説明

放射線供給のための光学的コンポーネントを備えている治療及び診断用のシステム及び方法

診断用放射線を発するための少なくとも1つの第一の放射線源、治療用放射線を発するための少なくとも1つの第二の放射線源及び人間又は動物の体表又は体内の腫瘍部位へ放射線を伝導するのに適する少なくとも1本の放射線導体を備えている、人間又は動物の双方向型治療及び診療のためのシステム及び方法。非機械的動作モード・セレクタは、放射線導体を通じて治療用放射線及び/又は診断用放射線を腫瘍部位へ導く。動作モード選択手段は、非機械的光学スイッチ及び/又は光学コンバイナであることが望ましい。このシステムは、双方向型組織内光力学腫瘍治療に使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に言って、被験者の治療及び診断のためのシステム及び方法に関するものである。より特定して言うと、このシステム及び方法は、人間及び動物の腫瘍治療及び診断のためのシステム及び方法に関するものである。さらに特定して言うと、本発明は、人間又は動物の体表及び/又は体内のある部位の光力学療法(PDT)及び/又は光熱療法(PTT)及び/又は光力学診断(PDD)のためのシステム及び方法に関するものであり、このシステム及び方法において、放射線による反応を得るために部位へ非電離電磁放射線が伝導され、システムは少なくとも1つの放射線源から反応部位へ及び/又は反応部位から少なくとも1つの放射線センサへそれぞれ放射線を送るための少なくとも1つの動作モード選択素子を備え、かつ反応部位は一般に悪性腫瘍など腫瘍を持つ腫瘍患部である。
【背景技術】
【0002】
腫瘍の治療分野において、悪性腫瘍を治療するために多数の治療方式が開発されており、手術、細胞増殖抑制治療、電離放射線(ガンマ放射線又は粒子放射線)を用いる治療、アイソトープ療法及び放射能針を用いる近接照射療法などが一般的な治療法の例である。治療分野においての進歩は目覚しいが、腫瘍は依然として多くの人間の苦痛の原因となっており、西側諸国において死因の大きな割合を占めている。比較的新しい治療法である光力学療法(一般にPDTと略される)は、治療分野において興味深い補完療法又は代替療法である。一般に先駆物質又は感作物質と呼ばれる腫瘍探索物資は経静脈、経口で又は局所的に投与される。一般に腫瘍探索物質は周囲の健康な組織より高い割合で悪性腫瘍に蓄積する。その後、通常レーザーから非熱赤色光が腫瘍領域に照射されて、感作物質の励起をより活動的状態に導く。活性化された感作物質から組織の酸素分子へのエネルギー伝達を通じて、酸素はその通常の三重項状態から励起一重項状態に転移される。一重項酸素は特に組織に有毒なものとして知られており、細胞は根絶され、組織は壊死する。感作物質を腫瘍細胞に限定するので、固有の選択性が得られ、周囲の健康な組織は傷つけられない。特にヘマトポルフィリン派生物(HPD)及びδアミノレブリン酸(ALA)を用いた臨床実験は良好な結果を示している。
【0003】
感作物質は、物質が可視光線又は紫外線によって励起されると、さらに有益な特性を呈することもできる。すなわち、物質が可視光線又は紫外線によって励起されると、より長い波長に変化した特徴的な蛍光信号を生じる。この信号は、組織の内生蛍光(これは自発蛍光とも呼ばれる)と明らかに対照的に現れ、腫瘍の場所の特定及び組織における感作物質の摂取の規模の数量化に使用される。
【0004】
組織における活性化放射線の透過が限定されることがPDTの大きな欠点である。臨床結果では、表面照射によって厚み約5mm未満の腫瘍しか治療できなかった。もっと厚くかつ/又は根深い腫瘍を治療するために、組織内PDT(IPDT)を利用することができる。この場合、例えば注射針のルーメンに光ファイバを入れて、光伝導光ファイバが、腫瘍へ送り込まれる。
【0005】
効果的な治療結果を得るために、全ての腫瘍細胞が充分な光量を受けて有毒な一重項状態が得られるようにするために数本のファイバが使用されている。組織の吸収及び拡散特性の線量計算を行うことが可能であることが証明されている。例えば、スウェーデン国特許第503408号において、治療のため並びに他のファイバから組織を通じて透過してあるファイバに達する光束の測定のために6本のファイバが使用されるIPDTシステムについて説明されている。このようにして、正確な光線量の計算を腫瘍のあらゆる部分について改良することができる。
【0006】
スウェーデン国特許第503408号の開示によれば、単一のレーザーからの光は多数のかさばる機械的及び光学的コンポーネントを備えているビームスプリッタ・システムを用いて6つの異なる部分に分割される。次に、光は6本の個別の治療用ファイバの各々に焦点を結ぶ。1本のファイバはトランスミッタとして使用され、その他のファイバは、組織を透過する放射線のレシーバとして使用される。光の測定のために、光検出器が機械的にビーム経路に振り入れられて、ビーム経路が遮断され、組織に与えられる光を集めたファイバから発する弱い光が測定される。
【0007】
しかし、このような開放型のビーム経路は非常に損失の大きいビームスプリッティングを生じて、その結果生じる光の損失は、配光並びに光の測定に悪影響を及ぼす。さらに、この種のシステムは、度々光学的な調整を行わなければならず、これも臨床治療に関して大きな欠点となる。このシステムは、また、大型で重いので、使いやすい装置に組み入れることが難しい。
【0008】
欧州特許第0280397号は、視覚手段に画像を搬送するための中央干渉性ファイバ束を有する滅菌可能な小径内視鏡を開示している。ファイバ束は光ファイバによって取り囲まれる。内視鏡の近位端は、光ファイバ束を視覚手段の光学システムと整合させるため及び光源から光ファイバに沿って検査対象の体腔まで光を送るための光伝送手段との間のインターフェイスとなるための結合手段を備える。この装置は、癌細胞の検出及び光線療法によるその治療に使用することができる。検査対象である組織に色素を付着させた後、励起レーザー光周波数に曝す。癌細胞は特徴的な蛍光周波数で蛍光を発する。蛍光は検出されて、ビデオモニタに表示され、この蛍光と同じ周波数を持つ光が光線療法のために光ファイバを通じて細胞へ送られる。しかし、単一波長の光源を使用することしか開示されていないので、光源を手動で交換しなければ複数の診断を行うことは不可能である。さらに、光ファイバの異なる配置間の切換えが不可能である。すなわち、全てのファイバが常に同じ機能を持つ(光入力又は出力)。欧州特許第0280397号において言及される結合手段は、使用前に組み立てられるとき二部内視鏡を通る光の経路を調節するためにのみ使用される。さらに、癌の部位へ治療用光線を導くため及び内視鏡を通じて診断用光線を戻すために異なるファイバが使用される。異なる動作モード間で供給が行われない。この解決法は、たとえば腫瘍の双方向型治療も断層撮影マッピングも提供しない。国際公開公報第02074339号は、蛍光コバラミンを用いることによって腫瘍組織を光力学的に診断するための装置及び方法を開示している。この蛍光コバラミンは、(a)癌細胞及び組織を健康な細胞及び組織から区別し、(b)ある個人がコバルミン療法用生体結合体を用いる化学療法に明確に反応するか否かを決定する、ために、診断用マーカー及び予想用マーカーとして使用される。手術用テレスコープ装置の近位端に結合されるカメラを有している装置が開示されている。手術用テレスコープ装置は、診断のために非白色光で組織を照らして、発せられる蛍光を検出するために使用される。赤色(非白色)及び白色光源を含む二重光源の使用が開示されている。白色光源は従来通り組織の照明に使用される。交互に光源を切り換えるためのスイッチについて言及されている。スイッチは音声起動、機械的操作(フットペダル)、光学的操作又は電子的操作のものとすることができる。2つの光源の間で切り換えるために機械的又は電気機械的制御を受けるミラー又はプリズムを使用できることを除いて、スイッチについてはそれ以上詳しく説明されていない。その代わりに、物理的に分離される2つの出力を有する光源が開示されている。この場合、組織の照明源を切り換えるために、外科用テレスコープ装置に入力される光を2つの出力の間で動かさなければならない。この装置は治療には適さない。治療は、従来通り、外科医が蛍光手段によって検出された癌性組織を取り除くことによって行われる。従って、この装置は、双方向型診断及び治療には適さない。さらに、異なる診断又は治療モードの間で切り換えるために適するスイッチについての指摘がない。さらに、開示される装置は実質的に表面的診断又は治療しか行わず、間質組織を診断又は治療することはできない。この装置は、また、既存の体腔に限定されており、単一の光ファイバに比べて内視鏡プローブがかさばり大きいと言う欠点を有する。
【0009】
欧州特許第0195375号は、レーザー血管手術用カテーテルを開示している。この装置は、この目的用の光ファイバを備えているカテーテルを通じて送られる励起光に対する反応として蛍光を検出することによって、アテローム斑沈着を検出するために使用される。プラークへ励起光を送るため及びプラークから蛍光を受け取るために、同じファイバを使用することができる。プラークが検出されたら、カテーテル内の選択されたファイバを通じて高エネルギー光を送ることによってプラークを除去することができる。ただし、このシステムは、腫瘍の診断又は治療には適さない。照射されるファイバは、相互に整合させるために光源かファイバを動かす純粋に機械的な配列によって、選択される。この装置も、上記の内視鏡と同様単一ファイバに比べてかさばり、既存の体腔に限定され、実質的に表面的に作用する。さらに、選択的ではない。すなわち、不健全か健全かに関係なく、ターゲットとなった全ての組織が破壊される。
【0010】
従って、双方向型の組織内治療の洗練された方法を実現するためにPDD、PDT及びPTT用のシステムにおいて放射線を供給することができるようにする新たなコンパクトな装置が必要とされる。1つの解決法は、例えば損失の多いビームスプリッタを避けて、例えば自動較正を可能にするなど、異なる動作モード間で切り換えるための洗練された機械構造を使用することであろう。
【0011】
上記の問題に対するこの種の機械的解決法は、国際出願第PCT/SE02/02050号において提案されており、この装置においては、相互に対して相対的に回転する2枚のディスクを有する放射線ディストリビュータが説明されている。放射線ディストリビュータは、このディスクにおけるファイバの相互に対して相対的な回転運動によって様々な動作モード間で光ファイバを結合する。患者体内へ通じる1本のファイバに対する数個の光源間で切り換えるために、合計4枚のディスクを持つアセンブリが説明されている。
【0012】
ただし、これらの機械的な構造は、上述の既知のIPDTシステムの改良であり、上述の問題は解決されるが、これらの機械的解決法は、双方向型組織内治療システムなど治療・診断システムの異なるモード間の切換え時間を制限する例えば機械的慣性などに関係するその他の制限を有する。
【0013】
従って、人間又は動物の治療及び診断用のシステムにおいて放射線の供給を可能にする新しい又はコンパクトなシステムが必要とされる。この場合、治療及び診断はPDD、PDT及びPTTを含む。
【0014】
本発明によって解決すべきさらなる問題は、例えばコンポーネントの磨耗などの、コンポーネントの修理を減らす解決策を提供し、PDT、PTT及びPDDを備えている治療及び診断用装置の信頼性を改良することである。さらに、光ファイバの回転が避けられ、それにより、装置の必要寸法が減り、信頼性が増す。さらに、本発明によって解決すべき別の問題は、異なる動作モード間で切り換える時に公知の装置の操作時に生じる騒音及びノイズを実質的に減らす又はなくすことである。
【発明の開示】
【0015】
本発明は、付属の特許請求の範囲に記載されるシステム及び方法を提供することによって、技術的に上記の欠陥を克服し、少なくとも上記の問題を解決する。このシステム及び方法において、必要とする空間が最小であるシステムによって、診断及び線量測定のために様々な放射線測定を統合的かつ単純な方法で行うことができる非常に実用的かつ効率的な双方向型IPDTが得られる。本発明の重要な用途は、双方向型組織内光力学療法及び/又は双方向型光熱腫瘍治療である。
【0016】
本明細書において使用される「放射線」という用語は、本発明の分野すなわち光力学療法(PDT)及び/又は光熱療法(PTT)及び/又は光力学診断(PTT)に適する放射線を意味する。より特定して言うと、この放射線は、「光学的」放射線すなわち赤外線(IR)、可視光線又は紫外線の波長範囲内の非電離電磁放射線である。これは、また、本発明の実施態様及び本発明を定義する特許請求の範囲内の放射線源、放射線導体、放射線センサ、放射線スイッチなどに関係する。すなわち、これらの「放射線」の源、導体又はセンサは、上記の放射線を発生、伝導、測定などするのに適する。
【0017】
本発明の1つの態様によれば、人間又は動物の治療及び/又は診断用のシステムは、診断用放射線を発するための少なくとも1つの第一の放射線源と、前記放射線導体のうち少なくとも1本を通じて前記部位へ治療用放射線を発するための少なくとも1つの第二の放射線源と、前記人間又は動物の体表又はその体内の部位へ放射線を伝導するのに適する少なくとも1本の第一の放射線導体とを備えている。このシステムは、前記治療用放射線又は前記診断用放射線を光学的に前記少なくとも1つの第一放射線導体を通して前記部位へ指向する、動作モード選択手段を備えている。本発明の一実施態様によれば、人間又は動物の治療及び/又は診断用のシステムは、双方向の組織内光力学療法及び/又は光熱療法及び/又は腫瘍診断のためのシステム及び方法である。
【0018】
光学的原理に基づく非機械的スイッチ素子の使用により、機械的構成に対していくつかの利点がある。とりわけ、これらの利点は、異なるシステム動作モード(診断、光力学治療、温熱治療)間で切り換え速度が高く、システムが小型で安定しており、光学的パラメータが優れており、コンポーネントの機械的磨耗がないことと、かつシステムの素子のライフサイクル中において切り換えるより多くのサイクルに起因して、システムの寿命が長く、切り換え騒音がなく、患者には快適さが増す。
【0019】
本発明をより詳細に説明するために、添付図面を参照しつつ以下に本発明の複数の実施態様について説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に本発明によるシステムの様々な実施態様について図面を参照しながら説明する。実施態様の説明を単純化するために、図に示される同様の素子の参照番号は全ての図面において必ずしも繰り返されない。
【0021】
本発明の第一の実施態様によるシステム100の全体的説明は、図1を参照しながら行う。従って、双方向型IPDTは少なくとも1つの診断用放射線源110を含む。診断用放射線源110は診断用放射線を発生する。少なくとも1つの診断用放射線源110から発せられる放射線は診断用放射線結合モジュール120に入る。放射線は光学的放射線導体111によって送られることが望ましい。一般的に言って、この実施態様の説明において説明される放射線導体は光ファイバなど光導体である。診断用放射線結合モジュール120は、1本又はそれ以上の放射線導体122を通じて少なくとも1つの対応する動作モード選択モジュール140へ放射線を供給する。放射線導体122への診断用放射線の結合は、診断用放射線結合モジュール120によって行われ、結合モジュールは、例えば非機械的光学スイッチ又はその代わりに非機械的光学スイッチと直列の又は光学コンバイナと直列の光学コンバイナを含む。これについては、下でさらに詳しく説明する。
【0022】
診断用放射線は、図1に示される通りさらに動作モード選択モジュール140のうちの1つに伝導される。各動作モード選択モジュール140の目的は、診断用放射線源110のうちの1つからの診断用放射線又は治療用放射線源130からの治療用放射線を放射線導体142のうちの1本を通じて患者の治療部位101へ案内することである。これらの放射線導体142は、全て反応部位101へ放射線を送ることができ、かつ反応部位から放射線を受け取ることができる。このようにして、いくつもの測定値を同時に記録し、読み取ることができる。ファイバ142の各々は、近位で別個の動作モード選択モジュール140に結合される。例えば、ファイバ141は、図1において複数の動作モード選択モジュール140/治療用放射線源130のうちの第一の動作モード選択モジュールとして示される動作モード選択モジュール140に結合される。ファイバ142の遠位端は、患者を効果的に診断又は治療できるようにするために治療部位の様々な位置に適切に配置される。さらに、動作モード選択モジュール140は、ファイバ142の遠位端から戻される放射線を動作モード選択モジュール140へさらに少なくとも1つの放射線検出器150へ結合する。その代わりに、異なる感度を持つ複数の検出器が使用されるか、あるいは例えば各動作モード選択モジュールに1つの検出器が使用される。治療部位101からの放射線は、放射線導体152によって放射線検出器150へ送られる。図において、放射線導体151は一番上に描かれる動作モード選択モジュール140から放射線導体150へ通じる導体として示されている。動作モード選択モジュール140は、例えば非機械的光学スイッチ又は光学コンバイナを含むことができる。光学コンバイナを主体とする動作モード選択モジュール140の実施態様については、図4を参照しながら下でさらに詳しく説明する。
【0023】
図2は、診断用放射線結合モジュール120が2つの放射線ディストリビュータ・コンポーネント210及び220に分割される、双方向型組織内治療システムのもう1つの実施態様を示している。放射線ディストリビュータ210は、図に示される通り(N×1)放射線ディストリビュータすなわちN個の放射線入力及び1つの放射線出力を有する放射線ディストリビュータである。図に示される例において、放射線ディストリビュータ210は3×1放射線ディストリビュータであり、単一の出力は(1×n)放射線ディストリビュータ220に結合される。ここで、nは動作モード選択モジュール125の数並びに治療部位へ又は治療部位から通じる放射線導体142の数である。放射線ディストリビュータ210、220は、動作モード選択モジュール140と同様、例えば非機械的光学スイッチ又は光学コンバイナを含むことができる。例の放射線ディストリビュータ210、220については、放射線ディストリビュータ210、220及び選択モジュール140のための非機械的光学スイッチ及び/又はコンバイナの異なる組合せが例えばシステムの性能に関して異なる利点を有することを示す図3及び5を参照して、さらに詳しく説明する。
【0024】
図3に示されるシステムは、光学3×1コンバイナ310及び非機械的光学1×6スイッチ320並びに6つのモジュール325における動作モード・セレクタとしての光学コンバイナ330を含む。組織内治療のために、6つの治療用放射線源130、望ましくはレーザー光線モジュールが6つの光学コンバイナ330に結合される。各光学コンバイナ330は、治療動作モードにおいて治療用放射線が対応する放射線導体142を通じて治療部位101へ結合されるように作用する。診断動作モードに切り換えるために、治療用放射線源はオフに切り換えられ、その後3つの診断用放射線源110のうちの1つが起動される。このようにして、診断用放射線はコンバイナ310へ伝導され、コンバイナにおいて、活動中の診断用放射線源からの放射線は、非機械的光学スイッチ320へ通じるコンバイナの出力へ結合される。非機械的光学スイッチ320は、入力放射線を、モジュール325のうちの1つに含まれる対応する光学コンバイナ330へ通じる出力放射線導体122へ結合する。診断用放射線は、図3に示される通り、コンバイナ330からコンバイナ330に接続される放射線導体142を経て治療部位へ送られる。このようにして、診断用放射線は、治療部位に、また部分的に残りの5本の放射線導体にまで及び、一部は反射して戻される。患者からの診断用放射線は、コンバイナ330を経て放射線検出器150へ送られる。このようにして、5つ(=(N−1))の測定値が得られる。その後、非機械的光学スイッチ320は、放射線源110からの入力診断用放射線を次のモジュール325に含まれる次のコンバイナ330に切り換える。このようにして、さらに5つの測定値が得られる。6つのモジュール325の全てが起動されるまでこの測定手順が繰り返されるので、5の6倍(=30)の測定値が得られる。この30の測定値は、治療の過程で腫瘍の様々な部分に蓄積される光線量の断層モデリングのための入力データとして使用することができる。この測定手順は、残りの診断用放射線源について繰り返すことができ、30の3倍(n*N*(N−1))すなわち90の断層測定値が得られる。また、部位101で照明放射線コネクタから反射する診断用放射線は診断用に使用することができる。
【0025】
コンバイナ310は、例えばPolymicro Technologies又はSedi Fibres Optiquesから市販されるファイバ・コンバイナとすることができる。
【0026】
非機械的光学スイッチ320の基礎として、Piezosystem Jena社又はAgiltron社から市販される光ファイバ・スイッチを使用することができる。コンバイナ330の作動原理は図4に示される通りである。コンバイナ330もPolymicro Technologiesから市販されるファイバ・コンバイナを基礎とすることができる。コンバイナは、3本の入力ファイバ401−403を有し、放射線は、これらのファイバに沿って矢印421〜423によって示される方向に送られる。ファイバ401〜403は、矢印411によって示される通り長さに沿って共に1本のファイバに引き寄せられる。すなわち401、402、403及び424の接合部で融合される。コンバイナ全体は、矢印410によって示される長さを有する。このようにして、放射線は、ファイバ401及び402を経て単一のファイバ400へ送られ、単一のファイバ400からの放射線は反対方向に主にファイバ403へ送られる。図3による実施態様において、ファイバ401は、治療用放射線源に接続され、ファイバ402は診断用放射線源に接続され、ファイバ403は放射線検出器に接続される。コンバイナ330は、組織部位101から生じる診断用放射線の主要部分を、ファイバ400を経てファイバ403へ送るように作ることができ、時にはかすかな診断用放射線を効率よく使用できるようにすることができる。コンバイナは、ファイバ401、402からファイバ403へ直接放射線を送らない。
【0027】
図5は、非機械的光学スイッチ510が異なる診断用放射線源間の切換えを行う、本発明によるシステムのさらに別の実施態様を示す略図である。さらなる非機械的光学スイッチ530が、動作モード・セレクタとして作用し、治療用放射線源が治療部位へ結合されるか、診断用放射線源が治療部位へ結合されるか、あるいは治療部位が放射線検出器へ結合される。非機械的光学スイッチ320は、上述のように作用する。この実施態様は、1つの診断用放射線源から別の診断用放射線源への切換え時間が診断用放射線源によって決定されないと言う利点を有する。光学コンバイナと異なり、非機械的光学スイッチ510が異なる放射線源間の切換えに必要な時間を決定する。これは、一般的に言って、コンバイナの1つの入力で光源をオフにし、コンバイナの別の入力で別の光源をオンにするより再現性がある。この場合両方の光源はコンバイナの同一の出力に結合される。さらに、非機械的光学スイッチは、一般的に言って光学コンバイナより放射線損失が小さいので、光学コンバイナ310の場合より小さい出力の診断用放射線源を使用することができる。ただし、非機械的光学スイッチは能動的に制御されなければならないのに対して、光学コンバイナは受動コンポーネントである。さらに、非機械的光学スイッチ530は、反射した診断用放射線がコンバイナ、例えばコンバイナ330を通じて放射線検出器150に入るのを防ぐ。このような検出器へ向かう意図せぬ診断用放射線は、検出器150の「ブルーミング」(飽和)を引き起こす場合がある。この現象を避けるために複数の検出器150を使用する代わりに、1つの検出器だけで充分とすることができる。これは、本実施態様によるシステムのコストを制限する。
【0028】
図6は、本発明のさらなる実施態様を示す略図である。光学コンバイナ330と同様の光学コンバイナ630が使用される。この実施態様には、診断用放射線を複数の動作モード選択モジュール140に供給する光学スイッチの代わりに、各々複数の診断用放射線源モジュール615において対応するコンバイナ620を有する複数の診断用放射線源610が含まれる。このようにして、光学スイッチ、例えばスイッチ320のコストが省かれる。さらに、診断用放射線を例えばロックイン法によって又は信号を多重化することによって同時に検出できるように、診断用放射線源610を変調することができる。
【0029】
図7は、本発明のさらに別の実施態様を示す略図である。この実施態様は、2つの診断用入力放射線源をスイッチ710のn個の出力に結合する光学2×nスイッチ710を含む。スイッチ710は、任意に様々な出力に向けることができる2つの入力を有する。このようなコンポーネントは、例えばPyramid Opticsから市販されている。動作モード・セレクタ/治療用放射線源モジュールは、図5に関連して説明した動作モード選択モジュール525であるが、コンバイナ・モジュール625と取り替えることもできる。このようにして、システムにおいてコンポーネント例えばコンバイナ310又はスイッチ510が1つ少ないので、よりコンパクトな解決法が得られる。また、光学スイッチは、既に述べたようにコンバイナより損失が小さい。
【0030】
放射線導体は、SMA、ST又はFCコネクタなど様々なタイプの光ファイバ・コネクタを含めて適切な方法又は手段によって本発明によるシステムの様々な素子に結合又は接続することができる。その代わりに、放射線導体は、接着又は例えばばね付き素子による機械的締め付けなど適切な方法によって孔に固定することができる。
【0031】
本発明によるシステムの較正のために、治療前に、例えば滅菌脂質内水溶液で作られる較正組織ファントム又はDelrin(登録商標)で作られる滅菌固形ファントムを直接測定することによって、システムの性能全体が記録される。治療用放射線源の性能は、内部か外部電力計によって監視することができる。
【0032】
上述の非機械的光学スイッチは、様々な原理で作用する。切換え及びビーム偏向はプリズム又はミラーなどのコンポーネントの機械的運動なしに光学原理に基づく。切換え原理の例は、例えば、音響光学手段又は音響磁力手段によるビーム偏向、又はビームが通りぬける材料の屈折率を電気的に制御して変動させることによるビーム偏向であり、これによって光学ビームを様々な出力/入力ファイバに偏向させる。電気光学スイッチに適する可変的屈折率を有する材料の例は、例えばLiNbO、LiTaO、GaAs、HgS、CdS、KDP、ADP又はSiOである。Agiltron(商標)社は、このタイプの光学スイッチすなわちCrystaLatch(商標)ソリッドステート光ファイバ・スイッチ・ファミリー又はNanoSpeed(商標)光学スイッチ・シリーズを市販している。これらの光学スイッチは、高速の応答及び切換え1000億サイクルを超える超高信頼性を特徴とする。Agiltron(商標)は、真に非機械的な(可動部品ゼロ)光学スイッチの一例であり、このスイッチは、最新技術の切換えを容易にするために無機光学結晶内部の電気パルスによって起動される。さらに、切換えは、元来温度変動及び疲労に対して安定的に行われるので、非機械的スイッチのさらなる利点となる。さらに、Agiltronスイッチは、危険防止のラッチング機能を備えるので、電力が停止されたとき無期限にそのポジションを維持する。このスイッチは、直接低電力信号によって又はデジタル式に制御することができ、便利である。
【0033】
下の節において、本発明によるシステムに関連する基本原理について説明する。説明は、3つの診断用放射線源110及び6本の患者用放射線導体142望ましくは光ファイバを有するシステム例を基準とする。
【0034】
本明細書において、反応部位又は治療部位とは、光力学的に活性の化合物が例えば腫瘍内に配置される注射針のルーメンを通じて送られる放射線導体によって伝導される治療用放射線を受けるとき腫瘍内で反応する部位を意味する。これらの放射線導体142はその後反応部位101において固定される。その後、注射針の遠位端の外側に達するように放射線導体を前進させる。統合的な診断及び線量測定のためにも、また患者が何度も針で刺されることがないようにするためにも、治療中連続的に同じ放射線導体142が使用される。
【0035】
診断用放射線源110は、レーザー及び/又は発光ダイオードであり、その中の1つは光力学腫瘍治療のためのレーザー照射に使用されるレーザー130と同じ波長を持つことが望ましいが、もっと低い出力のものでも可能である。全ての測定作業について正確なダイナミック・レンジが利用されるようにするためまた放射線検出器の上述の「ブルーミング」を防止するために、放射線センサ150の光路に入り込むように、適切なフィルタを配置することができる。
【0036】
診断用放射線源110の一部は、対応する波長の放射線(上に定義される通りの光)が腫瘍部位101の腫瘍組織へどのように透過するかを調べるために使用される。放射線源からの放射線が特定の放射線導体を通って上述の配列を経て組織へ送られるとき、放射線導体142のうちの1本は腫瘍へのトランスミッタとして機能し、腫瘍内のその他の5本の放射線導体142はレシーバとして機能して、放射線導体へ達する放射線の拡散光束を集める。集められた放射線は上述の通り再び放射線センサ150へ伝導され、5つの異なる光の強さを検出器配列で記録することができる。
【0037】
特定の波長の代わりとして、白色光源及び/又は広域発光ダイオード及び/又は線光源など光学的に広域の光源からの放射線を、特定の活動中の放射線導体142へ結合することができる。組織を通って患者体内の受信放射線導体142まで通過するとき、放射線源の明確に定義されたスペクトル分布は組織吸収によって修正される。その後、酸素を豊富に含んだ血液は酸素を豊富に含まない血液と異なるサインを生じるので、読み取られる30(6つの異なる配置において一度に5つのスペクトル)の様々なスペクトル分布を利用して酸素分布を断層的に決定することができる。PDTプロセスは組織内の酸素にアクセスする必要があるので、このような腫瘍における酸素和の決定は重要である。
【0038】
最後に、140がコンバイナである場合、可視光線あるいは紫外線用の放射線源例えばレーザーを、特定の活動中の放射線導体142に結合することができる。組織内において蛍光が誘発され、組織に投与された感作物質は、長い方の波長に偏移する特徴的な蛍光分布を示す。対応する信号の強さによって、組織内における感作物質のレベルを概算で定量化することができる。
【0039】
短い波長の放射線は組織への透過度が非常に低いので、この種の光源から誘発される蛍光は放射線導体の先端で局部的にしか測定されない。反射する放射線は蛍光放射線の何倍もの大きさなので、この仕事のために部位101における反射放射線を小さくするために検出器の前にフィルタを挿入することができる。これを行うための適切な内蔵設備については、Rev.Sci.Instr.71,510004(2000)において説明されている。
【0040】
診断用放射線源110を様々なモジュール125に順次切り換えることによって、感作物質の固有の関数である蛍光が、6本の放射線導体の先端で順次測定される。感作物質は強い治療用赤色光(患者に放射線を伝導する放射線導体142の先端の周りで特に強い)によって漂白されるので、治療開始前にこの測定を行うことが肝要である。
【0041】
放射線導体142の先端がさらに温度依存の蛍光特性を有する物質によって処理される場合、励起時にはっきりした蛍光ラインが得られ、ラインの強さ及びその相対的な強さは、処置に使用される放射線導体6の先端の温度によって決まる。この種の物質の例は、遷移金属又は希土類金属の塩である。このようにして、6本の放射線導体の6つのポジションで一度に1つ又は同時に温度を測定することができる。測定された温度は、関連する光の減衰を伴う血液凝固が放射線導体142の先端で生じたか否かを調べるため及びPDTと熱の相互作用との間の相乗効果の利用について調べるために利用することができる。得られるラインははっきりしているので、これを組織からのより広域の内生蛍光分布から簡単に取り出すことができる。
【0042】
特定の物質の場合感作物質の濃度は代替方法で測定することができる。放射線伝搬調査に使用される赤色光が赤色又は近赤外線蛍光を誘発するために使用される。この蛍光は組織を通って受信放射線導体142の先端まで透過し、放射線センサ150において得られるスペクトルとして同時に表示される。感作物質分布の断層計算は、各測定において得られる合計30の測定値に基づいて行うことができる。
【0043】
診断測定及び計算が行われた後、光学的に患者の組織へ結合されるファイバ142は、診断放射線源をオフにしかつ治療用放射線源をオンにし、システムに光学スイッチが在る場合には治療用放射線源が患者用ファイバ142に結合されるように光学スイッチを切り換えることによって、治療用に利用することができる。治療用放射線源は、感作物質の吸収帯域に合うように選択される波長を有するレーザー源であることが望ましい。光力学腫瘍治療においては、採用される感作物質に合わせて選択される波長を有する色素レーザー又はダイオード・レーザーが使用されることが望ましい。例えばPhotofrin(登録商標)の場合波長は630nmであり、δアミノレブリン酸(ALA)の場合波長は635nmであり、フタロシアニンの場合約670nmである。この種の特徴的な波長を有する感作物質は他にいくつか存在する。個々のレーザーは治療中個々の望ましい出力に調節される。希望に応じて、組込み又は外部監視検出器を備えることができる。
【0044】
最適の治療効果が得られるまで、治療を中断して、双方向式に新たな診断データを処理することができる。レーザー放射線の光束増大により温度が上昇するこの方法は、PDTと温熱療法との間の相乗効果を含むことができる。プロセス全体はコンピュータを用いて制御され、コンピュータは全ての計算を行うだけでなく、調節のためにも利用される。
【0045】
本発明は、特定の実施態様に関して上に説明されている。しかし、上述の望ましい実施態様以外の実施態様も添付の特許請求の範囲内で同様に可能であり、例えば上述のものと異なる並進素子の形状、異なる光学的結合素子、又はハードウェア又はソフトウェアによって上述の方法を実行する上述のもの以外のものが可能である。
【0046】
さらに、「備える」と言う用語は、本明細書において使用される場合他の素子又はステップを除外するものではなく、単数で示される単語は複数を除外するものではなく、かつ単一のプロセッサ又はその他のユニットは、特許請求の範囲に記載されるユニット又は回路のうちいくつかの機能を果たす場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】双方向型IPDT用の本発明の一実施態様を示す略図である。
【図2】本発明の別の態様を示す略図である。
【図3】光学コンバイナ及び非機械的光学スイッチを備えている、本発明のさらなる実施態様についての略図である。
【図4】本発明の一実施態様において使用されている光学コンバイナの原理を示している略図である。
【図5】非機械的光学スイッチを備えている、本発明の別の実施態様を示している略図である。
【図6】複数の診断用放射線源を有するモジュールを備えている、本発明のさらなる実施態様を示す略図である。
【図7】2×n非機械的光学スイッチを備えている、本発明のさらなる実施態様を示している略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
診断用放射線を発するための少なくとも1つの第一放射線源と、
治療用放射線を発するための少なくとも1つの第二放射線源と、
放射線を人間又は動物の腫瘍部位へ導くのに適した少なくとも1つの第一放射線導体とを備えている、人間又は動物の双方向治療及び/又は診断のためのシステムにおいて、
前記第一放射線導体を通して前記治療用放射線又は前記診断用放射線を前記部位へ光学的に指向するための、非機械的動作モード選択手段を少なくとも1つ備え、前記放射線は、非電離電磁放射線である、ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第一放射線導体は、前記部位から少なくとも1つの放射線検出器へ放射線を導くのにさらに適していることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
遠端を有する少なくとも1つの第一放射線導体によって特徴付けられ、前記遠端は、前記腫瘍部位へもたらされ、少なくとも1つの第一放射線導体は、使用時において、
放射線を前記少なくとも1つの放射線源から前記腫瘍部位へ及び/又は前記腫瘍部位から診断及び/又は治療のために導く、トランスミッタ及び/又はレシーバとして採用されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
治療用放射線又は診断用放射線が使用時に前記腫瘍部位へ送られるように、又は、前記第一放射線導体の同じ及び/又は別の放射線導体を通った診断用放射線が、前記放射線導体を通して受け取られかつ前記放射線検出器へ送られるように、前記動作モード選択手段は、前記診断放射線源、前記治療用放射線源、前記放射線導体、及び、前記放射線検出器へ接続されている、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記動作モード選択手段が非機械的光学スイッチであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記非機械的光学スイッチが電気的に制御される屈折率変動に基づく電気光学スイッチであることを特徴とする、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記非機械的光学スイッチが音響発生ブラッグ偏向に基づく音響光学スイッチであることを特徴とする、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記非機械的光学スイッチが磁気光学スイッチであることを特徴とする、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記動作モード選択手段が光学コンバイナであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
複数の前記第一の放射線導体によって特徴付けられ、前記診断用放射線源から前記部位へ伝送するために複数の前記診断用放射線源が前記動作モード選択手段の一つに結合され、かつ前記少なくとも1つの放射線検出器へ診断用放射線を送るために残りの動作モード選択手段が結合され、前記治療用放射線源からの放射線は前記動作モード選択手段によって前記部位への伝送が妨害されることを特徴とする、請求項4〜9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
1つの活動中の診断用放射線源が、光学コンバイナ、非機械的光学スイッチ、2つの非機械的光学スイッチ及び2×N非機械的光学スイッチから成るグループから選択される装置によって前記モード選択手段の一つに結合されることを特徴とする、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
各動作モード選択手段が、前記部位への伝送のために前記動作モード選択手段の各々に結合される同様の数の診断用放射線源を有し、使用中同時に1つの診断用放射線源のみが活動中であるか又は前記動作モード選択手段が前記診断用放射線を前記部位に送るために一度に1つの診断用放射線源だけを結合するよう構成されることを特徴とする、請求項4〜9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
同様の数の診断用放射線源が光コンバイナによって前記動作モード選択手段の各々に結合されることを特徴とする、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記診断用放射線源が不活性化されて、前記治療用放射線を前記放射線導体の各々を通して前記部位へ送るように、前記動作モードセレクタの各々へ連結されている1つの治療用放射線源によって特徴付けられていることを特徴とする請求項4〜9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記放射線源は、赤外線(IR)、可視光線、又は紫外線用の光源であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記放射線導体の第二の端が温度感受蛍光発光材料で処理されることを特徴とする、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記放射線源が、単一の固定波長を持つコヒーレント光源および(又は)発光ダイオードであることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記放射線導体は光ファイバであることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
診断用放射線を前記部位に送る放射線導体と同じ放射線導体を通じて蛍光が記録されることを特徴とする、請求項15〜17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
双方向型光力学療法のために温度感受蛍光発光材料で処理される放射線導体のうちの1本又は数本が前記部位の温度を測定するように構成され、
使用中前記部位に送られる放射線が前記治療部位を加熱し、
個々の放射線導体における前記部位の温度を調節するために使用中送られる前記放射線の強さが測定温度によって制御されることを特徴とする、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記双方向型治療及び診断が、前記動作モード選択手段によって選択可能な双方向型組織内光力学腫瘍治療、温熱療法を用いる光熱腫瘍治療及び腫瘍診断を含む動作モードを備え、前記動作モードが前記腫瘍部位の同一処置中に交互に使用されることを特徴とする、請求項1〜20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
少なくとも1つの放射線検出器及び放射線導体が腫瘍部位に接続され、前記放射線導体が前記腫瘍部位における腫瘍の診断及び治療のために前記腫瘍部位へ及び/又は腫瘍部位から放射線を伝導するためのトランスミッタ及び/又はレシーバとして使用される、双方向型組織内光力学腫瘍治療及び/又は光熱腫瘍治療又は腫瘍診断のための方法において、
該方法が、
腫瘍治療と腫瘍診断のとの間の切換えが、請求項1〜21のいずれか1項に記載のシステムにおいて少なくとも1つの非機械的動作モード選択手段によって診断用放射線と治療用放射線との間を切り換えることによって自動的に行われ、かつ
前記腫瘍部位の最適の治療が得られるまで診断の結果に応じて治療用放射線の強さを調節することによって前記診断の結果が治療プロセスを制御することを特徴とする方法。
【請求項23】
前記腫瘍部位の同一処置中双方向型組織内光力学腫瘍治療、温熱療法を用いる光熱腫瘍治療及び腫瘍診断を交互に利用することを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
請求項1〜21のいずれか1項に記載の人間又は動物の双方向型治療及び/又は診断のためのシステムにおける非機械的光学スイッチ及び/又は光学コンバイナの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−528904(P2006−528904A)
【公表日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532192(P2006−532192)
【出願日】平成16年5月14日(2004.5.14)
【国際出願番号】PCT/SE2004/000756
【国際公開番号】WO2004/100789
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(504187548)スペクトラキュア アクティエボラーグ (3)
【Fターム(参考)】