説明

放射線撮影装置

【課題】電子カセッテと撮影台の位置合わせ、電子カセッテと撮影台の外部に配置される外部装置との有線接続を簡単にする。
【解決手段】カセッテホルダ28には、電子カセッテ17を上下方向から挟み込んで保持する第1、第2挟持部材35、36が設けられている。第1挟持部材35には、電子カセッテ17の複合端子24と接続される複合コネクタ38が設けられている。複合端子24及び複合コネクタ38は、電子カセッテ17の照射面22の中心線C1及びカセッテホルダ28の撮影面31の中心線C2に対して、同じ方向に同じ量だけオフセットした位置に配置されている。電子カセッテ17をトレイ30に取り付けて、トレイ30をカセッテホルダ28に装填すると、照射面22の中心線C1と撮影面31の中心線C2の位置が一致する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子カセッテと、電子カセッテを保持する撮影台とを備えた放射線撮影装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療分野において、放射線撮影システム、例えばX線撮影システムが知られている。X線撮影システムは、X線を発生するX線発生装置と、X線を受けてX線画像を撮影するX線撮影装置とで構成される。X線発生装置は、X線を被写体(患者)に向けて照射するX線源、X線源の駆動を制御する線源制御装置、およびX線の照射開始指示を入力するための照射スイッチを有している。X線撮影装置は、患者を透過したX線を受けてX線画像を生成する電子カセッテを有している。
【0003】
電子カセッテは、フラットパネルディテクタ(FPD)と、FPDを収納する扁平な矩形の筐体とで構成される。FPDには、X線の入射量に応じた信号電荷を蓄積する画素がマトリックス状に配列されている。FPDは、画素毎に信号電荷を蓄積し、蓄積した信号電荷を信号処理回路で電圧信号に変換することで、X線画像を電気的に検出し、これをデジタルな画像データとして出力する。
【0004】
電子カセッテは、撮影台に取り付けて使用される他、取り付けられた状態では撮影困難な部位を撮影するためにベッド上に置いたり患者自身に持たせたりして使用される。また、自宅療養中の高齢者や、事故、災害等による急病人を撮影するため、撮影台の設備がない病院外に持ち出して使用されることもある。
【0005】
電子カセッテには、制御信号やX線画像のデータ信号を含む様々な信号を、撮影台の外部に配置される外部装置との間で送受信するために、通信ケーブル等の通信線を伝送路として用いる有線方式の通信部と、電磁波を伝送路として用いる無線方式の通信部との両方を備えたものがある。無線方式の通信部は、ベッドの上で撮影を行なう等、電子カセッテの可搬性が必要とされる場合に使用される。有線方式の通信部は、外部装置との通信を確実に行う必要がある、例えば自動露出制御(AEC)機能を用いる場合に使用される。AEC機能とは、電子カセッテに設けた線量測定部によって患者を透過したX線の線量を測定し、X線の線量の積算値(累積線量)が閾値(目標線量)に達したときに、X線源に停止信号を送信してX線の照射を停止させる機能である。AECでは、停止信号の送信に遅れが生じると患者が余分な被曝をするため、停止信号の送信には無線通信よりも通信の遅れが発生しにくい有線通信が用いられる。
【0006】
有線通信を行うためには、当然ながら、電子カセッテと外部装置との間の有線伝送路を確立するために、通信ケーブル、中継配線、接続端子、コネクタ等を用いて有線接続する必要がある。例えば、電子カセッテと外部装置を接続する場合には、電子カセッテの筐体の側面に設けられた接続端子に、一端が外部装置に接続されている通信ケーブルのコネクタが接続される。こうした電子カセッテと外部装置の有線接続において、撮影台に取り付けずに電子カセッテを使用する場合には、電子カセッテの筐体の外面はすべて露出されているので、接続端子への通信ケーブルのアクセスに障害は無い。
【0007】
これに対して、撮影台に電子カセッテを取り付けて使用する場合には、電子カセッテの筐体の側面の少なくとも一部が撮影台によって覆われてしまう。そのため、電子カセッテを撮影台に取り付けた状態で、接続端子に通信ケーブルを接続しようとすると、接続端子の位置によっては、撮影台が接続端子へのアクセスの障害となり、通信ケーブルの接続が難しい場合がある。このようなときには、先に電子カセッテに通信ケーブルを接続し、その状態で撮影台に取り付ける必要がある。
【0008】
しかし、電子カセッテを撮影台に取り付ける際、あるいは取り外す際に電子カセッテに通信ケーブルが接続されていると、通信ケーブルが邪魔になって作業に手間取ったり、通信ケーブルの取り回しを必要とする等の面倒な作業が発生したりすることがある。また、電子カセッテの接続端子に対する通信ケーブルのコネクタの固定には、着脱の容易さから一般的にマグネットが利用されるが、マグネットは固定力が弱いため、電子カセッテを撮影台に取り付ける際や電子カセッテが取り付けられた撮影台を移動させた際に、コネクタが接続端子から外れてしまうことがある。コネクタが接続端子から外れたことに気がつかずに撮影が行なわれると、AEC機能が適切に動作しないため、患者が不要な被曝をしてしまう。一方で、爪でロックされるような固定力の強いコネクタの場合には、撮影台を移動した際に通信ケーブルが何かに引っ掛かったときには、接続端子とコネクタに過度な負荷が掛かり接続端子やコネクタが破損してしまう。
【0009】
特許文献1には、電子カセッテを保持するホルダに、通信ケーブルによって外部装置と接続された接続端子を配置し、電子カセッテがホルダによって保持されたときに、電子カセッテの接続端子とホルダの接続端子とが接続されるようにした撮影台が開示されている。この撮影台によれば、撮影台に取り付ける前に電子カセッテに通信ケーブルを接続する必要がなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2011−156346号公報
【特許文献2】特開2007−007251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
電子カセッテのサイズには、例えば、17インチ×14インチ、17インチ×17インチ等があるが、更にサイズのバリエーションが増えることが考えられる。そのため、撮影台は、様々なサイズの電子カセッテに対応していることが望ましい。しかし、特許文献1記載の撮影台は、1種類のサイズの電子カセッテにしか対応しておらず、異なるサイズの電子カセッテを取り付けることはできない。また、特許文献1のホルダにサイズの異なる電子カセッテを取り付けたとしても、接続端子はホルダの側面に設けられているため、電子カセッテの放射線の照射を受ける照射面と、電子カセッテを保持したときに照射面と対面する撮影台の撮影面の中心位置にずれが生じてしまい、撮影を正しく行えなくなる。
【0012】
特許文献2には、フイルムカセッテ及びIPカセッテの側面を一対のアームで挟み込んで位置決めすることにより、サイズの異なるフイルムカセッテ及びIPカセッテを取り付け可能にした撮影台が開示されている。しかし、この撮影台は、従来のフイルムカセッテ及びIPカセッテに対応したものであり、撮影台内に電子カセッテと接続するためのコネクタを設けることは想定されていない。
【0013】
本発明の目的は、様々なサイズの電子カセッテを撮影台に取り付ける場合でも、電子カセッテと撮影台の位置合わせが簡単で、かつ、電子カセッテと、撮影台の外部に配置される外部装置との有線接続が簡単な放射線撮影装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の放射線撮影装置は、放射線画像を検出するフラットパネルディテクタと、フラットパネルディテクタを収容する筐体とを有する電子カセッテと、電子カセッテが着脱自在に取り付けられる撮影台とを備えている。電子カセッテは、筐体の一面に形成され、放射線の照射を受ける照射面と、照射面と直交する筐体の第1側面に設けられた接続端子とを有する。撮影台は、電子カセッテを保持したときに照射面と対面する撮影面と、第1側面、および第1側面と対向する第2側面にそれぞれ当接して電子カセッテを挟み込み、照射面と撮影面とを対面させた状態で電子カセッテを保持する第1、第2挟持部材とを有する。第1挟持部材は、電子カセッテを保持したときに接続端子と接続されるコネクタを有する。撮影面の中心線を基準とした距離及び方向を含むコネクタの位置関係は、電子カセッテにおける照射面の中心線を基準とした接続端子の位置関係と同じであり、照射面の中心線は撮影台が電子カセッテを保持したときに撮影面の中心線と同じ方向に延びている。
【0015】
第2挟持部材は、撮影面の中心線と直交する方向に延びていることが好ましい。
【0016】
接続端子は、例えば、照射面の中心線に対してオフセットした位置に配置されており、コネクタは、撮影面の中心線に対して接続端子と同じ方向に同じ量だけオフセットした位置に配置されている。あるいは、接続端子は、照射面の中心線と重なる位置に配置されており、コネクタは、撮影面の中心線と重なる位置に配置されていてもよい。
【0017】
撮影台は、撮影面が設けられたカセッテホルダと、第1、第2挟持部材が設けられたトレイとを有する。トレイは、カセッテホルダに対して装脱自在であり、第1、第2挟持部材によって電子カセッテが挟み込まれることによって接続端子とコネクタが接続されて電子カセッテがトレイに取り付けられ、その状態でトレイがカセッテホルダに装填されると、照射面の中心線と撮影面の中心線が一致する。
【0018】
接続端子はメス型、コネクタはオス型であり、コネクタは、第1挟持部材の電子カセッテを挟み込む挟持面から突出しない収納位置と、挟持面から突出する突出位置との間で移動可能である。コネクタは、接続端子に接続されるときに、突出位置に移動される。
【0019】
あるいは、接続端子は、第1側面との段差が無いフラットな接触面を有し、コネクタは、第1挟持部材の電子カセッテを挟み込む挟持面との段差が無いフラットな接触面を有する。第1挟持部材の挟持面を第1側面に接触させて、第1、第2挟持部材で電子カセッテ挟み込むと、接続端子とコネクタの接触面同士が接触して接続される。
【0020】
電子カセッテは、放射線源から照射されて被写体を透過した放射線の線量を測定する線量測定部と、線量測定部の測定結果を閾値と比較する制御部と、接続端子とコネクタとの接続により構築される通信部とを含む自動露出制御部を有することが好ましい。測定結果が閾値に達したとき、制御部は、通信部を介して、放射線源に放射線の照射を停止させるための停止信号を送信する。
【0021】
接続端子及びコネクタは、電子カセッテと、撮影台の外部に配置され、電子カセッテを制御する外部装置とを通信可能に接続する。
【0022】
撮影台は、接続端子及びコネクタを介して、電子カセッテと外部装置とを電気的に接続するために、外部装置から延びるケーブルが接続される外部接続端子を有する。外部接続端子は、例えば第1挟持部材に設けられている。
【0023】
撮影台は、外部接続端子とコネクタを中継する少なくとも1つの中継端子を有する。中継端子は、第1挟持部材に設けられた第1中継端子と、カセッテホルダに設けられた第2中継端子とを含む。トレイがカセッテホルダに挿入されたときに第1中継端子と第2中継端子が接続され、トレイがカセッテホルダから引き出されたときに第1中継端子と第2中継端子の接続が解除される。
【0024】
接続端子及びコネクタは、外部装置から電子カセッテに電源を供給可能なように、電子カセッテと外部装置とを接続する。
【0025】
接続端子は、外部装置と通信を行うための通信端子と、電子カセッテに電力を供給するための電源端子とを一体化した複合端子であり、コネクタは、外部装置と通信を行うための通信コネクタと、電子カセッテに電力を供給するための電源コネクタとを一体化した複合コネクタである。
【0026】
第1、第2挟持部材は、電子カセッテを上下方向に挟み込む。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、電子カセッテの接続端子と撮影台のコネクタに関して、電子カセッテと撮影台のそれぞれの中心線を基準とした距離及び方向を含む位置関係を同じにしているので、様々なサイズの電子カセッテを撮影台に取り付ける場合でも、電子カセッテと撮影台の位置合わせが簡単で、かつ、電子カセッテと、撮影台の外部に配置される外部装置との有線接続が簡単な放射線撮影装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】X線撮影システムの概略図である。
【図2】電子カセッテ及び複合コネクタの外観斜視図である。
【図3】立位撮影台の外観斜視図である。
【図4】撮影台のトレイを引き出した状態を示す外観斜視図である。
【図5】カセッテホルダの要部断面図である。
【図6】第1挟持部材に対する複合コネクタの、(A)収納状態、及び(B)突出状態を示す説明図である。
【図7】中心線に対する、(A)複合端子と(B)複合コネクタとのオフセット位置を示す説明図である。
【図8】X線撮影システムの電気的構成を示すブロック図である。
【図9】第2実施形態の撮影台のトレイを引き出した状態を示す外観斜視図である。
【図10】第2実施形態のカセッテホルダの要部断面図である。
【図11】中心線に対するオフセット量を0にした、(A)複合端子と(B)複合コネクタとを示す説明図である。
【図12】接触面を有する複合端子及び複合コネクタの、(A)非接触状態、及び(B)接触状態を示す説明図である。
【図13】第3実施形態のカセッテホルダの要部断面図である。
【図14】第3実施形態のカセッテホルダの要部斜視図である。
【図15】第3実施形態の作用を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
[第1実施形態]
図1に示すように、X線撮影システム10は、X線発生装置11と、X線撮影装置12と、コンソール13とから構成されている。X線発生装置11は、患者Pに向けてX線を照射するX線源14と、X線源14を制御する線源制御装置15と、線源制御装置15にX線の照射を指示する照射スイッチ16とを備えている。X線撮影装置12は、患者Pを透過したX線からX線画像を撮影する電子カセッテ17と、電子カセッテ17を患者Pの被検部位に対面する位置に保持する立位撮影台18とを備えている。
【0030】
X線源14は、X線を放射するX線管14aと、X線管14aが放射するX線の照射野を限定する照射野限定器(コリメータ)14bとを有する。X線管14aは、熱電子を放出するフィラメントである陰極と、陰極から放出された熱電子が衝突してX線を放射する陽極(ターゲット)とからなる。ターゲットは円板形をしており、回転により円周軌道上で焦点が移動して、熱電子が衝突する焦点の発熱が分散する回転陽極である。照射野限定器14bは、X線を遮蔽する4枚の鉛板を四角形の各辺上に配置し、X線を透過させる照射開口が中央に形成されたものであり、鉛板の位置を移動することで四角形の照射開口の大きさを変化させて、照射野を限定する。
【0031】
図2に示すように、電子カセッテ17は、FPD20と、FPD20を収納する扁平な矩形の筐体21とから構成されている。筐体21は、フイルムカセッテやIPカセッテと略同様の大きさであり、例えばIPカセッテの半切サイズと同じ17インチ×14インチの外形サイズを有している。筐体21の上面には、X線が照射される照射面22が設けられている。照射面22は、FPD20に照射されるX線が減衰しないように、カーボン等のX線透過率が高い材質により構成されている。
【0032】
筐体21の短辺側の側面である第1側面21aには、本発明の接続端子に相当する、略長方形状の複合端子24が設けられている。複合端子24は、コンソール13等の外部装置と有線通信を行なうための通信端子と、電子カセッテ17にコンソール13から電源を供給するための電源端子とを一体化したものであり、筐体21の側面に対し凹状にされたメス型端子となっている。
【0033】
複合端子24には、オス型の複合コネクタ25が嵌合により接続される。複合コネクタ25は、電子カセッテ17とコンソール13等の外部装置とを通信可能に接続するための通信コネクタと、電子カセッテ17に電源を供給するための電源コネクタとが一体化されたものである。複合コネクタ25には、電子カセッテ17と外部装置との間で通信を行なう通信ケーブルと、電子カセッテ17に電源を供給するための電源ケーブルとが一体化された複合ケーブル26が取り付けられている。複合端子24に対する複合コネクタ25の固定は、着脱を容易にするため、例えば両者の端部にそれぞれ設けられたマグネットにより行なわれている。なお、電子カセッテ17は、複合コネクタ25を用いた有線通信機能の他に、無線通信機能も備えている。
【0034】
図3〜図5に示すように、立位撮影台18は、カセッテホルダ28と、カセッテホルダ28を昇降自在に支持する支柱部29と、電子カセッテ17を保持した状態でカセッテホルダ28に装填されるトレイ30とを備えている。カセッテホルダ28の側面には、トレイ挿入口28aが設けられており、トレイ30は、このトレイ挿入口28aからカセッテホルダ28内に装填される。カセッテホルダ28の前面には、トレイ30に取り付けられた電子カセッテ17の照射面22に対面する撮影面31が設けられている。撮影面31には、トレイ30に取り付けられた電子カセッテのサイズごとに異なる撮影領域を表す矩形状の領域線と、各撮影領域の中心位置を表す中心線C2とが示されている。領域線と中心線C2は、例えば、印刷によって撮影面31に設けられる。中心線C2は、立位撮影台18に電子カセッテ17を取り付ける際の位置合わせの基準となる。
【0035】
矩形の板状体からなるトレイ30は、カセッテホルダ28内の上下辺に設けられたレール33によって上下の端縁がガイドされており、側面板30cに取り付けられた把手34を利用してカセッテホルダ28から横方向に引き出せるようになっている。トレイ30の前面側は、電子カセッテ17が着脱自在に取り付けられる取り付け面30aとなっている。トレイ30がカセッテホルダ28に装填されたときには、トレイ30に取り付けられた電子カセッテ17の照射面22が撮影面31に対面するようになっている。
【0036】
取り付け面30aには、下方に固定された第1挟持部材35と、第1挟持部材35に対面するように取り付け面30aの上方に配置された第2挟持部材36とが設けられている。第1挟持部材35と第2挟持部材36は、中心線C2と直交する方向に延びている。第2挟持部材36は、第1挟持部材35に接近または離れるようにガイド溝30bに沿って上下方向で移動自在とされており、例えばトレイ30の背面側に配置されたバネによって第1挟持部材35に接近する方向に付勢されている。
【0037】
電子カセッテ17は、照射面22が撮影面31側を向くようにトレイ30の取り付け面30aに配置され、その姿勢でトレイ30に取り付けられる。第1挟持部材35及び第2挟持部材36の挟持面35a、36aは、電子カセッテ17の筐体21の第1側面21a及びこれと対向する第2側面21bにそれぞれ当接して、電子カセッテ17を上下方向から挟み込む。
【0038】
第1挟持部材35には、電子カセッテ17がトレイ30に取り付けられたときに、電子カセッテ17の複合端子24に接続される複合コネクタ38が設けられている。複合コネクタ38は、本発明のコネクタに相当し、通信コネクタと電源コネクタとが一体化されたものであり、上述した複合コネクタ25と同様の機能を有している。
【0039】
図6において、複合コネクタ38は、第1挟持部材35に設けられた凹部35b内に収納されて挟持面35aから突出しない収納位置(図6(A))と、挟持面35aから突出される突出位置(図6(B))との間で移動自在とされている。
【0040】
複合コネクタ38の移動は、例えば、手動によって行われる。第1挟持部材35には、複合コネクタ38の位置を収納位置又は突出位置でロックするためのロック機構39が設けられている。ロック機構39は、内部に係合部を有しており、係合部が凹部35b内に突出して複合コネクタ38と係合することで、複合コネクタ38の位置をロックする。ロック機構39にはスライド式のスイッチ39aが設けられており、スイッチ39aにより、ロック機構39の作動と解除が可能である。
【0041】
電子カセッテ17をトレイ30に取り付ける際には、複合コネクタ38が突出位置に移動されて、ロック機構39により突出位置でロックされる。この状態で、電子カセッテ17の複合端子24と複合コネクタ38の位置が合わされて、第1挟持部材35及び第2挟持部材36の間に電子カセッテ17が挟み込まれる。
【0042】
第2挟持部材36のバネの付勢により、電子カセッテ17に対しては、第1挟持部材35及び第2挟持部材36によって挟み込む力が働く。このため、電子カセッテ17の複合端子24が設けられた第1側面21aに対しては、第1挟持部材35からの押圧力が作用する。押圧力が作用する方向と、複合コネクタ38の突出方向は同じあるため、押圧力によって複合端子24と複合コネクタ38がしっかりと接続される。この接続の際には、複合コネクタ38はロック機構39によって突出位置にロックされているので、複合コネクタ38が収納位置に没入することは無い。また、複合端子24と複合コネクタ38が接続された後も、第1挟持部材35からの押圧力は作用するので、両者の接続は外れにくい。
【0043】
フイルムカセッテやIPカセッテをトレイ30に取り付けるときには、複合コネクタ38は、取り付けの邪魔にならないよう、収納位置に移動される。そして、複合コネクタ38は、必要に応じてロック機構39によって収納位置でロックされる。
【0044】
図7(A)に示すように、電子カセッテ17の複合端子24の幅方向の中心位置は、第1側面21aに直交する照射面22の中心線C1に対して、左方向に長さLだけオフセットして配置されている。これは、電子カセッテ17の複合端子24に、図2の複合コネクタ25を接続した状態で撮影を行なう際に、複合コネクタ25が邪魔にならないようにするためである。
【0045】
また、図7(B)に示すように、第1挟持部材35の複合コネクタ38の幅方向の中心位置は、トレイ30がカセッテホルダ28に装填されたときの撮影面31の垂直方向の中心線C2に対して、左方向に長さLだけ、すなわち複合端子24と同じ方向に同じ量だけオフセットして配置されている。照射面22の中心線C1と撮影面31の中心線C2は、照射面22及び撮影面31のそれぞれの幅方向の中心を示し、電子カセッテ17が立位撮影台18に保持された状態において同じ方向に延びている。そして、複合コネクタ38と複合端子24は、それぞれの中心線C2、C1を基準とする距離及び方向を含む位置関係が同じになっている。そのため、トレイ30に電子カセッテ17を取り付けた際には、複合端子24と複合コネクタ38とによってカセッテホルダ28に対する電子カセッテ17の幅方向の位置が規定されるため、照射面22と撮影面31との幅方向の中心位置を容易に一致させることができる。
【0046】
また、図7(A)に2点鎖線で示すように、電子カセッテ17よりもサイズの小さな電子カセッテ40、41の複合端子も、照射面の中心線C1に対して左方向に長さLだけオフセットされている。このように、立位撮影台18に取り付けられる電子カセッテ17、40、41のそれぞれの複合端子は、筐体や照射面のサイズが異なっても、それぞれの照射面の中心線C1を基準とする距離及び方向を含む位置関係が同じになるように配置される。したがって、サイズの異なる電子カセッテ17、40、41のいずれがトレイ30に取り付けられた場合も、照射面22の幅方向の中心位置を撮影面31の中心位置と容易に一致させることができる。
【0047】
図4及び図5において、第1挟持部材35の側面板30c側の垂直面には、立位撮影台18の外部に配置される外部装置であるコンソール13と、立位撮影台18に取り付けられた電子カセッテ17とを電気的に接続するために、コンソール13から延びる複合ケーブル45が接続される外部接続端子43が設けられている。外部接続端子43は、第1挟持部材35内に設けられた中継配線35cによって複合コネクタ38と導通可能に接続されている。外部接続端子43は、複合端子24と同様に、通信端子と電源端子とが一体化されたものである。
【0048】
外部接続端子43には、上述した複合コネクタ25と同様の機能を有する複合コネクタ44が接続され、簡単に外れないようにネジ等によって固定されている。複合コネクタ44に取り付けられた複合ケーブル45は、トレイ30の側面板30cに設けられた切欠30dからカセッテホルダ28の外に引き出される。複合ケーブル45の他端に設けられた複合コネクタ46(図8参照)は、コンソール13に接続される。
【0049】
図8に示すように線源制御装置15は、X線源14に対して高電圧を供給する高電圧発生器48と、X線源14が照射するX線のエネルギースペクトルを決める管電圧、単位時間当たりの照射量を決める管電流、およびX線の照射時間を制御する制御部49と、操作パネル50と、コンソール13との通信に用いられる有線通信部51とを備えている。有線通信部51には、通信端子52が接続されている。通信端子52には、コンソール13に接続された通信ケーブル53の通信コネクタ54が接続されている。
【0050】
高電圧発生器48は、トランスによって入力電圧を昇圧して高圧の管電圧を発生し、高電圧ケーブルを通じてX線源14に駆動電力を供給する。管電圧、管電流、照射時間といった撮影条件は、操作パネル50を通じて放射線技師により手動で設定される。なお、有線通信部51によって接続されたコンソール13から線源制御装置15に撮影条件を設定してもよい。
【0051】
照射スイッチ16は、放射線技師によって操作され、線源制御装置15に通信ケーブルで接続されている。照射スイッチ16は二段階押しのスイッチであり、一段階押しでX線源14のウォームアップを開始させるためのウォームアップ開始信号を発生し、二段階押しでX線源14に照射を開始させるための照射開始信号を発生する。これらの信号は通信ケーブルを通じて線源制御装置15に入力される。
【0052】
制御部49は、照射スイッチ16からの制御信号に基づいて、X線源14の動作を制御する。制御部49は、照射スイッチ16から照射開始信号を受けると、X線源14に対して開始指令を発して電力供給を開始する。これにより、X線源14はX線の照射を開始する。また、制御部49は、X線源14への電力供給の開始とともに、X線の照射開始を表す同期信号を、有線通信部51を介してコンソール13に送信し、更に内蔵するタイマを作動させてX線の照射時間の計測を開始する。
【0053】
制御部49は、コンソール13から送信された停止信号の受信時、あるいは撮影条件で設定された照射時間の経過時に、高電圧発生器48に対して停止指令を発してX線源14への電力供給を停止させる。X線の照射時間は、撮影条件に応じて変化するが、静止画撮影の場合には、X線の最大照射時間が約500msec〜約2s程度の範囲に定められている。
【0054】
電子カセッテ17は、X線画像の画像データを出力するFPD20と、画像データを記憶するメモリ57と、電子カセッテ17全体を制御する制御部58と、患者Pを透過したX線の線量を測定する線量測定部59と、コンソール13と通信を行なう有線通信部60及び無線通信部61と、電子カセッテ17の各部に電力を供給する電源部62とを備えている。
【0055】
有線通信部60は、通信ケーブル等の通信線を伝送路として用いる通信部であり、上述した複合端子24に接続されている。電子カセッテ17が立位撮影台18に取り付けて使用される場合には、有線通信部60は、複合端子24、立位撮影台18の複合コネクタ38、中継配線35c、外部接続端子43、複合コネクタ44及び複合ケーブル45を介してコンソール13と有線接続される。無線通信部61は、電磁波を伝送路として用いる通信部である。
【0056】
無線通信部61は、例えば、電子カセッテ17を立位撮影台18に取り付けないで使用するときに、コンソール13との通信に用いられる。例えば、立つことが困難な患者P、もしくは立位撮影台18では撮影が困難な部位を撮影する場合には、電子カセッテ17は、立位撮影台18に取り付けられずに使用される。この場合には、ベッドに横たわった患者Pの下に電子カセッテ17を置いて撮影を行ったり、患者P自身に電子カセッテ17を持たせて撮影が行われる。このような撮影では、電子カセッテ17に複合ケーブル45が接続されていると、複合ケーブル45の引き回しが煩わしいため、無線通信部61が用いられる。
【0057】
電源部62は、充電池と、この充電池に充電を行う充電回路と、充電池から各部に電力を供給する電源回路とを備えている。また、電源部62は、接続されている複合端子24を介してコンソール13から電源供給を受けられるようになっており、電子カセッテ17が単体で使用される際には、充電池から各部に電力を供給し、複合端子24に接続された複合コネクタ38から電源が供給される際には、コンソール13からの電力を各部に供給する。
【0058】
FPD20は、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)とフォトダイオードとからなる複数の画素が2次元に配列されたマトリックス基板と、X線を可視光に変換するシンチレータ(蛍光体)とを有し、シンチレータによって変換された可視光をフォトダイオードで光電変換する間接変換型である。シンチレータは、画素が配列された領域の全面と対向するように配置されている。なお、X線を直接電荷に変換する変換層(アモルファスセレン等)を用いた直接変換型のFPDを用いてもよい。
【0059】
FPD20は、TFTをオフさせてX線の入射量に応じた信号電荷をフォトダイオードに蓄積させる蓄積動作と、TFTをオンさせてフォトダイオードから信号電荷を読み出す読み出し動作と、暗電流によりフォトダイオードに蓄積された電荷を排出するリセット動作とを行なう。読み出し動作により各画素から読み出された信号電荷は、積分アンプで電圧信号に変換され、電圧信号がA/D変換器でA/D変換されることにより、デジタルな画像データとしてFPD20から出力され、メモリ57に記憶される。
【0060】
FPD20は、その照射面22に、線量測定部59による自動露出制御(AEC)に用いられるX線検出センサ63が配置されている。X線検出センサ63には、例えば、画素を構成するTFTを短絡させて、X線の照射に基づいて蓄積した信号電荷を常時出力するようにした短絡画素が用いられる。
【0061】
線量測定部59は、X線検出センサ63から読み出した電圧信号を積分してX線の累積線量を算出し、その算出結果を制御部58に入力する。制御部58は、線量測定部59の算出結果と閾値とを比較し、X線の累積線量がX線画像の撮影に必要な閾値(目標線量)に達したときに、有線通信部60を介して線源制御装置15に停止信号を送信する。また、制御部58は、停止信号の送信と同時にFPD20の蓄積動作を終了させ、読み出し動作に移行させる。
【0062】
コンソール13は、装置全体の動作を司るCPU65と、制御プログラムを含む各種プログラム等が予め記憶されたROM67と、各種データを一時的に記憶するRAM68と、各種データを記憶して保持するHDD69と、撮影オーダやX線画像等を表示するディスプレイ70と、撮影条件等の入力を行なう入力デバイス71と、線源制御装置15及び電子カセッテ17と通信を行なう有線通信部72及び無線通信部73と、電子カセッテ17に電源供給を行なう電源供給部74とを備えており、これらはデータバス75を介して接続されている。
【0063】
有線通信部72には、通信及び電源供給用の複合端子77と、通信端子78とが接続されている。複合端子77には、立位撮影台18を介して電子カセッテ17に接続された複合ケーブル45の複合コネクタ46が接続されている。また、通信端子78には、線源制御装置15に接続された通信ケーブル53の通信コネクタ79が接続されている。
【0064】
コンソール13は、患者Pの性別、年齢、撮影目的といった情報が含まれる検査オーダの入力を受け付けて、検査オーダをディスプレイ70に表示する。検査オーダは、HIS(病院情報システム)やRIS(放射線情報システム)といった患者情報や放射線検査に係る検査情報を管理する外部システムから入力されるか、放射線技師により入力デバイス71によって手動入力される。放射線技師は、検査オーダの内容をディスプレイ70で確認し、その内容に応じた撮影条件を入力デバイス71によって入力する。
【0065】
コンソール13は、電子カセッテ17に対して撮影条件を送信して、FPD20の信号処理の条件を設定させる。また、コンソール13は、線源制御装置15と電子カセッテ17との間で、X線の照射開始を表す同期信号及びX線の照射を停止させる停止信号の送受信を中継することにより、X線発生装置11によるX線の照射開始・終了タイミングとFPD20の蓄積・読み出し動作とを同期させるための同期制御を行う。
【0066】
コンソール13は、電子カセッテ17が出力する画像データを受信してガンマ補正、周波数処理等の各種画像処理を施す。画像処理済みのX線画像はディスプレイ70に表示される他、そのデータがHDD69、あるいはコンソール13とネットワーク接続された画像蓄積サーバといったデータストレージデバイスに格納される。
【0067】
電源供給部74は、複合端子77に接続されており、立位撮影台18を介して電子カセッテ17に電源供給を行なう。無線通信部73は、電子カセッテ17を立位撮影台18に取り付けないで使用する際に、電子カセッテ17の無線通信部61と無線通信を行う。
【0068】
以下、本実施形態の作用について説明する。X線撮影システム10で撮影を行う際には、図4に示すように、立位撮影台18のカセッテホルダ28から、把手34を利用してトレイ30を引き出し、電子カセッテ17の照射面22を前方に向けた姿勢(取り付け面30aと電子カセッテ17の背面が対面する姿勢)で、第1挟持部材35及び第2挟持部材36を利用して電子カセッテ17をトレイ30に取り付ける。
【0069】
具体的には、図6(B)に示すように、第1挟持部材35の複合コネクタ38を突出位置に移動させて、ロック機構39で複合コネクタ38の位置をロックする。そして、複合コネクタ38と複合端子24が対面するように、第1挟持部材35に対して電子カセッテ17の位置を合わせる。その状態で、第1挟持部材35と第2挟持部材36の間に電子カセッテ17が収まるように、第2挟持部材36を移動する。そして、電子カセッテ17の第1側面21aを第1挟持部材35の挟持面35aに当接させる。複合コネクタ38と複合端子24の位置は合わせてあるため、この当接により複合コネクタ38と複合端子24は嵌合されて接続される。そして、第2挟持部材36のバネ付勢を利用して、第2挟持部材36を電子カセッテ17の第2側面21bに当接させることにより、第1挟持部材35と第2挟持部材36で電子カセッテ17を挟み込む。これにより、電子カセッテ17は、トレイ30に取り付けられる。
【0070】
電子カセッテ17をトレイ30に取り付けた後、複合ケーブル45の複合コネクタ44を外部接続端子43に接続する。その後、トレイ30をカセッテホルダ28に装填する。これにより、立位撮影台18の撮影面31と電子カセッテ17の照射面22が対面する。電子カセッテ17の複合端子24は、照射面22の中心線C1に対してオフセットされて配置されており、また、トレイ30がカセッテホルダ28に装填された状態において、複合コネクタ38は、撮影面31の中心線C2に対して、複合端子24と同じ方向に同じ量だけオフセットされて配置されている。そのため、トレイ30がカセッテホルダ28に装填されると、トレイ30に取り付けられた電子カセッテ17の照射面22の中心線C1と撮影面31の中心線C2が一致する。なお、複合ケーブル45と外部接続端子43の接続を、電子カセッテ17をトレイ30に取り付けた後に行っているが、電子カセッテ17をトレイ30に取り付ける前に行っておいてもよい。
【0071】
電子カセッテ17は、複合端子24と、立位撮影台18の複合コネクタ38、中継配線35c、外部接続端子43及び複合ケーブル45を介してコンソール13と有線接続される。これにより、電子カセッテ17とコンソール13は電気的に接続されて、両者間の通信と、コンソール13から電子カセッテ17への電力の供給が可能になる。
【0072】
立位撮影台18のカセッテホルダ28の高さを調節して、患者Pの被検部位とカセッテホルダ28の位置とを合わせる。また、カセッテホルダ28の高さおよび電子カセッテ17の大きさに応じて、X線源14の高さや照射野の大きさを調整する。次いで電子カセッテ17の電源を投入する。コンソール13では、入力デバイス71から撮影条件が入力され、CPU65により設定される。CPU65は、有線通信部72により、電子カセッテ17の有線通信部60に撮影条件を送信する。電子カセッテ17の制御部58は、受信した撮影条件に基づいて、X線の累積線量と比較する閾値を設定する。線源制御装置15には、操作パネル50によって管電圧、管電流、照射時間等の撮影条件が設定される。
【0073】
コンソール13は、有線通信部72によって電子カセッテ17に撮影の準備を行なわせる撮影準備指示を送信する。電子カセッテ17では、有線通信部60で撮影準備指示を受信した際に、FPD20を待機状態に移行させる。線源制御装置15は、照射スイッチ16から照射開始信号が入力されると、X線源14に対して照射開始指令を入力する。X線源14は、患者Pに向けてX線の照射を開始する。これと同時に線源制御装置15は、コンソール13を介して電子カセッテ17に同期信号を送信する。電子カセッテ17の制御部58は、同期信号を受信するとFPD20に蓄積動作を開始させる。
【0074】
線量測定部59は、FPD20の蓄積動作中にX線検出センサ63の出力電圧を積分して患者Pを透過したX線の累積線量を測定し、その測定結果を制御部58に入力する。制御部58は、X線の累積線量と閾値とを比較し、X線の累積線量が閾値に達したときに、有線通信部60からコンソール13を介して線源制御装置15に停止信号を送信させる。停止信号を受けた線源制御装置15は、高電圧発生器48に停止指令を送信してX線源14への電力供給を停止させ、X線の照射を停止させる。
【0075】
制御部58は、停止信号の送信と同時にFPD20の蓄積動作を終了させ、読み出し動作に移行させる。これによりFPD20から読み出されたX線画像のデータは、電子カセッテ17からコンソール13に送信され、所定の画像処理を経た後にHDD69に記憶されるとともにディスプレイ70に表示される。電子カセッテ17とコンソール13は、無線通信と比較して通信遅延が少ない有線通信により信号の送受信を行うため、正確なAECを行うことができる。
【0076】
以上説明したように、本実施形態では、撮影面31の中心線C2と複合コネクタ38の位置関係と、照射面22の中心線C1と複合端子24の位置関係は同じであるので、複合コネクタ38と複合端子24を接続するだけで、撮影面31の中心線C2と照射面22の中心線C1を一致させることができる。これにより、電子カセッテ17と立位撮影台18の位置合わせを簡単に行うことができる。
【0077】
また、電子カセッテ40や電子カセッテ41(図7(A)参照)のように、筐体や照射面のサイズが異なっても、電子カセッテを立位撮影台18に取り付ける場合には、照射面22の中心線C1と撮影面31の中心線C2が一致するように位置合わせが行われる。複合端子24及び複合コネクタ38は、照射面22の中心線C1及び撮影面31の中心線C2のそれぞれを基準として位置が決められているため、電子カセッテの筐体や照射面のサイズが異なっても、上述した要領で位置合わせを行うことができる。そのため、様々なサイズの電子カセッテを立位撮影台18に取り付ける場合でも、両者の位置合わせは簡単である。
【0078】
電子カセッテ17を立位撮影台18に取り付ける前に、電子カセッテ17に複合ケーブルを接続しておく必要がないので、複合ケーブルが邪魔になって作業に手間取り、あるいは複合ケーブルの取り回しを必要とする等の面倒な作業が発生することはない。また、複合コネクタ44は、立位撮影台18にしっかりと取り付けておくことができるので、電子カセッテ17を立位撮影台18に取り付ける際や、電子カセッテ17が取り付けられたカセッテホルダ28を移動させる際に複合コネクタ44が外れてしまうこともない。
【0079】
電子カセッテ17の複合端子24と、第1挟持部材35の複合コネクタ38とは、第1挟持部材35及び第2挟持部材36によって電子カセッテ17を挟み込む力を利用して接続されるので、確実に接続させることができる。
【0080】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態と同じ部品については、同符号を用いて詳しい説明は省略する。図9及び図10に示すように、本実施形態では、コンソール13から延びる複合ケーブル83が接続される外部接続端子82が、立位撮影台18の支柱部29の側面に設けられている。外部接続端子82と複合コネクタ38は、第1中継端子79、第2中継端子80、中継配線81を介して導通可能に接続される。
【0081】
第1中継端子79は、上記第1実施形態の外部接続端子43と同様に、第1挟持部材35に設けられている。ただし、第1中継端子79は、外部接続端子43と異なり、第1挟持部材35において、外部接続端子43が設けられた面と反対側の面、すなわち、トレイ30をカセッテホルダ28に装填したときに、トレイ挿入口28aとは反対側に位置する側面に設けられている。第2中継端子80は、カセッテホルダ28内に設けられている。第2中継端子80は、第1中継端子79と直接接続される中継端子であり、トレイ挿入口28aの奥において第1中継端子79と対向する位置に配置されている。第2中継端子80は、トレイ30がカセッテホルダ28に挿入されたときに第1中継端子79と接続し、トレイ30がカセッテホルダ28から引き出されたときに第1中継端子79との接続が解除される。
【0082】
中継配線81は、支柱部29及びカセッテホルダ28内に配設され、外部接続端子82と第2中継端子80とを繋ぐ。外部接続端子82には、複合ケーブル83の複合コネクタ84が接続される。このように本実施形態においては、電子カセッテ17とコンソール13から延びる複合ケーブル83は、複合コネクタ38、中継配線35c、第1中継端子79、第2中継端子80、中継配線81及び外部接続端子82を介して接続される。なお、外部接続端子82と複合コネクタ38を中継する中継端子や中継配線の構成は一例であり、中継端子や中継配線の数は適宜変更が可能である。
【0083】
本実施形態によれば、上記第1実施形態のように、トレイ30内で外部接続端子43に複合ケーブル45を接続する作業が不要となるため、立位撮影台18を利用した撮影の準備が容易になる。また、上記第1実施形態のように、カセッテホルダ28から複合ケーブル45が引き出されないため、カセッテホルダ28が支柱部29に対して上下動する際に複合ケーブルが邪魔になることもない。
【0084】
上記第1、第2実施形態では、複合端子24及び複合コネクタ38を、照射面22の中心線C1及び撮影面31の中心線C2から左方向にオフセットした位置に配置したが、中心線C1、C2を基準とするオフセットの方向は右方向でもよい。また、中心線C1、C2を基準とするオフセット量である長さLの具体的な値は任意であり、例えば、撮影台に取り付けて使用する複数種類の電子カセッテの中で最小サイズの電子カセッテの大きさを考慮して決めればよい。最大サイズの電子カセッテを基準にオフセット量を決めても、最小サイズの電子カセッテには適用できない場合があるからである。
【0085】
また、オフセット量である長さLは、複合端子24及び複合コネクタ38の幅の1/2以下でもよい。上記例では、オフセット量は、複合端子24及び複合コネクタ38の中心を基準に決められているため、それぞれの幅の1/2以下にした場合には、複合端子24及び複合コネクタ38と中心線C1、C2が重なる。そして、図11(A)、(B)に示すように、オフセット量をさらに小さくして、「0」にしてもよい。オフセット量が「0」の場合は、複合端子24及び複合コネクタ38のそれぞれの幅方向の中心が、中心線C1、C2と一致する。
【0086】
また、上記第1、第2実施形態では、電子カセッテ17の複合端子24にメス型端子、立位撮影台18の複合コネクタ38にメス型端子に嵌合するオス型コネクタを用いたが、オス型メス型の嵌合タイプに代えて、図12(A)、(B)に示すように、面接触タイプの端子及びコネクタを用いてもよい。面接触タイプの複合端子91及び複合コネクタ92は、それぞれの接続部分にオス型及びメス型(凹凸型)の嵌合部が無く、それぞれの接触面91a、92aが平面である。複合端子91の接触面91aは、筐体21の第1側面21aとの間で段差の無いほぼフラットな状態で露出されており、複合コネクタ92の接触面92aも、第1挟持部材35の挟持面35aとの間で段差の無いほぼフラットな状態で露出されている。複合コネクタ92の位置は固定されており、上記第1実施形態の複合コネクタ38のように、挟持面35aから突出する突出位置と収納位置の間で移動しない。
【0087】
図12(B)に示すように、第1挟持部材35の挟持面35aを第1側面21aに押し当てると、複合端子91の接触面91aと、複合コネクタ92の接触面92aが接触して、複合端子91と複合コネクタ92の接続が完了する。このような複合端子91と複合コネクタ92を用いれば、上記実施形態の複合コネクタ38のように突出位置から収納位置への移動作業をしなくても、第1挟持部材35の挟持面35aは、複合コネクタ92の突出が無いフラットな状態に保たれるので、フイルムカセッテやIPカセッテの取り付けに支障は無い。
【0088】
なお、複合端子91の接触面91aと、複合コネクタ92の接触面92aの接触を確実にするには、接触面91aと接触面92aの一方又は両方を、第1側面21a及び挟持面35aから僅かに突出させることが好ましい。この突出量は、フイルムカセッテやIPカセッテの取り付けに支障が無い範囲の量である。本発明において、第1側面21aや挟持面35aとの間で、接触面91aや接触面92aが段差の無いフラットな状態には、フイルムカセッテやIPカセッテの取り付けに支障が無い範囲で接触面91a、92aが僅かに突出した状態も含まれる。
【0089】
上記第1、第2実施形態では、第1挟持部材及び第2挟持部材により電子カセッテを上下方向から挟み込むようにしたが、幅方向から挟み込むように構成してもよい。また、第2挟持部材のみが移動するようにしたが、第1挟持部材も移動可能にしてもよい。立位撮影台を例に説明したが、臥位撮影台や、電子カセットを取り付けた寝台を水平及び垂直に移動させて立位撮影及び臥位撮影をできるようにした撮影台にも適用可能である。
【0090】
電子カセッテの接続端子に通信ケーブルのコネクタが接続されていないときには、AEC機能が停止されるようにしてもよい。この制御は、接続端子に対するコネクタの接続状態をセンサ等で監視することにより行なってもよいし、電子カセッテあるいはコンソールから接続状態を確認する信号を送信し、これに対する応答信号の有無によって接続状態を確認してもよい。
【0091】
また、AEC機能を利用するための通信を行う例で説明したが、AEC機能は無くてもよい。もちろん、電子カセッテとコンソールの有線接続は、AEC機能を利用する場合に最も必要性が高いが、AEC機能を利用する場合以外でも、有線接続が必要なケースはある。例えば、電波状態が悪い環境下で電子カセッテを使用する場合である。電子カセッテとコンソールの間では、コンソールからの制御信号や電子カセッテからの画像データの送受信が行われる。そのため、AEC機能を利用しなくても、電波状態が悪い場合には、無線通信の速度が低下したり、無線通信が行えない場合もあるので、電子カセッテとコンソールを有線接続する必要がある。
【0092】
AEC機能を利用せずに有線接続をする場合でも、電子カセッテを撮影台に取り付けて使用する場合には、電子カセッテと撮影台の位置合わせと、電子カセッテとコンソール等の外部装置との有線接続を簡単に行えるという本発明の効果が得られる。
【0093】
また、電子カセッテの接続端子と撮影台のコネクタを、それぞれ通信と電力供給が可能な複合タイプを例に説明したが、通信と電力供給のどちらかが可能なものでもよい。例えば、電波状態が良好でも、電子カセッテのバッテリが不足していて、電力供給のみを有線で行う場合もある。バッテリの容量は足りているが、電波状態が悪い場合には、通信のみ有線で行う場合もある。このような場合でも、上述の本発明の効果が得られる。
【0094】
また、X線の累積線量の測定に短絡画素を用いたが、それ以外の方法でX線の線量を測定してもよい。例えば、画素を構成するフォトダイオードにはバイアス電圧が印加されるが、フォトダイオードで発生する信号電荷の量に応じてバイアス線に流れるバイアス電流も変化する。こうしたバイアス電流を検出して、X線の線量を測定してもよい。また、画素のTFTをオフした状態でも、フォトダイオードで発生する信号電荷の量に応じて、僅かであるが信号線にリーク電流が流れる。このリーク電流を検出して、X線の線量を測定してもよい。
【0095】
また、ガラス基板を使用してTFTマトリックス基板を形成したTFT型のFPDを例に説明したが、半導体基板を使用したCMOSイメージセンサやCCDイメージセンサを使用したFPDでもよい。このうちCMOSイメージセンサを使用すると、次のようなメリットがある。CMOSイメージセンサの場合、画素に蓄積される信号電荷を読み出し用の信号線に流出させることなく、各画素に設けられたアンプを通じて電圧信号として読み出す、いわゆる非破壊読み出しが可能である。これによれば、蓄積動作中においても、撮像領域内の任意の画素を選択して、その画素から電圧信号を読み出すことによりX線の線量測定が可能である。したがって、CMOSイメージセンサを使用する場合には、上記短絡画素のように、X線の線量測定専用の検出素子を用いることなく、通常の画素のいずれかを、線量測定用の検出素子として兼用させることが可能となる。
【0096】
上記第1、第2実施形態では、制御部58で電子カセッテ17全体を制御する例について説明したが、例えばFPDを有する電子カセッテと、これに有線または無線通信によって接続された外付け型の制御装置とを有するX線撮影装置にも本発明は適用可能である。この場合、電子カセッテ17が取り付けられた立位撮影台18と制御装置との間を有線通信可能なように接続すればよい。
【0097】
本発明は、X線に限らず、γ線等の他の放射線を使用する態様にも適用することができる。
【0098】
なお、上述した発明とは直接関係は無いが、カセッテホルダに引き出し式のトレイが設けられ、トレイ上に電子カセッテが取り付けられる形式の撮影台においては、カセッテホルダからトレイごと電子カセッテが不用意に引き出されてしまうことを防止する引き出し防止機構があると便利である。
【0099】
引き出し防止機構の一案として、例えば電子カセッテの接続端子とカセッテホルダのコネクタを接続したときに、接続端子とコネクタの接続が不用意に外れないように接続をロックする機構を設けることが考えられる。しかしながら、接続端子とコネクタは機械的強度があまり強くないため、例えば、誤ってロック機構の解除を忘れて電子カセッテが取り付けられたトレイを無理にカセッテホルダから引き出してしまったような場合には接続端子やコネクタが破損するおそれがある。また、接続端子とコネクタのサイズは比較的小さいため、そのサイズの制約を受けてロック機構のサイズも小型化せざるを得ない。ロック機構が小型であると、必要な強度を確保するのが難しいことに加えて、製造や組み立てもしにくいという問題もある。そこで、引き出し防止機構としては、以下に示すように、カセッテホルダとトレイをロックするロック機構を設けることが好ましい。
【0100】
図13及び図14において、カセッテホルダ100は、上記第1、第2実施形態のカセッテホルダ28と同様に、トレイ101が装填されるトレイ挿入口100aが側面に設けられている。また、カセッテホルダ100の内側面には、トレイ101の装填をガイドする一対のレール102が設けられている。レール102は、カセッテホルダ100の底面100bから所定の高さ分浮かして配置されている。これによりカセッテホルダ100とトレイ101との間にはカセッテホルダ100とトレイ101のロック機構を設けるためのスペースが空けられる。
【0101】
トレイ101の前面には、トレイ101に対する電子カセッテ103の取り付け位置を決める位置固定枠104が設けられている。位置固定枠104は、電子カセッテ103の複合端子107が設けられる一辺を除く、三辺を囲う形式のものである。位置固定枠104の位置やサイズは、トレイ101に取り付けられる電子カセッテ103のサイズに合わせて形成されている。そのため、電子カセッテ103を位置固定枠104に取り付けると、トレイ101の適正位置に電子カセッテ103が位置決めされる。もちろん、様々なサイズの電子カセッテに対応できるように位置固定枠104の位置やサイズを調節できるようにしてもよい。
【0102】
また、トレイ101の側面板101cには、カセッテホルダ100への装填とカセッテホルダ100からの引き出しの際に手が掛けられる把手106が設けられている。
【0103】
カセッテホルダ100のトレイ挿入口100aの奥には、電子カセッテ103の複合端子107が接続される複合コネクタ108が設けられている。複合コネクタ108は、コネクタ保持板110によって保持されている。複合端子107及び複合コネクタ108は、例えば図12に示した面接触型のコネクタである。複合端子107と複合コネクタ108は、電子カセッテ103を位置固定枠104に取り付けたときに対面するよう配置されている。
【0104】
コネクタ保持板110は、トレイ挿入口100aに向けてバネにより付勢されている。コネクタ保持板110は、電子カセッテ103が取り付けられたトレイ101が装填されると、複合コネクタ108が電子カセッテ103の複合端子107からの押圧を受けてカセッテホルダ100の奥に押し込まれる。トレイ101が装填された状態では、コネクタ保持板110にはトレイ挿入口100aに移動する方向にバネの付勢力が働くため、複合コネクタ92と複合端子107がしっかりと接続される。
【0105】
カセッテホルダ100の底面100bにはフック120が設けられている。また、トレイ101の背面101eには四角柱状の突起121が設けられている。これらフック120と突起121とでカセッテホルダ100とトレイ101のロック機構を構成する。
【0106】
フック120は、爪部122と、爪部122に対して直角に曲げられたアーム部123とで構成される。爪部122は、突起121と係合してトレイ101を装填位置にロックする。爪部122には、トレイ101がカセッテホルダ100に装填されるときに突起121により押される傾斜面124が形成されている。
【0107】
爪部122とアーム部123の繋ぎ目には回転軸125が取り付けられている。フック120は回転軸125を中心に回転する。爪部122にはバネ126の一端が取り付けられ、バネ126の他端は底面100bに取り付けられている。フック120はバネ126により時計回り方向に付勢されている。
【0108】
アーム部123には、棒状の解除部材127の先端128が当接する。解除部材127は、カセッテホルダ100の底面100bとトレイ101の背面101eとの間のスペースを這うようにトレイ挿入口100aに向けて延設され、基端がトレイ挿入口100aから突出している。基端には解除部材127を押すためのツマミ129が設けられている。
【0109】
解除部材127は、底面100bの所々に設けられたいくつかの保持パイプ130に挿通されている。解除部材127には保持パイプ130から抜けないよう保持パイプ130の手前の位置に抜け止め131が設けられている。抜け止め131は、アーム部123に解除部材127の先端128が当接することで、フック120がバネ126の付勢によって図の初期位置からこれ以上時計回り方向に回らないようにするストッパーの役目も果たしている。
【0110】
図15(A)において、トレイ101をカセッテホルダ100に装填していくと、途中で突起121が爪部122の傾斜面124に当接する。そして、突起121によって傾斜面124が押され、これによりフック120がバネ126の付勢に抗して回転軸125を中心に反時計回り方向に回転する。突起121は傾斜面124を滑るように移動し、突起121が傾斜面124の終端にきたところで爪部122が突起121に乗り上げる。さらに装填を続けると爪部122がバネ126の付勢により時計回り方向に回転して、図15(B)に示すように爪部122と突起121が係合してトレイ101が装填位置にロックされる。
【0111】
トレイ101をカセッテホルダ100から引き出す際には、ツマミ129を介して解除部材127を押す。これにより図15(C)に示すように、解除部材127の先端128でアーム部123が押されて、フック120がバネ126の付勢に抗して反時計回り方向に回転され、爪部122と突起121の係合が解除される。爪部122と突起121の係合が解除されると、コネクタ保持板110の付勢によりトレイ101がトレイ挿入口100aから自動的に押し出される。
【0112】
このように、引き出し防止機構を、カセッテホルダ100に設けたフック120とトレイ101に設けた突起121とを有するロック機構で構成するため、無理にトレイが引き出された場合でも、複合端子や複合コネクタに無理な力が作用することはないため、複合端子や複合コネクタが破損することはない。また、フック120と突起121は、複合端子と複合コネクタとの接続をロックする機構と比較して大型にできるため、必要な強度を確保したり、製造及び組み立てを行うことも容易である。
【0113】
なお、ロックを解除する方法としては、上記例の解除部材を押す方法の他に、トレイ101をコネクタ保持板110側に押し込む操作と連動して解除部材が押されるようにしてもよいし、フック120を図15(B)等に示す初期位置と図15(C)に示す係合解除位置とに動かすソレノイド等の電磁アクチュエータを設け、カセッテホルダ100やトレイ101の外面には電磁アクチュエータを駆動するための操作ボタンを設けて、操作ボタンの操作に応じて電磁アクチュエータによりフック120を係合解除位置に動かすことでロックを解除してもよい。把手106に手を掛けたときにロックが解除されるよう、操作ボタンを把手106に設けてもよい。
【0114】
なお、図13〜図15に示したロック機構を、図1〜図12に示した本発明と組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0115】
10 X線撮影システム
11 X線発生装置
12 X線撮影装置
13 コンソール
14 X線源
15 線源制御装置
17 電子カセッテ
18 立位撮影台
20 FPD
21 筐体
21a、21b 第1、第2側面
22 照射面
24、91、107 複合端子
28、100 カセッテホルダ
30、101 トレイ
31 撮影面
35、104 第1挟持部材
36、105 第2挟持部材
35a、36a 挟持面
38、92、108 複合コネクタ
43、82 外部接続端子
58 制御部
59 線量測定部
60 有線通信部
72 有線通信部
79、80 第1、第2中継端子
80 第2の外部接続端子
120 フック
121 突起
127 解除部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線画像を検出するフラットパネルディテクタと、前記フラットパネルディテクタを収容する筐体とを有する電子カセッテと、前記電子カセッテが着脱自在に取り付けられる撮影台とを備えた放射線撮影装置において、
前記電子カセッテは、前記筐体の一面に形成され、放射線の照射を受ける照射面と、
前記照射面と直交する前記筐体の第1側面に設けられた接続端子とを有し、
前記撮影台は、前記電子カセッテを保持したときに前記照射面と対面する撮影面と、
前記第1側面、および前記第1側面と対向する第2側面にそれぞれ当接して前記電子カセッテを挟み込み、前記照射面と前記撮影面とを対面させた状態で前記電子カセッテを保持する第1、第2挟持部材とを有し、
前記第1挟持部材は、前記電子カセッテを保持したときに前記接続端子と接続されるコネクタを有し、
前記撮影面の中心線を基準とした距離及び方向を含む前記コネクタの位置関係は、前記電子カセッテにおける前記照射面の中心線を基準とした前記接続端子の位置関係と同じであり、
前記照射面の中心線は前記撮影台が前記電子カセッテを保持したときに前記撮影面の中心線と同じ方向に延びていることを特徴とする放射線撮影装置。
【請求項2】
前記第1、第2挟持部材は、前記撮影面の中心線と直交する方向に延びていることを特徴とする請求項1記載の放射線撮影装置。
【請求項3】
前記接続端子は、前記照射面の中心線に対してオフセットした位置に配置されており、
前記コネクタは、前記撮影面の中心線に対して前記接続端子と同じ方向に同じ量だけオフセットした位置に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の放射線撮影装置。
【請求項4】
前記接続端子は、前記照射面の中心線と重なる位置に配置されており、
前記コネクタは、前記撮影面の中心線と重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の放射線撮影装置。
【請求項5】
前記撮影台は、前記撮影面が設けられたカセッテホルダと、
前記第1、第2挟持部材が設けられたトレイとを有し、
前記トレイは、前記カセッテホルダに対して装脱自在であり、
前記第1、第2挟持部材によって前記電子カセッテが挟み込まれることによって前記接続端子と前記コネクタが接続されて前記電子カセッテが前記トレイに取り付けられ、
その状態で前記トレイが前記カセッテホルダに装填されると、前記照射面の中心線と前記撮影面の中心線が一致することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の放射線撮影装置。
【請求項6】
前記接続端子はメス型、前記コネクタはオス型であり、
前記コネクタは、前記第1挟持部材の前記電子カセッテを挟み込む挟持面から突出しない収納位置と、前記挟持面から突出する突出位置との間で移動可能であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載の放射線撮影装置。
【請求項7】
前記コネクタは、前記接続端子に接続されるときに、前記突出位置に移動されることを特徴とする請求項6記載の放射線撮影装置。
【請求項8】
前記接続端子は、前記第1側面との段差が無いフラットな接触面を有し、
前記コネクタは、前記第1挟持部材の前記電子カセッテを挟み込む挟持面との段差が無いフラットな接触面を有し、
前記第1挟持部材の前記挟持面を前記第1側面に接触させて、前記第1、第2挟持部材で前記電子カセッテ挟み込むと、前記接続端子と前記コネクタの接触面同士が接触して接続されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載の放射線撮影装置。
【請求項9】
前記電子カセッテは、放射線源から照射されて被写体を透過した放射線の線量を測定する線量測定部と、
前記線量測定部の測定結果を閾値と比較する制御部と、
前記接続端子と前記コネクタとの接続により構築される通信部とを含む自動露出制御部を有し、
前記測定結果が閾値に達したとき、前記制御部は、前記通信部を介して、前記放射線源に前記放射線の照射を停止させるための停止信号を送信することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項記載の放射線撮影装置。
【請求項10】
前記接続端子及び前記コネクタは、前記電子カセッテと、前記撮影台の外部に配置され、前記電子カセッテを制御する外部装置とを通信可能に接続することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項記載の放射線撮影装置。
【請求項11】
前記撮影台は、前記接続端子及び前記コネクタを介して、前記電子カセッテと前記外部装置とを電気的に接続するために、前記外部装置から延びるケーブルが接続される外部接続端子を有することを特徴とする請求項10記載の放射線撮影装置。
【請求項12】
前記外部接続端子は、前記第1挟持部材に設けられていることを特徴とする請求項11記載の放射線撮影装置。
【請求項13】
前記撮影台は、前記外部接続端子と前記コネクタを中継する少なくとも1つの中継端子を有することを特徴とする請求項11または12記載の放射線撮影装置。
【請求項14】
前記中継端子は、前記第1挟持部材に設けられた第1中継端子と、
前記カセッテホルダに設けられた第2中継端子とを含み、
前記トレイが前記カセッテホルダに挿入されたときに前記第1中継端子と前記第2中継端子が接続され、
前記トレイが前記カセッテホルダから引き出されたときに前記第1中継端子と前記第2中継端子の接続が解除されることを特徴とする請求項13記載の放射線撮影装置。
【請求項15】
前記接続端子及び前記コネクタは、前記外部装置から前記電子カセッテに電源を供給可能なように、前記電子カセッテと前記外部装置とを接続することを特徴とする請求項10ないし14のいずれか1項記載の放射線撮影装置。
【請求項16】
前記接続端子は、前記外部装置と通信を行うための通信端子と、前記電子カセッテに電力を供給するための電源端子とを一体化した複合端子であり、
前記コネクタは、前記外部装置と通信を行うための通信コネクタと、前記電子カセッテに電力を供給するための電源コネクタとを一体化した複合コネクタであることを特徴とする請求項10ないし15のいずれか1項記載の放射線撮影装置。
【請求項17】
前記第1、第2挟持部材は、前記電子カセッテを上下方向に挟み込むことを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1項記載の放射線撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−81768(P2013−81768A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−209332(P2012−209332)
【出願日】平成24年9月24日(2012.9.24)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】