましくは20ppb以下、特に15ppb以下、さらに望ましくは10ppb以下という下限値でもまったく十分な値であった。これは、たとえば密度2.51g/cmのガラス内におけるα放射線の到達距離がおよそ20μmであるからであり、このことは、本発明の結果に限定されるものではない。つまり、ガラス内の表面から20μmの範囲にあるα放射性物質のみが、センサ表面へのα放射に関与するということである。
【0015】
したがって、望ましくはウランおよびトリウム含有量を20ppb未満、望ましくは15ppb未満、特に10ppb未満に調整するだけでなく、ラジウム含有量も望ましくは20ppb未満、さらに望ましくは15ppb未満、特に望ましくは10ppb未満に調整される。
【0016】
本発明のガラスに対して、低いα自己放射に加えて低いβ放射またはγ放射が求められる場合、これはカリウムを含まないガラスで実現できる。この場合、記述されたガラス組成内のカリウム含有量はゼロである。特に望ましくはカバーガラスはほぼ無アルカリ、つまり、工程上の条件でやむを得ず生じる不純物を除いて無アルカリとすることができる。本発明においては望ましくはガラス組成のγ放射を2.00Bq/g未満、望ましくは1.67Bq/g未満に設定する。しかし、β放射またはγ放射は、本発明の、放射線に敏感なセンサを半導体の分野において使用する際には通常無視できるため、実際にはほとんど関係がない。
【0017】
α放射、オプション的にβ放射またはγ放射の値は望ましくは個々の出発原料において測定され、特に望ましくは融解したガラスにおいて再度制御される。
【0018】
本発明による、TiO含有量が高く、放射線の少ないカバーガラスのためのガラス組成の例は、以下に示す組成(酸化物をベースとした重量%)から一つ選択することができる。
SiO 60−70重量%
NaO 1−10重量%
O 0−20重量%、特に5重量%超8重量%以下
ZnO 0−10重量%
Al 0−10重量%
0−10重量%
TiO 0.1重量%超10重量%以下、特に1−8重量%
Sb 0−2重量%
【0019】
TiO含有量の高いその他のガラス組成は以下の組成(酸化物をベースとした重量%)から一つ選択することができる。
SiO 48−58重量%
BaO 10−30重量%、特に20−30重量%
1−15重量%
Al 0−20重量%
As 0−5重量%、特に0−2重量%
SrO 0−3重量%
CaO 0−5重量%
このとき、BaOの1−2重量%はTiOと交換されていてもよい。
このガラス組成においてTiO含有量が0.1−10重量%であることが望ましい。
【0020】
ガラス組成においてBaOを使用する場合、ラジウムを含むバリウムを使用するとα放射の割合が大きく高まるため、これを使用しないことに特に注意が必要である。
【0021】
TiO含有量の高いその他のガラス組成は、以下の組成(酸化物をベースとした重量%)から一つ選択することができる。
SiO 45−70重量%、特に60−70重量%
1−20重量%、特に10−15重量%
Al 0−20重量%、特に5−10重量%
NaO 1−10重量%、特に1−5重量%
BaO 1−10重量%、特に5−10重量%
ZnO 1−5重量%、特に1−2重量%
As 0−2重量%、特に0.1−1重量%
TiO 1−5重量%、特に1−2重量%
【0022】
放射線の少ないカバーガラスの上記のガラス組成は、本発明のもう一つの側面において望ましいウランおよびトリウム含有量を示すが、それによりα放射の放射強度は望ましくは0.0020カウント/cmh未満、望ましくは0.0015カウント/cmh未満、特に望ましくは0.0013カウント/cmh未満となる。すでに述べたように、この場合のウランとトリウムの下限値はそれぞれ望ましくは20ppbで十分であるが、さらに望ましくは含有量が15ppb未満、特に10ppb未満であることが望ましく、これにより、トリウムおよびウラン含有量が10ppbを大きく下回るように行う、コストのかかる洗浄工程が不要になる。特に望ましい実施形態においては、本発明のカバーガラスのラジウム含有量は20ppb未満、望ましくは15ppb未満、特に望ましくは10ppb未満に調整される。これにより、チタンが存在しても、α自己放射を適切に低減したガラス組成を用意することができるが、このα自己放射は望ましくは0.0020カウント/cmh未満、さらに望ましくは0.0015カウント/cmh未満、特に望ましくは0.0013カウント/cmh未満である。
【0023】
特に望ましいのは、希土類の物質の割合を可能な限り抑えることである。したがって、以下に挙げる物質は、記述した最大値以下であることが望ましい。
ネオジム 0.5ppm、望ましくは0.2−0.4
ガドリニウム 0.5ppm、望ましくは0.1ppm
ハフニウム 0.5ppm、望ましくは0.3−0.4ppm
サマリウム 0.1ppm
【0024】
したがって本発明の、TiOを高い割合で含むガラスは、驚くべきことに、製造方法に関わらず、希望する用途に使うことができる。
【0025】
特許文献3、特許文献5、特許文献6などの文献に代表される従来の技術においては、二酸化チタンを含むガラスは記述されていない。そのうえ、二酸化チタンの存在は可能な限りすべて避けるべきとされている。しかし二酸化チタンは、ガラスのアルカリ溶液耐性を高めるために特に重要な構成要素である(Horst Scholze, Glas - Natur, Struktur und Eigenschaften ホルスト・ショルツェ、「ガラスの性質、構造、特性」、325−326ページ、出版:Springer Verlag 1988)。しかし特許文献2の開示とは対照的に、本発明においては驚くべきことに、上記のTiO含有量を持つガラスであっても、ウランとトリウムおよびラジウムの含有量をそれぞれ望ましくは20ppb未満、さらに望ましくは15ppb未満、特に望ましくは10ppb未満とすることも可能であり、そのため、α放射が0.0020カウント/cmh未満、特に望ましくは0.0015カウント/cmh未満、さらに望ましくは0.0013カウント/cmh未満であるガラスを製造できることが示された。
【0026】
本発明による放射線の少ないカバーガラスは望ましくはドロー法、特にダウンドロー法またはアップドロー法、またはフロート法により製造される。しかし本発明においては従来の技術で既知のその他の方法を用いることも可能である。
【0027】
本発明はまた、本発明の放射線の少ない、チタンを多く含むカバーガラスを、半導体テクノロジーの分野、特に放射線に敏感なセンサに使用することも対象としている。
【0028】
本発明には非常に多様な長所がある。
【0029】
本発明の組成を使用することにより初めて、チタンが含まれているにも関わらず、半導体テクノロジー分野における放射線に敏感なセンサのための放射線の少ないガラスとして求められる要件を大幅に満たすことができるガラスを提供できる。驚くべきことに、従来の技術とは対照的に、チタン含有量が高いガラス組成も長所となる。したがって、本発明のTiO含有量の高いガラスは、予想外に、製造法や放射線の少ないガラスの基礎組成に関わりなく、求められる用途に使用することができる。
【0030】
以下の実施例により本発明の組成を説明する。これらの実施例は、可能な手段の例示としてのみ理解されるべきであり、本発明がこれらに限定されるわけではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に、実施例に基づいて本発明を説明する。
【0032】
ダウンドロー法により本発明のガラスが以下の組成で製造され、製造された平面ガラスの幅はそれぞれ430mmであった。ガラスの厚さは0.3−0.8mmであった。
ガラス組成I
SiO 64.8重量%
NaO 6.25重量%
O 6.7重量%
ZnO 5.6重量%
Al 4.2重量%
7.9重量%
TiO 4.0重量%
Sb 0.55重量%
計 100重量%
ガラス組成II
SiO 50.3重量%
BaO 20.0重量%
12.7重量%
TiO 4.7重量%
Al 11.3重量%
As 0.7重量%
SrO 0.20重量%
CaO 0.1重量%
計 100重量%
ガラス組成III
SiO 65重量%
11.5重量%
Al 5.0重量%
NaO 5.7重量%
BaO 6.5重量%
ZnO 4.5重量%
As 0.2重量%
TiO 1.6重量%
計 100重量%
【0033】
本発明により製造されたカバーガラスは放射が少なく、ウラン、トリウム、ラジウムの含有量はそれぞれ10ppbの範囲であった。全体のα放射の値は、0.0013カウント/cmh未満であり、放射線に敏感なセンサのためのガラスとして適している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に半導体テクノロジーにおける、放射線に敏感なセンサのための放射線の少ないカバーガラスであって、α自己放射が少なく、ガラス組成は、アルミノケイ酸塩ガラス、アルミノホウケイ酸塩ガラス特に無アルカリのホウケイ酸塩ガラスから選ばれ、TiO含有量は0.1重量%超、10重量%以下の範囲、特に1−8重量%であるカバーガラス。
【請求項2】
請求項1に記載の放射線の少ないカバーガラスにおいて、チタン含有量が1.5−7重量%の範囲、特に望ましくは2−6重量%の範囲、さらに望ましくは3−5重量%の範囲にあることを特徴とするカバーガラス。
【請求項3】
請求項1または2に記載の放射線の少ないカバーガラスにおいて、該カバーガラスのα放射が0.0020カウント/cmh未満、望ましくは0.0015カウント/cmh未満、特に望ましくは0.0013カウント/cmh未満であることを特徴とするカバーガラス。
【請求項4】
請求項1から3の少なくとも一つの請求項に記載の放射線の少ないカバーガラスにおいて、該カバーガラスのγ放射が2.00Bq/g未満、望ましくは1.67Bq/g未満であることを特徴とするカバーガラス。
【請求項5】
請求項1から4の少なくとも一つの請求項に記載の放射線の少ないカバーガラスにおいて、該ガラス組成のKO含有量が0−20重量%、特に5重量%超、8重量%以下であることを特徴とするカバーガラス。
【請求項6】
請求項1から5の少なくとも一つに記載の放射線の少ないカバーガラスにおいて、このカバーガラスが以下の組成(酸化物をベースとした重量%)から一つ選択されることを特徴とするカバーガラス。
SiO 60−70重量%
NaO 1−10重量%
O 0−20重量%、特に5重量%超、8重量%以下
ZnO 0−10重量%
Al 0−10重量%
0−10重量%
TiO 0.1重量%超、10重量%以下、特に1−8重量%
Sb 0−2重量%
【請求項7】
請求項1から5の少なくとも一つに記載の放射線の少ないカバーガラスにおいて、このカバーガラスが以下の組成(酸化物をベースとした重量%)から一つ選択されることを特徴とするカバーガラス。
SiO 48−58重量%
BaO 10−30重量%
1−15重量%
Al 0−20重量%
As 0−2重量%
SrO 0−3重量%
CaO 0−5重量%
このとき、BaOの1−2重量%はTiOと交換されていてもよい。
【請求項8】
請求項7に記載の放射線の少ないカバーガラスにおいて、該ガラス組成のTiO含有量が0.1−10重量%、特に1−6重量%であることを特徴とするカバーガラス。
【請求項9】
請求項7に記載の放射線の少ないカバーガラスにおいて、用いられるBaOにラジウムが全くまたはほとんど含まれていないことを特徴とするカバーガラス。
【請求項10】
請求項1から5の少なくとも一つに記載の放射線の少ないカバーガラスにおいて、このカバーガラスが以下の組成(酸化物をベースとした重量%)から一つ選択されることを特徴とするカバーガラス。
SiO 45−70重量%、特に60−70重量%
1−20重量%、特に10−15重量%
Al 0−20重量%、特に5−10重量%
NaO 1−10重量%、特に1−5重量%
BaO 1−10重量%、特に5−10重量%
ZnO 1−5重量%、特に1−2重量%
As 0−2重量%、特に0.1−1重量%
TiO 1−5重量%、特に1−2重量%
【請求項11】
前記請求項1から10の少なくとも一つに記載の放射線の少ないカバーガラスにおいて、該カバーガラスのウランおよびトリウム含有量がそれぞれ20ppb未満、望ましくは15ppb未満、特に望ましくは未満10ppbであることを特徴とするカバーガラス。
【請求項12】
前記請求項1から11の少なくとも一つに記載の放射線の少ないカバーガラスにおいて、該カバーガラスのラジウム含有量が20ppb未満、望ましくは15ppb未満、特に望ましくは10ppb未満であることを特徴とするカバーガラス。
【請求項13】
請求項1から12の少なくとも一つに記載の放射線の少ないカバーガラスにおいて、該ガラスがほぼカリウムを含まないこと、望ましくはほぼ無アルカリであることを特徴とするカバーガラス。
【請求項14】
前記請求項1から13の少なくとも一つに記載の放射線の少ないカバーガラスにおいて、該放射線の少ないカバーガラスの厚みが0.03−20mm、特に0.1−5mmであることを特徴とするカバーガラス。
【請求項15】
前記請求項1から14の少なくとも一つに記載の放射線の少ないカバーガラスを半導体テクノロジーの分野、特に放射線に敏感なセンサに使用すること。

【公開番号】特開2007−126346(P2007−126346A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−3002(P2006−3002)
【出願日】平成18年1月10日(2006.1.10)
【出願人】(504299782)ショット アクチエンゲゼルシャフト (346)
【氏名又は名称原語表記】Schott AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr.10,D−55122 Mainz,Germany
【Fターム(参考)】